法務委員会

2017-03-31 衆議院 全268発言

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会議録情報#0
平成二十九年三月三十一日(金曜日)
    午前九時二分開議
 出席委員
   委員長 鈴木 淳司君
   理事 今野 智博君 理事 土屋 正忠君
   理事 平口  洋君 理事 古川 禎久君
   理事 宮崎 政久君 理事 井出 庸生君
   理事 逢坂 誠二君 理事 國重  徹君
      赤澤 亮正君    安藤  裕君
      井野 俊郎君    大見  正君
      奥野 信亮君    門  博文君
      菅家 一郎君    城内  実君
      鈴木 貴子君    辻  清人君
      野中  厚君    藤原  崇君
      古田 圭一君    宮川 典子君
      宮路 拓馬君    山田 賢司君
      吉野 正芳君    若狭  勝君
      枝野 幸男君    階   猛君
      升田世喜男君    山尾志桜里君
      大口 善徳君    吉田 宣弘君
      畑野 君枝君    藤野 保史君
      松浪 健太君    上西小百合君
    …………………………………
   法務大臣         金田 勝年君
   法務副大臣        盛山 正仁君
   法務大臣政務官      井野 俊郎君
   文部科学大臣政務官    樋口 尚也君
   最高裁判所事務総局総務局長            中村  愼君
   最高裁判所事務総局人事局長            堀田 眞哉君
   最高裁判所事務総局経理局長            笠井 之彦君
   最高裁判所事務総局家庭局長            村田 斉志君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  土生 栄二君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房成年後見制度利用促進担当室長)  中島  誠君
   政府参考人
   (警察庁長官官房総括審議官)           斉藤  実君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 高木 勇人君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 高嶋 智光君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          小山 太士君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    林  眞琴君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  萩本  修君
   政府参考人
   (法務省訟務局長)    定塚  誠君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           浅田 和伸君
   法務委員会専門員     齋藤 育子君
    —————————————
委員の異動
三月三十一日
 辞任         補欠選任
  宮川 典子君     大見  正君
  階   猛君     升田世喜男君
同日
 辞任         補欠選任
  大見  正君     宮川 典子君
  升田世喜男君     階   猛君
    —————————————
三月三十日
 共謀罪創設に反対することに関する請願(畠山和也君紹介)(第六六四号)
 共謀罪の創設反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六六五号)
 同(池内さおり君紹介)(第六六六号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第六六七号)
 同(大平喜信君紹介)(第六六八号)
 同(笠井亮君紹介)(第六六九号)
 同(穀田恵二君紹介)(第六七〇号)
 同(斉藤和子君紹介)(第六七一号)
 同(志位和夫君紹介)(第六七二号)
 同(清水忠史君紹介)(第六七三号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第六七四号)
 同(島津幸広君紹介)(第六七五号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)
 裁判所法の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
     ————◇—————
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鈴木淳司#1
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び裁判所法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官土生栄二君、内閣府大臣官房成年後見制度利用促進担当室長中島誠君、警察庁長官官房総括審議官斉藤実君、警察庁長官官房審議官高木勇人君、法務省大臣官房審議官高嶋智光君、法務省大臣官房司法法制部長小山太士君、法務省刑事局長林眞琴君、法務省人権擁護局長萩本修君、法務省訟務局長定塚誠君及び文部科学省大臣官房審議官浅田和伸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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鈴木淳司#2
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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鈴木淳司#3
○鈴木委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局総務局長中村愼君、人事局長堀田眞哉君、経理局長笠井之彦君及び家庭局長村田斉志君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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鈴木淳司#4
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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鈴木淳司#5
○鈴木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今野智博君。
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今野智博#6
○今野委員 おはようございます。自民党の今野智博です。
 本日は、法務委員会での質疑の時間をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。
 また、本日議題となっております裁判所定員法また裁判所法の一部を改正する法律案ということで、今回、裁判所法の改正案において、修習給付金の創設ということがうたわれております。これに関しては、本当に多くの方々が長い年月待ち望んでいた制度ということで、私も、今回の給付金の創設については高く評価をしているところでございます。
 ただ、法曹養成制度全体を見ますと、従来の司法制度改革は、事前チェック型の行政国家から事後チェック型の司法国家への転換という大きな思想のもとで行われていたわけでございますけれども、現状を見ますと、結果として、法曹養成の分野に関しては特にうまくいっていない。それが法曹志願者の減少ということで如実に数字にあらわれてきている。このままでいくと、三権の一翼を担う司法権の分野、そこに有為な人材が集まらない。本当に国家としては大変ゆゆしき事態になってきているということを、我々、この委員会の場を通じて委員の皆さんとともに認識を深めているわけでございます。
 そうした中で、給付金が今回創設されるわけでございますけれども、法曹志願者の減少状況を打開するものとして、私のもとにも法曹志願の若手の学生あるいは司法修習生の方々から多くの感謝の声を寄せられているところでございます。これに関しては、私たちは、一刻も早く成立をさせて、一律月額十三万五千円という金額ではございますけれども、それを司法修習生のもとに届けるということが必要であると思っております。
 ただ、今回、この制度を創設するに当たって、従来の給費制とはまた違う制度として新たに創設したわけでございまして、その要件としまして、普通、大学の奨学金制度とかであれば資力要件が課されて、当然、裕福な方には支給されないということが制度設計としては考えられたところだと思います。ただ、そうした資力要件等を設けず一律に十三万五千円を支給するという今回の給付金制度、まずは創設される給付金制度の意義、そして一律支給とすることの理由について御見解をお伺いしたいと思います。
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小山太士#7
○小山政府参考人 お答えを申し上げます。
 委員御指摘ございました法曹志願者の減少、これは法科大学院の志願者数で見ますと、平成十六年当時は七万二千八百人でございましたのが平成二十八年には八千二百七十四人となります等、法曹志望者が大幅に減少している状況にあるわけでございます。新たな時代に対応しました質の高い法曹を多数輩出していくために、法曹志望者の確保が喫緊の課題となっております。
 そして、一昨年六月の法曹養成制度改革推進会議決定におきましては、司法修習生に対する経済的支援のあり方について検討するとされましたほか、昨年六月の骨太の方針におきましても、法曹人材の充実強化を推進することがうたわれたものと承知をしております。これを受けまして、法曹人材確保の充実強化の推進等を図るため、本修習給付金制度を創設することとしたものでございます。
 また、一律支給についてお尋ねでございます。
 今回の修習給付金制度では、基本給付金として、全ての司法修習生に一律月額十三万五千円を支給することとしております。これは、全ての司法修習生につきまして、法令上、修習専念義務が課されまして、原則として兼業が規制されるなど、議員御指摘もございました給付型の奨学金が支給されるような学生とは立場が異なっております。こういうことを考慮したものでございます。こうした立場に鑑みまして、一律に、経済的な基盤を確保し修習に専念できる環境を整備することにより、司法修習の実効性を担保する必要があるということから、一律支給としたものでございます。
 以上でございます。
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今野智博#8
○今野委員 ありがとうございます。
 実は、私ももともとは弁護士でございまして、私は、修習生のころ、旧来の給費制のもとで修習を受けさせていただきました。今から思うと本当にありがたい制度だったなという気がしております。
 その給費制が廃止されて、今回また給付金創設ということで十三万五千円の支給が開始されることになるわけでございますけれども、ただ、その間、はざまの世代といいますか、給費制が廃止されてから今回の給付金を創設するまでの間の世代は貸与制ということで修習を行っていたわけでありまして、もちろんその時代にも、修習専念義務ということで兼業の原則禁止ということがうたわれておりました。
 実は私のもとにも、その貸与制の間に修習をされていた方々、今若手の弁護士さんとか、法曹を担っておりますけれども、その方々がこれからその貸与していたお金を返還していかなければいけない、そういった状況にあって、なかなか今経済的にも苦しい、それを何とか救ってもらえないかと。もちろん、これは法のもとの平等といいますか、そうした観点からも、ある程度公平性を担保するという意味で何とか支援の方策を検討いただけないかということで、切実な声が寄せられているわけでございます。
 大変厳しい国家財政の中で、そうしたことを即座に、あるいは、その方法についてもいろいろ考えられるところでございますので、御検討していただくということが必要かなと思いますけれども、このはざま世代の貸与金の返還状況、あるいはその時々の収入状況等もこれから注視して、将来的な課題としてその世代に対する支援の方策をぜひ御検討いただきたいということで、この点についても法務省の見解をお伺いしたいと思います。
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小山太士#9
○小山政府参考人 委員から御指摘がございました、修習給付金制度の創設に伴いまして、現行の貸与制下の司法修習生、これは新六十五期から第七十期まででございますけれども、これに対しましても何らかの救済措置を講ずべきとの御意見があることは我々としても承知しております。
 ただ、修習給付金制度の趣旨でございますが、これは、先ほど御答弁申し上げましたとおり、法曹志望者が大幅に減少している中で、昨年六月の骨太の方針で言及されました、法曹人材確保の充実強化の推進等を図る点にあるわけでございまして、この趣旨に鑑みますと、修習給付金につきましては、今後新たに司法修習生として採用される者を対象とすれば足りるのではないかと考えられたところでございます。
 それからまた、加えて、仮に既に貸与で修習を終えられたような方に何らかの措置を実施するといたしましても、現行貸与制下において貸与を受けていらっしゃらない方もいらっしゃいまして、この取り扱いをどうするかといった制度設計上の困難な問題がございます。また、そもそも、既に修習を終えている人に対して事後的な救済措置を実施することにつき、国民的な理解が得られないのではないかという懸念もあるところでございます。
 ということで、本制度につきましては、救済措置を設けることは予定していないわけでございます。
 本法案が可決、成立いたしますと、本年十一月に修習が開始される第七十一期の司法修習生から修習給付金を支給することになります。まずは新たな制度を導入していただきまして、その後はこの制度について継続的、安定的に運用していくことが重要であろうと考えております。御理解を賜りたいと考えております。
 以上でございます。
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今野智博#10
○今野委員 将来の法曹人材の確保という、その今回の給付金の趣旨は私も重々承知をしております。ただ、先ほど申し上げたとおり、はざま期の世代に対しても、もちろん法曹として、例えば今回の給付金については、昨年の十二月、法曹三者の間で、この給付金に関して社会的に還元する動きを推進しようということで、いろいろ動きもあります。そういった動きと絡めて、支援の方策についてもう一度しっかり御検討いただきたいと思います。
 ちょっと時間がなくなってきたので急ぎますが、今回こうして給付金の創設に至りました。ただ、これは、法曹養成制度の改革の大きな分野から見れば、まだまだほんの一里塚かなと私は思っております。
 やはり、法曹養成制度をしっかり実りあるものにして有為な人材を集めていくためには、どうしても法科大学院に我々は手をつけなければいけない。法務省が行った先日のアンケート結果を見ても、法科大学院の時代における経済的な負担あるいは時間的な負担が、やはりどうしても若い学生たちが法曹に向かっていく妨げとなっている、本当にこれは現実であると我々思います。
 今回、法科大学院改革についてはまだ法案として盛り込まれてはおりませんけれども、ただ、今後、平成三十年度という期限を一定の目途として、法科大学院改革、これに関して本質的な課題をしっかり見据えて取り組んでいかなければいけないということで、法曹志願者確保のために、しっかりと成果の見える形で法科大学院の抜本的な改革を進めていく必要があると私は強く感じておりまして、その抜本的な改革をいつまでにどのような形で実現されていくのか、それをお示しいただきたいと思います。
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浅田和伸#11
○浅田政府参考人 文部科学省では、平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議決定等に基づいて、公的支援見直し強化・加算プログラムなどを通じた法科大学院の組織見直しの促進、共通到達度確認試験の導入に向けた試行試験の実施や法学未修者教育の充実など教育の質の向上、早期卒業や飛び入学の積極的な活用や奨学金の充実を初めとした時間的、経済的負担の軽減等について、平成二十七年度から三十年度までを法科大学院集中改革期間として取り組みを行っているところです。
 また、中央教育審議会の法科大学院等特別委員会において、法学部と法科大学院の連携のあり方や法学未修者に対する教育の充実などについても審議を開始しているところでございます。
 文部科学省としては、中教審の審議も踏まえつつ、法科大学院教育の改善充実に向けた取り組みを進め、有為な法科大学院志願者の回復に努めていきたいと考えております。
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今野智博#12
○今野委員 まさに中教審での審議が始まったところだと私も聞いております。本当にこれは、そこに大きなメスを入れなければ必ず将来にわたって司法の分野が衰退していってしまうということは明らかですので、我々委員も本当に注視しております。ぜひ、抜本改革を力強く、限られた時間の中で進めていただきたいと思います。
 最後に、今回の法曹養成制度、まず負担を減らすという観点から話をしてきましたけれども、もう一点、今、法曹になったとしても将来の展望がなかなか開けてこない、将来の明かりがなかなか兆してこないという問題もございます。これは、前から言われているように、法曹人材の活動領域の拡大ということで、政府を挙げてぜひまた再度取り組んでいただきたいと私も常々申し上げているところでございますけれども、今後、訴訟事件を扱うだけではなくて、社会のニーズに応じて、行政庁あるいは企業のさまざまな活動分野で法曹人材が活用される、また、あるいは企業が海外に進出する際に法曹人材が活用される、そうした、まだまだ分野を拡大していく余地というのは私は多分に残されていると思っております。
 ぜひ、法曹資格を持つ法曹人材がそうした活動領域を広げていける、今後それについて政府がしっかり後押しをするという取り組みについて、これはちょっと大臣に御決意をお聞かせいただきたいと思います。
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金田勝年#13
○金田国務大臣 ただいま今野委員から御指摘がございました。
 非常に私も同感でありまして、法曹有資格者がその法的素養を活用して、国の機関や地方自治体、企業といった社会のさまざまな分野で活躍することは、法曹という職業がより魅力的なものとなって、より多くの有為な人材がこの世界を目指すということになろうかと考えているわけであります。その意味におきまして、法曹志望者数を回復させ、新たな時代に対応した質の高い法曹を多数輩出していくという観点からも非常に重要な御指摘だ、このように考えております。
 これまでは、一昨年の法曹養成制度改革推進会議決定におきましても、法務省は引き続き、法曹有資格者の専門性の活用のあり方に関する有益な情報が、さまざまな場に、各分野における法曹有資格者の活用に向けた動きというものが定着するように、関係機関の協力を得てそのための環境を整備するということにされておるわけでありまして、私ども法務省といたしましても、推進会議決定のこの内容を踏まえて、将来の展望として、社会のさまざまな分野において法曹有資格者の専門性を活用する流れが加速されるように、関係機関の協力を得て引き続き必要な役割を果たしてまいりたい、このように考えております。
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今野智博#14
○今野委員 引き続き力強く推進していただきたいと思います。
 時間が来ましたのでこれで質問を終わります。ありがとうございました。
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鈴木淳司#15
○鈴木委員長 次に、國重徹君。
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國重徹#16
○國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。
 修習給付金の創設を盛り込んだ今般の裁判所法の改正案、先日の質疑でも申し上げましたとおり、私は評価をしております。その上で、法曹志願者の激減している現状をいかに打開して改善していくのか、私は、この問題、非常に悩ましく思っております。
 法曹養成制度の改革によって、司法試験を受験するためには原則として法科大学院を修了しないといけなくなった、その時間的、経済的な負担が大きい、このような指摘が数多くなされております。私もそのとおりだと思います。ここを改善していかないといけない。
 その一方で、法科大学院開設当初は、その時間的、経済的負担を覚悟の上で法曹を志願する人が数多くいました。平成十六年の法科大学院の受験者の数は四万人以上です。また、旧司法試験制度のもとにおいてもリスクや負担というのはありました。合格率は二、三%、合格平均年齢はおよそ二十七、八歳、いつ受かるかわからない、そのリスクを覚悟の上で法曹を目指す多くの方がいました。それはなぜなんだろうか。法曹、なかんずく弁護士という職業がそのリスクに見合う魅力ある、また価値あるものだったからだと私は思います。
 今は、ではどうなのか。法曹養成制度の改革によって弁護士を激増させた、それに伴って、就職できない合格者がふえた、経済状況が不安定な弁護士がふえた。弁護士という職業について、仕事そのもののやりがい、魅力は変わらない、そのものはあったとしても、経済的な意味での魅力、安定性が全般的に低下した、こういうイメージが今広まりつつあるということは、これは事実だと思います。これが法科大学院の経済的、時間的負担に見合う価値あるものとは多くの方に映っていないのではないか、このようにも推察されます。
 この出口の問題を解決して、弁護士になれば、ある程度安定した経済環境のもとで社会に役立つさまざまな仕事ができる、将来にこの明るいビジョンを描けるようにすることが私は重要であると考えております。
 この点、当初は年間三千人の合格者を出すことが目標とされていたのが、平成二十七年六月三十日の法曹養成制度改革推進会議決定では、合格者を千五百人程度は輩出されるようにする、こういう表現ぶりに変わっております。合格者増員政策に歯どめをかけたこと、これについて私は評価をしております。
 ここで改めて法務省に、なぜ千五百人に減らしたのか、その理由について伺います。
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小山太士#17
○小山政府参考人 お答えを申し上げます。
 委員御指摘の、当初の司法試験の合格者数の目標でございますが、平成十三年六月の司法制度改革審議会意見書では、国民生活のさまざまな場面における法曹需要が増大することが予想され、その対応のためにも法曹人口増大の必要性が指摘されまして、それで、平成十四年三月に閣議決定がございました司法制度改革推進決定でございますけれども、平成二十二年ころには司法試験の合格者数を年間三千人程度とするということが目標とされたわけでございます。その後の事情といたしまして、司法試験の合格者数が平成二十二年以降も二千人から二千百人程度にとどまりまして、年間合格者数が三千人というこの目標が未達成でございました。これがまず一つ。
 それから、二番目でございまして、法曹有資格者の活動領域の拡大がまだ限定的でございまして、司法修習終了直後の弁護士未登録者数が増加傾向にあり、法律事務所への就職が困難な状況がうかがわれたことから、御指摘の平成二十五年七月、法曹養成制度改革閣僚会議決定におきまして、司法試験の年間合格者数を三千人程度とする目標は現実性を欠くものとして、事実上撤回されました。
 そして、平成二十七年六月、法曹養成制度改革推進会議決定では、法曹人口のあり方について、新たな法曹を年間千五百人程度輩出できるよう必要な取り組みを進め、さらには、これにとどまることなく、社会の法的需要に応えるため、より多くの質の高い法曹が輩出される状況を目指すべきとされたところでございます。
 以上でございます。
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國重徹#18
○國重委員 要は、弁護士ニーズに対する甘い見通しがあったことは、これは事実だと思います。この点については、私は深く反省しないといけないところだと思っております。
 弁護士数をふやした結果、就職難がふえた、また経済的に不安定になった、このような事実がありますけれども、ただ、この就職難につきましては、厳しい現実がある一方で、ここ数年、就職難の状況というのがやや改善されつつあるとも聞いております。
 そこで、近年の弁護士未登録者数の推移について簡潔な答弁を求めます。
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小山太士#19
○小山政府参考人 お答えを申し上げます。
 今の、弁護士未登録者数の割合の推移でございます。
 六十六期、六十七期、六十八期でございますが、この未登録者の割合を調べておりまして、一括登録日、修習終了直後の未登録者の割合、六十六期につきましては二八%でございましたのが、六十七期は二七・九%、六十八期について二六・五%でございます。
 それから、しばらくおきまして、一括登録日から六カ月後時点での未登録者の割合が、六十六期について四・三%、六十七期について三・九%、六十八期については三・一%ということでございまして、弁護士未登録者の割合が統計上は減少しているところが見られるところでございます。
 以上でございます。
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國重徹#20
○國重委員 今、改善傾向があるということを聞きました。私も日弁連の方とも少しやりとりさせていただいたところによりますと、今六十八期まで出ましたけれども、六十九期の未登録者数の割合、これについてはさらに改善傾向にあるということも聞いております。
 現実は現実として厳しく受けとめつつも、必要以上にネガティブなイメージというのをやはり増幅させていくべきではないと思っております。改善傾向にあることについてもしっかりと発信をしていく、このことが法曹志願者の激減を食いとめる、これも一つの対策になるとは思いますので、これについてもしっかりと発信していただきたいと思います。
 次に、弁護士の職域の拡大についてお伺いしたいと思いました。ただ、これにつきましては、先ほど今野委員の方が大臣に質問されましたので、私としては、質問としてはこれはもう省きますけれども、ただ、今現在、弁護士の職域は拡大されつつある一方で、でも、今、弁護士を増加した、その数に見合うだけの拡大はされていない現状もございます。弁護士会またそれぞれの弁護士のさらなる努力とともに、やはり、甘い見通しでこのように弁護士をふやしてしまったという政府にも責任はあるわけですから、しっかりとバックアップのフォロー、サポートをしていっていただきたいというふうに思います。
 では次に、法科大学院の経済的、時間的負担についてお伺いいたします。
 平成二十七年六月三十日の推進会議決定を受け、法科大学院の改革を今進めているさなかだというふうに思いますけれども、志願者数の減少に歯どめがかかっていない、これが現実です。法学部に在籍する学生に対する法曹志望アンケートによりますと、司法修習において給与を受けられないことよりも、大学卒業後法科大学院修了までの経済的負担の大きさに対する不安の方が大きい、このような調査結果が出ております。
 法科大学院の授業料は、国立で年間約八十万円、私立で約百十万円、先日の参考人質疑でお越しいただいた参考人のお二人も、法科大学院の経済的負担が大きいことを理由に、今の制度であれば自分は法曹を選択しない、法曹を選択できていないだろうという旨のお話をされました。また、現実に、経済的な負担ゆえに法科大学院を途中でやめていく人もいます。
 そこで、文科省として、法科大学院の経済的負担を軽減するために、現在どのようなことに取り組み、今後どうしていくのか、樋口尚也文科大臣政務官にお伺いいたします。
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樋口尚也#21
○樋口大臣政務官 法科大学院生の経済的負担を軽減することについては、大変重要な課題だと認識をしております。
 現状ですけれども、日本学生支援機構において、大学院生については、在学中に特にすぐれた業績を上げた者に対し、無利子奨学金の全部または一部を免除する制度により、実質的な給付支援を行っているところであります。加えて、貸与基準を満たす希望者全員に無利子奨学金の貸与をしております。
 また、平成二十九年度進学者からは、卒業後の所得に連動して返還をする所得連動返還型奨学金制度を導入し、返還負担が大幅に軽減をされます。加えて、経済的理由により奨学金の返還が困難となった者に対する減額返還制度や返還期限猶予制度による負担軽減を図っているところでございます。
 また、文部科学省として、国立大学、私立大学、それぞれの授業料減免の充実を図っているほか、全ての法科大学院で大学独自の給付型奨学金も設けられております。
 経済的負担の軽減については、学生のニーズが非常に高いことを認識しておりまして、今後とも、意欲と能力がある学生が経済的理由により修学を断念することがないように、必要財源を確保しつつ、奨学金事業の充実、さらに授業料の減免の充実に最大限努力をしてまいりたいと思います。
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國重徹#22
○國重委員 今でも相当な支援というのはしていただいているところだと思いますけれども、やはり学生が不安に思っている現状がございます。さらなる支援をどうかよろしくお願いいたします。
 今、経済的負担についての答弁をいただきましたけれども、時間的負担の大きさについても、これは指摘がされているところであります。時間的負担が短くなれば、それに伴って経済的負担も軽くなる、この二つには関連性があると思います。さまざま難しい問題がありますけれども、時間的負担についても、今後新たな切り口による改善が必要なのではないかと考えております。
 文科省として、法科大学院の時間的負担を軽減するための施策の現状と今後の取り組みについてどのように考えているのか、お伺いいたします。
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樋口尚也#23
○樋口大臣政務官 現在でも、優秀な学生については、学部に三年在学した後に法科大学院の二年間の既修者コースに進学するなど、柔軟な対応をとることが可能であります。
 文部科学省では、この早期卒業や飛び入学を積極的に活用し、学部入学から五年間で法科大学院を修了する仕組みを導入している大学院に対して、公的支援見直し強化・加算プログラムにおいて財政的な支援を行っているところであります。この早期卒業や飛び入学を利用した大学院への入学者数は近年増加傾向にありますけれども、これをさらに拡大をしてまいりたいと思います。
 中教審の審議も始まりました。このような観点から、法科大学院と法学部等の一層の連携強化について審議をしていただいているところでございまして、今後とも拡大を図ってまいりたいと思います。
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國重徹#24
○國重委員 またこの時間的負担の軽減については、我々としてもしっかりと考えてまいりたいと思います。
 最後の質問になります。
 法科大学院の入学者のうち、当初は既修者よりも未修者が多くいました。それが今や逆転をいたしまして、しかも未修者コースのうち法学部出身者が七割以上という現状がありまして、純粋な未修者は今激減をしております。これが法曹志願者激減の最大の理由であると捉えております。
 文科省として、この事実をどう捉え、今後どのように改善に取り組んでいくのか、お伺いいたします。
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樋口尚也#25
○樋口大臣政務官 現状におきまして、法学既修者コース修了者は修了後三年目で司法試験累積合格率が約七割であるのに対しまして、法学未修コースは修了後五年目で累積合格率が約四割となっておりまして、法学未修者に対する教育の充実が大きな課題であるとまず認識をしております。
 文科省といたしまして、これまで、法学未修者に対する入門科目の設定や教育方法の工夫、法律基本科目の単位数の増加など教育の充実に努めてきたところでありますが、中教審でも法学未修者に対する教育のさらなる充実の方策について審議をしていただいているところでありまして、今後とも、この中教審での審議も踏まえつつ、國重議員御指摘のとおり、法学未修者教育の抜本的な改善、充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
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國重徹#26
○國重委員 法科大学院制度のための法曹養成ではない、法曹養成のための法科大学院制度なんだ、このことを念頭に、今後しっかりとまた取り組んでいただきたい、また、我々も取り組んでいくということをお約束して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
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鈴木淳司#27
○鈴木委員長 次に、山尾志桜里君。
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山尾志桜里#28
○山尾委員 おはようございます。民進党の山尾志桜里です。
 大事な給費制復活についての法案審査ということで、しっかりその中身を議論したいと思いますが、ちょっとその前に、大臣、私、手元に東京新聞三月二十八日の記事があるんですけれども、この記事によると、三月二十七日、金田法務大臣が都内のパーティーで、新共謀罪について「「四月から法案審議に入る」と明言した。」、こういう記事があります。
 大臣、都内のパーティーで、四月から法案審議に入るとおっしゃったんですか。
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金田勝年#29
○金田国務大臣 山尾委員のお尋ねにお答えをいたします。
 三月二十七日、御指摘の会合における発言の一つ一つについて具体的に記憶をしているものではありませんが、テロ等準備罪を含む法案につきまして、国会における速やかな御審議と御可決をお願いしたいという趣旨の発言をした記憶はございます。
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