行政改革に関する特別委員会

2006-05-11 参議院 全238発言

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会議録情報#0
平成十八年五月十一日(木曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十日
    辞任         補欠選任
     岩本  司君     峰崎 直樹君
     加藤 敏幸君     大久保 勉君
     大門実紀史君     井上 哲士君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     大久保 勉君     加藤 敏幸君
     峰崎 直樹君     和田ひろ子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         尾辻 秀久君
    理 事
                佐藤 昭郎君
                藤野 公孝君
                保坂 三蔵君
                小川 敏夫君
                大塚 耕平君
                直嶋 正行君
                風間  昶君
    委 員
                秋元  司君
                大野つや子君
                加治屋義人君
                川口 順子君
                小池 正勝君
                関口 昌一君
                田浦  直君
                中川 雅治君
                二之湯 智君
                野村 哲郎君
                南野知惠子君
                浅尾慶一郎君
                大久保 勉君
                加藤 敏幸君
                神本美恵子君
                主濱  了君
                鈴木  寛君
                内藤 正光君
                峰崎 直樹君
                柳澤 光美君
                和田ひろ子君
                若林 秀樹君
                浜田 昌良君
                山下 栄一君
                井上 哲士君
                近藤 正道君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       総務大臣     竹中 平蔵君
       財務大臣     谷垣 禎一君
       文部科学大臣   小坂 憲次君
       農林水産大臣   中川 昭一君
       経済産業大臣   二階 俊博君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 安倍 晋三君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  小池百合子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融、
       経済財政政策)
       )        与謝野 馨君
       国務大臣     中馬 弘毅君
   副大臣
       内閣府副大臣   山口 泰明君
       総務副大臣    山崎  力君
       財務副大臣    赤羽 一嘉君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  阪田 雅裕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局特殊法人
       等改革推進室長  大藤 俊行君
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局公務員制
       度等改革推進室
       長        上田 紘士君
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局公益法人
       制度改革推進室
       長        中藤  泉君
       内閣府大臣官房
       審議官      和田 智明君
       内閣府市場化テ
       スト推進室長   河  幹夫君
       内閣府計量分析
       室長       齋藤  潤君
       内閣府沖縄振興
       局長       藤岡 文七君
       金融庁監督局長  佐藤 隆文君
       総務省行政管理
       局長       藤井 昭夫君
       総務省自治行政
       局長       高部 正男君
       総務省自治行政
       局公務員部長   小笠原倫明君
       財務大臣官房審
       議官       三村  亨君
       財務大臣官房参
       事官       林  信光君
       財務省主計局次
       長        鈴木 正規君
       財務省理財局次
       長        浜田 恵造君
       財務省理財局次
       長        日野 康臣君
       財務省国際局長  井戸 清人君
       文部科学大臣官
       房長       玉井日出夫君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       大島  寛君
       文部科学省初等
       中等教育局長   銭谷 眞美君
       経済産業大臣官
       房総括審議官   松永 和夫君
       中小企業庁長官  望月 晴文君
       国土交通省政策
       統括官      内村 広志君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○簡素で効率的な政府を実現するための行政改革
 の推進に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
○一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及
 び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関
 する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○競争の導入による公共サービスの改革に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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尾辻秀久#1
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから行政改革に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、岩本司君、加藤敏幸君及び大門実紀史君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君、大久保勉君及び井上哲士君が選任されました。
    ─────────────
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尾辻秀久#2
○委員長(尾辻秀久君) 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案、以上五案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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峰崎直樹#3
○峰崎直樹君 おはようございます。民主党・新緑風会の峰崎でございます。
 今日、一時間という余り長くない時間でたくさんの質問を用意しましたので、最後になるといつものように残してしまうということで、せっかくお呼びして来ていただいた大臣に申し訳ないことがあるかもしれません。これは事の成り行きといいますか、できる限りカバーしていきたいというふうに思っております。
 そこで、今日は行政改革、まあある意味ではその一番の原点といいますか、そういう日本の国の在り方みたいなことについて少し議論もさせていただきたいというふうに思っております。
 そこで最初に、これは、今日は総理大臣が出れませんので、官房長官にもお越しになっていただいておりますが、行革の目的として、たしか第一条にあったと思いますが、簡素で効率的な政府、こういうことをつくるというふうに目的になっていますが、これは正に昨今の言葉で言えば小さな政府を目指しているんだと、こういうことを目指そうとされているという考えでよろしいのかどうか、官房長官の御意見をお伺いしたいと思います。
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安倍晋三#4
○国務大臣(安倍晋三君) 私たちは、簡素で効率的な政府を目指していくと、こう目標を掲げているわけでございます。政府が行う必要性が減少しているものであれば民間にゆだね、そして無駄を徹底的になくすことによりその規模を大胆に縮減をしていくと、そのことを意味をしているわけでございますが、小さな政府、そういう意味での小さな政府を目指していくということでございます。
 しかし一方、この小さな政府、一般でいいますと、いわゆる例えば社会保障制度における給付も減らし、またその負担も併せて減らしていき、その分野でも民間に担ってもらうという、そういう誤解を与えかねないということで、私どもは今、簡素で効率的な政府ということを申し上げているわけでございます。その中でも、我々は、セーフティーネットはしっかりとこれは維持をしていかなければいけないという考え方にはいささかも変わりがない。
 つまり、小さな政府とだけ申し上げますと、先ほど申し上げましたように、社会保障の分野自体を縮減をしていくという、機能としての社会保障制度を縮減をしていくという、そういう誤解を与えないように、今我々としては、現在としては、簡素で効率的な政府を目指していく、そういう意味においての小さな政府を目指していくと、こういうことでございます。
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峰崎直樹#5
○峰崎直樹君 そうすると、今官房長官、何かややくどいというか、回りくどくお話しなさってというのは、どうも小さい政府を目指したいんだけれども、どうも昨今の格差問題とか、これまでの小泉改革によってどうも影の部分が出始めているんじゃないかと、そこら辺に配慮されて、いや、社会保障については必要なものは確保するんですよと、こんなニュアンスのお話がありました。
 じゃ、端的に聞きますが、そうすると、今のお話を聞いている限りは、簡素で効率的だということについては一応お話から分かったんですけれども、そうすると、例えばこれは国民負担率、私はこの言葉は必ずしも適切な言葉とは思っていませんが、いわゆる租税負担、社会保障負担の比率というのは、官房長官はそうすると、これは結果としての数字であって、あらかじめ、例えば第二臨調であったように五〇%台そこそこを目指すとかいったような数量的な基準というものは、結果としてこれは設けないんだと。
 つまり、社会保障は、先ほどおっしゃったように、それは安心できる水準を国民にセーフティーネットをしっかり張らにゃいかぬと、こうおっしゃっているんですから、その張り方次第によってはその水準というのは、五〇%とかそういう決められた水準というものは目指さなくてもいいと、こういうふうにお考えですか。
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安倍晋三#6
○国務大臣(安倍晋三君) この簡素で効率的な政府が、特定のこれは国民負担率の水準を念頭に置いているわけではございません。
 しかし一方、国民負担率について言えば、小さいかどうかはこれはいろいろと議論があるところではあると思いますが、政府としては、例えば将来に先送りしている財政赤字を加えた潜在的国民負担率で見て、その目途を五〇%程度としつつ、政府の規模の上昇を抑制する、これは骨太の方針二〇〇四でございますが、ということにしております。
 いずれにいたしましても、国民負担率は高齢化の進展に伴い今後とも上昇していくことが見込まれております。本法案に基づく取組を進め、簡素で効率的な政府を実現すること等により政府の規模の上昇の抑制に努めていくことは、国民の負担の上昇を抑えていく上においては重要ではないかと、こう考えております。
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峰崎直樹#7
○峰崎直樹君 もう冒頭、本当、官房長官とだけでずっと議論するつもりはないので、この一点とまた更にお聞きしたいんですが、官房長官、国民負担率というのは本当に国民が負担している率なんですかね。今、国民負担率とおっしゃった。
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安倍晋三#8
○国務大臣(安倍晋三君) 今私が申し上げましたこの国民負担率、つまり、その国民負担率に将来のこれはいわゆる財政赤字を加えたものでございまして、それはいわゆる租税と社会保障給付によるものの負担を加えたものでございます。これは国民が負担をしているという今の委員の御指摘、現在の国民が、現在生きている国民がすべてそれは負担をするということではなくて、今私が申し上げました将来の国民も含めて、この将来の潜在的な国民負担率と言った場合は将来の国民も含めてということになるのではないかというふうに思います。
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峰崎直樹#9
○峰崎直樹君 官房長官、そのお答えじゃ駄目なんですよ。私がなぜ国民負担率という言葉を使っちゃいけないかと言っているのは、国民は、例えばですよ、医療費を考えたときに自己負担が入ってくるんですよ。つまり、その社会保障財源は、先ほどおっしゃったようにセーフティーネットをしっかり張りますと言っているけれども、国民負担率五〇%、あるいは潜在的国民負担率で入れても五〇%前後だと、こういう目標を置いたときに、それで財政的に賄えなくなってきたときには必ず私的負担が入ってくるわけですよ。そうすると、私的負担を払える能力を持っている人、私的負担は大変厳しい状況に置かれる方々、必ずそういう問題が起きてくるわけですよね。だから、国民負担率という言葉って私は余りいい言葉ではない。公的負担率だと、こういうふうに言うべきだということを一貫して主張しているんですよ。
 多分、今、厚生大臣やられた委員長もにやっと笑われているんですけれども、今うなずいておられましたけれども、中馬大臣、その点、国民負担率という言葉は私は余り国民に正しい理解が及ばない概念じゃないかと思うんですが、そう思われませんか。さっきうなずいておられましたので、ちょっと聞いてみます。
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中馬弘毅#10
○国務大臣(中馬弘毅君) 定義の仕方にもよりますが、今ここで我々が目指しておりますのは、一つ今まで国が担っておったことを、しかも税金で担っておったことを地方に渡す、あるいは民間に渡すこと、その分については得点でありますが、一方で、それはまた同じ国民の負担にはなることがありますから、その限りにおきましては負担率が軽くなったとは必ずしも言えないと思います。しかし、無駄をなくし効率化していく、その部分は少なくともこれは負担率といいましょうか国民の負担は少なくなる、そういうことが私は言えると思います。
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峰崎直樹#11
○峰崎直樹君 その問題だけでやるつもりはないんですが、今日はその国民負担率と経済の関係について、実は私、この国民負担率と経済成長の関係について、これはかつて竹中総務大臣が経済担当大臣をやられていたときにも実は議論をさせていただきましたけれども、ここの国民負担率と経済成長というのは、これはどんな関係になるのかなと。これも四人の大臣にそれぞれ答えてもらいたいということを私質問しておりましたけれども、正にこれ経済成長の見通しなどを経済財政担当大臣の与謝野大臣、この点はどのようにお考えになるのか。ちょっと、もしかしたらこれ外れていたなと思ってちょっと心配していたんですが。
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与謝野馨#12
○国務大臣(与謝野馨君) 国民負担率という概念は、すべての租税足すすべての社会保険料割るすべての所得ということで定義をされております。そのときに、経済成長があった場合どう変わるかということですが、租税は自然増収という形で分子の方は増えます。それから、社会保険料も所得が増えれば増える。ただし、分母の方の所得も増えるわけですから、成長率が高いと国民負担率が必ずしも高いというふうには言えません。それぞれのケースについて、いろいろな想定に基づいて計算をしないと出てこないものだろうと思っております。
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峰崎直樹#13
○峰崎直樹君 何だか私これ、質問要旨見たら経済財政担当大臣が入ってなかったので、きちんとした質問が十分伝わってなかったんですが。
 要するに、国民負担率と経済成長というのは従来、竹中大臣なんかと議論したとき、要するに今の経済財政諮問会議の議論を聞いていると、国民負担率が高くなると経済成長は落ちてくる、国民負担率が低くなると経済成長は上がってくるという、そういう相関関係があるんだという前提で議論がされてきたように思うんですが、この点、まず財務大臣からお聞きしましょうか、そういうふうに理解をされているのでしょうか。
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谷垣禎一#14
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほどから国民負担率の概念をめぐって委員の御意見伺いました。
 私も、自分のこれ個人的イメージとしては国民負担率、これがあんまり増えると経済成長を阻害するんだと、こういうイメージから議論がなされてきた、つくられてきた概念なのかなと個人的にはそういうふうに思っているんですが、ただ経済成長率との関係ではいろんな議論があるんだろうと思います。国民負担率が高くなれば経済成長が阻害するという考え方もありますし、いや、今の経済成長を阻害している要因は、むしろ高齢化なりそういうものが一方で国民負担率を高めているんであり、一方で経済成長の足かせにもなっているんだと、そういう理解もありまして、多様ないろんな考え方があるんだと思いますが。
 一応、政府は公定的にどう考えているかということを、公定的と言うと言葉がいけませんが、政府の考え方としましては、内閣府で平成十五年度の年次経済財政報告でOECD諸国におけるこの両者の関係の分析がございまして、そこでは、両者の間には緩やかな負の、マイナスの相関が認められると、潜在的国民負担率が高い国ほど経済成長率も低くなる傾向にあるという分析がなされておりまして、これは国民負担率の上昇が経済成長率の阻害要因となるという、そこをはっきり言っているわけじゃないんですが、一種の可能性を示唆しているんじゃないかと思いまして、一応これにのっとって議論をしているということではないかと思います。
 したがいまして、いわゆる基本方針二〇〇五というものもございますが、その中では、潜在的国民負担率の目途は五〇%程度とするというふうに書かれておりまして、一応これを一種の手掛かりとして議論をしているということではないかと思っております。
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峰崎直樹#15
○峰崎直樹君 今、経済財政白書から、二〇〇三年度ですか、でありました。
 当時の経済財政担当大臣をやられた総務大臣、今のような認識で多分よろしいんでしょうね、短くて結構ですから。
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竹中平蔵#16
○国務大臣(竹中平蔵君) これは以前もお答えしたことが峰崎委員に対してあったかと思いますが、経済成長率と国民負担率にどのような統計的に有意な関係があるかないかということについては専門家の間でも意見が分かれていると私は思います。ただ、内閣府が行った当時の分析では有意な負の関係があったということだと認識をしております。その意味では、財務大臣がお答えになったとおりでございます。
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峰崎直樹#17
○峰崎直樹君 そこで、お手元に、皆さんのところに資料をお渡ししました。経済成長率と潜在的国民負担率の関係、これは平成十五年度、二〇〇三年度版の経済財政白書です。OECD各国の、それぞれプロットしてGDP成長率と潜在的国民負担率との関係を見た約三十年間というその平均値が出ておりますが、見事におっしゃられるような傾向が出ているということは、私もこれは認めたいと思います。
 問題は、次のページ見てください。これを七〇年代、八〇年代、九〇年代と十年単位に分けて見たわけであります。ちょっと、私のようにもう六十歳過ぎてまいりますと、プロットした文字が、余りにもコピー縮小したために、一枚一枚取ればよかったんですけれども、これはやっぱり分かりやすくするためにも見ていただきたいんですが。
 上が一番、七〇年代です。この点はまだ経済の国際的な自由化が余り進んでいないころだろうと思います。と同時に、日本はまだ当時はいわゆるGDPの成長率も非常に高かったんですね、四・五%、国民負担率も二〇%と、若々しい途上国というか、もう七〇年代ですからややそのピークに達したころかもしれません。これも緩やかにマイナスの相関が出ているかなと思われますが、それほど極端ではない。
 ところが、八〇年代ですね、正にレーガン、サッチャーが出てきた当時、当時でいえば、日本でいえば中曽根行革というのが喧伝されたころでございますが。このときには、正に高い負担率を誇っている国々は非常に成長率が低くて、低い成長率の国々は高い経済成長率を持っているというのがこの数字で非常に出てきます。私は、アメリカの財政学者のスタインモという人の数字を見て、ううん、これは大きく変わっているな、やはりある程度簡素で効率的な政府にしていかなきゃ大変かなというふうに思った時期がございました。
 ところが、九〇年代に入った、この一番下のデータ見てください。ほぼ水平になってきているわけです。高い国民負担率を誇っているスウェーデン、デンマーク、フィンランドあるいはノルウェーといったような国々は、必ずしも経済成長率で引けを取っているというところになっていない。
 こういう数字をごらんになって、これはどなたにお聞きしたらいいんでしょう、経済成長率と国民負担率の関係。中馬大臣、これを素直に見られて、どのようにお感じになりますか。
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中馬弘毅#18
○国務大臣(中馬弘毅君) 私、担当じゃございませんから、余り個人的なことを申し上げない方がいいかと思いますが、これはやはりそれぞれの時代の背景でありますし、国際的な状況もあります。金利の関係といいましょうか、非常に大きな金融の流れがございます。こういったこともありますので、こうしてあえて言えば、それは一概に言えないんじゃないかと思います。
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峰崎直樹#19
○峰崎直樹君 それでは、経済財政担当大臣である与謝野大臣、これは、これを見られて、今初めて見られたから、なかなか分かりにくいかもしれません。でも三十年の平均は先ほど経済財政白書が報じているとおりです。十年単位で見たらこう変わっているんです。これをどういうふうに見たらいいのかなと。どのように考えられます。
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与謝野馨#20
○国務大臣(与謝野馨君) 日本のように成熟した経済の下でどういうことが起きるかということは予想が付きませんけれども、国民負担率を上げても経済に影響がないんだというふうには私は考えておりません。やはり、そこには国民一人一人の活力とか、そういう問題が当然、租税負担率を上げていくと、あるいは国民負担率を上げてまいりますと、国民の一人一人の活力との多分相関も出てまいりますので、そう一概には私は言えないんだろうと、そのように思っております。
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峰崎直樹#21
○峰崎直樹君 竹中大臣、じゃ、これを見てどんなように思われますか。
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竹中平蔵#22
○国務大臣(竹中平蔵君) どのように思うかという御質問でありますので、私もこういう統計分析を長年やった立場からいうと、まあこういうことはよくあることだというふうに思います。よくあることだということは、サンプルの取り方によって、期間、地域、発展段階、いろんな取り方によっていろんな結果は出てき得るものだと思います。であるからこそ、長期に多くの国を集めて、大数の法則でできるだけたくさんのサンプルで見るということに一つ統計上は意味があるということなのだと思います。
 しかし、これ、それぞれどういう事情によるものかということに関しましては、峰崎委員御指摘のように、やはりこれは慎重にしっかりと議論をしていくことは、これは意味のあることだと思います。
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峰崎直樹#23
○峰崎直樹君 財務大臣、どのように思われますか。
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谷垣禎一#24
○国務大臣(谷垣禎一君) 私もこの辺りをどう見るかというのは多様な意見があると思うので、できるだけ柔軟にして考えていかなきゃいけないと。先ほども、ですから、一応こういうことを前提に、骨太等を前提に一応考えているという、一応を付けたのはそういう意味でございます。
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峰崎直樹#25
○峰崎直樹君 何でこの数字をこだわってきたかというと、これは、今日の肥大化した財政赤字というのはなぜできたんだろうかということと私は非常に密接に関係があるんじゃないかと思っているんですよ。
 というのは、七〇年代までの世界経済、世界の、八〇年代へ入ってきたときに資本の自由化を含めて国際的なグローバル化が進むと。と同時に、これはいずれもOECD各国ですから、さっき成熟国とおっしゃいましたけれども、比較的成熟に近い、している国々が多いんですけれども、そうすると、重化学工業中心の産業資本主義というものから知識情報型の産業への転換期が八〇年代に当たっていたんじゃないのかと。そのときに、実はこのような相関関係、逆相関が非常に見事に出たけれども、知識情報型の産業にうまく適合した国は実は負担率が高くてもきちんと対応できるようになったんじゃないのか。
 その意味で、私は、ここでノルウェーであるとかオランダであるとかスウェーデン、デンマークといった、ともすれば非常に大きな政府と言われている国々が比較的早くそれに乗り切ったんじゃないのかなと。それに対して日本は、八〇年代のあの中でバブルの崩壊以降、公共事業を中心にして従来型の公共事業をどんどん繰り返して財政赤字をどんどんどんどん肥大化させてしまったんじゃないのかと。その意味で、そういう大きな転換の図が私は読めるんではないかというふうに思うんですが、財務大臣、その点、そういうふうに思われませんかね。
 と申しますのは、財務大臣は、一番新しい「金融ビジネス」のスプリング、春季号の中で、財務大臣がおっしゃったかどうか分からないんですけれども、中福祉低負担から脱却すべきだということをおっしゃっているんですけれども、そうするとどのように、しかもこの中で、財務大臣がおっしゃっている中で非常に私が感心したというか是非一度聞いてみたいと思っているのは、きずなを大切にしたいと。家族のきずな、地域のきずな、あるいは国と国とのきずな、そのきずなを大切にしようということが、これは多分に精神的な問題だけではなくて、多分日本の社会の中にある伝統的な、昨日もちょっと別の委員会で義理人情の世界と、こういう話があったんですが、ちょっと義理人情というのはやや日本のやくざっぽいところあるんですけれども、そうじゃなくて、義理人情というのはやっぱり日本の社会の中にある、そういうきずなというものをしっかりと守らなければいけないねと、そういうことが恐らく土台にあるんだろうと思うんですね。
 そのきずなの意味も含めて、今私が話をしました、産業構造が大きく転換をしているときに、どうも日本の社会が進もうとしている方向というのは本当は行ってはいけないような方向に向かいつつあるんではないかなと。つまり、市場というものをかなり前面に出してきているんです。しかし、どうもそこの市場が前面に出てくることによってそのきずなをどんどんどんどん断ち切っていっているんではないかな、セーフティーネットと言われているものがどんどん断ち切られていっているんではないかなと、そういうことをおっしゃられているんではないかなというふうに思っているんですが、その点、谷垣大臣、どのようにお考えでしょうか。
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谷垣禎一#26
○国務大臣(谷垣禎一君) 私の話したことを取り上げられまして、まず中福祉低負担という表現、これは恐らく私が言い出したんじゃないかなと思っているわけでございます。ほかでは余りまだ中福祉低負担という言葉はそれほど普及していないんじゃないかなと思いますが、私はそこに今の最大の問題点があると実は思っておりまして、先ほど来の簡素で効率的な政府か小さな政府かという議論を最初に提起されましたけれども、私は、例えば社会保障にしましても、国民皆年金とか国民皆保険というような日本は制度をつくってきているわけですけれども、恐らく多くの国民に問い掛けましたときに、そんなものをやめてしまえという意味での小さな政府論者というのは余りいないんじゃないかと思っております。やはりそういうものはセーフティーネットとして必要じゃないかと多くの国民が思っておられて、しかし、そういうものを維持していくためにやっぱり無駄は徹底的に排除してもらわなければ維持可能じゃないじゃないかというのが、例えば小さな政府ということに対する賛成の根拠であったり、あるいは簡素で効率的な政府ということでやってくれという意味なんじゃないかなと思っているわけでございまして、ですから先ほど官房長官も御答弁になりましたけれども、小さな政府と言ってしまうと、そこの辺りをもっともっと切り刻んでいくというイメージと誤解されるおそれがあるという面は私はあるんだろうと思います。
 ただ、今の財政状況を考えますと、徹底的に無駄は排除をした上で、負担と中福祉と言われているもののギャップは埋めなきゃいけない、どうやって埋めていくかというのはこれからの大きな議論だというふうに私は思います。
 その上で、私のきずなというのは何なんだということでございましたが、実はきずなというのは漠然とした言葉でございますので、なかなかこれだといろんな理解が、実は私も自分で言っていながらいろんな御理解がこれはあるだろうなと思います。
 私は、日本人はやっぱり自分だけのことに、何というんでしょうか、個人の利益だけを追求するのはやっぱり良くないんで、自分で仕事をしていても、その仕事を通じて世のため人のためという気持ちが昔からあって、それはやっぱり今後も生かしていかなきゃいけないという気持ちできずなということを言っているわけでございます。
 別の言い方をしますと、行政改革を進めていって、民でできるものは民でというふうに今流れでございまして、それは私は間違ってないと思っているんですが、しかし、それじゃ、その民間が担う公というものもやっぱりあるんじゃないかというふうに私は思います。
 例えばごく簡単な例で申しますと、御商売をなさっていても、ただそこでもうければいいというだけじゃなくて、いいものを仕入れていい商品を提供すれば自分のいつものお得意さんが喜んでくれると、昨日の大根良かったよといって喜んでくれる、そういうことを生きがいにしながら仕事をしておられる方がたくさんあって、やはり自分の、それぞれ民におられる方々も、何も役人とか行政だけじゃなくて、市井におられる方が自分の活動を通じてパブリック、公を支えていくという気持ち、こういうものがなければ世の中は維持できないんじゃないかというふうに私は思っておりまして、その気持ちをきずなということで表現しているつもりなんでございます。
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峰崎直樹#27
○峰崎直樹君 官房長官、これは事前にお話ししておりません。今のきずなといいますか、社会のそういう人々の連帯といいますか、そういうものを何かこの小泉改革五年間の間に、どうもそこら辺に、ずたずたに何かされ掛かっているんじゃないかという、最近いろんな論調がそういうふうに出てきています。
 私も、そういう公共心といいますか、つまり市場という社会というのはやっぱり効率性、つまりもっと言えば利潤第一で動くというのは当たり前のことだと思うんですね。しかし、今確かにその利潤、もうけるに当たってもルールの下における、あるいは社会的な公平性といいますか、そういうものはきちんとやらなきゃいけないということは当然のことなんですが、ホリエモン事件がそうでありましたし、昨今の金融不祥事というのがどんどん起きてきている背景にも、そういうある意味では規制緩和、これは我が菅代表代行が先日たしか官房長官と議論されておりましたけれども、どうもそのいわゆる背景には、かなり商法や会社法や様々なそういう規制があるところを非常に切り込んでいった、自由化されていった、そうするとそのすき間をねらってどんどんどんどんこれが拡大していった、そういう経過があったと思うんですね。
 そうすると、どうも日本人の感覚からすると、おいおい、金で何でもできるなんて、そんな発想じゃ困るよなとか、そういうものがだんだんと、日本の伝統的な価値観の中にあったと思うんですが、どうもそういうものまで切り込まれてきているんじゃないかなということで先ほどきずなというお話がありました。そういうことについて、官房長官はどういうふうにこの五年半、小泉改革との関係で今のお話を判断されているか、ちょっと感想をお聞きしたいと思います。
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安倍晋三#28
○国務大臣(安倍晋三君) 五年前に小泉政権がスタートをいたしました。私も当初から官房副長官としてこの改革の中にいたわけでありますが、小泉改革が目指したものは、フェアな競争を行い、公平公正なルールの中でお互いにそれぞれの良さを引き出しながら伸び伸びと競争をしていく、その中から活力を生み出し、経済の力を押し上げ国の力を高めていく、それが小泉改革の目指すところでございます。
 しかし、それはもちろん最初に申し上げましたように、フェアな競争、つまりしっかりとルールを守るということが大前提でございます。その中で、今やグローバル化が進む中で、世界の競争で勝ち残らなければ、日本の中で勝ち残ったとしても、結果としては勝ち残ることができない。そして、雇用を守ることもできませんし、日本の経済力は落ちていくという中では、これは、改革は必ず行わなければならないという大きな私は命題だったと、このように思います。
 そして、その中で、もし、きずな等の、これがだんだんこれ薄まってきているのではないかという今、昨今の批判があるわけでありますが、これはやはり私は誤解ではないかと。例えば、地域のきずな、家族のきずなが薄まってきているとすれば、これはやはりこの戦後の六十年の長い歴史の積み重ねによるものではないだろうか。またあるいは、これはやはり教育の場においてルールを守る、絶対にルールはやはり守らなければいけない、あるいはまた、家族の価値というのはこれは何事にも、これは物やお金には代えられない価値ですよ、損得を超えた価値なんですよということもしっかりと教えていく。そのことが私はむしろより大きいウエートを占めているのではないだろうかと、このように思うわけでありまして、そうした現象、今言われているホリエモン現象等、ビジネスチャンスは広げたわけでありますが、ルールを守らないというのはこれはやはり私は別の問題ではないだろうかと、このように思います。
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峰崎直樹#29
○峰崎直樹君 もう一番目のテーマだけで三十分超えてしまったんで、そろそろこの点ちょっと集約したいんですが、官房長官あるいは中馬さん、どちらでも構いませんが、今お話を聞いていると、小さい政府という言葉は使わないんだと、政府は。財政的には大変厳しい、国の中央財政、国家財政、後で財政の問題を本当は議論したいと思いますが、そういう大変財政が厳しいんで、何とかこの財政の、今すべての問題が財政に集約されているような気するんですが、その財政を何とかしなきゃいけないので、実は無駄なところは切り込んでいきますよと、民間で可能な限りできるまでやりますよと、こういう意味であって、その言われるところの小泉内閣は小さな政府を目指すつもりはありませんと、こういう理解でよろしゅうございますか。
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