科学技術・イノベーション推進特別委員会

2017-06-06 衆議院 全64発言

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会議録情報#0
平成二十九年六月六日(火曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 松野 頼久君
   理事 土屋 品子君 理事 松島みどり君
   理事 村井 英樹君 理事 簗  和生君
   理事 山本ともひろ君 理事 鈴木 義弘君
   理事 高井 崇志君 理事 伊佐 進一君
      青山 周平君    尾身 朝子君
      大岡 敏孝君    大隈 和英君
      神谷  昇君    神田 憲次君
      黄川田仁志君    小松  裕君
      古賀  篤君    佐々木 紀君
      田所 嘉徳君    田畑 裕明君
      豊田真由子君    中山 展宏君
      馳   浩君    福山  守君
      古田 圭一君    宮路 拓馬君
      八木 哲也君    北神 圭朗君
      坂本祐之輔君    篠原  豪君
      津村 啓介君    伊藤  渉君
      輿水 恵一君    島津 幸広君
      真島 省三君    伊東 信久君
    …………………………………
   参考人
   (国際核融合エネルギー研究開発機構(ITER)名誉機構長)
   (未来エネルギー研究協会会長)          本島  修君
   衆議院調査局科学技術・イノベーション推進特別調査室長           行平 克也君
    —————————————
委員の異動
六月六日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     佐々木 紀君
  小松  裕君     田畑 裕明君
  谷川 弥一君     宮路 拓馬君
同日
 辞任         補欠選任
  佐々木 紀君     青山 周平君
  田畑 裕明君     小松  裕君
  宮路 拓馬君     谷川 弥一君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件(我が国の科学技術、イノベーション推進の今後の在り方について)
     ————◇—————
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松野頼久#1
○松野委員長 これより会議を開きます。
 科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件、特に我が国の科学技術、イノベーション推進の今後の在り方について調査を進めます。
 本日は、本件調査のため、参考人として国際核融合エネルギー研究開発機構(ITER)名誉機構長・未来エネルギー研究協会会長本島修君に御出席をいただいております。
 この際、本島参考人に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ当委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、本島参考人から三十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に簡潔、端的にお答え願いたいと存じます。
 御発言の際は着席のままで結構でございます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、衆議院規則により、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、本島参考人にお願いいたします。
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本島修#2
○本島参考人 松野委員長、ありがとうございます。
 最初に、松野委員長及び委員の皆様方に、私を参考人として呼んでいただきましたことに感謝申し上げます。核融合エネルギーの実用化に向けての現状と今後について意見を述べさせていただく機会を得ましたことを大変感謝しております。
 松野委員長には、二〇一一年の秋に国会議員の先生方と一緒にITERまで来てくださいまして、大変勇気づけられました。そのことをきのうのことのように覚えております。おかげで大変元気が出た次第でございます。
 きょうは、お手元にございますこの二枚ずつの、全部で二十五ページになりますけれども、その資料に基づいて説明をさせていただきます。それからもう一部、「激動する世界に思う」という、ことしの二月号「電気評論」でございますが、これは参考資料としてお配りさせていただきます。
 では、二ページ目です。
 まず申し上げたいことですが、核融合エネルギーの開発を進めることは新たな時代のイノベーションを生み出します、このことを先生方にまず申し上げたいと思って参りました。
 我が国は、エネルギー資源に乏しく、破壊されつつある地球の環境を守りながら、エネルギー需要の増大にどう対応していくのか。地球の温度上昇を二度C以下に抑えるためのCOP21は二〇一六年十一月に発効いたしましたが、いまだに世界の足並みはそろっておりません。核融合エネルギーを我が国主導で早期に実現して大規模なエネルギー生産を開始することが、この問題の主要な解決策であると考えております。
 核融合エネルギーの実証を目指すITERでございますが、後ほど詳しく説明させていただきます。安全で持続可能な社会の実現に向けて、長期間使用可能な、これはもう十万年とか二十万年の規模で使用可能になります、エネルギーの実現に向けた人類の挑戦です。新たな時代へのステップになるわけです。
 我が国には、核融合科学研究所、岐阜県土岐市、自然科学研究機構に所属します。那珂核融合研究所及び六ケ所核融合研究所、茨城県の那珂市、それから、大学等に高度な研究基盤と優秀な人材を擁しております。これをぜひ活用いただきたいと思います。
 核融合エネルギーの開発、研究はプラズマ物理学を基本としておりまして、必要なキーテクノロジーというのは多岐にわたります。真空、ダイバータ、超電導、材料、溶接、電力、ブランケット、トリチウム制御、安全、組み立て、品質管理、プラズマ応用といったことでございます。産業応用の幅も広いと言えます。
 続きまして、先生方御承知のとおりではあると思いますが、三ページ目です。
 核融合研究の目的は、地上のミニ太陽を実現することであります。その目的を一言で言いますと、安全かつ恒久的な新しいエネルギー源の実現にあります。
 基幹エネルギー源としての核融合エネルギーはどういうものか、その属性というのはどういうものかと申しますと、燃料となる重水素が海の中に多量に含まれています。水の中に〇・〇三%ございます。皆様の体の中の水分にも同じ量が含まれているわけです。
 左上の図をごらんいただきますと、この重水素、それからもう一つの燃料である三重水素、これは人工的につくり出します、それを一億度に磁場の中で加熱しますと、核融合反応が持続的に起こります。一億度は磁場を使って十分に断熱されますので、それから、一億度というととんでもない高温ではありますが、圧力としては十気圧程度ですので、十分制御できるということが申し上げられます。
 反応を起こすと、ヘリウムが出るわけでして、それから中性子が出ます。中性子は安全に遮蔽する必要がありますが、その技術はもうできているわけでして、この中性子を外側に置きました同じく海から取り出しますリチウムに吸収させますとトリチウムが発生する、こういう燃料を増殖するサイクルがつくれるわけなんです。三十万年ぐらいは使えるであろう。排出ガスはヘリウムである。低コストの水素ガス生産も可能になります。水素エネルギーシステムの構築にも貢献いたします。
 左の真ん中の図ですが、核融合反応をエネルギー源として使って、そこから百万キロワットぐらいのエネルギーを取り出して、水蒸気をつくって、電気を発電する、こういう仕掛けでございます。
 我が国が引き続き世界をリードしていくための科学技術のイノベーションを生み出すことができます。そして、科学技術立国に必要な優秀な人材を育ててきましたし、育てることができます。
 ちなみに、ポリタンク一個の海水からは、一番左側の下の図にありますとおり、石油二百五十本分のエネルギーが取り出せます。これを使わない手はないのではないか、こういうふうに申し上げられます。
 成功の暁には、地球環境の保全と世界平和に貢献します。人類の高度文明を一万年の単位で続かせるためでございます。
 ここで、持続可能で発展する世界をつくるための条件について見ていただきたいと思います。ページ四です。右下の番号で申しております。
 炭酸ガスの排出を抑えること。地域的に偏らないエネルギー源を持つこと。材料等の資源が再生可能であること、これは、繰り返し繰り返し使う必要があるからです。コストがリーズナブルであること、当然、安くないと社会には受け入れてもらえません。社会的受容性を持つこと。安全でなければなりません。そして、ビジネスとして民間の積極的な参入が得られることも必要でございます。そのほか多数の条件が複雑に絡み合ってまいります。
 下の三枚を見ていただいて、どう思われるか。
 私も思うのですが、北極海の氷は解けております。毎年解けているのが今問題になっているわけです。日本の衛星「いぶき」が、平均の炭酸ガス濃度が四〇〇ppmを超えたということを一昨年の十二月に検出しております。東京は、この部屋の中も結構高くて、多分一〇〇〇ppmぐらいにはなっているんじゃないかと思います。ただ、我々は二〇〇〇ppmぐらいまでは呼吸ができるんです、生物というのは意外と厳しい環境で進化してきましたので。ですから、緊急の問題という認識になりにくいところがあるんですね。これが環境問題の大きなところではないでしょうか。
 そして、真ん中が原子力発電所です。これを見ると緊張感が走る場合が多いんじゃないか、特に一般の皆様は。右側が縄文、弥生時代の竪穴式住居で、これは見ると安心感を感じるのではないか。なぜかというと、我々は、進化をして、非常にすばらしい環境に生きているわけです。しかし、下手をすると、私たちの子孫が再びこのような家に住まないといけなくなるということもあり得るわけです。
 それから、日本海側の原子力発電所について申し上げますと、東南海地震が来たときに太平洋岸それから大阪湾岸の発電所が津波で大きなダメージを受ける可能性があるので、やはり震源から遠い日本海側に発電所を持っておくということは、そういう緊急事態には非常に重要なんじゃないか。これは申し上げるまでもないことではないかと思います。
 それで、五ページ目に移らせていただきます。
 では、核融合エネルギーの開発がなぜイノベーションを生み出すのか。
 これは、具体的な例は後ほど申し上げますが、核融合エネルギーが宇宙の本質にかかわっているからだ、こういうふうに私は考えております。核融合エネルギーは宇宙に普遍的に存在しています。なぜなら、恒星のエネルギー源は核融合反応です。太陽もそうです。宇宙の物質の九九%はプラズマなわけです。
 その下はもう閑話休題でございますが、私が思うには、今、宇宙空間に地球型の惑星を見つけ出すということが科学的にも天文学等で活発になっています。
 これには目的がありまして、宇宙空間で我々と同じような高度文明を見つけることができると、そこから電波なりが飛んでくるのに数万年かかるわけですね、それを検出するということは、確率論的にこの文明が数万年続いているんだということになるんです。これは、ドレイクの法則という法則があります。我々の人類も数万年続く可能性があるんだということを確率論的に証明できるわけなんですね。
 私が核融合研究者として申し上げたいのは、そこの百万キロワットの核融合発電所からは、一秒間に一兆の百億倍という大量のニュートリノ、これは梶田先生がノーベル賞をもらわれたニュートリノです、発生していますので、ニュートリノは何の障害もなく飛んできますので、物理天文学の総力を挙げてこのニュートリノの検出を試みると、宇宙文明がいるんだということの証明の近道になるんじゃないか、こういうふうに申しています。これは、少し道筋がずれましたけれども、私の夢としてです。
 その次のページ、六ページ目です。
 世界をリードする我が国の核融合研究ですが、トコマック、ヘリカル、レーザーという三方式、日本は基盤を持っております。
 トコマック型は、元原子力研究機構、現在の量子科学研究開発機構でしてきて、大変な実績を持っております。ヘリカル型は、トコマックとは違うんですが、ヘリカルコイルを使います。核融合科学研究所でしております。それから、レーザー方式というのがありまして、これはレーザーを使ってばしんと反応を起こそうという、大阪大学で基盤があります。
 この六ページで申し上げたいのは、この三つの方式が、日本で長い実績があり、基盤を持って、世界的にも評価されているということです。
 次のページですが、ここで世界の研究の最前線を説明いたしますと、多くの装置を擁して研究が進んでおるわけです。ITERについてのスケジュール、それからその後の段階、DEMO炉でございますが、示しております。協調と競合の世界でございます。日本も負けていられないということがございます。
 日本については、一番真ん中、上にありますように、LHD、核融合科学研究所です。それから、量子放射線機構、略して申し上げますが、トコマックの建設が現在進んでおります。それから、右下の方にありますのが、IFMIFという材料試験装置の試験が六ケ所村で進んでおります。こういった研究が進んでいます。
 そして、我が国の研究の着実な進展、核融合研究開発については八ページにまとめました。
 時間がかかっているということは事実でございますが、ゼロからの出発で、急速に進んできたということを示しております。加速器やスーパーコンピューターに比肩できる進展をしております。
 九ページでございますが、私の研究歴をごく簡単に自己紹介させていただくためのものでして、今までITERを含めて三段階のチャンスをいただいております。私のこの研究の発展の中で、いろいろなチャンスをいただきました。
 ITERですが、七カ国・地域から成る公的な国際プロジェクト、九ページの一番下のところです。フランスの原子炉法規で規制される核施設、ニュークリアファシリティーでありまして、出資者のみならず参入企業を含め多くの民間のステークホルダーを擁する大変チャレンジングなプロジェクトです。それだけ難しいということも言えます。
 そこで、次のページ、十ページに行っていただきますと、ITERの目的をまとめてあります。
 ITERですが、インターナショナル・サーモニュークリア・エクスペリメンタル・リアクターの略ではありますが、ラテン語で道という意味も持っております。
 ITERは、炭酸ガスフリーなエネルギー源となる商業用核融合炉に至るまでの道です。ITERは、国際協力でして、パワーの増幅器です。約十倍の増幅能力を持っております。後ほどまた説明いたします。それに対して商業炉は、私はマネーアンプリファイアーだと申しています。電力を出しますので、売れるわけです。したがって、ビジネスになるわけです。その前の段階がITERです。
 二つ目のポチは、核融合エネルギーの安全性の実証です。それから、科学的、技術的に利用可能であることを実証するための実験炉であります。
 ITERは、五万キロワットのエネルギーを入れて、五十万キロワットの出力を出します。ですから、十倍のエネルギーを出します。これで核融合ができるということを日本の皆様及び世界に示すことを目的としていまして、その次に進むかどうかは、このITERの参加国も独自に進めていく手はずになっております。
 日本は間違いなく行ってくれると思いますし、ヨーロッパ、アメリカも恐らく。ただ、アメリカは石炭をたくさん持っておりますので、少しおくれるかもしれません。中国は非常に強力に進めております。
 全ての知的財産、ノウハウですが、七つのメンバーが共有いたします。日本の出資は全体の九・一%ですが、結果は一〇〇%もらえる、こういう取り決めでございます。ヨーロッパは約四五%、やはりサイト国ですので。
 設計、組み立てはITERが行い、参加七極は製造して、それを物納、物で納めるという形です。約二万三千トンの重さを持ちまして、部品の数も二万点。それから、建物は全体で三十五万トンの重量になります。非常に大きなプロジェクトです。
 次のページですが、ITERの現状を申し上げたいと思います。
 私もITERを離れて二年ぐらいたっておりますので、その内情は一〇〇%理解していないところがございますが、まず、私のいるときから申し上げていたことは、ITER計画はターニングポイントを通過し、夢が現実の目標になっているんだ、これが重要なことです。頂上はまだ先だけれども見えているということが申し上げられます。したがって、各国の取り組み方は真剣度も増してきていると私は見ております。
 現在、やはり大きなプロジェクトであるがゆえの困難というのはありまして、正直に申し上げますが、数々の、種々の要素を加味して、コストと計画の改定が行われました。
 これは文部科学省からいただいた資料です。運転開始が、二〇二〇年の十二月が二五年、約五年のおくれ。核融合の運転開始、先ほどの五十万キロを目指しての燃焼実験、重水素、三重水素、これが二〇二七年から二〇三五年。終わりはなるべくおくらせないようにしようという計画ですし、そのめどもつきつつあります。
 やはり先生方にぜひお願いしたいのは、計画が延びるということによって、経常経費、インフレの影響、それから、新しい技術の開発の結果、新しいことを入れてくるといったことも発生いたしますので、どうしても現在の見積もりで五百七十億円ぐらいが必要になってくるということが現状でございます。しかし、投資効果は十分にあるはずだ、こういうふうに強く申し上げたいと思います。
 そして、我が国が準ホスト国としてのリーダーシップをさらに発揮していただきたい、こういうふうに思うわけです。
 その下の写真ですが、こういう一こまも五年間の私の在任中にありました。
 左側は、二〇一三年の大臣級会合でございます。EUのエネルギー担当コミッショナー、エッティンガーさん、それからフランスの科学技術大臣が、女性の方です、来ていただいています。それから、日本からは文部科学省の福井副大臣が来てくださいました。
 そして、その次の年には、当時のEUのバローゾ大統領が訪問してくださいました。この写真は、スタッフの前でスピーチをしていただいたときの写真です。
 その次のページを見ていただきたいんですが、建屋の建設が進んでおります。トコマックピットの大きさは、八十掛ける百十の、建物の高さは六十メーターです。左下のとおりです。四百九十三本の免震構造体が支えております。これは、フランスの原子力発電所は全てそういう構造になっていまして、免震構造体が下にあります。日本では、ないことですね。
 右側の図は、最もクリティカルなパスである建屋です。横軸がちょっと見にくいんですが、一番右が現在、それから右から三番目が二〇一五年で、私が離任したあたりですが、青い線が作業量、作業者の人工を示していまして、右肩上がりで作業量がふえている。これは、順調に進んでいるんだということを示すわけです。私も大変心強く思っております。
 それから、次のページへ移らせていただきますが、主要機器を示しております。超電導コイル、真空容器等で、旗がありますが、各国の分担でして、大事なことは、二万三千トンの機器のうち、我が国は主要な機器をとっているということでございます。これは、技術的なノウハウが十分たまる構造になっております。
 それを示したのが十四ページでして、いろいろな分担で、詳細は省かせていただきますが、超電導関係、材料関係、赤い字が日本のところです。計測装置等も日本はとっております。日本は、基本的にはおくれは発生しておりません。大変頑張ってくれております。
 次が、やはり安全性というのは非常に重要なので、二ページ使って、簡単ですが説明させていただきます。
 まず十五ページですが、福島やチェルノブイリのような事故は核融合プラントでは起こりません。その理由は、燃料のプラントの中の量が一グラムだからです。十六ページにもありますが、原子炉との比較をしています。
 核融合炉の場合は、炉心にある燃料が一グラムで、石油八トン分のエネルギーしかありません。ですから、万一何か起こっても、そのエネルギーの被害の範囲でおさまるわけです。これは大きい。
 ところが、原子力の場合は、これも非常に安全性に配慮はされているわけです。私は批判するつもりは全くありませんが、五百トンの燃料をあらかじめ炉心に入れて、少しずつ燃やしていくわけです。だから、制御ができなくなると福島のようなことになってしまう。この違いが大きいわけですね。
 核融合炉は、原子炉より技術的に高度であって、複雑でございます。したがって、つくることは難しいわけです。原子炉に比べると随分おくれて、まだ実現していないという事実がそれをあらわしております。しかし、安全性は高いということが言えます。これが大きな点です。ですから、十五ページの三つ目のポチに書きましたが、どのような異常が生じてもプラズマを停止できるんだと。
 それから、十五ページの上から三つ目のポチにありますように、私はニュークリアオペレーターを務めましたので、日本でいえば原子力規制委員会の対象になるわけでございます。その中で、安全に求められる要素というのは、放射性物質の閉じ込めと周辺への被曝、その二つだけでございます。
 では、ちょっと急がせていただきます。
 十七ページ、これは日本の今後を示しております。やはりITERを成功させて、今の日本の基盤を有効に使って次の段階に進もうという計画です。二〇五〇年を目途にしております。
 それから、十八ページ目ですが、世界も実用炉に向けてのロードマップがITERの進展とともに進んできています。
 特に中国について述べさせていただきます。習近平主席が二〇一一年に研究所を訪問している写真を見せておりますが、中国は本気でありまして、大学に核融合学部を新設して、人材の養成等も進めております。それから、ITERの装置もつくろうとしております。日本は絶対負けてはいられないと思います。
 それから、低放射化材料の開発が必要ですが、これは六ケ所村の研究所で進んでおります。
 それから、十九ページ、二十ページは、もう一つの方式でありまして、私が二〇〇九年まで所長をしておりました。こういうヘリカルなコイルを使います。絶対にできないだろうという装置を一九九八年に完成して世界をはっと言わせたんですが、これは、私はプロジェクトマネジャーをしましたが、期限内に予算内につくらせていただきました。そういうことも評価してITER機構長に推挙されたと思っております。
 最近、重水素の実験が地元の御了解も得て始まって、一億度の発生に成功しております。こういうアクティビティーがあります。
 それから、その次のページ、二十一ページを見ていただきたいと思いますが、民間活力の参入とその必要性です。
 世界的には数多くの企業が参入し出しております。左側のリスト、ちょっと見にくいと思います。アメリカ、カナダ、ヨーロッパ等ですが、日本も一社ございます。我が国にはまだその機運は醸成されていないというふうに思います、もう少し活発になってほしいと。
 民間の開発意欲は、ビジネスそのものですから、高い活力を持ち、リスク評価もきちっと厳格に行って、決断も早く、責任の所在も明確です。
 右の方に、ジェネラルフュージョンというカナダの企業がございますが、百億円を集めて、七十人の社員を雇って、ビジネスとしての研究をしております。私はその科学アドバイザーも務めております。
 イノベーションについてですが、二つ御説明したいんです。
 一つは、二十二ページ、地磁気が今消滅しようとしています。千年後にゼロになります。そうしますと、生命体の危機が訪れる可能性がありますので、核融合の技術を使って、十二本の鉢巻きを巻いて、今の約十分の一の地磁気を発生させると、飛行機にも乗れるし、地上の水とか空気が太陽風、太陽からの放射線ではじき飛ばされて火星とか月のようになることを防ぐことができるという構想です。火星と月は地磁気がないんですね。ですから、ああいう世界になっております。詳細は省かせていただきます。
 コストですが、私の見積もりでは一千兆円です。GDPと比べて、人類がもし滅亡するかもしれないというときにはこれぐらいの出資は得られるんじゃないかと。これは極端なイノベーションです。
 もう一つは、次のページ、二十三ページを見てください。これは、私が学事顧問をしております春日井にあります中部大学の超伝導センターでの結果を紹介しております。やはり超電導技術です。
 既に、一キロメーターの五万キロワットの送電線の開発に成功しておりまして、この応用例は、シベリアにある豊富な天然資源をシベリアまたはサハリンで発電して、ロスがほとんどない超電導線で持ってくると、海の中を通すわけですが、日本に大量のエネルギーを確保できる、そういうことに役立つはずだということで開発しております。現在、次の十キロのラインの建設を進めようとしております。これは比較的近未来のイノベーションです。
 そのほか、先ほど申しましたが、多くのイノベーションがありますし、例えば、超電導になりますが、NMR等の技術にも使われております。
 二十四ページ、二十五ページ目は私のまとめでございますが、読んでいただければと思います。
 機構長時代に、各極との契約行為、プロキュアメントアレンジメントを九〇%結んだということが非常に大きなことの一つと考えております。その結果、現在、物がサイトへ搬入され出している。
 二十五ページでございますが、七つの参加極とITERチームに対して、ITERの進展に対する大きな努力に心から敬意をこの場をおかりして表させていただきます。そして、感謝しております。
 設計段階から製作、インフラ建設に移行しており、物品も製作が開始され、ITERは、建設の進展により、既に折り返し地点を通過しております。
 ITERにかかわる我々の目的と責任というのは、ITER建設の進展を社会に開示して、その全容、コスト、スケジュールにかかわるリスクを関係者とステークホルダーが容認できる範囲に抑えることだと肝に銘じております。
 そして、我が国に強くお願いしたいことは、今後も準ホスト国として最大の努力を傾注して全ての課題に挑戦していただきたい。巨大かつ複雑な国家プロジェクトの性質、初期条件に由来する困難を乗り越え、ITERのプロジェクトを完成へと導くためでありますが、それが我が国が得られる利益の最大化につながると確信しております。
 我が国の強力なコミットメント参画によりまして、ITERプロジェクトを俯瞰するITER機構の組織、協力の文化そして仕事のプロセスに抜本的な変革が進むと期待できます。これを確信しております。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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松野頼久#3
○松野委員長 ありがとうございました。
 以上で本島参考人の意見の開陳は終わりました。
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松野頼久#4
○松野委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 参考人に対する質疑は、理事会の協議に基づき、まず、各会派を代表する委員が順次質疑を行い、その後、各委員が自由に質疑を行うことといたします。
 参考人及び質疑者におかれましては、御発言の際は自席から着席のままで結構でございます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中山展宏君。
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中山展宏#5
○中山(展)委員 おはようございます。自由民主党の中山展宏でございます。
 本島先生、大変貴重な御講話をありがとうございました。早速でありますけれども、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 六月の一日、今月の一日になりますけれども、トランプ大統領がパリ協定から離脱表明をいたしました。温室効果ガスを発生しない核融合エネルギーが実現すれば、人類にとっても地球にとっても未来に大きな利益につながると思いますが、このトランプ大統領のパリ協定からの離脱の表明、いかがお受けとめになられたか、御所感をお教えいただければと思います。
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本島修#6
○本島参考人 大変残念なことだと考えております。
 ただ、ニュースによりますと、二〇二〇年までは時間があるということですので、その間に考え方を変えてくれるのではないかと。
 それから、現在、ITERについてはいろいろなブリーフィングが行われている最中だと思いますので、特にリアクションが出ておりませんし、石炭を掘って燃やすためには、それにかわるクリーンな、炭酸ガスを出さないエネルギー源が必要になるはずですので、ブレーンが、特にエネルギー省の皆さんが、そういったことをいろいろ今後ブリーフィングされていかれるのではないか、こういうふうに期待しております。
 もうちょっとだけですが、これに、順問題を解く手法なんじゃないかということを失礼ながら書いておりますけれども、境界条件がはまってくると今度は逆問題を解くことになってきますので、いろいろなことが起こるのではないか、こういうふうに思っております。
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中山展宏#7
○中山(展)委員 ありがとうございます。
 私も非常に残念に思っておりますが、先生のお取り組みが、大統領のまた意向も変わってくるんだと思っておりますので、努めてまいりたいと思います。
 これからITER計画についてお伺いをしたいと思います。
 ITER計画は大変超長期な、しかも超大型国際プロジェクトであります。NASAが主導したような国際宇宙ステーションであったりとか、また、緒についたばかりのリニアコライダーといった国際プロジェクトもありますけれども、日本を初め七極が、ゼロから国際約束に基づいて計画を進めておられます。
 本島先生は機構長として本当に大変な御苦労をされたと思いますが、先般、きょう御説明をいただいたように、スケジュールやコストの見直し、特に予算での大幅な増額ということを伺いました。そういった状況を考慮に入れても、我が国がITER計画に参加している意義について改めてお教えいただきたいと思います。
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本島修#8
○本島参考人 ありがとうございます。
 やはり我が国は、準ホスト国、もうあと一歩で日本に誘致できるところまで行っていたわけですが、準ホスト国としての技術的基盤それから政治的なバックグラウンド、ポテンシャルを持っておるわけです。準ホスト国としてリーダーシップをこういう大きなプロジェクトの中で発揮し、リーダーシップをとり続けていくということが、結果として、見える場合と見えない場合があると思いますが、日本の国益になるはずだ、こういうふうに思います。そこが一番重要な点だと思います。
 ですから、粘り強く、しかも、向こうへ行って頑張っている人たち、私も向こうにいるときに日本からの応援が一番うれしかったですから、ぜひ応援を続けていただければ、彼らは二倍じゃなくて十倍ぐらい頑張ると思います。よろしくお願いしたいと思います。
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中山展宏#9
○中山(展)委員 ITER計画の中では、参加七極が費用分担の方法として、分担金のほか、先ほどおっしゃったように、機器を製作し、物納する方法を、仕組みをとられています。例えば、超伝導トロイダル磁場コイルですか、中核的な真ん中のコイル、三菱重工業さん、東芝さんが半分を担っておられますが、ほかの参加極も製造していると伺っています。
 各極がITER計画の中で機器製作ノウハウをしっかり蓄積していくことはそれぞれの国にとって有意義であると思いますが、かえって、一方で、技術水準を均質化していくことであったりとか、全体としての、機構長としてのマネジメントすることの難しさもおありになったと思います。それによってスケジュールのおくれが出ている側面も否めないと思いますが、ITER計画が物納という仕組みを採用した意義と、我が国がそれをどのように積極的に活用していくべきか、もう一度先生の方からお話をいただきたいと思います。
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本島修#10
○本島参考人 物納の方式は、やはりITER協定が二〇〇七年につくられたときの基本的なこととして各極が承認したことでありますが、その意義は、やはりそれぞれの国が物を、設計はITERでするという原則で、ビルド・ツー・プリント・デザインと申しますが、製作設計に非常に近いところまでして、それを、プロキュアメントアレンジメントと申しまして、いわゆる契約行為で各極と設計図を渡して、コストについては二〇〇七年に取り決めた表に基づいて各極がつくる、こういう仕組みで、非常に合理的な仕組みでございました。
 物納の大きなメリットは、日本の場合、特に大きな、重要なところをとっている限り、そのノウハウがたまる、企業にもたまるというところでございます。技術的なノウハウは一〇〇%共有だと申しましても、やはりつくったことがあるかないかで大分違うというのも現実だと思います。そういう点でございます。
 ITER機構にもう少しお金があるとITER機構もやりやすいことがふえるというのは事実でございます。私も最後の理事会のときに、次の機構長にはもっとお金を渡してほしいということをはっきり申しましたけれども、それは理事会の議長も、うん、そのとおりだと。皆さん、うんうんとおっしゃっておりました。そういう状況でございます。
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中山展宏#11
○中山(展)委員 ありがとうございます。
 済みません、駆け足で質問させていただいて恐縮です。
 結びになると思いますけれども、核融合反応は、先ほどおっしゃったように、燃料の供給や電源を停止することによって、制御がしやすい、暴走しないという大変なメリットがおありになると聞きました。
 核分裂よりも安全対策が容易である、ここの一点を捉えて、これは、原発事故の影響によって、核分裂から核融合へ、それから、研究開発者の皆さんの意識というものが変わっていっているものなのかどうか、また人材のシフトは実際にこれから考え得るのかどうか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
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本島修#12
○本島参考人 大変センシティブなところが我が国にはあると思います。
 世界的に申しますと、私がヨーロッパにいましたときに思いましたことは、ヨーロッパ等では、そういう動きが実際に始まっています。実際に、原子力発電所をシャットダウンするというふうな動きもドイツ等であるとおりです。
 我が国の場合は、そういった非常に悲劇的な事故の後、原子力と核融合の違いといった理解が深まってきているのではないか、そういうふうに思います。ただ、まだ核融合については夢の段階でしょうと思われている方がまだまだ多いので、我々の努力不足ということも否めません。
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中山展宏#13
○中山(展)委員 ありがとうございました。
 地球の太陽実現に向けて、これからも御尽力され、また開発の中心的な存在として引っ張っていただきますことを心からお願い申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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松野頼久#14
○松野委員長 次に、北神圭朗君。
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北神圭朗#15
○北神委員 民進党の北神圭朗でございます。
 本島先生、きょうは貴重なお話をありがとうございました。
 私も、大学の後輩なんですけれども、前にあがつく法学部でございますので、技術的なことは余りよくわからないんですが、資源の大変希少な我が国としては、この核融合というのはまことに理想的なエネルギーだというふうに思って、皆さんのこれまでの御努力に心から敬意を表したいというふうに思います。
 質問なんですが、このITERの事業自体は当然私も賛成でございますけれども、今まで大分おくれてきたというのも、これまた事実であります。それで、その大きな理由は、理論とかいわゆる技術の問題よりも、むしろ、組織のあり方の問題が大きかったというふうに聞いているんですけれども、そこは機構長として相当御奮闘されたというふうに思います。
 三、四年前に、第三者機関がITERの機構の分析をして、提言もされて、それに基づいて改革をされたというふうに伺っているんですが、簡単で結構なんですが、今までは何が問題で、改革をされてどう変わってきたのかということをお聞きしたいと思います。
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本島修#16
○本島参考人 今、第三者委員会、マネジメントアセスメントのことをおっしゃっていただいたと思います。
 私は、真摯にその内容を受けとめて、私の在任中も、マネジメントの強化、特にITER機構とそれから各極、七極の、ドメスティックエージェンシーと申しますが、担当の極がございます。それは大きな研究所に所属している場合が多いんですが、日本の場合は、現在の量子放射線機構の、略語で申しますが、那珂研にあります。そことの一体化を進めるということと、それから、先ほどの御質問にもあった、物納ですので、ITER機構が一旦図面を渡すと、なかなかその先の工程に介入できないという面がやはりありましたので、そういったことを、マネジメントを強化することによって強化していくという方策をとらせていただきました。
 その方法は、さらにビゴ現機構長になって強化されたと聞いております。その結果が加速につながってきているのではないか、こういうふうに思います。
 やはり、国際プロジェクトでほかにひな形が余りないという中での、手探りでマネジメントを進めていくというのはなかなか難しいものがございました。
 以上でございます。
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北神圭朗#17
○北神委員 ありがとうございます。
 七つの極があって、きれいに言えば分権的な体制でやってきたという話ですけれども、それぞれが計画を変更するときも必ず七極全部同意しないといけないとか、非常に速度がどうしても遅くなってきたという問題があったと思います。それをマネジメント強化されたという話なんですが。
 もう一点だけ。先ほどお話があった、お金がもっとITER機構自体にあったらもっと言うことを聞かせられるというような話がありましたけれども、こういうことはどうなんですかね。ITER機構自体に予算をもっとふやすということは、今後、見通しというものはございますでしょうか。
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本島修#18
○本島参考人 それは、少しずつITER理事会の方で勘案されているというふうに見ております。また聞いております。
 非常に重要なポイントは、私が在任中に進めようとしましたのは、今の問題を解決するために建設期を早く終わらせるということが重要です。建設期は、物納ですから、いわゆるキャッシュフローが余りないわけですね。ところが、運転期に入る、最初のプラズマを何とかつけて、装置はとにかく必要最小限で完成して、そういう戦略をとることを最優先課題の一つといたしました。
 何が違ってくるかというと、運転経費に変わっていくわけですね。これは、各極が条約で決められた年間の予算をITERに渡して、ITERでそれを差配して使っていくというやり方です。ですから、今の新しい検討中のスケジュールもそれが一部取り込まれているというふうに見ております。ステージドコンストラクションという呼び方をしております。
 やはり、できるだけ早くファーストプラズマ、最初のプラズマをつけてみせて、各国及びステークホルダーの理解を得て、そして運転段階に入る、こういうことが非常に重要なのではないか、こういうふうに思います。特効薬があるとしたら、それではないかと思います。
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北神圭朗#19
○北神委員 ありがとうございます。
 ぜひそういう方向でまた御指導していただければありがたいというふうに思います。
 米国のロッキード・マーチン社とか、民間企業もかなり進んできていて、二〇二〇年代前半ぐらいには運転開始ができるんじゃないかと聞いておりますけれども、ぜひ負けないように、あと、中国にも負けないように頑張っていただきたいというふうに思います。
 あともう一点。先ほど、ターニングポイント、つまり技術の大きな転換点が見えてきて、今まで、悪い冗談じゃないですけれども、核融合の技術というのは永久に二十年後に完成されるというふうにやゆされていた部分があって、常に二十年後には完成するという話がありましたけれども、必ず今度は、山頂はまだ先だけれどもはっきり見えてきているという、この技術的なところをぜひわかりやすく教えていただければと思います。
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本島修#20
○本島参考人 やはり、それを私どもが社会に発信しないといけないわけでございまして、この十二ページの写真、ここまで進んでくると、建設現場そのものですけれども、この写真の左側がITER本体が据わるコンクリートの、クラウンストラクチャーと申します、これがもう建ち上がってきているわけです。
 それから、その後ろにある、ITERの写真を張ってありますが、これは組み立て室なんですね。ここでトロイダルコイル等の部品の組み立てが行われます。こういったことが、部品が運び込まれれば対応できるような状態になっております。それから、その後ろにネズミっぽい建物、これは、インドがつくった建物なんですが、一番外側にくるクライオスタットは大き過ぎてインドから船で運んでこられませんので、ここで組み立てるためのものです。インドの場合は、建物の製作におくれは全く出ませんでした。非常に、ヨーロッパとは違って対照的なんですが。いずれにしても、こうやって目に見えるものができてきている。
 それから、各国、日本でいえば、三菱の工場にトロイダルコイルの中の巻き線部がもうできてきている、そういったことを新聞記者の皆さんなんかにもどんどん見てもらって、社会にどういうふうに使われて、どういう意味があるんだということをわかりやすく説明しながら示していくという意味で、先が十分見えているんだ、ITERの完成は間違いないんだということを示せるんじゃないか、こういうふうに思います。
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北神圭朗#21
○北神委員 ありがとうございます。
 最後の質問ですけれども、先ほどもトランプ大統領のお話がありましたが、先生は楽観的な見通しをされましたけれども、私が調べた感じでは、いわゆる米国国立科学基金、核融合の予算を預かっている所管の官庁ですが、これに対してトランプ大統領は二〇%の予算削減を提案しているという話を聞くんですが、彼のことですから、何をされるかは予測がつかないところがあると思いますけれども、仮に、米国が予算を減らしたり、あるいは脱退、今までも脱退したこともありますので、その場合はこの計画に狂いが生じるかどうかというのを最後の質問としてお聞きしたいと思います。
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本島修#22
○本島参考人 やはり、アメリカのこの計画の中における存在というのは、それは大変重要な位置を占めておりますので、何らかの形で残ってもらうような努力をする必要がある、こういうふうに思います。
 十五年ぐらい前、RアンドDの段階で撤退しましたのは、また今の状況とは違う理由で脱退していまして、アメリカの場合は核融合はサイエンスとして捉えている面が大きいんですね。ですから、その要求を満たすような形でITERに参画してもらえるような環境づくりが必要ではないかと。
 今の段階では、私の経験から申し上げましても、時期的に、六月ですと、予算は大体厳しい側に振れていたことが多いので、もう少し注意深く見ていきたいな、こういうふうに思います。
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北神圭朗#23
○北神委員 どうもありがとうございました。
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松野頼久#24
○松野委員長 次に、輿水恵一君。
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輿
輿水恵一#25
○輿水委員 おはようございます。公明党の輿水恵一でございます。
 本日は、質問の機会を与えていただきまして、心より感謝を申し上げます。
 先ほど、初めに、この核融合炉というのを、私も、一億、数億度に上げて、そして磁場をつくるということで、超電導ということで、マイナス二百七十度のそういった環境の中でということで、本当にできるのかな、そういった思いはしていたんですけれども、先ほどの見えてきたという本島先生のその一言、これはもういけるんじゃないかなということで確信をしたところでございます。
 私も、もともとは民間企業で技術開発の現場にいまして、もうできそうにないことに挑戦をするんですけれども、まずやっている人たちができる、やると決めていけば大体できるものでして、そういった形で、ああ、これはできるんだなということで、改めて感じさせてもらったところなんですけれども。
 一つ、まず初めに、先生がそもそも、この核融合の第一人者としてこうやって長年御活躍をされてきたんですけれども、この核融合は、人類を救うんだ、できるんだ、やれるんだ、こう思って、それに突入した、そのきっかけみたいなことをまず教えていただけますでしょうか。
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本島修#26
○本島参考人 私は、大学の入学が昭和四十二年でして、大学紛争等がその直後にあって勉強できない期間があった世代なんですが、大学の二年生のときに、私は物理でしたから、自分の進路を決める必要がありまして、私自身は、親の影響か、親は原子力研究所にいまして原子力をやっていましたので、やはり、全部そうなんですが、そのころの学生としては、社会の役に立つ、一番役に立つことでやりたいのは何だろうなと思っていたわけです。ちょうど、まだ一億度が必要なのに百万度ぐらいの温度しか出せない時代で、黎明期も黎明期で、いい時代だったんですが、核融合エネルギー、きょう御説明申し上げたようなことの基本的な部分はもう既にわかっていたわけで、原理的な面は。あっ、これだと思いました。
 それからもう一つは、まだ研究が十分進んでいないから自分にもチャンスがあるかもしれぬな、こういうふうに思ったわけです。それが一番大きな動機でした。
 あとは、先生方、皆さんの応援を得て、チャンスもいただいて、努力もしたつもりではいますが、ここまでいろいろなことができたというふうに思います。
 これはもう内々で申し上げたいんですが、息子が聞いたら怒りますので。実は、息子も今核融合の研究者になっていまして、息子は、これは聞いていられると困るんですが、核融合はどうも親の代では終わらぬと見たようですね。自分にもチャンスがあると。そのとおりで、二〇五〇年ぐらいに日本を引っ張っていっている人間の一人になってくれるんじゃないかと。
 いずれにしても、長期的にやっております。
 以上でございます。
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輿
輿水恵一#27
○輿水委員 ありがとうございます。
 まさに先ほどのドレイクの法則のところで、宇宙レベルで考えると核融合炉はもうできている可能性があるし、またそれをどう実現していくかという、そんな中での、壮大な中でも具体的に今進められているということで、先ほど、重水素実験によりもう既に一億度を超えるイオン温度も達成しているということで、確かに、ターニングポイントを超えて、いよいよ実用化に向けての着実な推進が必要なときになってきたな、そういったことを実感するわけでございます。
 しかし、核融合炉として実用化にはまだ時間がかかる中で、それに向けてさまざまな要素技術というものを今開発されているわけで、その要素技術というのは、我々の通常の、日常の今の課題にもさまざま対応できる、そういったものもあるのかなと思うわけでございますけれども、このITERの開発に当たっての要素技術、我々の今抱えている課題に対応できるようなものはどのようなものがあると考えられるのか、教えていただけますでしょうか。
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本島修#28
○本島参考人 やはり非常に重要なことでして、それが社会からよく見えるようになるといいんですが、例を申し上げたいと思うんですけれども、超電導技術は、中国の例で申しますと、西安で超電導線をつくって、全て合格したわけです。高い技術レベルを開発できたわけですが、ITERの発注が終わった後どうするかというのは、企業として死活問題になるわけです。
 どうしているかといいますと、今の波及効果をうまく応用いたしまして、その線材の技術をNMRに使っております。中国の場合、市場が非常に広いので、それで長期的にやっていける面があるわけですね。そういうふうに成功している例が既に出ております。
 あとは、マイクロ波は一億度に電子を加熱するために必要な装置ですけれども、マイクロ波を使って陶磁器を焼成する、焼く技術、これは二〇一〇年ぐらいにもう既に開発が終わって、岐阜県東濃地区でかなり普及しております。リニア窯等もできているんですね。
 それから、同じくマイクロ波を使いますと、アスベスト、今状況は大分よくなっているわけですが、アスベストを無害化する必要がありますので、マイクロ波を産廃に印加しますと、アスベストのとんがっている部分が丸くなって、万一肺に入っても発がん性物質等がなくなる、そういうふうな研究。
 それから、現在まだ完成していませんが、もちろん、原子力発電所から出る高レベルの放射性廃棄物を、核融合炉の中性子等を使うことによって寿命を短くするということ、これも将来のスピンオフの一つで期待できるんですが、そういったことにあります。
 それとあと、非常に漠とした言い方をさせていただきますと、一億度のプラズマまで扱う科学技術ができているわけですから、プラズマ応用を半導体産業、こういったところへは、核融合に携わったことのある研究者、または研究室を卒業した学生たちが採用されて、今の日本のITの最先端を支えるというふうな面で貢献しているということが言えると思います。
 やはり、我々は研究者ですから、なかなかビジネスが上手じゃなくて、これは使えますかというふうな言い方ですと限度があるんですね。ですから、先生、こういう問題があるけれどもどうかというふうなことで来ていただけると、いや、どうですかと引き出しをあけられたりするので大変進む、そういうふうに産学連携はしていかないといかぬのじゃないか、こういうふうに思っております。
 ありがとうございます。
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輿
輿水恵一#29
○輿水委員 どうもありがとうございます。
 まさに、非常に期待しているのは、ITERで、遠隔でちょっと放射化した炉の中を操作する、そういったことが、例えば福島の廃炉にも使える可能性もあるのではないか。また、先ほどの、磁場をコントロールするということで、高精度なMRIで人の、いろいろな医学の進歩にもつながるのではないか。
 そんなこともうまく組み合わせながら、この研究成果をうまく活用して、さらにこの核融合炉がしっかりと作動して人類の太陽となるようにまた応援をしていきたい、このように感じているわけでございます。
 ちょうど時間となってしまいまして、まだまだ聞きたいところがあるんですけれども、さらなる御活躍を御祈念、期待申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 大変にありがとうございました。
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