社会労働委員会

1959-03-06 衆議院 全137発言

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会議録情報#0
昭和三十四年三月六日(金曜日)
    午前十一時十六分開議
 出席委員
   委員長 園田  直君
   理事 大石 武一君 理事 大坪 保雄君
   理事 田中 正巳君 理事 八田 貞義君
   理事 藤本 捨助君 理事 小林  進君
   理事 五島 虎雄君 理事 滝井 義高君
      藏内 修治君    河野 孝子君
      齋藤 邦吉君    中村三之丞君
      中山 マサ君    古川 丈吉君
      柳谷清三郎君    山下 春江君
      亘  四郎君    伊藤よし子君
      多賀谷真稔君    堤 ツルヨ君
      中村 英男君    八木 一男君
      山口シヅエ君    吉川 兼光君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 坂田 道太君
 出席政府委員
        文部事務官   内藤譽三郎君
        (初等中等局長)
        厚生政務次官  池田 清志君
        厚生事務官
        (大臣官房審議
        官)      小山進次郎君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局
        長)      尾村 偉久君
        厚生事務官
        (児童局長)  高田 浩運君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計官)   鳩山威一郎君
        厚 生 技 官
        (保険局医療課
        長)      館林 宣夫君
        専  門  員 川井 章知君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国民年金法案(内閣提出第一二三号)
 国民年金法案(八木一男君外十四名提出、衆法
 第一七号)
 国民年金法の施行及び国民年金と他の年金等と
 の調整に関する法律案
 (八木一男君外十四名提出、衆法第二六号)
 児童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一二四号)
     ――――◇―――――
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園田直#1
○園田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の国民年金法案、八木一男君外十四名提出の国民年金法案、及び国民年金法の施行及び国民年金と他の年金等との調整に関する法律案を一括議題として審査を進めます。
 質疑を行います。八木一男君。
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八木一男#2
○八木(一男)委員 昨日に続きまして政府案の国民年金法案につきまして、関係各大臣に御質問をしたいと思うわけでありますが、労働大臣、大蔵大臣、企画庁長官がまだお見えになりませんので、厚生大臣に対する質問を続けさしていただきたいと思います。少し前後するかと思いまするが、昨日は年金制度の根本的な問題、拠出年金の重要な骨組みになる問題について御質問申し上げまして、続いて無拠出年金の骨組みにちょっと入ったところで終っております。それで無拠出年金の骨組みのところで、もう少し内部に入った問題をこれから質問をさしていただきたいと思います。
 昨日の続きで、政府案の無拠出年金が所得保障が必要な程度の多い人に厚みをかけるという態度が少いということを申し上げたわけでございます。坂田厚生大臣の方もそれを、個々のこまかい点は別にしまして、そういう努力が足りなかった案であるということを大体においてお認めになったわけであります。その今の、特に必要の度の多い人に厚みが少いという点の極端なものは何か、それは生活保護階級であります。生活保護階級には、この法律を読みますると、年金は支給することになっておりまするけれども、支給する年金額は生活保護法の認定上の収入認定に入りまするので、無拠出援護年金が支給された金額だけ生活保護関係の各扶助が減らされることになります。結局現在の生活保護階級は老齢援護年金をもらってもそれだけ減らした生活費をもらうことになり、結局において老齢援護年金は全然ない、ほとんどなしにひとしいということになっておるわけであります。これは昨日坂田厚生大臣が、非常に必要度の多い人に厚みをかけなければならない、それについての配慮が少かったということをお認めになったのでありまするが、その極端なものであって、生活保護階級の老人なり、未亡人なり、身体障害者は一番所得保障が必要なんです。その人に実際上援護年金がいかないということであっては、この年金の少くとも無拠出部分はほとんどその価値がなくなるということになると思うのですが、それについてなぜこのようなことをなさったか、厚生大臣の御所見を伺いたい。
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坂田道太#3
○坂田国務大臣 ただいま八木先生がお尋ねの点は、これは一番大事な点だと思います。この国民年金を全国民に及ぼす、しかもそれが一番困っておられる低所得者層、なかんずく生活保護法の方々に及ばないということであったならば、その意味は非常に少くなるということは、私全くお説の通りだと思います。従いましてこの法律では全国民に及ぶということになっておりますけれども、生活保護法の面におきましてこれが収入認定をされまして、結局何らの恩恵を受けないということであってはならないというふうに考えまして、この点につきまして私どもといたしましては、生活保護法の適用を受けておられる方々にも一つこの実質的な恩恵が及ぶようにいたしたい、こういうふうに考えまして、老齢、母子、障害ともどもに老齢加算、母子加算、それから障害加算をするということを実は閣議でも大蔵大臣と御了解を得たようなわけでございます。おそらくこれは認定しないということになるわけで、実質上はこの国民年金が及ぶということになるわけであります。ただ、まだ一点問題になっておりまする点は、その額をどうするか、幾らにするかということでございますが、御承知のように、まだその点は大蔵省と最後的な決定に至っておりませんけれども、私どもの気持としましては、八木委員と同じような気持を実は持っておるわけでございます。
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八木一男#4
○八木(一男)委員 坂田厚生大臣になられましてから、そのような老齢加給、身体障害加給、今別な面で少しありまするけれども、母子加給をふやす、また新設するというような方向に進んでおられることはこれは非常に新しい大臣の御努力であると敬意を表するものでございまするが、その御努力が、ただ宣伝だけで実を結ばなければ何にもならぬ。閣議決定といっても、閣議決定はしょっちゅう変ることがあります。それをほんとうに裏づけをしてもらわなければならない。そのためには、生活保護法の改正案を本国会に出していただかなければ、ほんとうの裏づけにならない。今のような行政措置の加算というようなことでは、内閣の方針でどう変るかわかりません。生活保護法の改正案を即刻準備にかかられまして、本国会中に提出をされる意思を表明していただかなければ、今おっしゃったことは、口の宣伝であって、ほんとうの内容はないと私どもは認めなければならない。そういう意味で、生活保護法の改正案を今国会に急速に出される意思ありやいなや、伺いたいと思います。
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坂田道太#5
○坂田国務大臣 この点につきましては、法律にはっきりこれを書くかどうかという問題は、もう少し実は検討さしていただきたいと思うわけでございますが、私どもといたしましては、これをはっきり大蔵大臣ともお約束をしまして、来年四月に初めて援護年金が支給をされまするから、その際にはそれができることになると私は思います。これは、今事務当局から話を聞きますると、告示でできるということになっておるそうでございますから、法律に出さなくとも実はいいのではないかというふうにただいまは考えております。
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八木一男#6
○八木(一男)委員 今、来年四月からと言われましたけれども、来年四月じゃないでしょう。来年四月ということは、援護年金は来年四月から実施される、そうすると、ことしの十二月からは支払われないのですか。
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小山進次郎#7
○小山(進)政府委員 ただいま大臣が申しましたのは、言葉が足りませんでしたが、援護年金はことしの十一月分から支払いをいたします。支払いの時期が来年の三月になります。従って、生活保護法の問題として実際上形の上で解決が現われて参るのが来年の四月分から、こういうことを申し上げたつもりだったのでございます。
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八木一男#8
○八木(一男)委員 それでは食い違いはその御説明でけっこうですが、告示でできるということであれば、次に告示でそれをやめることができるわけです。ですから内閣が変るとか、あるいは厚生大臣や大蔵大臣がより非常に反動的な人になるということになれば、すぐ告示で変えられてしまう。ここでは国民年金法の審議に関連して、国民年金法の欠陥をどう埋めるかということを御答弁になっておる。国民年金法というのは法律なんです。法律にうたっておけば間違いないけれども、そういうものを法律の審議をやっているときに、告示で埋め合せをつけるということであってはいけない。これは検討されるといわれるのですけれども、当然法案でできる。告示でもできるということでありますが、法律でした方がいい。今まで告示でしたのは怠けているわけです。ですからそんなことくらいの条文は、厚生大臣や厚生省の有力な人が考えれば、一日か二日で考えられます。法制局の操作でも一日か二日でできます。ですから少くとも来週初頭くらいにその点の、生活保護法の改正をはっきり明記したそういう法律を出していただかなければいけないと思うんです。これについてどうお考えですか。
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坂田道太#9
○坂田国務大臣 実はそういうわけで、法律にするかしないかということは、もう少し熟考さしていただきたいということを申し上げたわけなんです。ただここのところが、八木委員も御承知の通りでございまするけれども、その法律にいたします場合には、大蔵省におそらく額等について決定をこっちとしては迫ります。また向うも要求をしてくると思います。ところが私は、少くとも八木委員と同じような立場で、強くこの点は主張いたそうと思っております。しかし実際上の問題といたしましては、御承知のように、来年度の予算折衝にかかるわけで、そこでこれはおそらく八月くらいからこれが開始をされると思います。そして大蔵大臣と強くこの点は折衝申し上げたいと思いますし、また大蔵大臣もこれくらいの重要なことはおわかりいただくものとは思っておりますけれども、なかなかやっぱりきまるまでは私としては安心ができません。この二、三日中に決定を急がない方が、むしろ八木委員の趣旨を決定させることができるのではなかろうかと、実は私は私なりにそのように考えておるわけです。その後、一応その決定がありました暁には、それをどう固定させるということを法律において明記させることも場合によっては必要ではなかろうかとも考えているわけでございます。その辺のところは、もうしばらく御猶予願いたいと思うのです。趣旨は私は全く同感であります。
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中山マサ#10
○中山委員 関連してちょっと伺いたいのでございますが、生活保護世帯に対して、私の記憶が間違っておりませんならば、何年か前に、母子世帯に五百円ずつ加算するという処置がとられたと私は記憶をいたしておりますが、そのときには厚生省におきましてどういう方法でもってこれに加算を可能にしていただいたか、そして同じような方法がまたこの点でもとられるのではなかろうかと私は今思うのでございますが、この二点について御答弁をお願いいたします。
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小山進次郎#11
○小山(進)政府委員 ただいま八木先生と大臣が話しておった問題が、ただいま中山先生がおっしゃった問題になるわけでございますが、現在生活保護法において母子加算あるいは身障加算として扱われておりますものは、生活保護法の第八条において、生活保護の基準はこの法律に基いて厚生大臣がきめることになっております。この規定に基きまして、御承知の通り一級地で一類何円、二類何円、大体一級地の標準性帯の生活保護費の基準額は一万円をこえるワクになっておりますけれども、そういうふうにきまっているわけでございます。これは一般的な基準でございまして、そのほかにさらに特別の基準といたしまして、母子世帯なりあるいは身障世帯なりについては、一定の要件のもとにそれだけを増額して生活費を認定する、こういうのがただいまの母子加算なりあるいは身障加算になるわけでございます。従ってこのやり方をするといたしますならば、同様に今度は老齢加算を設ける、また身障加算なりあるいは母子加算の増額をしたものをきめてこれを告示する、かようなことに形式上は相なっておるわけでございます。
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八木一男#12
○八木(一男)委員 ただいま坂田厚生大臣は、結局厚生大臣としてはかなり率直なほんとうの心境を披瀝しておいでになったと思いますが、一番最後にそういう交渉が済んだときに、生活保護の法律的な規定にするということが妥当だと思うというような御意見だったと思いますが、時期の問題についてはまた別にあとで御質問するとして、ほんとうにそれを法律に明記していただけるということを一つはっきりとこの委員会の席上で明言をしていただきたいと思うのです。
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坂田道太#13
○坂田国務大臣 われわれの気持といたしましては先ほど答弁いたしました通り、これを何か法律的なものではっきり明文化した方がいいのではないかというふうに思います。思いますけれども、この点は技術的な問題もありましょうし、法制局等の意見もございましょうし、あるいは生活保護法自体をいじらなければならないということもございますので、よく検討さしていただきたいと思います。しかしながらここでこれを法文に明記するようにいたすということを私が申し上げなくとも、少くとも十分その気持を持って当ってみて、もしそれが可能でございますならばそういうふうにいたしたい、こう思うわけであります。
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八木一男#14
○八木(一男)委員 社会党案を作りますときに生活保護法との関連で、私どもも法制局といろいろと折衝をし一緒に検討いたしました。生活保護法の併給自体も法制上書けることになっております。ですから加給自体を書くようなことはそれよりももっとやさしいことであります。そういうことで法制局の中で、たとえば既存の概念だけにとらわれてちょっとした無理解な態度があるかもしれません。しかしそういうことがあっても、この国民年金法のほんとうの精神から考えれば、当然生活保護法というものがいじられるという議論の方が、法制局でもはるかに強くなると思うのです。その点はそう御心配にならなくていいと思う。問題は内閣でほんとうに国民年金を実効あらしめるためにそういうことをするのだ、あわせて都合の悪いときに告示を撤廃したり、告示を変えてしまうというようなことをしないのだという決意を、ほんとうに内閣がお持ちになったら法律化できるわけです。できないということは何らかそういうぼやかして、ごまかしていこうという意図があるということになるわけです。首をお振りにならなくても、あなたのお考えはそうでないということはわかりますけれども、あなたが永久に厚生大臣であるわけじゃない。今までずいぶんそういうインチキが行われてきた。ですからあなたがほんとうに首を振られるくらい御熱心であるならば、あなたの時代に法律化しておかないと、あなたの意思に反したようなことがここに行われる危険性が多分にある。またそれを法律化することで岸内閣の声価を高めることになるわけです。そういうことでほんとうに国民のために、ただ野党が追及したならば、はっきり言ったらめんどくさい、あとでうるさいということじゃなしに、私どもも国民のために言っておるつもりですし、厚生大臣も国民のためにお答えであろうと思うのです。そんな問題は何でもないのですから、もっと勇敢にほんとうにお答えになってしかるべきだと思う。そういうことで、とにかく法律化をして生活保護法をいじくるか、国民年金法にそれを入れるか、それはどちらでもけっこうです。それは明らかに法律で決定されて、あとで告示をいいかげんに変更されてだめになるというようなことにならないようにしていただくという御決心を御表明願いたいと思います。
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坂田道太#15
○坂田国務大臣 その点は、やはり私はこれが可能であるならば一つ考えてみたいと思っております。またそのことを御答弁申し上げたいと思います。ただ私は、こういう問題は与党が天下をとろうとあるいは野党が天下をとろうと、こういうものを変更するということは、少くともできないと思うのです。たとえばそれが告示でございましても変更はできないと思うのです。そこで私の気持といたしましては、ただ法律で書いたからこれは非常な強い拘束力を持つというものではなくって、告示であろうとも、与野党が一致してやるような問題につきましては、やはり実質的にその裏づけをし、そうしてそれが長年あまねく国民の恩恵になるということであるならば、それこそ法律以上の非常な拘束力を持つというふうに私は私なりに実は考えるわけなんです。何でもかんでも法律にしなければならない考え方というものは、私は民主主義の発達しない段階においてはやむを得ないといたしましても、やはり民主主義がだんだん徹底いたして参りますならば、こういうような告示でも、政府としても責任を持って守っていくということをやらなければならないので、このような問題は私はそう八木先生の御心配になるようなことはないのではないかというふうに、私は私なりに実は考えております。しかしながら御心配のようでございますから、もしそのような法律に明記した方がいいし、またそういうことが可能であるとするならばこれは検討いたしたい、かようにお答えを申し上げたいと思います。
    〔委員長退席、大石委員長代理着席〕
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八木一男#16
○八木(一男)委員 法律化をぜひともしていただくように強く要望しまして、そういう最大限の御努力になるという厚生大臣の御意思だと理解しまして質問を進めて参りたいと思います。その理解に誤りがあったらまた御答弁を願いたいと思います。御答弁がなければその理解通りということにさしていただきたいと思います。
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坂田道太#17
○坂田国務大臣 大体八木委員の仰せになっている意図は十分私承知しておると思うわけでございます。
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八木一男#18
○八木(一男)委員 それから次に金額の問題でございますが、大蔵省との交渉の過程において、八月ぐらいにやった方がいい、やった方が有利な点もあるんじゃないかというような御意見でございました。政府内部のそういうような事情もかすかにわからないじゃないですけれども、もっと大きな立場で申しますと、今すぐの方がいいと思う。国民年金法案という政府の公約した法案、それが今審議をされている。そういう時期にこそこういう問題が重要な問題として、金を出ししぶる大蔵省の方にも反映するわけです。国民年金法自体は政府が出して通して実施をするのだということになって、片づいてしまうと、あとそれが実質的な一番大事なことでありますが、法律の条文で見れば一部分ぐらいのところですから、そういうものについての理解を大蔵省がしょうとしない。ただ大蔵省は今までのやり方で財布のひもを締めることに――金はほんとうに有効に使わなければ金というものは何も役に立たないということがちょっと頭から抜けているような大蔵省の役人ばっかしですから、そういうことで締められるおそれがある。この一番大事な法案が論議されているときに、その実質的な内容として一番大事な問題だということを背景にして交渉されることが一番大事じゃないか。この意味でこの国会の、特に衆議院で審議中に、その機会をはずされたならば、かえって不利になるのではないかという気もするわけです。これはすべて厚生大臣の行政手腕に期待するわけですけれども、とにかくこの審議の間にとっつけをしてやっていただきたい。それでこの審議中に実はこういう話になりましたということが御答弁願えるような御努力を急速に願いたい、それをなさる意思があるかどうか。
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坂田道太#19
○坂田国務大臣 この点は非常にありがたい御要求であるわけでございます。しかし大蔵大臣は大蔵大臣のお考えがございましょうから、一つ大蔵大臣の意見もよくお聞きを願いたい。そのことが八木委員の考えておられること、私の考えておることが実現できる道かとも考えるわけであります。私としましてはとにかく努力をいたしまして、実質的にこの生活保護法の適用を受けておられる老人の方、あるいは障害を受けておられる方、あるいは母子家庭の人にもこれが全部及ぶようにいたしたい、かように考えております。
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八木一男#20
○八木(一男)委員 厚生大臣が言われましたように、大蔵大臣にはぜひともそういう点を御質問したいと思いまして、再三要求しているわけですけれども、まだおいでにならない。これは委員長代理に申し上げます。厳重に督促をしていただきたいと思います。さらに大蔵大臣だけでなしに、決裁をすべき総理大臣にこの問題の確言を得なければなりません。その意味で委員長にも御努力を願います。われわれも御要請をしますけれども、閣内においてもこの重大な予算に関係のある、そして国民生活に非常に長い間非常に関係のある法案について、総理大臣みずから何十時間でも委員会に出てきて野党の質問にも、与党の質問にも受け答えをするというような態勢を国務大臣として作っていただきたいと思います。
 それから次に金額の問題であります。金額の問題については、必ずしもそれと今の老齢援護年金と同額じゃないような御発言なんです。これは非常に残念でありますが、厚生大臣の本旨ではないと思うという自信がないような御発言がさっきありました。そういうことで理屈を申し上げなくても厚生大臣十分御承知であります。一番大事な人には厚みをかけるということであれば、生活保護階級の老人や未亡人や身体障害者には、このような各種援護年金の額を二倍に上げてもいいところであります。それは三百億のワク内でごしゃごしゃされたのでできないとしても、そういう考え方には、きのうの御答弁だったら御同感だろうと思う。でありますから、少くともそれ以上にやってもらえればけっこうでありますが、どんなに少くも同額にしなければ意味をなさない。老齢擁護年金のときには月千円、障害援護年金のときには月千五百円、母子援護年金のときには月千円、そして家族の加算がつくというようなところまで完全に加給をつけていただかなければ、厚生大臣のお考えとわれわれの要望と相反することになる。その額を全額つけていただけるかどうか。私の質問が手ぬるい、全額などけしからぬ、厚みをかける意味で倍額にしろという御答弁をいただければ非常に仕合せだと思いますが、それについて一つ御答弁を願いたい。
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坂田道太#21
○坂田国務大臣 八木委員の仰せの通りでございまして、私の気持としては厚みをつけたいところでございますが、少くとも国民年金というものを全国民に及ぼすというからには、生活保護法の適用を受けておられる方に当然このものが実質的に及ぶということにならなければいけないわけで、私は同額ということで交渉をいたしたいと考えております。
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八木一男#22
○八木(一男)委員 それについては大蔵大臣、総理大臣にも申し上げますけれども、ほんとうにどうしても通す、それが通らなければ辞表をたたきつけても通す、それくらいの勢いでぜひやっていただきたいと思う。年金についてはいろいろ御苦労になりましたけれども、この一番大事な審議の場に、厚生大臣の立場におられます坂田さんの責任は非常に重大であります。坂田さんはそのことをやられることが、極端にいえば、同僚の滝井義高委員の発言によれば、国民年金をやることが第一の任務である。その国民年金の大体のワクは残念ながら政府の貧弱な案に大体きまってしまった。そこで国民年金をほんとうによくするという焦点はここと、きのう申しました基本年金の方の貨幣価値の変動に応じてやるということを明記する、そういうようなところが一番重点だと思う。そういうことを通すことのために、ほんとうに職をなげうってもやるという御決意を当然持っていただけると思うのです。それを一つ御表明願ってわれわれに安心をさしていただきたいと思う。
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坂田道太#23
○坂田国務大臣 私といたしましては最善の努力をいたしたいという決心でございます。
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八木一男#24
○八木(一男)委員 それで一番骨子の問題は大体終ったわけですが、その次の柱になる残余の問題について申し上げたいと思いますが、労働大臣はどうなんですか。
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大石武一#25
○大石委員長代理 今参議院の予算委員会に入っておるそうであります。
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八木一男#26
○八木(一男)委員 きのうもそうですが、予算委員会に出ておっても、どうしても来てもらいたい。参議院の予算委員会では総理大臣、大蔵大臣、外務大臣が主役であります。労働大臣は端役なはずなんです。もし最低賃金法なんかで質問かあっても、最低賃金法よりこの法案の方が予算に関係がある重大な法案です。予算委員会においてもそういう問題について配慮があってもしかるべきだ。どんなことを言っても労働大臣は出てこない。労働大臣がだめなら総理大臣に出てもらいたい。そういう意味で委員長は強硬に交渉を願いたい。
 それで次に無拠出年金の中の老齢援護年金について、少し中くらいの柱について申し上げます。老齢援護年金で、政府の方は配偶者所得制限という特別な条項を設けておられる。これは特別という言葉は当らないかもしらないが、政府案も日本社会党案も、内容は非常に違うけれども、形としては似ておる点がずいぶん多いわけであります。その中で特に違う点の一つとして、配偶者所得制限というものがあるわけであります。これはどうして設けられたか、一つその御意思を伺いたいと思います。
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小山進次郎#27
○小山(進)政府委員 配偶者の所得制限を設けました趣旨は、援護年金につきまして、恵まれた条件にある人にはこの際ある程度御遠慮願わなければならない、こういうような事情がありましたので、そういたしますと、夫婦が一体で、夫婦のどちらかに相当な資力があるならば他方には御遠慮願うということがつり合いからいって必要であろう、こういうことで設けられたものでございます。
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八木一男#28
○八木(一男)委員 そういう理屈はある程度成り立つと思うのですが、ちょっと薄弱ではないかと思うのです。老齢援護年金、国民年金所得保障というものは本人の所得がないことに対する保障です。ですから本人自体の所得がある、十三万の制限、これは妥当であると思います。それだけで、基本的に理屈を言えば、あと一切がっさい本人の所得能力がなければ所得保障の対象になるべき点だと思うのです。ところが無拠出年金の財源が残念ながらちょびっとしかない。そういうことで制限をつけなければならないという具体的な事実に対して、その暮しに対して制限をつけられることはやむを得ないと思います。暮しというものは、日本の現状では世帯を単位に置かれておるわけです。暮しの方の現実的な面を見れば、世帯単位の所得制限である。年金の本来のものでいえば、本人の所得能力で制限をつける。配偶者の所得能力ということは、それは今おっしゃった理屈は、無理やりつければつけられないことはないけれども非常に薄弱だと思う。特に配偶者の扶養義務ということに重点を置いて、そこに理屈の根拠を求めておられるのでしょうけれども、別な観点の、もっと大きな観点から男女同権であるとか、そういうような観点から見ると、非常にこれは薄弱な基礎だと思う。そういうものを排除してやられないと実際上工合が悪いと思う。たとえば配偶者所得制限では、二十万くらいの所得のときに老齢援護年金が入らない。二十万円という所得で入らない。ところが片方、五十万の所得までむすこさんがそういう収入を上げているときでも――五十万と二十万というのは大きな差です、普通の差じゃない。ほんとうにすれすれの食えるか食えないかというところと、ややゆとりがあるというところの差では非常に大きい。年収五十万で、親孝行なむすこさんのお嫁さんに孝養を尽されている人に年金が入る。片方は、これは特に強調するために一つ特徴的な例を申し上げます。奥さんが七十で動けなくて、もう中風かなんかになっている。そのだんなさんが七十二、三になっているけれども、長年連れ添うた奥さんを愛するから、よぼよぼの腰を伸ばしてほんとうに一生懸命働いている。それで二十万収入があった。そういう人の奥さんのところにはこない。本人にこないのはいい。本人にはそれだけの能力があるのですから、よくはないけれども仕方がない。予算全体のワクが少いから……。だけれどもその奥さんにこないということでは、奥さんに対してもあまりにも過酷であるし、またそれを支えているだんなさんにとってもあまりにも過酷であると思う。そういう点で十三万の所得制限をしても、これは本人にこなくてもその奥さんにはくる。だからそっちの方はいいけれども、とにかく配偶者所得制限というのは非常に根拠が薄弱だと思う。こういう三段所得制限というものはおやめになったらいいと思う。それについて厚生大臣どうお考えですか。
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小山進次郎#29
○小山(進)政府委員 大臣がお答え申し上げる前に、一応技術的な関係だけを申し上げたいと思います。
 先生のおっしゃるように、でき得るならばこの種の所得制限は緩和されていることが非常に望ましいことだと私どもも考えております。ただ何分にも、ある程度世帯についても所得制限というものを導入せざるを得ないという事情にあるということになるといたしますならば、両者の関連から申しまして、たとえば政府案の五十万にいたしましても、おそらく七十以上の両親あるいは片親を扶養しているむすこには妻もあり子供もある、こういうようなことになるわけでございますので、それとの関係を考えますと、配偶者に二十万程度の所得がある。もしその七十以上の配偶者にさらにめんどうを見なければならぬ扶養親族がおりますならば、これは申すまでもなく税法の上で扶養控除をされますから、二十万という金額はそれに応じてさらに二十五万になりあるいは三十万というふうにふえていく、こういうような関係になりますので、
    〔大石委員長代理退席、委員長着席〕
全体を通じて決して楽な所得制限だとは私ども申し上げかねるのでございますが、やるとすれば両者のつり合いから見て、そのあたりは夫婦一体でごしんぼう願うより仕方があるまい、かように考えてあのようにとりまとめをしたわけでございます。
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