内閣委員会

2003-05-08 参議院 全95発言

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会議録情報#0
平成十五年五月八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月六日
    辞任         補欠選任
     岩佐 恵美君     筆坂 秀世君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                阿部 正俊君
                森下 博之君
                長谷川 清君
                吉川 春子君
    委 員
                阿南 一成君
                竹山  裕君
                西銘順志郎君
                野沢 太三君
                山崎 正昭君
                岡崎トミ子君
                川橋 幸子君
                松井 孝治君
                白浜 一良君
                山口那津男君
                筆坂 秀世君
                島袋 宗康君
                黒岩 宇洋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   参考人
       財団法人日本生
       物科学研究所理
       事        山内 一也君
       株式会社イトー
       ヨーカ堂取締役  大森  勉君
       日本生活協同組
       合連合会専務理
       事        品川 尚志君
       元大阪大学講師  藤原 邦達君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○食品安全基本法案(内閣提出、衆議院送付)
○連合審査会に関する件
    ─────────────
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小川敏夫#1
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る六日、山下栄一君及び岩佐恵美さんが委員を辞任され、その補欠として白浜一良君及び筆坂秀世君が選任されました。
    ─────────────
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小川敏夫#2
○委員長(小川敏夫君) 食品安全基本法案を議題とし、参考人の方々から意見を聴取いたします。
 参考人を御紹介いたします。
 財団法人日本生物科学研究所理事山内一也君、株式会社イトーヨーカ堂取締役大森勉君、日本生活協同組合連合会専務理事品川尚志君及び元大阪大学講師藤原邦達君、以上四名の方でございます。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところを当委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本法案につきまして、皆様から忌憚のない御意見をいただき、審査の参考にしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、参考人の皆様から、山内参考人、大森参考人、品川参考人、藤原参考人の順に、お一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人の御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず山内参考人からお願いいたします。山内参考人。
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山内一也#3
○参考人(山内一也君) 山内でございます。
 本日は、発言する機会をお与えいただきましてありがとうございます。私は、これまでウイルス学の専門家としてウイルスによるいろんなリスクの問題、それからウイルスの延長線としてのBSEにおけるリスクの問題等にかかわってまいりましたが、一人の科学者としての見解を今日お話しさせていただきたいと思います。
 私自身はBSE問題調査委員会に参画いたしまして、そこで報告書をまとめたわけですが、その中で食品の安全確保組織としてリスク分析の手法を取り入れ、リスク評価組織を独立させることを提案いたしました。その委員の一人として、今回提出されております食品安全基本法の内容は私たちの報告書の提案に沿ったものと考えております。
 私は、これまで科学者の一人として農林水産省、厚生労働省の審議会などでリスク評価に関する様々な問題にかかわってきました。これらの委員会は行政からの諮問に答える場であって、科学者の側から問題を拾い上げ提言する場としての機能は不十分であったと考えております。逆に、科学者の側でも委嘱された問題に答えるだけでした。今回の食品安全委員会の設置は、科学者にこれまでにない重要な責任を与えるものと受け止めております。
 リスクは危害要素により起こり得る危険の確率を推定するものです。危険という用語では表現し切れない内容と言えます。リスク評価を行うに当たっては、食品の安全性にかかわる問題とそれを取り巻く状況、これはリスクプロファイルと呼ばれるものですが、この面での検討を行った上で評価すべき問題を選び出して、科学的な面からのリスク評価を行わなければなりません。
 食品における最大の危害要素は細菌、ウイルス、寄生虫などの微生物です。そのほかに食品添加物、アレルギー物質など様々な要素があります。
 米国政府の発表では、アメリカ人の五千人が毎年食中毒で死亡していると推定されています。日本での実態は不明ですが、日本独自の生食文化に加えてグルメブームで寄生虫感染は年々増加しています。ウイルスによる胃腸炎は欧米で大発生を起こしております。日本でも増加の傾向が見られます。
 現在世界的な広がりを起こしております、示しております重症急性呼吸器症候群、SARSは、これはエマージング感染症、厚生労働省は新興感染症と訳しておりますが、これの典型なものでして、これ自体が食品流通にもいろいろな問題を提起しておりますし、また食品の安全性にかかわるものと考えられます。また、直接食品の安全性にかかわるようなこういった新しいウイルス若しくは微生物が出現することも考えなければいけないと思います。現実にBSEはその代表例と言えます。
 また、遺伝子組換え植物に由来する組換え食品が問題になっていますが、一方で動物バイオテクノロジーは現在進展しておりますが、これは組換え家畜の開発の面で非常に進んでおりまして、いずれ組換え食肉の問題も出てくることを考えなければならないと思います。
 こういったことはすべてリスクプロファイリングにかかわる問題と考えております。
 一方、リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーションの三要素に基づくリスク分析の手法は、BSE発生が契機で七年ほど前に国際機関により提唱されてきたものです。まだ十分に確立したものではなく、この手法をより発展させていくことも食品安全委員会に課せられた課題になると思います。
 食品におけるリスクの科学的評価には不確実性の存在することも指摘しておきたいと思います。リスクコミュニケーションはその不確実性を消費者に理解してもらう重要な手段と考えます。これには委員会での議論の内容の公開が重要な役割を果たすと考えております。
 本法案に関連した具体的問題として、以下についての私見も述べたいと思います。
 食品安全基本法案の第二十六条に、参考人、報告書作成依頼など、第二十六条、必要な調査委託の範囲、独立行政法人、民法第三十四条の規定による設立された法人、事業者その他の民間の団体、都道府県の試験研究機関又は学識経験を有する者に対し必要な調査を委託することができるとされていますが、リスク評価に当たっては海外の科学者の参加の必要が予想されます。BSEの例を挙げれば、これまでの国際的対策も日本での対策も、ほとんどはEUの科学運営委員会の見解に基づいて立てられてきております。海外の科学者を参考人に委嘱したり又は報告書の作成を依頼する必要性が出てくると思いますが、この法文の学識経験者を是非海外にまで広げて解釈できるようにしていただきたいと願っております。
 一方、第二十四条で、食品関連法律の改正に「委員会の意見を聴かなければならない。」と明記されている点は高く評価できます。
 これまで私は、例えば家畜伝染病予防法の目的が「家畜の伝染性疾病の発生を予防し、及びまん延を防止することにより、畜産の振興を図ることを目的とする。」となっている点が大きな問題とみなしてきました。要するに家畜の衛生ということが目的であって、人の安全というところは目的に入っていなかったわけです。食中毒の大きな原因である例えば大腸菌、腸管出血性大腸菌O157、これは牛が最大の感染源ですが、牛に病気を起こさないために家畜伝染病予防法の対象にはなっていません。一方、OIE、国際獣疫事務局の国際動物衛生規約の前文には、動物又は人に病原性を示す病原体の移動を阻止するためとなっています。これからは、食品関連のいろいろな法律、これがその目的の中に人の健康保持という内容を加えていただけることを期待しております。
 一方、一九九六年の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病出現を契機に、欧米で食の安全確保の組織が作られてきました。今回、配付されております法案資料四に、欧米での畜産・食品行政に係る組織再編についての現状が整理されています。しかし、BSEが最初に出現した英国でのBSEリスク評価組織、そしてEU全体でのBSEリスク評価組織と食品安全評価組織が述べられていませんので、レジュメに添付した表について簡単に御説明させていただきたいと思います。
 最後のページでございますが、EUには科学委員会があります。これはすべて科学者から成り立っております。そして科学委員会、そしてその中に九つの部会がありまして、第一が科学運営委員会、これはBSEのリスク評価を行っているところです。最も活発に活動しております。委員長はノーベル賞を受賞したクリスチャン・ドドユーブ教授、ベルギーの方ですが、委員十六名は、これはすべてEUの中から公募で、五十一名の中から公募で選抜された世界的クラスの科学者八名から成っております。そのほかに八名は、科学委員会のほかのセクション、下にずっと書いてありますが、八つのセクションの委員長が兼任しております。例えば、この公募で選ばれた八名の委員のうちの副委員長、これはウイルス学者でして、現在SARSの対策の最前線で一番最も活躍している方でもあります。
 一方、食品に関するリスク評価の組織として、二番に書いてあります食品に関する科学委員会、これはBSE以外の食品リスク評価を行っています。医学、栄養学、毒性学、生物学、化学などの専門家十九名ということです。そのほかいろいろな委員会がございます。
 そして、こういったEU全体としてのリスク評価が行われて、更にそれぞれの国におけるリスク評価組織、管理組織が作られているわけでありまして、例えば英国では、BSEリスク評価を海綿状脳症諮問委員会が行い、管理を食品基準庁が行うと。フランスの場合には、これは一九九九年に作られたわけですが、食品衛生安全庁、これは元々国立農業研究所が母体になっておりまして、そこがリスク評価を行っています。しかし、ここの職員自体がもう一方でEUの科学委員会の食品に関する科学委員会のメンバーとしてやはり参画しております。
 したがって、二重構造の中でこういうEUにおける食品リスク評価といったようなことが行われておりまして、日本の場合にはすべて自分のところでやるわけですから、それをどういうふうに持っていくかといった点についてこれから御検討いただきたいというふうに思います。
 以上で私の説明を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
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小川敏夫#4
○委員長(小川敏夫君) ありがとうございました。
 次に、大森参考人にお願いいたします。大森参考人。
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大森勉#5
○参考人(大森勉君) ただいま御紹介いただきましたイトーヨーカ堂の大森でございます。このような場で意見を述べさせていただくという機会をいただきまして、大変光栄に思っております。
 このたび、食品の安全ということに関しまして、行政が的確に対応すべく政策を取りまとめられて、なおかつ新体制を発足させるべく行為を起こされ、推進されておりますということに感謝申し上げます。
 食品安全基本法案というのを高く評価する者の一人として、食品関連事業者であります小売業、その中で消費者との接点に立つ者として、現場の立場で申し上げさせていただきます。
 まず最初に、その販売者責任を問われる小売業ということなんですが、おととしの九月に、食品の仕入れ責任者を私務めていたわけなんですが、最初のBSEの問題が起きました。その後、産地の改ざんであり、添加物の問題、農薬の問題、様々な問題が一気に吹き出たというのが現実でございました。
 私ども小売業では、それまでの安全管理という点では、生産者、メーカーとの信頼関係というのが大きなきずなでありました。小売業、販売している商品に対してすべて完璧なチェックはできない、各メーカー、生産者がきちんとした対応をしていただければ、我々はそれに基づいて販売をしていこうというスタンスでおりましたため、小売業の立場で力を入れておりましたのは、仕入れ担当者にきちんと教育をしていこうと。要は、都度変化していくそれぞれの基本であったり知識というものが、安全、表示に関する変更が起きるたびに全店を統一して動かなければいけないという点で、担当者への教育という点を重視してまいりました。
 それから、各商品の表示義務、これもメーカー様々ある中で、最低限のことから、ここまで表示するというメーカーまである商品がございますので、イトーヨーカ堂として、お客様の視点でどこまで漏れをなくきちんと表示義務を守れるかということに重視してまいりました。
 なおかつ、商品の保存検査という点では、各メーカー、生産者から保存期間というものが出てくるわけなんですが、お客様の、消費者の保存というものも考えた、私どもで販売する期間を独自に設定をしながら販売に努めてきたわけです。社内にあります、QCと書いてありますが、クオリティーコントロール、商品管理室ですね、こちらを通しまして、店頭に並ぶ商品については全メーカー、全商品何らかの確認をすべて取るという体制を過去から実施してきた次第です。
 ただし、おととしの九月以降、今まで信頼していた商品というのがすべて疑って掛からなければいけないという状況に陥ったわけです。本当に正しい表示なのか、表示以外のものが使われていることはないのかという疑いから商品をもう一度見直さなければいけない。それから、違法と指摘されたというものが本当に使用されていないかと。様々な問題が吹き出たわけですので、新聞紙上に載ってから各メーカーの問い合わせをするという事態も頻繁に起きてきた次第です。なおかつ産地の表示というものも加わってまいりまして、本当に産地に偽りがないのかと。細かいことでも、本当に原産国なり現地の証明書はあるのかという確認をそれぞれのメーカー、それぞれの商品にすべて取るという体制をしいたわけです。その中で、たとえ証明書があっても、本当に安全かどうかと。要は、自主的に再度確認しなければお客様への、消費者への安心というものが提供できないという商品も出てきた次第でございます。
 各メーカーも非常に混乱をしまして、問い合わせにすぐ答えるという体制がすべてしかれていたわけではございません。各担当、各商品の担当が、それぞれ書類がファイルされているとか、今までは考えなかったというような問題も出てきた次第であります。今まで販売していたものが突然回収ということになり、それが相次いで廃棄処分という形も行ってまいりました。メーカーを信頼、信用していたということが失墜いたしました。そして、すべての商品をもう一度消費者サイドで見直していこうという動きを取った次第です。
 メーカーは回収であったり、生産者は廃棄ということで大変だという認識はその当時あったわけなんですけれども、問題が発生する都度、商品の回収の指示、それから各店へそれを徹底させて販売を中止を確実にやらなければいけない、なおかつ消費者、お客様への説明ですね、既に食べてしまったけれどもとか、どんな影響があるのかと、これに対して的確な答えを来店されます消費者の皆様にすべて話せる体制を取らなければいけないということで、最大の混乱は、各メーカーはそれぞれの商品なんですが、すべてを販売しております小売業が一番混乱をしたんではないかと私は思っております。
 その後、自主的に当社としてスタートさせましたのは、業界で最初かと思うんですが、表示改善のプロジェクトを社内で立ち上げさせてもらいました。本当に分かりやすい表示になっているのか、表示をするということから安心、安全がどう消費者に伝えられるのかという視点で、表示をすべて見直しました。
 なおかつ自主基準も設けなければいけないという事態も生じてまいりまして、特選とか特級とか、大とか特大とかいう表現、何を基準にしてその表示をしているのかということで、公の基準がないものについてはすべて、大とか特大というような紛らわしい表現はすべてやめようというようなことを決めながら動いてきた次第です。
 なおかつ販売員がパート、アルバイトに頼っているという部分もございますので、人的ミスをなくすということで、本部で配信できるものについてはIT化、システム化を進め、投資をし、少しでも人的ミスを防いでいこうという対応も取ってきた次第でございます。
 もう一点は、情報の開示でございます。牛肉のトレーサビリティーの問題から、パソコンで履歴をきちんと確認ができるようにしようという動きから、その他生鮮食材に関しても、顔の見える野菜、既に六十店舗ほど立ち上がっているんですが、生産履歴の開示をしていこうという動きも取ってまいりました。
 これは私どもの動きなんですが、個々の企業の取組というのも、安全について消費者の視点で見直しが私は進んできたというふうにとらえております。
 食品安全行政というのも個別の法で行われ、それぞれが行われてきたわけなんですけれども、我々の方も企業ごとの動きというのを取ってきたわけなんですが、この食品安全基本法案というのが包括的な法律としてできるという点では大きな期待と高い評価をしている次第でございます。
 今後、一つ一つの基準が作られてくると思いますが、幾つか申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 一つは、小売業の立場では、日本の基準というものに対して世界の基準というものがあるという点でございます。
 科学的な見地から日本としての基準を持つという形になるわけなんですが、海外から様々な商品が日々入ってくるという中で、日本としての基準を示し、消費者の安全を求める声にこたえる体制というのを望んでおります。日本の基準というのが本当に海外の生産者であり、加工業者、それから検査機関というところに至るまで理解され、海外各国との差を明確にした中で動かなければ、国内搬入後にまた大きな混乱を生じるんではないか、要因になり得るというふうに思っております。
 二つ目は、既存の基準値というものをもう一度ゼロから見直さなければいけないなというふうにお願いしたいと思います。
 一例ですが、ホウレンソウの農薬でクロルピリホスの問題が出ました。そのときの基準値が、ホウレンソウは〇・〇一ppmです。コマツナにつきましては二ppmということで、同じ葉物でありながら二百倍の基準差があるという点も数値上は出てまいりました。
 科学的な見地という点でも様々な問題が出てくるというふうに考えられますけれども、現行の見直しにとどまらず基準作りを進めていただきたい、それに基づいて私どももきちんと販売をしたいというふうにとらえております。
 私どもも、その基準値についてなんですが、許容量に甘んじるということではなくて、各商品に対して減らす努力、若しくは使わない努力というのは日々実施していくことが食品関連業者の仕事ということになってくるかというふうに考えております。
 三つ目は、検査体制の問題でございます。
 全量、全商品検査するということになりますと、食品の場合、売るものなくなっちゃいますので抜取りでの検査という形になっていくわけなんですが、全量検査でない以上は、私どももそれぞれ小売業の立場で自主検査というものを行っていかざるを得ないというふうにとらえております。
 一例ですけれども、農産物の農薬検査というのも、商品によっては五十種類を超える農薬の検査をしているという商品もございます。生産者、ロット、畑ごとというような形になりますと、本当にどこまで検査ができるのかということが問題になってくる部分もございます。
 公的な機関に検査を依頼し、ピーク時は二週間以上結果が出るまで五十数種類の農薬の検査には掛かっておりましたが、今は一週間を掛からないという状況にはなってきております。その日に食べてしまう食品でございますので、特に生鮮食品につきましては、その場で結果をというのは当然無理な話なんですが、今後、検査期間、検査が短縮され、しかもコストも抑えられ、結果データが信頼できるデータになるというような検査機器の開発の支援等も含め、今後とも御尽力をいただきたいなというふうにとらえております。
 当社としても、食品安全義務なり通知義務というのはもう守って当たり前と認識しておりますが、安心して販売できる商品というためには、生産者段階での法理遵守とともに進めていく所存でございます。
 この食品安全基本法、是非制定していただきたくお願いし、終わらせていただきます。ありがとうございました。
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小川敏夫#6
○委員長(小川敏夫君) ありがとうございました。
 次に、品川参考人にお願いいたします。品川参考人。
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品川尚志#7
○参考人(品川尚志君) 御紹介いただきました日本生協連の品川と申します。このような場で私どもの意見陳述の機会を与えていただきまして、大変感謝いたしております。
 全国の生活協同組合では、長年、食品の添加物ですとか残留問題などを始めといたしまして、食品の安全性を確保しようということで自らの事業上の努力、あるいは社会的ないろんなシステムについての提言、発言等をしてきておりますけれども、特に九〇年代に入り、その中ごろから、O157とか遺伝子組換え食品とか、あるいはダイオキシン、環境ホルモン、BSEというような、それ以前にはなかった新しい食品安全問題というのが、これも日本国だけではなくて世界同時多発というふうな形で発生してくるということになってきまして、改めて食品安全行政の抜本的充実強化が必要だろうということでいろんな運動を進めてきております。
 私ども自体も、ヨーロッパにこのころにも調査団を派遣したりいろいろ情報収集等を行いながら、一九九八年にはリスク分析というシステムがこれはどうしてもこういう時代には必要だろうということで日本生協連としての見解としてまとめて、消費者の中での学習活動を進めたり、あるいは私どもも、生協の事業上の運営についてもこうしたリスク分析の考え方を取り入れようとか、それから社会的な制度としてもそうしたものが必要だろうということで意見表明するとか、そんなことをしてきたわけでございます。
 ただ、事業上の努力をしようというふうなことをこの時点でもリスク分析の考え方を取り入れてというふうに考えましたが、昨年来の食品の偽装表示問題というふうなことでは私どもの生協の商品自体でもそういう問題が発生してしまっておりまして、そういう点では改めて私どもも事業者としての品質管理の責任、メーカー管理の責任等を痛感しているところでございます。
 そんなことをたどりながら、特に西暦の二〇〇〇年、二〇〇一年には、当面具体的にはということで、食品衛生法の抜本的改正をお願いしようということで国会請願署名なども行いました。全国で一千三百七十三万人の署名を得ることができました。衆参両院合わせて五百四十二人の国会議員の方々の御賛同もいただいて、国会請願としては最終的には採択いただいたと、そんな経過をたどってまいりました。
 そういうお願いを、あるいは要請をいろいろしてまいりました生協ということでいいますと、今回の法案は十分完全というふうなことは言えないまでも、私たちの求めに大筋で沿った内容であるというふうに思いますし、我が国の食品安全を確保する法制度ということでいいますと抜本的な改革であるというふうに考えております。
 例えば、国民の健康のために食品の安全を確保することが国の責務だということがこの法案では明記されております。現行の日本の法律には、例えば食品衛生法には公衆衛生の維持向上のために業者を取り締まる国の権限、国の裁量権というふうなことは決まっていますが、食品の安全のための国の責務というふうなことが決まっている法律は全く存在していないのが現行の法律でございます。あるいは、新しいリスク分析手法の採用なり食品安全委員会の設置というふうなことが決められるわけですし、あるいは例えば国民の意見反映、リスクコミュニケーションというふうなことが国の義務、国の責任ということで、これも法文上明記されることになります。
 国民の意見反映を国の責任とするというふうな、そんな法律も現行法には全く存在していないわけでありまして、ごく一例を述べましたけれども、そんなような点を見ても、もしこの法律が成立しなければ、結局現行の法律、国の責任が明示されている文言は何もない法体系のまま残されるということでありますので、是非ともこの法案が今国会で成立するということを期待申し上げたいというふうに思います。
 ただ、法律の条文だけで食品の安全と安心が確保されるのか。そんなことはあり得ないということでありまして、法律の目的、第一条なりあるいは基本認識というふうな条項が第三条に起こされておりますけれども、そういう内容が現実の運用の中で実効性を発揮できるか否か、それが安全と安心が確保されるか否かを決めるということであろうというふうに思います。
 その実効性を確保するかどうかという点も多々あると思いますけれども、とりわけ重要なポイントは二つあるというふうに私どもとしては考えております。
 そのうちの一つ目は、新たに設置されます食品安全委員会が、条文第三条にも書かれていますように、「国民の健康の保護が最も重要であるという基本認識」、つまりこの最も重要だという最もの意味が、これは私の理解もあるのですけれども、とりわけこの法案が作られてくる経過で問題になりましたBSE問題への対応等が、関係各省がその国民の健康ということよりも産業振興なり事業者優先なり、そういうことに傾きがちであったというふうなことが強く批判もされて、そういう関係の中で国民の健康が最も重要と、こういう条文が起こされてきているのではないかというふうに私は理解しておりまして、そんな意味では、この食品安全委員会が、そういう基本認識の下に第二十一条では総理大臣に対して基本的事項にかかわる意見を述べることができるように記載されるわけですし、あるいは関係各大臣に対していろいろな勧告がこの委員会としてできる関係になりますので、そういう勧告権なり意見提出権を有効に発揮をして、いわゆる縦割り行政の壁を少しでも穴を空けていくというふうなことがどれだけできるかということであろうというふうに思います。
 それを現実のものにしていくためには、七人で構成されます食品安全委員会のこの委員メンバーの人選がどれだけ消費者のことへの理解もいただける、そういうメンバーの人選になるかということが一つございますし、それからこの食品安全委員会の下に専門調査会等の委員会等が持たれますので、そうした場への消費者参加、あるいはそうしたものの情報公開等がどれだけきちんと行われるか。
 それから三つ目に、特にこの食品安全委員会の下に事務局が編成されるわけですけれども、この事務局は、当面は農水省なり厚生労働省なり、あるいはその他から人が出てスタートをするということに現実的にはならざるを得ないと思いますけれども、早期にそうした関係省庁からの独立性をきちんと確保して、そうした関係省庁にも物の言える体制が事務局体制としてもきちんと確立されるということが必要だろうというふうに思います。
 それから、様々なリスク評価を行うためには情報収集なりデータ検討等が必要になるわけですけれども、当面、そうした各種の研究機関、専門機関がこの食品安全委員会には直結しておりませんで、農水省の下であったり厚労省の下に各種研究所があって、そうした研究所の情報がこの食品安全委員会に集まるということになるわけですけれども、それがやはりここで壁が立てられるのではなくて、きちんと情報の一元的な集約ということがこの委員会にできるかどうか、そんなこともポイントの一つとして大きいのではなかろうかというふうに思っております。
 それから、海外における情報ということですけれども、特に海外情報ということでいいますと、政府の集まりでありますコーデックス委員会という国際機関がそうした情報が一番集約される場であるわけですけれども、現状では、日本国ではこのコーデックス委員会の対応というのを文部科学省がコンタクトポイントになって関係省庁の担当の方々と御一緒に対応するというふうな関係になっているわけですけれども、できるだけ早いうちにこのコーデックス委員会へのコンタクトポイントなどもこの食品安全委員会の下に置かれて運用されるということが必要ではなかろうかというふうに思う次第です。
 あるいは、コーデックス委員会なども各国政府に対してもう何年も前から、各国の中に国内コーデックス委員会というのを作って消費者あるいは事業者等の関係者との意見交換をしながら国際対応をするようにという、そういう勧告などをしているわけですけれども、日本の国内ではこの国内コーデックス委員会というのが今もってきちんと編成されるというふうになってございませんので、そんな点がこの食品安全委員会の下にもきちんと作られるというふうなことも、独立性をきちんと確保し、関係省庁、リスク管理機関に対して物の言える食品安全委員会になっていく上で必要な点ではないか、運用上そんなことがいろいろなされる必要があるのではなかろうかというふうに考える点でございます。
 それから、運用上かぎを握る点の二つ目は、リスクコミュニケーションが実効性あるものとして運用されるかどうかという点が、これも非常に大きい点ではなかろうかというふうに思います。
 一つは、この食品安全委員会の下でリスクコミュニケーションについても委員会が作られ、そのありようについて検討するというふうに理解しておりますけれども、それについて、この食品安全委員会の場で行うということだけでなしに、それぞれのリスク管理機関においてもこうしたリスクコミュニケーションがきちんと制度化されて情報が公開され関係者との意見交換が行われる、そういう条件がきちんと整備されるということが必要だと思います。
 それから、特にこのリスクコミュニケーションというのは、まず行政、国が説明責任を果たすんだという姿勢で、分かりやすく説明する努力ということが必要だろうと思います。例えば、情報公開といいますと、かなり長大な文章がホームページに載せられて、これをもって情報公開をした、すべて終わりというふうな理解のされ方が時としてないわけではないというようなことでありまして、もちろんホームページを活用するということは大切なことではございますけれども、より分かりやすく説明をする努力、あるいは分かりやすく説明するにはそうした能力が必要だというふうに思うわけでありまして、そうしたことがきちんと作られていく、育っていく、そんなことが必要かというふうにも思うわけです。
 それから同時に、リスクコミュニケーションというのは、関係者、消費者ももちろんですし、事業者もその他科学者もメディアも、そういう関係者がすべて意見交換をしながら理解を深めつつ進めていこうということが基本だと思いますけれども、そんな点では、それぞれの関係者も、このリスク評価の問題なりあるいはリスク管理の在り方なりということについて冷静に科学的に評価をし、とらえ、リスクコミュニケーションに参加をしていく、そういう力をそれぞれに付けていく、高めていく、そのこともまた必要なことだというふうに感じておりまして、そんなことを含めたリスクコミュニケーションの運用力というのが、必ずしも法律ができてすぐにでき上がるというふうには思いませんけれども、早期に高められていくというふうなことが必要ではなかろうかというふうに思っている次第です。
 そんなふうなことが運用上大切な点で、かぎはその辺にあろうかというふうに思っております。そんなことを含めて、十分な御審議をされ、是非成立させていただければ有り難いというふうに考えている次第です。
 どうもありがとうございました。
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小川敏夫#8
○委員長(小川敏夫君) ありがとうございました。
 次に、藤原参考人にお願いいたします。藤原参考人。
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藤原邦達#9
○参考人(藤原邦達君) このたびは非常に貴重な場でこういう発言の機会を与えられたことを本当に感謝いたします。
 私は、長年にわたって食品衛生化学の研究に従事してまいりました。定年後は技術顧問という肩書で消費者団体の身近にいることを許されて今日に至っています。
 この機会に私は、この非常に重要な法案及び安全委員会の設置に関して若干の意見を申し上げたいと思います。
 最初に、私が本日の陳述の参考資料として幾つかの資料を、参考資料を持参しております。その一つは本日の陳述の要旨であり、二つ目は私自身の政府案に対する対案でございます。三つ目は政府案と私の案の相違点に関したもの、四つ目は私が提案したい安全委員会の組織図です。五つ目は諸外国の参考事例を若干付加させていただきました。
 今日申し上げたいのは二点ございまして、第一点は、政府原案の作成のプロセスについて、私はもっと時間を掛けて慎重を期すべきではなかったかということを申し上げます。これは、仮にいったんこの法案が成立したとしても、その後についても大変重要なことかと思っています。第二点は、この時点で法案ができるとすれば、せめて最低限政府原案に修正を加える、あるいは追加する部分が必要だという点についてでございます。
 この陳述の時間は非常に限られてございますので、最初はまず第一点の作成プロセスの在り方について申し上げることにいたします。第二点につきましては、以下の質疑の中で触れることができればと期待しております。
 ちなみに、私が主張したい修正あるいは追加の部分でございますが、一点は、消費者の権利の明文化ということです。二点は、ハードウエアに当たる行政の体制の整備についての明文化でございます。第三点は、いわゆる予防原則の明文化でございます。第四点は、食品安全委員会の組織体制の確立についてでございます。
 さて、第一点の政府原案の作成プロセスに関しての私の意見でございますが、御存じのように、EUでは二〇〇〇年一月に安全白書を発表しました。二〇〇二年の二月になって規則ができ、食品安全委員会等々が具体的に動き出すという形になっております。もっとも、九〇年代の後半を掛けて慎重な議論が行われてこういったことになってきたということでございますが、我が国の場合は、BSE委員会で、今日私申しますが、BSE委員会での議論の中で、これは本来BSE問題について行われた委員会であったわけですが、その第Ⅲ部のところにリスクアセスメント方式の問題が登場する、もちろん、それ以前からの意見等々あったわけですけれども。この中で六か月以内に成案提出ということがうたわれておりまして、実際に六か月後に政府原案ができ上がったと。つまり、非常に短期間に作られたということはやっぱり否定できないんではないか。諸外国では現在に至るまで世界の各国での取組が行われている中で日本が非常に早くこういう取組をした。これを高く評価すべきなのか、いやもっと慎重であるべきであったのかという二つの見方が可能ではないかと思います。
 御存じのように、EUではGLP、GMPの制度があり、またHACCPという考え方が定着し、その前提の中でリスクアナリシス方式というものが生み出されている。これは歴史的な経過です。あるいは歴史的な背景であると言ってもいいと思うんですが、その中で慎重論、慎重論の形として予防原則というような考え方も盛り込まれている、こういう経過がある。第二点は、EUと日本とはこの被害の体験を異にしている。第三点は、食風土とか食環境も全く違う。特に、輸入大国としての特徴を持っている。第四点は、国民性ももちろん違う。民族性と申しますか、農耕民族と狩猟民族というような違いもあるのではないか。第五点は、法体系も全く異なっているわけですね。そういう意味では極めて慎重に日本独特の法案を作る、あるいはシステムを作るということが必要であったというふうに私は思います。
 実際に一例があるわけですけれども、HACCPの場合ですが、私は衆議院の雪印の特別委員会での参考人の中でも申し上げたわけですけれども、慎重にHACCPのシステムを日本に定着させていく必要があるんではないか。この雪印事件の現場であった大阪の雪印の大阪工場でございますが、代表的なHACCPの指定、承認工場であった、この承認工場が大食中毒事件を起こしまして、ふたを開けてみると極めて乱脈であった。これは、監視とか指導の行政側の体制が問題を一つ持っていた、それからHACCPのシステムを規定する法律の在り方が不完全であった、あるいは企業のモラル、これにかかわる罰則等々も極めてルーズであった、そういったことがあったから、せっかくHACCPというものを持ち込んでも大失敗をしてしまった。つまり、HACCPを定着させるためにも一定の慎重論、根固めの期間が必要ではなかったか、議論をきちっとしていくことが大切ではなかったか、私はそんなふうに思っております。
 拙速ということ、これはやっぱりあらゆる場合に気を付けなければならないことだと思うんです。今回のリスクアナリシスの方式について、私はもちろん賛成の立場でございますし、この方式にのっとった様々な取組をしていらしたことを高く評価するわけですけれども、これを実際の法律としてあるいは行政の制度として我が国に定着させるために幾つか是非ともすべきことがあったんではないか。それは、この取組にかかわる関係者の見解をよく聞くことであったと思います。
 一つは、リスクアセスメントを行う当事者は科学者でございますが、研究者でございますが、本当に研究者の意見を正確に聞き取ったんだろうか。リスクアナリシスあるいは特にリスクアセスメントの難しさ、限界性、そのときの歯止め、様々な問題が残ってくるわけですけれども、本当にこの短い期間に聞くことができたか、これが第一点でございます。
 第二点は、リスクアセスメントの受け手であるリスクマネジメントの当事者、例えば行政のスペシャリストたちの意見を本当に聞いたんだろうか。食品衛生監視員あるいは検査員あるいは検疫所の職員の皆さん、保健所の関係者あるいは中央、地方の本庁の行政の先端にいらっしゃるスペシャリスト、そういう方々の御意見、受け手としての御意見をよく聞くべきであった。分離すればいいというのではありません。どうつなぐかということが重要でもあるわけですね。ですから、私は是非ともそういう方々の意見も十分聞くべきであったと思う。
 第三点は、実際に被害が起こる現場は地方公共団体、地方自治体でございます。地方自治体には地方の衛生研究所、保健所あるいは食品衛生部とかそういうセクションがある、その当事者の意見を本当に聞いたんだろうか。聞かねばならなかったと私は思います。
 第四点は、食品被害者の体験を聞くべきであった。あのときこうしていただいたらこういう被害は起こらなかったという体験がたくさん今日までに残されている、そういう中で予防原則というものを位置付けよという意見も出てくるわけですが、そういう意見を本当に聞いたんだろうか。
 第五点は、消費者の組織の見解を聞くということです。消費者の組織にも様々な意見がございます。日生協以外にもたくさんの消費者団体があるわけですが、その意見を本当に聞くことができたか、公聴会をやったか、本当にそういう点、満足な取組ができたんだろうか。
 第七点は、法曹関係者、つまり日本のPL法とか、あるいは消費者保護基本法とか、様々な法律との整合性という観点からいいますと、法律の専門家の意見ももっと聞くべきではなかったか。
 そして最後に、これは政府原案ができた後六か月という短期間に、本当に野党の皆さん方の御意見も反映できたんだろうか、率直に私は疑問を持っております。
 いずれにしろ、諸外国ではこのシステムあるいは行政の具体的な組織作りというのは今始まったばかりです。英、独、仏あるいはEU含めて二〇〇〇年前後から始まった。試行錯誤の段階にある。たくさんの情報を我々は期待せねばならない。日本独自の在り方を検討する、そのための大事な時間、これが本当に充実したものであったかどうか、私はその点を特に主張しておきたいと思うんです。そうした取組であるための、あるいは抽象的な、概念的な取組でないための在り方ということが大変注意しなければならない点だと思います。
 それから、リスクアナリシスというものが本当にいいものとして、誤りのないものとして、問題のないものとして取り扱われることも警戒しないといけないと思うんですね。リスクアナリシス自体についての検討の必要性も大いにあったんではないか。理論的に、実際的にリスクアナリシスの到達点はどうなのか。御存じのように、環境アセスメント自体についても様々な議論があるんです。食品のアセスメントについても様々な問題が残されている。そういう問題点の把握についての在り方がこれで十分なのか、私は疑問を持っています。
 例えば、今はやりのSARSでございますけれども、データがほとんどないような初期の状態でどのようにアセスするか、このことが問われてくるわけですね。それほど簡単なものではない。私は資料三の中に、私の経験したたくさんの食品被害事例を挙げておきました。PCB、GMO、これは遺伝子組換え食品です。環境ホルモン、あるいは食品添加物、農薬、あるいは様々なO157等々の食中毒、初期の段階にはアセスメントは不可能の状況が生まれてくるわけですね。そういう段階ではどう対応するか、こういうことも問われてくる。これは現実問題であるということです。こういう現場に立ち会った研究者の意見ももっと聞かれるべきではなかったでしょうか。
 第二点は、リスクアセスメントの結論に至る論理形成のプロセスをどうするか。これは慎重な論理形成が必要であると思います。相手によって、ウイルス、細菌、非生物の様々な化学物質等々についてそれぞれの論理形成のプロセスが必要である。
 第三は、対立意見の処理の在り方です。現在の法案では多数決で決めるというふうにございますけれども、科学的な議論について多数決という原則が適用できるんだろうか。一名でも異議のある場合の処理というものが必要ではないんだろうか。
 第四点は、保留措置ですね。科学的な根拠が不完全ではあるけれども、もしそれがあり得たとすれば大変なことになる。ここで予防原則の考え方というものがどうしても登場せざるを得ない。EUではこれを明文化しているんですが、今回の法律では明文化していない。
 第五点は、専門家の養成です。聞くところによれば、日本ではリスクアナリシスの専門家はいないなんてことのようでございますけれども、専門家の養成にも一定の時間が必要であろうと思います。
 それから第六点は、テーマのリクエスト主体はだれなのか、どうするのか。テーマの設定あるいはその取り上げる順序をどうするのか。こういう手続問題があります。
 それから第七点は、勧告された側の、つまり指示された側のマネジメントを行う受容体である行政側の準備態勢はこれで十分なのか。実効性を上げようと思ったらそこのところが非常に重要な意味を持つわけですね。
 最後に申し上げたい八点は、国民的なコンセンサスの構成のためにどのような取組があるのかということです。あるいはあったのかということでございます。
 私は、以上のように申し上げますと、これはまだまだやるべきことがたくさん残されていた、いたずらに早かったからいいというような考え方をしてはならない。もっとそういう根締めをしっかりやった上で、本当に国民の命と暮らしを預けるに足るような食品安全基本法とし、あるいはそのための安全委員会を作るというふうな慎重な考え方が大事ではなかったか、そのようなことを申し上げておきたいと思います。
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小川敏夫#10
○委員長(小川敏夫君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑時間が限られておりますので、簡潔に御答弁いただくようお願い申し上げます。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
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阿部正俊#11
○阿部正俊君 それじゃ、参考人の方々に少し質問させていただきたいと思います。
 自由民主党の阿部正俊でございます。
 本日はどうも御苦労さんでございます。私どもの方からお声を掛けさせていただいた方等もおられますし、日ごろいろんな意味で御縁のある方が多いので今更という感じもしないでもないんですけれども、わざわざ御出席いただきまして恐れ入ります。ありがとうございます。
 端的にお聞きしたいと思います。
 大方の方々から今回の食品安全基本法案につきまして、それなりの大きな方向転換であり新しいスタートではないか、評価したいと、こんなふうな基本的な視点が多く語られたわけでございますけれども、私はあえて少し皮肉っぽくといいましょうか、視点からお聞きさせていただきますので、あえてですね、どうかひとつ余り誤解しないでお答えいただきたいと思います。
 まず山内参考人にお聞きしたいのでございますが、非常に科学者に対する質問として大変失礼な質問かもしれませんけれども、非科学的な質問でございますが、BSEの問題につきまして、よく牛骨粉につきまして、牛が牛を食べるということは神の摂理に反することであり、そのことが一番の、何というかな、原因といいましょうか、なんではないか、行き着くところまで来たというものがこれじゃないか、その辺から改めなきゃいかぬのじゃないかと、こういう指摘があるように思うんですけれども、この辺について端的にどう考えますか。
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山内一也#12
○参考人(山内一也君) 確かに、草食動物の牛に牛の肉骨粉を与えるのは神の自然の摂理に反するという意見がありますが、これは科学的によく考えますと、牛の、牛は反すう動物でありまして、その反すう胃の中、第一番目と第二番目の胃、この中では草を食べているんですが、バクテリアも一緒に繁殖し、それから同時に原生動物という小さな動物がたくさん増えるんです。そういった動物が実は消化されて第三、三つ目の胃である、これは人間の食道に当たりますが、そこを通って四番目の胃、これが人間の胃に当たるんです。そこでちゃんといろいろな動物性たんぱくが吸収されています。したがって、自然界で牛は動物性たんぱくでもって確かに栄養を取っているという事実があります。
 ですから、単純に自然摂理に反しているというのではなくて、これはやはり近代畜産がリサイクルという概念を持ち込んで、そこで病気が広がったということであります。
 でも、同じことは、例えば人の場合でしたらば、血液製剤によってエイズが広がっているわけです。構図は同じなんです。経口ではなくて、注射とか、そういったことでいっているわけですから、科学的には同じことと言っていいと思います。ですから、近代社会の抱えているいろいろな問題であるというふうにとらえるべきだと思います。
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阿部正俊#13
○阿部正俊君 分かりました。ありがとうございます。
 次に、第一線で消費者と向き合い、かつ食品の流通過程の第一線におられる大森さんと品川さんにお聞きしたいと思うんでございますが、先ほどからいろんな意味で、例えば品川さんは国の責務というのをきちっとうたったことは評価できるということでございますが、それはそれで私は大事だと思いますが。
 非常に皮肉っぽい言い方ですけれども、日本、我が国はよく安全、安心という言葉が好きなんですね、正直申しまして。そうすると、黙って座っていても何かやってくれる、国の権力なりあるいは事業者が責任を持ってやってくれて、私たちはいつも与えられたものを、ちゃんとしたものを与えられるべきであるというふうな発想で消費者というのは意外と、自主的な判断というよりもそういう受け身の形で物を見ている面がないかなというふうにむしろ皮肉かもしれませんけれども思います、あえて申し上げますと。
 ということからすると、もっと賢い消費者といいましょうか、というものをどう作り上げていくのかという共同作業をするのが、私は第一線の生協さんなりスーパーさんなりの一番の仕事なのかなと。それが、国のリスクコミュニケーションもありますけれども、それぞれの事業者でのリスクコミュニケーションもあると思いますし、そこが一番の事業者としてのリスクコミュニケーションの取り組んでもらいたい課題ではないだろうかなという気がいたします。
 私も地元で女房と一緒に買物によく行くんですけれども、えてしてやはり消費者というのは、いつも王様で、すべてセットされていて与えられていてというようなことを、どうしても慣れ切ってしまっている面が自分で自覚するのでございますが、もう一点、食というのは、自分が取り、かつある種のリスクというのを常に自分も負うという中での選択、自主決定というのがあるのでございまして、それを、何というのかな、自覚を消すようなことはしないで、むしろそういう賢い消費者としての自覚を高めていくようなことでの情報提供なりリードというのを是非事業者としておやりいただきたいものだなと、こんなふうな非常に抽象的な言い方ですけれども、思うんですけれども、そういったふうな考え方について、どうでしょうか、えてしてやはり国が、だれかが、第三者がしてくれるというふうな発想で物を見るんじゃなくて、もっと常にコミュニケーション取りながら、より賢い消費者というのを考えていただきたいなと思うんですけれども、何か方策なり御意見がありましたらお聞かせいただきたいと、お二人からお聞かせいただきたいと思います。
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大森勉#14
○参考人(大森勉君) おっしゃるとおりだと思いますが、私も小売業でいながら仕事を離れますと消費者でございますので、先ほど表示問題でも話を一部触れましたけれども、本当に納得のいく論議がどこで消費者と我々小売業ができるんだろうかと、その原点になるのは何らかの物差しが必要だと。
 この基準というものが公にされ、基準を理解されることによって論議が起きてくるんではないかというふうにとらえておりますし、安心、安全当たり前だと言いながらも、それが表示として公開されて伝わって論議になっていくというふうにとらえておりますので、もう一度、この安全基本法案の中にも、表示という問題が我々としては具体的にどう消費者との接点で動いていくのかというのが大きな課題になっていくというふうにとらえておりますので、開示できることは開示していくという原則でこれからも動いていきたいというふうにとらえております。
 以上でございます。
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品川尚志#15
○参考人(品川尚志君) リスク分析という手法が行政の仕組みの中に取り入れられるわけですけれども、ある意味では、消費者の側もこのリスク分析というものの考え方といいましょうか、それについての理解を深めていくことが必要だと思います。
 リスク分析の考え方の基本というのは、いろんな化学物質にも、人の健康に悪い影響を及ぼす確率リスクですね、そういう確率と、それから一方でもって今その化学物質の有効性、有用性、リスクと有用性のバランスを的確に判断をして上手にコントロールしていこうというのがリスク分析の考え方でして、そんな意味では、例えば環境ホルモンなんというのが大変問題になり、心配でもあるわけですけれども、環境ホルモンが心配だからといって、それじゃすべて化学物質を今の世の中からなくしてしまえば済むかという問題ではなくて、化学物質が持っている様々な生活に有用な面があるわけですから、その有用な面とリスクの程度、その点についてきちんと評価をしコントロールしていく、そういうことが必要なわけでありまして、環境ホルモンが心配だからどうというふうな形で、そのことだけで右往左往するということでない判断のできる消費者ということになっていく必要があるだろうというふうに思っております。
 そんな点では、生活協同組合の中でいいますと、従来からも、例えば食品の添加物などにしても全くそういうものを使わないで済むということはないわけでありますので、こうした添加物の程度というのはどれぐらいでどういうものだと、この範囲で使えばそれはこういうことなんだということを十分組合員の中でも情報公開しながらやってきているわけでありまして、そうしたことがますます必要になるということだろうというふうに思っております。
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阿部正俊#16
○阿部正俊君 ありがとうございます。
 それじゃ次に、これも大森さんと品川さんに共通にお尋ねすることになると思うんですが、少し食品安全というのに触発されたようなことになりますが、言わば食品といいますのは、まあ安全といいましょうか、何か健康にとってマイナスがないという意味での安全ですね、ということに加えまして、本来やはり、非常に広く言えば食文化といいましょうか、というものの素材でございまして、素材というよりもそれ自体が一つの文化なのかなという気もするわけでございまして、そうすると、食品というものについての、例えばうまみとか、それから見場とか、それから新鮮さとかいうふうな部分というのが、どうしても安全、安心ばかり考えるとだんだんだんだん消されていって、無味乾燥なものになってしまいはせぬかなという別な意味での心配もあるわけです。
 まあ変な話ですけれども、元々の食品といったって完全無菌状態のものというのはないわけでございますので、我々は雑菌の海に住んでいるわけでございますので、雑菌のものを食して生きているわけですね。それを、正にその輪廻の中に生きているわけでございますので、そういう、何というのかな、非常に大ざっぱな感覚というのを失いたくないものだなという、もう一回思い出したいなという気もするんです。
 だから、ある種のリスクかもしれませんし、またそうしたふうな対抗力を持った中で人間というのは生きておるし、それが力になってくるんじゃないかという気がするわけなんで、さる製薬会社の作っている何か人工食品みたいなのを食えれば朝何とか足りるよみたいなことじゃ、私はどうも寂しいなという気がするわけですよね。
 もっとやはり旬のものは旬のものとして、まあそれは土が付いているかもしらぬけれども、取ってきて自分で料理するとか、あるいはお魚でも、最近なくなりましたけれども、尾頭付きのお魚ってほとんど見たことないですよね。魚というのはいつも首なくてやっているのをお魚みたいに思っているんですけれども、そういう意味での、何というかな、本来の食品というものの提供の仕方ということについての、安全ということの意味合いに加えた一つの許容限界の中でのできるだけの食品の本来の姿というのを提示していくという努力というのを私は消費の第一線でございます大森さんなり品川さんなりのサイドで是非御工夫いただきたいし、そこに新しい食品としての食文化の個性をそこに打ち出していくというのも皆さん方の大事なお願いであり、お役目ではないかなという気がするんですけれども、その辺について、お二人のお考えを伺わせていただければ有り難いと思います。
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大森勉#17
○参考人(大森勉君) 今の御質問なんですが、私ども小売で生鮮物等を中心に扱っていますと、いつも基本にしていますのが鮮度と味と価格というこの三つを主力に考えているわけです。
 今おっしゃられました鮮度について、お魚にしろ野菜にしろ、生きが良ければおいしいんだという解釈の下に販売してきた。これが日本の農業なり水産業の中で自給自足できなくなってきたわけですから、海外からいろんなものが入ってくる。ここに、今までは冷凍でしか入ってこなかった、これが冷蔵でも流通するようになった、何らかの添加物を使って常温でも食べられる。
 要は、様々な分野で、素材から半調理でちょっと手を掛けるだけ、又は最終製品になった総菜として販売をされる、いろんな消費者のニーズにこたえようということから様々な商品が生まれてきているわけなんですけれども、ある面で、ここまでであればこういう添加物は抑えられるとか、こういうふうにするんならこういうふうにして食べていただきたいとか、こんなときに便利だという特殊な商品群として位置付けるとか、それから健康という要素をうたう商品としてはどんな形で提供できるんだろうかという、その言葉の定義も含めて、今特定保健の認定の商品もあるようなんですけれども、それぞれの商品が、ただ食すということの文化から少し外れるかも分かりませんが、その用途なり機能によって消費者に判定を求めていく、選択を求めているという現実もございますので、もう一度、この基本法案が整備されていく中で、それぞれの目的、若しくは歩むべき道というものが見付けられて動ければというふうに解釈しております。
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阿部正俊#18
○阿部正俊君 じゃ、品川さん。
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品川尚志#19
○参考人(品川尚志君) おっしゃるとおり、食品である以上、味なり、それから食生活自体が楽しいものであります、ある必要がございますし、食文化という言葉もございますし、そうしたものを大切にしなければならないということと、それから安全であるということが大前提、そのバランスが重要だという点についてはおっしゃる、御指摘のとおりというふうに思っております。
 特に、ただ今日の食生活ということでございますし、それから消費者の側も大変多様性、好みが多様に広がっているというふうなことでありまして、そんな点では様々な選択ができる条件提示をしていくというのが事業者の側の必要なことでもあって、そんな点ではそういう事業努力が必要だというふうに一つは思いますし、そんなことを含めた様々な技術上の努力といいましょうかね、というようなことが必要だというふうに感じているところでございます。
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阿部正俊#20
○阿部正俊君 それじゃ、時間もあれですので、具体的な例を大森さんにちょっとお尋ねをしますが、いただいたペーパーの中に、表示の問題で、表示を販売者サイドから消費者サイドへの切替えをしたと、こういうふうに表現されていますが、具体的に言うとどういうこと、例えばの例でございますが、挙げていただくと大変有り難いと思いますが。
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大森勉#21
○参考人(大森勉君) 先ほども、具体的にはお話ししなかったんですけれども、商品に、例えばですけれども、アジの開き大と、アジの開き特大と、朝食にアジの干物を食べたいというふうにお客さんがお思いになったときに、その大は何を基準にして大で、特大って何ですかと言われたときに、そのお店自体が標準のものを置いていれば、それに比較して大ですよということが言えるかも分かりませんが、私どものお店の規模が、大きいお店から小さいお店までありますと、あるお店は大だけしか置いていなかったと。標準店以上はすべて中の標準のものを置いていたから大ということが認知されたとしても、いきなり大だけあるお店であれば、中ってどんなサイズなのという形になるわけです。
 なおかつ、アジの開き、干物がそれぞれの加工業者さんが銚子であったり沼津であったり、それぞれ個々の加工業者さんが開き、加工して、市場であり直接であり流通しているアジの開きが何を中と言うのかと、何を大と言うのかという言葉がない中で、ある隣のスーパーは私どもが中と言っているものを大で売っているとか、そういうことも、もっと小さいものを扱えば大中小という表現は何らかの基準がない限り変わってくると。
 そうすると、大きい小さいという言葉は消費者が判断することであって、私どもはその商品が幾らなのかということをきちんと明記して売る、又は何グラムであるという大きさを表現をしていく、これが大事なんじゃないかということで、一つ一つの商品見直していきますと、内部で、プライベートブランドで作るもの辺りは統一できるんですけれども、ある商品にいって、田舎の方の名産品になってきますと特選とか、そういう言葉がどの商品にも付いて、特選だらけであるというような例もありますので、やはり一つの基準、物差しというのは、食品の中ではハム辺りは生鮮でも特級とかきちんと言葉の定義がなされている、これは消費者に混乱も与えませんからいいかと思うんですけれども。
 そんなことで競争するんではなくて、きちんとした商品を提供できるようにしようよということで、表示は、一時的に売上げが落ちるという声もあったんですけれども、目先のことではなくて、きちんと伝わる表現をしていこうというふうに動いた次第でございます。
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阿部正俊#22
○阿部正俊君 ありがとうございました。
 今言われたように、特選とかというの、あるいは消費者を誘うような表現が時々ありますよね。要らざる表示というのはやっぱり要らないんだというふうなことも一つの、徹底してほしいものだというふうに私は思います。
 そういう意味で、やっぱり表示というのは、必ずしも数多ければいいという、詳しければいいというものではないという。要らないものは要らない。これは腐っているものか腐っていないものかは消費者が判断するし、それが自己責任であり、我々の主権なんじゃないかなという気もするわけで、そういう意味ではやはり、何かこう、全部書いてあればすべていいんだというんじゃなくて、どうかそういう意味での商品、食品というものをもう一度、別な意味でも安全という、安全、安心というだけではないとはちょっと言いかねますけれども、それに加えて、もう一度、我々の消費者としての主権みたいなのをどう取り戻すのか、我々の好みというのをどう取り戻すのかということも、皆さん方が、消費者、第一線の消費の場面にいる方々のいろんな誘導といいましょうか、あるいは今言ったような、下手に紛らわせることのないような表示の仕方をしてもらうとかですね。これは何も、法律上で決めてあるからないからじゃなくて、やはり一つの物の、商品としての在り方というのについて、一定の倫理といいましょうか節度といいましょうか、というふうなものを是非誘導できるような在り方をお願いしたいなということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
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川橋幸子#23
○川橋幸子君 民主党・新緑風会の川橋幸子と申します。
 今日は、四人の参考人の方々から貴重な御意見を伺いまして、大変ありがとうございます。
 まず、今日の参考人の方々の御意見を伺っていましたら、山内先生と藤原先生、ちょうど右と左にお座りになっていらっしゃるお二人の科学者の方々がかなり正反対の御意見を言ってくださったのかなと私は受け止めたのでございます。藤原先生の方からは、拙速ではなかったかと、野党の意見をよく聞いたかって大変うれしい御発言をちょうだいいたしましたけれども、科学者同士でお考えになられた場合、まず山内先生、藤原参考人に対して山内参考人の方は、今回のこの法案作成のプロセスなり内容なりについてはいかがでございますでしょうか。藤原参考人に対してもし反論があったら、この場で反論をお伺いさせていただきたいと思います。
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山内一也#24
○参考人(山内一也君) 別に全く反対の意見というのではありません。
 まず、藤原参考人が、リスク分析の手法というのは、それが完全にちゃんとできたものではなくて、まだまだいろいろとやって、作り上げていかなければいけないものだと、これは私も全く同じ意見でして、そういうふうに申し上げたつもりです。
 もうあくまでもやはり試行錯誤でどんどん作っていく。私も申し上げましたが、これは七年ぐらい前からやっとリスク分析の手法というのが取り入れられてきて、各国、模索をしているわけです。私もずっと、BSEを始めいろいろなもののリスク評価にかかわってきていますが、やはりそういったプロセスを経てだんだん分かってきて、これが確立したものになっているとは思いません。したがって、今回の食品安全委員会若しくはそれに関連したいろいろな活動では、やはりリスク分析の手法は作り上げていかなければいけないだろうと。
 じゃ、こういった組織をすぐに、もっとじっくり検討してやっていくべきなのか、それともすぐにやっていかなければいけないのかということに関しましては、私はやっぱり、現在の食品の安全にかかわる問題、これはいつまでも待っていられる状況ではないと。もう実際にBSEの場合でも、BSE問題が起きてから私たち大変追い掛けられたわけです。そして、それに対する一つの回答として、六か月以内に何とかこういった組織まで作ってほしいというのを報告書の中で提言したわけです。
 そういう意味では、私は、拙速であってもとにかく動き出すことによってよりいいものになっていく。問題は、骨格がどれだけ今しっかりしているのかということだろうと思います。そして、実際にいろいろなほかの国の例を見ましても、これは私も、外国のEUの例なんかもちょっと今日資料をお配りしましたが、みんなそれぞれ苦労して方向を考えているわけです。そういったふうに私としては考えているところです。
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川橋幸子#25
○川橋幸子君 それでは、藤原先生の方にお伺いさせていただきます。
 野党の力不足もあったかも分かりませんけれども、多少衆議院の段階では修正に応じてくれまして、私どもも、ないよりはあった方がいいのではないかと、ないよりはあった方がいいというのはちょっと表現が適当でないかも分かりませんけれども、やはり山内先生がおっしゃったように、これはかなり試行錯誤を積み重ねていくことであると。そうすると、この法案の運用状況で、まず運用の面で何か歯止めといいましょうか、運用の面で強く要望しながら、また一定の時期が来たら見直すと、そういう方向もあっていいのではないかと思うのですけれども、いかがでございましょうか。
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藤原邦達#26
○参考人(藤原邦達君) とにかく出発しよう、それから骨格を作っておこうという御意見、私もそれはよく理解できます。
 ただ、はっきりしていることは、まだ完璧なものではなくて試行錯誤の途中であるということですね。その意味においては、しっかりした歯止めを具体的に作るという点が重要だと思うんですね。例えば、非常に議論を重ねたヨーロッパ、EUの場合でも予防原則というのを明確に規定していますね。例えば予防原則をどのように位置付けるかということとか、あるいは組織の、つまり科学委員会の、食品安全委員会の組織形成、この組織の在り方をもっといいものにしていく必要があるんではないかとか、あるいは行政の現場、つまりリスクアセスメントの結果を受けて動く、例えば地方自治体とかあるいは中央の省庁の出先の機関の充実とか、そういう面に遺漏を来さないという歯止めをきちっとした上で、その上で試行錯誤の途中にあるこの仕組みを発展させていくということが重要ではないかと、私はそんなふうに思っていますが。
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川橋幸子#27
○川橋幸子君 今のようなお話の文脈からしますと、生協連の中で長年運動を続けてこられた、こういう本をちょうだいいたしまして、大変敬意を表したいと思います。
 品川参考人の方は、この法案は十分とは言えないけれども、まあ大筋評価したいということを言ってくださっているわけでございますけれども、実は一昨日のこの本委員会の中では、予防原則の話、それから私の隣に座っていらっしゃる岡崎委員は、むしろ行動計画を作って、タイムテーブルを作って食の安全を進めていく、そういう行政の必要、パラレルにやっていく必要があるんではないかと、そのほかにも御当人が質問なさるともっと的確な表現かも分かりませんが、そのようなことを言いつつ議論を重ねてきたところなのでございます。
 そういう意味で、このレジュメの二のところにいろいろ注文付けは書いて、先生のおっしゃる、品川さんのおっしゃることはこちらも理解するわけでございますが、もう一つ何か大きなその予防原則なり国の食の安全に対する行政の姿勢なりという点では参考人の方からは何か御注文はないのでしょうか。
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品川尚志#28
○参考人(品川尚志君) 法律ということでいえば、先ほどどなたかもおっしゃいましたけれども、消費者の権利というふうなことがもっと明確に法文上も明示をされた方がより望ましいというふうに例えば考えております。
 ただ、現実問題としていうと、日本の法律の中で消費者の権利ということを明示した法律というのは存在してございませんし、消費者保護基本法ですら消費者の権利という言葉が存在しないという現状でございますので、この食品安全法のところでまずそれをというふうなことを言ってもまあ当座、現実的には無理があろう。そういう点では、やはり早いうちに現状の食品安全行政について改革を進めていくということでいうと、法律的にいえば、この法案で進めていっていただくというふうなことが重要だろうというふうに思っているというのが例えば権利ということとの関係での認識ですし、それから予防原則というふうな考え方についても、これも法文上はきちんとさせていければそれが望ましいことだというふうに思います。
 ただ、その予防原則というのはいかなる内容であるのかということについてはヨーロッパ各国でもまだいろんな見解があるように思っておりますし、それじゃ実際に日本で予防原則というのを決める場合には、具体的にどういう決め方にするかということ自体がやっぱり相当いろんな検討が必要にならざるを得ないだろうと思っておりまして、そんな意味では、いったんこの食品安全基本法としてはスタートをしていただいた上で、今後のいろんな検討の中で更にしかるべきときに改める必要があるならば改める、そんな進め方が必要ではなかろうかというふうに思っております。
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川橋幸子#29
○川橋幸子君 ではもう一度山内参考人に伺いたいのですが、大変私はいい御提言だったんじゃないかと思いますが、科学者を参加させる、しかも海外で様々経験の多い科学者の参加を求めるとか、それから公募で委員を募集するとか、私、大賛成だと思いますし、その運用面ではこれから国会の中で内閣府、内閣官房の方に要求していかなければいけないと思いますが、ただ、現実考えますと、やっぱり科学者の中にも厚生行政系とかあるいは農水系とか縦割りの学問分野になっていて、そこの分野のところのだれかボスに推薦依頼をすると何人か上がってこられると、これが今の様々な委員会の、日本の委員会の構成の合意形成の仕方でございます。これを打ち破るというのはかなり大変なことだと思いますが、むしろ科学者の側からそういう意見書を総理あてにもお出しになるとか、そういう意見表明をはっきり公的な場でお出しいただくということはできないものでしょうか。
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