外務委員会

2018-05-16 衆議院 全176発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成三十年五月十六日(水曜日)
    午前八時二十二分開議
 出席委員
   委員長 中山 泰秀君
   理事 小田原 潔君 理事 木原 誠二君
   理事 新藤 義孝君 理事 鈴木 貴子君
   理事 山口  壯君 理事 末松 義規君
   理事 小熊 慎司君 理事 遠山 清彦君
      小渕 優子君    黄川田仁志君
      熊田 裕通君    高村 正大君
      佐々木 紀君    杉田 水脈君
      鈴木 隼人君    辻  清人君
      渡海紀三朗君    中曽根康隆君
      堀井  学君    山田 賢司君
      阿久津幸彦君    篠原  豪君
      宮川  伸君    山川百合子君
      関 健一郎君    岡本 三成君
      岡田 克也君    穀田 恵二君
      丸山 穂高君    井上 一徳君
    …………………………………
   外務大臣         河野 太郎君
   農林水産副大臣      礒崎 陽輔君
   経済産業副大臣      西銘恒三郎君
   内閣府大臣政務官     村井 英樹君
   外務大臣政務官      岡本 三成君
   外務大臣政務官      堀井  学君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  三田 紀之君
   政府参考人
   (内閣官房TPP等政府対策本部政策調整統括官)  澁谷 和久君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 石川 浩司君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 松浦 博司君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    鈴木 量博君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長)            岡   浩君
   政府参考人
   (外務省経済局長)    山野内勘二君
   政府参考人
   (外務省国際法局長)   三上 正裕君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 岸本  浩君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房国際部長)          渡邉 洋一君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           小林 一久君
   外務委員会専門員     小林 扶次君
    —————————————
委員の異動
五月十六日
 辞任         補欠選任
  阿久津幸彦君     宮川  伸君
同日
 辞任         補欠選任
  宮川  伸君     阿久津幸彦君
    —————————————
五月十五日
 沖縄県民の民意尊重と、基地の押しつけ撤回に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一一七二号)
 同(藤野保史君紹介)(第一二三五号)
 沖縄・高江の米軍ヘリパッドを撤去することに関する請願(志位和夫君紹介)(第一一七三号)
 オスプレイの飛行中止と配備撤回に関する請願(藤野保史君紹介)(第一二三四号)
 辺野古新基地建設工事の中止と普天間基地の無条件撤去に関する請願(藤野保史君紹介)(第一二三六号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定の締結について承認を求めるの件(条約第一一号)
     ————◇—————
この発言だけを見る →
中山泰秀#1
○中山委員長 これより会議を開きます。
 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本件審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官石川浩司君、大臣官房審議官松浦博司君、北米局長鈴木量博君、中東アフリカ局長岡浩君、経済局長山野内勘二君、国際法局長三上正裕君、内閣官房内閣審議官三田紀之君、TPP等政府対策本部政策調整統括官澁谷和久君、財務省大臣官房審議官岸本浩君、農林水産省大臣官房国際部長渡邉洋一君及び経済産業省大臣官房審議官小林一久君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
中山泰秀#2
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
中山泰秀#3
○中山委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。宮川伸君。
この発言だけを見る →
宮川伸#4
○宮川(伸)委員 おはようございます。立憲民主党の宮川伸でございます。
 本日は、TPPに関して御質問させていただきます。
 冒頭になりますが、アメリカ大使館のエルサレム移転について、多くの死傷者が出ているということで、今の日本政府の現状認識とそれについての考え方について、最初にコメントいただけますでしょうか。お願いします。
この発言だけを見る →
河野太郎#5
○河野国務大臣 日本政府は、米国がエルサレムに在イスラエル米国大使館を移転するという報道があってから、これがきっかけとなって、中東和平をめぐる状況が一層厳しさを増すことになったり、あるいは中東全体の情勢が悪化し得るという懸念を持っておりました。
 残念ながら、十四日以降、この問題をめぐり暴力的な衝突が起き、多くの方が亡くなられ、また負傷者が出ているというニュースに接し、深く憂慮するとともに、懸念を持って情勢を見ているところでございます。
 日本政府といたしましては、全ての関係者に強く自制を求め、これ以上こうした暴力的な衝突がエスカレートしないことを求めたいと思います。もちろん、パレスチナの人々が平和的なデモをする権利はあるわけでございますが、ややデモが平和的と呼べない状況になっているのも確かでございますし、また、そうしたデモの鎮圧のためにイスラエル軍が実弾を使っているという情報もございます。イスラエルに対しては更に強く自制を求めたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、中東の平和と安定は我が国にも直接大きく影響するものでございますので、日本政府として、これ以上事態が悪化しないよう注視をしつつ、中東和平に向け日本としてできることはしっかりやっていきたい。
 特に、ジェリコの工業団地のプロジェクト、つい先日、パレスチナ、イスラエル、ヨルダンの閣僚をヨルダンの死海リゾートに迎え、四者による閣僚会議を開いて、第二フェーズのスタートに向けて四カ国の合意ができたところでございますので、こうした試みを通じて、日本としても、パレスチナの発展に寄与すると同時に、中東和平にしっかりとコミットしてまいりたいと思っております。
この発言だけを見る →
宮川伸#6
○宮川(伸)委員 ありがとうございます。
 こういうニュースを聞くと、なぜ人は争うのかということで非常に悲しい気持ちになるんですけれども、これ以上死傷者がふえないことを強く願って、TPPの質問に入りたいと思います。
 私の考え方としては、今保護主義が非常に強く台頭してきているということで、懸念を強く持っておりますが、一方で、過剰なグローバリズムということに関しても十分注意をしながらやっていかなければならない。そういった視点できょうは質問できればというように思います。
 最初に、先週、我が党の亀井亜紀子議員が質問をされておりますが、このTPPに入ることで関税がなくなって税収が減るということでありますが、税収がどのぐらい減るのか、そしてその補填分をどうしようと考えているのか、教えていただけますでしょうか。
この発言だけを見る →
岸本浩#7
○岸本政府参考人 お答え申し上げます。
 TPP11協定が我が国の関税収入に及ぼす影響につきましては、協定発効後の輸入動向などについて予測することが困難であることから、正確に見積もることは困難でございます。
 その上で申し上げますと、我が国以外のTPP11協定の交渉参加十カ国からの輸入実績が将来にわたって一定であることなどの仮定のもと、機械的な試算を行いましたところ、TPP11協定による関税収入減少額は、協定発効初年度で二百四十億円程度、協定による関税引下げなどが全て終了する最終年度で七百四十億円程度となるという結果になったところでございます。
 次に、その補填に関するお尋ねでございます。
 ただいま関税収入減少の試算について申し上げましたが、これは、我が国以外の交渉参加十カ国からの輸入実績が将来にわたって一定であることなどの強い仮定を置いた機械的な試算でございます。すなわち、TPP11協定発効後の実際の輸入動向などがどうなるか、具体的に予測することは困難でございます。また、貿易・投資の機会の拡大が国内経済の好循環につながることで我が国の経済成長が見込まれるということもございます。
 これらを踏まえますと、協定発効によって今後の関税収入が実際にどうなるかにつきましては、現時点で確たることを申し上げることは難しいということを御理解いただきたいと存じます。
 いずれにいたしましても、今後の歳入歳出のあり方につきましては、毎年度の予算編成を通じて適切に議論、検討がなされていくものと存じます。
この発言だけを見る →
宮川伸#8
○宮川(伸)委員 今、補填分に関しては、今のところアイデアがないと。一つは、経済的に発展することでそこが補填できるのではないかということでありますが、TPPの12と11で、アメリカが抜けたということで、経済規模がかなり小さくなっているということ。それと、貿易収支で見ますと、昨年で見ますと、アメリカが入ったTPP12であれば我が国日本は黒字の状況だと思うんですが、これが、アメリカが抜けると、11だと赤字になるというように私は認識をしております。
 それとともに、輸出額でいっても、アメリカがTPP12の中で半分以上我が国日本の輸出対象国だというふうに私は認識しておるんですが、こういったところから、やはりアメリカが抜けることでかなり状況が大きく変わっているのではないか。
 そういった中で、今政府の方が見積もっているGDPの押し上げでありますが、アメリカがいたとき、12のときにはGDP二・六%アップということでありますけれども、現在はGDP一・五%というふうな話になっていると思います。約四割減ということでありますが、ちょっと私の根拠のない直観からすると、もうちょっと下がるんじゃないかなというような気があるんですが、ただ、計算からするとそういうことだということであります。
 そういった中で、これはGTAPという経済モデルで計算されているという理解ですけれども、このGDP一・五%を達成させていくというのが一つ大きなポイントだと思うんですが、それを達成させていく上での課題、あるいはクリアしなければならないポイントというものはどのようなものを考えているんでしょうか。
この発言だけを見る →
澁谷和久#9
○澁谷政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年十二月、TPP11の経済効果分析をお示ししたところでございますが、今先生御指摘のGTAPというモデルは、CGEという、経済学の教科書に載っております計量、一般均衡モデルの一種であるわけでございますけれども、これを用いてお示ししたものでございます。私どもの分析では、関税などが減る、あるいは非関税障壁がなくなることによって貿易・投資が盛んになるといった効果に加えて、そうしたものによる生産性向上、労働供給増といったような効果も含めて総合的な試算を行っているところでございます。
 先生、今リスクファクターというふうにおっしゃいましたが、この私どもの数字、結論は、TPPが発効すれば自動的にこうなるというものではなくて、さまざまな政策手段を駆使してTPP11の効果を最大限に発揮するという前提で組み立てられたものでございます。その意味で、TPPによる成長メカニズムをお示しすることで、それに伴う政策、どういうものが必要かということを示す政策分析の一種だというふうに考えているところでございます。
 したがいまして、その実現に向けては、TPP11の早期発効を実現するのはもちろんでございますが、それに加えまして、昨年取りまとめました総合的なTPP等関連政策大綱に盛り込んださまざまな施策、中小企業の海外展開の支援でありますとか国内産業の高度化、高付加価値化、あるいは農林水産業の体質強化といったような各種施策を着実に実施していく必要があるものと考えているところでございます。
この発言だけを見る →
宮川伸#10
○宮川(伸)委員 ありがとうございます。
 もう少し、そのGTAPなんですが、このGTAP、一・五%アップというのがやはり一つ大きなメルクマールになっているのではないかと思うんですが、このGTAPの信頼性というのがどの程度あるのか。あるいは、このGTAPを使って、別のケースでいいんですが、実際にうまく、当たったんだよというような例があるのかどうか、教えていただけますでしょうか。
この発言だけを見る →
澁谷和久#11
○澁谷政府参考人 お答え申し上げます。
 GTAPというのは、グローバル・トレード・アナリシス・プロジェクトという、Pはプロジェクトでありまして、アメリカのパデュー大学に設置されているものであります。一種のモデルを提供しているわけですけれども、それに対して、OECDあるいはWTO、日本国政府もそうですが、アメリカのITC、国際貿易委員会など、先進国の政府機関あるいは各種民間の研究機関などがみんな参加をいたしまして、データベースの更新など、さまざまな研究を合同でやっている、そういう一種のプロジェクトであるわけでございます。
 したがって、そのモデルは、WTOなどの国際機関やアメリカのITC、特にアメリカのITCは長年このモデルを使っているところでございまして、主要国政府でも経済連携の効果を分析する際に広く使用されて、一種の国際標準の分析ツールというふうに言われているところでございます。
 我が国では、私の知る限り政府として初めてこれを用いたのは二〇一三年、TPPの交渉に参加する前の政府統一試算でありまして、その後二〇一五年、TPP12がまとまった後TPPの経済効果分析で用いて、今回が三度目ということになるわけでございます。
 事例といたしましては、USITC、OECD、WTO等々が長年使っているところでございまして、ただ、先進的な機関というものは、独自のアプリケーションを付加をして、ある意味さまざまな改良を加えて分析を行っている、こういうふうに考えているところでございます。
この発言だけを見る →
宮川伸#12
○宮川(伸)委員 ありがとうございます。
 違う視点で、このGTAPで、例えば違うグループだとか、あるいはアプリを変えたりとか、そういう違う条件でやった場合に、TPP11かあるいは12の結果がどういう結果が出ているのか、そういうものがあるのかどうか、教えていただけますでしょうか。
この発言だけを見る →
澁谷和久#13
○澁谷政府参考人 お答え申し上げます。
 GTAPは、モデルと、それからデータベースから成るパッケージであるわけでございます。多くの機関や研究者に利用されている理由は、ユーザーが、自分の分析目的に応じて、提供されているベーシックモデルに改良を加える、アプリケーションを付加したり加工したりする、しかもそれをお互いに、それぞれの改良事例をGTAPのホームページに載っけてみんなで共有しているというところが特徴であるわけでございます。私どもが使用した生産性向上でありますとか労働内生化といったものも、他の研究者等が既に使用しているところでございます。
 GTAPを用いてTPPの経済効果分析を行った事例としては、世界銀行、それからピーターソン研究所、アメリカのITCが試算を出しておるところでございますが、世界銀行それからピーターソン研究所の結果は、たまたまだと思いますけれども、ほぼ私どもの試算と一致しているところでございます。
この発言だけを見る →
宮川伸#14
○宮川(伸)委員 読み物を読んでいると、ほかにも幾つか例があるようでありますが、いろいろな仮定の問題もあるかもしれないので、どの数字が適当なのか、今おっしゃっている中で、政府の試算にかなり信頼性があるのかなというような気がしております。
 そういった中で、先ほど、GTAPの計算をしていく中での仮定の説明が少しありました。これは、輸出入だけではなくて、実際に経済が活性化していく中で、商品の価格が下がるということで、そういった中で需要がふえる、あるいは投資がふえていく、あるいは、企業間の競争が活発になることで効率化あるいはイノベーションが起こっていく、そして、実質賃金が上がっていく中で労働力も要求がふえるというような要素を含めて計算されているというように認識をしております。
 本日、この紙をお配りしておりますが、下の方がTPP11の話になります。結果、GDP一・五%アップの部分で、下の方に輸出と輸入が書いてありますが、輸出分、輸入分、これだけ見るとマイナスなのかもしれないんですけれども、それプラス、今言ったような効果があるので、民間消費、投資、政府消費ということでGDP一・五%アップが維持されるということだというように理解をしております。
 そういった中で、今の日本の経済の状況を見てみると、大手企業でいうと、内部留保が多くなっていてなかなか投資に回らない。国民に関して言えば、将来不安が大きく残っていて貯蓄の方にお金が回ってしまっている、実質賃金がなかなか上がらないというのが今の状況だと思うんですが、このままの状況でGDP一・五%が達成していけるような感じなのか。その点に関してはどのようにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →
澁谷和久#15
○澁谷政府参考人 お答え申し上げます。
 既に御説明いたしましたとおり、TPP11が発効するだけで自動的にこの効果が達成される、そういう分析ではないわけでございます。先ほど申しましたとおり、昨年十一月に改定したTPP等関連政策大綱に基づく施策の着実な実施が求められるところでございまして、そうした政策対応も含めて、こういう結果を期待しているということでございます。
 まずは、そういう意味では、TPP11の早期発効の実現に加えまして、先ほど御指摘いたしましたが、中小企業の海外展開の支援に加えて、国内産業の高付加価値化というのを政策大綱に盛り込んでいるところでございまして、そうした国内産業の活性化、あるいは働き方改革等々も含めました国内の諸施策とあわせて、TPPを契機として、我が国の新しい成長経路に乗せるという政策を総合的に展開していく必要があるというふうに考えております。
この発言だけを見る →
宮川伸#16
○宮川(伸)委員 もう一つ、労働力の問題なんですが、今、このGTAPの計算どおりにいくと、四十六万人ぐらいの労働力増加というような計算になっていると思いますが、逆に、労働力をしっかりと補填できない状況だった場合に、このGDP一・五%がどういうふうになるのか。そういった中で、労働力を入れていかなきゃいけないんですが、今、例えば、保育園の問題だとかいろいろ、介護離職の問題だとか、そのような問題がある中で、海外からの労働力に頼らないと経済活性化がうまくいかないというような考えになっているのか。その点についてお答えいただけますでしょうか。
この発言だけを見る →
澁谷和久#17
○澁谷政府参考人 お答え申し上げます。
 経済効果分析は一種のウイズ・ウイズアウト分析でございまして、TPPがなかった場合とあった場合、この違いを比べるという、そういう分析手法でございますので、二年前の特別委員会でも、労働人口がどんどん減っていく中で労働供給がふえるという結論はおかしいじゃないかという御指摘をいただいたんですが、それは、TPPがなかった場合に比べればこれだけふえる、こういう試算結果だというふうに御理解をいただきたいところでございます。なお、新たに輸入する外国人労働力については、特段の想定を置いていないところでございます。
 国内の労働者、基本的にGTAPは完全雇用モデルであるわけでございますけれども、生産性が向上して経済が拡大することで、新たに働き始める労働者が、TPPがない場合に比べてこれだけふえる、こういうような試算を行っているところでございます。
この発言だけを見る →
宮川伸#18
○宮川(伸)委員 今の労働力のところ、もう少し本当は聞きたいところなんですが、ちょっと時間の関係もあるので、最後に、このエリアに関しては村井政務官さんにぜひお伺いしたいんです。
 今、経済モデルはあくまでもモデルであって、実質的に国がどういうふうになっていくのかというところがやはり重要なポイントだと思います。
 先ほど申していたように、今国内でなかなか将来不安がある中で、消費に回らないだとかそういった保育園の問題だとかそういうものがある中で、これを推し進めていく中で、GDPが例えば一・五%アップになったとしても、結局、格差が非常に開いてしまう、あるいは国民生活が、一般市民の生活でいうと実質賃金がなかなか上がらない、あるいは海外からの労働力によって国内の失業率がふえる、そういうようなことがないというように言えるのかどうか、御所見をお願いいたします。
この発言だけを見る →
村井英樹#19
○村井大臣政務官 宮川委員から、TPPの国民生活への影響、この点について御質問をいただきました。
 TPPは、単にGDPを拡大するのみならず、国民一人一人にとって、域内のさまざまな商品を安く手軽に入手することが可能となり、また、商品の選択肢がふえることによって消費の満足度も高まるものと考えております。
 さらに、先ほど来お話しいただいておりますけれども、昨年末のTPP11協定の経済効果分析では、日本の実質GDPを七・八兆円押し上げると試算をされておりますが、ここでは、貿易・投資の自由化が成長を促すメカニズムだけではなく、消費者、家計にもメリットがもたらされるメカニズムを明らかにしております。
 具体的に、この分析でいえば、関税や非関税障壁が撤廃されることにより小売価格が低下して、家計の負担が減少、実質所得が増加をする。さらに、経済活動が活性化して生産性が向上することで、賃金等も上昇して、四十六万人の新たな雇用が生み出され、家計所得が増加することが期待をされているところでございます。
この発言だけを見る →
宮川伸#20
○宮川(伸)委員 ありがとうございます。
 村井政務官におきましては、お忙しいと思いますので、退席されて大丈夫です。お願いします。
 続きまして、農業分野の方に参ります。
 GDP一・五%アップの中には農業の部分ももちろん含まれていて、その中に仮定も含まれているということでありますが、まず、農業において、食料自給率が、今後TPPに参加した場合にどういうふうに推移をしていくと予想されていますでしょうか。
この発言だけを見る →
礒崎陽輔#21
○礒崎副大臣 お答えいたします。
 昨年十二月に公表したTPP11の定量的な影響試算におきまして、国内農林水産物の生産額への影響とあわせて、食料自給率への影響についてもお示ししたところでございます。
 その中で、具体的には、影響試算の結果、価格の低下による生産額の減少が生じるものの、国内対策により国内生産量が維持されると見込んでおりまして、食料自給率の水準は、平成二十八年度カロリーベースで三八%という水準と同程度になるものと見込んでいるところでございます。
この発言だけを見る →
宮川伸#22
○宮川(伸)委員 最初の私の余り勉強していない段階での認識だと、農作物がたくさん入ってきて農業にかなりのダメージがあるのではないかというようなイメージを持っていたんですが、今の御答弁の中でも、しっかり国内で農業の強化をしていくということで、国際競争力をつけて、その部分、少なくとも食料自給率に関しては下がらない状況でやっていけるんだという御説明だというように思います。
 そういった中で、農業体質強化対策というのがやはり非常にキーになると思いますけれども、今どういう中身になっているかという中で、例えば大規模化だとか機械化、そういうようなところにお金が入っていっていると思うんですが、実際上、その食料自給率が下がらなかったとしても、中小農家の皆さん方が大きく職を失っていくというようなことは予想されないんでしょうか。
この発言だけを見る →
礒崎陽輔#23
○礒崎副大臣 お答えいたします。
 現在、農業の成長産業化に向けて農政を展開しているところでございますが、その中で、将来に向けて農業で生計を立てていく意欲と能力のある農業者、すなわち、地域農業の担い手であれば、経営規模の大小、あるいは、法人、家族経営の別にかかわらず、幅広く支援していくことといたしております。
 今回のTPP対策においても、国内生産が維持されるよう、経営感覚にすぐれた担い手の育成などの体質強化策、また、協定発効に合わせた経営安定対策等、多様な国内対策によって、小規模農家も含め、多様な農業者を支援していくことにしているところでございます。
 また、こうした施策とともに、日本型直接支払制度などの多面的機能を発揮する政策も着実に実施することといたしております。
 これらの取組を総合的に組み合わせながら推進することによりまして、多様な農業者の意欲的な取組をしっかり後押ししてまいりたいと考えているところでございます。
この発言だけを見る →
宮川伸#24
○宮川(伸)委員 この部分、やはり非常に重要だと思っています。多くの農家さんが不安に思われているということ、それとともに、先ほど申したように、GTAPの計算の中にもこれが入っているので、この農業分野で大きくマイナスになった場合、別の部分にも影響が出てくる可能性があるということで、もう一度ちょっとお聞きしたいんですが、今行っている、今プランとして出ているこの農業体質強化対策、これを続けていくことで、しっかりと、生産量を減らすことがなく、食料自給率が下がることなくやっていけるというようにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →
礒崎陽輔#25
○礒崎副大臣 委員の皆さん御承知のとおり、既にTPP対策については、その体質強化策については既に前倒しで一部実施しておりまして、また、TPPが発効した段階でまた追加的な国内対策をやるもの、そういうものもありますので、先ほども言いましたように、そういうことを総合的に組み合わせることによって、規模の大小等にかかわらず、日本の農業をしっかり守っていく、国内生産量はきちんと維持していく、これはもう一番大事なことでございますので、そうなるように、農林水産省といたしましてもしっかりと努力を続けてまいりたいと思います。
この発言だけを見る →
宮川伸#26
○宮川(伸)委員 もう一つ、その今の農業体質強化対策をやっていくということでありますが、TPPという視点で見た場合に、日本の国内農業に大きく政府がお金を入れていく、そして国際競争力をつけていく、そうすると、海外の企業から見ると、それは不当に政府がサポートしているんじゃないかというようにも見えるわけでありますが。
 この農業体質強化対策への支援、あるいは、我が党は戸別所得補償制度に高い関心を持っておりますが、こういったものを農業政策として入れていったときに、例えば、ISD条項だとか他の条項で、こういうものを抑制しなければならないというような条項は、今の中には入っていないんでしょうか。
この発言だけを見る →
渡邉洋一#27
○渡邉政府参考人 お答えいたします。
 TPP協定におきましては、総合的なTPP等関連政策大綱に盛り込まれた体質強化対策など、国内農林水産政策を禁止するような、制約するような規定はないというふうに理解をしております。
この発言だけを見る →
宮川伸#28
○宮川(伸)委員 ありがとうございます。
 もう一つ、今回、12から11ということで、二十二の項目が凍結されております。その多くが知財等にかかわるもので、イノベーションにかかわるものが多く入っています。
 ですから、アメリカがいたときと状況が変わった中で、私は、凍結項目の二十二項目の多くが我が国、日本にとってマイナスになる項目が多いんじゃないかというように思うんですけれども、特に知的財産の部分について、ちょっと残りの時間でできるだけお聞きをしたいんですが。
 その中で、例えば医薬品関係のもので、医薬承認審査に基づく特許期間延長、一般医薬品データ保護、生物製剤データ保護というようなものが凍結をされるわけでありますが、今、バイオの分野というのは成長戦略の一つで、非常に重要な分野だというように思っています。
 そういった中で、AMEDをつくって、そして例えば再生医療も含めたイノベーションの部分に多額の研究費を出しているわけでありますが、そういった状況の中で、なぜこういう項目を凍結するというような判断に至ったのでしょうか。
この発言だけを見る →
山野内勘二#29
○山野内政府参考人 お答え申し上げます。
 TPP11協定では、議員御指摘のとおり、知的財産分野の十一項目を含みます二十二項目を凍結することで合意したところでございます。
 これは、TPP12、オリジナルのTPPが有しているハイスタンダードな水準を維持しながら十一カ国全てが合意に参加できるバランスのとれた協定を実現するために、さまざまな要素を総合的に考慮し、交渉の結果、こういうことになったというところでございます。
 今委員御指摘の医薬品の部分でございますけれども、例えば、特許期間延長にかかわる第十八・四八条の規定の適用ということが凍結されているところでございますけれども、例えばこの医薬品の承認審査に基づきます特許期間延長制度は、我が国においては既に国内法で措置されております。さらに、TPP11に参加しているほかの国でも似たような制度を有していることがございますものですから、本件の項目が凍結されたことによります我が国の医薬品産業への影響は限定的ではないかというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、知的財産を含む凍結項目は、TPP12の協定が有しているハイスタンダードな水準を維持しながら実現した結果だというふうに御理解いただければと思います。
この発言だけを見る →
← 戻る