法務委員会

2024-04-05 衆議院 全310発言

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会議録情報#0
令和六年四月五日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 武部  新君
   理事 熊田 裕通君 理事 笹川 博義君
   理事 仁木 博文君 理事 牧原 秀樹君
   理事 道下 大樹君 理事 米山 隆一君
   理事 池下  卓君 理事 大口 善徳君
      東  国幹君    五十嵐 清君
      井出 庸生君    上田 英俊君
      英利アルフィヤ君    大西 英男君
      奥野 信亮君    岸 信千世君
      斎藤 洋明君    島尻安伊子君
      高木  啓君    高見 康裕君
      谷川 とむ君    中野 英幸君
      藤原  崇君    古川 直季君
      本田 太郎君    三谷 英弘君
      三ッ林裕巳君    山口  晋君
      山田 美樹君   おおつき紅葉君
      鎌田さゆり君    鈴木 庸介君
      寺田  学君    山田 勝彦君
      山井 和則君    阿部 弘樹君
      斎藤アレックス君    美延 映夫君
      日下 正喜君    平林  晃君
      本村 伸子君
    …………………………………
   法務大臣         小泉 龍司君
   法務大臣政務官      中野 英幸君
   最高裁判所事務総局総務局長            小野寺真也君
   最高裁判所事務総局家庭局長            馬渡 直史君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 小八木大成君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 和田  薫君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 親家 和仁君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 千代延晃平君
   政府参考人
   (こども家庭庁長官官房審議官)          野村 知司君
   政府参考人
   (こども家庭庁長官官房審議官)          高橋 宏治君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 三橋 一彦君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          坂本 三郎君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    竹内  努君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    松下 裕子君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 長徳 英晶君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       浅野 敦行君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           奥野  真君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房政策立案総括審議官)     青山 桂子君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮本 直樹君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    辺見  聡君
   法務委員会専門員     三橋善一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月五日
 辞任         補欠選任
  東  国幹君     岸 信千世君
  稲田 朋美君     古川 直季君
  中曽根康隆君     本田 太郎君
  平口  洋君     島尻安伊子君
  三ッ林裕巳君     三谷 英弘君
  山田 勝彦君     山井 和則君
同日
 辞任         補欠選任
  岸 信千世君     東  国幹君
  島尻安伊子君     山口  晋君
  古川 直季君     稲田 朋美君
  本田 太郎君     高木  啓君
  三谷 英弘君     大西 英男君
  山井 和則君     山田 勝彦君
同日
 辞任         補欠選任
  大西 英男君     三ッ林裕巳君
  高木  啓君     中曽根康隆君
  山口  晋君     上田 英俊君
同日
 辞任         補欠選任
  上田 英俊君     平口  洋君
    ―――――――――――――
四月五日
 刑務所内だけではなく、拘置所内の未決拘禁者でも運転免許の更新ができるよう法律で認めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第八五五号)
 同(笠井亮君紹介)(第八五六号)
 同(穀田恵二君紹介)(第八五七号)
 同(志位和夫君紹介)(第八五八号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第八五九号)
 同(田村貴昭君紹介)(第八六〇号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第八六一号)
 同(宮本岳志君紹介)(第八六二号)
 同(宮本徹君紹介)(第八六三号)
 同(本村伸子君紹介)(第八六四号)
 外国人住民基本法と人種差別撤廃基本法の制定に関する請願(阿部知子君紹介)(第九四五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 民法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)
     ――――◇―――――
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武部新#1
○武部委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、民法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官小八木大成君、警察庁長官官房審議官和田薫君、警察庁長官官房審議官親家和仁君、警察庁長官官房審議官千代延晃平君、こども家庭庁長官官房審議官野村知司君、こども家庭庁長官官房審議官高橋宏治君、総務省大臣官房審議官三橋一彦君、法務省大臣官房司法法制部長坂本三郎君、法務省民事局長竹内努君、法務省刑事局長松下裕子君、外務省大臣官房参事官長徳英晶君、文部科学省大臣官房学習基盤審議官浅野敦行君、文部科学省大臣官房審議官奥野真君、厚生労働省大臣官房政策立案総括審議官青山桂子君、厚生労働省大臣官房審議官宮本直樹君及び厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長辺見聡君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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武部新#2
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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武部新#3
○武部委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局総務局長小野寺真也君及び家庭局長馬渡直史君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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武部新#4
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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武部新#5
○武部委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。大口善徳君。
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大口善徳#6
○大口委員 公明党の大口でございます。
 一昨日、そして昨日は参考人、そして本日と、連日本当に充実した審議である、こういうふうに思っております。
 まず、養育費の関係でございます。
 令和三年度全国ひとり親世帯等調査によれば、養育費の取決め率は母子家庭で四六・二%、父子家庭で二八・三%、受給率は母子家庭で二八・一%、父子世帯で八・七%であります。
 養育費は、子供の養育ということで極めて大事でございまして、我が党も、令和二年十二月に、公明党不払い養育費問題対策プロジェクトチームにおいて、不払い養育費問題の抜本的解決に向けた提言を取りまとめ、法務大臣へ申入れをいたしました。
 この提言では、子供の福祉と未来を第一にしていくために、養育費が重要な債権であって、特に優先されるべきものであること、様々な事情で離婚時に養育費の取決めができなかった場合には、離婚時から子供のための養育費が確保されるような制度の在り方を検討すること、また権利者の裁判手続の負担を軽減すること、また親ガイダンスの実施などを盛り込んだところでございます。
 我が党は、また、本年二月にも小泉大臣に提言を出させていただき、一人親家庭の貧困を解消するため、法定養育費制度の速やかな創設、そして養育費の支払い確保等の各種支援策を拡充することを求めました。
 今回の改正の中でも、改正案民法第八百十七条の十二第一項において、親の子に対する生活保持義務が明確化されたことに加え、七百六十六条の三において、父母の取決めがなくても離婚時から発生する請求権を認め、また最低限度の生活維持に要する標準的な費用の額等の規定が設けられ、法定養育費制度が創設されること、そして、そのことは、離婚時に父母が養育費の取決めをすることが困難なケースにおいても、子供に生ずる不利益に対応するのは大変重要であり、そしてその意義は大きいと考えますが、法務大臣の認識をお伺いします。
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小泉龍司#7
○小泉国務大臣 現行の民法によれば、養育費の支払いを具体的に請求するためには、父母の協議又は家庭裁判所の手続による養育費の取決めが必要であります。しかし、例えば、DVなどの事情により、離婚の際に養育費に関する協議や家庭裁判所に対する手続の申立てをすることが困難な場合があるとの問題、この指摘がございました。
 こうした問題点を踏まえ、また御党からいただいた御提言も踏まえ、法定養育費制度の創設は、こうした養育費の取決めが困難な場合に子に不利益が及ぶことを避けるため、養育費の取決めを補完する趣旨から設けることとしたものであります。
 本改正案においても大変大きな意義のある、改正の柱の一つであると認識しております。
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大口善徳#8
○大口委員 この法定養育費制度が創設されましても、やはり、父母の協議によって、その収入等の個別的な事情を踏まえて養育費の取決めをすることの重要性は変わりません。
 我が党の提言でも、養育費取決めの促進支援策の重要性を指摘したところでありますが、離婚時の養育費の取決めを促進するため、政府はどのような取組を実施しており、また今後どのようにこれを拡充していくのか、民事局長、そしてまたこども家庭庁よりお伺いします。
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竹内努#9
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 法務省では、養育費の取決めを促進するため、養育費に関する合意書のひな形を記載したパンフレットの配布や、養育費の取決めの重要性を説明した動画の配信など、様々な取組を行っているところであります。
 また、養育費の不払い解消に向けて、複数の自治体と協力して実証的な調査研究を実施したところでありまして、効果があった施策については横展開できるように、こども家庭庁等と協力、連携しているところでございます。
 今後、更なる調査研究を予定しておりまして、引き続き、関係府省庁等と連携してこの課題に取り組んでまいりたいと考えております。
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野村知司#10
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
 養育費の取決め、受領の状況については、先ほど先生から御指摘のあったとおりでございますけれども、養育費の取決めを促進する、そしてその履行を確保していくということは非常に重要な課題と考えております。
 こども家庭庁では、離婚前後親支援事業というものをやっておりまして、この中で、養育費確保に関する弁護士などによる相談支援でございますとか、公正証書の作成支援などの、履行確保に資する取組を行う自治体の支援を行っているところでございます。
 さらに、令和六年度予算におきましては、この事業の中で、養育費の受取に係る弁護士費用の支援についても補助対象ということで、拡大をしたところでございます。
 引き続き、法務省とも連携しながら、履行確保に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
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大口善徳#11
○大口委員 また、今回の改正法の民法三百六条、三百八条の二では、養育費債権に先取特権を付与するということにしたわけで、一般債権者に優先をして弁済を受けることができるわけで、養育費の履行確保には重要な意義があるわけでございます。
 そして、他方、同居親が別居親に対する養育費請求権を有して、それに基づいて別居親の給与の差押えをすることができる状態になった場合に、現状は、差押手続のハードルが高く、同居親にとっての負担が大きいということでございます。
 この改正法案では、執行手続をより利用しやすくするためどのような改正をしているのか、また、法務省として今後執行手続を更に利用しやすくするためどう取り組むのか、民事局長にお伺いします。
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竹内努#12
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 現行民事執行法の下では、財産開示手続、第三者からの情報取得手続、これらの手続によって判明した財産に対する差押えの手続について、それぞれ別個に申立てをしなければならず、このことが一人親家庭にとっての負担となっているとの指摘がございます。
 そこで、本改正案では、民事執行手続の申立ての負担を軽減するため、一回の申立てで、財産開示手続、第三者からの情報取得手続、これらの手続によって判明した財産に対する差押えの手続を連続的に行うことができる仕組みを導入することとしております。
 また、法務省としては、本改正案が成立した際には、改正法の施行状況を注視しつつ、今後も引き続き、養育費の支払いを必要としている一人親家庭にとって民事執行の手続を利用しやすくするための運用上の取組について、関係府省庁等とも連携して、必要な調査研究を進めてまいりたいと考えております。
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大口善徳#13
○大口委員 養子縁組関係についてお伺いします。
 本改正案では、養子縁組について見直しがなされているわけであります。
 本改正案の民法八百十八条第三項によれば、離婚後の父母双方を親権者と定めた場合、共同親権を定めた場合ですね、その一方が再婚し、その再婚の相手とその子との間で養子縁組がなされた場合、いわゆる連れ子養子とされた場合でありますが、子に対する親権は、養親とその配偶者である実親のみが親権を行うことになり、他方の親はその子に対する親権を行うことができなくなります。
 このように、養子縁組の効果は子にとっても極めて重要でございますので、この点について、更に条文を読み解きますと、民法七百九十七条第一項によれば、十五歳未満の子の養子縁組については、その親権者が代諾することができ、これまでのように、離婚後、父又は母の単独親権であれば、その代諾は親権者である父又は母が単独で行います。他方、離婚後、父母双方が親権者となった場合に、一方の親権者の再婚相手と子との間で養子縁組をしようとする場合には、養子縁組の代諾は父母双方が共同してこれを行う必要があります。ここが今回、共同親権が認められることで変わったところであります。
 その場合、父母の意見が対立した場合、本改正案の民法七百九十七条第四項により、家庭裁判所は、養子縁組が子の利益のため特に必要があると認めるときに限り、その一方が単独で代諾することができる旨の審判をすることができるものとしています。
 そこで、こういう一連の流れについての確認と、養子縁組が子の利益のために特に必要があると言えるか否かについてどのように判断をされるのか、法務大臣にお伺いします。
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小泉龍司#14
○小泉国務大臣 離婚後の父母双方が親権者となった後の養子縁組の代諾に関する本改正案の規律の内容は、委員の御指摘のとおりでございます。
 改正案の民法第七百九十七条第四項に言う、子の利益のため特に必要があるの解釈に当たっては、養子縁組が成立すると実父母が親権者としての権利義務を失うことを考慮してもなお、養子縁組を成立させることが子の利益の観点から必要である事情を要すると考えられます。
 そして、この判断においては、子の意見、意向を踏まえつつ、それまでの実父又は実母による養育費の支払い状況や、養親となる者の扶養能力等も考慮されることになると考えられます。
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大口善徳#15
○大口委員 子供の視点に立って、これはしっかり判断をしなければならないことでありますし、この改正案で共同親権が導入されることによって、また、これまでは、それこそ単独親権の方が、知らないうちに養子縁組がなされるということでありますが、今回、代諾について共同行使ということになりますので、これは手続上必ず、別居親が、知らない間に同居親が再婚された場合の子の養子縁組について関与する形になってまいりますので、しっかり、いろいろな御不安もございますので、どういう場合はどうなるのかということを明確にする必要があると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、昨日の参考人の質疑においてもほとんどの参考人が、裁判実務の改善が今後の課題となるということで、やはり家庭裁判所の人的、物的拡充というのは非常に大事でございます。我が党の提言においても、裁判所における専門性の充実及び安全、安心の確保や、当事者の目線から利用しやすい裁判手続の実現及び体制の充実、抜本的強化を求めてまいりました。
 また、参考人質疑では、父母の葛藤を低下させることの重要性と、そのための工夫の必要性の観点から、親ガイダンスの実施等の有効性を指摘する意見が述べられております。また、最高裁も約束してくれていますように、家事調停手続における親ガイダンスにおいても、父母の対立から子の利益に目を向けてもらう工夫も重要であります。
 そこで、裁判所における親ガイダンスの実施を含めた家事調停の運営改善等に関する今後の取組について、最高裁にお伺いいたします。
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馬渡直史#16
○馬渡最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
 子をめぐる紛争のある家事調停におきまして、子の利益にかなう紛争解決をするためには、委員御指摘のとおり、調停の当事者である父母の葛藤を低減させることが重要でございます。
 家庭裁判所では、調停期日において、調停委員会が父母双方の話を十分に傾聴し、子の利益にかなう紛争解決に向けて、必要な時間をかけて調整を行い、父母の葛藤の低減に努めているものと認識しております。あわせて、いわゆる親ガイダンスを実施し、父母が両親の紛争下に置かれた子の心情等に目を向け適切に配慮できるよう、働きかけを行っているものと認識しております。
 今後、改正法が成立した場合におきましても、よりよい家事調停の運営に向けて、改正法の趣旨等も踏まえ、親ガイダンスや研修の在り方などにつきまして、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
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大口善徳#17
○大口委員 しっかりお願いをしたいと思います。
 質問はこれで終わりとしたいと思いますけれども、今回の改正案は財産分与の見直しについてもなされています。現行上の財産分与の請求権は二年の期限制限があるわけでありますが、それが五年になる。我が党も、令和二年十二月に法務大臣に、財産分与請求期間の伸長を求める提言を出したわけでありまして、五年に伸長されるということは非常に大事なことである、こう思います。また、財産分与の考慮要素の明確化ということで、婚姻中の財産管理、維持に対する寄与の割合を原則二分の一ずつにする、これも判断要素を明確にするということで意義のある改正であると思います。
 こういう様々な改正案についてやはり分かりやすく丁寧に解説をし、そして周知をしていくことが大事である、その意見を付しまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
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武部新#18
○武部委員長 次に、三谷英弘君。
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三谷英弘#19
○三谷委員 神奈川八区、衆議院議員の三谷英弘です。
 本日は、質問の機会をいただきましたことにつきまして、まずもって、理事の先生方、そして委員の皆様に心から御礼、感謝を申し上げたいと思います。
 二〇一三年から十年以上にわたりまして、共同養育支援議連、当時は親子断絶防止議連でございましたが、その一員として、そしてこの数年はその事務局長として、夫婦が離婚した後も親子のきずなが切れることのない社会の実現に向けて取組を進めてまいりました。
 この間、子供に会えずに苦しんでいる方々からの声をたくさん伺ってまいりました。子供に会えない苦しさから自ら命を絶たれる、そういった方もいらっしゃいました。お父さんやお母さんに会いたくても、会いたいと言えなかった、大きくなってから会って、ずっと自分のことを愛してくれていた、そういうことを知って胸のつかえが取れた、あるいは欠けていたピースが埋まった気がした、そういった子供たちの声も多数伺ってまいりました。そういった方々の顔を思い浮かべながら、今日は質問をさせていただきます。
 まず、大臣に伺います。
 今回の法律改正が行われるまで、現状ですけれども、離婚後は単独親権しか認められないため、親権をめぐる争いが必ず引き起こされる仕組みとなっています。最近では、イクメンとか、お父さんもお母さんも子供の養育に一生懸命携わる、そういったことがあるわけでありますから、離婚をした段階で突如どちらかしか親権者でいられないというような仕組みになれば、当然ながら、我こそが親権者でありたいということを、一生懸命その離婚の話合いあるいは裁判手続の中で主張、立証していく。そういった中には、自分が親権者であるということを一生懸命主張、立証するだけではなくて、相手方が親権者として不適格であるということを一生懸命主張、立証せざるを得ない、そういった活動を強いられるのが現行の法制度であります。
 そういった中で、自分が相手方の嫌なところに一生懸命目を向けていく、あるいは向こうからも自分のそういった部分についていろいろと言われていく、そういったことを繰り返す中で、どんどんどんどん必要以上に葛藤が高まっていくというのが現在の法制度であります。
 今回の離婚後の共同親権というものを導入するということによって、まずはそういった今の制度が、葛藤を引き起こしていくというような仕組みがまずなくなるということだけでも大きな一歩だと思っています。
 そして、それに加えまして、夫婦は離婚したとしても、親子の関係が切れることはありません。自分にとっては嫌な相手でも、子供にとっては大切なお父さんであり、またお母さんです。そういったことを前提に話合いを続けることは不可欠であるということを前提に、質問させていただきます。
 離婚後にも共同親権を認めるというのは、親のための改正ではなく、子供のための改正と理解しています。今回の法改正は、もちろん、両親が共同親権でいこうということを合意したときには当然ですけれども、たとえ一方の親が単独親権を求めたとしても、離婚後も両方の親が親権者として子供に関与することが子供の利益の観点から望ましい場合がある、そういう理解でよいか、お答えいただきたいと思います。
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小泉龍司#20
○小泉国務大臣 まず、お尋ねのうち、本改正案の趣旨、目的につきましては、御指摘のとおり、本改正案は子の利益を確保することを目的とするものであります。
 次に、どのような場合に父母双方を親権者とするかについては、本改正案では、離婚後の親権者の定めについて父母の協議が調わないときは、裁判所が、子の利益の観点から、親権者を父母双方とするか一方のみとするかを判断することとしております。
 その際の判断の問題でありますけれども、法制審議会の議論の過程では、裁判所が父母双方を親権者と定める要件に関し、その旨の父母の合意がある場合に限定すべきとの意見もございました。
 しかし、父母の協議が調わない理由には様々なものが考えられます。したがって、合意がないことのみをもって直ちに父母双方を親権者とすることを一律に許さないのは、かえって子の利益に反する結果となりかねない。そのため、本改正案では、裁判所は、父母の協議が調わない理由等の事情を考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難であるかなどの観点を含め、親子の関係、父母の関係その他一切の事情を考慮して実質的、総合的に判断すべきこととしており、そのことが全体として子の利益の確保に資すると考えております。
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三谷英弘#21
○三谷委員 ありがとうございます。
 もちろん、夫婦が高葛藤になっているケースの中には、当然ながら共同養育をやろうといっても不可能であるというふうになるものがあることは否定をいたしません。しかしながら、話合いができない方が単独親権をかち取れるということになれば、話合いをする努力をしない方が得をするような間違った理解というものが広がってしまうおそれがございます。
 これまでも、裁判を通じて、あるいは手続を通じて葛藤を下げる取組というものを裁判所の方でも行っていくという話もありますけれども、しっかりと話合いをする方向に努力をさせるためには、今回の法改正に当たって、法務省から裁判所に対して、あるいは当事者に対して適切なメッセージを発出していただく必要があると考えますが、どのように考えておりますでしょうか。
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竹内努#22
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 本改正案では、親権の有無や婚姻関係の有無にかかわらず、父母は子の人格を尊重してその子を養育しなければならないことや、父母は子の利益のため互いに人格を尊重し協力しなければならないことを明確化することとしております。
 また、本改正案によれば、親権者の指定の裁判においては、裁判所は、子の利益のため、父母と子との関係や父と母との関係その他一切の事情を考慮しなければならないこととしており、あくまでも一般論としてお答えいたしますと、父母相互間の人格尊重義務や協力義務を遵守してきたかも考慮要素の一つであると考えられます。
 法務省といたしましては、改正後の民法の趣旨や内容、解釈について、裁判所と適切に共有することも含め、関係府省庁等とも連携して適切かつ十分な周知、広報に努めたいと考えております。
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三谷英弘#23
○三谷委員 ありがとうございました。
 今お答えいただきました中に、夫婦の協力義務という言葉があります。これは本当に大きな言葉だろうというふうに思っています。
 子供の連れ去りについて伺います。
 子供の連れ去りと刑法の関係につきましては後ほど谷川委員から質問されると承知をしておりますので、それはそちらにお任せさせていただくといたしまして、民事上の質問をさせていただきます。
 これまでは、親権を獲得するためのある意味必勝パターンというものが存在いたしました。その最たるものが、子供の連れ去りであります。子供と一緒に家を出て、別居を始めるということで事実上の監護状態をつくり出す。そうすると、継続性の原則が適用されて、そのままの事実状態が裁判所に追認をされることが非常に多くありました。
 ある意味、これまでは連れ去った方が得をするという運用がありまして、それを踏まえて、弁護士も、離婚をされるなら子供と一緒に出てくださいというようなアドバイスが行われることが多かったと承知をしております。
 そういった中で、今回の法改正を踏まえて、その以降、理由なく子供を連れ去り、あるいは相手方と会わせないということは、先ほどお話しいただいた親権者間の協力義務に違反する行為となりますので、やはり親権者の判断においてマイナスに働き得るということでよいか、お答えいただきたいです。
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竹内努#24
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 本改正案では、父母の離婚後もその双方を親権者とすることができることとしたほか、婚姻中も含め、父母双方が親権者である場合は、子の居所の変更を含めて親権は父母が共同して行うとした上で、急迫の事情があるときは父母の一方が親権を単独で行うことが可能であるとし、父母の意見対立を調整するための裁判手続を新設することで、親権行使のルールを整理しております。
 また、本改正案では、子に関する権利の行使に関し、父母が互いに人格を尊重し協力しなければならないとしており、父母の一方が何ら理由なく他方に無断で子の居所を変更するなどの行為は、個別の事情によっては、この規定の趣旨にも反すると評価され得ると考えております。
 そして、あくまで一般論としてお答えいたしますと、父母の一方が父母相互の人格尊重義務や協力義務等に違反した場合、親権者の指定、変更の審判において、その違反の内容が考慮される可能性があると考えております。
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三谷英弘#25
○三谷委員 ありがとうございます。
 そして、もう一つ加えてお伺いします。特段の理由なく子供を連れ去って相手方に会わせないということ、これ自体は、引き離された側に対する精神的なDVに該当するというふうに理解をしておりますが、それでよいのか、お伺いします。
 それからもう一つ。子供を理由なく引き離して相手方に会わせないということが仮にDVに該当するということであれば、親権者を決定するという判断において極めて不利益に考慮される事情となるというふうに承知をしておりますが、その点についてお答えいただきたいです。
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竹内努#26
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 まず、お尋ねの前段の部分でございますが、無断で子供を転居させ、特段の理由なく別居親と一切交流させないというような場合は、個別の事情にもよるものの、これにより心身に有害な影響を及ぼしたと認められる場合にはDVに該当する可能性もあり得ると考えられます。
 後段についてですが、本改正案では、先ほど申し上げましたような夫婦相互の人格尊重義務や協力義務を規定しているところでございまして、お尋ねのような行為は、個別の具体的な事情によりましては、この義務に違反すると評価される場合があるものと考えられます。
 また、本改正案によれば、親権者の指定の裁判においては、子の利益のため、父母と子との関係や父と母との関係その他一切の事情を考慮しなければならないとされておりまして、これらを踏まえ、あくまで一般論としてお答えをいたしますと、親権者の判断におきましては、父母の一方が子の養育に関する責任をこれまで十分に果たしてきたかや夫婦相互の人格尊重義務や協力義務を遵守してきたかも考慮要素の一つであると考えられます。
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三谷英弘#27
○三谷委員 ありがとうございます。
 そういったお答えをいただきましたが、ただ、だからといって、直ちに連れ去りというものがなくなるとまでは楽観視してはおりません。
 といいますのも、私がもし弁護士として実務に携わるのであれば、離婚に至る間に夫婦間にあった様々な口げんかを含めたいざこざに着目いたしまして、その際の言動というものを殊更に強調して、それがDVとか虐待に当たると主張して子供を連れて出ていくように指導するだろうと思います。
 もし、裁判所がそういった主張を漫然と認めるということはないと思いますけれども、そうだとすれば、結局、今巷間に言われておりますような虚偽DVの被害と言われるものが形を変えて増えるだけでもありますし、結局、連れ去った方が有利という事態を防ぐことはできません。
 だからこそ、伺います。まず、単にDVや虐待があるという主張が行われただけでは単独親権は認められないし、そういう主張が行われたとしても、しっかりと裁判所が事実認定を行って、その有無を含めて、子供の利益のために有益であれば共同親権が認められるという理解でよいか、お伺いします。
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竹内努#28
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 本改正案では、裁判所が親権者の判断をするに当たっては、子の利益のため、父母と子との関係、父と母との関係その他一切の事情を考慮しなければならないものとした上で、必ず父母の一方を親権者と定めなければならない場合の例として、虐待等のおそれがあると認められるとき、DV被害を受けるおそれ等の事情を考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるときを挙げております。
 虐待等やDV被害を受けるおそれの有無や、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるかどうかは、裁判所において、個別の事案ごとに、それを基礎づける方向の事実とそれを否定する方向の事実とが総合的に考慮されて判断されるものでありまして、当事者が虐待やDVの存在を主張していることのみによって直ちに認められるものではないと考えられます。
 したがって、当事者が虐待やDVの存在を主張しているとしても、子の利益のため、父母と子との関係、父と母との関係その他一切の事情が考慮されて、父母の双方を親権者と定められることもあり得ると考えられます。
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三谷英弘#29
○三谷委員 ありがとうございます。
 もちろん、DVですとか虐待というのは重大な事柄ですから、そういった主張が行われたときには、裁判所は当然ながら慎重にその有無を審理するというのは当然のことでもありますし、その分だけ審理に要する時間というのは長くなるということは避け得ない、それはもう理解をしています。
 ただ、だからといって、その間、一方の親のみとの同居状態というものが長期化するということによって、別居親との関係が薄くなってしまうことは容易に想定されるわけです。それを防ぐためには、こういった長期にわたる調停や裁判手続の間も、子供と別居親との間の親子交流がしっかりと実施されることが不可欠であると考えますが、どのようにお考えでしょうか。
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