文部科学委員会

2019-04-23 衆議院 全131発言

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会議録情報#0
平成三十一年四月二十三日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 亀岡 偉民君
   理事 大塚  拓君 理事 神山 佐市君
   理事 馳   浩君 理事 村井 英樹君
   理事 義家 弘介君 理事 菊田真紀子君
   理事 城井  崇君 理事 鰐淵 洋子君
      青山 周平君    池田 佳隆君
      小此木八郎君    尾身 朝子君
      大串 正樹君    金子 俊平君
      神谷  昇君    木村 次郎君
      熊田 裕通君    佐々木 紀君
      下村 博文君    白須賀貴樹君
      杉田 水脈君    高木  啓君
      中村 裕之君    根本 幸典君
      福井  照君    船田  元君
      船橋 利実君    古田 圭一君
      宮内 秀樹君    宮崎 政久君
      宮路 拓馬君    川内 博史君
      中川 正春君    初鹿 明博君
      村上 史好君    吉良 州司君
      階   猛君    牧  義夫君
      稲津  久君    中野 洋昌君
      畑野 君枝君    串田 誠一君
      吉川  元君    笠  浩史君
    …………………………………
   議員           階   猛君
   文部科学大臣政務官    中村 裕之君
   文部科学大臣政務官
   兼内閣府大臣政務官    白須賀貴樹君
   参考人
   (一橋大学法学研究科教授)            山本 和彦君
   参考人
   (弁護士法人三田パブリック法律事務所所長)
   (弁護士)        三澤 英嗣君
   参考人
   (伊藤塾塾長)
   (弁護士)        伊藤  真君
   参考人
   (早稲田大学大学院法務研究科教授)        須網 隆夫君
   文部科学委員会専門員   吉田 郁子君
    —————————————
委員の異動
四月二十三日
 辞任         補欠選任
  池田 佳隆君     佐々木 紀君
  上杉謙太郎君     金子 俊平君
  小林 茂樹君     熊田 裕通君
  宮川 典子君     船橋 利実君
  八木 哲也君     宮崎 政久君
  牧  義夫君     階   猛君
  杉本 和巳君     串田 誠一君
同日
 辞任         補欠選任
  金子 俊平君     木村 次郎君
  熊田 裕通君     神谷  昇君
  佐々木 紀君     杉田 水脈君
  船橋 利実君     宮川 典子君
  宮崎 政久君     八木 哲也君
  階   猛君     牧  義夫君
  串田 誠一君     杉本 和巳君
同日
 辞任         補欠選任
  神谷  昇君     小林 茂樹君
  木村 次郎君     上杉謙太郎君
  杉田 水脈君     池田 佳隆君
    —————————————
四月十八日
 司法試験法等の一部を改正する等の法律案(階猛君外二名提出、衆法第五号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第四五号)
 司法試験法等の一部を改正する等の法律案(階猛君外二名提出、衆法第五号)
     ————◇—————
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亀岡偉民#1
○亀岡委員長 これより会議を開きます。
 階猛君外二名提出、司法試験法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。階猛君。
    —————————————
 司法試験法等の一部を改正する等の法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    —————————————
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階猛#2
○階議員 国民民主党の階猛です。
 ただいま議題となりました法律案につきまして、提出者を代表して、趣旨及び内容について御説明を申し上げます。
 現行の司法試験は、受験資格を法科大学院修了者及び司法試験予備試験合格者に限定しているため、法曹資格を得るまでの時間的、経済的負担が大きくなっており、その結果、法曹志望者が減少し、すぐれた資質等を有する法曹の確保が困難となっております。政府は平成三十年度までを集中改革期間としてきましたが、法曹志望者数はなお減少しております。
 本法律案は、司法試験を広く受験しやすいものとするとともに、法曹の資質の維持向上を図るため、司法試験の受験資格、方法及び試験科目並びに司法修習の期間の見直し、弁護士への研修機会の提供等の措置等を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、司法試験法を改正し、司法試験の受験資格及び受験期間の制限を撤廃し、司法試験予備試験を廃止するとともに、司法試験の方法に口述試験を追加するほか、短答式及び論文式による筆記試験の試験科目等を変更すること等としております。
 第二に、裁判所法を改正し、司法修習生の修習の期間を少なくとも一年二カ月間に延長することとしております。
 第三に、弁護士法を改正し、弁護士会は、法科大学院等と連携しつつ、所属弁護士に対しその資質の維持向上に資する研修の機会の提供を行うとともに、所属弁護士等に係る情報その他の、そのサービスの利用を容易にするための情報の提供等に努めるものとする旨の規定を設けることとしております。
 第四に、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律を廃止することとしております。
 最後に、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、これに伴う必要な経過措置について定めるとともに、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、本法律案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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亀岡偉民#3
○亀岡委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    —————————————
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亀岡偉民#4
○亀岡委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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亀岡偉民#5
○亀岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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亀岡偉民#6
○亀岡委員長 内閣提出、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案及び階猛君外二名提出、司法試験法等の一部を改正する等の法律案の両案を一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 本日は、両案審査のため、参考人として、一橋大学法学研究科教授山本和彦君、弁護士法人三田パブリック法律事務所所長・弁護士三澤英嗣君、伊藤塾塾長・弁護士伊藤真君及び早稲田大学大学院法務研究科教授須網隆夫君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。両案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位から一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
 なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないこととなっておりますので、あらかじめ御了承ください。
 それでは、まず山本参考人にお願いいたします。
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山本和彦#7
○山本参考人 一橋大学の山本でございます。
 本日は、法科大学院、司法試験制度の改正のあり方について意見を述べさせていただきます。
 私は、現在、本務校で法科大学院長の職を務めておりますが、本日の意見は、中教審法科大学院等特別委員会の委員として審議に関与してきた立場、さらには、何よりも、十五年間にわたり法科大学院及び法学部において実際に教育に携わってきた一教員の立場から意見を申し述べさせていただきたいと思います。
 法科大学院制度を総体として見るならば、司法制度改革審議会の意見書が提言した理念、すなわち、理論と実務を架橋した教育、少人数で多方向的、双方向的な密度の濃い教育、厳格な成績評価、修了認定といったものを実現し、制度改革時に期待されていたような法曹を養成してきたものと考えております。
 実際、司法修習生や若手弁護士に多く接している法律家の方々のお話を伺えば、旧制度下の修習生等と比べても、判例、文献等の情報調査・分析能力が高いとか、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力にすぐれているとか、また、民法等の基本科目だけではなく先端的な法分野にも通じているなどの評価を受けてきているように思います。
 例えば、私の専門分野である倒産法では、この十数年の間に、従来は破産管財人の人材が不足していたため破産手続の開始と同時に手続を終了していた同時破産廃止の事件が九割以上を占めていたのが、最近では六割弱まで減少をしておりますが、これは、全国に倒産法を勉強してきた法科大学院出身の弁護士が管財人の受皿として安定的に確保できるようになったことが一つの要因であり、まさに法科大学院教育の成果と言えるのではないかと思います。
 また、私は原子力損害賠償のADRにもかかわっていましたが、原発事故直後、緊急にADRを発足させるため、多数の若手弁護士を調査官として起用する必要があるとの要請がありました。それに迅速に対応することができたのも、法科大学院制度において多数の若手の法律家が養成できていたことの成果ではないかと考えております。
 また、とりわけ、多様なバックグラウンドを有する法曹の養成という点で、法科大学院の成果には大きなものがあったと思います。例えば、システムエンジニアを退職して未修者で一橋の法科大学院に入学し優秀な成績で弁護士になった学生が、現在はシステム開発契約などの分野で大活躍をしております。このような学生は、法科大学院という制度が仮になければ、なかなか法曹の道には踏み切れなかったように思われます。同様に、発展途上国における法整備支援に取り組むことを希望し、その希望を現に果たした学生や、弱い立場の人の味方になりたいと考え、現在は児童相談所に常勤弁護士として勤務している学生など、多くのユニークな人材を法科大学院は輩出できたのではないかと思っております。
 もちろん、法科大学院教育にも問題がなかったわけではありません。私が見るところ、いわゆる既修者と未修者で問題状況は異なるように思いますが、既修者については、やはり法曹になるまでの時間が長くかかり、その間の経済的負担が余りにも大きいという問題があるように思います。現状のように、高校卒業から法曹資格の取得まで最短で八年近くを要するということでは、医師など他の専門職と比較しても、高校生などにとって十分な魅力がある進路とは映らないように思われます。
 その意味で、今回の政府提出法案において提案されていますように、法科大学院と司法試験を連携させたプロセスとしての法曹養成の理念は堅持しながらも、それに要する期間を可及的に短縮する方途を一つのパッケージとして提示することは、法曹への道を考えている高校生や法学部の入学者に対して極めて大きなメッセージになり得るものと考えております。
 現在、法学部入学当初の学生は、実際かなりの割合で法曹という進路に興味を持っているように思います。ただ、それらのうち、時間的、経済的に十分な余裕のない学生は、合格率四%の予備試験を目指すか、あるいは法曹を諦めるかという選択になっているように思われます。そこで、法曹コース及び法科大学院在学中の司法試験受験によって最短六年程度で法曹になることができる道が開かれるとすれば、相当数の有為な法学部生が真剣にそのような進路を考えるのではないかと思っております。
 もちろん、そのためには学部段階からより効果的な教育を行う必要があり、法曹コースは相当濃密なものにならざるを得ません。ただ、私がゼミの学生等を見ている印象からすれば、そのような教育にも十分に対応できる学部学生が相当数いるように思います。そして、そのような形で法曹コースが実際に運用できれば、司法試験の在学中受験にも十分対応できるものと思われます。また、仮に司法試験が夏ごろに行われるとすれば、法科大学院三年の後期は臨床系の実務科目やそれぞれの学生の関心に即した先端科目を集中して履修することができるようになり、司法修習との架橋や、より多様な法曹の輩出という観点からもメリットがあるものと考えております。
 以上のように、私自身は、今回の政府提出法案は法曹養成の現状を踏まえた現実的かつ妥当な方向のものであるというふうに認識をしております。法科大学院発足前の旧司法試験時代を知る私のような者にとって、やはりあの時代に戻すべきではないという思いが強くあります。もちろん、当時法曹資格を取られた方々の頑張りは大変評価すべきものと思っておりますが、その陰で、法曹への道を諦めた学生も多くいます。私のゼミ生などでも、頑張れば司法試験合格の可能性があると思う者でも、経済的な事情等がある学生に対して、当時二%の合格率しかない試験に向けて頑張ってみないかと声をかけることは、当時、教師としては到底できませんでした。今ならそれも可能でありますし、今回の改革により、このような道もあるからと、法曹への選択肢を勧めやすくなります。この違いはやはり大きなものがあると思っております。
 今回の改正が実現したとしても、もちろん、それで法曹養成に関する問題が全て解決されるわけではありません。各法科大学院においては、教育のさらなる改善、充実を図っていく必要があることは当然であります。とりわけ重要であるのは、未修者教育の改善の問題であります。この点は、いわゆる共通到達度確認試験が本格実施されるところでありますが、引き続き、今期の中教審においても具体的な議論が必要になるものと思っております。
 また、制度的な問題としては、やはり予備試験の問題について、将来的に検討の必要があると考えております。現在の予備試験の実情が制度当初想定されていたものとは大きく乖離していることは明らかであり、今回の改革によって時間的、経済的負担の問題が相当程度改善されていくとすれば、次の段階では、予備試験についても本来の制度趣旨に即した方向に向けた改革が期待されるところであります。
 以上、甚だ雑駁なものでありましたが、法科大学院の教師の立場から意見を申し述べさせていただきました。法曹に向けた強い志や目的意識を持った学生に日常的に接している立場の人間としては、今回の改革が一日も早く実現し、希望にあふれた学生の夢がよりよく実現するとともに、プロセスとしての体系的教育を受けた法曹を多数社会に供給する役割をよりよく果たすことができればと考えております。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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亀岡偉民#8
○亀岡委員長 ありがとうございました。
 次に、三澤参考人にお願いいたします。
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三澤英嗣#9
○三澤参考人 おはようございます。私は弁護士の三澤といいます。
 本日は、このように大変貴重な機会を頂戴し、心より感謝申し上げます。
 冒頭、簡単に私の立場をお話しさせていただきます。
 私は、東京弁護士会が司法制度改革実現のために設置しました四つの都市型公設事務所のうちの一つであります三田パブリック法律事務所の所長をしております。
 当事務所は、渋谷パブリック法律事務所を前身とし、一貫して法科大学院における法曹実務教育、特に臨床法学教育でありますリーガルクリニックという実務実践教育を行ってまいりました。当事務所の教育手法につきましては、本日配付しました東京弁護士会のLIBRAをごらんになってください。
 さて、私はそのような立場から、昨年九月ごろから、政府が提出するであろうと想定されていましたこの法曹養成制度関連改革法案、特に在学中受験の導入について強く異議を唱えてまいりました。本日は、その立場から、本法案の問題点を強く御指摘したいと思います。
 ちなみに、私の考えの詳細は、皆様のお手元に配付しております3+2+ギャップターム解消論(在学中受験)に関するメモと、それを形にした問題点一覧表に記載しておりますので、それらをごらんになっていただけますと助かります。
 なお、そもそも法学部三年プラス法科大学院二年という法曹コースにおいて、法学部と法科大学院は十分な教育連携ができるかという、3+2自体が抱えている問題点もありますが、お時間の関係で、本法案の最大の問題点である在学中受験の問題点のうち、三つに絞ってお話しいたします。
 まず第一の問題は、3+2が在学中受験が実施される前提できちっと議論されていないという点です。
 在学中受験が実施されますと、法曹コースの場合は、3+2の教育プログラムだとうたいながら、実際は3+1の教育プログラムにならざるを得ません。となりますと、法科大学院に入学した学生は、入学した途端、翌年には司法試験受験が控えているという状況に置かれます。
 このような状況の中で、法科大学院は学生に対して、入学後の一年間、いかなるカリキュラムを組んで授業実施するのでしょうか。入学した法科大学院生の立場に立てば、法科大学院の授業と定期試験にさらされながら、一年後に来る司法試験の受験への対策もすることになり、学生の負担感は非常に重くなります。
 のみならず、本法案に関連し、司法試験の選択科目相当科目の履修義務まで課せられたために、学生の負担は尋常なものではありません。
 ひっきょう、学生は司法試験受験に直結すると思われることしかできなくなり、これに符合するように、法科大学院側もいわゆる受験勉強の対策をするようになりかねません。
 当事務所は、三田パブリーガルクリニックという教育手法をしており、学生三人と指導担当弁護士一名がチームを組んで、民事、刑事、行政、外国人等の生の事件にかかわり、みずからが学んでいる法律学が紛争解決事件にどのように活用されるのかを知り、さらにそれをみずからの学修にフィードバックすることを目指しており、やや手前みそになりますが、学生からの評価は極めて高いカリキュラムだと思っております。
 しかし、在学中受験導入後は、恐らく誰もこれを受講しなくなると思われます。
 実際、この五年間、当事務所は、慶応と中央の学生と一緒にリーガルクリニックを実施してきましたが、本来、法科大学院三年生を予定していたこのカリキュラムのところ、毎年三年生が減り、昨年は、慶応、中央二十八人参加中、二十七人が二年生という状態になりました。なぜ三年生ではなく二年生がこんなにふえているのかを学生に問うと、皆、口をそろえて、三年生になったら翌年の司法試験の準備をしなければなりませんから三年生で受講するのは無理ですと答えます。
 ですので、在学中受験が導入されれば、今受講している二年生は、翌年司法試験が控えている以上、当事務所が実施しているようなリーガルクリニック教育を敬遠することになると思います。在学中受験導入は、実務系のカリキュラムにとっては極めて厳しいことになると思います。
 なお、一部には、法科大学院三年の夏に在学中受験が実施されれば、むしろ受験が終わったという三年生が後期の授業でリーガルクリニック等の臨床系の科目をとるから心配要らないと言う方もいらっしゃいます。しかし、実際には、受験後、司法試験合格に手応えのある者は事務所訪問等の就職活動に時間を割き、他方、手応えを感じなかった者は翌年の司法試験に向けて試験勉強を始めることになると思われ、リーガルクリニックが充実するというには余りに楽観的に過ぎると思います。
 次の問題点は、本法案の目的です。
 やや誤解を恐れずに申し上げれば、本法案が狙いとしている真の目的、いわば裏の目的とでも申し上げた方がいいかもしれませんが、その目的は、3+2に加えて在学中受験を導入すれば、法学部四年生で予備試験合格するレベルの学生の層を法科大学院に取り込めるという狙いがあるという点です。つまり、法学部四年で予備試験に合格し翌年司法試験に合格するレベルの学生はトータル五年で司法試験に合格するわけですが、3+2+在学中受験は実質3+1+司法試験受験となりますので、そういう司法試験に早期合格するような学生が法科大学院に入学しやすくなるということです。
 確かにその可能性は否定しませんが、他方で、予備試験に受験資格制限は全くありませんから、3+2の法曹コースで法科大学院に入学しても、法科大学院一年目で予備試験に合格してしまえば、それで司法試験受験資格を得られる以上、引き続き法科大学院に在学する可能性は高まると思えません。ですので、本法案は、今申し上げた裏の目的の実現も期待できないわけです。
 最後に、本法案の手続的な問題点を御指摘したいと思います。
 私は、昨年九月より、3+2+在学中受験の制度導入の情報をキャッチし、ここに同席している須網教授らとともに法務省や文科省を訪問し、3+2+在学中受験の制度設置は、関係者や有識者等の国民を交えた審議会等を設置して、多くの問題について平場でちゃんと議論すべきだというふうに申し上げてきました。
 しかし、実際には、法務省も文科省も残念ながらそのような行動は全くとらず、中教審でも3+2+在学中受験について全く議論していません。中教審では、在学中受験が導入されカリキュラムへの影響があることがわかっていながら、五年一貫コースの議論しかしていなかったというふうに私は思います。極めて驚きです。しかも、現実にはまだ法案が成立していないのに、既に大学の一部では3+2+在学中へのカリキュラムの変更作業が進んでいるやに聞いております。
 まとめに入りますが、司法制度改革は選挙制度改革と並ぶ平成史における大改革です。
 司法制度改革は、法曹や研究者だけではなく、当時、経済界や労働界、さらには主婦連からの参加等、国民参加で広く議論され、その中で法科大学院制度は生まれました。法科大学院制度はそれだけ重要な制度なわけです。法科大学院を修了しなくても在学中受験ができる制度に変更するのであれば、司法制度改革審のような重量級の審議会ではなかったとしても、広く国民の意見を反映できるような会議体を設置し、そこで十分な国民的議論をして法案をまとめるべきだと思います。
 これで私の意見陳述を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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亀岡偉民#10
○亀岡委員長 ありがとうございました。
 次に、伊藤参考人にお願いいたします。
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伊藤真#11
○伊藤参考人 皆さん、おはようございます。伊藤真でございます。
 私は、法曹養成に関して、多様性、開放性そして公平性、これが重要だと考えて、これまで三十八年間法曹養成に携わってまいりました。伊藤塾という塾、司法試験の受験指導校ですけれども、それを主宰しております。特に、多様な人材、他学部生や社会人、これらが法曹になれることが重要と考え、法科大学院制度ができる二十年ほど前から、他学部生、そしてまた社会人が法曹を目指せるシステムを構築してまいりました。
 現在、私が主宰する伊藤塾では、社会人が約三割、他学部生が二割ほど法曹を目指して勉強しております。そして、中卒、高卒、専門学校卒業の方々も、予備試験ルートを通じて法律家になっております。合格後を考えるというコンセプトのもと、スタディツアーを実施したり、また、明日の法律家講座という講演会を毎月開催し、第一線で活躍をされている法曹、官僚、政治家の皆さんの話を聞く機会も設けております。
 日本で一番長く深く法曹養成に携わっていた、現場で携わってきた、そんな人間と自負しておりますが、きょうは時間が限られておりますので、端的かつ率直に意見を述べたいと思っております。
 何事にも建前と本音がございます。建前が必要なときもありますが、今回ばかりは本音で議論しなければ何も変わらないと考えております。失礼な物言いになることがあるかもしれませんが、御容赦ください。
 まず、法科大学院制度、これは大学との関係でいえば、大学の生き残り策として生まれたものと認識しております。大学が司法試験予備校から学生を取り戻すことが目的だったのですが、それは失敗いたしました。
 今回の政府案は、法科大学院の生き残り策であり、予備試験から法曹コースに学生を取り戻すことが目的だと認識しています。しかし、さきの失敗から何も学ばずにいるため、これも再度失敗することでありましょう。
 制度、すなわち権力の力によって学生を動かそうとしても無理であります。学生はそこまで愚かではありません。どんな制度になろうと、一人一人の受験生は、自分の人生をかけて最適な道を選択いたします。それをとめることはできません。それをコントロールしようとすることは、上の立場からの思い上がりではないか、憲法価値である個人の尊重、これに反することとして許されないと考えます。もういいかげん、当事者である受験生を振り回すのはやめていただきたい、そう思います。
 さて、現在の法曹養成制度、さまざまな問題を抱えていると認識しています。志願者の激減、それゆえに多様な人材を確保できず、予備試験受験生には予備試験合格後の司法試験受験という屋上屋の負担を課しております。これは社会人受験生にとっては大きな負担になっております。そして、法科大学院の研究者教員の負担も大きく、研究者養成に困難をきわめていると聞くこともあります。
 その中で最大の問題は、やはり法曹志願者の激減でありましょう。ことしはとうとう司法試験受験生は五千人を切りました。十五年ほど前には五万人ほどいた受験生が十分の一に激減であります。
 対策は単純。志願者激減の原因を見つけて、それを除去すればよいだけです。
 では、激減の原因は何か。法科大学院であると認識します。これができてから志願者が激減いたしました。法科大学院がスタートした二〇〇四年には四万九千九百九十一人、約五万人いた出願者が翌年から減少を始めます。新司法試験が始まった二〇〇六年には新旧の司法試験合わせて三万八千人になり、以後減少し続けて今日に至っています。
 よって、対策は単純明快。志願者激減の原因となっている法科大学院を除去すればいいだけであります。
 ただ、言うまでもないことですが、現場で必死に努力を続けておられる教員の方々や学生を非難する意図は全くございません。制度として問題だと言っているだけであることを御理解いただきたいと思います。
 確かに、法科大学院制度は一定の成果を上げた面もあると思います。しかし、志願者激減の原因をつくり、法曹の多様性確保、開放性、公平性という目的、理念において明らかに失敗したと言うべきでしょう。この点に真正面から向き合わずに法曹養成制度改革などといっても、茶番でしかないと考えます。
 志願者激減を食いとめるための方策は、法曹の魅力を学生たちに伝えることとともに、誰もが法曹を目指すことができるように、法科大学院制度によってみずから狭めてしまったその間口を広げることであります。つまり、司法試験受験資格の撤廃こそが根本的な解決策と考えます。
 では、法科大学院はどうするのか。その役割を広げることで、十分にその存在意義を認めることができると考えます。一言で言えば、地域の実務法務教育拠点であります。ゴールを司法試験合格に限定せずに、公務員や民間企業など、その出口を広げ、社会人、他士業の実務家向けのリカレント教育や外国人等、その間口を広げていけばよいと考えます。
 ここで、法科大学院設立の趣旨の一つであるプロセスによる教育についても一言意見を述べます。ペーパーテストによる一発勝負ではなく、法科大学院、司法試験、司法修習というプロセスで法曹養成教育をするというものであります。
 まず、司法試験一発勝負という弊害、これもよく言われますが、では、弊害というのであれば、その具体的な根拠を事実とともに明らかにすべきでありましょうが、説得的な論拠は何も提示されていないと考えます。法科大学院制度が始まるまでは、全ての法曹が一発勝負の司法試験、これを突破してきています。さて、とんでもない法律家ばかりというのでありましょうか。
 学生が若い時期を受験勉強のために浪費したということもよく言われます。しかし、余計なお世話でしょう。自分の人生は自分で決める、憲法で保障された自己決定権であり、多様な人材が自分の意思で、年齢、学歴、受験回数など関係なく法曹を目指せる、いつでも学修したいときに自由に学び、そして挑戦できる制度のどこが不合理なのでありましょうか。
 何よりも、実はこうした誰もが挑戦できる仕組みがこの国の法の支配を支えてきたと考えています。司法試験を本気で勉強し、合格しなかったものの、公務員、他士業、民間企業、NPO、NGO、家庭、国際関係、さまざまな場面で活躍している人材が多数います。かつて年間五万人ほどいた司法試験志願者のうち大多数が法曹にならなかったとしても、実はこの国の法制度を社会において支えているのであります。十分にその学びを生かして社会に貢献している。法曹三者のみがこの国の法制度を支えていると考えることは傲慢であり、司法試験不合格を人生の落後者のようにレッテル張りをすることは上から目線であり、それはやめていただきたい。また、目的を持って学んでいる時間を、合格しなかったからといって、人生の浪費と評価する価値観を私は持ち合わせていません。
 さて、プロセスによる教育が重要であるとしても、それは司法試験合格後であっても可能と考えます。むしろ、それ以前は不可能ではないでしょうか。
 司法試験合格前にプロセスによる教育といっても、試験と関係ないことを学修させようと強制すること自体が、不自然で無理なことです。司法試験に合格するために多額の学費と時間を使って法科大学院に入るのでありますから、試験の合格に意識が向くのは当然のことであり、よほど余裕のある者しか、試験の不安に打ちかって、試験と無関係な授業を真剣に受ける気持ちなどにはなれません。合格してからプロセス教育をすればよいだけです。合格後の司法研修所、実務におけるOJTも立派なプロセス教育、これらを充実させればよいと考えます。管轄の違う法科大学院、司法試験、司法修習の連携を放置したまま、そのしわ寄せを、受験生にプロセス教育の名のもとで負担させるべきではないと考えます。
 また、本気でプロセス教育重視というのならば、法科大学院を卒業した者は全員法曹になれる、つまり、司法試験をなくせばよいわけです。事実上、法科大学院入試が司法試験の意味を持ち、法科大学院が司法研修所になるようなものでしょう。ただ、この場合には、その重い費用負担から、社会人受験生が激減することを覚悟しておかなければなりません。
 ところで、一発勝負の弊害といいますが、司法試験が試験である以上、それは当然でしょう。オリンピックの選考試合と同じで、それまでに十分練習をする。つまり、勉強して合格します。そのプロセスがあってこその合格です。もちろん、運が悪くて落ちることもありましょう。それはどの世界でもあることであり、そもそも、何度でも挑戦できるのに、これを一発勝負と評価する意味がわかりません。受験生は、折れそうになる気持ちと闘いながら、必死に努力を続けています。その厳しい勉強のプロセスがあっての合格。それを一発勝負などと言うことは本当に失礼千万であり、試験の現場を知らない者のざれごとにすぎない、そう思います。
 予備試験についても述べておきます。
 予備試験の受験資格を制限することを検討する人がいるといいます。本気でそんなことを考えているんでしょうか。もしそうならば、それは法科大学院の存続が自己目的化してしまっており、多様性、開放性、公平性という法曹養成の理念、全くそんなものは眼中にないということでありましょう。
 法科大学院はすばらしいものであるから、何とか存続させようという気持ちは理解できます。そんなにすばらしいものかどうかはひとまずおいておいたとしても、確実に言えることは、仮に予備試験の受験資格を制限などしたら、辛うじてつなぎとめている優秀な学生も、ますます法曹から離れることは間違いありません。これは愚の骨頂でありましょう。法曹養成制度は壊滅的な打撃を受けると考えます。それが現場の私の感覚です。法科大学院在学中に予備試験を受験できないように制限をした場合、それを理由に法科大学院に行かなくなる学生がふえるだけでありましょう。
 予備試験に関して、間違ったレッテル張りが行われています。一、予備試験はバイパスでよくないんだ。予備試験合格者の法曹としての評価が低いということは証明されているのでしょうか。二、予備校、塾は受験テクニックばかりを教えて、諸悪の根源である。
 さて、塾では、私たちのところでは、法科大学院が自学自習という名のもとで放置している体系的理解と、基礎、基本の学修を徹底させています。また、答案の作成の練習は法律文書作成能力の訓練であり、まさに実務訓練にほかなりません。
 昨年最年少で合格した学生もうちの塾生でありますが、こうして若くして合格した者は、司法試験一辺倒で一般教養がないとレッテル張りをされます。あたかも人々の悩みや苦しみに共感する豊かな人間性と幅広い教養を備えていないかのごとく論じる者がいます。驚くべき偏見です。普通の高校生と同じように高校生活を謳歌し、ただ毎日二時間ほど法律の勉強をこつこつ続けてきただけであります。合格後は、更に可能性を広げようと、語学や会計、一般教養も深く勉強しています。こうした優秀な、可能性のある学生の芽を摘むことが本当に制度改革なんでしょうか。
 誰もが最もいい時期にそれぞれの打ち込みたいものが見つかり、それを見つけたときに誰もが挑戦できる制度が、私は教育制度としてすぐれていると考えます。一人一人の能力を引き出すことが教育の本質ではないのでしょうか。これは法曹養成教育においても同じと考えます。法科大学院存続のために個人の能力を引き出すチャンスを制限することなど、教育を本気で考えている国のやることではありません。
 繰り返し申し上げますが、予備試験の制限などもってのほかでございます。
 最後に、政府案への評価を述べておきます。
 法学部生にとっては選択肢がふえてありがたい面は確かにありますが、しかし、法学部中心の制度であり、多様性の後退は必至でありましょう。また、法科大学院在学中に司法試験受験を認めることは、受験生としてはありがたい面もあります。しかし、プロセスによる学修放棄であり、制度としては自己矛盾と言わざるを得ません。
 端的に言えば、法科大学院存続が自己目的のびほう策でしかない。抜本的な改善にはつながらない。よって、反対します。
 法曹志望者、志願者をふやすためには、法曹への間口を広げることが一番であり、司法試験の受験資格を撤廃することが最も効果的であり、現実的と考えます。その上で、司法試験の内容、司法修習、これを充実させればよいと考えます。
 以上から、国民民主党の案に賛成いたします。
 以上です。拍手
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亀岡偉民#12
○亀岡委員長 ありがとうございました。
 次に、須網参考人にお願いいたします。
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須網隆夫#13
○須網参考人 早稲田大学の須網でございます。
 私は、法科大学院ができてから十五年間、一貫して法科大学院で教育に携わってまいりました。きょうは、そういう現場の教員という立場から御意見を述べさせていただきます。
 皆様御存じのように、数日前に、法科大学院を含む司法制度改革について大変御尽力いただいてきた自民党の保岡興治先生が亡くなりました。私、司法制度改革審議会のころから保岡先生に御指導いただきまして、今回の法案については少し保岡先生とは意見が違うんですけれども、きょうまたこういう形で国会にお邪魔させていただきまして、保岡先生を追悼するという思いで、きょう意見陳述させていただきます。
 まず、法科大学院の現状から少しお話しした方がいいと思うんですが、一つは、皆様のお手元に「浪江町聞き取り調査報告書 早稲田大学東日本大震災復興支援法務プロジェクト」、こういう冊子があるかと思います。
 法科大学院は実務と理論の架橋ということがキーワードですので、これには、研究者も、実務で発生する新たな問題に向き合いながら、みずからの研究を発展させていく必要があります。こういう形で、早稲田大学の法科大学院では、二〇一一年の震災直後から福島の被災地の自治体への支援ということをずっと継続しておりまして、このプロジェクトには学生も参加しております。昨日、新入生に対する説明会を行いましたけれども、三十名以上の学生が参加してくれまして、こういう形でさまざまな活動を行っているということを知っていただきたいと思います。
 それから、法科大学院の全体的な状況ですけれども、実は一時期、非常に受験者、入学者が減って、存続が危ぶまれるという時期がありました。しかしながら、実はどうもその事態は脱したのではないかというふうに思っております。
 文科省からいただいた統計を見てもわかりますように、ことしは去年よりも随分志願者それから入学者ともに増加しておりまして、定員充足率も八割を超えております。早稲田大学院の法科大学院を見ても、ずっと定員は二百人なんですけれども、実はおととし、二〇一七年、百十二名まで落ち込みまして、正直言って、百名を割ってどうなるんだろうと思っていたわけですけれども、昨年度百三十六名、今年度は百八十二名ということで、ほぼ定員を充足するという状態。これまで法務省、文科省始めさまざまな制度の改革、取組ということを行ってきたわけですけれども、その成果がようやく出てきた段階になっているのではないか、こういうふうに思っております。
 今回の内閣提出法案について少し意見を述べさせていただきますが、内閣提出法案の中身については、学部連携、法曹コースの問題と在学中受験の問題をやはり区別して少し考えなければいけないのではないかと思います。
 前者については中教審でずっとこの間議論されてきておりまして、その内容については法科大学院の教員についてもある程度伝わっておりました。しかしながら、後者の在学中受験というのは、これは本当に寝耳に水でして、大変びっくりしたようなわけです。
 これに対して、多くの現場の教員がどういうふうに率直に思っているか、感じたかということをお話しさせていただきますが、一つは、これは法科大学院制度の根本的転換だねと。具体的な声としては、これは法科大学院の理念の放棄ではないか、又は法科大学院の終わりの始まりではないか、こんなような声を、これは私が言っているわけではなくて、よく同僚から、他大学含めて、耳にいたします。
 法科大学院は、独立した法曹養成機関として、法曹に必要な教育を法科大学院全体のプログラムとして提供するということを考えているわけですけれども、実は、法科大学院卒業前に在学中受験を認めるということは、いわば法科大学院のカリキュラムの中に法曹にとって必要な部分とそうではない部分があるんだ、こういう見方に立つことに、少なくとも現在の司法試験法を前提にすればそういうことになってしまうわけで、これがやはり理念の大きな転換であるというふうに言わざるを得ないんだろうと思います。
 それからもう一つは、法案が通れば、やはり法科大学院の司法試験予備校化ということが進んでいくんだろうという印象ですね。教員の声としては、私のレジュメに書いてありますけれども、これからは法科大学院のキャッチフレーズは、入学すれば受験生、こういうことだよね、こういうような受けとめ方です。
 ここで私が申し上げていることは、要するに、司法試験科目以外の科目を余り勉強しないというような状況になることが、果たして多様で専門化した法曹養成という理念と整合するんだろうか、どうなんだろうか、こういうことでございます。
 そして、特にこの在学中受験は、法学部教育への影響ということもかなり心配されます。司法試験の実施時期が、今、夏を法務省は予定されているんだと思いますけれども、そうすると、法曹コースの学生にとって、法科大学院での教育期間というのは一年数カ月ということになるわけですね。そうすると、単純に考えて、法曹養成教育の重点ということは法科大学院から法学部に移る、時間的に見ればそういうことになるわけで、やはり学部にも相当な影響が生じるのではないかということを懸念いたします。
 法案提出の動機なんですけれども、この提案理由は非常に抽象的な書き方をしているのでよくわからないんですが、やはり真の動機は、予備試験との競争において法科大学院の競争条件を改善する、こういうことなんだろうというふうに思います。
 しかし、この真の動機にはやはりちょっと幾つか問題があるのではないか。まず第一に、余りこの真の動機自体が正面から語られない。それから二つ目に、予備試験が本来どうあるべきかということは、伊藤参考人の御意見にありましたように、いろいろ見解は分かれると思うんですけれども、少なくとも予備試験の現在の運用が今の制度趣旨、本来の制度趣旨に合っていないということについては、これは明らかなんだろうというふうに思います。こうしたときに、予備試験の運用をそのままにしておいて法科大学院の方だけいじるというのは、これはやはりちょっと順番が違うのではないかというふうに思います。
 予備試験が問題である、こういう意見に反対する法科大学院の教員は恐らくいないと思います。意見が分かれるのはどっちを先にするかということだけだと思うんですけれども、やはりこの点は今後引き続き考えていただかなければいけないのではないかと思います。
 法科大学院制度、こういう形でいろいろ議論が分かれるわけですけれども、実は、一つ確認しておかなきゃいけないことは、一九九〇年代の末には、いわゆる司法制度改革審議会のころは、司法試験という一発のペーパー試験ではかれる能力には限界があるんだ、だからプロセスとしての必要な専門教育を受けたことを重視していかなければいけないんだということに、法曹三者含めて全ての方が一致されていたわけですね。問題は、果たしてこの認識を今も維持するのか、維持しないのかということが、やはり一つ大きな議論の分かれ道なのではなかろうかというふうに思います。私には、どうも今回の法案は、この点についての認識が曖昧であるというふうに思います。
 結論として、拙速な変更は禍根を残すと書かせていただきましたけれども、未修者教育とか司法試験改革とか研修所教育とか、実はいろいろな問題があるわけで、本当はやはり全体、パッケージとして議論しなければいけないんだろうと思います。また、法科大学院の志願者とか入学者が増加に転じてきたのではないか、そういうこの時期に、今制度変更するということはいかにも間が悪い、タイミングとしてどうなんだろうかということもあわせて述べさせていただきます。
 以上、御清聴ありがとうございました。拍手
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亀岡偉民#14
○亀岡委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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亀岡偉民#15
○亀岡委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。宮崎政久君。
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宮崎政久#16
○宮崎委員 自由民主党の宮崎政久です。
 きょうは、この文部科学委員会で質問の機会をいただきましたこと、委員長、理事そして与野党各党の先生方に感謝を申し上げまして、質問させていただきたいと思います。
 冒頭、我が党の中でこの法曹養成制度に今日まで多大な尽力をされてこられました保岡興治先生が、過日御逝去されました。保岡先生は、平成十三年六月十二日にまとめられました司法制度改革審議会の意見書、この取りまとめに大変な御尽力をされて、今日に至るまでの我が国の法曹養成制度、もちろん法曹養成制度を超えた法律全般、我が国の運営について多大な貢献をされてこられました。その先生の今日まで多くの御指導をいただいていた思いを胸にしながら、きょうは参考人の先生方と質疑をさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 今、我が国の法曹をめぐる状況の中で最も重大であり喫緊の課題は、この道を目指す人がいなくなっちゃっているというところにあります。法曹志願者の激減の問題に対処しなければいけないわけであります。
 法科大学院の志願者の数だけを見ても大きく減っています。平成十六年度は志願者数七万二千八百人いたものが、平成三十年度にはその十分の一にも近い八千五十八人にまで減少している。司法試験を受験する人、先ほど旧来の制度についての言及をしていただく御意見もございましたが、法科大学院、新司法試験制度が始まってからの数だけを言っても、平成二十三年には八千七百六十五人を数えていた受験者数も、平成三十年では五千二百三十八人と減少している。もとより、法科大学院という制度ができましたけれども、私は平成四年の司法試験に合格をした司法修習四十七期生でありますけれども、その当時の受験者数は二万人を超える人たちであったわけであります。
 この世界、我が国の三権の一翼を担っているわけであります。この三権の一翼を担う人材がきちっと我が国において養成をされて、この担いをしてくれる人材が、その思いとともに法曹になってもらうということが最も必要なことでありまして、そのために今、この政府提出の法案、また野党の方からも提案をしていただいておりますけれども、その議論をここでしっかりする必要があるんだと私は思っています。
 そして、まず山本参考人にお伺いしたいと思います。
 山本参考人は、中教審の法科大学院等特別委員会の座長代理をされておられたということを、先ほどお話しになっておられました。議事録を幾つか読ませていただきました。その中で、法科大学院創設時の基本理念は未修三年であったけれども、ふたをあけてみると、未修のレベルの違いが大きくて、特に下の方のレベルになると、既修二年に一年を加えただけで追いつくのはちょっと到底難しい、こういった部分にも抜本的な改革が必要だという御発言もあり、また、その一方で、未修者の存在というのは、従来法曹にいなかった人材の供給源にもなっていて、こうした部分を維持しながら抜本的改革を考えることも必要だ、こういう御指摘も読ませていただきました。
 中教審の中での議論も踏まえて、今回の法改正の理念的な部分、意義としてどういうところを重視されているのかを、御意見を聞きたいと思っています。
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山本和彦#17
○山本参考人 ありがとうございます。お答えをさせていただきます。
 今回の改革、中教審で議論されたことを申し上げるとすれば、司法制度改革審議会が提示をされた、できるだけ多様な法曹を多数養成していく、そのためにはプロセスによる法曹教育というのが必要不可欠であるという基本的な考え方は維持をされているのではないかというふうに思っております。
 ただ、現状に鑑みれば、やはり法曹養成の中核は法学部卒業の学生、いわゆる既修者になっているということは否定しがたい事実であります。
 しかしながら、その既修者において、今委員御指摘のとおり、法曹を志望する学生が激減をしているという状況がある中で、そのような学生の法曹を志望しない理由として挙げられている点では、時間的な負担、経済的な負担というのがアンケート等でもやはり非常に多いということに鑑みますと、まずはその点を改革するということが重要な事柄ではないかという認識があったものと思います。その結果、今回の法曹コースあるいは在学中受験という議論になってきたものと思っております。
 ただ、他方で、当然のことながら、そういう多様な法曹を確保するという点では、未修者教育の重要性というのも中央教育審議会においてはコンセンサスがあるところでありまして、そういう既修者に対する対応を進めながら、未修者教育の充実というのをあわせて今後どのような形で行っていくかということについて、今、調査研究等も進められておりますけれども、それを今期の中教審においては更に深めていって、既修者と未修者の両輪で多様な法曹を多数養成するという理念を維持していきたいというふうに考えているところであります。
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宮崎政久#18
○宮崎委員 ありがとうございます。
 その中で、特に若い人たちに制度的に示していく、要するに、時間的、経済的な負担を緩和していく。つまり、時間的、経済的負担というのは本人の努力ではどうしようもないわけであります。合格率が低いとかなんとかという話は自分が頑張るという世界かもしれないけれども、時間的、経済的負担というのは制度論ですから。
 これをしっかりしていかないといけないという意味では、今回の法案の中にある3+2、通称3+2というふうに言いますけれども、3+2の制度が、よくできる人にトンネルをつくるとかそういうことではなくて、どこかから引っ張ってくるということではなくて、若い人たちに対してそういう制度を示していくということが重要だと私は思います。
 この際に、3+2というぐらいですから、学部教育と法科大学院教育との連携のあり方というのは非常に重要になると思うんですね。こういったところについてはどういった点に留意をするべきだと山本参考人はお考えでしょうか。
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山本和彦#19
○山本参考人 お答えを申し上げます。
 御指摘のとおり、今回の改革の主眼である3+2、法曹コースというものでございますけれども、従来の、法学部で既修者でやってくる中で、四年間勉強をしてくるものを三年間で頑張るということですので、これは学生にとってはやはりかなり頑張らなければいけないというところがあるのだろうと思います。
 また、我々教える側の人間にとっても、その三年間で法学既修者のレベルに到達させるということはなかなか大変なところだというふうに認識をしておりまして、これは学部側でもかなり、教育の手法を含めて取り組まなければならないんだろうというふうに思っています。
 ただ、我々は、法科大学院の側でも、従来、未修者を一年で教えて既修者のレベルまで、既修者と同じような形で授業を受けられるような形で教育をしてきたということがございます。
 そういうような教育のノウハウ等も踏まえて、この三年間できっちりと法律学の基礎を学んできてもらって、法科大学院で二年頑張れば司法試験、法曹の基礎が修得できるような教育を行っていくという学部レベルでの教育のやり方等についても、今後かなり研修等を行っていかなければならないのではないかというふうに思っております。
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宮崎政久#20
○宮崎委員 同じ趣旨で須網参考人にお伺いをしたいと思います。
 法科大学院の現場の教鞭に立っておられるお立場から、政府案に対する評価はいろいろあると思うんですけれども、この制度で、法学部と法科大学院が連携をしてこの制度を進めていくというふうになっていった、法改正が成立をした後のこの連携のあり方などについて、御提言や知見などあればいただきたいと思っております。
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須網隆夫#21
○須網参考人 ありがとうございます。
 もちろん、この法案が通れば、法学部と法科大学院は綿密に連携していかなければいけないわけですね。
 一つ考えなければいけないことは、今、いわゆる法科大学院協会という組織があって、そこに法科大学院しか入っていない。つまり、法学部は、法曹養成をきちっと、議論に参加する制度的な枠組みがないということなんですね。今回、実は、この3+2それから在学中受験、どちらの話題についても、必ずしも法学部が十分に議論に参加せずに行われてきた経緯がありまして、そこがやはり手続的にはちょっと問題があったと思っているわけです。
 まして、法案が通った後であれば、法科大学院協会は当然改組されて、学部と法科大学院両方が一体となってこの法曹養成を議論する、そういう新たな枠組みがきっと必要になるんだろうというふうに思います。
 以上です。
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宮崎政久#22
○宮崎委員 ありがとうございます。
 あと、この3+2の点でもう一点、ちょっと山本参考人に聞きたいと思います。
 これを安定的に運用するには、法学部三年終了時に法科大学院に入っていくということになるわけですね。現行の、要するに学校教育制度の中でも飛び入学という制度、早期卒業という制度があるわけですけれども余り使われていない、こういう現実があります。
 飛び入学という制度を使うと、言ってみれば中退になってしまうんですね、学部生としては。入ることによって学士の資格が取れない。そういうこともあるので、私は、早期卒業というものが原則として運用されるのが3+2としてあるべき姿じゃないかと考えているんですけれども、参考人の御意見をお聞かせください。
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山本和彦#23
○山本参考人 御質問ありがとうございます。
 その点については、私は全く委員と同じ意見であります。
 飛び入学というのは、基本的にはやはり早期卒業を目指して学生が勉強していく。ただ、最終段階で、法科大学院とかの入学試験も合格したけれども病気その他の理由でどうしても卒業がうまくできないという学生は出てくる可能性がありまして、そういう学生については例外的に飛び入学ということはあり得るのではないかというふうに思いますが、基本的には、やはり法学士、卒業していただいて法科大学院の方に入っていただくというのが基本形になるのだろうというふうに認識をしております。
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宮崎政久#24
○宮崎委員 ありがとうございます。
 次に、伊藤参考人にお伺いをしたいと思います。
 私も、司法試験の勉強をするに当たって伊藤参考人の教えを受けた、教え子の一人でもございます。
 伊藤参考人の書かれているものをいろいろ読ませていただきました。ホームページに「塾長雑感」というのが書かれているのを読ませていただきました。この中で、「散る桜」という、ちょうど今の季節に合うようなタイトルのものがあって、予備試験のことについて触れられておられた。予備試験合格者が就職において圧倒的に有利で、かつ実務において評価が高くなっている理由について、参考人はこういうことを書かれておられます。
 「困難な試験に合格したということは、このような困難に挑戦する気概があり、不安を克服し、結果が保証されない目標に向かって最大限の努力をすることができるということの公的な証明なのです。 こうした「困難に挑戦し努力を続ける能力」は、実務家にとって決定的に重要なものです。だから予備試験合格者は高く評価されるのです。」という記載がありました。
 また、別のホームページの記載を見せていただきましたところ、慶応大学や一橋大学などの法科大学院などで、すばらしい法科大学院があり、教育がされており、法曹となった後のことも考えた教育がされているということについて積極的に評価をされることも書かれておられました。
 参考人の御意見をお伺いしたいんですが、予備試験そして法科大学院の教育、二つのルートがあるということは私は積極的に評価すべきだと思っているんですけれども、参考人はどのようなお考えか、教えてください。
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伊藤真#25
○伊藤参考人 伊藤でございます。お答えいたします。
 私は、先ほども少し申し上げましたが、選択の幅が広いこと、要するに、本人が自分にとって一番ふさわしい法曹養成の仕組みというか学び、それを選択できること、それが一番大切なことだろうと思っています。
 現在の法科大学院でもすばらしい教育がなされているところも多々あるかと思いますので、そういうところをぜひ自分も利用したいという方は法科大学院を選択し、ですが、少しでも早く実務に出て、また実務的な勉強を合格後にしたい、そんな学生は予備試験を目指していく、それは本人の意思で選択できる、そういう制度がよいのではないか、そう考えています。
 以上です。
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宮崎政久#26
○宮崎委員 ありがとうございます。
 今回の法案で、直接的ではないんですけれども、予備試験の評価について参考人の先生方にお聞きをしたいと思っています。
 私は、どのような事情であっても、どのような環境にある人であったとしても、その人の志一つで、法曹という道で自分の人生を輝かすことができる仕組みがあるということは、この国にとって大切なことだというふうに思っています。
 今回の法案への評価、先ほどそれぞれの先生方の陳述で聞きましたけれども、予備試験をどのように見ていらっしゃるか、四名の先生方にお伺いしたいと思います。
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山本和彦#27
○山本参考人 先ほど意見陳述でも申し上げましたとおり、私自身は、予備試験というものが存在するということ自体は否定するものではありません。司法制度改革審議会の意見書にありますように、十分な資力がないような方々、あるいは既に社会で十分に経験を積んでこられたような方々に対する、法科大学院を通らないで法曹になる道というものが閉ざされるべきではないというのは、委員御指摘のとおりだろうと思います。
 ただ、現状の運用がやはりその理念とはややそぐわないような形になっているということも否定しがたいところでありまして、ただ、それが現在の法科大学院ルートのいわば欠点に由来しているものである可能性もありますので、今回の法改正が実現した暁には、今回の法改正による法曹養成の実績にも鑑みて、もう一度、予備試験、どうあるべきかということをお考えいただければという趣旨で先ほど御意見を申し上げました。
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三澤英嗣#28
○三澤参考人 御質問ありがとうございます。
 ここに立つに当たって、これは司法制度改革審議会意見書ですけれども、これに目を通してきました。平成十三年、このころ、この場でもそうだったと思いますけれども、どういう議論がされていたかということに、まず原点に立ち返るべきだと思っています。
 当時、私も一発試験で受かった人間ですけれども、この司法制度改革審議会意見書をよく読むと、その一発試験の弊害、それを改めるために今の法科大学院制度がつくられたということが読み取れます。
 先ほど伊藤先生から、個人の自由だから、それは個人の責任だというふうにおっしゃいましたけれども、確かにそうでした、私が受けたときもそうです。しかし、我々のときは、そのためにどこで勉強していいかが全くわからなかったんです。日本の国の一翼を担う司法権に参画しようと思っていた人たちは、どこで習ったらいいかがわからないんですよ、当時。大学も、アカデミックなところも、そういう勉強をしていませんでした。だからこそ、司法制度改革審議会意見書は、それを日本の国でちゃんと養成しましょうというふうにして、法科大学院制度をつくったんです。ですので、あくまでも、法曹養成としての基本的なプロセスは法科大学院が基軸になっているというものだと私は思っています。
 それで、いろいろな意味で法科大学院に行けない方、その方に予備試験という制度が設けられているわけで、そういう趣旨であれば、私は、予備試験は、当然ですけれども存続していいと思っていますし、しかし、残念ながら、現状は全くそういう制度として機能していないというふうに理解をしております。
 以上です。
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伊藤真#29
○伊藤参考人 伊藤から申し上げます。
 法科大学院制度が本来の制度趣旨どおりに運営されている、先ほど申し上げた多様性、開放性そして公平性、それが実現するような仕組みとして運用されているのであれば、予備試験というのは、本当に、ある意味では補助でよかったんだろうと思います。
 ところが、現実の運用がそれとまるでかけ離れた形になっておりますので、予備試験の本来の趣旨とは違った形で今実際に運用されている、いわば多様性、開放性そして公平性の受皿として機能しているんだ、そう評価しています。
 確かに、旧試験の時代は、法曹養成の仕組みが国家としては存在していませんでした。だからこそ、私は、この国で法曹養成の仕組みをつくらなければいけないというので、自分なりに考え、他学部生そして社会人が、自分で学びたいときに学びたいタイミングで、そして余り費用もかけずに法律家になっていける、そんな仕組みをつくってきたつもりでいます。
 なので、やはり今の現時点においても、多様性、開放性そして公平性、その理念を実現するためには不可欠と考えています。
 以上です。
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