予算委員会第二分科会

1980-04-01 参議院 全227発言

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会議録情報#0
昭和五十五年四月一日(火曜日)
   午前十時一分開会
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   分科担当委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     下田 京子君     渡辺  武君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     松前 達郎君     丸谷 金保君
     丸谷 金保君     大木 正吾君
     浜本 万三君     吉田 正雄君
     黒柳  明君     渋谷 邦彦君
     藤井 恒男君     井上  計君
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  出席者は左のとおり。
    主 査         栗原 俊夫君
    副主査         成相 善十君
    分科担当委員
                浅野  拡君
                金丸 三郎君
                町村 金五君
                安田 隆明君
                松前 達郎君
                丸谷 金保君
                吉田 正雄君
                渋谷 邦彦君
                渡辺  武君
                井上  計君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  細田 吉藏君
   政府委員
       防衛庁参事官   岡崎 久彦君
       防衛庁参事官   佐々 淳行君
       防衛庁参事官   多田 欣二君
       防衛庁参事官   番匠 敦彦君
       防衛庁長官官房
       長        塩田  章君
       防衛庁長官官房
       防衛審議官    友藤 一隆君
       防衛庁防衛局長  原   徹君
       防衛庁人事教育
       局長       夏目 晴雄君
       防衛庁衛生局長  野津  聖君
       防衛庁経理局長  渡邊 伊助君
       防衛庁装備局長  倉部 行雄君
       防衛施設庁長官  玉木 清司君
       防衛施設庁総務
       部長       菊池  久君
       防衛施設庁施設
       部長       森山  武君
       防衛施設庁労務
       部長       伊藤 参午君
       外務省アジア局
       長        木内 昭胤君
   説明員
       外務省北米局安
       全保障課長    丹波  実君
       自治省行政局行
       政課長      中村 瑞夫君
       会計検査院事務
       総局第二局防衛
       検査第一課長   行方 敬信君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○昭和五十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十五年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十五年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
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栗原俊夫#1
○主査(栗原俊夫君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。
 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 昨日、穐山篤君、塩出啓典君及び下田京子君が分科担当委員を辞任され、その補欠として浜本万三君、黒柳明君及び渡辺武君が分科担当委員に選任されました。
 また、本日、浜本万三君、黒柳明君及び藤井恒男君が分科担当委員を辞任され、その補欠として吉田正雄君、渋谷邦彦君及び井上計君が分科担当委員に選任されました。
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栗原俊夫#2
○主査(栗原俊夫君) 昭和五十五年度総予算中、防衛庁所管を議題といたします。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。吉田正雄君。
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吉田正雄#3
○吉田正雄君 先般外務大臣が訪米をされた際、ブラウン・アメリカ国防長官から日本の防衛努力について強い要請がなされたということが再三報道されておりますし、それに関しては、私も先般の予算委員会あるいは昨日の分科会において外務大臣にも見解を問いただしたところでありますけれども、しかし、外務大臣あるいは防衛当局の説明の間に必ずしもしっくりしたといいますか、見解といいますか、十分意思統一が図られているようには見受けられないんです。
 そこで、今回の外相訪米に対するアメリカの日本に対する防衛努力要請について、防衛庁としては、それは単に外交的な問題だというふうに片づけておいでになるのか、やはり防衛庁に対する側面からの強い要請だというふうに受けとめておいでになるのか、その見解と今後の対応についてお聞かせ願いたいと思います。
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細田吉藏#4
○国務大臣(細田吉藏君) アメリカの大来外務大臣に対しまするお話については、私は大来さんが帰りましてからかなり詳細に承って承知しております。主としてブラウン国防長官の話が私どもに関連が深いわけでございますが、私の理解は、本年一月に長官が日本に見えまして、私の前任者である久保田長官にいろいろ話があったことの延長線上にあると考えております。やや具体的なものが追加されておりますけれども、大体同一線上、同じ話だと私どもは理解しております。したがいまして、ただいまお話がありました外交上云々というふうにはもちろん解しておりません。私ども防衛を担当しております防衛庁に対しても、外務大臣を通じて、やはり日本国としてといいましょうか、私どもに対してもアメリカとしての強い要望があったというふうに理解をしておるわけでございます。
 それから、意思が疎通していないかのような、御質問の中にもございましたが、新聞紙上等でもそういうことが言われておりまするけれども、私どもは実はさようには必ずしも考えておりません。大来外務大臣に対してアメリカ側からいろいろの御要請があったのは、外交当局でございますから当然でございまして、これに対して大来さんは、着実な防衛費の増加については努力をしたい、やりたいと、しかし、なかなか顕著なというか、大幅なというか、そういうものに対しましては大変困難であるというようなことを述べてきたと、こう外務大臣は申しております。この点につきましては、そこまでのところは私どもと別に変わっておらないわけでございまして、ただいままでのところでは、外務省との間に意見の食い違いがあるというふうには実は考えておらないのでございます。
 したがいまして、私どもがこの要請についてどう考えておるかということでございますが、防衛庁の立場といたしましては、現在の国際情勢その他にかんがみまして、防衛力の増強についてはできるだけ考えなきゃならぬ、こう思っておりまして、ただ、それには防衛計画の大綱がございまするので、この大綱というものの枠以上にはもちろん考えておりません。大綱に到達をできるだけ早くするということで、これはもう終始さように考えておるわけでございます。また、これを防衛庁で決めておりますいわゆる中期業務見積もりという別な見地から考えますと、もちろん防衛計画の大綱の中でございますけれども、中期業務見積もりにつきましては、これは防衛庁限りでいろいろつくっておるものでございますが、これをできるだけ早く、いま申し上げたような計画のもちろん中でございますからこれの中で考えてまいると。具体的にそれではどうするかというようなことについては、今後なるべく早い時期に私どもの計画を固めていかなければならない、そして所要のところといろいろ相談をしてまいらなければならないと、かように考えておる次第でございます。
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吉田正雄#5
○吉田正雄君 できるだけ早くという言葉がありましたけれども、報道によりますと、一年縮めて八三年度までにそれを完成してほしいというふうな要請があったというふうなことも言われておるわけですし、さらには八四年危機説なんというのも流されたりしているわけですけれども、このできるだけ早くという意味は、そういう、あれですか、きちっと年度的にも具体的にはあるわけですか。
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細田吉藏#6
○国務大臣(細田吉藏君) 中期業務見積もりというのは、五十九年度を目標にしていわゆる主要なる装備について五十四年度価格で二兆七、八千億というものをやろうというのが中業の見積もりなんでございます。これを五十八年度に一年繰り上げられないかという話があったようでございますが、これは私は直接聞いておるわけではございませんが、外務大臣が聞いてきたようでございます。で、そのことにつきましては、これを繰り上げるとどのような形になるかということにつきまして、実は私どもの方でまあいろいろ簡単な計算はすぐできまするけれども、具体的に一体どうするのか、どうしたら縮まるのかということにつきましてはもう少し勉強さしていただかなきゃなりませんが、いずれにしましてもこれからの問題でございまして、いま私どもの方でいろいろな試算といいましょうか、作業といいまするか、そういうことをやってみておるわけでございまして、これが可能かどうかというような点については、これからの問題であろうと考えておるのでございます。
 防衛庁といたしましては、一応防衛力の増強というものについては、かねがね申し上げておりますように、防衛計画の大綱の線までできるだけ早く持っていきたいという線がございますので、私どもとしては、できることならばなるべく早くということについては異論があることではございません。むしろこの内容は非常に問題がございますが、そういうふうに考えておる次第でございます。
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吉田正雄#7
○吉田正雄君 次に、これもいろいろ取りざたをされておって、国民が非常に心配しておると思うんですが、防衛論議の中で、常に自衛隊の防衛範囲の問題が論議をされて、極東の範囲がどうであるとかこうであるとかと論議がされてきておるわけですけれども、端的に言っていま国民が一番不安に思ったり心配をしているのは、中近東の情勢に関連をして、日本の自衛隊の防衛範囲というものがそこにまで拡大をされていくんじゃないかと、また、アメリカ側からそういう非常に強い要望があるんじゃないかというそういう心配なり不安というものを持っているわけですね。具体的にそういう要請があったのか、また、防衛庁としてはそういうことは全然考えておらないのか、将来もそこまでの防衛範囲の拡大というのはあり得ないというふうに考えておいでになるのか、そこをまず明確にしていただきたいと思うんです。
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細田吉藏#8
○国務大臣(細田吉藏君) そのような要望はございませんし、また、私は日米安保体制のもとでそういう要望が出てくるというふうに予想もいたしておりません。また、私どもが現在の憲法、現在の日米安保、現在の自衛隊法の中で中近東に日本の自衛隊が出ていくということについては考えておりません。
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吉田正雄#9
○吉田正雄君 二十九日の土曜日の読売新聞の報道によりますと、読売新聞の代表の訪中団と中国軍首脳との会談の中で、中国軍首脳が日本自衛隊の防衛力をさらに強化をすべきではないかというそういう希望の表明がなされた。とりわけ、空軍あるいは対潜能力の強化の必要があるんではないかという具体的な指摘まで行われておるということですが、これは読売新聞社の訪中団だから別段どうということはないということになるかもわかりませんけれども、しかし、私はやはり軍首脳の新聞社を通じての日本に対する強い希望表明だろうと思うので、これについて自衛隊としてはどのように受けとめ、どのように判断をされているのか。それは一切無視をされるということなのか、媒体があったとしてもそれなりに検討すべきことだというふうに考えておいでになるのかどうか、お聞かせ願いたいと思う。
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細田吉藏#10
○国務大臣(細田吉藏君) 私も新聞は拝見いたしました。これは読売新聞社の論説委員長か何か行かれまして、話があったようでございます。しかし、私もどうもこれ、もちろん新聞を拝見したというだけでございまして、公式な通知とか、何か私どもの方に聞かせるとか、そういうことは何もございません。そういう意味では、内容についても新聞報道以上に私も承知しておるわけではございません。
 しかし、このあらわれておりますことは、中国が中国としての情勢判断から、特に申し上げるまでもなく、中国のソ連に対する感情というようなもの、そういうものはかなり厳しいものがあるようでございますので、あるいはこういうことも言及されたのではなかろうかというふうに思うわけでございまして、私ども、このことがどうであるというコメントをすることは実はいかがかと思っております。ただ、私どもとしましては現在、これも予算委員会の本委員会で申し上げておりますように、極東ソ連軍の顕著な増強等によりまして、わが国に対する北からの潜在的な脅威というものが強まっておるということは、これはもう具体的な事実だというふうに考えておりまするので、中国の御意見がどうであるとかいうこととは別にいたしまして、私どもの独自な立場で、防衛力の増強というものについては自主的な判断で、先ほど申し上げましたような範囲において強化をしてまいるということについては考えておると、かようなことでございます。
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吉田正雄#11
○吉田正雄君 そうすると、いまの大臣のお答えですと、直接中国軍首脳のそういう希望表明があったからどうということじゃないけれども、現状認識等あるいは整備の必要性というものについては大体同じだというふうに受けとめられるんですが、そういうことでよろしいわけですか。
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細田吉藏#12
○国務大臣(細田吉藏君) どうも誤解があってはいけませんので、中国の首脳と私どもお会いしたこともありませんし、中国との関係においてどうこうというふうにとられますと、これ間違うと大変なことになりますので、そういう意味ではございません。中国の御意見はそういう御意見であったということで承知しておりますと、しかし、特に私どもが中国がいいとか悪いとかどうこうということをコメントする限りでございませんというふうに申し上げたわけでございます。
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吉田正雄#13
○吉田正雄君 次に、中期業務見積もりについて若干お尋ねをいたしたいと思うんですけれども、これは週刊誌とか雑誌等でちょっと見た程度で、いま具体的に正確な数字も覚えておりませんけれども、たとえば、いざ——これは仮想敵国がどこであるかわかりませんけれども、いざ戦争というふうなことになると、日本の空軍というのはわずか開戦十分か十五分で壊滅をさせられるだろうとか、あるいは陸上自衛隊の組織的な抵抗というのは二、三日で、一週間もすれば壊滅をさせられるんじゃないかとか、海軍力についても同様だというふうな、きわめて日本の防衛力については問題にならないというふうなことが一部の週刊誌や雑誌に報道されたことを私覚えておるんですけれども、そのことはとにかくとして、現在の戦力がどういうふうなものであるのかというのは皆さん一番御存じだと思うんですね。
 そこで、防衛大綱に沿ったこの中期業務見積もりの中で一体重点がどこにあるのかということと、それから、大綱が定められておるので、かつての四次防までのような、一定期間を設定をしてそこで整備をしていくという考え方でなくて、逐年その大綱の目標に向かって整備をしていくんだと、こういうことになっているわけですね。そういたしますと私は、大綱が定められて、それが当面まあ変わらないということが前提になっているわけですね。そういたしますと、このGNP一%というのが常に予算との関係で論議されますけれども、GNPというのは変動していくわけですね。ですから、防衛大綱の目標というものが当面固定をされているとするならば、このGNP一%というものも大して根拠がないんじゃないかというふうに思うので、この見積もりと一%、あるいは大綱と一%の関連というものがどういうものであるのか、この点お聞かせを願いたいと思いますし、それから、いただいたこの見積もりの中の二ページのところで、中期業務見積もりは、「固定的な計画ではない。」と。したがって、「各年度の予算により、当該年度の防衛力整備の具体的内容が決定するつど、見積りの見直しを実施し所要の修正を行うほか、三年毎に新たな見積りを作成し直すなど、」と、こうなっているんですね。そうすると、この三年ごとというのは、これはいまのこれと、この中期業務見積もり、これは一応五十五年度から五十九年度までの五ヵ年間になっているわけですから、この三年ごとという意味はこれとどういう関係にあるのか、将来も三年ごと、ずうっとこういうことにやっていくということなのか、その点がちょっと不明ですから、その点お聞かせ願いたいと思うんです。
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原徹#14
○政府委員(原徹君) ただいまの、まず第一点は、中期業務見積もりの重点は何かということでございますが、防衛計画の大綱の中の水準に持っていきますのにつきましては、第一は装備の近代化でございます。装備の近代化で、自衛隊は新しい装備もあるのでございますけれども、非常に古い装備が多いということで、装備の近代化に重点を置いていろいろ数量等が書かれているわけでございます。航空機関係、そういったものに重点を置いてやるわけでございます。それから二番目は、正面兵力だけではなくていわゆる抗たん性と申しますかあるいは継戦能力、そういうものについて自衛隊は非常に弱点がある。たとえて申しますと、抗たん性について申しますと、飛行場に飛行機が裸で並んでいるということでございますと大変弱いわけでございます。やはり掩体をつくるというような、そういうことをしなければならぬというようなこと。それからいまの継戦能力と申しましたけれども、弾の保有が非常に少ないというようなこともございますので、そういう装備の近代化、抗たん性、継戦能力、そういうことを重点にやっていきたいということを考えております。
 それから、二番目はGNP一%との絡みでございますが、五十一年に防衛計画の大綱が決められました際、当面は一%を超えないことをめどとするということになっておりますので、防衛庁限りの見積もりをつくる際におきましてもやはりそのことは頭に置かなければいけない、そういうふうに考えたわけでございます。いま実際に見積もりをやりましたのは、正面装備で二兆七千億ないし二兆八千億、五年間でそういうことでございます。あと全体、施設庁の経費とかあるいは研究開発だとか等々は見積もっておらないわけでございますが、しかし、一%以内に入るかどうかという一種の検算みたいなことはいろいろいたしましたわけでございます。中期業務見積もりは、そのときにありました経済計画によりますと実質五・七五%の伸びをするということがございましたので、そういう五・七五%の実質成長ということを頭に置きつつ、一体これでどのくらいになるかといういろいろの検算みたいなことをいたしました。そういたしますと、現在の〇・九%の水準ではこれはなかなか消化できない、だんだんやはり一%に近づいていくであろう、そういう検算結果は大体その程度であろうというふうに考えておるわけでございます。
 それから三番目は、これは見直しと三年ごとということでございますが、中期業務見積もり、もちろんこれは防衛庁限りの見積もりでございますから、それに基づいて防衛庁の中で翌年度に向かっての業務計画というものをまずつくるわけで、そのための参考資料でございます。業務計画に基づいていろいろの肉づけをいたしまして、そして概算要求ということになるわけでございます。この概算要求を大蔵省と折衝して予算案が決まる、こういうことでございますので、予算折衝の結果必ずしもそのすべてが認められるわけでもございません。そういうことになりますと、その取り残し分といいますか、そういったことについてまず見直さなければならないということ。それから、これは五年間でこうやるということでございますから、別に年次割りというものをきちんと決めておるわけでもございませんわけで、そうしますと一年たちますと、一年たった後、それから先その次の年度にどうするかということについては、その取り残し分まで含めて見直さなければならないということになるわけで、そういうことで見直しということを言っておるわけでございます。今度は計画改定三年ごとということでございますが、要するに今度でございまするなら五十五年から五十九年でございますが、五十六年に作業しまして五十八年度から先の五年間、これについて新しいそういう見積もりをつくっていこう。ということは、一種のローリングと申しますか、毎年やれば完全なローリングでございますが、三年ごとのローリングにしよう、その方が実際問題として状況の変化その他にも対応し得るであろう、そういうようなことを考えまして三年ごとに新しいことをつくる、そういうことでございます。
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吉田正雄#15
○吉田正雄君 この一%、もうちょっと聞かしてもらいたいと思うんですけれども、いや〇・九%だとか、なかなか一%は困難だとか、いろんな言い方がありますけれども、たとえばことしの五十五年度予算における防衛費と、それからいま言ったGNPとの割合というのは、これはすぐ出てくるわけですね。したがって、いままでの防衛費の平均の伸び率とGNPの伸び率との比較をすれば、一%で交差する時点というのがいつになるのか——経済見通しとGNPの成長率、これは計画があるわけですから大体伸び率は予想率というのがあるわけです。それと、防衛費のいままでの今日までの伸び、まあ今日までの伸びとあわせて、いまのこの大綱とそれに向かっての中期業務見積もりがあるわけですから、それをずっと延ばしていった場合には交差する時点というのが、私、出てくると思うんですね。そうすると、望ましいとか望ましくないとか、努力するとかしないと言っても、この計画に沿っていけば当然一%の線というのは私はすぐ突破するんじゃないかと思うんですね。その想定はいつになるのか計算されていると思うんですがね。
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原徹#16
○政府委員(原徹君) 過去の伸び率と申しますか、この三年間〇・九%というのは続いているわけでございます。ということは、マクロに達観して申しまして、GNPの伸びと防衛費の伸びが同じであったから〇・九%、こういうことでございます。だから、この傾向が続くとなかなか一%に行かないという、こういうことになるのでございますが、私どもはいまのこの中期業務見積もり二兆七千ないし二兆八千億というのを一応積み上げて持っているわけです。あとはマクロ的な見方と申しますか、そういうことで申せば徐々に一%に近づく、五十九年ぐらいに一%に行くのではなかろうかと、そういうふうに考えているわけでございます。
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吉田正雄#17
○吉田正雄君 そうすると、ちょっとお尋ねしますけれども、この中期見積もりの最終年度である五十九年度の場合に、GNPが幾らで、この中期見積もりに伴う防衛予算はどのように見積もっておいでになるのですか。
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原徹#18
○政府委員(原徹君) これは仮定計算をいろいろいたしますれば計算すぐ出るわけでございまして、たとえばこの間大蔵省の方から御説明ございましたが、GNPが一一・四%ずつ伸びていくと五十九年度に幾らという数字が出ます。それに一%を掛けますと幾らという数字もこれは出るわけでございまして、そういう前提に立ちますと、仮に五十九年度にGNPの一%ということでございますと、防衛関係費は三兆八千百五十億になる。そういたしますと、五十六年以降平均一四・四%の伸びである。これは前提といたしましてGNPが各年度一一・四%伸びる、そういう前提だとそういう計算になるわけでございます。
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吉田正雄#19
○吉田正雄君 ですから、私はこの一%論議というのは、目標値がどうとかこうとかということと実際の大綱と、それからこの業務見積もりというものを考えますと、一%そのものを予算の上で設定をされているのは余り意味がないんじゃないかという感じがするんですね。これは一%ということを皆さんがおっしゃるのは、もうちょっとずばり聞きますと、大綱というものを達成するためにはやっぱり一%がちょうどそれに見合っているということなのか、少ないから一%ぐらいにまでは持っていこうということでおっしゃっているのか、その辺がさっぱりわからないんですよ。
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原徹#20
○政府委員(原徹君) 五十一年に当面とにかく一%を超えないことをめどとするということが閣議決定にございますものですから、私どもといたしましては防衛計画の大綱の水準に可及的速やかに持っていきたい、そういう希望は持っておるわけでございますが、防衛庁限りの見積もりをする際に、一%を超えた見積もりをつくっても何かということもございましたので、一%の範囲内におさまるように考えているわけでございます。したがいまして、五十九年度までやりましても私どもは防衛計画の大綱の水準にはまだ到達しないのではないか、そういうふうに考えておるわけでございます。
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吉田正雄#21
○吉田正雄君 時間がありませんから、その問題はまたいずれかの機会にもっと詳しくお聞きをしたいと思っております。
 最後になりますが、私は、これはいままで科学技術庁あるいは消防庁、警察庁にも現状がどうなっているのか尋ねてきたんですけれども、原子力施設における仮想事故とかあるいは最大事故、重大事故、いろいろ想定規模がありますけれども、この原子力施設の事故に対する認識というのは、私はまだ政府当局者も国民も余り深刻に受けとめていないんじゃないかと思うんです。例のスリーマイルアイランドの事故後の状況の政府発表というのは非常に控え目な数字なんです。これは今日ますますはっきりしてきておりまして、あの原子炉というのは完全に使えないんですね。大統領調査特別委員会報告の中でも、原子炉の中にありますいわゆる燃料棒の四割は完全に破損しそれから溶けておる、つまり溶融をしておるということで、まさに炉心溶融の、メルトダウンの寸前にまで行ったということは報告書でも明らかなんです。したがって、再開をするというのは、あれを完全に新しいものに取りかえない限り、あの炉というのは完全にもう破壊し尽くされているんですね。使えないんですよ。いまでも格納容器の中には立ち入れない。非常に残留放射能が強いわけですね。それから環境に放出をされたいろんな放射性物質も、たとえば沃素一三一等についても政府発表のものと実際に多くの学者が事故の規模から想定して放出をされたであろうという量との間に非常に差があるわけですね。
 そこで私は、いままでもいろいろ聞いてきたんですが、日本における原発に対する、あるいはその他の原子力施設における大きな事故に対する防災対策というものがきわめて不十分だと言うよりも、ほとんどなされていないと言っていいんじゃないかと思うんですね。これはいままでのいろいろな質疑の中にも明らかなんですけれども、私はここでお尋ねしたいと思いますが、原子炉の中には百万キロワット級ですと広島、長崎型原爆の死の灰の一千発分が一年間でたまってしまうんですよ。したがって、自衛隊がいろんなことを想定をされて訓練をされていると思うんですけれども、あるいはまた防衛力という面から言って、原子力施設に対してのそういう事態というものを想定をされて、それに対処できる防護体制と言ったらいいのか、仮に原子力施設に対する攻撃があった場合に、それに対する防衛というものをどのように考えておいでになるのかということと、それとは別途に、日常における災害時において、警察であるとか消防庁ではちょっと手がつかないんですよ、これは率直に言いますと。アメリカの場合でも州兵が出たりということなんで、あの事故であのくらいの動員が行われているわけですけれども、それを考えた場合に、自衛隊として日常における原子力施設の最大事故についてどの程度救援というか、救援体制なり防災体制ができるのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
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原徹#22
○政府委員(原徹君) 原子力施設に対する攻撃にどう対処するかということでございますけれども、これは特に原子力施設に対する攻撃ということで部隊の配備ということはやっておりませんから、そういたしますと、たとえばやはり全般的な防空能力、主として爆撃のことが一番多いわけでございましょうから、その爆撃を未然に防止すれば一番よいわけでございますが、そうでなくても、わが国に対する攻撃がありましたときには、なるべく早期に発見してこれを撃ち落としてしまうというのが自衛隊の任務でございますから、その一般的な防空体制で対処するということになろうかと存じます。
 それから、事故についてどうかというお話でございますが、ただいまのところは五十四年の七月の十二日でございますか、原子力発電所等に係る防災対策上の当面とるべき措置ということが中央防災会議の決定にあるわけでございます。ですから、災害一般について自衛隊は直接協力をするという体制にございますので、その決定に従いまして、事故が発生した場合には、科学技術庁の要請を受けまして専門家あるいは関係機器の現地への輸送支援、これを実施するということになっておりますし、また、所在する知事さんから災害派遣の要請がございますと、ヘリコプターとか艦艇等によりまして現地に動員されましたモニタリング要員あるいは機材を搭載したり、あるいは空から、あるいは海上からそういうモニタリングのための必要な支援を行うということが私どものその決定に基づく任務でございます。
 そういうことはできるわけでございますが、いまの放射能の事故そのものについて直接どうするかということにつきましては、自衛隊の機材というものは、若干はございますけれども、余りすぐにその施設の中に入っていくというようなものはほとんどないというのが現在の状況でございます。
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栗原俊夫#23
○主査(栗原俊夫君) 吉田君、時間がそろそろ参っておりますから。
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吉田正雄#24
○吉田正雄君 もうちょっとお聞きしますと、たとえばこの事故が起きた場合、素手では入っていけないわけですから、そういう点で放射線防護車ですね、どれくらいあるのか。あるいは放射線防護服、防護装備ですね、これが自衛隊の場合にはどの程度装備をされているのか。これは私は、自衛隊とすれば、これは好ましいとか好ましくないという問題、あっていいとか悪いという問題を抜きにして、当然想定として考えられるのは核戦争ということだってあるわけですから、そういう点で自衛隊の場合には放射能防護の体制、機材整備はどのようになっているか。それがなければ防災体制とか救援には行けないですよ、これは。そのことをお聞きしているんです。
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原徹#25
○政府委員(原徹君) お尋ねの件でございますが、化学防護車というのがこれは二両ございますわけで、あとは携帯除染器とかそれから化学防護衣であるとか、そういうものがあるだけでございます。
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細田吉藏#26
○国務大臣(細田吉藏君) いま防衛局長からお答えいたしましたが、御指摘のような件は、スリーマイルアイランドの経験から見ましても、防衛庁として災害出動する場合に大切な一つのあらかじめいろいろ用意しなければならないような大事な点だろうと思います。そういう点についてはさらにひとつ検討をさしていただきたい、かように思います。おっしゃるような趣旨で十分いろんな点考えていかなければならないと、かように思います。
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栗原俊夫#27
○主査(栗原俊夫君) 以上で吉田正雄君の質疑は終わりました。
 次に、松前達郎君。
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松前達郎#28
○松前達郎君 吉田委員に続いて、核の問題等について後で時間ございましたらまたいろいろと御質問申し上げたいと思いますが、四十分ですから、あるいはそれに触れられないかもしれません。
 最初に、外務省お見えになっていると思うんですけれども、アメリカの軍事力増強についての要求というのが、やはり中期業務見積もりの繰り上げといいますか、前倒しという点で大体はっきりしてきたと最近報道されておるわけですが、私も、大来外務大臣が訪米される前に、具体的に要求があるはずだというふうに申し上げておったわけですが、これが大体はっきりしてきたというふうに解釈していいと思うんです。
 そこで、これらについて私なりの解釈をいま申し上げますから、それについてお答えいただきたいと思うんですが、アメリカの日本への防衛力増強への期待は、イランですとかサウジアラビアの軍事力を援助してきたアメリカ、これがイラン革命が起こったわけですが、それから石油戦略の面から直接アメリカの軍事力を対象として中東におけるアメリカの力を守ろうと、こういう決意をしただろうと。これは具体的に言いますと、一九七九年二月に、戦略即応打撃部隊というものをつくるということをペンタゴンが決定し、実行しているわけですね。内容は、第七艦隊あるいは第七十七機動部隊、海兵一個師団、陸軍の奇襲二個師団、大体十一万人と言われるわけですが、この機甲部隊がその対象になっている。これを中東の油田防衛に向けて、いわゆるスイングが行われる。アメリカは今後もこの体制は続けていくと言っておるんだと私は思います。そういう意味から、日本への防衛力増強を要求してきている。したがって、この増強というものは、ただ単に経費をどうのこうのとか、そういうお金の面ではなくて、恐らく自衛隊そのものの正面装備の増強を要求しているんじゃないか。これは軍事関係の人だったら大体そういうふうに想像しているんだと思うんです。私もそういうふうに想像するんですが、その点についていかがでしょうか。
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丹波実#29
○説明員(丹波実君) お答え申し上げます。
 まず、第一点のアメリカ側の対日期待の高まりの背後にある考え方は何かということでございますが、この点につきましては、ことしの一月に出ましたブラウンの国防報告の中にも詳述されておるわけですけれども、大きく申し上げて二つの理由がある、こう言っているわけです。
 一つは、一九六〇年代半ば以降から今日までのソ連の一貫した軍事力の増強というものに、いまやアメリカ一国ではなくて、アメリカ、ヨーロッパ、日本といったような主要な先進民主主義国が共同で対処していかなければならない。そのように対処しなければ、そういうソ連の一貫した軍事力の増強というものに追い抜かれてしまう、そういう危機意識があるということでございます。
 それからもう一つは、中東、カリビアン、アフリカ、そういった地域に不安定要因が出てきておる。そういう不安定要因が、現実に起こった場合に緊急に対処する能力というものをつけていかなければならない。こういうのが二つの理由として挙がっておるわけです。そういうことを背景に、アメリカとしては何も日本のみではなくて、ヨーロッパ諸国に対しても一緒に共同の努力をやっていこうじゃないかと、こういうことを言っておるわけでございます。
 そこで、具体的に日本に対してどういうことが求められているのかという点でございますけれども、この点は先生いま言われたように、自衛隊の抑止力を高めるという観点から、たとえば防衛力の質的な強化というものを図っていってほしい、こういう考え方になるんだと、こういうふうに思います。
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