環境委員会

2010-11-11 参議院 全241発言

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会議録情報#0
平成二十二年十一月十一日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月四日
    辞任         補欠選任
     柴田  巧君     水野 賢一君
 十一月五日
    辞任         補欠選任
     大門実紀史君     市田 忠義君
 十一月十日
    辞任         補欠選任
     鈴木 政二君     長谷川 岳君
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     福山 哲郎君     松浦 大悟君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        北川イッセイ君
    理 事
                轟木 利治君
                山根 隆治君
                有村 治子君
                川口 順子君
    委 員
                小川 勝也君
                大石 尚子君
            ツルネン マルテイ君
                白  眞勲君
                平田 健二君
                松浦 大悟君
                松野 信夫君
                小坂 憲次君
                谷川 秀善君
                中川 雅治君
                長谷川 岳君
                加藤 修一君
                水野 賢一君
                市田 忠義君
                亀井亜紀子君
   国務大臣
       環境大臣     松本  龍君
   副大臣
       外務副大臣    松本 剛明君
       環境副大臣    近藤 昭一君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  山花 郁夫君
       農林水産大臣政
       務官       田名部匡代君
       環境大臣政務官  樋高  剛君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山下 孝久君
   政府参考人
       外務大臣官房地
       球規模課題審議
       官        杉山 晋輔君
       農林水産大臣官
       房技術総括審議
       官        小栗 邦夫君
       林野庁長官    皆川 芳嗣君
       水産庁増殖推進
       部長       成子 隆英君
       環境大臣官房長  谷津龍太郎君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       佐藤 敏信君
       環境省自然環境
       局長       鈴木 正規君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地域における多様な主体の連携による生物の多
 様性の保全のための活動の促進等に関する法律
 案(内閣提出)
    ─────────────
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北川イッセイ#1
○委員長(北川イッセイ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、柴田巧君、大門実紀史君及び鈴木政二君が委員を辞任され、その補欠として水野賢一君、市田忠義君及び長谷川岳君が選任されました。
    ─────────────
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北川イッセイ#2
○委員長(北川イッセイ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房地球規模課題審議官杉山晋輔君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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北川イッセイ#3
○委員長(北川イッセイ君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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北川イッセイ#4
○委員長(北川イッセイ君) 地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次発言願います。
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轟木利治#5
○轟木利治君 おはようございます。
 民主党の轟木でございます。
 本法案の質疑に入る前に、大臣に少しお聞きしたいと思います。
 愛知県名古屋市で行われました生物多様性COP10におきまして、大臣は議長を務められ、愛知目標、そして名古屋議定書が合意されたことに対しまして心から敬意を表しますとともに、大変御苦労さまでございました。
 そこで、各国との調整で御苦労された点は何であったのか、また今回のプロセスで何を得られたのか、そして、次の国際会議である十二月に行われますCOP16に対し、名古屋での教訓を生かしてどのようなスタンスで臨まれようとされているのか、お聞きしたいと思います。
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松本龍#6
○国務大臣(松本龍君) お疲れさまです。
 今COP10のお話がありましたけれども、それぞれ議長国として、ここにおられるすべての皆さんのお力があって私は、厳しい状況でありましたけれども、ある程度の成果を得ることができたというふうに認識をしております。
 一番何が苦労したかということでありますけれども、やっぱり、愛知目標もそうでありますけれども、名古屋議定書、いわゆるABSに関して、これはもう大変厳しい状況でありました。十八年前に生物多様性条約ができて、十八年掛けてまとまらない。しかも、四年ぐらい前からCOP10で、二年前にもCOP10でこの検討を終了するという使命がありました。あっ、四年ですね、四年前からCOP10で終了するという使命がありましたので、大変厳しい状況でありました。新聞、マスコミ等、途上国と先進国の対立等々と言われて、私自身は必ずその真ん中に共通の利益があるはずだということで進めてきたところであります。
 しかし、COP10の前に、ちょうど二〇一〇年は、報告書で二〇一〇年目標がほとんど達成できなかった、生物多様性の損失速度を著しく減少させるという目標ができなかったという、要するに失望というか、そういうものを全部共通に持っておられて、九月にはニューヨークに結集をされ、十月には名古屋に来られたわけであります。
 そういう意味では、ここをまとめる作業が大変厳しい思いでありましたけれども、それぞれが、EUも途上国もすべてがやっぱり痛みをこらえながら譲歩し妥協してまいりました。そして、アフリカ始め途上国の皆さんも同じようにそれぞれ国の事情がある中で譲歩、妥協を重ねながらまとまりかけましたけれども、二十八日まで、もう夜中の零時までまとまりませんでしたから、議長提案をその後出すということを全体会議で報告をし、議長提案を最終日に出すに至りました。
 そういう意味で、朝からずっと議長提案を、順番は構いませんけれども地域の方々に来てくださいということで来ていただいて、それぞれ地域でまとめてくださいという話をしまして、ようやくその日の二時からその結果を聞く会合、全体で集まったわけですけれども、それぞれ合意をしていただいて、また最後にアフリカ諸国が来て十分ぐらいしゃべられましたけれども、このときは本当に厳しい状況でありましたけれども、最後は議長案で私たちはスタートをしたい、合意をするという言葉をいただいて合意が成立をすることができました。
 しかし、これはそれぞれの国々が妥協に妥協を重ねた結果でありますから、まだまだ固いものではない。ですから、最後まで気を緩めることなくやったというところであります。午前三時にまとまりまして感動しましたけれども、やっぱりこれからの課題が一番大きいなということで、これからまたこの委員会で御論議をいただくことになろうかというふうに思っております。
 十一月の下旬からCOP16がメキシコのカンクンで始まりますけれども、このCOP16も、今EU辺りが京都議定書の第二約束期間をつくろうという話がありますけれども、やっぱりこれは前提条件がしっかり要ると。すべての主要国が参加する中で、公平で実効性のある国際的な枠組みができなければならないという私は前提条件はしっかりつくり上げていかなければならないと思います。
 ちなみに、御参考までに言いますけれども、京都議定書の批准先進国は、つまり削減目標を持っている国のCO2の排出量は一九九〇年のときは四二%でありました。世界の排出量の四二%を京都議定書の枠組みの中で排出していたんですけれども、一番近い近似値でいいますと二〇〇七年は二八%になっている、四分の一強になってしまっています。
 もう一点、アメリカと中国は一九九〇年のときは三四%でありましたけれども、今や二〇〇七年では四一・三%になっています。ですから、中国、アメリカが入らない京都議定書の第二約束期間はすべての世界の排出量を減らすという壮大な目的に比すれば、そういう意味ではこの枠組みの中で第二約束期間というのは、昨日おととい総理も答えられましたけれども、これはあり得ないということで私ども臨んでいきたい。しかし、やっぱり米国や中国の背中を押していくようなことも、EUとともにしっかり連携を組みながらやっていきたいというふうに思っております。
 いずれにしても、厳しいメキシコ・カンクンでの交渉になろうかと思いますけれども、国益を損なうことなくしっかり臨んでいきたいというふうに思っております。
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轟木利治#7
○轟木利治君 ありがとうございます。
 環境省のスタッフの皆さんを含めて、本当に御苦労さまでございました。この参議院の環境委員会としても、二十六日だったと思いますけれども、COP10の会議に参加させていただき、また状況を見させていただきました。そのときに大臣の部屋にも入らせていただいて、当時、その日は近藤副大臣が御在室でございました。最初に私びっくりしましたのは、近藤副大臣、家が近いのに毛布があったものですからここで寝泊まりしているのかなと思いましたけれども、そうではないということなのでちょっと安心をいたしましたけれども、本当に御苦労さまでございました。
 では、早速法案の内容について御質問をさせていただきますが、我が国の生物多様性保全をする上で、現在どのような課題を抱えられていると認識されているのか、また、この法案はその課題をどのような貢献ができると考えられているのか、お聞きしたいと思います。
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樋高剛#8
○大臣政務官(樋高剛君) 轟木先生におかれましては、日ごろから日本の環境政策推進に対しましての大変な御尽力をいただいておりますことを、この場をお借りをいたしまして敬意と感謝を申し上げます。どうぞ今後とも御指導いただきますれば幸いでございます。
 この生物多様性につきましてのまず課題ということであったろうと思っておりますけれども、日本の生物多様性につきまして、まず第一の危機という点につきましては、例えば都市開発に代表されます、いわゆる人間の活動によって生態系の破壊あるいは種の減少、絶滅が行われるというのがまず一点目でございます。
 そして、第二の危機ということでありますけれども、これは里地里山などに対して人間の働きかけの減少による影響、つまり例えば下草刈り、あるいは落ち葉がきに代表されるような人間の働きかけがどんどん少なくなってしまったということの影響でございます。これが第二の危機でございます。
 そして、第三点目の危機でありますけれども、外来生物などによる生態系の攪乱、マングースあるいはカミツキガメなどに代表されるようなケースでありますけれども、この三つの危機に直面をしているというふうに今認識をしているところでございます。
 また、この三つの危機に加えまして、近年では、もう御案内のとおり、地球温暖化による生物多様性の危機も生じてきているというのが現状でございます。
 そこで、この法律におきましてどのような効果があるのかというお尋ねでありますけれども、地域連携保全活動計画が作成をされるということになっておりますけれども、このことによりまして、いわゆる希少種の保護増殖が行われること、そして里地里山の手入れが行われるようになるということ、そして外来種の防除など、この三つの危機に対して、現在我々が直面をしているこれらの危機に対して、地域レベルでの、それぞれの地域地域での様々な保全が活発に行われるようになるというふうに認識をしているところでありますけれども、特に、二点目の危機でありましたけれども、人間の働きかけの減少という第二のこの危機に対しまして、いわゆる手入れの減少ということに対しては、この法律によりまして地域連携保全活動が促進されることによってとても大きな貢献ができるのではないかと、大きな成果が上げられるのではないかというふうに期待をしているところであります。
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轟木利治#9
○轟木利治君 よく分かりました。
 今、現状起きている現象でも、特に最近ではクマの問題だとか、人間生活と野生生物、動物の生活境界が大変難しくなってきていると、こういった思いでは、この法案によってしっかりそれが保たれるように努力しなければならないと思ってございます。
 今、先ほど言われました地域の問題で少しお伺いをしたいと思いますが、この法案によって地域での活動を促進していくことになりますが、国も逆にしっかり役割を果たしていく必要があると思っております。地域での活動を支援するとともに、国が責任を持つべきものについて保全をする必要があると考えておりますが、この点についてお聞きしたいと思います。
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樋高剛#10
○大臣政務官(樋高剛君) ありがとうございます。とても大切な御指摘をいただいたと認識をしております。
 この法律に基づく地域の活動に対しまして国として必要な支援を行っていくことは、法案の実効性を高める上でとても重要であると認識をしております。環境省といたしまして、例えば具体的に考えております地域の活動支援についてちょっと触れさせていただきますと、まず一点目といたしまして、各地域で実施されている保全活動の情報収集、あるいはホームページ等を通じた発信を行ってまいりたい。そして第二点目といたしまして、地域連携保全活動計画の作成のための手引書を作るという、手引書の作成を行うということでありますけれども、これは法案の施行までに行う予定となっております。そして三点目でございますけれども、地域の協議会などが行う生物多様性保全に関する計画の作成や、あるいは同計画に基づく活動の実施支援を行う、いわゆる地域生物多様性保全活動支援事業を行うと。これらの支援に努めてまいりたいというふうに考えております。
 また、今先生からの御指摘がありましたけれども、国におきましては、自然公園法に基づく国立公園あるいは鳥獣保護法に基づく特別保護地区など国として責任を持って守るべき地域、面でございますけれども、地域、あるいはまた、違う側面でありますけれども、例えばトキやイリオモテヤマネコなどの希少種についてはこれまでどおりしっかりと国として責任を持って保全をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
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轟木利治#11
○轟木利治君 是非、地方任せにならないように国としてもしっかり支援をしていくということが重要だと思ってございます。
 今お話があった、各地域によって地域協議会をつくって、そこへ運営を頼むんだと、やってもらうんだというお話でございますけれども、ほかの法案に関しても特に環境を守るという意味では地域協議会ができ上がっておりますが、いろいろお話を聞くと、地方によると、もう人がいないんだと、その担当をする人が。
 だから、地域協議会をつくらなきゃ回らないんだとか、本当の意味での、本当に運営が回るのかどうか、こういったところも含めてしっかりフォローをしていただかなければならないと思いますし、今回の大きな特徴としては、NPO法人なんかも巻き込んでしっかり情報交換を含めて国としても提供をしていくんだということでございますけれども、特にこのNPO法人なんかがもう本当に真剣にまじめに取り組んでおられるところに、本当にどのような、情報提供を含めて提示できるのか、支援ができるのか、そして彼らが求めているものが何なのかと。
 本来、今の私が知っている範囲での情報でいくと、この法案でもなかなかまだそこを満足するところまでは行っていないんではないかと思っております。これがスタートとして、当然、生物多様性の基本法に基づいてこの法案ができ上がってくるわけですから、その施行をしながらしっかり実施をしていただき、また充実を図っていただきたいと、こういった要望もさせていただきたいと思います。
 ちょっと視点は変わりますけれども、次に、コウノトリやトキなどを保全する地域で栽培された農産物を地域ブランドとして売り出したり、保全活動の場所をエコツーリズムに活用したりする地域が出ております。このような環境を保全する活動を地域の活性化につなげていく取組が必要だと感じておりますが、この点についてどのようなお考えをお持ちか、お聞きしたいと思います。
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鈴木正規#12
○政府参考人(鈴木正規君) ただいま御指摘ありましたように、兵庫県の豊岡市のコウノトリや佐渡のトキの保護活動で見られますように、環境に配慮して作られた農作物というものを売り出して、こうしたものの認証制度を設けることなどによって地域の活性化が図られるという事例が全国各地で見られるようになってきております。
 この法案は地域の生物多様性を保全する活動を促進するということをねらいにしておりますが、こうした保全活動が地域の活性化につながるということになりますと、ますます保全活動にも力が入ってくるということで好循環が生まれるんではないかなというふうなことで期待しているところでございます。
 先ほど政務官からお話がございましたけれども、こうした良い事例につきまして情報を収集して、多くの方々に知っていただき、こうした好循環が全国各地で生まれるように配意していきたいというふうに考えております。
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轟木利治#13
○轟木利治君 地域活性化も含めて是非しっかり取り組んでいただければと思ってございます。
 また、直近の新聞情報でございますけれども、ちょっと気になった点がございましてお聞きしたいと思いますが、先日、知床の一〇〇平方メートル運動が完了したという新聞記事がありました。これまでの日本のナショナルトラスト活動についてどのように評価されているか、また、今後のナショナルトラスト活動を推進していくために何が必要であるかということをお聞きしたいと思います。
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鈴木正規#14
○政府参考人(鈴木正規君) ナショナルトラスト活動、先生御存じのとおりでございますけれども、広く国民の方々から寄附を募りまして、その寄附で集まったお金で自然環境の保全に重要な地域を購入し、その土地をきちんと保全していこうという民間の自発的な活動ということでございます。
 こうした活動というのは、生物多様性の保全にとりましてはとても貴重な活動でございまして、これまでも大変な成果を上げてきていただいておりますけれども、今後ともこうした活動が各地で十分な成果を上げていくということが生物多様性を守っていく上で非常に重要だというふうに考えております。
 現在、こうした形で活動をしていただいております民間団体の数は全国で約五十ございます。そして、こうした方々が土地を保有した面積は一万ヘクタールにも及んできております。ただ、最近の活動事例を見てまいりますと、少しずつではありますが増えておりますけれども、非常な勢いで活発に増えているというところまでは言えないということがございます。
 こうした皆さんと活動が順調に進むように環境省としてもいろいろな意見交換等を通じて、皆さんの課題あるいは政府としてやれること等について意見交換を繰り返しておりますけれども、この方々からは、土地の買取りあるいは維持等についてできるだけ円滑に進むように、また支障が生じないように環境整備を国としてはやってほしいというお話も伺っております。
 こうしたことで環境省としても、こうしたそれぞれの方の御意見を踏まえながら、例えば寄附金の形について現在所得控除のスキームを持っておりますけれども、こうしたことのほかに何かできることはないか等々、更に検討をしていきたいというふうに思っております。
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轟木利治#15
○轟木利治君 分かりましたけれども、まだまだこれから課題は多いと思っております。
 私も実は出身は大変山の方でございまして、実家も農業ももうやめてしまいましたけれども、やはりそういった山林についてはもう人手がいないというのが一番の日本の課題だと思っております。その山林含めて自然を守ろうという人たちが本当に努力していただくということは大事だと思います。
 それを貴重に、大切に扱っていかなきゃならないと思っておりますが、そういった面では、寄附金を集めてそれで何とかしてくださいだけではなくて、やはり税法上何とかならないのかとか、そういったところも含めて検討が必要だと思いますし、その根っこの更なる問題というのは、やはり山林なんかでは境界線がはっきりしていない、だれの持ち物なのかどうかと。こういったところがはっきりしない限りは、なかなかそこに実際の区分だとか持ち物というものを感じたときに管理ができないのではないかなと思っております。
 これは環境省の管轄ではないと思いますが、逆に環境省としてもこういった区分をしっかりやるべきということを訴えていただきたいと思っております。
 そういった意味で、今回のこの里地里山法がしっかり運営され、本当に充実した、そして自然を守る足掛けになることを期待しております。
 少し時間が早いようでございますけれども、私の質問を終わらせていただきます。
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中川雅治#16
○中川雅治君 自民党の中川雅治でございます。
 最初に、生物多様性条約第十回締約国会議、COP10の結果について質問をさせていただきます。
 松本環境大臣におかれましては、議長役、誠にお疲れさまでした。今、轟木委員の御質問にもお答えいただいておられましたけれども、まず今回のCOP10の結果について松本環境大臣御自身の評価をお伺いしたいと思います。点数でいくと何点かという、よくそういう聞き方をしますけれども、点数を付けるのは難しいと思いますので、端的に御評価をお伺いしたいと思います。
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松本龍#17
○国務大臣(松本龍君) この参議院の環境委員会は、川口元大臣とか中川事務次官とか、もうそうそうたるメンバーで足ががたがた震えるぐらい今日は緊張してまいっておりますけれども、点数は人に付けていただくことにしたいとまず思っております。
 COP10の大きな成果といいますと、懸案でありました、みんながやっぱり失望感を持っていたポスト二〇一〇年に空白期間を設けてはならないということが一つありまして、これには二〇五〇年の愛知目標、そして二〇二〇年までの目標等々ありまして、いわゆるABS名古屋議定書ができたことが大きな合意だっただろうというふうに思いますし、ABSにしましては十八年間一生懸命事務方が頑張ってきた、CBDが頑張ってきて、ようやく愛知で、名古屋でまとまったというのが一番大きいというふうに思っております。
 モントリオールの会議で五月、七月、九月と今月あったんですが、もうこれはなかなかできないという中で、日本が会議表を出してまで何とかまとめようというのが最後に成就をしたというのが私としてもうれしかったというふうに思います。
 ちょっと深掘りをさせてお話をさせていただきたいと思いますけれども、今回の成果というと、一つは、すべての国々が言われたんですけれども、愛知、名古屋のホスピタリティーといいますか、もてなしが物すごく有り難かったというのがそろって言われたことであります。もう一つは、会議の運び方、議事の運営の仕方が公平でスムーズでよかったということを言われました。
 これは、やっぱり事務方が一生懸命それぞれの場で頑張ってくれたおかげだというふうに思っております。COP15が終わって皆さんこちらに来られましたから、そことの比較もあったんだろうと思いますけれども、そういうこともありました。
 そして、今回一番大きかったのは、今まで試みがないんですけれども、非公式の閣僚級会議というのを二十七日、二十八日、最終日の三日前からずっとやりました。これも非公式の閣僚級会議でオープンであるという、何かよく皆さん御理解できないと思いますけれども、とにかくオープンにしていきながら、そして公平で公正な立場を貫いていこうということで、この閣僚級会議の得た合意を作業部会あるいは交渉人たちにアウトプットした、あるいはガイドラインを示してきた。
 ですから、ここでお話しされたときは、とにかく名古屋でABSをまとめましょう、COP10を成功させましょう、ポスト二〇一〇年をやりましょう、しっかりやりましょうという閣僚級の合意をしっかり、合意をしていただいたことをフィードバックしていった。このことはこれからの国際会議で物すごく大きな意味を持つというふうに思います。交渉をする人たちが最終的に政治判断はなかなかできないわけですから、そういう意味ではいい試みを世界に示したんではないかと思います。
 議長提案につきましては大変厳しかったです。もう最終日の朝の八時からそれぞれ議長提案を皆さんに渡してまいりました。私は、あえて皆さんに言ったのは、この議長提案は完璧ではありませんと言いました。というのは、やっぱりそれぞれがみんな完璧ではないと思っておられるわけですから、これ完璧な議長提案ですと言うわけにはいきません。完璧でないけれども、みんなこれでまとめてくれませんかということを口を酸っぱくして各地域代表に言いました。
 そうしたら、やっぱりそれぞれが、さっき言いましたように譲歩し妥協して議長提案に乗るということを言われましたので、そのときはもう涙が出るほどうれしかったわけですけれども、しかしやっぱりここで最終的に合意しても、それぞれ妥協の案ですからまだガラス細工であると。これをしっかりしたものにするためにはもうその時点から危機管理を始めましょうということで、環境省、外務省それぞれに申し渡して危機管理をしてきたところであります。
 ですから、もう二国間交渉はその日から絶対するなということでやめさせました。一つの国が一つの文言を、これは駄目だ、この一文字を変えてくれと言ったら、すべての国が言い出しますからまとまりません。ですから、そういう意味では、最後、公平を貫いた、そして各国を信頼し切ったということが一番大きな成果だったかなというふうに思っております。
 いろいろ話せば長いことがありますけれども、本当に人類の英知が結集して、例えば途上国はお金が欲しいとか言います、EUは高い目標を下ろさなければならないと言いますけれども、私は、途上国がお金が欲しいとかいう、そういう生易しい思いでこのABSをまとめたとは思っていません。そのくらいやっぱり世界の生物多様性を守るという思いがそれぞれの腹の中にあって、それが結実したというふうに思っておりますので、この成果はこれから問われるというふうに思いますし、評価という点ではこれからが正念場であるというふうに思っておりますので、委員各位のこれからのお力添えをまた賜りますようにお願いを申し上げたいと思います。
 本当にありがとうございました。
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中川雅治#18
○中川雅治君 今の大臣のお話を伺いまして、まさに途上国と先進国で大きな対立があってまとまらないんじゃないかというような事前の予想もありましたが、大臣の大変な御努力で一応の取りまとめができたということは私も評価をしたいと思っております。しかし、大臣もおっしゃったようにこれからがまさに大変だと。詰めるべきことがもう余りにも多い議定書であり愛知目標であるというふうに思っております。
 まず、その点について少しお伺いしたいと思っております。
 資源提供国が求めていた遡及適用は認めないと、それから派生物については条約で決めずに当事者間の契約で決めるんだということで取りまとめができたということは私は良かったと思っておりますが、この名古屋議定書の十三条ですね、十三条におきましては、各締約国は、適当な場合には、遺伝資源の利用に関する監視のために一つ以上のチェックポイントを指定するとありますが、これは余りにもあいまいでありまして、今後に課題を残していると思います。
 例えば、我が国の企業が遺伝資源を資源提供国から取得する場合に、資源提供国の法令や行政上のいろんな規制に全く触れない、反していないかどうかを確認するのは、資源提供国から証明書でも出してもらわない限りなかなか難しいんじゃないかと思うんですね。
 資源提供国の土地の所有者、これはもう個人だとしますと、その個人が自分の国のいろんな法令とか行政上の規制を知っているとは限らないわけですから、その個人と日本の企業が契約をした場合に、その個人が法令に反していませんよというようなことを言っても、我が国の企業はそれを直ちに信ずるわけにはいかないということになりますと、やはり何か当該国の方から法令とか行政上の規制に違反していませんよという証明書を出してもらうような簡易な道を認めていかないと、実際には実務上大変なことになるんじゃないかなと。同時に、我が国の行政当局も大変になるんではないかというふうに思います。
 そういう意味では、資源提供国というのは途上国だけではなくて先進国もなり得るわけですから、結局、世界のほとんどの国のそういう遺伝資源提供に関する法令とか行政上の規制をデータベース化する必要が出てくるのかなと、これは大変な作業じゃないかなというふうに思います。
 それから、チェックポイントについて、特許出願時とか製造販売の許可時だというような例示はしないで一つ以上のチェックポイントを指定するということになったわけでありますけれども、実際に資源提供国から取得をした遺伝資源を利用して製品を作って販売をする、その過程で行政上の許認可が全く必要がないというようなケースもあるだろうと思うんですね。そういう場合にはどこをチェックポイントにするのかという問題も出てくると思います。
 さらに、そのチェックポイントをどこに置くのか、チェックの程度をどの程度にするのかは各国に任されているというように聞いているんですけれども、そうなりますと、国によって厳しいところ、甘いところが出てくるということになりますと、せっかく名古屋議定書という条約をまとめた意味が薄れてしまうというように思います。
 こんなことで、いろいろ課題があると思うんですけれども、環境大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
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松本龍#19
○国務大臣(松本龍君) 一番大切な、そして重要な御指摘をいただいたと思います。
 遡及適用はなくなりましたし、派生物もそういうことになりました。
 チェックポイントは、本当に今御指摘のとおりになかなか難しい問題ですけれども、遺伝資源の利用の監視に関する議定書第十三条、今おっしゃいましたけれども、一つ又はそれ以上のチェックポイントの指定とあって、指定されたチェックポイントは、適宜、事前の情報に基づく同意、遺伝資源の出所、相互に合意する条件の締結、及び、又は遺伝資源の利用に関する関連情報を収集又は受理するとあります。各国は、それぞれ今利用国の措置に自由度や裁量が認められるという規定になっておりますけれども、それぞれ国内事情で適切な措置を講じることとなり、国により監視の程度にも差が生じることはやむを得ないというふうに思っております。
 いずれにしましても、我が国では制度的な実行可能性や関係業界への影響等の観点も踏まえて、関係各省で十分な検討を行っていきたいと思っております。
 これはやっぱり枠組みが決まったわけですから、ある意味では試行錯誤はしばらく続くと私は思っております。みんなが合意はしましたけれども、例えばもうここ五年か十年ぐらい前からそれぞれの企業は、企業が相手の国の企業とか、企業が相手の国とか、そういういろんなケースを試行錯誤して、あるところでは、企業は相手の国の企業と一緒になって、その企業は途上国の政府がバックアップしていますけれども、相手の国で特許を取って特許をそこで登録したり、いろんなことが今まで、過去のことを振り返ったらあったことも事実であります。
 そして、例えばアルゼンチンに植物を採集に行って、いろんなことを経験をしていきながら、相手にやっぱり森林を探索することの本当の意味とかということも伝えながら、いわゆる知識とか技術を相手に供与していきながら、日本の国の企業が採集をすることを認めてもらえる。そして、こういうまた枠組みがつくられましたから、それぞれみんな試行錯誤をしてやっていかなければならないというふうに思っております。
 いずれにしましても、枠組みが決まったということで、これからは逆に言うと企業はビジネスチャンスが広がったというふうに考えていただいて、コストではなくて投資だという思いで、この状況の中、これを克服してビジネスを膨らませていくという作業が要るだろう。ある意味では、逆にこれを遵守をしなかったら企業の社会的責任とかということにも問われかねない、あるいは損害賠償ということにも問われかねないということもありますので、慎重にそれぞれが対応していただいて、その時々に、我々もそうですし、環境省もそうですし、様々関係省庁、バックアップ体制を取っていくシステムをつくっていきたいというふうに思っております。
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中川雅治#20
○中川雅治君 これからそういう意味で大変大きな宿題を負ったというふうに思います。
 私は、例えば我が国の企業が資源提供国から遺伝資源を取得して大きな利益を上げる場合にそれを資源提供国に適切に利益配分をするということは、ある意味では民間資金によるODAの提供と同じような効果を持つものだというふうに思いますので、これを適切に行ってもらうということは国としても望ましいことだと考えるべきだと思っております。
 そこで、例えば資源を採取する対象の土地が途上国の個人の所有であるような場合に、その個人と今度は資源を取得する我が国の企業、これは我が国とは限りませんが、先進国の企業とがその利益配分をどうするのかは、結局個々の契約に任されるということだというふうに聞いているわけでありますけれども、知識も立場も弱い途上国の個人と、大きな力を持った、また専門知識を有している大企業との間に本当に公正な契約ができるのかどうかということは疑問があると思います。
 そういう意味では、この議定書ではそのような公正性を担保するにはどうすべきだと考えているんでしょうか。
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近藤昭一#21
○副大臣(近藤昭一君) おはようございます。
 環境副大臣の近藤昭一でございます。
 中川委員におかれましては、環境事務次官もお務めになられ、環境行政に大変に精通しておられるわけでございまして、改めて中川委員始め参議院の環境委員会の皆さんに副大臣の私の立場からも、さきのCOP10、御視察もいただきまして、多くの御支援をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
 その上で、今御質問をいただきました生物多様性条約、この締結には途上国、そしてまた先進国と、それぞれ多くの議論があったわけであります。今、中川委員も御指摘になったことについても、懸念と申しましょうか、いろいろ議論がありました。
 ただ、そういう中では、この条約の中で、遺伝資源を利用する場合には利用者が提供者と相互に合意する条件で契約を結び、公正かつ衡平に利益を配分することを求めており、これまでも二〇〇二年に策定されたボン・ガイドラインを参考にしながら提供者と利用者との間で個別の契約により実施されてきたと。
 ただ、そうしたことに対して、今回の議定書においては、遺伝資源を取得しようとする利用者は当該遺伝資源の提供国の事前同意を得なければならない、こういう一つの仕組みをつくったわけでございます。また、この議定書の中で、後発開発途上国や島嶼国等における能力構築や人的資源の強化等に関する規定も設けさせていただいたと、こういうことでございます。
 我が国といたしましても、途上国の能力開発のために必要な支援を行ってまいりたい。私も大分会議の途中でそれぞれの途上国あるいは先進国と会談を行わさせていただきました。そういう中で、特に今の、中川委員も御指摘の、途上国からはそうした支援に対してこの議定書の仕組みの中で、またあるいは日本との個別の関係の中で支援を要望する声も強かったわけであります。このことについては十分に取り組んでまいりたいと思います。
 ありがとうございます。
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中川雅治#22
○中川雅治君 それともう一つお聞きしたいのは、アメリカは元々生物多様性条約に参加しておりませんので、今回のCOP10においてもオブザーバーとして参加しただけであると聞いております。この名古屋議定書に参加しない場合には資源提供国の遺伝資源へのアクセスができないということになるのであれば、アメリカもこれはもう大変なことだということでこの生物多様性条約に参加をして名古屋議定書を批准するということになる可能性もあると思うんです。
 しかしながら、あくまでアクセスができるかどうかというのは民間の契約ベースの話だということで、実際には名古屋議定書に参加していようと参加していなくても結局はアクセスはできるんだと、あとは契約だと、こういうことになりますと、アメリカなどは何も名古屋議定書に参加しなくてもよいと、こういうことになってしまうと思うんですね。
 名古屋議定書を批准し、条約に参加をしない国がきちんと不利益になるようなことでなければならないと思うんですが、この点について、環境大臣はどのようにお考えでしょうか。
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松本龍#23
○国務大臣(松本龍君) よく指摘をされる質問で、私もこのことをずうっとCOP10が終わった後、考えてまいりました。大変重要な御指摘だと思っております。
 一つ中身が違うのは、一九九二年、リオの地球サミットで気候変動枠組条約ができました。生物多様性条約ができました。双子の条約と言われておりますけれども、この双子の条約の中で、京都議定書の方は削減目標を、京都議定書の中で削減目標を設定をされました。そして、枠の外にいる人たちはCO2の排出削減目標もないし、何にもしなくていいと、極端に言えば。それぞれの国ではいろいろありますけれども、拘束力がなかったわけですけれども。
 今度この名古屋議定書の方は、ある程度、これができて締約国がたくさん増えてきたら、やっぱり枠組みの中に入ろうかやめとこうかという、いわゆる動きが出てくる。むしろそういう動きが出てくることによって、今まで例えば土足で入り込むわけには、今までそういうこともなかったと思いますけれども、そういうわけにはいかないんですよというアナウンス効果があって、やっぱり枠組みに入ろうかということも、今おっしゃったとおりに予想されるというふうに思っております。
 是非たくさんの国が締約国になって、これが動き出す、そして片方で人類の福利に貢献をする利用国と、そしてそこの生物多様性をしっかり保全をしていかなければならない提供国が本当にウイン・ウインの形になっていく姿がこのCOP10の、ある意味では、これがうまくいけば大きな成果だろうというふうに思っております。
 遺伝資源の利用により生じる利益が衡平かつ公正に配分されるように利用国が適切な措置を実施する旨が規定をされました。こうした議定書の規定を根拠に、公正な利益配分やアクセスの改善というメリットを得るためにはこの議定書が必要であったと思いますし、したがって、今後、名古屋議定書を締結する国が増えてくると思いますけれども、COP10議長国の我が国としても様々なルートを通じて各国に働きかけていきたいというふうに思います。
 それぞれCOP10の報告の中でも、閣僚の懇談会でも訴えかけましたし、それぞれの個々の委員会のチャンネルの中でもそれぞれ各国に働きかけていただきたいと、そして適正なルールになるように。まだ動き出したばかりです。これがスタートと思っています。もうCOP10は終わりではありませんから、スタートと思っていますから、皆さんの御協力もよろしくお願いをしたいと思います。
 ありがとうございます。
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中川雅治#24
○中川雅治君 大臣も度々おっしゃっているように、まさにこれからだということでありまして、名古屋議定書につきまして取りまとめができたということは私も非常に良かったと思いますが、余りにもこれからの課題が多過ぎるような、そういう気がいたしております。
 もう一つの柱であります新戦略計画、いわゆる愛知目標、愛知ターゲットの方は、これは条約ではなくてまさに目標だということで、もっともっと抽象的でこれからの課題がもっともっと多い、そういうものだというふうに思っておりまして、これから更にこの点について世界各国で協議をし、また日本の国内でもいろいろな詰めをしていかなければならない、そういう課題のたくさんある目標だというふうに思っております。
 例えば、この新戦略計画の目標二に、遅くとも二〇二〇年までに生物多様性の価値が国と地方の開発、貧困解消のための戦略及び計画プロセスに統合され、適切な場合には国家勘定また報告制度に組み込まれていると、こうあります。これはなかなか分かりにくい表現でありますが、要は生物多様性へのプラス、マイナスの影響を数字で示すということを要求しているんだと思うんですね。
 しかし、生物多様性にプラスになる事業をどのように数字で表し、マイナスになる事業をどのように数字で表すのかということは、これは容易ではないと思います。そして、これを各国でばらばらにそのような数字の出し方を決めたり報告の仕方を決めるということであれば、これは意味のないことだと思いますので、まさに世界レベルで検討しなければならないことだと思います。
 遅くとも二〇二〇年までにと、こうありますが、今のこの時点で、あと十年でこういうようなことが実現できるのかどうか。例えばこういった問題がいろいろあると思うんですね。この点についてお伺いしたいと思います。
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松本龍#25
○国務大臣(松本龍君) 御指摘のとおり、愛知ターゲットも、実はこれも作業部会一と二とABSがあったわけですけれども、二で最後の最後まで議論を重ねられました。メキシコの議長が本当に精力的にもう多分ほとんど寝ていないぐらい毎日毎日やって、二十九日も、実はABSはある程度まとまったんですけれども、こっちのポスト二〇一〇年目標の方は十時半ぐらい掛かって、全体会議がそれで遅れて始まったというぐらい各国が熱心にやられました。
 そういう意味では、なかなか分かりにくいということもあろうかと思いますけれども、それぞれが高い目標を持ったり、そうではない、先進国はちょっと目標が高過ぎるとかという途上国の話もありましたけれども、こういう形でまとまったということも御理解をいただきたいと思います。
 しかしやっぱり、ティッピングポイントといいますか、このポイントを超えたらもう種が絶滅をするというところは私たちはしっかり避けていかなければならないということも私たちは念頭に入れていきたいというふうに思います。国内でも生物多様性国家戦略を見直すとともに、ある意味では途上国のそういった実施能力を高めるための支援等も進めていきたいというふうに思っております。
 目標二では、国や自治体などにおいて生物多様性の価値を認識し、様々な意思決定において考慮されることが求められていると思います。我が国におきましては、これまで生物多様性国家戦略を踏まえて国の各種開発計画に生物多様性保全の趣旨を反映させてきておりますし、新戦略計画、愛知目標の決定を受けて、こうした問題に更に取り組んでいきたいというふうに思っております。
 また、国家勘定に生物多様性の価値を組み込むことにつきましては、世界銀行、私もゼーリック総裁と二度会談をしましたけれども、新しい枠組みも彼らは出して、知恵を出してきています。世界銀行と連携をしながら、生物多様性の経済価値を定量的に把握をして政策決定に反映するための手法を開発することとしておりますので、この取組を通じてまた様々検討してまいりたいというふうに思っております。
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中川雅治#26
○中川雅治君 次に、愛知目標の十一についてお伺いしたいと思います。
 途上国と先進国との間で保護区を何%とするかをめぐって激しい議論があったと聞いております。最終的に、二〇二〇年までに陸域及び内陸水域については一七%、沿岸、海域については一〇%を保護区などで保全するという目標が掲げられることとなりました。この数字はマスコミなどでも大きく取り上げられましたが、どのような地域をもって一七%、一〇%に計算するのか、この点も今後問題になるように思われます。
 例えば、陸域についての一七%でありますが、国立・国定公園や都道府県立自然公園の普通地域も計算に入ってしまうのかという問題があります。原文を見てみますと、管理が不十分である保護区、孤立した状態になる保護区などは計算に入れてはいけないとも読めます。
 目標十一の原文に照らしてこれを我が国に当てはめてみた場合、現在、我が国では、陸域で何%が、沿岸海域で何%が保全されていると計算されるのでしょうか。端的にお答えいただければと思います。
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近藤昭一#27
○副大臣(近藤昭一君) 御指摘のとおり、第二条において、保護地域とは、保全のための特定の目的を達成するために指定され又は規制され及び管理されている地理的に特定された地域をいうということになっているわけであります。その中で、我が国においては、国立・国定公園等の自然公園、自然環境保全地域等は少なくともこれに該当するものと考えております。
 現在、陸域では国土面積の約一四・四%を国立・国定公園等の自然公園や自然環境保全地域が占めると、海域については領海の約六%を国立・国定公園が占めているというところであります。
 ただ、今いろいろと御指摘もありましたように、この第二条のところにつきましては、今後更に各省庁間で相談しつつ具体的に検討していきたいと、こういうふうに考えているところであります。
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中川雅治#28
○中川雅治君 普通地域も入ってしまうということになりますと、結果として甘い数字になるというふうにも思われますし、諸外国とのバランスをきっちり取って、やはり保全のための地域はしっかりと充実させていくという方向での検討が必要ではないかと思っております。
 いずれにしましても、COP10は、これからいろいろな課題が非常に大きい、多いと思います。京都議定書と並ぶ日本の都市の名前を付けた名古屋議定書というものができたわけでありますし、愛知ターゲットと、こういうことで言われるものができたわけでありますので、今後いろいろな課題につきまして、リーダーシップを持って世界に対して発信をしていろいろな問題を詰めていく、そういう責任を負ったというふうに思いますので、是非頑張っていただきたいと思います。
 それでは、今回の法案についてお伺いいたします。
 この法案、どういう効果があるのかと。いろんな法案、もう各省たくさん毎年出すわけですけれども、後で振り返ってみて、その法律がなくてもあっても同じだと、無駄な法律を作ったと、こういうケースというのは結構あると思うんですね。私もずっと役所におりまして、自戒を込めて申し上げるわけですけれども、この法律がそうならないようにしなければならないと思います。
 三大臣による基本方針を策定する、そして市町村による計画の策定、協議会の設置、こういう枠組みをつくるだけでは何ら世の中前進しないわけでありまして、この法律が成立すると、じゃ、どういう効果が出て、どうやってその保全活動が活発になって、生物多様性がどうやって改善されていくのか、その道筋を分かりやすく御説明いただきたいと思います。
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近藤昭一#29
○副大臣(近藤昭一君) 大変に貴重な御指摘をいただきまして、ありがとうございます。
 少し繰り返しになるところもありますが、少し道筋をたどってお答えをしたいと思いますが。
 今御指摘にもありましたように、法律に基づいてまず市町村が地域連携保全活動計画を作成をするということであります。そして、これも今御指摘があったわけでありますが、NPOが積極的に市町村に対して具体的な提案をできる旨が規定されている。こうしたことが、御承知のとおり、今まででもNPO等々が積極的にこうした活動に参画をしてきた、このことを法案の中に書き込んで具体的な提案をできると、こういうことにしたということでありますし、また、これも御指摘の、協議会を設置をしたということでありますが、協議会を設置して関係者が計画作成、活動の実施について話し合う、こうした仕組みをつくったということであります。
 もちろん、仕組みをつくってもそれから実質的に進めていくことが大事だということではありますけれども、具体的に法案の中に書き込んだということは重要だというふうに思っております。
 また、この連携活動は市町村が中心となって推進をしていくと。そういう意味では、こうした保全をしていく中で、土地の所有者や企業の方にもある種の安心をして活動に参加していただけるんではないかと、こういうふうに考えておるわけであります。
 また、ここが一つのポイントだと思っておりますけれども、この計画に基づく活動については自然公園法、森林法、都市緑地法等の許可や届出の手続を不要とする。一つ一つ許可を取っていくと大変に推進に、何というんでしょうか、ある種の時間が掛かったり手間が掛かるということでございまして、この計画に基づく活動については特例を設けて、許可が、手続が不要だということであると思います。
 こうしたことであっても、本当に今委員御指摘のとおり、こうしたことを実質的に進めていくことが大事だというふうに思っております。しかしながら、今までに比べて今申し上げたような点におきましての前進がある、また私どもも、地方あるいは地方の皆さん、幅広い関係者の皆さんと国としても連携をし、しっかりと生物多様性の保全を図ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
 ありがとうございます。
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