憲法審査会
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会
会議録情報#0
令和四年五月十八日(水曜日)
午後一時十一分開会
─────────────
委員の異動
四月二十七日
辞任 補欠選任
堂故 茂君 青山 繁晴君
石垣のりこ君 杉尾 秀哉君
宮沢 由佳君 有田 芳生君
浜野 喜史君 川合 孝典君
五月十七日
辞任 補欠選任
山田 宏君 森屋 宏君
小沢 雅仁君 勝部 賢志君
杉尾 秀哉君 石川 大我君
白 眞勲君 森屋 隆君
平木 大作君 杉 久武君
矢倉 克夫君 高瀬 弘美君
山本 香苗君 河野 義博君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 中川 雅治君
幹 事
有村 治子君
石井 準一君
西田 昌司君
藤末 健三君
熊谷 裕人君
小西 洋之君
西田 実仁君
足立 信也君
柴田 巧君
山添 拓君
委 員
青山 繁晴君
衛藤 晟一君
岡田 広君
片山さつき君
古賀友一郎君
上月 良祐君
佐藤 正久君
中曽根弘文君
古川 俊治君
堀井 巌君
舞立 昇治君
丸川 珠代君
元榮太一郎君
森屋 宏君
山下 雄平君
山谷えり子君
有田 芳生君
石川 大我君
打越さく良君
勝部 賢志君
羽田 次郎君
福島みずほ君
森屋 隆君
伊藤 孝江君
河野 義博君
杉 久武君
高瀬 弘美君
川合 孝典君
矢田わか子君
浅田 均君
高木かおり君
吉良よし子君
山下 芳生君
渡辺 喜美君
事務局側
憲法審査会事務
局長 岡崎 慎吾君
法制局側
法制局長 川崎 政司君
─────────────
本日の会議に付した案件
○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基
本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(特に、参議院
議員の選挙区の合区問題を中心として))
─────────────
この発言だけを見る →午後一時十一分開会
─────────────
委員の異動
四月二十七日
辞任 補欠選任
堂故 茂君 青山 繁晴君
石垣のりこ君 杉尾 秀哉君
宮沢 由佳君 有田 芳生君
浜野 喜史君 川合 孝典君
五月十七日
辞任 補欠選任
山田 宏君 森屋 宏君
小沢 雅仁君 勝部 賢志君
杉尾 秀哉君 石川 大我君
白 眞勲君 森屋 隆君
平木 大作君 杉 久武君
矢倉 克夫君 高瀬 弘美君
山本 香苗君 河野 義博君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 中川 雅治君
幹 事
有村 治子君
石井 準一君
西田 昌司君
藤末 健三君
熊谷 裕人君
小西 洋之君
西田 実仁君
足立 信也君
柴田 巧君
山添 拓君
委 員
青山 繁晴君
衛藤 晟一君
岡田 広君
片山さつき君
古賀友一郎君
上月 良祐君
佐藤 正久君
中曽根弘文君
古川 俊治君
堀井 巌君
舞立 昇治君
丸川 珠代君
元榮太一郎君
森屋 宏君
山下 雄平君
山谷えり子君
有田 芳生君
石川 大我君
打越さく良君
勝部 賢志君
羽田 次郎君
福島みずほ君
森屋 隆君
伊藤 孝江君
河野 義博君
杉 久武君
高瀬 弘美君
川合 孝典君
矢田わか子君
浅田 均君
高木かおり君
吉良よし子君
山下 芳生君
渡辺 喜美君
事務局側
憲法審査会事務
局長 岡崎 慎吾君
法制局側
法制局長 川崎 政司君
─────────────
本日の会議に付した案件
○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基
本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(特に、参議院
議員の選挙区の合区問題を中心として))
─────────────
中
中川雅治#1
○会長(中川雅治君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。
日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。
本日は、憲法に対する考え方について(特に、参議院議員の選挙区の合区問題を中心として)について憲法審査会事務局及び法制局から説明を聴取した後、意見交換を行います。
全体の所要は二時間を目途といたします。
まず、合区制度をめぐる論点等について順次説明を聴取いたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
岡崎憲法審査会事務局長。
この発言だけを見る →日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。
本日は、憲法に対する考え方について(特に、参議院議員の選挙区の合区問題を中心として)について憲法審査会事務局及び法制局から説明を聴取した後、意見交換を行います。
全体の所要は二時間を目途といたします。
まず、合区制度をめぐる論点等について順次説明を聴取いたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
岡崎憲法審査会事務局長。
岡
岡崎慎吾#2
○憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君) 私からは、参議院定数訴訟における一連の最高裁判決について、これまでの動向を概観しつつ、本日のテーマとの関係から、合区制度の導入や都道府県を選挙区単位とすることに対する裁判所の判断について御説明させていただくとともに、定数較差の現状等について、簡単ではありますが触れさせていただきたいと存じます。
資料一ページを御覧ください。
表一は、参議院定数訴訟の最高裁判決の一覧でございます。古くは昭和三十九年の大法廷判決がございますが、後に触れますように、昭和五十八年の大法廷判決が参議院定数訴訟のリーディングケースとされております。
参議院では、これまで違憲判決はございませんが、平成八年大法廷判決は、最大較差六・五九倍の投票価値の不均衡について、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態が生じていたとして、いわゆる違憲状態の判断を示しました。その後も最大較差は五倍前後で推移し、平成二十四年と平成二十六年の大法廷判決では、再び違憲状態の判断が示されました。その後、合区制度導入後に施行された平成二十八年と令和元年の選挙について、最高裁はそれぞれ合憲の判断をしています。
以下の御説明におきましても、適宜この表を御参照いただければと思います。
資料二ページを御覧ください。
裁判所は、選挙制度の憲法適合性について、まず、投票価値の不均衡が違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っているか否かを判断し、これが認められる場合に、選挙までの期間内に是正されなかったことが国会の裁量権の限界を超えるか否かを検討する判断枠組みを採用しています。最高裁は、こうした判断枠組みは、憲法秩序の下における司法権と立法権との関係に由来するものであると説明をしています。
このため、憲法適合性の判断では、国会が選挙制度の決定に幅広い裁量権を有することを前提に、是正措置がなされなかった期間の長短だけではなく、是正措置の内容や検討を要する事項等の諸般の事項を総合考慮して、国会の裁量権行使の在り方が相当と言えるか否かという観点で評価がなされています。
資料三ページから四ページを御覧ください。
最高裁昭和五十八年判決は、参議院定数訴訟のリーディングケースとされており、投票価値の平等を憲法上の要請と認め、国会の裁量権との関係を示した衆議院定数訴訟の最高裁昭和五十一年判決の趣旨を踏襲しています。この五十八年判決で示された基本的な判断枠組みは、累次の参議院定数訴訟を経て、直近の令和二年判決まで、その趣旨が踏襲されています。
五ページに掲載した平成二十九年判決でも、昭和五十八年判決で示された投票価値の平等と国会の裁量権行使の関係などに関する基本的な判断枠組みや、参議院の性格と機能などを選挙制度に反映させるための国会の合理的裁量などについての基本的な立場が踏襲されています。
資料六ページから七ページを御覧ください。
表一で御説明いたしましたとおり、平成八年判決では参議院定数訴訟では初めて違憲状態の判断が示されましたが、五倍前後の最大較差が継続する中で、最高裁の判断も次第に厳格化し、各判決では反対意見が多く付されるだけでなく、多数意見からも国会に対して厳しい指摘がなされるようになりました。
平成十八年判決では、国会において、これまでの制度の枠組みの見直しを含め、選挙区間における選挙人の投票価値の較差をより縮小するための検討を継続することが憲法の趣旨に沿うものである旨の指摘がなされ、平成二十一年判決では、最大較差の大幅な縮小を行おうとすれば、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となることは否定できず、国会において、速やかに適切な検討が行われることが望まれる旨の要望がなされました。
そして、平成二十四年判決及び平成二十六年判決では、再び違憲状態の判断が示されました。
資料九ページから十ページを御覧ください。
平成二十九年判決は、合区を導入した平成二十七年の法改正について、これまでにない手法を導入して行われたものであり、都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の仕組みを改めて、長年にわたり大きな投票価値の不均衡が継続してきた状態から脱せしめるとともに、更なる較差の是正を指向するものと評価できる旨の判示をしました。
また、令和二年判決は、平成三十年法改正における立法府の検討過程に対して、合区の解消を強く望む意見も存在する中で、合区を維持して僅かではあるが較差を是正して、平成二十七年改正法における方向性を維持するよう配慮しており、参議院選挙制度の改革では、憲法が採用している二院制の仕組みなどから導かれる参議院が果たすべき役割等も踏まえる必要があるなど、事柄の性質上、慎重な考慮を要することに鑑みれば、その実現は漸進的にならざるを得ない面があり、較差是正を指向する姿勢が失われたと断ずることはできない旨の評価をしました。
資料十ページから十四ページを御覧ください。
昭和五十八年判決は、参議院地方選出議員の選挙の仕組みについて、都道府県が歴史的にも政治的、経済的、社会的にも独自の意義と実体を有し、一つの政治的まとまりを有する単位として捉え得ることに照らし、これを構成する住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を加味しようとしたものであると解しました。
しかし、その後、最大較差五倍を違憲状態と判示した平成二十四年判決は、都道府県を参議院議員の選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はなく、その仕組みを維持しながら投票価値の平等の実現を図るという要求に応えていくことは、もはや著しく困難な状況に至っている旨の認識を示しました。
さらに、同様に違憲状態の判示をした平成二十六年判決も、より適切な民意の反映が可能となるよう、単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまらず、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなどの具体的な改正案の検討と集約が着実に進められ、できるだけ速やかに、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置により違憲状態が解消される必要があるとの認識を示しました。
もっとも、合区制度導入後に施行された平成二十八年選挙についての平成二十九年判決では、具体的な選挙制度の仕組みを決定するに当たり、一定の地域の住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を加味する観点から、政治的に一つのまとまりを有する単位である都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮すること自体が否定されるべきものであるとは言えず、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて、このような要素を踏まえた選挙制度を構築することが直ちに国会の合理的な裁量を超えるものとは解されないとの判断が示されました。
また、先ほど御紹介した平成二十四年と平成二十六年の最高裁の判断については、都道府県を各選挙区の単位として固定することが投票価値の大きな不平等状態を長期にわたって継続させてきた要因であると見たことによるものにほかならず、各選挙区の区域を定めるに当たり、都道府県という単位を用いること自体を不合理なものとして許されないとしたものではないと判示しました。
また、直近の令和二年判決においても、平成二十九年判決と同様に、具体的な選挙制度の仕組みを決定するに当たり、一定の地域の住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を加味する観点から、政治的に一つのまとまりを有する単位である都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮すること自体が否定されるべきものであるとは言えず、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて、このような要素を踏まえた選挙制度を構築することが直ちに国会の合理的な裁量を超えるものとは解されないとして、その立場を再度確認しています。
以上が、これまでの最高裁の判断に関する御説明でございます。
資料十五ページから十六ページを御覧ください。
選挙区間の定数較差の現状につきましては、最近の数値をお示ししてございます。いずれの数値に基づきましても選挙区間の較差は最大で三倍を超える状況となっており、前回通常選挙時より僅かではありますが拡大している状況にあります。
また、十七ページから十八ページは、合区導入前後における選挙区での都道府県別投票率の推移を示したものでございます。
さらに、十九ページから二十ページは、同様に合区導入前後における選挙区での無効投票数及び無効投票率の推移を示したものでございます。
二十一ページから二十三ページは、平成二十七年法改正による合区の導入を契機に、毎年、全国知事会などから合区に関連する決議や提言が出されておりますが、その主な状況と内容の一部を御紹介いたしたものでございます。
二十四ページ以下には、一部ではございますが、本件テーマに関連性のあると思われる有識者の御意見を御紹介しております。
また、三十ページ以下には、参議院定数訴訟の直近の最高裁判決である令和二年判決について、反対意見を含む全文を掲載しておりますので、御参照いただければ幸いでございます。
私からは、以上でございます。
この発言だけを見る →資料一ページを御覧ください。
表一は、参議院定数訴訟の最高裁判決の一覧でございます。古くは昭和三十九年の大法廷判決がございますが、後に触れますように、昭和五十八年の大法廷判決が参議院定数訴訟のリーディングケースとされております。
参議院では、これまで違憲判決はございませんが、平成八年大法廷判決は、最大較差六・五九倍の投票価値の不均衡について、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態が生じていたとして、いわゆる違憲状態の判断を示しました。その後も最大較差は五倍前後で推移し、平成二十四年と平成二十六年の大法廷判決では、再び違憲状態の判断が示されました。その後、合区制度導入後に施行された平成二十八年と令和元年の選挙について、最高裁はそれぞれ合憲の判断をしています。
以下の御説明におきましても、適宜この表を御参照いただければと思います。
資料二ページを御覧ください。
裁判所は、選挙制度の憲法適合性について、まず、投票価値の不均衡が違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っているか否かを判断し、これが認められる場合に、選挙までの期間内に是正されなかったことが国会の裁量権の限界を超えるか否かを検討する判断枠組みを採用しています。最高裁は、こうした判断枠組みは、憲法秩序の下における司法権と立法権との関係に由来するものであると説明をしています。
このため、憲法適合性の判断では、国会が選挙制度の決定に幅広い裁量権を有することを前提に、是正措置がなされなかった期間の長短だけではなく、是正措置の内容や検討を要する事項等の諸般の事項を総合考慮して、国会の裁量権行使の在り方が相当と言えるか否かという観点で評価がなされています。
資料三ページから四ページを御覧ください。
最高裁昭和五十八年判決は、参議院定数訴訟のリーディングケースとされており、投票価値の平等を憲法上の要請と認め、国会の裁量権との関係を示した衆議院定数訴訟の最高裁昭和五十一年判決の趣旨を踏襲しています。この五十八年判決で示された基本的な判断枠組みは、累次の参議院定数訴訟を経て、直近の令和二年判決まで、その趣旨が踏襲されています。
五ページに掲載した平成二十九年判決でも、昭和五十八年判決で示された投票価値の平等と国会の裁量権行使の関係などに関する基本的な判断枠組みや、参議院の性格と機能などを選挙制度に反映させるための国会の合理的裁量などについての基本的な立場が踏襲されています。
資料六ページから七ページを御覧ください。
表一で御説明いたしましたとおり、平成八年判決では参議院定数訴訟では初めて違憲状態の判断が示されましたが、五倍前後の最大較差が継続する中で、最高裁の判断も次第に厳格化し、各判決では反対意見が多く付されるだけでなく、多数意見からも国会に対して厳しい指摘がなされるようになりました。
平成十八年判決では、国会において、これまでの制度の枠組みの見直しを含め、選挙区間における選挙人の投票価値の較差をより縮小するための検討を継続することが憲法の趣旨に沿うものである旨の指摘がなされ、平成二十一年判決では、最大較差の大幅な縮小を行おうとすれば、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となることは否定できず、国会において、速やかに適切な検討が行われることが望まれる旨の要望がなされました。
そして、平成二十四年判決及び平成二十六年判決では、再び違憲状態の判断が示されました。
資料九ページから十ページを御覧ください。
平成二十九年判決は、合区を導入した平成二十七年の法改正について、これまでにない手法を導入して行われたものであり、都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の仕組みを改めて、長年にわたり大きな投票価値の不均衡が継続してきた状態から脱せしめるとともに、更なる較差の是正を指向するものと評価できる旨の判示をしました。
また、令和二年判決は、平成三十年法改正における立法府の検討過程に対して、合区の解消を強く望む意見も存在する中で、合区を維持して僅かではあるが較差を是正して、平成二十七年改正法における方向性を維持するよう配慮しており、参議院選挙制度の改革では、憲法が採用している二院制の仕組みなどから導かれる参議院が果たすべき役割等も踏まえる必要があるなど、事柄の性質上、慎重な考慮を要することに鑑みれば、その実現は漸進的にならざるを得ない面があり、較差是正を指向する姿勢が失われたと断ずることはできない旨の評価をしました。
資料十ページから十四ページを御覧ください。
昭和五十八年判決は、参議院地方選出議員の選挙の仕組みについて、都道府県が歴史的にも政治的、経済的、社会的にも独自の意義と実体を有し、一つの政治的まとまりを有する単位として捉え得ることに照らし、これを構成する住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を加味しようとしたものであると解しました。
しかし、その後、最大較差五倍を違憲状態と判示した平成二十四年判決は、都道府県を参議院議員の選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はなく、その仕組みを維持しながら投票価値の平等の実現を図るという要求に応えていくことは、もはや著しく困難な状況に至っている旨の認識を示しました。
さらに、同様に違憲状態の判示をした平成二十六年判決も、より適切な民意の反映が可能となるよう、単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまらず、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなどの具体的な改正案の検討と集約が着実に進められ、できるだけ速やかに、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置により違憲状態が解消される必要があるとの認識を示しました。
もっとも、合区制度導入後に施行された平成二十八年選挙についての平成二十九年判決では、具体的な選挙制度の仕組みを決定するに当たり、一定の地域の住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を加味する観点から、政治的に一つのまとまりを有する単位である都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮すること自体が否定されるべきものであるとは言えず、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて、このような要素を踏まえた選挙制度を構築することが直ちに国会の合理的な裁量を超えるものとは解されないとの判断が示されました。
また、先ほど御紹介した平成二十四年と平成二十六年の最高裁の判断については、都道府県を各選挙区の単位として固定することが投票価値の大きな不平等状態を長期にわたって継続させてきた要因であると見たことによるものにほかならず、各選挙区の区域を定めるに当たり、都道府県という単位を用いること自体を不合理なものとして許されないとしたものではないと判示しました。
また、直近の令和二年判決においても、平成二十九年判決と同様に、具体的な選挙制度の仕組みを決定するに当たり、一定の地域の住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を加味する観点から、政治的に一つのまとまりを有する単位である都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮すること自体が否定されるべきものであるとは言えず、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて、このような要素を踏まえた選挙制度を構築することが直ちに国会の合理的な裁量を超えるものとは解されないとして、その立場を再度確認しています。
以上が、これまでの最高裁の判断に関する御説明でございます。
資料十五ページから十六ページを御覧ください。
選挙区間の定数較差の現状につきましては、最近の数値をお示ししてございます。いずれの数値に基づきましても選挙区間の較差は最大で三倍を超える状況となっており、前回通常選挙時より僅かではありますが拡大している状況にあります。
また、十七ページから十八ページは、合区導入前後における選挙区での都道府県別投票率の推移を示したものでございます。
さらに、十九ページから二十ページは、同様に合区導入前後における選挙区での無効投票数及び無効投票率の推移を示したものでございます。
二十一ページから二十三ページは、平成二十七年法改正による合区の導入を契機に、毎年、全国知事会などから合区に関連する決議や提言が出されておりますが、その主な状況と内容の一部を御紹介いたしたものでございます。
二十四ページ以下には、一部ではございますが、本件テーマに関連性のあると思われる有識者の御意見を御紹介しております。
また、三十ページ以下には、参議院定数訴訟の直近の最高裁判決である令和二年判決について、反対意見を含む全文を掲載しておりますので、御参照いただければ幸いでございます。
私からは、以上でございます。
中
川
川崎政司#4
○法制局長(川崎政司君) 着席したままで失礼いたします。
参議院法制局長の川崎でございます。どうかよろしくお願いいたします。
私の方からは、お手元の資料に基づき、参議院議員の選挙制度に関しまして、その経緯等とともに、憲法上の要請、最高裁の判断枠組みなどにつきまして御説明をさせていただきます。
まず、参議院選挙制度に関する経緯と定数較差に係る主な最高裁判決の動向につきまして確認をさせていただきたいと思います。
表紙をめくり、一、二ページを見開きで御覧くださいませ。
参議院の選挙制度については、検討の段階では紆余曲折がありましたが、総定数二百五十人、そのうち都道府県の区域を単位とする地方区選挙が百五十人、全国を単位とする全国区選挙が百人という構成でスタートし、地方区選挙では、当時の人口に基づき、各選挙区の人口に比例する形で二人から八人の偶数の議員数が配分され、その最大較差は二・六二倍でした。なお、総定数につきましては、昭和四十七年の沖縄の復帰に伴い、二百五十二人とされました。
参議院の選挙制度に関し、当初議論となっていたのは全国区選挙の在り方であり、昭和五十七年の公職選挙法の改正で拘束名簿式比例代表選挙に改正され、選挙の名称もそれぞれ選挙区選挙と比例代表選挙に改められました。
他方、高度成長や産業構造の変化に伴う都市への人口移動により、選挙区間の定数較差が次第に大きくなり、定数較差訴訟が裁判所に提起されるようになります。
最初に最高裁が判断を示したのは参議院選挙に関してであり、昭和三十九年判決、一番上のところでございますが、は、各選挙区にいかなる割合で議員数を配分するかは、立法政策の問題であり、違憲問題を生じないと、そういう判断を示したところでございます。
最高裁が投票価値の平等が憲法上の要請であるとしたのは、衆議院選挙に関する昭和五十一年判決が最初であり、参議院については昭和五十八年判決となります。昭和五十八年判決では、国会の広い裁量を認め、最大較差五・二六倍を合憲と判断しましたが、平成四年の通常選挙では最大較差が六・五九倍にまで達し、これについて平成八年の最高裁判決が違憲状態との判断を示しました。
もっとも、較差につきましては、平成六年の八増八減の改正で既に四・八一倍に縮小しており、最高裁はその後合憲判決を続けて出すとともに、平成十二年には定数十減とともに比例代表選挙について非拘束名簿式とする改正が行われております。
最高裁に変化が現れ始めたのは平成十六年判決からというふうに言われております。同判決は較差五・〇六倍を合憲としたものの、複数の裁判官により補足意見を通じて較差状況を問題視する指摘がなされるなど、実質的により厳格な評価が行われるようになっていきます。
これに対し、参議院において超党派による検討機関が設けられ、定数較差問題について検討が行われるようになるとともに、平成十八年には四増四減の改正も行われ、最大較差は四・八四倍となりました。
しかし、最高裁は投票価値の平等の要請を重視する姿勢を強め、平成二十四年判決では、昭和五十八年判決の考え方を実質的に変更し、最大較差五・〇〇倍を違憲状態とし、その直後の平成二十四年改正で較差は四・七五倍とされたものの、平成二十六年判決では四・七七倍の較差を再び違憲状態といたしました。
これらを受けて行われたのが平成二十七年の改正であり、四県二合区を含む十増十減により最大較差は二・九七倍に縮小し、これに対し平成二十九年判決は、平成二十四年判決と平成二十六年判決の趣旨に沿った改正であるとして、選挙時最大較差三・〇八倍を合憲との判断を示しました。その後も検討条項を踏まえ、選挙制度の改革について検討が進められ、平成三十年の改正では定数が六増され、選挙区では定数二増により較差が二・九九倍にされるとともに、比例代表選挙では部分的に拘束式となる特定枠の制度が設けられたところであり、これに対し最高裁は令和二年判決で、選挙時三・〇〇倍の較差を合憲と判断しております。
なお、比例代表選挙につきましては、別途、非拘束名簿式が平成十六年判決、特定枠が令和二年判決で合憲と判断をされております。
このような国会と最高裁判所との相互作用とも言える状況は、衆議院の小選挙区間の較差をめぐっても生じており、ある最高裁判事はその補足意見の中で、両者の間で言わば実効性のあるキャッチボールが続いている状況にあると表現しているところです。そして、最高裁によれば、それは、資料の十ページ、飛んでしまいますが、恐縮でございますが、その下の段に挙げておりますけれども、憲法の予定している司法権と立法権の関係に由来するものとしております。
それでは、参議院の選挙における投票価値の平等に関する最高裁の見方、判断はどのように変わってきているのか、これについて確認をさせていただきます。
三、四ページに戻っていただいて恐縮でございますが、そこに簡単にまとめとして示しております。
参議院選挙にも投票価値の平等の要請があるとした昭和五十八年判決は、その一方で、投票価値の平等の要求は、人口比例主義を基本とする選挙制度の場合と比較して一定の譲歩、後退を免れない、較差の是正にもおのずから限度があるとし、都道府県単位とすることについても一定の理解を示していました。これに対し、平成二十四年判決は、基本的判断枠組みは維持しつつも、長年にわたる制度と社会の状況の変化を考慮して実質的に五十八年判決の考え方を変更し、参議院の選挙制度であること自体から、直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難い、都道府県を参議院の選挙区単位とする憲法上の要請はなく、投票価値の平等との関係からは都道府県単位といった仕組み自体を見直すことが必要としました。
このように判断する理由につきましては、平成二十四年判決のところで①から③ということで示しておりますけれども、近年の衆参ねじれ現象等の経験を背景に、立法を始めとする多くの事柄について参議院にも衆議院とほぼ等しい権限が与えられており、国政における参議院の役割が大きくなっているという認識があると見られております。
平成二十四年判決の考え方はその後も基本的に維持されておりますが、合区による較差是正を評価した平成二十九年判決では、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて、都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮することが否定されるものではないとの言及もなされているところでございます。
次に、五ページをお開きくださいませ。
先ほど憲法審査会の事務局の方から説明がありました較差の現況を示しておりますが、最大較差は三倍をちょっと超えておりますが、三倍を超える選挙区が三つ存在するというような状況にございます。
そのことも念頭に置きつつ、選挙に関する憲法の規定、選挙原則、投票価値の平等や全国民の代表の意義などについて見てまいりたいと思います。
憲法の規定と選挙原則につきましては、隣の六ページのとおりでございます。普通、平等、自由、直接、秘密の選挙原則のうち、どこまで憲法で規定されているのかは議論がありますものの、それらは国会の裁量を拘束し、それらに反する法律の規定は憲法違反とされることになります。
そのような中で、次の七ページと八ページを御覧くださいませ。
投票価値の平等でございますけれども、選挙権の内容の平等として、各投票が選挙の結果に及ぼす影響力においても平等であることを要求するものであり、具体的には、議員一人当たりの選挙人数ないし人口ができる限り平等に保たれる人口比例を基準とすることが求められているとされております。
そして、その憲法上の根拠につきましては、その下でございますけれども、最高裁は法の下の平等を定める憲法十四条一項を中心に、十五条一項、三項、四十四条ただし書の規定を挙げております。
ただし、八ページとなりますけれども、最高裁は、選挙制度の仕組みの決定において、投票価値の平等は、唯一、絶対の基準となるものではなく、国会が正当に考慮できる他の政策目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきものともしております。
他方、憲法四十三条一項の全国民の代表につきましては、その下のところに判例を示しておりますけれども、最高裁は、本来的には、両議院の議員は、その選出方法にかかわらず、特定の階級、党派、地域住民など一部の国民を代表するものではなく、全国民を代表するものであること、選挙人の指図に拘束されることなく独立して全国民のために行動すべき使命を有することを意味するとしております。
続きまして、九ページ以降になります。
最高裁が選挙制度や投票価値の較差の憲法適合性に関し審査する場合の判断枠組みなどについて簡単に触れさせていただきたいと存じます。
まず、選挙制度についてですけれども、最高裁は、選挙された代表者を通じて、国民の利害や意見が公正かつ効果的に国政の運営に反映されることを目標とし、政治の安定の要請も考慮しながら、それぞれの国の実情に即して具体的に決定されるべきものであり、そこに論理的に要請される一定不変の形態が存在するわけではないとします。
その上で、日本国憲法も両議院の議員の選挙制度について、全国民の代表といった制約の下で、法律で定めるべきものとして国会の裁量に委ねているとし、その憲法適合性の審査は、国会の裁量権を考慮しても、全国民の代表による制約や法の下の平等などの憲法上の要請に反するためその限界を超えており、これを是認できない場合に憲法違反となると判示しております。
なお、その下でございますけれども、その際、参議院の選挙制度の独自性については、二院制の下における参議院の性格や機能及び衆議院との異同をどのように位置付け、いかに反映させていくかという点を含め、国会の合理的な裁量に委ねられているとしております。
そして、十ページです。
定数較差について、最高裁は何倍未満といった較差基準などは示しておりません。
投票価値の著しい不平等状態が生じ、かつ、それが相当期間継続しているにもかかわらず是正措置を講じないことが国会の裁量権の限界を超えると判断される場合に憲法に違反するとの基本的な判断枠組みを示しております。
すなわち、最高裁は、その下のところでございますが、一、投票価値の不均衡が違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っているかどうか、二、そのような状態に至っている場合に、選挙までの期間内に是正されなかったことが国会の裁量権の限界を超えるとして憲法に違反するに至っているかどうかといった二段階の判断枠組みにより審査を行っており、司法権と立法権との関係から、裁判所が投票価値の平等の観点から憲法上問題があると判断しても、これに代わる具体的な制度を定め得るものではなく、その是正は国会の立法によって行われることが憲法上想定されているとしているところでございます。
最後、十一ページでございます。衆議院との比較を簡単にさせていただきたいと存じます。
最高裁は、衆参の制度の類似を指摘し、参議院選挙の投票価値の平等の要請が後退してよいとする理由はないとしつつ、衆議院の判断枠組みでは、投票価値の著しい不平等状態ではなく、投票価値の平等の要求に反する状態、参議院の相当期間、相当の期間ではなく、合理的な期間内の是正とするなど、より厳格な姿勢を取っており、また、衆議院の中選挙区制度時代の二度の違憲判決では、事情判決の法理により、選挙の違法を宣言するにとどめ無効としないとしたことから、これが三段階目の枠組みとされております。
駆け足の説明となり恐縮でございますが、私からは以上でございます。
どうかよろしくお願い申し上げます。
この発言だけを見る →参議院法制局長の川崎でございます。どうかよろしくお願いいたします。
私の方からは、お手元の資料に基づき、参議院議員の選挙制度に関しまして、その経緯等とともに、憲法上の要請、最高裁の判断枠組みなどにつきまして御説明をさせていただきます。
まず、参議院選挙制度に関する経緯と定数較差に係る主な最高裁判決の動向につきまして確認をさせていただきたいと思います。
表紙をめくり、一、二ページを見開きで御覧くださいませ。
参議院の選挙制度については、検討の段階では紆余曲折がありましたが、総定数二百五十人、そのうち都道府県の区域を単位とする地方区選挙が百五十人、全国を単位とする全国区選挙が百人という構成でスタートし、地方区選挙では、当時の人口に基づき、各選挙区の人口に比例する形で二人から八人の偶数の議員数が配分され、その最大較差は二・六二倍でした。なお、総定数につきましては、昭和四十七年の沖縄の復帰に伴い、二百五十二人とされました。
参議院の選挙制度に関し、当初議論となっていたのは全国区選挙の在り方であり、昭和五十七年の公職選挙法の改正で拘束名簿式比例代表選挙に改正され、選挙の名称もそれぞれ選挙区選挙と比例代表選挙に改められました。
他方、高度成長や産業構造の変化に伴う都市への人口移動により、選挙区間の定数較差が次第に大きくなり、定数較差訴訟が裁判所に提起されるようになります。
最初に最高裁が判断を示したのは参議院選挙に関してであり、昭和三十九年判決、一番上のところでございますが、は、各選挙区にいかなる割合で議員数を配分するかは、立法政策の問題であり、違憲問題を生じないと、そういう判断を示したところでございます。
最高裁が投票価値の平等が憲法上の要請であるとしたのは、衆議院選挙に関する昭和五十一年判決が最初であり、参議院については昭和五十八年判決となります。昭和五十八年判決では、国会の広い裁量を認め、最大較差五・二六倍を合憲と判断しましたが、平成四年の通常選挙では最大較差が六・五九倍にまで達し、これについて平成八年の最高裁判決が違憲状態との判断を示しました。
もっとも、較差につきましては、平成六年の八増八減の改正で既に四・八一倍に縮小しており、最高裁はその後合憲判決を続けて出すとともに、平成十二年には定数十減とともに比例代表選挙について非拘束名簿式とする改正が行われております。
最高裁に変化が現れ始めたのは平成十六年判決からというふうに言われております。同判決は較差五・〇六倍を合憲としたものの、複数の裁判官により補足意見を通じて較差状況を問題視する指摘がなされるなど、実質的により厳格な評価が行われるようになっていきます。
これに対し、参議院において超党派による検討機関が設けられ、定数較差問題について検討が行われるようになるとともに、平成十八年には四増四減の改正も行われ、最大較差は四・八四倍となりました。
しかし、最高裁は投票価値の平等の要請を重視する姿勢を強め、平成二十四年判決では、昭和五十八年判決の考え方を実質的に変更し、最大較差五・〇〇倍を違憲状態とし、その直後の平成二十四年改正で較差は四・七五倍とされたものの、平成二十六年判決では四・七七倍の較差を再び違憲状態といたしました。
これらを受けて行われたのが平成二十七年の改正であり、四県二合区を含む十増十減により最大較差は二・九七倍に縮小し、これに対し平成二十九年判決は、平成二十四年判決と平成二十六年判決の趣旨に沿った改正であるとして、選挙時最大較差三・〇八倍を合憲との判断を示しました。その後も検討条項を踏まえ、選挙制度の改革について検討が進められ、平成三十年の改正では定数が六増され、選挙区では定数二増により較差が二・九九倍にされるとともに、比例代表選挙では部分的に拘束式となる特定枠の制度が設けられたところであり、これに対し最高裁は令和二年判決で、選挙時三・〇〇倍の較差を合憲と判断しております。
なお、比例代表選挙につきましては、別途、非拘束名簿式が平成十六年判決、特定枠が令和二年判決で合憲と判断をされております。
このような国会と最高裁判所との相互作用とも言える状況は、衆議院の小選挙区間の較差をめぐっても生じており、ある最高裁判事はその補足意見の中で、両者の間で言わば実効性のあるキャッチボールが続いている状況にあると表現しているところです。そして、最高裁によれば、それは、資料の十ページ、飛んでしまいますが、恐縮でございますが、その下の段に挙げておりますけれども、憲法の予定している司法権と立法権の関係に由来するものとしております。
それでは、参議院の選挙における投票価値の平等に関する最高裁の見方、判断はどのように変わってきているのか、これについて確認をさせていただきます。
三、四ページに戻っていただいて恐縮でございますが、そこに簡単にまとめとして示しております。
参議院選挙にも投票価値の平等の要請があるとした昭和五十八年判決は、その一方で、投票価値の平等の要求は、人口比例主義を基本とする選挙制度の場合と比較して一定の譲歩、後退を免れない、較差の是正にもおのずから限度があるとし、都道府県単位とすることについても一定の理解を示していました。これに対し、平成二十四年判決は、基本的判断枠組みは維持しつつも、長年にわたる制度と社会の状況の変化を考慮して実質的に五十八年判決の考え方を変更し、参議院の選挙制度であること自体から、直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難い、都道府県を参議院の選挙区単位とする憲法上の要請はなく、投票価値の平等との関係からは都道府県単位といった仕組み自体を見直すことが必要としました。
このように判断する理由につきましては、平成二十四年判決のところで①から③ということで示しておりますけれども、近年の衆参ねじれ現象等の経験を背景に、立法を始めとする多くの事柄について参議院にも衆議院とほぼ等しい権限が与えられており、国政における参議院の役割が大きくなっているという認識があると見られております。
平成二十四年判決の考え方はその後も基本的に維持されておりますが、合区による較差是正を評価した平成二十九年判決では、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて、都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮することが否定されるものではないとの言及もなされているところでございます。
次に、五ページをお開きくださいませ。
先ほど憲法審査会の事務局の方から説明がありました較差の現況を示しておりますが、最大較差は三倍をちょっと超えておりますが、三倍を超える選挙区が三つ存在するというような状況にございます。
そのことも念頭に置きつつ、選挙に関する憲法の規定、選挙原則、投票価値の平等や全国民の代表の意義などについて見てまいりたいと思います。
憲法の規定と選挙原則につきましては、隣の六ページのとおりでございます。普通、平等、自由、直接、秘密の選挙原則のうち、どこまで憲法で規定されているのかは議論がありますものの、それらは国会の裁量を拘束し、それらに反する法律の規定は憲法違反とされることになります。
そのような中で、次の七ページと八ページを御覧くださいませ。
投票価値の平等でございますけれども、選挙権の内容の平等として、各投票が選挙の結果に及ぼす影響力においても平等であることを要求するものであり、具体的には、議員一人当たりの選挙人数ないし人口ができる限り平等に保たれる人口比例を基準とすることが求められているとされております。
そして、その憲法上の根拠につきましては、その下でございますけれども、最高裁は法の下の平等を定める憲法十四条一項を中心に、十五条一項、三項、四十四条ただし書の規定を挙げております。
ただし、八ページとなりますけれども、最高裁は、選挙制度の仕組みの決定において、投票価値の平等は、唯一、絶対の基準となるものではなく、国会が正当に考慮できる他の政策目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきものともしております。
他方、憲法四十三条一項の全国民の代表につきましては、その下のところに判例を示しておりますけれども、最高裁は、本来的には、両議院の議員は、その選出方法にかかわらず、特定の階級、党派、地域住民など一部の国民を代表するものではなく、全国民を代表するものであること、選挙人の指図に拘束されることなく独立して全国民のために行動すべき使命を有することを意味するとしております。
続きまして、九ページ以降になります。
最高裁が選挙制度や投票価値の較差の憲法適合性に関し審査する場合の判断枠組みなどについて簡単に触れさせていただきたいと存じます。
まず、選挙制度についてですけれども、最高裁は、選挙された代表者を通じて、国民の利害や意見が公正かつ効果的に国政の運営に反映されることを目標とし、政治の安定の要請も考慮しながら、それぞれの国の実情に即して具体的に決定されるべきものであり、そこに論理的に要請される一定不変の形態が存在するわけではないとします。
その上で、日本国憲法も両議院の議員の選挙制度について、全国民の代表といった制約の下で、法律で定めるべきものとして国会の裁量に委ねているとし、その憲法適合性の審査は、国会の裁量権を考慮しても、全国民の代表による制約や法の下の平等などの憲法上の要請に反するためその限界を超えており、これを是認できない場合に憲法違反となると判示しております。
なお、その下でございますけれども、その際、参議院の選挙制度の独自性については、二院制の下における参議院の性格や機能及び衆議院との異同をどのように位置付け、いかに反映させていくかという点を含め、国会の合理的な裁量に委ねられているとしております。
そして、十ページです。
定数較差について、最高裁は何倍未満といった較差基準などは示しておりません。
投票価値の著しい不平等状態が生じ、かつ、それが相当期間継続しているにもかかわらず是正措置を講じないことが国会の裁量権の限界を超えると判断される場合に憲法に違反するとの基本的な判断枠組みを示しております。
すなわち、最高裁は、その下のところでございますが、一、投票価値の不均衡が違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っているかどうか、二、そのような状態に至っている場合に、選挙までの期間内に是正されなかったことが国会の裁量権の限界を超えるとして憲法に違反するに至っているかどうかといった二段階の判断枠組みにより審査を行っており、司法権と立法権との関係から、裁判所が投票価値の平等の観点から憲法上問題があると判断しても、これに代わる具体的な制度を定め得るものではなく、その是正は国会の立法によって行われることが憲法上想定されているとしているところでございます。
最後、十一ページでございます。衆議院との比較を簡単にさせていただきたいと存じます。
最高裁は、衆参の制度の類似を指摘し、参議院選挙の投票価値の平等の要請が後退してよいとする理由はないとしつつ、衆議院の判断枠組みでは、投票価値の著しい不平等状態ではなく、投票価値の平等の要求に反する状態、参議院の相当期間、相当の期間ではなく、合理的な期間内の是正とするなど、より厳格な姿勢を取っており、また、衆議院の中選挙区制度時代の二度の違憲判決では、事情判決の法理により、選挙の違法を宣言するにとどめ無効としないとしたことから、これが三段階目の枠組みとされております。
駆け足の説明となり恐縮でございますが、私からは以上でございます。
どうかよろしくお願い申し上げます。
中
中川雅治#5
○会長(中川雅治君) ありがとうございました。
以上で説明の聴取は終了いたしました。
これより意見交換を行います。
各会派から意見表明を行った後、委員間の意見交換を行います。
発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。
また、御発言は着席のままで結構でございます。
なお、委員間の意見交換において発言を希望される方は、各会派からの意見表明の間にあらかじめ氏名標をお立てください。
それでは、各会派一名ずつ、各五分以内で御意見を順次お述べいただきたいと存じます。
有村治子君。
この発言だけを見る →以上で説明の聴取は終了いたしました。
これより意見交換を行います。
各会派から意見表明を行った後、委員間の意見交換を行います。
発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。
また、御発言は着席のままで結構でございます。
なお、委員間の意見交換において発言を希望される方は、各会派からの意見表明の間にあらかじめ氏名標をお立てください。
それでは、各会派一名ずつ、各五分以内で御意見を順次お述べいただきたいと存じます。
有村治子君。
有
有村治子#6
○有村治子君 自由民主党の幹事を務めております有村治子です。
憲法審査会岡崎事務局長と川崎法制局長の実に的確な御報告に感謝を申し上げ、本日は合区問題について持論を申し述べます。
平成二十七年の公職選挙法改正で、島根、鳥取、また徳島、高知という四県による二つの合区が導入をされました。これら四県においては、投票率の低下、また合区反対と書かれた多くの無効票が出るなど、合区に対する不満が顕著に出ています。鳥取県の地方紙による調査では、合区反対の世論が七六%もあり、このままでは人口の少ない地方の声が国政に届かなくなるのではという切実な危機感があります。人材や食料、エネルギー等を大都市に供給してきた地方の貢献なくして国民生活が成り立たないことは明らかです。
また、足掛け三年となるコロナ禍で更に出生率が低下し、どの都道府県においても早晩人口減少に直面していくことが予想される中、人口だけが民主主義を測る唯一の物差しとなっている現状のままでよいのでしょうか。人口の多い少ないを唯一の指標とする計算を行い、その算定に一喜一憂を繰り返すことで、果たして私たちは人口減少社会、日本の将来に備えられるものなのでしょうか。
人口減少や高齢化率が急速に高まっている離島が国境を守る島々であったりもいたします。厳しい自然環境や過疎化が進む地域であっても、父祖伝来の地に住み、ふるさともお墓も暮らしも守りたいと人々がその地に住み続けられることで、国境や漁業権や漁場、里山も守られている。この現実に向き合い、国政の中枢に現状を伝えて政治的な光を当てていく議会人が少なくなっていくことが、国家全体の経営という視点で健全なことだとは思えません。政治的、社会的関心を寄せ続けなければ、厳しい環境における地方の人口減少が加速度的に進んでしまうことを憂慮いたします。
都道府県単位での地方の声を着実に国政に届けられる選挙制度の実現を目指して、全国知事会、全国市長会、全国町村会、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会という地方を代表する公的な六団体は全てそれぞれ独自に合区解消に対する決議を採択しています。これに加えて、現在までに三十五の県議会が合区解消の意見書を採択しています。大事な民意です。
もちろん、投票価値の平等という理念は、それ自体極めて大事な価値であることを承知しておりますが、一方で、最高裁判決では、先ほど御紹介いただいたように、投票価値の平等は唯一、絶対の基準となるものではないとも言っています。たった一つの物差し、絶対的な基準ではないと司法自身も明言しているわけです。
地方区と全国比例によって構成される参議院においては、四県による二合区が導入される前まで、地方区選挙は都道府県単位で行われ、その全域の民意と職責を負う議会人を選出してきました。都道府県は、明治二十年来の府県制以来百三十年の歴史を重ねてきた社会の単位であり、その区域ごとに行政府、議会、警察、教育委員会などが設置され、農林水産、医療、保健、商工業といった様々な組織、団体が合意形成を図り、国と市町の間で調整機能を果たしてきました。今般の感染症対策でも現に法的責任を負っている行政単位であり、自衛隊に対する災害派遣要請も知事により都道府県単位で行われています。
このように、都道府県は、歴史的、政治的、経済的、社会的、文化的にも意義と実体を有し、国民にとって重要な役割を果たしてきました。
以上の観点から、自由民主党として、参議院は、全国比例選挙と都道府県を単位とする地方選出によって構成する価値を堅持し、合区を解消することが肝要だと考えます。自由民主党として、憲法改正を行う際の最重要事項四項目の一つに合区解消の価値を掲げるゆえんです。
都道府県という行政単位をまたいだ合区制度の副作用については、合区の対象となっていない全国ほとんどの地域には実感としてなかなか見えにくい傾向があります。四県により二つの合区選挙区において選出された同僚議員が語られる切実な現実にも真摯に耳を傾けながら、地方も都市も持続可能な日本にする憲法審査会議論が深まっていくことを願い、自由民主党、有村治子の意見表明とさせていただきます。
以上です。
この発言だけを見る →憲法審査会岡崎事務局長と川崎法制局長の実に的確な御報告に感謝を申し上げ、本日は合区問題について持論を申し述べます。
平成二十七年の公職選挙法改正で、島根、鳥取、また徳島、高知という四県による二つの合区が導入をされました。これら四県においては、投票率の低下、また合区反対と書かれた多くの無効票が出るなど、合区に対する不満が顕著に出ています。鳥取県の地方紙による調査では、合区反対の世論が七六%もあり、このままでは人口の少ない地方の声が国政に届かなくなるのではという切実な危機感があります。人材や食料、エネルギー等を大都市に供給してきた地方の貢献なくして国民生活が成り立たないことは明らかです。
また、足掛け三年となるコロナ禍で更に出生率が低下し、どの都道府県においても早晩人口減少に直面していくことが予想される中、人口だけが民主主義を測る唯一の物差しとなっている現状のままでよいのでしょうか。人口の多い少ないを唯一の指標とする計算を行い、その算定に一喜一憂を繰り返すことで、果たして私たちは人口減少社会、日本の将来に備えられるものなのでしょうか。
人口減少や高齢化率が急速に高まっている離島が国境を守る島々であったりもいたします。厳しい自然環境や過疎化が進む地域であっても、父祖伝来の地に住み、ふるさともお墓も暮らしも守りたいと人々がその地に住み続けられることで、国境や漁業権や漁場、里山も守られている。この現実に向き合い、国政の中枢に現状を伝えて政治的な光を当てていく議会人が少なくなっていくことが、国家全体の経営という視点で健全なことだとは思えません。政治的、社会的関心を寄せ続けなければ、厳しい環境における地方の人口減少が加速度的に進んでしまうことを憂慮いたします。
都道府県単位での地方の声を着実に国政に届けられる選挙制度の実現を目指して、全国知事会、全国市長会、全国町村会、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会という地方を代表する公的な六団体は全てそれぞれ独自に合区解消に対する決議を採択しています。これに加えて、現在までに三十五の県議会が合区解消の意見書を採択しています。大事な民意です。
もちろん、投票価値の平等という理念は、それ自体極めて大事な価値であることを承知しておりますが、一方で、最高裁判決では、先ほど御紹介いただいたように、投票価値の平等は唯一、絶対の基準となるものではないとも言っています。たった一つの物差し、絶対的な基準ではないと司法自身も明言しているわけです。
地方区と全国比例によって構成される参議院においては、四県による二合区が導入される前まで、地方区選挙は都道府県単位で行われ、その全域の民意と職責を負う議会人を選出してきました。都道府県は、明治二十年来の府県制以来百三十年の歴史を重ねてきた社会の単位であり、その区域ごとに行政府、議会、警察、教育委員会などが設置され、農林水産、医療、保健、商工業といった様々な組織、団体が合意形成を図り、国と市町の間で調整機能を果たしてきました。今般の感染症対策でも現に法的責任を負っている行政単位であり、自衛隊に対する災害派遣要請も知事により都道府県単位で行われています。
このように、都道府県は、歴史的、政治的、経済的、社会的、文化的にも意義と実体を有し、国民にとって重要な役割を果たしてきました。
以上の観点から、自由民主党として、参議院は、全国比例選挙と都道府県を単位とする地方選出によって構成する価値を堅持し、合区を解消することが肝要だと考えます。自由民主党として、憲法改正を行う際の最重要事項四項目の一つに合区解消の価値を掲げるゆえんです。
都道府県という行政単位をまたいだ合区制度の副作用については、合区の対象となっていない全国ほとんどの地域には実感としてなかなか見えにくい傾向があります。四県により二つの合区選挙区において選出された同僚議員が語られる切実な現実にも真摯に耳を傾けながら、地方も都市も持続可能な日本にする憲法審査会議論が深まっていくことを願い、自由民主党、有村治子の意見表明とさせていただきます。
以上です。
中
小
小西洋之#8
○小西洋之君 立憲民主・社民の小西洋之でございます。私からも、憲法審査会事務局、また法制局の大変な御努力に敬意を表させていただきます。
私、今お二方から御説明をいただきまして、我が委員会は憲法審査会でございますので、憲法問題を議論するとなったときに、歴代の最高裁判決が言っていることの一番基本的なことは何なのかと、この参議院の選挙制度について、そこを押さえることが大事ではないかと思う次第でございます。
事務局の資料におきましては、五ページから六ページですね、リーディングケースの五十八年判決、さらにそれを引き継いだ二十九年判決とありますが、実は歴代の最高裁、法制局の資料だと九ページでございますんですが、まあどちらでも結構なんですが、事務局の資料の方の六ページの平成二十九年判決、これ五十八年判決と言っていること同じなんですが、一番上のところでございますですよね。先ほど有村先生がおっしゃられたように、最高裁は数字だけで一票の較差は判断をしないと、二院制なのだから、参議院が国会として衆議院と違う独自の機能をどう国民のために果たすかとまず考える。それを実現するために、必要かつ合理的な選挙制度であれば、それは一票の数字だけでは判断するものではないということを言っているのが最高裁の判決だと思います。
資料の六ページですが、事務局の、投票価値の平等の要請と調和していくかには、二院制の下における参議院の性格や機能及び衆議院との異同をどのように位置付け、これをそれぞれの選挙制度に生かし、反映させていくかという点を含め、国会の合理的な裁量に委ねられている。
このことを、今度は法制局の資料の九ページを先生方御覧いただきたいと思うんですが、法制局の資料の九ページの下段のところでございますが、下段の二つ目の丸の太いゴシック体の後段の部分でございますが、これは一番最近の令和二年大法廷判決のところでございますけれども、参議院につき衆議院とは異なる選挙制度を採用し、国民各層の多様な意見を反映させて、参議院に衆議院とは異なる独自の機能を発揮させようとすることも、選挙制度の仕組みを定めるに当たって国会に委ねられた裁量権の合理的行使として是認し得ると書いております。
それで、岡崎局長にまず質問したいんですが、先ほど御説明いただいた違憲状態という厳しい判決が出てから、我が参議院においては、四増四減、あと合区を含めた十増十減と、あといわゆる六増法ですね、法改正をやってまいりましたが、その法改正の中で、この歴代最高裁の判決が言っている基本的な考え方、参議院としてどういう役割、衆議院と違う役割を果たそうとしていて、それによってこういう法改正が必要だと、そういう議論、あるいはそういう、まあ言うと法改正をやってきたことがあるでしょうか。
この発言だけを見る →私、今お二方から御説明をいただきまして、我が委員会は憲法審査会でございますので、憲法問題を議論するとなったときに、歴代の最高裁判決が言っていることの一番基本的なことは何なのかと、この参議院の選挙制度について、そこを押さえることが大事ではないかと思う次第でございます。
事務局の資料におきましては、五ページから六ページですね、リーディングケースの五十八年判決、さらにそれを引き継いだ二十九年判決とありますが、実は歴代の最高裁、法制局の資料だと九ページでございますんですが、まあどちらでも結構なんですが、事務局の資料の方の六ページの平成二十九年判決、これ五十八年判決と言っていること同じなんですが、一番上のところでございますですよね。先ほど有村先生がおっしゃられたように、最高裁は数字だけで一票の較差は判断をしないと、二院制なのだから、参議院が国会として衆議院と違う独自の機能をどう国民のために果たすかとまず考える。それを実現するために、必要かつ合理的な選挙制度であれば、それは一票の数字だけでは判断するものではないということを言っているのが最高裁の判決だと思います。
資料の六ページですが、事務局の、投票価値の平等の要請と調和していくかには、二院制の下における参議院の性格や機能及び衆議院との異同をどのように位置付け、これをそれぞれの選挙制度に生かし、反映させていくかという点を含め、国会の合理的な裁量に委ねられている。
このことを、今度は法制局の資料の九ページを先生方御覧いただきたいと思うんですが、法制局の資料の九ページの下段のところでございますが、下段の二つ目の丸の太いゴシック体の後段の部分でございますが、これは一番最近の令和二年大法廷判決のところでございますけれども、参議院につき衆議院とは異なる選挙制度を採用し、国民各層の多様な意見を反映させて、参議院に衆議院とは異なる独自の機能を発揮させようとすることも、選挙制度の仕組みを定めるに当たって国会に委ねられた裁量権の合理的行使として是認し得ると書いております。
それで、岡崎局長にまず質問したいんですが、先ほど御説明いただいた違憲状態という厳しい判決が出てから、我が参議院においては、四増四減、あと合区を含めた十増十減と、あといわゆる六増法ですね、法改正をやってまいりましたが、その法改正の中で、この歴代最高裁の判決が言っている基本的な考え方、参議院としてどういう役割、衆議院と違う役割を果たそうとしていて、それによってこういう法改正が必要だと、そういう議論、あるいはそういう、まあ言うと法改正をやってきたことがあるでしょうか。
岡
岡崎慎吾#9
○憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君) かつて参議院改革協議会の選挙制度に関する専門委員会が設置されておりました頃に、平成三十年の四月十三日における参議院選挙制度改革の具体的な方向性についての議論の中で次のような御議論、御提案がありました。ヤジよろしゅうございますか。
この発言だけを見る →小
小西洋之#10
○小西洋之君 私の質問は、過去三回の法改正のときに、最高裁の判決、川崎局長の言葉で言えば、キャッチボールのボールを投げられたんだけれども、その向こうが言っていることを受け止めて、その考え方に基づいた法改正、改革をしたことがまずあるかどうか、事実として。
この発言だけを見る →岡
岡崎慎吾#11
○憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君) それは、今回の、今回というか、平成二十七年改正、あるいはそれに続く平成三十年改正というものが、ある意味ではそのキャッチボールをした最たる結果ではございます。ヤジ
この発言だけを見る →中
小
小西洋之#13
○小西洋之君 じゃ、川崎局長に、ごめんなさい、聞きますが、参議院が衆議院とは違う独自の役割をまず考えて、それを実現するための例えば国会法の改正などをやる、で、それを基づいて参議院の選挙制度を考えるとか、多分最高裁の判決はそういうことを言っているんだと思うんですが、そういう考え方に基づいて行われたのが過去三回の改正だと言えるかどうか。事実関係の認識だけで結構なんですが、川崎局長、いかがですか、条文を作った立場として。
この発言だけを見る →川
川崎政司#14
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
いろいろとその選挙制度の改革を御議論される際にはいろんな議論があったというふうに承知しております。ただ、実際のその改正の関係につきましては、結局、あくまでも改正の結果でございますので、それがその最高裁が言っていたこととの関係でどういうメッセージとして伝わったかというのはいろいろ議論のあるところだと思います。
この発言だけを見る →いろいろとその選挙制度の改革を御議論される際にはいろんな議論があったというふうに承知しております。ただ、実際のその改正の関係につきましては、結局、あくまでも改正の結果でございますので、それがその最高裁が言っていたこととの関係でどういうメッセージとして伝わったかというのはいろいろ議論のあるところだと思います。
小
中
西
西田実仁#17
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
合区問題について考えるときに、なぜまず合区が誕生したのかという経緯を確認しなければならないと思います。
平成二十四年及び二十六年の違憲状態とされた参議院選挙における投票価値の平等をめぐる最高裁の判断を踏まえて、参議院議長の下に選挙制度の改革に関する検討会が設置されました。しかし、成案を得ることはできず、平成二十七年に、いずれも合区を含む二案が国会に提出されて、現行の鳥取・島根、徳島・高知の四県二合区が生まれたというのがその経緯です。
しかし、合区対象県の投票率及び合区制度に関する意識調査によれば、投票率の低下は顕著であり、かつ、合区は解消すべきとの意見が大半であることが分かっております。全国知事会を始め地方六団体や県議会も合区解消を求める決議を発出されています。
確かに、選挙区の地域代表的性格からすれば、各都道府県から少なくとも一名の議員を選出すべきであるとの素朴な感情は理解できます。しかし、平成二十四年の最高裁判決にもあるように、都道府県を参議院議員の選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はありません。むしろ、憲法の要請である投票価値の平等が民主主義における参議院の役割を支える極めて重要な基盤であることに十分な留意が求められてきます。
すなわち、憲法において参議院は、予算の議決等ごく一部を除き、衆議院と同様の権能を有しています。法律上の権限もまた同様に、衆議院の優越を定めているのは臨時会、特別会の会期及び国会の会期の延長の決定ぐらいのものであり、ほとんど同様とされています。さらに、衆議院が解散して衆議院不存在の場合でも、国会の権能を代行させるために参議院の緊急集会まで定めています。これは、上下両院の二院制を取る諸外国の中でも極めて珍しい制度と言われています。
この参議院の緊急集会は、後の失効の可能性があるとはいえ、参議院単独で国会の権能を行使することができることを意味します。それが可能なのは、参議院も衆議院と同様に全国民の代表だからであります。全国民の代表という点において衆参両院が共に同質のものとして単一の国会を構成しているからこそ、衆議院が不存在の場合でも国会の権能を行使できるわけです。衆議院と同様、参議院の選挙制度においても投票価値の平等が求められる理由はここにあります。
最高裁の判決は合憲判断、最高裁の判決を見ても、合憲判断の根拠は、投票価値の較差の更なる是正に向けての方向性と立法府の決意であります。それは直近の令和二年合憲判決でも同様です。立法府においては、較差の更なる是正を図るとともに、これを再び拡大させずに持続していくために必要となる方策等について議論し、取組を進めることが求められているとしています。
間違っても較差を拡大するような改革は、いかなる政策的目的ないし理由があったとしても、少なくとも現行の憲法を前提とする限り許されないと解します。もちろん、最高裁の言うように、投票価値の平等が選挙制度の仕組みを決定する唯一絶対の基準となるものではありません。
平成二十九年、令和二年、最高裁大法廷においてもこう述べています。具体的な選挙制度の仕組みを決定するに当たり、都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮すること自体が否定されるべきものであるとは言えず、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて、このような要素を踏まえた選挙制度を構築することが直ちに国会の合理的な裁量を超えるものとは解されない。
大事なのは、この調和であると考えます。憲法が求める投票価値の平等という価値と地域代表的性格をどう調和させるか。
私どもは、従来から、全国を十一のブロック単位とする個人名投票による大選挙区制を提唱しています。憲法が求める議員一人当たりの人口較差の更なる縮小と、参議院選挙区の持つ地域代表的な性格を両立ないし調和させるための方策であります。
合区は、確かに特定の県のみが県単位の参議院議員を選出できないことは不平等と言えるし、実際に当該住民からは多くの不満の声が聞かれています。合区解消の議論は避けるべきではありませんが、一方で、憲法が求める投票価値の平等という価値もなおざりにはできないと考えます。
以上です。
この発言だけを見る →合区問題について考えるときに、なぜまず合区が誕生したのかという経緯を確認しなければならないと思います。
平成二十四年及び二十六年の違憲状態とされた参議院選挙における投票価値の平等をめぐる最高裁の判断を踏まえて、参議院議長の下に選挙制度の改革に関する検討会が設置されました。しかし、成案を得ることはできず、平成二十七年に、いずれも合区を含む二案が国会に提出されて、現行の鳥取・島根、徳島・高知の四県二合区が生まれたというのがその経緯です。
しかし、合区対象県の投票率及び合区制度に関する意識調査によれば、投票率の低下は顕著であり、かつ、合区は解消すべきとの意見が大半であることが分かっております。全国知事会を始め地方六団体や県議会も合区解消を求める決議を発出されています。
確かに、選挙区の地域代表的性格からすれば、各都道府県から少なくとも一名の議員を選出すべきであるとの素朴な感情は理解できます。しかし、平成二十四年の最高裁判決にもあるように、都道府県を参議院議員の選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はありません。むしろ、憲法の要請である投票価値の平等が民主主義における参議院の役割を支える極めて重要な基盤であることに十分な留意が求められてきます。
すなわち、憲法において参議院は、予算の議決等ごく一部を除き、衆議院と同様の権能を有しています。法律上の権限もまた同様に、衆議院の優越を定めているのは臨時会、特別会の会期及び国会の会期の延長の決定ぐらいのものであり、ほとんど同様とされています。さらに、衆議院が解散して衆議院不存在の場合でも、国会の権能を代行させるために参議院の緊急集会まで定めています。これは、上下両院の二院制を取る諸外国の中でも極めて珍しい制度と言われています。
この参議院の緊急集会は、後の失効の可能性があるとはいえ、参議院単独で国会の権能を行使することができることを意味します。それが可能なのは、参議院も衆議院と同様に全国民の代表だからであります。全国民の代表という点において衆参両院が共に同質のものとして単一の国会を構成しているからこそ、衆議院が不存在の場合でも国会の権能を行使できるわけです。衆議院と同様、参議院の選挙制度においても投票価値の平等が求められる理由はここにあります。
最高裁の判決は合憲判断、最高裁の判決を見ても、合憲判断の根拠は、投票価値の較差の更なる是正に向けての方向性と立法府の決意であります。それは直近の令和二年合憲判決でも同様です。立法府においては、較差の更なる是正を図るとともに、これを再び拡大させずに持続していくために必要となる方策等について議論し、取組を進めることが求められているとしています。
間違っても較差を拡大するような改革は、いかなる政策的目的ないし理由があったとしても、少なくとも現行の憲法を前提とする限り許されないと解します。もちろん、最高裁の言うように、投票価値の平等が選挙制度の仕組みを決定する唯一絶対の基準となるものではありません。
平成二十九年、令和二年、最高裁大法廷においてもこう述べています。具体的な選挙制度の仕組みを決定するに当たり、都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮すること自体が否定されるべきものであるとは言えず、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて、このような要素を踏まえた選挙制度を構築することが直ちに国会の合理的な裁量を超えるものとは解されない。
大事なのは、この調和であると考えます。憲法が求める投票価値の平等という価値と地域代表的性格をどう調和させるか。
私どもは、従来から、全国を十一のブロック単位とする個人名投票による大選挙区制を提唱しています。憲法が求める議員一人当たりの人口較差の更なる縮小と、参議院選挙区の持つ地域代表的な性格を両立ないし調和させるための方策であります。
合区は、確かに特定の県のみが県単位の参議院議員を選出できないことは不平等と言えるし、実際に当該住民からは多くの不満の声が聞かれています。合区解消の議論は避けるべきではありませんが、一方で、憲法が求める投票価値の平等という価値もなおざりにはできないと考えます。
以上です。
中
足
足立信也#19
○足立信也君 国民民主党・新緑風会の足立信也です。
私は、平成二十五年九月に当時の山崎議長が設置された選挙制度の改革に関する検討会の下につくられた選挙制度協議会に三十一回、そして、平成二十九年五月に当時の伊達議長のつくられた参議院改革協議会の下にある選挙制度に関する専門委員会十七回の全てに出席しました。
最高裁が我々に明確な宿題を課したのは、平成二十四年の最高裁大法廷判決です。判決では、投票価値の著しい不平等状態が生じていたと断じ、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置を講じ、できるだけ速やかに違憲の問題が生ずる不平等状態を解消する必要があると指摘されました。
法理として、最高裁は、一、憲法は投票価値の平等を要求している。二、しかし、平等が唯一絶対ではなく、国会の裁量権として立法による平等性の一定程度の譲歩があっても憲法に違反するとは言えない。三、衆議院については、選挙区間の人口較差が二倍未満となることを基本として定められている以上、参議院議員の選挙であること自体から直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいという理由はない。四、司法権と立法権の関係上、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っている旨の司法の判断がされれば、国会はこれを受けて是正を行う責務を負う。五、都道府県を各選挙区の単位としなければならない憲法上の要請はない。六、偶数配分を前提に、都道府県を各選挙区の単位とする仕組みを維持しながら投票価値の平等の実現を図るのは著しく困難であるとしています。
平成二十六年の判決でも、偶数配分を前提に、都道府県を各選挙区の単位とする仕組みを維持しながら投票価値の平等の実現を図るのは著しく困難であると、偶数配分を前提にという条件が付いています。私も都道府県単位を維持するために奇数配当案を提案しましたが、会派の案としては取り下げました。
平成二十九年の最高裁判決において、平成二十八年の参議院通常選挙は合憲とされました。その理由として、選挙区選出議員一人当たりの人口較差が三・〇八と大幅に縮小されたことに加え、平成二十七年、自ら作った改正公職選挙法の附則、来年の通常選挙に向けて選挙制度の抜本的な見直しについて必ず結論を得ると強い立法府の意思を示したことが挙げられていました。
現行制度も合憲と判決されました。しかし、新たな投票価値の不平等を生む制度であると思われます。
昭和五十一年の衆議院定数訴訟の最高裁判決以降、最高裁の累次の判決では、憲法は、選挙権の内容の平等、換言すれば、議員の選出における各選挙人の投票の有する影響力の平等、すなわち投票価値の平等を要求していると解されると判決理由に書かれております。
非拘束式に拘束式を混在させると、各選挙人の投票の有する影響力は全く不平等になってしまうのではないか、これまで選挙区選挙で問われてきた一票の較差訴訟が比例区にも広がるのではないか。
当時の発議者は、合区を踏まえて拘束式の四増をお願いしたいと発言されました。選挙区の候補者になれない部分も有権者の民意に全く関係ない拘束式で当選させるということは、民意を踏みにじることです。
また、投票の有する影響力を平等にするには、連記制についても考慮されるべきだと考えます。
我々国民民主党・新緑風会の法案も抜本改革案ではありませんでした。しかし、今後の抜本改革の検討項目として、二院制の下における参議院の在り方、各都道府県選挙区において議員が選挙されること、つまり合区の解消、比例代表選出と選挙区選出の議員の在り方等を明記しました。
最後に、比例区と選挙区の二本立てで比率を変えない、一票の較差三倍以内、定数増を伴わない、この条件の下では奇数配当区導入をもってしても方程式の解は得られないと思います。
以上です。
この発言だけを見る →私は、平成二十五年九月に当時の山崎議長が設置された選挙制度の改革に関する検討会の下につくられた選挙制度協議会に三十一回、そして、平成二十九年五月に当時の伊達議長のつくられた参議院改革協議会の下にある選挙制度に関する専門委員会十七回の全てに出席しました。
最高裁が我々に明確な宿題を課したのは、平成二十四年の最高裁大法廷判決です。判決では、投票価値の著しい不平等状態が生じていたと断じ、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置を講じ、できるだけ速やかに違憲の問題が生ずる不平等状態を解消する必要があると指摘されました。
法理として、最高裁は、一、憲法は投票価値の平等を要求している。二、しかし、平等が唯一絶対ではなく、国会の裁量権として立法による平等性の一定程度の譲歩があっても憲法に違反するとは言えない。三、衆議院については、選挙区間の人口較差が二倍未満となることを基本として定められている以上、参議院議員の選挙であること自体から直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいという理由はない。四、司法権と立法権の関係上、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っている旨の司法の判断がされれば、国会はこれを受けて是正を行う責務を負う。五、都道府県を各選挙区の単位としなければならない憲法上の要請はない。六、偶数配分を前提に、都道府県を各選挙区の単位とする仕組みを維持しながら投票価値の平等の実現を図るのは著しく困難であるとしています。
平成二十六年の判決でも、偶数配分を前提に、都道府県を各選挙区の単位とする仕組みを維持しながら投票価値の平等の実現を図るのは著しく困難であると、偶数配分を前提にという条件が付いています。私も都道府県単位を維持するために奇数配当案を提案しましたが、会派の案としては取り下げました。
平成二十九年の最高裁判決において、平成二十八年の参議院通常選挙は合憲とされました。その理由として、選挙区選出議員一人当たりの人口較差が三・〇八と大幅に縮小されたことに加え、平成二十七年、自ら作った改正公職選挙法の附則、来年の通常選挙に向けて選挙制度の抜本的な見直しについて必ず結論を得ると強い立法府の意思を示したことが挙げられていました。
現行制度も合憲と判決されました。しかし、新たな投票価値の不平等を生む制度であると思われます。
昭和五十一年の衆議院定数訴訟の最高裁判決以降、最高裁の累次の判決では、憲法は、選挙権の内容の平等、換言すれば、議員の選出における各選挙人の投票の有する影響力の平等、すなわち投票価値の平等を要求していると解されると判決理由に書かれております。
非拘束式に拘束式を混在させると、各選挙人の投票の有する影響力は全く不平等になってしまうのではないか、これまで選挙区選挙で問われてきた一票の較差訴訟が比例区にも広がるのではないか。
当時の発議者は、合区を踏まえて拘束式の四増をお願いしたいと発言されました。選挙区の候補者になれない部分も有権者の民意に全く関係ない拘束式で当選させるということは、民意を踏みにじることです。
また、投票の有する影響力を平等にするには、連記制についても考慮されるべきだと考えます。
我々国民民主党・新緑風会の法案も抜本改革案ではありませんでした。しかし、今後の抜本改革の検討項目として、二院制の下における参議院の在り方、各都道府県選挙区において議員が選挙されること、つまり合区の解消、比例代表選出と選挙区選出の議員の在り方等を明記しました。
最後に、比例区と選挙区の二本立てで比率を変えない、一票の較差三倍以内、定数増を伴わない、この条件の下では奇数配当区導入をもってしても方程式の解は得られないと思います。
以上です。
中
高
高木かおり#21
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。発言の機会をいただき、ありがとうございます。
合区について、会派として意見を述べさせていただきます。
選挙制度を考えるに当たって重要なことは、国会議員を選ぶ有権者の一票が同じ価値を持っていること、すなわち一議席当たりの有権者数に大きな隔たりがあってはならず、投票価値の平等が保障されていることが民主主義の前提と考えます。個人が持つ価値観が多様化している今日だからこそ、以前にも増して利害や意見、主張を公正に国政へと反映していくことが重要だと考えています。
参議院の場合、衆議院にある解散というものはありません。また、任期も六年と長期間にわたります。多数派の政党が長きにわたって国政に影響力を及ぼすことを想定すれば、参議院議員を選ぶ過程において一票の持つ価値が不平等にならない民主的仕組みが整っていなければなりません。
合区によって地元の声を反映できない県が存在することは不平等だという見解があります。そして、この合区を解消する方法として、参議院を地方の府と位置付け、都道府県単位の選挙区に戻すために、憲法を改正して、都道府県から一人以上の選出を憲法で明記するという見解もあります。
しかし、この案には賛同できかねます。以下、理由を申し上げます。
第一の理由は、合区解消、すなわち都道府県単位の選挙区に戻すことは、再び一票の較差を拡大させてしまうことにつながります。そして、これを回避するために参議院の総定数を増やそうという論法だからです。憲法を改正し、都道府県単位の地域代表制を規定してしまうことは、選挙制度の根幹である投票価値の平等をゆがめてしまいます。そして、較差を容認するための便法として憲法改正が行われるならば、民主主義の後退へとつながってしまいます。よって、慎重な議論が必要だと考えています。
第二の理由は、憲法第四十三条の「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」の規定、すなわち国民の代表という視点と合区をどのように整合性を取っていくのかという論点があります。憲法を改正してまで参議院が地域代表制を導入する十分な実態、合理的な理由というものが現状で果たしてあるのかについては十分な議論が必要です。
分かりやすく例を挙げるならば、我が国が自然災害の激甚化傾向にある中で、既に一つの都道府県ではとどまらず、他県との連携によって避難誘導の確保や災害情報の共有など、都道府県を越えた広域連携が求められています。
また、新型コロナ禍を通して、我々国会議員は、地域の問題は日本国全体の問題として捉えなければならないことを痛感いたしました。
さらに、通信や情報網の発達により、瞬時に全国民に知れ渡ることによって、当初は地域的な声であっても全国的に共通する問題へと発展し、国会議員として迅速な対応が迫られる場面も想定されます。
このように、近年の激変する状況から見たときに、地域代表制に固執する理由は希釈されていると考えます。
日本維新の会は、一票の較差を更に縮小させるために、全国を十一ブロックに分け、総定数を削減する改革案を示しております。
以上の理由から、結論として、合区解消の必要はないという見解を述べさせていただきます。
他方で、この憲法審査会では、統治機構改革、教育の無償化、憲法裁判所の設置の三項目を憲法改正の具体案として発表しております。更に一言付け加えますと、現在の国際情勢を鑑みたとき、緊急事態への対処をまずは優先して議論すべきと考えます。
以上、会派としての意見表明とさせていただきます。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →合区について、会派として意見を述べさせていただきます。
選挙制度を考えるに当たって重要なことは、国会議員を選ぶ有権者の一票が同じ価値を持っていること、すなわち一議席当たりの有権者数に大きな隔たりがあってはならず、投票価値の平等が保障されていることが民主主義の前提と考えます。個人が持つ価値観が多様化している今日だからこそ、以前にも増して利害や意見、主張を公正に国政へと反映していくことが重要だと考えています。
参議院の場合、衆議院にある解散というものはありません。また、任期も六年と長期間にわたります。多数派の政党が長きにわたって国政に影響力を及ぼすことを想定すれば、参議院議員を選ぶ過程において一票の持つ価値が不平等にならない民主的仕組みが整っていなければなりません。
合区によって地元の声を反映できない県が存在することは不平等だという見解があります。そして、この合区を解消する方法として、参議院を地方の府と位置付け、都道府県単位の選挙区に戻すために、憲法を改正して、都道府県から一人以上の選出を憲法で明記するという見解もあります。
しかし、この案には賛同できかねます。以下、理由を申し上げます。
第一の理由は、合区解消、すなわち都道府県単位の選挙区に戻すことは、再び一票の較差を拡大させてしまうことにつながります。そして、これを回避するために参議院の総定数を増やそうという論法だからです。憲法を改正し、都道府県単位の地域代表制を規定してしまうことは、選挙制度の根幹である投票価値の平等をゆがめてしまいます。そして、較差を容認するための便法として憲法改正が行われるならば、民主主義の後退へとつながってしまいます。よって、慎重な議論が必要だと考えています。
第二の理由は、憲法第四十三条の「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」の規定、すなわち国民の代表という視点と合区をどのように整合性を取っていくのかという論点があります。憲法を改正してまで参議院が地域代表制を導入する十分な実態、合理的な理由というものが現状で果たしてあるのかについては十分な議論が必要です。
分かりやすく例を挙げるならば、我が国が自然災害の激甚化傾向にある中で、既に一つの都道府県ではとどまらず、他県との連携によって避難誘導の確保や災害情報の共有など、都道府県を越えた広域連携が求められています。
また、新型コロナ禍を通して、我々国会議員は、地域の問題は日本国全体の問題として捉えなければならないことを痛感いたしました。
さらに、通信や情報網の発達により、瞬時に全国民に知れ渡ることによって、当初は地域的な声であっても全国的に共通する問題へと発展し、国会議員として迅速な対応が迫られる場面も想定されます。
このように、近年の激変する状況から見たときに、地域代表制に固執する理由は希釈されていると考えます。
日本維新の会は、一票の較差を更に縮小させるために、全国を十一ブロックに分け、総定数を削減する改革案を示しております。
以上の理由から、結論として、合区解消の必要はないという見解を述べさせていただきます。
他方で、この憲法審査会では、統治機構改革、教育の無償化、憲法裁判所の設置の三項目を憲法改正の具体案として発表しております。更に一言付け加えますと、現在の国際情勢を鑑みたとき、緊急事態への対処をまずは優先して議論すべきと考えます。
以上、会派としての意見表明とさせていただきます。
ありがとうございました。
中
山
山添拓#23
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
参議院選挙の選挙区の合区問題について意見を述べます。
選挙権は参政権の中心を成す基本的人権であり、選挙制度は議会制民主主義の根幹です。参議院議員の選挙制度は、投票価値の平等を求める憲法十四条一項、選挙権を国民固有の権利とする十五条一項、国会議員が全国民の代表であるとする四十三条一項など、憲法の要求を満たすことが求められます。
二〇〇九年の最高裁判決は、投票価値の平等の観点から、参議院選挙区選挙の仕組み自体の見直しを提起しました。ところが、自民党は、二〇一二年に四増四減で先送りし、一五年には二つの合区を含む十増十減で取り繕い、一八年には合区で立候補できない自民党の議員候補者を事実上救済する比例代表特定枠を導入し、党利党略を優先したのです。
我が党は、一部の県だけが対象となる合区制度は不公平であるとして反対し、多様な民意を議会に反映させる比例代表を中心とした選挙制度への抜本的な見直しを提案してきました。較差是正に向けた議論こそ必要です。
一五年改定公選法の附則七条は、「抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得る」としていました。自民党が一八年の改定について、一方で抜本的な見直しの一つであると強弁しながら、憲法改正こそが抜本的な見直しだと述べ、抜本改革に背を向けるばかりか、改憲の口実にしたのは言語道断です。
一九年参議院選挙について、二〇年の最高裁判決は、結論こそ合憲としたものの、都道府県を選挙区制度の要素とすることは、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて認められるとしています。また、国民の意思を適正に反映する選挙制度が民主政治の基盤であり、参議院議員選挙については直ちに投票価値の平等の要請が後退してもよいと解すべき理由は見出し難いとし、国会に更なる較差是正を求めています。
元最高裁判事で、いわゆる定数訴訟にも関わってきた千葉勝美氏は、昨年十二月の参議院改革協議会の参考人質疑で次のように述べています。参議院議員も、いずれの地域の選挙区から選出されたかを問わず、全国を代表して国政に携わることが要請されている、都道府県を単位とする地方代表制は憲法が許容しているとは言い難い、定数配分が人口比例と関係なく行われるため投票価値の較差は増大する、憲法十四条等の許容範囲と言えるかどうかは難しい、では憲法改正で都道府県を単位とする地域代表制の選挙区を憲法自体に規定することはどうか、それ自体は一般的には可能だが、アメリカやドイツの州と同様に、我が国の都道府県が独立性を付与されるだけの歴史的、社会的、政治的実体があるのか、それがなければ改憲自体の合理性に疑義が生じてくる。
同じ改革協で只野雅人参考人は、憲法上、参議院に衆議院にも対等に近い強い権限があるということになると、衆参共にその権限にふさわしい民主的な基盤を備える必要がある、参議院にも権限の正統性が問われ、投票価値の平等が求められる理由も十分にあると述べています。いずれも傾聴すべき意見です。
憲法は、選挙制度を設計する前提として投票価値の平等を要求しています。一方、都道府県を選挙区の単位としなければならない憲法上の要請はありません。現在の仕組み自体を見直すべきです。
なお、二〇一八年の自民党改憲草案は、参議院について、都道府県単位での選挙区を認めると同時に、両議院の選挙区を人口を基本とし、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案して定めるとし、衆参双方で投票価値の平等を選挙制度構築に当たって考慮する一要素に格下げしようとするものであり、看過できません。
較差解消のために人口比例原則を重視すると、地方の声が国政に反映されにくくなるといいます。しかし、自民党政治の実態はどうか。沖縄の本土復帰から五十年、今年新たに決定された建議書は、復帰時、沖縄県と政府が共有した沖縄を平和の島とするという目標は、五十年経過した現在においてもいまだ達成されていないとし、日米地位協定の抜本的見直しや辺野古新基地建設の断念、憲法に基づき民意や地方自治体の判断と責任の原則を尊重することを求めています。地方の声を反映するどころか、無視し踏みにじってきた歴史と現実を直視すべきです。
問われているのは、合区による一時しのぎでも合区解消のための改憲でもなく、ましてや改憲論議を推進するために憲法審査会を動かすことでもありません。民意を反映する選挙制度への抜本改革と、地方を含め民意を受け止め、憲法を守り生かす政治への転換こそ求められているということを強調し、意見とします。
この発言だけを見る →参議院選挙の選挙区の合区問題について意見を述べます。
選挙権は参政権の中心を成す基本的人権であり、選挙制度は議会制民主主義の根幹です。参議院議員の選挙制度は、投票価値の平等を求める憲法十四条一項、選挙権を国民固有の権利とする十五条一項、国会議員が全国民の代表であるとする四十三条一項など、憲法の要求を満たすことが求められます。
二〇〇九年の最高裁判決は、投票価値の平等の観点から、参議院選挙区選挙の仕組み自体の見直しを提起しました。ところが、自民党は、二〇一二年に四増四減で先送りし、一五年には二つの合区を含む十増十減で取り繕い、一八年には合区で立候補できない自民党の議員候補者を事実上救済する比例代表特定枠を導入し、党利党略を優先したのです。
我が党は、一部の県だけが対象となる合区制度は不公平であるとして反対し、多様な民意を議会に反映させる比例代表を中心とした選挙制度への抜本的な見直しを提案してきました。較差是正に向けた議論こそ必要です。
一五年改定公選法の附則七条は、「抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得る」としていました。自民党が一八年の改定について、一方で抜本的な見直しの一つであると強弁しながら、憲法改正こそが抜本的な見直しだと述べ、抜本改革に背を向けるばかりか、改憲の口実にしたのは言語道断です。
一九年参議院選挙について、二〇年の最高裁判決は、結論こそ合憲としたものの、都道府県を選挙区制度の要素とすることは、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて認められるとしています。また、国民の意思を適正に反映する選挙制度が民主政治の基盤であり、参議院議員選挙については直ちに投票価値の平等の要請が後退してもよいと解すべき理由は見出し難いとし、国会に更なる較差是正を求めています。
元最高裁判事で、いわゆる定数訴訟にも関わってきた千葉勝美氏は、昨年十二月の参議院改革協議会の参考人質疑で次のように述べています。参議院議員も、いずれの地域の選挙区から選出されたかを問わず、全国を代表して国政に携わることが要請されている、都道府県を単位とする地方代表制は憲法が許容しているとは言い難い、定数配分が人口比例と関係なく行われるため投票価値の較差は増大する、憲法十四条等の許容範囲と言えるかどうかは難しい、では憲法改正で都道府県を単位とする地域代表制の選挙区を憲法自体に規定することはどうか、それ自体は一般的には可能だが、アメリカやドイツの州と同様に、我が国の都道府県が独立性を付与されるだけの歴史的、社会的、政治的実体があるのか、それがなければ改憲自体の合理性に疑義が生じてくる。
同じ改革協で只野雅人参考人は、憲法上、参議院に衆議院にも対等に近い強い権限があるということになると、衆参共にその権限にふさわしい民主的な基盤を備える必要がある、参議院にも権限の正統性が問われ、投票価値の平等が求められる理由も十分にあると述べています。いずれも傾聴すべき意見です。
憲法は、選挙制度を設計する前提として投票価値の平等を要求しています。一方、都道府県を選挙区の単位としなければならない憲法上の要請はありません。現在の仕組み自体を見直すべきです。
なお、二〇一八年の自民党改憲草案は、参議院について、都道府県単位での選挙区を認めると同時に、両議院の選挙区を人口を基本とし、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案して定めるとし、衆参双方で投票価値の平等を選挙制度構築に当たって考慮する一要素に格下げしようとするものであり、看過できません。
較差解消のために人口比例原則を重視すると、地方の声が国政に反映されにくくなるといいます。しかし、自民党政治の実態はどうか。沖縄の本土復帰から五十年、今年新たに決定された建議書は、復帰時、沖縄県と政府が共有した沖縄を平和の島とするという目標は、五十年経過した現在においてもいまだ達成されていないとし、日米地位協定の抜本的見直しや辺野古新基地建設の断念、憲法に基づき民意や地方自治体の判断と責任の原則を尊重することを求めています。地方の声を反映するどころか、無視し踏みにじってきた歴史と現実を直視すべきです。
問われているのは、合区による一時しのぎでも合区解消のための改憲でもなく、ましてや改憲論議を推進するために憲法審査会を動かすことでもありません。民意を反映する選挙制度への抜本改革と、地方を含め民意を受け止め、憲法を守り生かす政治への転換こそ求められているということを強調し、意見とします。
中
渡
渡辺喜美#25
○渡辺喜美君 みんなの党、渡辺喜美です。
昔、小泉内閣から第一次安倍内閣にかけて、自民党の中に上げ潮派と言われる改革派グループがあったんですね。中川秀直先生とか杉浦正健先生などが中心になっていました。そのテーマの一つが道州制だったんです。第一次安倍内閣では、道州制担当大臣というのがつくられ、実は私はピンチヒッターで第二代目の道州制担当大臣を仰せ付かったことがありました。
その頃、道州制懇談会というのを大臣の下につくって、よく言われていたのは、廃藩置県で人工的に県をつくったわけですが、大体一日掛けて歩いて行ける距離を県境にしたんだよねというようなことを座長の江口克彦さんがよく言っておられました。
当然、道州制というのは中央集権から地域主権、地方分権体制を目指すというわけでありまして、これをやられると困る人たちが続出するわけですね。特に、霞が関の人たちは、国会議員が地域代表で週末地元に帰ってへろへろになって月曜日に戻ってくると、余り政策のお勉強してほしくない方が、実は有り難いわけですね。果たしてそういう選挙制度でいいんだろうかという議論も当時ありました。
最高裁の判例は、合区をつくってその後合憲判決が出たのは、緩めたわけじゃないんですね、国会の努力を評価をしたというだけの話であります。
全国民の代表、四十三条一項にありますのは、もうまさに五十八年判決が言っているとおりですよ。誰の代理人でもないんですね。地元の代理人でもない、業界の代理人でもない。命令されない存在なんだと。命令委任の禁止ということこそ全国民の代表の真骨頂。で、この全国民の代表を担保するのが、選挙されたという文言ですよ、選挙された議員。選挙されたというのは、もうまさに一人一票、これが全国民の代表の正統性の根拠になっているわけであります。
一人一票というのは、住んでいるところで差別されないというわけであって、区割りははっきり言って何でもいいんですよ、都道府県であろうが、小であろうが中であろうが大であろうがね。区割りごとに当選者を決めるからおかしくなるわけなのであって、全国集計をしたらいいんです。全国集計をして、何党は何人と決めて、あとはその政党の中で、過疎地域を優先したいというんだったらあらかじめそういうルールをつくっておいてやればいいだけの話。拘束名簿と非拘束名簿、どっちでも、あるいはミックスでも構いませんよ、特定枠でも構いませんよ。マイノリティーを優先したいというのであれば、政党の中でそういうルールをあらかじめ届けておけばいいわけであります。
いずれにしても、そういう改革から反するようなことを何で今この選挙前にやるのかというのは非常に解せないところであります。
以上です。
この発言だけを見る →昔、小泉内閣から第一次安倍内閣にかけて、自民党の中に上げ潮派と言われる改革派グループがあったんですね。中川秀直先生とか杉浦正健先生などが中心になっていました。そのテーマの一つが道州制だったんです。第一次安倍内閣では、道州制担当大臣というのがつくられ、実は私はピンチヒッターで第二代目の道州制担当大臣を仰せ付かったことがありました。
その頃、道州制懇談会というのを大臣の下につくって、よく言われていたのは、廃藩置県で人工的に県をつくったわけですが、大体一日掛けて歩いて行ける距離を県境にしたんだよねというようなことを座長の江口克彦さんがよく言っておられました。
当然、道州制というのは中央集権から地域主権、地方分権体制を目指すというわけでありまして、これをやられると困る人たちが続出するわけですね。特に、霞が関の人たちは、国会議員が地域代表で週末地元に帰ってへろへろになって月曜日に戻ってくると、余り政策のお勉強してほしくない方が、実は有り難いわけですね。果たしてそういう選挙制度でいいんだろうかという議論も当時ありました。
最高裁の判例は、合区をつくってその後合憲判決が出たのは、緩めたわけじゃないんですね、国会の努力を評価をしたというだけの話であります。
全国民の代表、四十三条一項にありますのは、もうまさに五十八年判決が言っているとおりですよ。誰の代理人でもないんですね。地元の代理人でもない、業界の代理人でもない。命令されない存在なんだと。命令委任の禁止ということこそ全国民の代表の真骨頂。で、この全国民の代表を担保するのが、選挙されたという文言ですよ、選挙された議員。選挙されたというのは、もうまさに一人一票、これが全国民の代表の正統性の根拠になっているわけであります。
一人一票というのは、住んでいるところで差別されないというわけであって、区割りははっきり言って何でもいいんですよ、都道府県であろうが、小であろうが中であろうが大であろうがね。区割りごとに当選者を決めるからおかしくなるわけなのであって、全国集計をしたらいいんです。全国集計をして、何党は何人と決めて、あとはその政党の中で、過疎地域を優先したいというんだったらあらかじめそういうルールをつくっておいてやればいいだけの話。拘束名簿と非拘束名簿、どっちでも、あるいはミックスでも構いませんよ、特定枠でも構いませんよ。マイノリティーを優先したいというのであれば、政党の中でそういうルールをあらかじめ届けておけばいいわけであります。
いずれにしても、そういう改革から反するようなことを何で今この選挙前にやるのかというのは非常に解せないところであります。
以上です。
中
中川雅治#26
○会長(中川雅治君) 以上で各会派の意見表明は終了いたしました。
次に、委員間の意見交換を行います。
一回の発言時間は各五分以内でお述べいただき、憲法審査会事務局又は法制局に答弁を求める場合は、答弁を含め五分以内といたします。
なお、発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。
舞立昇治君。
この発言だけを見る →次に、委員間の意見交換を行います。
一回の発言時間は各五分以内でお述べいただき、憲法審査会事務局又は法制局に答弁を求める場合は、答弁を含め五分以内といたします。
なお、発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。
舞立昇治君。
舞
舞立昇治#27
○舞立昇治君 自由民主党の舞立昇治です。
合区につきましては、国に最も近い広域の地方公共団体として憲法より長い歴史で定着した平等な都道府県制度の下、県単位で育んできた民主的な政治や地域の一体性を無視され、特定の県のみ一人の代表すら出せないことに対して、私の地元鳥取や島根では、地方切捨てや参政権の侵害、逆に法の下の平等に反するといった不平等感が高まっております。
合区解消については、衆参の役割の違いをより鮮明化するとか、較差縮小に焦点を当てた技術的な是正策など、法改正でも確かに可能であり、国民投票にさえかけられないまま合区の実害を放置し続けるよりも、仮に期限を切って各党で真剣に議論して一定の結論を出し、法改正によって最高裁に立法府の意思を示すことができるのであれば、合区当事者の私としては賛成したいと思っています。
しかしながら、法改正も憲法との関係でああだこうだと見解が分かれるなどして、憲法改正と同じぐらい時間が掛かると思いますし、投票価値の平等を追求する弁護士グループの違憲訴訟、国民審査バツ運動は永久にやまないと思います。
さらに、今の最高裁では、投票価値の平等を唯一絶対の基準とするものではないと言っておきながら、衆参共に投票価値の平等をより厳しく評価するようになったこと、そして都道府県単位を選挙区とする憲法上の要請はないと指摘する以上、憲法の投票価値の平等と同じ土俵で議論しなければ、つまり憲法改正で人口比例主義に明確な歯止めを掛けなければ根本的な解決にならないと思います。
いずれにしても、人口減少社会や大規模災害、感染症等への対応とも密接に関連する問題であり、四十八年連続出生率最下位を独走する東京への一極集中を是正し、地方分散型社会へ転換するためにも、憲法改正をメーンとしつつ、法改正も辞さない覚悟で、一日も早く合区解消に向けた具体的な議論、調整に入るべきと考えます。
自民党は憲法改正推進本部、今は実現本部ですが、それを設置し、具体的に四つを優先項目に掲げています。その一つ、合区解消について検討状況を整理したものがお手元の配付資料です。私はよりエッジの利いた案を主張しましたが、簡潔明瞭を旨とし、できる限り多くの国民や政党に理解が得られるよう配慮されたイメージ案となっています。
私としては、この審査会で早くこの具体案の作成に向けた議論ができることを願いつつ、今日はこのイメージ案について法制局に質問します。
まず、人口を基本とし、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案しての文言を明記することにより、投票価値の平等の要請に対し、衆参共に一定の明確な譲歩、緩和効果をもたらすものと考えてよいかどうか、御見解を伺うとともに、日本の衆議院に当たる海外の下院、例えばイギリス、カナダでは約五倍の一票の較差がありますが、なぜそのような大きな較差が許容されているのか、説明をお願いしたいと思います。
残りは次に回したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →合区につきましては、国に最も近い広域の地方公共団体として憲法より長い歴史で定着した平等な都道府県制度の下、県単位で育んできた民主的な政治や地域の一体性を無視され、特定の県のみ一人の代表すら出せないことに対して、私の地元鳥取や島根では、地方切捨てや参政権の侵害、逆に法の下の平等に反するといった不平等感が高まっております。
合区解消については、衆参の役割の違いをより鮮明化するとか、較差縮小に焦点を当てた技術的な是正策など、法改正でも確かに可能であり、国民投票にさえかけられないまま合区の実害を放置し続けるよりも、仮に期限を切って各党で真剣に議論して一定の結論を出し、法改正によって最高裁に立法府の意思を示すことができるのであれば、合区当事者の私としては賛成したいと思っています。
しかしながら、法改正も憲法との関係でああだこうだと見解が分かれるなどして、憲法改正と同じぐらい時間が掛かると思いますし、投票価値の平等を追求する弁護士グループの違憲訴訟、国民審査バツ運動は永久にやまないと思います。
さらに、今の最高裁では、投票価値の平等を唯一絶対の基準とするものではないと言っておきながら、衆参共に投票価値の平等をより厳しく評価するようになったこと、そして都道府県単位を選挙区とする憲法上の要請はないと指摘する以上、憲法の投票価値の平等と同じ土俵で議論しなければ、つまり憲法改正で人口比例主義に明確な歯止めを掛けなければ根本的な解決にならないと思います。
いずれにしても、人口減少社会や大規模災害、感染症等への対応とも密接に関連する問題であり、四十八年連続出生率最下位を独走する東京への一極集中を是正し、地方分散型社会へ転換するためにも、憲法改正をメーンとしつつ、法改正も辞さない覚悟で、一日も早く合区解消に向けた具体的な議論、調整に入るべきと考えます。
自民党は憲法改正推進本部、今は実現本部ですが、それを設置し、具体的に四つを優先項目に掲げています。その一つ、合区解消について検討状況を整理したものがお手元の配付資料です。私はよりエッジの利いた案を主張しましたが、簡潔明瞭を旨とし、できる限り多くの国民や政党に理解が得られるよう配慮されたイメージ案となっています。
私としては、この審査会で早くこの具体案の作成に向けた議論ができることを願いつつ、今日はこのイメージ案について法制局に質問します。
まず、人口を基本とし、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案しての文言を明記することにより、投票価値の平等の要請に対し、衆参共に一定の明確な譲歩、緩和効果をもたらすものと考えてよいかどうか、御見解を伺うとともに、日本の衆議院に当たる海外の下院、例えばイギリス、カナダでは約五倍の一票の較差がありますが、なぜそのような大きな較差が許容されているのか、説明をお願いしたいと思います。
残りは次に回したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
川
川崎政司#28
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
条文イメージの前段、四十七条前段を拝見しますと、人口を基本とするとしつつ、行政区画、地域的な一体性等の要素を総合的に勘案するとしており、投票価値の平等と行政区画、地域的一体性等の地域的要素との適切な調和を図っていくことも憲法上求められることになることを意図しているものと理解することができるのではないかと思われます。
解釈の問題になりますが、そのような趣旨と捉えるのであれば、投票価値の平等の要請の緩和の程度は分かりませんが、そのような調和の観点から、国会が定めた選挙制度、定数配分、区割り等の合理性が認められやすくなると見ることもできるように思われます。
続きまして、イギリスとカナダの関係について簡単に御説明させていただきます。
イギリスは、不文憲法、議会主権を基本とする国であり、選挙区割りについて憲法違反といった問題は生じないとも考えられます。
また、下院の選挙区割りについては、一九八六年議会選挙区法は行政区画を重視し、最大較差は五倍近くに上っていました。これに対して、二〇一一年の議会選挙制度・選挙区法が制定され、最大較差を原則として約一・一一倍以下となるよう区割りを行うこととされましたが、これに基づく選挙区割りは行われず、その後、二〇二〇年議会選挙区法が制定され、選挙区割り改定に関する規定の改正が行われております。
他方、カナダでは、憲法として位置付けられた法律で下院の定数、議席配分について規定しておりますが、各州に人口に比例した定数を配分することを基本としつつも、人口の少ない州でも一定程度の議員数を確保できるようにする特別措置も講じられております。その結果、五倍近い選挙区間の較差が生じておりますが、憲法に基づくものであるため、憲法違反の問題は生じないものと考えられます。
以上でございます。
この発言だけを見る →条文イメージの前段、四十七条前段を拝見しますと、人口を基本とするとしつつ、行政区画、地域的な一体性等の要素を総合的に勘案するとしており、投票価値の平等と行政区画、地域的一体性等の地域的要素との適切な調和を図っていくことも憲法上求められることになることを意図しているものと理解することができるのではないかと思われます。
解釈の問題になりますが、そのような趣旨と捉えるのであれば、投票価値の平等の要請の緩和の程度は分かりませんが、そのような調和の観点から、国会が定めた選挙制度、定数配分、区割り等の合理性が認められやすくなると見ることもできるように思われます。
続きまして、イギリスとカナダの関係について簡単に御説明させていただきます。
イギリスは、不文憲法、議会主権を基本とする国であり、選挙区割りについて憲法違反といった問題は生じないとも考えられます。
また、下院の選挙区割りについては、一九八六年議会選挙区法は行政区画を重視し、最大較差は五倍近くに上っていました。これに対して、二〇一一年の議会選挙制度・選挙区法が制定され、最大較差を原則として約一・一一倍以下となるよう区割りを行うこととされましたが、これに基づく選挙区割りは行われず、その後、二〇二〇年議会選挙区法が制定され、選挙区割り改定に関する規定の改正が行われております。
他方、カナダでは、憲法として位置付けられた法律で下院の定数、議席配分について規定しておりますが、各州に人口に比例した定数を配分することを基本としつつも、人口の少ない州でも一定程度の議員数を確保できるようにする特別措置も講じられております。その結果、五倍近い選挙区間の較差が生じておりますが、憲法に基づくものであるため、憲法違反の問題は生じないものと考えられます。
以上でございます。
中