議院運営委員会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
令和五年二月二十七日(月曜日)
午後一時十分開会
─────────────
委員の異動
二月二十四日
辞任 補欠選任
吉井 章君 世耕 弘成君
二月二十七日
辞任 補欠選任
世耕 弘成君 吉井 章君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 石井 準一君
理 事
石田 昌宏君
馬場 成志君
渡辺 猛之君
勝部 賢志君
森本 真治君
佐々木さやか君
東 徹君
浜野 喜史君
仁比 聡平君
委 員
青木 一彦君
赤松 健君
加藤 明良君
梶原 大介君
神谷 政幸君
世耕 弘成君
友納 理緒君
山本 啓介君
山本佐知子君
吉井 章君
牧山ひろえ君
横沢 高徳君
窪田 哲也君
下野 六太君
清水 貴之君
田村 まみ君
委員以外の議員
議員 舩後 靖彦君
事務局側
事務総長 小林 史武君
事務次長 伊藤 文靖君
議事部長 八鍬 敬嗣君
委員部長 金子 真実君
参考人
日本銀行総裁候
補者
共立女子大学ビ
ジネス学部教授
・学部長 植田 和男君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本銀行総裁の任命同意に関する件
─────────────
この発言だけを見る →午後一時十分開会
─────────────
委員の異動
二月二十四日
辞任 補欠選任
吉井 章君 世耕 弘成君
二月二十七日
辞任 補欠選任
世耕 弘成君 吉井 章君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 石井 準一君
理 事
石田 昌宏君
馬場 成志君
渡辺 猛之君
勝部 賢志君
森本 真治君
佐々木さやか君
東 徹君
浜野 喜史君
仁比 聡平君
委 員
青木 一彦君
赤松 健君
加藤 明良君
梶原 大介君
神谷 政幸君
世耕 弘成君
友納 理緒君
山本 啓介君
山本佐知子君
吉井 章君
牧山ひろえ君
横沢 高徳君
窪田 哲也君
下野 六太君
清水 貴之君
田村 まみ君
委員以外の議員
議員 舩後 靖彦君
事務局側
事務総長 小林 史武君
事務次長 伊藤 文靖君
議事部長 八鍬 敬嗣君
委員部長 金子 真実君
参考人
日本銀行総裁候
補者
共立女子大学ビ
ジネス学部教授
・学部長 植田 和男君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本銀行総裁の任命同意に関する件
─────────────
石
石井準一#1
○委員長(石井準一君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。
まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
日本銀行総裁の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁候補者・共立女子大学ビジネス学部教授・学部長植田和男君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
日本銀行総裁の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁候補者・共立女子大学ビジネス学部教授・学部長植田和男君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
石
石
植
植田和男#4
○参考人(植田和男君) 植田でございます。
本日は、所信を述べる機会を賜り、大変光栄に存じます。
私は、内外の大学において、主にマクロ経済学、金融論、国際金融論の分野で研究と学生の指導に当たってまいりました。この間、平成十年から十七年までは、審議委員として日本銀行の政策決定と業務運営に参画いたしました。委員退任後はアカデミズムの世界に戻りましたが、日本銀行との関係では、金融研究所特別顧問などの立場でアドバイスを行ってまいりました。また、金融政策の理論や実践について、国際会議などの場で、内外の学者だけでなく、海外中央銀行関係者、市場関係者等の実務家とも議論を行ってまいりました。
まず、金融政策についての私の考え方を述べたいと思います。
金融政策は、景気と物価の現状と先行きの見通しに基づいて運営する必要があります。現在、我が国経済はコロナ禍から持ち直しているところですが、内外経済や金融市場をめぐる不確実性は極めて大きい状態です。消費者物価の上昇率は四%程度と、目標とする二%よりも高くなっていますが、その主因は輸入物価上昇によるコストプッシュであり、需要の強さによるものではありません。こうしたコストプッシュ要因は今後減衰すると見られることから、消費者物価の上昇率は来年度半ばにかけて二%を下回る水準に低下していくと考えられます。
金融政策の効果が発現するまでにはある程度時間が掛かります。金融政策の理論では、需要要因による物価上昇には予防的に対応して需要を抑制する一方、コストプッシュによる一時的なインフレ率の上昇には直ちには反応せず、基礎的な物価、基調的な物価の動向に反応するというのが標準的な対応です。そうでないと、金融引締めによって需要を減退させ、景気悪化とその後の物価低迷をもたらすことになってしまいます。
この点、我が国の基調的な物価上昇率は、需給ギャップの改善や中長期の予想インフレ率の上昇に伴って緩やかに上昇していくと考えられますが、二%を持続的、安定的に実現するまでにはなお時間を要すると見られます。
こうした経済・物価情勢の現状や先行きの見通しに鑑みれば、現在、日本銀行が行っている金融政策は適切であると考えています。金融緩和を継続し、経済をしっかりと支えることで、企業が賃上げをできるような経済環境を整える必要があります。
もし日本銀行総裁としてお認めいただきましたならば、政府と密接に連携しながら、経済・物価情勢に応じて適切な政策を行い、経済界の取組や政府の諸施策とも相まって、構造的に賃金が上がる状況をつくり上げるとともに、一時的ではなく、持続的、安定的な形で物価の安定を実現したいと考えています。
次に、日本銀行の金融政策について、やや長いタイムスパンでお話ししたいと思います。
私が審議委員に就任した平成十年当時、日本経済は、バブル崩壊から金融危機を経て、デフレに突入していたところでした。一方で、政策金利は既に〇・五%を下回っており、通常の金融政策の範囲では緩和の余地はほとんど残されていませんでした。このため、日本銀行は、ゼロ金利政策、時間軸政策、量的緩和政策など、非伝統的な金融政策を世界で初めて次々に導入いたしました。
私は、これらの立案過程に、ほかの政策委員と相談しながら、主に理論面から参画いたしました。このうちの幾つか、例えば時間軸政策は、その後、欧米の中央銀行でフォワードガイダンスとして採用されるなど、世界の金融政策の標準にもなっていきました。
私が審議委員を退任した後も、日本銀行は、量的・質的金融緩和、マイナス金利政策、イールドカーブコントロールなどを採用し、世界でも、また歴史的にも大規模な金融緩和を実施してきました。これらは、実質金利の押し下げを通じて、企業収益や雇用の改善などに貢献し、デフレではない状況をつくり上げたと考えています。
一方で、様々な副作用も生じていますが、先ほどお話しした経済・物価情勢を踏まえますと、二%の物価安定の目標の実現にとって必要かつ適切な手法であると思います。今後とも、情勢に応じて工夫を凝らしながら、金融緩和を継続することが適切であると考えます。
これまで日本銀行が実施してきた金融緩和の成果をしっかりと継承し、新日銀法施行以来二十五年間、日本銀行にとっても、また私自身にとっても、積年の課題であった物価安定の達成というミッションの総仕上げを行う五年間としたいと考えております。
以上、金融政策についてお話ししましたが、日本銀行のもう一つの重要な責務は金融システムの安定であり、我が国経済にとって金融仲介機能が円滑に発揮されることは極めて重要です。人口減少など、我が国の金融機関、金融システムを取り巻く環境が厳しさを増す中、この面でも適切な施策を実施してまいります。また、銀行券の発行と流通、決済システムの運営、国庫金に関する業務など、いずれも国民経済に必要不可欠のものです。
そうした社会インフラを安定的に運営していくために、日本銀行の約五千人の職員と力を合わせて日々業務に当たってまいりたいと考えております。
どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、所信を述べる機会を賜り、大変光栄に存じます。
私は、内外の大学において、主にマクロ経済学、金融論、国際金融論の分野で研究と学生の指導に当たってまいりました。この間、平成十年から十七年までは、審議委員として日本銀行の政策決定と業務運営に参画いたしました。委員退任後はアカデミズムの世界に戻りましたが、日本銀行との関係では、金融研究所特別顧問などの立場でアドバイスを行ってまいりました。また、金融政策の理論や実践について、国際会議などの場で、内外の学者だけでなく、海外中央銀行関係者、市場関係者等の実務家とも議論を行ってまいりました。
まず、金融政策についての私の考え方を述べたいと思います。
金融政策は、景気と物価の現状と先行きの見通しに基づいて運営する必要があります。現在、我が国経済はコロナ禍から持ち直しているところですが、内外経済や金融市場をめぐる不確実性は極めて大きい状態です。消費者物価の上昇率は四%程度と、目標とする二%よりも高くなっていますが、その主因は輸入物価上昇によるコストプッシュであり、需要の強さによるものではありません。こうしたコストプッシュ要因は今後減衰すると見られることから、消費者物価の上昇率は来年度半ばにかけて二%を下回る水準に低下していくと考えられます。
金融政策の効果が発現するまでにはある程度時間が掛かります。金融政策の理論では、需要要因による物価上昇には予防的に対応して需要を抑制する一方、コストプッシュによる一時的なインフレ率の上昇には直ちには反応せず、基礎的な物価、基調的な物価の動向に反応するというのが標準的な対応です。そうでないと、金融引締めによって需要を減退させ、景気悪化とその後の物価低迷をもたらすことになってしまいます。
この点、我が国の基調的な物価上昇率は、需給ギャップの改善や中長期の予想インフレ率の上昇に伴って緩やかに上昇していくと考えられますが、二%を持続的、安定的に実現するまでにはなお時間を要すると見られます。
こうした経済・物価情勢の現状や先行きの見通しに鑑みれば、現在、日本銀行が行っている金融政策は適切であると考えています。金融緩和を継続し、経済をしっかりと支えることで、企業が賃上げをできるような経済環境を整える必要があります。
もし日本銀行総裁としてお認めいただきましたならば、政府と密接に連携しながら、経済・物価情勢に応じて適切な政策を行い、経済界の取組や政府の諸施策とも相まって、構造的に賃金が上がる状況をつくり上げるとともに、一時的ではなく、持続的、安定的な形で物価の安定を実現したいと考えています。
次に、日本銀行の金融政策について、やや長いタイムスパンでお話ししたいと思います。
私が審議委員に就任した平成十年当時、日本経済は、バブル崩壊から金融危機を経て、デフレに突入していたところでした。一方で、政策金利は既に〇・五%を下回っており、通常の金融政策の範囲では緩和の余地はほとんど残されていませんでした。このため、日本銀行は、ゼロ金利政策、時間軸政策、量的緩和政策など、非伝統的な金融政策を世界で初めて次々に導入いたしました。
私は、これらの立案過程に、ほかの政策委員と相談しながら、主に理論面から参画いたしました。このうちの幾つか、例えば時間軸政策は、その後、欧米の中央銀行でフォワードガイダンスとして採用されるなど、世界の金融政策の標準にもなっていきました。
私が審議委員を退任した後も、日本銀行は、量的・質的金融緩和、マイナス金利政策、イールドカーブコントロールなどを採用し、世界でも、また歴史的にも大規模な金融緩和を実施してきました。これらは、実質金利の押し下げを通じて、企業収益や雇用の改善などに貢献し、デフレではない状況をつくり上げたと考えています。
一方で、様々な副作用も生じていますが、先ほどお話しした経済・物価情勢を踏まえますと、二%の物価安定の目標の実現にとって必要かつ適切な手法であると思います。今後とも、情勢に応じて工夫を凝らしながら、金融緩和を継続することが適切であると考えます。
これまで日本銀行が実施してきた金融緩和の成果をしっかりと継承し、新日銀法施行以来二十五年間、日本銀行にとっても、また私自身にとっても、積年の課題であった物価安定の達成というミッションの総仕上げを行う五年間としたいと考えております。
以上、金融政策についてお話ししましたが、日本銀行のもう一つの重要な責務は金融システムの安定であり、我が国経済にとって金融仲介機能が円滑に発揮されることは極めて重要です。人口減少など、我が国の金融機関、金融システムを取り巻く環境が厳しさを増す中、この面でも適切な施策を実施してまいります。また、銀行券の発行と流通、決済システムの運営、国庫金に関する業務など、いずれも国民経済に必要不可欠のものです。
そうした社会インフラを安定的に運営していくために、日本銀行の約五千人の職員と力を合わせて日々業務に当たってまいりたいと考えております。
どうもありがとうございました。
石
勝
勝部賢志#6
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志でございます。植田参考人、どうぞよろしくお願いいたします。
時間が限られておりますので早速質問させていただきますが、今回、植田参考人が日銀の総裁候補ということでノミネートをされたこと、恐らく御自身も相当に悩まれたのではないかというふうに思います。大蔵省や財務省や日銀のOBならいざ知らず、植田参考人はまさにきっすいの民間人ということで、大学の学者さんでありましたから、そういう意味では初めての総裁候補なわけであります。今の内外の社会情勢は非常に厳しい状況で、先行きも芳しくありませんし、また、日銀がこの十年、猪突猛進してきたこれを修正あるいは是正をしていくということがあるとすれば、まあ並大抵なことではないわけで、まさに清水の舞台から飛び降りるようなお気持ちで決断をされたのではないかというふうに私は考えています。
今、所信をお伺いいたしましたけれども、その所信の中にはその辺りの御決断に至る核心部分については触れられておりませんでしたので、もう少しその辺の思いといいましょうか、もしお悩みがあったらそのことも含めてお聞かせをいただけたらと思います。
この発言だけを見る →時間が限られておりますので早速質問させていただきますが、今回、植田参考人が日銀の総裁候補ということでノミネートをされたこと、恐らく御自身も相当に悩まれたのではないかというふうに思います。大蔵省や財務省や日銀のOBならいざ知らず、植田参考人はまさにきっすいの民間人ということで、大学の学者さんでありましたから、そういう意味では初めての総裁候補なわけであります。今の内外の社会情勢は非常に厳しい状況で、先行きも芳しくありませんし、また、日銀がこの十年、猪突猛進してきたこれを修正あるいは是正をしていくということがあるとすれば、まあ並大抵なことではないわけで、まさに清水の舞台から飛び降りるようなお気持ちで決断をされたのではないかというふうに私は考えています。
今、所信をお伺いいたしましたけれども、その所信の中にはその辺りの御決断に至る核心部分については触れられておりませんでしたので、もう少しその辺の思いといいましょうか、もしお悩みがあったらそのことも含めてお聞かせをいただけたらと思います。
植
植田和男#7
○参考人(植田和男君) ありがとうございます。
あえて申し上げるといたしますと、かいつまんで申し上げれば、委員おっしゃいますように、非常に誰がやっても難しい、厳しい状況である、それがかえって私にとっては非常にチャレンジングな仕事であるというふうに思いまして、過去の日銀での政策担当の経験、学者での経験を生かしてそのチャレンジングな課題に挑んでみたいという一点でございます。
この発言だけを見る →あえて申し上げるといたしますと、かいつまんで申し上げれば、委員おっしゃいますように、非常に誰がやっても難しい、厳しい状況である、それがかえって私にとっては非常にチャレンジングな仕事であるというふうに思いまして、過去の日銀での政策担当の経験、学者での経験を生かしてそのチャレンジングな課題に挑んでみたいという一点でございます。
勝
勝部賢志#8
○勝部賢志君 非常に端的にお答えをいただいて。
そのチャレンジ精神というのは、実は二〇一一年に日経新聞に植田参考人のインタビュー記事が全五回にわたって掲載をされています。その中に御自身のお言葉で、「理論と政策を行き来する」という、これはその連載の題名なんですけど、その中で御自身が、生の経済の動きを理論に反映させる、逆に理論を政策に生かそうとしたりする動きをもっと広げるべきではないかということが一貫した問題意識だというふうにおっしゃっておられます。
それを体現されるかのように、一九八五年、旧大蔵省ですけれども、財政金融研究所の主任研究員を始め、その後、日銀の調査統計局の客員でお仕事をされたり、あるいは日銀の審議委員、それから金融研究所の特別顧問、そして日本政策投資銀行の社外取締役にも就任をされてきています。まさに象牙の塔にこもり続けた学者ではないということは言うまでもないことでありますが、現場のエピソードなどを交え、さぞかし興味深い、面白い講義を大学ではされているのではないかというふうに思ったところであります。
以下、衆議院での質疑もございましたし、今の所信もありましたんですけれども、もう少し詳しく踏み込んでお話を聞きたいと思いますので、是非私どもにも分かりやすく御答弁をいただけたらと思います。
そこで、まず初めにお尋ねしたいのは、物価安定目標二%の根拠についてであります。
政府と日銀の共同声明の根幹であり、アベノミクスを始めとした全ての政策の正当性の根拠とされてきたのがこの物価安定目標二%の実現ということでありました。しかし、この十年間、黒田総裁の答弁では先進各国と同様の二%という答弁が繰り返されておりまして、植田参考人も先日の衆議院の質疑ではほぼ同様のお答えをされたというふうに承知をしております。
しかし、なぜ二%なのかというのがここへ来て非常に疑問というか、のり代ということであれば例えば三%でもいいのではないかというふうに思うわけでありまして、なぜこの二%というのがあたかも金科玉条のように言われてきたのか、そのことについて、是非、理論的妥当性あるいは根拠について詳しくお答えをいただけたらと思います。
この発言だけを見る →そのチャレンジ精神というのは、実は二〇一一年に日経新聞に植田参考人のインタビュー記事が全五回にわたって掲載をされています。その中に御自身のお言葉で、「理論と政策を行き来する」という、これはその連載の題名なんですけど、その中で御自身が、生の経済の動きを理論に反映させる、逆に理論を政策に生かそうとしたりする動きをもっと広げるべきではないかということが一貫した問題意識だというふうにおっしゃっておられます。
それを体現されるかのように、一九八五年、旧大蔵省ですけれども、財政金融研究所の主任研究員を始め、その後、日銀の調査統計局の客員でお仕事をされたり、あるいは日銀の審議委員、それから金融研究所の特別顧問、そして日本政策投資銀行の社外取締役にも就任をされてきています。まさに象牙の塔にこもり続けた学者ではないということは言うまでもないことでありますが、現場のエピソードなどを交え、さぞかし興味深い、面白い講義を大学ではされているのではないかというふうに思ったところであります。
以下、衆議院での質疑もございましたし、今の所信もありましたんですけれども、もう少し詳しく踏み込んでお話を聞きたいと思いますので、是非私どもにも分かりやすく御答弁をいただけたらと思います。
そこで、まず初めにお尋ねしたいのは、物価安定目標二%の根拠についてであります。
政府と日銀の共同声明の根幹であり、アベノミクスを始めとした全ての政策の正当性の根拠とされてきたのがこの物価安定目標二%の実現ということでありました。しかし、この十年間、黒田総裁の答弁では先進各国と同様の二%という答弁が繰り返されておりまして、植田参考人も先日の衆議院の質疑ではほぼ同様のお答えをされたというふうに承知をしております。
しかし、なぜ二%なのかというのがここへ来て非常に疑問というか、のり代ということであれば例えば三%でもいいのではないかというふうに思うわけでありまして、なぜこの二%というのがあたかも金科玉条のように言われてきたのか、そのことについて、是非、理論的妥当性あるいは根拠について詳しくお答えをいただけたらと思います。
植
植田和男#9
○参考人(植田和男君) ありがとうございます。
私からは、こういうインフレ目標を決める際の背景にある考え方をちょっと御説明させていただければと思います。
のり代というお話もありましたし、それはもちろん目標決定の際の大事な要素でありますけれども、結局、根本的なところとしましては、物価安定を目指したい、つまり、物価という、物価安定という経済にとってのインフラを構築するという目標を立てたいということですので、ごくごく単純に申し上げますと、物価安定というのはゼロ%インフレのことだと思います。つまり、物事、お金を測る物差しがすごい不安定になっていると経済活動が円滑に行えない、その意味ではここが安定していた方がいいという意味で、物価安定の普通の、本来の定義は零%インフレであると思います。ここからずれればずれるほど、その面でコストが発生するというふうに普通考えます。
その一方で、別の要素といたしまして、物価指数の上方バイアスの話もありますが、より重要なものとして、先ほども出ましたのり代論があります。これは、おっしゃいましたように、インフレ率、インフレ目標が低い、中期的なインフレ率が余り低いとそれに対応した中期的な金利水準も低くなりまして、何かあったときに金利の下げ余地が少なくなる。ですから、そこをある程度確保するためにある程度ののり代があった方がいい。
ただ、先ほどの物価安定の考え方からしますと、ゼロからずれればずれるほどコストが大きいということがありますので、たくさんのり代があればいいというものでもないわけです。そこのバランスを考えて、多くの国で大体二%くらいがいいのではないかというふうに決まっているというのが現状でございます。
それを日本に当てはめて、きちんきちんと計算していったら、二なのか一・九なのか二・三なのかという議論はございますが、そこは余り厳密には最終的に決めることが必ずしもできないような点ですので、一応今のところ二%になっているという、そういう背景を御説明してみました。
この発言だけを見る →私からは、こういうインフレ目標を決める際の背景にある考え方をちょっと御説明させていただければと思います。
のり代というお話もありましたし、それはもちろん目標決定の際の大事な要素でありますけれども、結局、根本的なところとしましては、物価安定を目指したい、つまり、物価という、物価安定という経済にとってのインフラを構築するという目標を立てたいということですので、ごくごく単純に申し上げますと、物価安定というのはゼロ%インフレのことだと思います。つまり、物事、お金を測る物差しがすごい不安定になっていると経済活動が円滑に行えない、その意味ではここが安定していた方がいいという意味で、物価安定の普通の、本来の定義は零%インフレであると思います。ここからずれればずれるほど、その面でコストが発生するというふうに普通考えます。
その一方で、別の要素といたしまして、物価指数の上方バイアスの話もありますが、より重要なものとして、先ほども出ましたのり代論があります。これは、おっしゃいましたように、インフレ率、インフレ目標が低い、中期的なインフレ率が余り低いとそれに対応した中期的な金利水準も低くなりまして、何かあったときに金利の下げ余地が少なくなる。ですから、そこをある程度確保するためにある程度ののり代があった方がいい。
ただ、先ほどの物価安定の考え方からしますと、ゼロからずれればずれるほどコストが大きいということがありますので、たくさんのり代があればいいというものでもないわけです。そこのバランスを考えて、多くの国で大体二%くらいがいいのではないかというふうに決まっているというのが現状でございます。
それを日本に当てはめて、きちんきちんと計算していったら、二なのか一・九なのか二・三なのかという議論はございますが、そこは余り厳密には最終的に決めることが必ずしもできないような点ですので、一応今のところ二%になっているという、そういう背景を御説明してみました。
勝
勝部賢志#10
○勝部賢志君 その二%に、スローガンとして掲げるということは理解をいたしますけれども、そこにこだわり続けるということが本当に必要なのかということは今後検証していく必要があろうというふうに思います。
植田参考人は、日銀審議委員時代に、一九九九年、ゼロ金利を導入し、先ほど御自身も触れておられましたけれども、量的緩和、あるいは非伝統的な金融政策に理論的に関わってこられたと言っておられましたとおりであります。その後、二〇一一年に日本経済学会学長に就任をされた講演で、非伝統的金融政策の有効性という論文や、二〇一三年九月には、異次元の金融緩和:中間評価というような論文を発表されておられまして、自ら非伝統的金融政策の分析、評価を行ってこられたと承知をしております。
そこでお伺いをしたいと思いますが、異次元緩和における後期のマイナス金利、また量的・質的金融緩和、いわゆるイールドカーブコントロールの政策有効性をどのように分析、評価されてきたのか、簡単に御説明をいただきたいと思いますのと、あわせて、先ほどもちょっと触れておられましたけれども、異次元金融緩和の副作用という表現を使われておられましたけれども、これはいかなるものなのか、副作用でどういうことが起きているのか、そのことについて御教示をいただけたらと思います。
この発言だけを見る →植田参考人は、日銀審議委員時代に、一九九九年、ゼロ金利を導入し、先ほど御自身も触れておられましたけれども、量的緩和、あるいは非伝統的な金融政策に理論的に関わってこられたと言っておられましたとおりであります。その後、二〇一一年に日本経済学会学長に就任をされた講演で、非伝統的金融政策の有効性という論文や、二〇一三年九月には、異次元の金融緩和:中間評価というような論文を発表されておられまして、自ら非伝統的金融政策の分析、評価を行ってこられたと承知をしております。
そこでお伺いをしたいと思いますが、異次元緩和における後期のマイナス金利、また量的・質的金融緩和、いわゆるイールドカーブコントロールの政策有効性をどのように分析、評価されてきたのか、簡単に御説明をいただきたいと思いますのと、あわせて、先ほどもちょっと触れておられましたけれども、異次元金融緩和の副作用という表現を使われておられましたけれども、これはいかなるものなのか、副作用でどういうことが起きているのか、そのことについて御教示をいただけたらと思います。
植
植田和男#11
○参考人(植田和男君) お答えします。
マイナス金利を含むイールドカーブコントロールのメリットとしましては、適切な水準、低金利水準でありますが、に金利をコントロールすることで、大規模な金融緩和がつくり出している良好な金融緩和を持続できることが挙げられます。
この長短金利水準の決定に当たっては、金融緩和による経済への刺激効果と同時に、金融仲介機能の、機能への影響にも配慮し、バランスの取れた姿にするという配慮がなされている仕組みとなっております。
一方、デメリットとしては、金利が低位で安定するようにコントロールすることで市場機能に影響があるかもしれないという点が挙げられます。
この点については、日本銀行は、国債市場の機能度に配慮する観点から、国債を貸し出すという制度の要件を緩和する、あるいはその他の様々な手段を講じてきましたし、昨年十二月には、緩和的な金融環境を維持しつつ、市場機能の改善を図り、円滑にイールドカーブの形成を促すという観点から、長期金利の変動幅を国債買入れを増やしつつ拡大するというような運用の一部見直しを実施しました。現状、この効果を見守っているというところかと思います。
このように、政策には常に効果と副作用がございますが、それを比較考量しながら最も適切な政策を実施する必要があるというふうに考えております。
付け加えますと、現在の金融緩和はメリットの方が副作用を上回っているというふうに考えてございます。
この発言だけを見る →マイナス金利を含むイールドカーブコントロールのメリットとしましては、適切な水準、低金利水準でありますが、に金利をコントロールすることで、大規模な金融緩和がつくり出している良好な金融緩和を持続できることが挙げられます。
この長短金利水準の決定に当たっては、金融緩和による経済への刺激効果と同時に、金融仲介機能の、機能への影響にも配慮し、バランスの取れた姿にするという配慮がなされている仕組みとなっております。
一方、デメリットとしては、金利が低位で安定するようにコントロールすることで市場機能に影響があるかもしれないという点が挙げられます。
この点については、日本銀行は、国債市場の機能度に配慮する観点から、国債を貸し出すという制度の要件を緩和する、あるいはその他の様々な手段を講じてきましたし、昨年十二月には、緩和的な金融環境を維持しつつ、市場機能の改善を図り、円滑にイールドカーブの形成を促すという観点から、長期金利の変動幅を国債買入れを増やしつつ拡大するというような運用の一部見直しを実施しました。現状、この効果を見守っているというところかと思います。
このように、政策には常に効果と副作用がございますが、それを比較考量しながら最も適切な政策を実施する必要があるというふうに考えております。
付け加えますと、現在の金融緩和はメリットの方が副作用を上回っているというふうに考えてございます。
勝
勝部賢志#12
○勝部賢志君 植田参考人は、日銀の政策の妥当性あるいは継続性をかねてより表明をされています。今御説明がありましたように、副作用が効果よりも上回っているというお話がございましたが、私はそれが実態だというふうに思っています。
しかしながら、大き過ぎる物体を急ブレーキを掛けて止めようとする、あるいは方向転換をするというのは、それ自体にエネルギーもありますし、またリアクションもあるということで、そう簡単にはその転換、変換みたいなことがやりにくいというのが実は一番の理由なのではないかなというふうに私は感じているところであります。このままいつまでもということではないのではないかということも付言をさせていただきます。
さて、そこで、物価安定目標二%は、結果的に、政策手段をいろいろ講じましたけれども、まあ十年掛かっても達成できなかったというのが事実だというふうに思います。
現代の日本において、個人消費拡大の基調に転じるポイント、それはどこにあるとお考えなのか。私は、賃金の上昇しかないのではないかというふうに考えています。実質所得の低迷が我が国のデフレや低成長の一番大きな要因なのではないかと考えますけれども、植田参考人御自身はどのように御所見をお持ちか。
そして、加えて、かつてバーナンキ元FRB議長は、金融政策は米経済が直面する問題に対する万能薬ではないとおっしゃったそうですけれども、賃金の上昇に金融政策がフォローできるところもあるのではないかと考えますが、植田参考人はどのようにお考えか、お聞かせください。
この発言だけを見る →しかしながら、大き過ぎる物体を急ブレーキを掛けて止めようとする、あるいは方向転換をするというのは、それ自体にエネルギーもありますし、またリアクションもあるということで、そう簡単にはその転換、変換みたいなことがやりにくいというのが実は一番の理由なのではないかなというふうに私は感じているところであります。このままいつまでもということではないのではないかということも付言をさせていただきます。
さて、そこで、物価安定目標二%は、結果的に、政策手段をいろいろ講じましたけれども、まあ十年掛かっても達成できなかったというのが事実だというふうに思います。
現代の日本において、個人消費拡大の基調に転じるポイント、それはどこにあるとお考えなのか。私は、賃金の上昇しかないのではないかというふうに考えています。実質所得の低迷が我が国のデフレや低成長の一番大きな要因なのではないかと考えますけれども、植田参考人御自身はどのように御所見をお持ちか。
そして、加えて、かつてバーナンキ元FRB議長は、金融政策は米経済が直面する問題に対する万能薬ではないとおっしゃったそうですけれども、賃金の上昇に金融政策がフォローできるところもあるのではないかと考えますが、植田参考人はどのようにお考えか、お聞かせください。
植
植田和男#13
○参考人(植田和男君) 実質所得、賃金所得の低迷の話がございましたが、私は、これは物価低迷の原因なのか結果なのか微妙なところで、大まかには物価の低迷とともに発生している現象という、発生してきた現象というふうに考えております。
すなわち、バブル経済が九〇年代に崩壊した後、長期にわたり経済が低迷して、その中で物価や実質所得が上がらないという状況が続いたわけですけれども、その背景としまして、不良債権問題、ITバブルの崩壊、リーマン・ショックなど様々な、外的といいますか、金融政策と全く関係ないわけではないですが、その各時点時点では外的なショックがあったということが挙げられるかと思います。さらに、こうした状況の下でよく指摘されることですが、物価や賃金がなかなか上がらないということを前提にした人々の行動が定着してしまったということも賃金の伸び悩みにつながったと思います。
それでも、二〇一三年以降、政府との共同声明の下で、日本銀行、政府、それぞれ様々な適切な施策を実行いたしまして、ベースアップが復活するということもありましたし、それもあって日本経済はデフレではない状況に入っているというふうに考えております。
今後も、金融緩和を継続して総需要を支えるということで、賃金の上昇を伴う形での二%の物価安定目標を持続的、安定的に実現していくことが可能であるというふうに考えてございます。
この発言だけを見る →すなわち、バブル経済が九〇年代に崩壊した後、長期にわたり経済が低迷して、その中で物価や実質所得が上がらないという状況が続いたわけですけれども、その背景としまして、不良債権問題、ITバブルの崩壊、リーマン・ショックなど様々な、外的といいますか、金融政策と全く関係ないわけではないですが、その各時点時点では外的なショックがあったということが挙げられるかと思います。さらに、こうした状況の下でよく指摘されることですが、物価や賃金がなかなか上がらないということを前提にした人々の行動が定着してしまったということも賃金の伸び悩みにつながったと思います。
それでも、二〇一三年以降、政府との共同声明の下で、日本銀行、政府、それぞれ様々な適切な施策を実行いたしまして、ベースアップが復活するということもありましたし、それもあって日本経済はデフレではない状況に入っているというふうに考えております。
今後も、金融緩和を継続して総需要を支えるということで、賃金の上昇を伴う形での二%の物価安定目標を持続的、安定的に実現していくことが可能であるというふうに考えてございます。
勝
勝部賢志#14
○勝部賢志君 新総裁に求められるポイントの一つとして、市場とのコミュニケーション能力ということがよく言われます。それが現黒田総裁に欠けているのか否かについてはこの際、まあここでは問いませんけれど、若干付言させていただくと、金融は、何の遠慮も配慮もちゅうちょもなく、海外のヘッジファンドのように利益のみを追い求める市場が相手なので、予断を与えぬようにあえて説明をしない、サプライズが常態化しているのではないかと思います。それが政策などの説明責任、アカウンタビリティーを回避する逃げ口上になってはいないのかということを問うべきだというふうに私は思っていましてですね。
その一方で、今般の新総裁人事では、内示より四日も早く情報が漏えいしました。政府には猛省を促したところでありますが、リアクションを軽減するために、ある意味意図的なリークが行われたのではないかとの疑いも消えないところなんです。
この間の長期政権で、この間というか、この間のですね、長期政権で、御都合主義が更に蔓延したと思わざるを得ない事態だと思います。その場逃れの口先だけの丁寧に説明をするということではなくてですね、市場もさることながら、国民や国会への丁寧な説明、アカウンタビリティーは民主主義の基礎要件だと考えますけれども、そこで伺いますが、植田参考人は、市場とのコミュニケーション、さらには国民、あるいは国会に対する説明責任についてどのようにお考えか、御所見をお伺いいたします。
この発言だけを見る →その一方で、今般の新総裁人事では、内示より四日も早く情報が漏えいしました。政府には猛省を促したところでありますが、リアクションを軽減するために、ある意味意図的なリークが行われたのではないかとの疑いも消えないところなんです。
この間の長期政権で、この間というか、この間のですね、長期政権で、御都合主義が更に蔓延したと思わざるを得ない事態だと思います。その場逃れの口先だけの丁寧に説明をするということではなくてですね、市場もさることながら、国民や国会への丁寧な説明、アカウンタビリティーは民主主義の基礎要件だと考えますけれども、そこで伺いますが、植田参考人は、市場とのコミュニケーション、さらには国民、あるいは国会に対する説明責任についてどのようにお考えか、御所見をお伺いいたします。
植
植田和男#15
○参考人(植田和男君) 金融資本市場は、金融政策が動いたときにそこを通じて金融政策の影響が及んでいくという波及経路の起点に当たりますので、非常にそことのコミュニケーションは重要であるというふうに考えてございます。したがいまして、金融政策運営の考え方、意図を市場に正しく伝えていくことは金融政策にとって極めて重要であるというふうに考えてございます。
ただ、毎回毎回、例えば金融政策決定会合で議論して、時には政策を変更するわけですけれども、その変更の背景としましては、会合と会合の間に入ってくる新しい情報に基づいて経済・物価情勢の見通しを変更して政策を変更するということがございます。それを前もって伝えるということは必ずしも可能ではないので、時々サプライズ的な要素が入るということはやむを得ないかなと思いますが、繰り返しですが、考え方を丁寧に説明していくということかなと思います。
それから、国民、国会に対する説明責任ということにつきましては、やはり経済、物価、金融情勢に関する見方や、それを踏まえた政策運営の在り方について、できるだけ多様な機会で、しかも分かりやすく説明し、国民の皆様の御理解を得ていくということが極めて重要であるというふうに考えてございます。
この発言だけを見る →ただ、毎回毎回、例えば金融政策決定会合で議論して、時には政策を変更するわけですけれども、その変更の背景としましては、会合と会合の間に入ってくる新しい情報に基づいて経済・物価情勢の見通しを変更して政策を変更するということがございます。それを前もって伝えるということは必ずしも可能ではないので、時々サプライズ的な要素が入るということはやむを得ないかなと思いますが、繰り返しですが、考え方を丁寧に説明していくということかなと思います。
それから、国民、国会に対する説明責任ということにつきましては、やはり経済、物価、金融情勢に関する見方や、それを踏まえた政策運営の在り方について、できるだけ多様な機会で、しかも分かりやすく説明し、国民の皆様の御理解を得ていくということが極めて重要であるというふうに考えてございます。
勝
勝部賢志#16
○勝部賢志君 ありがとうございます。
戦後直後のハイパーインフレ期の日本銀行を舞台とした城山三郎の「小説日本銀行」では、銀行行内の大蔵省、つまり財政から、日銀、つまり金融の独立が悲願として描かれています。
その後、紆余曲折があって、現在の財務省、金融庁、日本銀行の体制がごく近年確立されたわけですけれども、一方で、野党時代から日銀法の改正までを公約化し、インフレターゲットの受入れや建設国債の莫大な引受けを公言していた第二次安倍政権下で、白川総裁のバッシングがあり、黒田総裁が実現し、そして政府と日銀の共同声明が公表されるという、その後の経緯につながってきたわけであります。
植田参考人は、中央銀行の政治や財政に対する独立性についてどのようにお考えか、御所見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →戦後直後のハイパーインフレ期の日本銀行を舞台とした城山三郎の「小説日本銀行」では、銀行行内の大蔵省、つまり財政から、日銀、つまり金融の独立が悲願として描かれています。
その後、紆余曲折があって、現在の財務省、金融庁、日本銀行の体制がごく近年確立されたわけですけれども、一方で、野党時代から日銀法の改正までを公約化し、インフレターゲットの受入れや建設国債の莫大な引受けを公言していた第二次安倍政権下で、白川総裁のバッシングがあり、黒田総裁が実現し、そして政府と日銀の共同声明が公表されるという、その後の経緯につながってきたわけであります。
植田参考人は、中央銀行の政治や財政に対する独立性についてどのようにお考えか、御所見をお伺いしたいと思います。
植
植田和男#17
○参考人(植田和男君) 物価安定の実現のために中央銀行の独立性が必要であるという考え方は、様々な歴史的な経験を踏まえまして世界的に確立されておると思いますし、その点は日本銀行法においても明確に規定されています。ただ同時に、マクロ経済政策の運営に当たっては、政府と中央銀行が十分な意思疎通を図ることも必要であると考えます。これも日本銀行法に規定されているとおりであります。
今後、二%の物価安定目標を持続的、安定的に実現するため、政府と緊密な連携を図りながら、必要な政策を責任を持って実行していくことが重要であると考えてございます。
この発言だけを見る →今後、二%の物価安定目標を持続的、安定的に実現するため、政府と緊密な連携を図りながら、必要な政策を責任を持って実行していくことが重要であると考えてございます。
勝
勝部賢志#18
○勝部賢志君 その日銀の独立性ということでいうと、もう一つは国際協調の関係なんですけれども、金融分野はまさにグローバル化、デジタル化が最も進んでいる分野だというふうに思いますが、国や中央銀行による統制が逆に言うと非常に難しいものだというふうにも感じます。
基本的な大前提としては、G7ですとかG20の先進各国による協調が不可欠であるというふうに考えておりますし、今ほどお話もありましたんですけれども、歴史的にもいろいろ経過を踏まえて今の日銀があるわけで、他の国との関係においてもいろいろな歴史があるわけですから、文化の違いもあり、そういったことを踏まえた上でも、やはりお互いに理解と協調が求められてきているというふうに私は感じています。
そのような中で、参考人のこれまでのキャリアを見ますと、まさに国際色豊かな経験をお積みなので、とりわけ国際協調についても非常に御造詣が深いのではないかというふうに思うんですけれども、その点どのようにお考えか、御所見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →基本的な大前提としては、G7ですとかG20の先進各国による協調が不可欠であるというふうに考えておりますし、今ほどお話もありましたんですけれども、歴史的にもいろいろ経過を踏まえて今の日銀があるわけで、他の国との関係においてもいろいろな歴史があるわけですから、文化の違いもあり、そういったことを踏まえた上でも、やはりお互いに理解と協調が求められてきているというふうに私は感じています。
そのような中で、参考人のこれまでのキャリアを見ますと、まさに国際色豊かな経験をお積みなので、とりわけ国際協調についても非常に御造詣が深いのではないかというふうに思うんですけれども、その点どのようにお考えか、御所見をお伺いしたいと思います。
植
植田和男#19
○参考人(植田和男君) リーマン・ショックあるいはコロナ感染症によるショックの際等に各国中央銀行が協力して対応を行ったということに象徴されますように、そのベースとなる情報交換あるいは政策面での連携の重要性は非常に高まっていると思います。
例えば、そういう時期ですと、ドルの供給オペを日本銀行、まあほかの中央銀行もですが、FRBと協調してやっていくというようなことも行って市場の不安定性を低める、鎮めるということがございました。これなど、中央銀行間、FRBを中心にしました、の情報交換、連携の姿勢がないと実現できなかったことであるかなと思っております。
私自身、審議委員を務めたとき、あるいはその後の内外での大学での研究等を通じまして、様々な会議で学者だけでなく実務家と議論、意見交換を行ってまいりました。こうした経験も生かしつつ、今後、もし総裁に選ばれましたならば、海外中央銀行との連携や市場関係者とのコミュニケーションを行っていきたいと考えております。
この発言だけを見る →例えば、そういう時期ですと、ドルの供給オペを日本銀行、まあほかの中央銀行もですが、FRBと協調してやっていくというようなことも行って市場の不安定性を低める、鎮めるということがございました。これなど、中央銀行間、FRBを中心にしました、の情報交換、連携の姿勢がないと実現できなかったことであるかなと思っております。
私自身、審議委員を務めたとき、あるいはその後の内外での大学での研究等を通じまして、様々な会議で学者だけでなく実務家と議論、意見交換を行ってまいりました。こうした経験も生かしつつ、今後、もし総裁に選ばれましたならば、海外中央銀行との連携や市場関係者とのコミュニケーションを行っていきたいと考えております。
勝
勝部賢志#20
○勝部賢志君 植田参考人の総裁就任となれば、遠からぬ時期に新たな共同声明なるものが焦点化していくことは間違いないと思います。
中央銀行の役割や、日銀がその職責から求め続けてきた、今ほど議論をした独立性とは一体どのようなものか。かつて白川前総裁が記者会見でこのようなことをおっしゃったんですが、中央銀行の独立性は長い歴史の中で得られた数々の苦い経験を踏まえて考えられた、やや長い目で経済、金融の安定を図っていく組織が必要であり、それを中央銀行の独立性という形で制度設計したという説明が一番すとんときます。
短期的な成果にこだわりがちな、まあある意味政治とか、あるいは経済、企業、あくまで異なる立場から金融、経済の安定、すなわち国民生活の安定を考えるところが不可欠なんだというふうに思います。
そこで、植田参考人は、このような白川前総裁のお考えをどのように受け止めておられるのか、また、異次元緩和の功罪を共に評価し、曖昧な数字ありきの新たな共同声明の締結は私はすべきではないと考えますけれども、いかがお考えか、見解を伺います。
この発言だけを見る →中央銀行の役割や、日銀がその職責から求め続けてきた、今ほど議論をした独立性とは一体どのようなものか。かつて白川前総裁が記者会見でこのようなことをおっしゃったんですが、中央銀行の独立性は長い歴史の中で得られた数々の苦い経験を踏まえて考えられた、やや長い目で経済、金融の安定を図っていく組織が必要であり、それを中央銀行の独立性という形で制度設計したという説明が一番すとんときます。
短期的な成果にこだわりがちな、まあある意味政治とか、あるいは経済、企業、あくまで異なる立場から金融、経済の安定、すなわち国民生活の安定を考えるところが不可欠なんだというふうに思います。
そこで、植田参考人は、このような白川前総裁のお考えをどのように受け止めておられるのか、また、異次元緩和の功罪を共に評価し、曖昧な数字ありきの新たな共同声明の締結は私はすべきではないと考えますけれども、いかがお考えか、見解を伺います。
植
植田和男#21
○参考人(植田和男君) 白川前総裁の御見解については、私、残念ながらちょっと詳細を承知しておりませんので、ここでのコメントは差し控えさせていただけたらと思います。
ただ、その上で、一般論としてですけれども、先ほど申し上げたとおり、物価の安定を実現するための制度的仕組みとして、歴史的な経験に基づいて、世界的にも日銀法においても中央銀行の独立性が必要であるという考え方が示されていると思います。
現状では、二〇一三年ですか、日本銀行は二%の物価安定の目標を自ら金融政策決定会合で決定したというふうに認識しております。その決定に基づいて政策運営をしてきたということかと思います。
ただ同時に、先ほども出ましたが、政府と中央銀行がマクロ経済政策運営に当たって十分な意思疎通を図るということも、法律に書いてあるとおり重要でございます。その考え方に基づきまして、二〇一三年に公表されました共同声明では、こういうこと、加えまして、二%の物価安定の目標もその中に明記し、政府と日本銀行がそれぞれ連携してマクロ経済政策運営に当たるということになっておると思います。その後、両者、適切な、必要な政策を実施してきた結果、最初に申し上げましたように、経済は着実に改善して、デフレでない状況に到達しているというふうに思います。
そういう意味で、現在の共同声明の考え方は適切と考えておりまして、直ちに見直す必要があるというふうには思っておりません。
この発言だけを見る →ただ、その上で、一般論としてですけれども、先ほど申し上げたとおり、物価の安定を実現するための制度的仕組みとして、歴史的な経験に基づいて、世界的にも日銀法においても中央銀行の独立性が必要であるという考え方が示されていると思います。
現状では、二〇一三年ですか、日本銀行は二%の物価安定の目標を自ら金融政策決定会合で決定したというふうに認識しております。その決定に基づいて政策運営をしてきたということかと思います。
ただ同時に、先ほども出ましたが、政府と中央銀行がマクロ経済政策運営に当たって十分な意思疎通を図るということも、法律に書いてあるとおり重要でございます。その考え方に基づきまして、二〇一三年に公表されました共同声明では、こういうこと、加えまして、二%の物価安定の目標もその中に明記し、政府と日本銀行がそれぞれ連携してマクロ経済政策運営に当たるということになっておると思います。その後、両者、適切な、必要な政策を実施してきた結果、最初に申し上げましたように、経済は着実に改善して、デフレでない状況に到達しているというふうに思います。
そういう意味で、現在の共同声明の考え方は適切と考えておりまして、直ちに見直す必要があるというふうには思っておりません。
勝
勝部賢志#22
○勝部賢志君 ちょっと時間が少なくなってきましたので最後の質問になるかもしれませんが、最初に触れた日経新聞のインタビュー記事で私が一番印象に残ったのは株式投資のお話でした。
植田参考人は、一九八八年、大阪大学時代に、我が国の株式水準について、当時の高過ぎる株価と理論的な水準から見て株価の乖離があると、そこを分析してバブルを予見をされたということが当時評判になったということであります。
その参考人が、机上の研究に飽き足らず、株式投資を実践してバブル崩壊前の高値で売り抜けをした話や、営業が厳しくて、負けて買い直して大半を失った話とか、ワラント債関連商品三千万円をめぐる話も、外見や肩書のイメージからは大変大きく異なる植田参考人の素の一面をかいま見た気がします。
先ほど冒頭に聞いたお話で、日銀総裁にいわゆるノミネートされたときの気持ちはチャレンジ精神だとおっしゃいましたけれども、この株式などはまさにこのチャレンジの気持ちがおありだったのかなというふうに思っていますが、実は衆議院でも質問があったんですけれども、この総裁を受けるに当たって、金融商品など、投資状況をどのようにこの後処置されようとしているのか、ちょっと時間が来ましたので、簡潔にお答えをいただいて、質問を終わりたいと思います。
この発言だけを見る →植田参考人は、一九八八年、大阪大学時代に、我が国の株式水準について、当時の高過ぎる株価と理論的な水準から見て株価の乖離があると、そこを分析してバブルを予見をされたということが当時評判になったということであります。
その参考人が、机上の研究に飽き足らず、株式投資を実践してバブル崩壊前の高値で売り抜けをした話や、営業が厳しくて、負けて買い直して大半を失った話とか、ワラント債関連商品三千万円をめぐる話も、外見や肩書のイメージからは大変大きく異なる植田参考人の素の一面をかいま見た気がします。
先ほど冒頭に聞いたお話で、日銀総裁にいわゆるノミネートされたときの気持ちはチャレンジ精神だとおっしゃいましたけれども、この株式などはまさにこのチャレンジの気持ちがおありだったのかなというふうに思っていますが、実は衆議院でも質問があったんですけれども、この総裁を受けるに当たって、金融商品など、投資状況をどのようにこの後処置されようとしているのか、ちょっと時間が来ましたので、簡潔にお答えをいただいて、質問を終わりたいと思います。
植
植田和男#23
○参考人(植田和男君) 私の金融資産運用の拙い部分について事細かにお話しすることは控えさせていただきたいと思います。
いずれにせよ、日銀総裁に就任する場合には、就任日までに日銀の内規に従った形に資産の保有状況をしたいと思っております。
この発言だけを見る →いずれにせよ、日銀総裁に就任する場合には、就任日までに日銀の内規に従った形に資産の保有状況をしたいと思っております。
勝
東
東徹#25
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
今日は、日銀総裁の候補の植田参考人に是非御質問させていただきたいというふうに思っておりまして、大変光栄に思います。
先ほどもお話がありましたが、もう今非常に日本の経済というのはやっぱり厳しい状況にあって、総裁になられるということはよっぽどの重責を担うやっぱり覚悟がなかったら非常に厳しいというふうに思っておりまして、その重責を担う覚悟ですね、受けたことにまずは敬意を表させていただきたいというふうに思います。
その中で、まず、経済学者でもあるということでありますので質問させていただきたいと思いますが、まず、失われた三十年ということをよく言われます。これ、我が国では、この三十年間、GDPも伸びていないし、また賃金も伸びていないと。これは世界の先進国の中でやはり日本だけだということを言われてきました。
先日、日経新聞見ておりましても、ドイツの名目賃金が日本に肉薄してきたというような記事もありました。ドイツというのは人口八千三百二十万人ですから、日本の六七%なわけですね。そういったドイツが肉薄してきているというような状況。そしてまた、インドも世界一の人口ということで、これから二〇二〇年代後半になれば、このインドもやっぱり伸びてくるというふうに考えられます。
そんな中で、日本の世界経済の存在感というものがだんだんとしぼんできているのでないかというようなことが言われているわけでありまして、この二〇一三年からは大規模な金融緩和もこれ行ってまいりましたけれども、失われた三十年というのはやっぱり変わっていないという現状、GDPや賃金というものがやっぱり上昇していないわけでありまして、植田参考人はこの原因をどのようにお考えなのか、まずはお聞かせいただきたいと思います。
この発言だけを見る →今日は、日銀総裁の候補の植田参考人に是非御質問させていただきたいというふうに思っておりまして、大変光栄に思います。
先ほどもお話がありましたが、もう今非常に日本の経済というのはやっぱり厳しい状況にあって、総裁になられるということはよっぽどの重責を担うやっぱり覚悟がなかったら非常に厳しいというふうに思っておりまして、その重責を担う覚悟ですね、受けたことにまずは敬意を表させていただきたいというふうに思います。
その中で、まず、経済学者でもあるということでありますので質問させていただきたいと思いますが、まず、失われた三十年ということをよく言われます。これ、我が国では、この三十年間、GDPも伸びていないし、また賃金も伸びていないと。これは世界の先進国の中でやはり日本だけだということを言われてきました。
先日、日経新聞見ておりましても、ドイツの名目賃金が日本に肉薄してきたというような記事もありました。ドイツというのは人口八千三百二十万人ですから、日本の六七%なわけですね。そういったドイツが肉薄してきているというような状況。そしてまた、インドも世界一の人口ということで、これから二〇二〇年代後半になれば、このインドもやっぱり伸びてくるというふうに考えられます。
そんな中で、日本の世界経済の存在感というものがだんだんとしぼんできているのでないかというようなことが言われているわけでありまして、この二〇一三年からは大規模な金融緩和もこれ行ってまいりましたけれども、失われた三十年というのはやっぱり変わっていないという現状、GDPや賃金というものがやっぱり上昇していないわけでありまして、植田参考人はこの原因をどのようにお考えなのか、まずはお聞かせいただきたいと思います。
植
植田和男#26
○参考人(植田和男君) バブル経済が崩壊した後、御指摘のように、長期にわたり経済が低迷し、物価、賃金がなかなか上がってこない状況が続いたわけでございますけれども、これは先ほどの質疑にもございましたように、様々な不良債権問題、ITバブル崩壊、リーマン・ショックなど、ショック、ネガティブなショックが経済を襲ったということが一つ大きかったと思います。
また、こういう状況が続いた、物価、賃金がなかなか上がらないということが続いた結果としまして、人々の行動がそれを前提にする行動になってしまった。何かちょっと物価を上げた方がいいということが起こっても、ほかの人が追随してこないんではないかという考え、予想の下に自分もやめてしまうというような行動が定着したということが物価や賃金の伸び悩みにつながったと思っております。
ただ、それでも二〇一三年以降、量的・質的金融緩和の下で良い動きが見られておりまして、ベースアップが復活する等の結果、デフレという状態ではなくなったということかなと思います。
それでも、今申し上げましたデフレあるいはゼロインフレ辺りを前提にする人々の行動の物価や賃金を上がりにくくするという影響はまだ少し残っておりまして、二%の持続的な安定的なインフレ目標の実現にはもう少し時間が掛かるというふうに見てございます。
この発言だけを見る →また、こういう状況が続いた、物価、賃金がなかなか上がらないということが続いた結果としまして、人々の行動がそれを前提にする行動になってしまった。何かちょっと物価を上げた方がいいということが起こっても、ほかの人が追随してこないんではないかという考え、予想の下に自分もやめてしまうというような行動が定着したということが物価や賃金の伸び悩みにつながったと思っております。
ただ、それでも二〇一三年以降、量的・質的金融緩和の下で良い動きが見られておりまして、ベースアップが復活する等の結果、デフレという状態ではなくなったということかなと思います。
それでも、今申し上げましたデフレあるいはゼロインフレ辺りを前提にする人々の行動の物価や賃金を上がりにくくするという影響はまだ少し残っておりまして、二%の持続的な安定的なインフレ目標の実現にはもう少し時間が掛かるというふうに見てございます。
東
東徹#27
○東徹君 いろいろ御説明がありましたが、一つの原因として、お話の中には余り出てこなかったかもしれませんが、日本ではやっぱり設備投資というものが進まなかったんではないのかと。やっぱり日本に、日本での、国内でのやっぱり設備投資が進まなくて海外にどんどんどんどんと工場だとかそういったものが移っていったと。そのことによって、日本のマネーというものがやっぱり海外に流出していったと。こういった状況というのも大きな原因ではないのかと思ったりもしますが、その点についてはいかがでしょうか。
この発言だけを見る →植
植田和男#28
○参考人(植田和男君) 委員御指摘のように、この間、設備投資といいますか企業による投資ですね、これがなかなか国内で行われず、行われる場合は海外で行われてきた期間が長かったというのは事実でございます。
では、なぜそうかというのはすごい難しい問題でございますが、学者的に今考えてみますと、九〇年代のどこかくらいから我が国の期待成長率が下方に屈折した、その中で、他方、海外の、特にエマージング諸国では、期待成長率、利潤率の期待値、こういうものは高かったということでそういう結果になっていると思います。
ですので、この点をどうやって是正していくかというのは難しい問題ですが、中長期的に期待成長率を上げる、あるいは潜在成長率を上げるような試みが必要だということは、それはそうだと思います。
この発言だけを見る →では、なぜそうかというのはすごい難しい問題でございますが、学者的に今考えてみますと、九〇年代のどこかくらいから我が国の期待成長率が下方に屈折した、その中で、他方、海外の、特にエマージング諸国では、期待成長率、利潤率の期待値、こういうものは高かったということでそういう結果になっていると思います。
ですので、この点をどうやって是正していくかというのは難しい問題ですが、中長期的に期待成長率を上げる、あるいは潜在成長率を上げるような試みが必要だということは、それはそうだと思います。
東
東徹#29
○東徹君 期待成長率、潜在成長率も上げていく、非常に難しいことだと思いますが、ここはまた是非お伺いをしていきたいなというふうに思います。
次に、国債の格付についてお伺いをさせていただきたいと思います。
日銀は大量の国債を保有しておりますけれども、世界各国の国債の信用を測る機関として、例えば米国の格付会社S&Pとか、それからムーディーズ、こういったものがあります。一九九〇年代というのは、日本の国債の格付というのはS&PなんかではやっぱりトリプルA級だったわけですね。今はどうかというと、Aプラスになっているわけですね。
これ、下がっておるわけでありまして、中国とかリトアニアなどと同じだということになるわけですけれども、もちろん経済学者によってはこれはもう関係ないんだと言う方もおられますが、日本の国債がこのような格付になっていることについて植田参考人はどのようにお考えなのか、是非お聞かせをいただければと思います。
この発言だけを見る →次に、国債の格付についてお伺いをさせていただきたいと思います。
日銀は大量の国債を保有しておりますけれども、世界各国の国債の信用を測る機関として、例えば米国の格付会社S&Pとか、それからムーディーズ、こういったものがあります。一九九〇年代というのは、日本の国債の格付というのはS&PなんかではやっぱりトリプルA級だったわけですね。今はどうかというと、Aプラスになっているわけですね。
これ、下がっておるわけでありまして、中国とかリトアニアなどと同じだということになるわけですけれども、もちろん経済学者によってはこれはもう関係ないんだと言う方もおられますが、日本の国債がこのような格付になっていることについて植田参考人はどのようにお考えなのか、是非お聞かせをいただければと思います。