我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会

2015-07-28 参議院 全375発言

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会議録情報#0
平成二十七年七月二十八日(火曜日)
   午前九時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月二十七日
    辞任         補欠選任
     広田  一君     藤本 祐司君
     福島みずほ君     吉田 忠智君
 七月二十八日
    辞任         補欠選任
     藤本 祐司君     足立 信也君
     和田 政宗君     浜田 和幸君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鴻池 祥肇君
    理 事
                石井 準一君
                佐藤 正久君
                塚田 一郎君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                北澤 俊美君
                福山 哲郎君
                荒木 清寛君
                小野 次郎君
    委 員
                愛知 治郎君
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                大沼みずほ君
                北村 経夫君
                上月 良祐君
                高橋 克法君
                豊田 俊郎君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                森 まさこ君
                山下 雄平君
                山本 一太君
                山本 順三君
                足立 信也君
                小川 勝也君
                小川 敏夫君
                大塚 耕平君
                大野 元裕君
                小西 洋之君
                那谷屋正義君
                白  眞勲君
                藤本 祐司君
                蓮   舫君
                谷合 正明君
                平木 大作君
                矢倉 克夫君
                片山虎之助君
                井上 哲士君
                仁比 聡平君
                山口 和之君
                浜田 和幸君
                和田 政宗君
                水野 賢一君
                吉田 忠智君
                山本 太郎君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       法務大臣     上川 陽子君
       外務大臣     岸田 文雄君
       国土交通大臣   太田 昭宏君
       防衛大臣
       国務大臣     中谷  元君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       議事部長     岡村 隆司君
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       前田  哲君
       内閣官房内閣審
       議官       山本 条太君
       内閣官房内閣審
       議官       土本 英樹君
       内閣官房内閣審
       議官       槌道 明宏君
       外務大臣官房審
       議官       鈴木  哲君
       外務省総合外交
       政策局長     平松 賢司君
       外務省領事局長  三好 真理君
       海上保安庁長官  佐藤 雄二君
       防衛大臣官房長  豊田  硬君
       防衛省防衛政策
       局長       黒江 哲郎君
       防衛省運用企画
       局長       深山 延暁君
       防衛省人事教育
       局長       真部  朗君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資
 するための自衛隊法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○国際平和共同対処事態に際して我が国が実施す
 る諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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鴻池祥肇#1
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十七日、広田一君及び福島みずほ君が委員を辞任され、その補欠として藤本祐司君及び吉田忠智君が選任されました。
    ─────────────
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鴻池祥肇#2
○委員長(鴻池祥肇君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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鴻池祥肇#3
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
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鴻池祥肇#4
○委員長(鴻池祥肇君) 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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佐藤正久#5
○佐藤正久君 おはようございます。自由民主党の佐藤正久です。
 いよいよ参議院のこの特別委員会におきまして平和安全法制の審議がスタートいたします。この委員会の質疑を通じまして、なぜこの法案が必要なのか、なぜ今成立させる必要があるのか、そして、この法案自体が戦争を抑止する法案であって、国民のリスクや自衛隊員のリスクを下げる法案であるかということを国民の皆様に理解していただけるような審議をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 今この瞬間も、自衛隊の方々は、陸に海に空に、そして国内、国外で、日本の平和あるいは世界の平和のために汗を流しておられます。私自身も、自衛隊の方で約二十五年間お世話になり、国会議員にならせていただいてもうすぐ八年が過ぎようとしております。今回の法案というものは非常に危機管理上大事な法案だというふうに思っておりますが、私自身、国会議員にならせていただいて、危機管理で本当に政治が命を救わないといけないと思った場面が、やはりあの東日本大震災でした。
 危機管理というのは、想定内、想定外とあれば、想定内をいかに広げて想定外を小さくしていくかということが基本でございますが、あの東日本大震災においては、安倍総理自ら、私のふるさとの福島の方、相馬の方にも足を運んでいただき、激励やあるいは視察等をしていただきました。あのときに私もいろいろ現場を見て、やっぱり多くの方々が反省したのは、備えあれば憂いなしが、憂いなければ備えなしだったと。あれほど地震が来る、津波が来ると言われていたにもかかわらず、備えが十分ではなかったという感じがいたしております。
 私自身も、三月に石巻の大川小学校のあの現場に立ったとき、涙が止まりませんでした。百八名の子供のうち、あの現場で、七十二名のまさに地域の宝、国の宝の子供が一瞬にして亡くなる、若い先生含めて十名の方々があの現場で亡くなる。行ったら、目の前に山があるんです。道もある。なぜこの山に登らなかったのか、わざわざ北上川の堤防沿いをなぜ逃げてしまったのか。聞いたら、その一年前にチリ沖地震があって津波の警報が出た、だけど津波が大したことなかった、それに基づいて避難計画を作ってしまった。大いなる反省を、あったというふうに聞いております。
 さらに、やはり自衛隊も、動こうと思ってもやっぱり緊急事態に対する法制が十分でなかったために現場でいろんな無理があったという話を聞きました。ただ、あのとき自衛隊がなぜ動けたか。やっぱり事前に備えというものをやっていた部分があったということも事実であります。
 まさに、この日本を取り巻く環境が厳しくなったという認識は多くの政党が共有しております。であれば、その厳しくなった環境からいかに日本国民のリスクを下げるために自衛隊には動いてもらうということが必要になります。であれば、そのための法律を整備する、これは政府だけの責任ではなく、国民の代表である我々国会議員にとっても、国民を守るための法整備、これは必要だと思います。
 我々は国会議員です。国民の代表として、まさに与野党関係なく、いかにして国民のリスク、これを下げるか、そのために自衛隊にいかに動いてもらうかという法案を出すべきだと思います。プラカードを掲げるのではなく、法案を掲げてしっかり議論すべきだと思いますが、総理のお考えを聞きたいと思います。
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安倍晋三#6
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国民の命、そして平和な暮らしを守り抜いていくことは、私たち政治家にとって最も大切な責務であります。これは政府に課せられた重要な責務であり、政治家に課せられた使命であります。本来、与党もない、野党もないんだろうと、こう思います。
 我が国を取り巻く安全保障環境はますます厳しさを増しているわけでありまして、情勢をしっかりと分析、評価し、国民の命と平和な暮らし、そして領土、領海、領空を守り抜いていくために、砂川判決の言う必要な自衛の措置とは何かをとことん考え抜いていく責任が私たちにはあるわけであります。
 衆議院においては、維新の党の皆様に法案を提出をしていただき、議論がかみ合ったところもあったと、このように思います。このように、野党においても対案や独自案を提出をしていただき、安全保障に関わる法律についてはできる限り一致点を見出す努力を重ねていくことが、国民の負託を受けた私たち政治家に課せられた、これ与野党を問わず責務であると、このように考えております。
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佐藤正久#7
○佐藤正久君 まさに、実は法律がなければ自衛隊って動けないんです。自衛隊は法律の中で動く、でなければ訓練もできないんです。法律ができたからといって、すぐ結果を出せるというわけではない。自衛隊はスーパーマンではありません。やはり、まさにこういう厳しい環境の中で国民の命を守るためには、しっかり法に基づいて自衛隊に動いてもらわないといけない場合があります。であれば、やはり我々は、そういう自衛隊の方々にしっかり結果を出してもらうためにも、しっかりリードタイムを取って法律を整備し、しっかり形を整えるということも大事な仕事だと思います。
 特に、今総理がおっしゃいましたように、環境が変わった、例えば北朝鮮の場合、日本を射程にミサイルを数百発保有している。それから、日本を守るためには、やっぱりどうしても法的な隙間があるのであれば、その隙間をしっかり埋めることによって国民のリスクを下げる、そういうことも大事だし、そのためにも、さらにそれを行うためにも自衛隊に訓練をしてもらう、場合によっては同盟国のアメリカと一緒になって訓練をしてもらう、そういうためにもこの法案というのは大事だと。
 だからこそ、危機管理上、備えあれば憂いなしの体制をつくる。憂いなければ備えなしではなくて、憂えても備えない、これでは駄目だと思います。よって、しっかり法律を作り、隊員の方々に訓練をしていただき、それによって隊員のリスクも下がるし、国民のリスクを下げる。そのためにも、まさに今この法律というのは早めに成立をさせる、これが大事だと思いますが、その隊員の訓練という観点から、この法案についての成立の必要性、総理から改めて御答弁を求めたいと思います。
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安倍晋三#8
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になったように、まさに自衛隊の活動においては、訓練も含めて、法的根拠をあらかじめ明確にしておくことが必要であります。法的根拠を明確にしていくことによって、平素より各国とも連携した訓練や演習等を可能とすることができ、これは極めて重要であります。つまり、法的根拠をしっかりと定めておくことが極めて重要だということであります。
 例えば、日本の近隣で武力攻撃が発生し、我が国に対する武力攻撃が発生したとは認定されないものの、公海上で米国の艦艇がミサイル攻撃を受けた場合に日本の艦船がその米国の艦船を守ることができるということになれば、日頃からそのような事態を想定してその状況に応じた訓練や運用上の協力をすることができるようになるわけであります。
 しかし、日米間といえども、新たな運用協力について現場での相互協力を深め、そのための訓練を重ね、十分な連携体制を取ることは一朝一夕にできることではありません。
 したがって、訓練を含めた対応体制を早急に整備し、あらゆる事態に対処するための十分な準備を行うためにも、一日も早い平和安全法制の整備が不可欠であり、そのことによって切れ目のない対応を可能としていくことができると、このように考えております。
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佐藤正久#9
○佐藤正久君 私自身も自衛官時代、日米共同訓練の担当の主務者、あるいは国内訓練の担当の訓練班長を経験をさせていただきました。やっぱり法律がなければ、日米で調整をしていても、できる訓練とできない訓練、これが明確に分かれます。それによって、まさに今回この法整備をすることによって、まさに国民のリスクを下げるために今までよりも活動できる範囲が広がる部分があります。それは、まさに日頃から、日本、アメリカあるいはオーストラリア等々と、まさに国際社会が連携してそういう脅威に立ち向かう、そのための訓練をさせる体制を整備する、これも政治の責任だと思います。
 私も国会議員で八年になりますけれども、思うことは、政治家にとって大事なことの一つは、自衛隊の方々が自衛のための戦争、これをしなくてもよい国際環境をつくるために徹底した平和外交を努力する、これが一番です。その一方で、やっぱりいざというときに備えて、抑止力、対処力の観点から、自衛隊の方々がしっかり動ける、そのための法的な基盤と人員、装備、予算、そういう体制を整備をする、これも政治の責任だと思います。厳しい環境に備えて、安倍政権になり三年続けて、実際の実員、予算も少しですが増えることが続いております。まさにいろんな面でいかにその体制整備をするか、これは政治の責任だと私も強く思います。
 じゃ、今言われたこの環境がどれだけ厳しくなったのか、これはやはりまだまだ国民の方々に、我々が持っているこの日本を取り巻く周辺安全環境の認識と国民の方々が抱いている認識、まだギャップがあるような感じを私自身は持っております。よって、どういうことが日本の周りあるいは世界で起きているかということについてこれから議論を進めていきたいと思います。
 まず、ロシアでありますが、昨年、ロシアはクリミア半島を併合いたしました。ある意味で、力による現状変更と言っても過言ではないかもしれませんが、今この現代社会においてクリミアを併合した、大きなインパクトがあったと思います。
 外務大臣にお伺いします。
 ウクライナはクリミアを当然施政下に置いておりました。それがロシアの方に編入される形になりました。ウクライナはNATOの一員でございますか。
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岸田文雄#10
○国務大臣(岸田文雄君) ウクライナはNATOには加盟しておりません。
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佐藤正久#11
○佐藤正久君 加盟していないということによって、現実問題としてアメリカやイギリス、フランスの集団的自衛権の対象ではない。じゃ、国連が動けるか。ロシアは常任理事国の一か国ですから、国連も実際に動くということはできなかった。要は、ウクライナは、国連からの支援も得られることなく、集団的自衛権の対象国もないということで、結果的にロシアにクリミア編入されてしまいました。
 やっぱりなかなか、総理がいつも言われるように、一か国だけでは自国の平和は守ることが難しいという環境にあろうかと思います。
 では、そういうまさにロシアがクリミア編入に動いているときに、中国何をやっていたか。まさにベトナムの沖で石油の探査をやっていました。その掘削機の周りに漁船とか巡視船等々、かなり警備をし、一部は軍艦も出たという報道もありましたが、ベトナムがこれを抗議をして突っかかっていってもはね返される、力が違う。
 ベトナムの場合、じゃ、国連が動けるか。相手が中国です。国連も動くことはできなかった。ベトナムが助けてほしいといっても、なかなか集団的自衛権の対象国がいない、こういう現実がありました。
 また、その中国、まさに中国というのはそういう形で、実はあのときの様子を見た結果として、今、南シナ海での岩礁の埋立ても、ベトナム沖での石油掘削のあの対応を見てから始まったという見方をする専門家もいます。
 その中国ですが、中国には一つの考え方として、戦略辺疆という考え方があります。国力に応じて国境は変わるものだと。まさに、第二次世界大戦が終わった後、中国は西の方に行き、チベット、ここに武力侵攻し、自治区にしました。西北に行き、ウイグル、これも自治区にしました。北に行き、内蒙古、これも自治区にしました。全部陸続きです。ところが、今度やっと海軍力が付いたということもあってか、今度は南と東、南シナ海、東シナ海の方にまた進出の今動きがございます。
 資料の第一、これを御覧ください。(資料提示)
 これは防衛省の資料ですが、中国の南シナ海における進出、一九五〇年代から逐次拡大をしている。まさに、当初フランス軍がベトナムにいました。ベトナムからフランスがいなくなったら、中国は、今度は西沙諸島の方に武力侵攻し、西沙諸島の半分を占領しました。次に、アメリカがベトナムから撤退をしたら、今度は残りの西沙諸島の半分に武力侵攻して、そこを押さえました。
 さらに、今度は、カムラン湾からソ連等がいなくなったら、今度はベトナムが領有していた南シナ海の六つの岩礁、これを占領し、さらに、フィリピンからアメリカがいなくなったら、南沙諸島のミスチーフを取ったと。まさに力の空白に応じてどんどん逐次侵攻していった。
 残念ながら、ベトナム、集団的自衛権の対象としてベトナムを守るという国はなかった。フィリピン、同じように、アメリカが撤退した後、二つの基地がなくなった後、フィリピンを集団的自衛権として、この進出を守るための対象国、これ、なかなか実質的に動ける国はなかった。なかなかアメリカの抑止も効かないということもあって、どんどんどんどん今、中国は南シナ海に力による現状変更を試みています。
 さらに、中国は、さきの防衛白書で方針転換を表明しています。陸軍偏重から海軍重視、海軍を近海から遠洋を含む複合型へ、空軍を領空防護型から攻撃兼ねて防御型へと方針転換をしております。
 防衛大臣、これらの中国の最近の動きを見て、御見解をお伺いしたいと思います。
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中谷元#12
○国務大臣(中谷元君) 佐藤委員は力の空白を背景にという言葉を使われましたけれども、まさに中国は、一九五〇年代から七〇年代にかけまして西沙諸島へ、また八〇年代以降は南沙諸島へ、力の空白をつく形で南シナ海全域に進出をしてきておりまして、特に近年では、南沙諸島における急速かつ大規模な埋立活動、これを強行するなど、海洋進出をより一層拡大、活発化をさせております。
 こうした動きに符合するように、本年五月に中国が発表した中国の軍事戦略によりますと、陸重視、海軽視の伝統的思想を突破をして近代的な海上軍事力体系を建設をするとした上で、海軍戦略を近海防御型から近海防御及び遠海護衛型へ、また空軍戦略を国土防空型から攻防兼備型へ、それぞれシフトをしているとしております。
 こうした中国の軍事的動向の背景には、自国の防衛のほか、自国の領有権主張の強化、海洋権益の獲得、海上輸送路の保護などの目標があると考えられまして、中国は、より遠方の海空域における作戦遂行能力の構築に努めつつ、今後とも海洋における活動のより一層の拡大、活発化、これを進めていくものと考えております。
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佐藤正久#13
○佐藤正久君 ありがとうございます。
 中国はまさに海洋進出、この動きを今後とも継続する可能性があるというふうに言われました。これはやっぱり人ごとじゃないんです。
 次に、資料二、これをお願いします。
 まさに今大臣が指摘されました南シナ海の今七つの岩礁、これを埋め立てております。そのファイアリークロス礁というものについては、ここにあるように、三千メーター級の滑走路、これが見て取れますように、もうほとんど滑走路あるいは誘導路についてはでき上がっております。また、建物がまだありませんが、十分、まさにこういう形で南シナ海の岩礁に三千メーター級の滑走路、これを中国が持つ。また、近くの別の岩礁もこれを埋立てをして、既にもう軍艦も寄港するという動きがございます。さらに、今までも、ここにもレーダー施設もある。今後、中国が前から標榜しておりました南シナ海に防空識別圏、こういうものも設定する可能性も否定できないという状況です。
 今後、更にこの南シナ海における中国の航空優勢あるいは海上優勢が、これが図られた場合、これは日本の安全保障にも大きな影響が及ぶと考えますが、どのような影響があるか、防衛大臣から御説明願います。
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中谷元#14
○国務大臣(中谷元君) 写真にございますように、中国は、現在埋立て中の地形について軍事利用を認めると公言をしておりまして、今後、港湾、滑走路、レーダー等の軍事施設を建設していく可能性があります。こうした軍事施設が建設をされた場合に、一般論として申し上げれば、海警のほか、海軍、空軍の南シナ海におけるプレゼンス、これを増大させる可能性があり、南シナ海の安定的利用に対するリスクが増大しかねないなど、我が国への安全保障の影響は否定できないと認識をいたしております。
 また、南シナ海全域における中国のA2ADと申し上げますが、これは接近拒否、接続拒否と言いますけれども、これはどういうことかというと、マラッカ海峡などのチョークポイントを経由した米軍等の南シナ海への接近を阻止をする効果、また、南シナ海における米軍等の行動の自由を制限をすることによって中国の海空軍による南シナ海から西太平洋への進出を容易にする効果、つまり接続拒否、こういったことが生ずる可能性があると考えております。
 防衛省といたしましては、この南シナ海の情勢が我が国の安全保障に与える影響を注視をしつつ、防衛省としていかなる対応を取っていくか、引き続き検討してまいりたいと考えております。
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佐藤正久#15
○佐藤正久君 ありがとうございました。
 今明確な御答弁はありませんでしたけれども、ここ南シナ海というのは、実は日本の大事なシーレーン、これは油もそうですけれども、それ以外の貨物も含めてここを通っています。これが潜水艦がばっこする海になってしまったら、我々のタンカーとかいろんな貨物船の航行というものに非常に影響が出る可能性は否定できないと。中国の潜水艦というのは物すごくやっぱり怖い存在ですから、そういうものについて、またしっかりと対応願いたいと思います。
 次に、南シナ海で起きたことは東シナ海でも起きないとは言えないと思います。資料三の方、お願いします。
 南シナ海ではいろんな活動が起きておりますが、実は東シナ海でもやはり起きないとは言えませんし、これ、近年いろんな動きがあります。尖閣には領海侵犯、あるいは尖閣諸島には領空侵犯、海上自衛隊の護衛艦へのレーダー照射、東シナ海の防空識別区の一方的な設定、あるいは、ここにありますような東シナ海におけるガス田も、この一年の間に倍増するというような、このような大きな海洋ステーションが、あるいは海洋基地のようなものが乱立をしている。これは日本の、本当に沖縄の目の前です。九州の目の前です。こういう動きがあります。
 防衛大臣、まさに東シナ海における中国のこれらの動き、これについての見解をお伺いします。
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中谷元#16
○国務大臣(中谷元君) 近年、中国は、透明性を欠く中で、軍事力、これを広範かつ急速に強化をしております。我が国を含めて海洋におけるこの周辺において、中国は活動の質、量共に急速に拡大をしておりまして、これらの活動は東シナ海における現状を一方的に変更し、そして事態をエスカレートさせ、不測の事態を招きかねない非常に危険なものも見られるわけでございます。
 具体的に申し上げますと、中国の公表している国防費、これ、一九八九年以降、ほぼ一貫して二桁の伸び率を記録して、何と二十七年間に四十一倍に拡大をいたしております。そして、二〇一二年以降、中国の公船による尖閣諸島周辺海域における領海侵入の動きは著しく活発化をしておりまして、既に百回以上の領海侵入、これがされております。そして、二〇一三年末、尖閣諸島をあたかも中国の領土であるかのような形で、独自の主張に基づく東シナ海防空識別区、これを設定をしております。
 また、近年、中国機に対する緊急発進、スクランブルの回数も急激に増加をいたしまして、五年前と比較して十倍以上の水準となっておりますし、二〇一三年には海上自衛隊護衛艦に対する火器管制レーダーの照射事案が、そして二〇一四年には海上自衛隊と航空自衛隊の航空機に対する異常接近、こういった事案が発生をしておりまして、こういった中国の海洋進出を含む軍事的動向等については、非常に不安、不透明性と相まって、我が国を含む地域、国際社会の安全保障上の懸念となっているものと認識をいたしております。
 我が国におきましても、こういった尖閣諸島を含めて、我が国の領土、領海、領空、これを確実に守り抜いていくためには、平素からの情報収集、そして、警戒監視を始め、グレーゾーン事態を含む様々な事態へのシームレスかつ機動的な対応を行うということを通じて、我が国の防衛警備体制に決して間隙を生じさせることがないように万全を期することが重要だと認識をいたしております。
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佐藤正久#17
○佐藤正久君 まさに、東シナ海でも南シナ海に匹敵するほどの、どんどんどんどんこの中国の不当な活動というのが広がっていると。
 次に、まさに今言われた中で、東シナ海のガス田の話。
 これ、この資料を見ていただきたいんですけれども、これが中国の防空識別区、これは赤線です。これは、中国は公海上に設定をしておりますが、これに、自分の、中国の防空識別区に入ってくるときは事前に通報しなさい、通報がなければ軍事的措置も辞さないと、あたかも領空のような主張もされている。ただし、今まで中国本土から遠いためになかなかレーダーが届かなかった。ところが、今回のガス田の、これは防空識別区のど真ん中に、まさに日中中間線をうまく逆利用するような形で西側の方に乱立しています。
 まさに、このことも含めまして、このガス田の海洋ステーション、軍事利用の可能性、これについて防衛大臣の見解をお伺いしたいと思います。
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中谷元#18
○国務大臣(中谷元君) 中国は、海洋権益、これの獲得等を目的といたしまして、東シナ海において海洋プラットホームの設置など石油や天然ガスの採掘に関する活動を継続しているものと認識をいたしております。
 その上で、御指摘のこの海洋プラットホームにつきましては、中国側がその軍事利用について表明をしているわけではありませんけれども、白紙的な可能性についてあくまでも一般論として申し上げれば、レーダー配備の可能性、またヘリパッドをヘリ等の展開のために利用する可能性が考えられるわけでございまして、いずれにしましても、政府といたしましては、東シナ海ガス田周辺を含む我が国周辺における警戒監視活動に万全を期するとともに、今後の情報収集等に支障を来さないような範囲で、公表できるものについては公表していく所存でございます。
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佐藤正久#19
○佐藤正久君 まさに、日本の目の前でこういう活動が行われていると。資源エネルギー庁の説明だと、この辺りにはそれほど多くの埋蔵量があるとは思えないという説明もあります。埋蔵量がそれほど多くないのに、これだけの海洋基地をこの数年で増やしている。これは非常に、我々としても軍事利用の可能性を含めてこれをしっかり注視をしていく。我々が見ているということがこの動きを止めるということにもつながります。しっかりと対応をしていただきたいと思います。
 この資料にあるように、実は尖閣に一番近いヘリポートはこのガス田なんです。三百キロしかない。嘉手納基地、那覇までも三百六十キロしかないんです。佐世保にも五百八十キロしかないと。非常に近いところにこういうステーションが、海洋基地がどんどんできていると。この現実は、我々は人ごとではなく自分のこととして考えないといけないというふうに思います。
 それでは、次の資料をお願いします。
 先ほど大臣からも、A2AD、接近拒否、領域拒否について話がありました。なぜ、中国がどんどん南西諸島、沖縄を含めてプレッシャーを掛けているか。この一例について説明をしたいと思います。
 これは大陸の方から見た地図です。見ると、やっぱり日本列島は非常に邪魔な存在に見えます。確かに、ロシアの太平洋艦隊、ウラジオストクの艦隊が太平洋に出るためには、宗谷、津軽、対馬、三つの海峡を抜けないと、日本列島が覆っているために行けない。さらに、中国の北海艦隊あるいは東海艦隊が青島とか寧波から太平洋に出るときには、やはり南西諸島が邪魔になってなかなかすぐ行けない。南西諸島を抜ける場合は、一番使っているのは沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡、ここを抜けてどんどん行っています。
 これはやはり中国のA2AD戦略、これに影響があると言われています。まさに、この南西諸島、台湾、フィリピン、これを第一列島線とよく言われます。伊豆諸島、小笠原、マリアナ、これを第二列島線と言った場合、第一列島線の内側、南シナ海、東シナ海にはアメリカの艦艇等を入れない、第一と第二列島線の間で迎え撃つという方針の下に接近を拒否するという下に、今どんどん南西諸島にプレッシャーを掛けながらも、沖縄を抜けて太平洋での訓練、これは年々増加しているという傾向がございます。
 特に一番怖いのが、やっぱり潜水艦でございます。今の潜水艦は、実際に船にぶち当てるのではなくて、船の下で魚雷を爆発させて広がった後船体がたわむ、その反動で、ひゅうっと空気が小さくなったときの反動で、これが逆に折れて船体を真っ二つにすると。今から五年前の韓国の哨戒艦、天安がまさに潜水艇の魚雷一発で真っ二つにされて四十六名が亡くなったと。
 非常に、そういう面で、潜水艦、水上艦艇あるいは航空機の進出が、南西諸島を抜けてあるいは台湾の南のバシー海峡を抜けてどんどん活動が活発化している。さらに、今、南シナ海、あの埋立てを含めてそこを聖域化として、潜水艦の聖域化として潜水艦からミサイルを発射する動きも出てきていると。まさにそういう動きがある中で、我々は南西諸島を含めた国民の命をこういう状況の中で守っていかないといけないという話があります。
 実際に、まさにこういう環境下に置かれている、一番その現場に近い石垣市、尖閣諸島をその行政区に持っている石垣市、石垣市の市議会がこの七月十四日に決議をしました。主要な部分だけ読み上げます。
 近年、アジア太平洋地域をめぐる諸情勢を始め、我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、私たちの住む石垣市の行政区域の尖閣諸島においても中国公船の領海侵犯が日常茶飯事の状態にあり、漁業者のみならず一般市民も大きな不安を感じている。こうした状況から、国民の生命と安全、平和な暮らしを守るのは、国、政府の最も重要な責務となっている。平時からあらゆる事態に対処できる切れ目のない法制を整備する必要がある。よって、国におかれては、我が国の安全と国民の生命、そして国際社会の安全を確保するための平和安全法制について徹底した議論を進め、平和安全法制の今国会での成立を図るように要望する。
 こういう決議がなされております。これがまさに、一番日本の最前線でこういう中国等の領海侵犯等を受けている石垣市の議会の意見です。今までの議論を通じまして、まさに沖縄のこの石垣市の方々の思いを含めまして、総理のこの決議、意見書に対する御所見をお伺いしたいと思います。
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安倍晋三#20
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま佐藤委員と中谷大臣とのやり取りにおいて、多くの国民の皆様も、我が国をめぐる海の状況が大きく変化をしているということは御理解をいただいたのではないかと思います。
 残念ながら、南シナ海において中国は大規模な埋立てを行っているわけでございます。また、東シナ海におけるガス田の問題につきましても、二〇〇八年の合意が守られていないという状況もあるわけであります。そして同時に、尖閣の領海に公船が侵入を何回も行っているという状況の中にあって、石垣市の皆さんは、まさに我が国の最も南西に位置している市でありますから、その地理的な性質上、市民の方々は、我が国の安全保障環境の変化を日々、言わば肌で感じておられるんだろうと思います。このような石垣市の御意見、我々、真摯に受け止める必要があるだろうと、言わばこの永田町では感じ得ないその肌感覚の危機感を彼らは持っているんだろうと思います。
 こうした安全保障環境の大きな変化の中で、同時に、日本も我が国のみで日本を守り切ることはできない。もちろん、我が国独自に守っていくという気持ちは必要でありますが、しかし、しっかりとした同盟関係を更により機能させることによって抑止力を強化し、事前に戦争を防いでいく。つまり、こうした力による現状変更は行うことはできないんだということを相手方に理解させつつ、平和的な発展をお互いにこれは進めていくことが重要ではないか、つまり、平和的な発展の道に方針を変更するよう促していくことも大切ではないかと、このように思います。
 そのためにも、しっかりと備えをしていく、切れ目のない平和安全法制を整備をしていく、そして、日米同盟が揺るぎないものであるということを内外に示していくことによって、この海域も含めて我が国の平和と安全を守り抜いていくことができると、このように確信をいたしております。
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佐藤正久#21
○佐藤正久君 非常に大事な御答弁、ありがとうございます。
 やはりこの海域を守り、まさに南西諸島にも我々と同じ日本人の方が住んでいます。その方々の安全と心の安らぎ、安心を担保するためにも、やはり自衛隊による、あるいは海上保安庁、警察、消防におけるこういう自助努力とともに、やっぱり同盟国のアメリカとうまく連携をしながら、この抑止力、対処力を図っていくということが大事だと思います。
 実際に、南西諸島というのは、鹿児島の薩南諸島、沖縄本島、先島を含めると、ちょうど本州がすっぽり入るぐらいの大きさです。南西諸島一つ言っても、沖縄本島から最西端の与那国島、これは六百五十キロあります。東京から姫路までの距離です。そこが一つの沖縄県です。
 ただ、陸上自衛隊一つ取っても、現時点としては沖縄本島にしかいません。六百五十キロの間にゼロです。航空自衛隊のレーダーサイト、これも一番西にあるのが宮古島、そこから更に与那国島、これは三百キロ以上離れており、尖閣諸島も二百二十キロ離れている。なかなか全部は目が届かない。よって、上空から監視するしかない。航空自衛隊のスクランブル発進、これは那覇ですから、そこから与那国島へ行くと六百五十キロ、どう考えても中国からの距離の方が圧倒的に近い。そういう中で、我々は国民の命を守らないといけない。さらに、海上自衛隊の一番護衛艦がいる基地は佐世保、尖閣から千二百キロ離れています。
 そういう中で、今こういういろんなプレッシャーから国民を守るためには、まさに平時からグレーゾーン、重要影響事態、有事まで、日米がお互い守り合う体制を、平時の共同訓練あるいは警戒監視、これを一緒にやる、あるいはいろんな形での計画検討、共同作業をする、そういう切れ目のない対応を日米お互いにずっとやる体制を取ることがまさに今回の法案の一番のポイントであり、別に集団的自衛権だけが今回の法案ではありません。平時あるいは重要影響事態、有事と、まさに切れ目なく、どういう形に日米が連携をして体制を取るか、これが抑止力だと思いますが、総理、もう一度、沖縄県民を守るという観点での今回の法整備に懸ける思い、これを述べていただければと思います。
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安倍晋三#22
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日米同盟は、我が国の安全保障の基軸であります。また、我が国に駐留する米軍のプレゼンスは、地域における不測の事態の発生に対する抑止力としても機能しています。他方、我が国を取り巻く安全保障環境につきましては、先ほどのやり取りで、一層厳しさを増しているということも御理解いただいたのではないかと思います。
 こうした中で、我が国の平和と安全を確保をしていくためには、平時からグレーゾーン、集団的自衛権に関するものも含めて、あらゆる事態に切れ目なく日米が一層協力して対応できるようにしておく必要があります。
 平和安全法制が整備されれば、例えば平素から米軍の艦艇等の防護を行うことが可能となり、自衛隊と米軍の連携した警戒態勢等の強化につながってまいります。また、重要影響事態においては、米軍に対してより充実した支援を行うことが可能となりまして、存立危機事態においては、自衛隊と米軍の一層緊密な協力が可能となります。さらに、これらの新たな活動を効果的に遂行するため、平素より幅広い種類の訓練や演習を実施できるようになります。
 こうしたことによって、これらにより様々な危機に対する日米の共同対処能力は飛躍的に向上し、もし日本が危険にさらされたときには、日米同盟は完全に機能するようになると言ってもいいと思います。また、そのことを世界に発信することによって、紛争を未然に防止をする力、すなわち抑止力は更に高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていく、こう考えるわけであります。
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佐藤正久#23
○佐藤正久君 ありがとうございます。
 まさに、平時から一緒に日米が連携をする、お互いに守り合うという体制をいかに取るか、まさに演習や警戒監視を今までできなかったことまでお互いにやり合うという体制が非常に大事だと私も思います。
 やはり、なぜこの法案が必要か。法案がなければ自衛隊も動けないんです。最初に言いました。まさに今までできなかった部分をできるようにする。今までもやっています。でも、それでもできない部分がある。環境が変わったのであれば、その環境に変わった分、その部分をしっかり自衛隊が動けるようにして沖縄含めた日本人の命を守る、これが我々に課せられた私は責務だと思います。
 もう一つ、次は、お隣の朝鮮半島、これもかなりこの数年で環境が変わったというふうに言われています。
 朝鮮戦争、これはまだ終わっていません。朝鮮戦争はまだ終わっていません。終戦ではなくて休戦です。今、休戦状態のまま、正規兵だけで北朝鮮が約百四十五万、韓国が約六十五万、これがにらみ合っている状態で、その間に朝鮮戦争の国連軍が割って入っているという状態であります。朝鮮戦争の国連軍の後方司令部は横田基地にあり、日本の七つの米軍基地に後方基地としての機能というものがあるために、国連旗が日本の国旗とアメリカの国旗とともに立っています。これが現実です。実際、日本政府の朝鮮戦争の国連軍との地位協定がございます。朝鮮国連軍が立ち上がった場合は、それに対して便宜を図る協定がございます。
 外務大臣、日本の地位協定上含めまして、現在、朝鮮戦争の国連軍は何か国でどのような国々か、御紹介願いたいと思います。
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岸田文雄#24
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のように、朝鮮国連軍ですが、一九五〇年に朝鮮戦争勃発時に創設され、一九五三年休戦協定発効後、各部隊は逐次撤退を行いましたが、現在でも朝鮮半島の平和と安全の保持のために韓国にその司令部等を、また我が国にその後方司令部を配置しております。
 そして、御質問のこの国連軍、地位協定の締約国ですが、現在十二か国あります。我が国のほか、米国、豪州、英国、カナダ、フランス、イタリア、トルコ、ニュージーランド、フィリピン、タイ及び南アフリカの以上十二か国でございます。
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佐藤正久#25
○佐藤正久君 今まさに、そういう朝鮮戦争の国連軍が存在しており、何か朝鮮国連軍がまた動くという場合には、地位協定に基づいて我が国政府もいろんな便宜を図らないといけませんし、当然、彼らも朝鮮半島に来るまた義務も責務もあるものと考えます。そういう状態を考えながらも今回の法整備をやらないといけない。
 まさに、今韓国には我々の同胞もかなり多くの方がいます。在留届出をされている方々、旅行者の方々、あるいはビジネスで行かれている方、いろんな方がおられると思います。外務大臣、ざくっとで結構ですけれども、今大体どのぐらいの邦人が韓国の方におられるのか、お聞かせください。
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岸田文雄#26
○国務大臣(岸田文雄君) まず、長期的に滞在している在留邦人の数ですが、約三万七千人であると承知をしています。また、旅行者や出張者等の短期渡航者数、これは時期によって変動はありますが、平均的に考えますと約一万九千人程度であると認識をしております。これら合計いたしますと、約五万六千人程度と見積もられると考えます。
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佐藤正久#27
○佐藤正久君 約五万六千人の邦人がおられると。
 実は、邦人以上にフィリピンの方やベトナムの方はもっといるんです。アメリカの方もいます。これは、何かあったときには民間人を含めた第三国の方々が避難をされる、これは私も演習に参加しておりましたが、ほとんどがやっぱり日本ですよ。数十万の方が日本の方に来られる。そういうことを前提に、我々はその中で邦人の安全を確保する、場合によっては国連軍の方々と連携してその危機に対応するということが求められるということをまず我々は理解しないといけないと思います。
 他方、北朝鮮の指導者、これはこれまでとはかなり違った方です。儒教社会において叔父さんを公開処刑するとか、それはあり得ませんし、また、日本を射程に入れる数百発の弾道ミサイル、ノドンミサイルあるいはムスダンと言われていますが、これは射程からいって、そのミサイルは千三百キロと考えると韓国用ではなく日本用という見方をする方もおられます。韓国用であればもっと射程の短いスカッドで十分だという話もあります。
 私も驚いたんですが、昨年の三月、北朝鮮は初めて日本を射程に入れるノドンミサイルを西海岸から東海岸方面に射撃をしました。今までは、自信がないのか、東海岸から日本海東か、西海岸から南の方に撃っていたやつを、今度は西から東、自分の頭の上を飛ばす、これは初めてです。それを二回、三月に行いました。間違いなく精度と自信が向上しています。そういうミサイルを北朝鮮が持っている、こういう事実があります。
 では、そのミサイルから日本人をいかに守るかということを考えた場合、一番そういう有事のときに望ましいのは、ミサイルが発射される前にそれをたたけばいいんです。でも、実際にテポドンのような発射台に乗っかっているようなミサイルであればそれは可能かもしれません。でも、日本を射程に入れる、このようなノドンミサイルは車載なんです。車が動いてミサイルを立てて撃ちますから、事前にこれをたたくことは、発射前にたたくことはかなり難しい。山岳地帯もあれば森林もあります。かなり難しい。であれば、日本国民を守るためには、撃たれてからそのミサイルをぱんぱんぱんとたたくしかない。そういう場合、一番有効なのがイージス艦と言われています。
 日本を全て守るためのイージス艦、迎撃用のやつは、現在、海上自衛隊は四隻しかありません。第七艦隊は五隻あります。でも、日本の四隻のうち大体一隻か二隻は整備に入っておりますから、三隻ないとカバーできないときは、やっぱり日米で連携していく、更にそれを二重三重の盾にするのが望ましいと、これは当然の話です。
 そういう中で、やはり日本は日本、アメリカはアメリカではなく、まさに日本とアメリカが連携した形で平時から、グレーゾーンも重要影響事態もまさに存立危機事態もお互いに、ミサイル含めてお互いに守り合うという体制を取ることがやっぱり抑止力につながるというふうに思います。
 ただし、日本にミサイルが着弾する前、日本国民の命を守るためには、国際法上、集団的自衛権と言わざるを得ない場合もある。その部分は、しっかり我々は、国際法にのっとって日本国民の命を守るために、ミサイル防衛一つ取っても、やっぱり今までの隙間を埋めて、しっかりそういう隙間を埋めるための法律を作り、日米が日頃からその隙間を埋めるための訓練をお互いにやる。平時から切れ目なくずっとお互いに連携することがこのミサイル防衛についても非常に大事で、そうできるようにしているのが今回の法制です。別に集団的自衛権だけではなくて、まさに平時からずっとグレーゾーン、これが今回のこのミサイル防衛でも大事なポイントだと思います。
 まさに国民の命を守るために今回切れ目ない法制を作った、これがポイントだと思いますが、改めて総理から、このミサイル防衛についての今回の法制、これに懸ける思い、これを述べていただきたいと思います。
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安倍晋三#28
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府がいわゆる四十七年の見解を出した、つまり、必要な自衛のための措置の中には集団的自衛権は含まれないという政府の考え方を示したあの時代には、まだ北朝鮮は弾道ミサイルを保持をしていない、そしてまた同時に、核開発も行っていなかったわけでございます。
 そして、その中で、今委員が例として挙げられたミサイル防衛であります。例えば北朝鮮がミサイルを発射して、それを海上あるいは陸上で落とす、海上においてはイージス艦からSM3というミサイルを発射して、かなりの上空でそれを撃ち落とすという仕組みになっております。
 これは、米国の衛星からの情報を基にイージス艦がデータリンクをしながら落としていく。その中で、今まで北朝鮮がテポドン等を発射したときもそうでございますが、日本のイージス艦も日本海そして太平洋側にも配備をされますが、当然、米側も情報収集等も含めて配備をしているわけでございまして、そして、米側と日本のイージス艦はデータリンクを行うことができ、そして共同で情報を収集、分析、軌道を計算しながら対処できるということになっているわけでございまして、その一角が崩される、それは例えばアメリカの艦が攻撃を受けることによって、日本はその防備、ミサイル防衛に対しての穴が空いていくということにもなっていくわけでございます。
 それはつまり、言わば我が国を守るためのこれは集団的自衛権、その船を守るということは、に当たるということでございまして、これはまさにかつての解釈を行った四十年前のときにはなかった状況が出現している、そしてその必要性にも我々は直面をしているということではないかと、このように思います。
 今回の平和安全法制は、他国の防衛を目的とする集団的自衛権の行使を認めるものではなくて、あくまでも、厳格な三要件によって我が国の存立を全うし、国民を守るため、すなわち我が国を防衛するためのやむを得ない必要最小限の自衛の措置として極めて限定的な集団的自衛権を行使していくということになるわけでございます。
 その中におきまして、まさに日本と米国がきっちりと連携をしながら、日米同盟が間違いなく機能を発揮をするということを示していくことによってそういう試みを事前に阻止をする、つまり紛争や戦争を事前に未然に防いでいく力、それこそ抑止力であろうと、このように思います。
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佐藤正久#29
○佐藤正久君 まさに今回の新たな存立危機事態というものも入れて、平時から全部切れ目なく有事までと。まさにこの存立危機事態というのに基づく集団的自衛権は、例えば自衛隊がアメリカまで行ってアメリカを守るための集団的自衛権ではなく、そのまま放置をしていたら日本国の国民の命が守れない、そういう場合に限っての集団的自衛権。まさに今総理が言われたように、やっぱりミサイルが落ちて日本人に被害が出るまで本当に何もしなくていいのかと。それは違うと思います。やっぱりそうであれば、その法的隙間を埋める、これが政治の責任だと私は思います。
 それでは、次のパネルをお願いします。
 今回の法案、これは私なりにざくっとまとめたものですけれども、今回の法案の目的は大きく二つあります。この上段部分の赤い部分、これは日本の平和と安全に関する部分、下の部分、これは国際社会の平和と安全に関する部分です。色が濃くなるに従って烈度が高くなる。まさに今回は、別に集団的自衛権だけではなくて、平時からグレーゾーン、重要影響事態、存立危機事態、武力攻撃事態と、まさに全般にわたるような形である。それは、危機管理というのはいきなりドンだけではなく、まさに抑止を、平時からどんどん抑えていく、エスカレーションを抑えていくということがポイントですから、そういう面で今回の法案というのはまさに切れ目なくそういう形で日本の安全の方もやっておりますし、国際社会の平和と安全についてもそれぞれの法案をやっている、そういう法案の作りにしております。
 これについてはまた機会を改めてこの一つ一つについてはやっていきたいと思いますが、その中で、特に今ありました日本を取り巻く環境が厳しくなった朝鮮半島の例を一例として我が国の平和と安全のことについて事例的に説明をし、あるいは議論をしていきたいと思います。
 じゃ、パネルをお願いします。
 まず、朝鮮半島の具体例で邦人輸送。
 邦人輸送を平素、重要影響事態、存立危機事態、こういう三つのパターンに分けまして、事態の進行ごとに、どういうふうなことができて今まで何ができなかったのか、今回の法案によって何ができるようになるのかということを議論をしていきたいと思います。
 先ほど言いましたように、日本人だけではなく数十万の民間人を日本の方に輸送するという場合もあります。これは、日本だけではなくいろんな国々が協力をしてやる、当然、民間の輸送力も使いますし、軍事的な手段も使う。数十万ですから、本当大変な輸送オペレーションになります。
 まず、邦人輸送、平時。
 まずは状況としまして、A国とB国の間で緊張がどんどん高まっていく、不明の爆弾テロがB国の方でどんどん起きる、相互の非難というものが起き、緊張がどんどん高まっていく。当然、邦人を含めた民間の方々がどんどん日本等に避難をされてきます。このときはやはりまだ民間の輸送力、これが主体だと思います。一部要請があれば自衛隊や米軍の輸送機や艦船も動きますが、ただ、最初は民間輸送力がほとんどだと思います。
 そういうときに、防衛大臣、今回の法律ができることによって、従来と違い何がよりやりやすくなるのか、これについて分かりやすく説明を願います。
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