内閣委員会農林水産委員会連合審査会

2015-12-03 衆議院 全161発言

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会議録情報#0
平成二十七年十二月三日(木曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
  内閣委員会
   委員長代理理事 田村 憲久君
   理事 秋元  司君 理事 亀岡 偉民君
   理事 谷川 弥一君 理事 中山 展宏君
   理事 泉  健太君 理事 高井 崇志君
   理事 高木美智代君
      青山 周平君    石崎  徹君
      岩田 和親君    小倉 將信君
      越智 隆雄君    大串 正樹君
      大隈 和英君    神谷  昇君
      木内  均君    北村 茂男君
      小泉進次郎君    白須賀貴樹君
      助田 重義君    高木 宏壽君
      武部  新君    谷川 とむ君
      長尾  敬君    ふくだ峰之君
      牧島かれん君    松本 洋平君
      宮崎 政久君    若狭  勝君
      緒方林太郎君    近藤 洋介君
      佐々木隆博君    津村 啓介君
      山尾志桜里君    小沢 鋭仁君
      河野 正美君    升田世喜男君
      輿水 恵一君    濱村  進君
      池内さおり君    塩川 鉄也君
  農林水産委員会
   委員長 江藤  拓君
   理事 あべ 俊子君 理事 小里 泰弘君
   理事 宮腰 光寛君 理事 吉川 貴盛君
   理事 渡辺 孝一君 理事 玉木雄一郎君
   理事 松木けんこう君 理事 石田 祝稔君
      井野 俊郎君    伊藤信太郎君
      池田 道孝君    今枝宗一郎君
      加藤 寛治君    勝沼 栄明君
      瀬戸 隆一君    武井 俊輔君
      武部  新君    谷  公一君
      中川 郁子君    中谷 真一君
      西川 公也君    橋本 英教君
      古川  康君    前川  恵君
      宮路 拓馬君    八木 哲也君
      簗  和生君    山本  拓君
      金子 恵美君    岸本 周平君
      小山 展弘君    佐々木隆博君
      福島 伸享君    井出 庸生君
      村岡 敏英君    稲津  久君
      佐藤 英道君    斉藤 和子君
      畠山 和也君    仲里 利信君
    …………………………………
   農林水産大臣       森山  裕君
   国務大臣         甘利  明君
   総務副大臣        松下 新平君
   文部科学副大臣      義家 弘介君
   厚生労働副大臣    とかしきなおみ君
   農林水産副大臣      伊東 良孝君
   農林水産副大臣      齋藤  健君
   内閣府大臣政務官     牧島かれん君
   内閣府大臣政務官     高木 宏壽君
   外務大臣政務官      山田 美樹君
   厚生労働大臣政務官    太田 房江君
   農林水産大臣政務官    加藤 寛治君
   農林水産大臣政務官    佐藤 英道君
   経済産業大臣政務官    星野 剛士君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  澁谷 和久君
   政府参考人
   (内閣府規制改革推進室次長)           刀禰 俊哉君
   政府参考人
   (文化庁長官官房審議官) 磯谷 桂介君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         佐藤 速水君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         大澤  誠君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房統計部長)          佐々木康雄君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  奥原 正明君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           竹内 芳明君
   政府参考人
   (経済産業省通商政策局通商機構部長)       渡辺 哲也君
   内閣委員会専門員     室井 純子君
   農林水産委員会専門員   奥井 啓史君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 内閣の重要政策に関する件(TPP等)
     ————◇—————
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田村憲久#1
○田村(憲)委員長代理 これより内閣委員会農林水産委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が委員長の職務を行います。
 内閣の重要政策に関する件、特にTPP等について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部新君。
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武部新#2
○武部委員 自由民主党の武部新でございます。
 本日は、内閣、農林の連合審査会、TPP等につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 十月五日に米国アトランタにおきまして、TPP閣僚会合で協定の大筋合意がなされました。世界の約四割を占める、かつてない規模の経済圏域におきまして経済連携がスタートするというわけでありますけれども、これによって、我が国の大企業のみならず、中堅・中小企業においても海外に展開して経済成長に資する、あるいは地方創生に連結していくということを我々はしっかりと後押ししなければなりません。
 一方で、関税が撤廃されたり、あるいは引き下げられたりした品目もございます。農林水産業の生産現場あるいは地方からも不安の声が聞かれております。特に、私の北海道は重要五品目等の主要産地でございまして、心配をする声も大変多くございます。
 政府におきましては、TPP総合対策本部が設置されました。我が党におきましても、TPP総合対策実行本部を設置いたしまして、TPPキャラバンを全国十五カ所で開催させていただいて地域の声を聞いてまいりました。また、各団体、特に若い生産者の皆様方の声も聞いてきて、その声を、国内対策の提言についてまとめさせていただいたところであります。
 そこで、十一月二十五日に政府におきまして、総合的なTPP関連政策大綱が決定されました。この概要について御説明をお願いしたいと思います。
    〔田村(憲)委員長代理退席、江藤委員長着席〕
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甘利明#3
○甘利国務大臣 御指摘のとおり、党内でも議論を重ねていただきまして、政府との連携もとりながら、TPPの関連政策大綱を決定したわけであります。
 具体的に言いますと三点構成になっておりまして、まず第一は、いわゆる新輸出大国を目指すということであります。
 これは、大企業はもちろんなんでありますけれども、中堅・中小企業にとってどういうメリットがあるんだという指摘があります。
 実は、TPPを契機に海外展開を行おうとする中堅・中小企業、これが一つのチャンスになるわけなんでありますけれども、これを支援していく。鉱工業製品のみならず、農産品、食品、さらにはサービスであるとか、それからインフラの輸出を促進して、冒頭掲げました輸出大国を実現するための施策を推進するということであります。
 ルールが統一化をされます。そうしますと、いわゆる商売をやっていく上での予見性が確保されます。
 現状、国によっては、パフォーマンス要求が後を絶たない。例えば、法人税を下げますからどうぞいらっしゃい、ウエルカムですと。投資をして、もう足が抜けなくなったときに、悪いけれども技術移転をしてくれと。当然ノーと言いますけれども、それでは優遇措置はやめさせてもらうとか、あるいはローカルコンテンツで、うちの部品を何割以上使ってくれと。いや、製品の精度の上からいうと日本から輸入したものを使わないとこの精度は確保できないと言うと、それなら優遇措置は悪いけれどもやめねとか、あるいはソフト会社にとって致命的なのはソースコードの開示要求です。これは設計図の開示ですから、致命傷になるわけですね。それをやらない場合には、では法人税の優遇はやめねみたいなことがかなり横行している。そういうのはTPPの域内では禁止行為であります。それを破ったら、企業が国を訴えられて、第三者機関で裁定がされるISDSという項目に持っていけるわけでありますから、いろいろな予見性ができる。
 中小企業にとって、例えばサービス展開をする際に、国によってはその自国内にサーバーを設置せよという相当な投資を要求される。それもしなくていいということになりますから、ネットを通じてEコマースが自由にできるとか、中小企業や小規模企業にとって有利な環境ができる。あるいは、コンソーシアムを組んで進出を応援するという体制もとる、各国が中小企業を支援する窓口をつくるとか、いろいろな方法がとられています。
 第二は、いわゆるグローバルハブにしていくということです。
 そこの国が拠点として魅力があるかというのは、そこの国から海外に展開していく際に、どれくらい大きな範囲で関税が低いとかないとか、ルールが統一されているかというのが魅力になるんですね。ある国から輸出する場合には輸出先が全部関税がある、日本から輸出されるものには輸出先の関税がない、そうすると日本は魅力的になります。あるいは、投資をする際に、研究開発拠点として魅力があるということは投資拠点になる。こっちからも行くし外からも入る、いわば拠点化するという魅力をつくろうということであります。
 それから、第三はやはり農業です。
 農政新時代というのは、これを機会に農業者も意識転換をしよう。それから、政治の側もそういう姿勢で臨もうと。
 農業というと、守る。もちろん、不安に寄り添うというのは大事なことですから、それをやります。それと同時に、ポテンシャルを引き出すということですね。不安に寄り添うだけでは、現状維持以下にどんどんなっていっちゃうわけです。
 日本の農産品というのは、海外の評価は非常に高いです。海外でも物すごくそれを痛感します。ただ、価格で勝てない。価格で勝てないのを、規模拡大だけして価格で勝てるようにしていくというんじゃなくて、違ったマーケットを狙うんですね。高品質で高味覚で高安全なものの消費層というのはありますから、そこにうまくつなげるというのがマーケティングです。そういう、不安に寄り添うというのとポテンシャルを引き出すという両方で農政の新時代というのを掲げていこうと。
 やはり農業後継者の人はそういう守る部分よりも攻める部分で農業の将来像、夢を感じるわけですから、そこをしっかり展開していくということが三つ目の視点であります。
 ほかに、食の安全ですとか知財ですとか、具体的な項目が幾つもあります。それらをしっかり見える形にして、支援それから後押しをしていく体制を組んでいきたいというふうに思っております。
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武部新#4
○武部委員 ありがとうございます。
 TPPを契機に、日本のポテンシャルをどんどん引き出していくということだというふうにお聞きしました。
 自民党のキャラバンをやりまして各地でいろいろな声を聞いてまいりましたが、その中で、TPP大筋合意の内容、中身と、我々、衆参で国会決議をいたしました、この決議の整合性について結構いろいろな御意見がございまして、そういった声もありました。しかし、大変厳しい交渉を甘利大臣にしていただきまして、この国会決議があったからこそ、ぎりぎりの交渉の中で国益を守ることをやっていただいたんだと私は認識しています。
 改めて、衆参における国会決議がTPPの交渉の中でどういう意義があったかということをお聞きしたいと思います。
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甘利明#5
○甘利国務大臣 よく、国会決議の縛りがあるからTPPで交渉がやりづらかったでしょうと言われる方がいます。実は、本音で言いますと、そうじゃなくて、後ろ盾になってもらいました。
 というのは、それだけ日本というのはほかの国に比べて農業のセンシティビティーが高い。その高いことを具体的に裏打ちしているのが衆参の国会決議で、衆議院でも参議院でも、そういう懸念をしっかりフォローしてくれという決議がなされた。
 私が交渉するときに、農産品でも完全自由化というのが目標なんですね、日本が入る前にホノルル合意というのがあって、関税はゼロにするということが、首脳間でゼロを目指すということが決められているんです。ゼロを目指すという中でゼロにしないと言うのはなかなか大変なんですけれども、その発言の後ろ盾として、国会決議でこれくらいの懸念が示されている。ということは、それを無視したものは国会に出しても通りませんよ、通らないものを交渉してもしようがないじゃないか、だから、我々が通せると思うぎりぎりのところは守らせてもらわないと交渉になりませんからということで、正直言いまして、各国とやり合った私としては、あの決議があったからここまでになったという気持ちはあります。
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武部新#6
○武部委員 ありがとうございます。
 最後の質問になりますけれども、農業分野につきまして、攻めるべきは攻めてまいりますけれども、しっかりと経営安定対策を充実させて、TPPの影響を抑制するということも大事だと思います。また、今、攻める分野で申し上げますと、やはり生産力強化、競争力強化について、総理の補正予算の指示もございましたけれども、やれることはできることからどんどんやっていくということが必要だと思います。
 その意味では、土地改良事業ですとかあるいは共同施設、強い農業づくりですね、北海道からも産地パワーアップ事業を新しくつくってほしいという声をいただいています。全国から前向きな声もしっかりと聞かされておりますので、この機会にしっかりと生産力を強くしていくことが大事だというふうに思います。
 農林水産分野のTPP対策につきましてどのように進めていかれるお考えか、森山大臣の意気込みをお聞きしたいと思います。
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森山裕#7
○森山国務大臣 武部委員にお答えをいたします。
 御承知のとおり、TPP交渉というのは保秘義務がかかっておりましたので、国民の皆さんへの情報提供がなかなか難しい課題がございました。大筋合意をいたしましたので、農林水産省でも地方説明会を四十六回開催させていただいて現場の声をしっかりと聞かせていただき、そのことが今回の関連政策大綱に生かされていると思っております。また、与党の方でも御努力をいただいたことには敬意を表したいと思います。
 その大綱の中で、攻めの農林水産業へどう転換をしていくかというところが一つあるだろうと思います。経営マインドを持った農林漁業者の経営発展に向けた投資意欲を後押しするいわゆる競争力の強化と体質強化対策を集中的に講ずるべきであろうということが一つの考え方であります。
 もう一つは、経営安定、安定供給のための備えとして、関税の削減等に対する農業者の皆さんの懸念と不安を払拭しなければなりませんし、TPP協定発効後の経営安定に万全を期するため、協定発効に合わせて経営安定対策の充実等の措置を講ずることとしておりますので、そのことをしっかりやらせていただきたいと思います。
 また、今、補正予算の編成に向けて具体的な作業を進めているところでありますが、スピード感を持ってしっかりした補正予算をつくらせていただきまして、今委員の御指摘のとおり、やるべきものはスピーディーにやるということが大事だろうと思います。
 また、我々としては、補正予算が決定をいたしましたら、農林水産省として、新農政キャラバンと銘打ちまして、全国にさらに御説明を申し上げ、また二十八年の秋までに検討を進めるということでございますので、新たな御意見等も伺ってまいる努力をさせていただきたいと考えております。
 以上でございます。
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武部新#8
○武部委員 森山大臣、ありがとうございます。
 我が党におきましても、小泉農林部会長を中心に「農政新時代」、将来に希望と意欲を持って取り組んでいただけるようにしようということで、新たなビジョンをつくって、そして着実に実行していくことをしっかりと政府と力を合わせてやってまいりたいと思いますので、ぜひとも御努力をいただきますようにお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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江藤拓#9
○江藤委員長 次に、稲津久君。
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稲津久#10
○稲津委員 おはようございます。公明党の稲津久でございます。
 通告に従いまして順次伺ってまいりますが、きょうは連合審査ということで、特に総合的なTPP関連政策大綱におけるいわゆる国内対策について具体的に伺っていきたいな、このように思っております。
 その前に、まず甘利大臣にお伺いしたいと思っております。
 今回、TPP大筋合意に至った経緯の中でさまざまな紆余曲折があったというふうには思いますけれども、その結果については、私は、大臣を初め関係者の方々の御努力は大変なものがあった、このように率直に評価をさせていただきたいというふうに思っております。
 一方で、一次産業の生産者初め関係団体の皆様からはさまざまな不安あるいは疑問の声もあって、いまだに、この先どうなるか、そうした声もあるのも事実でございます。そういう中で今般の政策大綱が出されたわけですが、私どもも、公明党として、全国各地、生産現場を歩きまして、懇談をさせていただいたり、現場の声を聞いてまいりました。きょうはその声を背景に伺っていきたいと思っております。
 まず初めに、TPPの再協議等について甘利大臣にお伺いしたいと思っております。
 TPP交渉について、アメリカ主導で協議が進められたという批判が一部ございます。いわゆる、日本をアメリカに売り渡すようなTPP交渉はノーだという意見だと思います。しかし、日本は、交渉の局面ではやはりその都度主導権を発揮してきた。交渉結果も、日本経済にメリットがある。もちろん、これは守るべきものは守るということが前提ですけれども。
 こうしたことについて、この認識に間違いはないのか、また、アメリカの方から再協議の声が出てまいりまして、それに対して国内的にも再協議を心配する声もありますけれども、どのように御認識されているのか、甘利大臣の見解をお伺いしたいと思います。
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甘利明#11
○甘利国務大臣 交渉の終盤でも、私に直接幾つかの国の大臣から、日本のおかげですということを、随分お礼を言われました。大筋合意が終わった後、また別の国の大臣から私宛てに礼状が来ました。日本が入ってくれたおかげでここまで持ってこられたという長い感謝状が書いてありました。
 日本が入る前までは、アメリカ対その他全部という関係だったんですね。日本が入ってきて、やはり経済規模の大きさというのは発言力の大きさにつながるということを痛感した交渉だったんです。
 そこで私が言ったのは、ホノルル合意ということをすぐ持ち出すわけですね。日本はこれを承知で入ったんでしょうと。日本が入る前にホノルルで首脳が合意しているのは、関税撤廃を目指す、ゼロにする、それを承知で入っておきながら関税を残せとは何事だという議論と戦った。入って最初の戦いはそれだったんですね。
 私が主張したのは、農産品では日本はセンシティビティーが多いです、しかし工業製品はどこよりもみんな開放しているじゃないか、即刻日本と同じことができますかと。あるいは、ルールについては日本は優等生だと思いますよ、WTOのルールを完全に履行していますよ、日本と同じことができますかと。アメリカに対しても、では地方政府は政府調達を日本と同じようにできますかと。できないんですから。地方は地方の意思があると。
 ですから、これは、農産品の関税がゼロになっていないのはけしからぬというのではなくて、農産品と工業製品とのバランスだってあるでしょう、あるいは物品の市場アクセスとルールのバランスもあるじゃないですか、全部を見てバランスのとれたということをいうんじゃないですかと。あるいは、途上国には先進国と同じようなペースでできないという事情だってあるでしょうと。途上国と先進国のバランスがある。だから、全体のバランスを見ながら、部分的にここだけがけしからぬという議論はおかしいということを言いましたら、甘利大臣の発言に賛成というのが四カ国だあっと続きました。そこから初めて、バランスのとれたという言葉がそこに入ったんです。最後まで入りました。
 でありますから、日本の果たした役割というのは非常に大きいと思いますし、アメリカに対して五分に物を言えるのは日本だということをほかの国は痛感してくれましたから、そのとおりやってきたというふうに思っております。
 再協議につきましては、日本もアメリカも再協議はしませんということを申し上げています。
 TPP交渉というのは、いろいろなバランスでできているんですね。二国間の物品とそれ以外とのバランスとか、二国間の協議がほかに与えるバランスとか、一個を引き出すとがらがらと崩れちゃうものですから、そういう仕組みでできていますから、どこか特定なものに関して再協議ということはできませんから、はっきり申し上げています。
 もちろん、でき上がった後、交渉が進んでいくに従って、この部分はもっと早くできるんじゃないのとか、この部分はこうできないかというのは、二国間で合意すればそれはやっていいことになっているわけでありますけれども、全体をこれでかちっと決めるというときに、この部分が気に入らないから再協議ということはあり得ないと思っています。
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稲津久#12
○稲津委員 ありがとうございました。
 それでは、これから先は、TPP関連政策大綱について森山農林水産大臣に、少し具体的な話になりますけれども、お伺いしたいと思っております。
 まず、牛肉、豚肉、乳製品の国内対策についてということで、三点ばかり伺いたいと思っています。
 一つは、牛・豚マルキンの法制化のことと、それから加工原料乳の生産者補給金の見直し、いわゆる液状乳製品を対象にするということ、生産者が安心してこれができるように、協定の発効に先立ってこれらを実施すべきというふうに思っておりますが、検討のスケジュールについてまずお伺いしたいと思います。
 それから、畜産クラスター、これは現場で非常にニーズがあって喜ばれているんですけれども、必要十分な予算額を確保するということが一つ大事なのと、私どもも、各現場を歩いておりますと、家族経営等、いわゆる小規模な事業者も利用できるように要件を見直していただきたいという声を背景にして、先般、十一月二十日に官邸に参りまして、公明党としての提言を取りまとめて出させていただきましたが、その中にも書き込みました。そういったことを今後ぜひ検討していただきたいということ。
 三つ目は、これは予算のことなんですけれども、結局、畜産関連の補助金というのは輸入関税を原資としているものが多い、したがって、関税率の引き下げを今後行う中でしっかりとした財源確保ができるのか、そういう心配材料もあります。
 以上三点、まずお伺いしたいと思います。
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森山裕#13
○森山国務大臣 私の方から二点お答えをさせていただきたいと思います。
 牛・豚マルキンの法制化につきましては、TPP協定の批准と関連法案の改正のスケジュールと歩調を合わせて行わせていただきたいというふうに考えております。そこを基本としながら、今後スケジュールを進めてまいりたいと考えております。
 あと、関税が削減をされますので、関税で入ってきた分の財源をどう求めていくかということでありますが、そこは懸念をしていたところでありますけれども、今回の関連政策大綱において「既存の農林水産予算に支障を来さないよう政府全体で責任を持って毎年の予算編成過程で確保する」ということになっておりますので、このことをしっかりと守っていくことが大事なことであろうというふうに考えております。
 以上でございます。
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齋藤健#14
○齋藤副大臣 委員から、加工原料乳生産者補給金の話がございました。
 今回のTPP対策におきましては、経営安定対策の充実の部分、ここにつきましては協定発効に合わせて措置をするのが基本だというふうに考えておりますが、一方で、相対的に高い乳価で販売でき、今後も需要の伸びが期待できる生クリーム等への生産転換を早期に促すことが望ましいと考えておりまして、この観点から、加工原料乳生産者補給金の充実につきましては、準備が整い次第、協定の発効に先立って実施をしたいと考えております。
 ただ、本対策の実施に向けましては、生クリーム等向け生乳の取引価格や数量等を新たに把握していくということが重要になってまいりまして、したがって、新しく調査、情報収集を実施して、適切な単価設定を行うということが必要になってまいります。この調査におおむね一年程度時間を要するということでありますので、二十八年度からの実施は困難かなと考えておりますが、できる限り準備を急いで、二十九年度からは実施できるようにしたいと考えております。
 また、畜産クラスターにつきまして御質問をいただきました。
 御案内のように、クラスター事業は、地域の関係者が連携をして、地域全体で収益性の向上を図るという観点から、地域において中心的役割を担う生産者等の取り組みを支援する事業であります。小規模な生産者や家族経営でありましても、モデル的な取り組みを率先して行い、その成果を地域に波及していくような場合や、市町村や生産者団体が行う生産性向上に向けた地域的な取り組みに積極的に貢献する場合など、これまでも事業の対象としているところであります。
 今後とも、地域で連携を図りながら収益性向上に向けた取り組みを行う生産者であれば、小規模な生産者や家族経営も含めて支援対象としていく考えでありまして、収益性向上の取り組みが的確に支援されるよう、必要な事業の見直しは検討してまいりたいと思っております。
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稲津久#15
○稲津委員 ぜひ、今御答弁いただいたことをしっかり具体化していただきたいなと思っています。
 けさの日本農業新聞にも、和牛の子牛の平均取引価格がついに七十万円台になったということで、現場はやはり相当大変な状況ですから、その払拭をぜひお願いしたいと思います。
 次に移ります。
 次は、合板、製材の国際競争力の強化ということで伺いたいと思います。
 今回の合意では関税撤廃の期間が十六年ということとセーフガードもつけたということで、一応の評価はできると思うんですけれども、しかし、やはり林業関係者の先行き不安の声というのはいまだに拭えないものがあります。
 私は、こういうことを踏まえた上で、やはり今回の政策大綱に書かれておりますいわゆる合板、製材の国際競争力の強化ということは非常に大事だと思っていまして、具体的には、例えば効率化、省力化を図るための工場整備ですとか、あるいは間伐材生産、路網整備を一体として取り組むことが必要だと思っていますが、この財源措置も踏まえてどのように検討されるか、大臣の所見を伺います。
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加藤寛治#16
○加藤大臣政務官 関税撤廃による合板、製材についての御質問についてお答えをいたしたいと思います。
 合板、製材等の林産物につきましては、現在の関税率が一〇%以下となっている中で、長期間の関税撤廃期間の設定やセーフガードを措置したところであります。
 したがって、TPP合意による影響は限定的と見込まれるわけでありますが、他方、長期的には国産材の価格の下落も懸念されるわけでありますので、このため、今般決定した総合的なTPP関連政策大綱においては、合板、製材の生産コスト低減等により国際競争力を強化していくこととされておるところでございます。
 具体的には、大規模、高効率の加工施設の整備、そしてまた原料供給のための間伐、路網整備など、川上から川下に至る対策に取り組んでまいる考えでございます。
 このため、必要な予算の確保についてもしっかりと取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
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稲津久#17
○稲津委員 時間が参りましたので、もう一問と思っておりましたが、意見だけ述べて終わらせていただきたいと思います。
 米のところは、国別枠の輸入量に相当する国産米を買い入れるということがありましたけれども、一方で、根源的な問題としては、やはり生産数量をどうするかという問題があって、ことしは、主食用米については、十六年の開始以来初めて過剰作付解消ということで、価格もちょっと上がって一安心なんですけれども、ここはやはりしっかりそれに取り組んでいくためにも、水田活用の直接支払交付金、それからそれぞれの県で独自に取り組んでいける産地交付金、ここの予算はしっかり確保して現場の不安を解消していただきたい、そのことを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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江藤拓#18
○江藤委員長 次に、緒方林太郎君。
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緒方林太郎#19
○緒方委員 民主党、緒方林太郎でございます。
 内閣委員会そして農林水産委員会の連合審査会ということで質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、質問に入ります前に一言、臨時国会が開かれていないことに対して強く抗議をいたしたいと思います。憲法五十三条に基づいて我々が要求しているにもかかわらず臨時国会が開かれないということは明確な憲法違反であるということを述べた上で、質問に移っていきたいというふうに思います。
 まず、通告をいたしておりませんが、森山大臣に一つ質問をさせていただきたいと思います。
 我々内閣委員会で、先般、北海道の帯広の方に視察に参りまして、その際、池田町というところで十勝ワインの現場も視察をさせていただきました。国産のワイン製造業者は本当に頑張っています。こういった国産のワインを、例えば内閣総理大臣官邸であるとか外務省の飯倉公館であるとかそういったところ、さらには在外公館であるとかいろいろな場所でもっともっと使って、そして国産ワインの振興に資していただきたいというふうに思うわけでありますが、森山大臣、一言お願いします。
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森山裕#20
○森山国務大臣 緒方議員にお答えをいたします。
 私は焼酎党でございますからワインのことはよくわかりませんが、ただ、ワイン通の方々の話を聞きますと、国産ワインは非常にレベルが高くなったという話はよく聞きます。いいブドウをつくっていただく努力というのが成果を生んでいるんだろうと思います。
 御提案のことについては、大変大事なことでございますので、農林水産省としても外務省等にもよくお願いを申し上げて、今、国産米をしっかり使っていただくようにお願いをしておりますが、ワインについてもしっかりした取り組みをさせていただきたいと思っております。
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緒方林太郎#21
○緒方委員 ありがとうございました。
 それでは、TPPに関して質問に入っていきたいと思います。
 まず、TPPについて、先ほど甘利大臣からは国会の決議に反していないという答弁がありましたが、我々としては、どう読んでもあの決議と今回の結果についてはそごがある、そのように思います。これは明確な国会決議違反であるということを前提に、質問していきたいと思います。
 まず、パネルの一つ目、資料の一枚目であります。
 TPPの結果、どういう影響が国内の農業に生じるかということにつきましては、最近も内閣官房そして農林水産省の方からさまざまな試算が出ておりますが、その前に、交渉に入るときに試算を出しています。今このパネルに掲げているものでありまして、たくさんございますが、この平成二十五年三月の影響評価というのは現在でも有効でしょうか、森山大臣。
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森山裕#22
○森山国務大臣 条件が、関税を全て撤廃するという前提で今委員のお示しの資料はつくられていると思いますので、大筋合意をしたこととは少し違っていると思います。
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緒方林太郎#23
○緒方委員 では、この資料については、政府として自信を持って出したものだというふうに思われますか、森山大臣。
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森山裕#24
○森山国務大臣 当時は関税を撤廃するという前提で資料を作成し、提出したものだと理解をしております。
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緒方林太郎#25
○緒方委員 関税を撤廃する、ここに並んでいるさまざまな品目について関税を全て撤廃すれば、米については三二%、一兆百億円の生産量減少が生じるとか、その他いろいろ、たくさん書いてございますが、生産額が四兆一千億、自給率は減少する、多面的機能についても三兆七千億の減少が出る、全体として七兆九千億の損害が出る、そういう試算でございました。
 もちろん交渉結果とはこれは違いますので、そこは今大臣の言われたとおりだと思いますが、しかしながら、この品目の中で、実際に関税を撤廃しているものがございます。例えば落花生、加工用のトマト、リンゴ、生果用のパイナップル、鶏肉、鶏卵、こういったものについては実際に関税を撤廃しております。それらの品目について限定するのであれば、この試算というのは正しいというふうにお考えになりますか、森山大臣。
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森山裕#26
○森山国務大臣 落花生等につきましては、輸入はほとんど関割りの範囲内のものでありますし、為替の問題もこれありですから、一概に言えないのではないかというふうに理解をしております。
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緒方林太郎#27
○緒方委員 しかし、この平成二十五年三月に出された試算では、例えば落花生のところは、殻つきは残り、むき身は全て置きかわるというふうに書いてあります。この認識は間違っていたということですか、大臣。
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森山裕#28
○森山国務大臣 落花生につきましては、国産と外国産との間に大きな品質格差があるということは御承知をいただいているとおりでありますが、国産と外国産を比べますと価格が四倍以上違いますので、現在は差別化されているのではないかというふうに思っております。
 今回の合意では、枠外の関税がキロ当たり六百十七円と決まっておりまして、それを段階的に八年で撤廃されることになっておりますけれども、現行の輸入量は、関割りが七・五万トンでございますけれども、平成二十六年度の輸入実績は二・八万トンでございまして、先ほども申し上げましたとおり半分にも満たっていないということでございますから、中国等のTPP参加国以外の国からの輸入がアメリカ等のTPP参加国からの輸入に切りかわるのみだというふうに考えておりまして、特段の影響は見込みがたいというふうに理解をしています。
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緒方林太郎#29
○緒方委員 そういうことを聞いているんじゃないんです。ここでの試算で、むき身については全て置きかわると政府が出した資料で言っているんです。それと今大臣の言っていることは全然違うじゃないですか。
 交渉に入るときの、平成二十五年三月の農林水産省が出した試算についてはそもそも間違っていたという認識でよろしいんですか、大臣。
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