災害対策特別委員会

2013-05-10 衆議院 全129発言

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会議録情報#0
平成二十五年五月十日(金曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員  
   委員長 坂本 剛二君
   理事 うえの賢一郎君 理事 小里 泰弘君
   理事 林田  彪君 理事 原田 憲治君
   理事 平口  洋君 理事 吉田  泉君
   理事 山之内 毅君 理事 石田 祝稔君
      井上 貴博君    伊藤 忠彦君
      泉原 保二君    大見  正君
      神山 佐市君    北村 誠吾君
      工藤 彰三君    笹川 博義君
      高鳥 修一君    竹下  亘君
      二階 俊博君    林  幹雄君
      藤丸  敏君    古川 禎久君
      松本 文明君    務台 俊介君
      湯川 一行君    吉川  赳君
      奥野総一郎君    黄川田 徹君
      津村 啓介君    中川 正春君
      今村 洋史君    杉田 水脈君
      高橋 みほ君    伊佐 進一君
      濱村  進君    樋口 尚也君
      佐藤 正夫君    椎名  毅君
      高橋千鶴子君    小宮山泰子君
      畑  浩治君
    …………………………………
   国務大臣
   (防災担当)       古屋 圭司君
   復興副大臣        谷  公一君
   内閣府副大臣       西村 康稔君
   総務副大臣        柴山 昌彦君
   厚生労働副大臣      桝屋 敬悟君
   内閣府大臣政務官     亀岡 偉民君
   農林水産大臣政務官    長島 忠美君
   国土交通大臣政務官    坂井  学君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  種谷 良二君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  田河 慶太君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 佐々木克樹君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   原田 保夫君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     安藤 友裕君
   政府参考人
   (消防庁国民保護・防災部長)           大庭 誠司君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           西藤 公司君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           神田 裕二君
   政府参考人
   (気象庁長官)      羽鳥 光彦君
   衆議院調査局第三特別調査室長           石川 晴雄君
    —————————————
委員の異動
五月十日
 辞任         補欠選任
  近藤 洋介君     奥野総一郎君
  三日月大造君     津村 啓介君
  上野ひろし君     今村 洋史君
  宮沢 隆仁君     杉田 水脈君
  樋口 尚也君     伊佐 進一君
  小宮山泰子君     畑  浩治君
同日
 辞任         補欠選任
  奥野総一郎君     近藤 洋介君
  津村 啓介君     三日月大造君
  今村 洋史君     上野ひろし君
  杉田 水脈君     宮沢 隆仁君
  伊佐 進一君     樋口 尚也君
  畑  浩治君     小宮山泰子君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 災害対策基本法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五六号)
 大規模災害からの復興に関する法律案(内閣提出第五七号)
     ————◇—————
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坂本剛二#1
○坂本委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、災害対策基本法等の一部を改正する法律案及び大規模災害からの復興に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官種谷良二君、内閣官房内閣審議官田河慶太君、内閣府大臣官房審議官佐々木克樹君、内閣府政策統括官原田保夫君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長安藤友裕君、消防庁国民保護・防災部長大庭誠司君、厚生労働省大臣官房審議官西藤公司君、厚生労働省大臣官房審議官神田裕二君及び気象庁長官羽鳥光彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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坂本剛二#2
○坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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坂本剛二#3
○坂本委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。務台俊介君。
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務台俊介#4
○務台委員 自民党の務台俊介でございます。
 昨日は本会議で、古屋大臣、五十四問の質問にお答えになって、本当にお疲れさまでございました。私がきょう委員会で質問する質問がなくなってしまうのではないかと心配だったんですが、私は、昨日の質疑に余り重ならないような形で、別の観点からの質問をさせていただきたいと思います。
 私は、十年ほど前に総務省消防庁の防災課長をさせていただきまして、その際に、日本の災害法制の歴史を勉強させていただく機会がございました。
 お手元に資料をお配りさせていただいておりますが、日本の重要な災害法制というのは、大きな災害がある都度、制度がつくられてきた、そういう歴史がございます。ある意味で後追いの制度改正の歴史だということでございます。南海地震があって災害救助法、伊勢湾台風があって災害対策基本法、新潟地震があって地震保険の法律、ジェー・シー・オーの臨界事故で原子力災害対策特別措置法、そんな形で行われてきました。
 本来であれば、起こり得る災害を予想し、それに対して法制度をあらかじめつくっておくというのが理想ではございますが、法律をつくる際には社会的な力が必要でございまして、その力を引き出すにはインパクトがないといけない、災害に関して言うと、それがまさに大災害の発生ということになろうかというふうに思います。
 この災害対策の履歴の中で、位置づけが異なる災害法制が一つだけあるというふうに私には感じられます。それは、昭和五十一年の地震学会での東海地震発生可能性の研究発表を受けて、起こり得る災害に備えるという意味で大規模地震対策特別措置法が制定された。これは昭和五十三年でございます。起きた後の対策ではなくて、起きる前に事前に備えるという意味では、これは画期的ではないかというふうに私には思えます。
 そういう意味で、今回の災害法制を見た際に、東日本大震災の甚大な被害に鑑みてはいますが、今後起こり得る大災害に備えるという意味で、あらかじめ仕組みを用意するという観点からは、有意義な改正内容が二つの法律に盛り込まれているものと認識しております。
 その観点から伺いたいと思うんですが、大臣が今回の法改正の中で特に国民の皆様に訴えて強調したい点、この点について伺いたいと思います。
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古屋圭司#5
○古屋国務大臣 お答えいたします。
 務台委員におかれましては、消防の防災課長として、本当にプロの見地から取り組んでいただいたと私もよく承知いたしております。私は消防議連の、今会長ですけれども、当時は幹事長でございまして、いろいろ技術的なアドバイスもいただきまして、ありがとうございます。
 今回の法改正の中で特に国民に何を訴えたいのかということですね。
 今、委員御指摘ありましたように、災害があると、その都度法律をつくって、相当中身は充実はしてきています。確かに後追いではあるけれども、しかし、その経験則というものをしっかり法律の中に生かしているという視点では、私は、そういう意味では非常に効果が出てきているというふうには思います。
 今回は、東日本大震災に際して、やはり災害対応に想定外というのがあっては絶対いけないですよね。それから、災害から命を守るために、やはりまず逃げるということが極めて大切である。あるいは、被災者のニーズの変化や多様性に応じた支援が必要である。それから、行政だけではなくて、地域とか市民とか企業による取り組みとの協働が必要である。あるいは、復興に関する基本的な枠組みが必要である。こういった観点でさまざまな教訓をいただきました。こうした東日本の教訓を、今後発生が懸念される大規模災害への備えの充実につなげていくことが最大の課題だというふうに思っております。
 そういった視点から、今回の改正では、さきの通常国会で行ったいわゆる第一弾の改正がございますね、これに加えて、昨年、防災対策推進検討会議の最終報告が出ておりますけれども、これも参考にしながら法制上の措置を講じるということにさせていただきました。
 具体的には、まず、国が被災自治体を支える仕組みの創設、災害緊急事態への対処の拡充、大規模広域な災害への即応力の強化、避難行動要支援者名簿の作成など住民の避難に関する規定の拡充とか、被災者台帳の作成など被災者支援のための基本的な仕組みの整備、そして、住民、企業、ボランティア等の多様な主体による連携の推進や地域レベルの防災力の向上、こういったものを新たに規定させていただきました。
 また、大規模災害からの復興に関する法案を新たに制定して、政府の復興対策本部の設置であるとか基本方針の策定、市町村による復興計画の作成など、復興の枠組みをあらかじめ制度化する、こういう対応をとらせていただいたところでございます。
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務台俊介#6
○務台委員 ありがとうございます。
 盛りだくさんの中身で、災害法制としては久しぶりの大型改正だというふうに思います。
 その中で、大臣が最後におっしゃった、復興の枠組みをあらかじめ用意しておくという点についてなんですが、今回は、災対法の中に入れるのではなくて、復興法制として単独法でおつくりになったということでございますが、なぜ単独法制定にしたのかという、その理由について伺えればと思います。
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西
西村康稔#7
○西村副大臣 大変いい御指摘でありまして、私も改めて法制度全体を見直したわけでありますけれども、御指摘の大規模災害に対する備えの法律の方は、単なる復旧対策とは異なって、災害の被害を前提とした全体としての地域づくり、面的な地域の復興ということを進めていく必要があるわけであります。
 一方、災害対策基本法の「目的」にありますように、「国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、」「必要な災害対策の基本を定める」ということで、防災の定義の中に、「災害を未然に防止し、」「発生した場合における被害の拡大を防ぎ、及び災害の復旧を図ること」とされておりまして、この災害対策基本法は、応急対策とか災害復旧ということを念頭に置いての基本的なことを定めております。
 他方、地域づくりとしての、復旧を超えた復興というものは、その範囲を超えるところが大部分となるのではないかというふうに考えるところであります。
 こうした考えのもとにおいて、復興については、法制上、この災害対策基本法には位置づけず、新法として、別法として、大規模災害を受けた地域の面的な、円滑、迅速な復興を図ることを目的とした別の枠組みを法制化するということにしたものでございます。
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務台俊介#8
○務台委員 わかりやすい説明ありがとうございました。
 もう一点、ちょっと細かい点かもしれませんが、災害対策の一環をなす災害救助法というのがございます。今回、所管省庁を厚生労働省から内閣府に移管することとされておりますが、その理由と経緯を教えていただきたいと思います。
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西
西村康稔#9
○西村副大臣 お答え申し上げます。
 一つの視点が、関係省庁との連携を一層強化しておくことを可能とするというのが大きな一つの理由でありまして、これまで、御指摘のとおり、厚労省で災害救助法を所管してきたわけでありますけれども、中身は、応急仮設住宅の供与については住宅との関係から国交省、福祉の観点からは厚労省、あるいは衣服であるとか寝具、こうした生活必需品の給付については経産省、それから学用品については文科省と、救助に当たってはいろいろなことをやらなきゃいけないわけでありますけれども、内閣府がこの災害救助法を所管することによって、まさに横断的な施策の総合調整をより可能としていくという点が第一点目であります。
 もう一点、内閣府は、御案内のとおり、被災者生活再建支援法に基づく支援金の支給を所管しておりまして、これとあわせて、避難段階における救助から生活再建の支援に至るまで、被災者支援の一連の流れを内閣府に一元化して、国、地方との関係も含めて連絡体制を簡素化できるということもメリットとして挙げられると思います。
 いずれにしましても、内閣府に移すことによって、防災行政全体として横断的に一連の流れをスムーズにやっていくというメリットが大きいというふうに判断したものでございます。
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務台俊介#10
○務台委員 ありがとうございます。
 今回の所管がえについては、こういう役所間の一種の縄張り意識を超えて、より迅速果敢な対応を弾力的にするという意味では、これから、きのうの本会議の質問でも大臣お答えになっていましたけれども、危機管理の組織のあり方がどうかという議論もあるので、それがひょっとしたら一つの分水嶺になり得るかなというふうに私ちょっと聞いておりました。ありがとうございます。
 さて、今回の法改正で、相当中身が充実していると思いますが、これで完全ではないというふうに私も理解しております。大臣、なお残された課題としてどういうものがあるかということについて、ちょっとお考えを承りたいと思います。
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古屋圭司#11
○古屋国務大臣 昨年の第一弾法律改正をしまして、そして今回、この御審議をいただいている法案で法制度上は一応整いつつあるのかなという認識ではおりますが、一方、今後の課題ということでいいますと、やはり常に見直しをしていく。それは、現場主義という視点から、常にその見直しをしていくことが大切でありまして、そのためにも実効ある運用を図っていくということがまず大切ですね。
 それから、法制度の整備を前提として、その運用面も含めて、今後発生が懸念される南海トラフ巨大地震であるとか首都直下地震を初めとする大規模災害への備えの充実につなげていく、これが極めて重要だというふうに認識をしています。
 こういった取り組みに当たっては、先般、中央防災会議で設置が決定をされました防災対策実行会議、これはあらゆるジャンルのメンバーに参画をいただくことになりましたので、この場も活用して、関係省庁が一体となって災害対策の一層の充実強化に努めていきたいと思います。常にそういった視点に立って、見直しをしていくという視点に立って取り組んでいきたいというふうに思います。
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務台俊介#12
○務台委員 ありがとうございます。
 実効ある運用、それが大規模災害への備えにつながるという御認識、全く正しいと思います。私は、そういう大臣と同じ認識に立ちつつ、ちょっと私の考え方を申し上げたいと思います。
 まず、資料の二というのを御用意させていただいております。これは災害対策基本法における市町村長の権限、権能を項目に挙げたものです。権限と責任。
 実は、市町村長の権限というのは非常に大きいです。市町村で対応が難しい場合には、三にありますように国に職員の派遣の要請ができる。あるいは、五にありますように放送事業者に対して放送を要求できる。あるいは、六番目にありますように設備の除去などもできる。立ち退き勧告は七です。それから、住民に対して応急措置業務への従事命令ができる、こんな権限まであるんです。すごいんです。でも、こういう権限があると知って動いている市町村長はほとんどいません、実は。いるかもしれませんけれども。
 責務も大きいですね。職員の派遣要請を受けたら職員を派遣しなければいけないという責務があったり、さまざまな権限と責任の束が、災対基本法上、市町村長に委ねられているということがあるんです。
 問題は、大臣まさに今おっしゃったように、与えられた権限をしっかり理解し、行使できる実態が備わっているかどうかということではないかというふうに思います。
 実は、私、神奈川大学で行政学をこれまで教えてきたんですけれども、大学院の学生と一緒に自治体のアンケートをとってみました。それが三ページにありますが、自治体の危機管理の責任者、危機管理監とかありますけれども、実際どのぐらいの経験があるかと聞いたら、経験がなくてさっと座ったという人が過半です。どういう部局から来たかというと、一般部局から来たという、これが実態だと思うんです。処遇でつけているというのが実態でございまして、こういう人の面の問題をどう考えたらいいかということ、つまり制度を動かす場合に、人の面の、人づくりをどういうふうに考えていくかということがこれから重要ではないかというふうに思います。
 自治体の問題もさることながら、政府も同じでございまして、一昨年の大震災の中で、内閣官房、内閣府、消防庁、それぞれ大変立派に活動したと思いますが、実は、半年、一年たってどのぐらいの人が残っているか、そういうデータが一時新聞にも出たと思いますが、そこについて、半年後あるいは一年後の残留率がどのぐらいか、ちょっと教えていただきたいと思います。
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原田保夫#13
○原田政府参考人 お答え申し上げます。
 東日本大震災時の政府の中で災害対応を行った職員の異動状況についてでございますけれども、内閣府防災担当に限って申し上げますと、東日本大震災発生時に在職していた課長補佐級以上の職員四十名のうち、発生半年経過時点で引き続き在職していた職員は、二十二名、五五%ということでございます。
 さらに、発災後一年が経過した平成二十四年度当初の人事異動後におきましては、引き続き在職していた職員は、十四名、三五%ということになっております。
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種谷良二#14
○種谷政府参考人 お答えいたします。
 平成二十三年の三月十一日から半年後の同年九月十一日時点における内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)付課長補佐級以上の職員八十一名のうち、東日本大震災に係る災害対応を行った職員の数は四十四名でございまして、同日現在在籍職員の五四・三%でございます。
 それから、一年後になります平成二十四年度当初、四月現在でございますけれども、その人事異動後におきましては、職員の数は三十二名ということで、平成二十四年度当初在籍職員の三七・二%でございます。
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務台俊介#15
○務台委員 ありがとうございます。
 日本の場合は、公務員も人事異動のローテーションが激しい。自治体も同じだと思います。それぞれが、災害に当たったときは一生懸命やるけれども、次の異動で全く関係ないところに行って、それが十二分に引き継がれることがないというその連続が日本の実態じゃないかというふうに思います。いい面と悪い面、両方あると思います。ただ、それをしっかりつなぎとめる努力というのが必要ではないかと思います。
 災害対応に従事する役所の側の体制もそうですが、一方で、私の地元で自主防災組織は相当充実しています、松本、安曇。町内会単位でつくられていますが、彼らは彼らなりに一生懸命勉強しようとしています。地元の災害の履歴とか、大学の地震学者の方々を呼んで地質の問題を勉強したりしているんですが、何を手本にして体系立って勉強していったらいいかというつてがないんですね。
 そういう問題もあるのではないかというふうに思いまして、防災面の人づくりの仕組み、メンテナンスの面の目配り、これからさらに大事ではないかというふうに思います。
 そういう意味で、私、アメリカのシステムが非常にいいものがあるというふうに承知していまして、アメリカは、防災教育を徹底的に標準化していまして、全国民向けに標準化された教育訓練を施す仕組みがございます。インシデントコマンドシステム、ICSという仕組みがございますが、これは標準化が徹底しています。そして、このICSをベースに、国レベルの防災訓練所が整備されています。
 私は、去年の夏に、テキサスのA&M大学の附属機関であるTEEXを見てまいりましたが、これは防災教育のメッカでございます。FEMAにはEMIという研修所もありまして、全米に向けてさまざまなトレーニングコースを提供しています。EMIには首長向け一週間缶詰訓練コースというのがありまして、これが非常に好評を得ている。日本にも同じようなシステムがありますが、徹底という意味ではどうも足りないのではないかというふうに思います。
 そこでお伺いしたいんですが、我が国においても、防災面のシステムの標準化をさらに進めて教育訓練の場を設置する、こういった考え方について大臣の御見解を伺いたいと思います。
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古屋圭司#16
○古屋国務大臣 今委員から御指摘があった、いわゆるインシデントコマンドシステム、この本ですよね。これは務台委員が書かれた本で、私もこれは非常に参考になりました。ここで、ICSの組織図であるとか、あるいは、それにとどまらず、TEEX、学校の教育システム、こういうことを非常に体系的にやっている。これは恐らく、御本人が行かれてチェックをされて本にされたと思うんですけれども。
 こういうところにも書いてあるとおり、確かに、アメリカは、警察とか消防とか軍などの実動機関が、自然災害だけに限らないで、事故災害とかテロとか、あるいは戦争も視野に入れた全ての緊急事態への対応に当たって、必要となる組織とか指揮命令系統の共通の基準となるシステムをつくっているんですね。それがインシデントコマンドシステムということなんですね。
 こうしたシステムを参考にして、災害対応に当たっての我が国の実動部隊がありますね、警察とか消防、こういった実動部隊の現場指揮システムを標準化するという考え方、これはメリットがあるなというふうに考えています。
 でも、現実には、今、各実動部隊は、それぞれ異なる組織とか、指揮命令系統が異なりますので、まずはアメリカのインシデントコマンドシステムを、しっかり検討を進めさせていただいて、これを参考にしながら、何が取り組むことができるのかなということを、関係省庁とも連携をしてちょっと勉強をしていきたいな、こんなふうに考えています。
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務台俊介#17
○務台委員 ありがとうございます。
 ICSの勉強会を政府でするというのは、本当に画期的なお話を伺いましてありがとうございます。
 実は、東京電力が、あの事故の後、インシデントコマンドシステムを柏崎刈羽でも入れていますし、福島第一原発でも入れております。東電は、初動対応の反省に立ち、そういうことをやっていますので、ぜひ、自治体、政府でも、こういう仕組みの勉強をして、できるだけ日本に合う仕組みを入れていっていただきたいと思います。
 さて、アメリカの場合は、特に、防災の訓練、標準化に関してアカデミズムのバックアップが非常にすごいんですね。オクラホマ州立大学は全米の防災標準化のメッカになっております。
 そういう意味では、日本はどちらかというと行政とアカデミズムが、理科系の方はある程度いいと思うんですが、文科系の方の連携がどうもいかがなものかというふうに考えておりまして、ここら辺についての御所見もちょっと伺えればと思います。
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原田保夫#18
○原田政府参考人 お答え申し上げます。
 防災危機管理等の分野の政策の企画立案でありますとか施策の実施に当たりまして、行政機関が専門的な知見を有する大学等の研究機関と連携するということは、理工学分野だけではなくて、社会科学の分野を含めて極めて重要であるというふうに考えております。
 現在の取り組みとして、例えばで申し上げますと、文部科学省におきまして、大学等の防災研究の成果の展開を図るという意味で、地域の防災、減災対策への研究成果の活用を促進する地域防災対策支援研究プロジェクトという取り組みが始まったばかりでございます。
 今後とも、政府全体としまして、防災、減災対策を効果的に進めるに当たりまして、社会科学の分野を含めまして、大学等の研究機関と連携を深めるための方策を検討してまいりたいというふうに考えております。
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務台俊介#19
○務台委員 ありがとうございました。
 ちょっと離れた議論になりますが、私、病院船という議論を阪神大震災以降からちょっと勉強させていただいたことがあるんですが、最近、また議連ができまして、病院船を我が国でも防災用に持つべきだという議論があります。
 諸外国を見ると、軍隊が持っているケースがほとんどでございますが、シビリアンの一般政府が病院船を持って、非常時には迅速に活躍する、ふだんは教育訓練の場としても位置づける、こういう構想について政府ではどのようなお考えであるか、伺っておきたいと思います。
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西
西村康稔#20
○西村副大臣 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、議連の方でも熱心に活動しておられるということで伺っております。
 病院船の検討については、内閣府におきまして、平成二十三年の補正予算で基本的課題を整理した上で、昨年、平成二十四年度の予備費を活用しまして、病院船を幾つかの類型、パターン分けをして、その可能性の調査等を行ったところでございます。具体的には、建造にかかる費用とか課題であるとか平時の活用、今御指摘のあったような点も含めて調査を行いました。
 その調査報告書もまとまっておりまして、病院船を新たに建造することにつきましては、一つには相当大きな費用がかかる、多数の医療スタッフも確保しなきゃいけない、それから、平時をどういうふうに活用するのか、その活用の可能性もなかなか難しい面があるといったようなところから、課題は、難しい点も含めて多数存在するということがわかったところでございます。
 一方で、急性期の医療に特化した病院船で、病床の数の小規模なもの、こうしたものであれば、ふだんも訓練船として御指摘のような活用方策も想定される。あるいは、医療モジュール、コンテナのようなモジュールをチャーターした民間船に搭載する方法であるとか、あるいは自衛艦、自衛隊の艦船を活用するといったようなことで費用の縮減もできるんじゃないか。
 こうしたことについてさまざまな可能性を追求しまして、今後、今の民間船や自衛隊の船を活用した実証訓練、御指摘のような点も有効な方策の一つとして考えているところでございます。
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務台俊介#21
○務台委員 病院船についてはさまざまな課題があることを私も承知していますが、ぜひこれは、国内だけの視点ではなくて国際貢献もできるという視点に立って、どうか大きく構えて検討していただきたいというふうに、これは要望でございます。
 それから、災害対策に戻りますけれども、これまで累次の改正で災害対策の法体系が非常に複雑になっております。
 実は私、消防庁防災課長をやっていたときに、災害対策基本法の逐条解説を十年前に監修してやったんですが、その後、新しい版が出ていない。これだけの法改正の内容の充実があるにもかかわらず、逐条解説が手がついていないというのはちょっと問題ではないかというふうにひそかに思っておりまして、大臣、大局的な観点から事務方に御指示をお願いします。
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古屋圭司#22
○古屋国務大臣 その前に、前の質問で、病院船のことで一言だけ。
 やはり、平時にも使えて、いざ有事になったときにもその本来の役割を果たすという意味で非常に大切です。ただ、病院船というのは六百億円かかりますのでちょっと非現実的かなと思います。むしろ、今副大臣が言ったようなモジュールを使って、日ごろはそのモジュールをいろいろな場所に活用できますよね、例えば無医村に活用する。いざ災害が起きたときは、それをチャーター船で運んだりとか、あるいはトラックで運んだりとかして医療を提供するというようなことも一つの選択肢かなと。だから、病院船をつくるということに限定をせずに、幅広く考えていく必要があるのではないかなというふうに思っております。
 その上で、次の、今の御質問ですけれども、災害対策基本法の防災に関する諸制度は、避難指示等の具体的な権限を有する地方公共団体や国民にとっても非常に身近なものなので、災害への備えを充実強化するためにも、その趣旨が正しく理解をされるということは非常に重要ですよね。
 だから、そのためにはやはり、今回、法改正がございますので、例えばわかりやすいハンドブックを作成するとか、防災に関する諸制度が正しく理解できるような取り組みを考えていきたいと思っている。これについては、今御指摘もありましたので、早速、事務方にその指示をさせていただきたいというふうに思います。
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務台俊介#23
○務台委員 ありがとうございます。これで動くと思います。
 最後になりますが、実は、私の地元で、この連休前後に低温で霜が大分おりまして、ちょうど梨、リンゴ、桃の花が開花時期で大分やられている、特に梨は全滅状態だというようなことがあります。
 この点について、農水省にきょう来ていただいていますが、天候による農産物、果樹被害についての現時点の把握と、これからの対策についてお伺いしたいと思います。
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長島忠美#24
○長島大臣政務官 私の方からお答えをさせていただきます。
 五月に入ってからも降雪が各地で報道されるような異常気象が実は続いておりまして、委員御指摘のとおり、凍霜害はかなり広がっております。
 農水省できのう現在で確認した数字ですけれども、ちょうど開花期に霜等が重なったこと、そして発芽期に重なったことがあって、二十都県、三千ヘクタールに被害が、きのう把握した時点で及んでおります。
 農水省としては、四月に気象庁から低温予想が発令されたので、技術指導に努めてきたところではありますが、それだけの被害が出たということで、まず、共済で早期の認定と共済金の支払い、そして、共済に加入していない農家については、セーフティーネット等で融資の枠を広げて、事業を継続していただくということに努めてまいりたいと思いますが、とりあえず、引き続き状況の把握と対策に努めてまいりたいと思っているところでございます。
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務台俊介#25
○務台委員 ありがとうございます。特に果樹農家は家族経営で非常に零細なところが多いです。営農努力に水を差されないようにぜひしっかりやっていただきたいと思います。
 きょうの質問はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
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長島忠美#26
○長島大臣政務官 二十都県と申し上げましたが、十県把握しているということで訂正をお願いいたします。
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坂本剛二#27
○坂本委員長 次に、中川正春君。
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中川正春#28
○中川(正)委員 おはようございます。古屋大臣、頑張っていただきたいというふうに思います。
 東日本の大震災を受けて、基本的に新しい国の形をつくっていくということ、これがそれぞれ皆さんに課せられた大きな使命だと思いますし、そこによって、また日本の国が新しいフェーズに上っていくんだということ、そんなことをしっかり思いながら、私たちも議論に参加をさせていただきたいというふうに思っております。
 この法案あるいは防災の問題に入る前に、同じ危機管理、危機対応という観点から、一つだけ確かめさせていただきたいと思うんです。
 鳥インフルエンザなんですが、中国で患者が次々出てきているということ。人から人への感染あるいはまたその病原性についてまだ定かな結論が出ていないんですけれども、日本なりの、WHOだけじゃなくて日本としての分析と考え方というのがはっきりしていくということが国民にとっては一番大事なんだろうというふうに思っております。
 そういう観点から二つだけ聞きたいんですけれども、一つは、この病原性の評価について、あるいはまたパンデミック化していくのかどうかということについて、政府として、あるいは新しい法案の中で危機管理をしていく立場の中で、誰が責任を持ってこれを判断しているのかということ、今どういう状況で、それを国民に説明しているのかということ、これを一つ。
 それからもう一つは、その上に立って、ワクチンをできるだけ早く準備をしていかなきゃいけないということだと思うんですけれども、そこについての議論というのが、今どこまで、具体的に誰がしているのかということ。
 ここの二つだけ確かめておきたいと思います。
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田河慶太#29
○田河政府参考人 中国で発生している鳥インフルエンザに関するお尋ねでございます。
 先生には、特措法の制定に当たり御指導を賜っておりますが、現在中国で発生しております鳥インフルエンザ、これについては、現時点では人から人への持続的な感染は確認されておりません。
 しかしながら、先般、国立感染症研究所が発表したリスク評価では、パンデミックを起こす可能性は否定できないということであり、WHOとも緊密な連携を図りつつ情報収集に努めているところでございますが、特に、新型インフルエンザ等感染症になるかどうか、具体的には持続的なヒト・ヒト感染が起きているかどうか、そうした判断は、感染症法上、厚労大臣が行うこととなっておりまして、それを受けまして、新型インフルエンザ等対策特別措置法におきましては、厚労大臣が総理大臣に報告することとなっております。
 この判断は専門的な判断になります。このため、それを支える枠組みをどうしていくのか、そこがまた一つ重要になってくるのかというふうに考えております。
 判断に際しましては、当然ながらWHO等の海外の情報や、あるいは、昨年の八月から設置しております、尾身茂先生を会長としまして、医学、公衆衛生の専門家から成る基本的対処方針等諮問委員会の委員による専門的評価を踏まえることとなりますが、この中国で発生している鳥インフルエンザに関しましても、五月二日の有識者会議においても議論をいたしましたが、特に鳥インフルエンザに関しましてのリスクアセスメントにつきまして、五月二日に、基本的対処方針等諮問委員会の委員を中心として、情報共有を図るために会議を開きました。
 そして、そうした状況につきましては、内閣官房のホームページ等におきまして日々の動きを情報提供しておりますし、またさまざまな、国立感染症研究所におけるリスクアセスメント等々、あるいは厚生労働省における情報、そうしたものもホームページで公表しているところでございます。
 また、ワクチンに関して、これも国民の関心が高いところでございます。万一、人から人の感染が確認された場合、ワクチンという形の製造に取りかかるわけでございますが、既に、万一の場合に備えまして、厚生労働省の国立感染症研究所におきまして、四月にウイルス株を入手し、そして、それをもとにワクチン株の開発を、現在、万一の事態に備えて進めているところでございます。
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