文部科学委員会
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会
会議録情報#0
平成三十一年三月二十日(水曜日)
午前八時五十分開議
出席委員
委員長 亀岡 偉民君
理事 神山 佐市君 理事 馳 浩君
理事 宮川 典子君 理事 村井 英樹君
理事 義家 弘介君 理事 菊田真紀子君
理事 城井 崇君 理事 鰐淵 洋子君
青山 周平君 池田 佳隆君
今枝宗一郎君 上杉謙太郎君
小此木八郎君 尾身 朝子君
大串 正樹君 大塚 拓君
大西 宏幸君 小林 茂樹君
下村 博文君 白須賀貴樹君
高木 啓君 高橋ひなこ君
津島 淳君 中村 裕之君
西田 昭二君 根本 幸典君
百武 公親君 福井 照君
船田 元君 古田 圭一君
宮内 秀樹君 宮澤 博行君
宮路 拓馬君 八木 哲也君
川内 博史君 中川 正春君
初鹿 明博君 村上 史好君
吉良 州司君 牧 義夫君
稲津 久君 中野 洋昌君
畑野 君枝君 杉本 和巳君
吉川 元君 笠 浩史君
…………………………………
文部科学大臣 柴山 昌彦君
文部科学大臣政務官 中村 裕之君
文部科学大臣政務官
兼内閣府大臣政務官 白須賀貴樹君
参考人
(国立大学法人東京工業大学名誉教授・前学長) 三島 良直君
参考人
(東京大学大学総合教育研究センター教授) 小林 雅之君
参考人
(労働者福祉中央協議会事務局長) 花井 圭子君
参考人
(筑波大学長)
(中央教育審議会大学分科会長) 永田 恭介君
参考人
(東京大学大学院教育学研究科准教授) 両角亜希子君
参考人
(名古屋大学総長) 松尾 清一君
文部科学委員会専門員 吉田 郁子君
—————————————
委員の異動
三月二十日
辞任 補欠選任
高木 啓君 西田 昭二君
中村 裕之君 高橋ひなこ君
根本 幸典君 宮澤 博行君
船田 元君 津島 淳君
宮路 拓馬君 大西 宏幸君
同日
辞任 補欠選任
大西 宏幸君 宮路 拓馬君
高橋ひなこ君 中村 裕之君
津島 淳君 船田 元君
西田 昭二君 高木 啓君
宮澤 博行君 百武 公親君
同日
辞任 補欠選任
百武 公親君 今枝宗一郎君
同日
辞任 補欠選任
今枝宗一郎君 根本 幸典君
—————————————
本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
大学等における修学の支援に関する法律案(内閣提出第二一号)
学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前八時五十分開議
出席委員
委員長 亀岡 偉民君
理事 神山 佐市君 理事 馳 浩君
理事 宮川 典子君 理事 村井 英樹君
理事 義家 弘介君 理事 菊田真紀子君
理事 城井 崇君 理事 鰐淵 洋子君
青山 周平君 池田 佳隆君
今枝宗一郎君 上杉謙太郎君
小此木八郎君 尾身 朝子君
大串 正樹君 大塚 拓君
大西 宏幸君 小林 茂樹君
下村 博文君 白須賀貴樹君
高木 啓君 高橋ひなこ君
津島 淳君 中村 裕之君
西田 昭二君 根本 幸典君
百武 公親君 福井 照君
船田 元君 古田 圭一君
宮内 秀樹君 宮澤 博行君
宮路 拓馬君 八木 哲也君
川内 博史君 中川 正春君
初鹿 明博君 村上 史好君
吉良 州司君 牧 義夫君
稲津 久君 中野 洋昌君
畑野 君枝君 杉本 和巳君
吉川 元君 笠 浩史君
…………………………………
文部科学大臣 柴山 昌彦君
文部科学大臣政務官 中村 裕之君
文部科学大臣政務官
兼内閣府大臣政務官 白須賀貴樹君
参考人
(国立大学法人東京工業大学名誉教授・前学長) 三島 良直君
参考人
(東京大学大学総合教育研究センター教授) 小林 雅之君
参考人
(労働者福祉中央協議会事務局長) 花井 圭子君
参考人
(筑波大学長)
(中央教育審議会大学分科会長) 永田 恭介君
参考人
(東京大学大学院教育学研究科准教授) 両角亜希子君
参考人
(名古屋大学総長) 松尾 清一君
文部科学委員会専門員 吉田 郁子君
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委員の異動
三月二十日
辞任 補欠選任
高木 啓君 西田 昭二君
中村 裕之君 高橋ひなこ君
根本 幸典君 宮澤 博行君
船田 元君 津島 淳君
宮路 拓馬君 大西 宏幸君
同日
辞任 補欠選任
大西 宏幸君 宮路 拓馬君
高橋ひなこ君 中村 裕之君
津島 淳君 船田 元君
西田 昭二君 高木 啓君
宮澤 博行君 百武 公親君
同日
辞任 補欠選任
百武 公親君 今枝宗一郎君
同日
辞任 補欠選任
今枝宗一郎君 根本 幸典君
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
大学等における修学の支援に関する法律案(内閣提出第二一号)
学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)
————◇—————
亀
亀岡偉民#1
○亀岡委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、大学等における修学の支援に関する法律案及び学校教育法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
順次趣旨の説明を聴取いたします。柴山文部科学大臣。
—————————————
大学等における修学の支援に関する法律案
学校教育法等の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————
この発言だけを見る →内閣提出、大学等における修学の支援に関する法律案及び学校教育法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
順次趣旨の説明を聴取いたします。柴山文部科学大臣。
—————————————
大学等における修学の支援に関する法律案
学校教育法等の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————
柴
柴山昌彦#2
○柴山国務大臣 このたび政府から提出いたしました大学等における修学の支援に関する法律案及び学校教育法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
まず、大学等における修学の支援に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
我が国においては急速に少子化が進展しており、これに対処していくことが喫緊の課題となっております。このような状況において、子供を安心して生み育てることができる環境の整備を図っていくことが極めて重要なこととなっております。
この法律案は、このような観点から、真に支援が必要な低所得者世帯の者に対し、社会で自立し活躍することができる豊かな人間性を備えた創造的な人材を育成するために必要な質の高い教育を実施する大学等における修学の支援を行い、その修学に係る経済的負担を軽減するための所要の措置を講ずるものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、大学等における修学の支援は、学資支給及び授業料等減免により行うこととします。これらの支援は、文部科学大臣等の確認を受けた大学、高等専門学校及び専門学校に在学する学生等に対して行うこととしております。
第二に、学資支給は、独立行政法人日本学生支援機構法の定めるところにより、独立行政法人日本学生支援機構が学生等に対して行う学資支給金の支給とし、これに要する費用は政府が補助することとしております。
第三に、授業料等減免は、この法律に定めるところにより、大学等の設置者が学生等に対して行う授業料及び入学金の減免とし、授業料等減免に要する費用は、国及び地方公共団体が支弁することとしております。
このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。
次に、学校教育法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
社会構造の変化やグローバル化が急速に進み、社会が抱える課題も複雑化している今日において、多様な教育、研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより社会の発展に寄与するものとされている大学に求められる役割は、より一層大きいものとなっております。
この法律案は、このような観点から、大学等の管理運営の改善等を図るため、大学等の教育、研究等の状況を評価する認証評価において、当該教育、研究等の状況が大学評価基準に適合しているか否かの認定を行うこととするとともに、国立大学法人が設置する国立大学の学校教育法上の学長の職務を行う大学総括理事の新設、学校法人の役員の職務及び責任に関する規定の整備等の措置を講ずるものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、大学等の教育、研究等の状況を評価する認証評価において、当該教育、研究等の状況が大学評価基準に適合しているか否かの認定を行うことを認証評価機関に義務づけるとともに、適合している旨の認定を受けられなかった大学等に対して、文部科学大臣が報告又は資料の提出を求めることとしております。
第二に、国立大学法人岐阜大学を国立大学法人名古屋大学に統合し、岐阜大学及び名古屋大学を設置する国立大学法人東海国立大学機構とするとともに、国立大学法人が二以上の国立大学を設置する場合その他、その管理運営体制の強化を図る特別の事情がある場合に、その設置する国立大学に係る学校教育法上の学長の職務を行う大学総括理事を置くことができることとする規定を整備することとしております。
第三に、学校法人における役員の職務及び責任並びに財務書類の公表等に係る規定を整備することとしております。
第四に、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構において、国立大学法人等の運営基盤の強化を図るための情報収集、分析等を業務として追加することとしております。
以上が、これらの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
この発言だけを見る →まず、大学等における修学の支援に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
我が国においては急速に少子化が進展しており、これに対処していくことが喫緊の課題となっております。このような状況において、子供を安心して生み育てることができる環境の整備を図っていくことが極めて重要なこととなっております。
この法律案は、このような観点から、真に支援が必要な低所得者世帯の者に対し、社会で自立し活躍することができる豊かな人間性を備えた創造的な人材を育成するために必要な質の高い教育を実施する大学等における修学の支援を行い、その修学に係る経済的負担を軽減するための所要の措置を講ずるものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、大学等における修学の支援は、学資支給及び授業料等減免により行うこととします。これらの支援は、文部科学大臣等の確認を受けた大学、高等専門学校及び専門学校に在学する学生等に対して行うこととしております。
第二に、学資支給は、独立行政法人日本学生支援機構法の定めるところにより、独立行政法人日本学生支援機構が学生等に対して行う学資支給金の支給とし、これに要する費用は政府が補助することとしております。
第三に、授業料等減免は、この法律に定めるところにより、大学等の設置者が学生等に対して行う授業料及び入学金の減免とし、授業料等減免に要する費用は、国及び地方公共団体が支弁することとしております。
このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。
次に、学校教育法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
社会構造の変化やグローバル化が急速に進み、社会が抱える課題も複雑化している今日において、多様な教育、研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより社会の発展に寄与するものとされている大学に求められる役割は、より一層大きいものとなっております。
この法律案は、このような観点から、大学等の管理運営の改善等を図るため、大学等の教育、研究等の状況を評価する認証評価において、当該教育、研究等の状況が大学評価基準に適合しているか否かの認定を行うこととするとともに、国立大学法人が設置する国立大学の学校教育法上の学長の職務を行う大学総括理事の新設、学校法人の役員の職務及び責任に関する規定の整備等の措置を講ずるものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、大学等の教育、研究等の状況を評価する認証評価において、当該教育、研究等の状況が大学評価基準に適合しているか否かの認定を行うことを認証評価機関に義務づけるとともに、適合している旨の認定を受けられなかった大学等に対して、文部科学大臣が報告又は資料の提出を求めることとしております。
第二に、国立大学法人岐阜大学を国立大学法人名古屋大学に統合し、岐阜大学及び名古屋大学を設置する国立大学法人東海国立大学機構とするとともに、国立大学法人が二以上の国立大学を設置する場合その他、その管理運営体制の強化を図る特別の事情がある場合に、その設置する国立大学に係る学校教育法上の学長の職務を行う大学総括理事を置くことができることとする規定を整備することとしております。
第三に、学校法人における役員の職務及び責任並びに財務書類の公表等に係る規定を整備することとしております。
第四に、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構において、国立大学法人等の運営基盤の強化を図るための情報収集、分析等を業務として追加することとしております。
以上が、これらの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
亀
亀
亀岡偉民#4
○亀岡委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
本日午前、大学等における修学の支援に関する法律案審査のため、国立大学法人東京工業大学名誉教授・前学長三島良直君、東京大学大学総合教育研究センター教授小林雅之君、労働者福祉中央協議会事務局長花井圭子君、及び、本日午後、学校教育法等の一部を改正する法律案審査のため、筑波大学長・中央教育審議会大学分科会長永田恭介君、東京大学大学院教育学研究科准教授両角亜希子君、名古屋大学総長松尾清一君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →本日午前、大学等における修学の支援に関する法律案審査のため、国立大学法人東京工業大学名誉教授・前学長三島良直君、東京大学大学総合教育研究センター教授小林雅之君、労働者福祉中央協議会事務局長花井圭子君、及び、本日午後、学校教育法等の一部を改正する法律案審査のため、筑波大学長・中央教育審議会大学分科会長永田恭介君、東京大学大学院教育学研究科准教授両角亜希子君、名古屋大学総長松尾清一君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
亀
亀
亀岡偉民#6
○亀岡委員長 これより質疑に入ります。
ただいま議題となっております両案中、まず、内閣提出、大学等における修学の支援に関する法律案について議事を進めます。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位から一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないこととなっておりますので、あらかじめ御了承ください。
それでは、まず三島参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →ただいま議題となっております両案中、まず、内閣提出、大学等における修学の支援に関する法律案について議事を進めます。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位から一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないこととなっておりますので、あらかじめ御了承ください。
それでは、まず三島参考人にお願いいたします。
三
三島良直#7
○三島参考人 おはようございます。
本日は、この大学等における修学の支援に関する法律案に対する御審議に際して、参考人として意見を述べる機会をいただいたことに、まずは感謝申し上げたいと思います。
昨年の三月まで東京工業大学の学長をしてございまして、科学技術系の国立大学として、教育の質の向上、あるいは研究力の向上ということで、大きな改革を在任中にしたわけでございますけれども、今、順調に滑り出したというような状況でございます。
そして、まず、大学の役割といいますか、そういったところからの観点から三点ほどお話をできればというふうに思うところでございます。
一点目でございますが、まず、将来のよりよいグローバル社会の形成における我が国の役割、それから、その中でのソサエティー五・〇あるいはSDGsへの対応ということで、最も重要と思われるこれからの時代を背負う若者の、高等教育を受ける機会を望みましてこれに貢献しようという志を持つ人たちが家庭の経済的な理由によってその機会を失うことがないように、現在の仕組みに欠けている施策を国策として立ち上げようとする本案に、基本的に大きな賛同を申し上げたいというふうに思います。
二点目でございますが、本日、現法律案の成立、実行に対して、その政策としての妥当性そして公平性を主としたさまざまな危惧が提唱されることは、本件についての一連の有識者会議の主査を務めてきた私にとりましては、よく理解しているというふうに思うところでございます。それらの点につきましては、ここで与野党の議員の皆様方から御質問、御意見をいただけるものと思います。しかし、ここまでの有識者会議の議論については、現段階における最善の方針を立ててきたと私は思ってございますので、それらの御懸念については私の考えを述べさせていただければというふうに思うところでございます。
それから、三点目でございますけれども、何より、まず、高等教育の役目というのは、初等中等教育を受けた若者たちの未来に向けた志を育てるためにあるということでございまして、専門知識を単なる大学における単位の取得という形で義務化するということだけではなく、東京工業大学で例えて申しませば、さまざまな科学技術分野の中で、将来、自分がよりよい社会を築くための貢献を果たすための学びはもとより、将来、人から尊敬される人格を形成するためのさまざまな教養、あるいは多様な人々と触れ合う経験を提供する場でありたいというふうに常に思っているところでございます。そのような場としての大学に志、気概を持つ若者であれば、たとえ経済的に貧しい環境にあっても、できる限りの援助をして迎え入れ、立派な社会人に育てたいと思うところでございます。
国立大学の改革が叫ばれてもうかなりの時間がたってございます。ただ、やはり、国立大学としての使命をしっかりと果たすべく、最もその中で重要なものが教育の質の改善でございますので、その点を十分にわきまえた体制を東工大はつくるとともに、そこに、本当にこれからの世の中をしょって立つぞという気概を持つ学生を受け入れることが非常に重要だと考えますと、今回の法案は非常に重要な意味を持っているというふうに思う次第でございます。
何とぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、この大学等における修学の支援に関する法律案に対する御審議に際して、参考人として意見を述べる機会をいただいたことに、まずは感謝申し上げたいと思います。
昨年の三月まで東京工業大学の学長をしてございまして、科学技術系の国立大学として、教育の質の向上、あるいは研究力の向上ということで、大きな改革を在任中にしたわけでございますけれども、今、順調に滑り出したというような状況でございます。
そして、まず、大学の役割といいますか、そういったところからの観点から三点ほどお話をできればというふうに思うところでございます。
一点目でございますが、まず、将来のよりよいグローバル社会の形成における我が国の役割、それから、その中でのソサエティー五・〇あるいはSDGsへの対応ということで、最も重要と思われるこれからの時代を背負う若者の、高等教育を受ける機会を望みましてこれに貢献しようという志を持つ人たちが家庭の経済的な理由によってその機会を失うことがないように、現在の仕組みに欠けている施策を国策として立ち上げようとする本案に、基本的に大きな賛同を申し上げたいというふうに思います。
二点目でございますが、本日、現法律案の成立、実行に対して、その政策としての妥当性そして公平性を主としたさまざまな危惧が提唱されることは、本件についての一連の有識者会議の主査を務めてきた私にとりましては、よく理解しているというふうに思うところでございます。それらの点につきましては、ここで与野党の議員の皆様方から御質問、御意見をいただけるものと思います。しかし、ここまでの有識者会議の議論については、現段階における最善の方針を立ててきたと私は思ってございますので、それらの御懸念については私の考えを述べさせていただければというふうに思うところでございます。
それから、三点目でございますけれども、何より、まず、高等教育の役目というのは、初等中等教育を受けた若者たちの未来に向けた志を育てるためにあるということでございまして、専門知識を単なる大学における単位の取得という形で義務化するということだけではなく、東京工業大学で例えて申しませば、さまざまな科学技術分野の中で、将来、自分がよりよい社会を築くための貢献を果たすための学びはもとより、将来、人から尊敬される人格を形成するためのさまざまな教養、あるいは多様な人々と触れ合う経験を提供する場でありたいというふうに常に思っているところでございます。そのような場としての大学に志、気概を持つ若者であれば、たとえ経済的に貧しい環境にあっても、できる限りの援助をして迎え入れ、立派な社会人に育てたいと思うところでございます。
国立大学の改革が叫ばれてもうかなりの時間がたってございます。ただ、やはり、国立大学としての使命をしっかりと果たすべく、最もその中で重要なものが教育の質の改善でございますので、その点を十分にわきまえた体制を東工大はつくるとともに、そこに、本当にこれからの世の中をしょって立つぞという気概を持つ学生を受け入れることが非常に重要だと考えますと、今回の法案は非常に重要な意味を持っているというふうに思う次第でございます。
何とぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。拍手
亀
小
小林雅之#9
○小林参考人 おはようございます。
私は奨学金の研究をずっとしておりまして、二つの新しい制度の設計にかかわってまいりまして、三年ほど前にもこの場で奨学金の制度改革について意見を述べさせてもらいました。今回は給付型の大幅な拡大ということでございまして、こういう機会を与えていただいたことについて、まず感謝申し上げたいと思います。
以下、資料に基づいて意見を述べたいと思いますが、私が知り得た限りの資料というのは公表されたものだけであります。新しい経済政策パッケージ、あるいは三島先生がやられた専門家会議、それから骨太の方針、関係閣僚会議の了承事項ということ、それからもちろんこの法律案ということになります。その後に変更とか、あるいは私の誤解があればお許し願いたいと思います。
今申し上げた二つの制度と申しますのは、一つは給付型奨学金でありまして、これは、目的は、非常に厳しい状態にある所得の低い層の進学を促進することが大きな目的であります。これは、日本では初めての公的な制度です。それに対しまして、もう一つの制度は新所得連動型返還制度でありまして、これは目的は、中低所得層の教育費負担の軽減あるいはローン回避と言われる現象を防止するものでありまして、目的も対象も異なる、ただ、二つで大きく日本の奨学制度をカバーするというふうに考えることができると思います。
今般の新制度ですけれども、これは給付型の拡大ということになりますけれども、その特徴といたしましては、まず第一に、何といっても、非常に規模が大きいということであります。
二〇一七年に創設されました給付型奨学金は年額で二十四から四十八万円でしたけれども、今回は、初年度の最高で、授業料と入学金を合わせると約九十六万円、それから給付型奨学金は九十一万円というふうにされておりますので、百八十七万円と極めて大きなものになります。それから、対象者も、現行では住民税非課税世帯なんですけれども、これを年収約三百八十万未満の世帯まで拡大するということでありまして、非常に大きな制度になっております。
それから、授業料減免に関して申し上げますと、現在は制度が、国立大学、公立大学、私立大学、全て異なっております。それから専門学校については、公的支援に関しては、北海道と高知県しかありません。こういう中で、非常に制度を拡大するということは望ましいことであることは言うまでもありません。
それから、これまで公的支援に乏しかった入学金の問題、それから家計急変、これは例えば保護者がリストラされたとか、あるいは離死別で急に家計が苦しくなったような場合ですけれども、こういったものにも対応するということになっておりまして、そういう意味で、進学の促進あるいは中退の防止に役立つというふうに考えられます。
こういう形で給付額及び対象を拡大したという点では、非常にこの新制度は評価できるというふうに考えております。
ただ、幾つか懸念がないわけではございません。
一つは、崖効果と言われる問題でありまして、これは、授業料減免、給付型奨学金とも、制度的に三段階というふうになっております。こういう場合には、崖効果と言われる問題が生じます。これは、受給者と非受給者、あるいは受給者間で格差が大きくなるという問題で、その結果として、モラルハザードが起きるおそれがあります。
高校の就学支援金についても三段階で行われておりますけれども、今度の給付型奨学金あるいは授業料減免は格段に給付額が大きいわけですから、こういったことで、受給者と非受給者、あるいは受給者間でも不公平感、不満感が残るのではないかという懸念があります。
資料を見ていただきたいんですが、資料の二ページ目に各国の制度を示しました。これは文部科学省がつくった制度でありますけれども、フランスでは八段階、アメリカとかドイツでは直線になっておりまして、こういった問題をできるだけ起こさないような制度設計になっております。この辺について、三段階ということは若干懸念があります。
それから、確認要件の問題点です。
これは、高等教育機関、学生は、公的補助、すなわち税金を使うことに対する責任があると考えますが、このため、一定の資格要件や機関の説明責任を果たすということが非常に重要です。
例えば、アメリカでは、アクレディテーションを受けた団体、高等教育機関のみが連邦奨学金の受給資格を持っています。確認要件のうち、大学の情報公開と厳格な成績評価というのは、現在の大学改革でも非常に重要な施策になっております。
ただ、外部理事については、複数任命するということになっております。それから、実務経験のある教員について標準単位数の一割以上配置されているということになっておりまして、これについては、この理由として、大学等の勉学が職業に結びつくことにより格差の固定化を防ぎ、支援を受けた学生が大学等でしっかり学んだ上で、社会で自立し活躍できるようになるように、対象学問追求と実践的教育のバランスがとれている大学等とするため、大学等に一定の要件を求める、こういうような説明がなされているわけです。
国民の税を投入する以上、一定の水準の教育機関でなければならないというのは理解できます。しかし、果たしてこれらの要件が本当に適切かどうか、また、設定されたこれらの数値目標がどのような基準と根拠を持っているのか、十分な説明がなされていないというふうに考えています。
さらに、重要な問題といたしまして、こうした教育機関の選別というのは、生徒の教育機関の選択を制約することになるおそれがあります。奨学金は個人への補助でありますから、個人の選択を基本的には尊重すべきです。現行の給付型奨学金にはこういった確認要件はございません。奨学生を獲得するために、高等機関の間の切磋琢磨が生じるということはあるかもしれませんけれども、最初から高等教育機関を選別するということは疑問です。高校生の進路希望に影響する可能性は非常に強いと思いますし、確認大学等でないことを知らないで進学した場合に、受給することができない、結果として低所得層を排除するということにもなりかねないということがあります。こうした可能性について特に説明がないので、どこまで検討したのかよくわかりません。
さらに、専門家会議では定員充足率などについて新たな条件が定められておりまして、三年連続して八割未満の場合には要件を満たさないということになっております。しかし、現在、介護福祉士の専攻というのはおおむね定員充足率が八割未満という状況になっておりまして、非常に厳しい状況にあります。こういう形で、地域とか、あるいは専攻について考慮せずに一定の基準を課すということは疑問が残ります。
それから、奨学生になった場合には、現行の給付型の場合には、学業成績の著しい不振等が明らかになった場合だけです。これは、卒業してもらうことが大前提ですから、それに対して、成績等が不振の場合には廃止あるいは支給した額について返還を求めるということになっているわけですが、今回は、成績が下位四分の一に属する場合というふうにされておりまして、これは数値による非常に相対的な評価ですから、本人の成績のいかんにかかわらずこういう問題が起こります。こういった奨学生というのは、経済的に非常に困難な学生でありますから、支給打切りになりますと、そのまま休学とか中退につながるおそれがあります。そういう意味で、こういった形式的な要件を定めることがいいのかどうかということも検討する余地があるかと思います。
それから、なぜこういったことになったかということなんですけれども、これは政策決定過程の問題であるというふうに考えています。
パッケージで、まず、二〇一七年の十二月ですけれども、極めて詳細な確認要件が閣議決定されております。これに対して、さまざまな団体が反対論とか批判をしております。これに対して、閣議決定であるために変更ができないということで、その後の制度設計に大きな制約を課したというふうに考えております。
それから、時間的な検討の期間というのもあります。
今までやってきたものについては、一年以上、あるいは、少なくとも十カ月、八カ月の検討を経ているわけですけれども、今回のパッケージについては、四カ月程度しか検討の期間がありません。スピード感を持ってが拙速にならないかどうか。閣議決定は大枠のみで、詳細な検討というのはやはり専門的に行うべきだというふうに考えております。
それから、最後に、もう一つ大きな問題として申し上げたいのは、情報ギャップの拡大ということです。
これは、情報を持っている者と持っていない者の格差が生じるという問題でありまして、例えば、高校の奨学給付金については、受給資格がありながら申請しない保護者が約二万人程度、もう少し少ないという推計もありますが、いずれにいたしましても、かなりの数の人が申請しないでいるという問題があります。
それから、日本学生支援機構の奨学金についても、返還することを、しなければいけないということをそもそも知らなかったという者が、延滞者の場合には半数を超えているという問題があります。これは図の二のところに示したとおりです。
それから、私たちの行った全国調査というのがございますけれども、これによりますと、高校の奨学金の担当者、あるいはそれに最も詳しい方ということで回答していただいたんですけれども、奨学金についての保護者の理解が得にくい、あるいは、家庭の経済的状況を把握するのが難しいという意見が非常に多く出ております。
私が申し上げたいのは、状況が非常に変わってきているということです。
日本では、奨学金の事務というのは、教育機関が厚生補導の一環として行うということが当然視されてきたわけであります。教職員が親身になって、その生徒の家庭の状況に応じて、経済的な支援の情報を提供したり、あるいは奨学金を勧めたりというようなことが行われてきたわけです。しかし、今日では状況は全く異なります。プライバシーの尊重ということから、生徒の家庭の状況を把握するというのは非常に難しくなっております。むしろ、そういうことは避けたいというのが高校の多くの教員の見方です。それなのに、事務的な負担は非常に重たい。そういうことで、詳しくは時間の関係で申し上げませんが、図の四にあるような大きな問題が次々に連鎖しているというふうに考えております。
今後の課題ですけれども、幾つか挙げておりますが、時間の関係で、とにかく強調したいことは、今非常に関係者が努力しているわけでありますけれども、まだ情報が十分に周知されておりません。ですから、このままでいきますと、非常に、少なくても初年度に関しては大きな混乱が起こることが考えられますので、この点に対して予算措置を含む十分な対応をとっていただきたいということであります。高校の場合には、例えば、高校の職員に対する事務の加配というようなことで対応が出されておりますけれども、そういった対応もとらないと、高等教育機関あるいは高校は、非常に事務負担だけ重くなって大変なことになるということになります。
それから、日本学生支援機構に関しましても、独立行政法人でありまして、毎年、運営費交付金が減らされているという状況ですので、これに対しても十分な予算措置が必要だというふうに考えております。
最後に、最初からこの制度というのは完璧なものを求めるというのは非常に難しいと思います。初めての制度でありますので、むしろ制度の見直しということを最初から盛り込んで、絶えず小規模の手直しをするということです。そのためには、奨学金がどのような効果を持っているか、ポジティブ、ネガティブを含めて検証していくということも求められるというふうに思います。
私の意見陳述は以上です。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私は奨学金の研究をずっとしておりまして、二つの新しい制度の設計にかかわってまいりまして、三年ほど前にもこの場で奨学金の制度改革について意見を述べさせてもらいました。今回は給付型の大幅な拡大ということでございまして、こういう機会を与えていただいたことについて、まず感謝申し上げたいと思います。
以下、資料に基づいて意見を述べたいと思いますが、私が知り得た限りの資料というのは公表されたものだけであります。新しい経済政策パッケージ、あるいは三島先生がやられた専門家会議、それから骨太の方針、関係閣僚会議の了承事項ということ、それからもちろんこの法律案ということになります。その後に変更とか、あるいは私の誤解があればお許し願いたいと思います。
今申し上げた二つの制度と申しますのは、一つは給付型奨学金でありまして、これは、目的は、非常に厳しい状態にある所得の低い層の進学を促進することが大きな目的であります。これは、日本では初めての公的な制度です。それに対しまして、もう一つの制度は新所得連動型返還制度でありまして、これは目的は、中低所得層の教育費負担の軽減あるいはローン回避と言われる現象を防止するものでありまして、目的も対象も異なる、ただ、二つで大きく日本の奨学制度をカバーするというふうに考えることができると思います。
今般の新制度ですけれども、これは給付型の拡大ということになりますけれども、その特徴といたしましては、まず第一に、何といっても、非常に規模が大きいということであります。
二〇一七年に創設されました給付型奨学金は年額で二十四から四十八万円でしたけれども、今回は、初年度の最高で、授業料と入学金を合わせると約九十六万円、それから給付型奨学金は九十一万円というふうにされておりますので、百八十七万円と極めて大きなものになります。それから、対象者も、現行では住民税非課税世帯なんですけれども、これを年収約三百八十万未満の世帯まで拡大するということでありまして、非常に大きな制度になっております。
それから、授業料減免に関して申し上げますと、現在は制度が、国立大学、公立大学、私立大学、全て異なっております。それから専門学校については、公的支援に関しては、北海道と高知県しかありません。こういう中で、非常に制度を拡大するということは望ましいことであることは言うまでもありません。
それから、これまで公的支援に乏しかった入学金の問題、それから家計急変、これは例えば保護者がリストラされたとか、あるいは離死別で急に家計が苦しくなったような場合ですけれども、こういったものにも対応するということになっておりまして、そういう意味で、進学の促進あるいは中退の防止に役立つというふうに考えられます。
こういう形で給付額及び対象を拡大したという点では、非常にこの新制度は評価できるというふうに考えております。
ただ、幾つか懸念がないわけではございません。
一つは、崖効果と言われる問題でありまして、これは、授業料減免、給付型奨学金とも、制度的に三段階というふうになっております。こういう場合には、崖効果と言われる問題が生じます。これは、受給者と非受給者、あるいは受給者間で格差が大きくなるという問題で、その結果として、モラルハザードが起きるおそれがあります。
高校の就学支援金についても三段階で行われておりますけれども、今度の給付型奨学金あるいは授業料減免は格段に給付額が大きいわけですから、こういったことで、受給者と非受給者、あるいは受給者間でも不公平感、不満感が残るのではないかという懸念があります。
資料を見ていただきたいんですが、資料の二ページ目に各国の制度を示しました。これは文部科学省がつくった制度でありますけれども、フランスでは八段階、アメリカとかドイツでは直線になっておりまして、こういった問題をできるだけ起こさないような制度設計になっております。この辺について、三段階ということは若干懸念があります。
それから、確認要件の問題点です。
これは、高等教育機関、学生は、公的補助、すなわち税金を使うことに対する責任があると考えますが、このため、一定の資格要件や機関の説明責任を果たすということが非常に重要です。
例えば、アメリカでは、アクレディテーションを受けた団体、高等教育機関のみが連邦奨学金の受給資格を持っています。確認要件のうち、大学の情報公開と厳格な成績評価というのは、現在の大学改革でも非常に重要な施策になっております。
ただ、外部理事については、複数任命するということになっております。それから、実務経験のある教員について標準単位数の一割以上配置されているということになっておりまして、これについては、この理由として、大学等の勉学が職業に結びつくことにより格差の固定化を防ぎ、支援を受けた学生が大学等でしっかり学んだ上で、社会で自立し活躍できるようになるように、対象学問追求と実践的教育のバランスがとれている大学等とするため、大学等に一定の要件を求める、こういうような説明がなされているわけです。
国民の税を投入する以上、一定の水準の教育機関でなければならないというのは理解できます。しかし、果たしてこれらの要件が本当に適切かどうか、また、設定されたこれらの数値目標がどのような基準と根拠を持っているのか、十分な説明がなされていないというふうに考えています。
さらに、重要な問題といたしまして、こうした教育機関の選別というのは、生徒の教育機関の選択を制約することになるおそれがあります。奨学金は個人への補助でありますから、個人の選択を基本的には尊重すべきです。現行の給付型奨学金にはこういった確認要件はございません。奨学生を獲得するために、高等機関の間の切磋琢磨が生じるということはあるかもしれませんけれども、最初から高等教育機関を選別するということは疑問です。高校生の進路希望に影響する可能性は非常に強いと思いますし、確認大学等でないことを知らないで進学した場合に、受給することができない、結果として低所得層を排除するということにもなりかねないということがあります。こうした可能性について特に説明がないので、どこまで検討したのかよくわかりません。
さらに、専門家会議では定員充足率などについて新たな条件が定められておりまして、三年連続して八割未満の場合には要件を満たさないということになっております。しかし、現在、介護福祉士の専攻というのはおおむね定員充足率が八割未満という状況になっておりまして、非常に厳しい状況にあります。こういう形で、地域とか、あるいは専攻について考慮せずに一定の基準を課すということは疑問が残ります。
それから、奨学生になった場合には、現行の給付型の場合には、学業成績の著しい不振等が明らかになった場合だけです。これは、卒業してもらうことが大前提ですから、それに対して、成績等が不振の場合には廃止あるいは支給した額について返還を求めるということになっているわけですが、今回は、成績が下位四分の一に属する場合というふうにされておりまして、これは数値による非常に相対的な評価ですから、本人の成績のいかんにかかわらずこういう問題が起こります。こういった奨学生というのは、経済的に非常に困難な学生でありますから、支給打切りになりますと、そのまま休学とか中退につながるおそれがあります。そういう意味で、こういった形式的な要件を定めることがいいのかどうかということも検討する余地があるかと思います。
それから、なぜこういったことになったかということなんですけれども、これは政策決定過程の問題であるというふうに考えています。
パッケージで、まず、二〇一七年の十二月ですけれども、極めて詳細な確認要件が閣議決定されております。これに対して、さまざまな団体が反対論とか批判をしております。これに対して、閣議決定であるために変更ができないということで、その後の制度設計に大きな制約を課したというふうに考えております。
それから、時間的な検討の期間というのもあります。
今までやってきたものについては、一年以上、あるいは、少なくとも十カ月、八カ月の検討を経ているわけですけれども、今回のパッケージについては、四カ月程度しか検討の期間がありません。スピード感を持ってが拙速にならないかどうか。閣議決定は大枠のみで、詳細な検討というのはやはり専門的に行うべきだというふうに考えております。
それから、最後に、もう一つ大きな問題として申し上げたいのは、情報ギャップの拡大ということです。
これは、情報を持っている者と持っていない者の格差が生じるという問題でありまして、例えば、高校の奨学給付金については、受給資格がありながら申請しない保護者が約二万人程度、もう少し少ないという推計もありますが、いずれにいたしましても、かなりの数の人が申請しないでいるという問題があります。
それから、日本学生支援機構の奨学金についても、返還することを、しなければいけないということをそもそも知らなかったという者が、延滞者の場合には半数を超えているという問題があります。これは図の二のところに示したとおりです。
それから、私たちの行った全国調査というのがございますけれども、これによりますと、高校の奨学金の担当者、あるいはそれに最も詳しい方ということで回答していただいたんですけれども、奨学金についての保護者の理解が得にくい、あるいは、家庭の経済的状況を把握するのが難しいという意見が非常に多く出ております。
私が申し上げたいのは、状況が非常に変わってきているということです。
日本では、奨学金の事務というのは、教育機関が厚生補導の一環として行うということが当然視されてきたわけであります。教職員が親身になって、その生徒の家庭の状況に応じて、経済的な支援の情報を提供したり、あるいは奨学金を勧めたりというようなことが行われてきたわけです。しかし、今日では状況は全く異なります。プライバシーの尊重ということから、生徒の家庭の状況を把握するというのは非常に難しくなっております。むしろ、そういうことは避けたいというのが高校の多くの教員の見方です。それなのに、事務的な負担は非常に重たい。そういうことで、詳しくは時間の関係で申し上げませんが、図の四にあるような大きな問題が次々に連鎖しているというふうに考えております。
今後の課題ですけれども、幾つか挙げておりますが、時間の関係で、とにかく強調したいことは、今非常に関係者が努力しているわけでありますけれども、まだ情報が十分に周知されておりません。ですから、このままでいきますと、非常に、少なくても初年度に関しては大きな混乱が起こることが考えられますので、この点に対して予算措置を含む十分な対応をとっていただきたいということであります。高校の場合には、例えば、高校の職員に対する事務の加配というようなことで対応が出されておりますけれども、そういった対応もとらないと、高等教育機関あるいは高校は、非常に事務負担だけ重くなって大変なことになるということになります。
それから、日本学生支援機構に関しましても、独立行政法人でありまして、毎年、運営費交付金が減らされているという状況ですので、これに対しても十分な予算措置が必要だというふうに考えております。
最後に、最初からこの制度というのは完璧なものを求めるというのは非常に難しいと思います。初めての制度でありますので、むしろ制度の見直しということを最初から盛り込んで、絶えず小規模の手直しをするということです。そのためには、奨学金がどのような効果を持っているか、ポジティブ、ネガティブを含めて検証していくということも求められるというふうに思います。
私の意見陳述は以上です。どうもありがとうございました。拍手
亀
花
花井圭子#11
○花井参考人 おはようございます。労働者福祉中央協議会、中央労福協事務局長の花井と申します。
本日は、このような機会をいただき、まことにありがとうございます。
中央労福協は、二〇一五年より、給付型奨学金制度の創設、奨学金制度の改善、教育費負担の軽減に取り組んでまいりました。その立場から、今回の法案と、昨年末に関係閣僚で合意されました高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針について、意見を述べさせていただきたいと思います。
また、中央労福協は、昨年、奨学金や教育費負担についてアンケート調査を実施し、一万六千五百八十八名から回答を得ることができました。本日、机上に配付させていただいております。本日は、その中から参考になると思われる点も御紹介をしたいと思います。
まず、昨年末の政府方針で、二〇二〇年度より、低所得者層に対して給付型奨学金制度を対象、金額ともに拡充し、大学等の授業料減免についても拡充すること、また、在学中の家計急変時への支援が盛り込まれたことは、前進であり、評価したいと思います。
ただし、法案や制度の詳細については、問題点や明らかにすべき点、さらには、高等教育の負担を軽減するため欠かせない課題で、触れられていない点もあるのではないかと思っております。
第一に、対象を真に支援が必要な低所得者世帯の者に限定していることです。これが高等教育の無償化と言えるでしょうか。
資料図一は日本学生支援機構のデータですが、奨学金を利用している学生の四分の三は、家庭の年収が四百万円以上となっています。つまり、中間層にまで支援を広げない限り、奨学金に頼らないと進学できない状況は依然続くことになります。
図二以降は私たちのアンケートですが、四十歳以上の年収四百万から八百万円の中間層でも、七割前後が子供の教育費に負担感があると回答しています。
図三は、どこまで高等教育の無償化をすべきかを尋ねたところ、年収で限定せず全世帯を対象とすべきを含め、低所得者だけではなく中間層まで無償化すべきとの回答が四割強を占めています。図四の、これから大学等に進学する子供のいる中間層に絞ると、三人に二人が中間層にも広げてほしいと回答しています。
対象者を真に支援が必要な低所得世帯の者と法律で限定することで、低所得者層と中間層の分断や、支援を受ける方へのバッシングやスティグマを生まないか、非常に心配があります。ぜひとも、将来的に支援の対象を中間層に広げていく道筋を明らかにしていただきたいと思います。
また、授業料減免に関しては、現在でも、予算の範囲内ということではありますが、国立大学の場合は、大学院生や年収七百から八百万円の中間層であっても、成績がよければ減免を受けることができます。新たな制度創設で、大学院生や中間層への授業料減免が打ち切られたり、あるいは後退することがあってはならないと思います。この点は、国会審議の中で明確にしていただきたいと思います。
第二に、大学等の機関要件により、進学する大学によっては授業料減免や給付型奨学金制度の支援が受けられないことです。
支援の目的として、大学等での勉学が職業に結びつくとされていますが、本来学びたい学問が制約されないか。また、志望する学校が対象から外れれば、進路にも影響が出ます。教育の質の確保、情報開示の必要性や、経営に問題がある大学等の救済にならないようにということは理解できますが、それは大学等の認可や助成等に当たっての問題であり、それを学生支援の条件とするのは筋が違うのではないかと思います。
機関要件については、学生の選択肢を狭めたり、大学の自治や学問の自由を侵害しないよう、その必要性も含めて十分議論いただき、慎重な運用をお願いいたします。
第三に、支援対象者の個人要件については、高校からの推薦基準や、大学等で学業成績が不良な場合の取扱いがどうなるのか。
特に、成績が下位四分の一に属した場合、そのような場合、支援が打ち切られたり、あるいは既支給額の返還は、学生が進学をちゅうちょしたり、選択肢を狭めることにもつながりかねないため、慎重な対応をお願いしたいと思います。
第四に、授業料引下げの方向性が打ち出されていないことです。
図五は、高等教育関連の負担に関して何を優先的に実現してほしいかを尋ねたものですが、大学などの授業料の引下げが最多となっています。ぜひとも、こうした声を受けとめ、高過ぎる学費を引き下げ、中間層を含めた全体的な学費軽減の方向性を示していただきたいと思います。
第五に、奨学金を返済している方の負担軽減についてです。
私どものアンケートからも、図六から八で明らかなように、奨学金返済の負担に苦しみ、本人も親も返済への不安を抱えながら暮らしています。図九から十にありますように、奨学金返済は、結婚、出産、子育て、仕事の選択など、若者の生活設計にも大きな影響を及ぼしています。これを放置すれば、少子化をより加速することになりかねません。
返済困難者に対する喫緊の対策として、本年四月以降に返済猶予の時期が切れることに対応した猶予期間の延長や、民法改正に合わせた延滞金賦課率の引下げ、保証のあり方について見直しを早急に行うことが必要ではないかと思います。
第六に、消費税増収分の使途についてです。
今回の支援対象者数は七十五万人程度、所要額は約七千六百億円と試算されています。これは低所得者世帯の高等教育進学率が全世帯平均の八割まで上昇するという想定ですが、目標達成までの間、試算所要額との差額はどのように使われるのか、明らかにしていただくようお願いいたします。
最後に、二〇一七年の日本学生支援機構法改正の附帯決議は、貸与型奨学金制度は無利子であるべきことや、所得連動返還型奨学金制度の適用対象の拡大の検討、日本学生支援機構の体制整備などが盛り込まれましたが、残念ながら進展してはおりません。国会として、附帯決議の進捗状況を点検し、一歩でも前進させていただくとともに、施行四年後の見直し時期以前であっても、必要な改善は行っていただきますようお願いいたします。
国会審議を通じて、本法案の懸念が払拭され、学費の引下げや中間層を含めた支援策の拡充、奨学金返済者の負担軽減への展望が見えるような方向性を国会の意思として明らかにしていただきますよう強く要望し、意見とさせていただきます。
ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような機会をいただき、まことにありがとうございます。
中央労福協は、二〇一五年より、給付型奨学金制度の創設、奨学金制度の改善、教育費負担の軽減に取り組んでまいりました。その立場から、今回の法案と、昨年末に関係閣僚で合意されました高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針について、意見を述べさせていただきたいと思います。
また、中央労福協は、昨年、奨学金や教育費負担についてアンケート調査を実施し、一万六千五百八十八名から回答を得ることができました。本日、机上に配付させていただいております。本日は、その中から参考になると思われる点も御紹介をしたいと思います。
まず、昨年末の政府方針で、二〇二〇年度より、低所得者層に対して給付型奨学金制度を対象、金額ともに拡充し、大学等の授業料減免についても拡充すること、また、在学中の家計急変時への支援が盛り込まれたことは、前進であり、評価したいと思います。
ただし、法案や制度の詳細については、問題点や明らかにすべき点、さらには、高等教育の負担を軽減するため欠かせない課題で、触れられていない点もあるのではないかと思っております。
第一に、対象を真に支援が必要な低所得者世帯の者に限定していることです。これが高等教育の無償化と言えるでしょうか。
資料図一は日本学生支援機構のデータですが、奨学金を利用している学生の四分の三は、家庭の年収が四百万円以上となっています。つまり、中間層にまで支援を広げない限り、奨学金に頼らないと進学できない状況は依然続くことになります。
図二以降は私たちのアンケートですが、四十歳以上の年収四百万から八百万円の中間層でも、七割前後が子供の教育費に負担感があると回答しています。
図三は、どこまで高等教育の無償化をすべきかを尋ねたところ、年収で限定せず全世帯を対象とすべきを含め、低所得者だけではなく中間層まで無償化すべきとの回答が四割強を占めています。図四の、これから大学等に進学する子供のいる中間層に絞ると、三人に二人が中間層にも広げてほしいと回答しています。
対象者を真に支援が必要な低所得世帯の者と法律で限定することで、低所得者層と中間層の分断や、支援を受ける方へのバッシングやスティグマを生まないか、非常に心配があります。ぜひとも、将来的に支援の対象を中間層に広げていく道筋を明らかにしていただきたいと思います。
また、授業料減免に関しては、現在でも、予算の範囲内ということではありますが、国立大学の場合は、大学院生や年収七百から八百万円の中間層であっても、成績がよければ減免を受けることができます。新たな制度創設で、大学院生や中間層への授業料減免が打ち切られたり、あるいは後退することがあってはならないと思います。この点は、国会審議の中で明確にしていただきたいと思います。
第二に、大学等の機関要件により、進学する大学によっては授業料減免や給付型奨学金制度の支援が受けられないことです。
支援の目的として、大学等での勉学が職業に結びつくとされていますが、本来学びたい学問が制約されないか。また、志望する学校が対象から外れれば、進路にも影響が出ます。教育の質の確保、情報開示の必要性や、経営に問題がある大学等の救済にならないようにということは理解できますが、それは大学等の認可や助成等に当たっての問題であり、それを学生支援の条件とするのは筋が違うのではないかと思います。
機関要件については、学生の選択肢を狭めたり、大学の自治や学問の自由を侵害しないよう、その必要性も含めて十分議論いただき、慎重な運用をお願いいたします。
第三に、支援対象者の個人要件については、高校からの推薦基準や、大学等で学業成績が不良な場合の取扱いがどうなるのか。
特に、成績が下位四分の一に属した場合、そのような場合、支援が打ち切られたり、あるいは既支給額の返還は、学生が進学をちゅうちょしたり、選択肢を狭めることにもつながりかねないため、慎重な対応をお願いしたいと思います。
第四に、授業料引下げの方向性が打ち出されていないことです。
図五は、高等教育関連の負担に関して何を優先的に実現してほしいかを尋ねたものですが、大学などの授業料の引下げが最多となっています。ぜひとも、こうした声を受けとめ、高過ぎる学費を引き下げ、中間層を含めた全体的な学費軽減の方向性を示していただきたいと思います。
第五に、奨学金を返済している方の負担軽減についてです。
私どものアンケートからも、図六から八で明らかなように、奨学金返済の負担に苦しみ、本人も親も返済への不安を抱えながら暮らしています。図九から十にありますように、奨学金返済は、結婚、出産、子育て、仕事の選択など、若者の生活設計にも大きな影響を及ぼしています。これを放置すれば、少子化をより加速することになりかねません。
返済困難者に対する喫緊の対策として、本年四月以降に返済猶予の時期が切れることに対応した猶予期間の延長や、民法改正に合わせた延滞金賦課率の引下げ、保証のあり方について見直しを早急に行うことが必要ではないかと思います。
第六に、消費税増収分の使途についてです。
今回の支援対象者数は七十五万人程度、所要額は約七千六百億円と試算されています。これは低所得者世帯の高等教育進学率が全世帯平均の八割まで上昇するという想定ですが、目標達成までの間、試算所要額との差額はどのように使われるのか、明らかにしていただくようお願いいたします。
最後に、二〇一七年の日本学生支援機構法改正の附帯決議は、貸与型奨学金制度は無利子であるべきことや、所得連動返還型奨学金制度の適用対象の拡大の検討、日本学生支援機構の体制整備などが盛り込まれましたが、残念ながら進展してはおりません。国会として、附帯決議の進捗状況を点検し、一歩でも前進させていただくとともに、施行四年後の見直し時期以前であっても、必要な改善は行っていただきますようお願いいたします。
国会審議を通じて、本法案の懸念が払拭され、学費の引下げや中間層を含めた支援策の拡充、奨学金返済者の負担軽減への展望が見えるような方向性を国会の意思として明らかにしていただきますよう強く要望し、意見とさせていただきます。
ありがとうございました。拍手
亀
亀
馳
馳浩#14
○馳委員 おはようございます。
参考人の方には、御礼申し上げたいと思います。
自己紹介から始めますが、この給付型奨学金制度、高等教育において絶対に必要だという確信的な考えのもとに、当時、大臣時代にいろいろ答弁をさせていただきました。あの当時を思うと、一歩、二歩先に進んだかなと思いますが、百歩進まなければいけないことを考えると、まだ二歩目だなというのが率直な私の感想であります。
したがいまして、お三方からいただいた御意見はもっともだなと思いながらも、また、そうはいっても、公的資金を使うわけでありますから、国民に対する説明責任を果たしながら、また、高校関係者、大学関係者にも理解を求める作業として、私は、この参考人質疑や委員会質疑を重要な場として有効に活用させていただきたい、こういう観点で、幾つか参考人の御意見に質問させていただきたいと思います。
実は、私が大臣答弁のときに給付型奨学金制度創設の話をするたびに、私の耳元で麻生財務大臣が、財源、財源と、百回ぐらい、私が答弁しようとすると、財源とつぶやくんですよ。その威圧的な言葉に私もちょっと気が引けそうになりながらも、しかしながら、この四ポイントについては常に答弁をさせていただいたと思っています、財源のあり方、それから対象、それから規模をどうするか、そして社会的な評価。この四点について議論を煮詰めながらも、給付型奨学金制度としては必要だと。
実は当時、二〇一五年から一六年にかけては、いわゆる児童養護施設にいるお子さんたちの修学の支援として、わずか五年間の時限制度として給付型奨学金制度があったわけでありますけれども、到底それでは本来の趣旨には合わないということで、制度にすべきだということで、とりわけ三島先生にはお世話になったと御礼申し上げます。
そこで、おっしゃったとおりに、妥当性と公平性の議論、この創設に当たって、逆に私はここで終わってはいけないと思っていて、更に中間所得層まで拡充していくべきだ。将来的には、私はJ—HECSの提唱者でありますから、そのことも今後質疑では大臣ともやりとりしたいと思いますが、中間所得層までという一歩手前のこの今の段階において、この制度の妥当性や公平性について、どういうふうにちゃんと国民に理解を求める説明をすべきか、この論点をちょっとお示しをいただければと思います。
この発言だけを見る →参考人の方には、御礼申し上げたいと思います。
自己紹介から始めますが、この給付型奨学金制度、高等教育において絶対に必要だという確信的な考えのもとに、当時、大臣時代にいろいろ答弁をさせていただきました。あの当時を思うと、一歩、二歩先に進んだかなと思いますが、百歩進まなければいけないことを考えると、まだ二歩目だなというのが率直な私の感想であります。
したがいまして、お三方からいただいた御意見はもっともだなと思いながらも、また、そうはいっても、公的資金を使うわけでありますから、国民に対する説明責任を果たしながら、また、高校関係者、大学関係者にも理解を求める作業として、私は、この参考人質疑や委員会質疑を重要な場として有効に活用させていただきたい、こういう観点で、幾つか参考人の御意見に質問させていただきたいと思います。
実は、私が大臣答弁のときに給付型奨学金制度創設の話をするたびに、私の耳元で麻生財務大臣が、財源、財源と、百回ぐらい、私が答弁しようとすると、財源とつぶやくんですよ。その威圧的な言葉に私もちょっと気が引けそうになりながらも、しかしながら、この四ポイントについては常に答弁をさせていただいたと思っています、財源のあり方、それから対象、それから規模をどうするか、そして社会的な評価。この四点について議論を煮詰めながらも、給付型奨学金制度としては必要だと。
実は当時、二〇一五年から一六年にかけては、いわゆる児童養護施設にいるお子さんたちの修学の支援として、わずか五年間の時限制度として給付型奨学金制度があったわけでありますけれども、到底それでは本来の趣旨には合わないということで、制度にすべきだということで、とりわけ三島先生にはお世話になったと御礼申し上げます。
そこで、おっしゃったとおりに、妥当性と公平性の議論、この創設に当たって、逆に私はここで終わってはいけないと思っていて、更に中間所得層まで拡充していくべきだ。将来的には、私はJ—HECSの提唱者でありますから、そのことも今後質疑では大臣ともやりとりしたいと思いますが、中間所得層までという一歩手前のこの今の段階において、この制度の妥当性や公平性について、どういうふうにちゃんと国民に理解を求める説明をすべきか、この論点をちょっとお示しをいただければと思います。
三
三島良直#15
○三島参考人 ありがとうございます。
この制度につきましては、先ほど小林先生からも御説明ございましたが、給付型の、今回の、今議論をしている法律案については、確かに時間的に十分な時間をかけたかというところ、ここは一つ、やはり進め方の中で難しいところであったというふうに思います。そういうことで、今の、どの範囲までやるか、それから対象とする者をどのぐらいにするか、それから額はどうするか、その他さまざまなことについて、十分な議論を詰めた上での結論になっているとは私も思わないところがございます。
ただ、とにかく理念として一番重要なところが、勉強をちゃんとしたい、社会で活躍をしたいと思うけれども、経済的な理由で高等教育を受けられない人たちをどうやって救うかということ、これは間違いなく非常に重要なことであり、もしできることなら、できるだけ早くそういったシステムを動かしていくということ、これに関しては余り反対はなかったというふうに思うところでございます。
ですので、制度的な論点は、今もう既に申し上げたとおり、それから小林先生、花井先生が言われたとおりの論点についてさまざまな意見を交わしましたけれども、まず最低限、ここの、これだけのところからスタートしましょうということに関しては、委員の中では了解を得たということでございますので。
私も、この制度は、とにかく動かしつつ、そして検証しつつ、効果に対する評価をしつつ、それから、大学の資格であるとか、あるいは、給付型の奨学金を受けた学生の勉強に対する成果、例えば成績がどうだとかいうようなことも、いろいろな御指摘がございますが、そういったものが、より明快であり、国民の皆様方にとっても理解できるものにしていくのにこれから時間がかかることではないかというふうに思うところでございます。
法律の中にも、四年後には一度大きく見直すんだ、大きく見直すかどうかわかりませんが、見直しをしてよりよい制度にしていくんだという考え方があるために、ここでスタートするという形をとるのでいいだろうというのが私の主査としての考え方でございました。
ということで、問題点につきましてはもうお二人の参考人の方からいろいろ挙げていただいておりましたが、その点につきましても決して検討をしなかったわけではなくて、その点についての進め方ということで御了解を得たので、今回はこれでスタートしたい、私の意見はそういうふうに思ってございます。
よろしいでしょうか。
この発言だけを見る →この制度につきましては、先ほど小林先生からも御説明ございましたが、給付型の、今回の、今議論をしている法律案については、確かに時間的に十分な時間をかけたかというところ、ここは一つ、やはり進め方の中で難しいところであったというふうに思います。そういうことで、今の、どの範囲までやるか、それから対象とする者をどのぐらいにするか、それから額はどうするか、その他さまざまなことについて、十分な議論を詰めた上での結論になっているとは私も思わないところがございます。
ただ、とにかく理念として一番重要なところが、勉強をちゃんとしたい、社会で活躍をしたいと思うけれども、経済的な理由で高等教育を受けられない人たちをどうやって救うかということ、これは間違いなく非常に重要なことであり、もしできることなら、できるだけ早くそういったシステムを動かしていくということ、これに関しては余り反対はなかったというふうに思うところでございます。
ですので、制度的な論点は、今もう既に申し上げたとおり、それから小林先生、花井先生が言われたとおりの論点についてさまざまな意見を交わしましたけれども、まず最低限、ここの、これだけのところからスタートしましょうということに関しては、委員の中では了解を得たということでございますので。
私も、この制度は、とにかく動かしつつ、そして検証しつつ、効果に対する評価をしつつ、それから、大学の資格であるとか、あるいは、給付型の奨学金を受けた学生の勉強に対する成果、例えば成績がどうだとかいうようなことも、いろいろな御指摘がございますが、そういったものが、より明快であり、国民の皆様方にとっても理解できるものにしていくのにこれから時間がかかることではないかというふうに思うところでございます。
法律の中にも、四年後には一度大きく見直すんだ、大きく見直すかどうかわかりませんが、見直しをしてよりよい制度にしていくんだという考え方があるために、ここでスタートするという形をとるのでいいだろうというのが私の主査としての考え方でございました。
ということで、問題点につきましてはもうお二人の参考人の方からいろいろ挙げていただいておりましたが、その点につきましても決して検討をしなかったわけではなくて、その点についての進め方ということで御了解を得たので、今回はこれでスタートしたい、私の意見はそういうふうに思ってございます。
よろしいでしょうか。
馳
馳浩#16
○馳委員 恐らく、給付型奨学金制度の拡充案を更に拡充させるためにスタートさせるということにはそんなに異論はないと思うんですが、やはり妥当性と公平性と規模については、まだまだ、実は提唱していた私ですら物足りないという気持ちがあるというのは、一つ率直に表明しておきたいと思います。
したがって、評価は、法律上は四年後、つまり一ラウンド、一年生から四年生まで回った後まず評価をするというのが妥当だとは思いますが、私は大規模な見直しが必要であるという認識をまず持っているということを申し上げた上で、四年後以降のことも見通しながら、この財源について、実は我が党内におきましても、厚生労働族議員の皆さんから随分反対というか批判を受けたんですよ、何で消費税の増税で使うんだと。逆に、私たち文教族議員は、うるさい、財源論というのは言い始めたら切りがないんだ、切りがない。
したがって、私たちは、むしろ、次の消費税増税のときには教育目的の消費税にすべきだという議論まで闘わせながら今回は落ちついた、こういったところでありまして、お互いに、厚生労働族議員からも文教族議員からも、みんながみんな納得したわけではなかったんです。だけれども、財源を一定程度確保してスタートして拡充しないと、これは人生百年時代における我が国の将来にとって禍根を残すことになるから、まずはスタートさせようという政治的な判断だったと私は思っています。
そこでなんですが、この財源についてもいろいろな議論があったんですよ。どういう議論があったかというと、教育に対する投資は乗数効果が高いので、投資と考えれば、教育国債として交付国債のような形で出せばいいじゃないかという議論が実は主流でありました。税でいえば、消費税を教育目的にするかという部分と、今回のような選択肢、あるいは相続税、贈与税などを減免して教育に回すかという案、さらには、隣にいる村井さんが提唱していたこども保険というふうな議論もあったんですよ。
財源論については一年間かけて大変な議論をした後、最終的には総理の判断で消費税ということに落ちつきましたが、私は、財源論についても今後とも議論は深めていかないと、そのことが国民に対しての説明責任、妥当性、公平性、これに答えを出していけないと思っておりますが、この財源論について、もっといい財源があるじゃないか、あるいは消費税、今回の増税にあわせて落ちついたということについて、御意見があれば、三島参考人にお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →したがって、評価は、法律上は四年後、つまり一ラウンド、一年生から四年生まで回った後まず評価をするというのが妥当だとは思いますが、私は大規模な見直しが必要であるという認識をまず持っているということを申し上げた上で、四年後以降のことも見通しながら、この財源について、実は我が党内におきましても、厚生労働族議員の皆さんから随分反対というか批判を受けたんですよ、何で消費税の増税で使うんだと。逆に、私たち文教族議員は、うるさい、財源論というのは言い始めたら切りがないんだ、切りがない。
したがって、私たちは、むしろ、次の消費税増税のときには教育目的の消費税にすべきだという議論まで闘わせながら今回は落ちついた、こういったところでありまして、お互いに、厚生労働族議員からも文教族議員からも、みんながみんな納得したわけではなかったんです。だけれども、財源を一定程度確保してスタートして拡充しないと、これは人生百年時代における我が国の将来にとって禍根を残すことになるから、まずはスタートさせようという政治的な判断だったと私は思っています。
そこでなんですが、この財源についてもいろいろな議論があったんですよ。どういう議論があったかというと、教育に対する投資は乗数効果が高いので、投資と考えれば、教育国債として交付国債のような形で出せばいいじゃないかという議論が実は主流でありました。税でいえば、消費税を教育目的にするかという部分と、今回のような選択肢、あるいは相続税、贈与税などを減免して教育に回すかという案、さらには、隣にいる村井さんが提唱していたこども保険というふうな議論もあったんですよ。
財源論については一年間かけて大変な議論をした後、最終的には総理の判断で消費税ということに落ちつきましたが、私は、財源論についても今後とも議論は深めていかないと、そのことが国民に対しての説明責任、妥当性、公平性、これに答えを出していけないと思っておりますが、この財源論について、もっといい財源があるじゃないか、あるいは消費税、今回の増税にあわせて落ちついたということについて、御意見があれば、三島参考人にお願いしたいと思います。
三
三島良直#17
○三島参考人 財源の話はとても難しいところでございまして、誰もが納得するやり方になったかどうかというのは甚だ疑わしいところもあるかと思います。ただ、大学の人間として思うことは、やはり若い人たちの教育、人材育成、初等中等教育も含めて、これは我が国にとって最優先にやるべきことである。
したがって、その中の、教育をよくしていく、人材育成に必要な資源をどういうふうに投入するかというところは、やはりこれは政府の決断だろうというふうに思いますので、消費税からやるのがいいのかどうかというような議論はあるとしても、私がやってまいりましたこの件に関する有識者会議の中では、これはむしろ政府マターであろうというふうなことでございまして、どの部分からこれだけの七千億円以上のものを捻出するかというのは、今の我が国の財政の中で、非常に難しい。これだけの額を、特に血税から支出ということになりますけれども。
ただ、やはり最初に申し上げたように、人材を育成していくということに対する投資として、それに対して今度の消費税からこれを充てるというふうな決断を首相始め政府がなさったということに関しては、納得ができることだと私は思ってございます。ほかの参考人の御意見もまた伺えればと思います。
この発言だけを見る →したがって、その中の、教育をよくしていく、人材育成に必要な資源をどういうふうに投入するかというところは、やはりこれは政府の決断だろうというふうに思いますので、消費税からやるのがいいのかどうかというような議論はあるとしても、私がやってまいりましたこの件に関する有識者会議の中では、これはむしろ政府マターであろうというふうなことでございまして、どの部分からこれだけの七千億円以上のものを捻出するかというのは、今の我が国の財政の中で、非常に難しい。これだけの額を、特に血税から支出ということになりますけれども。
ただ、やはり最初に申し上げたように、人材を育成していくということに対する投資として、それに対して今度の消費税からこれを充てるというふうな決断を首相始め政府がなさったということに関しては、納得ができることだと私は思ってございます。ほかの参考人の御意見もまた伺えればと思います。
馳
馳浩#18
○馳委員 財源論のことだけでも百時間ぐらい使いたいぐらいなんですが、大変限られた時間ですから。
ただ、小林参考人も花井参考人も、財源論のことについては、多分この制度はそもそもは賛成しておられると思いますけれども、まだまだ不十分だという認識はよくわかりました。
その理解は私も理解した上で、財源論について御意見があれば、小林参考人や花井参考人からもお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →ただ、小林参考人も花井参考人も、財源論のことについては、多分この制度はそもそもは賛成しておられると思いますけれども、まだまだ不十分だという認識はよくわかりました。
その理解は私も理解した上で、財源論について御意見があれば、小林参考人や花井参考人からもお願いしたいと思います。
小
小林雅之#19
○小林参考人 今御議論がありましたように、財源論というのは非常に難しいということはもう重々承知しておりますが、一つだけ提案させていただきますと、きょうは時間の関係で、五ページ目のところにあります、今後の課題の五番目のところで、教育のための寄附の増加策、これは必要だと思います。アメリカの場合、奨学金というのはかなりの部分が寄附から成り立っているということは御存じだと思いますけれども、まずこういったものを促進していくということは一つの方策だろうというふうに思っております。
それからもう一つは、孫への教育費について、教育資金に充てる場合には相続税を非課税にするというようなことで、これが現在一兆円以上の規模になっています。こういうことでいいのかということなんですね。つまり、一兆円ということになりますと、これが一%課税されても百億の財源があるわけですから。これについてもいろいろな意見があると思います。むしろこういうことの方が望ましいんだという考え方もあるとは思いますが、そういうことを含めまして、教育費の負担をどうするかということは、もう少し再検討する必要があるのではないかというふうに考えております。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →それからもう一つは、孫への教育費について、教育資金に充てる場合には相続税を非課税にするというようなことで、これが現在一兆円以上の規模になっています。こういうことでいいのかということなんですね。つまり、一兆円ということになりますと、これが一%課税されても百億の財源があるわけですから。これについてもいろいろな意見があると思います。むしろこういうことの方が望ましいんだという考え方もあるとは思いますが、そういうことを含めまして、教育費の負担をどうするかということは、もう少し再検討する必要があるのではないかというふうに考えております。
ありがとうございました。
花
花井圭子#20
○花井参考人 ありがとうございます。
私ども、今回のアンケートの調査で、財源をどうするかということについても聞いております。その結果、一位は、やはり今の政府の予算を見直しをしながら、そこから財源を捻出してほしいというのが一番多くて、次に多いのが、法人税等の引上げによって財源を捻出すべきであるということで、消費税とか所得税の引上げということで財源を確保してほしいという声は少数だったわけです。
その意味でいうと、今回は消費税を活用してということになっておりますので、それはそれで政府の選択なんだろうというふうに思います。ただし、どういう税を使うかということが、対象者及び制度の大きさによると思いますけれども、消費税を活用するということであれば、先生がおっしゃいました中間層まで拡大してほしいということですので、そこを展望したものとして活用していただければというふうに思います。
お答えになっていないかと思いますが、そのことをお願いしておきたいと思います。
この発言だけを見る →私ども、今回のアンケートの調査で、財源をどうするかということについても聞いております。その結果、一位は、やはり今の政府の予算を見直しをしながら、そこから財源を捻出してほしいというのが一番多くて、次に多いのが、法人税等の引上げによって財源を捻出すべきであるということで、消費税とか所得税の引上げということで財源を確保してほしいという声は少数だったわけです。
その意味でいうと、今回は消費税を活用してということになっておりますので、それはそれで政府の選択なんだろうというふうに思います。ただし、どういう税を使うかということが、対象者及び制度の大きさによると思いますけれども、消費税を活用するということであれば、先生がおっしゃいました中間層まで拡大してほしいということですので、そこを展望したものとして活用していただければというふうに思います。
お答えになっていないかと思いますが、そのことをお願いしておきたいと思います。
馳
馳浩#21
○馳委員 花井参考人の思いはよくわかりました。ありがとうございます。
私は、今回で終わりだと全く思っていませんから。今後のこの給付型奨学金制度の拡充に向けて、あらゆる各界各層から、財源論も、公平性も妥当性も、評価のあり方もいただく必要があると思っていますし、大学側には、社会に対するいわゆる透明性、公表の義務があるというふうには私は認識しております。
最後になりますが、大学の評価のあり方について、入ってくる学生の一つの絞り込みはやむを得ないとしても、入った大学が本当に社会貢献しているのか、いわゆる経営悪化した大学の温存策になるんじゃないかという批判には応えなければいけません。
ちょっと時間がなくなりましたが、大学の評価のあり方について、実はオーストラリアにはQILTという評価基準があって、公表されています、国民に。私はそういう制度にしていくべきと個人的には思っておりますが、三島参考人から評価のあり方についてお伺いして、終わりたいと思います。
この発言だけを見る →私は、今回で終わりだと全く思っていませんから。今後のこの給付型奨学金制度の拡充に向けて、あらゆる各界各層から、財源論も、公平性も妥当性も、評価のあり方もいただく必要があると思っていますし、大学側には、社会に対するいわゆる透明性、公表の義務があるというふうには私は認識しております。
最後になりますが、大学の評価のあり方について、入ってくる学生の一つの絞り込みはやむを得ないとしても、入った大学が本当に社会貢献しているのか、いわゆる経営悪化した大学の温存策になるんじゃないかという批判には応えなければいけません。
ちょっと時間がなくなりましたが、大学の評価のあり方について、実はオーストラリアにはQILTという評価基準があって、公表されています、国民に。私はそういう制度にしていくべきと個人的には思っておりますが、三島参考人から評価のあり方についてお伺いして、終わりたいと思います。
三
三島良直#22
○三島参考人 現在の国立大学を始めとする大学にとって、しっかりとした評価を受けるべきであるということには間違いがないと思います。
私も、そういう意味で、学長時代には、東京工業大学の教育が、果たして質として、どれだけ国民の皆さんあるいは学生から見てすばらしいものかということをどうやって担保するのか。
今の日本の大学というのは、入学試験というところで入り口保証みたいなことをしているわけですけれども、その後の四年間、あるいは大学院まで行くと六年、九年ということの間に、彼らがどういうふうな勉強をして、どんなことを身につけて、そして社会へ出ていくかというところの評価が非常に甘いところがございました。
これが恐らく、大学が変われと言われた一番の原因だと思いますので、やはり、どういう教育をしているかということをいろいろな形で社会に対して示すという手段が必要だろうというふうに思います。
いろいろなやり方があると思いますけれども、例えば、海外のトップ大学ですと、ホームページというかウエブサイトでそういったデータをしっかりと出して、そして、どういうところへ就職していったか、今卒業生がどう活躍しているかというようなことをきちっと外へ出していくということがあると思いますので、それも一つかと思います。
ただ、何より重要だと私が思いますのは教員の意識でございまして、教員の一人一人が学生一人一人をどこまで、専門性みたいなものもそうですけれども、先ほど冒頭でも申しましたように、もう少し、若いときの大学での生活でどれだけの知識なり教養なりといった人間としての幅をつけていくかというようなことも含めて、学生たちを育てるんだという意識をもっともっと持たないといけないなというふうに思っております。
それをどういうふうに担保して、どういうふうなルールで評価していくかというのは、今、教員評価というのが非常に重要になっておりますので、各大学がしっかりとやるべきでございますし、今回の案の中でも、大学に対する評価の上で給付型を受けられる大学というのを審査すべきであろうと私は思いますけれども、単なる数値的に今何かを設定するのではなくて、恐らく、大学をつくるときの設置審のような形のものが、できた大学の数年後にもまた評価をしていく、そういったような仕組みを、特に教育の質についてやっていくべきだろうというふうに思ってございます。
よろしいでしょうか。
この発言だけを見る →私も、そういう意味で、学長時代には、東京工業大学の教育が、果たして質として、どれだけ国民の皆さんあるいは学生から見てすばらしいものかということをどうやって担保するのか。
今の日本の大学というのは、入学試験というところで入り口保証みたいなことをしているわけですけれども、その後の四年間、あるいは大学院まで行くと六年、九年ということの間に、彼らがどういうふうな勉強をして、どんなことを身につけて、そして社会へ出ていくかというところの評価が非常に甘いところがございました。
これが恐らく、大学が変われと言われた一番の原因だと思いますので、やはり、どういう教育をしているかということをいろいろな形で社会に対して示すという手段が必要だろうというふうに思います。
いろいろなやり方があると思いますけれども、例えば、海外のトップ大学ですと、ホームページというかウエブサイトでそういったデータをしっかりと出して、そして、どういうところへ就職していったか、今卒業生がどう活躍しているかというようなことをきちっと外へ出していくということがあると思いますので、それも一つかと思います。
ただ、何より重要だと私が思いますのは教員の意識でございまして、教員の一人一人が学生一人一人をどこまで、専門性みたいなものもそうですけれども、先ほど冒頭でも申しましたように、もう少し、若いときの大学での生活でどれだけの知識なり教養なりといった人間としての幅をつけていくかというようなことも含めて、学生たちを育てるんだという意識をもっともっと持たないといけないなというふうに思っております。
それをどういうふうに担保して、どういうふうなルールで評価していくかというのは、今、教員評価というのが非常に重要になっておりますので、各大学がしっかりとやるべきでございますし、今回の案の中でも、大学に対する評価の上で給付型を受けられる大学というのを審査すべきであろうと私は思いますけれども、単なる数値的に今何かを設定するのではなくて、恐らく、大学をつくるときの設置審のような形のものが、できた大学の数年後にもまた評価をしていく、そういったような仕組みを、特に教育の質についてやっていくべきだろうというふうに思ってございます。
よろしいでしょうか。
馳
亀
菊
菊田真紀子#25
○菊田委員 おはようございます。立憲民主党・無所属フォーラムの菊田真紀子です。
まず、三名の参考人の皆様には、本日、御多用の中、こうして本委員会にお越しをいただきまして、貴重な御意見を賜りました。まずもって御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
それでは、質問に入らせていただきたいと思います。
私は、今の安倍政権の大学改革の方針というのは、一貫して産業界のニーズに応えることではないかというふうに感じています。本法案でも、実践的教育が行われるよう実務家教員を配置することが大学等に求められています。
国は、大学が、教育や自由な学術研究、学問追求の場ではなく、企業が求める即戦力の人材を育成する機関だと位置づけているように思えてならないのですが、参考人の皆様の御意見をお聞かせいただきたいと思います。三名の方、お答えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →まず、三名の参考人の皆様には、本日、御多用の中、こうして本委員会にお越しをいただきまして、貴重な御意見を賜りました。まずもって御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
それでは、質問に入らせていただきたいと思います。
私は、今の安倍政権の大学改革の方針というのは、一貫して産業界のニーズに応えることではないかというふうに感じています。本法案でも、実践的教育が行われるよう実務家教員を配置することが大学等に求められています。
国は、大学が、教育や自由な学術研究、学問追求の場ではなく、企業が求める即戦力の人材を育成する機関だと位置づけているように思えてならないのですが、参考人の皆様の御意見をお聞かせいただきたいと思います。三名の方、お答えいただきたいと思います。
三
三島良直#26
○三島参考人 それでは、まず私から意見を述べさせていただきます。
大学改革の中で産業界との結びつきを重要視するというのは、これは、特に私がおりました東京工業大学のようなところは、やはり、教育、研究というものにプラスして、大きな大学の使命として社会貢献というのがございます。例えば、日本の科学技術あるいは我が国の産業の国際競争力を高める、そういったことに資する人材を輩出するというのは、やはり大学の中にも一つの大きな使命としてございます。
ですから、産業界が求める人材というよりは、むしろ、学生たちが大学に入ったことで満足するのではなくて、自分が将来どんな形で社会に貢献するのか。これは、アカデミアでノーベル賞を目指してというような人たちもいますけれども、やはり産業界で就職をして日本の産業力を強くしていこうというふうに思う学生もいる。
そういった志であるとか気概、キャリアパスを彼らが考えながら学ぶところというふうにして捉えれば、実業界の方、例えば産業界の方に講義をしていただく、あるいは、カリキュラムの一つとして、産業界に半年とかいうような形で、企業がどんなような研究をしているかを見てくるとかいうようなことも必要だと思いますので、必ずしも今の政策が、そういう、ただ産業界で必要とする人材を育てようとしているのではなくて、我が国を強くしていくために、教育面とそれから研究面においてどれだけ大学として学生たちを強くしていくかという全般の中のことだと思いますので、格別、産業界に偏った教育をしろというふうには私は受けとめておりません。
この発言だけを見る →大学改革の中で産業界との結びつきを重要視するというのは、これは、特に私がおりました東京工業大学のようなところは、やはり、教育、研究というものにプラスして、大きな大学の使命として社会貢献というのがございます。例えば、日本の科学技術あるいは我が国の産業の国際競争力を高める、そういったことに資する人材を輩出するというのは、やはり大学の中にも一つの大きな使命としてございます。
ですから、産業界が求める人材というよりは、むしろ、学生たちが大学に入ったことで満足するのではなくて、自分が将来どんな形で社会に貢献するのか。これは、アカデミアでノーベル賞を目指してというような人たちもいますけれども、やはり産業界で就職をして日本の産業力を強くしていこうというふうに思う学生もいる。
そういった志であるとか気概、キャリアパスを彼らが考えながら学ぶところというふうにして捉えれば、実業界の方、例えば産業界の方に講義をしていただく、あるいは、カリキュラムの一つとして、産業界に半年とかいうような形で、企業がどんなような研究をしているかを見てくるとかいうようなことも必要だと思いますので、必ずしも今の政策が、そういう、ただ産業界で必要とする人材を育てようとしているのではなくて、我が国を強くしていくために、教育面とそれから研究面においてどれだけ大学として学生たちを強くしていくかという全般の中のことだと思いますので、格別、産業界に偏った教育をしろというふうには私は受けとめておりません。
小
小林雅之#27
○小林参考人 質問ありがとうございます。
私は、中央教育審議会の大学分科会の委員も務めておりまして、ここでもこういったことについてはいろいろ議論されております。
基本的には、大学人としての立場で申し上げますと、大学は社会に対して説明責任を果たさなければいけない。これは先ほども出てまいりましたけれども、現在、大学の社会からの信頼というのがかなり落ちているというふうに考えております。これは大学の側にもかなり責任があるというふうに考えておりまして、その中の一つに、やはり産業界のニーズに応えていないということもあるかと思います。
ただ、これは全ての大学が、あるいは高等教育機関がそれに応えるということとはまた別の問題だというふうに考えています。例えば、東京工業大学のように、非常に産業界と密接に関連して教育を行っている大学もあれば、そことは全く関係のないような、学問の追求をしているような大学もあるわけでありまして、そういった多様性こそが、大学の、中世から数百年間続いてきた理由の一つであるわけでありまして、そういうふうなことは大事にしなければいけないと思います。
私は、特に、最近の官邸あるいは内閣府等で出されているさまざまな会議の報告書等を読んでおりますけれども、そこで社会のニーズ、産業のニーズという言い方はかなりされます。ただ、それが具体的に何を指しているかということになりますと、かなり曖昧で、よくわからないんですね。
例えば中教審の方でも、企業の方に来ていただいて、あるいは企業の委員の方からそういうことを言われるんですけれども、そうしますと、ではどういう学生が望ましいんですかというと、協調性があるとかバイタリティーがあるとか、そういう話しか出てこなくて、実際にどういう学生が社会のニーズに合っているか、産業界のニーズに合っているかということについては、実はよくわかっていないわけです。
ですから、そういう段階で、今回のことに関して申し上げますと、確認要件という形でこういうものがついた、それが社会のニーズ、産業のニーズに合っているというふうなものだというふうに言われると、それはちょっと議論の余地があるのではないかというふうに考えております。
この発言だけを見る →私は、中央教育審議会の大学分科会の委員も務めておりまして、ここでもこういったことについてはいろいろ議論されております。
基本的には、大学人としての立場で申し上げますと、大学は社会に対して説明責任を果たさなければいけない。これは先ほども出てまいりましたけれども、現在、大学の社会からの信頼というのがかなり落ちているというふうに考えております。これは大学の側にもかなり責任があるというふうに考えておりまして、その中の一つに、やはり産業界のニーズに応えていないということもあるかと思います。
ただ、これは全ての大学が、あるいは高等教育機関がそれに応えるということとはまた別の問題だというふうに考えています。例えば、東京工業大学のように、非常に産業界と密接に関連して教育を行っている大学もあれば、そことは全く関係のないような、学問の追求をしているような大学もあるわけでありまして、そういった多様性こそが、大学の、中世から数百年間続いてきた理由の一つであるわけでありまして、そういうふうなことは大事にしなければいけないと思います。
私は、特に、最近の官邸あるいは内閣府等で出されているさまざまな会議の報告書等を読んでおりますけれども、そこで社会のニーズ、産業のニーズという言い方はかなりされます。ただ、それが具体的に何を指しているかということになりますと、かなり曖昧で、よくわからないんですね。
例えば中教審の方でも、企業の方に来ていただいて、あるいは企業の委員の方からそういうことを言われるんですけれども、そうしますと、ではどういう学生が望ましいんですかというと、協調性があるとかバイタリティーがあるとか、そういう話しか出てこなくて、実際にどういう学生が社会のニーズに合っているか、産業界のニーズに合っているかということについては、実はよくわかっていないわけです。
ですから、そういう段階で、今回のことに関して申し上げますと、確認要件という形でこういうものがついた、それが社会のニーズ、産業のニーズに合っているというふうなものだというふうに言われると、それはちょっと議論の余地があるのではないかというふうに考えております。
花
花井圭子#28
○花井参考人 お答えいたします。
私ども中央労福協は、この間、先ほどの意見でも述べましたように、給付型奨学金制度の創設、奨学金制度の改善、そして教育費負担の軽減ということで取り組んでまいりました。その立場からすると、大学改革がどうあるべきか、そのあたりについては検討していないということで、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
ただし、今回の機関要件に見られるように、実務経験のある教員による単位数、標準単位百二十四の一割をとらなければいけないとか、理事に産業界の方を入れなければいけないといった形で産業界のニーズを非常に受け入れるというか、その姿が見えてきているのではないかということで、若干の懸念はしております。
以上でございます。
この発言だけを見る →私ども中央労福協は、この間、先ほどの意見でも述べましたように、給付型奨学金制度の創設、奨学金制度の改善、そして教育費負担の軽減ということで取り組んでまいりました。その立場からすると、大学改革がどうあるべきか、そのあたりについては検討していないということで、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
ただし、今回の機関要件に見られるように、実務経験のある教員による単位数、標準単位百二十四の一割をとらなければいけないとか、理事に産業界の方を入れなければいけないといった形で産業界のニーズを非常に受け入れるというか、その姿が見えてきているのではないかということで、若干の懸念はしております。
以上でございます。
菊
菊田真紀子#29
○菊田委員 ありがとうございました。
私ども立憲民主党の部会でも今いろいろな議論をさせていただいておりますけれども、本法案は、使途が社会保障関係費に限定されている消費税を財源とした社会保障政策であり、これまで進めてきた高等教育の漸進的無償化の流れとは異なります。私は、これをもって高等教育無償化と政府が説明するのはおかしいと思うんですが、参考人はどうお考えでしょうか。小林参考人と花井参考人にお答えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →私ども立憲民主党の部会でも今いろいろな議論をさせていただいておりますけれども、本法案は、使途が社会保障関係費に限定されている消費税を財源とした社会保障政策であり、これまで進めてきた高等教育の漸進的無償化の流れとは異なります。私は、これをもって高等教育無償化と政府が説明するのはおかしいと思うんですが、参考人はどうお考えでしょうか。小林参考人と花井参考人にお答えいただきたいと思います。