法務委員会

2004-11-24 衆議院 全287発言

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会議録情報#0
平成十六年十一月二十四日(水曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 塩崎 恭久君
   理事 園田 博之君 理事 田村 憲久君
   理事 西田  猛君 理事 平沢 勝栄君
   理事 津川 祥吾君 理事 伴野  豊君
   理事 山内おさむ君 理事 漆原 良夫君
      井上 信治君    大前 繁雄君
      左藤  章君    笹川  堯君
      柴山 昌彦君    谷  公一君
      早川 忠孝君    松島みどり君
      三原 朝彦君    水野 賢一君
      森山 眞弓君    保岡 興治君
      柳本 卓治君    井上 和雄君
      市村浩一郎君    加藤 公一君
      鎌田さゆり君    小林千代美君
      佐々木秀典君    篠原  孝君
      島田  久君    樽井 良和君
      津村 啓介君    辻   惠君
      松野 信夫君    松本 大輔君
      江田 康幸君    富田 茂之君
    …………………………………
   法務大臣         南野知惠子君
   法務副大臣        滝   実君
   法務大臣政務官      富田 茂之君
   最高裁判所事務総局人事局長            山崎 敏充君
   政府参考人
   (司法制度改革推進本部事務局長)         山崎  潮君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     江嵜 正邦君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局電波部長)         竹田 義行君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          寺田 逸郎君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    大林  宏君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  三浦 正晴君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   松元  崇君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            石川  明君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           北井久美子君
   法務委員会専門員     小菅 修一君
    —————————————
委員の異動
十一月二十四日
 辞任         補欠選任
  河村たかし君     島田  久君
同日
 辞任         補欠選任
  島田  久君     市村浩一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  市村浩一郎君     井上 和雄君
同日
 辞任         補欠選任
  井上 和雄君     篠原  孝君
同日
 辞任         補欠選任
  篠原  孝君     津村 啓介君
同日
 辞任         補欠選任
  津村 啓介君     河村たかし君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 裁判所法の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
     ————◇—————
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塩崎恭久#1
○塩崎委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、裁判所法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。南野法務大臣。
    —————————————
 裁判所法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    —————————————
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南野知惠子#2
○南野国務大臣 御説明いたします。
 裁判所法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 新たな法曹養成制度の整備は、多様かつ広範な国民の要請にこたえることができる多数のすぐれた法曹の養成を図ることを目的とするものであり、司法修習生の修習についても、司法修習生の増加に実効的に対応することができる制度とすることが求められております。
 この法律案は、このような状況にかんがみ、新たな法曹養成制度の整備の一環として、司法修習生に対し給与を支給する制度にかえて、司法修習生がその修習に専念することを確保するための資金を国が貸与する制度を導入することを目的とするものであります。
 以下、法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、司法修習生に対し給与を支給する制度を廃止し、これにかえて、最高裁判所が、司法修習生に対し、その申請により、無利息で、司法修習生がその修習に専念することを確保するための修習資金を貸与するものとしております。
 第二に、修習資金の額及び返還の期限は、最高裁判所の定めるところによるものとしております。
 第三に、修習資金の貸与を受けた者につき、災害、傷病その他やむを得ない理由により修習資金を返還することが困難となった場合における返還の期限の猶予、及び死亡または精神もしくは身体の障害により修習資金を返還することができなくなった場合における返還の免除について、所要の規定を設けております。
 第四に、以上のほか、修習資金の貸与及び返還に関し必要な事項は、最高裁判所が定めるものとしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
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塩崎恭久#3
○塩崎委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    —————————————
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塩崎恭久#4
○塩崎委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として司法制度改革推進本部事務局長山崎潮君、法務省大臣官房司法法制部長寺田逸郎君、財務省主計局次長松元崇君、文部科学省高等教育局長石川明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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塩崎恭久#5
○塩崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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塩崎恭久#6
○塩崎委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局山崎人事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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塩崎恭久#7
○塩崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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塩崎恭久#8
○塩崎委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷公一君。
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谷公一#9
○谷委員 昨年、初めて当選いたしまして、先月より法務委員会に属している谷でございます。
 長年、地方行政の仕事をしてきたわけでございますが、司法につきましては、尊敬すべきたくさんの先輩の方なり同僚の方に知識、識見など比べようもございませんが、せっかくの機会でございますので、裁判所法の一部を改正する法律案について、また、それと関連する法曹養成の制度全体について、素人といいますか国民の目から見て、幾つかお尋ねをしたいというふうに思います。
 先ほど、南野大臣の方から提案理由の説明があったわけでございます。現行法では、司法修習生に対し国が給与を支給しているところでございますけれども、その制度をやめて、これからは支給をしない、しかしながら、司法修習生が希望をすれば、修習に専念できるようにお金を無利息で貸してあげましょうと。このように、給費制から貸与制に変わるというのが今回の法改正の骨子、ポイントといいますか要諦であろうと理解しているわけでございますが、なぜ変えるのか、今の制度にどこに不都合があるのかということについて、私の頭の中で十分理解できていないというのが正直なところでございます。
 なぜ変えるのか、まず南野大臣に、その点についてお尋ねをしたいと思います。
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南野知惠子#10
○南野国務大臣 お答え申し上げます。
 法曹の質、量ともに充実させるためというのが一番大きな目的ではございますが、司法修習生の大幅な増加が求められております。また、このたびの司法制度改革を実現していくに当たりましては、国民の負担を伴うことについてその理解を得ていく、そのような必要が出てまいります。
 このような状況にかんがみますと、今後もさらに国民の負担をふやして給費制を維持することについて、国民の理解を得ることは困難ではないかと考えております。そこで、司法修習生が修習に専念できる環境を確保しながら、給費制を貸与制に切りかえる必要があるというふうに考えております。
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谷公一#11
○谷委員 今回の司法制度改革の目的は、国民に身近で、速くて、頼りがいのある司法の実現を目指すということであろうかと思いますが、確かに、司法ネットの整備であるとか、裁判員制度の導入であるとか、法科大学院の設立などで大きな財政負担が生じるということは事実であろうかと思いますけれども、何か財政上の理由がやや強調されているというのか強調され過ぎるというのか、司法制度改革推進本部の事務局長である山崎さんの方に、この点についてどうですか、この理由について。
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山崎潮#12
○山崎政府参考人 ただいま大臣の方からも御答弁ございました。全体の趣旨はそのとおりでございますけれども、私が考えているところを若干申し上げたいというふうに思います。
 まず、今回、改革審議会の方で、法曹人口を大幅にふやしていこう、こういう政策を決めているわけでございます。それに伴いまして、それを実現するためにはどういうシステムが必要かということから、新しい法曹養成制度が構築されて、順次その案が成立しているわけでございますけれども、いわば、法科大学院と司法試験と司法修習、この三つを連携して、これからふえていく修習生を質を落とさずに育てていこう、こういう政策をとったわけでございます。
 これに関しましても、それなりの財政負担が当然伴うものでございます。これ以外に、先ほど御指摘ございましたように、裁判員制度あるいは司法ネット等、本当に、これを実現していくためにはそれなりの資金が必要になってくるわけでございます。
 これにつきましては、まさに税金を使わせていただくことになるわけでございまして、国民の負担という問題があるわけでございます。この国民の負担につきまして、やはり国民の方々の理解を得なければならないだろうということでございます。その理解を得るという点につきましては、我々としても、お願いするものはお願いする、しかし、自分たちで努力できるものは努力してそこを合理化していく、こういう姿勢が大事であるということになるわけでございます。
 そういう点から考えた場合に、この給費制度の問題につきましては、これは戦後間もなくの創設当初に比較して、修習生が大幅に増加するということでございます。当初は二百名台でございました。そういう状況の変化があるということ。それから、公務員でなく、公務にも従事しない者に国が給与を支給するのは、現行法上かなり異例の制度であるということから、給費制を維持することについてもさまざまな批判もございました。
 このような状況を総合的に我々としては勘案いたしまして、給費制を維持することについて、国民の理解を得ることはもう現状では困難であるということでございます。そういう点を考えて貸与制に移行するということにしたものでございます。
 ですから、最後にまとめて言えば、単に財政事情が厳しいからというだけではなくて、やはり、司法制度改革を実現するために財政資金をより効率的に投入する趣旨、これで貸与制に移行するということでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
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谷公一#13
○谷委員 今の御説明ですと、制度ができたときにはそれなりの合理的な理由があったけれども、社会の大きな変化、それから司法制度改革、そういった中で、従来の制度をそのまま維持するということについては国民の理解がなかなか得られないという御答弁ではなかったかと思います。
 ただ、そうすると、少し観点を変えまして、司法制度を支える法曹のあり方ということにつきましては、司法の制度が国によってさまざまであるように、その国の歴史とか文化とか国民性とか、そういったものに深く根差しているように思います。
 アメリカ合衆国、アメリカは司法試験合格者はすぐに弁護士などになれるというふうに理解しているわけでございますけれども、我が国日本のように、一定期間司法修習生として学ぶことを義務づけている国はどういう国があるのか、また、そういう国は給与を払っているのかどうかということについて、お尋ねしたいと思います。
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山崎潮#14
○山崎政府参考人 確かに、我が国と同様なシステムを持っている国として典型的なのは、ドイツと韓国が挙げられているわけでございます。アメリカとかイギリスについては、こういう制度はないということでございます。
 それで、ドイツでございますけれども、これは州ごとの制度になっているようでございますが、給費制をとっております。ただ、例えばベルリン州などでは、修習生の身分を公務員から非公務員として、給与を減額したというふうにも聞いております。
 また、韓国でございますけれども、韓国も給費制をとっております。ただ、この点につきましても、修習生の増加に伴いまして、給与を通常の国家公務員の職給と切り離して減額をした、こういう状況にあるというふうに聞いております。
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谷公一#15
○谷委員 同じような、一定期間司法修習生として義務づけている国はドイツ、韓国ということですが、いろいろ調べたり、あるいはお話を聞いていると、我が国の制度が新たに法科大学院をこの四月に設けた、法科大学院が一方である、しかし、司法試験合格後、一定期間また司法修習生となることを義務づけている、そういう国というのは、我が国のほかにございますか。法科大学院があり、なおかつ試験合格後も一定期間司法修習生となることを義務づけている国はないんじゃないか。何か非常に、やや中途半端な感じもしないでもないんですけれども、どうでしょうか。
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山崎潮#16
○山崎政府参考人 確かに、御指摘のとおりに、ロースクールプラス研修、これを持っている国は、今のところ私どもも承知はしていないところでございます。
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谷公一#17
○谷委員 なかなか、制度を変えるときに、全く白紙の状態ではなくて、今の制度を前提にしてなおかつ国民の理解を得ながら変えるということで、難しいところはあろうかと思いますけれども、なかなかそれぞれ、アメリカ型に徹するわけでもなく、かといってドイツ型に徹するということでもないということで、よりよい制度に根づくように期待しているところでございます。
 少し質問を変えます。
 現在、司法修習生に給与が支払われているわけでございますけれども、どの程度の額が支払われているのですか。これは一律ですか、それとも年齢、扶養家族によって差を設けているのか、お尋ねしたいと思います。
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山崎敏充#18
○山崎最高裁判所長官代理者 現在、司法修習生に対しましては給与が支給されておりまして、これは一人当たり月額二十万二千九百円という金額でございます。これは当然一律でございますが、そのほかに、一般職の公務員の例に準じまして諸手当が支払われるということになっております。この点につきましては、例えば扶養手当ですとか住居手当といったものがございまして、これはそれぞれ要件を備えた者に支給される、こういう仕組みでございます。
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谷公一#19
○谷委員 現在、全く一律ではなくて、それなりのいろいろな、年齢とか扶養家族を加味しているということでございますけれども、給付から貸し付けにするということについて、少し気になるのは、私も実は子供が三人いるんですけれども、計算上は大学生三人ということはあり得ないんですけれども、なかなかストレートでいかない、浪人もあったということで、一年間、大学生三人になったんです。大変でしたが、幸い、私は神戸に住んでおりまして、自宅から二人、娘が通っていましたので、男の子だけ獣医の大学に行くということで神戸を離れていたということで、一人だけいわば仕送りをしていたということで済んだんですけれども、なかなか大変です。
 そういう我が身のあれから考えてみましても、この四月から法科大学院ができ、二十二年ごろには基本的に法科大学院、ロースクール修了者のみが法曹に入ることになる。ではそのロースクールはというと、法学部出身者を二年、それ以外の者は三年、その間私立の大学で学ぶとすれば百万から二百万、平均で百五十万ぐらいですか、学費だけでもそれだけかかる。それで、大学院のときに、司法試験を控えているためアルバイトなどはもちろんできない。それで、そのロースクールの学生のときもいろいろ、奨学金などで借りる人も相当出てくるかもわからない。
 加えて、わずか今度は一年でございますけれども、司法修習生の期間も、今のように給与が出るのではなくて、貸与ということに変える。早く言えば、なかなか経済的に余裕のない家庭、方、あるいはたくさん稼いでいる親のいない方というのは、裁判官なり検事なりあるいは弁護士になるというのが大変難しいのではないかということも危惧するわけであります。
 能力のある人、あるいは努力してきた人、あるいは汗をかいた人、そういった方が報いられる社会というか、たとえ親が貧しくてもそういう能力と努力があれば夢と希望が実現できる、そういう社会というのは、我々はぜひともこれからも守っていかなければならないと思うんですけれども、この点について、人間性豊かな滝副大臣、御見解をお尋ねしたいと思います。
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滝実#20
○滝副大臣 今の委員の御指摘のとおり、この法科大学院、最低二年法学を実習し、既習していない人は三年、こういうコースを経るだけでも負担というのはそれなりに出てくるわけでございますから、仰せのとおり大変在籍することが厳しい。その上に、合格しても今度は修習生として、貸与制度でございますから、私は、それなりに経済的には大変大きな負担をお願いすることになるということについては御指摘のとおりだと思います。
 ただ、幸いなことに、このロースクール、法科大学院につきましては、奨学金の面でかなりの配慮ができたということもございます。
 それからまた、修習生の期間についても二十万円程度月額で借りられる基盤ができたということにおいて、かなりの財政支援は結果的にはできたということを考えてみれば、この辺のところが精いっぱいのことかなという感じがいたします。
 さらに加えれば、これはもう大学サイドの件でございますけれども、結果的に各法科大学院とも奨学金制度をかなり充実したものを、もちろん一部の学生でございますけれども、発足とともにそういうような制度を大学側も用意してくれたということによって、かなり救われた格好にはなっているんだろうと私は思います。
 しかし、いずれにいたしましても、返還の問題がございますから、それはそれでまた別に考えていかないとこの問題は完結しないということを考えていかなければいけないというふうに私は思っております。
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谷公一#21
○谷委員 副大臣の言われる返還の問題でございますけれども、今回の貸与制の検討過程で、例えば、司法ネットの常勤弁護士となった場合とか、あるいは過疎地域で活動する弁護士となった場合とか、裁判官、検察官に任官した場合とか、それぞれ一定期間勤めると修習資金の返還を免除するということについても検討されたというふうに聞いております。
 例えば、僻地医師ということで、僻地の医師の確保のために、一定期間僻地などに勤務した場合、大学六年間の学資を免除するとか、そういう制度が昔からありますけれども、そういうような仕組み自体は広く国民の理解を得ているというふうに思うんです。
 そういうことから考えると、こういうことをもっと前向きに検討してもよかったのではないかと私自身思うんですが、しかし提出法案にはこういうことは盛り込まれておりません。返還免除の制度を設けなかった理由について、推進本部の山崎局長にお尋ねしたいと思います。
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山崎潮#22
○山崎政府参考人 ただいまの御指摘の点は、私どもの検討会でも最後の最後までいろいろ議論があったわけでございます。最終的にはこれを取り入れないということにしたわけでございますが、その主な理由でございますけれども、免除の対象となる職種を合理的、客観的に切り分けること、これが実際上困難であるということと、それから、進路にかかわらず法曹三者を統一的に養成するという統一修習の理念、これとの関係でどうなのかという二つのポイントがございました。こういう点から今回は取り入れないということでございます。
 先ほど、例えば僻地に勤務した者をどうするかという御指摘もございました。これは、僻地に勤務する者というのはいろいろなパターンがございまして、まず、裁判官、検察官でも、当然あればそこへ行くということでございますし、それから司法ネットで行く人もいるかもしれません。これ以外に、例えば日弁連でもみずからの努力で、ひまわり基金ということで僻地に事務所を設けて活動されている方もおります。それから、みずからの意思で退職後そういうところに行かれる方も現におられるわけでございまして、そういう方々をどういうふうに切り分けていくかということが極めて難しいということから、最終的にはこのようになったということで御理解を賜りたいと思います。
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谷公一#23
○谷委員 今の提出法案にそれが入っていないわけでございますので、おっしゃられることはわかりましたが、もう少し前向きにとらえていただいてもいいのかなというふうに思います。
 今の僻地なりの問題でも、裁判官なり検事は、これはそういう組織があればそこに勤務するわけですから、問題は、弁護士がいない、現実にいないという地域は全国にいっぱいあるわけですから、そういう地域の実態を見るならば、制度として優遇策を設けるということについても、もう少し前向きに取り組んでもいいのではないかなというふうに私は思っております。
 次の質問に移らせていただきたいと思います。今度は、新しい司法試験についての質問でございます。ロースクールの修了者が受験する新しい司法試験です。
 まず、合格率について伺いたいというふうに思います。
 三年前、平成十三年六月に取りまとめられました司法制度改革審議会意見書では、「法曹となるべき資質・意欲を持つ者が入学し、厳格な成績評価及び修了認定が行われることを不可欠の前提」こういう留保つきではありますけれども、法曹教育に特化した教育を行う法科大学院修了者のうち相当程度、例えば七、八割の者が新司法試験に合格するという認識が示されたところでございます。
 その後、ロースクールができた。この四月には六十八校、定員が約六千人ですか、もう開校して、既に学んでいる。そして、来年の四月も幾つかプラスアルファがあるようでございます。
 ある雑誌を読んでおりましたら、シミュレーションによりますと、平成十八年の新しい司法試験の合格率は約三分の一、平成二十年以降は約二〇%というふうに言われております。五年間に三回チャレンジできるわけですから、それを含めてのことだと思うんですけれども、どうも、もちろん最初の十三年六月の司法制度改革審議会意見書は、繰り返しになりますけれども、いろいろな留保条件がついているということは事実でございますけれども、何となく私も、そういう新聞でぱらぱら見ていたときに、ああ、今度は新たな仕組みになって、ロースクールで学んだ人が、多くの人が、普通にきちんと勉強していれば、裁判官なり検事なり弁護士になるのかなというふうに思っていたら、何かどうも、ロースクールができ過ぎたのか、大変合格率が、今のシミュレーションですと初年度が三四%とかそれ以降は二〇%とか、大変厳しい数字になっている。
 この制度設計の考え方は変えたのか、変えていないのか、あるいは、変えていないのであれば、なぜそういうふうになったのか。弁護士でもございます富田政務官にお尋ねしたいと思います。
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富田茂之#24
○富田大臣政務官 先生が御指摘いただきました司法制度改革審議会の意見書に確かに七、八割という数字が出てきますが、先生も御指摘のように、留保つきだというふうにおっしゃっていただきましたけれども、そこでは、「法科大学院では、その課程を修了した者のうち相当程度(例えば約七〜八割)の者が」「新司法試験に合格できるよう、充実した教育を行うべきである。」という意見書になっております。七、八割が合格するとは書いてございません。法科大学院における教育内容及び教育方法に関するもので、新司法試験において法科大学院の修了者の七、八割が合格することを企図したものではないというふうにこの点は認識しております。
 そもそも、各年度の司法試験の合格者は、法曹として必要な学識やその応用能力の有無という観点から、司法試験考査委員の合議による判定に基づき司法試験委員会が決定することとされており、将来、法科大学院課程の修了者のうち何割が司法試験に合格するか、あらかじめ確かなものとして申し上げることは困難であります。
 先ほど先生の方から三四%とか二割という数字が出ておりましたが、仮に法科大学院の一学年の学生約六千人が全員その課程を修了するとして、年間合格者を約三千人と仮定した場合、受験回数制限を前提として計算すれば、その合格率はおよそ五割になるとも考えられます。
 しかし、意見書の立場に立って法科大学院による厳格な修了認定を前提といたしますと、その修了者数が少なくなりますから、まあ認定されない方もいらっしゃるということで、合格率はそれより高くなることとなります。
 いずれにせよ、現時点でこのような前提抜きに合格率を申し上げることは控えるべきであろうというふうに考えております。
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谷公一#25
○谷委員 何かもう一つあれでございますけれども、後でたくさんの方が質問されるようでございますので、そこは譲りまして、試験内容についてお尋ねしたいと思います。
 では、その新しい司法試験の内容はどういう内容になるのかということでございますけれども、ロースクールの教育内容を踏まえた試験になるということでございますけれども、現在は択一があり論文があり口述ですか、というようなことでございますが、わかりやすく、今と何が違う試験内容になるのかということについてお尋ねしたいと思います。
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寺田逸郎#26
○寺田政府参考人 内容面から申し上げますと、今委員が御指摘のとおり、まさに法科大学院の教育を反映した司法試験にする、これは連携法の考え方でございますが、それに示されてあるとおりのことを考えております。
 具体的に申し上げますと、まず口述試験というのがございません。新しい試験で口述試験をしないのは、法科大学院の教育課程の中で、このような口述試験で見られるべき能力、すなわちいろいろな応対をする能力でございますが、そのようなものは実際にはかられるだろうという期待に基づいているわけでございます。
 より重要なことは、もう少し実務的な対応能力というのがやはり今度の新司法試験には入ってくるという点でございまして、具体的に申し上げますと、まず基本的な科目であります憲法とか民法とか商法とか刑法とかという科目が、従来の試験には科目別として試験を行う、こういう仕組みになっておりましたけれども、新しい試験においては公法系と民事系と刑事系、こういうような三つのカテゴリーに分けまして、それぞれ関連の科目を幅広く柔軟に実務的に聞ける、こういう体制になっております。
 三番目の問題といたしまして、出題の内容でございますけれども、これは短答型と論文型がもちろんあるわけでございますけれども、短答型についてはより基本的な能力を聞くわけでございますが、論文型においては、今までのような何々を論ぜよということだけではありませんで、いわば非常に実務的な、例えば契約書でございますとかいろいろな実務上出てくる書面というようなものももとにいたしまして、幅広い観点から非常に長時間にわたって論述していただかなきゃならないような、そういうタイプの問題ということも当然に予定する、こういうことでございます。
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谷公一#27
○谷委員 それでは、もう時間もなくなりましたので、最後に一つだけ、施行期日についてお尋ねしたいと思います。
 十八年十一月一日ということですけれども、しかし、この春法科大学院に入学した三年課程の学生は修了するのが平成十九年三月であります。それから五年間で三回受験できる、こういうことを考えるならば、何か、入学したときというか入学を決めるときに、今の制度を前提にその人たちは人生設計を考えてロースクールに入ったのではないか、常識的にはそう考えるんです。そういうことを思えばどうかなという思いがしないわけでもないんですけれども、山崎事務局長のお考えを最後にお伺いしたいと思います。
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山崎潮#28
○山崎政府参考人 この制度の発足を十八年にした理由でございますけれども、先ほど申し上げましたように、新しい法曹養成制度、これ全体のスタートが平成十八年から行われていくわけでございますので、そういう関係から、それと一体にしてと考えたわけでございます。
 その前提でございますけれども、前提として、給費制の見直しにつきましては、司法制度改革審議会の意見でもその指摘がございました。また、それを受けまして、私どもの検討会の方でも二年間にわたり議論を続けまして、この内容についてはもう一般に、外に出ているものでございまして、それから検討会の中でも委員の方々から、法科大学院生はある程度覚悟をしている、そういう状況である、そういうような御指摘もございました。そういう点を受けまして、私どもは平成十八年からというふうに考えたわけでございます。
 ただ、この点に関しましては、法科大学院生からのいろいろ御指摘もございますし、さまざまな議論があるということは承知をしているところでございます。
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谷公一#29
○谷委員 どうもありがとうございました。
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