法務委員会

2019-06-06 参議院 全206発言

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会議録情報#0
令和元年六月六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月五日
    辞任         補欠選任
     進藤金日子君     佐藤  啓君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     片山さつき君     小野田紀美君
     佐藤  啓君     岡田 直樹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         横山 信一君
    理 事
                福岡 資麿君
                元榮太一郎君
                有田 芳生君
                伊藤 孝江君
    委 員
                小野田紀美君
                岡田 直樹君
                佐藤  啓君
                徳茂 雅之君
                長谷川 岳君
                丸山 和也君
                柳本 卓治君
                山谷えり子君
                小川 敏夫君
                櫻井  充君
                石井 苗子君
                山口 和之君
                仁比 聡平君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       法務大臣     山下 貴司君
   副大臣
       法務副大臣    平口  洋君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  門山 宏哲君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   村田 斉志君
       最高裁判所事務
       総局家庭局長   手嶋あさみ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      小田部耕治君
       法務省民事局長  小野瀬 厚君
       法務省刑事局長  小山 太士君
       法務省人権擁護
       局長       菊池  浩君
       文部科学大臣官
       房審議官     森  晃憲君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      藤原 朋子君
       防衛省地方協力
       局次長      田中  聡君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○民法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ─────────────
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横山信一#1
○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、進藤金日子君が委員を辞任され、その補欠として佐藤啓君が選任されました。
    ─────────────
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横山信一#2
○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 民法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省民事局長小野瀬厚君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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横山信一#3
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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横山信一#4
○委員長(横山信一君) 民法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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徳茂雅之#5
○徳茂雅之君 おはようございます。自由民主党の徳茂雅之でございます。
 さきの民事執行法改正による子の引渡し制度の改正の際にこれ申し上げた点でありますけれども、こういう制度の見直しに当たっては、まず子の利益、子の福祉を第一に考えた仕組みにすべきであるということでございます。そういう仕組みになっているかどうかを含めて、改正の内容に従ってまず確認させていただきたいと思います。
 今回の改正の第一のポイントは、対象年齢範囲の拡大ということであります。現行制度下では、養子候補者の多くがゼロ歳あるいは一歳児ということで、事実上子供の意向、意思、これ確認する必要はなかったということでありますけれども、今回の改正によりまして、例えば思春期を迎えた高学年の小学生あるいは中学生も対象になってくるということでございます。
 そこで、対象年齢の拡大に伴って、特別養子となるべき子の意思の確認など、子に対する配慮、これがどのように行われるのかをお伺いします。
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小野瀬厚#6
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 特別養子縁組の成立の審判手続におきましては、家事事件手続法上、家庭裁判所は養子となる者の意思を把握するように努め、審判をするに当たっても、その意思を考慮しなければならないこととされております。家庭裁判所におきましては、家庭裁判所調査官による調査等の適切な方法により子供の意思を把握するように努めておりまして、審判をするに当たりましては、子供の年齢や発達の程度に応じてその意思を適切に考慮しているものと承知しております。子供の意思の把握は、家庭裁判所調査官が養子となる者と面接したり家庭を訪問して、養子となる者の様子を観察して養親となる者との適合状況を分析したりすることによって行っていることが多いものと承知しております。
 また、子供が十五歳以上である場合には、特別養子縁組の成立につきましては子供の同意が必要になります。特別養子縁組は実方の父母等との親族関係が終了する等の重大な法的効果を生じさせるものでありまして、重大な決断を迫られる子供の精神面に十分な配慮をしながら、特別養子縁組の制度やその効果について分かりやすく説明した上で、真摯に同意したものであるか否かを確認することになるものと考えられます。この点の確認につきましても、心理学等の行動科学の専門的知見を有して、子供の年齢や発達の程度に応じた面接技法を身に付けている家庭裁判所調査官において行われることが多くなるものと考えられます。
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徳茂雅之#7
○徳茂雅之君 さきの参考人質疑の際にも参考人の方からお話ありましたけれども、今回の特別養子縁組の候補となる子、これは施設養護にされている子というより、むしろ、例えば里親委託されている子が中心になるんじゃないかというようなお話もございました。
 養育里親については、いろんな手当が出ています。例えば、里親手当、あるいは生活費でありますとか教育費、こういったいろんな手厚い仕組みがある一方で、養子縁組になれば、当然のことながら、そういう特別な手当制度というのはなくなるわけでございます。
 本来、養子縁組をすれば法的にも安定した環境下で子供を育てることができたような、そういうケースもあろうかと思いますけれども、こういった制度の違いによって、例えば、今回年齢を引き上げることによって養子縁組、特別養子縁組にできたにもかかわらず、そのまま養育里親だということで、縁組の移行が遅れるケースもあるんじゃないかと、こういう懸念に対してどのように対応するのか、お伺いしたいと思います。
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小野瀬厚#8
○政府参考人(小野瀬厚君) 委員御指摘のとおり、この特別養子縁組につきましては、縁組の成立後は一般の家庭と同様の法律上の親子関係を有することとなりますために、養子縁組成立後の養親子に対しては里親手当のような手当が支給されないということを承知しておりますが、このような手当の問題から里親による特別養子縁組の申立てが遅れることが懸念され、法制審議会におきましても同様の指摘がされたところでございます。
 この特別養子縁組をする必要があると考えられる子供については、できる限り早期に縁組を成立させて養親との間に安定的な関係を築かせることが望ましいわけでございまして、養親候補者の特定や特別養子縁組の成立の審判の申立て等についてもできる限り速やかに行われる必要があると考えられます。
 そこで、厚生労働省におかれましては、児童相談所運営指針あるいは養子縁組あっせん法に基づく民間あっせん機関の業務の指針等におきまして、この趣旨を明確にして、これらの機関に情報提供をするなどの方策を講ずるものと承知しておりますけれども、法務省といたしましても、特別養子制度が適切に利用され、子供の利益が最大限図られるように必要な協力をしてまいりたいと考えております。
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徳茂雅之#9
○徳茂雅之君 次に、今回の改正の二つ目のポイントは、特別養子縁組の適格性の審判、それとマッチングの審判を分ける二段階手続を取るということでございます。
 この手続を取ることによりまして、まず第一に、特別養子縁組の適格性を確認する審判が行われます。その際には、実親の養育状況あるいは養子となる子の同意の有無、こういったところを確認する必要があろうと思います。そして、先ほども民事局長から答弁ありましたとおり、特別養子縁組というのは実親子関係を断ち切るということでありますので、例えば実親が未成年者の場合、こういったところの確認は重要だろうというふうに思います。その確定後、今度は養親候補と養子候補のマッチングの審判が行われるわけであります。その際に、六か月以上の試験養育が行われる、こういう仕組みになっています。
 その申立てについては、現行制度では養親候補者のみでありますけれども、今回は児童相談所長も申立てが可能になるということでございます。今回、児童相談所長による第一段階手続の申立て、これを導入することによって、児相所の役割、これがますます高まるというふうに思いますけれども、人材育成あるいは体制整備の面で今後どのように対応していくのか、これは厚労省にお伺いしたいと思います。
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藤原朋子#10
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 平成二十八年の児童福祉法改正によりまして、児童相談所の業務として、養子縁組に係る必要な情報の提供、助言などが業務として明確化をされたところでございます。加えまして、今回の法案が成立すれば、特別養子縁組に関しまして、先ほど御指摘いただきました児童相談所長による申立てが新設をされること、それから年齢要件の緩和による件数の増加ですとか年齢の高い養子とその養親に関する支援ニーズが増大をするといったことが考えられますので、児童相談所の業務が増えるということが想定をしております。
 このため、厚生労働省といたしましては、養子縁組に関する児童相談所長の関与が適切かつ十分に行われるよう、昨年十二月に策定をいたしましたプランでございますけれども、児童虐待防止対策体制総合強化プランと申しておりますけれども、このプランに基づきまして児童福祉司の増員を予定をしております。この中で、里親養育支援担当の児童福祉司を新たに配置をしていくということにしております。また、養子縁組に関する児童相談所職員等向けの研修についても充実をしていくこととしております。
 また、各都道府県においては、今年度中に社会的養育推進計画を策定をいただきまして、その中でこの養子縁組の相談支援体制の構築についても盛り込んでいただくということになっておりますので、国としても都道府県のこの計画策定の進捗状況を毎年度把握、評価、公表し、必要な支援策を検討することとしております。
 また、今般のこの改正法案が成立した場合には、児童相談所長による申立ての運用の在り方などについて法務省とも連携をして整理をして周知をするということ、また、実際の事例において生じた課題などを必要に応じて分析をして共有するなど、改正法の円滑な施行に努めてまいりたいと考えております。
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徳茂雅之#11
○徳茂雅之君 是非、国としての支援、それから法務省との連携、よろしくお願いします。
 さきの参考人質疑の際に、特別養子縁組の実例というのが少ないということで、児童相談所のノウハウ、この蓄積の問題が指摘されています。また、養親候補者の確保という観点から、児童相談所が単独、個別に対応するのではなくて、広く児童相談所間の連携、これをやっていったらいいんじゃないかという御指摘もありました。
 そこで、児童相談所間の連携あるいは児童相談所と民間あっせん団体との連携についてどのように取り組んでいくのか、お伺いします。
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藤原朋子#12
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 厚生労働省におきましては、家庭養育優先原則に基づく取組の一環といたしまして養子縁組制度の利用促進を行っているところでございまして、児童相談所と民間あっせん機関共に養子縁組制度の利用促進において重要な役割を果たしておりまして、御指摘のように、児童相談所間の連携や民間あっせん機関も含めた連携を推進していくことは非常に重要であるというふうに考えております。
 このため、児童相談所の運営指針や民間あっせん機関の指針におきまして、児童相談所間のほか、児童相談所と民間あっせん機関についても相互に連携を図るように定めているところでございます。また、昨年度から民間あっせん機関が児童相談所と連携をして、子供との事前のマッチングや養子縁組後の相談援助を行ったり、養親同士の交流の場を提供したりするなど、養親希望者等の負担軽減に向けた支援体制を構築するためのモデル事業を実施しているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、こうした取組を通じまして、児童相談所や民間あっせん機関が連携をして必要なときに情報交換や援助を行えるようなそういった協力関係づくりを促して、養子縁組制度の利用促進に努めていきたいと考えております。
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徳茂雅之#13
○徳茂雅之君 ありがとうございます。
 これは民事執行法改正の審議の際にも議論になった点でありますけれども、子の引渡し、民事執行法改正の子の引渡しの強制執行の事前準備に当たって、家裁調査官の役割、これが重要じゃないかという御指摘がございました。
 先ほど民事局長からも答弁ありましたけれども、養子候補者の年齢拡大、その対象年齢が拡大され、また二段階手続という手続を導入されるということで、養子候補者の意思の確認等、いろんな面で家裁調査官の役割は高まってくるというふうに思います。
 そこで最高裁にお尋ねするんですが、今後、家裁調査官の果たすべき役割についてどのように対応していくのか、伺います。
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手嶋あさみ#14
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 改正法が成立した場合には、これにより年齢の高い子についても特別養子縁組の対象となりますところ、年齢が高い子の場合ですと、その子の発達状況ですとか置かれた環境などが様々であることを踏まえまして、二段階手続のいずれにおいても子の意思等をより慎重に把握することが必要になるというふうに考えております。
 こうした点で家庭裁判所調査官の役割が高まることはもう御指摘のとおりでありまして、家庭裁判所調査官において、これまでの他の事件類型において年齢の高い子について調査を行ってきた調査の知見なども活用しながら、その子に応じた方法で聴取をするなどの工夫をしていくことになろうかというふうに存じます。
 最高裁判所としましても、改正の趣旨も踏まえ、今後とも的確な調査が行われるよう協議などの場で取り上げるなど、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
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徳茂雅之#15
○徳茂雅之君 特別養子縁組が成立しますと、実親子関係と同じような関係がスタートするということで、これまでの児童相談所との関係も終了するわけであります。そして、例えば里親委託されていた子については経済的な支援も終了するということであります。
 養子縁組関係が成立した後に、養親子、養子と養親との間の関係が結構行き詰まって養育困難になるとか、あるいは、極端なケース、養子が養親に虐待されるというようなケースもあるというふうに承知しております。
 さらに、民間あっせん団体が関与した養子縁組については、地域における児童相談所との接点も少ないということで、養子縁組後に養親がいろんなところで相談する機会も少なくなると、養親が孤立するケースもあろうかというふうに思っています。
 そこでお尋ねするんですが、特別養子縁組後の養親子に対する支援についてどのように取り組んでいくのか、特に民間あっせん団体があっせんした縁組についてはどのように支援していくのかお伺いします。
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小野瀬厚#16
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 その養親子に対する支援に関しましては、平成二十八年の児童福祉法改正によりまして、児童相談所のあっせんにより成立した特別養子縁組については都道府県が養親子に対して必要な援助を業務として行う旨の規定が設けられております。
 民間団体のあっせんにより行われる縁組につきましても、昨年四月に施行されましたいわゆる養子縁組あっせん法におきまして、民間団体は、養子縁組成立後の養親子に対し、その求めに応じて必要な援助を行うよう努めるものとする旨の規定が設けられたところでございます。また、厚生労働省におきまして、養子縁組民間あっせん機関助成事業を実施して、養子縁組成立後の相談援助など、養親の負担軽減に向けた民間あっせん機関による支援体制の構築を支援していくものと承知しております。
 養親子に対しましては、こういった法律の趣旨に沿って必要な支援がされるものと考えておりますけれども、法務省といたしましても、これらの法律を所管する厚生労働省に必要な協力をしてまいりたいと考えております。
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徳茂雅之#17
○徳茂雅之君 特別養子縁組は、法制度上は実親子関係を断ち切る仕組みということでありますけれども、当然のことながら元の実親子関係、これは生物学的にはもちろんつながっているわけでございます。参考人の意見陳述の中にもありましたけれども、養親が元の実親を意識する余り、逆に養親子関係が悪化するケースということもあろうということでございます。そこで、特別養子縁組後も実親子関係の間を交流を行うオープンアダプションということを行っているケースもあるというふうに聞いております。
 そこでお尋ねしますけれども、特別養子縁組後の実親子間の交流、あるいは実親へのいろんな面での情報提供、これについてどのように対応していくのか、お伺いします。
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小野瀬厚#18
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 特別養子縁組が成立いたしますと、法律上の実親子関係は終了いたしますので、実親子間の交流ですとかあるいは実親への情報提供等は、制度上は保障されてはおりません。もっとも、事案によりましては、特別養子縁組が成立した後も実親子が交流することが子供の利益の観点から望ましいということはあり得るものと考えられるわけでございまして、実際に養子縁組成立後の実親子間の交流等を支援している、そういった団体も存在していると承知しております。
 しかしながら、我が国には、縁組が成立した後も実親子間の法的な関係が終了しない普通養子制度といいますものもありますことからいたしますと、縁組が成立した後も実親子間の交流を続けるのが相当な事案につきましては、通常は普通養子縁組が利用されるものと考えられるところでございます。また、特に実親の虐待によって子供が深刻な心理的外傷を負っているような事例につきましては、特別養子縁組成立後に実親とその子供との面会交流を認めることは子供の利益の観点から望ましくない場合が多いと考えられます。
 このように、特別養子縁組成立後の実親子間の交流等の在り方につきましては、子供の利益の観点から慎重な検討が必要であると考えておりますけれども、縁組成立後の支援を所管いたします厚生労働省とも連携しながら、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
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徳茂雅之#19
○徳茂雅之君 最後に、子の出自に関してお伺いしたいと思います。
 特別養子縁組について、養親が養子に配慮して真実告知を行うことで、自らが養子であることを知るケースがあろうかというふうに思います。その一方で、これは参考人の意見陳述の資料にもありましたけれども、養親子関係が破綻したときに突然真実告知をするということで、養子が心理的にいろんなダメージを受けるケースもあるということでございます。
 子供は、成長するに従って自らのアイデンティティー、これを確認する欲求というのは高まってくると思います。真実告知をすることが本当に養子にとって良いのか、そして、真実告知をするとして、いつどのような状況になったらその告知をするのか、これは養親にとってもかなり悩ましい問題だろうというふうに思います。その結果として、言い方は悪いかもしれませんが、ずるずる真実告知が遅れて、突然養子が自分が養子であることを知るということもあろうかと思います。
 そこで、子の出自を知る権利に関して、養親による真実告知についてどのように対応していくのか、これは厚労省にお尋ねしたいと思います。
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藤原朋子#20
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 養子縁組が行われた子供が自分の出自を知るということは大切な権利というふうに考えております。このため、児童相談所に対しては、児童相談所運営指針におきまして、児童相談所の援助を通じて養子縁組が成立した児童の記録を永年で保存すべき旨や、養子や養親の求めに応じまして必要な情報の提供を行うべき旨を定めているところでございます。
 また、民間のあっせん機関に対しましても、養子縁組あっせん法に基づく指針におきまして、同じくあっせんに係る帳簿を永年保管すべき旨や、児童が自ら養子であることについて確実に養親から告知されるような必要な支援を行うこと、また、養子から相談があった場合には、丁寧に応じながら、年齢等の状況を踏まえて適切な助言を行いつつ対応すべき旨を定めているところでございます。
 養親子に対する支援を推進する中で、各機関におきましてこういった規定を踏まえた適切な支援が行われるように、私どもも支援をしてまいりたいというふうに考えております。
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徳茂雅之#21
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 今回の改正が多くの子供の幸せにつながることを期待いたしまして、質問を終わります。
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小川敏夫#22
○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫です。
 今日は大臣といろいろなお話合いをさせていただきたいというふうに思っておりますが、この特別養子制度を別に私は反対するものではないわけでありまして、大変に有効に機能しているという部分もあるわけでありますけれども、ただ、そういう制度があるから、もうその制度それでいいんだと。もっと使い勝手が良くする、あるいはきめ細やかにいろんなケースに対応できるというような仕組みの構築を検討するとか、様々な検討が必要だというふうに私は思いますので、そういう観点からいろいろ議論させていただきたいというふうに思います。
 まず、そもそもこの特別養子縁組ですけど、これ委員会の議論でいろいろ聞いていますと、子供のためだと。典型的な例として、子供が虐待を受けている、大変に子供の養育、健全な成長を妨げる、あるいはそうした事情がある、そうした子供を守るために、そうした実親から離して、それで養親子関係を結んで実親子関係と同じような法的関係を与えて、そうした親があるような、そうした養子縁組をするんだというお話を聞いておりまして、特に子供が虐待を受けるという例が少し強調され過ぎているんじゃないかと思うんですね。
 特別養子縁組を利用している中で、私も別に数えたわけじゃありませんから数字的に割合は示せませんけれども、別に子供が虐待を受けるという場合だけじゃなくて、様々なケースがあると思うんですね。赤ちゃんポストに入っていた子供、これは虐待じゃないんで、そもそも実親が分からない、事実上分からないからいないという状態、あるいは、よく一つの例とされるのは、女子高校生のようなまだ年齢が大変若い女性が生活力がないという中で子供を産んでしまったと。とても養っていけないし、また、そうした女子高校生の親から見れば、養っていけないどころじゃない、これからの人生、父親がよく特定できないような、あるいは分からないような、そうした子供を抱えて人生を送っていけるのかと。専ら子供のためよりも、母親であるその女子高校生のためにという利益がかなり多く働いて特別養子に出すということもある。様々なケースがあると思うんですね。
 ですから、虐待をされた子供を守るんだということで、そのことを強調して、子供が虐待をされるから、だから実親とは完全に切り離すことがいいんだというだけでは私は説明が足らないというふうに思うんです。
 まず、基本的なことですけれども、特別養子を利用して養子となる子供、これはどういう子供、もう法律上は経済的な理由も入っておるわけでありますから、大体どういうような子供が実際に特別養子になっているのか、その実情についての大臣の御理解をいただきたいんですが。
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山下貴司#23
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
 この特別養子制度というのは、制度開始の当初から実親による養育が著しく困難又は不適当であること等ということが要件になっておりまして、これは、例えば実親の養育能力がない、これは委員御指摘の、実親が非常に若年で経済的な事情から養育できる状況にない、そうした実親の下に生まれ落ちた子供であったり、あるいは虐待というのももちろんそれはあり得ることだろうと思います。実親によって虐待を受けている、その虐待というのが、例えばネグレクトも含んで全く養育がなされていないというふうな状況もあり得るかと考えております。
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小川敏夫#24
○小川敏夫君 どういう例が多いのか、その傾向、ある程度の正確な数字でもなくてもいいですけれども、今大臣がいろんなケースをお話しされた中でどういう例が比較的多いのか、これは把握できるでしょうか。
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山下貴司#25
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
 例えば、様々な例として見られるのが、予定外の妊娠などのために実親に養育の意欲が欠ける場合であるとか、あるいはその実親が行方不明になった場合、赤ちゃんを置いて、まあ棄児の場合ですが、行方不明になるような場合であろうとか、あるいは実親による虐待のために家庭に戻すことができない場合ということ、様々な場合があるということでございます。
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小川敏夫#26
○小川敏夫君 じゃ、様々な場合があるという中で、虐待というのはどのくらいなんでしょう、比較的多いんでしょうか。そんな正確な数字じゃなくてもいいですけれども。
 私の感じでは、全体から見れば多数ではないような印象を持っているんですが、どうでしょう。
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山下貴司#27
○国務大臣(山下貴司君) ちょっと手元には具体的な数値がないわけでございますが、もちろん委員が御指摘のとおり、虐待ばかりではないということではございます。
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小川敏夫#28
○小川敏夫君 ちょっと話は少し横にそれますが、昭和六十二年に特別養子の制度ができたときに、一つの説明として、養子であることを簡単には第三者に知られないようにするということが大きな目的の一つだというような説明がされていたというふうに思います。
 要するに、まだ養子というものに対する偏見というものがあって、それで第三者が簡単に戸籍を見て養子だと分かってしまうというようなことで、養親子関係が社会から偏見の目で見られるというようなことがあってはいけないから、だから、そういうことが第三者からたやすく分からないようにすると。それで、そういう目的の一つとして、戸籍上の記載を養子という記載をしないで実親子というような記載に改めたんだというような意見がございました、そういう説明がありました。これは別に大臣に質問しませんから、別に聞いていていただければいいです。
 ただ、私思いますと、昭和六十二年あるいはそれに近い頃って、戸籍や本籍地が入った住民票、身分が入った住民票の閲覧といいますか、これが非常に緩かったですよね。私自身も記憶がある、まあ司法修習生の頃だから昭和四十年代後半頃、もう他人の戸籍謄本自由に取れましたもの、いや、本当に。それから、住民票を閲覧に行ったら、紙の住民票ですから、ある人間の住民票を閲覧しようと思ったら、その地域の一束をどおんと出してくれて、さあ、必要なもの幾らでも見てくださいなんて、こんな状態でしたよ。
 ですから、すごく簡単に他人の戸籍を見れるという、そうした状況があった。それがだんだんだんだん正当な理由がなくてはいけないということになって、今現在はかなり、もう事実上他人の戸籍は見れないというような状況になっておるわけでありまして、簡単に戸籍が取れるから、そこで第三者に養子であることがたやすく知れてしまうという状況は、相当その戸籍の方の管理の厳格化で解消されているのかなというふうにも思います。
 またもう一つは、社会状況が大分変わりまして、まだ昭和の時代は、例えば身元調査なんというのがあって、結婚はお見合いがまだ全盛の頃ですから、簡単に身元調査がいて戸籍謄本調べまくって、いろいろ身分関係調べるとすぐ養子であることが分かってしまうとか、あるいは、そもそも就職で応募するときに戸籍謄本出せというのが当たり前でありました。今は就職の際に戸籍謄本の提出を求めていませんけれども。学校に入学する、私立学校に入学しようとすると、戸籍謄本出せというのが当たり前のような状況で行われていた。
 そういう状況の中で、戸籍を見ればすぐ養子であることが分かってしまうと。特に、まだ養子に対して養子であることの告知をしていないのに第三者の耳から入ってしまうとか、そうしたことで不利益があってはいけないし、その養親子関係を傷つけてはいけないという、そういう配慮から戸籍上の記載も実親子であるような記載がなされる、そういう養子制度をつくったんだと、こんな説明を聞いたふうに思います。
 そうすると、これはかなり解消されているのかなと。戸籍や住民票の管理が厳格になったと。それから、養子というものに対する社会の理解もかなり進んできて、養子というのが、言葉は悪いですけれども、もらい子だといって差別されるような、そういう社会の状況も相当改善されてきたんじゃないかというふうに思っておりますが。
 そうした面での議論もあって、果たしてこの法案制定するときに、ここから質問に入っていきますけれども、どうもこの特別養子縁組、親子と同じような養親子関係をつくるんだから、だから実親子関係は終わるんだよというこの制度の仕組みについて、どれだけ深い議論がなされたのかなというふうにも思うわけでありまして。それで、私は、もう当然、実親子関係を断ち切って、それがごく例外的な離縁がなされた場合以外には全く復活しないしという仕組みが固過ぎるんじゃないかというふうに思っておるわけであります。
 それで、質問しますけど、この特別養子縁組制度が子供のためだ子供のためだというふうにしか説明が出てこないんですけれども、養親のためでもあるんではないですか。
 具体的には、実親と実子、要するに実親子関係として、親の方から見れば実子と同じように一生懸命育てて愛情を尽くしたのに、しかし親が年取ったら、あるいは子供が成人したら、はい、御苦労さま、あなたとはもう親関係は終わりますというふうに簡単に終わってしまっては、養親が子供に対する期待というものが損なわれるんではないかということで、親は実子のようにしっかり育てなさいと、しかし育てた分、今度は老後は扶養というものを当然期待できるんですよという、そういう親の利益もこの特別養子縁組制度の中には入っているんではないかというふうに私は思うんですが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
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山下貴司#29
○国務大臣(山下貴司君) この特別養子制度におきましては、これは専ら子の利益ということで、子の利益のための制度でございます。子の利益のために特別養子に基づく養親子関係が法律上唯一の親子関係ということになることの反面、そうした養子を、養親において、将来的に例えば扶養を受けることができるような、そういった実の親子と同様の副次的な効果があるわけでございますが、この特別養子の縁組を認めるという制度の根幹は、これは子の利益、専ら子の利益のために行うということでございます。
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