逓信委員会公聴会
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会
会議録情報#0
昭和五十九年七月六日(金曜日)
午前十時二分開議
出席委員
委員長 志賀 節君
理事 加藤常太郎君 理事 戸井田三郎君
理事 畑 英次郎君 理事 吹田 愰君
理事 鈴木 強君 理事 武部 文君
理事 竹内 勝彦君
亀岡 高夫君 近藤 鉄雄君
左藤 恵君 佐藤 守良君
額賀福志郎君 野中 広務君
渡辺 紘三君 阿部未喜男君
伊藤 忠治君 中村 正男君
松前 仰君 小谷 輝二君
鳥居 一雄君 中井 洽君
永江 一仁君 佐藤 祐弘君
―――――――――――――
出席公述人
経済団体連合会
情報・通信委員
会委員長 小林 大祐君
社団法人日本情
報通信振興協会
会長 志場喜徳郎君
全国電気通信労
働組合中央執行
委員長 山岸 章君
東京大学教授 稲葉三千男君
電気通信審議会
会長代理
(日本電気シス
テム建設株式会
社会長) 曽山 克巳君
読売新聞調査研
究本部客員研究
員 岩村精一洋君
出席政府委員
郵政大臣官房長 二木 實君
郵政省通信政策
局長 奥山 雄材君
郵政省電気通信
局長 小山 森也君
委員外の出席者
日本電信電話公
社総務理事 山口 開生君
日本電信電話公
社総務理事 児島 仁君
逓信委員会調査
室長 長崎 寛君
―――――――――――――
本日の公聴会で意見を聞いた案件
日本電信電話株式会社法案(内閣提出第七二号
)
電気通信事業法案(内閣提出第七三号)
日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の
施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
(内閣提出第八〇号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前十時二分開議
出席委員
委員長 志賀 節君
理事 加藤常太郎君 理事 戸井田三郎君
理事 畑 英次郎君 理事 吹田 愰君
理事 鈴木 強君 理事 武部 文君
理事 竹内 勝彦君
亀岡 高夫君 近藤 鉄雄君
左藤 恵君 佐藤 守良君
額賀福志郎君 野中 広務君
渡辺 紘三君 阿部未喜男君
伊藤 忠治君 中村 正男君
松前 仰君 小谷 輝二君
鳥居 一雄君 中井 洽君
永江 一仁君 佐藤 祐弘君
―――――――――――――
出席公述人
経済団体連合会
情報・通信委員
会委員長 小林 大祐君
社団法人日本情
報通信振興協会
会長 志場喜徳郎君
全国電気通信労
働組合中央執行
委員長 山岸 章君
東京大学教授 稲葉三千男君
電気通信審議会
会長代理
(日本電気シス
テム建設株式会
社会長) 曽山 克巳君
読売新聞調査研
究本部客員研究
員 岩村精一洋君
出席政府委員
郵政大臣官房長 二木 實君
郵政省通信政策
局長 奥山 雄材君
郵政省電気通信
局長 小山 森也君
委員外の出席者
日本電信電話公
社総務理事 山口 開生君
日本電信電話公
社総務理事 児島 仁君
逓信委員会調査
室長 長崎 寛君
―――――――――――――
本日の公聴会で意見を聞いた案件
日本電信電話株式会社法案(内閣提出第七二号
)
電気通信事業法案(内閣提出第七三号)
日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の
施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
(内閣提出第八〇号)
――――◇―――――
志
志賀節#1
○志賀委員長 これより会議を開きます。
日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案及び日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について公聴会を行います。
この際、公述人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中にもかかわらず御出席を賜りまして、まことにありがとうございました。
電電改革三法案に対する御意見を拝聴し、これからの審議の参考にいたしたいと存じますので、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただくようお願い申し上げます。
次に、御意見を承る順序といたしましては、まず最初に小林大祐君、志場喜徳郎君、山岸章君、稲葉三千男君、曽山克巳君、岩村精一洋君の順序で、お一人約十分程度で一通り御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをお願いいたしたいと存じます。
それでは、小林公述人にお願いをいたします。
この発言だけを見る →日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案及び日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について公聴会を行います。
この際、公述人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中にもかかわらず御出席を賜りまして、まことにありがとうございました。
電電改革三法案に対する御意見を拝聴し、これからの審議の参考にいたしたいと存じますので、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただくようお願い申し上げます。
次に、御意見を承る順序といたしましては、まず最初に小林大祐君、志場喜徳郎君、山岸章君、稲葉三千男君、曽山克巳君、岩村精一洋君の順序で、お一人約十分程度で一通り御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをお願いいたしたいと存じます。
それでは、小林公述人にお願いをいたします。
小
小林大祐#2
○小林公述人 経団連の情報・通信委員会の委員長をしております小林でございます。
本日、この逓信委員会におきまして、電気通信法制度の改革の問題について私どもの見解を述べる機会をいただきまして、ありがたく存じておる次第でございます。
経団連では、主として通信のユーザーの立場から、情報・通信委員会が中心となって、産業におけるより一層の情報化、ネットワーク化の推進に取り組んできております。
特に最近では、通信回線利用の自由化、通信事業への民間参入の実現、電電公社の改革及び民間による衛星通信利用の早期実現など、いわば通信分野のハード、ソフトの両面にわたって、その自由化を要望してまいりました。
政府・自民党が一昨年七月の臨調基本答申を受けて今国会に提出された電気通信法制度改革に関連する一連の法案、すなわち、日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案及び関連法律一括整備法案には、経団連が従来要望してきた事項がほぼ取り入れられており、産業界から見て評価できる内容の法案であると思っております。つきましては、ぜひともこれら法案の早期成立をお願いする次第でございます。
本日はせっかくの機会でございますので、電気通信法制度改革に対する私どもの見解につきまして、今後の課題も含めて御説明申し上げ、御参考に供したいと存じます。
まず最初に、私どもの基本的認識を申し上げますと、戦後、我が国では基本通信綱としての電話綱の建設に重点が置かれ、電電公社の独占のもとでその建設が行われてきたわけでございますが、その結果今日、電話綱については世界有数の水準にあり、その意味で戦後の通信政策は所期の目的を達したと言えると存じます。
しかしながら、電話の架設の積滞解消及び全国即時通話化が既に昭和五十三年度に達成され、また、情報通信分野における技術革新が日進月歩で進んでいる今日、利用者、特に産業の通信ニーズは高度化、多様化しておりますので、高度な通信につきましては、従来の全国あまねく公平にという基本理念から、ニーズに応じて機動的にという新たな理念への転換が求められているのではないかと考える次第でございます。
この点につきまして、やや立ち入って御説明申し上げますと、今後の高度情報通信社会において、情報は物資、エネルギーに次ぐ第三の要素として重視されておりまして、情報を伝送する通信ネットワークは、社会のインフラストラクチャーとして極めて重要になりつつあります。
特に、産業のネットワーク化は今後の我が国産業の国際競争力を左右する重要な要素であり、多様な通信ニーズの充足と通信コストの低減とは、産業界の切実な要望でございます。
御案内のとおり、米英では、通信分野に競争を導入することによって、最新の技術革新の成果を通信分野にいち早く導入し、あわせて通信コストを引き下げるという政策をとっております。
我が国において電電公社が果たしてきた役割は高く評価されてよいと存じますが、公社発足後三十年を経て、電話加入数が四千万を超え、多様化しつつある電気通信サービスのすべてを依然として公社が独占的に提供している中で、合理化意識の希薄化、サービス精神の低下等、巨大独占事業体としての弊害も指摘されるに至っております。
多様なニューメディアをすべて一元的体制の中に閉じ込めておくことは、技術の発展の見地からも、ニーズに適切にこたえていく上からも好ましくないと存じます。基本通信綱としての電話の普及した今日では、競争する事業体の提供する多様なサービスを利用者が自由に選択できるようにすることが、利用者の利益の増進にかなうことと考えます。我が国においても、通信分野に競争を導入し、民間の創意工夫を積極的に活用することが不可欠と考えるゆえんでございます。
これを輸送に例えれば、鉄道以外に自動車や飛行機といった新しい交通手段が出現したにもかかわらず、すべての輸送期間を一つの事業体に任せることがいかに不合理か明らかなところだと思います。
通信の場合一元的運用の必要性がよく言われていますが、これも近年のインターフェース技術の進歩によりまして、複数のネットワークが併存することが可能となっております。
その意味で私どもは、今回の元気通信法制度改革法案の趣旨は、民営化によって新電電会社に当事者能力を付与し、その活力を十分に発揮させるとともに、競争を導入することによって公共的使命を負った新電電会社とニーズに応じてサービスを提供する民間とが相補完し合い、競争と協調を通じて我が国全体としての電気通信の水準を高めていくことをねらったものと理解し、歓迎しておる次第であります。
次に、今回の法案の内容に関連して、産業界の立場から、次の四点につきまして御配慮をお願いいたします。
一つは、通信分野への民間参入を、法律の上だけでなく、現実に可能とすることでございます。何分新電電会社は巨大であり、新規参入者が仮に東京-大阪のようなトラフィックの多い区間に参入したとしても、対等に競争していくことは極めて困難であります。新規参入者が育ち、適正な競争状態が出現するまでは、公正かつ有効な競争確保のための配慮が望まれる次第でございます。
具体的には、データ通信設備サービス部門の分離等により、新電電会社による内部相互補助を禁止すること、公社体制のもとでの研究開発の成果は国民の財産であり、通信事業全体の発展の見地から適正な対価をもって公開すること、料金決定の面で新規参入が不可能となるようなことのないよう十分配慮すること等が必要であります。
また、現在私どもは、望ましい新規参入のあり方について勉強をしておりますが、何分我が国では、従来から通信関係の基本データが十分に公開されておりませんので、こうした資料の公開も望まれるわけでございます。
このほか、国内通信だけでなく、国際通信についても、民間の新規参入が可能となるよう、国が積極的に対外調整に当たっていただくことが望まれます。
第二は、新電電会社による投資の問題であります。国の基本的な電気通信サービスを担っていく上で、新会社に当事者能力を付与することは、臨調答申の精神に沿うものと思いますが、進出分野あるいは進出の態様によっては問題を生ずるおそれもありますので、慎重な対応を望みたいと存じます。
第三に、新電電会社のあり方及び電気通信事業法そのものの見放しについては、技術革新が激しく、ユーザーニーズの変化の早い時代でございますので、ぜひとも法案に盛られたとおり、それぞれ所定の期間内に見直しをしていただきたいと考えております。
第四に、情報通信分野の研究開発につきましては、今後、この分野が我が国の発展に極めて重要な役割を果たすことと認識いたしておりまして、新体制移行後も、我が国全体のこの分野での研究開発力が低下することのないよう、所要の措置が望まれます。
私どもといたしましては、ソフトとしての通信回線の自由な利用が進めば進むほど、ハードとしての通信綱の高度化に対するニーズが高まりますし、逆に、ハードが高度化し多様化していけば、ソフトも同じように高度化し多様化していくものと考えております。そうした意味で、両者はいわば唇歯輔車の関係にあり、通信のハードとソフトの両面に競争を導入し、民間の活力と創意工夫を生かしてこそ、高度情報通信社会の早期構築が可能になるものと確信いたします。
以上、いろいろと申し上げましたが、今回の改革は行政改革の面からも、また、今後の我が国の電気通信の高度化を図る面からも、時宜にかなったものと考え、ぜひともその早期実現をお願いしたいと存じます。我が国の場合、VANの開放がおくれた結果、この分野で米国に大きくおくれをとった経験がありますので、ぜひとも今国会でこの法案が成立をするよう重ねてお願いして、私の御説明を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日、この逓信委員会におきまして、電気通信法制度の改革の問題について私どもの見解を述べる機会をいただきまして、ありがたく存じておる次第でございます。
経団連では、主として通信のユーザーの立場から、情報・通信委員会が中心となって、産業におけるより一層の情報化、ネットワーク化の推進に取り組んできております。
特に最近では、通信回線利用の自由化、通信事業への民間参入の実現、電電公社の改革及び民間による衛星通信利用の早期実現など、いわば通信分野のハード、ソフトの両面にわたって、その自由化を要望してまいりました。
政府・自民党が一昨年七月の臨調基本答申を受けて今国会に提出された電気通信法制度改革に関連する一連の法案、すなわち、日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案及び関連法律一括整備法案には、経団連が従来要望してきた事項がほぼ取り入れられており、産業界から見て評価できる内容の法案であると思っております。つきましては、ぜひともこれら法案の早期成立をお願いする次第でございます。
本日はせっかくの機会でございますので、電気通信法制度改革に対する私どもの見解につきまして、今後の課題も含めて御説明申し上げ、御参考に供したいと存じます。
まず最初に、私どもの基本的認識を申し上げますと、戦後、我が国では基本通信綱としての電話綱の建設に重点が置かれ、電電公社の独占のもとでその建設が行われてきたわけでございますが、その結果今日、電話綱については世界有数の水準にあり、その意味で戦後の通信政策は所期の目的を達したと言えると存じます。
しかしながら、電話の架設の積滞解消及び全国即時通話化が既に昭和五十三年度に達成され、また、情報通信分野における技術革新が日進月歩で進んでいる今日、利用者、特に産業の通信ニーズは高度化、多様化しておりますので、高度な通信につきましては、従来の全国あまねく公平にという基本理念から、ニーズに応じて機動的にという新たな理念への転換が求められているのではないかと考える次第でございます。
この点につきまして、やや立ち入って御説明申し上げますと、今後の高度情報通信社会において、情報は物資、エネルギーに次ぐ第三の要素として重視されておりまして、情報を伝送する通信ネットワークは、社会のインフラストラクチャーとして極めて重要になりつつあります。
特に、産業のネットワーク化は今後の我が国産業の国際競争力を左右する重要な要素であり、多様な通信ニーズの充足と通信コストの低減とは、産業界の切実な要望でございます。
御案内のとおり、米英では、通信分野に競争を導入することによって、最新の技術革新の成果を通信分野にいち早く導入し、あわせて通信コストを引き下げるという政策をとっております。
我が国において電電公社が果たしてきた役割は高く評価されてよいと存じますが、公社発足後三十年を経て、電話加入数が四千万を超え、多様化しつつある電気通信サービスのすべてを依然として公社が独占的に提供している中で、合理化意識の希薄化、サービス精神の低下等、巨大独占事業体としての弊害も指摘されるに至っております。
多様なニューメディアをすべて一元的体制の中に閉じ込めておくことは、技術の発展の見地からも、ニーズに適切にこたえていく上からも好ましくないと存じます。基本通信綱としての電話の普及した今日では、競争する事業体の提供する多様なサービスを利用者が自由に選択できるようにすることが、利用者の利益の増進にかなうことと考えます。我が国においても、通信分野に競争を導入し、民間の創意工夫を積極的に活用することが不可欠と考えるゆえんでございます。
これを輸送に例えれば、鉄道以外に自動車や飛行機といった新しい交通手段が出現したにもかかわらず、すべての輸送期間を一つの事業体に任せることがいかに不合理か明らかなところだと思います。
通信の場合一元的運用の必要性がよく言われていますが、これも近年のインターフェース技術の進歩によりまして、複数のネットワークが併存することが可能となっております。
その意味で私どもは、今回の元気通信法制度改革法案の趣旨は、民営化によって新電電会社に当事者能力を付与し、その活力を十分に発揮させるとともに、競争を導入することによって公共的使命を負った新電電会社とニーズに応じてサービスを提供する民間とが相補完し合い、競争と協調を通じて我が国全体としての電気通信の水準を高めていくことをねらったものと理解し、歓迎しておる次第であります。
次に、今回の法案の内容に関連して、産業界の立場から、次の四点につきまして御配慮をお願いいたします。
一つは、通信分野への民間参入を、法律の上だけでなく、現実に可能とすることでございます。何分新電電会社は巨大であり、新規参入者が仮に東京-大阪のようなトラフィックの多い区間に参入したとしても、対等に競争していくことは極めて困難であります。新規参入者が育ち、適正な競争状態が出現するまでは、公正かつ有効な競争確保のための配慮が望まれる次第でございます。
具体的には、データ通信設備サービス部門の分離等により、新電電会社による内部相互補助を禁止すること、公社体制のもとでの研究開発の成果は国民の財産であり、通信事業全体の発展の見地から適正な対価をもって公開すること、料金決定の面で新規参入が不可能となるようなことのないよう十分配慮すること等が必要であります。
また、現在私どもは、望ましい新規参入のあり方について勉強をしておりますが、何分我が国では、従来から通信関係の基本データが十分に公開されておりませんので、こうした資料の公開も望まれるわけでございます。
このほか、国内通信だけでなく、国際通信についても、民間の新規参入が可能となるよう、国が積極的に対外調整に当たっていただくことが望まれます。
第二は、新電電会社による投資の問題であります。国の基本的な電気通信サービスを担っていく上で、新会社に当事者能力を付与することは、臨調答申の精神に沿うものと思いますが、進出分野あるいは進出の態様によっては問題を生ずるおそれもありますので、慎重な対応を望みたいと存じます。
第三に、新電電会社のあり方及び電気通信事業法そのものの見放しについては、技術革新が激しく、ユーザーニーズの変化の早い時代でございますので、ぜひとも法案に盛られたとおり、それぞれ所定の期間内に見直しをしていただきたいと考えております。
第四に、情報通信分野の研究開発につきましては、今後、この分野が我が国の発展に極めて重要な役割を果たすことと認識いたしておりまして、新体制移行後も、我が国全体のこの分野での研究開発力が低下することのないよう、所要の措置が望まれます。
私どもといたしましては、ソフトとしての通信回線の自由な利用が進めば進むほど、ハードとしての通信綱の高度化に対するニーズが高まりますし、逆に、ハードが高度化し多様化していけば、ソフトも同じように高度化し多様化していくものと考えております。そうした意味で、両者はいわば唇歯輔車の関係にあり、通信のハードとソフトの両面に競争を導入し、民間の活力と創意工夫を生かしてこそ、高度情報通信社会の早期構築が可能になるものと確信いたします。
以上、いろいろと申し上げましたが、今回の改革は行政改革の面からも、また、今後の我が国の電気通信の高度化を図る面からも、時宜にかなったものと考え、ぜひともその早期実現をお願いしたいと存じます。我が国の場合、VANの開放がおくれた結果、この分野で米国に大きくおくれをとった経験がありますので、ぜひとも今国会でこの法案が成立をするよう重ねてお願いして、私の御説明を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。拍手
志
志
志場喜徳郎#4
○志場公述人 社団法人日本情報通信振興協会の会長をいたしております志場でございます。
私ども振興協会は、実は昨年の十月にできたばかりの新しい協会でございます。どうしてできたかと申しますと、ただいま今国会に上程されておりますいわゆる電気通信事業法関連の法案が近く国会に提出される、それによりましていわゆる高度情報化社会に向けて、従来の公社による一元的体制というものを廃止いたしまして、新たに民間活力の活用と競争原理の導入をもって、今後の高度情報化社会に伴う民間の需要の高度化ないしは多様化に対応していこう、こういうことが昨年のというか、昨年までにも議論されておりましたけれども、特に後半になって具体的な動きになってまいりました。かねてからそういう時代の趨勢に即しまして、いわゆる情報通信なるものに多大の関心と関係を有しておる企業が期せずして、現在の業種を超えまして、横断的な組織としてここに情報通信振興協会ができてきたのでございます。現在二百四、五十社の会員でもって全国、北海道から九州まで幅広くブロックを設けて、いろいろと勉強しておるという協会でございます。
そういうことで、うちの協会といたしましては、いわゆる啓蒙的な今後の情報通信分野の動向あるいは技術の問題その他諸外国の動向というようなものにつきまして、それぞれの専門的な立場の人をお呼びして講演会その他を活発に行っております。月に一遍ぐらいのペースで行っております。そこで驚きますことは、北海道に参りましても、名古屋に参りましても、大阪に参りましても、北九州に参りましても、聴衆は実にその場所に二、三百人、あふれるほどいつも満員なのでございます。それほど今や我が国は全国津々浦々まで、この高度情報社会の到来に対して、民間は民間なりにいかに対応してあるいはビジネスに参入していくべきか、こういうことを非常に熱心に模索しておるというのが、明らかに見てとれるのであります。
そういうところから申しまして、ただいま上程されております法案というものが一日も早く成立を見まして、これらいろいろと考えておる民間に対しまして、そういった具体的な行動というものに着手するようにしていただきたいというのが、私どものこういう実情を踏まえての偽らざる心情でございます。
それに関連いたしまして、若干の御要望といいますか、法律の運用あるいは今後の大きな政策づくりに関連いたしまして御要望を二、三申し上げておきたい、お許しを願いたいと思う次第でございます。
まず第一点は、先ほど小林公述人の方から公述がございました。私どもは主としてその御議論は、新電電との関係ということにおきまして、いわゆる法案における第一種電気通信事業、こういう分野の御発言が多かったのではないかというふうに了解するわけでございます。
その分野もいろいろと諸外国との関係等で問題もございましょう。しかしながら、それはいわばインフラストラクチャー的な、フレームワーク的なものの分野でございまして、これは従来も電電公社それなりにございますわけですし、今後の高度情報化社会での問題はむしろ、いわゆるVANと称せられる第二種電気通信事業の分野における我が国の通信事業のあり方というものを、どういうふうに国民経済全般的に見て付加価値の高い、また競争原理の働く生き生きとしたものにつくっていくのかということが、今後の我が国の高度情報化社会に向けての非常に大きなポイントではないかというふうに思うわけでございます。
具体的に申しますと、今度の電気通信事業がかなりの技術あるいは設備投資を必要とするということからいたしまして、そこへ日本の従来の風土といたしまして、ともすればそういう新規参入的な分野は、日本の巨大な産業、巨大企業あるいはその系列あるいは財閥的集団、そういういわゆる強者というものの集団なり力によっていろいろとなされて、シェアを分けられるという傾向が強いのでございます。
従来の公社によるいわゆる公的独占が今回のせっかくの改正によりましても、そういう巨大企業ないしその集団による寡占状態に置きかわったんだということだけでは、今回の法律改正はまさに画竜点睛を欠くということになるのじゃないか、こう思うのでありまして、その点から私どもといたしましては、とにかく中堅企業というものの育成ということに非常にポイントを置いて、今後のVAN的なものを中心にする第二種電気通信事業の発展を期していただきたいと思うのでございます。
技術面あるいは税制面、金融面、研究開発助成面、いろいろと助成措置もございましょうけれども、その際も、ともしますれば、大きなもの、利益のあるものにのみその助成の効果が均てんされて、特別償却をしようにもまずできないようなところにそういう制度がありましても、あるいは投資減税がありましても、何もならないのでございます。ですから、そういうことで、これは先ほど申しましたように、今や地方に参りましても、地方の時代と言われております、いろいろと今後の産業動向というものに対して関心は深うございます。どういうふうに合理化、効率化していくのか、あるいは我が国経済の一つの構造上の問題点と言われております流通業界の合理化、それにつきましても、きめ細かい通信なりそういう部門における情報化というものが、非常に大きなベーシックな問題として出てくると思うのです。
そういったときに、寡占状態でなくて、きめ細かく、ただしかし、中堅企業であればいいというだけでは十分ではございませんで、技術先端的あるいは開発的というようなものを中心にしました、しかし企業規模その他におきましては、いわば小回りのきくような独立的、専業的、そういうような企業というものを育成する、こういうことが、今回の改正の趣旨とする、今後の高度情報化社会に我が国として、資源の最適配分あるいは国民需要の多様な姿にきめ細かく機動的に対応していく――いろいろこのごろ住み分け論というような議論もあるようでございますが、いたずらにそういう住み分け論を言うわけじゃございませんけれども、そういう底の層をいろいろ多層的に厚くしていくということが、非常に全国的な意味でのVANというものの発展を図るのであろう、こういうふうに思われますので、いろいろな政策面におきまして、そこに焦点を当てていただきたいというのが第一点でございます。
なお、これと関連いたしますけれども、公正な競争の確保ということに関係いたしまして一、二申し上げますと、一つは、国家機関の自制を求めたい。官庁あるいはこのごろいわゆる第三セクターと称するようなものがございまして、それがいろいろと新しい事業みたいなものに挑戦するという動きもあるやに見えます。そういったような官庁主導ネットワークといったようなものは極力自制いたしまして、それぞれの本来の公共的な趣旨ないし目的、活動に限定すべきでありまして、いやしくも民業圧迫というようなおそれのあるようなことについては、厳に自制していただきたいというのが希望でございます。
また、この点からも関連いたしますが、先ほど小林公述人からもお話ございましたけれども、現在の公社のデータ通信本部のあり方につきましては、やはり民間の株式会社になりましても、巨大な第一種事業でございます新電電の一部門として、いわゆるデータ通信あるいはデータベース業務といったものが行われますと、実際問題として非常に巨大的な独占的な地位というものを引き継ぐというようなことになるのではないか。したがいまして、これは明確に区分独立いたしまして、それなりに業務を行われることが、フェアな競争といいますか、そういう面から必要ではないかというふうに考える次第でございます。
それから先ほど、これもまた小林公述人からもございましたのでダブりますけれども、公社が現在お持ちの技術研究所における研究の成果の問題でございます。今回の法案を拝見いたしますと、新電電の責務といたしまして、従来の研究所を引き継いだ、それまでに蓄積され、また今後開発され研究されるであろう技術につきましては、あまねく民間へ開放と普及を図る、努めなければならない、こういう訓示規定と申しますか、責任の規定があるようでございます。
全く趣旨は同じでございまして、本来ならば、研究所の体制というものはどうあるべきかということが、別途に国家的見地から考えらるべきではないかというふうな気もいたしますが、なかなかそれは具体的には難しい問題もございましょう。したがいまして、新電電に引き継がれるということはやむを得ないといいますか、妥当な措置とも存じますが、今申し上げましたその責任規定というものがいかに具体的に実際に実行されるのか、ここがポイントでございます。
これにつきまして、早急に政府その他におかれましても、具体的な労災というものをお立て願いまして、それによって新電電の指導その他に当たられますように、それに、先ほど申しました今後の技術に向けての中堅企業その他の技術開発型の企業が、そういった研究の成果をとりあえずできるだけ取り入れまして、その上にさらにそれなりの新技術を加えていく、こういうようなことにしたいと思う次第でございます。
それから、今申しましたように、従来の公社形態で蓄積されました資産、技術も資産でございますが、そういったものと並びまして、今回株式会社となり、その株式が広く一般に上場あるいは公開されるとなりますと、そこにいろいろと大きな巨額のいわゆる株式の売却利益というものが発生するということが予想されるわけでございます。この配分につきましては、とらぬタヌキの皮算用ではございませんが、いろいろと議論の多いところだと思います。
これはやはり従来の三十年にわたります公社制度のもとに、国民からいわば集中的に公に集められた基金である、こういうふうに考えられます。これをいろいろと民間といいますか、国民といいますか、それに還元するというにはいかなる方法がベストであるかということが、今後の論議でございましょうが、やはり通信という分野において蓄積されてきた資産であるという面も確かにございますわけで、その面から申して、さらにまた、今後の急速な諸外国との競争への突入、そういうことを考えますと、やはり育成するためにも通信技術の発展、その分野に少なくともその一部分というものは充当されてしかるべきものではないか、こういうふうに考えますので、よろしく御配慮をお願いしたいと思う次第でございます。
以上、いろいろ御要望申し上げましたけれども、冒頭に申し上げましたように、私ども協会といたしましては、今回の法案の趣旨ないし内容につきまして賛成いたし、速やかな成立をこいねがっておりますので、何とぞよろしく御審議をお願いする次第でございます。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私ども振興協会は、実は昨年の十月にできたばかりの新しい協会でございます。どうしてできたかと申しますと、ただいま今国会に上程されておりますいわゆる電気通信事業法関連の法案が近く国会に提出される、それによりましていわゆる高度情報化社会に向けて、従来の公社による一元的体制というものを廃止いたしまして、新たに民間活力の活用と競争原理の導入をもって、今後の高度情報化社会に伴う民間の需要の高度化ないしは多様化に対応していこう、こういうことが昨年のというか、昨年までにも議論されておりましたけれども、特に後半になって具体的な動きになってまいりました。かねてからそういう時代の趨勢に即しまして、いわゆる情報通信なるものに多大の関心と関係を有しておる企業が期せずして、現在の業種を超えまして、横断的な組織としてここに情報通信振興協会ができてきたのでございます。現在二百四、五十社の会員でもって全国、北海道から九州まで幅広くブロックを設けて、いろいろと勉強しておるという協会でございます。
そういうことで、うちの協会といたしましては、いわゆる啓蒙的な今後の情報通信分野の動向あるいは技術の問題その他諸外国の動向というようなものにつきまして、それぞれの専門的な立場の人をお呼びして講演会その他を活発に行っております。月に一遍ぐらいのペースで行っております。そこで驚きますことは、北海道に参りましても、名古屋に参りましても、大阪に参りましても、北九州に参りましても、聴衆は実にその場所に二、三百人、あふれるほどいつも満員なのでございます。それほど今や我が国は全国津々浦々まで、この高度情報社会の到来に対して、民間は民間なりにいかに対応してあるいはビジネスに参入していくべきか、こういうことを非常に熱心に模索しておるというのが、明らかに見てとれるのであります。
そういうところから申しまして、ただいま上程されております法案というものが一日も早く成立を見まして、これらいろいろと考えておる民間に対しまして、そういった具体的な行動というものに着手するようにしていただきたいというのが、私どものこういう実情を踏まえての偽らざる心情でございます。
それに関連いたしまして、若干の御要望といいますか、法律の運用あるいは今後の大きな政策づくりに関連いたしまして御要望を二、三申し上げておきたい、お許しを願いたいと思う次第でございます。
まず第一点は、先ほど小林公述人の方から公述がございました。私どもは主としてその御議論は、新電電との関係ということにおきまして、いわゆる法案における第一種電気通信事業、こういう分野の御発言が多かったのではないかというふうに了解するわけでございます。
その分野もいろいろと諸外国との関係等で問題もございましょう。しかしながら、それはいわばインフラストラクチャー的な、フレームワーク的なものの分野でございまして、これは従来も電電公社それなりにございますわけですし、今後の高度情報化社会での問題はむしろ、いわゆるVANと称せられる第二種電気通信事業の分野における我が国の通信事業のあり方というものを、どういうふうに国民経済全般的に見て付加価値の高い、また競争原理の働く生き生きとしたものにつくっていくのかということが、今後の我が国の高度情報化社会に向けての非常に大きなポイントではないかというふうに思うわけでございます。
具体的に申しますと、今度の電気通信事業がかなりの技術あるいは設備投資を必要とするということからいたしまして、そこへ日本の従来の風土といたしまして、ともすればそういう新規参入的な分野は、日本の巨大な産業、巨大企業あるいはその系列あるいは財閥的集団、そういういわゆる強者というものの集団なり力によっていろいろとなされて、シェアを分けられるという傾向が強いのでございます。
従来の公社によるいわゆる公的独占が今回のせっかくの改正によりましても、そういう巨大企業ないしその集団による寡占状態に置きかわったんだということだけでは、今回の法律改正はまさに画竜点睛を欠くということになるのじゃないか、こう思うのでありまして、その点から私どもといたしましては、とにかく中堅企業というものの育成ということに非常にポイントを置いて、今後のVAN的なものを中心にする第二種電気通信事業の発展を期していただきたいと思うのでございます。
技術面あるいは税制面、金融面、研究開発助成面、いろいろと助成措置もございましょうけれども、その際も、ともしますれば、大きなもの、利益のあるものにのみその助成の効果が均てんされて、特別償却をしようにもまずできないようなところにそういう制度がありましても、あるいは投資減税がありましても、何もならないのでございます。ですから、そういうことで、これは先ほど申しましたように、今や地方に参りましても、地方の時代と言われております、いろいろと今後の産業動向というものに対して関心は深うございます。どういうふうに合理化、効率化していくのか、あるいは我が国経済の一つの構造上の問題点と言われております流通業界の合理化、それにつきましても、きめ細かい通信なりそういう部門における情報化というものが、非常に大きなベーシックな問題として出てくると思うのです。
そういったときに、寡占状態でなくて、きめ細かく、ただしかし、中堅企業であればいいというだけでは十分ではございませんで、技術先端的あるいは開発的というようなものを中心にしました、しかし企業規模その他におきましては、いわば小回りのきくような独立的、専業的、そういうような企業というものを育成する、こういうことが、今回の改正の趣旨とする、今後の高度情報化社会に我が国として、資源の最適配分あるいは国民需要の多様な姿にきめ細かく機動的に対応していく――いろいろこのごろ住み分け論というような議論もあるようでございますが、いたずらにそういう住み分け論を言うわけじゃございませんけれども、そういう底の層をいろいろ多層的に厚くしていくということが、非常に全国的な意味でのVANというものの発展を図るのであろう、こういうふうに思われますので、いろいろな政策面におきまして、そこに焦点を当てていただきたいというのが第一点でございます。
なお、これと関連いたしますけれども、公正な競争の確保ということに関係いたしまして一、二申し上げますと、一つは、国家機関の自制を求めたい。官庁あるいはこのごろいわゆる第三セクターと称するようなものがございまして、それがいろいろと新しい事業みたいなものに挑戦するという動きもあるやに見えます。そういったような官庁主導ネットワークといったようなものは極力自制いたしまして、それぞれの本来の公共的な趣旨ないし目的、活動に限定すべきでありまして、いやしくも民業圧迫というようなおそれのあるようなことについては、厳に自制していただきたいというのが希望でございます。
また、この点からも関連いたしますが、先ほど小林公述人からもお話ございましたけれども、現在の公社のデータ通信本部のあり方につきましては、やはり民間の株式会社になりましても、巨大な第一種事業でございます新電電の一部門として、いわゆるデータ通信あるいはデータベース業務といったものが行われますと、実際問題として非常に巨大的な独占的な地位というものを引き継ぐというようなことになるのではないか。したがいまして、これは明確に区分独立いたしまして、それなりに業務を行われることが、フェアな競争といいますか、そういう面から必要ではないかというふうに考える次第でございます。
それから先ほど、これもまた小林公述人からもございましたのでダブりますけれども、公社が現在お持ちの技術研究所における研究の成果の問題でございます。今回の法案を拝見いたしますと、新電電の責務といたしまして、従来の研究所を引き継いだ、それまでに蓄積され、また今後開発され研究されるであろう技術につきましては、あまねく民間へ開放と普及を図る、努めなければならない、こういう訓示規定と申しますか、責任の規定があるようでございます。
全く趣旨は同じでございまして、本来ならば、研究所の体制というものはどうあるべきかということが、別途に国家的見地から考えらるべきではないかというふうな気もいたしますが、なかなかそれは具体的には難しい問題もございましょう。したがいまして、新電電に引き継がれるということはやむを得ないといいますか、妥当な措置とも存じますが、今申し上げましたその責任規定というものがいかに具体的に実際に実行されるのか、ここがポイントでございます。
これにつきまして、早急に政府その他におかれましても、具体的な労災というものをお立て願いまして、それによって新電電の指導その他に当たられますように、それに、先ほど申しました今後の技術に向けての中堅企業その他の技術開発型の企業が、そういった研究の成果をとりあえずできるだけ取り入れまして、その上にさらにそれなりの新技術を加えていく、こういうようなことにしたいと思う次第でございます。
それから、今申しましたように、従来の公社形態で蓄積されました資産、技術も資産でございますが、そういったものと並びまして、今回株式会社となり、その株式が広く一般に上場あるいは公開されるとなりますと、そこにいろいろと大きな巨額のいわゆる株式の売却利益というものが発生するということが予想されるわけでございます。この配分につきましては、とらぬタヌキの皮算用ではございませんが、いろいろと議論の多いところだと思います。
これはやはり従来の三十年にわたります公社制度のもとに、国民からいわば集中的に公に集められた基金である、こういうふうに考えられます。これをいろいろと民間といいますか、国民といいますか、それに還元するというにはいかなる方法がベストであるかということが、今後の論議でございましょうが、やはり通信という分野において蓄積されてきた資産であるという面も確かにございますわけで、その面から申して、さらにまた、今後の急速な諸外国との競争への突入、そういうことを考えますと、やはり育成するためにも通信技術の発展、その分野に少なくともその一部分というものは充当されてしかるべきものではないか、こういうふうに考えますので、よろしく御配慮をお願いしたいと思う次第でございます。
以上、いろいろ御要望申し上げましたけれども、冒頭に申し上げましたように、私ども協会といたしましては、今回の法案の趣旨ないし内容につきまして賛成いたし、速やかな成立をこいねがっておりますので、何とぞよろしく御審議をお願いする次第でございます。どうもありがとうございました。拍手
志
山
山岸章#6
○山岸公述人 全電通労働組合の中央執行委員長の山岸でございます。
私は、電電の当該の企業で働く労働者の立場から、この際、御意見を申し上げたいと思います。
結論から先に申し上げますと、出されております法案は、原案のままであるならば賛成いたしかねるということでございます。したがって、国会で十分御審議をいただきまして、前進的な修正をぜひ加えていただきたい、こう考えるものでございます。
まず第一のポイントとしまして、しからばおまえたちは、原案のどこに問題点を感ずるかということが問われます。この点、いっぱいございますけれども、私は特に六点だけ申し上げておきたいと思います。
まず第一は、政府は、この法案は行革法案の目玉だとおっしゃっておるやに聞いております。しかし私は、これは本来は行革とは本質的には異質のものである、二十一世紀を展望した高度情報社会へ向けて、情報通信の新しいシステムとルールをどうつくるかという観点の法体系の抜本的な見直しだ、こう受けとめております。ぜひそういう観点で国会でも御討議いただきたいと思います。
第二は、競争原理の導入ということが強調されております。私たちは、競争原理そのものについて全面的に否定するほど硬直した考えは持っておりません。しかし、競争原理と公共性の調和ということが非常に大切ではないか、こう考えるわけでございます。原案を拝見いたしますと、どうも競争原理が最大限重視をされて、公共性、国民の利益というものが軽視をされている嫌いがある、こう思います。
先ほども二人の公述人からお話がございましたが、新規参入の問題を我々は否定いたしません。しかし、無原則的な秩序なき新規参入というものが行われた場合には、そのしわが利用者に料金値上げとかあるいはサービスの低下ということで寄せられるおそれがございます。この点は、アメリカ、イギリスの現状を見ても明らかでございます。競争原理と公共性の調和をどう求めるかという観点でぜひもう少しメスを振るっていただかなければ、問題があるのじゃないかと思うわけでございます。
それから第三は、国益が損なわれるおそれがあるのじゃないか、こう思っております。当初の郵政省の原案では、第二種業については外資規制という発想がございましたが、最終的な政府案ではこれが消えております。外資規制がない、これは下手をすると、独立国としての通信主権を侵されるおそれがあるのではないか、このことを憂えるものでございます。
それから第四は、新電電に対する官僚統制が強化される危惧を私は非常に強く感じます。とりわけ当事者能力の制限、これは従来よりもきつくなるんじゃないかというように私たち当事者としては受けとめております。また一説によれば、法律では電電は第二種業を手がけることも認められておりますけれども、政府高官のお話では、電電が第二種業に進出をするのであれば、端末機も含めて料金については郵政大臣認可で、新電電に関する限りは料金はがんじがらめに縛り上げるというお話もあるやに聞いております。もしそういうようなことをやられたのでは逆に、公正競争条件というものが損なわれるのではないか、このことを憂えております。
それから第五の問題としては、スト権でございます。これは今度の法律では、労調法の附則を改正して、労働大臣の職権による中労委に対する調停中は、十五日間に限りストライキを禁止するという内容になっております。私は、近代的な労使関係、その中における労使の信頼関係というものを維持しなければ、企業体としての、公益事業としての活力ある運営はできない、こう思っております。労使関係安定のためには、このスト権の問題について法律で禁止という形で規制をするというのは、どうしても納得いたしかねるという気持ちでございます。
そして第六としましては、所有形態の問題でございます。原案では、実質民営化ということを志向しております。しかし私たちは、株式罪悪論はとりませんけれども、国民の共有財産である電電事業が、投資対象になったり金もうけの対象になったり、下手をすれば利権追求の対象になるということは、その事業の特質からして問題がある、こう考えておるわけでございます。
その他にもたくさん問題点はございますけれども、ポイントだけ申し上げると我々はそういうような見解を持っておりまして、したがって、この原案のままで無傷で国会を通されるということについては、当該の企業に働く労働者としては物すごく抵抗感を持っているということを申し上げておきたいと思います。
しからば、第二のポイントとしまして、原案に対しておまえたちはどういう注文があるか、こういうことが問われると存じます。この点で、多くは申しませんが、五点だけお願いをいたしておきたい、こう考えます。
第一は、公共性の問題でございます。これは先ほども申しましたように、競争原理と公共性の調和というものをぜひひとつ国民の目にわかるように明らかにしていただきたいと考える次第でございます。
それは競争といいましても、例えば東京-大阪間だとか、鉄道で言いますと新幹線区間は民間も参入してこられます。しかし、過疎地域その他のローカル、山間僻地、離島、これは競争関係なんか成り立たないわけなんでございます。これは新電電が泣いてもほえても、この原案でも示されておりますように、安定的なサービス提供を利用者である国民に対して行わなければいけない、こう義務づけられておるわけでございます。
したがって、そういうような要素についてどうするのか。先ほど内部補助はやめろという公述人の御指摘もございましたが、内部補助をやめれば、競争区間は値下げする、その他のところは、内部補助をやらないということになりますと、ローカルの地域の電話の加入者、山村僻地、離島の電話の加入者に対して、料金値上げというような事態が起こらないという保証はないわけでございます。この点など含めまして、ぜひ公共性と競争原理の関係の調和を御検討いただきたい、こう考えるわけでございます。
それから第二の問題としましては、消費者である利用者国民の利益を守る、今回の新しい法改正によって、国民の福祉に寄与するような体制をつくっていくということを、私は真剣に御検討いただきたいと思います。利用者国民との関係では、やり方を間違えますと、アメリカで起きておりますような料金の値上げあるいはプライバシーの侵害の問題、そういったものが起こりかねない、こう考えておるわけでございます。こういったものに対する対応策をぜひ確立を願いたいと存じます。
また、所有形態につきましても、電電事業は国民の共有財産であることは、歴史的経過を見て明らかでございます。したがって、共有財産にふさわしいような所有形態をぜひお考えいただきたい。私たちはオール・オア・ナッシングの棒をのんだような発想には立っておりません。先ほども申し上げたように、株式罪悪論というようなアメーバ的単細胞発想ですべてを考えようなどという気持ちはございません。仮に株式方式をとるとしても、その中でより国民の共有財産という電電事業の特質に近いような選択はあるはずである、政府原案だけが絶対的ではない、こう考えますので、そういう点、ぜひひとつ御検討を賜れば幸いだと思います。
第三は、国益を守るということでございます。この観点から第二種業に対しては、私は外資規制を加えるべきではないか、こう考えております。もうすでに巨大な国際的多国籍企業である、アメリカのビッグビジネスであるATT、IBM、これは日本の第二種業への参入を決めて体制を国内的にもつくっております。先ほどもお話がございましたが、果たしてそういう巨大なアメリカ資本が第二種業の分野に参入してきたときに、日本のどれだけの企業がこれに対抗し得るのか、極めて疑問であると私は思うわけでございます。
また、通信主権の関係もございます。そういったことを考えますと、ぜひ国益を守るという観点で外資規制を加えていただきたいというのが、我我の要望でございます。
第四は、日本の国内の情報通信産業のそれぞれの企業及びその企業で働く労働者の共存競争体制を、ぜひ確立するような対応を御検討いただきたいと思います。そのことをもって、二十一世紀を展望した我が国の高度情報社会の発展へ向けて国内の関係者が総力を挙げて寄与する、こういう体制がとれるような御考慮を賜れば幸いだと思います。
時間もございませんので、くどくど言いませんが、そのためには、ぜひ国内情報通信産業内における公正競争条件、これを確立できるように御検討を賜れば幸いだと存じます。民業圧迫になってもいけない、さりとてまた、新電電が第二の国鉄になりまして、けさのような順法闘争をやるような羽目になっても大変な問題でございます。したがいまして、ぜひこの点につきましては、国会において大所高所から御検討いただきたいと思います。
最後に第五として、そこで働く情報通信産業労働者、これは電機労連その他者関係しますが、この雇用の安定、それから働きがいのある事業の創出、このことについても御配慮をいただきたいと思うわけでございます。そういう観点からいきますと、私たちは当事者能力というものについては、経営形態を変更するのですから最大限認めてもらいたい。
それからまた、当事者能力と裏腹の関係にございますスト権の問題については、全電通は日本の官公労働組合の中で一番優等生の組合でございます。そうして我々は、ストライキをやって国民生活に御迷惑をかけないように、そういう問題については労働協約において自主的に労使で協定しよう、これは労使でも意見が一致しておるわけですから。したがって、私たちの実績を見ていただきまして、法律で労働基本権を規制するという原案についてはぜひ再検討をお願いしたい、こう思うわけでございます。
以上、非常に雑駁でございますが、全電通労働組合としての意見でございます。どうもありがとうございました。拍手
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結論から先に申し上げますと、出されております法案は、原案のままであるならば賛成いたしかねるということでございます。したがって、国会で十分御審議をいただきまして、前進的な修正をぜひ加えていただきたい、こう考えるものでございます。
まず第一のポイントとしまして、しからばおまえたちは、原案のどこに問題点を感ずるかということが問われます。この点、いっぱいございますけれども、私は特に六点だけ申し上げておきたいと思います。
まず第一は、政府は、この法案は行革法案の目玉だとおっしゃっておるやに聞いております。しかし私は、これは本来は行革とは本質的には異質のものである、二十一世紀を展望した高度情報社会へ向けて、情報通信の新しいシステムとルールをどうつくるかという観点の法体系の抜本的な見直しだ、こう受けとめております。ぜひそういう観点で国会でも御討議いただきたいと思います。
第二は、競争原理の導入ということが強調されております。私たちは、競争原理そのものについて全面的に否定するほど硬直した考えは持っておりません。しかし、競争原理と公共性の調和ということが非常に大切ではないか、こう考えるわけでございます。原案を拝見いたしますと、どうも競争原理が最大限重視をされて、公共性、国民の利益というものが軽視をされている嫌いがある、こう思います。
先ほども二人の公述人からお話がございましたが、新規参入の問題を我々は否定いたしません。しかし、無原則的な秩序なき新規参入というものが行われた場合には、そのしわが利用者に料金値上げとかあるいはサービスの低下ということで寄せられるおそれがございます。この点は、アメリカ、イギリスの現状を見ても明らかでございます。競争原理と公共性の調和をどう求めるかという観点でぜひもう少しメスを振るっていただかなければ、問題があるのじゃないかと思うわけでございます。
それから第三は、国益が損なわれるおそれがあるのじゃないか、こう思っております。当初の郵政省の原案では、第二種業については外資規制という発想がございましたが、最終的な政府案ではこれが消えております。外資規制がない、これは下手をすると、独立国としての通信主権を侵されるおそれがあるのではないか、このことを憂えるものでございます。
それから第四は、新電電に対する官僚統制が強化される危惧を私は非常に強く感じます。とりわけ当事者能力の制限、これは従来よりもきつくなるんじゃないかというように私たち当事者としては受けとめております。また一説によれば、法律では電電は第二種業を手がけることも認められておりますけれども、政府高官のお話では、電電が第二種業に進出をするのであれば、端末機も含めて料金については郵政大臣認可で、新電電に関する限りは料金はがんじがらめに縛り上げるというお話もあるやに聞いております。もしそういうようなことをやられたのでは逆に、公正競争条件というものが損なわれるのではないか、このことを憂えております。
それから第五の問題としては、スト権でございます。これは今度の法律では、労調法の附則を改正して、労働大臣の職権による中労委に対する調停中は、十五日間に限りストライキを禁止するという内容になっております。私は、近代的な労使関係、その中における労使の信頼関係というものを維持しなければ、企業体としての、公益事業としての活力ある運営はできない、こう思っております。労使関係安定のためには、このスト権の問題について法律で禁止という形で規制をするというのは、どうしても納得いたしかねるという気持ちでございます。
そして第六としましては、所有形態の問題でございます。原案では、実質民営化ということを志向しております。しかし私たちは、株式罪悪論はとりませんけれども、国民の共有財産である電電事業が、投資対象になったり金もうけの対象になったり、下手をすれば利権追求の対象になるということは、その事業の特質からして問題がある、こう考えておるわけでございます。
その他にもたくさん問題点はございますけれども、ポイントだけ申し上げると我々はそういうような見解を持っておりまして、したがって、この原案のままで無傷で国会を通されるということについては、当該の企業に働く労働者としては物すごく抵抗感を持っているということを申し上げておきたいと思います。
しからば、第二のポイントとしまして、原案に対しておまえたちはどういう注文があるか、こういうことが問われると存じます。この点で、多くは申しませんが、五点だけお願いをいたしておきたい、こう考えます。
第一は、公共性の問題でございます。これは先ほども申しましたように、競争原理と公共性の調和というものをぜひひとつ国民の目にわかるように明らかにしていただきたいと考える次第でございます。
それは競争といいましても、例えば東京-大阪間だとか、鉄道で言いますと新幹線区間は民間も参入してこられます。しかし、過疎地域その他のローカル、山間僻地、離島、これは競争関係なんか成り立たないわけなんでございます。これは新電電が泣いてもほえても、この原案でも示されておりますように、安定的なサービス提供を利用者である国民に対して行わなければいけない、こう義務づけられておるわけでございます。
したがって、そういうような要素についてどうするのか。先ほど内部補助はやめろという公述人の御指摘もございましたが、内部補助をやめれば、競争区間は値下げする、その他のところは、内部補助をやらないということになりますと、ローカルの地域の電話の加入者、山村僻地、離島の電話の加入者に対して、料金値上げというような事態が起こらないという保証はないわけでございます。この点など含めまして、ぜひ公共性と競争原理の関係の調和を御検討いただきたい、こう考えるわけでございます。
それから第二の問題としましては、消費者である利用者国民の利益を守る、今回の新しい法改正によって、国民の福祉に寄与するような体制をつくっていくということを、私は真剣に御検討いただきたいと思います。利用者国民との関係では、やり方を間違えますと、アメリカで起きておりますような料金の値上げあるいはプライバシーの侵害の問題、そういったものが起こりかねない、こう考えておるわけでございます。こういったものに対する対応策をぜひ確立を願いたいと存じます。
また、所有形態につきましても、電電事業は国民の共有財産であることは、歴史的経過を見て明らかでございます。したがって、共有財産にふさわしいような所有形態をぜひお考えいただきたい。私たちはオール・オア・ナッシングの棒をのんだような発想には立っておりません。先ほども申し上げたように、株式罪悪論というようなアメーバ的単細胞発想ですべてを考えようなどという気持ちはございません。仮に株式方式をとるとしても、その中でより国民の共有財産という電電事業の特質に近いような選択はあるはずである、政府原案だけが絶対的ではない、こう考えますので、そういう点、ぜひひとつ御検討を賜れば幸いだと思います。
第三は、国益を守るということでございます。この観点から第二種業に対しては、私は外資規制を加えるべきではないか、こう考えております。もうすでに巨大な国際的多国籍企業である、アメリカのビッグビジネスであるATT、IBM、これは日本の第二種業への参入を決めて体制を国内的にもつくっております。先ほどもお話がございましたが、果たしてそういう巨大なアメリカ資本が第二種業の分野に参入してきたときに、日本のどれだけの企業がこれに対抗し得るのか、極めて疑問であると私は思うわけでございます。
また、通信主権の関係もございます。そういったことを考えますと、ぜひ国益を守るという観点で外資規制を加えていただきたいというのが、我我の要望でございます。
第四は、日本の国内の情報通信産業のそれぞれの企業及びその企業で働く労働者の共存競争体制を、ぜひ確立するような対応を御検討いただきたいと思います。そのことをもって、二十一世紀を展望した我が国の高度情報社会の発展へ向けて国内の関係者が総力を挙げて寄与する、こういう体制がとれるような御考慮を賜れば幸いだと思います。
時間もございませんので、くどくど言いませんが、そのためには、ぜひ国内情報通信産業内における公正競争条件、これを確立できるように御検討を賜れば幸いだと存じます。民業圧迫になってもいけない、さりとてまた、新電電が第二の国鉄になりまして、けさのような順法闘争をやるような羽目になっても大変な問題でございます。したがいまして、ぜひこの点につきましては、国会において大所高所から御検討いただきたいと思います。
最後に第五として、そこで働く情報通信産業労働者、これは電機労連その他者関係しますが、この雇用の安定、それから働きがいのある事業の創出、このことについても御配慮をいただきたいと思うわけでございます。そういう観点からいきますと、私たちは当事者能力というものについては、経営形態を変更するのですから最大限認めてもらいたい。
それからまた、当事者能力と裏腹の関係にございますスト権の問題については、全電通は日本の官公労働組合の中で一番優等生の組合でございます。そうして我々は、ストライキをやって国民生活に御迷惑をかけないように、そういう問題については労働協約において自主的に労使で協定しよう、これは労使でも意見が一致しておるわけですから。したがって、私たちの実績を見ていただきまして、法律で労働基本権を規制するという原案についてはぜひ再検討をお願いしたい、こう思うわけでございます。
以上、非常に雑駁でございますが、全電通労働組合としての意見でございます。どうもありがとうございました。拍手
志
稲
稲葉三千男#8
○稲葉公述人 私は、大学の中でコミュニケーションあるいはマスコミュニケーションという問題を、かなり抽象的な理論のレベルで研究をしている者でありますが、そういう者として、今御審議なさっていますいわゆる三法案については、なかなか賛成しがたいという立場で私見を述べさせていただきたいと思います。
申し上げるまでもないことでありますが、現在は情報の生産あるいは処理の技術が飛躍的な発展をしてきている、また今後ともしようとしている、いわゆる社会の情報化が進展をしているわけであります。そういう社会の情報化を通して、私たちは二十世紀から二十一世紀へという時代を見渡しながら、より豊かなあるいは正義、公平というようなことが実現されていく平和な社会をつくり上げていかなければいけない。と同時に、これまでの人類の歴史の中でいろいろ生み出されてきておりますマイナス面、例えば公害であるとか失業であるとか戦争であるとか、こういったさまざまな問題を解決をしていかなければならないという、人類的なあるいは人類史的な課題を我々今抱えている、こういう基本認識をまず申したいと思います。
その上で、五点ほど意見を絞って申し述べますが、まず第一点は、シビルミニマムの確保という問題であります。
今も申し述べましたように、情報をめぐる技術というのは進展し続けております。そういう中で、これまで電電公社が三十年の間、研究あるいは業務を通して一定の役割を果たしてきたわけでありますが、こういう研究機能なども十分に維持しながら、相対的に絶えずレベルアップしていくシビルミニマムをシビルミニマムとして国民全体に確保していく、こういう責務がまず自覚されなければいけないと思います。そうでないと、これまでは主として物をめぐって貧富の格差が言われたわけでありますが、来るべき社会、情報化社会などと言われておりますが、その社会では、情報をめぐる貧富格差あるいは情報の享受をめぐる格差ということが生じ、大きな社会問題になっていくことも懸念されるわけであります。
そういう意味では、国民全体に一元的な、また決してコストの高くない、安いサービスを提供していく、こういう国民的なネットワークを形成し維持していくことが必要である。そういう電気通信事業における中核的な事業体というようなものは、ぜひ存続させていかなければいけないし、また存続の条件をつくり上げていかなければいけない。もちろん、民間活力の導入とか競争原則とかというようなことを一概に否定するものではありませんけれども、そういうものが行き過ぎることを通して国民の一部、特に弱者と言われているような部分にひずみが生じることのないよう、十分御検討いただきたいというふうに思っております。
二番日の問題といたしましては、そのことと深く関連いたしますが、特に料金の問題であります。この点につきましては、いやしくも電気通信事業の今後の変革の中で国民負担の増大を招かないように、料金決定の原則を明示していく必要があるというふうに考えております。
もちろん、新しい電気通信事業が合理的な経営をするということは、これは必要であります。これまでも、電電公社をめぐっては幾らかの不合理な問題が生じております。例えば、国家財政の危機というようなことを理由にして、剰余金が吸い上げられるというふうな問題も起こっております。こういう問題を含めて、合理的な経営はしていく必要がありますけれども、そのことが直ちに国民の負担の増大につながることのないよう、十分料金面での配慮が必要だというふうに考えております。
それから三番目の問題は、流動性の問題であります。情報というのは、フレキシブルであることを特質とし、そこにまた、情報の力の根源があるわけであります。情報の活動というのは最大限、フレキシビリティーを保障していかなければいけない。言論、表現の自由というものが民主主義社会で要請されますのもまた、そういうところに起因しているかというふうに思いますが、私たちは今、この情報化という問題をある意味では、一寸先はやみという状況で迎えようといたしております。ただし、このやみというのは、暗いペシミスティックなやみというよりはむしろ、オプティミスティックなやみでありまして、決して将来が暗いわけではありませんけれども、しかもそこでは、どういう事態が生じてくるか。これは内的な条件、事情、また外的な条件、事情、どちらにも不確定の要因がたくさんあるわけであります。
こういう場合に、人間が対応していくとしますと、できるだけかたい組織をつくらない、制度をつくらない。流動性のある組織、制度を考えていく。こういう意味では一つは、これからつくられていく新電電などの内部に、これまでもいろいろの硬組織、硬直があったわけでございますが、そういうのもできるだけ流動化して柔構造の組織にしていく必要がある。したがってまた、これに外から規制などを加えることもできるだけ排除していく、最小限にとどめる必要があるだろう。実は、この流動化ということは同時に、時間に対して焦らないということを意味していると思います。ゆっくりやっていく、手探りをしながらやみの中を進んでいく、いつでも後戻れるように、しかも着実に前進していくようにということでありますから、五年とかということではなくて、できるだけ絶えず見直しを行いながら進んでいけるような、そういう組織づくりを考える必要があるだろう、このように考えております。
四番目といたしましては、今の流動化と絡むわけでありますが、それでは、外部からの規制を最小限にとどめたときに、新しい事業体はどういうふうに管理をしていくのかという問題でありますが、ここでは、経営の情報をできるだけ公開する必要があるだろう、いささかの密室性も排除する必要があるだろう、そういうことを通して、国民の側からのコントロール、監視が隅々にまで行き届くような制度、組織をつくり上げていく必要があるだろう、こういうふうに考えているわけであります。
最後に第五点でありますが、私は国民総背番号制に反対し、プライバシーを守る中央会議というふうな会議に参加をし、役員として運動もしてきておりますが、情報化というのはしばしば指摘されますように、ジョージ・オーウェルの「一九八四年」型の管理社会になりかねない危険をはらんでおります。今回の法案でも、通信の秘密はもちろん規定をされているわけでありますが、これはいわばフローの過程における規定でありまして、フローのプロセスの両端におけるさまざまな問題、とりわけ、プライバシー侵害の危険については規定をしていないわけであります。
この辺は、さきに福岡県の春日市が個人情報保護条例を定めたわけでありますが、国のレベルでは、地方自治体に比べても、こういうプライバシーの保護についていささか立ちおくれているという感を持っておりますが、国全体として個人情報保護基本法というようなものを、例えばOECDの勧告などの線を念頭に置きながら、速やかに規定することが必要だと考えますが、と同時に、こういう新しい電気通信事業を考えるに当たって、やはりその法案の中でも、プライバシーの侵害の危険のいささかもないように配慮していく必要があるだろう、この辺もぜひ御検討いただきたいことだというように考えております。以上で陳述を終わります。拍手
この発言だけを見る →申し上げるまでもないことでありますが、現在は情報の生産あるいは処理の技術が飛躍的な発展をしてきている、また今後ともしようとしている、いわゆる社会の情報化が進展をしているわけであります。そういう社会の情報化を通して、私たちは二十世紀から二十一世紀へという時代を見渡しながら、より豊かなあるいは正義、公平というようなことが実現されていく平和な社会をつくり上げていかなければいけない。と同時に、これまでの人類の歴史の中でいろいろ生み出されてきておりますマイナス面、例えば公害であるとか失業であるとか戦争であるとか、こういったさまざまな問題を解決をしていかなければならないという、人類的なあるいは人類史的な課題を我々今抱えている、こういう基本認識をまず申したいと思います。
その上で、五点ほど意見を絞って申し述べますが、まず第一点は、シビルミニマムの確保という問題であります。
今も申し述べましたように、情報をめぐる技術というのは進展し続けております。そういう中で、これまで電電公社が三十年の間、研究あるいは業務を通して一定の役割を果たしてきたわけでありますが、こういう研究機能なども十分に維持しながら、相対的に絶えずレベルアップしていくシビルミニマムをシビルミニマムとして国民全体に確保していく、こういう責務がまず自覚されなければいけないと思います。そうでないと、これまでは主として物をめぐって貧富の格差が言われたわけでありますが、来るべき社会、情報化社会などと言われておりますが、その社会では、情報をめぐる貧富格差あるいは情報の享受をめぐる格差ということが生じ、大きな社会問題になっていくことも懸念されるわけであります。
そういう意味では、国民全体に一元的な、また決してコストの高くない、安いサービスを提供していく、こういう国民的なネットワークを形成し維持していくことが必要である。そういう電気通信事業における中核的な事業体というようなものは、ぜひ存続させていかなければいけないし、また存続の条件をつくり上げていかなければいけない。もちろん、民間活力の導入とか競争原則とかというようなことを一概に否定するものではありませんけれども、そういうものが行き過ぎることを通して国民の一部、特に弱者と言われているような部分にひずみが生じることのないよう、十分御検討いただきたいというふうに思っております。
二番日の問題といたしましては、そのことと深く関連いたしますが、特に料金の問題であります。この点につきましては、いやしくも電気通信事業の今後の変革の中で国民負担の増大を招かないように、料金決定の原則を明示していく必要があるというふうに考えております。
もちろん、新しい電気通信事業が合理的な経営をするということは、これは必要であります。これまでも、電電公社をめぐっては幾らかの不合理な問題が生じております。例えば、国家財政の危機というようなことを理由にして、剰余金が吸い上げられるというふうな問題も起こっております。こういう問題を含めて、合理的な経営はしていく必要がありますけれども、そのことが直ちに国民の負担の増大につながることのないよう、十分料金面での配慮が必要だというふうに考えております。
それから三番目の問題は、流動性の問題であります。情報というのは、フレキシブルであることを特質とし、そこにまた、情報の力の根源があるわけであります。情報の活動というのは最大限、フレキシビリティーを保障していかなければいけない。言論、表現の自由というものが民主主義社会で要請されますのもまた、そういうところに起因しているかというふうに思いますが、私たちは今、この情報化という問題をある意味では、一寸先はやみという状況で迎えようといたしております。ただし、このやみというのは、暗いペシミスティックなやみというよりはむしろ、オプティミスティックなやみでありまして、決して将来が暗いわけではありませんけれども、しかもそこでは、どういう事態が生じてくるか。これは内的な条件、事情、また外的な条件、事情、どちらにも不確定の要因がたくさんあるわけであります。
こういう場合に、人間が対応していくとしますと、できるだけかたい組織をつくらない、制度をつくらない。流動性のある組織、制度を考えていく。こういう意味では一つは、これからつくられていく新電電などの内部に、これまでもいろいろの硬組織、硬直があったわけでございますが、そういうのもできるだけ流動化して柔構造の組織にしていく必要がある。したがってまた、これに外から規制などを加えることもできるだけ排除していく、最小限にとどめる必要があるだろう。実は、この流動化ということは同時に、時間に対して焦らないということを意味していると思います。ゆっくりやっていく、手探りをしながらやみの中を進んでいく、いつでも後戻れるように、しかも着実に前進していくようにということでありますから、五年とかということではなくて、できるだけ絶えず見直しを行いながら進んでいけるような、そういう組織づくりを考える必要があるだろう、このように考えております。
四番目といたしましては、今の流動化と絡むわけでありますが、それでは、外部からの規制を最小限にとどめたときに、新しい事業体はどういうふうに管理をしていくのかという問題でありますが、ここでは、経営の情報をできるだけ公開する必要があるだろう、いささかの密室性も排除する必要があるだろう、そういうことを通して、国民の側からのコントロール、監視が隅々にまで行き届くような制度、組織をつくり上げていく必要があるだろう、こういうふうに考えているわけであります。
最後に第五点でありますが、私は国民総背番号制に反対し、プライバシーを守る中央会議というふうな会議に参加をし、役員として運動もしてきておりますが、情報化というのはしばしば指摘されますように、ジョージ・オーウェルの「一九八四年」型の管理社会になりかねない危険をはらんでおります。今回の法案でも、通信の秘密はもちろん規定をされているわけでありますが、これはいわばフローの過程における規定でありまして、フローのプロセスの両端におけるさまざまな問題、とりわけ、プライバシー侵害の危険については規定をしていないわけであります。
この辺は、さきに福岡県の春日市が個人情報保護条例を定めたわけでありますが、国のレベルでは、地方自治体に比べても、こういうプライバシーの保護についていささか立ちおくれているという感を持っておりますが、国全体として個人情報保護基本法というようなものを、例えばOECDの勧告などの線を念頭に置きながら、速やかに規定することが必要だと考えますが、と同時に、こういう新しい電気通信事業を考えるに当たって、やはりその法案の中でも、プライバシーの侵害の危険のいささかもないように配慮していく必要があるだろう、この辺もぜひ御検討いただきたいことだというように考えております。以上で陳述を終わります。拍手
志
曽
曽山克巳#10
○曽山公述人 前の公述人の方がそれぞれ意見を陳述なさいまして、大部分を覆っておりますので、私からダブって申し上げることは避けた方が効果的だと思います。ただ私、本日公述人の肩書といたしましてまかり出ましたのには、電気通信審議会会長代理という役目を仰せつかっておりますので、その関係で、昨年の秋からことしの一月にかけまして郵政大臣の諮問を受けまして審議をいたし、答申をいたしましたところの「二十一世紀に至る電気通信の長期構想」ということについての中身をいま一応思い起こしていただきまして、これに盛られました主な諸点をさらに強調することによりまして諸先生方の参考に供し、できるだけ合理的な、かつまた、理想に近い法律をおつくりいただくようにお願いしたいという趣旨で、申し上げる次第でございます。
実は私、そう申しましたが、先ほど第一番目にお述べになりました小林公述人は、この電気通信審議会の委員でもございまして、しかも、この長期構想につきましては小委員長をお務めになりました。したがって、私が申すよりもむしろ、小林公述人にお願いした方が本当はいいのでございますが、役目の振り分けから、私は今申しましたようなことで進めさせていただきたいと思うわけでございます。
実は臨調が、高度成長期を通じまして肥大化した行政のあり方を見直しまして財政再建を図るということで、政府の規制、監督を緩める一方、官あるいは公から民への役割分担変更といった考えのもとに、極めて強い線を出されたことは周知のとおりでございます。
また、私の次に意見をお述べになります公述人でございます岩村精一洋公述人は、たまたま臨調におきまして電電公社の経営形態につきましての審議をいたしましたときの第四部会長代理でございまして、そういった意味で、後ほどあるいはそういう御意見も出ようかと思いますが、この現在審議されております法案に至ります過程において、臨調論議が一つの引き金になったことは、先ほどもどなたかおっしゃいましたが、紛れもない事実でございます。
その線に沿いまして、公社の使命達成論あるいは非能率論のもとで電電公社の経営形態の検討の結果、民営・分割という結論に至ったことはこれまた御存じのとおりでございます。しかし、臨調のお力といたしましても、民業の振興によります経済社会の活性化という視点がありましても、高度情報社会への進展の中で果たすべき電気通信の基本的役割といった長期的展望まで踏まえたビジョンづくりまでには至らなかったと私は思います。
行政当局のことを一々言うのもどうかと思いますけれども、臨調の論議の始まるのと並行いたしまして、郵政省におきましても、例えば一九八〇年代の電気通信政策のあり方という研究もございましたし、また、特に大事なことは、電気通信システムの将来像に関する調査研究という、むしろ中期的と申しますか、さらに長期的な視点のもとに通信政策を見直し、そして、これもただ役所の作文ということではなくて、部外有識の方々の知恵を完全にまとめまして、いろいろな審議を行ったということでございました。こういった研究の成果を踏まえまして、私ども、大臣の諮問に基づきました長期構想についても審議をいたしたわけでございます。
今ここで、もう既に先生方御存じの長期構想につきましての答申の中身を御披露するのはいかがかと思いますが、私が当初申し上げましたように、いま一度この重点だけを見返していただきまして、その重点とするところをさらに一、二の点を強調いたしますので、それをさらにお取り上げいただきたいということが私の趣旨でございます。
答申の中で私、最も重要だと思っておりますことは、電気通信政策の理念をはっきりさせたということだと思います。先ほどどなたかがおっしゃいましたように、理念につきましてはあるいはいろいろな見方がございましょう。ペシミスティックかあるいはオプティミスティックかは別といたしまして、どうも積滞解消ないしは全国自動化達成の後に、いささかその論議が足りなかったのではなかろうかというのが私の意見でございますが、従来の電気通信政策の理念でございました、公衆電気通信サービスを合理的な料金であまねくかつ公平に提供するという理念は踏襲いたします。それにプラスいたしまして、来るべき二十一世紀における高度情報社会の実現を基本理念としているのが答申でございます。
この場合、高度情報化と申しますのは、これも言うまでもないことでございますが、データベースの充実、さらにニューメディアの開発を通じまして、双方向で多層的な電気通信のトータルネットワークを社会、産業あるいは家庭の全国的な規模で推進するところにございます。その際、あくまで人間中心ということを忘れずに、効率的な産業を可能にし、地域の自立発展につながり、また国際交流が円滑となるという社会をつくり上げることが、真の姿の高度情報化社会ということになることをこの答申でははっきりと言っております。
そのため、今も申しました積滞解消あるいは全国自動即時化の二大目標の達成の後の新しい課題といたしまして、電気通信の総合的な高度化といいうことを目標にいたしました。ただしその際、要件としましては、第一に、利用者の方々の利益の増進を図る、第二には、国家的利益を確保することを配意するということが必要となっておるわけでございます。今それぞれ申し上げましたが、私、繰り返して申し上げますが、このことが非常に大事なことであるということの御認識をさらに訴えたいわけでございます。
次に、この基本的な理念でございますところの高度情報社会の実現に向けまして、具体的な方策がいろいろ提言されております。これは時間の関係もございますのでるる申し上げませんが、まず、基本的な電気通信システムの高度化の目標を示しております。
いろいろございますが、例えて申し上げますと、今世紀におきましては、既存のメタリックケーブルを活用いたしまして、言うところのISDN、つまりサービス総合ディジタル綱というものを全国的にあまねく構築する、あるいは産業用を中心といたしまして広帯域網を構築する、さらには長期的な視野に立ちまして、加入者線系まで光ファイバーの導入を促進していくということでございます。その際、国自身が高度化のための長期指針を定める必要がございます。そしてその上に立って、今回提出されましたような新しい法制度をつくり出して、これによって、先ほど申します新社会に即応していくということを提言しているわけでございます。
その際、先ほどもいろいろ議論ございましたように、利用者が多様多種なサービスの中から自由に最適なものを選択する体制が必然となってまいりますので、全分野にわたって新規参入を図るということをも提言いたしているわけでございます。
この答申の最後でございますが、大切な中身といたしましては、これらの方策を実行いたしまして効果あらしめるためには、電気通信分野に優先的に投資が必要になります。そのために例えて申しますと、特別会計あるいは基金などを設置いたしまして、そういった具体的な措置によって情報通信産業の拡充強化をしてもらいたいという要望をいたしております。
具体的な例としましては、例えば基礎部門におきます研究開発、これはもう既に皆さんが申し上げられました。あるいは衛生通信の利用促進を図っていく、さらには、データベース等の情報ソフトの内容を充実していく、さらに光ファイバーあるいはディジタル化を早期に促進していく、また社会的公共的システムの開発も図っていくということ等がございます。
もちろん一方では、ITUの機関でありますCCITTに協力いたしまして、これらのニューメディアなりあるいは既存のメディアに対しますところの標準化の推進を図っていく、同時に、電気通信システムの安全性、確実性、信頼性の確保もやっていくということでございます。こういった基盤整備につきましても、ぜひ尽くしてもらいたいという強調をいたしております。
私といたしましては、先ほども申し上げましたが、今もう既に先生方御存じでございますけれども、重点を置いて申し上げましたこれらの諸点についてさらに御審議をいただき、しかも盛られておりますことを努めて実現していただきますようにお願いし、時期的にも速やかに、今国会におきます審議を可能ならしめるようにお願いしてやまないものでございます。陳述を終わります。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →実は私、そう申しましたが、先ほど第一番目にお述べになりました小林公述人は、この電気通信審議会の委員でもございまして、しかも、この長期構想につきましては小委員長をお務めになりました。したがって、私が申すよりもむしろ、小林公述人にお願いした方が本当はいいのでございますが、役目の振り分けから、私は今申しましたようなことで進めさせていただきたいと思うわけでございます。
実は臨調が、高度成長期を通じまして肥大化した行政のあり方を見直しまして財政再建を図るということで、政府の規制、監督を緩める一方、官あるいは公から民への役割分担変更といった考えのもとに、極めて強い線を出されたことは周知のとおりでございます。
また、私の次に意見をお述べになります公述人でございます岩村精一洋公述人は、たまたま臨調におきまして電電公社の経営形態につきましての審議をいたしましたときの第四部会長代理でございまして、そういった意味で、後ほどあるいはそういう御意見も出ようかと思いますが、この現在審議されております法案に至ります過程において、臨調論議が一つの引き金になったことは、先ほどもどなたかおっしゃいましたが、紛れもない事実でございます。
その線に沿いまして、公社の使命達成論あるいは非能率論のもとで電電公社の経営形態の検討の結果、民営・分割という結論に至ったことはこれまた御存じのとおりでございます。しかし、臨調のお力といたしましても、民業の振興によります経済社会の活性化という視点がありましても、高度情報社会への進展の中で果たすべき電気通信の基本的役割といった長期的展望まで踏まえたビジョンづくりまでには至らなかったと私は思います。
行政当局のことを一々言うのもどうかと思いますけれども、臨調の論議の始まるのと並行いたしまして、郵政省におきましても、例えば一九八〇年代の電気通信政策のあり方という研究もございましたし、また、特に大事なことは、電気通信システムの将来像に関する調査研究という、むしろ中期的と申しますか、さらに長期的な視点のもとに通信政策を見直し、そして、これもただ役所の作文ということではなくて、部外有識の方々の知恵を完全にまとめまして、いろいろな審議を行ったということでございました。こういった研究の成果を踏まえまして、私ども、大臣の諮問に基づきました長期構想についても審議をいたしたわけでございます。
今ここで、もう既に先生方御存じの長期構想につきましての答申の中身を御披露するのはいかがかと思いますが、私が当初申し上げましたように、いま一度この重点だけを見返していただきまして、その重点とするところをさらに一、二の点を強調いたしますので、それをさらにお取り上げいただきたいということが私の趣旨でございます。
答申の中で私、最も重要だと思っておりますことは、電気通信政策の理念をはっきりさせたということだと思います。先ほどどなたかがおっしゃいましたように、理念につきましてはあるいはいろいろな見方がございましょう。ペシミスティックかあるいはオプティミスティックかは別といたしまして、どうも積滞解消ないしは全国自動化達成の後に、いささかその論議が足りなかったのではなかろうかというのが私の意見でございますが、従来の電気通信政策の理念でございました、公衆電気通信サービスを合理的な料金であまねくかつ公平に提供するという理念は踏襲いたします。それにプラスいたしまして、来るべき二十一世紀における高度情報社会の実現を基本理念としているのが答申でございます。
この場合、高度情報化と申しますのは、これも言うまでもないことでございますが、データベースの充実、さらにニューメディアの開発を通じまして、双方向で多層的な電気通信のトータルネットワークを社会、産業あるいは家庭の全国的な規模で推進するところにございます。その際、あくまで人間中心ということを忘れずに、効率的な産業を可能にし、地域の自立発展につながり、また国際交流が円滑となるという社会をつくり上げることが、真の姿の高度情報化社会ということになることをこの答申でははっきりと言っております。
そのため、今も申しました積滞解消あるいは全国自動即時化の二大目標の達成の後の新しい課題といたしまして、電気通信の総合的な高度化といいうことを目標にいたしました。ただしその際、要件としましては、第一に、利用者の方々の利益の増進を図る、第二には、国家的利益を確保することを配意するということが必要となっておるわけでございます。今それぞれ申し上げましたが、私、繰り返して申し上げますが、このことが非常に大事なことであるということの御認識をさらに訴えたいわけでございます。
次に、この基本的な理念でございますところの高度情報社会の実現に向けまして、具体的な方策がいろいろ提言されております。これは時間の関係もございますのでるる申し上げませんが、まず、基本的な電気通信システムの高度化の目標を示しております。
いろいろございますが、例えて申し上げますと、今世紀におきましては、既存のメタリックケーブルを活用いたしまして、言うところのISDN、つまりサービス総合ディジタル綱というものを全国的にあまねく構築する、あるいは産業用を中心といたしまして広帯域網を構築する、さらには長期的な視野に立ちまして、加入者線系まで光ファイバーの導入を促進していくということでございます。その際、国自身が高度化のための長期指針を定める必要がございます。そしてその上に立って、今回提出されましたような新しい法制度をつくり出して、これによって、先ほど申します新社会に即応していくということを提言しているわけでございます。
その際、先ほどもいろいろ議論ございましたように、利用者が多様多種なサービスの中から自由に最適なものを選択する体制が必然となってまいりますので、全分野にわたって新規参入を図るということをも提言いたしているわけでございます。
この答申の最後でございますが、大切な中身といたしましては、これらの方策を実行いたしまして効果あらしめるためには、電気通信分野に優先的に投資が必要になります。そのために例えて申しますと、特別会計あるいは基金などを設置いたしまして、そういった具体的な措置によって情報通信産業の拡充強化をしてもらいたいという要望をいたしております。
具体的な例としましては、例えば基礎部門におきます研究開発、これはもう既に皆さんが申し上げられました。あるいは衛生通信の利用促進を図っていく、さらには、データベース等の情報ソフトの内容を充実していく、さらに光ファイバーあるいはディジタル化を早期に促進していく、また社会的公共的システムの開発も図っていくということ等がございます。
もちろん一方では、ITUの機関でありますCCITTに協力いたしまして、これらのニューメディアなりあるいは既存のメディアに対しますところの標準化の推進を図っていく、同時に、電気通信システムの安全性、確実性、信頼性の確保もやっていくということでございます。こういった基盤整備につきましても、ぜひ尽くしてもらいたいという強調をいたしております。
私といたしましては、先ほども申し上げましたが、今もう既に先生方御存じでございますけれども、重点を置いて申し上げましたこれらの諸点についてさらに御審議をいただき、しかも盛られておりますことを努めて実現していただきますようにお願いし、時期的にも速やかに、今国会におきます審議を可能ならしめるようにお願いしてやまないものでございます。陳述を終わります。ありがとうございました。拍手
志
岩
岩村精一洋#12
○岩村公述人 読売新聞の客員研究員をやっておりました岩村でございます。
この高度情報社会というものへの進展を考えてみます場合に、電電公社を活性化し、効率的な経営に進める必要があるのじゃなかろうか、これが私の基本的な考え方でございます。そして、その活性化といいますことは、今の電電公社の独占を崩すことから生まれるのじゃないか、同時に、今の電気通信産業の分野に新しい競争者を参入させることから電電の活性化も生まれるのじゃなかろうか、そのような考えます。そして、企業が参入してきます場合には、電電側にもこれを迎え撃つ体制をとらせる必要がある。今の公社の形では、いろいろ手足を縛られておりまして、自分が思うように仕事を進めることもできない形がございます。そこで、これはやはり公社を民営化する必要があるんじゃなかろうか、これが私の立場を結論から申し上げたところでございます。したがいまして、今政府が国会に提出しております公社の改革案というものは、この民営化の路線の上に乗ったものであろうか、このように考える次第でございます。
民営化に対する反対意見の中には、赤字の国鉄は経営形態を変えることもやむを得ないけれども、何で黒字の電電の経営形態を変えようとするのかという意見がございます。けれども、赤字の国鉄の方は、飛行機とか自動車とか内航海運とかの激しい競争者の参入に見舞われて、その中で四苦八苦して赤字が出ているという面が多分にございます。これに対しまして電電公社は、独占のために黒字である、そのことをかなり考慮に入れる必要があろう、そのように思います。
しかも、運輸部門においての国鉄の鉄道輸送というものは、どうも輸送需要の変化にマッチし切れないものがあった。飛行機は値段は高くてもスピードを求めるお客に選択されたし、自動車というものはドア・ツー・ドアの輸送とかあるいは密室性とか、そういう新しい輸送需要の前に国鉄の市場を奪い去ったわけでございます。
しかもまだ、電気通信産業の分野では、非常に大きな成長がございました。三十七年に東京と名古屋の間のダイヤル通話ができ上がったわけでございますけれども、その当時に利用者は四百万人であった。これは先ほどもどなたかおっしゃっておられたようでありますけれども、今それが四千二百万を超えるところまで来ているかと思います。このような急成長、需要の非常な膨張ということを背景にして電電は黒字を維持している、このようにも考えられるのじゃなかろうか、そのように思います。
もっとも、見方を変えますと、このような需要の増大にこたえまして、大量の架設をあえてやってのけたという電電公社の功績もまた評価しなければならぬと思います。これは二十八年度から五年ずつの計画をやりまして、積滞の解消に努めて大量架設を推進してまいりました。そして、これも先ほどどなたかがおっしゃいましたけれども、五十二年に積滞解消の宣言をやる、五十三年度にはダイヤル化率一〇〇%になる、このようなことによって、情報化時代の基盤づくりをやりました公社の功績というものは認めざるを得ない、そのように思います。これは公社であったからできたという面がございます。かつては民間の資金量が非常に不足しておりました。もしも公社が民営企業であったならば、このような大量架設はやれなかったんじゃなかろうか、そのように思います。
そして、電話の拡充法によって、加入者債券による資金調達ということを公社はやったわけでございますけれども、これは民間企業であったらできない方法でありました。この加入者債券による資金の調達が、外部資金の中で主流を占めたわけでありますけれども、これによって公社は非常に大きな需要にこたえることができた、そのように思います。ところが、今は加入者債券ではなくて、電電債が外部資金の主流になっております。まさに時代は変わり、環境は変わってきた、そのように思うわけであります。
今電電の事業にとって何が重要なことであるかといいますと、私は効率化が重要である、そのように考えます。その理由は、一つは、電話の新設が減ってきたことであります。積滞の解消ということは、その後の需要の増加が伸び悩んでくるということであります。新規の架設が減退するということであります。そして、そのことによって収入の伸びが減ってくる。しかも、大量架設時代の非常に膨大な投資の利払いは、今の財務状況の中で重くのしかかってくる、そのような状態がございます。そして、これをなるべく値上げをしないでやっていこうといたしますと、やはり非常な合理化を進めなければならない。今はまだ値上げということはないようでありますけれども、このままいけば、合理化をしない限りは値上げに追い込まれるんじゃなかろうか、そのようなことを一つ憂慮いたしております。
もう一つは、INSとの関連でございます。電電が今までの非常に大規模な建設から、だんだん保全管理の方に仕事の重点が移ってくる、そういう状態に今ございますので、ここにINSということへの進歩があれば、画期的に需要をふやすことになる。これは電話屋としてはもう先が見えてきた電電が、まさにそこに新しい活路を開くための発展可能性を見出し得る道であろう、そのように思います。
それで、そのINSへの発展可能性ということを考えてみますと、一つは、ソフトの開発であり、もう一つは、電電の提供するサービスが安いかどうかということにかかってくるかと思います。電電が提供するサービスを安くするためには、やはり事業の効率化ということがどうしても前提にならなければならない、このように思います。
そこで、効率化を求めるためには、公社という経営形態が問題になるのじゃなかろうか。公社といいますと、今当事者能力を持たされていないということが問題でございます。例えば予算、これは官庁並みの予算制度でありまして、国会の議決を経なければならない。執行面でもその統制下にありまして、変更は容易ではございません。弾力条項の発動とか経費の流用の規定もございますけれども、すべては郵政大臣の許可を得なければならない。そうしますと、投資や資金の運用ということで、変化する経済社会に機敏に対応できないという問題が起こるんじゃなかろうか、そのように思います。と同時に、これは経営者から非常に大きな選択権を奪うことでありますので、自律性を持てないために経営者が無気力になってしまう、そして責任感と意欲を失いがちになる、これが一つの問題でございます。それからまた、賃金の決定が三公社や現業の横並びとなっております。そして、基準内賃金と基準外賃金の流用と、それから基準外手当の新設を事実上不可能にするような制度もございます。このことは、経営者だけではなく労働側からも自律性を奪うものじゃなかろうか、そのように思います。労使双方に当事者能力がないわけであります。その労使双方に当事者能力がないといたしますと、双方とも親方日の丸の意識を持ちやすいわけであります。
労働関係、労働側について見てみますと、給与が横並びということで、能率を向上しても賃金が変わらないことにかつて組合側は不満を持ちまして、闘争の目標を人よこせ運動に置きました。つまり、能率を向上しても賃金が上がらぬのなら、給与面以外で労働条件の改善を求めるほかない。そこで、勤務時間を切り下げるための人よこせ運動であります。そこで、今電電では一週間三十七時間十分という、大手民間企業では見られない短い勤務時間になっております。
そしてまた、大量架設時代の名残といたしまして、余剰人員が生まれております。特に、保守部門十五万人、運用部門は六万人を超えるわけでございます。これは問題じゃないのか。運用部門は、ダイヤル化が進めば当然人間が減ってしかるべきでありますが、四十五年度から五十五年度までの十年間に五百人程度しか減っていない。昭和五十三年度に全国即時化が完成したのですが、五百人程度しか減らなくて、今なお六万人台の人員を抱えている、そういう状態であります。
また、組合の内部に国鉄の現場協議と同じようなものができておる、これは労使関係でありますが、そのような状態も出現しております。それで、ある現場ではかなり職場が荒廃しているとか、そういうようなことも耳にするわけでありますけれども、これはやはり組合が当事者能力を持たないことによって、このような状態ができてきたのじゃなかろうか、民営化することでこういう状態は改善されるのじゃなかろうか、そのように思います。
それからまた、電電ファミリーと言われる一つの問題がございます。資材の納入や工事の請負などを通じまして電電を取り巻く企業グループ、これが電電ファミリーと言われているわけでありますけれども、これが割高な代価を電電から得ていると言われている問題がございます。私、具体的にどのくらいに高いのかということはつまびらかにいたしませんけれども、このような高いものをつかまされるという状態、これは企業性を念頭に置きます民間企業の場合には余りあり得ないことでございます。このような不採算性に目をつぶっていては、民間企業はやっていけないわけであります。
このようなことから私は民営化を考えるわけでありますけれども、ただ、この民営化によるメリットは、電電の独占の形が続く限りはそれほど発揮されないだろう。新しい電電の経営形態ができましても、それが独占であったらこのようなメリットの発揮がなかなか難しいのじゃなかろうか。競争者の参入ということが必要なのでありますけれども、新電電はいわばガリバーでありまして、これに対して小人のような競争者が競争を挑むということになってまいります。そうなりますと、行政といたしましては、これを威力ある競争者に仕立て上げるための手かげんといいますか、これがどうしても必要になるのじゃないかと思います。
新規参入者になるべく味方する必要があるのじゃなかろうか。例えば、クリームスキミングとなる参入になるのですが、東京-大阪間を市外線を結ぶ、そして、それを新電電が持っているローカルラインに結んでくれという場合に、電電さんが余りあこぎなことをやらぬように行政としてはしっかり監視して、余り過剰な介入はこれもまたいけないのですけれども、とにかく手かげんをする必要がある。これは余り黙って放任していてもちょっとよろしくないのじゃなかろうか、そんなように思います。
かなりの参入者があって初めて、新電電が新しい分野に出ていくということも可能になるだろう。自分の方にはほかの企業が参入してこないで、おれは新しい分野に出ていくよ、それは例えば民間企業との合弁とか、いろいろな形があるかもしれませんが、新しい分野に出ていくよと申しましても、なかなかこれは一般的な合意が得られにくいだろう、そのように思います。新規の参入は自由だよという制度上の枠組みができましても、現実にかなり威力のある競争者が参入してきませんと、新電電の新分野への進出というのは当然阻害されるわけであります。
アメリカのATTはこのほど、地方のローカル会社に対する資本支配を断ち切りまして、そして、データ通信とか情報処理とかいう非常に未来性に富んだ部分に羽ばたく、そのような決意を固めたわけでありますけれども、このATTの行動様式といいますのは、電電の今後の進み方を考える場合にも一つの参考になるのじゃなかろうか、そのように考える次第であります。以上でございます。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →この高度情報社会というものへの進展を考えてみます場合に、電電公社を活性化し、効率的な経営に進める必要があるのじゃなかろうか、これが私の基本的な考え方でございます。そして、その活性化といいますことは、今の電電公社の独占を崩すことから生まれるのじゃないか、同時に、今の電気通信産業の分野に新しい競争者を参入させることから電電の活性化も生まれるのじゃなかろうか、そのような考えます。そして、企業が参入してきます場合には、電電側にもこれを迎え撃つ体制をとらせる必要がある。今の公社の形では、いろいろ手足を縛られておりまして、自分が思うように仕事を進めることもできない形がございます。そこで、これはやはり公社を民営化する必要があるんじゃなかろうか、これが私の立場を結論から申し上げたところでございます。したがいまして、今政府が国会に提出しております公社の改革案というものは、この民営化の路線の上に乗ったものであろうか、このように考える次第でございます。
民営化に対する反対意見の中には、赤字の国鉄は経営形態を変えることもやむを得ないけれども、何で黒字の電電の経営形態を変えようとするのかという意見がございます。けれども、赤字の国鉄の方は、飛行機とか自動車とか内航海運とかの激しい競争者の参入に見舞われて、その中で四苦八苦して赤字が出ているという面が多分にございます。これに対しまして電電公社は、独占のために黒字である、そのことをかなり考慮に入れる必要があろう、そのように思います。
しかも、運輸部門においての国鉄の鉄道輸送というものは、どうも輸送需要の変化にマッチし切れないものがあった。飛行機は値段は高くてもスピードを求めるお客に選択されたし、自動車というものはドア・ツー・ドアの輸送とかあるいは密室性とか、そういう新しい輸送需要の前に国鉄の市場を奪い去ったわけでございます。
しかもまだ、電気通信産業の分野では、非常に大きな成長がございました。三十七年に東京と名古屋の間のダイヤル通話ができ上がったわけでございますけれども、その当時に利用者は四百万人であった。これは先ほどもどなたかおっしゃっておられたようでありますけれども、今それが四千二百万を超えるところまで来ているかと思います。このような急成長、需要の非常な膨張ということを背景にして電電は黒字を維持している、このようにも考えられるのじゃなかろうか、そのように思います。
もっとも、見方を変えますと、このような需要の増大にこたえまして、大量の架設をあえてやってのけたという電電公社の功績もまた評価しなければならぬと思います。これは二十八年度から五年ずつの計画をやりまして、積滞の解消に努めて大量架設を推進してまいりました。そして、これも先ほどどなたかがおっしゃいましたけれども、五十二年に積滞解消の宣言をやる、五十三年度にはダイヤル化率一〇〇%になる、このようなことによって、情報化時代の基盤づくりをやりました公社の功績というものは認めざるを得ない、そのように思います。これは公社であったからできたという面がございます。かつては民間の資金量が非常に不足しておりました。もしも公社が民営企業であったならば、このような大量架設はやれなかったんじゃなかろうか、そのように思います。
そして、電話の拡充法によって、加入者債券による資金調達ということを公社はやったわけでございますけれども、これは民間企業であったらできない方法でありました。この加入者債券による資金の調達が、外部資金の中で主流を占めたわけでありますけれども、これによって公社は非常に大きな需要にこたえることができた、そのように思います。ところが、今は加入者債券ではなくて、電電債が外部資金の主流になっております。まさに時代は変わり、環境は変わってきた、そのように思うわけであります。
今電電の事業にとって何が重要なことであるかといいますと、私は効率化が重要である、そのように考えます。その理由は、一つは、電話の新設が減ってきたことであります。積滞の解消ということは、その後の需要の増加が伸び悩んでくるということであります。新規の架設が減退するということであります。そして、そのことによって収入の伸びが減ってくる。しかも、大量架設時代の非常に膨大な投資の利払いは、今の財務状況の中で重くのしかかってくる、そのような状態がございます。そして、これをなるべく値上げをしないでやっていこうといたしますと、やはり非常な合理化を進めなければならない。今はまだ値上げということはないようでありますけれども、このままいけば、合理化をしない限りは値上げに追い込まれるんじゃなかろうか、そのようなことを一つ憂慮いたしております。
もう一つは、INSとの関連でございます。電電が今までの非常に大規模な建設から、だんだん保全管理の方に仕事の重点が移ってくる、そういう状態に今ございますので、ここにINSということへの進歩があれば、画期的に需要をふやすことになる。これは電話屋としてはもう先が見えてきた電電が、まさにそこに新しい活路を開くための発展可能性を見出し得る道であろう、そのように思います。
それで、そのINSへの発展可能性ということを考えてみますと、一つは、ソフトの開発であり、もう一つは、電電の提供するサービスが安いかどうかということにかかってくるかと思います。電電が提供するサービスを安くするためには、やはり事業の効率化ということがどうしても前提にならなければならない、このように思います。
そこで、効率化を求めるためには、公社という経営形態が問題になるのじゃなかろうか。公社といいますと、今当事者能力を持たされていないということが問題でございます。例えば予算、これは官庁並みの予算制度でありまして、国会の議決を経なければならない。執行面でもその統制下にありまして、変更は容易ではございません。弾力条項の発動とか経費の流用の規定もございますけれども、すべては郵政大臣の許可を得なければならない。そうしますと、投資や資金の運用ということで、変化する経済社会に機敏に対応できないという問題が起こるんじゃなかろうか、そのように思います。と同時に、これは経営者から非常に大きな選択権を奪うことでありますので、自律性を持てないために経営者が無気力になってしまう、そして責任感と意欲を失いがちになる、これが一つの問題でございます。それからまた、賃金の決定が三公社や現業の横並びとなっております。そして、基準内賃金と基準外賃金の流用と、それから基準外手当の新設を事実上不可能にするような制度もございます。このことは、経営者だけではなく労働側からも自律性を奪うものじゃなかろうか、そのように思います。労使双方に当事者能力がないわけであります。その労使双方に当事者能力がないといたしますと、双方とも親方日の丸の意識を持ちやすいわけであります。
労働関係、労働側について見てみますと、給与が横並びということで、能率を向上しても賃金が変わらないことにかつて組合側は不満を持ちまして、闘争の目標を人よこせ運動に置きました。つまり、能率を向上しても賃金が上がらぬのなら、給与面以外で労働条件の改善を求めるほかない。そこで、勤務時間を切り下げるための人よこせ運動であります。そこで、今電電では一週間三十七時間十分という、大手民間企業では見られない短い勤務時間になっております。
そしてまた、大量架設時代の名残といたしまして、余剰人員が生まれております。特に、保守部門十五万人、運用部門は六万人を超えるわけでございます。これは問題じゃないのか。運用部門は、ダイヤル化が進めば当然人間が減ってしかるべきでありますが、四十五年度から五十五年度までの十年間に五百人程度しか減っていない。昭和五十三年度に全国即時化が完成したのですが、五百人程度しか減らなくて、今なお六万人台の人員を抱えている、そういう状態であります。
また、組合の内部に国鉄の現場協議と同じようなものができておる、これは労使関係でありますが、そのような状態も出現しております。それで、ある現場ではかなり職場が荒廃しているとか、そういうようなことも耳にするわけでありますけれども、これはやはり組合が当事者能力を持たないことによって、このような状態ができてきたのじゃなかろうか、民営化することでこういう状態は改善されるのじゃなかろうか、そのように思います。
それからまた、電電ファミリーと言われる一つの問題がございます。資材の納入や工事の請負などを通じまして電電を取り巻く企業グループ、これが電電ファミリーと言われているわけでありますけれども、これが割高な代価を電電から得ていると言われている問題がございます。私、具体的にどのくらいに高いのかということはつまびらかにいたしませんけれども、このような高いものをつかまされるという状態、これは企業性を念頭に置きます民間企業の場合には余りあり得ないことでございます。このような不採算性に目をつぶっていては、民間企業はやっていけないわけであります。
このようなことから私は民営化を考えるわけでありますけれども、ただ、この民営化によるメリットは、電電の独占の形が続く限りはそれほど発揮されないだろう。新しい電電の経営形態ができましても、それが独占であったらこのようなメリットの発揮がなかなか難しいのじゃなかろうか。競争者の参入ということが必要なのでありますけれども、新電電はいわばガリバーでありまして、これに対して小人のような競争者が競争を挑むということになってまいります。そうなりますと、行政といたしましては、これを威力ある競争者に仕立て上げるための手かげんといいますか、これがどうしても必要になるのじゃないかと思います。
新規参入者になるべく味方する必要があるのじゃなかろうか。例えば、クリームスキミングとなる参入になるのですが、東京-大阪間を市外線を結ぶ、そして、それを新電電が持っているローカルラインに結んでくれという場合に、電電さんが余りあこぎなことをやらぬように行政としてはしっかり監視して、余り過剰な介入はこれもまたいけないのですけれども、とにかく手かげんをする必要がある。これは余り黙って放任していてもちょっとよろしくないのじゃなかろうか、そんなように思います。
かなりの参入者があって初めて、新電電が新しい分野に出ていくということも可能になるだろう。自分の方にはほかの企業が参入してこないで、おれは新しい分野に出ていくよ、それは例えば民間企業との合弁とか、いろいろな形があるかもしれませんが、新しい分野に出ていくよと申しましても、なかなかこれは一般的な合意が得られにくいだろう、そのように思います。新規の参入は自由だよという制度上の枠組みができましても、現実にかなり威力のある競争者が参入してきませんと、新電電の新分野への進出というのは当然阻害されるわけであります。
アメリカのATTはこのほど、地方のローカル会社に対する資本支配を断ち切りまして、そして、データ通信とか情報処理とかいう非常に未来性に富んだ部分に羽ばたく、そのような決意を固めたわけでありますけれども、このATTの行動様式といいますのは、電電の今後の進み方を考える場合にも一つの参考になるのじゃなかろうか、そのように考える次第であります。以上でございます。どうもありがとうございました。拍手
志
志
額
額賀福志郎#15
○額賀委員 本日は、大変お忙しいところを、電気通信関係にかかわる諸先生方の貴重な御意見、御見識をお伺いすることができまして、心からありがとうございました。
制限時間が十分間ということでございますので、審議を進める上から、簡潔に御質問をしたいと思います。
まず、経団連を代表されます小林先生、それからVAN事業というか、市況情報センターでお仕事をなさっている志場先生にお聞きしたいと思うのですが、これまでの当委員会の質疑でもいろいろ問題点が明らかになってまいりまして、先生方の御意見等もお伺いしますと、恐らく委員会の質疑と重なり合っている部分がかなりあるわけであります。その中で、特に経済界の皆さん方の御意見を直接お伺いできるということは大変貴重でございますので、今第一種事業ということで、いろいろな産業が新規参入なさるというような話がございます。また小林先生も、新規参入者がうまく乗ってこれるような環境づくりをしてほしいというようなことを申されておるわけであります。
例えば国鉄さんとか、京セラグループとか、あるいは経団連でも通信衛星をとか言われますが、最も大事なことは、やはりユーザーに安定して、しかも正確に、迅速に、いかなる場合があっても迷惑をかけないというか、安定的に供給することだ。ところがこれは例えば、国鉄さんのレールに沿って通信線を、光ファイバーを出した、これはいかなる自然災害があって、切断されるかもしれない。そのときに、使う側としては、これを使って、自分の商売にあるいは情報のやりとりに本当に安定的に享受できるだろうかという心配があるかもしれません、恐らくあるだろうと思うのです。
そういった意味で、光ファイバーとかマイクロウエーブとか衛星通信とか言われますが、私は逆に、経団連側あるいは経済界側としては、地上線が何かの災害で壊れたら通信衛星で補うんだ、そういうように相互補完的にきちっと産業界として、第二電電としての機能と働きを持たせたものをつくっていくべきではないかというふうに考えるのですが、小林先生にまず御意見をお伺いし、また志場先生に、ユーザー側としてはどういうふうにお考えだろうか、それぞれちょっとお聞きしたいと思います。
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まず、経団連を代表されます小林先生、それからVAN事業というか、市況情報センターでお仕事をなさっている志場先生にお聞きしたいと思うのですが、これまでの当委員会の質疑でもいろいろ問題点が明らかになってまいりまして、先生方の御意見等もお伺いしますと、恐らく委員会の質疑と重なり合っている部分がかなりあるわけであります。その中で、特に経済界の皆さん方の御意見を直接お伺いできるということは大変貴重でございますので、今第一種事業ということで、いろいろな産業が新規参入なさるというような話がございます。また小林先生も、新規参入者がうまく乗ってこれるような環境づくりをしてほしいというようなことを申されておるわけであります。
例えば国鉄さんとか、京セラグループとか、あるいは経団連でも通信衛星をとか言われますが、最も大事なことは、やはりユーザーに安定して、しかも正確に、迅速に、いかなる場合があっても迷惑をかけないというか、安定的に供給することだ。ところがこれは例えば、国鉄さんのレールに沿って通信線を、光ファイバーを出した、これはいかなる自然災害があって、切断されるかもしれない。そのときに、使う側としては、これを使って、自分の商売にあるいは情報のやりとりに本当に安定的に享受できるだろうかという心配があるかもしれません、恐らくあるだろうと思うのです。
そういった意味で、光ファイバーとかマイクロウエーブとか衛星通信とか言われますが、私は逆に、経団連側あるいは経済界側としては、地上線が何かの災害で壊れたら通信衛星で補うんだ、そういうように相互補完的にきちっと産業界として、第二電電としての機能と働きを持たせたものをつくっていくべきではないかというふうに考えるのですが、小林先生にまず御意見をお伺いし、また志場先生に、ユーザー側としてはどういうふうにお考えだろうか、それぞれちょっとお聞きしたいと思います。
小
小林大祐#16
○小林公述人 大変残念なのでございますが、私ども経団連としましては、フィージビリティースタディーを今やっている最中でございまして、それの結論がまだ出ておりませんので、委員会としてまとまった御回答を申し上げるまでに至っておりません。まず何よりも法案が通るということがありませんと、すべての議論が詰まらないのでございます。それで、今それとの兼ね合いで結論が出なくて終わっておるわけでございます。皆さんそれぞれ思い思いの第二電電企画とかお考えになっておるわけでございますが、その人たち相互の間で話し合うなどということもまだ全然できておりませんし、今先生が言われたような方向になることを希望はいたしておるわけでございますけれども、具体的には何も進んでおらない状況でございます。
今言われておるような企業が個々にばらばらにやったのでは、先ほど来いろいろ公述人から出されておられる問題の解決にはほど遠い形になるおそれがあると私は思っておりますので、まず法案が通りますと、皆さん真剣になってその問題に熱が入ってくると思いますから、現在のところまだ全然詰まっておりませんので回答にならぬと思いますけれども、ひとつ御了承願いたい、かように思っておる次第でございます。
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志
志場喜徳郎#17
○志場公述人 ユーザーという立場からどう考えるかという御質問で、なかなか難しい問題でございますが、第一種電気通信事業につきましては、私は先ほど申しましたように、かなりの大規模であることを必要とする、こういうことは間違いないところだと思うのでございますけれども、同時に、やはりそこに競争原理が相当十分に働くべきであるということもあると思うのでございます。そのためには、やはり過渡的な問題というようなこと、あるいは政策の持っていき方、あるいは新電電のいわば新しい競争相手を育てるというようなことではありましょうけれども、そういうような立場に現在あるのだということのもとに、ある期間が必要だと思いますけれども、しかしいたずらに、現在がそうであるから新規参入についてはまとめるとか、あるいはそれは補完的なものであるべきだとかいうことににわかに議論を持っていくということはいかがなものであろうか。
かずに時をもってせよということは確かにございますし、また、新規の光ファイバーその他のメディアの信頼性をどういうふうに確保するかということは、当該メディアの技術上の信頼性にかかわる問題だと思います。また、新たに参入しようという企業は、いろいろと事業もくろみというものを真剣に立てて、そこで資本と技術と人を集めてやろうとすることでありまして、その実現性をどう見るかという評価の問題はあろうと思いますけれども、やはりそこには、それぞれの創意工夫なり考えを盛り込んだ企画というものがたくさん出まして、そして、それが全体の競争場裏の中で生かされていくようにしばらく見ていくのが妥当ではないか。それがまたユーザーとしても、今回の趣旨に沿い、望ましいのではないかというふうにとりあえず考えます。
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額
額賀福志郎#18
○額賀委員 時間が十分でございますから、既に経過したわけでありますが、ひとつ競争原理を導入するということでございましたので、経団連側が産業界の皆さん方と話し合って、非常に安定的で信頼を得る第二電電を形成するように、小林先生がおっしゃいましたように。話し合いの上できちっとした需要予測を立ててお願いしたいと考えるものであります。終わります。
この発言だけを見る →志
鈴
鈴木強#20
○鈴木(強)委員 本日の公聴会に公述人の諸先生方には、大変御多用のところをお出ましいただきまして、大変貴重な御意見を賜り、ありがとうございました。
それで、時間が少のうございますから二、三質問をいたしたいと思いますが、最初に、岩村先生が労使問題に触れましていろいろとお述べになりました。私も半生を電電事業に、そしてまた半生を国会におりまして、この事業とともに生きてまいった人間といたしまして、どうもその御発言は一部面に触れておられるのでありまして、四千三百万の電話を引くために、非常に不完全な公社制度の中で、六次にわたるこの偉大なる業績を残すために努力した全職員と関係者の皆さんの御労苦というものを、私は何か逆なでするような御意見と拝聴いたしまして、時間があればここでまずこれから入りたいのでございますが、時間がありません。なぜそうなったかということの歴史的な長い経過がない中に、その一部だけを見られて結論を述べられたことについては、非常に私は残念であるということだけを申し上げさせていただきます。
それでは、小林先生と志場先生にお伺いいたします。
両先生は、会社に移行するのは競争原理を導入する、そして民間企業に活力を与える、こういうことをおっしゃっておりますが、一番大事な公共性ということについて触れられておりません。これは山岸公述人が申されておりますように、百十四年のこの歴史というものをもう一回振り返っていただいて、会社になろうとも、この電話事業、通信事業というのは国民のためにあらねばならない、どんな僻地に住もうとも離島におろうとも、公平に通信のサービスを享受する、そして安い料金で確実に到着する、この公共性というものを断じて無視するわけにはいかない。ところが、民間企業の活性化やあるいは能率化、効率化ということだけを主張されて、この公共性に触れられておりませんが、この公共性について両先生はどうお考えでございますか、簡単にお願いいたします。
この発言だけを見る →それで、時間が少のうございますから二、三質問をいたしたいと思いますが、最初に、岩村先生が労使問題に触れましていろいろとお述べになりました。私も半生を電電事業に、そしてまた半生を国会におりまして、この事業とともに生きてまいった人間といたしまして、どうもその御発言は一部面に触れておられるのでありまして、四千三百万の電話を引くために、非常に不完全な公社制度の中で、六次にわたるこの偉大なる業績を残すために努力した全職員と関係者の皆さんの御労苦というものを、私は何か逆なでするような御意見と拝聴いたしまして、時間があればここでまずこれから入りたいのでございますが、時間がありません。なぜそうなったかということの歴史的な長い経過がない中に、その一部だけを見られて結論を述べられたことについては、非常に私は残念であるということだけを申し上げさせていただきます。
それでは、小林先生と志場先生にお伺いいたします。
両先生は、会社に移行するのは競争原理を導入する、そして民間企業に活力を与える、こういうことをおっしゃっておりますが、一番大事な公共性ということについて触れられておりません。これは山岸公述人が申されておりますように、百十四年のこの歴史というものをもう一回振り返っていただいて、会社になろうとも、この電話事業、通信事業というのは国民のためにあらねばならない、どんな僻地に住もうとも離島におろうとも、公平に通信のサービスを享受する、そして安い料金で確実に到着する、この公共性というものを断じて無視するわけにはいかない。ところが、民間企業の活性化やあるいは能率化、効率化ということだけを主張されて、この公共性に触れられておりませんが、この公共性について両先生はどうお考えでございますか、簡単にお願いいたします。
小
小林大祐#21
○小林公述人 私も長年、通信の事業に従事いたしておりますから、もう公共性に触れなくとも、公共性というか信頼性というものは私どもの考えの中にありまして、実は、今の第二電電云々の新しく出てくる人たちの新聞報道を見ますと、今先生のおっしゃったように、公共性を抜きにして利益追求のために何かやっているのじゃないかというムードが感じられることは、私も大変遺憾だと思っております。
それで、私ども経団連で今考えておりますことは、公共性といいましょうか、無制限に競争して相手がつぶれるまでやる競争ということは、毛頭考えておらないのでございまして、経団連で例えば今価格の問題、料金ですが、国際的な料金をベースにしてやっていこう。電電さんの場合、国際料金ということになりますと、かなり高いのでございます。それから遠近格差にいたしましても、国際的に見た場合がなり高いのでございます。そういう面を国際的なレベルをベースにして、それ以下に民間側は努力するし、新会社との間で競争していくという程度のことに考えておる次第でございます。
この発言だけを見る →それで、私ども経団連で今考えておりますことは、公共性といいましょうか、無制限に競争して相手がつぶれるまでやる競争ということは、毛頭考えておらないのでございまして、経団連で例えば今価格の問題、料金ですが、国際的な料金をベースにしてやっていこう。電電さんの場合、国際料金ということになりますと、かなり高いのでございます。それから遠近格差にいたしましても、国際的に見た場合がなり高いのでございます。そういう面を国際的なレベルをベースにして、それ以下に民間側は努力するし、新会社との間で競争していくという程度のことに考えておる次第でございます。
志
志場喜徳郎#22
○志場公述人 民間の企業は、やはりお客様がついてこそ経営が成り立つわけでございまして、そのときに、二つの企業がございまして、一つは公共からつまはじきされるし、一方は歓迎されるということになりますと、つまはじきされる方は存立し得なくなるわけでございます。したがいまして、公正な競争ということが行われております限り、つまり、この公正な競争と申しまのは、独禁法に触れるようなこととか、カルテル的な行為とかそういうことはなしに、本当にフェアな競争が行われておるということがあります限り、その企業というものは、公共のために、公共のつながりがある、そういう需要にこたえるということがなければ企業は競争場裏で生きていけないはずである、私はこう思うのでございます。したがいまして、私企業、株式会社であるから公共性とあるいは背馳する、二律背反するというふうには一概に考えられないと思うのでございます。
ただ、先生のおっしゃいました僻地その他のものに対する、これはある供給義務のごときことをおっしゃるのではないかいうふうにも受け取れるわけでありますが、その点につきましては、法律におきまして、当該企業が守るべき法的義務、責任として義務づける、条件づける、こういうことは全くあり得ることでございまして、そのもとに企業が企業として、皆さんに受け入れられるごとき公正な競争をするという前提でまいりますれば、公共性と民営というものが矛盾するものではない、私はかように考える次第でございます。
この発言だけを見る →ただ、先生のおっしゃいました僻地その他のものに対する、これはある供給義務のごときことをおっしゃるのではないかいうふうにも受け取れるわけでありますが、その点につきましては、法律におきまして、当該企業が守るべき法的義務、責任として義務づける、条件づける、こういうことは全くあり得ることでございまして、そのもとに企業が企業として、皆さんに受け入れられるごとき公正な競争をするという前提でまいりますれば、公共性と民営というものが矛盾するものではない、私はかように考える次第でございます。
鈴
鈴木強#23
○鈴木(強)委員 小林先生、わかりました。それは先生が言ってくれなければ、公共性について、腹の中で思っていたけれども言わなかった、こうおっしゃったのですが、やはり言ってくれないとわかりませんから、その点はよくわかりました。
それから、志場公述人の今の御意見に対しては、私はちょっと問題があると思います。
そこで、アメリカは本年一月一日から七つの会社にATTを分割しました。その後、視察にお二人とも行っていらっしゃいましたか。
この発言だけを見る →それから、志場公述人の今の御意見に対しては、私はちょっと問題があると思います。
そこで、アメリカは本年一月一日から七つの会社にATTを分割しました。その後、視察にお二人とも行っていらっしゃいましたか。
小
小林大祐#24
○小林公述人 ことしの三月、アメリカに参りました。短時日でございますので、話を承る程度で、詳細な調査はやっておりませんけれども、アメリカでは大変な、活性と言えば活性なんでしょうけれども……(鈴木(強)委員「大混乱が起きている」と呼ぶ)いや、アメリカから言えば混乱じゃないと思います。日本がそう見ておるのでございまして、あれが一つの活性化じゃないかと思っております。
この発言だけを見る →志
鈴
鈴木強#26
○鈴木(強)委員 わかりました。
そこで、お二人とも競争原理というものを力説されておるわけです。そのことによって料金が安くなり、加入者が便益になる、こうおっしゃっておるわけであります。しかし一面において、今ちょっとお話がありましたように、巨大企業に対してブレーキをかけるような、配慮をしなさいというような御意見が何か聞かれたわけであります。速記がないものですから、ちょっと私の耳で聞いた、ここで記録したところですから、もしそうでなければ失礼でございますが、私はそんなように聞きました。
今も志場公述人がおっしゃるように、フェアな競争、これは根本理念ですね。しかし、例えば新電電というのは、山の中にも離島にも電話をつけなさいという義務規定がある。新しく参入する会社にはそういうことがないのです。東京と大阪と、もうかるところだけやってよろしい、こういうのが一つでございます。しかも今度は、その競争原理によって企業が活性化すると言っておきながら、そういうものに対してある程度の規制をしなければいかぬというのは、論理の矛盾じゃないですか、これはどういう意味でございますか。
この発言だけを見る →そこで、お二人とも競争原理というものを力説されておるわけです。そのことによって料金が安くなり、加入者が便益になる、こうおっしゃっておるわけであります。しかし一面において、今ちょっとお話がありましたように、巨大企業に対してブレーキをかけるような、配慮をしなさいというような御意見が何か聞かれたわけであります。速記がないものですから、ちょっと私の耳で聞いた、ここで記録したところですから、もしそうでなければ失礼でございますが、私はそんなように聞きました。
今も志場公述人がおっしゃるように、フェアな競争、これは根本理念ですね。しかし、例えば新電電というのは、山の中にも離島にも電話をつけなさいという義務規定がある。新しく参入する会社にはそういうことがないのです。東京と大阪と、もうかるところだけやってよろしい、こういうのが一つでございます。しかも今度は、その競争原理によって企業が活性化すると言っておきながら、そういうものに対してある程度の規制をしなければいかぬというのは、論理の矛盾じゃないですか、これはどういう意味でございますか。
志
志場喜徳郎#27
○志場公述人 私は矛盾と思っておりません。つまり、規制と申しますのは、独占体系を打破しまして、民間活力活用と競争原理の導入によって高度情報社会に対処しようということで、そのときに、特に第一種事業におきましては、規模は相当程度大きいだろうということは思われますが、そこにいわゆる寡占状態というものが生じたのでは、需要者の立場からいって、ここに一種の経済場裏に及びますところのいわゆる寡占の弊害というものが出るのではないかという意味で申したのでございます。
また、新電電は僻地等における供給義務というものを果たす、それは現在でも、各電力会社がその義務を課されておる、こういうふうに理解いたします。そのもとで、しかしそれだけの責任を課される新電電という巨大企業は、全体的な規模の中において、それにもかかわらず相当の力というものを持っているはずでございます。したがいまして、そういう義務を課しながらも、やはりローカル、東京と大阪という面がございましたけれども、そこにおける競争にも耐え得る、あるいはそこは競争場裏にしても、そこはそこなりにまた効率化、活性化を図っていくということにつきましては、これは必ずしも矛盾した様相ではないのではないか、こういうふうに考える次第でございます。
この発言だけを見る →また、新電電は僻地等における供給義務というものを果たす、それは現在でも、各電力会社がその義務を課されておる、こういうふうに理解いたします。そのもとで、しかしそれだけの責任を課される新電電という巨大企業は、全体的な規模の中において、それにもかかわらず相当の力というものを持っているはずでございます。したがいまして、そういう義務を課しながらも、やはりローカル、東京と大阪という面がございましたけれども、そこにおける競争にも耐え得る、あるいはそこは競争場裏にしても、そこはそこなりにまた効率化、活性化を図っていくということにつきましては、これは必ずしも矛盾した様相ではないのではないか、こういうふうに考える次第でございます。
鈴
鈴木強#28
○鈴木(強)委員 ここは論争するところではありませんから、先生のお考えを承ることにしておきます。
電電の方も確かに、三千億ないし四千億の黒字を出しておりますが、先ほど稲葉先生がおっしゃったように、もう既に六千八百億も一般会計に取り上げられて、利息をつけると一兆何千億、これは不当にも取り上げられているわけですよね。
そして今度、公社の経営を見ましても、たしか四兆二千億ぐらいの電話の収入がございますけれども、十一ある通信局の中で黒字は四つしかないのですよ。七つはみんな赤字なんだ。それを総体的な総合経営の中でやっているのが現状なんですよ。もうけているのは、近畿と東京、関東、それから名古屋、これだけですよ。そういうところに競争原理を持ってこられて、それによって収入が減ってくる。そうなると、もうからない田舎はどうなるのですか。必然的に料金の値上げをするか、アクセスチャージによってやるか、いずれにしても利用者にとったはいいことはないと私は思うのです。これは意見をお聞きしている時間はありませんから、よろしゅうございます。
それからもう一つ、公正競争の中で述べられました国家機関の自制を求めたい、こうおっしゃったのですが、このことは例えば、国鉄が入ってくるとかあるいは道路公団が入ってくるとかいうようなことがうわさされているのですが、そういうことを意味していらっしゃるのでございますか。
この発言だけを見る →電電の方も確かに、三千億ないし四千億の黒字を出しておりますが、先ほど稲葉先生がおっしゃったように、もう既に六千八百億も一般会計に取り上げられて、利息をつけると一兆何千億、これは不当にも取り上げられているわけですよね。
そして今度、公社の経営を見ましても、たしか四兆二千億ぐらいの電話の収入がございますけれども、十一ある通信局の中で黒字は四つしかないのですよ。七つはみんな赤字なんだ。それを総体的な総合経営の中でやっているのが現状なんですよ。もうけているのは、近畿と東京、関東、それから名古屋、これだけですよ。そういうところに競争原理を持ってこられて、それによって収入が減ってくる。そうなると、もうからない田舎はどうなるのですか。必然的に料金の値上げをするか、アクセスチャージによってやるか、いずれにしても利用者にとったはいいことはないと私は思うのです。これは意見をお聞きしている時間はありませんから、よろしゅうございます。
それからもう一つ、公正競争の中で述べられました国家機関の自制を求めたい、こうおっしゃったのですが、このことは例えば、国鉄が入ってくるとかあるいは道路公団が入ってくるとかいうようなことがうわさされているのですが、そういうことを意味していらっしゃるのでございますか。
志
志場喜徳郎#29
○志場公述人 お答え申し上げます。
私の申し上げましたのは、官庁あるいは公社あるいは特別の公的企業体、そういうものがその形態においていわゆる当該業務を行うということは自制していただきたい。例えば、建設省あるいは運輸省、国鉄が音頭をとって、いろいろこの施設を使わないかとありましても、それに賛成して、そして新たな企業体がつくられて行われることをやめてくれと言っているのではございません。(鈴木(強)委員「そうすると、機関が直接やるのはいかぬと」と呼ぶ)そういうことでございます。
この発言だけを見る →私の申し上げましたのは、官庁あるいは公社あるいは特別の公的企業体、そういうものがその形態においていわゆる当該業務を行うということは自制していただきたい。例えば、建設省あるいは運輸省、国鉄が音頭をとって、いろいろこの施設を使わないかとありましても、それに賛成して、そして新たな企業体がつくられて行われることをやめてくれと言っているのではございません。(鈴木(強)委員「そうすると、機関が直接やるのはいかぬと」と呼ぶ)そういうことでございます。