外務委員会

2021-03-17 衆議院 全135発言

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会議録情報#0
令和三年三月十七日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 あべ 俊子君
   理事 伊藤信太郎君 理事 鈴木 貴子君
   理事 鈴木 憲和君 理事 辻  清人君
   理事 中根 一幸君 理事 阿久津幸彦君
   理事 小熊 慎司君 理事 佐藤 茂樹君
      安藤 高夫君    井上 貴博君
      小田原 潔君    尾身 朝子君
      城内  実君    黄川田仁志君
      高村 正大君    國場幸之助君
      新藤 義孝君    鈴木 隼人君
      田畑 裕明君    中曽根康隆君
      中谷 真一君    中村 裕之君
      藤原  崇君    穂坂  泰君
      松島みどり君    簗  和生君
      青山 大人君    岡田 克也君
      日吉 雄太君    緑川 貴士君
      山川百合子君    渡辺  周君
      竹内  譲君    穀田 恵二君
      藤野 保史君    浦野 靖人君
      山尾志桜里君
    …………………………………
   外務大臣         茂木 敏充君
   法務副大臣        田所 嘉徳君
   外務副大臣        鷲尾英一郎君
   外務副大臣        宇都 隆史君
   厚生労働副大臣      山本 博司君
   外務大臣政務官      國場幸之助君
   外務大臣政務官      鈴木 隼人君
   外務大臣政務官      中西  哲君
   防衛大臣政務官      大西 宏幸君
   政府参考人
   (内閣官房内閣参事官)  川上恭一郎君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁審議官)            道井緑一郎君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁出入国管理部長)        石岡 邦章君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁在留管理支援部長)       丸山 秀治君
   政府参考人
   (外務省大臣官房長)   石川 浩司君
   政府参考人
   (外務省大臣官房地球規模課題審議官)       小野 啓一君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 田島 浩志君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 遠藤 和也君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    市川 恵一君
   政府参考人
   (外務省国際協力局長)  植野 篤志君
   政府参考人
   (外務省領事局長)    森 美樹夫君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  浅沼 一成君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           大坪 寛子君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           平嶋 隆司君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局次長) 大和 太郎君
   外務委員会専門員     小林 扶次君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十七日
 辞任         補欠選任
  小田原 潔君     穂坂  泰君
  薗浦健太郎君     中村 裕之君
  簗  和生君     安藤 高夫君
  緑川 貴士君     日吉 雄太君
  穀田 恵二君     藤野 保史君
同日
 辞任         補欠選任
  安藤 高夫君     藤原  崇君
  中村 裕之君     田畑 裕明君
  穂坂  泰君     小田原 潔君
  日吉 雄太君     緑川 貴士君
  藤野 保史君     穀田 恵二君
同日
 辞任         補欠選任
  田畑 裕明君     高村 正大君
  藤原  崇君     簗  和生君
同日
 辞任         補欠選任
  高村 正大君     井上 貴博君
同日
 辞任         補欠選任
  井上 貴博君     薗浦健太郎君
    ―――――――――――――
三月十二日
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(条約第二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(条約第二号)
     ――――◇―――――
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あべ俊子#1
○あべ委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人といたしまして外務省大臣官房長石川浩司君、大臣官房地球規模課題審議官小野啓一君、大臣官房審議官田島浩志君、大臣官房参事官遠藤和也君、北米局長市川恵一君、国際協力局長植野篤志君、領事局長森美樹夫君、内閣官房内閣参事官川上恭一郎君、出入国在留管理庁審議官道井緑一郎君、出入国管理部長石岡邦章君、在留管理支援部長丸山秀治君、厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官浅沼一成君、大臣官房審議官大坪寛子君、国土交通省大臣官房審議官平嶋隆司君、防衛省防衛政策局次長大和太郎君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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あべ俊子#2
○あべ委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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あべ俊子#3
○あべ委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がございますので、順次これを許します。山川百合子君。
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山川百合子#4
○山川委員 おはようございます。立憲民主党の山川百合子でございます。
 それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案についてお伺いをいたします。
 私は、在外公館職員の在勤基本手当の月額を他の職員との関係で調整する措置の導入について伺っておきたいというふうに思います。
 在外公館に勤務する当該制度改正の対象となる一部の幹部職員の在勤基本手当に、扶養手当の減額分を反映させるための措置として、在勤基本手当の月額を調整する措置が導入されることになっています。
 そこで伺いたいんですけれども、本省における扶養手当の減額、不支給に伴い、在外公館に勤務する職員にもそれを反映させる措置としては、配偶者手当で措置するのが相当ではないかというふうに思うんですが、在勤基本手当で調整するのはなぜかということを伺っておきたいと思います。
 というのは、基本手当で調整すると、基本手当にいろいろな数式を当てはめていろいろな計算をしていくと思いますので、そうすると、在勤手当に当てはめるということは、結果として、その計算をしていく間に減額になったりすることもあるんじゃないかというふうに思うんですが、その点を一点確認しておきたいと思います。
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石川浩司#5
○石川政府参考人 お答えいたします。
 国内では、扶養手当の制度改正によりまして、令和二年四月以降、一部の幹部職員の配偶者分の扶養手当が減額又は不支給となりました。
 在外におきましては、配偶者を同伴する在外職員は在勤基本手当と配偶者手当が従来と同様に支給される、制度改正の影響を受けないという一方で、配偶者を同伴しない在外職員につきましては、制度改正に伴いまして配偶者分の扶養手当が減額又は不支給となりまして、不均衡が生じております。このため、これらの職員間の均衡が取れるよう調整を行う必要があるということでございます。
 今後も、扶養手当の制度改正のように、職員の職務の級などによって異なる措置を求める国内の制度改正が生ずる可能性はあり得ると考えておりまして、そのような制度改正を遅滞なく、かつ柔軟に反映できるようにするためには、配偶者手当そのものではなくて、配偶者手当の額の算出根拠となっている在勤基本手当で調整するということが適当と考えた次第でございます。
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山川百合子#6
○山川委員 ありがとうございます。
 そうしますと、その調整によって、扶養手当で減額されたりする部分以上に、その調整の過程で、計算の中で、そこで過不足ということが生じることはないということでよろしいんでしょうか。
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石川浩司#7
○石川政府参考人 お答えいたします。
 今般の措置は、扶養親族である配偶者を同伴する幹部級の在外職員の在勤手当全体が適切に減額されるよう、在勤基本手当の支給額を調整しまして、職員間の均衡を取りました。
 したがって、そのようなことはございません。
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山川百合子#8
○山川委員 基本手当で調整すると、全体に及んではいけないかなというふうに思いまして、確認をさせていただきました。
 続きまして、大使館というか、在外公館の職員の給与のことということで、少し大使館職員の関連のことでお伺いをしたいというふうに思います。これは、今世界中で猛威を振るっている新型コロナ感染症対策としてのワクチン接種のことについて伺っておきたいというふうに思います。在外公館職員の方々のワクチン接種がどうなるかということでございます。
 報道によりますと、先進国などでは、在留邦人に対して、自国の国民と同様にワクチン接種を行うというようなことが発表されている国もありますけれども、今、そのワクチンの供給が、私たち日本国内でもそうですけれども、ましてや途上国などでは供給がなかなか追いつかないというか、まだなされていないというところもたくさんあろうかと思います。
 そこで伺っておきたいんですが、在外公館で勤務される職員の方々の当該国におけるワクチン接種、これがどうなっているか、お伺いしたいと思います。
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森美樹夫#9
○森政府参考人 ただいま委員の方から、在外公館職員に対するワクチン接種の御質問がございました。在外公館職員を含みます在留邦人のワクチン接種ということで検討を行っておりますので、お答えを申し上げます。
 外務省では、各国における新型コロナウイルス感染症のワクチンの、その接種の状況、体制、医療事情、補償制度、どのようなワクチンが承認されている、あるいはその承認プロセスが進んでいるかといったことにつき、鋭意情報収集を行ってきております。このような情報を海外の在留邦人に随時提供を行いつつ、途上国を含む各国における個別の状況をきめ細かく踏まえながら、今申し上げました在留邦人に対するコロナワクチンの接種に必要な対応を取っていく方針でございます。
 なお、現時点では、新型コロナワクチンの接種の方針は国によって様々でございます。委員からも御指摘ございましたけれども、途上国を始め、明確にそのルールが定まっていない国も多うございます。ただし、確認されている限り、接種が比較的進んでいる多くの国、先進国が多うございますけれども、こうした国々では、邦人を含め、自国民以外を異なる扱いとはしない方向にはなっております。
 また、海外の在留邦人が一時帰国を含む帰国時に接種を受けられるような体制、これを構築すべく、厚生労働省を含めました関係省庁とも具体的な手続、スケジュールの検討を行ってきているところでございまして、その具体的な対応が決まり次第、広く周知することといたしたいと考えております。
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山川百合子#10
○山川委員 はい、ありがとうございます。
 ちょっと、昨日のヒアリングでここまで聞いていなかったんですが、伺っておきたいんですけれども、そうすると、当該国、その公館が設置されている国のルールに基本的に従うわけでありまして、その国の自国民が受ける体制と同じように大使館の職員も、あと在留邦人も受けるというふうに理解をいたしました。
 そうであるとすると、日本国内で今、高齢者そして一般の方にも順次郵送する接種券ですけれども、これは相手国の医療機関で接種するということでありますから、この接種券がなくてももちろん接種するんでしょうけれども、では、接種したということの記録というかそういったものは、在留邦人、大使館職員を含む在留邦人についてはどのようになるでしょうか。
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森美樹夫#11
○森政府参考人 外国におけるワクチンの接種について、その接種の記録がどうなるかというお尋ねがございましたが、これは、日本におけるワクチンの接種に関しましては、政府の方で接種の記録の管理、それから、接種証明と申しますか接種を打ったということに関する何らかの証明を作成すべく作業が進められております。
 しかしながら、海外において医療行為の一つでございますワクチンの接種を行ったことに関して、日本、本邦におきましてその記録を逐一どこかに集めて管理をするというたてつけには少しなりにくいのではないかと考えます。
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山川百合子#12
○山川委員 ありがとうございます。
 もう一点確認なんですが、日本にある諸外国の公館の職員の皆さんへのワクチン接種についても伺っておきたいと思います。
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大坪寛子#13
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 今般の新型コロナの予防接種でございますけれども、住民基本台帳に記録されている方を対象といたしまして、住所地の市町村が実施主体となって行うこととしております。
 この際、外交官の方ですとか、住民票が仮になかったとしましても、居住の実態というものが市町村において認められましたら、それは接種の対象とさせていただくことにしております。
 したがいまして、在京の外交官の方におかれましても日本国内での接種の対象となると考えておりまして、その具体的な手続、これにつきましては、現在、関係省庁と調整をしているところでございます。
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山川百合子#14
○山川委員 是非、何らかのことで受けられないということがないように手続をしていただければというふうに思います。
 そしてもう一点、在外公館に関係することで、これは本省も含むんですが、外務省における障害者雇用について伺っておきたいというふうに思います。
 障害者の雇用の人数が正確でなかったということが一時期ちょっと問題になったこともありましたけれども、まず伺いたいのが、現在の外務省の、外務省職員の障害者雇用率について。
 これは五年間にわたって在外職員特例措置というのが取られていると思いますので、外務省全体の、特例措置が取られているときの障害者雇用率と、その特例措置を外したとき、すなわち在外公館に勤務する職員を含めたときにその雇用率が今現在幾つになるかということをお伺いしたいと思います。
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石川浩司#15
○石川政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、特例、時限措置を適用させていただいていることを前提とした場合の障害者雇用率でございますが、三月一日現在で三・三五%となっております。
 他方で、時限措置を適用しないとした場合の雇用率でございますが、これは時点がちょっと違っていまして、令和二年六月一日時点となりますが、一・五七%というふうになってございます。
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山川百合子#16
○山川委員 ありがとうございます。
 では、今度は、特例措置が取られているんですが、現状として在外職員の間での雇用状況をお伺いしておきたくて、人数で構いませんので、今、在外職員の中で障害のある方が何人いらっしゃるかということと、あわせて、現地職員の皆さんの中で障害のある方がいらっしゃるのか、あるいは、採用に当たって、障害の有無ということにまで、そこを考慮して採用しているのかどうか、その辺りの考え方についても併せて伺っておきたいと思います。
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石川浩司#17
○石川政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、在外公館に勤務する職員のうち障害者手帳を持っている職員の数は、現在合計四名でございます。
 次に、現地職員についてどうかというお尋ねでございました。障害者の定義や障害者雇用の在り方は国によって様々でございまして、障害を持つ現地職員の有無、その人数等については把握しておりません。
 それから、三番目に、現地職員の障害者雇用の考え方でございますが、現地職員の雇用については、一般的に現地法令を尊重することを我々基本としております。障害者雇用の在り方は国によっても様々でございまして、現地職員の採用に当たっての障害者雇用の考え方を一概に申し上げることは困難でございますが、いずれにせよ、関連する現地法令を尊重して取り組んでいこうという考えでございます。
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山川百合子#18
○山川委員 ありがとうございます。
 では、最後に伺っておきたいのは、先ほど、三月一日、三・三五で、特例を外してみると一・五七ということだったので、この特例がいずれ外れますので、そうしましたときに、まだ法定雇用率を下回っている状態ということになりますが、障害者雇用の促進に向けて外務省として取り組んでいることを伺っておきたいというふうに思います。
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石川浩司#19
○石川政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げたような数字でございまして、あと、法定雇用率が二・六%という目標もございます。令和二年六月以降も、コロナ禍において採用試験の実施や職員の働き方に様々な制約がある中で、十名の職員を新たに雇用してきたところでございます。
 外務省といたしましては、時限措置の終了する令和六年末以降は、在外公館の職員を算定に含めた上で、引き続き、法定雇用率を満たすよう障害者雇用を積極的に進めていく考えでございます。
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山川百合子#20
○山川委員 ありがとうございます。是非、法定雇用率というのをクリアするだけでなくて、積極的な雇用に努めていただければと思います。
 それでは、この法案に関しては関連するものも含めて以上とさせていただいて、続いて、我が国の新型コロナウイルス感染症対策支援について伺っていきたいというふうに思います。最初、政府参考人の皆さんにお答えいただいた後、最後に大臣に、大臣の御見解等を伺えればというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
 新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックは、人類にとって今世紀最大の公衆衛生上の脅威となっています。
 日本は、欧米と比べると、感染拡大の規模や重症化率、さらには死亡率に至るまで、抑制的な推移をたどってきたと言えるのではないかと思います。これは、我が国の公衆衛生が世界的に見ても高水準であり、優れているためだと評価する声もあり、私もそのように感じている一人です。
 そして、その高い公衆衛生の意識も環境も、日本が世界に誇る国民皆保険制度を基盤とする保健医療体制によって支えられているのだと思います。日本全国どこに居住していようとも、国民全てにある一定水準以上の医療サービスが提供されているため、新型コロナウイルス感染症のような新興感染症による被害拡大を未然に吸収していると言えるのではないかと思うわけです。
 しかしながら、今回のパンデミックにおける世界の公衆衛生を守る中核を担っているのが、抗COVID―19ワクチンの開発と供給です。
 国家の保健医療体制の構築には相当な期間と投資が必要ですから、パンデミックが発生してから取り組んでは遅過ぎます。しかし、新興感染症対策の最も手前にあるのが新たなワクチン開発であり、米国では、ワープスピード作戦などのワクチン開発と供給体制の構築のために約一兆円規模の財政支援を行ってきましたし、EUでも、域内でのワクチン開発、製造、さらには供給を確保するために、加盟各国からやはり約一兆円規模の財源を確保してこれに当たってきました。ブレグジットでEUから離脱した英国も、昨年春の段階で約三百八十億円、ワクチン開発支援を、オックスフォード大学とアストラゼネカ社の産学協同プロジェクトなどに投入するなどして、いずれもワクチン開発や製造に大きな成果を上げています。
 そもそも、東京オリンピック・パラリンピック開催を宣言した我が国では、なぜワクチン開発にもっと積極的な投資をしてこなかったのかが、こうやって他国を見ると不思議であります。日本国内の高い公衆衛生意識や環境は、現時点で、事実上の鎖国状態によって、他国からの人の流れを遮断することで辛うじて保たれているという現実があろうと思いますが、オリンピック・パラリンピックの開催のために、制限つきとなるでしょうが、いわゆる開国をすれば国内に変異ウイルスが持ち込まれるリスクを更に増して、それを回避することは難しいわけですから、せめて開催前に全国民にワクチン接種を完了しておく意思決定がなぜできなかったのかが不思議であります。
 そこで、ちょっと前段が長かったですが、国産ワクチンの開発について伺いたいというふうに思います。
 新型コロナウイルス感染症による世界的なパンデミックにおける国家の公衆衛生の要は、繰り返しになりますが、ワクチン開発と保健医療体制であると言って過言ではないのに、なぜ日本でワクチン開発を進めなかったのか。ワクチン開発の進まない理由について、厚生労働省にお伺いをします。
 そして、米国などでは国防総省がワクチン開発予算を計上しているというふうに聞きますし、EUでも域内加盟国が共同でワクチン開発、製造、供給体制の構築に巨費を投じています。
 我が国の外交は人間の安全保障を標榜しており、まさに世界的な新興感染症の感染爆発が発生したときにこそこの人間の安全保障の真価が問われるのであり、その要の施策であるワクチン開発の必要性を重要な外交カードとして、なぜ外務省は政府内で主張できなかったのか。片側で東アジアの平和と安定を目指し、さらにはインド太平洋地域をブロック化するような構想を掲げながら、外務省が域内の各国に働きかけて、EUが行ってきたようなワクチンの共同開発や生産体制、供給体制の構築にもっと主体的なリーダーシップを果たすべきではなかったか、そのように思うわけです。
 この取組について、外務省の見解を伺いたいと思います。
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大坪寛子#21
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 日本の国内のワクチンの開発状況を御報告いたします。
 現在、複数の会社で臨床試験が開始をされておりまして、また、年度内に臨床試験に移行する会社、これも複数ございます。これにつきまして、これまで厚生労働省としてどういった支援をしてまいったかと申し上げますと、こういった予期せぬ感染症に対するワクチンが国内で生産、開発できるということが極めて重要なことであるというふうに認識をしておりまして、昨年の第二次補正の段階で、研究開発や生産体制の整備、この補助を行っていることに加えまして、三次補正につきましても、今度はワクチン開発の企業に対して、要するに臨床試験ですね、こういったものの実費の費用の補助、こういったことも手当てをしてきておりまして、それぞれの開発ステージを細かく注視しながら、それに応じた支援というものを行ってきたところでございます。
 他方、海外と比べて国内の基盤が弱いということの御指摘、そのとおりでございまして、平時からの対応、それからワクチンメーカーの規模、こういったことにも相当な差がありますところ、今後も国内での開発の基盤整備というものを引き続き後押ししてまいりたいというふうに考えております。
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小野啓一#22
○小野政府参考人 お答えいたします。
 国産ワクチンの開発自体は、今答弁ありましたとおり、厚生労働省が所掌し、産業振興等を行っていると承知してございます。
 一方、一か国だけで感染症の収束を図ることは困難でございます。外務省といたしましては、国内のみならず、世界全体でワクチン、治療、診断への公平なアクセスの確保や普及を加速していくことが極めて重要であると考えており、そのような観点から、ACTアクセラレーターなどの多国間の枠組みの支援に力を入れてきているところでございます。
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山川百合子#23
○山川委員 ありがとうございます。
 今、少し外務省の取組はお話しくださったんですが、後で今の質問は大臣にもお伺いしたいとは思うんですが、そうしたら、続けて参考人の方にお伺いをしておきたいのは、今少し触れられましたけれども、世界のワクチンの供給体制への支援についてなんですね。
 今も少しありましたが、もう少しいろいろなことをやられていると思いますので、ワクチンは開発、供給とともに、それを普及、普及というか接種していくために、打てるところまで広げていくということが大事でありますので、その一連の支援について伺いたいというふうに思います。
 もう一つ、併せて参考人に、大臣に後で伺いますが、参考人にお伺いしておきたいのは、やはり、繰り返しになるかもしれませんが、国際社会との連携強化によって海外への保健医療体制構築の支援を行ったとしても、ワクチンそのものが確保できなければ施策の効果は上がらない。我が国は、高い保健医療体制を既に構築していますが、もう今ワクチンを待っている状態、自治体は。しかし、ワクチンが供給されないことで接種ができないということが現実的に起こっています。
 こういう現状を見ると、この点からも、やはり外務省としては、我が国のワクチン開発、製造が実現していたらどのような外交的な成果をつくり出すことができたかということを併せて御見解を伺っておきたいというふうに思います。
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小野啓一#24
○小野政府参考人 お答え申し上げます。
 新型コロナ感染症の収束のためには、ワクチンへの公平なアクセスの確保、普及を加速していくことが極めて重要であると考えております。
 二月の九日には、日本といたしまして、COVAXファシリティー、ワクチンの調達、普及の仕組みでありますCOVAXファシリティーへの途上国向けの枠組みに対する拠出を増額いたしまして、合計二億ドルを拠出するということを表明したところでございます。
 我が国としましては、国内のみならず、世界全体で安全で有効なワクチンへの公平なアクセスが確保されるということが極めて重要と考えておりまして、引き続き、COVAXファシリティーを含む国際的な枠組みに対してできる限りの貢献をしていきたいと考えております。
 国内のワクチンの開発ができたらどうだったかということに対して今お答えすることは困難ではございますが、日本といたしましては、このような形で外交努力を通じ、世界全体の公平なアクセスの確保ということに対して、ワクチンの確保、アクセスの確保に対して引き続き努力をしていきたいと考えてございます。
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山川百合子#25
○山川委員 今の御答弁の中で、私の質問は、国内でワクチンが供給できていないことについての御見解を外務省に伺ったわけではなくて、外務省として、自国のワクチン開発や製造が実現していれば、そのことによってどういう外交的な成果をつくり出すことができたのかということをお伺いしたかったんですが、併せて大臣にお伺いをしたいと思いますので、続いて、最後になりますが、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
 なぜ政府は、東京オリンピック・パラリンピックを控えておきながら、欧米が昨年春までには大きな財政投資によってワクチン開発と供給のプロジェクトに着手していたのに、日本国政府はそのような決断をしなかったのでしょうか。
 我が国独自のワクチン開発と製造は、世界的パンデミックにおける我が国の重要な外交カードになり得たはずですし、せめて、オリンピック・パラリンピックが開催され、海外から関係者が多数入国する手前で国民全員にワクチンを行き渡らせようという政策決定ができなかったのかということを率直にお伺いをしたいと思います。
 またさらに、現在、医療法等改正案が明日から、本会議が立ちますが、審議入りしようとしていますが、なぜこの時期なのかなというふうに率直に思います。パンデミックが収束した後に、新たな保健医療体制をどのように再構築していくべきかを議論するのが常道であるように感じます。
 かつて、TPP交渉で米国から、日本の国民皆保険制度が米国企業の保険商品が日本の保険市場に進出する上での障壁になっているので、ISDS条項で提訴するなどと迫られたことがありました。
 先日、菅総理は皆保険制度の見直しに言及をされ物議を呼びましたけれども、米国からの圧力で、もしも、日本が世界に誇るべき国民皆保険制度や保健医療体制をリストラしていくとしたら、それは外交上の敗北になるのではないかとさえ懸念をしております。
 むしろ、今回のパンデミックで世界を見渡すと、日本がかつて学んだ英国の福祉国家論が、一九八〇年代のサッチャリズムを起点とする新保守主義や新自由主義と言われるリストラの大きなトレンドの中で後退し、NHSのリストラで医療の量と質が低下したことによる深刻なパンデミック被害を拡大させたという指摘まであるわけで、日本は、現在の弾力的な余地を残した保健医療体制だからこそ、このパンデミックにも比較的抑制的かつ柔軟に対応ができているのだというふうに思います。
 茂木大臣にもう一つお伺いしておきたいのは、現行の日本の国民皆保険制度を、効率性からだけではなくて、必要な弾力性やバッファーという視点からも再評価し、我が国の優れた保健医療制度をパッケージとして世界に発信し、同様の保健医療システムを関係国に輸出し構築する固い意思を持っていただけないかということであります。
 我が国が標榜する人間の安全保障とは、まさに日本が得意とするこの分野で拡大させていくことが日本国の役割であり、世界から期待されるリーダーシップなのではないかと思いますので、是非、忌憚のない大臣の御所見を伺えればと思います。よろしくお願いします。
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茂木敏充#26
○茂木国務大臣 聞いている範囲で六つ質問をいただいたと思うんですね、一つの中で。私の所管じゃないところが三つ入っていますので、答えられる範囲で答えさせていただきます。
 まず、ワクチンについてでありますけれども、当然、日本国内でこれからワクチンの接種が本格化するわけでありまして、国内でワクチンを確保して接種最優先で進める、スピード感、また体制においても、そういったものを進めるということは極めて重要でありますが、世界のどこかにコロナの感染症、ウイルスが残っていたら、またこれが世界各地に拡大していく、こういう危険性というか可能性が残っているわけでありますから、そういった意味で、医療体制が脆弱な途上国に対する医療面の支援、さらにはワクチンの支援というのが重要だと考えておりまして、日本は、ワクチンへの公平なアクセスを確保すべく、COVAXファシリティーの形成を主導し、財政的にも貢献をしてきました。
 加えて、COVAXファシリティーの枠組みにおいては、ワクチンを海外から供給しても、途上国の国内で今度はそれが行き渡らなくちゃいけないわけでありまして、このコールドチェーンの整備、保冷設備、運搬手段、これは必ずしもCOVAXの枠組みでは十分ではないわけでありますから、これを補完すべく、これまでの長年の経験を生かして、ワクチンを一人一人に届けるラストワンマイル支援をかつてないスピードで実施をしてまいりました。今月、三月九日に決定をいたしました、東南アジア、南西アジア、太平洋島嶼国に対する約四十五億円のコールドチェーン整備のための緊急無償資金協力は、その第一弾と考えております。
 また、先週の金曜には、日米豪印の初めての首脳テレビ会議、これも開いたわけでありますけれども、ここにおきましても、日米豪印、それぞれ、例えばインドの持っている生産力であったりとか、また、ラストワンマイルでいいますと日本がきちんと支援できるとか、それぞれの役割を持ちながら、こういったインド太平洋のワクチンへの公平なアクセスについて、四か国で協力していく、協働していくということで一致を見たところであります。
 我が国は、人間の安全保障の理念の下、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進のため、引き続き、できる限りの貢献をしていきたいと思っております。
 なお、日米貿易交渉の話がありましたが、少なくとも、私が担当して合意に至った一昨年の日米貿易交渉におきましては、医療保険とかそういった医療分野の話は一切出ておりません。
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山川百合子#27
○山川委員 ありがとうございます。
 六つあって、六つのうち三つは所管外ということもあったんですが、いろいろお答えいただいたんですが、やはり、ワクチンが接種されるまでのいろいろな、保健医療体制を整えていくということは非常に、日本は今支援をしていただいていると思うんですね。供給においても、COVAXもやっていますよ、資金も拠出していますよというのは分かるんですけれども、やはり国産のワクチン、日本が、国内でもそうですが、やはり国産のワクチンがあれば、それをもって世界の、日本の外交の理念とも言える日本の安全保障の象徴的なプロジェクトとしてワクチンの供給ができる。だからこそ、このことが日本のすごく象徴的な外交カードになったんじゃないかなということをお聞きしたかったんですが、時間になりましたので、私の考え方をお伝えして、終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
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あべ俊子#28
○あべ委員長 次に、佐藤茂樹君。
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佐藤茂樹#29
○佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。
 今日も質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。
 まず、名給法の法案の内容に入ります前に、先週末に日米首脳会談の決定の発表がございまして、昨日、日米2プラス2が行われましたので、そのことについてこの機会にお伺いをしたいと思います。
 昨日の2プラス2ですけれども、アメリカのバイデン政権発足後二か月という早いタイミングで、対面での初の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会が開催されまして、そして成果文書も発表され、あわせて、その前に、日米両国の外相会談、また防衛相会談、さらには菅総理と二人の長官の会談も行われたわけでございます。
 それで、私は、日米同盟の強化に対するバイデン政権の強い姿勢の表れでありまして、これをきっかけにして、予定をされている日米首脳会談までに、様々なテーマにつきまして更に日米間で政策のすり合わせをしていただきたいと思いますけれども、昨日の日米安全保障協議委員会、いわゆる日米2プラス2の意義と内容のポイントについて、外務大臣から御答弁をいただきたいと思います。
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