予算委員会第二分科会

1981-03-30 参議院 全248発言

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会議録情報#0
昭和五十六年三月三十日(月曜日)
   午前十時開会
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   分科担当委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     中西 一郎君     岩動 道行君
     下条進一郎君     福田 宏一君
     対馬 孝且君     竹田 四郎君
     中尾 辰義君     馬場  富君
     伊藤 郁男君     柳澤 錬造君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     福田 宏一君     下条進一郎君
     安恒 良一君     寺田 熊雄君
     竹田 四郎君     山田  譲君
     柳澤 錬造君     井上  計君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     山田  譲君     片山 甚市君
     寺田 熊雄君     丸谷 金保君
     馬場  富君     大川 清幸君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    主 査         和田 静夫君
    副主査         田代由紀男君
    分科担当委員
                岩動 道行君
                板垣  正君
                源田  実君
                下条進一郎君
                堀江 正夫君
                丸谷 金保君
                山田  譲君
                大川 清幸君
                馬場  富君
                井上  計君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       河本 敏夫君
   政府委員
       経済企画政務次
       官        中島源太郎君
       経済企画庁長官
       官房長      禿河 徹映君
       経済企画庁長官
       官房会計課長   横溝 雅夫君
       経済企画庁調整
       局長       井川  博君
       経済企画庁国民
       生活局長     小金 芳弘君
       経済企画庁物価
       局長       廣江 運弘君
       経済企画庁総合
       計画局長     白井 和徳君
       経済企画庁調査
       局長       田中誠一郎君
       国税庁間税部長  小泉 忠之君
   説明員
       公正取引委員会
       経済部調整課長  厚谷 襄児君
       公正取引委員会
       取引部景品表示
       指導課長     波光  巖君
       公正取引委員会
       審査部審査統括
       官        相場 照美君
       通商産業省生活
       産業局紙業課長  佐藤 剛男君
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  本日の会議に付した案件
○昭和五十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十六年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十六年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
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和田静夫#1
○主査(和田静夫君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。
 分科担当委員の異動について御報告をいたします。
 去る二十七日、中西一郎君、対馬孝且君、中尾辰義君及び伊藤郁男君が分科担当委員を辞任され、その補欠として岩動道行君、竹田四郎君、馬場富君及び柳澤錬造君が選任されました。
 また、一昨日、竹田四郎君、安恒良一君、及び柳澤錬造君が分科担当委員を辞任され、その補欠として山田譲君、寺田熊雄君及び井上計君が選任されました。
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和田静夫#2
○主査(和田静夫君) 昭和五十六年度総予算中、経済企画庁所管を議題といたします。
 それではこれより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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山田譲#3
○山田譲君 私はきょう、特に五十五年度の物価につきまして政府の公約の六・四%が実際問題として守れなかったということについての御質疑と、それから政府が考えております五十六年度の経済見通しについての問題、それから最後に三月十七日ですか、おつくりになりました景気対策、この三つの問題についてお尋ねをしていきたいというふうに思います。
 まず最初に、これは私が物価の特別委員会で先月、二月の下旬であったと思いますけれども長官にお尋ねしたわけでありますが、また同じようなことを一月たって一応お聞きしておきたいというふうに思います。まず最初にお伺いしたいのは、この前の二月の段階で五十五年度平均の上昇率が何%になるかということをお尋ねしたわけでありますけれども、そのとき企画庁の方は七・七%というふうな予想を大体おっしゃったわけでございますけれども、大体それから一月たった今日、その点が変わりがあるかないか、まず最初にお尋ねしておきたいと思います。
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廣江運弘#4
○政府委員(廣江運弘君) 五十五年度の消費者物価が平均どのくらいになるかというお尋ねでございますが、去る二十七日に二月の全国の確報が発表され、かつ東京都区部の速報が発表されました。それによりますと、全国は二月で対前年度同月比六・五%ということになります。この水準で三月も推移するといたしますと、全国平均では七・七%程度ということになります。また、東京都区部の速報が三月は発表されておるわけであります。これは〇・六%上昇いたしましてやはり六・五%ということになっていますが、このままの水準で推移するといたしますと、これはいろいろの要素がございまして、そのとおりいくかどうかわかりませんし、また三月の下旬あたりは季節商品あたり緩んでおるというような徴候も見られますので、そういうことも考え合わせなければいけないわけでございますが、仮にそのままで推移するといたしますと、七・八%程度というのが五十五年度の全国の平均になろうかと思います。これは一つの計算でございます。
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山田譲#5
○山田譲君 きょうまだ三月三十日でありますから全部の確実な数字はわからないと思いますけれども、いずれにいたしましても七・七%あるいは七・八%と、六・四%の公約を大きく上回ったということは間違いないことだと思います。
 そこで、この前私が長官にお尋ねしたときに、その原因を一体どこに考えておられるかということをお尋ねしたわけでありますけれども、そのときに長官は、いろいろもちろんあるわけですが、特に石油値上げと、それから野菜の高騰といったようなことがその原因であろうと思われるというふうなことを言っておられました。しかし、私はやはりこの前も申し上げましたけれども、異常に物価が値上がりした原因はやはり公共料金の値上げ、去年の春ごろに軒並みに大幅な公共料金の値上げがあったわけでありますけれども、それがやはり大きく影響をしているんじゃないかというふうに思われてなりません。
 最初政府の方としては、大体公共料金の値上げは物価の上昇に対して〇・八くらいしか影響がないんじゃないかというふうなことを言っておられたわけでありますけれども、実際に数字を見ますと二・二%くらいに上がっているわけでありまして、とても〇・八というふうなところではおさまっておりません。そしてしかも、問題にしたいのは、いわゆる公共料金のうちで一番大きなものが何といっても電力あるいはガス料金というものだったと思うんですけれども、これが相当大幅に引き上げられている。しかもその引き上げられた査定はこれは三月段階でやられているわけでありまして、イラン・イラク戦争というふうなものはその後に起きてきたことでございます。ですから、電力あるいはガス料金の値上げはイラン・イラク戦争なんかの始まる前にすでに査定が終わって大幅にアップしたわけでありますけれども、ところが実際にその値上げの結果を見ますと、特に電力、ガス会社が大きく収益を上げているということが明らかになっております。これはこの前も私質問したとおりでありますし、最近の新聞見でもほぼ一兆円に近いような数字が、電力空前の好決算というふうな記事がすでに三月に載っているということで、電力九社で一兆円に迫るような好決算になっている。そうしますと、物価の値上げに非常に大きく寄与した電力なりガスの会社が自分たちはものすごく大きな収益を上げているということについては、私どもとしてはどうしてもこれは納得できないわけです。
 そこで、これは長官にぜひお伺いしたいんですが、見通しを大きく誤ったといいますか、公約どおりになれなかったということのその原因をもう一遍はっきりしていただきたいということと、いまの電力料金あるいはガス料金を大幅に値上げして、しかも値上げしたその会社がそれぞれ史上空則と言われるような収益を計上しているということについてどういうふうに考えていらっしゃるか。そしてまたもう一つ、そういった見通しを誤った、そして労働省統計始まって以来初めて実質賃金が目減りしたというふうな、こういう事態に汚して、長官どういう責任をおとりになろうとしていらっしゃるか、そこをお伺いしたいと思うわけです。
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河本敏夫#6
○国務大臣(河本敏夫君) 五十五年度の消費者物価見通し、当初六・四%が達成できなかったことは大変遺憾に存じ、また申しわけなく思っております。
 そこで、ただいまお尋ねの第一点は公共料金が大幅に消費者物価を押し上げておるではないかと、こういうお話でございますが、昭和五十三年、五十四年度は公共料金は消費者物価を〇・八%見当ずつ押し上げております。五十五年度はいま御指摘もございましたが二・二%押し上げておりますから、公共料金が非常に大きく影響しておるということは事実でございます。そのうち電力、ガスの昨年の四月の値上げが一・一%ぐらい影響しております。これは値上げが甘いのではないかと、こういう第二点のお話でございますが、昨年の春電力を査定いたしますときはちょうど円レートが二百四十円前後でございましたので、時期によって若干の違いはありましたけれども、ほぼ二百四十円前後で査定をしております。その後円高になりましたので、その分だけ差益が電力会社に出てきたわけでございますが、しかしながら油の値上がりは政府見通しを大きく上回っておりまして、その分はある程度四月以降に出てきております。しかしながら、電力業界の利益を見ますと、非常に大きな数字が出ておりますが、これはその後電力会社のいろいろな企業努力等もあったようであります。たとえば、原子力発電所の稼動率が非常に上がったとか、あるいはまた気象条件、たとえば水力が相当豊富であったとか、そういうこともあったようでございますが、いずれにいたしましても、相当な利益が出ておるということは事実でございます。
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山田譲#7
○山田譲君 御質問の最後の、見通しを誤ったことについてのどういう責任を、どういう形でもってとろうとしていらっしゃるか、そこのところをお伺いしたいと思います。
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河本敏夫#8
○国務大臣(河本敏夫君) ただいま全力を挙げまして消費者物価の鎮静のために努力をしておるのでございますが、何分にも昨年は一時九%近い上昇が続いておった時期もございますので、現在はここ三、四カ月六%台で推移しておりますけれども、年平均いたしますと、先ほど政府委員が答弁いたしましたような数字にほぼ近くなるのではないかと、こう思っております。そこで、さらに一層物価安定のために努力をいたしまして、来月四月には、よほどのことがない限り、たとえば突発事情等がない限り、五%台にはなるのではないかと、このように考えておりますが、さらに引き続きまして物価安定のために全力を尽くしたいと考えております。
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山田譲#9
○山田譲君 もちろん、これから物価安定のために最大限の努力をしていただかなければならない。これは当然だと思うんですけれども、私が申し上げておるのは、少なくとも実質賃金が一%目減りをしているというふうな五十五年度の状態に対して、これはどう考えても政府の六・四%の公約を信じて去年の春闘あたりでも六%台の低い賃金アップでもって、涙をのんで矛をおさめたという経緯からしましても、実際にはそのとおりいかなくて、すでに一%も目減りがしているというこの状態については、やはり何としても責任を一応とってもらわなければ困ると、こういうのが私の考えでありますけれども、その点について長官のお考えを伺いたいと、こういうことでございます。
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河本敏夫#10
○国務大臣(河本敏夫君) 昨年の春、ベースアップのときに政府が六・四%の消費者物価目標を実現をいたしますと、こういう公約をいたしておりますので、それを背景にベースアップが妥結したことは事実であります。しかしながら、その後、いまお話しのように条件が変わりまして、実質賃金が一%前後も目減りすると、こういう事態になりましたことは本当に私も遺憾に思い、かつ申しわけなく思っておるわけでありますが、ただ、何分にも昨年は異常気象が夏から冬にかけて続いておりましたし、それからまた九月にイラン・イラク戦争が勃発をいたしまして、それによる予想外の油の急上昇と、こういうこともありまして、予定の目標をオーバーしたわけでありますが、まあしかし、この傾向は世界的な傾向でございまして、油の値段が二年前には十二ドル五十であったものが三倍に引き上げられた、これが背景にあるわけでございます。そのことが背景になりまして、国民経済の至るところに大きなしわが寄っておる、ひずみができておる、こういうことでございます。先ほどの実質賃金も一%ダウンをいたしておりますが、同時に中小企業などもここ数カ月間はかつてない倒産が多発をいたしております。また、企業の利潤も最近になりまして相当減りつつあると、こういう状態でございまして、国民経済の至るところにこの悪い影響が出ておる。これは日本だけではございませんで、世界的な規模でその影響が出ておるわけであります。現在の世界経済の混乱は一にこの油の予想外の大きな値上げというところが背景にあるわけでございます。まあしかしながら、政府といたしましては、その中におきまして、なお引き続いて最善を期していきたい。消費者物価を先ほど申し上げましたように全力を挙げて安定する方向に持っていきたい、このように考えております。
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山田譲#11
○山田譲君 先日、いわゆる議長裁定というので、戻し減税というんですか、というふうなこと、まだ金額についてはもちろん確定してないわけでありますけれども、を一応考えられているようでありますけれども、これは必ずしも企画庁長官にお伺いしていいかどうかわかりませんけれども、そのことについてお伺いしておきたいのは、五十五年度の剰余金、予備費なり不用額、あるいは今後の見通しとしての税収、それぞれどのくらいになるかというふうなことを、まあいまはっきりわからないとは思いますけれども、大体見通し程度で結構でありますから、それをお聞かせいただきたいということと、もう一つは、例の物価の問題で五百億をこの物価安定のために使うというふうなことで準備しておられたわけでありますけれども、現実に使ったのはこのうち四十四億しかございません。そうすると、その残り四百数十億というものは、この予備費の中の残った経費として、いわゆる所得減税の中に繰り込まれるのかどうかというふうなことについても、これは大蔵省あたりの方が適当かもしれませんけれども、企画庁も当然そのことについては関与しておられるわけでありますから、わかる範囲でひとつ伺わせていただきたいというふうに思います。
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井川博#12
○政府委員(井川博君) 予備費でございますが、大蔵省から聞きましたところによりますと、三月二十七日現在で残額が九百七十九億円というふうに聞いております。三月二十七日でございますからあと五日あるわけでございますが、その間、義務的経費の不足等で使っていくということになりますと、これが最終的に幾ら残るか、実は不明であるということでございます。
 それからもう一つ、税収はどうかという問題がございますが、この税収につきましても現段階、一月末の累計しかわかっていない、しかも、一月末の累計で、前年同月比が一三・三%、どうも見込みを下回ってるという状況のようでございまして、補正後の予算額の前年度決算額に対する伸び率一四・四と考えておりましたのが一三・三であると。ただ、これもどうも、五十五年度税収の最終的な帰趨というのは、所得税の確定申告の状況がどうなるか、あるいは三月期の決算法人の申告状況がどうなるかというふうなのが決まってこないとわからないということで、結局、最終的な五十五年度税収も、いまの段階では明確に申し上げられないというのが現状のようでございます。
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山田譲#13
○山田譲君 いわゆる不用額というのはどうですか。
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井川博#14
○政府委員(井川博君) 恐らく不用額云々という問題も、これは締めてみないとわからないという状況かと思われます。詳しくはそこまで大蔵省からは聞いておりませんけれども、三月の末でもって締めてみないとその点はわからないという状況かと思います。
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山田譲#15
○山田譲君 先ほどちょっとお尋ねしました、例の五百億の残りの問題はどうでしょうか。先ほどお話のありました九百七十何億という、この中にこれは入ってるんですか、入ってないんですか。
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井川博#16
○政府委員(井川博君) 予算上の問題で、詳しくは存じませんが、予備費の中でイヤマークされたものということで、残っておるとすれば九百七十九億円に含まれているのではないかと想像されます。
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山田譲#17
○山田譲君 これはいまの段階ですから、お答えのあったようなことで、それ以上確定的なことはお聞きすることが無理だと思いますけれども、しかし、いずれにしましても非常にこれは国民が期待しているところですから、これは長官、特にお願いしたいんですけれども、ふたをあけてみたら何にもなかったから減税はしません、というふうなことのないように、特に強くお願いをしておきたいというふうに思います。
 そこで、この五十六年度のいわゆる経済見通しというふうなものができているわけでありますけれども、これについてお尋ねをしていきたいというふうに思います。
 そのお尋ねの前に、まず前提となります五十五年度の実質成長率四・八%ということに去年の見通しとしてはなっていたわけでありますが、これが実際達成できるかどうかということをまずひとつお伺いしたいと思います。それを内需と外需に分けた場合にどうなるかということ、それからそれぞれの内需、外需が当初の見通しとどのように変わっているか、これについてお伺いしたいと思います。
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井川博#18
○政府委員(井川博君) 五十五年度につきましては、当初見通しが四・八%という経済成長を見通しとして述べていたわけでございますが、最近の実績見込みでも大体四・八%は実現できるのではないかという状況でございます。ただ、中身が変更がございまして、内需、外需というのを寄与度で申し上げますと、当初の見通しでは四・八%のうち内需の寄与度は三%、それから外需の寄与度が一・八%、合わせて四・八%というふうに見込みを立てておったわけでございますが、実績見込みにおきましては四・八%のうち内需は一・五%、外需は三・三%、すなわち当初は内需中心の成長を期待しておったわけでございますが、御案内のような内需の冷え込みというふうなことがございました。他面、輸出が堅調に推移し、なお輸入が、石油の輸入減というふうなこともあって輸入が減り、輸出輸入のそれぞれの相乗効果によって外需が非常に大きく寄与度として寄与をしたというふうなことで、不本意ながら外需依存の成長にならざるを得ないというのが最近の実績見通しでございます。
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山田譲#19
○山田譲君 全体として四・八%の見通しで、実績からすれば大体それと同じような数字になりそうですということだと思いますが、しかし内訳を見ますと、いまおっしゃられたようにやはり圧倒的に外需がそれを支えた、内需はむしろ予想を大きく下回ったということがやはり問題ではないかというように思っております。
 そこで次にお伺いしたいのは、そのように内需が当初の見込みよりも大きく落ち込んだその原因でございますが、これはどんなところにあるかということでございます。私としては、やはり何といっても個人消費の不振とか、それから住宅建築が非常に不振であった、そういうようなことが大きな原因であろうと思います。そこら辺、どんなものでしょうか。
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井川博#20
○政府委員(井川博君) おっしゃるとおりでございまして、結局内需が全体的に当初の見込みよりは沈滞をしてまいっておるということでございます。ただ、内需のうちでも民間企業設備につきましては大企業中心に大体非常に強い趨勢で推移をした、中小企業の最近の落ち込みはございますけれども、大企業の非常に強い設備投資対応ということで、当初見通しよりもむしろ見通しとしては上回るような状況でございます。仮に伸び率で申し上げますと、民間企業設備については当初実質四%を考えていたわけでございますが、実績見通しては大体五%程度になるという状況でございます。しかし、いまおっしゃいましたように民間最終消費支出につきましては当初実質で三・七と考えておりましたのが、最近の実績見通しては二%程度、それから民間住宅の落ち込みが大変人きゅうございまして、当初はこれはわずかではございますけれども一・七、すなわち一%少々プラスするであろうかという見込みを立てておりましたのが、最終的には実質でマイナス九・七、これは建設資材の値上がりとそれから新設住宅着工の停滞、両方の原因によりまして、非常に大幅な落ち込みをした、結局この民間最終消費支出が思うように進まなかったということと、それから民間住宅が大幅に落ち込んだということによって内需が当初のような伸びを示さなかった、したがって寄与度で低い寄与度になったということになるわけでございます。
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山田譲#21
○山田譲君 民間最終消費と住宅の方が非常に不振であった、これが内需が当初見込みよりも大きく落ち込んだ原因であろうというふうにおっしゃいました。確かにそのとおりだと思いますけれども、それでは民間最終消費支出あるいは住宅建設が非常に不振であったということの原因は一体那辺にあるかという問題についてどうお考えでしょうか。
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井川博#22
○政府委員(井川博君) 民間最終消費支出が当初見込みほど伸びなかった理由というのは、やはりこれは物価が石油の高騰という第二次石油ショックの影響で大きくふくれ上がったということに原因があろうかと思います。そのことのためにやはり個人消費が非常に伸びを縮めてきた、これが最大の原因であろうと思いますし、それから住宅につきましても、一方において住宅のローン等が大変引き締め政策で高くなった、他面、住宅建設の費用が、建設資材が非常に高くなったというふうなことと、もちろん住宅の問題には構造的ないろいろな問題もあろうかと思いますが、そういうことと、それからもう一つは、先ほどもお話がございましたように、物価高騰のために所得の伸びがない、むしろ実質減である、一方、住宅というのは高く上がっていく、所得に比べてやはり住宅が手の届かないところに行ってしまうというふうなこと、そういうことが重なって住宅建設が非常に停滞ぎみになる、要するに物価が上がったというふうなことからこうした消費ないし個人の住宅投資の停滞というのがもたらされたのではないかと考えておるわけでございます。
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山田譲#23
○山田譲君 私もいまおっしゃられたようなことが内需が大きく落ち込んだ原因じゃないかと思うんですけれども、特に住宅につきましては、いまおっしゃいませんでしたけれども、地価の高騰というふうなものもかなり影響しているんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
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井川博#24
○政府委員(井川博君) 当然その理由として地価の高騰が考えられるわけでございます。
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山田譲#25
○山田譲君 そこで、五十六年度の見通しに入っていきたいと思うんですけれども、五十六年度の見通しでは民間最終消費支出が四・九%というふうなことになっているようでございます。これは間違いないですね。
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井川博#26
○政府委員(井川博君) 実質で四・九%というふうな見通しになっております。
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山田譲#27
○山田譲君 そこで、結論から言いますと、この四・九%もの伸びる可能性が一体あるのかないのかという問題でございます。五十五年度にいまおっしゃったような大きく落ち込んだ消費、この原因はいろいろいま言われたとおりでありますけれども、そしてまたもう一つ、消費者物価についての見通しは五・五%ということになっていますね、これは間違いないですな。そうしますと、これについてはたとえば五十六年度における所得の向上、それから為替レート、あるいは原油価格がどういうふうに、もう恐らく下がることはなくて上がっていくだろうと思われますけれども、どの程度というふうに推定をしておられるか、この五・五%を計算したその計算の根拠、これをまずお伺いしたいと思います。
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廣江運弘#28
○政府委員(廣江運弘君) 来年度、五十六年度五・五%と消費者物価の上昇率を見込んでおるわけでございますが、この見込みをいたしますときは年一本で見まして、また個別的に商品を積み上げるというようなやり方ではなくて、全体としましてマクロ的に経済の姿全体と整合するようにしてつくってあります。そういう意味では経済見通しの一環というわけになるわけでございますが、もう少し具体的に申し上げますと、コストの要因あるいは需給要因というのが物価に大きく影響するものですから生産をどう見るかあるいは雇用をどう見るか、雇用者所得はどうなるか、それからまた輸入物価をどう見るかとか、消費の動向をどう見るか、在庫の状況をどう見るかというようなことを総合してやるわけでございます。
 そこで、お尋ねの石油をどう見ているかと、こういうお話でございます。石油につきまして具体的に言えば、先ほど申し上げましたように、個別商品ごとの積み上げはいたさないわけでございますが、非常に大きな要因でありますからこれには大きな関心を持ちましていろいろ考えております。ただ石油市場というデリケートなものがございまして、具体的にこれこれ見ておりますということは発表を差し控えさしていただいておりますが、先進国の輸入物価の水準ぐらいは当然考えなければいけないということを頭に置いて考えております。そういう見方でやりましたときに、最近のOPECの総会等で言われております状況といったようなものはこれを吸収し得るんではないかと考えております。
 翻って、そういう点からまた五・五%というものの実現の可能性はどうかというような点をもう少し大きな意味で考えてみますと、最近の卸売物価は御承知のように三月上旬では前年同月比一・八%にまで落ちついております。年率で見ましてもこのところずっとマイナスを続けるあるいは横ばいというような状況でございまして、落ちついているということはもう申し上げるまでもないことでございまして、これはいずれ消費者物価に影響を及ぼしてくるということはもう申すまでもないことかと思います。さらに、消費者物価自体も先ほど長官からも申し上げましたようにこのところ落ちついてきているということは事実だと思います。来月になりますと、異常なことがない限り五%台というのは期待できるんじゃないかということでございます。先ほど申し上げました三月の全国が仮に東京都区部速報並みだというふうなことにいたしまして、それと同じだということにいたしましても六・二、三%程度の前年同月比の水準に落ちてきているわけでございますので、かなり落ちついてきているということは事実だと思います。
 それからもう一つは、先ほど先生からも御指摘のありました公共料金でございますが、五十五年度の場合、二・二%の寄与度で物価を搾り上げているわけでございますが、五十六年度にはそれほど大きな公共料金の引き上げというのはいまのところ想定できない、電気、ガスといったような大きなものは考えられていないというようなことから、公共料金が物価を押し上げる力も五十五年度のようなことはないと、こう考えておるわけでございます。
 それから、先ほどおっしゃいました石油につきましても五十四年度対五十五年度で上がりましたような石油の上昇というのは、いろいろ流動的な要素はございますけれども、当面需給も緩和いたしておりますし、それぞれ備蓄もかなり先進国では積まれておりますし、消費の節約も進んでおりますし、考えられないというようなこと、これらの点を総合勘案いたしまして五・五%は実現可能であるし、また実現しなければいけないと、こういうふうに思っています。
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山田譲#29
○山田譲君 いまお話の中に所得の向上をどの程度見込んであるかという最初の私の質問に対してお返事がなかったわけですが、所得についてはどういうふうに考えておられますか。
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