社会保障と税の一体改革に関する特別委員会公聴会
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会
会議録情報#0
平成二十四年六月十二日(火曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 中野 寛成君
理事 武正 公一君 理事 鉢呂 吉雄君
理事 古本伸一郎君 理事 松本 大輔君
理事 和田 隆志君 理事 逢沢 一郎君
理事 伊吹 文明君 理事 西 博義君
阿知波吉信君 相原 史乃君
網屋 信介君 石井登志郎君
稲富 修二君 江端 貴子君
緒方林太郎君 岡田 康裕君
加藤 学君 笠原多見子君
勝又恒一郎君 川口 博君
川村秀三郎君 岸本 周平君
熊田 篤嗣君 近藤 和也君
篠原 孝君 白石 洋一君
田嶋 要君 高井 崇志君
高橋 昭一君 道休誠一郎君
中屋 大介君 永江 孝子君
長尾 敬君 橋本 勉君
浜本 宏君 早川久美子君
樋口 俊一君 藤田 憲彦君
三村 和也君 宮島 大典君
向山 好一君 室井 秀子君
本村賢太郎君 矢崎 公二君
湯原 俊二君 柚木 道義君
石田 真敏君 加藤 勝信君
金子 一義君 鴨下 一郎君
田村 憲久君 竹下 亘君
橘 慶一郎君 野田 毅君
馳 浩君 町村 信孝君
池坊 保子君 坂口 力君
竹内 譲君 高橋千鶴子君
石田 三示君 中後 淳君
重野 安正君 吉泉 秀男君
山内 康一君 中島 正純君
…………………………………
公述人
(慶應義塾大学教授) 駒村 康平君
公述人
(株式会社日本総合研究所調査部主任研究員) 西沢 和彦君
公述人
(日本労働組合総連合会副事務局長) 菅家 功君
公述人
(株式会社みずほ年金研究所研究理事) 小野 正昭君
公述人
(年金コンサルタント) 河村 健吉君
公述人
(横浜市長) 林 文子君
公述人
(親心を育む会スーパーバイザー) 松居 和君
公述人
(恵泉女学園大学大学院平和学研究科教授) 大日向雅美君
公述人
(東洋大学社会学部教授) 森田 明美君
衆議院調査局社会保障と税の一体改革に関する特別調査室長 佐藤 治君
—————————————
委員の異動
六月十二日
辞任 補欠選任
石井登志郎君 緒方林太郎君
稲富 修二君 相原 史乃君
岡田 康裕君 橋本 勉君
岸本 周平君 加藤 学君
篠原 孝君 笠原多見子君
白石 洋一君 矢崎 公二君
田嶋 要君 川村秀三郎君
田村 謙治君 高井 崇志君
長尾 敬君 樋口 俊一君
柚木 道義君 網屋 信介君
渡部 恒三君 中屋 大介君
田村 憲久君 橘 慶一郎君
竹内 譲君 坂口 力君
宮本 岳志君 高橋千鶴子君
豊田潤多郎君 中後 淳君
中島 隆利君 吉泉 秀男君
同日
辞任 補欠選任
相原 史乃君 稲富 修二君
網屋 信介君 柚木 道義君
緒方林太郎君 本村賢太郎君
加藤 学君 岸本 周平君
笠原多見子君 篠原 孝君
川村秀三郎君 川口 博君
高井 崇志君 向山 好一君
中屋 大介君 浜本 宏君
橋本 勉君 岡田 康裕君
樋口 俊一君 熊田 篤嗣君
矢崎 公二君 白石 洋一君
橘 慶一郎君 田村 憲久君
坂口 力君 池坊 保子君
高橋千鶴子君 宮本 岳志君
中後 淳君 石田 三示君
吉泉 秀男君 重野 安正君
同日
辞任 補欠選任
川口 博君 田嶋 要君
熊田 篤嗣君 長尾 敬君
浜本 宏君 渡部 恒三君
向山 好一君 道休誠一郎君
本村賢太郎君 石井登志郎君
池坊 保子君 竹内 譲君
石田 三示君 豊田潤多郎君
重野 安正君 中島 隆利君
同日
辞任 補欠選任
道休誠一郎君 阿知波吉信君
同日
辞任 補欠選任
阿知波吉信君 高橋 昭一君
同日
辞任 補欠選任
高橋 昭一君 田村 謙治君
—————————————
本日の公聴会で意見を聞いた案件
公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七四号)
被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七八号)
子ども・子育て支援法案(内閣提出第七五号)
総合こども園法案(内閣提出第七六号)
子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七七号)
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この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 中野 寛成君
理事 武正 公一君 理事 鉢呂 吉雄君
理事 古本伸一郎君 理事 松本 大輔君
理事 和田 隆志君 理事 逢沢 一郎君
理事 伊吹 文明君 理事 西 博義君
阿知波吉信君 相原 史乃君
網屋 信介君 石井登志郎君
稲富 修二君 江端 貴子君
緒方林太郎君 岡田 康裕君
加藤 学君 笠原多見子君
勝又恒一郎君 川口 博君
川村秀三郎君 岸本 周平君
熊田 篤嗣君 近藤 和也君
篠原 孝君 白石 洋一君
田嶋 要君 高井 崇志君
高橋 昭一君 道休誠一郎君
中屋 大介君 永江 孝子君
長尾 敬君 橋本 勉君
浜本 宏君 早川久美子君
樋口 俊一君 藤田 憲彦君
三村 和也君 宮島 大典君
向山 好一君 室井 秀子君
本村賢太郎君 矢崎 公二君
湯原 俊二君 柚木 道義君
石田 真敏君 加藤 勝信君
金子 一義君 鴨下 一郎君
田村 憲久君 竹下 亘君
橘 慶一郎君 野田 毅君
馳 浩君 町村 信孝君
池坊 保子君 坂口 力君
竹内 譲君 高橋千鶴子君
石田 三示君 中後 淳君
重野 安正君 吉泉 秀男君
山内 康一君 中島 正純君
…………………………………
公述人
(慶應義塾大学教授) 駒村 康平君
公述人
(株式会社日本総合研究所調査部主任研究員) 西沢 和彦君
公述人
(日本労働組合総連合会副事務局長) 菅家 功君
公述人
(株式会社みずほ年金研究所研究理事) 小野 正昭君
公述人
(年金コンサルタント) 河村 健吉君
公述人
(横浜市長) 林 文子君
公述人
(親心を育む会スーパーバイザー) 松居 和君
公述人
(恵泉女学園大学大学院平和学研究科教授) 大日向雅美君
公述人
(東洋大学社会学部教授) 森田 明美君
衆議院調査局社会保障と税の一体改革に関する特別調査室長 佐藤 治君
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委員の異動
六月十二日
辞任 補欠選任
石井登志郎君 緒方林太郎君
稲富 修二君 相原 史乃君
岡田 康裕君 橋本 勉君
岸本 周平君 加藤 学君
篠原 孝君 笠原多見子君
白石 洋一君 矢崎 公二君
田嶋 要君 川村秀三郎君
田村 謙治君 高井 崇志君
長尾 敬君 樋口 俊一君
柚木 道義君 網屋 信介君
渡部 恒三君 中屋 大介君
田村 憲久君 橘 慶一郎君
竹内 譲君 坂口 力君
宮本 岳志君 高橋千鶴子君
豊田潤多郎君 中後 淳君
中島 隆利君 吉泉 秀男君
同日
辞任 補欠選任
相原 史乃君 稲富 修二君
網屋 信介君 柚木 道義君
緒方林太郎君 本村賢太郎君
加藤 学君 岸本 周平君
笠原多見子君 篠原 孝君
川村秀三郎君 川口 博君
高井 崇志君 向山 好一君
中屋 大介君 浜本 宏君
橋本 勉君 岡田 康裕君
樋口 俊一君 熊田 篤嗣君
矢崎 公二君 白石 洋一君
橘 慶一郎君 田村 憲久君
坂口 力君 池坊 保子君
高橋千鶴子君 宮本 岳志君
中後 淳君 石田 三示君
吉泉 秀男君 重野 安正君
同日
辞任 補欠選任
川口 博君 田嶋 要君
熊田 篤嗣君 長尾 敬君
浜本 宏君 渡部 恒三君
向山 好一君 道休誠一郎君
本村賢太郎君 石井登志郎君
池坊 保子君 竹内 譲君
石田 三示君 豊田潤多郎君
重野 安正君 中島 隆利君
同日
辞任 補欠選任
道休誠一郎君 阿知波吉信君
同日
辞任 補欠選任
阿知波吉信君 高橋 昭一君
同日
辞任 補欠選任
高橋 昭一君 田村 謙治君
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本日の公聴会で意見を聞いた案件
公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七四号)
被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七八号)
子ども・子育て支援法案(内閣提出第七五号)
総合こども園法案(内閣提出第七六号)
子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七七号)
————◇—————
中
中野寛成#1
○中野委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法案、総合こども園法案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案の各案について公聴会を行います。
午前は、年金制度改革関連二法案について審査を行います。
この際、公述人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。公述人各位には、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にさせていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
駒村公述人、西沢公述人、菅家公述人、小野公述人、河村公述人の順に、お一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を受けることとなっております。また、衆議院規則の規定により、公述人は委員に対して質疑することはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきを願いたいと存じます。
それでは、まず駒村公述人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法案、総合こども園法案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案の各案について公聴会を行います。
午前は、年金制度改革関連二法案について審査を行います。
この際、公述人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。公述人各位には、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にさせていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
駒村公述人、西沢公述人、菅家公述人、小野公述人、河村公述人の順に、お一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を受けることとなっております。また、衆議院規則の規定により、公述人は委員に対して質疑することはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきを願いたいと存じます。
それでは、まず駒村公述人にお願いいたします。
駒
駒村康平#2
○駒村公述人 おはようございます。
社会保障・税一体改革、年金制度に意見、こういう機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
私にいただいた時間は十五分でございますので、早速、資料に基づいてお話しさせていただきたいと存じます。
お手元に私のパワーポイントを打ち出したものが、横に印刷してあるものがございます。これが、番号を右下に打っておりまして、きょう、まず最初の報告で、九ページまで使わせていただいて御報告させていただきたいと思います。
その後のページは資料あるいは論文になってございますので、また後ほど必要に応じて言及していきたい、こういうふうに思います。
では、一ページ目の表紙をめくっていただき、最初の絵でございますけれども、社会保障制度、とりわけ年金に関して、今回の社会保障・税一体改革における改革の目標というのは、ここにある三つが挙げられている、こういうふうに理解しております。働き方、ライフコースの選択に影響を与えない一元的な制度、それから、最低保障機能を有し、高齢者の防貧、救済機能が強化された制度、国民から信頼されて財政的にも安定した制度、この三つだと思います。
この三つの改革目標、これは、九〇年代後半から二〇〇〇年代にかけて、OECD、先進国各国で行われた年金改革、これもほぼ同じ三つの目標、つまり、働き方や、最低所得の機能強化、それから財政的な安定性、高齢化が進んでも年金財政が破綻しないような仕組み。これは先進国で行われた年金改革に共通した目標だと思います。
そういう意味では、今回の一体改革の年金改革の部分の目標というのはまず正しい、こういうふうに評価しております。
次のページを見ていただきまして、この次のページというのは、これは、国民年金一号被保険者の職業構成であります。
国民年金一号は、いわゆる未納化、四割の方が払っていないという批判があるわけですけれども、実際に、国民年金一号の加入者でございますが、このほとんどが現在は無業者あるいは非正規労働者によって構成されている。自営業者は、かつてと違い、既に二五%ぐらいまで減少している。残り七五%は不安定な生活を送っている方たちである。この方たちの四割が払っていない。国民年金の定額負担、一万六千円程度の定額負担、最終的には一万六千九百円まで上がるとされている負担に今後耐え得るかというのが大きな課題になっているだろうと思います。
また、年金のいわゆる空洞化の背景には、こういった非正規労働者の増加というのも大きな要因になっているのではないかと思います。したがって、働き方にかかわらず、年金、特に所得に比例して保険料を払う厚生年金になるべく多くの方に入っていただくというのは正しい改革の方向性だろうと思いますし、諸外国でも類似の改革は行われております。
そういう意味では、今回の一体改革の中の年金の部分での適用拡大と言われている部分も、わずか四十五万人というのは研究者から見れば非常に残念ではございますが、今後、適用拡大がより大きくなるということを期待して評価したい、こういうふうに思います。
次のページを見ていただきたいと思います。
これは、一方で高齢者の貧困率が現在どうなっているのかというのを見たものであります。貧困率というのも、どうやってとるかによって数字に随分違いが出てくるわけでございますけれども、ここでは、生活保護の状況を見たものでございます。
赤い線が、生活保護を受給している世帯の中での高齢者、六十五歳以上の世帯の構成ということで、途中で少し定義が変わっておりますので少し折れている部分はございますけれども、これは定義上の問題でございます。現在は、生活保護受給者の四五%ほど、六十歳以上に定義を広めると五〇%以上、生活保護の約半分が高齢者によって占められているという状況でございます。
真ん中の点線でございますけれども、これは左目盛りを見ていただくわけでございますが、これは高齢者世帯の中で生活保護を受けている世帯の割合ということでございます。左目盛りはパーミルということですので、一四〇というのは一四%を意味しております。
かつて、年金が非常にまだ充実していない時代は、確かに高齢者の貧困率は極めて高かったという時代がございますが、その後、年金の拡充とともに、高齢者の貧困率、生活保護を受けている高齢者の割合というのは低下傾向に入ったということになります。しかし、九〇年代後半からこれが逆転上昇を始めているということも見てとれる。これは、後ほどもう少し年齢構成別に細かく見てみたいと思います。
何を申し上げたいかというと、高齢者の数がまず今後も急激にふえていく。特に六十五歳以上の割合は人口の四〇%、七十五歳以上だけに限定しても三〇%近くになっていくということでございますけれども、高齢者の数また割合が今後もふえていく。さらに、高齢者の貧困率そのものが上昇傾向にある。これは、両方を考慮すると、今後も生活保護受給者はふえていき、しかも、その中に占める高齢者の割合がより一層ふえるのではないかという心配があるわけです。
次のページを見ていただきたいと存じます。
これは生活保護を受けている人の動向でございますけれども、薄い青い線がこの二十年間の人口の伸び率でございます。総数のところを例えば見ていただくと、ほとんど変わらない、人口総数はむしろ減少傾向にあるということでございますが、生活保護受給者は、御案内のとおり二百十万人を超えており、戦後最大の数字になっているということでございます。
それを年齢区分別に見ますと、確かに二十代のところは伸び率は非常に高いわけですけれども、これは全体の占める割合は余り多くない。六十歳、七十歳のところがこれもまた急激に伸びていることがわかる。七十歳以上の人口はふえているわけですけれども、それ以上に生活保護受給者がふえている。六十代は、人口の増加率をはるかに上回るペースで生活保護受給者がふえているということでございます。
こういうふうに見ていきますと、既に現行制度の中で漏れ落ちた人たちが生活保護の方に徐々に徐々にシフトしてしまっているというのが大きな課題になっているだろうと思います。
では、現行制度、今後どういう問題を迎えていくんだろうか、既に現在抱えているんだろうかというものを見たのが六ページ、現行制度の抱える課題ということでございますが、四つほど挙げさせていただきたいと思います。
一つは、一号の未納者の増加。これは非正規労働者の増加が原因である。これに対しては適用拡大をなるべく広くやっていく、これが解消の手段であろうと思います。
二番目。二〇〇四年の年金改革によってマクロ経済スライドが組み込まれたわけですけれども、このマクロ経済スライドによって、基礎年金、厚生年金ともに給付水準が落ちていくということも非常に大きな問題になってくるのではないか。足元で既に高齢者の貧困率が高まっている中で、さらにマクロ経済スライドを行っていく、特に基礎年金で行っていくというのは非常に問題を引き起こすのではないか、こういうふうに思っております。
三番目。二〇二五年に向けて、既に見通しが発表されているわけですけれども、介護保険料、後期高齢者医療保険料、こういったものが急激に上昇していく、これによって手取りの年金額が急激に下がっていくのではないか。この問題に対してどういうふうに対応するのか。生活保護とのいわゆる逆転の問題もさらに広がるのではないか、こういうふうに思います。
そういうふうに考えますと、高齢者の貧困率の上昇、そして、そのことに加えて、その背景には、無年金・低年金者がいて、それが生活保護に流入していく。生活保護と基礎年金をともににらんだ新しい最低所得保障のあり方を考える時期ではないかと思います。そういった意味では、今回の一体改革の中に入っている加算と言われているところは、完全ではないにしろ、一定の評価をしたい、こういうふうに思っております。
次のページでございますけれども、現行制度と、一体改革が成立した場合の年金制度と、民主党案、いわゆる民主党年金改革の比較を行ったものであります。
一番右の欄に「課題」というふうに書いてあるところが共通する課題でございまして、保険料については、保険料固定方式。これは、現行制度も一体改革後も民主党案も変わらない。一八・三%を将来目指す、民主党案は一五%に障害・遺族年金分が別途つくということになっているだろうと思います。
高齢化への対応、これが高齢化社会において一番難しいわけです。マクロ経済スライドという形で行うわけですが、これは民主党も既に試算で明らかにされているように、みなし運用利回り、これはほぼマクロ経済スライドと同じ発想の調整方法が行われている、こういうふうに理解しております。
年金一元化については、厚生年金。一体改革の後は厚生年金の適用を共済、短時間労働者に広げていくということ。民主党のアイデアは、これを自営業も含めた全国民を対象にしていくということであります。ここにおいては、所得捕捉、事業主負担が大きな課題になっていくと思います。
最後に、国庫負担の使い方でありますけれども、現行制度は基礎年金の二分の一を国庫で保障している。それに対して、一体改革では、低所得加算と高所得への減算を行い、国庫負担分の重点化を図っていくというふうに評価をしております。これを突き詰めていくと、ある種、民主党の方の最低保障年金にも形としては接近していくのではないかと思います。その際には、やはり、所得捕捉を前提にした所得比例年金の全国民への適用拡大というのが最大のテーマになってくるわけでございます。
そういう意味では、八ページの方に、現行制度を一番左の端に置いて、そして民主党案を右の端に置くと、今回の一体改革はちょうど中間的な方向に向かい始めているという点で、抜本改革という言葉ではないですけれども、大型のリフォームを繰り返すことによって、公費の使い方をより重点化していくということに注目すると、民主党案の最低保障年金と類型としては近づいているのではないか、こういうふうに思います。
まとめますと、二段階の一元化というわけでございまして、被用者年金の一元化をまず行い、適用拡大を次に行い、そして、無職、低所得者への保険料免除の徹底を行っていけば、所得比例による保険料によって九割までの年金加入者をカバーすることができるということで、ほとんどの非正規労働者は今よりも負担は軽減されるだろうと思います。
二段目に、残り一〇%の自営業者への扱いをどうするか。ここが必要なのか、可能なのか、その影響はどうなのかということも今後議論していかなければいけないだろうと思います。
しかし、マクロ経済スライドによって、あるいは保険料負担の上昇を低所得者に対してどのように対応していくのかということを考えれば、国庫の使い方をより重点化していかなければいけないだろうという点では、現行制度の課題を一つ一つ検討していけばおのずと答えは明らかになっていく。低所得者の方に国庫の集中投入をやっていかなければいけなくなるのではないかと思います。
最後に、九ページに入らせていただきたいと思いますけれども、今後の年金の議論の進め方については、議員の皆さんに九つの提案をさせていただきたいと思います。
これは、年金改革を非常に与野党で進めていったスウェーデンの年金改革の進め方を参考にしたものでありますが、与野党で現行制度の課題を共有し、制約条件を、どういう限界があるのかということを見て、さらに、それぞれの案にはこだわらず、必ず合意はして、合意内容については与野党で責任を持ち、議論をパフォーマンスには使わない、目先の選挙の争点にはしない、圧力団体からの独立した議論、そして全ての情報を国民に提供する、こういうような与野党協議のルールをつくっていただき、実のある議論を進めていただきたいと期待しております。
時間が来ましたので、私の最初の発言は以上にさせていただきたいと思います。
どうもありがとうございます。拍手
この発言だけを見る →社会保障・税一体改革、年金制度に意見、こういう機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
私にいただいた時間は十五分でございますので、早速、資料に基づいてお話しさせていただきたいと存じます。
お手元に私のパワーポイントを打ち出したものが、横に印刷してあるものがございます。これが、番号を右下に打っておりまして、きょう、まず最初の報告で、九ページまで使わせていただいて御報告させていただきたいと思います。
その後のページは資料あるいは論文になってございますので、また後ほど必要に応じて言及していきたい、こういうふうに思います。
では、一ページ目の表紙をめくっていただき、最初の絵でございますけれども、社会保障制度、とりわけ年金に関して、今回の社会保障・税一体改革における改革の目標というのは、ここにある三つが挙げられている、こういうふうに理解しております。働き方、ライフコースの選択に影響を与えない一元的な制度、それから、最低保障機能を有し、高齢者の防貧、救済機能が強化された制度、国民から信頼されて財政的にも安定した制度、この三つだと思います。
この三つの改革目標、これは、九〇年代後半から二〇〇〇年代にかけて、OECD、先進国各国で行われた年金改革、これもほぼ同じ三つの目標、つまり、働き方や、最低所得の機能強化、それから財政的な安定性、高齢化が進んでも年金財政が破綻しないような仕組み。これは先進国で行われた年金改革に共通した目標だと思います。
そういう意味では、今回の一体改革の年金改革の部分の目標というのはまず正しい、こういうふうに評価しております。
次のページを見ていただきまして、この次のページというのは、これは、国民年金一号被保険者の職業構成であります。
国民年金一号は、いわゆる未納化、四割の方が払っていないという批判があるわけですけれども、実際に、国民年金一号の加入者でございますが、このほとんどが現在は無業者あるいは非正規労働者によって構成されている。自営業者は、かつてと違い、既に二五%ぐらいまで減少している。残り七五%は不安定な生活を送っている方たちである。この方たちの四割が払っていない。国民年金の定額負担、一万六千円程度の定額負担、最終的には一万六千九百円まで上がるとされている負担に今後耐え得るかというのが大きな課題になっているだろうと思います。
また、年金のいわゆる空洞化の背景には、こういった非正規労働者の増加というのも大きな要因になっているのではないかと思います。したがって、働き方にかかわらず、年金、特に所得に比例して保険料を払う厚生年金になるべく多くの方に入っていただくというのは正しい改革の方向性だろうと思いますし、諸外国でも類似の改革は行われております。
そういう意味では、今回の一体改革の中の年金の部分での適用拡大と言われている部分も、わずか四十五万人というのは研究者から見れば非常に残念ではございますが、今後、適用拡大がより大きくなるということを期待して評価したい、こういうふうに思います。
次のページを見ていただきたいと思います。
これは、一方で高齢者の貧困率が現在どうなっているのかというのを見たものであります。貧困率というのも、どうやってとるかによって数字に随分違いが出てくるわけでございますけれども、ここでは、生活保護の状況を見たものでございます。
赤い線が、生活保護を受給している世帯の中での高齢者、六十五歳以上の世帯の構成ということで、途中で少し定義が変わっておりますので少し折れている部分はございますけれども、これは定義上の問題でございます。現在は、生活保護受給者の四五%ほど、六十歳以上に定義を広めると五〇%以上、生活保護の約半分が高齢者によって占められているという状況でございます。
真ん中の点線でございますけれども、これは左目盛りを見ていただくわけでございますが、これは高齢者世帯の中で生活保護を受けている世帯の割合ということでございます。左目盛りはパーミルということですので、一四〇というのは一四%を意味しております。
かつて、年金が非常にまだ充実していない時代は、確かに高齢者の貧困率は極めて高かったという時代がございますが、その後、年金の拡充とともに、高齢者の貧困率、生活保護を受けている高齢者の割合というのは低下傾向に入ったということになります。しかし、九〇年代後半からこれが逆転上昇を始めているということも見てとれる。これは、後ほどもう少し年齢構成別に細かく見てみたいと思います。
何を申し上げたいかというと、高齢者の数がまず今後も急激にふえていく。特に六十五歳以上の割合は人口の四〇%、七十五歳以上だけに限定しても三〇%近くになっていくということでございますけれども、高齢者の数また割合が今後もふえていく。さらに、高齢者の貧困率そのものが上昇傾向にある。これは、両方を考慮すると、今後も生活保護受給者はふえていき、しかも、その中に占める高齢者の割合がより一層ふえるのではないかという心配があるわけです。
次のページを見ていただきたいと存じます。
これは生活保護を受けている人の動向でございますけれども、薄い青い線がこの二十年間の人口の伸び率でございます。総数のところを例えば見ていただくと、ほとんど変わらない、人口総数はむしろ減少傾向にあるということでございますが、生活保護受給者は、御案内のとおり二百十万人を超えており、戦後最大の数字になっているということでございます。
それを年齢区分別に見ますと、確かに二十代のところは伸び率は非常に高いわけですけれども、これは全体の占める割合は余り多くない。六十歳、七十歳のところがこれもまた急激に伸びていることがわかる。七十歳以上の人口はふえているわけですけれども、それ以上に生活保護受給者がふえている。六十代は、人口の増加率をはるかに上回るペースで生活保護受給者がふえているということでございます。
こういうふうに見ていきますと、既に現行制度の中で漏れ落ちた人たちが生活保護の方に徐々に徐々にシフトしてしまっているというのが大きな課題になっているだろうと思います。
では、現行制度、今後どういう問題を迎えていくんだろうか、既に現在抱えているんだろうかというものを見たのが六ページ、現行制度の抱える課題ということでございますが、四つほど挙げさせていただきたいと思います。
一つは、一号の未納者の増加。これは非正規労働者の増加が原因である。これに対しては適用拡大をなるべく広くやっていく、これが解消の手段であろうと思います。
二番目。二〇〇四年の年金改革によってマクロ経済スライドが組み込まれたわけですけれども、このマクロ経済スライドによって、基礎年金、厚生年金ともに給付水準が落ちていくということも非常に大きな問題になってくるのではないか。足元で既に高齢者の貧困率が高まっている中で、さらにマクロ経済スライドを行っていく、特に基礎年金で行っていくというのは非常に問題を引き起こすのではないか、こういうふうに思っております。
三番目。二〇二五年に向けて、既に見通しが発表されているわけですけれども、介護保険料、後期高齢者医療保険料、こういったものが急激に上昇していく、これによって手取りの年金額が急激に下がっていくのではないか。この問題に対してどういうふうに対応するのか。生活保護とのいわゆる逆転の問題もさらに広がるのではないか、こういうふうに思います。
そういうふうに考えますと、高齢者の貧困率の上昇、そして、そのことに加えて、その背景には、無年金・低年金者がいて、それが生活保護に流入していく。生活保護と基礎年金をともににらんだ新しい最低所得保障のあり方を考える時期ではないかと思います。そういった意味では、今回の一体改革の中に入っている加算と言われているところは、完全ではないにしろ、一定の評価をしたい、こういうふうに思っております。
次のページでございますけれども、現行制度と、一体改革が成立した場合の年金制度と、民主党案、いわゆる民主党年金改革の比較を行ったものであります。
一番右の欄に「課題」というふうに書いてあるところが共通する課題でございまして、保険料については、保険料固定方式。これは、現行制度も一体改革後も民主党案も変わらない。一八・三%を将来目指す、民主党案は一五%に障害・遺族年金分が別途つくということになっているだろうと思います。
高齢化への対応、これが高齢化社会において一番難しいわけです。マクロ経済スライドという形で行うわけですが、これは民主党も既に試算で明らかにされているように、みなし運用利回り、これはほぼマクロ経済スライドと同じ発想の調整方法が行われている、こういうふうに理解しております。
年金一元化については、厚生年金。一体改革の後は厚生年金の適用を共済、短時間労働者に広げていくということ。民主党のアイデアは、これを自営業も含めた全国民を対象にしていくということであります。ここにおいては、所得捕捉、事業主負担が大きな課題になっていくと思います。
最後に、国庫負担の使い方でありますけれども、現行制度は基礎年金の二分の一を国庫で保障している。それに対して、一体改革では、低所得加算と高所得への減算を行い、国庫負担分の重点化を図っていくというふうに評価をしております。これを突き詰めていくと、ある種、民主党の方の最低保障年金にも形としては接近していくのではないかと思います。その際には、やはり、所得捕捉を前提にした所得比例年金の全国民への適用拡大というのが最大のテーマになってくるわけでございます。
そういう意味では、八ページの方に、現行制度を一番左の端に置いて、そして民主党案を右の端に置くと、今回の一体改革はちょうど中間的な方向に向かい始めているという点で、抜本改革という言葉ではないですけれども、大型のリフォームを繰り返すことによって、公費の使い方をより重点化していくということに注目すると、民主党案の最低保障年金と類型としては近づいているのではないか、こういうふうに思います。
まとめますと、二段階の一元化というわけでございまして、被用者年金の一元化をまず行い、適用拡大を次に行い、そして、無職、低所得者への保険料免除の徹底を行っていけば、所得比例による保険料によって九割までの年金加入者をカバーすることができるということで、ほとんどの非正規労働者は今よりも負担は軽減されるだろうと思います。
二段目に、残り一〇%の自営業者への扱いをどうするか。ここが必要なのか、可能なのか、その影響はどうなのかということも今後議論していかなければいけないだろうと思います。
しかし、マクロ経済スライドによって、あるいは保険料負担の上昇を低所得者に対してどのように対応していくのかということを考えれば、国庫の使い方をより重点化していかなければいけないだろうという点では、現行制度の課題を一つ一つ検討していけばおのずと答えは明らかになっていく。低所得者の方に国庫の集中投入をやっていかなければいけなくなるのではないかと思います。
最後に、九ページに入らせていただきたいと思いますけれども、今後の年金の議論の進め方については、議員の皆さんに九つの提案をさせていただきたいと思います。
これは、年金改革を非常に与野党で進めていったスウェーデンの年金改革の進め方を参考にしたものでありますが、与野党で現行制度の課題を共有し、制約条件を、どういう限界があるのかということを見て、さらに、それぞれの案にはこだわらず、必ず合意はして、合意内容については与野党で責任を持ち、議論をパフォーマンスには使わない、目先の選挙の争点にはしない、圧力団体からの独立した議論、そして全ての情報を国民に提供する、こういうような与野党協議のルールをつくっていただき、実のある議論を進めていただきたいと期待しております。
時間が来ましたので、私の最初の発言は以上にさせていただきたいと思います。
どうもありがとうございます。拍手
中
西
西沢和彦#4
○西沢公述人 日本総合研究所の西沢です。
本日は、今この委員会に出されています年金二法案とこの委員会ではない一法案の計三法案と、あと、今後の課題について意見を述べさせていただきたいと思っております。委員長から忌憚のないということでしたので、忌憚なく申し上げさせていただきたいと思います。
まず、(1)、お手元にA4縦の資料がありますが、低所得者への年金加算がございます。これについて、私は基本的に反対です。
なぜかと申しますと、最低保障機能という目的自体は大いに賛同いたします。これは、今駒村さんからお話があったとおり、高齢者の貧困率というのが高まっていることは事実でありますし、生活保護へ流れ込んでいることも事実である。ただし、低所得者加算をすることによって、やはり公平性の低下と高齢期の勤労をディスカレッジ、ちょっといい日本語が見つからなかったんですが、することは看過できないと思います。
例えば、一生懸命基礎年金を払って若干の厚生年金の上乗せがある人といったものが、もらえない可能性がある。高齢期に少しパートをして収入を得た、恐らくこれは税法上の給与所得だと思いますけれども、六十五万を上回った給与収入があった人はもらえなくなる可能性があるといったことを見過ごすべきでないと思うんですね。
これは、国会や霞が関でお互い意見を闘わすというよりも、私がお勧めするのは、日本年金機構の年金事務所の窓口の方ですとか市町村の窓口の方、あるいは社労士の窓口の方に、果たしてこういった制度が説明がつくのかといったことを、現場で実際に年金受給者の方々と接する方に聞いてみるのが一番だと思います。
そうしたときに、例えば、一生懸命働いて年金を払ってきた方が窓口に来て、私はもらえるんですかと聞かれたときに、窓口の方が、いや、これはあなたはもらえませんと言われたときに、ああ、政府に裏切られたという気持ちになると思うんですね。
ですので、政治的にメンツをかけて低所得者加算の取り下げを議論するよりも、現場の方に聞くといった新しい情報を仕入れて判断をされるのが一番であるかと思います。
二番目に、高所得者に対する年金額の調整でありますが、これも、現下の苦しい財政状況のもと、少しでも国の税収を、財政を潤そうという気持ちはよくわかりますが、年金の中でやるべきでないと思うんですね。これは、できれば公的年金等控除の見直しですとか、税制の枠組みの中で対処すべきであると思います。
政府・与党の社会保障・税一体改革大綱の中には年金等控除についてかなり記述がありますが、下げるとも上げるとも言えないような曖昧な記述になっていますけれども、ここは、一旦、公的年金等控除を引き下げるという方向で、高所得の高齢者の方には負担を負っていただく方向で再度調整すべきであるかと思います。
三つ目に、短時間労働者への厚生年金適用拡大。これは、まさに政策目的は妥当であると考えますが、やはり、標準報酬下限九万八千円を下げることによる国民年金との公平性の低下といったことも看過できないと思います。
ただ、この法案にはいいところがありまして、今、厚生年金の適用基準というのは、かつての厚生省の年金局の課長から現場向けの手紙、内簡で処理されているんですね。ですから、労働時間の四分の三というのは法律でも何でもなくて、課長の手紙にすぎない。これを法律に明記するといったことは、ぜひやるべきであると思います。
ただし、九万八千円を七万八千円に引き下げるのは私は反対であり、かつて、二〇〇七年に被用者年金一元化等法案が出されたときも、この九万八千円は維持されたんですね。レジュメの次のページに引用してありますけれども、当時、私は社会保障審議会年金部会の委員をさせていただいておりまして、年金局の課長に質問しました。当時の課長も、やはり不公平、不均衡はあるというふうにおっしゃっていましたが、昨今、これは厚生年金の中での所得再分配の強化なので問題ないといった旨の発言をされていますけれども、私は、説明が一貫していないと思っております。
総じて、この最低保障機能の強化の法案というのは、政策目的は妥当であると思いますが、現行制度のもとでそれを実現しようとすることによって制度にゆがみが生じるといったことがあると思います。ですので、私は、現行制度のままでいいとは全く思いませんし、今政府が目指されている方向性といったことはわかりますが、それは、現行制度の修正で行うのではなくて、新しい制度をつくるというところに向けられるべきであると思っております。
被用者年金一元化等法案でありますが、これは、一歩前進ではあっても、国民の目から見まして、完全に一点の曇りもない一元化であるというふうには見られないと思います。
一つ目に、積立金の仕分け方法が合理的ではありません。今、単年度の一、二階部分の支出割合に共済も合わせると言っていますけれども、年金は百年間均衡して初めて年金財政になりますので、これも、二〇〇七年の当時はチェックが行われていましたけれども、百年間を通じてこの積立金を一、二階で共有財源にすれば間に合うのかといったチェックが国民の前に提示されるべきであると思います。
単年度で四・二年分ですか、あればいいというものではなく、この法案というのは、一歩前進なんですけれども、この法案が仮に通ってしまうことによって、一、二階外に切り分けられて共済年金に残る積立金が既得権になってしまう可能性があるんですね。ですので、一、二階の切り分け財源をよくよく慎重にチェックすべきであると思います。
共済組合の事務組織が存続するというのも、結論が性急過ぎるというふうに私は思っております。
法案の説明では効率化の観点からと書いていますけれども、効率性の観点からいいますと、管理は日本年金機構に、積立金の運用はGPIFに移管するのが合理的であるわけであります。確かに、イニシャルコストはかかるかもしれませんけれども、その後のランニングコストもあわせて考えると、日本年金機構、GPIFに統合した方が効率的かもしれません。
よって、存続と、GPIF、日本年金機構への統合との両者が比較検討された上で、ではやはり存続しようというならわかりますけれども、そういった検討がないまま、効率的であるから今のままにするというのも、なかなか納得できないところがあると思います。
この法案では、結局、事務組織を残すことによりまして、厚生年金一号、二号、三号、四号というのが登場してしまうんですね。例えば、我々民間サラリーマンは一号、共済の方は二号、三号、四号となってくるわけです。
例えば、国民の皆さんに、いや、一元化しました、今度、共済の方は二号になります、三号になります、四号になりますといった説明をしたときに、国民の多くが一元化しましたねと受けとめてくれるかということであります。何かおかしいことをしているんじゃないか、共済が既得権を存続しているだろうという温床になると思います。
ですから、できるだけ制度をシンプルに、一元化するというのであれば、一号から二号、三号、四号などという区分けを持たずに、全て厚生年金の加入者として加入するというのがあるべきであるかと思います。
この委員会には法案が付託されていないようでありますが、特例水準の解消というのはぜひやるべきであると思います。
レジュメには書いていませんけれども、交付国債に関しては、私はどちらでもいいと思っています。赤字国債の交付国債でも。マネーが入ってくるわけではありませんので。
ですので、そうして今国会に提出されている法案を見ますと、この委員会に付託されているものの中では、被用者年金の適用拡大に関しましては、九万八千円を下げるべきでなく、ただし適用基準は法律に明記すべきである。低所得者加算に関しては、ぜひ現場の方の声を聞きながら議論を進めていただきたいというふうに思います。
今後の課題でありますが、年金制度の改革をする際に、大きく二つの課題があると思います。
一つは、年金財政であります。
これは非常にしんどい作業でありまして、二〇〇四年改正のときに、当時の自民党、公明党の皆さんが、国民の批判を浴びながら、負担を上げ給付を下げる非常にしんどい作業をされてこられた。これがまず第一の課題であり、さらに続けなければいけないと思います。
ただ、少し気になりますのは、確かに、年金財政が破綻しているという表現は行き過ぎであるかと思いますけれども、決してこのまま安泰であるとも言えないわけであります。
二〇〇九年の財政検証の経済前提については賛否両論があるところかと思いますが、私はやはり甘いと思っています。甘いと思っていますし、実際、二〇〇七年の当時、民主党の皆さんは甘いと強く批判されていたわけでありますが、昨今、野田首相を初めとして、いや、百年均衡していますというふうに、ころっと変えられるわけですね。
ですので、私はそこに非常に強い不信感を持っているわけです。そのまま貫いてほしかったわけですね、二〇〇七年のを。できれば、そのとき財政検証をやり直して、その上で支給開始年齢引き上げなどの議論に進まなければおかしかったわけであります。
ですので、年金不信というのは、確かにメディアや我々研究者の行き過ぎた発言などもあったと思って、それは反省しなければいけませんが、批判しながらその後も貫かないといった姿勢にも求められると思いますね。
マクロ経済スライドが二〇〇四年に入ったわけでありますけれども、これは見直すべきです。デフレ下で機能していないものを機能するように。この委員会でも何度も出ていると思います。
少し私のマクロ経済スライドに対する見方を申し上げますと、これは政治家の方が国民に給付抑制をなかなか言い出しにくい、国民もそれを受け入れるだけのまだ成熟度に達していない中で、厚生労働省年金局の官僚の方がこういった舞台装置を準備してくれたんですね、マクロ経済スライドですと。名前を聞いても何だかよくわかりませんね、でも実態は給付の水準の抑制なんですということであります。
ですから、本当は、政治家の先生方の皆さんと国民の間の成熟度が高まって、これだけの負担をしなければ給付はできないな、これだけの給付のためには負担が必要だなということを理解されれば、こういった官僚の方に余計な仕事をしてもらわなくても済んだはずであります。そこまでさかのぼって、負担と給付の仕事を見直しすべきであると思います。
一方で、五ページ目に書いてありますが、仮にマクロ経済スライドが適用されますと、駒村先生が言われたように、基礎年金が大幅に下がっていってしまいます。これは非常にゆゆしき事態でありまして、確かに給付は抑制しなければいけない、けれども基礎年金まで給付抑制してよかったのかという話はあるわけです。
これは、根本に立ち返りますと、基礎年金が何のためにあるのかといった意義が不明確であることに一つ理由が求められると思います。これは八五年の年金改正の中で、基礎年金法という法律をつくるのではなくて、国民年金法の改正で基礎年金を導入しているといったこともその象徴かと思いますが、基礎年金は一体何のためにあるのかといったところから説き起こしていくことも必要であるかと思います。
六ページ目以降に、今度は制度の抱える諸構造への課題でありますが、だんだんちょっと時間もなくなってまいりましたけれども、少しだけお話ししますと、私、先ほど申し上げましたとおり、現行の年金制度のままで、例えば第三号ですとか無年金、低年金あるいはパート適用拡大に対応できるとは考えていません。ですから、政府・与党が目指されている新年金制度の中でそれを解消しようという方向性は、非常に賛同するものがあります。
ただ、それがスウェーデン型となると、ハードルが高いと思います。ですので、課題がある、新年金制度を目指そうというところまでは私は大いに賛同しますが、ソリューションがスウェーデン型でなくていいと思うんですね。
ちょっと時間が参りましたので、これ以降のことについてもしあれば、質疑の中で申し上げたいと思います。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、今この委員会に出されています年金二法案とこの委員会ではない一法案の計三法案と、あと、今後の課題について意見を述べさせていただきたいと思っております。委員長から忌憚のないということでしたので、忌憚なく申し上げさせていただきたいと思います。
まず、(1)、お手元にA4縦の資料がありますが、低所得者への年金加算がございます。これについて、私は基本的に反対です。
なぜかと申しますと、最低保障機能という目的自体は大いに賛同いたします。これは、今駒村さんからお話があったとおり、高齢者の貧困率というのが高まっていることは事実でありますし、生活保護へ流れ込んでいることも事実である。ただし、低所得者加算をすることによって、やはり公平性の低下と高齢期の勤労をディスカレッジ、ちょっといい日本語が見つからなかったんですが、することは看過できないと思います。
例えば、一生懸命基礎年金を払って若干の厚生年金の上乗せがある人といったものが、もらえない可能性がある。高齢期に少しパートをして収入を得た、恐らくこれは税法上の給与所得だと思いますけれども、六十五万を上回った給与収入があった人はもらえなくなる可能性があるといったことを見過ごすべきでないと思うんですね。
これは、国会や霞が関でお互い意見を闘わすというよりも、私がお勧めするのは、日本年金機構の年金事務所の窓口の方ですとか市町村の窓口の方、あるいは社労士の窓口の方に、果たしてこういった制度が説明がつくのかといったことを、現場で実際に年金受給者の方々と接する方に聞いてみるのが一番だと思います。
そうしたときに、例えば、一生懸命働いて年金を払ってきた方が窓口に来て、私はもらえるんですかと聞かれたときに、窓口の方が、いや、これはあなたはもらえませんと言われたときに、ああ、政府に裏切られたという気持ちになると思うんですね。
ですので、政治的にメンツをかけて低所得者加算の取り下げを議論するよりも、現場の方に聞くといった新しい情報を仕入れて判断をされるのが一番であるかと思います。
二番目に、高所得者に対する年金額の調整でありますが、これも、現下の苦しい財政状況のもと、少しでも国の税収を、財政を潤そうという気持ちはよくわかりますが、年金の中でやるべきでないと思うんですね。これは、できれば公的年金等控除の見直しですとか、税制の枠組みの中で対処すべきであると思います。
政府・与党の社会保障・税一体改革大綱の中には年金等控除についてかなり記述がありますが、下げるとも上げるとも言えないような曖昧な記述になっていますけれども、ここは、一旦、公的年金等控除を引き下げるという方向で、高所得の高齢者の方には負担を負っていただく方向で再度調整すべきであるかと思います。
三つ目に、短時間労働者への厚生年金適用拡大。これは、まさに政策目的は妥当であると考えますが、やはり、標準報酬下限九万八千円を下げることによる国民年金との公平性の低下といったことも看過できないと思います。
ただ、この法案にはいいところがありまして、今、厚生年金の適用基準というのは、かつての厚生省の年金局の課長から現場向けの手紙、内簡で処理されているんですね。ですから、労働時間の四分の三というのは法律でも何でもなくて、課長の手紙にすぎない。これを法律に明記するといったことは、ぜひやるべきであると思います。
ただし、九万八千円を七万八千円に引き下げるのは私は反対であり、かつて、二〇〇七年に被用者年金一元化等法案が出されたときも、この九万八千円は維持されたんですね。レジュメの次のページに引用してありますけれども、当時、私は社会保障審議会年金部会の委員をさせていただいておりまして、年金局の課長に質問しました。当時の課長も、やはり不公平、不均衡はあるというふうにおっしゃっていましたが、昨今、これは厚生年金の中での所得再分配の強化なので問題ないといった旨の発言をされていますけれども、私は、説明が一貫していないと思っております。
総じて、この最低保障機能の強化の法案というのは、政策目的は妥当であると思いますが、現行制度のもとでそれを実現しようとすることによって制度にゆがみが生じるといったことがあると思います。ですので、私は、現行制度のままでいいとは全く思いませんし、今政府が目指されている方向性といったことはわかりますが、それは、現行制度の修正で行うのではなくて、新しい制度をつくるというところに向けられるべきであると思っております。
被用者年金一元化等法案でありますが、これは、一歩前進ではあっても、国民の目から見まして、完全に一点の曇りもない一元化であるというふうには見られないと思います。
一つ目に、積立金の仕分け方法が合理的ではありません。今、単年度の一、二階部分の支出割合に共済も合わせると言っていますけれども、年金は百年間均衡して初めて年金財政になりますので、これも、二〇〇七年の当時はチェックが行われていましたけれども、百年間を通じてこの積立金を一、二階で共有財源にすれば間に合うのかといったチェックが国民の前に提示されるべきであると思います。
単年度で四・二年分ですか、あればいいというものではなく、この法案というのは、一歩前進なんですけれども、この法案が仮に通ってしまうことによって、一、二階外に切り分けられて共済年金に残る積立金が既得権になってしまう可能性があるんですね。ですので、一、二階の切り分け財源をよくよく慎重にチェックすべきであると思います。
共済組合の事務組織が存続するというのも、結論が性急過ぎるというふうに私は思っております。
法案の説明では効率化の観点からと書いていますけれども、効率性の観点からいいますと、管理は日本年金機構に、積立金の運用はGPIFに移管するのが合理的であるわけであります。確かに、イニシャルコストはかかるかもしれませんけれども、その後のランニングコストもあわせて考えると、日本年金機構、GPIFに統合した方が効率的かもしれません。
よって、存続と、GPIF、日本年金機構への統合との両者が比較検討された上で、ではやはり存続しようというならわかりますけれども、そういった検討がないまま、効率的であるから今のままにするというのも、なかなか納得できないところがあると思います。
この法案では、結局、事務組織を残すことによりまして、厚生年金一号、二号、三号、四号というのが登場してしまうんですね。例えば、我々民間サラリーマンは一号、共済の方は二号、三号、四号となってくるわけです。
例えば、国民の皆さんに、いや、一元化しました、今度、共済の方は二号になります、三号になります、四号になりますといった説明をしたときに、国民の多くが一元化しましたねと受けとめてくれるかということであります。何かおかしいことをしているんじゃないか、共済が既得権を存続しているだろうという温床になると思います。
ですから、できるだけ制度をシンプルに、一元化するというのであれば、一号から二号、三号、四号などという区分けを持たずに、全て厚生年金の加入者として加入するというのがあるべきであるかと思います。
この委員会には法案が付託されていないようでありますが、特例水準の解消というのはぜひやるべきであると思います。
レジュメには書いていませんけれども、交付国債に関しては、私はどちらでもいいと思っています。赤字国債の交付国債でも。マネーが入ってくるわけではありませんので。
ですので、そうして今国会に提出されている法案を見ますと、この委員会に付託されているものの中では、被用者年金の適用拡大に関しましては、九万八千円を下げるべきでなく、ただし適用基準は法律に明記すべきである。低所得者加算に関しては、ぜひ現場の方の声を聞きながら議論を進めていただきたいというふうに思います。
今後の課題でありますが、年金制度の改革をする際に、大きく二つの課題があると思います。
一つは、年金財政であります。
これは非常にしんどい作業でありまして、二〇〇四年改正のときに、当時の自民党、公明党の皆さんが、国民の批判を浴びながら、負担を上げ給付を下げる非常にしんどい作業をされてこられた。これがまず第一の課題であり、さらに続けなければいけないと思います。
ただ、少し気になりますのは、確かに、年金財政が破綻しているという表現は行き過ぎであるかと思いますけれども、決してこのまま安泰であるとも言えないわけであります。
二〇〇九年の財政検証の経済前提については賛否両論があるところかと思いますが、私はやはり甘いと思っています。甘いと思っていますし、実際、二〇〇七年の当時、民主党の皆さんは甘いと強く批判されていたわけでありますが、昨今、野田首相を初めとして、いや、百年均衡していますというふうに、ころっと変えられるわけですね。
ですので、私はそこに非常に強い不信感を持っているわけです。そのまま貫いてほしかったわけですね、二〇〇七年のを。できれば、そのとき財政検証をやり直して、その上で支給開始年齢引き上げなどの議論に進まなければおかしかったわけであります。
ですので、年金不信というのは、確かにメディアや我々研究者の行き過ぎた発言などもあったと思って、それは反省しなければいけませんが、批判しながらその後も貫かないといった姿勢にも求められると思いますね。
マクロ経済スライドが二〇〇四年に入ったわけでありますけれども、これは見直すべきです。デフレ下で機能していないものを機能するように。この委員会でも何度も出ていると思います。
少し私のマクロ経済スライドに対する見方を申し上げますと、これは政治家の方が国民に給付抑制をなかなか言い出しにくい、国民もそれを受け入れるだけのまだ成熟度に達していない中で、厚生労働省年金局の官僚の方がこういった舞台装置を準備してくれたんですね、マクロ経済スライドですと。名前を聞いても何だかよくわかりませんね、でも実態は給付の水準の抑制なんですということであります。
ですから、本当は、政治家の先生方の皆さんと国民の間の成熟度が高まって、これだけの負担をしなければ給付はできないな、これだけの給付のためには負担が必要だなということを理解されれば、こういった官僚の方に余計な仕事をしてもらわなくても済んだはずであります。そこまでさかのぼって、負担と給付の仕事を見直しすべきであると思います。
一方で、五ページ目に書いてありますが、仮にマクロ経済スライドが適用されますと、駒村先生が言われたように、基礎年金が大幅に下がっていってしまいます。これは非常にゆゆしき事態でありまして、確かに給付は抑制しなければいけない、けれども基礎年金まで給付抑制してよかったのかという話はあるわけです。
これは、根本に立ち返りますと、基礎年金が何のためにあるのかといった意義が不明確であることに一つ理由が求められると思います。これは八五年の年金改正の中で、基礎年金法という法律をつくるのではなくて、国民年金法の改正で基礎年金を導入しているといったこともその象徴かと思いますが、基礎年金は一体何のためにあるのかといったところから説き起こしていくことも必要であるかと思います。
六ページ目以降に、今度は制度の抱える諸構造への課題でありますが、だんだんちょっと時間もなくなってまいりましたけれども、少しだけお話ししますと、私、先ほど申し上げましたとおり、現行の年金制度のままで、例えば第三号ですとか無年金、低年金あるいはパート適用拡大に対応できるとは考えていません。ですから、政府・与党が目指されている新年金制度の中でそれを解消しようという方向性は、非常に賛同するものがあります。
ただ、それがスウェーデン型となると、ハードルが高いと思います。ですので、課題がある、新年金制度を目指そうというところまでは私は大いに賛同しますが、ソリューションがスウェーデン型でなくていいと思うんですね。
ちょっと時間が参りましたので、これ以降のことについてもしあれば、質疑の中で申し上げたいと思います。
どうもありがとうございました。拍手
中
菅
菅家功#6
○菅家公述人 連合で副事務局長を務めております菅家です。このたびは、貴重な発言の機会を与えていただいたことに感謝申し上げます。
私たち働く現役世代は、保険料拠出者であると同時に、将来の年金の受給者でもあります。
本日は、働く仲間を代表いたしまして、今回の一体改革の中で示されている年金制度改革につきまして意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
まず、年金制度改革の必要性について述べたいというふうに思います。
昨年は、日本の皆年金の五十周年でした。日本の公的年金は、高齢化の進展に伴い社会保障給付費の五割の五十三兆円に上り、国民生活と日本経済に占める役割は極めて大きなものになっております。
また、ミクロベースで見ましても、六割の高齢者世帯が年金収入だけで生活しているなど、年金制度は、今や国民の老後生活を支える基盤として必要不可欠な存在となっております。
一方で、足元の経済情勢の不透明さや、年金記録問題などの制度上の諸問題などと相まって、年金制度に対する不信感が増大していることも指摘できます。
二〇一〇年度における国民年金保険料の納付率は、過去最低の五九・三%と五年連続で低下しております。特に、若年層の納付率の低さは深刻で、二十歳代は五割を割っております。
若年層の納付率の低迷は、高齢期における低年金者や無年金者の大量発生を意味し、旧社会保険庁の調査では、将来、百十八万人の無年金者が発生するというふうに推計されております。こうした現状で、本当に国民皆年金を達成しているということを言えるのでしょうか。
また、九〇年代の雇用労働分野の規制緩和と長期にわたる景気の低迷で、非正規労働者は今や全労働者の四割近くに達するなど、ワーキングプアの増大、格差拡大が進んでいます。
しかしながら、社会保険は基本的に非正規労働者の存在を念頭に置いた制度となっていなかったため、非正規の短時間労働者は厚生年金と健康保険に入ることができず、全額自腹で保険料を払わざるを得ないということになっており、結果、平成二十年の国民年金の被保険者に占める労働者の割合は約四割に達しているわけであります。
このように、非正規労働者は、正規労働者との間に、賃金、労働条件で大きな格差がある上に、社会保険でも大きな格差があるのです。これを放置すれば、現役そして老後にまで格差が続く、まさに格差の固定化とも言える社会問題を惹起することは必定です。
年金制度に対する国民の信頼を取り戻すためには、年金制度を働き方や雇用形態に中立、公平なものにすると同時に、生活に必要な給付が確保されるようその機能を強化することが必要です。そして、こうした公平で機能強化された年金制度が将来にわたって持続可能とするため、不断の改革を行っていくことが重要であるというふうに考えます。
政府・与党の年金制度改革法案の評価について述べたいというふうに思います。
今申し上げました観点でいえば、今回の社会保障・税一体改革で実現を目指す年金制度改革には、年金制度の公平性確保と機能強化、そして持続可能性を確保するための改革項目が盛り込まれており、確実に実現すべきであるというふうに考えます。
私は、安心と信頼の国民皆年金を維持するために、今回の改革は確実に実現すべきだというふうに思います。
政府そして与野党は、政治の責任で、国民の老後生活の重要な基盤である年金を政争の具とすることなく、法案を確実に成立させていただくことをまず要望させていただきます。
こうした視点に立ちまして、本日は、年金機能強化法案と被用者年金一元化法案について、基本的に賛成の立場から意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
まず、短時間労働者への社会保険適用拡大についてであります。
先ほども申し上げましたとおり、現在の社会保険制度は、週労働時間三十時間未満の労働者には適用しなくていいとされておりますが、こうした働き方によって受けられる社会保障が異なり給付と負担の両面に格差があるということは、働く立場からすると全く納得ができません。
雇用が不安定な者が、年金や医療保険といった社会保険が正規労働者より不十分というのは、余りに理不尽ではないでしょうか。リスクの高い人を排除せずに社会連帯でカバーするという社会保険の理念に立ち戻り、社会保険の適用対象者を拡大すべきです。
労働時間で社会保険の適用対象を限定することで、社会保障制度が非正規労働者をつくり出しているということも言えます。また、専業主婦の短時間労働者を多く雇用する業種の事業主負担をその他の業種が負担しているということにつながりかねないことから、いびつな所得の移転が行われているというふうにも言えます。こうした点からも、社会保険の適用範囲は早急に見直すべきだというふうに考えます。
私どもは、雇用保険の適用対象となっている週二十時間以上の労働者は、原則全て社会保険の適用対象とすべきというふうに考えております。
今回の法改正におきまして、短時間労働者独自の要件といたしまして、賃金、勤務時間、企業規模要件が設けられたことにつきましては、こうした観点からは極めて残念であります。勤務時間につきましては、通常の労働者と臨時雇用者、そして短時間労働者、それぞれに異なる要件が定められることになり、トリプルスタンダードによって事業所で混乱が予想されます。また、企業規模につきましては五百一人以上という、中小企業の要件とも異なる新たな基準が設けられ、企業間の競争条件にも影響が出ることが懸念されます。
しかしながら、今回の適用拡大は、日本の社会保険制度の長年の課題であった適用範囲の見直しに風穴をあける第一歩になるものであり、確実に成立をさせていただく必要があるというふうに受けとめております。
また、法施行後三年以内に短時間労働者に対する適用範囲をさらに拡大するための法制上の措置を講ずるとの附則の規定を確実に実行し、全ての雇用労働者の社会保険適用に向け、さらなる改革を断行していただくことを強く求めたいというふうに思います。
次に、基礎年金国庫負担二分の一の恒久化について意見を述べさせていただきます。
年金制度の持続可能性を確保するためには、今回の年金機能強化法案に盛り込まれました基礎年金国庫負担二分の一の恒久化を絶対に達成すべきというふうに考えます。
基礎年金国庫負担は、二〇〇〇年の年金法改正で〇四年までに二分の一に引き上げると附則に明記されながら実行されず、二〇〇四年の年金法改正で、改めて〇九年度までに二分の一に引き上げ、それに必要な安定財源を確保する税制改革を行うことが附則に明記されました。しかしながら、税制改革は実施されず、何とかこの間やりくりして臨時財源を確保してきたというのが実態だったのではないでしょうか。
もはや、臨時財源で毎年財源を捻出することは困難であることは明らかであります。国庫負担二分の一の確保は、年金制度を安定的に維持する上で不可欠であり、直ちに安定的な財政基盤を確立しなければならないというふうに考えます。
二〇〇四年改正の長期安定スキームは、国庫負担の引き上げが前提となっております。その意味でも、基礎年金国庫負担二分の一の恒久化と、その財源確保のための税制抜本改革を着実になし遂げていただきたいということを強く要望させていただきます。
また、二〇一二年度の基礎年金財源確保のための国民年金法改正法案は、二月十日に国会に提出されたまま審議が進んでおりません。この法案もあわせて成立させていただくようお願いいたしたいというふうに思います。
次に、最低保障機能の強化について意見を述べさせていただきたいと思います。
今回の改革内容には、低所得者加算や高所得者の年金減額といった内容が盛り込まれております。この点について、こうした事柄を社会保険の制度内で行うべきではないという議論があることは承知しております。
しかし、冒頭に述べましたように、現役世代に低賃金である人が高齢期も低年金になるという格差の固定化、再生産が今や社会問題化しているのであります。
こうした低年金問題を完全に年金制度の枠外に置き去りにすることはよいのでしょうか。むしろ、高齢者に対する防貧の役割を高める観点から、年金制度の所得再分配機能を強化することは望ましい方向だというふうに考えます。
もちろん、基礎年金財源の半分は保険料でありますので、保険料拠出者の納得性と、保険料納付意欲を阻害しない方法で行うことが必要であります。
今回の加算方法は、免除期間に応じた加算と定額加算をあわせた方法となっておりまして、防貧機能と保険料納付意欲への配慮、そして保険料拠出者の納得性のバランスを考慮した方法であるというふうに評価できると考えております。
次に、被用者年金の一元化について述べたいというふうに思います。
被用者年金の一元化につきましては、省庁間での協議のみで今回の法案がまとめられた点は極めて残念でありますけれども、年金制度の公平性確保のための第一歩として確実に実現する必要があるというふうに考えます。
雇用の流動化や働き方の多様化が高まっている今、ライフスタイルや職業選択に影響を与えない公平な社会保障制度を構築すべきであり、職業によって所得保障の内容や保険料率が異なる現行の被用者保険制度は適当ではないというふうに思います。
国民の年金不信を払拭するためにも、公平性を高めることは重要であり、ぜひとも今回の一体改革の中で被用者年金の一元化を実現していただきたいというふうに考えます。
この法案では、約四十五兆円ある共済年金の積立金につきまして、厚生年金の積立金の水準に見合った額、四・二年分の支出にたえ得る分を共通財源として仕分け、残りは制度が廃止となる職域部分の財源に充てるとされております。しかし、各共済年金と厚生年金は制度の成熟度が異なっております。
共済年金の積立金は、一元化する前の保険者ごとに不公平感がなく、同一の給付水準の厚生年金給付が将来にわたって安定的に行われるよう仕分けなければなりません。その意味におきまして、この積立金のあり方につきましても検証が必要だろうというふうに考えているところでございます。
最後になりますけれども、本日、幾つかの課題について指摘をさせていただきましたが、今回の改革だけで年金制度の公平性と機能強化、そして持続可能性確保が完全に達成できるわけではありません。
しかしながら、真の国民皆年金制度実現に向けた第一歩として、今回の年金改革法案を含む一体改革関連法案を成立させていただき、さらなる改革を行っていただきたいというふうに思います。
加えまして、年金制度は、ほかの社会保障制度、そして非正規雇用対策などの雇用政策と密接に関連するものでありますので、年金制度のあり方を考える際には、これらの関連政策と足並みをそろえて、一体的に見直しを進めていくことが肝要でございます。そうした社会保障制度の側における一体改革の視点に立った改革論議とその具体化が前進するよう最後に要望させていただき、私の発言を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私たち働く現役世代は、保険料拠出者であると同時に、将来の年金の受給者でもあります。
本日は、働く仲間を代表いたしまして、今回の一体改革の中で示されている年金制度改革につきまして意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
まず、年金制度改革の必要性について述べたいというふうに思います。
昨年は、日本の皆年金の五十周年でした。日本の公的年金は、高齢化の進展に伴い社会保障給付費の五割の五十三兆円に上り、国民生活と日本経済に占める役割は極めて大きなものになっております。
また、ミクロベースで見ましても、六割の高齢者世帯が年金収入だけで生活しているなど、年金制度は、今や国民の老後生活を支える基盤として必要不可欠な存在となっております。
一方で、足元の経済情勢の不透明さや、年金記録問題などの制度上の諸問題などと相まって、年金制度に対する不信感が増大していることも指摘できます。
二〇一〇年度における国民年金保険料の納付率は、過去最低の五九・三%と五年連続で低下しております。特に、若年層の納付率の低さは深刻で、二十歳代は五割を割っております。
若年層の納付率の低迷は、高齢期における低年金者や無年金者の大量発生を意味し、旧社会保険庁の調査では、将来、百十八万人の無年金者が発生するというふうに推計されております。こうした現状で、本当に国民皆年金を達成しているということを言えるのでしょうか。
また、九〇年代の雇用労働分野の規制緩和と長期にわたる景気の低迷で、非正規労働者は今や全労働者の四割近くに達するなど、ワーキングプアの増大、格差拡大が進んでいます。
しかしながら、社会保険は基本的に非正規労働者の存在を念頭に置いた制度となっていなかったため、非正規の短時間労働者は厚生年金と健康保険に入ることができず、全額自腹で保険料を払わざるを得ないということになっており、結果、平成二十年の国民年金の被保険者に占める労働者の割合は約四割に達しているわけであります。
このように、非正規労働者は、正規労働者との間に、賃金、労働条件で大きな格差がある上に、社会保険でも大きな格差があるのです。これを放置すれば、現役そして老後にまで格差が続く、まさに格差の固定化とも言える社会問題を惹起することは必定です。
年金制度に対する国民の信頼を取り戻すためには、年金制度を働き方や雇用形態に中立、公平なものにすると同時に、生活に必要な給付が確保されるようその機能を強化することが必要です。そして、こうした公平で機能強化された年金制度が将来にわたって持続可能とするため、不断の改革を行っていくことが重要であるというふうに考えます。
政府・与党の年金制度改革法案の評価について述べたいというふうに思います。
今申し上げました観点でいえば、今回の社会保障・税一体改革で実現を目指す年金制度改革には、年金制度の公平性確保と機能強化、そして持続可能性を確保するための改革項目が盛り込まれており、確実に実現すべきであるというふうに考えます。
私は、安心と信頼の国民皆年金を維持するために、今回の改革は確実に実現すべきだというふうに思います。
政府そして与野党は、政治の責任で、国民の老後生活の重要な基盤である年金を政争の具とすることなく、法案を確実に成立させていただくことをまず要望させていただきます。
こうした視点に立ちまして、本日は、年金機能強化法案と被用者年金一元化法案について、基本的に賛成の立場から意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
まず、短時間労働者への社会保険適用拡大についてであります。
先ほども申し上げましたとおり、現在の社会保険制度は、週労働時間三十時間未満の労働者には適用しなくていいとされておりますが、こうした働き方によって受けられる社会保障が異なり給付と負担の両面に格差があるということは、働く立場からすると全く納得ができません。
雇用が不安定な者が、年金や医療保険といった社会保険が正規労働者より不十分というのは、余りに理不尽ではないでしょうか。リスクの高い人を排除せずに社会連帯でカバーするという社会保険の理念に立ち戻り、社会保険の適用対象者を拡大すべきです。
労働時間で社会保険の適用対象を限定することで、社会保障制度が非正規労働者をつくり出しているということも言えます。また、専業主婦の短時間労働者を多く雇用する業種の事業主負担をその他の業種が負担しているということにつながりかねないことから、いびつな所得の移転が行われているというふうにも言えます。こうした点からも、社会保険の適用範囲は早急に見直すべきだというふうに考えます。
私どもは、雇用保険の適用対象となっている週二十時間以上の労働者は、原則全て社会保険の適用対象とすべきというふうに考えております。
今回の法改正におきまして、短時間労働者独自の要件といたしまして、賃金、勤務時間、企業規模要件が設けられたことにつきましては、こうした観点からは極めて残念であります。勤務時間につきましては、通常の労働者と臨時雇用者、そして短時間労働者、それぞれに異なる要件が定められることになり、トリプルスタンダードによって事業所で混乱が予想されます。また、企業規模につきましては五百一人以上という、中小企業の要件とも異なる新たな基準が設けられ、企業間の競争条件にも影響が出ることが懸念されます。
しかしながら、今回の適用拡大は、日本の社会保険制度の長年の課題であった適用範囲の見直しに風穴をあける第一歩になるものであり、確実に成立をさせていただく必要があるというふうに受けとめております。
また、法施行後三年以内に短時間労働者に対する適用範囲をさらに拡大するための法制上の措置を講ずるとの附則の規定を確実に実行し、全ての雇用労働者の社会保険適用に向け、さらなる改革を断行していただくことを強く求めたいというふうに思います。
次に、基礎年金国庫負担二分の一の恒久化について意見を述べさせていただきます。
年金制度の持続可能性を確保するためには、今回の年金機能強化法案に盛り込まれました基礎年金国庫負担二分の一の恒久化を絶対に達成すべきというふうに考えます。
基礎年金国庫負担は、二〇〇〇年の年金法改正で〇四年までに二分の一に引き上げると附則に明記されながら実行されず、二〇〇四年の年金法改正で、改めて〇九年度までに二分の一に引き上げ、それに必要な安定財源を確保する税制改革を行うことが附則に明記されました。しかしながら、税制改革は実施されず、何とかこの間やりくりして臨時財源を確保してきたというのが実態だったのではないでしょうか。
もはや、臨時財源で毎年財源を捻出することは困難であることは明らかであります。国庫負担二分の一の確保は、年金制度を安定的に維持する上で不可欠であり、直ちに安定的な財政基盤を確立しなければならないというふうに考えます。
二〇〇四年改正の長期安定スキームは、国庫負担の引き上げが前提となっております。その意味でも、基礎年金国庫負担二分の一の恒久化と、その財源確保のための税制抜本改革を着実になし遂げていただきたいということを強く要望させていただきます。
また、二〇一二年度の基礎年金財源確保のための国民年金法改正法案は、二月十日に国会に提出されたまま審議が進んでおりません。この法案もあわせて成立させていただくようお願いいたしたいというふうに思います。
次に、最低保障機能の強化について意見を述べさせていただきたいと思います。
今回の改革内容には、低所得者加算や高所得者の年金減額といった内容が盛り込まれております。この点について、こうした事柄を社会保険の制度内で行うべきではないという議論があることは承知しております。
しかし、冒頭に述べましたように、現役世代に低賃金である人が高齢期も低年金になるという格差の固定化、再生産が今や社会問題化しているのであります。
こうした低年金問題を完全に年金制度の枠外に置き去りにすることはよいのでしょうか。むしろ、高齢者に対する防貧の役割を高める観点から、年金制度の所得再分配機能を強化することは望ましい方向だというふうに考えます。
もちろん、基礎年金財源の半分は保険料でありますので、保険料拠出者の納得性と、保険料納付意欲を阻害しない方法で行うことが必要であります。
今回の加算方法は、免除期間に応じた加算と定額加算をあわせた方法となっておりまして、防貧機能と保険料納付意欲への配慮、そして保険料拠出者の納得性のバランスを考慮した方法であるというふうに評価できると考えております。
次に、被用者年金の一元化について述べたいというふうに思います。
被用者年金の一元化につきましては、省庁間での協議のみで今回の法案がまとめられた点は極めて残念でありますけれども、年金制度の公平性確保のための第一歩として確実に実現する必要があるというふうに考えます。
雇用の流動化や働き方の多様化が高まっている今、ライフスタイルや職業選択に影響を与えない公平な社会保障制度を構築すべきであり、職業によって所得保障の内容や保険料率が異なる現行の被用者保険制度は適当ではないというふうに思います。
国民の年金不信を払拭するためにも、公平性を高めることは重要であり、ぜひとも今回の一体改革の中で被用者年金の一元化を実現していただきたいというふうに考えます。
この法案では、約四十五兆円ある共済年金の積立金につきまして、厚生年金の積立金の水準に見合った額、四・二年分の支出にたえ得る分を共通財源として仕分け、残りは制度が廃止となる職域部分の財源に充てるとされております。しかし、各共済年金と厚生年金は制度の成熟度が異なっております。
共済年金の積立金は、一元化する前の保険者ごとに不公平感がなく、同一の給付水準の厚生年金給付が将来にわたって安定的に行われるよう仕分けなければなりません。その意味におきまして、この積立金のあり方につきましても検証が必要だろうというふうに考えているところでございます。
最後になりますけれども、本日、幾つかの課題について指摘をさせていただきましたが、今回の改革だけで年金制度の公平性と機能強化、そして持続可能性確保が完全に達成できるわけではありません。
しかしながら、真の国民皆年金制度実現に向けた第一歩として、今回の年金改革法案を含む一体改革関連法案を成立させていただき、さらなる改革を行っていただきたいというふうに思います。
加えまして、年金制度は、ほかの社会保障制度、そして非正規雇用対策などの雇用政策と密接に関連するものでありますので、年金制度のあり方を考える際には、これらの関連政策と足並みをそろえて、一体的に見直しを進めていくことが肝要でございます。そうした社会保障制度の側における一体改革の視点に立った改革論議とその具体化が前進するよう最後に要望させていただき、私の発言を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
中
小
小野正昭#8
○小野公述人 本日は、お招きいただきましてどうもありがとうございます。みずほ年金研究所の小野と申します。
私は、社会保障の専門家でも経済学者でも税の専門家でもございません。長年、アクチュアリーあるいは年金数理人という立場から企業年金にかかわっておりまして、その関係で、数理的論点から公的年金に関心を持つ者でございます。
さて、二十一世紀に入りまして、日本の公的年金の改革の議論は、スウェーデンの一九九八年改革を強く意識してきました。私も二〇〇二年ごろからこの改革に興味を持ちまして、現在でも、同国が公表しております公的年金制度の年次報告でありますオレンジレポートを毎年拝読しております。
本日は、日本の年金改革議論につきまして、数理的な面を交えて意見を申し述べたいというふうに思っております。
実は、スウェーデンを調べ始めた当初でございますが、私も、同国の制度というのは非常に魅力的だというふうに考えました。これが日本に導入されればすばらしいとも思いました。しかし、よく考えてみれば、公的年金制度というのは、現役の労働者が引退者に対して適正な水準の引退給付を分配する機能であるということが言えます。スウェーデンの制度改革に関して、オールドワイン・イン・ニューボトルズというふうに評価した学者がいるということを聞きました。つまり、外見が変わっても本質は変わらないということかと思います。
スウェーデンの制度の導入の適否を判断する要素の一つは、両国の人口構成や人口推計の違いだというふうに思います。
まず、三ページの図一をごらんください。
これは、二〇一〇年時点の両国の人口及び五十年後、百年後の人口推計の結果を示したものです。縦軸が人数で、横軸が年齢です。人口構成は、年少人口、生産年齢人口、老年人口に分けてあります。
ごらんいただければおわかりのとおり、日本の人口は猛烈な勢いで減少しますが、スウェーデンはそうなっておりません。この違いは、両国の出生率と移民の違いというふうに思います。日本の合計特殊出生率は一・三五、スウェーデンは、この時点では一・八〇とされておりました。
出生率と死亡率が一定ならば、人口構造は安定的に推移します。各時点で想定している安定人口を折れ線グラフで表示してありますが、これを総人口をそろえて比較したものが、下にあります図表の二でございます。いかがでしょうか。
今申し上げた内容を数値でお示ししたのが、一ページにお戻りいただきまして、1の(1)でございます。
公的年金の設計を議論する際に、私たちは諸外国に比べてこのような厳しい予算の制約条件が課されているということを御認識いただかなければいけないということでございます。
老齢給付のコストだけを純粋な賦課方式で評価いたしますと、そこに書いてございますとおり、さまざまな要因というのはありますが、スウェーデンの半分程度の給付水準にしかならないということになります。
現在は、積立金があることとか、いきなりこの状態になることはないという意味では、実際にはこのとおりにはならないわけですけれども、ただ、申し上げたいのは、スウェーデンの制度を模倣しようとしても、財政的観点から見ただけでも、それはスウェーデンと同じには運営できないということです。
また、従属人口指数には老年人口指数ほどの差がないという意味では、この議論は年金だけに限ってするべきではないということも一つの示唆かと思います。
いわゆる民主党案の検討に際して手がかりになるのは、昨年五月に提示されたと言われております新年金制度の財政試算のイメージ(暫定版)というものでございます。
ここでは、平成二十一年財政検証の基本ケースと同じ前提によると、所得比例部分では、賃金上昇率から人口減少率の約三割を差し引いた率がみなし運用利回りであるという結果が出ております。甘いと言われております積立金の運用利回りを四・一%から慎重シナリオの三・七に下げますと、みなし運用利回りは、賃金上昇率から人口減少率の五割を差し引いたものということになります。
最低保障年金に関しましては、各報道で取り上げられましたので改めて申し上げませんけれども、総じて、給付が低下する一方で、必要な消費税は現行制度を継続した場合よりも増加するという結果だった、非常に魅力に欠けるものだったのではないかなというふうに思います。
私には、そこまでして最低保障年金を導入する意義が理解できないというふうに思っております。まずは、現行制度の適用拡大であろうというふうに思います。
現行制度において提案されている無年金者あるいは低年金者対策というのは、最低保障年金、いわゆる民主党の新しい年金制度というのを強く意識したものであろうかと思います。
この提案というのは、防貧機能を担う公的年金制度に救貧機能を付加するものでありますけれども、その結果として、自助、共助という意識が損なわれることはないでしょうかというふうに思われます。
年金の受給資格の短縮は、四十年の期間のうちの三十年が未納という一種違法な期間である、その場合でも受給資格は与えるというようなことだというふうに理解しておりますが、参考とされた米国を初め諸外国の公的年金は、総じて皆年金ではございません。免除制度がある日本の皆年金のあり方を、こうした比較で行うというのはいかがなものかというふうに考えております。
七万円年金のためにされる福祉的加算の要件でございますが、これは必要な人に支給されるようになっているんでしょうか。また、付加保険料でありますとか国民年金基金あるいは個人型確定拠出年金といったような、さまざまな自助努力に対応するようなものの拠出意欲を減退させないのでしょうか。
六分の一加算というのは、満額拠出していたものの免除を助長させるというか、こういったようなことがかつての運用三号問題、この部分に限ってそういったものになりはしないでしょうかということを考えます。このようなことを考えておりますと、救貧を組み込むことには若干無理があるように思います。
さて、ここからは完全に数理的ではありますが、非常に主観的な意見でございます。
毎年スウェーデンの年次報告を眺めていまして、最近しみじみと思うのは、資産というのは一体何だろうということでございます。
スウェーデンの公的年金のうち、賦課方式で運営する部分については、貸借対照表をつくってしまって、これを運営の検証に使用しております。
図表の三をごらんください。
負債は、過去の被保険者期間に基づく将来の給付の現在価値ですので通常の概念ですが、一方、資産側は、APファンドと言われる実際の積立金はほんの一部でございまして、バランスシートのうち大半は保険料資産という仮想的な資産でございます。実体があるわけではございません。
時間の関係で技術的なことは申しませんが、なぜこのような資産を思いついたのか、その背景について私は非常に興味があるわけでございます。
会計上の資産の定義というのは、過去の経済的な取引に起因した経済的な便益を受ける権利だというふうに思います。公的年金制度は、保険料の拠出に基づく受益の権利を法律で定めています。したがって、被保険者には保険料拠出という経済的取引に基づく、分配を受ける権利があるというふうにみなされます。これは等価性を前提としたものではございませんけれども、被保険者や受給者から見れば対価性のある資産であり、計上可能とも考えられます。
年金の有無にかかわらず、生産人口が従属人口を支えていくという構造は変わりません。つまり、社会全体としてのコストはおおむね変わらないというふうに言えると思います。その上で、私的な扶養関係から発生する不合理とか不公正、こういったものを整理したものが公的年金制度でありまして、私は、社会の重要なインフラであり、国の財産であるというふうに思っております。日本はなぜ、公的年金という社会インフラを財産と考えて、積極的に評価しないんでしょうか。
レジュメに書いてあります議論は、こうした観点から、有益な議論と言えるでしょうか。
例えば、既に破綻しているという議論。
あるいは、年金記録問題という、どちらかというと管理運営の問題というのを制度設計の問題と区別せずに議論する、こういったこと。
あるいは、積立方式の発想で、積立金のみを用いた貸借対照表で債務超過を訴える議論。これは、図表四にございますとおり、厚生労働省の資料を加工しまして、厚生年金に五百兆円の債務超過がある、こういった議論でございます。
あるいは、世代間の公平性を社会保険の中だけの給付と負担の関係を比較した一面的な数字でもって評価する議論。
こうした議論に接した国民というのは、年金制度にどのような印象を抱くでしょうか。
社会保障制度は、国民に安心、信頼を提供する制度です。立法者が社会保障制度を議論する際、みずからの議論が国民からいかに受けとめられるか、こういったものについてぜひとも意識していただきたいというふうに思います。安心とか信頼があるからこそ、人々はさまざまな活動にチャレンジできるというわけです。きれいごとかもしれませんが、国民が社会保障を財産と考えることができるか否か、それがスウェーデンとの違いなのではないでしょうか。
社会保障制度を財産と思える国は豊かだと思います。たとえ超党派の会議ができたとしても、そこでの議論が党利党略に終始してしまえば、国は豊かになりません。
私は、社会保障制度に安心とか信頼を与えることというのが、全くお金のかからない、何よりの景気対策だというふうに思っております。
私の御説明は以上でございます。どうも御清聴ありがとうございます。拍手
この発言だけを見る →私は、社会保障の専門家でも経済学者でも税の専門家でもございません。長年、アクチュアリーあるいは年金数理人という立場から企業年金にかかわっておりまして、その関係で、数理的論点から公的年金に関心を持つ者でございます。
さて、二十一世紀に入りまして、日本の公的年金の改革の議論は、スウェーデンの一九九八年改革を強く意識してきました。私も二〇〇二年ごろからこの改革に興味を持ちまして、現在でも、同国が公表しております公的年金制度の年次報告でありますオレンジレポートを毎年拝読しております。
本日は、日本の年金改革議論につきまして、数理的な面を交えて意見を申し述べたいというふうに思っております。
実は、スウェーデンを調べ始めた当初でございますが、私も、同国の制度というのは非常に魅力的だというふうに考えました。これが日本に導入されればすばらしいとも思いました。しかし、よく考えてみれば、公的年金制度というのは、現役の労働者が引退者に対して適正な水準の引退給付を分配する機能であるということが言えます。スウェーデンの制度改革に関して、オールドワイン・イン・ニューボトルズというふうに評価した学者がいるということを聞きました。つまり、外見が変わっても本質は変わらないということかと思います。
スウェーデンの制度の導入の適否を判断する要素の一つは、両国の人口構成や人口推計の違いだというふうに思います。
まず、三ページの図一をごらんください。
これは、二〇一〇年時点の両国の人口及び五十年後、百年後の人口推計の結果を示したものです。縦軸が人数で、横軸が年齢です。人口構成は、年少人口、生産年齢人口、老年人口に分けてあります。
ごらんいただければおわかりのとおり、日本の人口は猛烈な勢いで減少しますが、スウェーデンはそうなっておりません。この違いは、両国の出生率と移民の違いというふうに思います。日本の合計特殊出生率は一・三五、スウェーデンは、この時点では一・八〇とされておりました。
出生率と死亡率が一定ならば、人口構造は安定的に推移します。各時点で想定している安定人口を折れ線グラフで表示してありますが、これを総人口をそろえて比較したものが、下にあります図表の二でございます。いかがでしょうか。
今申し上げた内容を数値でお示ししたのが、一ページにお戻りいただきまして、1の(1)でございます。
公的年金の設計を議論する際に、私たちは諸外国に比べてこのような厳しい予算の制約条件が課されているということを御認識いただかなければいけないということでございます。
老齢給付のコストだけを純粋な賦課方式で評価いたしますと、そこに書いてございますとおり、さまざまな要因というのはありますが、スウェーデンの半分程度の給付水準にしかならないということになります。
現在は、積立金があることとか、いきなりこの状態になることはないという意味では、実際にはこのとおりにはならないわけですけれども、ただ、申し上げたいのは、スウェーデンの制度を模倣しようとしても、財政的観点から見ただけでも、それはスウェーデンと同じには運営できないということです。
また、従属人口指数には老年人口指数ほどの差がないという意味では、この議論は年金だけに限ってするべきではないということも一つの示唆かと思います。
いわゆる民主党案の検討に際して手がかりになるのは、昨年五月に提示されたと言われております新年金制度の財政試算のイメージ(暫定版)というものでございます。
ここでは、平成二十一年財政検証の基本ケースと同じ前提によると、所得比例部分では、賃金上昇率から人口減少率の約三割を差し引いた率がみなし運用利回りであるという結果が出ております。甘いと言われております積立金の運用利回りを四・一%から慎重シナリオの三・七に下げますと、みなし運用利回りは、賃金上昇率から人口減少率の五割を差し引いたものということになります。
最低保障年金に関しましては、各報道で取り上げられましたので改めて申し上げませんけれども、総じて、給付が低下する一方で、必要な消費税は現行制度を継続した場合よりも増加するという結果だった、非常に魅力に欠けるものだったのではないかなというふうに思います。
私には、そこまでして最低保障年金を導入する意義が理解できないというふうに思っております。まずは、現行制度の適用拡大であろうというふうに思います。
現行制度において提案されている無年金者あるいは低年金者対策というのは、最低保障年金、いわゆる民主党の新しい年金制度というのを強く意識したものであろうかと思います。
この提案というのは、防貧機能を担う公的年金制度に救貧機能を付加するものでありますけれども、その結果として、自助、共助という意識が損なわれることはないでしょうかというふうに思われます。
年金の受給資格の短縮は、四十年の期間のうちの三十年が未納という一種違法な期間である、その場合でも受給資格は与えるというようなことだというふうに理解しておりますが、参考とされた米国を初め諸外国の公的年金は、総じて皆年金ではございません。免除制度がある日本の皆年金のあり方を、こうした比較で行うというのはいかがなものかというふうに考えております。
七万円年金のためにされる福祉的加算の要件でございますが、これは必要な人に支給されるようになっているんでしょうか。また、付加保険料でありますとか国民年金基金あるいは個人型確定拠出年金といったような、さまざまな自助努力に対応するようなものの拠出意欲を減退させないのでしょうか。
六分の一加算というのは、満額拠出していたものの免除を助長させるというか、こういったようなことがかつての運用三号問題、この部分に限ってそういったものになりはしないでしょうかということを考えます。このようなことを考えておりますと、救貧を組み込むことには若干無理があるように思います。
さて、ここからは完全に数理的ではありますが、非常に主観的な意見でございます。
毎年スウェーデンの年次報告を眺めていまして、最近しみじみと思うのは、資産というのは一体何だろうということでございます。
スウェーデンの公的年金のうち、賦課方式で運営する部分については、貸借対照表をつくってしまって、これを運営の検証に使用しております。
図表の三をごらんください。
負債は、過去の被保険者期間に基づく将来の給付の現在価値ですので通常の概念ですが、一方、資産側は、APファンドと言われる実際の積立金はほんの一部でございまして、バランスシートのうち大半は保険料資産という仮想的な資産でございます。実体があるわけではございません。
時間の関係で技術的なことは申しませんが、なぜこのような資産を思いついたのか、その背景について私は非常に興味があるわけでございます。
会計上の資産の定義というのは、過去の経済的な取引に起因した経済的な便益を受ける権利だというふうに思います。公的年金制度は、保険料の拠出に基づく受益の権利を法律で定めています。したがって、被保険者には保険料拠出という経済的取引に基づく、分配を受ける権利があるというふうにみなされます。これは等価性を前提としたものではございませんけれども、被保険者や受給者から見れば対価性のある資産であり、計上可能とも考えられます。
年金の有無にかかわらず、生産人口が従属人口を支えていくという構造は変わりません。つまり、社会全体としてのコストはおおむね変わらないというふうに言えると思います。その上で、私的な扶養関係から発生する不合理とか不公正、こういったものを整理したものが公的年金制度でありまして、私は、社会の重要なインフラであり、国の財産であるというふうに思っております。日本はなぜ、公的年金という社会インフラを財産と考えて、積極的に評価しないんでしょうか。
レジュメに書いてあります議論は、こうした観点から、有益な議論と言えるでしょうか。
例えば、既に破綻しているという議論。
あるいは、年金記録問題という、どちらかというと管理運営の問題というのを制度設計の問題と区別せずに議論する、こういったこと。
あるいは、積立方式の発想で、積立金のみを用いた貸借対照表で債務超過を訴える議論。これは、図表四にございますとおり、厚生労働省の資料を加工しまして、厚生年金に五百兆円の債務超過がある、こういった議論でございます。
あるいは、世代間の公平性を社会保険の中だけの給付と負担の関係を比較した一面的な数字でもって評価する議論。
こうした議論に接した国民というのは、年金制度にどのような印象を抱くでしょうか。
社会保障制度は、国民に安心、信頼を提供する制度です。立法者が社会保障制度を議論する際、みずからの議論が国民からいかに受けとめられるか、こういったものについてぜひとも意識していただきたいというふうに思います。安心とか信頼があるからこそ、人々はさまざまな活動にチャレンジできるというわけです。きれいごとかもしれませんが、国民が社会保障を財産と考えることができるか否か、それがスウェーデンとの違いなのではないでしょうか。
社会保障制度を財産と思える国は豊かだと思います。たとえ超党派の会議ができたとしても、そこでの議論が党利党略に終始してしまえば、国は豊かになりません。
私は、社会保障制度に安心とか信頼を与えることというのが、全くお金のかからない、何よりの景気対策だというふうに思っております。
私の御説明は以上でございます。どうも御清聴ありがとうございます。拍手
中
河
河村健吉#10
○河村公述人 年金コンサルタントの河村でございます。
最近、年金コンサルタントというと評判が非常に悪いんですけれども、実は、私は年金受給者ですと言った方がいいんですね。コンサルタントの仕事は昔やっていましたけれども、もともと余り好きじゃないので、来たら一応選んでやるかという程度の話で。実は、だから年金受給者なんです。
信託銀行で三十年ぐらい年金の仕事をしていまして、その後投資顧問会社に行って少しそういう仕事をしましたけれども、きょうは非常に具体的に公的年金の財政にかかわる問題についてちょっと御説明をさせていただきたい、ぜひ聞いていただきたいと思います。
それで、消費税は反対です。もっとほかにやることがあるだろうというのを、きょうは、だからお話ししたいと思うんですね。
最初の一枚、二枚は、年金制度を支える基本的な問題というのは、当然ながら労働力の変動ですね。受給者の数がどう変わるか、それからもちろん被保険者がどう変わるかです。
図の一を見ていただくと、過去、九〇年以降、それから将来は、平成二十一年の基本ケースの予想計算ですが、右側の赤い四角にありますように、被保険者は最少で三千百五十万、最大が三千四百六十万、非常に安定しております。受給者は、九〇年の七百九十万から一〇年二千九百十万、莫大にふえたわけです。これはもちろん高齢化ということですね。
今後の、一〇年度から三〇年度の予想を見ますと、この間は、今後の出生率がどう変わっても、この人たちはすぐ労働力になりませんから、年金制度としては出生率の影響を受けない期間なんですけれども、被保険者が二百三十万減って受給者が三百十万ふえる。比較的変動は小さいと見た方がいいわけです。
問題は、被保険者をふやせば支え手がふえるわけですから、ではそれをどうするかというのが一番重要な政策課題だと思うわけです。今度の改革案にもそういう観点はあるわけですけれども、それをもうちょっと立ち入って申し上げたいと思うんです。
次のページの表の一をごらんください。これは、就業者、雇用者、被用者年金の加入者を八〇年以降五年ごとに並べた数字であります。一番下に簡単に書きましたが、就業形態の雇用化が著しく進行している。これは、一番右の端ですが、働いている人の七割が雇用者だったのが、今や八七・七%と九割近いことになっているわけですね。ところが、雇用者のうち被用者年金の占める比率は、八割弱のところから一〇%ぐらい下がっているわけですね。これは、比率的には非常に大きな減少だと思います。人数は、そこにありますように、割合安定してふえているわけです。やはり、雇用化が進んだにかかわらず被用者年金の加入率が低下したのは、これは非正規雇用が原因だと思います。
それから、下にありますように、三公社及び農林漁業共済組合は、今、厚生年金に移っているんですけれども、その人数が九十万ぐらいありますね。ですから、そういう意味では、公務員、共済年金はそんなには減っていないんですね。それから、最近の雇用事情からしますと、役所で働く人は厚生年金の適用者というのがかなり多いんですね。全部共済じゃないんですね。ですから、そういうことなどを考えると、公務員は多分そんなに人数としては減っていないんだろう。ただ、共済年金としては、こういうふうに縮小はしています。
ですから、こういう状況からすると、二〇〇〇年の有識者会議で社会保障をどうするかという議論があったわけですが、あのときに一番強調されたのは、支え手をふやす。三つテーマがあったんですけれども、一番大きいのは支え手をふやすという問題なんですね。ですから、支え手をふやすということをぜひ政策的に検討することが重要ではないかと思うわけです。
三ページをごらんください。三ページは、厚生年金の収支状況の過去と将来の数字を兆円単位で掲載してあります。五年ごとの数字です。
私は一番重要だと思うのは、先にお話しになった方もいろいろおっしゃっていますが、マクロ経済スライドなんですけれども、二〇〇四年の改革で、マクロ経済スライドというのは保険料固定方式と言われるわけですけれども、あれは、再計算というシステムをなくしたんですね。それまでは厚生年金は、五年ごとに財政再計算をしていました。それで、結果に基づいて、必ず国会に保険料の改定案と制度の改定案を出していたんですね。
ところが、二〇〇四年以降は、そういう作業はなくなりました。ちょっと、誰がということは申し上げませんが、厚生省の役人とのつき合いもありましたので、そのころ言っていたんですけれども、とにかく年金国会が一番嫌だと言う人が多いんですね。なぜかというと、もうとにかくつるし上げに遭うと。だから、何とかあれをやめるようにしたいというのがマクロ経済スライドです。
それから、やはり一番問題なのは、調整率の考え方の中に、雇用者の人数の総計に平均給与を掛けるという考え方があるんですけれども、雇用者がどんどん減っていくと、そういう意味では調整が進んでしまうという問題点を持っているわけですね。
ですから、マクロ経済スライドそのものの考え方を本当にどうすべきなのかということをもう一回根本から考え直すべきではないかというのが、私のまず基本的な意見です。
次に、標準報酬というのがあるわけですが、皆様御存じのとおり、標準報酬というのは、厚生年金においては、そこに書きましたけれども、九万八千円から六十二万円の三十等級なんですけれども、これも長い間変わっていないんですね。一方、健康保険は、五万八千円から百二十一万円という四十七等級です。
私は昭和四十八年から年金の仕事をしているんですけれども、その年に物価スライドが入ったんですね。このときまではたしか、標準報酬は健保も厚年も一緒でした。四十八年の改正というのは、物価スライドが入って、それまで修正積立方式の厚生年金をシミュレーション法に変えたんですね。
シミュレーション法というのは、パラメーターが非常に多いんです。もちろん、運用利回りをどうするかとか労働力人口などの変動が一番大きいんです。もちろん、どのぐらい結婚するかとか、子供はどのぐらいいるか、障害になる確率とか、本当はその表をつけようかと思ったんですけれども、これは余りに複雑なので、そんなものを見たって別に、だから何だということになるので、とにかく非常に複雑な計算をしていることは事実なんですね。
それから、もっとまずいことに、経済成長の予測は厚生労働省の権限じゃないわけですよ。これは内閣府の権限なんですね。そうすると、成長率の数字を厚生省がつくるわけにはいかない。これは厚生省の役人と話したときに言っていましたけれども、強烈な縦割りがあって、あれはできないと。要するに、厚生労働省ができることというのは、ある程度限られているわけです。
そういうわけで、マクロ経済スライドというのが、やはり限りなく保険料が上がり、給付が下がるのではないかという、確かに西沢さんがおっしゃるように、もっとよく周知させるべきだというのはあるんですけれども、仮に周知させたとしても、恐らくそういう懸念を国民は持つと思うんですね。
ですから、そういうことなどを含めて、もう一度、こういった構造が適切かどうかということについて、やはり議会はきっちり議論をして、それを検討すべきだと思うんですね。結局、再計算をやめたということが非常にきいているんですよ。やはり、国民の関心が行き届かないところで厚生省というのは何をやるかわからないから、別に僕は厚生省の敵じゃないんですけれども、そういうところはあるので、その辺をよくお考えになったらどうかと思います。
したがって、標準報酬を健康保険並みにすれば、そこに書きましたように、ざっと計算すると、これは健保のデータで、九千五百億円の増収になります。もちろん、これは一遍に上がると、事業主負担も本人負担もありますから、そんなことは簡単にはできないわけです。しかし、どこかでこれは改定して、やはり財源を立て直さなきゃいけないので、それが本来、厚生年金の制度をどうするかのもっと基本的な問題じゃないかと思うんですね。
御存じの方もおられると思いますが、アメリカの公的年金は、基礎給与の上限はたしか一千万円ぐらいなんです。これは為替レートがいろいろ変わるから、もう少し低いかもしれません。上限はそのぐらいなんですけれども、給付については三段階になっているんですよ。低い方は一〇〇%、次の段階が四十何%で、その上が一五%だったかな、折れ曲がっているんですね。だから、日本もそういう折れ曲がり方式にすれば、拠出金は大きいけれども給付には余り影響しない。これは完全に所得の再分配なんですけれども、そういうやり方を検討してはどうかと思います。
それから、このシミュレーションは運用利回り四・一という非常に高い運用利回りなんですけれども、積立金は大体四年分持っているというのを前からずっと厚生省は言っているわけですけれども、これは四年分には根拠がありません。さっき申し上げたように、段階保険料方式からシミュレーション法に移る間に、何となく四年というのを既成事実化しただけなんです。積立金が大きいと実は運用リスクが大きいですから、実際に年金積立金運用基金はリーマン・ショックのときにたしか八兆円ぐらいマイナスになりましたけれども、積立金を減らしてしまえば運用リスクはないわけです。それで、今ある積立金というのは、多くは団塊の世代が拠出した資金ですから、それをこれからの給付に使っても世代間の問題は起きないわけですね。
ですから、私は、何年分がいいかというのはちょっとよくわかりませんというか、これは議論しなきゃいけないと思いますけれども、何年分か減らせば、さっき申し上げた、これから比較的受給者と被保険者が安定している期間に、何とか保険料も余り影響を受けないような形で、かつ、制度を改定するということができるんじゃないかと思うんです。それがもう本当に今度、まあ、ことしかどうかはあれとしても、もうこの数年が最後のチャンスだと思うんですね。それをぜひお考えいただきたいと思うんです。
やはり、立法府がそういうことをきっちりと議論してやっていただきたいと思うんですね。ですから、それは赤い字で書いた「積立金の取り崩し」という問題で、幾らという案はありません。
それから、企業年金が専門なので、私は三井物産とかソニーとか新日本製鉄の年金制度をつくったんです。もっとたくさんつくっていますけれども、そういう関係で、ちょっとこのことはぜひ知っていただきたいのが、年金にかかわる特別法人税という問題ですね。
これは、九九年に特別法人税を凍結したんですけれども、このころ、実はバブル崩壊でマーケットがかなり低調で、マーケットの人ならすぐに調整と言うわけですが、調整していて、いずれにしても何とか救済しなきゃというので、一%の税金をただにした。ただというか凍結したわけです。取らないようにしたんですね。それから、何と今まで十三年間、税金を取っていないわけですね。
どういう計算で一%は決めたかというと、その下に書きましたように、これは税務大学校の吉牟田先生の有名な本なんですけれども、そこに書いてあるんですけれども、所得税率と地方税率を加えて、それに延滞税を掛けたものを比例案分したという考え方なんですね。
なぜかというと、年金の権利を得ると、そのときは課税されないわけです。それで、運用益も課税されない。課税されるのは将来の退職のときなんですね。だから、その間は繰り延べにしようというのが特別法人税です。もちろん、関係者の中には、こういう制度は世界に例がないとかいって反対する人がいますけれども、実際には三十年以上、特別法人税を払っているんですよ、企業は。それで、これは実際の納税事務は資産を運用している信託銀行や保険会社が納税しますから、別に取り漏れはないんです。非常に徴税コストは安いんです。
もし、これを一%でやりますと、そこに、年金基金というか年金制度の、日本の上位十社、これが本当に上位十社かどうかはわからないんですけれども、恐らくこの十社が、これは十社か十一社かちょっと数えていないですけれども。NTTは特例で制度が二つあるんです、ほかはみんな一個しかないんですけれども。上の方はみんな、二兆円とか一兆何千億とか、すごい資産を持っているわけです。ここで一%本当に税金を取ると、そこにありますように、千二百億円ぐらいの税金を取れるんですけれども、さっきの計算式にありますように、今、では一体何%の延滞税かというのは、ちょっと現実性はないわけです。
今、金利が低いですから、多分一%ぐらいにしないと今のあれとしては理解されないし、もちろん所得税率も地方税率も、特に所得税と地方税の関係が逆になりましたから、そういう意味ではここは変わりますけれども、いずれにしても、同じような考え方で計算し直すと、多分〇・三%とかそれぐらい、〇・二か〇・三ぐらいになっちゃうと思いますけれども、それでも、もらっている企業の方は、余りこういうことについてすごく喜んでいるわけじゃないんですね。まあ、よかった、やるんだったらやればという程度の話で。
これは厚生年金基金はかからないんですよ、非課税なんです。掛け金の三倍ぐらいのところまでは非課税ですから、そういうふうになっています。
時間かな。前の人が少し短かったから、ちょっと延ばしていいですか。
この発言だけを見る →最近、年金コンサルタントというと評判が非常に悪いんですけれども、実は、私は年金受給者ですと言った方がいいんですね。コンサルタントの仕事は昔やっていましたけれども、もともと余り好きじゃないので、来たら一応選んでやるかという程度の話で。実は、だから年金受給者なんです。
信託銀行で三十年ぐらい年金の仕事をしていまして、その後投資顧問会社に行って少しそういう仕事をしましたけれども、きょうは非常に具体的に公的年金の財政にかかわる問題についてちょっと御説明をさせていただきたい、ぜひ聞いていただきたいと思います。
それで、消費税は反対です。もっとほかにやることがあるだろうというのを、きょうは、だからお話ししたいと思うんですね。
最初の一枚、二枚は、年金制度を支える基本的な問題というのは、当然ながら労働力の変動ですね。受給者の数がどう変わるか、それからもちろん被保険者がどう変わるかです。
図の一を見ていただくと、過去、九〇年以降、それから将来は、平成二十一年の基本ケースの予想計算ですが、右側の赤い四角にありますように、被保険者は最少で三千百五十万、最大が三千四百六十万、非常に安定しております。受給者は、九〇年の七百九十万から一〇年二千九百十万、莫大にふえたわけです。これはもちろん高齢化ということですね。
今後の、一〇年度から三〇年度の予想を見ますと、この間は、今後の出生率がどう変わっても、この人たちはすぐ労働力になりませんから、年金制度としては出生率の影響を受けない期間なんですけれども、被保険者が二百三十万減って受給者が三百十万ふえる。比較的変動は小さいと見た方がいいわけです。
問題は、被保険者をふやせば支え手がふえるわけですから、ではそれをどうするかというのが一番重要な政策課題だと思うわけです。今度の改革案にもそういう観点はあるわけですけれども、それをもうちょっと立ち入って申し上げたいと思うんです。
次のページの表の一をごらんください。これは、就業者、雇用者、被用者年金の加入者を八〇年以降五年ごとに並べた数字であります。一番下に簡単に書きましたが、就業形態の雇用化が著しく進行している。これは、一番右の端ですが、働いている人の七割が雇用者だったのが、今や八七・七%と九割近いことになっているわけですね。ところが、雇用者のうち被用者年金の占める比率は、八割弱のところから一〇%ぐらい下がっているわけですね。これは、比率的には非常に大きな減少だと思います。人数は、そこにありますように、割合安定してふえているわけです。やはり、雇用化が進んだにかかわらず被用者年金の加入率が低下したのは、これは非正規雇用が原因だと思います。
それから、下にありますように、三公社及び農林漁業共済組合は、今、厚生年金に移っているんですけれども、その人数が九十万ぐらいありますね。ですから、そういう意味では、公務員、共済年金はそんなには減っていないんですね。それから、最近の雇用事情からしますと、役所で働く人は厚生年金の適用者というのがかなり多いんですね。全部共済じゃないんですね。ですから、そういうことなどを考えると、公務員は多分そんなに人数としては減っていないんだろう。ただ、共済年金としては、こういうふうに縮小はしています。
ですから、こういう状況からすると、二〇〇〇年の有識者会議で社会保障をどうするかという議論があったわけですが、あのときに一番強調されたのは、支え手をふやす。三つテーマがあったんですけれども、一番大きいのは支え手をふやすという問題なんですね。ですから、支え手をふやすということをぜひ政策的に検討することが重要ではないかと思うわけです。
三ページをごらんください。三ページは、厚生年金の収支状況の過去と将来の数字を兆円単位で掲載してあります。五年ごとの数字です。
私は一番重要だと思うのは、先にお話しになった方もいろいろおっしゃっていますが、マクロ経済スライドなんですけれども、二〇〇四年の改革で、マクロ経済スライドというのは保険料固定方式と言われるわけですけれども、あれは、再計算というシステムをなくしたんですね。それまでは厚生年金は、五年ごとに財政再計算をしていました。それで、結果に基づいて、必ず国会に保険料の改定案と制度の改定案を出していたんですね。
ところが、二〇〇四年以降は、そういう作業はなくなりました。ちょっと、誰がということは申し上げませんが、厚生省の役人とのつき合いもありましたので、そのころ言っていたんですけれども、とにかく年金国会が一番嫌だと言う人が多いんですね。なぜかというと、もうとにかくつるし上げに遭うと。だから、何とかあれをやめるようにしたいというのがマクロ経済スライドです。
それから、やはり一番問題なのは、調整率の考え方の中に、雇用者の人数の総計に平均給与を掛けるという考え方があるんですけれども、雇用者がどんどん減っていくと、そういう意味では調整が進んでしまうという問題点を持っているわけですね。
ですから、マクロ経済スライドそのものの考え方を本当にどうすべきなのかということをもう一回根本から考え直すべきではないかというのが、私のまず基本的な意見です。
次に、標準報酬というのがあるわけですが、皆様御存じのとおり、標準報酬というのは、厚生年金においては、そこに書きましたけれども、九万八千円から六十二万円の三十等級なんですけれども、これも長い間変わっていないんですね。一方、健康保険は、五万八千円から百二十一万円という四十七等級です。
私は昭和四十八年から年金の仕事をしているんですけれども、その年に物価スライドが入ったんですね。このときまではたしか、標準報酬は健保も厚年も一緒でした。四十八年の改正というのは、物価スライドが入って、それまで修正積立方式の厚生年金をシミュレーション法に変えたんですね。
シミュレーション法というのは、パラメーターが非常に多いんです。もちろん、運用利回りをどうするかとか労働力人口などの変動が一番大きいんです。もちろん、どのぐらい結婚するかとか、子供はどのぐらいいるか、障害になる確率とか、本当はその表をつけようかと思ったんですけれども、これは余りに複雑なので、そんなものを見たって別に、だから何だということになるので、とにかく非常に複雑な計算をしていることは事実なんですね。
それから、もっとまずいことに、経済成長の予測は厚生労働省の権限じゃないわけですよ。これは内閣府の権限なんですね。そうすると、成長率の数字を厚生省がつくるわけにはいかない。これは厚生省の役人と話したときに言っていましたけれども、強烈な縦割りがあって、あれはできないと。要するに、厚生労働省ができることというのは、ある程度限られているわけです。
そういうわけで、マクロ経済スライドというのが、やはり限りなく保険料が上がり、給付が下がるのではないかという、確かに西沢さんがおっしゃるように、もっとよく周知させるべきだというのはあるんですけれども、仮に周知させたとしても、恐らくそういう懸念を国民は持つと思うんですね。
ですから、そういうことなどを含めて、もう一度、こういった構造が適切かどうかということについて、やはり議会はきっちり議論をして、それを検討すべきだと思うんですね。結局、再計算をやめたということが非常にきいているんですよ。やはり、国民の関心が行き届かないところで厚生省というのは何をやるかわからないから、別に僕は厚生省の敵じゃないんですけれども、そういうところはあるので、その辺をよくお考えになったらどうかと思います。
したがって、標準報酬を健康保険並みにすれば、そこに書きましたように、ざっと計算すると、これは健保のデータで、九千五百億円の増収になります。もちろん、これは一遍に上がると、事業主負担も本人負担もありますから、そんなことは簡単にはできないわけです。しかし、どこかでこれは改定して、やはり財源を立て直さなきゃいけないので、それが本来、厚生年金の制度をどうするかのもっと基本的な問題じゃないかと思うんですね。
御存じの方もおられると思いますが、アメリカの公的年金は、基礎給与の上限はたしか一千万円ぐらいなんです。これは為替レートがいろいろ変わるから、もう少し低いかもしれません。上限はそのぐらいなんですけれども、給付については三段階になっているんですよ。低い方は一〇〇%、次の段階が四十何%で、その上が一五%だったかな、折れ曲がっているんですね。だから、日本もそういう折れ曲がり方式にすれば、拠出金は大きいけれども給付には余り影響しない。これは完全に所得の再分配なんですけれども、そういうやり方を検討してはどうかと思います。
それから、このシミュレーションは運用利回り四・一という非常に高い運用利回りなんですけれども、積立金は大体四年分持っているというのを前からずっと厚生省は言っているわけですけれども、これは四年分には根拠がありません。さっき申し上げたように、段階保険料方式からシミュレーション法に移る間に、何となく四年というのを既成事実化しただけなんです。積立金が大きいと実は運用リスクが大きいですから、実際に年金積立金運用基金はリーマン・ショックのときにたしか八兆円ぐらいマイナスになりましたけれども、積立金を減らしてしまえば運用リスクはないわけです。それで、今ある積立金というのは、多くは団塊の世代が拠出した資金ですから、それをこれからの給付に使っても世代間の問題は起きないわけですね。
ですから、私は、何年分がいいかというのはちょっとよくわかりませんというか、これは議論しなきゃいけないと思いますけれども、何年分か減らせば、さっき申し上げた、これから比較的受給者と被保険者が安定している期間に、何とか保険料も余り影響を受けないような形で、かつ、制度を改定するということができるんじゃないかと思うんです。それがもう本当に今度、まあ、ことしかどうかはあれとしても、もうこの数年が最後のチャンスだと思うんですね。それをぜひお考えいただきたいと思うんです。
やはり、立法府がそういうことをきっちりと議論してやっていただきたいと思うんですね。ですから、それは赤い字で書いた「積立金の取り崩し」という問題で、幾らという案はありません。
それから、企業年金が専門なので、私は三井物産とかソニーとか新日本製鉄の年金制度をつくったんです。もっとたくさんつくっていますけれども、そういう関係で、ちょっとこのことはぜひ知っていただきたいのが、年金にかかわる特別法人税という問題ですね。
これは、九九年に特別法人税を凍結したんですけれども、このころ、実はバブル崩壊でマーケットがかなり低調で、マーケットの人ならすぐに調整と言うわけですが、調整していて、いずれにしても何とか救済しなきゃというので、一%の税金をただにした。ただというか凍結したわけです。取らないようにしたんですね。それから、何と今まで十三年間、税金を取っていないわけですね。
どういう計算で一%は決めたかというと、その下に書きましたように、これは税務大学校の吉牟田先生の有名な本なんですけれども、そこに書いてあるんですけれども、所得税率と地方税率を加えて、それに延滞税を掛けたものを比例案分したという考え方なんですね。
なぜかというと、年金の権利を得ると、そのときは課税されないわけです。それで、運用益も課税されない。課税されるのは将来の退職のときなんですね。だから、その間は繰り延べにしようというのが特別法人税です。もちろん、関係者の中には、こういう制度は世界に例がないとかいって反対する人がいますけれども、実際には三十年以上、特別法人税を払っているんですよ、企業は。それで、これは実際の納税事務は資産を運用している信託銀行や保険会社が納税しますから、別に取り漏れはないんです。非常に徴税コストは安いんです。
もし、これを一%でやりますと、そこに、年金基金というか年金制度の、日本の上位十社、これが本当に上位十社かどうかはわからないんですけれども、恐らくこの十社が、これは十社か十一社かちょっと数えていないですけれども。NTTは特例で制度が二つあるんです、ほかはみんな一個しかないんですけれども。上の方はみんな、二兆円とか一兆何千億とか、すごい資産を持っているわけです。ここで一%本当に税金を取ると、そこにありますように、千二百億円ぐらいの税金を取れるんですけれども、さっきの計算式にありますように、今、では一体何%の延滞税かというのは、ちょっと現実性はないわけです。
今、金利が低いですから、多分一%ぐらいにしないと今のあれとしては理解されないし、もちろん所得税率も地方税率も、特に所得税と地方税の関係が逆になりましたから、そういう意味ではここは変わりますけれども、いずれにしても、同じような考え方で計算し直すと、多分〇・三%とかそれぐらい、〇・二か〇・三ぐらいになっちゃうと思いますけれども、それでも、もらっている企業の方は、余りこういうことについてすごく喜んでいるわけじゃないんですね。まあ、よかった、やるんだったらやればという程度の話で。
これは厚生年金基金はかからないんですよ、非課税なんです。掛け金の三倍ぐらいのところまでは非課税ですから、そういうふうになっています。
時間かな。前の人が少し短かったから、ちょっと延ばしていいですか。
中
河
河村健吉#12
○河村公述人 そういうわけで、この年金資産は、有価証券報告書を全部見たんですけれども、国内、国外の年金資産の区分というのを分けていない会社が多いんですよ。
これは、SECに出している資料があって、それを見るとあれなんですけれども、ちょっと時間がなくて。SECにアクセスすればもちろんわかるんです。時間がないからくたびれるからやめちゃったんですけれども、だからごめんなさい、これはちょっと過大かもしれません。下に書きましたよ、トヨタは海外子会社を含んでいます。国内だけと書いてあるのもあるんですけれども。
そういうわけで、あともう一つ話したかったのは、ちょっと書いていないんですけれども、公務員の職域年金の問題なんです。職域年金というのは八六年の法改正でいきなり出てきて、私もそのとき本部にいたんですけれども、何でああいうのが出てくるのかと思ったら、あっという間に審議なしに通ったんですね。それで、理屈が、企業年金がないからと。ところが、企業年金は、退職金を減額して企業年金に移すんですよ。公務員は、退職手当法の給付はカットしないで職域年金をつくったんです。これは問題ですね。
これは、やはりそういう角度の検討もしてもいいんじゃないかと思うんです。共産党の人はそこは余り言わないでほしいなんというふうなことを言っていたんだけれども、一応。いや、僕はちょっとこれは本当は言っておきたいと思うので、済みませんね、言っちゃいますけれども。いや、何を言ってもいいと委員長がおっしゃったので。
それから、もう一つ、三公社の中に、旧共済期間中の政府の支出というのが入っているわけですね、特別費用というのが。私は、NTTのを前に計算したんですけれども、NTTだけでも数千億ありましたよ。ですから、NTT、たばこ、JRの分の旧共済、恩給時代の、あれの政府の負担というのを今回どうされているかというのは、あの物すごく多い資料の中でわからなかったんですけれども、ちょっとその辺も場合によったらお調べになったらどうかと思います。
済みません、ちょっと時間が超過したかもしれませんが、後ほど質問があればお受けするので、よろしくお願いします。どうも御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →これは、SECに出している資料があって、それを見るとあれなんですけれども、ちょっと時間がなくて。SECにアクセスすればもちろんわかるんです。時間がないからくたびれるからやめちゃったんですけれども、だからごめんなさい、これはちょっと過大かもしれません。下に書きましたよ、トヨタは海外子会社を含んでいます。国内だけと書いてあるのもあるんですけれども。
そういうわけで、あともう一つ話したかったのは、ちょっと書いていないんですけれども、公務員の職域年金の問題なんです。職域年金というのは八六年の法改正でいきなり出てきて、私もそのとき本部にいたんですけれども、何でああいうのが出てくるのかと思ったら、あっという間に審議なしに通ったんですね。それで、理屈が、企業年金がないからと。ところが、企業年金は、退職金を減額して企業年金に移すんですよ。公務員は、退職手当法の給付はカットしないで職域年金をつくったんです。これは問題ですね。
これは、やはりそういう角度の検討もしてもいいんじゃないかと思うんです。共産党の人はそこは余り言わないでほしいなんというふうなことを言っていたんだけれども、一応。いや、僕はちょっとこれは本当は言っておきたいと思うので、済みませんね、言っちゃいますけれども。いや、何を言ってもいいと委員長がおっしゃったので。
それから、もう一つ、三公社の中に、旧共済期間中の政府の支出というのが入っているわけですね、特別費用というのが。私は、NTTのを前に計算したんですけれども、NTTだけでも数千億ありましたよ。ですから、NTT、たばこ、JRの分の旧共済、恩給時代の、あれの政府の負担というのを今回どうされているかというのは、あの物すごく多い資料の中でわからなかったんですけれども、ちょっとその辺も場合によったらお調べになったらどうかと思います。
済みません、ちょっと時間が超過したかもしれませんが、後ほど質問があればお受けするので、よろしくお願いします。どうも御清聴ありがとうございました。拍手
中
中
岡
岡田康裕#15
○岡田(康)委員 民主党の岡田康裕でございます。
本日は、いろいろな角度からお話をいただきまして、本当にどうもありがとうございます。
今、この一体改革の各法案の審議も、裏で与野党協議が行われるような状況になってきております。その中で、ポイントは幾つもあるわけですけれども、例えば基礎年金の国庫負担の三分の一、二分の一の話ですとか、また物価スライドの特例水準の解消の話でありましたりとか、もう一つ言えば、被用者年金一元化。細かく言えば論点は幾つもありますけれども、この三つについては、大きな方向性という意味では、与野党それほど激突をしているところではないのかなと思っております。
やはり焦点になってきていますのは、既に触れていただいておりますけれども、低年金者への六千円加算の部分。その先に最低保障のあり方というのもちらほらするわけですけれども、その部分がまさに今の与野党協議の焦点になってきているのではないかと思いますので、時間も短うございますから、ぜひそこに絞って質疑をさせていただければと思っております。
先ほど駒村先生や西沢先生からもお話ございましたけれども、どういう人に加算をしていくのかという意味では、やはり少し分解して考える必要もあると思っているんですね。つまり、払えるのに払っていなかったような人にまで加算するのかといったような話もあれば、障害基礎年金というのもあったり、免除者の方々もあったり、そしてまた、マクロ経済スライドの話です。
今の直近の財政再計算でも、百年の安心を考える上で、マクロ経済スライドを特例水準解消後から二十五年適用して計算していると思うんですよ。これは、二十五年間、例えば〇・九%ずつ減っていくとすると、二割ほど基礎年金部分が低くなるはずです。駒村先生の資料には、行く行く三割というふうなお話もありましたけれども、物価スライドの特例水準部分を解消すれば、恐らく二千円ぐらい基礎年金部分も下がるんでしょうから、そういう意味では、二十五年か三十年先といいますと、実は私、三十六歳なものですから、年金、そろそろかなというころには、我々も国民年金一本ですので、ちょうど基礎年金部分というのは五万円を切ってくるような水準になるはずなんですよ。
そういうことからすると、そういう底上げ的な意味での加算というところの話もまた一方であると思うんですよね。先ほど西沢先生から、不公平が生じるという話はありました。以前、先生の御講演も聞かせていただいて、なるほどごもっとも、そのとおりだなと思いました。
ですけれども、そういった不公平論というのも、駒村先生が入られていました社会保障審議会の年金部会の中でも、第十一回あたりの議事録を見ますと、まさに、委員の皆さんから、これは不公平が生じるじゃないか、そういった話も議論された上で、事務コストのこととかいろいろなことを勘案されて最終的にこの案に落ちつかれたんだと認識をしているんですね。ですから、そのあたりをもう少し突っ込んでお話を伺いたいんです。
まず、西沢先生にお伺いをいたします。
先生も問題視されていると思うんですけれども、やはり基礎年金部分にまでマクロ経済スライドが当たっていくということで、厚生年金の方は、所得代替率五〇%とかで、ある程度水準を守れると思うんですけれども、国民年金、基礎年金一本みたいな方々のところというのは、どうしても低年金になっていくと思います。そういうあたりを今後どういうふうに解消していくべきだと思われますでしょうか。
この発言だけを見る →本日は、いろいろな角度からお話をいただきまして、本当にどうもありがとうございます。
今、この一体改革の各法案の審議も、裏で与野党協議が行われるような状況になってきております。その中で、ポイントは幾つもあるわけですけれども、例えば基礎年金の国庫負担の三分の一、二分の一の話ですとか、また物価スライドの特例水準の解消の話でありましたりとか、もう一つ言えば、被用者年金一元化。細かく言えば論点は幾つもありますけれども、この三つについては、大きな方向性という意味では、与野党それほど激突をしているところではないのかなと思っております。
やはり焦点になってきていますのは、既に触れていただいておりますけれども、低年金者への六千円加算の部分。その先に最低保障のあり方というのもちらほらするわけですけれども、その部分がまさに今の与野党協議の焦点になってきているのではないかと思いますので、時間も短うございますから、ぜひそこに絞って質疑をさせていただければと思っております。
先ほど駒村先生や西沢先生からもお話ございましたけれども、どういう人に加算をしていくのかという意味では、やはり少し分解して考える必要もあると思っているんですね。つまり、払えるのに払っていなかったような人にまで加算するのかといったような話もあれば、障害基礎年金というのもあったり、免除者の方々もあったり、そしてまた、マクロ経済スライドの話です。
今の直近の財政再計算でも、百年の安心を考える上で、マクロ経済スライドを特例水準解消後から二十五年適用して計算していると思うんですよ。これは、二十五年間、例えば〇・九%ずつ減っていくとすると、二割ほど基礎年金部分が低くなるはずです。駒村先生の資料には、行く行く三割というふうなお話もありましたけれども、物価スライドの特例水準部分を解消すれば、恐らく二千円ぐらい基礎年金部分も下がるんでしょうから、そういう意味では、二十五年か三十年先といいますと、実は私、三十六歳なものですから、年金、そろそろかなというころには、我々も国民年金一本ですので、ちょうど基礎年金部分というのは五万円を切ってくるような水準になるはずなんですよ。
そういうことからすると、そういう底上げ的な意味での加算というところの話もまた一方であると思うんですよね。先ほど西沢先生から、不公平が生じるという話はありました。以前、先生の御講演も聞かせていただいて、なるほどごもっとも、そのとおりだなと思いました。
ですけれども、そういった不公平論というのも、駒村先生が入られていました社会保障審議会の年金部会の中でも、第十一回あたりの議事録を見ますと、まさに、委員の皆さんから、これは不公平が生じるじゃないか、そういった話も議論された上で、事務コストのこととかいろいろなことを勘案されて最終的にこの案に落ちつかれたんだと認識をしているんですね。ですから、そのあたりをもう少し突っ込んでお話を伺いたいんです。
まず、西沢先生にお伺いをいたします。
先生も問題視されていると思うんですけれども、やはり基礎年金部分にまでマクロ経済スライドが当たっていくということで、厚生年金の方は、所得代替率五〇%とかで、ある程度水準を守れると思うんですけれども、国民年金、基礎年金一本みたいな方々のところというのは、どうしても低年金になっていくと思います。そういうあたりを今後どういうふうに解消していくべきだと思われますでしょうか。
西
西沢和彦#16
○西沢公述人 今、岡田先生から、基礎年金に対するマクロ経済スライド適用について御質問がありました。
私、これは確かに、二〇〇四年改正を振り返りますと、年金財政をもたせるためにマクロ経済スライドを導入されたというのは英断だったと思います。まだ動いてはいないんですが。
ただ、基礎年金と報酬比例の役割を考えたときに、報酬比例は拠出建てというんでしょうか、保険料を払ってその範囲に応じてもらえるという考え方でいいと思うんですね。一方で、基礎年金という基礎と名前を冠した年金に関しては、給付建てというんでしょうか、まず給付水準があって、それに応じて保険料を負担するという考え方の方が本来はふさわしいと思うんですね。
ですから、二〇〇四年改正はかなり混乱の中で法案を可決したと思いますけれども、一つ私のアイデアとしては、例えば基礎年金に関してはマクロ経済スライド適用をやめる。これも幾つか財政上のパターンがありますけれども、新規裁定だけはやめる、あるいは、既裁定に関して、物価スライドをさらにマクロ経済スライドを適用するようなことはやめるといった細かな議論をしていくべきであると思います。
これは、公明党の皆さんが福祉改革ビジョンという、ちょっと正式名称を間違っていたら申しわけないんですけれども、中で出されている定率加算にかなり近いと思うんですね。マクロ経済スライドをやめるということは基礎年金全体を底上げするということですので、定率加算に近いと思います。こうして定率加算にすれば公平性の問題を回避することができますので、こういった議論を詰めていくことがいいのではないかと思います。
この発言だけを見る →私、これは確かに、二〇〇四年改正を振り返りますと、年金財政をもたせるためにマクロ経済スライドを導入されたというのは英断だったと思います。まだ動いてはいないんですが。
ただ、基礎年金と報酬比例の役割を考えたときに、報酬比例は拠出建てというんでしょうか、保険料を払ってその範囲に応じてもらえるという考え方でいいと思うんですね。一方で、基礎年金という基礎と名前を冠した年金に関しては、給付建てというんでしょうか、まず給付水準があって、それに応じて保険料を負担するという考え方の方が本来はふさわしいと思うんですね。
ですから、二〇〇四年改正はかなり混乱の中で法案を可決したと思いますけれども、一つ私のアイデアとしては、例えば基礎年金に関してはマクロ経済スライド適用をやめる。これも幾つか財政上のパターンがありますけれども、新規裁定だけはやめる、あるいは、既裁定に関して、物価スライドをさらにマクロ経済スライドを適用するようなことはやめるといった細かな議論をしていくべきであると思います。
これは、公明党の皆さんが福祉改革ビジョンという、ちょっと正式名称を間違っていたら申しわけないんですけれども、中で出されている定率加算にかなり近いと思うんですね。マクロ経済スライドをやめるということは基礎年金全体を底上げするということですので、定率加算に近いと思います。こうして定率加算にすれば公平性の問題を回避することができますので、こういった議論を詰めていくことがいいのではないかと思います。
岡
岡田康裕#17
○岡田(康)委員 貴重な御意見をどうもありがとうございます。
続いて、駒村先生にお伺いをしたいんですけれども、先生の方からも大分この加算の話について触れてはいただいたんですが、冒頭、先生の資料の一ページ目で、「先進国に共通する年金改革の方向性と一体改革の目標」という中で、近年の先進諸国で年金改革が同様の方向性で行われてきたというお話がまさにございましたが、今のところ、つまり、この二つ目の「最低保障機能を有し、」という部分について、各国も、日本ほどではないにしても、高齢化が進んでいく中で、どういうふうにここを改革していこうとしている、ないし、してきているのかというのを、二、三、例などいただければありがたいと思います。
この発言だけを見る →続いて、駒村先生にお伺いをしたいんですけれども、先生の方からも大分この加算の話について触れてはいただいたんですが、冒頭、先生の資料の一ページ目で、「先進国に共通する年金改革の方向性と一体改革の目標」という中で、近年の先進諸国で年金改革が同様の方向性で行われてきたというお話がまさにございましたが、今のところ、つまり、この二つ目の「最低保障機能を有し、」という部分について、各国も、日本ほどではないにしても、高齢化が進んでいく中で、どういうふうにここを改革していこうとしている、ないし、してきているのかというのを、二、三、例などいただければありがたいと思います。
駒
駒村康平#18
○駒村公述人 OECD、ILO、世銀等で、どういう改革が行われたのか、整理されております。
第一番、一番多かったのが、高齢化に対応して財政を安定させる仕組み。ずばり言うと、支給開始年齢と、年金額の実質引き下げというものがあります。
それから二番目が、雇用、労働の多様化に応じて、社会保険から落ちていく人、非正規の部分をどうカバーするかという部分があります。
三つ目として、大体上位三つ目に入ってくるわけですけれども、年金額を引き下げるとはいうものの、低所得の人の年金を一定以下まで下げてしまえば、それは年金の役割を果たさないということで、そこの部分については公費などを集中的に投入する。具体的に言えば、こういう名称で公費を使って低所得者の年金のところを厚くしたのがスウェーデン、フィンランドという北欧の国です。それから、そういう年金というラベルは使わないで、そのかわり社会扶助の手法を使って、しかし社会扶助の資産制限を非常に緩い形で高齢者に適用するというのがドイツのやり方だということで、いずれにしても、高齢期の所得が一定以下にならないように保障しているというのは、年金を使った仕組みと社会扶助、日本でいうと公的扶助の運用を変えていく、緩くしていくという方法があろうかと思います。
以上です。
この発言だけを見る →第一番、一番多かったのが、高齢化に対応して財政を安定させる仕組み。ずばり言うと、支給開始年齢と、年金額の実質引き下げというものがあります。
それから二番目が、雇用、労働の多様化に応じて、社会保険から落ちていく人、非正規の部分をどうカバーするかという部分があります。
三つ目として、大体上位三つ目に入ってくるわけですけれども、年金額を引き下げるとはいうものの、低所得の人の年金を一定以下まで下げてしまえば、それは年金の役割を果たさないということで、そこの部分については公費などを集中的に投入する。具体的に言えば、こういう名称で公費を使って低所得者の年金のところを厚くしたのがスウェーデン、フィンランドという北欧の国です。それから、そういう年金というラベルは使わないで、そのかわり社会扶助の手法を使って、しかし社会扶助の資産制限を非常に緩い形で高齢者に適用するというのがドイツのやり方だということで、いずれにしても、高齢期の所得が一定以下にならないように保障しているというのは、年金を使った仕組みと社会扶助、日本でいうと公的扶助の運用を変えていく、緩くしていくという方法があろうかと思います。
以上です。
岡
岡田康裕#19
○岡田(康)委員 続いて、菅家さんにお聞きしたいんですが、先ほどもお話の中で、そういった最低保障機能というのは、最後は生活保護というのがあるんですけれども、その前の段階での、年金の中でそういった機能を求めていくべきではないかという御意見をいただいたように聞こえました。
そういう中で、私、駒村先生の論文なんかも拝読しておりますと、非正規の方々への厚生年金加入の適用拡大を、事業主の方の負担もありますけれども、しかし、それを乗り越えて、ぐぐっと適用拡大を突き詰めてやっていくと、大分厚生年金の網の中に入っていただくことができるであろうと。しかし、それでもまだ残るのはやはり自営業者の方々だと思うんです。
そういう方々に対しての、一元化という話をし始めますと、所得比例部分をどうするんだといったような話も出てくるわけですが、そこらあたりは、菅家さん、連合の皆さんの考え方なり、お話しいただけますでしょうか。
この発言だけを見る →そういう中で、私、駒村先生の論文なんかも拝読しておりますと、非正規の方々への厚生年金加入の適用拡大を、事業主の方の負担もありますけれども、しかし、それを乗り越えて、ぐぐっと適用拡大を突き詰めてやっていくと、大分厚生年金の網の中に入っていただくことができるであろうと。しかし、それでもまだ残るのはやはり自営業者の方々だと思うんです。
そういう方々に対しての、一元化という話をし始めますと、所得比例部分をどうするんだといったような話も出てくるわけですが、そこらあたりは、菅家さん、連合の皆さんの考え方なり、お話しいただけますでしょうか。
菅
菅家功#20
○菅家公述人 連合の年金制度改革の考え方について、少し述べさせていただきたいというふうに思います。
連合は二段階で制度改革を考えておりまして、まず、今回法案が提出されておりますけれども、被用者年金の一元化をまずなし遂げるべきで、それと同時に、基礎年金の全額税方式化ということを考えているところでございます。
そして、第二段階として、自営業者の所得比例年金を創設いたしまして、被用者と自営業者の所得比例年金を一元化する。その上で、最終的に基礎年金を最低保障年金に転換するというのが連合の考え方でございます。
ただ、現行制度から今申し上げましたような制度への移行につきましては、自営業者の所得比例年金の創設に向けた条件整備、自営業者の所得捕捉などといった観点もございますので、私どもといたしましては、四十年程度かけて移行する中長期的な課題として提起をさせていただいているところでございます。
この発言だけを見る →連合は二段階で制度改革を考えておりまして、まず、今回法案が提出されておりますけれども、被用者年金の一元化をまずなし遂げるべきで、それと同時に、基礎年金の全額税方式化ということを考えているところでございます。
そして、第二段階として、自営業者の所得比例年金を創設いたしまして、被用者と自営業者の所得比例年金を一元化する。その上で、最終的に基礎年金を最低保障年金に転換するというのが連合の考え方でございます。
ただ、現行制度から今申し上げましたような制度への移行につきましては、自営業者の所得比例年金の創設に向けた条件整備、自営業者の所得捕捉などといった観点もございますので、私どもといたしましては、四十年程度かけて移行する中長期的な課題として提起をさせていただいているところでございます。
岡
岡田康裕#21
○岡田(康)委員 もう一度駒村先生にお伺いしたいんですが、今の、自営業者の方々の、より正確な所得把握というか、そういったところについて、先生はどういうふうに臨んでいくべきだと思われますでしょうか。
この発言だけを見る →駒
駒村康平#22
○駒村公述人 現状、自営業者の方は第一号かということについて、まず、高所得の自営業、ある程度法人成りをしているような自営業者は既に二割程度、上位の方はもう厚生年金の方に入っているのではないかと思います。
残りの方たち、低所得の方たちでありますけれども、この人たちについては、所得捕捉がどのくらい現状、税で正確なのかというのは、さまざまな数字は実際ございます。研究によっては、もう九割ぐらい捕捉できているんじゃないかというところでございます。
実際に、さまざまな統計データを見て分布を見たところ、確かに、下の二〇%ぐらいのところはほぼゼロの所得だというふうに答えていますけれども、それよりも右側の、百万以上ぐらいの方の分布は、ほぼ正社員と非正規社員等の人たちのグループと同じような所得分布をしておりますので、それほど極端な所得分布の違いが自営業グループとその他グループであるわけではない、こういうふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →残りの方たち、低所得の方たちでありますけれども、この人たちについては、所得捕捉がどのくらい現状、税で正確なのかというのは、さまざまな数字は実際ございます。研究によっては、もう九割ぐらい捕捉できているんじゃないかというところでございます。
実際に、さまざまな統計データを見て分布を見たところ、確かに、下の二〇%ぐらいのところはほぼゼロの所得だというふうに答えていますけれども、それよりも右側の、百万以上ぐらいの方の分布は、ほぼ正社員と非正規社員等の人たちのグループと同じような所得分布をしておりますので、それほど極端な所得分布の違いが自営業グループとその他グループであるわけではない、こういうふうに考えております。
以上です。
岡
岡田康裕#23
○岡田(康)委員 どうもありがとうございました。
この六千円加算のところは、国会のこれまでの審議の中でも、その境目のところで起きる逆転現象の不公平さとか、そういったところばかりが大きく報道されがちなんですけれども、例えば一方で、障害基礎年金が、今回百八十万人の方が、影響が出るわけですけれども、加算されるものも含まれていますから、そういうところはぜひ丁寧、慎重に与野党協議をしていくべきだと思っています。
また、先ほど来お答えいただいておりますとおり、払わなくて、その人に加算するのかという問題はありますけれども、そうはいっても、基礎年金部分が、今の現行制度だと、財政計算上は持続可能だといっても、どんどんどんどんやはり少なくなっていきますので、そこをどう底上げするかという議論は非常に大事でございますから、この加算の議論も丁寧に審議をして、何かしら、今の制度の問題点を一歩でも二歩でも前に進めるようにしていかねばならないと思っております。
時間が参りましたので、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →この六千円加算のところは、国会のこれまでの審議の中でも、その境目のところで起きる逆転現象の不公平さとか、そういったところばかりが大きく報道されがちなんですけれども、例えば一方で、障害基礎年金が、今回百八十万人の方が、影響が出るわけですけれども、加算されるものも含まれていますから、そういうところはぜひ丁寧、慎重に与野党協議をしていくべきだと思っています。
また、先ほど来お答えいただいておりますとおり、払わなくて、その人に加算するのかという問題はありますけれども、そうはいっても、基礎年金部分が、今の現行制度だと、財政計算上は持続可能だといっても、どんどんどんどんやはり少なくなっていきますので、そこをどう底上げするかという議論は非常に大事でございますから、この加算の議論も丁寧に審議をして、何かしら、今の制度の問題点を一歩でも二歩でも前に進めるようにしていかねばならないと思っております。
時間が参りましたので、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
中
橘
橘慶一郎#25
○橘(慶)委員 五人の先生方、本当にありがとうございました。
きょうは、年金のこれからのあり方ということであります。孫子の代まで安心できるように、そしてまた保険料を払っている皆さん方、国民の皆さんが平等感があるように、こういうことであろうかと思いまして、そういうお話をそれぞれの観点からお伺いしたと思っております。
先生方はちょっと驚かれるかもしれませんが、私、万葉集を詠んでからいつも質問するということにしております。
きょうは、孫子の代までこの世がアジサイのごとく栄えるようにという歌でございますので、きょうの場には合うのかと思います。
巻二十、四千四百四十八番。
あぢさゐの八重咲くごとく八つ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ
では、よろしくお願いいたします。
最初に、まず小野先生にお伺いしたいと思います。
企業の年金数理をいろいろ御担当されているというお話でありました。言ってみれば、それの大型版がこの国民年金というか、国民の、国の年金制度だと思っております。
そこで、企業年金もいろいろな問題がありまして、数理計算をして、例えば債務が、積み立て不足があれば何年かに分けて積み立てをしていくとか、いろいろなことをやっているわけであります。こういったことがいろいろありまして、厚生年金基金の問題などもあって、いろいろと国民の皆さんにはこういった年金制度に心配があるということになるんだろうと思いますが、企業のそういったいろいろな年金数理を御担当になっておられて、国の年金制度の場合、国が果たす役割がどうであるか、あるいは先ほどお話がありました国の年金数理というものはどういうふうに見ればいいのか、もう少しお考えをお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →きょうは、年金のこれからのあり方ということであります。孫子の代まで安心できるように、そしてまた保険料を払っている皆さん方、国民の皆さんが平等感があるように、こういうことであろうかと思いまして、そういうお話をそれぞれの観点からお伺いしたと思っております。
先生方はちょっと驚かれるかもしれませんが、私、万葉集を詠んでからいつも質問するということにしております。
きょうは、孫子の代までこの世がアジサイのごとく栄えるようにという歌でございますので、きょうの場には合うのかと思います。
巻二十、四千四百四十八番。
あぢさゐの八重咲くごとく八つ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ
では、よろしくお願いいたします。
最初に、まず小野先生にお伺いしたいと思います。
企業の年金数理をいろいろ御担当されているというお話でありました。言ってみれば、それの大型版がこの国民年金というか、国民の、国の年金制度だと思っております。
そこで、企業年金もいろいろな問題がありまして、数理計算をして、例えば債務が、積み立て不足があれば何年かに分けて積み立てをしていくとか、いろいろなことをやっているわけであります。こういったことがいろいろありまして、厚生年金基金の問題などもあって、いろいろと国民の皆さんにはこういった年金制度に心配があるということになるんだろうと思いますが、企業のそういったいろいろな年金数理を御担当になっておられて、国の年金制度の場合、国が果たす役割がどうであるか、あるいは先ほどお話がありました国の年金数理というものはどういうふうに見ればいいのか、もう少しお考えをお伺いしたいと思います。
小
小野正昭#26
○小野公述人 お答えします。
企業年金の話をこの場でお話しさせていただける機会があるとは思っておりませんで、大変ありがとうございます。
御存じのとおり、厚生労働省でも有識者会議というのがございまして、ここで、厚生年金基金の問題、厚生年金基金を中心とした財政のあり方とか厚生年金基金そのもののあり方、こういったものが議論の対象になっている、私も委員の一人ということでございます。
公的年金との関係でいうと、一つは、公的年金を積立方式にしてはいかがかというような議論が一点あるかと思います。これに関しては、私も、多くの皆様が言っていますけれども、それは余り得策ではないというふうに思っております。
特に、積立金の運用利回りということを当てにすると、そこがいかにも世代間で全く不公平がないような印象を受けるような、そういった仮定というのが非常に横行しているように思っていますが、資産のリターンというのは、結局のところ、労働者が発生させるアウトプットに基づいてリターンがあるということでございますので、それは必ずしも公平性をそれで確保したということにはならないということとともに、積み立てとなりますと、今、例えばカルパースというアメリカの公務員年金、カリフォルニア州、ここが実は予定利率七・五%、こういう利率を使っていますが、アメリカの十年国債は、御承知のとおり、今二%を切った状態でございます。こういった財政問題等がありますと、公的年金の中で積み立ての要素を過度にふやすと、やはり非常な混乱ということがあるのではないかなというふうに思います。
それとともに、企業年金でございますけれども、この時点で、先ほど予算制約と申し上げましたけれども、企業年金という自助努力の手段を奪い取るというようなことというのは余り適当ではないというふうに思っております。
特に、個人に任せてしまうとなかなか難しい面がありますので、職域の年金というのは、そういったところを非常に効率的に運営できるということもございますので、こういったものの芽を摘むというようなことに関しては、やはりちょっと慎重に考えるべきだ。とにかく、トータルでもって年金制度を普及発展させていくということが重要かと思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →企業年金の話をこの場でお話しさせていただける機会があるとは思っておりませんで、大変ありがとうございます。
御存じのとおり、厚生労働省でも有識者会議というのがございまして、ここで、厚生年金基金の問題、厚生年金基金を中心とした財政のあり方とか厚生年金基金そのもののあり方、こういったものが議論の対象になっている、私も委員の一人ということでございます。
公的年金との関係でいうと、一つは、公的年金を積立方式にしてはいかがかというような議論が一点あるかと思います。これに関しては、私も、多くの皆様が言っていますけれども、それは余り得策ではないというふうに思っております。
特に、積立金の運用利回りということを当てにすると、そこがいかにも世代間で全く不公平がないような印象を受けるような、そういった仮定というのが非常に横行しているように思っていますが、資産のリターンというのは、結局のところ、労働者が発生させるアウトプットに基づいてリターンがあるということでございますので、それは必ずしも公平性をそれで確保したということにはならないということとともに、積み立てとなりますと、今、例えばカルパースというアメリカの公務員年金、カリフォルニア州、ここが実は予定利率七・五%、こういう利率を使っていますが、アメリカの十年国債は、御承知のとおり、今二%を切った状態でございます。こういった財政問題等がありますと、公的年金の中で積み立ての要素を過度にふやすと、やはり非常な混乱ということがあるのではないかなというふうに思います。
それとともに、企業年金でございますけれども、この時点で、先ほど予算制約と申し上げましたけれども、企業年金という自助努力の手段を奪い取るというようなことというのは余り適当ではないというふうに思っております。
特に、個人に任せてしまうとなかなか難しい面がありますので、職域の年金というのは、そういったところを非常に効率的に運営できるということもございますので、こういったものの芽を摘むというようなことに関しては、やはりちょっと慎重に考えるべきだ。とにかく、トータルでもって年金制度を普及発展させていくということが重要かと思います。
以上でございます。
橘
橘慶一郎#27
○橘(慶)委員 ありがとうございました。
次に、西沢先生でございますが、先ほどの陳述の際に、最後のところが少しお時間が不足されまして、今、小野先生にも少しお話をいただきました、これからの年金制度はいかにあるべきと。
このいただいた書類の中でも、新しい年金制度について三つばかり、こういうことに問題点があるという資料はいただいておるんですが、それでは、西沢先生として、これからの年金制度というものはどういう形がよろしいとお考えであるのか、先ほどお話しにならなかった部分について、お考えをお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →次に、西沢先生でございますが、先ほどの陳述の際に、最後のところが少しお時間が不足されまして、今、小野先生にも少しお話をいただきました、これからの年金制度はいかにあるべきと。
このいただいた書類の中でも、新しい年金制度について三つばかり、こういうことに問題点があるという資料はいただいておるんですが、それでは、西沢先生として、これからの年金制度というものはどういう形がよろしいとお考えであるのか、先ほどお話しにならなかった部分について、お考えをお伺いしたいと思います。
西
西沢和彦#28
○西沢公述人 今、新しい年金制度というのは、政府・与党が出されているものを想定されたお言葉かと思いますが、私は先ほど、スウェーデン型であれば手が届きにくいというふうに申し上げたわけですね。
今、最低保障年金を取り下げる、取り下げないが話題になっていますけれども、スウェーデンの年金制度をまず簡単にまとめますと、所得比例年金が主体なんですね。年金給付全体の九二%が所得比例年金で、保証年金は八%にすぎないわけで、あくまで補完なわけです。
ですから、所得比例年金を手厚くして、なるべく所得比例年金を給付して保証年金への依存を小さくするというのがスウェーデンの年金制度、まさにザッツ社会保険方式でありますが、私は、この日本の高齢化の状況からいって、残念ながら、負担と受益の明確な社会保険方式の年金というのは成り立ちにくいと考えています。ですので、所得再分配を強化した中で公的年金を維持するというのが、残念ながら我が国の現状かなと思います。
もう一つ、基礎年金のお話を申し上げましたけれども、やはり八五年改正は大改革だったわけですが、国民年金法の改正という中で基礎年金を導入したというところに、基礎年金は何のためにあるのか、どういった給付水準を保障すべきなのか、どういった財源がふさわしいのかといった議論がどうしても十分でなかった印象を持っていますので、私は、この制度にしようということは今申し上げませんけれども、基礎年金法を、ではつくるとしたらどういう法律になるかといったことを考えるのがいいかなと思います。
この発言だけを見る →今、最低保障年金を取り下げる、取り下げないが話題になっていますけれども、スウェーデンの年金制度をまず簡単にまとめますと、所得比例年金が主体なんですね。年金給付全体の九二%が所得比例年金で、保証年金は八%にすぎないわけで、あくまで補完なわけです。
ですから、所得比例年金を手厚くして、なるべく所得比例年金を給付して保証年金への依存を小さくするというのがスウェーデンの年金制度、まさにザッツ社会保険方式でありますが、私は、この日本の高齢化の状況からいって、残念ながら、負担と受益の明確な社会保険方式の年金というのは成り立ちにくいと考えています。ですので、所得再分配を強化した中で公的年金を維持するというのが、残念ながら我が国の現状かなと思います。
もう一つ、基礎年金のお話を申し上げましたけれども、やはり八五年改正は大改革だったわけですが、国民年金法の改正という中で基礎年金を導入したというところに、基礎年金は何のためにあるのか、どういった給付水準を保障すべきなのか、どういった財源がふさわしいのかといった議論がどうしても十分でなかった印象を持っていますので、私は、この制度にしようということは今申し上げませんけれども、基礎年金法を、ではつくるとしたらどういう法律になるかといったことを考えるのがいいかなと思います。
橘
橘慶一郎#29
○橘(慶)委員 どうもありがとうございました。
基礎年金の問題、二階建ての問題、いろいろあるわけでありまして、これからの年金制度をどうするかということについては、今、岡田委員もおっしゃったように、与野党間でいろいろな協議も進んでいるわけであります。
そこで、駒村先生の方から、このいただいた資料の中に、先ほど見ておりますと、抜本改革より連続大型リフォーム方式という、言ってみれば、家を建てかえるのではなくて、リフォームを一つの考え方を持ちながら進めていく、こういう言葉に対しては、私、個人的には非常に共感を覚えるものであります。
先生は、先ほどからお話があるように、先進国のいろいろな事例も見ておられるかと思います。そういうことも踏まえて、抜本的ということが本当に歴史上あちこちあるのか、それとも最近はこの連続大型リフォームなのか、世の中全体、先進国はどうなっているのか、少し御存じのところをお答えいただければと思います。
この発言だけを見る →基礎年金の問題、二階建ての問題、いろいろあるわけでありまして、これからの年金制度をどうするかということについては、今、岡田委員もおっしゃったように、与野党間でいろいろな協議も進んでいるわけであります。
そこで、駒村先生の方から、このいただいた資料の中に、先ほど見ておりますと、抜本改革より連続大型リフォーム方式という、言ってみれば、家を建てかえるのではなくて、リフォームを一つの考え方を持ちながら進めていく、こういう言葉に対しては、私、個人的には非常に共感を覚えるものであります。
先生は、先ほどからお話があるように、先進国のいろいろな事例も見ておられるかと思います。そういうことも踏まえて、抜本的ということが本当に歴史上あちこちあるのか、それとも最近はこの連続大型リフォームなのか、世の中全体、先進国はどうなっているのか、少し御存じのところをお答えいただければと思います。