財務金融委員会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
令和五年四月二十一日(金曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 塚田 一郎君
理事 井林 辰憲君 理事 越智 隆雄君
理事 中西 健治君 理事 宗清 皇一君
理事 櫻井 周君 理事 末松 義規君
理事 住吉 寛紀君 理事 稲津 久君
青山 周平君 五十嵐 清君
石井 拓君 石原 正敬君
小田原 潔君 大塚 拓君
大野敬太郎君 勝目 康君
金子 俊平君 神田 憲次君
神田 潤一君 小泉 龍司君
高村 正大君 塩崎 彰久君
津島 淳君 土田 慎君
葉梨 康弘君 藤原 崇君
八木 哲也君 若林 健太君
階 猛君 野田 佳彦君
福田 昭夫君 藤岡 隆雄君
道下 大樹君 藤巻 健太君
岬 麻紀君 伊藤 渉君
山崎 正恭君 前原 誠司君
田村 貴昭君 吉田 豊史君
…………………………………
財務大臣政務官 金子 俊平君
参考人
(慶應義塾大学経済学部教授) 土居 丈朗君
参考人
(SMBC日興証券株式会社金融経済調査部金融財政アナリスト) 末澤 豪謙君
参考人
(元内閣官房副長官補(安全保障・危機管理)) 柳澤 協二君
参考人
(淑徳大学大学院客員教授)
(慶應義塾大学名誉教授) 金子 勝君
財務金融委員会専門員 二階堂 豊君
―――――――――――――
委員の異動
四月十九日
辞任 補欠選任
青山 周平君 中村 裕之君
石井 拓君 土田 慎君
石原 正敬君 保岡 宏武君
津島 淳君 山口 晋君
岬 麻紀君 早坂 敦君
同日
辞任 補欠選任
土田 慎君 石井 拓君
中村 裕之君 青山 周平君
保岡 宏武君 石原 正敬君
山口 晋君 津島 淳君
早坂 敦君 岬 麻紀君
同月二十一日
辞任 補欠選任
神田 潤一君 五十嵐 清君
塩崎 彰久君 勝目 康君
同日
辞任 補欠選任
五十嵐 清君 神田 潤一君
勝目 康君 土田 慎君
同日
辞任 補欠選任
土田 慎君 塩崎 彰久君
―――――――――――――
四月二十日
消費税インボイス制度の実施中止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第八二三号)
同(笠井亮君紹介)(第八二四号)
同(穀田恵二君紹介)(第八二五号)
同(志位和夫君紹介)(第八二六号)
同(塩川鉄也君紹介)(第八二七号)
同(田村貴昭君紹介)(第八二八号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第八二九号)
同(宮本岳志君紹介)(第八三〇号)
同(宮本徹君紹介)(第八三一号)
同(本村伸子君紹介)(第八三二号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案(内閣提出第一号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 塚田 一郎君
理事 井林 辰憲君 理事 越智 隆雄君
理事 中西 健治君 理事 宗清 皇一君
理事 櫻井 周君 理事 末松 義規君
理事 住吉 寛紀君 理事 稲津 久君
青山 周平君 五十嵐 清君
石井 拓君 石原 正敬君
小田原 潔君 大塚 拓君
大野敬太郎君 勝目 康君
金子 俊平君 神田 憲次君
神田 潤一君 小泉 龍司君
高村 正大君 塩崎 彰久君
津島 淳君 土田 慎君
葉梨 康弘君 藤原 崇君
八木 哲也君 若林 健太君
階 猛君 野田 佳彦君
福田 昭夫君 藤岡 隆雄君
道下 大樹君 藤巻 健太君
岬 麻紀君 伊藤 渉君
山崎 正恭君 前原 誠司君
田村 貴昭君 吉田 豊史君
…………………………………
財務大臣政務官 金子 俊平君
参考人
(慶應義塾大学経済学部教授) 土居 丈朗君
参考人
(SMBC日興証券株式会社金融経済調査部金融財政アナリスト) 末澤 豪謙君
参考人
(元内閣官房副長官補(安全保障・危機管理)) 柳澤 協二君
参考人
(淑徳大学大学院客員教授)
(慶應義塾大学名誉教授) 金子 勝君
財務金融委員会専門員 二階堂 豊君
―――――――――――――
委員の異動
四月十九日
辞任 補欠選任
青山 周平君 中村 裕之君
石井 拓君 土田 慎君
石原 正敬君 保岡 宏武君
津島 淳君 山口 晋君
岬 麻紀君 早坂 敦君
同日
辞任 補欠選任
土田 慎君 石井 拓君
中村 裕之君 青山 周平君
保岡 宏武君 石原 正敬君
山口 晋君 津島 淳君
早坂 敦君 岬 麻紀君
同月二十一日
辞任 補欠選任
神田 潤一君 五十嵐 清君
塩崎 彰久君 勝目 康君
同日
辞任 補欠選任
五十嵐 清君 神田 潤一君
勝目 康君 土田 慎君
同日
辞任 補欠選任
土田 慎君 塩崎 彰久君
―――――――――――――
四月二十日
消費税インボイス制度の実施中止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第八二三号)
同(笠井亮君紹介)(第八二四号)
同(穀田恵二君紹介)(第八二五号)
同(志位和夫君紹介)(第八二六号)
同(塩川鉄也君紹介)(第八二七号)
同(田村貴昭君紹介)(第八二八号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第八二九号)
同(宮本岳志君紹介)(第八三〇号)
同(宮本徹君紹介)(第八三一号)
同(本村伸子君紹介)(第八三二号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案(内閣提出第一号)
――――◇―――――
塚
塚田一郎#1
○塚田委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、慶應義塾大学経済学部教授土居丈朗君、SMBC日興証券株式会社金融経済調査部金融財政アナリスト末澤豪謙君、元内閣官房副長官補(安全保障・危機管理)柳澤協二君、淑徳大学大学院客員教授、慶應義塾大学名誉教授金子勝君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からそれぞれ十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人は委員に対し質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。
それでは、まず土居参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、慶應義塾大学経済学部教授土居丈朗君、SMBC日興証券株式会社金融経済調査部金融財政アナリスト末澤豪謙君、元内閣官房副長官補(安全保障・危機管理)柳澤協二君、淑徳大学大学院客員教授、慶應義塾大学名誉教授金子勝君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からそれぞれ十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人は委員に対し質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。
それでは、まず土居参考人にお願いいたします。
土
土居丈朗#2
○土居参考人 皆さん、おはようございます。
ただいま御紹介いただきました慶應義塾大学の土居でございます。
お手元に、財源確保法案に関する私見と題しました横長の資料を用意させていただいておりますので、それに沿いましてお話をさせていただきたいと存じます。
本法案に対しての私の評価ということで、二ページ目に記しておりますけれども、防衛力強化のための経費の増額に必要な財源を先送りすることなく事前に確保して明示しているという点で、この法案を私は高く評価しております。
本法案におきまして、決算剰余金を用いるということになっておりますけれども、この決算剰余金は、その二分の一を下回らない金額を公債、借入金の償還財源に充当するということが従前決められておりまして、それを踏まえた上で防衛力強化のための財源に活用するということとしているというのが本法案であるというふうに承知しております。その点で、この措置は適当であるというふうに思います。
さらには、外国為替資金特別会計からの繰入金についても措置が法案によってなされておりますけれども、現時点において確実に発生すると見込まれる金額が計上されていて、それに限っているという点でも、この法案のたてつけというのは適当であるというふうに考えております。
三ページ目に移りまして、本法案に基づいて確保される税外収入については、今年度だけでなく、年度を越えて、令和六年度以降にも防衛力整備のための支出に充てていくということが見込まれているということであります。したがいまして、何らかの形で年度を越えて合法的に資金を回していくということが必要になってくると思われます。
通常ならば、特別会計を設置するということも考えられなくはないとは思います。ただ、防衛省は、そもそも、東日本大震災復興特別会計を除きまして、防衛省が所管している特別会計というのは現存しておりません。
また、特別会計に対する見方というのは、世の中では必ずしも芳しくない面もあって、欠点ということで申しますと、そこで囲われた特別会計の資金が既得権益の温存につながりやすいというような批判も世の中にはあります。そういう意味では、軽々しく特別会計を設けるというのは、私は、その点については慎重になるべきだというふうに考えております。
その点では、今回のこの法案におきまして、防衛力強化資金というものを一般会計に設置するということになっていて、それを当分の間設置するということになっておりますから、必要に応じて、年度を越えて資金を回していくために、一般会計において防衛力強化資金というものを設けて、そこで経理していくということは、私は適当であろうというふうに考えております。特別会計を設けるよりも、一般会計で防衛力強化資金という形で資金を管理するということの方が望ましいというふうに思っております。
あと残された課題ということで申しますと、この法案の域を超えている面もございますが、防衛力強化のための財源というのは歳出改革によっても捻出するということが今後見込まれているというように承知しておりますので、そういう意味では、今後、財源確保のための歳出改革というものにも一層注力していただきたいというふうに望んでおります。
四ページに移りまして、この法案を取り巻く環境ということで申しますと、そもそも、御承知のように、防衛三文書が昨年十二月に閣議決定され、その中の防衛力整備計画において四十三兆円の防衛力強化のための歳出規模が示された、経費の規模が示されたというように承知しております。
もちろん、防衛力整備計画自体の妥当性というのは、私は軍事面での専門家ではありませんが、少なくとも、これまでの国会での審議それから報道等で私なりに見聞きをしておる範囲におきましては、一方的な現状変更が困難であるというように諸外国から認識されるような程度の抑止力を備えるというための防衛力整備であるというやに聞いております。そういう意味では、私としてもこれを支持したいというふうに思います。
もちろん、外交があって、その後での防衛力である、国民の生命と財産を守るための防衛力であるというふうに思います。そういう意味では、もちろん、防衛力も大事なんですけれども、経済、財政、金融の脆弱性をできるだけ払拭するということも我が国にとっては大事ではないかというふうに思います。
軍事的な緊張が高まった場合に想定される現象ということで、私も委員をさせていただいております、財務大臣の諮問機関の財政制度等審議会におきまして、昨年十一月に取りまとめ、財務大臣に手交した建議には、この四ページにありますような資料が掲げられております。
軍事的な緊張が高まった際に想定される現象の例として、外貨が不足するかもしれないとか、日系企業、金融機関の収益が低下するとか資金繰りが困難になるというような面があるかもしれないとか、供給制約による物価上昇、それから国内金融資産からの逃避というものが起こるかもしれないという、もちろん、杞憂であってほしいし、こういうことにならないように未然に防いでいただきたいというふうには思うわけでありますけれども、そうなったときにも、きちんと、金融、経済、そして財政面でもしっかりと我が国を支えられるように、平時から備えていく必要があるというふうに考えております。
その点に鑑みますと、五ページになりますけれども、我が国の公債依存度、これが、二〇二〇年のコロナ禍最初の年には、決算ベースで七三・五%、つまり、約四分の三が歳出の財源として国債発行に依存せざるを得なかったというような状況から、徐々に公債依存度が低下して、令和五年度予算、当初予算の段階では、公債依存度は三一・一%と、コロナ前の水準に戻ってきているという意味では、平時からの備えとして、できるだけ公債に依存することなく財源を確保して、財政余力をきちんと確保していくということが不可欠なのではないかというふうに考えております。
私からは以上でございます。御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →ただいま御紹介いただきました慶應義塾大学の土居でございます。
お手元に、財源確保法案に関する私見と題しました横長の資料を用意させていただいておりますので、それに沿いましてお話をさせていただきたいと存じます。
本法案に対しての私の評価ということで、二ページ目に記しておりますけれども、防衛力強化のための経費の増額に必要な財源を先送りすることなく事前に確保して明示しているという点で、この法案を私は高く評価しております。
本法案におきまして、決算剰余金を用いるということになっておりますけれども、この決算剰余金は、その二分の一を下回らない金額を公債、借入金の償還財源に充当するということが従前決められておりまして、それを踏まえた上で防衛力強化のための財源に活用するということとしているというのが本法案であるというふうに承知しております。その点で、この措置は適当であるというふうに思います。
さらには、外国為替資金特別会計からの繰入金についても措置が法案によってなされておりますけれども、現時点において確実に発生すると見込まれる金額が計上されていて、それに限っているという点でも、この法案のたてつけというのは適当であるというふうに考えております。
三ページ目に移りまして、本法案に基づいて確保される税外収入については、今年度だけでなく、年度を越えて、令和六年度以降にも防衛力整備のための支出に充てていくということが見込まれているということであります。したがいまして、何らかの形で年度を越えて合法的に資金を回していくということが必要になってくると思われます。
通常ならば、特別会計を設置するということも考えられなくはないとは思います。ただ、防衛省は、そもそも、東日本大震災復興特別会計を除きまして、防衛省が所管している特別会計というのは現存しておりません。
また、特別会計に対する見方というのは、世の中では必ずしも芳しくない面もあって、欠点ということで申しますと、そこで囲われた特別会計の資金が既得権益の温存につながりやすいというような批判も世の中にはあります。そういう意味では、軽々しく特別会計を設けるというのは、私は、その点については慎重になるべきだというふうに考えております。
その点では、今回のこの法案におきまして、防衛力強化資金というものを一般会計に設置するということになっていて、それを当分の間設置するということになっておりますから、必要に応じて、年度を越えて資金を回していくために、一般会計において防衛力強化資金というものを設けて、そこで経理していくということは、私は適当であろうというふうに考えております。特別会計を設けるよりも、一般会計で防衛力強化資金という形で資金を管理するということの方が望ましいというふうに思っております。
あと残された課題ということで申しますと、この法案の域を超えている面もございますが、防衛力強化のための財源というのは歳出改革によっても捻出するということが今後見込まれているというように承知しておりますので、そういう意味では、今後、財源確保のための歳出改革というものにも一層注力していただきたいというふうに望んでおります。
四ページに移りまして、この法案を取り巻く環境ということで申しますと、そもそも、御承知のように、防衛三文書が昨年十二月に閣議決定され、その中の防衛力整備計画において四十三兆円の防衛力強化のための歳出規模が示された、経費の規模が示されたというように承知しております。
もちろん、防衛力整備計画自体の妥当性というのは、私は軍事面での専門家ではありませんが、少なくとも、これまでの国会での審議それから報道等で私なりに見聞きをしておる範囲におきましては、一方的な現状変更が困難であるというように諸外国から認識されるような程度の抑止力を備えるというための防衛力整備であるというやに聞いております。そういう意味では、私としてもこれを支持したいというふうに思います。
もちろん、外交があって、その後での防衛力である、国民の生命と財産を守るための防衛力であるというふうに思います。そういう意味では、もちろん、防衛力も大事なんですけれども、経済、財政、金融の脆弱性をできるだけ払拭するということも我が国にとっては大事ではないかというふうに思います。
軍事的な緊張が高まった場合に想定される現象ということで、私も委員をさせていただいております、財務大臣の諮問機関の財政制度等審議会におきまして、昨年十一月に取りまとめ、財務大臣に手交した建議には、この四ページにありますような資料が掲げられております。
軍事的な緊張が高まった際に想定される現象の例として、外貨が不足するかもしれないとか、日系企業、金融機関の収益が低下するとか資金繰りが困難になるというような面があるかもしれないとか、供給制約による物価上昇、それから国内金融資産からの逃避というものが起こるかもしれないという、もちろん、杞憂であってほしいし、こういうことにならないように未然に防いでいただきたいというふうには思うわけでありますけれども、そうなったときにも、きちんと、金融、経済、そして財政面でもしっかりと我が国を支えられるように、平時から備えていく必要があるというふうに考えております。
その点に鑑みますと、五ページになりますけれども、我が国の公債依存度、これが、二〇二〇年のコロナ禍最初の年には、決算ベースで七三・五%、つまり、約四分の三が歳出の財源として国債発行に依存せざるを得なかったというような状況から、徐々に公債依存度が低下して、令和五年度予算、当初予算の段階では、公債依存度は三一・一%と、コロナ前の水準に戻ってきているという意味では、平時からの備えとして、できるだけ公債に依存することなく財源を確保して、財政余力をきちんと確保していくということが不可欠なのではないかというふうに考えております。
私からは以上でございます。御清聴ありがとうございました。拍手
塚
末
末澤豪謙#4
○末澤参考人 どうも、SMBC日興証券、末澤でございます。よろしくお願いします。
私の方からは、資料、「二〇二三年の経済・金融市場の動向」というものを御用意しました。ただ、何分時間が極めて限られております関係で、今回はパーマクライシス、危機の長期化、こちらを中心に御説明させていただきたいと思います。
パーマクライシス、これは、パーマネント、永続化、長期化という言葉と、クライシス、危機の造語でございまして、イギリスのコリンズ英語辞典、こちらの二〇二二年のワード、単語として選出されております。コリンズは、長期にわたり不安定で安心できない状態と定義しておりまして、私は、このパーマクライシスが今後長期化し、世界の経済金融市場にも大きな影響を与えるのではないかと懸念しております。
続きまして、一ページを開けていただきまして、本日は、世界経済と金融市場の動向、あと、パンデミック、ウクライナ情勢、ねじれ議会、インフレ高進、世界経済の回復シナリオ等を御説明させていただきます。
二ページ目でございますが、これは、端的に申し上げますと、二〇二〇年、パンデミックが起きて世界経済は一旦後退局面に入りましたが、その後、空前絶後、未曽有の金融緩和、財政出動によって世界経済は着実に回復していました。ただし、その間にウクライナ戦争も起き、また、供給制約もあって、足下では、物価上昇、インフレですね、あと、それに対応した世界の中銀の金融引締め、これが大きな問題となっております。
三ページ目に行っていただきたいんですが、三ページ目右側。
今、実はマーケットが注目しておりますのは、五月の二日、三日、アメリカのFRBが利上げをするかどうか。私は、〇・二五利上げして、政策金利を五パー、五・二五という水準に持っていくと思っておりますが、ちょうど一年前、去年の三月に利上げを開始しております。そのときは〇―〇・二五から上げているんですね。つまり、一年ちょっとで五%の利上げになります。この利上げペースは、一九八一年、第二次オイルショック以来の水準になります。
四ページ目でございます。
この背景となったのが、やはりインフレですね。これはIMFの世界経済見通しでございます。四月十一日に出たものでございます。ちょっと細かくは説明できませんが、左側のIMFのコメントのところだけ御覧いただきたいと思います。青字ですね。インフレ率は当初予想より高止まっている、地経学的な、これはジオエコノミクスでございますが、地経学的な分断化の本格的な脅威がますます高まり、分断化されたブロック間でのイノベーションとテクノロジー採用のペースが遅くなっている、こういうふうに評価されております。
五ページ目でございます。
五ページ、六ページは米国経済の動向ですが、一言で申し上げると、まだ米国経済は堅調です。個人消費のウェートが七割。その個人消費の原動力となっている資産効果、これは右上でございますが、過去最高水準にあり、雇用もこの一月は三・四%と、これは一九六九年以来の低水準になっておりますから、現時点ではまだ好調です。
ただし、やはりインフレに対応した金融引締めの影響は出てきておりまして、六ページ、やはり住宅市場はやや失速しかけている、こういう状況でございます。
七ページ目。
三月にアメリカの地銀二行が破綻しまして、これはどうなのかということなんですが、時間がないのですが、これについて申し上げると、金融システミックリスクにつながる可能性は低いと思っております。ただし、中長期的に世界経済後退局面になれば、これは、不良債権の増加という形で、影響は不可避だと思います。
八ページ目でございます。
我が国も今、経済再開でこれから成長率の上昇が期待できますが、ただ、今年の一月には全国コアCPIが前年比プラス四・二%、これは、一九八一年九月以来、四十一年ぶりの高水準、やはり第二次オイルショック以来の水準になっています。
九ページでございまして、我が国の今の経済の動向なんですが、やはりバブル期との大きな違いは、グローバル化、特に新興国の台頭と、あと少子高齢化の進展。特にインフレの関係で申し上げますと、九ページの右下なんですが、雇用の不足感が相当高まってきております。多分、このままいくとバブル期を超える人手不足になるだろうと。
十ページ、十一ページは、これは為替と株価の動向でございますので省略させていただきます。
十二ページまで行っていただいて、十二ページで申し上げたいのは、昨年の十月でございますが、実質実効為替相場、このグラフですと左下になります。これはインフレ調整した世界の通貨に対する円の立ち位置を示したものですが、これは、一九七〇年八月以来、つまり一ドル三百六十円以来の円安になったということでございます。
十三ページ、これは我が国の金利と株価の動向でございまして、省略します。
十五ページ、パンデミックのところなんですが、ここでは二点申し上げたいと思います。
一つは、十五ページなんですが、通常、パンデミックと言っていますが、WHOの正式な今回の危機に対する名称は国際的な公衆衛生上の緊急事態、PHEIC宣言でございまして、これは、実は、二〇〇九年以降、七回発動されておりまして、二年に一度。背景に、やはりグローバル化と気候変動が影響している可能性があるということでございます。
十六ページ、十七ページ、十八ページは、これは足下の感染者や死者の世界及び日本の動向でございますが、一言で申し上げると、収束傾向にあるということです。これは、東アジアで昨年暮れ、中国を中心に感染爆発が起きて、やはり集団免疫が相当確保できた、これがある。
十九ページ、二十ページです。
ただし、我が国に関して言うと、今アメリカでXBB系統がもう九九%に比率が上がっていますが、日本でも東京都で五割を超えています。
二十ページですが、我が国では、やはり、諸外国と比べて自然感染率が低いということを鑑みますと、この夏に第九波が発生する可能性は十分あると思う。
二十二ページでございます。ウクライナ情勢です。二十二ページはここまでの経緯。
二十三ページまで行っていただくと、一言で申し上げると、これは長期化必至と。ちょうど三月、四月にリークされましたいわゆるディスコード・リークと言われていますが、ここでも、アメリカのDIA、国防情報局のペーパーで二〇二四年まで戦争は続くと評価されておりますが、やはり、ここまで戦争が大きくなると、サンクコスト、埋没コストが大きくなって、勝敗が明らかになる、両国が消耗し厭戦気分が高まるか、世界の警察官が仲裁に入らないと、なかなか戦争は終わらない。このどれにも当たらないということでございます。
二十四ページ。
そうしたところでやはり重要なのは、原油価格の動向だと思うんですね。かつて、ソ連邦が崩壊した一九八八年―九一年、またロシア危機が発生した九八年、いずれも原油価格が暴落しておりました。やはり、エネルギー価格の動向が、これはウクライナ支援に対する西側の支援疲れ、これも含めて重要だと思います。
二十五ページ以降はアメリカの今の政治状況でございまして、二十六、二十七は、これは中間選挙に至る過程の話でございまして、二十八ページまで行っていただきます。
結果でございます。一言で言うと、ねじれ議会。上院は一議席増となりましたが、下院は共和党が取るということで、今、実はマーケットで心配されているのは、六月以降、アメリカの資金繰りは尽きるんじゃないかと。いわゆるデフォルトですね、このリスクがあるんですが、これについてうまく法案が成立できるのか、また、来会計年度の歳出法案の行方、こういったところが懸念されております。
三十ページですね。
インフレ高進と欧米中銀の金融引締め加速とございまして、冒頭申し上げましたが、アメリカはまだ、利上げを一年続けておりまして、多分、今年の五月までは利上げする。これは、背景には、三十ページの右下でございますが、昨年六月のCPIが前年比九・一%、第二次オイルショック以来の上昇幅となったことがありまして、今日、第二次オイルショック以来という言葉をよく使っていますが、三十一ページを御覧いただくと、これは欧州でもそうでございまして、左上を御覧いただくと、主要国の消費者物価は、欧州では一〇%を超えているというところもあります。イギリスは三月分が出ましたが、これでも一〇パーを超えているところでございまして、いずれも第二次オイルショック以来。そうした中で金融引締めが続いているわけですね。
最後、三十三ページでございます。まとめでございます、ここはちょっとゆっくりいきたいと思うんですが。
今日申し上げたいのは、COVID―19パンデミックは収束、経済は正常化する、ただし、新たなリスクが浮上している、しかも、これはパーマクライシス、相当長期化すると考えられています。オミクロン株の感染爆発で、中国を含め世界中で集団免疫を獲得し、経済は正常化します。ただし、感染収束も終息せず、供給制約もあり、中長期的にはレジーム転換の可能性も考えられます。
まず、パンデミックなんですが、通常、経済学的にはデフレ要因とされています。ただし、百年前のスペイン風邪のときも、実はこれはインフレになっているんですね。その後、ハイパーインフレになっています。当時、これは第一次世界大戦と同時で起きた要因があるんですが、実は、スペイン風邪では二千万人ほど、最大五千万人亡くなったと言われていますが、大半が若者が亡くなっているんですね。ですから、それが労働制約、いわゆる労働参加率の低下要因になっておりまして、これは実は今回も似ています。欧米でも若者は働かなくなってきている。ですから、なかなか失業率が上がらないという状況ですね。
また一方で、中長期的なリスクということで、東西冷戦再燃とグローバル化の巻き戻し、地経学、ジオエコノミクス的な分断の深化が懸念されます。
私は、二十世紀から二十一世紀に替わって、世界経済はよくなったと思います。なぜかというと、ベルリンの壁崩壊、中国の改革・開放政策で、二〇〇〇年以降、安い労働力や商品の供給、生産が可能になり、市場も急拡大する、軍縮で軍やNASAなどの技術者や技術が民間に移転する、こういう軍縮の影響ですね、ICT化が進展しました。結果、低インフレ、低金利、高成長という新たなビジネスモデルが生まれたんですね。
では、今何が起きているかというと、そこら中で壁をつくっているわけでございます。今日も報道で、対ロシア向けの貿易をストップするような話もちょっと出ておりますが、やはり、中国の新体制も鑑みると、かつての大戦前、冷戦期のようなブロック経済化が部分的であれ進展する可能性がある。そうするとインフレが長期化する。また、気候変動問題は、この間、深刻化しております。グリーンフレーションの問題もある。一方で、我が国は、少子高齢化の進行、南海トラフ地震等巨大地震、火山噴火、スーパー台風等のリスクも、これは全く減っていない、むしろ増えてきていると考えられます。
そうしたことを考えると、やはり、今回の法案なんですが、私の所見を最後に申し上げますと、私は、防衛力の抜本的強化と申し上げても、これは、言うはやすく行うは難し、一朝一夕でできるものではございません。本日御説明しましたように、我が国を取り巻く環境は、国際情勢、経済金融市場などを含めて、今後急激な変化が予想されます。まずは、二〇二七年度に向けて大幅な強化策が必要と思われます。
一方、防衛装備品等も、新たな開発、調達は長期化が予想されます。例えば、我が国が英国やイタリアと進める次期戦闘機の開発計画はGCAP、グローバル戦闘航空プログラムですね。フランスやドイツ、スペインの計画はFCAS、ここのFはフューチャーですが、フューチャー・コンバット・エア・システム、将来戦闘航空システム。米空軍と米海軍が各々進めている計画はNGAD、これはネクスト・ジェネレーション・エア・ドミナンス、次世代制空優勢とよく訳されていますが、いわゆる第六世代戦闘機の開発計画にはファイター、戦闘機という文字が入っておりません。背景には、無人機やAIの活用等、次元が異なる装備となることが想定されているということであります。
こういった装備品はほかにも多数ございまして、やはり環境面、装備面を取っても、当面の対応には、加えて、やはり従来以上の長期の戦力計画、そして予算が必要になることは確実であり、今回の財源確保法案の立法化が必要と考えております。
以上です。御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私の方からは、資料、「二〇二三年の経済・金融市場の動向」というものを御用意しました。ただ、何分時間が極めて限られております関係で、今回はパーマクライシス、危機の長期化、こちらを中心に御説明させていただきたいと思います。
パーマクライシス、これは、パーマネント、永続化、長期化という言葉と、クライシス、危機の造語でございまして、イギリスのコリンズ英語辞典、こちらの二〇二二年のワード、単語として選出されております。コリンズは、長期にわたり不安定で安心できない状態と定義しておりまして、私は、このパーマクライシスが今後長期化し、世界の経済金融市場にも大きな影響を与えるのではないかと懸念しております。
続きまして、一ページを開けていただきまして、本日は、世界経済と金融市場の動向、あと、パンデミック、ウクライナ情勢、ねじれ議会、インフレ高進、世界経済の回復シナリオ等を御説明させていただきます。
二ページ目でございますが、これは、端的に申し上げますと、二〇二〇年、パンデミックが起きて世界経済は一旦後退局面に入りましたが、その後、空前絶後、未曽有の金融緩和、財政出動によって世界経済は着実に回復していました。ただし、その間にウクライナ戦争も起き、また、供給制約もあって、足下では、物価上昇、インフレですね、あと、それに対応した世界の中銀の金融引締め、これが大きな問題となっております。
三ページ目に行っていただきたいんですが、三ページ目右側。
今、実はマーケットが注目しておりますのは、五月の二日、三日、アメリカのFRBが利上げをするかどうか。私は、〇・二五利上げして、政策金利を五パー、五・二五という水準に持っていくと思っておりますが、ちょうど一年前、去年の三月に利上げを開始しております。そのときは〇―〇・二五から上げているんですね。つまり、一年ちょっとで五%の利上げになります。この利上げペースは、一九八一年、第二次オイルショック以来の水準になります。
四ページ目でございます。
この背景となったのが、やはりインフレですね。これはIMFの世界経済見通しでございます。四月十一日に出たものでございます。ちょっと細かくは説明できませんが、左側のIMFのコメントのところだけ御覧いただきたいと思います。青字ですね。インフレ率は当初予想より高止まっている、地経学的な、これはジオエコノミクスでございますが、地経学的な分断化の本格的な脅威がますます高まり、分断化されたブロック間でのイノベーションとテクノロジー採用のペースが遅くなっている、こういうふうに評価されております。
五ページ目でございます。
五ページ、六ページは米国経済の動向ですが、一言で申し上げると、まだ米国経済は堅調です。個人消費のウェートが七割。その個人消費の原動力となっている資産効果、これは右上でございますが、過去最高水準にあり、雇用もこの一月は三・四%と、これは一九六九年以来の低水準になっておりますから、現時点ではまだ好調です。
ただし、やはりインフレに対応した金融引締めの影響は出てきておりまして、六ページ、やはり住宅市場はやや失速しかけている、こういう状況でございます。
七ページ目。
三月にアメリカの地銀二行が破綻しまして、これはどうなのかということなんですが、時間がないのですが、これについて申し上げると、金融システミックリスクにつながる可能性は低いと思っております。ただし、中長期的に世界経済後退局面になれば、これは、不良債権の増加という形で、影響は不可避だと思います。
八ページ目でございます。
我が国も今、経済再開でこれから成長率の上昇が期待できますが、ただ、今年の一月には全国コアCPIが前年比プラス四・二%、これは、一九八一年九月以来、四十一年ぶりの高水準、やはり第二次オイルショック以来の水準になっています。
九ページでございまして、我が国の今の経済の動向なんですが、やはりバブル期との大きな違いは、グローバル化、特に新興国の台頭と、あと少子高齢化の進展。特にインフレの関係で申し上げますと、九ページの右下なんですが、雇用の不足感が相当高まってきております。多分、このままいくとバブル期を超える人手不足になるだろうと。
十ページ、十一ページは、これは為替と株価の動向でございますので省略させていただきます。
十二ページまで行っていただいて、十二ページで申し上げたいのは、昨年の十月でございますが、実質実効為替相場、このグラフですと左下になります。これはインフレ調整した世界の通貨に対する円の立ち位置を示したものですが、これは、一九七〇年八月以来、つまり一ドル三百六十円以来の円安になったということでございます。
十三ページ、これは我が国の金利と株価の動向でございまして、省略します。
十五ページ、パンデミックのところなんですが、ここでは二点申し上げたいと思います。
一つは、十五ページなんですが、通常、パンデミックと言っていますが、WHOの正式な今回の危機に対する名称は国際的な公衆衛生上の緊急事態、PHEIC宣言でございまして、これは、実は、二〇〇九年以降、七回発動されておりまして、二年に一度。背景に、やはりグローバル化と気候変動が影響している可能性があるということでございます。
十六ページ、十七ページ、十八ページは、これは足下の感染者や死者の世界及び日本の動向でございますが、一言で申し上げると、収束傾向にあるということです。これは、東アジアで昨年暮れ、中国を中心に感染爆発が起きて、やはり集団免疫が相当確保できた、これがある。
十九ページ、二十ページです。
ただし、我が国に関して言うと、今アメリカでXBB系統がもう九九%に比率が上がっていますが、日本でも東京都で五割を超えています。
二十ページですが、我が国では、やはり、諸外国と比べて自然感染率が低いということを鑑みますと、この夏に第九波が発生する可能性は十分あると思う。
二十二ページでございます。ウクライナ情勢です。二十二ページはここまでの経緯。
二十三ページまで行っていただくと、一言で申し上げると、これは長期化必至と。ちょうど三月、四月にリークされましたいわゆるディスコード・リークと言われていますが、ここでも、アメリカのDIA、国防情報局のペーパーで二〇二四年まで戦争は続くと評価されておりますが、やはり、ここまで戦争が大きくなると、サンクコスト、埋没コストが大きくなって、勝敗が明らかになる、両国が消耗し厭戦気分が高まるか、世界の警察官が仲裁に入らないと、なかなか戦争は終わらない。このどれにも当たらないということでございます。
二十四ページ。
そうしたところでやはり重要なのは、原油価格の動向だと思うんですね。かつて、ソ連邦が崩壊した一九八八年―九一年、またロシア危機が発生した九八年、いずれも原油価格が暴落しておりました。やはり、エネルギー価格の動向が、これはウクライナ支援に対する西側の支援疲れ、これも含めて重要だと思います。
二十五ページ以降はアメリカの今の政治状況でございまして、二十六、二十七は、これは中間選挙に至る過程の話でございまして、二十八ページまで行っていただきます。
結果でございます。一言で言うと、ねじれ議会。上院は一議席増となりましたが、下院は共和党が取るということで、今、実はマーケットで心配されているのは、六月以降、アメリカの資金繰りは尽きるんじゃないかと。いわゆるデフォルトですね、このリスクがあるんですが、これについてうまく法案が成立できるのか、また、来会計年度の歳出法案の行方、こういったところが懸念されております。
三十ページですね。
インフレ高進と欧米中銀の金融引締め加速とございまして、冒頭申し上げましたが、アメリカはまだ、利上げを一年続けておりまして、多分、今年の五月までは利上げする。これは、背景には、三十ページの右下でございますが、昨年六月のCPIが前年比九・一%、第二次オイルショック以来の上昇幅となったことがありまして、今日、第二次オイルショック以来という言葉をよく使っていますが、三十一ページを御覧いただくと、これは欧州でもそうでございまして、左上を御覧いただくと、主要国の消費者物価は、欧州では一〇%を超えているというところもあります。イギリスは三月分が出ましたが、これでも一〇パーを超えているところでございまして、いずれも第二次オイルショック以来。そうした中で金融引締めが続いているわけですね。
最後、三十三ページでございます。まとめでございます、ここはちょっとゆっくりいきたいと思うんですが。
今日申し上げたいのは、COVID―19パンデミックは収束、経済は正常化する、ただし、新たなリスクが浮上している、しかも、これはパーマクライシス、相当長期化すると考えられています。オミクロン株の感染爆発で、中国を含め世界中で集団免疫を獲得し、経済は正常化します。ただし、感染収束も終息せず、供給制約もあり、中長期的にはレジーム転換の可能性も考えられます。
まず、パンデミックなんですが、通常、経済学的にはデフレ要因とされています。ただし、百年前のスペイン風邪のときも、実はこれはインフレになっているんですね。その後、ハイパーインフレになっています。当時、これは第一次世界大戦と同時で起きた要因があるんですが、実は、スペイン風邪では二千万人ほど、最大五千万人亡くなったと言われていますが、大半が若者が亡くなっているんですね。ですから、それが労働制約、いわゆる労働参加率の低下要因になっておりまして、これは実は今回も似ています。欧米でも若者は働かなくなってきている。ですから、なかなか失業率が上がらないという状況ですね。
また一方で、中長期的なリスクということで、東西冷戦再燃とグローバル化の巻き戻し、地経学、ジオエコノミクス的な分断の深化が懸念されます。
私は、二十世紀から二十一世紀に替わって、世界経済はよくなったと思います。なぜかというと、ベルリンの壁崩壊、中国の改革・開放政策で、二〇〇〇年以降、安い労働力や商品の供給、生産が可能になり、市場も急拡大する、軍縮で軍やNASAなどの技術者や技術が民間に移転する、こういう軍縮の影響ですね、ICT化が進展しました。結果、低インフレ、低金利、高成長という新たなビジネスモデルが生まれたんですね。
では、今何が起きているかというと、そこら中で壁をつくっているわけでございます。今日も報道で、対ロシア向けの貿易をストップするような話もちょっと出ておりますが、やはり、中国の新体制も鑑みると、かつての大戦前、冷戦期のようなブロック経済化が部分的であれ進展する可能性がある。そうするとインフレが長期化する。また、気候変動問題は、この間、深刻化しております。グリーンフレーションの問題もある。一方で、我が国は、少子高齢化の進行、南海トラフ地震等巨大地震、火山噴火、スーパー台風等のリスクも、これは全く減っていない、むしろ増えてきていると考えられます。
そうしたことを考えると、やはり、今回の法案なんですが、私の所見を最後に申し上げますと、私は、防衛力の抜本的強化と申し上げても、これは、言うはやすく行うは難し、一朝一夕でできるものではございません。本日御説明しましたように、我が国を取り巻く環境は、国際情勢、経済金融市場などを含めて、今後急激な変化が予想されます。まずは、二〇二七年度に向けて大幅な強化策が必要と思われます。
一方、防衛装備品等も、新たな開発、調達は長期化が予想されます。例えば、我が国が英国やイタリアと進める次期戦闘機の開発計画はGCAP、グローバル戦闘航空プログラムですね。フランスやドイツ、スペインの計画はFCAS、ここのFはフューチャーですが、フューチャー・コンバット・エア・システム、将来戦闘航空システム。米空軍と米海軍が各々進めている計画はNGAD、これはネクスト・ジェネレーション・エア・ドミナンス、次世代制空優勢とよく訳されていますが、いわゆる第六世代戦闘機の開発計画にはファイター、戦闘機という文字が入っておりません。背景には、無人機やAIの活用等、次元が異なる装備となることが想定されているということであります。
こういった装備品はほかにも多数ございまして、やはり環境面、装備面を取っても、当面の対応には、加えて、やはり従来以上の長期の戦力計画、そして予算が必要になることは確実であり、今回の財源確保法案の立法化が必要と考えております。
以上です。御清聴ありがとうございました。拍手
塚
柳
柳澤協二#6
○柳澤参考人 柳澤でございます。
時間が限られておりますので、お手元に二枚のレジュメを用意させていただきました、それに従って考えを述べさせていただこうと思っています。
私の問題意識は、経済の専門家でもありません、この間の、昨年のいわゆる安保三文書の閣議決定以来、そしてこの国会での議論も伺いながら、どうも、これは政策に対する財源手当てを今論じておられるわけですけれども、その前提になる政策そのものの妥当性が私にはまだまだ、十分詰められているようには思えないのであります。
そういう観点から、二つの点について主に申し上げていきたいと思っています。
まず、いわゆる反撃能力ということなんですけれども、これは、政府の説明の論理は、そして国会における議論もそうでしたけれども、いわゆる先制攻撃になるのかならないのかということであったわけですけれども、先制攻撃にはならないというためのキーワードは、我が国に対する武力攻撃の着手があったとみなされるかどうかということなんですね。
私はこれがどうも分からなくて、なぜかというと、相手はまさにミサイル、弾道ミサイルなわけで、弾道ミサイルというのは、発射準備にあるという段階では、実は、それがどこに向けられたものかというのは物理的に分からないんですね。撃たれてみないと、どこに飛んでいくかというのが、その撃った後の航跡を解析して初めて分かるものであるわけですね。
そして、それに対して、ミサイル防衛システムなんかでは有効に対処できないので、発射前にそれに対応しなければいけない。そのために四百発のトマホーク巡航ミサイルを購入するというような政策の中身があるわけですけれども、ただ、このトマホーク巡航ミサイルというのは、長射程の巡航ミサイル、ジェットエンジンで飛ぶミサイルですから、仮に我が国への攻撃準備だということが正しく判定できたとしても、それを長距離の地点、離れた地点から巡航ミサイルで破壊しに行っても、恐らく数十分単位の時間がかかるはずなので間に合わないんじゃないかという、非常に素朴、単純な疑問があって、それが私はどうしてもいまだに納得できないのであります。
これは、だから、第一撃を防ごうとする議論をするからこういうことに多分なってしまうので、恐らく、最初のミサイル攻撃というのは、これはどこの国でも防ぐということは不可能に近いんですね。だから、そこの議論じゃなくて、やられた後に、第二撃以降にどう対応するかという議論であればまだ物理的には分からないではないのですけれども、だとすると、それは、じゃ、そういう体制を持つことが果たしていわゆる抑止力になるのか、抑止として機能するかということを考えなければいけないんだろうと思うんですね。
例えば、仮に、さっき申し上げた四百発の巡航ミサイル、これは四百発一遍に撃てるわけではありません。例えばイージス艦に搭載してそこから発射するとなると、どういう積み方をするか分かりませんが、恐らく二十発とか三十発とかが一度に撃てる数になってくるんだろう。では、それだけ撃って相手のミサイル攻撃力を減殺したところで、相手は残ったミサイルで必ず再反撃をしてくるわけですね。つまり、普通にミサイルの撃ち合いの戦争に拡大していくという流れになっていくんだろうと思うんですね。
さらに、イージス艦が一番ああいう大型のミサイルを撃つプラットフォームとしては適しているんだろうとは思うんですが、これは、私はちょっと兵器のプロでもありませんし、弾を改造するのか発射台を改造するのか分かりませんけれども、イージス艦を改造して、反撃能力、トマホーク発射能力を与えてそういう任務に就かせた場合に、その間、つまり、ミサイル防空のシステムは使えなくなるんですね、それはトレードオフの関係にあるので。果たしてその辺の最適なすみ分けというのをどう考えたらいいのかというようなことは、私のような半分兵器の素人でも気がつくような疑問点なわけですね。こういうことをきっちり議論していく必要があるんだろうと私は思っております。
さらにもう一つ言えば、巡航ミサイルの弾頭の破壊力は限られておりますので、地上にむき出しになっているものは破壊できるけれども、強固に防護されたような陣地を破壊するようなことはできないわけで、そういうことをトータルに考えて、これは本当に、分かりません、いいのかもしれないけれども、私には納得できるだけの構図が見えないということを申し上げたいと思います。
それから二番目の、いわゆる台湾有事が今懸念される焦点になっていると思うんですけれども、これも私もあちらこちらで、新聞へのコメントなんかでも申し上げているんですけれども、台湾有事がいきなり日本有事になるのかというと、実は、論理的な構造はそうではなくて、台湾有事というのは中国が台湾に武力行使をすることなんですね。そこでアメリカがその防衛に参加すると、今度はそれが中国とアメリカの戦争になってくるわけで、その際に、アメリカ軍は日本の基地、日本を拠点にしないととても戦えないわけですから、日本の基地を使うことも含めて、あるいは自衛隊がサポートすることを含めて、日本がそれに協力するとなった段階で初めて台湾有事が日本の日本有事という形に変わってくる、そういう流れになっていくんですね。
つまり、そこで日本が協力すれば日本が戦争の当事者になってしまうということ、そして、日本がアメリカ軍に協力しなければ恐らく日米同盟はもうもたないことになるだろうという、こういう実は究極の選択が迫られる、非常に考えたくもない、悪夢のような事態なんだろうと私は思っているんですね。
次のページですが、やはりそういうことそのものを避けなければいけない。だとしたら、台湾有事そのものを何とか回避するという政治の努力が必要なんじゃないかと思っています。
これは、台湾についての武力行使の心配というのは、中国は台湾の分離独立に対しては武力行使も辞さないと言っている、武力行使すれば米軍は守ると言っている、だとすると、台湾の地位に関する現状維持というものを改めて確認するということが、当面、戦争の動機を、敷居を下げる、下げるというか上げるというか、動機を少なくする道なのではないか。
それは、抑止、ディターランスというのは、基本的には、武力による相手への被害を与える予測によって戦争を抑えつけるということなんですけれども、それはあくまでも相手の心理作用であって、こちらがミサイル一発持ったらその分プラスされるというような足し算の話ではないので、だから、誤算の危険も必ずあるので、それをカバーするための外交手法として、いわゆる安心供与という手段も取られている。アメリカと中国の間でも、相互のレッドラインを認識するための対話を続けるということを去年の十一月の首脳会談で合意しています。今、バルーンの問題があってちょっと中断しているわけですけれども。
そういう形で、私は、ウクライナについてこれが通用したかどうか分かりませんが、台湾について、あるいは体制維持が最大の目的である金正恩の北朝鮮との間では、何らかの形の安心供与、つまり戦争の動機を下げる外交が可能であると思っています。
そして、最後になりますが、国民もさることながらですけれども、戦争になれば真っ先に命を落とすことになるのは自衛隊員であるわけで、戦争が、政治の目的達成の手段としての戦争であると私は思いますけれども、だとすると、政治が何とか、政治の力で防げる戦争は是非防いでいただきたいということを最後に申し上げて、私の意見陳述を終わらせていただきます。
ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →時間が限られておりますので、お手元に二枚のレジュメを用意させていただきました、それに従って考えを述べさせていただこうと思っています。
私の問題意識は、経済の専門家でもありません、この間の、昨年のいわゆる安保三文書の閣議決定以来、そしてこの国会での議論も伺いながら、どうも、これは政策に対する財源手当てを今論じておられるわけですけれども、その前提になる政策そのものの妥当性が私にはまだまだ、十分詰められているようには思えないのであります。
そういう観点から、二つの点について主に申し上げていきたいと思っています。
まず、いわゆる反撃能力ということなんですけれども、これは、政府の説明の論理は、そして国会における議論もそうでしたけれども、いわゆる先制攻撃になるのかならないのかということであったわけですけれども、先制攻撃にはならないというためのキーワードは、我が国に対する武力攻撃の着手があったとみなされるかどうかということなんですね。
私はこれがどうも分からなくて、なぜかというと、相手はまさにミサイル、弾道ミサイルなわけで、弾道ミサイルというのは、発射準備にあるという段階では、実は、それがどこに向けられたものかというのは物理的に分からないんですね。撃たれてみないと、どこに飛んでいくかというのが、その撃った後の航跡を解析して初めて分かるものであるわけですね。
そして、それに対して、ミサイル防衛システムなんかでは有効に対処できないので、発射前にそれに対応しなければいけない。そのために四百発のトマホーク巡航ミサイルを購入するというような政策の中身があるわけですけれども、ただ、このトマホーク巡航ミサイルというのは、長射程の巡航ミサイル、ジェットエンジンで飛ぶミサイルですから、仮に我が国への攻撃準備だということが正しく判定できたとしても、それを長距離の地点、離れた地点から巡航ミサイルで破壊しに行っても、恐らく数十分単位の時間がかかるはずなので間に合わないんじゃないかという、非常に素朴、単純な疑問があって、それが私はどうしてもいまだに納得できないのであります。
これは、だから、第一撃を防ごうとする議論をするからこういうことに多分なってしまうので、恐らく、最初のミサイル攻撃というのは、これはどこの国でも防ぐということは不可能に近いんですね。だから、そこの議論じゃなくて、やられた後に、第二撃以降にどう対応するかという議論であればまだ物理的には分からないではないのですけれども、だとすると、それは、じゃ、そういう体制を持つことが果たしていわゆる抑止力になるのか、抑止として機能するかということを考えなければいけないんだろうと思うんですね。
例えば、仮に、さっき申し上げた四百発の巡航ミサイル、これは四百発一遍に撃てるわけではありません。例えばイージス艦に搭載してそこから発射するとなると、どういう積み方をするか分かりませんが、恐らく二十発とか三十発とかが一度に撃てる数になってくるんだろう。では、それだけ撃って相手のミサイル攻撃力を減殺したところで、相手は残ったミサイルで必ず再反撃をしてくるわけですね。つまり、普通にミサイルの撃ち合いの戦争に拡大していくという流れになっていくんだろうと思うんですね。
さらに、イージス艦が一番ああいう大型のミサイルを撃つプラットフォームとしては適しているんだろうとは思うんですが、これは、私はちょっと兵器のプロでもありませんし、弾を改造するのか発射台を改造するのか分かりませんけれども、イージス艦を改造して、反撃能力、トマホーク発射能力を与えてそういう任務に就かせた場合に、その間、つまり、ミサイル防空のシステムは使えなくなるんですね、それはトレードオフの関係にあるので。果たしてその辺の最適なすみ分けというのをどう考えたらいいのかというようなことは、私のような半分兵器の素人でも気がつくような疑問点なわけですね。こういうことをきっちり議論していく必要があるんだろうと私は思っております。
さらにもう一つ言えば、巡航ミサイルの弾頭の破壊力は限られておりますので、地上にむき出しになっているものは破壊できるけれども、強固に防護されたような陣地を破壊するようなことはできないわけで、そういうことをトータルに考えて、これは本当に、分かりません、いいのかもしれないけれども、私には納得できるだけの構図が見えないということを申し上げたいと思います。
それから二番目の、いわゆる台湾有事が今懸念される焦点になっていると思うんですけれども、これも私もあちらこちらで、新聞へのコメントなんかでも申し上げているんですけれども、台湾有事がいきなり日本有事になるのかというと、実は、論理的な構造はそうではなくて、台湾有事というのは中国が台湾に武力行使をすることなんですね。そこでアメリカがその防衛に参加すると、今度はそれが中国とアメリカの戦争になってくるわけで、その際に、アメリカ軍は日本の基地、日本を拠点にしないととても戦えないわけですから、日本の基地を使うことも含めて、あるいは自衛隊がサポートすることを含めて、日本がそれに協力するとなった段階で初めて台湾有事が日本の日本有事という形に変わってくる、そういう流れになっていくんですね。
つまり、そこで日本が協力すれば日本が戦争の当事者になってしまうということ、そして、日本がアメリカ軍に協力しなければ恐らく日米同盟はもうもたないことになるだろうという、こういう実は究極の選択が迫られる、非常に考えたくもない、悪夢のような事態なんだろうと私は思っているんですね。
次のページですが、やはりそういうことそのものを避けなければいけない。だとしたら、台湾有事そのものを何とか回避するという政治の努力が必要なんじゃないかと思っています。
これは、台湾についての武力行使の心配というのは、中国は台湾の分離独立に対しては武力行使も辞さないと言っている、武力行使すれば米軍は守ると言っている、だとすると、台湾の地位に関する現状維持というものを改めて確認するということが、当面、戦争の動機を、敷居を下げる、下げるというか上げるというか、動機を少なくする道なのではないか。
それは、抑止、ディターランスというのは、基本的には、武力による相手への被害を与える予測によって戦争を抑えつけるということなんですけれども、それはあくまでも相手の心理作用であって、こちらがミサイル一発持ったらその分プラスされるというような足し算の話ではないので、だから、誤算の危険も必ずあるので、それをカバーするための外交手法として、いわゆる安心供与という手段も取られている。アメリカと中国の間でも、相互のレッドラインを認識するための対話を続けるということを去年の十一月の首脳会談で合意しています。今、バルーンの問題があってちょっと中断しているわけですけれども。
そういう形で、私は、ウクライナについてこれが通用したかどうか分かりませんが、台湾について、あるいは体制維持が最大の目的である金正恩の北朝鮮との間では、何らかの形の安心供与、つまり戦争の動機を下げる外交が可能であると思っています。
そして、最後になりますが、国民もさることながらですけれども、戦争になれば真っ先に命を落とすことになるのは自衛隊員であるわけで、戦争が、政治の目的達成の手段としての戦争であると私は思いますけれども、だとすると、政治が何とか、政治の力で防げる戦争は是非防いでいただきたいということを最後に申し上げて、私の意見陳述を終わらせていただきます。
ありがとうございました。拍手
塚
金
金子勝#8
○金子参考人 金子でございます。
レジュメが三枚ほどありますので、それを見てお話をしたいと思います。
私は、一人の財政学者として、この法案をそのまま通すことは非常に歴史に禍根を残すのではないかという意見を持っております。国会議員の方に是非意見を聞いていただくと同時に、実行していただきたいことを述べたいと思っております。
まず第一に、この防衛費の増大がウクライナ侵略や台湾有事が本当の理由なのかということに疑問を持っております。図一を見ていただければ明らかなように、安倍政権が誕生して、後年度負担が三兆円前後だったものが、今や五兆円を超え、六兆円近くになろうとしております。そもそもその時点で、GDP一%を守ることが不可能になるようななし崩しの防衛費増大政策が行われてきた結果なのではないかということを私は危惧しております。
同じように、なし崩し的な増大が財源においても行われようとしていることにも危惧を抱いております。
財源は、皆さんが御存じのとおり、中期防衛整備計画五年分の対象経費二十六兆円弱に対して、四十三兆円に満たない約十七兆円をどう捻出するかということになっております。防衛力強化資金、決算剰余金、歳出改革、建設国債、残る四兆円が増税になります。
四分の三が税外収入とされていますが、実は、ほぼ公債、国債、財投債、為券と言われる政府短期証券が主であります。一旦予備費や基金を経由しておりますので見えにくい。ほとんど防衛費と異なる財源であり、単年度予算主義からは外れており、かつ、多年にわたって支出されるにもかかわらず、国会のチェックが非常に甘い。言葉は悪いですが、透明性が乏しいので、ある種のマネーロンダリングに近いのではないかというふうに私は考えています。
二〇二〇年のコロナウイルスの大流行以降、予備費又は基金の形を通して使途不明の予算を大きく膨らませて、かつ、それを大量に余らせているという予算の運営が行われております。予備費は、当然のことながら、本来、災害など例外的な場合に限り国会審議を経ずに支出できるということで、東日本大震災でさえ二兆円規模だったのが、二〇二〇年から二二年まで、二枚目の表一で明らかなように、これは一部繰越しがあるのでダブりがありますが、単純合計で三十兆円を超えるような予備費が計上されていて、そこから決算剰余金が出てくるのは当然であります。
そのような予算運営がいいのかということに関しては、昨年十一月、二〇二一年度の会計検査院の決算報告によれば、コロナ事業に対して、十八事業のうち法律違反に当たる不当事項が十事業あり、未執行が実は約十八兆円あり、繰越金額が十三・三兆円あり、そして国庫に残った不用額が四・六兆円もあったということが報告されております。
新聞、ジャーナリズムでも、昨年十二月一日、実は、十一の特別会計で、二〇一四年から二一年にわたって約六兆円の、毎年八千億円の余剰金があり、四月二十二日付の日本経済新聞によれば、コロナ予備費十二兆円のうち九兆円が具体的にどう使われたか特定することができないというくらい、国会のチェックが甘くなっております。
さらに、今年の三月十日付東京新聞によれば、二一年度の十二省庁での百七十六の基金があるうち、休眠基金は実は二十七もあり、残高が十二兆九千億円もあるということを指摘されております。
これらの財政運営をそのまま放置して、これを防衛費に流用するということであれば、これは、この法案をこのまま通せば歴史に本当に禍根を残すことになるのではないかということを強調したいと思います。
昭和十一年に二・二六事件があって、そして昭和十二年、日中戦争のために臨時軍事費特別会計が国債で運用されて以降、一度の決算もないまま戦争が終結されて、その後、終戦とともにハイパーインフレーションになったという歴史を我々は知っております。
今の日本の状況はどんどん似てきているのではないでしょうか。戦時中に匹敵する一千兆円もの国債を発行し、そのうち五百八十兆円も日銀が長期国債だけでも抱えており、中央銀行が金融政策の柔軟性を完全に失っている。こうした防衛費倍増の方針を続ければ、少子化対策や社会保障の歳出を出すこともできなくなってくる。
更に言えば、このような後年度負担を積み上げてなし崩しに防衛費を拡大する運営を行った上で、多年度にわたる支出で、国会のチェックも利かないような予備費や基金、特会や財投、こういうものを運用目的を無視して意図的に余らせてなし崩し的に財源をつくり出すということを、止めなければいけない。
次の四つを是非実行していただきたいというふうにお願いをして、最後の話にしたいと思います。
一つは、五年後、後年度負担が幾らになるのか、そのための財源はどのように設定しているのか、このきちんとした見通しを明らかにするべきではありませんか。なし崩しの防衛費増大が今日の事態を招いたとするならば、四年の任期しかない国会議員が、歯止めをかけるためのきちんとした国会のチェックの機能を果たさなければいけないというふうに私は考えています。
第二に、巨額の予備費の、あるいは基金の形を取ったものが、その使途が一体どうなっているかを明らかにするべきではないか。予備費の使途を明らかにできないならば、予備費は直ちに削減するべきではないか。二兆円に対して三十兆円は、余りにも野方図な財政運営であると言わざるを得ません。少なくとも、新型コロナウイルスが五類へ移行するというふうに政策をしている一方で、二三年の五兆円の予備費がいかなる根拠で計上されているのか。この点も矛盾すると思われるので、直ちに精査するべきであるというふうに私は考えています。
第三に、膨大な貿易赤字は、二二年度、二十一・七兆円まで積み上げていて、産業衰退が非常に憂えられている。その中で、やがて経常収支の赤字になりかねないような状況で、マイナス金利の政策で短期国債の財政負担が軽いからといって、外為特会を隠れ財源として流用していいのかということは、議論が残る点だと私は思っています。少なくとも、将来の日本経済の状況に対するリスクに対する甘さというのを私は危惧しております。
四番目に、歳出改革の具体策が明らかになっておりません。もしそれが基金などの余った余剰資金の圧縮であれば、それは決算剰余金と出どころは同じになりますし、あるいは、外為特会以外の特別会計の余剰金を使ってやるならば、これまた、国債発行を意図的にマネーロンダリングして出していくような、つまり、見えにくい形の資金を防衛費に充当させるというやり方であります。
少なくとも、こういう野方図な財政運営は、憲法八十三条の財政民主主義に最も反する事態であります。それを抑えながら、真に国民に役に立つような予算運営というのに心がけていただきたいというのが、私が持っている願望であります。是非私の願いをお聞き届けいただくようにお願いして、発言を終わりたいと思います。
どうも御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →レジュメが三枚ほどありますので、それを見てお話をしたいと思います。
私は、一人の財政学者として、この法案をそのまま通すことは非常に歴史に禍根を残すのではないかという意見を持っております。国会議員の方に是非意見を聞いていただくと同時に、実行していただきたいことを述べたいと思っております。
まず第一に、この防衛費の増大がウクライナ侵略や台湾有事が本当の理由なのかということに疑問を持っております。図一を見ていただければ明らかなように、安倍政権が誕生して、後年度負担が三兆円前後だったものが、今や五兆円を超え、六兆円近くになろうとしております。そもそもその時点で、GDP一%を守ることが不可能になるようななし崩しの防衛費増大政策が行われてきた結果なのではないかということを私は危惧しております。
同じように、なし崩し的な増大が財源においても行われようとしていることにも危惧を抱いております。
財源は、皆さんが御存じのとおり、中期防衛整備計画五年分の対象経費二十六兆円弱に対して、四十三兆円に満たない約十七兆円をどう捻出するかということになっております。防衛力強化資金、決算剰余金、歳出改革、建設国債、残る四兆円が増税になります。
四分の三が税外収入とされていますが、実は、ほぼ公債、国債、財投債、為券と言われる政府短期証券が主であります。一旦予備費や基金を経由しておりますので見えにくい。ほとんど防衛費と異なる財源であり、単年度予算主義からは外れており、かつ、多年にわたって支出されるにもかかわらず、国会のチェックが非常に甘い。言葉は悪いですが、透明性が乏しいので、ある種のマネーロンダリングに近いのではないかというふうに私は考えています。
二〇二〇年のコロナウイルスの大流行以降、予備費又は基金の形を通して使途不明の予算を大きく膨らませて、かつ、それを大量に余らせているという予算の運営が行われております。予備費は、当然のことながら、本来、災害など例外的な場合に限り国会審議を経ずに支出できるということで、東日本大震災でさえ二兆円規模だったのが、二〇二〇年から二二年まで、二枚目の表一で明らかなように、これは一部繰越しがあるのでダブりがありますが、単純合計で三十兆円を超えるような予備費が計上されていて、そこから決算剰余金が出てくるのは当然であります。
そのような予算運営がいいのかということに関しては、昨年十一月、二〇二一年度の会計検査院の決算報告によれば、コロナ事業に対して、十八事業のうち法律違反に当たる不当事項が十事業あり、未執行が実は約十八兆円あり、繰越金額が十三・三兆円あり、そして国庫に残った不用額が四・六兆円もあったということが報告されております。
新聞、ジャーナリズムでも、昨年十二月一日、実は、十一の特別会計で、二〇一四年から二一年にわたって約六兆円の、毎年八千億円の余剰金があり、四月二十二日付の日本経済新聞によれば、コロナ予備費十二兆円のうち九兆円が具体的にどう使われたか特定することができないというくらい、国会のチェックが甘くなっております。
さらに、今年の三月十日付東京新聞によれば、二一年度の十二省庁での百七十六の基金があるうち、休眠基金は実は二十七もあり、残高が十二兆九千億円もあるということを指摘されております。
これらの財政運営をそのまま放置して、これを防衛費に流用するということであれば、これは、この法案をこのまま通せば歴史に本当に禍根を残すことになるのではないかということを強調したいと思います。
昭和十一年に二・二六事件があって、そして昭和十二年、日中戦争のために臨時軍事費特別会計が国債で運用されて以降、一度の決算もないまま戦争が終結されて、その後、終戦とともにハイパーインフレーションになったという歴史を我々は知っております。
今の日本の状況はどんどん似てきているのではないでしょうか。戦時中に匹敵する一千兆円もの国債を発行し、そのうち五百八十兆円も日銀が長期国債だけでも抱えており、中央銀行が金融政策の柔軟性を完全に失っている。こうした防衛費倍増の方針を続ければ、少子化対策や社会保障の歳出を出すこともできなくなってくる。
更に言えば、このような後年度負担を積み上げてなし崩しに防衛費を拡大する運営を行った上で、多年度にわたる支出で、国会のチェックも利かないような予備費や基金、特会や財投、こういうものを運用目的を無視して意図的に余らせてなし崩し的に財源をつくり出すということを、止めなければいけない。
次の四つを是非実行していただきたいというふうにお願いをして、最後の話にしたいと思います。
一つは、五年後、後年度負担が幾らになるのか、そのための財源はどのように設定しているのか、このきちんとした見通しを明らかにするべきではありませんか。なし崩しの防衛費増大が今日の事態を招いたとするならば、四年の任期しかない国会議員が、歯止めをかけるためのきちんとした国会のチェックの機能を果たさなければいけないというふうに私は考えています。
第二に、巨額の予備費の、あるいは基金の形を取ったものが、その使途が一体どうなっているかを明らかにするべきではないか。予備費の使途を明らかにできないならば、予備費は直ちに削減するべきではないか。二兆円に対して三十兆円は、余りにも野方図な財政運営であると言わざるを得ません。少なくとも、新型コロナウイルスが五類へ移行するというふうに政策をしている一方で、二三年の五兆円の予備費がいかなる根拠で計上されているのか。この点も矛盾すると思われるので、直ちに精査するべきであるというふうに私は考えています。
第三に、膨大な貿易赤字は、二二年度、二十一・七兆円まで積み上げていて、産業衰退が非常に憂えられている。その中で、やがて経常収支の赤字になりかねないような状況で、マイナス金利の政策で短期国債の財政負担が軽いからといって、外為特会を隠れ財源として流用していいのかということは、議論が残る点だと私は思っています。少なくとも、将来の日本経済の状況に対するリスクに対する甘さというのを私は危惧しております。
四番目に、歳出改革の具体策が明らかになっておりません。もしそれが基金などの余った余剰資金の圧縮であれば、それは決算剰余金と出どころは同じになりますし、あるいは、外為特会以外の特別会計の余剰金を使ってやるならば、これまた、国債発行を意図的にマネーロンダリングして出していくような、つまり、見えにくい形の資金を防衛費に充当させるというやり方であります。
少なくとも、こういう野方図な財政運営は、憲法八十三条の財政民主主義に最も反する事態であります。それを抑えながら、真に国民に役に立つような予算運営というのに心がけていただきたいというのが、私が持っている願望であります。是非私の願いをお聞き届けいただくようにお願いして、発言を終わりたいと思います。
どうも御清聴ありがとうございました。拍手
塚
塚
津
津島淳#11
○津島委員 自由民主党の津島淳でございます。
四名の参考人の先生方には、大変示唆に富む、そして貴重な、それぞれのお立場からの御意見の開陳をいただきました。まず、心より感謝申し上げます。
戦後日本において、我が国の防衛、そしてそれに係る財源について真っ正面から議論が行われる、今まさに私はその場に立っているわけで、これは、今を生きる者の責任として、次の世代にもどういう形の日本を残していくかという部分で非常に重要な議論をまさに行っている、そのように考えています。
そういった中で、今日の参考人の皆様への質疑で一体どのような質疑を行えばいいのかというのは、非常に、この質疑の登板が決まったときから思い悩んでまいりました。真っ正面から法案について質疑をすべきか、いやいや、そうではなくて、もっとそもそも論のところから話をしようか。今、むしろそのような方向で、まずそもそも論から話をしていきたい、そのように考えてございます。よろしくお願いします。
まず、土居先生とそれから金子先生、お二方、経済学の御専門ということでお聞きをしたいんですが、そもそも、国防ということ、我が国流でいうと防衛ということになるんですが、公共経済学というカテゴリーの中では、国防に係る装備だとかというのは、典型的な公共財、純粋公共財と言われている。この純粋公共財とは何ぞやということですけれども、これは複数の者が同時に消費可能であるという性質、非競合性と、対価を支払わない者でも消費できるという性質、非排除性を併せ持った財・サービスとして定義をされている。私はさように認識しているんですが、まず、この定義というのは、認識は間違いないかどうか、そこをお伺いしたいと思います。まず、土居参考人、金子参考人、お願いします。
この発言だけを見る →四名の参考人の先生方には、大変示唆に富む、そして貴重な、それぞれのお立場からの御意見の開陳をいただきました。まず、心より感謝申し上げます。
戦後日本において、我が国の防衛、そしてそれに係る財源について真っ正面から議論が行われる、今まさに私はその場に立っているわけで、これは、今を生きる者の責任として、次の世代にもどういう形の日本を残していくかという部分で非常に重要な議論をまさに行っている、そのように考えています。
そういった中で、今日の参考人の皆様への質疑で一体どのような質疑を行えばいいのかというのは、非常に、この質疑の登板が決まったときから思い悩んでまいりました。真っ正面から法案について質疑をすべきか、いやいや、そうではなくて、もっとそもそも論のところから話をしようか。今、むしろそのような方向で、まずそもそも論から話をしていきたい、そのように考えてございます。よろしくお願いします。
まず、土居先生とそれから金子先生、お二方、経済学の御専門ということでお聞きをしたいんですが、そもそも、国防ということ、我が国流でいうと防衛ということになるんですが、公共経済学というカテゴリーの中では、国防に係る装備だとかというのは、典型的な公共財、純粋公共財と言われている。この純粋公共財とは何ぞやということですけれども、これは複数の者が同時に消費可能であるという性質、非競合性と、対価を支払わない者でも消費できるという性質、非排除性を併せ持った財・サービスとして定義をされている。私はさように認識しているんですが、まず、この定義というのは、認識は間違いないかどうか、そこをお伺いしたいと思います。まず、土居参考人、金子参考人、お願いします。
土
土居丈朗#12
○土居参考人 お答え申し上げます。
津島先生の高い見識がお示しされたと私も思っておりまして、まさにそのとおりでございます。
特に、国防については、必ずしも自分自身が税などでの負担をしなくても、安全保障によって、その国の中で生命と財産が守られるということはあります。もちろん、一々、国防、安全保障によってもたらされる便益を、その便益に応じて負担を求めるということはなかなか難しいところがございますので、そういう意味では、幅広く財政運営の中で財源を捻出して、そして、必ずしも直接その便益と一対一でひもづいているわけではないけれども、みんなで財源を負担して、そしてみんなで便益を享受していくというものにおいては、まさに安全保障というのは非常に重要な純粋公共財であるというふうに思っております。
この発言だけを見る →津島先生の高い見識がお示しされたと私も思っておりまして、まさにそのとおりでございます。
特に、国防については、必ずしも自分自身が税などでの負担をしなくても、安全保障によって、その国の中で生命と財産が守られるということはあります。もちろん、一々、国防、安全保障によってもたらされる便益を、その便益に応じて負担を求めるということはなかなか難しいところがございますので、そういう意味では、幅広く財政運営の中で財源を捻出して、そして、必ずしも直接その便益と一対一でひもづいているわけではないけれども、みんなで財源を負担して、そしてみんなで便益を享受していくというものにおいては、まさに安全保障というのは非常に重要な純粋公共財であるというふうに思っております。
金
金子勝#13
○金子参考人 財政学の一般的な定義としては、津島先生のおっしゃるとおりです。
ただ、大砲かバターかとかいういろいろな問題があるように、国民の合意の下にしっかりと負担がどうあるべきかを考えるべきであって、別段、その定義は全体の金額を決めるわけではないということをあらかじめ申し添えたいというふうに思います。
以上です。
この発言だけを見る →ただ、大砲かバターかとかいういろいろな問題があるように、国民の合意の下にしっかりと負担がどうあるべきかを考えるべきであって、別段、その定義は全体の金額を決めるわけではないということをあらかじめ申し添えたいというふうに思います。
以上です。
津
津島淳#14
○津島委員 ありがとうございます。
広く国民にとって便益がもたらされる重要な分野というのが国防であると。一方で、国民的な合意というものが大事であるとの金子先生の御示唆もありました。
その国民的合意というのはどういったことでもたらされるのか。これは我々政治家の役目としては非常に大きいものがあると思うのですが、やはり、安全保障、あるいは平和を守るということは、これはどういう立場にあるにせよ、みんな同じ思いでこの場にいるはずです、国会という場に。国民のものである国会にいるわけですね。では、その平和を達成するためにやはりあらゆる努力というのが日々行われていて、そこには当然コストというものが発生して、それを何がしかの形で負担をしていただくというのが大前提であると思います。
その負担というものをよりちょっと深掘りしていくと、じゃ、税の世界で、負担能力による応能負担によるのか、あるいは、便益を受けた者がその便益を受けた程度に応じて負担をする応益課税によるのか。その二つの考え方に立った場合、安全保障、国防に関しては、一体に世界各国は応能負担でやっている、そういうふうに考えます。
一方で、国民的合意の基となるのは、平和を達成するための障害となるリスクというもの、これを客観的に評価をし、そのコストというのはどのぐらいなのかということをきちっと明示をしていくということも極めて大事なことだと思っております。
そこで、リスクということで、この点について、末澤参考人、柳澤参考人、お二方から、それぞれの立場からの御意見の開陳があって、少し補完的にお尋ねしたいことがあります。
まず、台湾有事に関して。私、一つ考えておかねばならぬことは、いざ事が起きたときに、台湾から避難してくる方が当然に日本に来るわけですね。なぜそのことを思うのかというのが、まさにロシアによるウクライナ侵攻があったとき、多くの避難民の方が、まず隣国ポーランド、そこからヨーロッパ各国、そして日本にも来ているという現実があった。
実は私、昨年四月、そのウクライナ避難民の状況を、当時、政府、法務省に副大臣としておりましたので、林総理特使の随行という形でポーランドに行っていろいろ調査をした。そういう経験があって、あのとき感じたことは、ポーランドが一番の避難民の受入れ国であって、巨額の財政負担というものを、これはある意味、国民の間で今もって、合意は得られた形になっています、しかし、やはり一部でも、巨額の財政負担はどうなのかという意見も出てきております。そして、ヨーロッパ各国においては、避難民の受入れの人数であるとか、それからウクライナからの距離で、やはりその考え方に温度差があるようにも受け止めています。そして、歴史的にロシアとの関係で、様々、第二次世界大戦、歴史があった国では、よりウクライナに協力的なのだなということも感じております。
さて、じゃ、台湾有事というときに、その避難民ということを考えたときに、どうしたって日本に来るであろう避難民の方を、これは人道的には受け入れざるを得ないと思います。そして、その方々を、単に、避難をしてきた、助けを求めてきた人として受け入れて物を与え続けるということでは、本当の支援ということでは私はないと思っていて、やはり自立ということを考え、いずれかの職に就いていただくとか、当面の間は、自分で物を買うという、ある意味生活する上で基本的な行動というものをやっていただくために現金支給ということをやっていかなければいけないなどといろいろ対策を考えるときに、財政的な負担がかかってくるということがあります。これは日本として、まず台湾有事に関して私は考えておかなければいけないことであろうと思っています。
もう一つは、自然災害リスクということは、これは当然に、日本国内の固有のリスクとして評価をしておかなければいけないし、そこでも財政負担というのは生じる。
以上の私の考え方について、末澤参考人それから柳澤参考人から、それぞれ御見解をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →広く国民にとって便益がもたらされる重要な分野というのが国防であると。一方で、国民的な合意というものが大事であるとの金子先生の御示唆もありました。
その国民的合意というのはどういったことでもたらされるのか。これは我々政治家の役目としては非常に大きいものがあると思うのですが、やはり、安全保障、あるいは平和を守るということは、これはどういう立場にあるにせよ、みんな同じ思いでこの場にいるはずです、国会という場に。国民のものである国会にいるわけですね。では、その平和を達成するためにやはりあらゆる努力というのが日々行われていて、そこには当然コストというものが発生して、それを何がしかの形で負担をしていただくというのが大前提であると思います。
その負担というものをよりちょっと深掘りしていくと、じゃ、税の世界で、負担能力による応能負担によるのか、あるいは、便益を受けた者がその便益を受けた程度に応じて負担をする応益課税によるのか。その二つの考え方に立った場合、安全保障、国防に関しては、一体に世界各国は応能負担でやっている、そういうふうに考えます。
一方で、国民的合意の基となるのは、平和を達成するための障害となるリスクというもの、これを客観的に評価をし、そのコストというのはどのぐらいなのかということをきちっと明示をしていくということも極めて大事なことだと思っております。
そこで、リスクということで、この点について、末澤参考人、柳澤参考人、お二方から、それぞれの立場からの御意見の開陳があって、少し補完的にお尋ねしたいことがあります。
まず、台湾有事に関して。私、一つ考えておかねばならぬことは、いざ事が起きたときに、台湾から避難してくる方が当然に日本に来るわけですね。なぜそのことを思うのかというのが、まさにロシアによるウクライナ侵攻があったとき、多くの避難民の方が、まず隣国ポーランド、そこからヨーロッパ各国、そして日本にも来ているという現実があった。
実は私、昨年四月、そのウクライナ避難民の状況を、当時、政府、法務省に副大臣としておりましたので、林総理特使の随行という形でポーランドに行っていろいろ調査をした。そういう経験があって、あのとき感じたことは、ポーランドが一番の避難民の受入れ国であって、巨額の財政負担というものを、これはある意味、国民の間で今もって、合意は得られた形になっています、しかし、やはり一部でも、巨額の財政負担はどうなのかという意見も出てきております。そして、ヨーロッパ各国においては、避難民の受入れの人数であるとか、それからウクライナからの距離で、やはりその考え方に温度差があるようにも受け止めています。そして、歴史的にロシアとの関係で、様々、第二次世界大戦、歴史があった国では、よりウクライナに協力的なのだなということも感じております。
さて、じゃ、台湾有事というときに、その避難民ということを考えたときに、どうしたって日本に来るであろう避難民の方を、これは人道的には受け入れざるを得ないと思います。そして、その方々を、単に、避難をしてきた、助けを求めてきた人として受け入れて物を与え続けるということでは、本当の支援ということでは私はないと思っていて、やはり自立ということを考え、いずれかの職に就いていただくとか、当面の間は、自分で物を買うという、ある意味生活する上で基本的な行動というものをやっていただくために現金支給ということをやっていかなければいけないなどといろいろ対策を考えるときに、財政的な負担がかかってくるということがあります。これは日本として、まず台湾有事に関して私は考えておかなければいけないことであろうと思っています。
もう一つは、自然災害リスクということは、これは当然に、日本国内の固有のリスクとして評価をしておかなければいけないし、そこでも財政負担というのは生じる。
以上の私の考え方について、末澤参考人それから柳澤参考人から、それぞれ御見解をいただきたいと思います。
末
末澤豪謙#15
○末澤参考人 よろしくお願いします。
まず、台湾有事に関しまして、本日御用意しましたペーパーの三十六ページに、これはアメリカの政府及びOBの発言を網羅しておりますが、相当な方々が、台湾有事、二〇二七年に比べて可能性はあるということを言っています。ただ、これはウクライナ戦争の際も、ニューヨーク・タイムズが報道、ワシントン・タイムズですかね、が報道したように、事前にこういう発言をすることで抑止をするという面もあると思いますので、実際に確率はどこまで高いかは分かりません。ただし、相当可能性がある。逆に言えば、これは避けなきゃいけないということでこういう発言が出ていることを考えると、それに対応することは我が国は必要だと。
実は、おっしゃるとおり、仮に起きた場合、やはり島が近い沖縄県に相当な方が来るのは間違いないということで、そういったシナリオも、事前には、水面下においても考えておく必要はあるんだろうと思います。
一方で、自然災害。これは、気候変動の問題でスーパー台風等の発生が今後予想されるとともに、我が国独自の問題として、巨大地震、火山噴火の問題もございます。いわゆる南海トラフ地震、これは三十年内の発生確率が約七五%程度、首都直下型地震も三十年内の確率が七〇%というふうに試算されておりまして、だからすぐ来るということではないんですけれども、仮に起きたら、これは相当な被害を受ける。やはり、防災、減災の観点からもこの備えは必要である。
ということで、逆に言えば、相当次元の異なるワイズスペンディングをやって、いわゆるバッファーをつくっていくということが私はやはり必要だろう、これは防衛力の強化においても、全ての面でそうかと思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →まず、台湾有事に関しまして、本日御用意しましたペーパーの三十六ページに、これはアメリカの政府及びOBの発言を網羅しておりますが、相当な方々が、台湾有事、二〇二七年に比べて可能性はあるということを言っています。ただ、これはウクライナ戦争の際も、ニューヨーク・タイムズが報道、ワシントン・タイムズですかね、が報道したように、事前にこういう発言をすることで抑止をするという面もあると思いますので、実際に確率はどこまで高いかは分かりません。ただし、相当可能性がある。逆に言えば、これは避けなきゃいけないということでこういう発言が出ていることを考えると、それに対応することは我が国は必要だと。
実は、おっしゃるとおり、仮に起きた場合、やはり島が近い沖縄県に相当な方が来るのは間違いないということで、そういったシナリオも、事前には、水面下においても考えておく必要はあるんだろうと思います。
一方で、自然災害。これは、気候変動の問題でスーパー台風等の発生が今後予想されるとともに、我が国独自の問題として、巨大地震、火山噴火の問題もございます。いわゆる南海トラフ地震、これは三十年内の発生確率が約七五%程度、首都直下型地震も三十年内の確率が七〇%というふうに試算されておりまして、だからすぐ来るということではないんですけれども、仮に起きたら、これは相当な被害を受ける。やはり、防災、減災の観点からもこの備えは必要である。
ということで、逆に言えば、相当次元の異なるワイズスペンディングをやって、いわゆるバッファーをつくっていくということが私はやはり必要だろう、これは防衛力の強化においても、全ての面でそうかと思います。
以上でございます。
柳
柳澤協二#16
○柳澤参考人 台湾有事の際の避難民の受入れのようなことは、これは当然やらなければいけないことだと思います。
そこで考えなければいけないのは、これは実は、政府の文書の中でも南西諸島の住民避難の問題意識が述べられているわけですけれども、しからばどこに避難させるかというときに、現在のコンセプトでは、沖縄本島も実は安全とは言えないので、九州まで避難させるというようなことが住民の場合は言われています。これは実は、離島の住民だけではなくて、そこにいる外国人であろうと観光客であろうと、やらなければいけないこと。台湾から避難される方がおられるとすれば、それも基本的には同じような扱いにしなければいけない。
ただ、問題はやはり、長期化する場合に、そして、戦闘が終わってすぐに帰って生活が再建できないときにどこまで生活保障的なことを考えていくかというのは、これはそのときの判断だと思うんですが、そういうことも踏まえて、そういうところにお金がかかるのは当然であります。
ただ、私は、それだけでは済まない、つまり、避難したからそれでいいよねというわけにはいかないので、だから、そういう危機的な事態にならないような前広な外交努力を大いにやることこそが政治に期待される一番大きな役割ではないかということを申し上げたいと思っているわけであります。
この発言だけを見る →そこで考えなければいけないのは、これは実は、政府の文書の中でも南西諸島の住民避難の問題意識が述べられているわけですけれども、しからばどこに避難させるかというときに、現在のコンセプトでは、沖縄本島も実は安全とは言えないので、九州まで避難させるというようなことが住民の場合は言われています。これは実は、離島の住民だけではなくて、そこにいる外国人であろうと観光客であろうと、やらなければいけないこと。台湾から避難される方がおられるとすれば、それも基本的には同じような扱いにしなければいけない。
ただ、問題はやはり、長期化する場合に、そして、戦闘が終わってすぐに帰って生活が再建できないときにどこまで生活保障的なことを考えていくかというのは、これはそのときの判断だと思うんですが、そういうことも踏まえて、そういうところにお金がかかるのは当然であります。
ただ、私は、それだけでは済まない、つまり、避難したからそれでいいよねというわけにはいかないので、だから、そういう危機的な事態にならないような前広な外交努力を大いにやることこそが政治に期待される一番大きな役割ではないかということを申し上げたいと思っているわけであります。
津
津島淳#17
○津島委員 ありがとうございます。
末澤参考人から、次元の異なるワイズスペンディングということが大事であると。ということは、きちっとリスクに対応するために、それに係る予算というのをきちっと見積もる上で、そのリスク評価というのはやはり大事なことである。
そして、そういう御指摘があって、それから柳澤参考人から、その事態に至らしめないための外交努力、これはもちろん私はすごく大事なことであって、現実的なリスクに対していかなる備えをするのかということをやりつつ、やはり外交努力ということをやらなきゃいけない。
その面では、この三年間というのは、我々国会議員、政府においてもそうでしたけれども、直接対面での対話ということの機会が得られなかったというのは非常に、そういう意味では、単に三年という時間を超えたロスというのが私はあったと思っております。しかし、今からこのコロナの状況を踏まえて外交努力というのをしっかりやっていく必要があるというのは、当然に認識をしております。
さて、その上で、きちっとリスク評価をして、その上で、備えのための予算というものをどのように負担していくかということを国民の皆様にきちっと説明をしていくということになってくるわけです。
先ほど、基本的に応能課税で賄われているということを申し上げました。この応能課税によって防衛財源は基本的に私は賄われるべきであると思っておりますし、そのためには、制度設計として、税制の中立性だとかそれから公平性といった租税原則を勘案しつつ、個人の担税力というものを端的に反映する課税ベース、所得とか消費とか、そして、対象を個人にするのか法人にするのかということを選択して税率を決定すべきと考えております。理論的にはそうなんです。
そして、新たな負担というものをお願いしなければいけないときに、その新たな負担というのをいつから始めるか、どのような形で行うかということも、これは極めて慎重にその実施するタイミング等を計っていかなければいけないということも当然にあります。
しかし、そもそもの話として、税によって賄われるべきだという私の考え方について、これは土居参考人、そして末澤参考人、お二人にお聞きをしたいと思います。
この発言だけを見る →末澤参考人から、次元の異なるワイズスペンディングということが大事であると。ということは、きちっとリスクに対応するために、それに係る予算というのをきちっと見積もる上で、そのリスク評価というのはやはり大事なことである。
そして、そういう御指摘があって、それから柳澤参考人から、その事態に至らしめないための外交努力、これはもちろん私はすごく大事なことであって、現実的なリスクに対していかなる備えをするのかということをやりつつ、やはり外交努力ということをやらなきゃいけない。
その面では、この三年間というのは、我々国会議員、政府においてもそうでしたけれども、直接対面での対話ということの機会が得られなかったというのは非常に、そういう意味では、単に三年という時間を超えたロスというのが私はあったと思っております。しかし、今からこのコロナの状況を踏まえて外交努力というのをしっかりやっていく必要があるというのは、当然に認識をしております。
さて、その上で、きちっとリスク評価をして、その上で、備えのための予算というものをどのように負担していくかということを国民の皆様にきちっと説明をしていくということになってくるわけです。
先ほど、基本的に応能課税で賄われているということを申し上げました。この応能課税によって防衛財源は基本的に私は賄われるべきであると思っておりますし、そのためには、制度設計として、税制の中立性だとかそれから公平性といった租税原則を勘案しつつ、個人の担税力というものを端的に反映する課税ベース、所得とか消費とか、そして、対象を個人にするのか法人にするのかということを選択して税率を決定すべきと考えております。理論的にはそうなんです。
そして、新たな負担というものをお願いしなければいけないときに、その新たな負担というのをいつから始めるか、どのような形で行うかということも、これは極めて慎重にその実施するタイミング等を計っていかなければいけないということも当然にあります。
しかし、そもそもの話として、税によって賄われるべきだという私の考え方について、これは土居参考人、そして末澤参考人、お二人にお聞きをしたいと思います。
土
土居丈朗#18
○土居参考人 お答え申し上げます。
まさに、基本的には税である。もちろん、増税する前にすることがあるだろうという話もございますから、無駄な支出があるならばそれは抑えて、そして、そこで財源が浮くならばそれも新たな経費の増額に充当していくということは大事なことだと思いますが。
元々は、そもそも、歳出削減によって確保できた財源というのは、国民が負担した税金によって賄われることになったであろう歳出だったわけなので、元をたどれば、歳出削減も、税で国民がその財源を負担しているというところに、元がそこにたどり着けるということになりますから、結局は、もちろん決算剰余金も、元をたどればといえば、税金である。
もちろん、一時的に国債を発行するということがあったとしても、それはいずれ国債を償還するときには税で賄われるということになりますから、タイミングがずれていたとしても、いずれかの時期において国民が税金で負担をするということになるという意味においては、すべからく国民の税である。
もちろん、税という形以外の負担の仕方というのは、それはそれとして別途あったとしても、一般名詞で言うところの税という形で、何らかの形で、法律に裏づけられた形で国民に御負担をお願いするということが財源の根源であるというふうに考えております。
この発言だけを見る →まさに、基本的には税である。もちろん、増税する前にすることがあるだろうという話もございますから、無駄な支出があるならばそれは抑えて、そして、そこで財源が浮くならばそれも新たな経費の増額に充当していくということは大事なことだと思いますが。
元々は、そもそも、歳出削減によって確保できた財源というのは、国民が負担した税金によって賄われることになったであろう歳出だったわけなので、元をたどれば、歳出削減も、税で国民がその財源を負担しているというところに、元がそこにたどり着けるということになりますから、結局は、もちろん決算剰余金も、元をたどればといえば、税金である。
もちろん、一時的に国債を発行するということがあったとしても、それはいずれ国債を償還するときには税で賄われるということになりますから、タイミングがずれていたとしても、いずれかの時期において国民が税金で負担をするということになるという意味においては、すべからく国民の税である。
もちろん、税という形以外の負担の仕方というのは、それはそれとして別途あったとしても、一般名詞で言うところの税という形で、何らかの形で、法律に裏づけられた形で国民に御負担をお願いするということが財源の根源であるというふうに考えております。
末
末澤豪謙#19
○末澤参考人 まず、御参考に申し上げますと、米国では、国防予算はちょっと違うんですが、義務的経費等の恒久的な増については、ペイ・アズ・ユー・ゴーということで、恒久的な財源、これは歳出カットか増税が必要だということでございます。
ただし、実は、今年一月にアメリカで下院、共和党が取りまして、共和党は新たに規則を改正しまして、カット・アズ・ユー・ゴーという原則をつくりました。これは税は駄目なんですね、新たな歳出増には全て歳出カットを充てなきゃいけない、こういうことで、相当厳しいものでございます。
私は日本でそこまでやるとは申し上げませんけれども、やはり、長期的な財源というのは、税なり長期的な歳出カット、つまり、五年後、十年後でも安定的なものである必要がある。ただし、今回これは急いでやる必要がありますので、短期的な対応と中長期的な対応は、別途、分けて考える必要があるんじゃないかと考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →ただし、実は、今年一月にアメリカで下院、共和党が取りまして、共和党は新たに規則を改正しまして、カット・アズ・ユー・ゴーという原則をつくりました。これは税は駄目なんですね、新たな歳出増には全て歳出カットを充てなきゃいけない、こういうことで、相当厳しいものでございます。
私は日本でそこまでやるとは申し上げませんけれども、やはり、長期的な財源というのは、税なり長期的な歳出カット、つまり、五年後、十年後でも安定的なものである必要がある。ただし、今回これは急いでやる必要がありますので、短期的な対応と中長期的な対応は、別途、分けて考える必要があるんじゃないかと考えております。
以上でございます。
津
津島淳#20
○津島委員 ありがとうございます。
そうなんですよね。直接的な税負担ということが、国民の皆さんからすれば負担ということに捉えられがちですけれども、歳出削減ということもある意味許容していただくということは、何がしかやはりそこは負担をお願いするということになりますし、そこをやはり我々率直に国民の皆様に言えるかどうか、我々の覚悟が問われている、そういうときに今我々はいるのだということを再認識いたします。
そしてもう一つ、土居参考人からお話があった国債、特例公債について、これについて少し、あと五分ですので、これは全ての参考人の皆様にお聞きをしたいと思っております。防衛予算に特例公債を充てることについての是非ということになります。
我が国では、もう先生方も御承知のように、これまで特例公債の発行対象に防衛費を含めてこなかったということであります。これは昭和四十一年の当時の福田赳夫大蔵大臣の答弁などが端的に表しているわけです。
しかし一方で、理論的には、防衛装備品について物理的な耐用年数が認められると考えますし、政府は、それを調達した上で配備をし、それを自衛隊員等の資源と組み合わせて運用することで国民に防衛サービスというものを提供している、そういう考え方が成り立つんだと思います。それを前提とすると、防衛サービスのコストというのは、そのサービスの便益が生ずる期間にわたって負担されるべきという考え方が成り立つのではないかと思います。
そして、二〇〇九年二月に、国連の統計委員会で、国民経済計算をめぐる新しい国際基準、二〇〇八SNAというのがあります。ここでも、一年を超えて使用される防衛装備品が固定資本として扱われている。
こうした流れというのがあって、我が国でも、令和五年度予算では、一部防衛設備や防衛装備に建設国債を充てるということがなされたわけですね。
しかし、こうやって理論的には可能であるということが成り立つとする一方で、じゃ、実際に建設国債を充てるとして、そして固定資本として扱うとして、耐用年数をどう客観的に示すのかという実務的な課題。そして、我が国財政に対する圧迫要因というものにも当然なり得ますので、国際的な信認ということ。そして、いざというときの財源調達。ということは、例えば、自然災害が発生したときにどれだけ財政余力を残しておくのかという部分でも、これはやはり慎重にならざるを得ないだろう。そして、歴史に学ぶべきこと、歴史の教訓から得た今の財政法の規定というものも、我々は法に基づく法治国家でありますので、当然に尊重しなければいけないということであります。
ですので、理論的には可能であっても現実には難しいというのは私は思っていて、よって、まず、今回の法案のような、行財政改革によって財源を出していく。その中身についてはこれからまた国会で議論をしてまいりますけれども、国債については私はそういう考え方でおるんです。
この点について、最後に、多分これで最後の質疑になると思いますので、各参考人の先生方から御見解をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →そうなんですよね。直接的な税負担ということが、国民の皆さんからすれば負担ということに捉えられがちですけれども、歳出削減ということもある意味許容していただくということは、何がしかやはりそこは負担をお願いするということになりますし、そこをやはり我々率直に国民の皆様に言えるかどうか、我々の覚悟が問われている、そういうときに今我々はいるのだということを再認識いたします。
そしてもう一つ、土居参考人からお話があった国債、特例公債について、これについて少し、あと五分ですので、これは全ての参考人の皆様にお聞きをしたいと思っております。防衛予算に特例公債を充てることについての是非ということになります。
我が国では、もう先生方も御承知のように、これまで特例公債の発行対象に防衛費を含めてこなかったということであります。これは昭和四十一年の当時の福田赳夫大蔵大臣の答弁などが端的に表しているわけです。
しかし一方で、理論的には、防衛装備品について物理的な耐用年数が認められると考えますし、政府は、それを調達した上で配備をし、それを自衛隊員等の資源と組み合わせて運用することで国民に防衛サービスというものを提供している、そういう考え方が成り立つんだと思います。それを前提とすると、防衛サービスのコストというのは、そのサービスの便益が生ずる期間にわたって負担されるべきという考え方が成り立つのではないかと思います。
そして、二〇〇九年二月に、国連の統計委員会で、国民経済計算をめぐる新しい国際基準、二〇〇八SNAというのがあります。ここでも、一年を超えて使用される防衛装備品が固定資本として扱われている。
こうした流れというのがあって、我が国でも、令和五年度予算では、一部防衛設備や防衛装備に建設国債を充てるということがなされたわけですね。
しかし、こうやって理論的には可能であるということが成り立つとする一方で、じゃ、実際に建設国債を充てるとして、そして固定資本として扱うとして、耐用年数をどう客観的に示すのかという実務的な課題。そして、我が国財政に対する圧迫要因というものにも当然なり得ますので、国際的な信認ということ。そして、いざというときの財源調達。ということは、例えば、自然災害が発生したときにどれだけ財政余力を残しておくのかという部分でも、これはやはり慎重にならざるを得ないだろう。そして、歴史に学ぶべきこと、歴史の教訓から得た今の財政法の規定というものも、我々は法に基づく法治国家でありますので、当然に尊重しなければいけないということであります。
ですので、理論的には可能であっても現実には難しいというのは私は思っていて、よって、まず、今回の法案のような、行財政改革によって財源を出していく。その中身についてはこれからまた国会で議論をしてまいりますけれども、国債については私はそういう考え方でおるんです。
この点について、最後に、多分これで最後の質疑になると思いますので、各参考人の先生方から御見解をいただきたいと思います。
土
土居丈朗#21
○土居参考人 お答え申し上げます。
建設国債の考え方というのは、便益が将来にも及ぶということですので、その建設費を今の国民だけに税負担を強いるというのではなくて、恩恵を受けるであろう将来の国民にもその建設費の一部を御負担をお願いするという発想の下に定義されていると思います。もちろん、建設国債発行対象経費の定義というものは、歴史的経緯があっていろいろ定義が変わって、むしろ範囲は拡大する方向ではあるというふうに思います。
今回の防衛装備品にまつわる建設国債発行対象経費の定義の範囲の拡大というところは、私が聞いておりますのは、防衛目的でない施設などで既に建設国債発行対象経費になっているものが、防衛用であるということでもってそれは対象経費でなかったというものの整合性を取ったということが、今回の定義の改正だったというふうに承知しております。
ですから、その点においては、防衛目的であろうがなかろうが、国民に対して長年にわたり便益をもたらすということであれば、それは定義を統一して、防衛用であろうが民生用であろうが、同じように建設国債発行対象経費にするということは適当であるというふうに思います。
もちろん、不必要に国債を増発するということはやはり慎まなければならないということですから、赤字国債、特例公債については、しっかりと財源を税などで別途確保して、できるだけ特例公債の依存から脱却していけるような財政運営に心がけていただきたいなというふうには思っております。
この発言だけを見る →建設国債の考え方というのは、便益が将来にも及ぶということですので、その建設費を今の国民だけに税負担を強いるというのではなくて、恩恵を受けるであろう将来の国民にもその建設費の一部を御負担をお願いするという発想の下に定義されていると思います。もちろん、建設国債発行対象経費の定義というものは、歴史的経緯があっていろいろ定義が変わって、むしろ範囲は拡大する方向ではあるというふうに思います。
今回の防衛装備品にまつわる建設国債発行対象経費の定義の範囲の拡大というところは、私が聞いておりますのは、防衛目的でない施設などで既に建設国債発行対象経費になっているものが、防衛用であるということでもってそれは対象経費でなかったというものの整合性を取ったということが、今回の定義の改正だったというふうに承知しております。
ですから、その点においては、防衛目的であろうがなかろうが、国民に対して長年にわたり便益をもたらすということであれば、それは定義を統一して、防衛用であろうが民生用であろうが、同じように建設国債発行対象経費にするということは適当であるというふうに思います。
もちろん、不必要に国債を増発するということはやはり慎まなければならないということですから、赤字国債、特例公債については、しっかりと財源を税などで別途確保して、できるだけ特例公債の依存から脱却していけるような財政運営に心がけていただきたいなというふうには思っております。
末
末澤豪謙#22
○末澤参考人 現在、我が国では、国債の償還は六十年でございます。ただ一方で、原則、建設地方債であります。地方債の償還は三十年ということでございますので、ある面、三十年程度の償却年数があるものにつきましては、建設国債を充てるということは、考え方としてはあり得ると思います。
ただし、今日も申し上げましたように、我が国を取り巻く環境、また少子高齢化等を考えますと、将来的な歳出増要因が本当にすごいことになっている。やはり余裕があるときにバッファーをつくっていく、そのためには、なるべく国債の発行は抑えるということが基本的に必要だと考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →ただし、今日も申し上げましたように、我が国を取り巻く環境、また少子高齢化等を考えますと、将来的な歳出増要因が本当にすごいことになっている。やはり余裕があるときにバッファーをつくっていく、そのためには、なるべく国債の発行は抑えるということが基本的に必要だと考えております。
以上でございます。
柳
柳澤協二#23
○柳澤参考人 私は、現役の官僚であった頃には、財政法の原則というのは、国債で戦費を調達した反省を踏まえて、防衛の分野には使わない、そういう背景があって続けられてきたんだと思っています。ですから、それにチャレンジするようなことは全く考えておりませんでしたし、そして、本当にやっていこうとすると、実は、防衛装備品というのは、正しく本来の目的に従って使うことは、それは消耗することにつながるわけですね。
ですから、余り、私は、財源の便宜だけのためにこういう原則をいじるような議論は、個人の思いとして、していただきたくないと思っております。
この発言だけを見る →ですから、余り、私は、財源の便宜だけのためにこういう原則をいじるような議論は、個人の思いとして、していただきたくないと思っております。
金
金子勝#24
○金子参考人 歴史的な経緯から、臨時軍事費特別会計で国債を、赤字国債で軍事費が歯止めを失った。結果、最終的にはハイパーインフレになった。だから、そういうところから、赤字国債を避けなければいけないという歴史的教訓がある。
それを避けるために、では、国債費や基金という形で、ほとんど国会のチェックも利かないようなものを膨大に膨らませて、そこから決算剰余金やあるいは歳出改革でお金を出すというのは、迂回しただけで、赤字国債が出どころになっている可能性は十分にあるので、それをしっかり精査することが大事なんだと思うんです。
特に、予備費の金額は異常に膨張していますし、基金も膨張が異常ですし、中身はほとんど使途がチェックできないという状態であれば、赤字国債が出どころであろうがなかろうが、そのこと自身がまず間違いであるんですが、それが財源の裏づけとして赤字国債になってしまう可能性が非常に高い。
それから建設国債も、赤字国債と違って、本来ならば、経年でいろいろな、あと、効果が後年度で残る可能性があるんですが、軍事の場合には非常にセンシティブで、これがいわゆる歯止めを失って、建設国債ならば何でもいいということになったら、そういうことになってしまう可能性を秘めているのが一点と、それから経済効果という意味では、橋や道路と違って、普通の国民にとって、経済効果というのが見えにくいわけです。だから計測することが非常に困難であるという上で、なおかつ、外国製の武器を買ったときにそれがどういうふうに経済効果として及ぶのかということを考えたときに、建設国債であればいいという話にもならないような面をたくさん抱えているので、きちんと精査しなければいけないというのが私の意見であります。
以上です。
この発言だけを見る →それを避けるために、では、国債費や基金という形で、ほとんど国会のチェックも利かないようなものを膨大に膨らませて、そこから決算剰余金やあるいは歳出改革でお金を出すというのは、迂回しただけで、赤字国債が出どころになっている可能性は十分にあるので、それをしっかり精査することが大事なんだと思うんです。
特に、予備費の金額は異常に膨張していますし、基金も膨張が異常ですし、中身はほとんど使途がチェックできないという状態であれば、赤字国債が出どころであろうがなかろうが、そのこと自身がまず間違いであるんですが、それが財源の裏づけとして赤字国債になってしまう可能性が非常に高い。
それから建設国債も、赤字国債と違って、本来ならば、経年でいろいろな、あと、効果が後年度で残る可能性があるんですが、軍事の場合には非常にセンシティブで、これがいわゆる歯止めを失って、建設国債ならば何でもいいということになったら、そういうことになってしまう可能性を秘めているのが一点と、それから経済効果という意味では、橋や道路と違って、普通の国民にとって、経済効果というのが見えにくいわけです。だから計測することが非常に困難であるという上で、なおかつ、外国製の武器を買ったときにそれがどういうふうに経済効果として及ぶのかということを考えたときに、建設国債であればいいという話にもならないような面をたくさん抱えているので、きちんと精査しなければいけないというのが私の意見であります。
以上です。
塚
津
塚
山
山崎正恭#28
○山崎(正)委員 公明党の山崎正恭です。
本日は、参考人の皆様に御質問させていただきます。早速質問の方に入りたいと思います。
まず、土居参考人の方にお聞きしたいと思います。
「本法案に基づいて確保される税外収入等について、今年度だけでなく、年度を越えて、防衛力の整備に計画的・安定的に支出してゆくことが必要」というふうに、先生、資料の中にも書かれておりますが、私もそういうふうに考えます。
防衛力強化税外収入は、国有財産の処分などの税外収入であって、国会の決議を経た範囲のものとなりますが、通常の税外収入として扱うものと区分けすることになると思うんですけれども、その判断基準について、何か先生のお考えがあれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →本日は、参考人の皆様に御質問させていただきます。早速質問の方に入りたいと思います。
まず、土居参考人の方にお聞きしたいと思います。
「本法案に基づいて確保される税外収入等について、今年度だけでなく、年度を越えて、防衛力の整備に計画的・安定的に支出してゆくことが必要」というふうに、先生、資料の中にも書かれておりますが、私もそういうふうに考えます。
防衛力強化税外収入は、国有財産の処分などの税外収入であって、国会の決議を経た範囲のものとなりますが、通常の税外収入として扱うものと区分けすることになると思うんですけれども、その判断基準について、何か先生のお考えがあれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
土
土居丈朗#29
○土居参考人 お答え申し上げます。
今回の税外収入というのは、単年度で見ますと、過去になかなか例のないほどの大きな金額の税外収入ということになっております。もちろん、国有財産の売却だとかそういうものは、必ずしも今年度中にしなければならないというほどの必須性というのはないかもしれません。
だけれども、じゃ、令和六年度以降に売却できるとかというようなことになったとして、その売却収入が確実に防衛力強化のための財源に充てられるかどうかという保証は、今年度にコミットしない限り、来年度になったら来年度の事情でほかのものに使われるかもしれないという可能性があって、そうすると、元々その防衛力強化のために財源が必要だと言っていたところに穴が空いてしまうというようなことになりかねないということで、あらかじめ早期に今年度において手当てをして、それをきちんと収入として実現して確保して、それを防衛力強化資金という形でキープするということは、私は非常に適当な措置なのではないかというふうに思っております。
この発言だけを見る →今回の税外収入というのは、単年度で見ますと、過去になかなか例のないほどの大きな金額の税外収入ということになっております。もちろん、国有財産の売却だとかそういうものは、必ずしも今年度中にしなければならないというほどの必須性というのはないかもしれません。
だけれども、じゃ、令和六年度以降に売却できるとかというようなことになったとして、その売却収入が確実に防衛力強化のための財源に充てられるかどうかという保証は、今年度にコミットしない限り、来年度になったら来年度の事情でほかのものに使われるかもしれないという可能性があって、そうすると、元々その防衛力強化のために財源が必要だと言っていたところに穴が空いてしまうというようなことになりかねないということで、あらかじめ早期に今年度において手当てをして、それをきちんと収入として実現して確保して、それを防衛力強化資金という形でキープするということは、私は非常に適当な措置なのではないかというふうに思っております。