法務委員会

2011-10-27 参議院 全313発言

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会議録情報#0
平成二十三年十月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         西田 実仁君
    理 事
                中村 哲治君
                松野 信夫君
                森 まさこ君
                桜内 文城君
    委 員
                有田 芳生君
                石井  一君
                江田 五月君
                今野  東君
                田城  郁君
                谷  博之君
                松下 新平君
                丸山 和也君
                溝手 顕正君
                山崎 正昭君
                魚住裕一郎君
                井上 哲士君
   国務大臣
       法務大臣     平岡 秀夫君
   副大臣
       法務副大臣    滝   実君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  谷  博之君
       外務大臣政務官  加藤 敏幸君
       文部科学大臣政
       務官       城井  崇君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局民事局長
       兼最高裁判所事
       務総局行政局長  永野 厚郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田村 公伸君
   政府参考人
       警察庁生活安全
       局長       岩瀬 充明君
       警察庁刑事局長  舟本  馨君
       法務大臣官房司
       法法制部長    後藤  博君
       法務省民事局長  原   優君
       法務省刑事局長  稲田 伸夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
 (足利・太田連続幼女誘拐事件と公訴時効の見
 直しに関する件)
 (法曹養成の在り方に関する件)
 (尖閣諸島沖での衝突事案における中国人船長
 不起訴処分等に関する件)
 (東日本大震災被災地における法務及び司法行
 政に関する件)
 (死刑の執行に関する件)
 (検察改革に関する件)
 (在日米軍関係者に対する刑事裁判権に関する
 件)
    ─────────────
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西
西田実仁#1
○委員長(西田実仁君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に警察庁生活安全局長岩瀬充明君、警察庁刑事局長舟本馨君、法務大臣官房司法法制部長後藤博君、法務省民事局長原優君及び法務省刑事局長稲田伸夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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西
西田実仁#2
○委員長(西田実仁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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西
西田実仁#3
○委員長(西田実仁君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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有田芳生#4
○有田芳生君 おはようございます。民主党の有田芳生です。
 今日はコールドケース、つまり未解決重要事件と時効の問題について、中心にお聞きをしたいというふうに思います。
 言うまでもないことですけれども、政治というものは国民の生命、安全、そして財産などを守っていく、それを国民の立場から考えると、やはり政治がそういうことに熱心に取り組んでくれているかどうかということが政治の正統性、正しく統べる正統性の判断の根拠になるというふうに私は考えております。
 そういう意味において、二年前の夏に政権交代が実現をいたしました。そして、鳩山政権のときに所信表明演説で、当時の鳩山総理が命を守るということを何度も強調されました。そうした国民の生活を守っていく、特に命を守るということについては、やはりこれはお年寄り、そして一生懸命働く人たち、そして日本の未来であり、日本の宝である子供たちの命そのものを守っていくということがやはり新しい政治の推進力、基準にならなければいけないと考えております。
 フランスの哲学者のジャン・ポール・サルトルは、かつて無常観の政治化という言葉、それを使いまして、無常観の政治化を克服しなければいけないと。つまり、政治というものに国民が信頼を置いて期待をしているにもかかわらず、結局のところ、何をやっても駄目じゃないか、何を言っても無駄じゃないかと、そういう無常観が政治の世界に広がることを克服しなければいけないということをこれはサルトルは語っているわけですが、私たちも、新しい政治を更に求めていくためにも、この新しい方向性というものを模索し、それを実現しなければいけないと強く感じております。
 今日は、皆様方の前で質問をさせていただくその機会に、今日のテーマであるコールドケース、未解決重要事件と時効問題について、足利事件の冤罪被害者である菅家利和さんが今日傍聴に見えておりますので、菅家さんのお気持ちも考えながら、やはり平岡法務大臣が所信でおっしゃっていたように、常に国民の皆様の常識というものに立った新しい司法というものを追求する、そういう視点で質問をしていきたいというふうに考えております。
 菅家さんに来ていただいたというのは、皆さんお分かりでしょうけれども、栃木県足利市で起きたいわゆる足利事件、実は足利市だけではなく、そのお隣の太田市でも事件が起きておりました。いわゆる北関東連続幼女誘拐殺害事件、五件の事件が一九七九年から一九九六年の間起きておりますけれども、一体どのような事件だったのかということをまず一つ一つ振り返りながら、いかに私たちが重大な課題に直面しているかということをこれから御質問させていただきたいというふうに考えております。
 栃木県そして群馬県で一九七九年から九六年の間に起きた五つの事件について、具体的に何が起きたのか、まず刑事当局からお答えをいただきたいと思います。
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舟本馨#5
○政府参考人(舟本馨君) お答えをいたします。
 五事件について発生順に申し上げますと、いわゆる福島万弥ちゃん事件につきましては、当時五歳の福島万弥ちゃんが昭和五十四年八月三日に栃木県足利市内の神社付近で行方不明となり、同年八月九日に同市内の渡良瀬川河川敷内において御遺体が発見された事件でございます。
 長谷部有美ちゃん事件につきましては、当時五歳の長谷部有美ちゃんが昭和五十九年十一月十七日に栃木県足利市内のパチンコ店付近で所在不明となり、昭和六十一年三月七日に同市内の畑において御遺体が発見された事件でございます。
 大沢朋子ちゃん事件につきましては、当時八歳の大沢朋子ちゃんが昭和六十二年九月十五日に群馬県太田市内の公園付近で所在不明となり、翌六十三年十一月二十七日に同市内の利根川河川敷内におきまして御遺体が発見されたという事件でございます。
 松田真実ちゃん事件につきましては、当時四歳の松田真実ちゃんが平成二年五月十二日に栃木県足利市内のパチンコ店付近で所在不明となり、翌十三日、同市内の渡良瀬川河川敷内において御遺体が発見されたという事件でございます。
 横山ゆかりちゃん事件につきましては、当時四歳の横山ゆかりちゃんが平成八年七月七日に群馬県太田市内のパチンコ店付近で所在不明となり、現在も所在不明であるという事件でございます。
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有田芳生#6
○有田芳生君 確認しておきたいことですけれども、今要約してくださった五つの事件については一つでも解決した事件はありますでしょうか。
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舟本馨#7
○政府参考人(舟本馨君) お答えいたします。
 誠に遺憾ながら、この五事件につきましては全て現時点で未解決でございます。
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有田芳生#8
○有田芳生君 残念ながら、五人の幼女が誘拐をされて、そのうちの四人が殺害をされているということが分かった。
 これは現地に行ってみれば分かりますけれども、足利市の駅前に織姫山という百十八メートルぐらいの小さな山がありまして、そこの上に登って見渡しますと、渡良瀬川が流れていて、渡良瀬川の向こう岸の方に、今御説明いただいた万弥ちゃんの御遺体が発見をされた、リュックの中から発見をされたんですけれども。その渡良瀬川を挟んだ僅か直線距離で二百メートルのところで、一九九〇年、菅家さんが冤罪被害者となってしまったいわゆる足利事件の真実ちゃんの遺体が発見された。僅か二百メートルなんですよね。その織姫山から左側を見ますと、今御説明をいただいた二番目の有美ちゃん、これは畑の中から白骨の遺体で発見をされております。織姫山から見渡しますと、その渡良瀬川を挟んで三人の幼女の遺体発見現場がもうすぐそこに見えるんですよ。右側の方を見ますと太田市の方になりますけれども、それは直接遺体発見現場あるいは横山ゆかりちゃんがいなくなったパチンコ屋が見えるわけではないんですけれども、車で移動をしてみると三十分も掛からない生活圏なんですよね。
 そういうところで五つの事件が一九七九年から一九九六年に連続して起きた。これは戦後の日本の犯罪史を振り返ってみても、日本広しといえどもこういう土地は全くありません。そういうことがこの間起きてきた。しかも、半径にしますと十キロ圏なんですよ。十キロ圏でそういう事件が連続して起きていて、しかも未解決である。
 もう少し詳しく申しますと、この五つの事件のうち三件がパチンコ屋で発生をしている、あるいは五件のうち三件が遺体が河川敷で発見をされている、あるいは五件の事件が起きた曜日を調べますと全て週末あるいは祝日に起きている、そういう共通点がある。これはおかしいんじゃないか、ひょっとしたら同一犯の可能性があるのではないかということで、この間、日本テレビの清水潔記者とそのスタッフが精力的に取材を進めてまいりました。私はその取材をずっと見聞きしておりまして、ただ、そういう事実、疑惑が報道されたからそれを信じるわけにいかないということで、現地にも何度も伺いましたし、被害者にもお会いしました。そして、菅家さんからも昨年詳しくお話を伺いました。
 そうした現地調査に基づいた上で、これはやはりおかしいぞということで、今年の三月八日の参議院の予算委員会で質問をさせていただきました。そのとき、当時の中野寛成国家公安委員長は、この五つの事件が同一犯の可能性であることを否定できないと、そのように答弁されました。
 それから政権が替わってしまいましたけれども、三月八日の国家公安委員長の答弁、これは今でも有効だと判断してよろしいでしょうか、警察庁のお考えを伺いたいと思います。
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舟本馨#9
○政府参考人(舟本馨君) お答えいたします。
 警察としましても、これらの事件につきましては、いずれも幼女を対象とする誘拐殺人事件や行方不明事件であること、行方不明になった場所等が近接していることなどから、一般的には同一犯による犯行の可能性が否定できないものと考えておりまして、警察庁の見解は変わったということはございません。
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有田芳生#10
○有田芳生君 その三月八日の予算委員会では、前総理の菅直人さんも、やはりこういう冤罪にかかわる事件、しかも同種の事件が近郊で起きているということについては、時効の問題などが、これから質問をしますけれども、あるけれども、類似事件が起きている以上、必要な対応をしなければいけないと、そういう答弁をしてくださいました。
 その前総理である菅さんの答弁について、平岡法務大臣、いかがお感じでしょうか。
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平岡秀夫#11
○国務大臣(平岡秀夫君) 菅総理の答弁については私も承知しておりますけれども、まさに答弁された考え方に基づいて我々も行動していくべきだというふうに思っております。
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有田芳生#12
○有田芳生君 菅前総理、そして中野寛成前国家公安委員長の積極的な答弁をきっかけにしまして、実は五つの事件の家族の方々というのは、これまでずっと、自分の娘さんが誘拐され、殺害され、あるいは一九九六年に横山ゆかりちゃんはパチンコ店から行方不明になっていまだ行方が知れない、来年成人式を迎えるんですけれども、その五つの家族の皆様方はこの間ずっと孤立をしていた。孤立をしていて、自分が悪いんじゃないか、あのときパチンコ店に連れていかなければよかったなというような思いで、本当にじくじたる悲しい思いで夫婦であるいは家族で結束をされてこれまで生きてこられた。
 本当につらい思いをされていたんですが、この三月八日の予算委員会の質疑を九六年に行方不明になった横山ゆかりちゃんのお父さんが見ていてくださいまして、それをきっかけにして、総理もそして国家公安委員長も積極的な答弁をしてくれた以上、家族がこのまま黙っているわけにはいかないんじゃないかと、そのような思いが湧き起こってきまして、私のところに相談をしてくださいまして、そのことが一つのきっかけになって、実は五つの家族が、四月でしたかね、三月の末だったか四月の末に足利市で集まったんです。そして、そこで初めて五つの家族が一堂に会してそれぞれの悩みを本当に泣きながら語り合いました。そして、いや、もっとしっかり頑張って生きていこう、やはり自分たちの事件はもう終わってしまったように世間では思われているけれども、これを何とかしなければいけないんではないかという思いが重なって、そして足利・太田連続未解決事件家族会が結成をされました。
 そのことをとらえて、菅前首相のイニシアチブの下で、中野寛成前国家公安委員長が家族会と会ってくださったんです。長時間お話を、国家公安委員長もそれから当時の刑事局長さんも同席をしてくださいまして、家族の思いが語られました。そして、警察当局のこれからの事件に対する対応についても正直に語ってくださいました。
 その家族会と国家公安委員長との懇談内容について、一体何が話し合われたのか、刑事局長にお聞きをしたいと思います。
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舟本馨#13
○政府参考人(舟本馨君) 本年の七月十四日に、中野前国家公安委員会委員長が足利・太田連続未解決事件家族会の皆様方とお会いをし、お話をお伺いしましたところ、その席上、御家族の皆様方から、五事件については同一犯による連続事件を考慮した捜査をお願いしたい、また時効となった事件についても再捜査をお願いしたい旨の御要望がなされました。
 そうしたことに対しまして、中野前国家公安委員会委員長からは、四事件が時効となってしまっていることや捜査が長引いていることについて心からおわびを申し上げ、引き続き他の事件との関連性も視野に入れ、時効の成立していない横山ゆかりちゃん事件の解決に向け全力で事件解決を図るよう警察を督励する旨の御発言があったと承知しております。
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有田芳生#14
○有田芳生君 その後、警察当局として、栃木県警さらには群馬県警に対して具体的にどのような指示が行われ、そしてさらには、栃木県警、群馬県警では現在に至るまでどのような捜査が進んでいるでしょうか。差し支えないところまでお聞きできればというふうに思います。
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舟本馨#15
○政府参考人(舟本馨君) お答えいたします。
 現在、群馬県警におきましては、公訴時効の完成していない横山ゆかりちゃん事件につきまして、栃木県警と緊密に連携を取りつつ、他事件との関連も視野に入れて捜査中でございます。捜査体制につきましては、群馬県警、栃木県警合わせて約二十名の捜査員を専従で捜査体制として当たらせております。
 また、この間、群馬、栃木、そして私ども警察庁が合同で捜査会議を開催するなどしまして、必要な情報交換、不審者に関する捜査などを行ってきているところでございます。
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有田芳生#16
○有田芳生君 この家族会の結成、そして今御説明をいただいた警察庁の指揮の下で、栃木県警、群馬県警の連係プレーというものが徐々に進みつつあるというその成果を期待したいというふうに思いますが、更に言えば、栃木県警、群馬県警の担当者の方々が家族会それぞれ自宅を訪問してくださって、今こういうことになっているんだよというような御説明をいただいているということはこれまでにない対応なので、更にそういうことを強めていただきたいというふうに思いますが、しかし、中には、後でも時効の問題で御質問をさせていただきますけれども、栃木県警の警察官の中には、一生懸命やりたいんだけれども時効の壁があってなというようなため息をつかれる方もいらっしゃる。そういうことについては、警察庁としてはどのように判断されていますでしょうか。
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舟本馨#17
○政府参考人(舟本馨君) お答えいたします。
 時効の壁という厳然たる事実はございますけれども、一方でまだ公訴時効の期間が経過していない現在群馬県警が捜査しております横山ゆかりちゃん事件、これを何とか言わば突破口としながら、全容の解明に今後とも努めてまいりたいというふうに考えております。
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有田芳生#18
○有田芳生君 少し踏み込んでお聞きをしたいんですけれども、群馬県警が横山ゆかりちゃん事件で特別な体制を取られて捜査を進めていらっしゃるということは調査の結果理解をしておりますけれども、栃木県警の動きというものはどういうことなんでしょうか。
 つまり、栃木県警から群馬県警に、つまり足利事件等の捜査資料を栃木県警から群馬県警に渡したということは承知しているんですけれども、それ以外に栃木県警としての具体的な日常的な捜査というものは何か行われていますでしょうか。
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舟本馨#19
○政府参考人(舟本馨君) 先ほどの答弁とちょっと重なりますけれども、栃木県警としましても数名の専従の捜査体制を取っておりまして、栃木県警のこれまでのやりました捜査情報は全て渡し、また日々群馬県警と連携を取りながら、群馬県警から更に捜査事項の要望があればまたそれにこたえていくという、とにかく言わば一体となって群馬県警、栃木県警が捜査をやっている、またそれについて警察庁が強力に指導しているところでございます。
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有田芳生#20
○有田芳生君 五つの事件で、先ほど御説明いただきましたように一九九六年に起きた横山ゆかりちゃんの事件は、これは時効ではないわけですよね。しかし、残念ながらほかの四つの事件については時効とされている。そうすると、足利で起きた三つの事件について栃木県警は捜査は具体的になされているんでしょうか。
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舟本馨#21
○政府参考人(舟本馨君) お答えいたします。
 現在の捜査の詳細の部分までは御容赦いただきたいと思いますけれども、現在の栃木県警の捜査は、現在群馬県警で行っております横山ゆかりちゃん事件の捜査に資するということを中心に体制を取って行っているところでございます。
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有田芳生#22
○有田芳生君 この家族会の結成の動き、そして中野寛成前国家公安委員長との懇談、それがマスコミに報じられる経過の中で、様々な積極的、前向きな報道がなされてきましたけれども、産経新聞の八月二十五日の群馬版、これは群馬で産経新聞を取っている人だけしか読めないかというとそうではなくて、実はこの記事がインターネットで全国に流れたわけですけれども。
 その産経新聞の八月二十五日の記事によりますと、不審男、不審な男というのは、これは足利事件で菅家さんが冤罪被害者になってしまったわけですけれども、足利事件についての不審な男と、ゆかりちゃんが行方不明になったときのパチンコ屋で、夏の七月七日、暑い日にもかかわらずサングラスを掛けて長袖の服を着て長ズボンをはいて、どうにも、何でこんな暑いときにこんな格好をしているんだろうかという不審人物、そしてその男と足利事件の不審人物、これが同一人物ではないと群馬県警太田署捜査本部が断定をしたと、そういう記事が出ているんですが、そういうことを太田署の幹部が、あるいは誰かが語っていたとすれば、中野寛成前国家公安委員長が参議院の予算委員会で語った五つの事件が同一犯の可能性を否定できないと、あるいは今御説明いただいた、今でも五つの事件は同一犯の可能性あるという判断と、この太田署の捜査本部の産経新聞が報じている記事とは大きく異なり、国会での答弁というものを覆すことになってしまうんですが、この記事についてはどのように評価すればよろしいんでしょうか。
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舟本馨#23
○政府参考人(舟本馨君) お答えいたします。
 その記事が出ましてから群馬県警に確認をいたしました。群馬県警は、横山ゆかりちゃん事件のビデオの不審者と松田真実ちゃん事件で目撃された不審者が別人であると断定したという事実はないというふうに私どもに答えてきております。
 なお、松田真実ちゃん事件の目撃情報からは不審人物の身長などは特定できないものと考えておりますけれども、群馬県警におきましては、予断を持つことなく、他事件との関連も視野に入れながら現在捜査を進めているところでございます。
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有田芳生#24
○有田芳生君 そうしますと、今もお話がありましたように、菅家さんは冤罪の被害者だと明らかとなりましたけれども、今でも足利事件についての不審な人物ということを、それが単数なのか複数なのか分かりませんけれども、当局としては承知をしていると、不審人物として認識をしているという理解でよろしいんでしょうか。
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舟本馨#25
○政府参考人(舟本馨君) いわゆる足利事件の捜査の過程で得ました不審者情報等も含めまして、あらゆる情報を視野に入れて捜査をしているということでございます。
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有田芳生#26
○有田芳生君 そうした報道に困惑しつつも家族会は、先ほどもお話をしましたように、熱心に、やはり世論とともに、あるいは警察当局とともに、あるいは私たち国会議員の家族会を支援する会とともに、何とか事件の真相解明に迫っていきたいと、そういう思いを皆さん持たれております。本当に年金生活で大変な状況の下でも自分たちがまくチラシをお金を出し合って、署名運動なども始まっているんです。
 家族会が結成をされてから、まず足利市で署名運動が行われました。チラシ、カラー刷りのやつを作りまして、そして署名用紙を作って、足利の商店街で署名を取りました。私もそこに参加をしていたんですけれども、やはり足利市あるいは太田市でもこの五つの事件については物すごく今でも高い関心をお持ちなんですよね。それは、自分たちの子供たちの周りにもしかしたら足利事件などの真犯人がいるかも分からない。これは、お父さん、お母さんだけではなくて、お孫さんを持ったおじいちゃん、おばあちゃんたちも高い関心を今でもお持ちになっております。
 ですから、署名活動をやっていますと、普通、なかなかテーマによっては難しくて、こっちからお願いしに行って、こういう中身ですよというようなことを言って理解していただけなければ署名なかなか難しいんですが、足利市、その次に行った太田市での署名運動については、家族会の皆さんがおそろいのTシャツを着て署名活動をやっていると、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんたちが寄ってきてくださって署名をしてくださる。太田市と足利市で合計四時間、署名運動、宣伝活動を行ったんですけれども、四時間で二千を超える署名をいただいておりますし、さらには幼稚園とか保育園の先生たち、そして父兄の皆さん、ひょっとしたら、真犯人捕まっていないんだから再びそういう事件が起きたら大変だという思いで、何とか真相解明をしてもらいたいということで、署名がどんどんどんどん集まって、まだまだ足りませんけれども、今では五千を超えるところになってきております。
 これからも、十二月になれば私たちは家族会とともに署名活動を行う予定でおりますけれども、その署名のお願いが、五つの事件が同一犯の可能性を否定できないという以上は再捜査を何とか実現していただきたいということと、そして、警察の誤認逮捕で、菅家さんの誤認逮捕で捜査が途中で終了した足利の三つの事件の時効を延長していただけないかと、そのような要求で活動を続けております。
 実は、足利事件というのは、菅家さんが本当に無念の思いをされて、冤罪は晴れた。しかし、足利事件、残された課題が幾つかあるんですよね。昨年の四月に、警察庁それから最高検が、足利事件にかかわる捜査・公判活動の問題を総括されました。総括、かなり分厚い冊子で、最高検、警察庁の総括文書があるんですけれども、そこにもまだ解明されていない二つの課題があります。
 一つはDNA問題です。DNAについて言えば、菅家さんが犯人だと誤認されたその根拠となる当時のDNA鑑定、MCT一一八型法の初期の段階の鑑定。そのことによって菅家さんは大変な思いをされてきたわけですけれども、しかしその後、最新のDNA鑑定によって菅家さんは犯人ではないということが明らかとなりました。皆さん御承知のとおりです。しかし、最新の鑑定を使って菅家さんは全く事件には関係がなかったということが明らかになったわけですが、もう一つの問題があります。それは、九〇年の事件で殺害をされた真実ちゃんのTシャツ。そのTシャツには真犯人の体液が残っております。そのTシャツに残った体液。
 ところが、菅家さんの無罪は、最新型のDNA鑑定で菅家さんの潔白は晴れたんだけれども、実は真犯人の体液がそのTシャツには残っている。そのことについて、検察側の鑑定と弁護側の鑑定が食い違っているんですよね。最新式のDNA鑑定に基づいても検察と弁護側の鑑定が食い違っている。じゃ、これ一体何なの、真犯人のDNAというのは一体何なのか。そのことを明らかにしていくことが今後大きな重要な課題として残っているわけですけれども、そのことについても今後機会があれば私はどこかで質問をさせていただきたいというふうに思っておりますが、もう一つの問題は時効の問題です。足利事件は時効とされております。
 そこで、そもそも時効とは一体何なのか。そのことを平岡法務大臣に、御専門ですから、少し一般市民にも分かるような説明をしていただければというふうに思います。時効とは一体何でしょうか。
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平岡秀夫#27
○国務大臣(平岡秀夫君) 今委員が御指摘になりました時効というのは公訴時効ということでございますけれども、公訴時効というのは、法が定めております一定の期間が経過することによって公訴権、つまり起訴していくような権利が消滅をしていくという制度であります。もう少し具体的に申し上げますれば、犯罪行為が終わったときから法が定めておりますその犯罪行為別の期間が経過いたしますと、その犯罪行為について起訴することができなくなるという制度でございます。
 では、なぜこういう公訴時効というものが制度として設けられているのかと申し上げれば、これはいろんな学説等でも説明されていることではございますけれども、一般的には、まず第一に、時の経過とともに証拠が散逸してしまい、起訴して正しい裁判を行うことが困難になること、第二に、時の経過とともに被害者を含め社会一般の処罰感情等が希薄化すること、第三点に、犯罪後、犯人が処罰されることなく日時が経過した場合には、そのような事実状態を尊重すべきということが学説等においても根拠として説明されているところでございます。
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有田芳生#28
○有田芳生君 実は、先ほども申しましたけれども、この五つの事件の被害者御家族、一番最初は一九七九年に発生をし、横山ゆかりちゃん事件は、繰り返しますけれども、一九九六年七月七日に発生。この五つの御家族、御夫婦と言っていいかと思いますけれども、処罰感情、非常に強いものがあります。何とか事件の解明をしてもらいたいという思いが今でも満ちあふれております。それは、自分たちの娘たちが誘拐され殺害されたというだけではなく、あるいは誘拐されたままいまだ二十歳になるはずなのに行方が分からないということだけではありません。
 性犯罪は繰り返すということは、これは日本の戦後の刑事犯罪の歴史の中でも、警察庁の方でも明らかにされていることですけれども、このまま事件が解決されなければこれからも同種の事件が起きる可能性が高い。だから、自分たちの娘たちの無念、自分たちのつらさ、それを犯人検挙、真犯人の逮捕ということを通じて明らかにしたいという、その思いは変わっていないんですよね。変わっていないからこそ、家族会を結成し、本当にお体が悪い方もいらっしゃるけれども、署名活動のたびに現場に来てくださって一生懸命声を上げて署名を求めている。
 さらには、証拠の散逸というお話が今ありましたけれども、これはもう大臣が十分御専門家として御存じのように、先ほど申しましたDNA鑑定にしても、菅家さんが被害者となったMCT一一八型法以降、すばらしい進歩が科学技術の上でも起こって、STR法などDNA鑑定も詳細なものができるようになってきている。もちろん証拠としては補助的なものだと私は理解しておりますけれども。そうなると、これまで学説上言われていた処罰感情であるとかあるいは証拠の散逸などについても大きく条件が変わっているんだろうというふうに私は理解をしております。
 その上で、じゃ、時効が停止する場合はどういうときなのかについて、これも御専門家である法務大臣にお聞きをしたいと思います。
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平岡秀夫#29
○国務大臣(平岡秀夫君) 公訴時効の停止というのは、法定されました事由、停止事由でございますけれども、それが発生することによりまして公訴時効の進行が停止をするということでございますけれども、それまでの公訴時効の進行は効力を失わないということでございますので、停止事由がなくなってしまいますと、その後は残存期間の進行によって、残っている期間の、公訴時効期間の残っている部分について経過をしてしまいますと公訴時効が完成することになるという制度でございます。
 ちなみに、どういうものが公訴時効の停止事由として法律上定められているかと申し上げれば、その事件について公訴の提起があった場合、次に共犯者の一人について公訴の提起があった場合、次に犯人が国外にいる場合、そして次に、犯人が逃げ隠れしているために有効に起訴状の謄本の送達とかあるいは略式命令の告知ができなかった場合ということが法定されているところでございます。
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