厚生労働委員会

2017-03-28 参議院 全76発言

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会議録情報#0
平成二十九年三月二十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     倉林 明子君     小池  晃君
     片山 大介君     石井 苗子君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     小池  晃君     倉林 明子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         羽生田 俊君
    理 事
                島村  大君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                足立 信也君
                山本 香苗君
    委 員
                石井みどり君
                小川 克巳君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                石橋 通宏君
                川合 孝典君
                川田 龍平君
                牧山ひろえ君
                熊野 正士君
                谷合 正明君
                倉林 明子君
                石井 苗子君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   参考人
       独立行政法人労
       働政策研究・研
       修機構主任研究
       員        池田 心豪君
       日本労働組合総
       連合会総合労働
       局長       村上 陽子君
       さわやか法律事
       務所弁護士    田島 優子君
       認定NPO法人
       フローレンス代
       表理事
       イクメンプロジ
       ェクト推進委員
       会座長      駒崎 弘樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
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羽生田俊#1
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、片山大介君が委員を辞任され、その補欠として石井苗子君が選任されました。
    ─────────────
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羽生田俊#2
○委員長(羽生田俊君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員池田心豪君、日本労働組合総連合会総合労働局長村上陽子君、さわやか法律事務所弁護士田島優子君及び認定NPO法人フローレンス代表理事・イクメンプロジェクト推進委員会座長駒崎弘樹君でございます。
 この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず池田参考人にお願いいたします。池田参考人。
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池田心豪#3
○参考人(池田心豪君) 御紹介いただきました池田です。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、厚生労働省の労働分野の研究所がこちらにあります労働政策研究・研修機構というところでして、そちらで主に均等行政、育児・介護休業法等に関わる調査研究をずっとしておりました。今日は、その私の研究の中から雇用保険法等の一部を改正する法律案のうち育児・介護休業法関係の改正案について、私が研究で得た知見をお話しさせていただきたいと思います。
 お手元の緑の帯が付いております資料、カラーコピーの資料に沿ってお話しさせていただきます。
 まず、一枚めくっていただきまして、四ページのスライドからお話しさせていただきます。
 今回の改正、育児休業の期間を子が二歳に達するまで延長可能にするという改正案でございますが、その背景には、一部の方は既に御承知のことと思いますが、特に都市部での深刻な保育所不足の問題がございます。この保育所不足を保育の拡充によって解消するとともに、育児休業とその保育、この連携をより一層強化するという、そういった観点から、子供が一歳六か月に達するまで現在育児休業延長可能ですが、その時点でまだ保育園が決まっていない場合には二歳まで延長できるという、そういった改正案になっています。
 この改正とともに、こちらに三ページありますが、労働政策審議会の建議では保育所の整備も一層進めるということで、保育と育休、どちらが拡充してということではなくて、共に拡充していく方向性、その中での今般の改正ということになっております。
 この中で、育児休業の役割というものが、もう一回どのようなものとして考えるかということが問題になるかと思いますが、育児・介護休業法では、育児休業の目的は、子の養育又は家族の介護を行う労働者の雇用の継続及び再就職の促進を図るということですので、趣旨としては、長く休んで家庭で子育てをする、そういったことも社会的には非常に重要な課題ではございますが、法律の趣旨としましては、やはり産後の女性の復職支援といったこと、そういったところに主に主眼が置かれている、そこに男性も育児休業を取って夫婦でキャリアと育児を分担していくといった、そういった考え方。あくまでも復職、就業というところから、今回の改正も、子が二歳まであらかじめ育休を取って子育てをするというよりは、復職の危機に直面した労働者が退職を回避できるようにするという、そういった趣旨の改正案として理解するのが妥当だというふうに考えております。
 何でこの六か月という期間の延長なのかということですが、お手元の五ページ目のスライドにありますが、現状、保育園に一番入りやすい月というのは年度が始まる四月なんですね。このときに一歳六か月という子供の年齢、月齢がちょうど四月を迎えるタイミングで来ればいいんですが、一年たって半年延長しても、例えば誕生日が上半期の子供の場合は年度途中で六か月来てしまいますから、その場合、結局六か月延長しても保育園決まらないという可能性があります。そういった場合、現状どうしているかというと、その前の、一歳になる前の四月の時点でゼロ歳児保育を利用して復職するというのが一番合理的な選択ということになります。
 そういった状況がゼロ歳児保育の需要につながっているというところで、育休取って一歳から復職するというところでいえば、子供の誕生日が何月であっても一歳クラスで復職するというふうにできるといったところが今回の改正、これによって、保育の観点からいえば保育需要が一定程度緩和されるということが期待できるかなという、そういった改正になっております。
 しかし、この改正に当たりましては、最近、女性活躍といった観点から、やっぱり女性が長く休むということが御本人のキャリアにとって良からぬ影響があるんじゃないかとか、特に企業は最近、なるべく早く復職して、キャリアの中断というか、休む期間あるいは短時間勤務で仕事をセーブする期間をなるべく短くすることでキャリアを歩みやすくしましょうという、そういった流れにちょっと逆行するんじゃないかといった御意見もあります。また、もう一つは、中小零細企業の場合、じゃ二歳まで取れますよといっても、現状そんなに長く取れるんですかといった問題があります。法律で認めても結局は早く復職するんじゃないですかといった問題があります。
 そういうふうにして女性がいつ復職するかといった問題、ここのときに代わりに男性が育休を取るようにもっとすることが大事じゃないかといった意見もありまして、労働政策審議会の中でもそういった意見が取り交わされたように記憶しております。
 この点について、客観的なデータからどういったことが言えるかということをこの後お話しさせていただきます。スライドめくっていただきまして、資料のスライド番号八ページ目から、まず女性の継続就業と活躍に育児休業はどういった形で関係しているのかということについて既存のデータからお話をさせていただきます。
 八ページ目は、これ極めて有名な図、グラフですが、第一子出産前後、出生前後の女性の継続就業率、これが八五年、ちょうど均等法が制定された年から直近の二〇一四年までどういった推移をしているかというところで表しております。
 下のピンクの帯が育児休業を取って仕事を続けたという割合ですが、趨勢として伸びてきているということで、特に育休を取らないで復職する人というのが近年でいえば減ってきていて、やっぱり育休取って復職といったことが一つの継続のパターンとして定着してきているという状況、そうなるとやっぱり就業継続にとって育児休業は非常に大事だということになります。
 趨勢としては上昇傾向にあるんですが、上の黄色い帯を見ていただければ分かるんですが、やっぱり妊娠・出産期に依然として半分近くの女性が仕事を辞めているという状況でして、女性活躍というと、まずはやっぱりキャリアの継続といった観点からまだまだ課題が多く、これについて育休が果たす役割は依然として大きいというふうに言えるんじゃないかと思います。
 じゃ、実際に妊娠、出産を機に退職した女性がどういった理由で辞めたのかということを九ページに示しておりますが、約四分の一の女性が、仕事を続けたかったんだけれども仕事と育児の両立の難しさで辞めたというふうに言っております。そのうちの、このピンクの囲みを見ていただきたいんですが、丸の七番、保育園に子供を預けられそうになかったないしは預けられなかったという回答をしている人が一七%ということで、今般の改正はこういった問題に焦点を当てた改正ということになります。
 全国的に見ると、保育園、この一七%という数字が大きいか少ないかということはまた議論の余地があると思いますが、特に都市部のところで局所的に保育園の問題が極めて深刻化しているというところで、保育の問題というのは、この地域のばらつきということを考慮して考える上で、この一七%に焦点を当てるということは決して意義が小さくないというふうに考えます。
 その上で、じゃ育児休業を実際に取れるんですかという問題ですが、先ほどもお話ししましたように、小規模事業所では、この十ページ見ていただくと分かりますが、やはり五人から二十九人といったような小規模の事業所では、育児休業の取得率が、それよりも大きいところに比べて依然として低いという状況があります。また、復職の時期を見ても、十一ページ、めくっていただきまして緑の数字のところ、三か月から六か月未満で復職する割合というのが、五人から二十九人のところは規模間で比較すると割合が高くなっております。
 そういう意味では、やはり人数が少ないところではそんなに長く休めないのかなというような印象を受ける数値なんですが、しかし、五人から二十九人のところでも赤い数値のところ、十か月から十二か月未満のところが二七・三%ありますので、これ、政策的な努力もありまして、小さいところでもだんだん長い期間の育児休業が取れるようになってきてはおります。
 そういう意味では、小規模事業所の問題がないわけではないですが、割合としては大きいとは言えないんじゃないかというふうに評価できるかと思います。
 もう一つ、今回のこの改正のポイントとして、青い数字で示しております、六か月から十か月ぐらいのところで復職しているという人が合計割合で二二・九%おります。これは規模の差というのがそれほど見られないんですが、これが先ほど言いました生まれ月によってゼロ歳のうちに復職している層というように解釈できるかと思います。この人たちがこの右側の数字にあります紫の十二から十八か月未満の人と大体近いような割合を示していますので、この一歳をちょうどまたぐときに、早く復職するか、もう少し長く取るかというところで差が出ているという状況にあります。今般の改正は、この青い数字の層に焦点を当てるものというふうに理解してよいのではないかと思います。
 そういうふうにして、じゃ長く育児休業を取ることがキャリアロスになって女性のキャリア形成にマイナスになるのではないかということが懸念されるわけですが、我々の機構で昨年、企業に向けて、百人以上の規模の企業を対象にして育児休業の制度ないしは取得状況と女性の管理職昇進の関係を集計、分析してみた結果が十二ページにありますが、こちらありますとおり、現行法定を上回る育児休業の制度を用意している企業において、女性の管理職昇進の割合が低いとは一概には言えないという問題があります。
 その一つの理由がなぜかといいますと、十三ページにありますが、法定を上回る育児休業を用意している企業というのは、それだけ女性の管理職登用比率の目標を設定してその登用に向けた取組をするといったように、女性活躍に対してやっぱり力を入れるというか、両立支援と均等政策というのは、どちらが大事ということではなくて両方やるということがやはり今大事で、育児休業というのはあくまでも、先ほど言いましたが、長く休んで子育てをする制度ではなくて、やっぱり離職防止、リテンションを高めるという観点では、やはり制度を充実させる、その中で離職を回避した従業員に対してきちっとしたキャリア形成支援をしていくというこの二段構えでやっていくことが大事ですので、育児休業を拡充したからキャリアにマイナスだという、そういう面はもちろんあるんですが、企業のリアクションとしてやっぱり残った従業員をきちっとキャリアにつなげていくということがうかがえますので、現在の女性活躍推進法との関係でいいますと、今般の改正が必ずしもマイナスに作用するとは言えないんじゃないかなというふうに思います。
 次に、残りの時間で男性の育児休業についてお話しさせていただきますが、依然として、御承知の方も多いと思いますが、男性の育児休業取得率自体は低い水準で推移しておりますが、傾向としましては上昇傾向にありまして、育休を取るということが男性にも徐々に浸透しつつあります。また、育児休業に限らず、企業が独自に設けている配偶者出産休暇あるいは未消化の年休といった形で子育てのために仕事を休むという男性も一定数おります。
 じゃ、なぜ育休を取らないのかということでいいますと、所得の問題というのが一つクローズアップされるんですが、やはり職場の環境、職場の雰囲気として取得しづらいといった問題があるということが次のページに示しております。今、パパ・ママ育休プラスということで男性も取れる育児休業枠というのがあるんですが、こちらに対するニーズも三割程度あるということで、男性の方で関心は高まっているけど、なかなか職場の問題で取りづらいといった問題があります。
 あともう一つ、男性の育児休業を考えていく上で、やはり妻のキャリアとの関係ということを考えていく必要があるかなというふうに思っています。こちらも、昨年度、一昨年、我々の機構で調査した結果ですが、育児休業取得率自体は一日でも取ればカウントされるんですが、じゃ具体的に何日取るんですかという話になりますと、妻が就業している場合と就業していない場合とではっきりとした差があります。女性のキャリア形成の代わりに男性が分担して取るということでいえば、やはり一か月以上の長期休業ということが問題になると思いますが、それには、まずその前提条件として、やっぱり妻がきちっとキャリアを積めているということが大事で、先ほど八ページのグラフに示しましたが、妊娠前に現在でも四分の一ぐらいの女性が仕事を辞めているという状況があります。そういった状況で男性が育休取りましょうと言っても、それはやっぱりどうしても短い期間になるということになりますので、女性のキャリア形成支援を同時にやっていくことが大事かと思います。
 以上のような形で、最後にまとめを示しておりますが、結論としまして、今般の改正によって懸念されるようなことが深刻な問題として影響を及ぼすというようなことは余りないんじゃないかということが目下の調査結果から言えることということで、私の報告を終わらせていただきたいと思います。
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羽生田俊#4
○委員長(羽生田俊君) ありがとうございました。
 次に、村上参考人にお願いいたします。村上参考人。
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村上陽子#5
○参考人(村上陽子君) 労働組合の連合で総合労働局長を務めております村上です。本日は、参考人としてお招きいただき、ありがとうございます。
 私は、雇用保険法等改正法案の内容を議論した労働政策審議会の労働者代表委員を務めております。本日は、雇用保険法、職業安定法について意見を述べさせていただきます。
 まず、雇用保険制度について五点申し上げます。
 一点目は、雇用保険制度の目的についてです。
 雇用保険制度の最大の目的は、雇用保険法第一条にあるとおり、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うことです。そのため、雇用保険制度では、失業等給付の保険事業と、雇用安定事業、能力開発事業から成る雇用保険二事業が行われておりますが、国庫負担に加え、労使が保険料を拠出している制度であることを改めて申し上げておきたいと思います。積立金も失業というリスクに対し労使が積み立ててきたものです。本来の目的以外に財源として用いることができる性質のものでは全くありません。雇用保険制度の見直しに当たっては、労使の意見を最大限尊重いただきたいと思います。
 今回の改正で教育訓練給付も一部拡充されますが、基本手当などの本体給付とのバランスを失してはならないと考えております。この点については、雇用保険部会報告の中でも、雇用保険制度は、失業に際して生活の安定を図りつつ、再就職に向けた支援を行うことを最も基本的な目的としているものであることに鑑みれば、基本手当等の求職者給付が本来の趣旨に沿って十分かつ確実に行われることが最優先であり、その枠組みの中で教育訓練給付等について考えられるべきであると記載されたところです。国会審議におきましても、雇用保険制度の本来の目的を意識した御議論をお願いしたいと思います。
 二点目は、基本手当についてです。
 今回の改正法案では、倒産、解雇等による離職者である特定受給資格者の一部について所定給付日数を拡充する内容が盛り込まれております。
 他方、自己都合離職者など特定受給資格者以外の方への給付は、厳しい財政状況に直面したことから、二〇〇〇年と二〇〇三年に雇用保険法改正によりまして所定給付日数の短縮や給付率の引下げなどの給付抑制が行われ、財政状況が改善した現在も給付水準が引き下げられたままとなっています。
 加えて、自己都合離職者に関しては三か月の給付制限期間が設定されております。この給付制限期間は、元々は一か月であったところ、昭和五十九年七月の改正により現行の三か月とされています。このような対応が取られたのは、昭和五十九年当時、雇用保険財政が逼迫していたことが背景にあります。
 自己都合離職者に対する給付水準が据え置かれていることや給付制限期間が三か月に設定されたままであることについては、積極的な転職を行おうとする自己都合離職者までもが転職を思いとどまってしまうことや、いわゆるブラック企業から脱出を図る場合に離職を思いとどまってしまうといった本来の目的とは違った方向に作用してしまう可能性もはらんでいます。
 今回、特定受給資格者の給付を一部拡充することは、直近の状況をきめ細かに分析し、就職率の低い層に光を当てる対応だと承知しておりますが、特定受給資格者以外についても、直近の雇用情勢や課題を踏まえ、給付を拡充する検討が必要と考えます。
 三点目は、雇い止め離職者への対応についてです。
 雇い止め離職者である特定理由離職者については、現在も、平成二十八年度末までの暫定措置として、所定給付日数を特定受給資格者と同等に扱う措置がとられています。今回の改正法案では、更に五年間暫定措置を延長する内容となっております。
 今回、暫定措置として延長する理由について、先日の参議院本会議において、雇い止め離職者も減少傾向にある一方、非正規で働く方が増加傾向にあることから、引き続き暫定措置として今後の推移を見る旨の政府答弁がなされております。
 状況を踏まえ対応を図ることは重要ですが、雇い止めの不安を抱えながら有期労働契約で働く労働者に対するセーフティーネットを整備するという観点からは、給付を受ける方の人数が多いかどうかで判断するのではなく、救うべき者は救うという考え方に立ち、制度を恒久化することが必要だと考えております。
 四点目は、国庫負担についてです。
 労働者の失業時の生活の安定を図ることは国の責務であり、雇用保険の国庫負担は当然の道理である旨、労働政策審議会などで強く主張してまいりました。政府には、四千万人以上いる雇用保険の被保険者に対する責任を改めて認識いただきたいと考えます。
 昨年十二月の雇用保険部会報告では、国庫負担について、三年間に厳に限定し、法律上もそれを明記した上で、本来負担すべき額の一〇%に相当する額とすることもやむを得ないとした一方で、これらを実施するとしても、国庫負担を速やかに本則に戻すべきであるとの考え方が変わるものではない、労使双方からも平成三十二年度からの国庫負担の本則復帰の実現について、改めて意見が示されたことを明記しました。
 重要な点なので繰り返しますが、労働政策審議会の意思は、平成三十二年度からの国庫負担は、本則の百分の五十五という現行の水準にとどまることなく、本則復帰の実現です。政府には最大限の努力をお願いいたします。
 また、雇用保険部会報告では、国庫負担について変更を加え、その低下につながるような場合も、国の責任の観点から合理的かつ十分な説明が求められることは当然であるとの意見も明記しております。政府には、このような労使の意見も踏まえ、説明責任を十分に果たしていただきたいと考えております。
 五点目として、育児休業期間中の経済的支援については、雇用保険財源によらず、本来は国の責任により一般会計で実施されるべきとの考え方が労働政策審議会での労使の一致した意見です。
 今回の改正では、保育所に入れない場合に限り、育児休業給付を二年まで延長することとしています。緊急的セーフティーネットの措置を講ずることは一定評価できるものの、保育環境の整備は十分でなく、男性の育児休業取得が進まない中では、育児休業期間の延長は育児休業取得が女性に偏る現状を助長する懸念があります。
 保育環境の着実な整備を求めるとともに、二〇二〇年までに男性の育児休業取得率一三%という政府目標を達成するための抜本的な両立支援策を講じていく必要があると考えます。
 次に、職業安定法について述べます。
 求人票で示された労働条件と実際の労働条件が異なるといった相談は、連合が行っている、なんでも労働相談ダイヤルにも多数寄せられています。また、昨年十月にツイッターで詐欺求人に関する投稿を呼びかけたところ、三千件を超える投稿がありました。投稿には、求人票では給与の中に残業代が含まれていることが分からなかった、正社員募集となっていたのに実際は業務委託だったなどの体験談がありました。
 このような問題は働き始めてから分かることも多く、実際には泣き寝入りしている労働者も多くいると考えられます。求職者にとって、求人情報は働く場所を選ぶための不可欠な情報であることは言うまでもなく、実態と懸け離れた不適切な情報によって働く者が不利益を被る現状をこれ以上放置することはできません。
 また、人手不足が深刻化する中においては、求職者を呼び込むために見た目だけ良くしているような求人情報が蔓延することは、誠実に求人を出している真面目な企業にとって不公正な競争がますます加速することにもなりかねません。
 本法案には、虚偽求人を出した求人者を罰則対象とすることや、労働条件明示のルールの見直し、求人不受理の拡大などの施策が盛り込まれています。これらの施策は、不適切な求人情報が提供されることへの一定の抑止効果が期待できるものと考えています。今後運用面でこれらの施策の実効性を高めていくことが重要であり、特に三点について要望します。
 一点目は、労働条件の明示の時期についてです。求職者保護のためには、賃金に固定残業代が含まれるかどうか、裁量労働制が適用されるかどうかなどの重要な情報は、募集時やファーストコンタクトの時点できちんと明示されるべきです。とりわけ新卒者にとっては、入社の直前や入社時に示された労働条件に不満があったとしても、一度きりの新卒採用の機会を棒に振って次年度に別の会社を受け直すという選択はし難く、我慢して入社してしまうことにもなりかねません。こうしたことから、特に新卒者に対しては、募集要項などでできるだけ早い時期にきちんと明示いただくこと、そして、ある程度確定した労働条件は内定時など選択の余地がある段階で明示されるべきと考えます。
 二点目に、本法案では、当初明示した労働条件に変更などがあった場合の明示義務が新設されています。これは、募集時にできるだけきちんとした労働条件を明示することを前提とした上で、労働契約の締結過程において交渉の中で違いが生じた場合には、そのことを確認できるように明示させるという趣旨と理解しています。初めに示しておいた労働条件を都合よく変えていくことを許容するという趣旨のものではないことを改めて確認、周知いただきたいと考えます。また、変更内容の明示も、就労開始の直前ではなく、できる限り早い段階で行われるよう徹底すべきです。
 三点目は、求人広告の掲載などを行う募集情報提供事業の適正化についてです。近年は多様な形態の募集情報提供事業が存在しており、求職者にとっては、利便性が高まる一方で、信頼できる情報の選別が難しくなっています。いかなる事業形態であっても、掲載情報の信頼性が担保される仕組みが求められます。今回、募集情報提供事業者が講ずべき措置を指針で定めることとされ、助言、指導や報告徴収を行うことができる規定も整備されることから、不適正な事業者に対する指導監督が強化されるものと期待します。
 なお、施行後には適宜実態把握などを行い、適正化が進まない場合には法規制を行うことも検討すべきと考えます。
 以上、意見として申し上げます。ありがとうございました。
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羽生田俊#6
○委員長(羽生田俊君) ありがとうございました。
 次に、田島参考人にお願いいたします。田島参考人。
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田島優子#7
○参考人(田島優子君) 弁護士の田島でございます。本日は、参考人としてこの場にお招きいただき、ありがとうございます。
 今回は、労働政策審議会の委員としまして、法案策定の議論に参画してまいりました雇用保険法と育児・介護休業法を中心に意見を述べさせていただきます。
 まず、雇用保険法について申し述べます。
 今回の改正につきましては、近年大きく雇用情勢が改善しました中で、リーマン・ショック時に創設した雇用保険の暫定措置が本年度末に期限を迎えること、また昨年の雇用保険法改正後の状況も踏まえ、給付と負担の両面をどうすべきかという点について議論いたしました。
 第一の論点は、基本手当についてです。
 基本手当は、労働者が失業した際、再就職までの生活を支える最も基本的な給付金であり、リーマン・ショック時に創設された暫定措置が本年度末で期限を迎えることを踏まえて議論を行いました。
 まず、リーマン・ショック時に創設された暫定措置の扱いにつきましては、これまで二回延長されていますが、そもそも、これは厳しい雇用環境下で措置されたものであり、雇用情勢が大きく改善している現在も暫定措置として続けるべきものなのか、果たして今も必要なのか、どのような効果が上がったのか、雇用情勢いかんによらず必要なものであるならば、むしろ暫定措置を続けるのではなく恒久措置とすべきなのではないかといったことを議論いたしました。
 具体的には、現在でも一定の支給実績があることから終了すべきではないという意見があった一方で、給付日数の拡充により就職活動時期が後ろ倒しになるといった弊害があるため、このまま終了すべきという意見もありました。
 議論の結果、暫定措置が厳しい雇用環境下で措置されたものであることを踏まえ、暫定措置については所期の目的を達成したものとして一旦終了した上で、別途、雇用の実態を踏まえ、セーフティーネットの観点から必要な手当として、倒産、解雇等により離職した者で被保険者期間が一年から五年の三十歳から四十五歳の層について所定給付日数を拡充すること、震災により離職した者については給付日数を六十日から百二十日延長できるようにすることなどを恒久措置として手当てするとともに、現行の雇用情勢の下でも更に状況を見極める必要がありますことから、雇用情勢の悪い地域に居住する者の給付日数を六十日延長する暫定措置を五年間実施すること、雇い止めされた有期雇用労働者については所定給付日数を倒産、解雇等による離職者並みに拡充する暫定措置を五年間実施することという結論になりました。
 これらの措置につきましては、失業している全ての方々の給付日数を単純に延ばすというものではなく、これまでの給付による効果等を踏まえ必要な部分について措置したもので、妥当な結論であると考えております。
 第二の論点は、教育訓練給付の拡充です。
 教育訓練給付につきましては、今回、専門実践教育訓練給付の拡充を行うという結論となりました。少子高齢化が進む中で、労働者の職業能力の開発、向上が必要ということにつきましては、恐らく誰にも異論がないと思います。
 一方で、専門実践教育訓練給付は、給付額が場合によっては百万円以上という大きな額になります。他方、基本手当につきましては、離職前の賃金額や被保険者期間によりますが、それほどの額にならない場合もあります。
 雇用保険部会におきましては、雇用保険制度は失業時の生活の安定や再就職の促進が最も基本的な目的であることから、基本手当とのバランスに留意する必要があることや、教育訓練給付の濫給となることがないようにすべきとの意見が出されました。今後は、専門実践教育訓練給付の実施状況をしっかりと把握し、能力開発そして労働者のキャリアアップに資するものであるか否か、検証していくことが必要であると考えます。
 第三の論点は、財政運営です。
 財政面では、今回、雇用保険料率と国庫負担の時限的な引下げを行うこととなりました。雇用保険が失業の際のセーフティーネットであることを考えれば、その財政運営の状況は雇用情勢、経済情勢に大きく左右されます。経済情勢が悪く失業が多発するような状況下にありましては、労働者だけではなく企業にも余裕がありません。そうしたときに財政が悪化すれば保険料を上げざるを得なくなりますが、非常な困難を伴います。そうしたことをできるだけ避けるために保険料の残りを積み立てておくのが積立金であり、これはやはり過去の経験から見ましても一定規模必要です。
 ところが、雇用情勢の改善により、昨今は積立金が一定額積み上がっているのも事実です。過剰な積立ては不要ですから、その部分を還元すべきという考え方にも一理あり、そのためには保険料を下げることになります。今回、必要な給付面での手当てを行っても財政的に安定運営が見込まれるとの大前提の下で、保険料率を更に千分の二引き下げ、労使の負担軽減を行うことといたしました。こうした前提から、この保険料率の引下げは三年間に限定した措置となっております。
 またあわせて、国庫負担につきましても、過去に雇用保険料率と併せて一定程度軽減してきた例があることも踏まえますと、その軽減を行うことはやむを得ないという結論に至りました。もちろん、国庫負担を速やかに本則に戻すべきであるとの考え方が変わるものではなく、これにつきましては、雇用保険部会においても、国庫負担の引下げは三年間に厳に限定すべきであるとの強い意見が示されていることを申し添えます。
 引き続き、育児・介護休業法について申し述べます。
 今回の改善につきましては、平成二十八年八月二日に閣議決定されました未来への投資を実現する経済対策を踏まえ、雇用の継続に特に必要と認められる場合の育児休業期間の延長等を含めた両立支援策について雇用均等分科会で議論いたしました。議論の前提として念頭に置きましたことは、大きく二点ございます。
 一点目は、約八割の市区町村において待機児童数がゼロであるものの、都市部を中心に待機児童が多く見られることが今回の育児休業期間再延長の議論の背景であり、育児休業を取得した労働者が安心して職場復帰できるよう、何よりも保育所等の整備を早急に推し進めることが重要であること。
 二点目は、安倍政権の最重要課題の一つが女性が輝く社会の実現であり、女性活躍推進法が施行されて、多くの企業が女性活躍に向け積極的に取り組み、女性労働者もできるだけ早く職場復帰して様々な両立支援制度を利用しながらキャリアを積むようになり、企業もそれを支援している最中にこの流れを止めることになってはならないことです。
 この二点を大前提としまして、雇用の継続に特に必要と認められる場合の育児休業期間の延長について議論しました結果、保育所等に入所できず離職せざるを得ない労働者も少数ながら存在することを踏まえまして、緊急的なセーフティーネットの一つとして、保育所に入れない場合等に最長二歳までの育児休業期間の再延長を認めることといたしました。
 この延長は、継続就業のために真に必要な期間として利用されることが望ましいですし、あくまでも緊急的なセーフティーネットであり、労働者本人の希望の時期に職場復帰できるよう、保育所等に係る時宜を得た情報提供がなされることが重要です。加えて、必要とされる保育所等の整備がなされれば育児休業期間の再延長は不要となりますので、施行二年後を目途に必要性の検証と見直しを行うことが望まれます。
 なお、育児休業期間の延長に併せまして、育児休業給付の支給期間も最長二歳まで延長されることといたしました。育児休業期間の再延長を認めた場合、現状を鑑みれば、女性が取得する可能性が高いと目されます。このことと男性の育児休業取得率が低い現状を踏まえまして、育児休業にかかわらず、男性が休んで育児をすることを促進していく必要があることが審議会の場でも何度も意見として出されました。これを踏まえて今回の法案に盛り込まれましたのが、育児目的休暇の設定と育児休業等の対象者への事業主の個別周知の努力義務です。また、パパ・ママ育休プラスの利用率が非常に低い現状を踏まえ、パパ・ママ育休プラスの周知徹底と使いにくい要因分析の必要性についても確認されました。
 男性も育児をすることが必要かつ重要ですが、男性も育児をするのが当たり前の社会をつくり上げていくためには、育児休業に限らず、平日も育児ができるような働き方の改革が大事だと考えております。
 雇用均等分科会の場では、このほかに、労働者自身のキャリアを考えると育児休業からの早い職場復帰が望ましいこと、国が労働者本人のニーズに応じて育児休業中や復帰時に活用できる能力開発プログラムの開発や調査研究を行うべきことなどが意見として出されたことも申し添えます。
 労働政策は、何よりも労使において議論を尽くし、その合意を得て行うことが、政策の実効性を確保することから最も重要なことと考えます。今回の雇用保険法改正法案につきましても、労使が議論を尽くして合意に達し、それを基に作成されたものでございます。是非ともその点に御留意を賜りますようお願い申し上げます。
 私も、今後とも労使と議論を重ねながら、より良い労働政策の実現のために力を尽くしてまいりたいと存じます。
 以上でございます。ありがとうございました。
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羽生田俊#8
○委員長(羽生田俊君) ありがとうございました。
 次に、駒崎参考人にお願いいたします。駒崎参考人。
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駒崎弘樹#9
○参考人(駒崎弘樹君) 厚生労働省イクメンプロジェクト座長で、内閣府子ども・子育て会議委員の駒崎と申します。
 今日は、男性の育休というテーマでお話ししたいというふうに思っております。簡単に申し上げますと、このままだと二〇二〇年までに男性の育休取得率一三%というのは夢で終わるというふうな状況になっているということ、そして、それをどうやって解決していくべきかということをお話しできたらなというふうに思っております。
 まず初めに、簡単に自己紹介なんですけれども、私どもは認定NPO法人フローレンスといいまして、小規模認可保育所、あるいは障害児保育、あるいは病児保育、そうした子育て支援サービスを行っているNPOを運営しております。それをしながら厚労省のイクメンプロジェクトというものを二〇一〇年からやっておりまして、イクメンという言葉を世の中に広げて、男性の家事、育児参加を促していこうということを厚労省と共にやってまいりました。
 二〇一〇年当時は、家事、育児に関わる父親を表す言葉というのは存在していませんでした。今から思うと、ちょっと、えっというふうに思われるかもしれませんけれども、当時は父親というもののイメージにそうしたものはなかったわけですね。しかし、それがやっぱり世の中に広げていかなくてはいけない、父親であっても育児や家事に参加するのは当たり前であるという社会をつくっていかなくてはいけないということで、多少ふざけたネーミングなんですけれどもイクメンという言葉を出して、それが人口に膾炙して、三年前の調査ですけれども、イクメンの国民認知率もほぼ一〇〇%に近くなってきたというようなことがあります。そのような取組をしてまいりました。
 個人的に、六歳の娘と四歳の息子がいるんですけれども、二人が生まれたとき、それぞれ男性の育休を取得しました。二か月間取得したんですね。もちろん経営者ですので、いわゆる労働者ではない分、育休ということではないんですけれども、二か月休んで、実際に家事、育児に専念したという経験も持ちます。そんな実際に自分で男性の育休を取った当事者としての知見も併せて今日お話しできたらなというふうに思っております。
 まず、男性育休の現状です。こちらのグラフにあるように、女性の育休取得率が八割を超えているという状況にある中で、男性の育休取得率は二・六五%ということで、非常に低い水準にとどまっています。当初は〇・一二%とかですので、二十年前に比べたら頑張って右肩上がりで上がってきてはいるんですけれども、しかし、いまだにやはり目標数値の一三%というところには届かないという状況になっております。ここからあと数年で五倍にしていくというような状況なんですけれども、なかなか厳しそうな、暗雲が立ち込めているというような状況があります。
 なぜ男性育休取得が進まないのかというところなんですけれども、これは阻害要因としては育休を取得しづらい職場の雰囲気というところを挙げられる方が最も多かったわけなんですね、雰囲気。なかなかそうしたことを言い出しづらい、あるいは男性が育休取りたいんですけれどもと、こう言い出すと、ああ、君は出世を諦めているんだねというようなコミュニケーションをされたりであるとか、この忙しいのに何を言っているんだいということを言われてしまったり、あるいはまた職場の中で一人も男性育休取っている人はいないよねというようなことがあったりということで、なかなか取りづらいというような状況があるということなわけなんですよね。
 そこで、じゃ職場の雰囲気をつくっているのは誰かなといったときに、やはり言い出す相手、つまり上司ですね、上司の雰囲気や態度、姿勢というものを変えなくてはいけないだろうということで、イクボスという言葉を作りました。育児に理解があり、そして育児をハンディではなくて一つの大切な経験としてみなすような、そうした上司ですね、それをイクボスと定義して、イクボスを育てていこうというふうにしていったわけですね。
 厚労省イクメンプロジェクトでは、イクボスアワードという賞をつくりまして、まさにこの人はイクボスだという個人、そしてイクボスを育てている企業を厚労省が表彰するということをして、その雰囲気をつくっていくということをしていったわけです。そうした啓発活動を行ってまいりました。
 さらに、昨今、電通事件などもあって、働き方改革の雰囲気がかなり醸成してきているというふうに言えると思います。幾ら知名度のある企業でもブラック企業だったら勤めたくないですよねというような感覚になってきているんではないかなというふうに思いますし、また、男性で育休を取るということも決して常識外れなことではないというふうには徐々になってきてはいるんではないかなというふうに思うんですが、しかし、数値の方は、先ほども申し上げましたとおり二・数%ということで、非常に心もとない状況になっているということなんですね。
 ですので、ここはより一層施策を加速していかなくては目標が達成できないというふうに思いましたので、ここで私の方から二点提案をさせていただきたいなというふうに思っております。
 一点目は、男性産休をつくってみてはどうかなというふうに思っております。これは、まず男性育休取得者の取得期間を見てみますと、厚労省の平成二十七年度の調査によりますと、一か月未満が八割を超えているというような状況になっています。五日未満というのが一番多いですよね。短いんですよね。やはり、女性が一年取るのに対して、男性、育休といってもまだまだ短いというような状況があります。これは、男性が長期的に職場を離れるということに対しては、やはりまだ心理的に抵抗がある。これは、職場の同僚や上司もそうですし、また取る男性自身もあるというふうに言えるのではないかなというふうに思っております。
 そうした状況がもし前提なのだとしたら、いや、もっと長く取ろうよというふうに言っていくのも一つだと思うんですけれども、そういう抵抗はありますよねと、あるんであれば、短くてもいいからまずは第一歩を踏んでみたらどうですかということで、その育休の手前にもう一つちょっと低い階段をつくっていってはいかがかと、これが男性産休のアイデアなんですね。
 これは、実は諸外国に実例がございまして、フランスでは二〇〇二年に、十一日間、これは土日とか含めると約二週間ということになりますが、父親休暇という名称で、要は生まれたときに休暇を取る、男性産休を法制化したわけでございます。十年たってどうなっているかというと、約七割の対象者がこの父親休暇を取得したという状況になります。そのうち九五%、ほとんどが十一日間、全日数を消化しているというような状況になっております。
 これが一体どのような影響を男性たちに与えたかといいますと、子育て作業の父母負担に関して父親産休の取得者数とクロス調査を行ったと。両者の間に相関関係がある、父親産休を取得した父親はその後も子供の世話により多く参加しているということがデータとして出てきたわけです。それを表すグラフが次のページにありますグラフになるわけなんですけれども、父親取得の有無に対する父親の育児タスクの参加スコアですね。父親休暇を取らなかった父親よりも、父親休暇を取った父親の方が子育てに関わる、実際に手を動かすようになるということになるわけであります。
 これはフランスなので、いや、フランス人は日本人と違いますよねというようなこともあろうかと思うので、ちょっとここには書いていないんですけれども少し調べてきたのが、日本でもちょっと類似の事例があります。それが日本生命さんという生命保険会社さん、彼らは男性育休取得率が一〇〇%なんですね。これすごいなと思うんですけれども、ほとんどが一、二週間です。一、二週間でも育休というふうに言えてしまうので育休一〇〇%ということで、まあ短くてもそれは尊いことですのでいいんですけれども、ほとんど男性産休的なものになっているんですね。
 一〇〇%男性が男性産休を取ったらどうなったかというと、アンケートを取りますと、家事、育児に積極的に関わろうと思うようになったという方が四二%もいらっしゃいますし、また、配偶者の愚痴や悩みを受け止めようと思うようになったという方が四一%。さらに、仕事の面でいうと、部下や後輩の個人的な事情に対してより配慮できるようになったという方が三五%ですし、早く帰るように業務効率を改善するようになったという方が二八%というように、家庭でも仕事でもいい影響がもたらされるようになった。
 なので、フランスに限らず、日本でも同様に、男性に産休を取っていただくことで家事、育児参加するようになるし、仕事でも配慮するようになる、つまり雰囲気を変えられるようになるということが言えるようになってくるわけですね。
 安倍総理は昨年の十二月、まず国家公務員の男性から全員男性産休をというふうに発言されていらっしゃいますので、そういった切り口から始めてはどうかというふうに思うわけでございます。実は、男性の国家公務員の方には配偶者出産休暇というのが二日ありまして、さらに育児参加休暇というのも五日あるわけなんですね。なので、それらをがっちゃんこして男性産休というパッケージにして取っていくということ、つまり既存の制度をいじらなくても、そういったある種見せ方というか、立て付けの形でやっていけるのではないかと。まずは、これを国家公務員の男性の方に一〇〇%取っていただいてというふうにしていけばいいんじゃないかと。今は三〇%なんですけれども、これを高めていくという形で役所から盛り上げていくということができるのではないかなというふうに思います。
 いや、まあ、子供が生まれたときに休みづらいよってあるかもしれません。だけれども、よくよく考えますと、親族が亡くなったら忌引というお休みの制度があるわけなんですよ、忌引。これ、三日とか五日とか休むわけなんですね。だったら、親族が生まれたときも休もうよというふうに言っていくということは、不自然なことではないのではないかというふうに思うわけですね。クールビズもありますし、国がそういった雰囲気をつくっていこうということにある種肩を貸していくということはできるのではないかなというふうに思いますので、是非そういったところ、男性産休というところから始めていってはいかがというのが一つ目でございます。
 また、二つ目の提案です。障害者雇用と同様に、男性の産育休に対しても、取らせない企業に関してはペナルティーを課していくということが必要なのではなかろうかなというふうに思っております。
 皆さんも御案内のとおり、障害者の雇用に関しては法定雇用率というものが設定されていますね。それを下回ると、ペナルティーとして障害者雇用納付金というものを企業は支払わなくてはいけません。ですから、それを達成しよう、頑張ろうということで、障害者の方々を雇用しようということで頑張って、一大マーケットになっているというような状況があるわけなんですね。
 この集められた障害者雇用納付金はどうなっているかといいますと、それを財源として、障害者雇用調整金であるとか報奨金、あるいは在宅就業障害者特例調整金、あるいは在宅就業障害者特例報奨金及び各種助成金の支給に使われているわけです。つまり、ペナルティーで集めたお金を、それでおしまいではなくて、きちんと推奨していく、推進していくための財源として使っていると、いい使われ方をしているわけなんですね。
 これによって、この障害者雇用率やあるいは納付金という、ある種のあめとむちみたいなものかもしれませんが、こうしたものによって障害者の雇用者数というのが非常に増えていて、今四十七万人、過去最高数を記録しているわけなんですね。この制度は、本当に障害者の雇用に資する制度だというふうに言えると思うんです。
 同様に、この男性の産育休というものも、ある一定水準以下の場合、つまり、明確にもう取らせていない、希望があっても取らせないオペレーションをしているという企業に関しては納付金というものを課して、それを財源に企業の子育て支援関連助成金を充実させていくというような形で、ちゃんとやっているところには助成金を、一歩踏み出そうと思っているところには助成金を、そうじゃないところにはペナルティーをというような形で進めていかないと、やはり一三%というところには行かないというふうに思われるわけです。
 女性の育休を伸ばしていく、それ自体は結構かもしれません。しかし、女性の働き方と男性の働き方というのはコインの裏表です。女性の働き方だけ云々しようというのは無理です。男性が変わらなくてはいけない。女性の問題というのは女性だけの問題ではなくて、男性の働き方の問題でもあるんだということが言えるわけなので、是非この男性の働き方改革を推し進める意味においても、男性の産休、育休の推進というものを是非加速していくような施策を打っていただきたいというふうに思っております。
 以上です。
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羽生田俊#10
○委員長(羽生田俊君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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高階恵美子#11
○高階恵美子君 自民党の高階恵美子と申します。
 参考人の皆様におかれましては、御多忙の中、貴重な御意見を賜りまして誠にありがとうございました。
 初めに、参考人の田島参考人にお伺いをしたいと思います。
 今日のプレゼンの中では、専門実践教育のところについて余り触れていただかなかったわけなんですけれども、今回の改正では専門実践教育訓練給付、これが拡充されることとなっております。
 当初、創設された平成十年の当時の教育訓練給付といいますと、いろいろ研修終わってもなかなか就業に結び付かないとか問題があって、種々改正を加えてきました。そして、今の形になったのが平成二十六年の改正だったと思います。そこから三年たって、そろそろその効果が少しずつ見えつつある、この段階でまた更なる給付の拡充をということに乗り出すわけなんですけれども、やはり安定した就業に結び付く資格の取得など専門性の高い研修への参加を促進していくということや、これが実際にキャリア形成あるいは就業継続を支える仕組みの一つとして効果を上げていく、こういうことが非常にこれからも重要になってくるというふうに考えるんです。
 既に二千五百講座ぐらいあると思うんですけれども、この先どういった分野により効果的に活用していくべきと考えるか、少しアイデアがございましたら御意見を伺いたいと思います。
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田島優子#12
○参考人(田島優子君) ただいま先生からお話がありましたように、高度な職業訓練を行うということで、現状、就業人口が減少し、やはり各就業者が高度なスキルを持って職業を行っていくということが非常に重要な時代になっておりますので、そういった高度な訓練というのが非常に有意義で、これまでにも、訓練を受けられた方の中で、非常にスキルが上がって仕事に有益である、あるいは就職がうまくいったというような積極的な御評価もいただいておりますので、そういったものを今後も拡充していくことは必要だと思います。
 それで、私は、女性の活躍が期待される時代でございますので、女性の職業についてスキルアップして社会で活躍が容易になるようなそういった資格の取得ができる講座、そういったものの拡充を是非進めていただきたいというふうに願っております。
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高階恵美子#13
○高階恵美子君 ありがとうございます。
 そういう点では、広報とか、それから活用の道、あるいはその成果のフィードバックみたいなことが非常に重要になってくると思いますし、労政審での役割も非常に大きいんだろうというふうに思います。例えば、制度を活用した者のその後の就業動向であるとか、それから本当に政策目的に合致する成果が得られているのかといったような効果検証、これがやはりこれからは問われてくるんだろうというふうに思いますが、この点についてのアイデアなど、池田参考人、何かお持ちでしょうか。
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池田心豪#14
○参考人(池田心豪君) 済みません、ちょっともう一回よろしいですか、もう一回。
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高階恵美子#15
○高階恵美子君 制度活用をなさった方々のその後の就業動向とか、それから政策目的に合致するような成果が上げられているかどうかといったような効果の検証、制度を改正していくときには、今は比較的ゆとりというか、あるので、こういったような形にという改正も加えることができるわけなんですけれども、雇用情勢含めずっと安定した状態であるとは限りません。それで、次なる改正に向けてやはり効果検証というのは非常に重要だと思うものですから、この点について御意見ございましたらお伺いしたいと思います。
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池田心豪#16
○参考人(池田心豪君) 当機構では、法改正がされた後にはその効果がきちっと検証されているかどうか、効果が現れているかどうかということは継続的に調査をして検討しております。
 例えば、育児休業の離職防止効果についてはもう既に幾度となく調査をして検討しておりますし、また在職者に限れば、例えば育児休業が一定期間を超えて長くなるとやはり管理職昇進等に対してマイナスになるということもデータで確認されておりますので、先ほどありましたように、辞める危機でもない人が長くやっぱり休むとか長い期間短時間勤務をするということになれば、やはりそれはキャリアにマイナスの影響が出るということも確認されております。その一方で、やはりそういった制度がないと辞めてしまうという人がいるのもまた確かでありまして、どういった人が危機的な状況でその制度を必要としているかということも継続的に調査しております。
 そういった中で、大局的に申しますと、なかなか、今家族の育児支援を利用してキャリアを形成するということをしないで夫婦でやりくりする人が増えていますので、そういう人にとってはやっぱりその制度が一定程度必要だというような知見を得ております。
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高階恵美子#17
○高階恵美子君 教育研修制度についてのお尋ねだったんですが、また次の質問に進ませていただきたいと思います。
 今ほど少しお答えもいただいているんですけれども、最近ではテレワークという働き方も少しずつ浸透して利用されるような形になってきているとは思うんですが、やはり出勤するとなりますと、お母さんたちは玄関先で母親の顔から働く戦士へスイッチを切り替えるといったようなことも結構なさっているんじゃないかなというふうに思うんですね。
 今回の育休の取得期間、この期間の延長というのは、退職を忌避して離職防止効果を上げていくという、こういうことももちろん効果としては期待されるわけなんですけれども、乳幼児にとって健全な養育環境が構築される、守られる、こういったような効果も非常に大きいだろうというふうに期待をしています。
 そういう中で、御家庭の中では子育て、一生懸命、お父さん、お母さんやっていくわけなんですけれども、いざやはり仕事に戻るとなると、休暇期間が長期化してまいりますと、それなりのリハビリテーションというんでしょうか、気持ちをそこに持っていくとか最近の状況を把握するとか、こういうことも必要なんじゃないかなというふうに思うんですね。柔らかに戻っていくためのステップ、こういう仕組みというのがこれから少し手厚くしていく必要もあるんじゃないかな、一緒に考えていく必要あるんじゃないかなというふうに思っています。先ほど駒崎参考人も、女性だけの課題ではなくてカップルの課題、そして職場みんなの課題といったような表現ぶりだったと思います。
 池田参考人としては、このステップアップしていくときの、職場復帰するときのもう少し柔らかな仕組みの今後の在り方について、何か今現在お持ちになっていることがありましたらお伺いできれば有り難いなと思います。
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池田心豪#18
○参考人(池田心豪君) 先ほどはちょっと失礼しました。
 御指摘のことは、本当に今企業でも、我々の調査の周辺でいろいろ、労働者の方でもいろいろ耳にすることでして、今まではやっぱり長く休んで長く短時間勤務を取って、階段のようなイメージでステージが変わっていくと。このステージが変わっていくときにやはり労働者の方は非常に不安が多いわけですね、育児休業、全く休んで復職する、あるいは短時間勤務長く取っていきなりフルタイム、しかも残業が付いてくるということになりますので。最近はスロープ的にキャリアを、労働供給量を増やしている。
 その中で、例えば、おっしゃられたようなテレワークということが選択肢にも上がっていますし、あるいは復職を少し早める分、短時間勤務ないしは短日数勤務、週の就業時間を短くするといったことがありましたりとか、あるいは休業期間中にやっぱり完全に職場から離れてしまうのではなくて、社内報を送ったりとかメールを送ったりとかSNSを閲覧できたりとかいったことで、会社と常につながりを持っておくというか、浦島太郎のような状態にならないようにするといった取組をしている企業も比較的いろんなところでお話を聞きます。
 そういう意味で、完全に仕事から離れる、で、復職というよりも、どこかでつながっていく、そういったことが今まさに企業の取組として広がり始めているところだというふうに認識しております。
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高階恵美子#19
○高階恵美子君 ありがとうございます。
 中断をなるべくなくすということもありますし、それから生涯賃金のロスを防ぐといったようなこともあると思うので、それぞれにとってウイン・ウインの関係が図られるような制度改正、これからも私たち一生懸命議論してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
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足立信也#20
○足立信也君 民進党の足立信也です。
 参考人の皆さん、本当にありがとうございます。
 今日は、羽生田委員長の誕生日ということで、ふだんにも増して力が入っていますので、それに応えるべく質問したいと思います。
 今日の参考人の皆さんお越しいただくに当たって、今回の法律改正、四本本則改正あると思うんですが、メーンは雇用保険法と育児休業法だろうと。ですから、何とか男性二人、女性二人にしようということで計画したんですが、二人の男性が二人とも育児休業法をやっていただいて、大変有り難かったです。
 そこで、職場の雰囲気と駒崎さんが発言されました。それももちろんそうですが、私は国の雰囲気というのが大事だと思っています。
 そこで、育児休業の財源論について、村上さん、池田さんの順番でお聞きします。
 消費増税に当たって今までよりも範囲を広げた、使える範囲を広げたのは、医療を高齢者だけではなくて全世代に、そして少子化対策、子育て支援に広げたわけですね。しかし、この育児休業というのはやっぱり雇用保険でやっていると。先ほど村上さん発言ありましたけれども、これは国として、今この国が抱えている一番の問題かもしれない。そこに対して国としてどう財源を使いながらやっていくかという態度というのは極めて大きいと思うんですね。
 その点について、雇用保険財源で育児休業ということ、財源論について、村上さん、池田さんの順番でお答えください。
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村上陽子#21
○参考人(村上陽子君) ありがとうございます。
 私も本日誕生日でございまして、ありがとうございます。済みません。失礼いたしました。
 育児休業給付の財源の問題でございます。当初、育児休業できて、その所得保障をどうしていくのかということについて私ども連合の中でも大きな議論がございました。というのは、やはり、先ほども申し上げましたように、雇用保険というのは失業に備えた給付をするために保険料を集めているのに、それについて育児休業に給付するのかということは組織の中でも様々意見が出されたところでございます。しかし、やはり高齢者の継続給付もありますし、そういった観点から育児休業給付についても一定程度出していこうという結論を得てこれまで取り組んできたところでございます。
 一定程度までは育児休業をされている方あるいは介護休業をされている方のためということで給付を行ってきているところでありますが、しかし、そもそもやはり育児を支援するといったことからすれば、雇用保険という制度ではなくやはり一般財源で行っていくことが筋であろうと、そのための消費税の引上げであったのではないかということも考えておりまして、是非積極的にその方向での検討を進めていただきたいと考えております。
 以上です。
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池田心豪#22
○参考人(池田心豪君) 私も村上参考人と同じでして、雇用保険を財源にする以上は雇用保険制度全体の中でのやっぱり育児休業給付のそのポジションというものを大きく逸脱したことはできないと思いますので、この点はやはり育児に必要だから即座に引上げというのはなかなか技術論として難しいんじゃないかなと思っています。
 あともう一つは、現在就業形態が多様化している中で、雇用と自営の中間的な働き方、請負だったりとかフリーランスだったりとか、あるいは雇用保険に入っていない就業者の方も、先ほど駒崎参考人が経営者の立場でありながらお休みされたというふうにおっしゃっていましたが、そういった方々にとってはむしろ、子育てのために同じく休まなきゃいけない、でも所得の保障はないというそういった状況もありますので、そうしますと、目的、趣旨に照らしてどういった財源を取っていくかということはなかなかこれから多角的な検討が必要かなということがあります。そのように考えております。
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足立信也#23
○足立信也君 ありがとうございます。
 今は、この国は男性の二三%、女性の一一%ぐらいが生涯未婚ですね。しかし、労働者として当然雇用関係にもあるということも大きな財源考える上での要素だろうと私は思います。
 次は、自己都合離職です。この点について村上さんと田島さんにお聞きしたいと思います。
 安倍政権、そして今の政府が進めているのは、成熟産業から成長産業への労働移動だということが大きなテーマの一つです。しかし、そのことを考えて自己都合離職した方の給付の期間も、それから水準も低い。これは目指しているということに対してかなり矛盾があるんではないかと、そのように私は考えますが、その点について村上さんと田島さんの御意見を伺いたいと思います。
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村上陽子#24
○参考人(村上陽子君) ありがとうございます。
 先ほども述べましたけれども、自己都合離職者についての給付水準というものはやはり見直していくべきだろうと考えますし、給付制限期間を三か月も置いていることについても見直していくべきではないかと考えています。転職を進めていくということではありませんけれども、積極的に次の道をステップアップしていくという方々もいらっしゃるのに、それについて後押しをしない、かえって制限をするようなことになっているのが給付制限期間ではないかと考えております。
 また、自己都合離職といっても本当に自己都合離職なのかということも慎重に考えなければならないと考えております。勤め先が違法とは言えないまでもブラック企業的なところであって辞めざるを得なかった方について、速やかに給付をできるような制度にしていくべきだと考えております。
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田島優子#25
○参考人(田島優子君) 雇用保険基本手当と申しますのは、労働者の生活の安定、それから再就職支援を目指す制度でございますので、やはり自己都合で退職された方とそれから倒産、解雇などによりやむなく職を失う方とで給付の内容を変えてきたという実態がございますが、先生おっしゃいますような今の世の中の変化ということを踏まえますと、これの在り方についても今後検討していく余地はあろうかと考えております。
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足立信也#26
○足立信也君 ちょっと時間は短いんですが、もし情報があったら池田さん、村上さんに教えてほしいんです。
 実は、二〇一二年の八月に労働契約法を改正して、有期雇用から無期雇用にと、五年目の転換ですね、これは無期雇用を増やそうという意図でやったんですが、来年の四月に五年を迎える中で、今かなり大きな声として、一斉に雇い止めが始まるんではないかと。これは、法律の趣旨、政府がやってきたこと、あるいはやらなかったことも含めて、そういう声が池田さんのところ、村上さんのところに届いているかどうか、あるいはこれを防ぐためにはどうしたらいいかということを御提案があったらお聞きしたいと思います。
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池田心豪#27
○参考人(池田心豪君) 御指摘のような問題というのは我々も認識しており、一部報道等でそういったことも目にしておりますが、企業の対応全般としましては、そのときが来たからいきなり大量解雇みたいな、雇い止めということにすればやはり業務に大きな支障が出ますので、やっぱり雇い入れる時点でその人材を五年間の間できちっと見極めた上で継続雇用の可否を判断していくということが実態、良心というか、きちっと計画的に人員を管理しているところではそのようにしているというふうに認識しております。
 今、非正規だから、有期契約だからいつでも辞めていただいていいですというような働き方をしているという会社はだんだん減ってきております。やはり非正規の方の戦力化ということが進んでおりますので、どちらかといえば企業としては、戦力化をする人材か、そうでなく一時雇いをする人材かということをきちっと見極めた上での対応をしていくということになると思いますので、大量ということになるかどうかはちょっと私も慎重な見方をしております。
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羽生田俊#28
○委員長(羽生田俊君) 村上参考人、お時間ですので、簡潔にお願いいたします。
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村上陽子#29
○参考人(村上陽子君) はい。ありがとうございます。
 両方の動きがあるというふうに承知しております。人手不足の中から人材を囲い込みたいということで早期に無期転換をされている企業もある一方で、そうではなくて、この四月からの契約でもう一年間で終わりだというように秋ぐらいから準備されて、そういった雇い止めを予告するような企業の動きもあるというふうに聞いておりまして、そういったことを防ぐには、やはり法律制度、簡単に雇い止めすることはできないのだということをきっちり周知していただくことが必要ではないかと考えております。
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