文部科学委員会

2017-04-21 衆議院 全121発言

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会議録情報#0
平成二十九年四月二十一日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 永岡 桂子君
   理事 上川 陽子君 理事 亀岡 偉民君
   理事 前田 一男君 理事 宮川 典子君
   理事 山本ともひろ君 理事 菊田真紀子君
   理事 坂本祐之輔君 理事 富田 茂之君
      あべ 俊子君    青山 周平君
      安藤  裕君    尾身 朝子君
      岡下 昌平君    門山 宏哲君
      神山 佐市君    工藤 彰三君
      小林 史明君    國場幸之助君
      櫻田 義孝君    下村 博文君
      田野瀬太道君    田畑 裕明君
      中山 展宏君    馳   浩君
      鳩山 二郎君    福井  照君
      福山  守君    船田  元君
      古田 圭一君    松本 剛明君
      太田 和美君    高木 義明君
      牧  義夫君    笠  浩史君
      樋口 尚也君    吉田 宣弘君
      大平 喜信君    畑野 君枝君
      伊東 信久君    吉川  元君
      長島 昭久君
    …………………………………
   文部科学大臣       松野 博一君
   文部科学副大臣      義家 弘介君
   文部科学大臣政務官    樋口 尚也君
   文部科学大臣政務官
   兼内閣府大臣政務官    田野瀬太道君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            常盤  豊君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局私学部長)         村田 善則君
   参考人
   (筑波大学長)      永田 恭介君
   参考人
   (日本私立大学団体連合会事務局長)        小出 秀文君
   参考人
   (東京大学大学院教育学研究科教授)        本田 由紀君
   文部科学委員会専門員   行平 克也君
    —————————————
委員の異動
四月二十一日
 辞任         補欠選任
  池田 佳隆君     中山 展宏君
  谷川 とむ君     岡下 昌平君
  古田 圭一君     福山  守君
同日
 辞任         補欠選任
  岡下 昌平君     谷川 とむ君
  中山 展宏君     鳩山 二郎君
  福山  守君     古田 圭一君
同日
 辞任         補欠選任
  鳩山 二郎君     國場幸之助君
同日
 辞任         補欠選任
  國場幸之助君     池田 佳隆君
    —————————————
四月二十一日
 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(堀内照文君紹介)(第七八一号)
 同(吉川元君紹介)(第八一一号)
 同(秋本真利君紹介)(第八二六号)
 同(中野洋昌君紹介)(第八二七号)
 同(北村誠吾君紹介)(第八四六号)
 同(今枝宗一郎君紹介)(第八八四号)
 同(高井崇志君紹介)(第八八五号)
 同(西村康稔君紹介)(第八八六号)
 同(郡和子君紹介)(第九〇〇号)
 同(河野正美君紹介)(第九〇五号)
 同(赤松広隆君紹介)(第九〇九号)
 同(伊藤渉君紹介)(第九一〇号)
 同(池田佳隆君紹介)(第九一一号)
 同(大見正君紹介)(第九一二号)
 同(重徳和彦君紹介)(第九一三号)
 同(大西健介君紹介)(第九一四号)
 同(近藤昭一君紹介)(第九一五号)
 同(左藤章君紹介)(第九一六号)
 同(島津幸広君紹介)(第九一七号)
 同(鈴木淳司君紹介)(第九一八号)
 同(八木哲也君紹介)(第九一九号)
 同(原田義昭君紹介)(第九三二号)
 同(大塚高司君紹介)(第九三七号)
 同(工藤彰三君紹介)(第九三八号)
 同(熊田裕通君紹介)(第九三九号)
 同(伴野豊君紹介)(第九四〇号)
 同(古川元久君紹介)(第九四一号)
 同(宮本徹君紹介)(第九五〇号)
 同(初鹿明博君紹介)(第九九三号)
 給付制奨学金の創設と学費負担軽減に関する請願(畑野君枝君紹介)(第八一〇号)
 専任・専門・正規の学校司書の配置に関する請願(小宮山泰子君紹介)(第八四五号)
 国の責任による三十五人以下学級の前進、教育の無償化、教育条件の改善に関する請願(阿部知子君紹介)(第八四七号)
 同(小宮山泰子君紹介)(第八四八号)
 同(河野正美君紹介)(第九〇六号)
 同(金子恵美君紹介)(第九二〇号)
 同(原田義昭君紹介)(第九二一号)
 私立幼稚園の充実と発展に関する請願(畑野君枝君紹介)(第九四九号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 学校教育法の一部を改正する法律案(内閣提出第五六号)
     ————◇—————
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永岡桂子#1
○永岡委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、学校教育法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、筑波大学長永田恭介君、日本私立大学団体連合会事務局長小出秀文君及び東京大学大学院教育学研究科教授本田由紀君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただきまして、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位から一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
 なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御了承ください。
 それでは、まず永田参考人にお願いいたします。
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永田恭介#2
○永田参考人 今御紹介いただきました筑波大学長の永田と申します。
 このような意見を述べさせていただく機会をいただきまして、大変感謝を申し上げております。
 私、筑波大学長でありますけれども、この案件に関しましては、中央教育審議会のこの案件の部会長及び大学分科会長を務めておりました。その関係で、本日、最初には、この案件の概要について述べさせていただこうと考えています。昨年三月に審議経過報告を出させていただき、昨年五月に答申の取りまとめに当たった際の部会長ということでございます。
 そもそも、この案件は、教育再生実行会議の第五次、第六次の提言を受けて、平成二十七年四月、当時の下村文部科学大臣から中教審に対して諮問がなされた内容のものであります。
 中教審では、特別部会を設置して、大学はもとより、短期大学、専門学校、産業界、高校関係者、そのほか有識者から幅広い意見をお聞きして審議を進めました。都合、一年にわたり、十七回の会議、それから十五団体からのヒアリングを含めた審議で内容を深めていったものであります。
 さて、この概要ですが、専門職大学の意義といった観点から、二、三述べさせていただきたいと思います。
 まず、現在の産業構造の変化、あるいはこれからの社会の産業構造の変化及び就業構造の変化という観点から、今一番何が求められる人材であるかという議論の中で、現在の大学が育てる人材は有為な人材として必要であるということはもちろんでありますけれども、加えて、新しいこうした変化に対応する人材を育てていくというのは極めて重要なことである。もう一度申し上げますが、産業構造や就業構造の変化というものに対応する人材を育てるということは非常に重要であろうということを考えていたわけであります。
 もちろん、一番の現場で手を動かす方もいらっしゃいますが、この専門職大学で考えているのは、現場レベルでの問題を解決する、あるいは新しい考え方や手法を取り込んで革新的にそういった問題を進めていく、そういうことを先導できる人材の育成というものが重要であるという認識を持っていたわけであります。
 そうした構造の中で、もう一つ大切な問題は、社会人の学び直しという観点であります。
 これは、ここにいらっしゃる方々もそうですが、多分ITのプログラミングができる方はそうはいらっしゃらないと思いますが、これからの社会は、人文・社会科学を習った者ですらそういったプログラミングの初歩等ができなければいけない、そういう時代に変わっていきます。そういう中で、社会人がそれぞれの仕事の中で、今のは例えですけれども、そうしたニーズに合わせた教育をもう一度受けたいといったものに対応できるような形も考えていかなければいけないだろうというふうに考えていました。
 それがありまして、実は議論の当初から、四年制ではあるけれども、前期と後期の課程に分けて考えていこう、前期に相当することを既に学んだ社会人に対しては、後期でより専門的なことを学んで、現場にスピード感を持って回帰するというようなことを考えていたわけであります。
 現在、御存じのとおり、我が国は、二十五歳以上の大学で学ぶ学生の数を考えたときに、OECDの平均一八%に比べて、十分の一とは言いませんが、二%という非常に少ない数であるということは、これからの産業構造、就業構造を考えたときに、極めて憂慮すべき問題の一つであるというふうに考えていたわけであります。
 第二点は、国際的な通用性を持った職業人あるいは技能を持った方というのを育成していく必要性であります。
 本邦は、さきの大戦の終わった後に一旦、単線化した形の高等教育が始まったわけでありますけれども、歴史的に見れば、明治の時代から非常に、いわゆる複線型というよりは分岐型、フォーク型と呼ばれている複線型の教育体制をとっていたわけであります。
 諸外国については、複線型、つまり教養やアカデミズムを目指すような高等教育機関と、それから技能や技術に集中するようなボケーショナルな高等教育機関、こういったものが並立をしていて、御存じのとおり、イギリスあるいはフランス、ドイツ、オーストラリア等々でこうした学びの複線化、複線化というのは時々誤解されますので、あえて正確に申し上げれば分岐型の、途中から選ぶことができる、そういう分岐型の教育のシステムが動いているわけであります。
 我が国も、当然ながら、四年制大学ができた後に短期大学や高専といったものが措置されて、こういったものに対応してきたわけでありますが、まだ、高等教育機関としてのこうしたボケーショナルなものを見詰めた制度というものがなかったという点があります。
 そうした中で、学んだ学生たちは世界に出ていくわけでありますが、その学びの内容が、世界に通用するようなものである、あるいは世界基準である、もう少し言えば、世界と互換的なそういう教育を受けていないということについては、その若者たちにとっては、今度の新しいシステムというのはかなり魅力のあるものであろうというふうに考えております。
 中教審ではいろいろな意見がございました。もちろん、各種の団体からは、産業構造にもっと密着した考え方を入れてくれ、それからいろいろな大学からは、独自性をしっかり出せるようなシステムにしてくれというような御意見もあり、我々の中で、先ほど申し上げました、一年にわたり十七回の議論の中でその意見を取り入れながら、現在の答申という形でまとめ、今、国会でこのように議論をいただいているというふうに考えております。
 ただ、今後大切な問題は、制度の運用という面に関しましては、まだその概要について今議論しているわけでありまして、制度設計の詳細については設置基準等で深く議論をさらに重ねて、我々が考えている学びの仕方が実現できる制度設計をつくっていかなければいけないだろうというふうに考えております。
 また、御質問をいただいたときにいろいろと回答させていただこうと思いますので、私の陳述はまずはここまでとさせていただきます。
 どうもありがとうございます。拍手
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永岡桂子#3
○永岡委員長 ありがとうございました。
 次に、小出参考人にお願いいたします。
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小出秀文#4
○小出参考人 日本私立大学団体連合会の事務局長を仰せつかっております小出でございます。
 本来なら、役員の先生方が参りまして、親しく先生方に御説明を申し上げ、お願いを申すべきところかと存じまするが、本日、所用のために参れませんので、私の方から、この問題に関する私学の現状につきましての御報告をさせていただきまして、御理解とさらなる御審議、御尽力を頂戴いたしたい、こう念願してございます。
 私はきょう、話すべきレジュメと、それから、いま一つ、先ごろこの団体連合会で取りまとめました、今、日本には六百からの私立大学がありますが、そのうちの百五十校ほどをノミネートいたしまして、それらがどのような大学教育の現状にあるか、取り組みをしておるかというものを冊子としてまとめました。実は、この取り組みの状況、事情というものが、きょうお話をさせていただくこの専門職大学と若干かぶるものでありますから、そのことの参考資料としてこの資料を持参させていただいてございます。
 さて、早速でございますので、レジュメに沿いながらお話をさせていただこうと存じます。
 この間、この専門職大学の問題に関しましては、四年制の私立大学、二年制の短期大学ともどもに、深い関心を持ちながら御議論等に参画をしてまいったところでございます。
 しかし、結論から申し上げて、ただいま、まだこの専門職大学の基本的な枠組みというべき設置基準が明確に定められていない、公表されてございません状況下にございますので、専門職大学の実態、実情に関しましてはいささか不透明なところ、曖昧なところがあるものでありますから、これに対して賛成であるとか反対であるとかというお話については控えさせていただこうと思っております。
 いずれにいたしましても、六百の四年制の大学の現状、現実を聞いてみますというと、高等教育機関への新しいアクセスについて、これが複数存在してくることは望ましいことではないかという、いわば制度創設に賛成とする御意見がある一方で、いま一つ、これは結構、半数以上のところから寄せられている御意見ではありますが、この専門職大学については、全体像はわからないけれども、果たして一体どのような教育内容を考えておるのか、カリキュラムになっておるのか、あるいはまさに基本的な枠組みをどのように設計しておられるのか、その辺が不透明である、したがって、すこぶる不安であると同時に、どのような対応、判断を考えていったらよろしいか、すこぶる懸念があるといったお声も結構強く寄せられておるところであります。
 いずれにいたしましても、状況を、今後の設置基準の枠組みをよろしく見た上で、またさまざまな御意見も申し上げたいと思うし、恐らく各私学は、その設置基準を拝見いたしながら、制度設計の様子を見ながら対応を決めていかれることになるのではないかと思います。まず、この点をお話しさせていただきます。
 具体的にお話を申し上げますが、専門職業人材が必要とされる分野は那辺にあるのか、あるいは養成すべき人材像というものについてどのようにお考えになっておられるか、育成すべきボリューム、人数をどの程度考えておられるのか、この新たな高等教育機関の設置の前提となるべきところをより明確にしていただきたいというお話が一点でございます。
 二つ目でありますが、ここ十数年来、大学の設置認可にかかわりましては、大半が看護系あるいは医療系、資格取得系の学部・学科になっておることは御承知のとおりでございまして、これとの絡みで、このほど創設されようとする専門職大学の違いが一体那辺にあるのか、どのような目標、目的になってくるのか、ここのところがどうも明確になっていない。したがって、私立大学、短期大学の現場では混乱が生じておるところがございます。
 この点は、やはり明確にしていただきたいものだ。国会の場における御審議において、この点を明確にしていただけるとありがたい。それは、大学が困るのみならず、そこに学ぶ若者、学生の混乱あるいはステークホルダーの混乱を回避するものであるというように考えてございます。
 三点目でありますが、新たな高等教育機関の制度設計と産学連携の問題であります。
 実務家の教員、研究能力をあわせ有する実務家教員の割合に関する基準、これを除きますれば、まだ全容がはっきりしてございません。これらに関しての特性をやはり明確にしていただきたいと念願をいたすものであります。諸外国の例を軽々に持ち出すつもりはありませんが、産学連携との絡みでは、このあたりのところが十分な制度設計が必要だと存じております。
 それから、続いて四点目でありますけれども、これは当初から私学団体がお願いをしておる話であります。新たな高等機関に対する財政措置の問題でございますが、国策として推進をいただかれる新たな新規の政策でございますから、これの創設にかかわっての国の支援、助成に関しましては、現行の私学助成とは別枠にて、ぜひとも御考慮をいただく上でお考えをいただきたい、こう思ってございます。
 それから、これはまとめのお話として申し上げたいところでありますが、大学の歴史、ボローニャに始まるところの一千年からの歴史、それから今日の我が国の大学の進学率が六〇%になんなんとする状況下の中で、改めてかような専門職業大学の制度を開設することになることについては、歴史の中にたえ得るような専門職業大学をつくっていただきたい。
 大学の類型の中でこれをつくるというお話になりますというと、学位が世界共通のものでなければならないわけであります。細部にわたるところの詰めの段階で、このあたりをしっかりとお願い申し上げたいものだと思っておるところであります。
 ちょうど時間でございますので、この辺で失礼をいたします。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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永岡桂子#5
○永岡委員長 ありがとうございました。
 次に、本田参考人にお願いいたします。
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本田由紀#6
○本田参考人 東京大学の本田由紀と申します。教育社会学を専門としております。
 きょうは、このような場で意見を表明する機会を与えてくださいまして、本当にありがとうございます。
 これから申し上げます私の意見は、お手元にあります配付資料にまとめてあります。特に冒頭には、囲みの中にその要点を箇条書きにしてあります。
 見ていただければおわかりのように、意見の内容は小出参考人の御意見と重複する点もありますけれども、私の言葉で以下御説明を差し上げたいと思います。
 まず第一点目ですけれども、今回の法改正の趣旨、背景についてです。
 日本では教育機関の職業スキルの形成ということが国際的に見ても非常に弱体であり、専門職業人材の育成を目的とした教育訓練機関が拡充されることそのものは非常に重要であると考えております。
 この職業スキル形成の弱体性については、これまで私は、さまざまな書籍であるとか論文であるとか、あるいは発言を行ってまいりました。その一部を、別紙一であるとか、あるいは、ほかの方々の分析も含めて、この配付資料の三から六ページの参考資料一、二に幾つかのデータをつけてあります。
 このような状態に鑑みますと、専門職大学、専門職短期大学の創設と学校教育法内への位置づけというのは評価できる面があると考えております。
 特に、私が従来から気にしておりましたのは、日本では、高等学校段階における専門教育、専門学科ですけれども、の規模が小さく、非常に社会的評価が不当に低いということが国際的に見ても大きな問題であると考えておりますけれども、その重要な原因は、専門学科からの大学進学の機会が制約されているということにあります。同じ高校卒であっても、専門学科は専門科目の比重が高いがゆえに、入試において非常に不利な立場に置かれており、AO入試や推薦入試を通じて辛うじて進学している、そういう状態にあります。
 このような状態の中で、専門職大学、専門職短期大学の創設により、高校専門学科からの進学機会がこれまでよりも拡大されるということには期待を持っております。
 ただしかし、これは、専門学科から進学先として専門職大学、専門職短期大学のみを想定するというわけではなく、一般の大学への進学機会の確保ということは引き続き取り組みが必要だと考えております。これが第一点目です。
 第二点目ですけれども、この改正法案に対する危惧と言えるものですけれども、今回の法案においては、大学での修業年限が六年とされている医学、歯学、薬学の三分野のみが専門職大学に課程を置くことができないというふうに明記されております。これは、この三分野以外の分野に関しては、既存の大学における専門職養成と新しい専門職大学との関係が極めて不分明な状態のままであるということです。
 大学には、教員免許を初め、多数の専門職業資格を取得できる課程が存在します。このような従来の大学における専門職養成と新たな専門職大学との関係をどのようにお考えになっていらっしゃるのか、整理していらっしゃるのかということが、少なくとも、本法案あるいはこれまでの中教審などにおける議論からは、十分に読み取ることができないというふうに考えております。
 むしろ、上記三分野のみが明記されていることにより、従来の大学におけるさまざまな専門職養成が今後専門職大学へと、時には強引な形で転換を迫られるのではないかという印象を一般社会あるいは一般の大学の教職員及び学生は抱くおそれがあります。そのような印象は、国公立であれ私学であれ、従来の大学の運営にとって多大な混乱を招くおそれがあると考えています。
 既存の大学における専門職養成は、教育課程全体の中に深く埋め込まれた形で実施されておりますので、それを無理やりに切り出すような改革が仮に行われたりすれば、これは従来の大学全体に対して大きなダメージを波及させる、そういうおそれがあります。それゆえ、本法案がそうしたことを意図しているのではないということが何らかの形で明示されることが望ましいと考えます。
 同様の危惧は、昨年十一月に開催された全国知事会議における一つの資料においても表明されています。これは、本資料の六ページの参考資料三につけてあります。
 近年、特に地方国立大学において予算の削減が著しく、非常に苦しい中で地方国立大学は運営されておりますけれども、一方で、地方国立大学はこれまで長きにわたり地域社会において非常に重要な役割を果たし、今回の全国知事会議の発言からもわかるように、高い評価も得ております。そうであるからには、専門職大学への急激な転換の要請などは行われるべきではないと考えております。
 なお、付言すれば、一般の大学や短期大学における学問分野の職業的意義を高める努力については、私は、引き続き必要であり、今回の専門職大学、専門職短期大学の創設をもって一般の大学がそうした取り組みから免責されるということも、他方でこれは問題があるというふうに考えております。
 第三に、法改正に伴って、設置基準などにおいて盛り込まれるような形で整備されるべき不可欠の条件について、二点申し上げます。
 まず第一に、専門職大学、専門職短期大学の教育課程についてですけれども、これまでの資料で見る限り、これらの大学、短期大学においては、実習の強化や実務家教員の積極的任用ということが非常に強調されております。
 しかし、変化の激しい職業世界の中で、真に実践力を発揮し得る職業人を育成するためには、目の前の実践的なスキルの養成にとどまらず、それぞれの分野及び関連する隣接諸分野の歴史や現状あるいは将来について俯瞰的、大局的な認識、理解を得ることができるような、そういう教育課程を整備し、非常に柔軟に、状況が変わっても対処し、その分野そのものの問題点を変革していくことができるような職業人の養成ということが必要であると考えております。
 こうしたことが保証されない限り、今回の新しい教育機関の意義というのは非常に疑わしい面を持つのではないかというふうに考えております。
 第二点が、専門職大学、専門職短期大学の修了者の労働市場での処遇についてです。
 今回の法改正によって専門職大学、専門職短期大学が開設され、非常に充実した教育が仮に行われたとしても、そこで習得した専門性が発揮できるような労働市場と適正な労働条件の確保がなされない限り、その有効性は何ら発揮されません。
 御存じのとおり、既に、日本の労働市場におきましては、専門的な訓練を受けたとしても、それがまるでなかったことかのように扱われ、あるいは非常に低く不安定な処遇でもって扱われるということが多々発生しております。学芸員など必要ないといったような発言まで起きるほど、日本では専門的な職業に対して大変低い見方がなされております、あるいは労働市場での処遇がなされております。
 ここを改善しない限り、幾ら教育機関の方を拡充させたとしても、その社会的な意義というのは何ら確保されないと思っております。
 既に有識者会議における審議のまとめにも記されてはおりますけれども、今後設置される専門職大学、専門職短期大学の各分野と密接に関連するような業界団体や労働組合、あるいは学協会及び省庁は、卒業生の採用や採用された後の処遇のあり方について指針や例えば職種別の最低賃金などを定めることにより、また企業を超えた労働移動を促進するようなサービスを充実させることにより、ここで形成された専門的スキルが十全に発揮されるような労働市場環境を整える責任と義務を担っている。
 創設したからには、そのような環境を整備しない限り、いわば詐欺のような形になってしまうというふうに考えておりますので、このような方向での整備が別途、何らかの法制化の方向性も含めて、設置基準はもとよりですけれども、明確に規定される必要があるというふうに考えております。
 以上です。拍手
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永岡桂子#7
○永岡委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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永岡桂子#8
○永岡委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。神山佐市君。
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神山佐市#9
○神山(佐)委員 おはようございます。
 参考人の皆さんにおかれましては、大変貴重な陳述をいただきましたことに心より感謝申し上げる次第であります。
 新しい専門職大学及び専門職短期大学につきましては、大学の新しい類型については、一九六四年の短期大学の創設以来、五十五年になるということのようであります。
 まず、永田参考人にお伺いするわけでありますけれども、今回の部分については、社会人の学び直し、そして、観光分野、農業分野、情報分野等々について実行力があり、即戦力になるというふうなことが大きく求められているんだというふうに考えているわけであります。
 今、日本の人口が減少してきている、少子高齢化社会を迎えてきているわけでありますけれども、その中で、外国人の観光客をふやすインバウンド、そして、これからの輸出をふやしていく、また、農業の取り組みをしっかりしていかなきゃいけないということでもあるわけであります。
 日本の経済を成長させるために、これからしっかり学校として、大学としても取り組んでいかなきゃいけないということで、新たな部分の取り組みになるんだというふうに認識しているわけであります。
 その中において、中教審の中で、実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会では、十七回その審議がされたということであります。また、専門職大学及び専門職短期大学の制度化につきましては、さまざまな御意見があったというふうに推察するわけでありますけれども、有識者会議も十二回行われたということでお伺いしているわけでありますが、その中で、海外との比較、賛成、反対の立場の御意見等もあったんだというふうに思われますけれども、このことにつきまして、提案等、そして賛成、反対につきまして御紹介をいただければ、お願いいたします。
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永田恭介#10
○永田参考人 御質問ありがとうございます。
 主に最後の部分だと思いますが、御報告を申し上げます。
 もちろん、こういう審議会の中では賛否両論というのは当然のことでありますが、最終的には、答申という形で、一定のコンセンサスは得られたと考えます。その過程の中で、当然ながら、新しいこういう機関を設ける必要性に関して、大きく分けて二つの賛否があったと考えます。
 もちろん、賛成の側は、当然ながら、今現在の大学が、ここで目指している実践的な職業に特化したような、あるいはそれを焦点に定めたような教育ができるかどうか、できる可能性の枠組みではあるけれども、現況、一般の大学にそれが本当に可能であるかという点。
 もう少し平たく申し上げれば、主に教養やアカデミックな方向に偏りがち、ある意味では偏らなければいけないような部分も高等教育にはあるわけでありまして、そういった大学がこのような実践的な職業人を育てる機関になり得るかという問題に関しては懐疑的であるということであります。
 したがって、新たに新しい機関を新しい理念のもとに立ち上げるということが重要であろうということであります。
 今申し上げた意見の中で、反対は、それでは既存の大学はこれが本当にできないのかという問題であります。
 御指摘が先ほど本田参考人の方からもありましたが、例えば医学や薬学といった領域においては、当然のことながら、その一つの役割であるところの医師や薬剤師といったものを育てているわけでありまして、必ずしもできないというわけではありません。
 ただし、一方で、医学や薬学の領域では、研究の機能が非常に重要視されている部分もあり、必ずしも現場に出るようなカリキュラムになっていない、そういう大学も多々見られるわけであります。その是非を言っているわけではなくて、そういう現状に鑑みたときに、現在の大学がこういう実践的な職業人を育てることに転換可能かという問題については、全体的にはそう容易ではないということになったわけであります。
 先ほどの御質問の中でございましたけれども、何百年も大学が存続している。多分、この社会の中で、大学という、組織体として存在しているものというのはなかなかほかにはそうはなくて、政治体制もいろいろ変わる中で、多分、大学は、その時代時代にフレキシブルに対応してきたからこそ、今も大学という形で残っているのであろうと思っているわけであります。
 そうした観点からは、今現在はもとより、これからの社会のあり方を考えて、この機関というものを新たに考えていく必要性にたどり着いたということになります。
 この内容ですけれども、何か実際にすぐサービスをするとかそういう問題ではなくて、やはり大学として設置するわけでありますから、研究、教育、社会貢献という教育基本法に書かれている大学の役目は当然ながら負うものというわけでありまして、その研究の内容については、より深い、単なる専門のスキルを教えるだけではない内容になるであろうというふうに考えております。
 したがいまして、大学という枠組みの中で、新たなこういう機関の制度を考えているということでございます。
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神山佐市#11
○神山(佐)委員 ありがとうございました。
 これからの教育の質の確保ということについては、しっかり考えていかなきゃいけないということであるわけであります。
 そして、企業勤務者の実務家教員の確保も必要だというふうに認識しているわけでありますけれども、これから、企業内実習や演習、この辺については、二年間で三百時間以上の履修が必要であって、四年間で六百時間以上というふうなことが考えられているということであるわけでありますけれども、今回の提出の法案では、設置基準等詳細な制度設計についてはまだ検討中であるということであります。
 この制度設計いかんによって、新しい職業教育における高等教育機関の価値を高めていけるかというふうなことが必要だと思っているわけでありますけれども、永田参考人の御所見、そして優先順位として重要と思われる課題などにつきまして御指摘をいただければというふうに思います。
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永田恭介#12
○永田参考人 それでは、考え方を述べさせていただきます。
 もちろん、先ほどから指摘があるように、設置基準の詳細については、こうした議論の上にさらに議論を重ねて、いろいろな方々からの意見を参考につくっていくものでありますが、今委員が御指摘のように、基本的に大変重要なのは、インターンシップ等の現場での実習ということであります。
 一般的に、理工系の研究大学であっても、三年次、四年次というのは、ほとんどが実験、実習というものでありまして、この場合はアカデミックな観点でのそういう現場での学びということを続けているわけでありまして、ましてや、実践的な職業教育に向かうということに当たっては、現場での学びというものが著しく重要であるというふうに認識をしています。また、それがない限りは、決して満足のいく学びが完成するとは考えていません。
 以上です。
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神山佐市#13
○神山(佐)委員 ありがとうございました。
 今、これからの部分で、専門学校から組織を改組するというふうなこと、そして大学からの併設が見込まれていくということでありますけれども、この辺について、校地それから校舎の面積等々、専門学校、そして大学からその併設をするということについては、考え方があろうと思うんですけれども、この辺について、永田参考人とそれから小出参考人にお伺いできればと思います。
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永田恭介#14
○永田参考人 専門学校と大学との違いがもともとの御質問の中にはあると思いますが、それが、具体的に今求められた御質問は、実際に大学相当として機能し得る場合にどの程度の外形として必要かということかと思います。
 この大学、そこの答申の中にも書きましたが、校地、校舎についてはいろいろな条件に鑑みて今後詳細を決めるということにしております。それは、先ほど申し上げましたように、国全体の中で新しい産業構造、就業構造を考えていくという立場がそこにあるからであります。
 東京の中であるいは地方で、新たな産業種によっては非常に広い校地、校舎が必要である場合もありますが、逆に、ある地域やある都市においては、そういう広い校地、校舎が必要なくとも目的を達成し得る可能性のある分野もあります。したがいまして、それらについては、重々に考えて、設置の基準を定めていかなければいけないと考えております。
 もちろん、私が自分でまとめている中で危惧したのは、実践的な教育をするんだから、社会人もいるだろうし、学生としてどうするんだという中で、やはり、学生の生活を保証できるようなものとして、校地、校舎の限定のほかに、そういうような変わり得るものも置くということがわかるような書き方に最後なっていると思います。
 したがいまして、各種の分野における教育に支障のない限りの校地、校舎、それから学生にとっての学生生活が送れるだけの保証、それは必要であるというふうに考えています。
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小出秀文#15
○小出参考人 御質問ありがとうございます。
 私は、少し別な角度からこのお話をさせていただきます。
 先ほどの意見陳述の中では、大学としての新しい形をここに開いていくものであると、大学類型としての専門職業大学をつくる、こういう方向でございます。
 そのことに関して申し上げれば、教育機関はすべからく永続性が担保されていなければなりません。その意味から、校地、校舎基準、現在は、大学の場合は学生一人当たり十平米と基準上定められてあったと思います。それはさまざまな学問分野によって異なるのでありましょうが、教育の質を高め、内容を永続的に実現していく意味合いから、校地、校舎に関しても既存の大学との兼ね合いの中でしっかりと手当てされるべきものである。ただ、画一的である必要はなかろうと思います。
 先ほど永田先生がおっしゃったような方向での、分野によっての違いも出てくると思いますが、この点については大切な教育環境条件だと心得ております。よろしくお願いいたします。
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神山佐市#16
○神山(佐)委員 ありがとうございました。
 次に、小出参考人にお尋ねいたします。
 参考資料として、日本私立大学連合会からの意見をいただいているわけでありますけれども、専門職業人を養成しても需要が不透明なことや、専門職大学を大学体系の一部として制度化しなければならない説明に説得力がないというふうなことであるようでありますけれども、産学連携についての方策について具体性がなく曖昧との主張もされておるわけでありますけれども、加えて、財政措置について、別建てにての考えで……
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永岡桂子#17
○永岡委員長 申し合わせの時間が来ておりますので、手短にお願いいたします。
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神山佐市#18
○神山(佐)委員 はい。譲れないということであるようでありますけれども、先ほど、私学の助成金をさらにふやしていただきたいというふうなこともあったと思うんですが、この辺についてよろしくお願いいたします。
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小出秀文#19
○小出参考人 まず、財政の問題からお話をさせていただきますが、これは、別仕立てで財源措置をおとりいただき、小さく産んで大きく育てていくような手法をおとりいただく、こういうことが望ましいだろうということを、私ども一貫してお話をさせていただいているところであります。
 この点は、昭和五十年の、自由民主党の若手の文教の先生方が議員立法でおつくりをいただいた私学振興助成法の精神にもかなうお話だと思ってございますので、その観点から別仕立てでよろしくお願いしたいと思ってございます。
 それから、産業界からの人材要請、それのお声がけというところでありますが、諸外国の例も見ながら、やはり産業界の、いかなる業種、いかなる世界がどのような人材をどの程度要求しているのかというあたりのところを試算いたす中で数値的にも示していただけることが、制度の健全育成のために必要になってくるだろう、こう思っております。
 以上です。
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神山佐市#20
○神山(佐)委員 どうもありがとうございました。終わります。
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永岡桂子#21
○永岡委員長 次に、菊田真紀子君。
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菊田真紀子#22
○菊田委員 民進党の菊田真紀子でございます。
 きょうは、お三方の参考人におかれましては、大変お忙しい中、こうやって御出席をいただきまして、それぞれの立場で御意見をお述べいただきましたことを心から感謝を申し上げたいと思います。
 それでは、私の方から質問をさせていただきたいというふうに思いますけれども、まず、永田参考人と本田参考人に御意見を伺いたいと思います。
 先ほど小出参考人の方から御発言がございまして、現在の大学、短期大学、それから実学を標榜する学部、学科においては、既に実務家教員を採用して専門職業人の育成を行っている、あるいはまた、社会人の学び直しにも対応できるように、多くの大学で教学上の配慮が行われている、こういうようなお話がありました。
 今回、五十五年ぶりの制度改正ということで、学校教育の永続性が重要であるという観点からしてみても、今なぜここで制度改正をする必要があるのかということを明確にしていく必要があるというふうに思います。
 例えば、看護系であるとか医療系であるとか、そういう既に設置されている大学もあるわけでありますけれども、そことの違いをどういうふうにつくっていくのか、これは大変重要な観点だというふうに思いますので、先ほどの小出参考人の発言に対して、永田参考人、本田参考人、どのような御意見をお持ちか、お伺いしたいと思います。
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永田恭介#23
○永田参考人 御質問ありがとうございます。
 先ほど来から、ほぼ同じような部分が一番重要なので、皆さん繰り返し議論になっているわけでありますが、今、なぜこうした実践的な職業教育の大学が必要かということでありますが、逆に言うと、今現在、実践的な教育を行う高等教育機関というものがどれだけ実行力を持って動いているかということになるかと思います。
 先ほど冒頭で述べさせていただきましたけれども、諸外国、我が国も過去を振り返れば、実はいつもボケーショナルなものとアカデミックなものが複線化した中で、学生たちはその中を、分岐型と申し上げたのは、ニーズに応じてそれぞれに動いていくという形で育ってきました。そうした中で今一番欠けているのが、実践的な職業教育を大学の基準の中でやる、つまり、高いレベルの研究とそれから人材養成目的を持って社会にも貢献するという教育基本法の大学の役割の中に配置するということの重要性があるというふうに考えています。つまり、大学が、高等教育機関としての研究能力をそこに付与していく必要があるであろう。
 もちろん、暗黒物質やクオークを見つけるような、そういういわゆるアカデミックな研究がある一方で、しかし、おすしは何でおすし屋さんが握るとおいしいのか、そういう研究が当然あってもいいわけでありますけれども、我々が暗黙知として知っているようなことが科学的に本当にディスクリプションできるかどうかということに関しては、相当高いレベルの研究が必要である。そうなれば、誰でもそのメカニズムがわかればおいしいおすしが握れる、そういうことになるわけですが、これは、大変申しわけない、低いレベルの例え話ですけれども。
 つまり、そういうふうに、ここが大学であるというのは、研究機能を持つということが後ろ側にあるということであります。四年生大学としての研究機能を持つということであります。
 それをもとに、つまり、実践教育に役に立つというのは、先ほども、永続性を持たなきゃいけないというのは、ある職種だけに役立つことをもちろん規範に教えていくわけですけれども、なぜそういう職業でこれが必要かという原理を教えるのが大切なわけであります。したがって、違う職業にかわったとしても、物の考え方というものは既に身についているような教育を展開していくというふうに考えるわけです。
 そのためには、既存のテキストブックを読んでいるだけではだめで、実践教育を行う大学そのものが新たな発見や発明を見出して、それを付加して学生に教育をしていくという立場が必要であろうというふうに考えています。あくまでも一条校、教育基本法の大学というところに位置づけるのであれば、そういった観点が必要であるというふうに考えています。
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本田由紀#24
○本田参考人 今御質問いただいたことに関しては、私自身、危惧を抱いております。
 もう少し詳しく、どういう危惧かということを申し上げますと、既存の大学と新しい専門職大学とが全く別の分野をそれぞれ担うようになるということが一番問題が少ないケースです。これまでの大学にはなかったような新しい分野に対応するために専門職大学が設けられる、開設されるということは、共存が大変スムーズに可能だと思います。
 問題は、同じような職業分野、かぶるような専門職の養成に関して新しく専門職大学というものが立ち上がってきたことが従来の大学にとっていかなる意味を持つかということについて、まだ非常に不明確であり、そこはもう少し御説明が必要なところだと考えております。
 例えば、どういうことが危惧されるかといいますと、教員養成において、従来の大学でも可能だし、新しい専門職大学でも可能だけれども、採用等において新しい専門職大学の方がさまざまな面で優遇されるといったようなことが仮に発生した場合、そもそも教員養成というのが非常に実践的な発想だけで成り立つものかといったようなことにも吟味が必要ですし、それによって、従来の大学の教員養成に注力してきた教員などは膨大な数存在しているわけで、そこがこうむるダメージということははかり知れないものがある。
 複数のルートがあって、いずれも同等に評価されるというのではありませんけれども、新しい大学の方に高い価値が置かれたりした場合の既存の大学の立場を考えていただきたいということです。
 中には、既存の大学に同じような専門職養成の分野があるのであれば、それは徐々に実践的な専門職大学の方に転換していけばいいのではないか、そういうお考えをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。これが自然に起きる、例えば、定員割れしているような私立大学などで新しく定員をきちんと確保するためには、これこれの分野における専門職大学へと生まれ変わろうというような選択をその大学の判断でされる場合には構わないのですけれども、あり得ると思うんですが、新しい教育機関の枠組みができたからには従来の大学もそこに移れといったような、かなり強硬な指導というか政策的な圧力がかかった場合に、これもやはり既存の大学にとってはモチベーションが失われることになりかねない。
 そういう非常にハードランディングな改革というものが、いろいろ批判もありながらも非常に多くの者の努力で成り立ってきている既存の大学というものを踏みにじるようなことにはしないでいただきたいというのが、私の非常に心配しているところです。
 以上です。
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菊田真紀子#25
○菊田委員 ありがとうございます。
 小出参考人にお伺いいたします。
 全国で私大は六百校ですか、現状あるというお話でありましたけれども、この私大を取り巻く経営環境の現状について、少しお聞かせをいただきたいというふうに思います。
 また、先ほど、お話の中で、現場からはすこぶる不安があるという声も聞こえてくるというお話がありましたが、今回の制度化に関しまして御懸念があるとすれば具体的にどのようなことであるのか、御指摘をいただきたいと思います。
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小出秀文#26
○小出参考人 お答えを申し上げたいと存じます。
 大学の数はたしか六百五とか六百四とか言われますが、募集停止をしている学校などもございますので、六百と私は今申し上げました。正確な数値に関しましてはまた確認をせにゃならぬと思いますが、六百という理解で私はつくっております。
 経営環境についてはどうか、こういうお話でございます。
 我が国の高等教育は設置形態ごとに、国が設置する国立大学、それから自治体が設置する公立大学、学校法人が設置する私立大学とございます。事私立大学にかかわってのお話と理解をいたしますと、経営組織体の私立大学にとりましては、今、都市部の大学の問題とそれから地方部の大学の問題、ここに、大きな格差といいますか、大きな差異が生じているというのが現実であろうかと思います。その状況から見ますと、地方部の私立大学は規模が比較的小さいわけであります。
 経営の安定を確保するためには、定員が大体四千人を超えておらぬことには、スケールメリットからいっても経営の安定が確保できないといったようなトレンドもあるやに聞いておるのでありますけれども、四千人以下の私立大学がすこぶる地方には多い。その地方の私立大学にとっては、少子化の社会の中で、従来からの十八歳人口だけを頼っている体系の中では定員未充足といった事情が、今、定員未充足の大学の割合は全国平均では半数以上に上っているのではないか。それは全国平均でありますから、各地方地方によってかなり事情はもっと深刻度を増してきている、こういう状況下にあろうと思います。
 しかし、いずれにしても、そういう経営問題を抱える私立大学が、今度新たに専門職大学の提案にかかわりまして不安としておっしゃっておられるところは、先ほどからの議論の中にも出ているお話のとおりでありますけれども、私どもが今養成を行っている看護人材にしても、あるいは放射線を取り扱う技術責任者のような養成にしても、そのようなものが今度の新しくできる大学との関係で一体どんな位置になってしまうのか、それをどう学生に説明したらいいのか、ステークホルダーの親御さんたちにどう説明したらいいのかというところで大変な困惑がおありになるということがございます。
 私立大学、経営組織体でございますから、そのあたりをどう判断していくかという意味合いから、しっかりとしたデータをお示しいただき、そして懇切な方向に関する説明をお願いしなければならぬだろう、こんなふうに考えてございます。
 回答になりましたでしょうか。
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菊田真紀子#27
○菊田委員 ありがとうございました。
 もう時間ですので、最後に一問、三名の参考人にそれぞれお答えいただきたいと思います。
 設置基準が非常に大事だということでありますが、専門学校のそれよりもかなり厳しくなるということが想定されますが、ハードルが高ければ専門学校からの参入というのは限られてくるでしょうし、逆に、設置基準のハードルを低くすれば、今度は質の確保という観点から問題が出てくるというふうに思います。こうしたことについてどのような御意見をお持ちか、お聞かせください。
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永田恭介#28
○永田参考人 簡単にお答えします。
 最終的に、国際的に通用する学位というものに相当できる人材養成ができるように仕組むべきであって、そのために逆算すると、カリキュラムやアドミッション、あるいは校地、校舎も決まってくるであろうというふうに考えています。
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小出秀文#29
○小出参考人 教育事業体は失敗は許されない、一生一度の教育を預かる場所でございますから。その意味から、まだイメージのはっきりしないものについては小さく産んで大きく育てていく、そのような方式が必要だろうと思います。
 したがって、この基準に関しましても、専門職大学にふさわしい基準というものが一体どのようなものなのか、これも懇切に説明をしていただきたいものだ、そのように念願をいたします。
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