社会労働委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十六年十月三十一日(火曜日)
午後一時五十八分開会
――――――――――
出席者は左の通り。
委員長 谷口弥三郎君
理事
鹿島 俊雄君
村山 道雄君
坂本 昭君
藤田藤太郎君
委員
勝俣 稔君
紅露 みつ君
佐藤 芳男君
徳永 正利君
山本 杉君
横山 フク君
吉武 恵市君
久保 等君
小柳 勇君
藤原 道子君
相馬 助治君
衆議院議員
石橋 政嗣君
草野一郎平君
藤本 捨助君
国務大臣
厚 生 大 臣 灘尾 弘吉君
政府委員
厚生政務次官 森田重次郎君
厚生大臣官房長 高田 浩運君
厚生省環境衛生
局長 五十嵐義明君
厚生省児童局長 大山 正君
厚生省年金局長 小山進次郎君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
説明員
厚生省保険局次
長 山本浅太郎君
――――――――――
本日の会議に付した案件
○国民年金法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○年金福祉事業団法案(内閣提出、衆
議院送付)
○児童扶養手当法案(内閣提出、衆議
院送付)
○通算年金通則法案(内閣提出、衆議
院送付)
○通算年金制度を創設するための関係
法律の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○社会保障制度に関する調査
(国民健康保険の国庫負担等に関す
る決議の件)
○社会保険審議会及び社会保険医療協
議会法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
○環境衛生関係営業の運営の適正化に
関する法律の一部を改正する法律案
(衆議院提出)
○医師及び歯科医師の免許及び試験の
特例に関する法律案(衆議院提出)
○医師国家試験予備試験及び歯科医師
国家試験予備試験の受験資格の特例
に関する法律案(衆議院提出)
○無拠出制老齢福祉年金の支給制限撤
廃等に関する請願(第七号)
○し尿処理施設に関する請願(第八
号)
○国民年金事務費増額に関する請願
(第九号)(第一〇一三号)
○職業補導中の生活保護法による被害
保護者の収入算定の取扱いに関する
請願(第一〇号)
○保育単価基準改正等に関する請願
(第一一号)
○生活保護法及び健康保険法適用入院
患者の給付に関する請願(第一二号)
○国民健康保険事業一部負担金引下げ
等に関する請願(第一三号)
○はり、きゆう師等を社会保険の療養
担当者に加入するの請願(第一四
号)
○福岡県中間市における大正鉱業直営
病院の新築、開設並びに委託経営反
対に関する請願(第二五号)
○日本住血吸虫病予防事業等の経費国
庫負担金増額に関する請願(第二六
号)(第一九四号)(第一九五号)
○じん肺法の一部改正に関する請願
(第二七号)(第四九号)(第三五
〇号)
○末帰還者留守家族援護に関する請願
(第一一五号)(第四五三号)
○引揚医師に関する特例法の期限延長
に関する請願(第三三号)(第四三
号)(第四八号)(第三六四号)(
第三九〇号)
○人命尊重に関する請願(第一九九号
)
○原爆被害者救援に関する請願(第二
七〇号)(第三四九号)(第六三四
号)(第六五九号)(第六六〇号)
(第七九九号)(第一〇〇〇号)
○小児マヒ完全予防対策に関する請願
(第二七七号)(第三一八号)
○環境衛生関係営業の運営の適正化に
関する法律の一部改正に関する請願
(第二九七号)(第三二九号)(第
五三四号)
○結核患者保護のための立法化等に関
する請願(第三〇〇号)
○保育事業関係予算に関する請願(第
三〇九号)
○失業対策労働者に対する寒冷地手当
支給等に関する請願(第三一〇号)
○失業対策事業労務者に対する石炭手
当支給制度化に関する請願(第三一
一号)
○失業対策事業の根本的改正に関する
請願(第三一七号)(第三二八号)
(第三五六号)(第三六六号)(第
三六七号)(第三六八号)(第三九
一号)(第四一三号)(第四一九
号)(第四二九号)(第四三五号)
(第四三六号)(第四三七号)(第
四三八号)(第四三九号)(第四五
九号)(第五二二号)(第五八一
号)(第六一六号)(第六二六号)
(第六二七号)(第六二八号)(第
七六〇号)(第七六一号)(第七六
二号)(第七九七号)(第九四三
号)(第九五五号)(第九五六号)
(第九五七号)(第一〇〇一号)
(第一〇〇二号)
○あん摩師、はり師、きゆう師及び柔
道整復師法の一部改正に伴う附帯決
議第二項反対に関する請願(第三三
〇号)
○定年退職者の失業保険金一括支払に
関する請願(第三三六号)
○らい療養所の医師、職員の充員等に
関する請願(第三四二号)
○原爆被害者援護法制定に関する請願
(第三七二号)(第三七三号)(第
四二四号)(第六三三号)(第六三
五号)(第六五六号)(第六五七
号)(第六五八号)(第七一七号)
(第一〇四五号)
○戦傷病者のための単独法制定に関す
る請願(第四一四号)
○健康保険の給付内容改善に関する請
願(第四六七号)
○生活保護法の最低生活保護基準額引
上げ等に関する請願(第四六八号)
○アフターケア施設の運営改善に関す
る請願(第四六九号)
○身体障害者雇用促進法に結核回復者
包含の請願(第四七〇号)
○病院等の給食改善に関する請願(第
四七一号)
○国立療養所の給食費引上げに関する
請願(第四七二号)
○病院等の看護人員増強に関する請願
(第四七三号)
○国民健康保険の給付内容改善に関す
る請願(第四七四号)
○結核予防法の命令人院予算増額等に
関する請願(第四七五号)
○結核回復者の優先住宅設置に関する
請願(第四七六号)
○結核回復者等の就職確保に関する請
願(第四七七号)
○結核による低肺機能者等のための国
営コロニー設置に関する請願(第四
七八号)
○拠出制国民年金廃止等に関する請願
(第四七九号)
○引上げ医療費国庫負担に関する請願
(第四八〇号)
○墓地、埋葬等に関する法律の一部改
正に関する請願(第五二〇号)(第
五二一号)(第五三三号)(第五六
二号)(第五六三号)(第六三六
号)(第六八四号)(第六八五号)
(第八五九号)
○身体障害者の福祉拡充に関する請願
(第五八二号)
○国立ろうあ者更生指導所の施設充実
等に関する請願(第六三七号)
○厚生行政における部落解放政策樹立
に関する請願(第六九七号)
○労働行政における部落解放政策樹立
に関する請願(第七〇一号)(第七
〇二号)(第八六七号)
○小児マヒ対策促進に関する請願(第
七九八号)
○陸中海岸国立公園地域を拡大し三陸
沿岸一帯の追加指定に関する請願
(第九四四号)
○在日米軍に対し保安解雇救済の神奈
川地労委命令履行要求に関する請願
(第九九六号)
○部落解放政策樹立促進に関する請願
(第一〇〇三号)
○し尿処理場並びにじんあい焼却場設
置事業費国庫補助増額等に関する請
願(第一〇一四号)
○継続審査要求に関する件
○継続調査要求に関する件
○委員派遣要求に関する件
――――――――――
この発言だけを見る →午後一時五十八分開会
――――――――――
出席者は左の通り。
委員長 谷口弥三郎君
理事
鹿島 俊雄君
村山 道雄君
坂本 昭君
藤田藤太郎君
委員
勝俣 稔君
紅露 みつ君
佐藤 芳男君
徳永 正利君
山本 杉君
横山 フク君
吉武 恵市君
久保 等君
小柳 勇君
藤原 道子君
相馬 助治君
衆議院議員
石橋 政嗣君
草野一郎平君
藤本 捨助君
国務大臣
厚 生 大 臣 灘尾 弘吉君
政府委員
厚生政務次官 森田重次郎君
厚生大臣官房長 高田 浩運君
厚生省環境衛生
局長 五十嵐義明君
厚生省児童局長 大山 正君
厚生省年金局長 小山進次郎君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
説明員
厚生省保険局次
長 山本浅太郎君
――――――――――
本日の会議に付した案件
○国民年金法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○年金福祉事業団法案(内閣提出、衆
議院送付)
○児童扶養手当法案(内閣提出、衆議
院送付)
○通算年金通則法案(内閣提出、衆議
院送付)
○通算年金制度を創設するための関係
法律の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○社会保障制度に関する調査
(国民健康保険の国庫負担等に関す
る決議の件)
○社会保険審議会及び社会保険医療協
議会法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
○環境衛生関係営業の運営の適正化に
関する法律の一部を改正する法律案
(衆議院提出)
○医師及び歯科医師の免許及び試験の
特例に関する法律案(衆議院提出)
○医師国家試験予備試験及び歯科医師
国家試験予備試験の受験資格の特例
に関する法律案(衆議院提出)
○無拠出制老齢福祉年金の支給制限撤
廃等に関する請願(第七号)
○し尿処理施設に関する請願(第八
号)
○国民年金事務費増額に関する請願
(第九号)(第一〇一三号)
○職業補導中の生活保護法による被害
保護者の収入算定の取扱いに関する
請願(第一〇号)
○保育単価基準改正等に関する請願
(第一一号)
○生活保護法及び健康保険法適用入院
患者の給付に関する請願(第一二号)
○国民健康保険事業一部負担金引下げ
等に関する請願(第一三号)
○はり、きゆう師等を社会保険の療養
担当者に加入するの請願(第一四
号)
○福岡県中間市における大正鉱業直営
病院の新築、開設並びに委託経営反
対に関する請願(第二五号)
○日本住血吸虫病予防事業等の経費国
庫負担金増額に関する請願(第二六
号)(第一九四号)(第一九五号)
○じん肺法の一部改正に関する請願
(第二七号)(第四九号)(第三五
〇号)
○末帰還者留守家族援護に関する請願
(第一一五号)(第四五三号)
○引揚医師に関する特例法の期限延長
に関する請願(第三三号)(第四三
号)(第四八号)(第三六四号)(
第三九〇号)
○人命尊重に関する請願(第一九九号
)
○原爆被害者救援に関する請願(第二
七〇号)(第三四九号)(第六三四
号)(第六五九号)(第六六〇号)
(第七九九号)(第一〇〇〇号)
○小児マヒ完全予防対策に関する請願
(第二七七号)(第三一八号)
○環境衛生関係営業の運営の適正化に
関する法律の一部改正に関する請願
(第二九七号)(第三二九号)(第
五三四号)
○結核患者保護のための立法化等に関
する請願(第三〇〇号)
○保育事業関係予算に関する請願(第
三〇九号)
○失業対策労働者に対する寒冷地手当
支給等に関する請願(第三一〇号)
○失業対策事業労務者に対する石炭手
当支給制度化に関する請願(第三一
一号)
○失業対策事業の根本的改正に関する
請願(第三一七号)(第三二八号)
(第三五六号)(第三六六号)(第
三六七号)(第三六八号)(第三九
一号)(第四一三号)(第四一九
号)(第四二九号)(第四三五号)
(第四三六号)(第四三七号)(第
四三八号)(第四三九号)(第四五
九号)(第五二二号)(第五八一
号)(第六一六号)(第六二六号)
(第六二七号)(第六二八号)(第
七六〇号)(第七六一号)(第七六
二号)(第七九七号)(第九四三
号)(第九五五号)(第九五六号)
(第九五七号)(第一〇〇一号)
(第一〇〇二号)
○あん摩師、はり師、きゆう師及び柔
道整復師法の一部改正に伴う附帯決
議第二項反対に関する請願(第三三
〇号)
○定年退職者の失業保険金一括支払に
関する請願(第三三六号)
○らい療養所の医師、職員の充員等に
関する請願(第三四二号)
○原爆被害者援護法制定に関する請願
(第三七二号)(第三七三号)(第
四二四号)(第六三三号)(第六三
五号)(第六五六号)(第六五七
号)(第六五八号)(第七一七号)
(第一〇四五号)
○戦傷病者のための単独法制定に関す
る請願(第四一四号)
○健康保険の給付内容改善に関する請
願(第四六七号)
○生活保護法の最低生活保護基準額引
上げ等に関する請願(第四六八号)
○アフターケア施設の運営改善に関す
る請願(第四六九号)
○身体障害者雇用促進法に結核回復者
包含の請願(第四七〇号)
○病院等の給食改善に関する請願(第
四七一号)
○国立療養所の給食費引上げに関する
請願(第四七二号)
○病院等の看護人員増強に関する請願
(第四七三号)
○国民健康保険の給付内容改善に関す
る請願(第四七四号)
○結核予防法の命令人院予算増額等に
関する請願(第四七五号)
○結核回復者の優先住宅設置に関する
請願(第四七六号)
○結核回復者等の就職確保に関する請
願(第四七七号)
○結核による低肺機能者等のための国
営コロニー設置に関する請願(第四
七八号)
○拠出制国民年金廃止等に関する請願
(第四七九号)
○引上げ医療費国庫負担に関する請願
(第四八〇号)
○墓地、埋葬等に関する法律の一部改
正に関する請願(第五二〇号)(第
五二一号)(第五三三号)(第五六
二号)(第五六三号)(第六三六
号)(第六八四号)(第六八五号)
(第八五九号)
○身体障害者の福祉拡充に関する請願
(第五八二号)
○国立ろうあ者更生指導所の施設充実
等に関する請願(第六三七号)
○厚生行政における部落解放政策樹立
に関する請願(第六九七号)
○労働行政における部落解放政策樹立
に関する請願(第七〇一号)(第七
〇二号)(第八六七号)
○小児マヒ対策促進に関する請願(第
七九八号)
○陸中海岸国立公園地域を拡大し三陸
沿岸一帯の追加指定に関する請願
(第九四四号)
○在日米軍に対し保安解雇救済の神奈
川地労委命令履行要求に関する請願
(第九九六号)
○部落解放政策樹立促進に関する請願
(第一〇〇三号)
○し尿処理場並びにじんあい焼却場設
置事業費国庫補助増額等に関する請
願(第一〇一四号)
○継続審査要求に関する件
○継続調査要求に関する件
○委員派遣要求に関する件
――――――――――
谷
谷口弥三郎#1
○委員長(谷口弥三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
まず、国民年金法の一部を改正する法律案(閣法第二二号)、年金福祉事業団法案、児童扶養手当法案、通算年金通則法案、通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
御質疑のある方は、順次御発言を願います。
この発言だけを見る →まず、国民年金法の一部を改正する法律案(閣法第二二号)、年金福祉事業団法案、児童扶養手当法案、通算年金通則法案、通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
御質疑のある方は、順次御発言を願います。
坂
坂本昭#2
○坂本昭君 きのうから年金福祉事業団の問題についてお尋ねして参りましたので、最後に一点だけ、一番最後にきのうお尋ねしたのですが、事業と金融と分離していくおつもりであると、そういう御答弁がありましたが、現在厚生年金の積立金を使っていろいろな施設を作っております。それからまた、新宿には有名な厚生年金会館と、こういったものもあります。これらの運営の内容についてはまた別の機会にお尋ねしたいと思うのですが、将来こういう年金の積立金に直接間接関連して作られていくところのいろいろの福祉施設、こうしたものの運営についてどういう方針を持っておられるか、この際承っておきたいと思います。
この発言だけを見る →山
山本浅太郎#3
○説明員(山本浅太郎君) お答え申し上げます。
現在御指摘のようなものといたしましては、厚生団、全社連、船員保険会等の団体がございまして、それに運営をお願いしているような格好でございますが、このような形にもそれなりの運営上の妙味はあると思うのでございますが、将来の姿といたしましては、やはり事業団に類したような組織を考えていくほうが国の施設を管理する形としてはより合理的であろうというような見解で、現在そうした方向で検討をいたしているところでございます。
この発言だけを見る →現在御指摘のようなものといたしましては、厚生団、全社連、船員保険会等の団体がございまして、それに運営をお願いしているような格好でございますが、このような形にもそれなりの運営上の妙味はあると思うのでございますが、将来の姿といたしましては、やはり事業団に類したような組織を考えていくほうが国の施設を管理する形としてはより合理的であろうというような見解で、現在そうした方向で検討をいたしているところでございます。
谷
谷
藤
藤田藤太郎#6
○藤田藤太郎君 大臣に私は承っておきたいんですが、国民年金の問題で一つだけ、もう時間も何ですから……。この拠出年金に未加入の人がだいぶあるようです。七月末二百十五万人ということを聞いている、正確かどうかわかりませんが、年金の問題は未加入ですから、といって、福祉年金は支給しないこのような人々に福祉年金の問題は考えてやってもいいんじゃないか、考えるということでいいのじゃないか。今話したような福祉年金、母子年金そのほかあるわけですけれども、福祉年金の問題は、私はこの拠出制であるなしにかかわらず、社会が保障するという建前に立って、これは共済制度のような格好の年金制ですけれども、福祉年金は、これは別個に独立して社会が保障するという格好で考えていいのじゃないか、こう思うんですが、どうですか。
この発言だけを見る →灘
灘尾弘吉#7
○国務大臣(灘尾弘吉君) 福祉年金は、御承知のように、現在の法制の建前から申しますと、拠出年金制度のまあ補完的機能を果たしているものと思うのでありまして、被保険者であるということを前提といたしましてこの制度ができているように思いますので、お尋ねのような扱いは、別な制度を考えればまた別でございますけれども、今のような建前から申しまして取り扱いがむずかしいのではないかと私は考えます。
この発言だけを見る →藤
藤田藤太郎#8
○藤田藤太郎君 私は、今の法律で、今のあなたのおっしゃったような拠出制年金と福祉年金という一本の法律に立っているという格好をどういじくっていくかということについては、いろいろ議論があるところだと私は思うんです。しかし、思想としては福祉年金というようなものは、むしろ社会が保障していくという概念にむしろ入るべきものではないか、無拠出ですからね。そういうものを拠出制をやっていないからという理由をつけてあげないという理屈は、少し社会保障の本源にもとるものではないかと考えているわけなんです。今の法律によって議論をすれば、この法律の建前はこうなっていますから、どうも工合が悪うございますというお考えであれば、それはそれだと私は思う。しかし、福祉年金を無拠出として国が社会保障するという社会保障制度の精神というものは、拠出制年金であろうと、なかろうと、私はやるべき筋のものではなかろうかと私は思う。そういう建前から今後進めるべきではなかろうか。社会保障がだんだん進んで参りますと、共済的なものからやはり国や、社会が保障するという格好にだんだん進んでいってこそ本来の社会保障だと私は思う。その精神でなくて、あくまで保険制度や、共済制度という格好で社会保障をやっていくということはですね、少しそれはうしろ向きではないか。前向きの形においては、どこの国でもとっておりますように、社会保障という格好のものは、国や、社会がその人の生活を保障していく、貧乏になるのも、失業するのも個人の責任でない、むしろ社会の責任だ、それが日本の憲法の大精神ではなかろうかと、こう思っていますから、そういう考えにぜひ立って検討していただきたいと思うわけです。ただ、法律がありますから、これはこの法律に関連しているからどうの、こうのというようなことだけで解決すべき問題ではないと私は思う。こういうことを申し上げたい。
この発言だけを見る →灘
灘尾弘吉#9
○国務大臣(灘尾弘吉君) 現行制度の上に立ってものを考えますというと、基本的な問題に触れる要素があるように思うのであります。新しい立場に立って立法論的に物事を考えていくということになれば、確かに検討の価値がある問題であろうと思うのでございます。厚生省としましては、御承知のように、各種社会保障制度について総合調整というような問題も現に取り組んでいるわけでございます。今お話になりましたような点に、制度といたしましても重要な問題でございます。十分ひとつ検討さしていただきたいと思います。
この発言だけを見る →坂
坂本昭#10
○坂本昭君 次に、それでは通算年金通則法案及び通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案、これに関連して、一つ二つ御質問いたします。
まず伺いたいことは、通算年金を受給するための原資になるものは、つまり従来の退職一時金相当額の中から必要にしてかつ十分な額が控除凍結され、そうして通算年金をたとえ一期でも、あるいはまた、何分の一期でも受けるに必要な期間だけ生存をして、そうしてあと死亡すれば一期分またはその何分の一期分だけの通算年金を受けて、それでおしまいとなる。まあ死んでしまえばそれまでだという一つの問題点があります。そこで今回の拠出制年金と関連して実施されるこの通算年金制度の対象となる人、これが通算年金制度が適用される者の数を生命表の上からずっと検討してみますというと、通算年金制度の適用対象となった百人のうち、通算年金ではなくて死亡一時金に該当をして六十才未満で死亡する者の数は二十三ないし二十八人、それから通算年金に該当をして六十才以上に生き延びる者の数は七十二ないし七十七人、これはこの生命表に基づく計算であります。で、この通算年金該当者の中で、通算年金のための凍結原資を完全に受給し終えないで七十五才未満で死亡する者の数は三十九ないし四十人、七十五才以上に生き延びて、もともと全額自分自身のものであるべき凍結原資を完全に回収した上におつりのもらえる者の数が三十三ないし三十七人、こういう計算表が実はあるのですが、これから見るというと、もう通算制度の適用対象者百人のうち、ほんとうにその恩典に浴し得る者は三十三ないし三十七人、その反面に残りの六十三ないし六十七人中二十主ないし二十八人は通算年金の受給に関係がなく、また、三十九ないし四十人は自分自身のものであるべき凍結原資を回収し終えないでおしまいになる人たちであります。結局この通算制度というものは、六十三ないし六十七人の人たちの犠牲あるいは損失において、三十三ないし三十七人が利益を受ける制度とも言えるのではないか、非常な不公平な内容がこの中に生まれてきておるのではないかという点が質問の一点でありますが、この点についてはどういうふうな御見解を持っておられますか。
この発言だけを見る →まず伺いたいことは、通算年金を受給するための原資になるものは、つまり従来の退職一時金相当額の中から必要にしてかつ十分な額が控除凍結され、そうして通算年金をたとえ一期でも、あるいはまた、何分の一期でも受けるに必要な期間だけ生存をして、そうしてあと死亡すれば一期分またはその何分の一期分だけの通算年金を受けて、それでおしまいとなる。まあ死んでしまえばそれまでだという一つの問題点があります。そこで今回の拠出制年金と関連して実施されるこの通算年金制度の対象となる人、これが通算年金制度が適用される者の数を生命表の上からずっと検討してみますというと、通算年金制度の適用対象となった百人のうち、通算年金ではなくて死亡一時金に該当をして六十才未満で死亡する者の数は二十三ないし二十八人、それから通算年金に該当をして六十才以上に生き延びる者の数は七十二ないし七十七人、これはこの生命表に基づく計算であります。で、この通算年金該当者の中で、通算年金のための凍結原資を完全に受給し終えないで七十五才未満で死亡する者の数は三十九ないし四十人、七十五才以上に生き延びて、もともと全額自分自身のものであるべき凍結原資を完全に回収した上におつりのもらえる者の数が三十三ないし三十七人、こういう計算表が実はあるのですが、これから見るというと、もう通算制度の適用対象者百人のうち、ほんとうにその恩典に浴し得る者は三十三ないし三十七人、その反面に残りの六十三ないし六十七人中二十主ないし二十八人は通算年金の受給に関係がなく、また、三十九ないし四十人は自分自身のものであるべき凍結原資を回収し終えないでおしまいになる人たちであります。結局この通算制度というものは、六十三ないし六十七人の人たちの犠牲あるいは損失において、三十三ないし三十七人が利益を受ける制度とも言えるのではないか、非常な不公平な内容がこの中に生まれてきておるのではないかという点が質問の一点でありますが、この点についてはどういうふうな御見解を持っておられますか。
小
小山進次郎#11
○政府委員(小山進次郎君) ただいま坂本先生がおあげになりました数字は私手元に持ち合わせておりませんけれども、御発言の筋からしておそらくそのとおりになるだろうと思います。その問題は、結局年金制度すべてに関連する問題でございます。結局一般論におきまして考えれば、一つの制度によって、もらうまでの間に死亡した場合の問題のほかに、受給し始めて、運の悪い人は一月で死んでしまう場合もあるし、また、十五年、二十年というふうにもらう人の場合もある。一月で死んでしまう人の場合、それでも一たび年金の花が咲いたということでそれきりになる。これはずいぶんおかしいのではないか、こういうふうな問題につながるわけでございます。この点についてはそういう角度から見ると、そういうふうな議論が一つあるわけであります。同時に、そこのところは保険なんだから長生きをする人も、また、それほどでない人もお互いに調整し合うのだという考え方があるわけであります。これは今の日本の制度では、傾向を申しますというと、初めはまあ自分の年金権という思想が非常に強うございます。その意味において組み立てから申しますというと、郵便年金に近いものから始まったわけであります。もらい始めて三年たたなかったら三年分だけは渡すとかいうような仕組みだったわけであります。現在の制度はほとんど大部分、やはりそういうふうにこだわっておったのではほんとうの社会保険に反するし、いわんや社会保障の機能が発揮できないということで、そこのところはあまりこだわらぬようにしようということになったわけであります。ただ残っております制度として、農林漁業団体の共済組合の退職年金の制度と、それから市町村職員の退職年金の制度にややそういう思想が残っているのであります。これも時代の流れから見ますというと、逐次一般の制度にかわっていくという傾向で、たとえば市町村職員の場合は、今度地方公務員の退職手金制度に一元化されることで進められておりますが、こういうものは一般の国家公務員、あるいは厚生年金と同じような考え方にしていこう、残るのは結局農林漁業団体の制度だけになりますが、これもいずれそういうふうに改めていく、まあこういうことでございますので、こまかい損得を、あるいは個々の損得を言えば確かにそういうふうな議論はあり得るわけでありますが、そこのところは克服していこう、こういうことになっているわけであります。
なお、十分な原資として控除されたものが、それじゃ早くなくなった人の分はそれだけ残るじゃないかというような議論も一つあり得るわけであります。これはそれぞれの人の控除する金額をきめます場合に、また、実際に年金を受け出してから平均してどのくらいかということで出しておりますので、金額としてはそれで見合うようになっておって、そこに全体として見る場合には損得がある、こういうことになっているわけでございます。
それで残る問題は、この通算年金とそれから一般の年金との間に、まあ一般の年金の場合は、もらっておった人がなくなった場合に遺族年金にかわるということがありますので、今の一般論が非常にきれいに適用できるわけであります。ところが、通算年金の場合は、今のところではこれをまだ遺族年金に転嫁させようというところまで関係制度が了解し合っておりませんで、一応老齢年金にだけとどめておく、こういうことになっているわけであります。これは前回も申し上げましたとおり、障害年金の問題とともに次いでこれは解決される問題になっているわけであります。そういう事情でございますので、やはり今の場合はこの方向でいくことが適当だと、こういうふうに関係者一同考えて、かような決定にしたわけでございます。
この発言だけを見る →なお、十分な原資として控除されたものが、それじゃ早くなくなった人の分はそれだけ残るじゃないかというような議論も一つあり得るわけであります。これはそれぞれの人の控除する金額をきめます場合に、また、実際に年金を受け出してから平均してどのくらいかということで出しておりますので、金額としてはそれで見合うようになっておって、そこに全体として見る場合には損得がある、こういうことになっているわけでございます。
それで残る問題は、この通算年金とそれから一般の年金との間に、まあ一般の年金の場合は、もらっておった人がなくなった場合に遺族年金にかわるということがありますので、今の一般論が非常にきれいに適用できるわけであります。ところが、通算年金の場合は、今のところではこれをまだ遺族年金に転嫁させようというところまで関係制度が了解し合っておりませんで、一応老齢年金にだけとどめておく、こういうことになっているわけであります。これは前回も申し上げましたとおり、障害年金の問題とともに次いでこれは解決される問題になっているわけであります。そういう事情でございますので、やはり今の場合はこの方向でいくことが適当だと、こういうふうに関係者一同考えて、かような決定にしたわけでございます。
坂
坂本昭#12
○坂本昭君 それからなお、今度の関係法律の一部を改正する法律案の附則の三十九条の件ですが、つまり経過措置としての改正前の退職一時金額の請求権が資格喪失後六十日間に限られている問題、これが附則三十九条の「退職後六十日以内に限り」「組合に申し出ることができる。」と書いてございます。この六十日に限られる問題、これはあまり短期間に締め切るという点はこれは問題ではないかと思うのです。もっとこれを余裕を置くという考えはできないか。このことは農林漁業団体職員共済組合法、この三十八条にもある六十才に達した後資格喪失し、通算年金に該当しない場合、改正前の退職一時金の請求権が資格喪失後六十日間に限られる、こういうことも同じような問題ですが、六十日に限るという点について、これを改めるお考えはありませんか。
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小山進次郎#13
○政府委員(小山進次郎君) この点は衆議院の御審議の際にも御議論に出た問題でございますが、この国家公務員共済組合の退職年金制度その他現在のもろもろの制度におきましては、この種の申請の期限というのをすべて六十日というふうにして現実に取り扱っているのであります。退職一時金の現在の取り扱いも六十日以内、こういうことになっているわけであります。で、六十日以内でずっとやってきて、それで支障がありませんのは、実はこれはもう非常にふだんから縁の深いところでそれぞれ仕事をやっておりますので、退職をいたしますというと、すぐ係りのほうからそのことを教えてやる仕組みが共済組合関係の制度ではできているわけであります。そういうような事情からいたしまして、六十日にきめます場合におきましても、関係制度におきまして、これだけ日にちがあればもう十分です、こういうことできまった日にちでございます。ほかの六十日にきまっているということと全然切り離して考えれば、これは六十日であろうとあるいは九十日であろうと、立法論としては十分考え得る問題でありますが、そういう事情があって、関係の制度としてはこれは六十日でいきたい、こういうことできまったものでございます。
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坂本昭#14
○坂本昭君 次に通則法の十三条に支払いの問題が触れてありますが、通算年金の支払いのために統一した事務処理機関を早急に設置する必要があるのではないか、そういう問題がありますが、この支払い事務についての統一機関を作ることについての見解をひとつ伺っておきたい。
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小山進次郎#15
○政府委員(小山進次郎君) この点は先生おっしゃるとおりでございまして、いずれにしろ将来の問題としては当然これは一つの機関が取り扱うことが必要であろうと思います。一人の人が一生の間に三つないし四つの制度と関係を持って、それぞれのところから年金をもらう、そういう場合に四つの制度に対して関係を持つことをしないで、一つの支払い機関に請求さえすればすべて事が運ぶというようにすることは非常に必要であろうと思います。この論議をいたしますときも、いずれはそうしなけりゃならぬという点については財務当局を除く関係各省、これは全部意見が一致したわけであります。まあ財務当局はそうなるとまた金の問題があるからちょっと意見を留保させてくれ、しかし、方向としてはわかるということになりまして、いろいろ協議いたしました結果、それではまた支払い件数の少ないさしあたりのところは最終の制度が受け持っていくということにしよう、しかし、将来の方向としては確かにそうだということで、先生御引用になりました十三条に、特に「政令の定めるところにより、政令で定める者に行なわせることかできる。」としてその道を法律の中に作っておく、こういうことになったわけでありますので、将来なるべく早い時期に先生仰せのとおりにいたしたいというのが関係制度すべての念願でございます。
この発言だけを見る →坂
坂本昭#16
○坂本昭君 次の問題は、この通算制度実施に要する事務費の問題です。この制度を実施することによって、おそらく各制度では給付事務が退職一時金の受給者に関する限り、二倍以上にふえるということはまあ明らかであるし、さらに通算年金、死亡一時金、返還一時金、こういう新しい支給事務がふえるので、それに要する事務費というものは相当莫大なものになろうかと思われます。これに対する国庫補助の問題ですね、これはどういうふうに扱うかという点であります。
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小山進次郎#17
○政府委員(小山進次郎君) これは当然筋道として国庫が負担するということが必要なものだと思っておるのであります。現在でも公的年金制度の事務費は国庫が負担しております。ただ公共企業体の年金と、それから地方公務員関係の年金だけは、この国庫負担の仕方がやや迂回的になっておりますので、その点明瞭になりがたい場合があるわけでありますが、筋道としてはこの種のものは全部国庫負担ということで、現実にこのために生ずる増加費用はそれぞれ国の方で出すという建前のもとに、現に厚生年金についてもごくわずかでありますが、若干これを要求する、こういうふうなことになっているわけであります。
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坂本昭#18
○坂本昭君 これは先ほどの支払いについての統一機関を作る問題、それからこういう事務を統一し、また、国がその事務費の補助をする問題、これはまたあとで一括して大臣にちょっと伺いたいと思っていますが、もう一つの問題は、通算年金額の実質な価値を確保するための問題であります。これはまあ国民年金の場合にも、著しい経済の変動にあってはこれを調整するというふうになっておりますが、この通算年金の場合も、最初の掛金を掛けて四十年あるいは四十五年後にあるということも普通に起こることですから、その間の貨幣価値の問題、これをどういうふうにやっていくかと、これについての御答弁をいただきたい。
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小山進次郎#19
○政府委員(小山進次郎君) この点は、先生仰せのごとく、実際に支払いを受けるときの問題として当然登場するわけでございます。で、これは筋道としては、当然基本年金と同じように、同じ割合で増額すべきであろう、ここまでは関係制度の考え方が一致したわけであります。ただその増加の費用を全額国にもうおんぶさしてしまいたいというのが一般の議論であり、それから幹事役を勤めておりました者及び大蔵省当局の考え方としては、それはそうはいくまい、やはりそれぞれの制度が一般原則に従って負担をする、その結果もしその負担が過当であるというならば、そのことを理由にして国から負担をもらうという筋は出てくるであろう、しかし、通算年金のものだけは、わしらは知らぬという態度はその制度もとるべきじゃなかろう、通算年金についてもやはり自分の制度に所属しておった分については将来とも増額のための責任は持っていく、それよりもまだ緊切な問題として、それぞれの制度で老齢年金の受給資格期間を満たしてもらっている人の年金額の増額の問題というのが現に恩給でも出ておりますけれども、これは将来の問題としてはしょっちゅう出て参るわけでありますが、それと同じに考えるべきであろう、こういうことでこの点はきちんとまだ関係省の間が意見が一致しておりませんけれども、まあ方向についてはそういうふうな方向で考えるという了解があるわけであります。
この発言だけを見る →坂
坂本昭#20
○坂本昭君 この際、大臣に三つばかり伺っておきたいのですが、今の通算の問題でも出てきましたし、それから現在の政府の国民年金の場合は、これはわれわれの言うような所得比例方式に従った保険料ではありません。しかし、厚生年金の場合はこれは所得比例方式の、男子の場合だと標準月収の千分の三十五というふうになっているんですが、大体、こうした社会保障に関するものが保険制度をとるということについては、これは私たちの社会党の方針としてもこれを支持しているものであります。多数の人たちの拠出によって個人的な、経済的な不幸を助けていこうという、そういう考えから保険制をとる、そして、その保険制の中では、健康保険の場合は千分の六十三という率をかけて、これは一応は企業主と労働者とが折半――まあ組合管掌の場合には企業主がはるかによけい出す、これは労働協約によって変わってきているところもあります。それから失業保険のような場合は千分の十四、今の厚生年金は千分の三十五、労災のような場合はこれはまあ事業所によって千分の一から千分の百二十五と、いろいろ違いはあるけれども、いずれも保険制をとっておる。そして、労災の場合は、これは労災保険そのものの歴史的事実からいっても、企業主が全部負担しているわけですね。こういうふうにいろいろな制度の中で保険制ということは、私はいいと思うのです。そして、私たちはいわゆる構造改革論的に、この労働者の側の保険料を逓減さしていく、具体的に言うと労働協約を通じ、そしてその労働協約の前進に見合って今度は立法的にこれを措置していく、そして千分の六十三から千分の五十にし、あるいは千分の五十の中の労働者の負担分を千分の二十五から十にし、五にし、さらにゼロにしていくと、こういう考えを私は持っておるんです。これについてはおそらく政府の皆さんとしては、保険制についてはわれわれと同じ考えだと思うのですが、それに対する労働者の負担に対する考え、将来保険制度の中での国民の負担する責任額、こういうものについて大臣はどういうふうに考えておられるか、ひとつ御意見を聞かしていただきたいと思います。
この発言だけを見る →灘
灘尾弘吉#21
○国務大臣(灘尾弘吉君) 保険の方式というものは今お話にもありましたとおりに、私はやはり社会保障の一つのやり方として十分存在の意義があり、今後ともにこれを変えていくというふうな考え方は持っておりません。ただ、今の負担の問題でございますが、これも一面においては制度の充実をはかっていかなければならぬ、向上をはかっていかなくちゃならぬというような場合において、いわゆる労働者の諸君の実際の負担というものが重過ぎると、こういうふうな姿が出て参りましたときには、またそれに応じた考え方もしていかなくちゃならぬ。同時にまた、経済の成長、国民所得の増大という場合に、被保険者の諸君の所得の増大ということもやはり考えていかなくちゃならぬわけであります。したがって、実質には、お出しになる金は変わらないけれども、負担の割合というふうな点からいえば軽減されるというふうな場合も、これは私はあり得るだろうと思うのであります。やはりそのとき、その時代に応じまして、労働者に過重な負担をかけて、そうして保険制度を維持していくというような考え方はもちろん私どもとりませんけれども、適正な負担はやはりやっていただかなければならぬ、ことに、労働者の諸君の所得の増大ということが私どもといたしましても大きな目標の一つでありますので、そういうことを通じまして相対的には負担が軽減せられるという場合も考えられることでございますし、一がいには言えないと、こういうふうに私は考えております。
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坂本昭#22
○坂本昭君 まあこれは結局、灘尾さんの政治的ないろいろな思想や考えと私たちの考えの基本的な差になるので、ここではこれ以上深く議論しません。ただ、軽減することもあり得るとか、そういう消極的な考えでははなはだわれわれとして困るので、私たちとしてはそういうふうな保険料を、労働省農民の側の負担をずっと減らしていく、最終的にはゼロにする、まあソビエトの場合はこれがゼロになっているわけですね、ゼロになったときからわれわれのほんとうの社会保障が出発していくというふうに考えておって、そんな考えから福祉年金については、これは全力をあげてやっていきたい、そういう考えもわれわれのそういうものの見方から生まれてくるので、大臣のようなお考えだというと、なかなか福祉年金を今度一生懸命やってやろうというようなお考えは出てこないので、そういう点はきょうここでは議論しません。次は、保険料を取るというと、結局積み立てられて一つの基金ができていく。特に年金の場合は莫大な積み立てができて、そして、この積立金を算術的に計算して、それに基づいて何年後に支払いをしていくというこの積立制の考えが出てくるわけですね。これについては私たちは、積み立てていって、その積み立てしたもので払うんじゃなくて、賦課方式をとれと、その時代の若い人たちに老人を直接見てやるという賦課方式をとるべきである、そういう考えを持っておったので、この際、今までのような積立式がいいか賦課方式がいいか、実はほんとうの敬老といいますか、養老といいますか、皆さんの言われる孝行の精神、灘尾さんも文部大臣をやっておられましたから、道徳問題には詳しいので、その敬老の精神から言うと、積立制度というものはおかしいと思う。自分で積み立てて自分の老後を見る。ちっとも養老や敬老の精神がない。やはり現在のわれわれに賦課して、金持にはうんと賦課して、貧乏人には少なく賦課して、現在の年寄りを見てやる。そのほうが私はほんとうの灘尾かつての文部大臣の道徳教育にもかなっているのではないか。つまり積立制度か、賦課方式かについて原則的にどういうふうにお考えになっておられるか、ひとつ伺っておきたい。
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灘尾弘吉#23
○国務大臣(灘尾弘吉君) 年金について今お述べになりましたような問題がやはり一つの大きな問題になっているのではなかろうかと思います。ただ平凡に、単純にといいますか、あるいは実は高等数学が必要なのでございましょうが、そういう形で、おっしゃるような積立式と申しますか、そういう形でいくのがよろしいのか、あるいはそのときに応じただけのものを、そのときに出して上げる、あるいはそれは将来の人の負担になるということもありましょうが、そういう方式がいいのか、こういう問題は、私は年金制度に対する一つの大きな問題点として論議せられているところと思うのであります。そういう問題があることは、私も実は聞いているわけでございます。こういう問題について今私は実は自分としての結論は持っておりませんが、問題があるものとして、私もまた厚生省もかような問題については、今後ともにやはり研究を続けるべきだ、こういう考え方をいたしております。今直ちにどちらがどうとかこうというふうな結論を申し上げるだけの私には知識もなければ、用意もないということを、率直に申し上げておきたいと思います。
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坂本昭#24
○坂本昭君 それはどうも、年寄りを大事にするという道徳的な問題から言うと、これは賦課方式のほうがいいのです。ほんとうの精神にかなっているのです。大臣が知識もなければ、用意もないと言うのは、はなはだこれは逃げ口上であって、この点は事務当局はやはり事務的に懸命に努力しておられますが、理念としてはやはり政治の立場にある大臣としては十分検討していただきたいのです。
以上のことから、保険料さらに積み立て、こういったことからきのうもちょっと申し上げたわけですが、基金を統一する問題が出てくるわけです。各種の年金や健康保険、いろいろのものがあります。それを統一して、この通算年金のところでも問題になってくるわけです。ばらばらのものを、どこかで統一しなければいけない。行政的にも困る、事務的にも困る、また、財政的にも困る、こういう点で、これは一体将来どういう方向に持っていくか。実は私たちも野党の立場にありますけれども、いつでもかわって行政をとれるように検討いたしておりまして、私たちは社会保障省という考えを持っている。それは社会保障省というものの中でこれらの各基金をやはり統一していこう、統一していって運営していこうという考えを持たないというと、とてもこれはできないのですよ。今のように、熱心でかつ優秀な年金局長さんすらも、いろいろな問題があると言っておられるとおりです。だから、これについて、将来、社会保障省というふうな、各種の社会保障に関する基金の統一、事務的な、行政的な、支払い機構も含めた、そういう社会保障省といったような御見解を当然お持ちになってしかるべきではないか。そのことについての大臣のひとつ御意見を承りたいと思います。
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灘
灘尾弘吉#25
○国務大臣(灘尾弘吉君) わが国の社会保証制度がだんだん、おかげさまで進んで参ったわけでございます。まだ、これを諸外国に比べますと、非常に見劣りのするものであることは、率直に認めざるを得ませんけれども、おかげさまでだんだん進んで参りまして、その方面の仕事がかなり伸びて参りました。と同時に、今お話のように、各種の制度が、いろいろ沿革、事情を異にして発展して参った関係上、非常に複雑になっておることもいなめない事実であります。したがって、仕事の運営の上から申しましても、そこに非常に複雑多岐にわたる問題があって、能率を阻害する、あるいは公平的見地から申しましてもおかしいというような問題もございましょうし、是正を要する問題が多々あるわけでありますので、社会保障制度の、今後、堅実な、しかも合理的な発展をはかって参りますためには、かなりその仕事はむずかしくございますと同時に、重要であります。そういう意味におきまして、行政機構の問題として、社会保障省というふうなものを作ったらどうかという考え方は、これは確かに、皆さんもおありだろうと思いますし、私どもとしましても、将来、そういう方向にいかなくちゃならぬのじゃないかというような考え方を、現に私はいたしておるわけでございます。今、具体的なものを持っておりませんけれども、制度が発展するにつれまして、やはりそういうふうな行政機構という問題も考えていかなければならないのではないかと、こういうような考え方をいたしております。
また、いろいろな制度につきましての御批判でございます。これは、私ども全く同じように考えております。いかにもいろいろな制度が並立しておって、通算年金制一つとらえてみましても、非常に複雑めんどうなところがあるわけでございます。そういうことがございますので、だんだんと各種の制度間のあんばい、調整をはかっていくということが、この場合当然なさなければならない目標ではないかと思います。さらに進んでは、すべての制度が、あるいは、一元化する時代が来れば、もっともよろしいのじゃないかというふうにも考えますけれども、なかなか、そこまでは容易にいかぬといたしましても、少なくとも、もっと整理する、もっと調整し、もっとあんばいするということについては、当面の私どもの課題として、これは勉強しなくちゃならないと思います。現に、政府部内におきましても、諮問機関等におきまして、御検討願っております。私どもも、やはりおくれないように勉強して参りたいと、かように存じておりますので、御了承いただきたいと思います。
この発言だけを見る →また、いろいろな制度につきましての御批判でございます。これは、私ども全く同じように考えております。いかにもいろいろな制度が並立しておって、通算年金制一つとらえてみましても、非常に複雑めんどうなところがあるわけでございます。そういうことがございますので、だんだんと各種の制度間のあんばい、調整をはかっていくということが、この場合当然なさなければならない目標ではないかと思います。さらに進んでは、すべての制度が、あるいは、一元化する時代が来れば、もっともよろしいのじゃないかというふうにも考えますけれども、なかなか、そこまでは容易にいかぬといたしましても、少なくとも、もっと整理する、もっと調整し、もっとあんばいするということについては、当面の私どもの課題として、これは勉強しなくちゃならないと思います。現に、政府部内におきましても、諮問機関等におきまして、御検討願っております。私どもも、やはりおくれないように勉強して参りたいと、かように存じておりますので、御了承いただきたいと思います。
小
小柳勇#26
○小柳勇君 私二つばかりお伺いしたいと思いますが、一つは、支給開始年令の問題であります。今厚生年金に加入している労働者などから意見が出ておりますのは、支給開始年令を五十五才に引き下げてくれないかという意見があります。私ども検討いたしまして、これには若干の問題もありまして、たとえば退職年令の引き上げなど、五十五才が妥当であるか妥当でないかということについては問題がございますが、そういう意見、要求が相当あります。その支給開始年令の五十五才という要求があるにもかかわらず、この通算老齢年金の支給開始は、国民年金は六十五才、その他の年金は六十才となっております。この国民年金の六十五才については、しばしばここで質問もかわされましたが、この六十五才とその他の年金の六十才との五才の差、そういうものを将来どうされようとするか、これが第一です。
それからこの厚生年金の六十才の支給開始を五十五才になすというような検討がなされているかどうか、まずこの二点について質問いたします。
この発言だけを見る →それからこの厚生年金の六十才の支給開始を五十五才になすというような検討がなされているかどうか、まずこの二点について質問いたします。
小
小山進次郎#27
○政府委員(小山進次郎君) まず、あとのほうの問題から申し上げたいと思いますが、先生も仰せのとおり、かつて五十五才であった支給開始年令が、その後の検討の結果によりまして、この前の厚生年金の大改正の際に、全部の一致した意見に基づいて六十才になった。こういう経緯で現在の六十才という支給開始年令になったわけであります。この点は、各国の年金制度を見ましても、やはり方向としては六十才ないし六十五才の間に支給開始年令があるようでございますし、それから国民の平均余命等から考えましても、これはやはり方向としては適当ではあるまいか、かように考えているわけであります。ただし、個々人にとってみるというと、またなかなかつらい面があるということも考えなくちゃならぬわけでございます。そういう意味合いにおきまして、厚生年金につきましても、将来の問題としては、やはり一種の希望に基づく繰り上げ減額制度というものを採用する、これは現在すでに公共企業体の退職年金制度で採用しているわけでありますし、また、国民年金でも今回採用しよう、こういうことにしているわけでありますが、そうなれば、これは十分検討を経た上で結論を出すべきことでありますけれども、方向として、厚生年金において、ことさらそれを採択しないという理由は希薄になるわけでありますので、おそらくそういうものが考えられる可能性は非常に強いと思います。そうなれば、五十五才と六十才との間隔という問題は、これは解決するわけでありまして、残る問題は、年金額が充実して参れば、おのずから適当に自然の調節がつく、こういうことになるわけであります。
それから通算年金におきまして、国民年金から受けるものが六十五才、ほかのものが六十才となっておりますが、これは国民年金と他の年金とを合わせまして二十五年になった場合に受ける年金につきましては、ほかの年金に所属しておった分は六十才から受け始めるのであります。国民年金の分を六十五才から受けるということで、それぞれ固有の制度の渋みとそのまま同じになっているわけでございます。なお、繰り上げ減額の制度のあります場合には、希望に応じてさらにその分を繰り上げすることができる、こういうことになっているわけであります。問題は、国民年金と厚生年金との間に、六十五才と六十才というふうに五才の間隔のある点についてでございますが、これは社会保障制度審議会が答申をされる場合にも、ずいぶんと御検討になった問題でありますけれども、一つは、被用者年金の場合には、労働者は職を離れてしまうともう生活の手段が全然ない。ところが、国民年金の対象には農民が非常に多いわけでありまして、ある程度稼業として生産手段を持ってやっている。その意味において、実際上働ける間は長いというような事情が一つと、もう一つは、保険財政的な考慮でございますが、六十五才と六十才とでは、保険料に対する関係が非常に違って参る、保険料はある程度低くしなくちゃいかぬ、こういうような事情から、六十五才ということになっているわけであります。
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小
小
小山進次郎#29
○政府委員(小山進次郎君) これは、さしあたりのところ、私どもの所管でありませんので、あまり立ち入ったことはいかがかと思いますけれども、私どもの承知しているところでは、少なくともこれを繰り上げよう、つまり五十五を六十に繰り上げようという考えは、関係者の間に今のところないように聞いております。
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