公職選挙法改正に関する調査特別委員会

1955-07-23 衆議院 全66発言

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会議録情報#0
昭和三十年七月二十三日(土曜日)
    午前十時五十四分開議
 出席委員
   委員長 島上善五郎君
   理事 早川  崇君 理事 淵上房太郎君
   理事 古井 喜實君 理事 小金 義照君
   理事 片島  港君
      大村 清一君    薩摩 雄次君
      青木  正君    大坪 保雄君
      堀川 恭平君    森 三樹二君
      山口丈太郎君    鈴木 義男君
      石野 久男君
 出席政府委員
        警  視  長
        (警察庁刑事部
        長)      中川 董治君
        総理府事務官
        (自治庁選挙部
        長)      兼子 秀夫君
 委員外の出席者
        参議院議員
        (地方行政委員
        長)     小笠原二三男君
        検     事
        (刑事局刑事課
        長)      長戸 寛美君
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七月二十三日
 委員生田宏一君及び佐々木更三君辞任につき、
 その補欠として青木正君及び山口丈太郎君が議
 長の指名で委員に選任された。
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七月二十二日
 公職選挙法の一部を改正する法律案(参議院提
 出、参法第二四号)
 公職選挙法の一部を改正する法律案(地方行政
 委員長提出、参法第二四号)(予)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(参議院提
 出、参法第二四号)
 公職選挙法改正に関する件
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島上善五郎#1
○島上委員長 これより会議を開きます。
 昨日本委員会に負託せられました公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。提案者よりその提案理由の説明を求めます。参議院地方行政委員長小笠原二三男君。
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小笠原二三男#2
○小笠原参議院議員 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の概略を御説明申し上げます。
 まず、提案の理由といたしましては、公職選挙法は、昭和二十五年公布以来満五年を経過し、その間庫次改正を重ねて今日に至っておりますが、最近本年二月には衆議院議員の総選挙、四月には地方選挙が行われ、明年は参議院議員の通常選挙を控えておりますので、これらの事実にかんがみ、選挙がより公明にかつ適正に行われるために、この際、特に緊要と認められる事項を取り上げて所要の改正を行おうとするものであります。
 参議院におきましては、自由党、民主党、緑風会共同提案として議員立法が提案せられておったのでありまするが、各会派の意見交換の末一致せられた部分につきまして、とりまとめてこの際委員長提案として提案すべきであろうということになりまして、この案が出た次第であります。
 次に、改正の主要な点につきまして、大体条文の順序に従って概要を御説明申し上げます。お手元に要綱が行っておるかと思いますが、要綱とも関連いたしまして御説明申し上げたいと思います。
 第一には、まことに事務的な問題でありますが、投票所、開票所または選挙会場の指定及び告示は投票管理者、開票管理者または選挙長が行う制度でありますが、これを改めてすべて選挙管理委員会が行うように統一いたしたのでございます。
 第二には、要綱の二に出ておりまするが、都道府県知事または市長の自発的退職を申し出た者は、当該退職の申し立てがあったことにより告示された選挙に立候補することができないものといたしたのであります。すなわち、現任の知事が自分の都合で急遽やめて、そして行われる知事選挙にまたその知事が立候補することを禁じたのでございます。これは、いわゆるお手盛り選挙が選挙の公正を害するものとしてきびしい世論の批判を受けている事実にもかんがみまして、あえてここに取り上げた次第でございます。
 次の改正点は、要綱の二でございますが、参議院の議員の供託金の問題に関してであります。参議院全国区選出議員の選挙の場合の供託金は、候補者一人につき現行十万円を二十万円に増額いたしました。供託金の趣旨は、選挙公営の費用を分担するという意味合いでもございませんけれども、あとで申し上げますポスターの増加、無料はがきの増加解々がありまして、泡沫候補が立候補して世間でさまざま言われているような過去の弊害が行われない一助にも、一応全国区参議院議員だけは供託金を二十万円に引き上げようとしたのでございます。他は現行通りでございます。
 次は、選挙運動期間に関する改正でありますが、要綱第四に出ておるものでございます。すなわち、その表でごらんいただきますように、参議院議員の選挙については現行三十日でございまするが、これを二十五日として五日短縮する。それにつれまして、その他の選挙につきましては、衆議院議員の選挙の場合を除き、右に準じて選挙運動期間を短縮するため、選挙期日の公示または告示の期日、立候補の締切期限、補充立候補期間、立会演説会開催の決定の告示期日等をそれぞれ改ため次第であります。これに関連いたしまして、経歴放送に関しましては、現行十四とあるのを、衆議院議員の候補者の場合を除き、候補者一人についておおむね五回とし、日本放送協会は事情の許す限りその回数を多くするように努めるものといたしました。
 改正の第四は、選挙運動に関するものでありまして、数項目にわたっております。すなわち、要綱で申しますと、五は飛ばしまして、六から御説明申し上げます。
 選挙運動用の自動車または船舶に乗ることのできる者は候補者及び運転手一名または船員を除いて四名とし、乗車用または乗船用の腕章を着用した者は、街頭演説に際し、さらに街頭演説用腕章の着用を要しないものといたしました。これは、過般の衆議院選挙におきまして、運転手はこの通りでございますが、助手が、免許状を持っておらない者は助手としては扱えない、こういうようなことで、取締り当局のそれがまちまちであって、候補者が迷惑をしたという事実がございますので、運転手、候補者以外には、助手としてこれが使われようが、運動員として使われようが、四名の乗車、乗船ができる、こういうことにしたのであります。しかも、自動車あるいは船に乗る場合の腕章をつけておって、なお街頭演説等の場合の運動員の腕章をつけるということは重複であるから、一方の艇庫をつける場合に、街頭演説用の腕章は要らないこととしたのであります。
 次の改正点は、要項で申しますと八でございますが、演説会場等において使用するポスター、立て札、ちょうちん及び看板の類を故意に回覧させることを禁止いたしました。これはまぎらわしい行為があって往々紛争の種にもなるということでありますので、条文上明記したのでございます。
 次に、要綱で申しますと九でございますが、選挙運動用の自動車または船舶に当該選挙の種類、候補者の氏名並びに党派を記載した文書の掲示、及び公職の候補者がたすき、胸章、腕章の類を着用することを認め、またこれらを回覧させあるいは回覧することを認めたのでございます。衆議院選挙におきましては、自動車には一切のこの種標識を許さなかったのでありますが、今後におきましては、衆議院議員候補者であること、あるいは何党に所属し、あるいは無所属であること、あるいは全国区の選出であること、地方区の選出であること等を含み、候補者の氏名を掲載し、その状態で自動車、船が動いて一般に回覧させることができるというのであります。それから、たすきの問題でありますが、今日までやり得る形で実際行われており、法律上はできないことになっている、こういうまぎらわしい点があって、選挙の公正を害する点がありますから、たすき、胸章、腕章の類、氏名を明記したもの等を着用に及んで、街頭を歩こうが、自動車にそのまま乗って歩こうがよろしいとした点であります。
 次に、要綱の十でございますが、選挙運動用無料はがきの枚数を、候補者一人について、参議院全国選出議員の場合は現行の五万枚を六万枚に増加し、同地方選出議員の場合は現行の一万枚を一万五千枚に増加するほか、当該都道府県の区域内の衆議院議員の選挙区の数が一をこえる場合には、その一を増すごとに三千枚を加えるものといたしました。
 つけ加えて申し上げますが、参議院に関する方だけポスターの枚数の増加をはかり、衆議院の分はどうなったのかという疑義がおありでございましょうが、わが委員会といたしましては、前回の選挙法改正の場合に、衆議院の場合の改正を行い、参議院の場合は参議院の方でやってくれというような意向があったということで、今回は参議院限りにとどめたのでございまして、衆議院においてそういう要望がおありになるということであるならば、衆議院の方でおきめ願い、参議院として御協力申し上げたい、こういう含みでこの改正案が出ているのでございます。
 次には、個人演説会告知用ポスターの制度を廃止する点でございますが、これは要綱十一に載っている意でございます。選挙運動用ポスターは、候補者一人について、衆議院議員及び都道府県の教育委員の場合は五千枚、参議院地方選出議員及び都道府県知事の場合は八千枚、参議院全国選出議員の場合には五万枚とする。この場合、参議院地方選出議員及び都道府県知事については、当該都道府県の区域内の衆議院議員の選挙区の数が一をこえる場合には、その一を増すごとに三千枚を加えたものといたしました。この点につきましても、前項で申し上げた点と同様、衆議院の場合はいじってないのでございます。
 次には、言論等に関する問題でございますが、要綱で申しますと、五の方に戻るのであります。現行の新聞紙、雑誌の人気投票掲載の制限規定を改めまして、広く何人も選挙に関し公職につくべき者を予想する人気投票の経過または結果を公表してはならないものとすることにいたしました。従って、デパート、商店あるいは団体等においてする人気投票の経過並びに結果を公表することはいけないというふうに広くなったわけでございます。
 もう一点は、要綱の十二にある問題でございますが、選挙に関し報道及び評論を掲載する自由を有する新聞紙または雑誌は、当該選挙の選挙期日の公示または告示の日前一年以来引き続き発行するものに限るものとするとの改正点でございます。現行では、端的に申しまして、月三回以上発行される新聞、雑誌、旬刊誌でなければならない、第三種の認可をとっておらなければならない、継続して六カ月以上発刊しておらなければならない、こうありますものを、今回は継続して一年以上発刊しておるものでなければならぬこととしたのであります。それに伴いまして、この法律は十月一日から施行するのでありますが、経過期間中における選挙等においての問題については、別に経過措置をつけてあります。
 改正の次の点は、政党その他の政治団体の選挙における政治活動に関する事項でありまして、政治活動のルールを確立し、よってもって改正の眼目たる選挙の公正を保障せんとするものであります。
 すなわち、第一には、要綱の十六でございますが、衆議院議員、参議院議員、都道府県知事または市長の選挙の選挙運動の期間中は、その選挙において一定数以上の所属候補者を有する政党その他の政治団体、すなわちいわゆる確認団体のみが政治活動を行い得るものとし、これらの選挙の二以上のものが重複して行われる場合には、それぞれの選挙における確認団体がそれぞれの規定に従って政治活動を行うことを妨げないものといたしたのであります。今日二布選挙が行われる場合に、いろいろ解釈上まぎらわしい諸点があった点をはっきりしたことと、ここに、いわゆる政党政治団体について一定の制限を加えて、確認団体の政治活動を保障したのでございます。
 次は、要綱で申しますと十七でございますが、確認を受けない政党その他の政治団体は、政策の普及官伝及び演説の告知のためのみならず、一切ポスターの掲示及びビラの頒布はできないこととするとともに、確認団体が掲示しまたは頒布するポスター、ビラについては、選挙運動にわたらざる限り、その記載内容を制限しないことといたしました。なお、ビラの頒布は、確認団体がその開催する政談演説会場においてする場合に限って認められる旨を明らかにいたしました。簡単に申し上げますと、確認を受けない政党、政治団体の各種の運動を全面的に選挙に当っては禁止をしたのであります。従って、そのかわり、確認を受けた団体の方のポスターの記載内容等は、選挙運動にわたらざる限り自由として緩和したのであります。とともに、たとえば自由党の政談演説会が行われておる会場に、別の政党、政治団体のビラを持ち込んでまく、こういうような問題があって、まぎらわしい点があって規制ができなかったのでありますが、今回は、自由党の政談演説会ならば、その場合ビラの頒布運動ができるものは自由党という政党だけであって、他の団体が会場に持ち込むビラの頒布はできない、こういうことにした点であります。
 次は、十八の点でございますが、先ほどから確認団体、確認団体と申しておる点の規制であります。確認団体の所属候補者の数を算定する場合におきましては、一の公職の候補者は三以上の政党その他の政治団体の所属候補者として計算されることはできないものといたしました。従来は、政党あるいは政治団体は自由な政治活動が行えるようになっておりまして、たとえば、衆議院の場合においては、二十五人以上の所属候補者を持つものは政治団体として確認を受け、政治活動が選挙中行えておったのであります。この無制限に行われておりましたものを規制いたしまして、一人の候補者は、三以上でございますから、一の政党に所属し、あるいはもう一つ一の政治団体の所属候補者であることを承諾してその団体の政治活動の構成メンバーになることができる、二つまではよろしい、三つ以上はいけない、こういうことにしたのであります。具体的に申しますと、社会党という政党がございますならば、社会党所属の議員がもう一つだけは他の政治団体の所属候補者として承諾を与えることができる、こういうことにしたのであります。
 次は、要綱で申します十九でありますが、確認団体は、自己の所属候補者のみならず、他の政党その他の政治団体の所属候補者の推薦、支持、その他選挙運動のための演説をもすることができることにいたしました。この選考運動のための演説というのは、現行行われております政談演説会においてのことでございます。街頭演説会等ではそれはできないのであります。この改正は、従来自由であった政治団体の活動を全面的にというに近いほど規制いたしましたので、その確認された政治団体が、自己の所属候補者のみならず、支持したい候補者について、政談演説会場に限ってのみ選挙運動のための演説をもすることができると緩和したのでございます。
 次は、要綱の二十でございます。立会演説会開催時刻及びその前後各二時間は、当該演説会場から三町以内の区域で政党その他の政治団体の政談演説会または掛軸政談演説の開催を禁止するように明記したのであります。これは、従来の選挙の事実にかんがみて、こういう改正を加えました。
 次は、要綱二十一でありますが、過般の地方選衆等が二重にいろいろ行われておった場合に間々あったことから規制を加えたのでありますが、それは、二つ以上の選挙が行われる場合においては、一の選挙の投票日には、投票所から三町以内の区域で他の選挙における政党その他の政治団体の政談演説会または街頭政談演説の開催を禁止することといたしたのであります。
 以上、要綱を一中心にいたしまして通りの提案の理由を申し上げましたが、このほかに、選挙管理等に関する規定に若干の改正を加え、また、先ほども申しましたように、この法律は昭和三十年十月一日から施行することといたしましたので、これに伴って経過措置その他所要の規定の整理を行なったのであります。
 なお、本案は国会法第五十七条の二に規定する予算を伴ういわゆる選挙費用の増額等を見る法律案に該当するものでありますから、内閣の意見を求めましたところ、永田自治庁政務次官より、内閣としては異議がない旨を述べられておったのであります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛成あらんことをお願い申し上げます。
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島上善五郎#3
○島上委員長 以上で提案理由の説明は終りました。質疑は次会より行うことといたします。
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島上善五郎#4
○島上委員長 次に、公職選挙法改正に関する件について調査を行います。質疑の通告がありますので、これを許します。堀川恭平君。
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堀川恭平#5
○堀川委員 私は不審な点があるのでお聞きしたいと考えておるのであります。まず、私がお聞きすることは、個人演説会のポスターを、個人演説会場がないために、街頭演説会として張ったのであります。その張ったのに対して、選管ではよろしかろうということであったのでありますが、それが選挙違反に問われたということであります。これは選挙違反であるかどうか、いかがなものでしょうか。
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中川董治#6
○中川(董)政府委員 御質問の趣旨を取り違えておるかもしれませんが、堀川さんの御質問は、個人演説会告知用のビラを街頭演説等の掲示のために利用したのが選挙違反になるかどうかという御質問のようでありますが、公職選挙法百六十四条の二の十一項に「第七項の演説会告知用のポスターは、その掲示箇所を移動して再び掲示し、当該個人演説会以外の個人演説会の告知のために再び掲示し又は個人演説会の告知以外の選挙運動のために掲示することができない。」個人演説会の告知以外の選挙運動のために掲示できなくなりますので、これに触れる行為ではなかろうかと思うのであります。
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堀川恭平#7
○堀川委員 実は、そのために、その町の選挙管理委員会に、これはどうですと言うてお尋ねしたら、それはいいでしょうということであった。ところが、そのあとで、警察の方から調書だけ取らしてくれということで、調書は取ったのです。ところが、いよいよそれは選挙違反になったわけです。選挙違反だということば確実ですか。選管の方は、それは解釈のしようで、私の方と解釈が違うのだろうということであったと思うのです。
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中川董治#8
○中川(董)政府委員 ただいまの御質問は、ただいま私が読み上げました公職選挙法第百六十四条の二の十一項の違反に触れる行為だと思われますけれども、具体的な事情で——われわれは想像で申しておるのでありますので、かりに個人演説会告知のビラを、その告知に用いないで、街頭演説の告知に用いておるという事実でありますならば、違反になる。ところが、お話のように事前に選管等によく御連絡願った、そういう事情等もわかれば、そういった客観的な事情等も勘案してその違反の情状ということになりますから、そういったことに関連して刑事手続はそういうことも勘案の上いろいろ進んでいくことであろうと思われるのであります。
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堀川恭平#9
○堀川委員 そこで、もう一つお聞きしたいのでありますが、実はそれば、そのところで演説会場を持っておりませんから、それを聞いて街頭でやらしてもらいたいということでやったのであります。ところが、あとで警察の方でこれをとって、選挙違反にこれを確定したわけなんです。起訴したわけです。そこで、その起訴されたその選挙違反は一体だれが選挙違反になるのです。その起訴される人は一体だれでしょう。
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中川董治#10
○中川(董)政府委員 公訴の提起等は検察庁でやりますので、検察庁、法務省の方の御答弁が適当かと思いますが、法律的に見ると掲示することが違反でございますので、掲示した者が公職選挙法違反になる、こういうことになるわけであります。
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堀川恭平#11
○堀川委員 今の件でありますが、一体、私が考えるのには、選挙違反として起訴された人は労務者であります。労務者は張れということで張ってまわったのであります。労務者が選挙違反になるのでありましょうか、命令した人が選挙違反になるのでありましょうか。
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長戸寛美#12
○長戸説明員 これは具体的事件でございますので、それぞれの事実によって異なると思われますが、ポスターを張り歩くという行為は二色あると思われるわけであります。それは、いわゆる労務者でございましても、自己の判断においてここに張ったら最も効果的であるというふうなことを考えてやる場合には、自主的にそれは張って歩く、ところが、そうでなく、命ぜられました通りをやるというふうな場合は機械的労務である、こういうふうに見られるのであります。機械的労務の場合は、命じた方が違反者ということになるわけであります。
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堀川恭平#13
○堀川委員 一体ポスターを張るのにどことどこというようなことはないと思います。何村と何村と何村を街頭演説して回る、そこに張ってくれ、こういうことだと思うのでありますが、それが労務者が起訴されておるのであります。ところが、その労務者は、ほんとうに字も書けないような労務者で、三百五十円かもらって張っておる労務者でありますが、その労務者が起訴されて、相当ひどい刑を言い渡されておるのであります。こういうことは、ポスターを張る行為あるいは戸別訪問と照らし合せて、どっちが一体悪質でありましょう。
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長戸寛美#14
○長戸説明員 それは、文書による場合も、効果というものはかなりありますので、戸別訪問とどちらが違法性が強いかということはちょっと申し上げかねると思います。
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堀川恭平#15
○堀川委員 悪質違反というのは一体どういうものを言うのですか。ただ買収犯だけを悪質違反とは言わないのだと思います。戸別訪問をやっておるのも悪質違反だということを私はしょっちゅう聞いておるのですが、その御見解はいかがですか。
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長戸寛美#16
○長戸説明員 私どもといたしましては、選挙違反の検察につきまして、お無しになりましたような悪質重大なる違反というものに重点を指向する。その場合に、やはり買収罪であるとかあるいは選挙妨害事件であるとか、そういうようなものに重点を指向いたしますが、いわゆる形式犯でありましても、それが組織的な行為としてなされておるとか、そういうふうな場合には、それにも重点を指向する、こういうふうにやっております。
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堀川恭平#17
○堀川委員 悪質違反といいますと、世間ではみな相当悪質違反というものを憎んで、これを刑罰に課さなければならぬということで選挙法ができておるのだ、かように考えるのであります。私はこのポスターを張った行為は形式犯じゃないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。
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長戸寛美#18
○長戸説明員 一般的には形式犯に属すると思います。
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堀川恭平#19
○堀川委員 警察の方に聞きますが、この前私は防犯ということを言ったのでありますけれども、四十八時間前に張るのでありますが、こういうときには警察は注意をするというような御意思はないのですか。
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中川董治#20
○中川(董)政府委員 この前堀川委員から御意見の開陳がございまして、公職選挙法の違反がないようにする——公職選挙法が規定しておりますところの制限禁止保障をいたしまして、公正な選挙が行われるということが根本原理でございますので、検挙することだけがその目的を達する唯一の方法でございませんので、こういう違反がないように、防犯と申しますか、そういったことを行うことが非常に好ましいことだと思い、そういうことを中心とした御意見がございました。その趣旨に私どもは賛成、でありまして、そういうふうにいろいろ違反が行われないように、警告その他の処置によって目的を達成していこう、こういう処置を全般的に施行しておるのであります。しからば形式犯は一つの立件ができないかとおっしゃいますと、公職選挙法で違反となりまた罪となるというふうに犯罪を規定しておりますので、刑事訟訴法に基いてわれわれほ犯罪を立件しなければならぬ責任がありますから、その調和を考えながらやっている、こういうことが言えようかと思います。ただいまお尋ねの事件は、まことに軽微であるから、こんなものは立件するのが無理ではないかという御意見のように拝聴できるのでありますが、具体的の事情がよくわかりませんので、私何とも申し上げかねますけれども、事前にそういうことを制止できる機会があれば制止した方が好ましかった。ただし、事前に制止できる機会がなくて、そういう違反行為が行われた場合には、警察職員としては犯罪をほうっておくわけには行きませんので、犯罪を立件する場合には捜査しなければならぬ責任がありますから、それに基いた措置ではなかろうかと推測するのでございますけれども、一般的に申し上げれば、なるべく犯罪が起らないように処置していくべきだ、こういうことが正しいことであろうと思っております。
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堀川恭平#21
○堀川委員 私もそうでなければならぬと思います。しかし四十八時間前にポスターを張るのであります。張る前にむろん選管ではお聞きしたのでありますが、張って、そうして街頭演説して回って、戻ってきてから、警察からちょっと調書だけ取らして下さいというようなことは、実際問題として不親切だと私は思うのです。それで実は私は皆さんにお聞きしたいのでありますが、いわゆる形式犯か悪質犯かという問題にかかってくるのはこの刑罰の点であります。この刑罰が、この労務者に一万五千円の罰金が来て、公民権停止になっている。これは一体刑式犯であると私は確信するのでありますが、はなはだこれはむちゃくちゃな問題じゃないかと思うのです。戸別訪問している人に課している罰金が五千円や六千円で、そうして御承知のように公民権を停止せずという略式命令が来ている事実がある。しかるに、ポスターを張った労務者に対して——その労務者は字も読めない、私は張れと言われたから張ったのだ、公民権の停止など私はどうでもいいのだが、しかし一万五千円の罰金と裁判所へ呼び出されるために取れない日当とだけは困ると言っている。一体これは、こういうような連中に一万五千円だの一万円だのという罰金を課して、公民権を停止するというような大きな犯罪だと思われますか。どうですか。
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長戸寛美#22
○長戸説明員 具体的事件でございますので、調査しないとお答えができないのでございますが、そういうような事件につきましては、検察庁におきましても十分に情状等を勘案して処理すべきである、こういうふうにお答え申し上げます。
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堀川恭平#23
○堀川委員 処理すべきであるという御返事だけではどうも納得が行かないのですが、それは少しひど過ぎるのじゃないだろうかというようにはお考えにはならないでしょうか。
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長戸寛美#24
○長戸説明員 お答えいたします。先生のお話はよくわかるのでありますけれども、具体的事案でございますので、どのような情状によってそのような刑が求刑され課刑されたかということにつきましては、私どもとして、事件を一応調査しました上でないと、それが妥当か不妥当かすぐには御返事ができないというふうに申し上げます。
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堀川恭平#25
○堀川委員 そこで私は前に戻ってお聞きするのでありますが、そういう罰金刑と公民権の停止というものがそういう労務者にかかってくることになりますと、労務者は今後三百五十円くらいではポスターを張りにも行ってくれないと思うのです。命令した人にかかってくるならばこれはまた別問題でありますが、そうでなしに労務者にかかってきたということは、どうも法が間違っているのではないか、お考えが間違っているのではないかというように思うのですが、どうでしょう。
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長戸寛美#26
○長戸説明員 事案が軽微でありました場合には、公民権停止等についても十分考慮すべきであるというふうに、一般的には考えられます。
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堀川恭平#27
○堀川委員 いや、そうじゃないのです。私は、そういう労務者にかけるべきものではなしに、それを張らした人間にかけるべきものじゃなかろうかと思うのですが、どうでしょうか。
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長戸寛美#28
○長戸説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、それが機械的な労務にすぎないようなものであるというふうな場合には、実質的な違反者はむしろその上にあるというふうに考えられるべきである、こう思っております。
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山口丈太郎#29
○山口(丈)委員 私はあとでまた質問がありますけれども、関連して一言お聞きしたいのです。
 今の堀川委員の言われるようなこと、私もそういうことを直接聞いたことがあるのですけれども、実際には、事務所の事務員がそういう街頭刷りを書いて、それを労務者を通じて張りにやらせる。ところが、その張りに行った者自体が逮捕されて、そうしてそのような過酷な刑罰を受ける。しかも、当人としては、公民権の停止よりも、今言われたように一万五千円の罰金の方がつらい。私どもとしては、その経済的な負担はもちろんのこと、同時に公民権の停止ということは基本権の問題でありますから、従って、よほどの重大犯でない限り、そういうことは法施行上不可能じゃないかとさえ考えるのです。この事件については、検察当局あるいは警察官とその労務者との間に何らかの誤解もしくは感情的な取扱いがあったのじゃないか、これは私は非常に重大だと思いますが、そういった事件は一ヵ所に限らず多くあるのじゃないだろうかと思います。そういう場合には、私は一応その見解を明らかにしていただきたいと思うのですが、実際に張りに出る労務者は、たとえばそれが文字を知っている者であっても、知らない者であっても、私はそういうことは問題にならないと思うのです。とにかく一日に何円という正規の日当を受けて、そしてそのポスターを張ってきますという約束で雇用関係が成立しておるのですから、そのポスターが違反であるかないかという意識につきましては、それは問題外のことです。少くともそれを張ってくるために三百五十円の報償を得る、その報償を得る手段として、言いかえるとポスターを張りに行ったのですから、従ってその報償を得せしめるという契約に基いてやらせた者に犯意があるのじゃないか。いわゆる犯意の認定の問題でありますけれども、これは私はよほど重大な問題であると思いますが、それらについてどういう見解をお持ちであるか、私はこの際関連質問として明確にしていただきたいと思います。
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