交通安全対策特別委員会

1990-06-22 衆議院 全189発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成二年六月二十二日(金曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 権藤 恒夫君
   理事 今枝 敬雄君 理事 江口 一雄君
   理事 片岡 武司君 理事 鴻池 祥肇君
   理事 柳沢 伯夫君 理事 沢藤礼次郎君
   理事 関山 信之君 理事 遠藤 乙彦君
      魚住 汎英君    遠藤 武彦君
      河村 建夫君    近藤 元次君
      左藤  恵君    浜野  剛君
      前田  正君    増田 敏男君
      御法川英文君    北川 昌典君
      永井 孝信君    山下八洲夫君
      山元  勉君    吉田 和子君
      辻  第一君    和田 一仁君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 綿貫 民輔君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 塩崎  潤君
 出席政府委員
        総務庁長官官房
        交通安全対策室
        長       徳宿 恭男君
        総務庁行政監察
        局長      鈴木 昭雄君
        労働省労働基準
        局長      野崎 和昭君
        建設省都市局長 真嶋 一男君
        建設省道路局長 三谷  浩君
        建設省住宅局長 伊藤 茂史君
 委員外の出席者
        警察庁長官官房
        審議官     半田 嘉弘君
        警察庁交通局高
        速道路課長   小池 登一君
        警察庁交通局運
        転免許課長   滝藤 浩二君
        大蔵省銀行局保
        険部保険第二課
        長       山本  晃君
        文部省生涯学習
        局社会教育課長 鬼島 康宏君
        文部省体育局学
        校健康教育課長 石川  晋君
        厚生省健康政策
        局指導課長   澤  宏紀君
        水産庁漁政部漁
        業保険課長   水谷  宏君
        運輸大臣官房審
        議官      土坂 泰敏君
        運輸省地域交通
        局陸上技術安全
        部自動車審査課
        長       樋口 忠夫君
        海上保安庁警備
        救難部警備第一
        課長      大森 寿明君
        海上保安庁警備
        救難部航行安全
        課長      岩崎  勉君
        消防庁救急救助
        課長      飯田志農夫君
        特別委員会第一
        調査室長    寺田 晃夫君
    ─────────────
委員の異動
六月二十日
 辞任         補欠選任
  草野  威君     遠藤 乙彦君
同月二十二日
 理事遠藤乙彦君同月五日委員辞任につき、その
 補欠として遠藤乙彦君が理事に当選した。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 閉会中審査に関する件
 交通安全対策に関する件
     ────◇─────
この発言だけを見る →
権藤恒夫#1
○権藤委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員異動に伴い、現在理事が一名欠員になっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
権藤恒夫#2
○権藤委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に遠藤乙彦君を指名いたします。
     ────◇─────
この発言だけを見る →
権藤恒夫#3
○権藤委員長 交通安全対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永井孝信君。
この発言だけを見る →
永井孝信#4
○永井委員 きょうは総務庁長官と建設大臣に御出席いただいておりますので、双方に関係する部門について、非常に時間は不十分でございますが、私なりに質問をしてみたいと思いますので、ぜひひとつ積極的に対応をお願い申し上げておきたいと思います。
 まず初めに、交通事故による死傷者数が年々増加しておって、ことしも大変な状況にあることは毎日の新聞でお互いに心配をしているところですね。ところで、いよいよ来年度からは第五次交通安全施設等整備事業の五カ年計画に基づく整備事業が始まっていくわけですね。これに先立って、先般、財団法人国際交通安全学会というところが第五次の五カ年計画の策定に当たっての幾つかの提言を発表いたしました。これは、この前に道交法の改正の本委員会における質問のときに若干触れたのですが、ここにその資料があります。大変貴重な提言だと私は思っているのですが、この提言の中で「事故分析体制の確立」ということがうたわれています。
 警察庁も事故が起きれば現地で現場検証もする、あるいは第一当事者、第二当事者を含めて、その事故そのものについては徹底的に原因を究明してはいるのですが、提言にある中身というのは、有効な事故防止策を的確に実施させるための分析能力としては極めて低いということをこの提言の中で指摘をしているわけでございます。したがって、交通事故をなくするためには、体系的なものも含めて事故の原因の分析を徹底的に行っていくということが最大の効果につながっていくのではないかと思うのであります。多くの提言の内容を全部ここで触れるわけにはいきませんけれども、その点について、まず責任官庁である総務庁長官から所信を伺いたいと思うのです。
この発言だけを見る →
徳宿恭男#5
○徳宿政府委員 確かに、御指摘のように、交通事故の原因というものは極めていろいろな要因から成っておりますので、それを自動車工学、交通工学あるいは道路工学、そういった各方面から総合的に分析をするということが大変大事なことであると私ども認識いたしております。そういうことで、関係省庁がそれぞれ事故の調査あるいは研究機関等において研究等をやっておるわけでございますが、総務庁といたしましても、そういう総合的な事故分析調査ということに今後とも関係省庁と協議連絡をとりながら、充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →
塩崎潤#6
○塩崎国務大臣 私もそのような決意で当たりたいと思っております。
この発言だけを見る →
永井孝信#7
○永井委員 ところで、後で問題点を提起する際に具体的な事例については申し上げてまいりますが、交通安全は総務庁が一応まとめ役、各省庁にまたがっているわけですね。しかし、いつもこの委員会で問題になりますのは、行政官庁ごとの縦割り行政が中心でありますからそういう面で必ずしも横の連携はうまくとれていない。このことが結果として効果をもたらさないことになっているのではないか、こう思うのです。長官、反論があったら反論してください。
 ところで、総務庁はそういう状況の中でまた別途に交通安全対策について調査報告を出しましたね。ここにもその資料を持っておりますが、これは皆さんが出された問題ですからここで中身は触れません。その交通安全対策についての調査報告を出したときに、これは朝日新聞の社説ですが、六月十九日ですからつい先日ですね、社説を出しました。「魂の入った交通安全対策を」という見出しでございますが、もうお読みになっていらっしゃるかもわかりませんけれども、そこにどういうことが書いてあるか、要点だけちょっと引用いたします。
 「交通安全対策について、総務庁が今回まとめた調査報告をみると、まさかと耳目を疑うような実態が明らかにされている。政府の非常事態宣言をよそに、安全対策で抜けている穴が数多く指摘された。」これは総務庁の調査報告ですからね。「たとえば、事故の多発する交差点を抽出調査したら右折信号機がなかったり、カーブを示す警戒標識がなかったり、照明が不十分だったりした例がたくさん見られた。電柱や分離帯など道路内の工作物も位置が悪くて衝突死を招く恐れがあったり、」という細かい問題も、調査の報告を受けてここに指摘しています。
 実はきょうこの質問をするに当たって、私はこの委員会で交通標識のあり方とか交差点の周囲の環境とか、いろいろな問題を今まで何回も取り上げてきました。それだけでも一時間や二時間やったら、細かい問題のようだけれども、それが実質交通事故の減少に直結するだろうと思ったのですが、余りそんなことばかりやっていると、あいついつもそんなことばかりやっていると思われるもので、きょうはやめました。ところが、社説にこのことが出てきた。そうして、これも先日から問題になっておりますが、「オートマチック車の限定免許の導入については、できるだけ早く実現すべきだ」、こういうこともこの中に触れています。これはきょうは問題点として提起をいたしません。ここに触れているという紹介です。「第二に、交通事故の「真因」を探るために事故の総合的な調査分析が必要だと、勧告は強調している。」私は最初そのために質問したのですね。問題はその次なんです。「第三に、多くの側面をもつ交通安全対策の課題について、関係省庁をとりまとめて推進していく総務庁の責任は重い。」私はこのとおりだと思うのですね。
 そこでお伺いしますが、これも後で触れていくのですが、いろいろな通達や指導書面を見ましても、総務庁を初めとして、例えば建設省であるとか運輸省であるとかあるいは通産省であるとか警察庁であるとか、関係省庁の名前がずらりと連名で通達や指導書面が流れるのです。これは取りまとめ役の総務庁長官、どこまで権限を持っていらっしゃるのですか。
この発言だけを見る →
塩崎潤#8
○塩崎国務大臣 法規上は総務庁設置法に規定されているとおりでございまして、その点は私が申さなくても、「陸上交通の安全に関する施策及び事務の総合調整」という包括的な表現でございまするけれども、そのような権限が与えられておりまして、私どもは安全基本計画の策定、それから閣議決定に基づいて総務庁に設置されている交通対策本部の庶務を行って、これらの事務を通じまして関係省庁の施策と事務の総合調整を私どもなりに一生懸命努力をしておるところでございます。
この発言だけを見る →
永井孝信#9
○永井委員 交通対策本部長としてのそれらの権限はわかります。これは後で触れますけれども、建設大臣、いろいろな関係省庁から連名で通達が出されております。もちろん、通達を出す場合は関係省庁間で十分な協議をした上で出されるのだろうけれども、そこに中心的な役割を果たす総務庁長官がこうしてほしいと言ったら、建設大臣、そのことについてどうしますか、建設大臣として。
この発言だけを見る →
綿
綿貫民輔#10
○綿貫国務大臣 よく協議をさせていただきます。
この発言だけを見る →
永井孝信#11
○永井委員 いや、これは笑い事じゃないのですね。協議をするのは当たり前で、総務庁を中心にまとめ上げた対策をどうやって実際実効あらしめるように責任を果たすかということが今問われているのですよ。初めにそのことだけでやりとりしますと時間がかかりますから、後で具体的な問題で触れることにいたしましょう。
 そこで、問題点に入っていくのですが、たくさんの交通事故の中で、大型トラックを中心とするトラック輸送で起きる交通事故が極めて激増しています。とりわけその中で高速道で起きる事故、これはかなり大型事故が多いですね。追突事故、単なる追突事故だけではなくて、それに対して連鎖的に起こす玉突き事故があります。あるいは、最近私の地元でもあったのですが、高速道路でトラックが分離帯を飛び越えて対向車線に飛び出して三人が即死するという事故がつい一週間ほど前にありました。そういう分離帯を飛び越えるという事故まで随分起きてきている。そして、もちろん、その事故にはほとんど大型トラックが介在しているという事実、これは無視できないと思うのですね。
 もちろん道路の問題もあるでしょう。事故が起きてくるいろいろな環境があると思うのです。しかし、私が冒頭に、事故分析がもっと徹底されるべきだという趣旨でいろいろなことを紹介しましたけれども、提言の内容も申し上げましたけれども、その徹底的な分析が系統的に科学的にどこまでなされて、どこまでそれぞれの関係する省庁がその分析に基づいて対応を立てていくかということが今求められているのですよ。それのリーダーシップはだれがとるのか。私は総務庁長官しかないと思うのです、取りまとめ役ですから。そうでしょう。これについてはどうですか。
この発言だけを見る →
塩崎潤#12
○塩崎国務大臣 リーダーシップの意味はなかなか含蓄が深くて難しい概念だと思いまするけれども、やはり総合調整を強力に進めていきたいと思っております。
この発言だけを見る →
永井孝信#13
○永井委員 答弁としては余り納得できないのですが、まあいいでしょう。後、続けて問題点に入っていきます。
 素人の私どもが見てその原因が幾つか考えられます。まず居眠り運転があります。そして、過積載があります。車間距離をとっていない。これは私は口を酸っぱくして言ってきたけれども、一台一台に警官を乗せるわけにはいかぬし、現実は難しいですね。しかし、車間距離があれば起きない事故でも車間距離がないために事故が起きる。これはなかなか対応が難しいのです。私は、何回も言うように、夜、東名高速道路を乗用車で走ってもらいたい。心地が悪くて走れないのですね。周囲が全部大型トラックでびゅんびゅん飛ばすから、挟まれてしまったらサンドイッチでおしまいですからね。
 そうして、それらの原因はいろいろありますが、まず居眠り運転などについては過労というのが出てきますね。あるいは、産業界の方からいうと、これまた私が何回も指摘してきたことでありますが、かんばん方式があります。何時何分にどこそこの事業所のどこそこまでどれだけの材料を運べという、大企業が中心に行っている輸送システムです。これが間に合わなかったら工場の仕事はとまるものですから、絶対的な使命を持ってそこに物を運ばなければいかぬということで無理な運転が起きる。おおよそそういうものがあると思うのですね。これの悪循環なんですよ。過労になって居眠り運転をする。事故が起きやすい。長時間労働だ。だから、そんな過酷な労働条件のところに働く気がしない。だから、大型トラックの運転手の数がいつも足りない。足りないから、今現在従事してくれている運転手でそれらの社会的な要請にこたえていこうとすれば無理な運転をさせざるを得ない、この悪循環なんですね。
 そこで、最初に、そういう原因についての認識が共通の土俵の上に立てるかどうかまずお答え願います。
この発言だけを見る →
徳宿恭男#14
○徳宿政府委員 ただいま大型トラック運転士の過労運転、それからまた長時間労働がそういう過労の原因になっておるということ、そういうことで居眠りを誘発し、それが事故につながるという御指摘をいただきましたが、確かにそういう面の問題があることは否定できないような気がいたします。ただ長時間労働とかそういう点につきましては労働省サイドの指導、監督が行われていると思いますので、その点につきましては、総務庁といたしましてはそういった面の指導、監督というものを信頼いたしております。
この発言だけを見る →
永井孝信#15
○永井委員 今の御答弁を聞いておりまして、そのとおりなんですよ。共通の認識に立って、例えば長時間労働については監督官庁の労働省が主管をしておることですから労働省が積極的にやってくれることを信頼する、こうなりますね。私は、そのことが間違っているとは言わぬですよ。これが、総務庁長官、最初に申し上げたように、関係省庁が連携をとって交通事故をなくするためにいろいろな対策を立て通達を出すのですが、もちろん、縦割りの行政ですからやむを得ない面がありますけれども、それぞれの省庁にお任せする、こうなるのです。それをもう一歩踏み込んで、もっと強力にお互いが連携をとり合って実効あらしめるように、具体的にこうしたらいいということは私もなかなか答えを出すことはできませんけれども、それを考えるのが総務庁長官の重大な使命だろうと私は思うのです。これは答弁は要りません。問題点を指摘しておきます。
 今その話が出ましたが、きょうは労働基準局長に来てもらいましたので、労働基準局長にお尋ねします。
 一昨年の四月一日から労働基準法が改正されました。その改正された中に、もちろん猶予期間という制度が設けられています。その猶予期間の設けられている中に最大の問題として残っているのがトラック運送に係る運転士など運送事業の労働者の時間短縮の問題なんですね。これはたしか、そのときに三年間の猶予期間ということになっておりました。あわせて全部聞きますが、その当時のそういう自動車運送業に携わる労働者の長時間労働と言われている労働時間、一年間の平均の労働時間と現在の平均時間は、三年というのはあと一年しか残ってないのですが、その間に果たして労働基準法の改正の趣旨にのっとった時間短縮の方向が現実のものとしてできるのかどうなのか、基準局長答えてください。
この発言だけを見る →
野崎和昭#16
○野崎(和)政府委員 お尋ねのトラック運転手よりは若干広い範囲になりますが、道路貨物運送業の年間の総労働時間は、毎月勤労統計によりますと、平成元年のものをまず申し上げますが、二千六百十六時間でございます。全産業平均が二千八十八時間でございますので、年間五百時間ほど長いということで、御指摘のようにこの業種は実態的には長時間労働の業種であるということで、現在の法定労働時間四十六時間の適用を昭和六十三年度から三年間猶予されております。六十三年度の道路貨物運送事業の総労働時間は二千六百八十七時間でございました。したがいまして、非常に長い中でも六十三年から平成元年にかけまして七十一時間の短縮が進んでおります。
 四十六時間への猶予期間は来年の三月で切れるわけでございますけれども、私どもとしては、来年三月までに四十六時間にするのではなくて、事前に前倒しで実施をしていただきたいということを強くお願いしております。業界の方も、先ほど先生から御指摘ございましたように、長時間労働というイメージが定着しまして若い人材が来ないということで、これは業界にとっても人材確保の見地からも時間短縮を進めなければならないということで積極的に協力していただいておりまして、猶予期間内に法定労働時間に達することは可能だというふうに考えております。
この発言だけを見る →
永井孝信#17
○永井委員 基準局長、現在二千六百十六時間。貨物自動車の過積載の現状と交通事故を分析した「予防時報」という雑誌の一部をここに持ってきました。その中でも、「過重な労働条件などが過積載違反の誘因の一つになっているところから、適正な賃金体系」とともに「運転時間の短縮等の労働条件の改善を図る」ことが必須条件であるということがここにも提起されております。
 あるいは、これは直接トラック運送にかかわっている労働組合のある一つの資料でございますが、それで見ると、「慢性疲労を生む長時間労働」ということで、例えばトラックの運転手ですけれども、二千時間未満のところは六・四%という数字が出ました。二千五百時間から三千時間未満というのは二九・五%です。三千時間以上というのが実に四〇・六%の実態です。
 新前川レポートじゃないけれども、今、日本の国は働き過ぎと言われ、構造協議もありますけれども、とにかくそういう状況の中で千八百時間にしていこうと政府も言ったし、私どももそれを求めて労基法の改正を行ってきたのですね。それは画期的なことだったと思うのです。ところが、現実にその千八百時間を求めているときに、基準局長の言われている数字を見ましても、元年には二千六百十六時間、一般の企業に比べて五百時間ほど長いと一言われている。ところが現実に、大型トラックの長時間労働を調べると、三千時間以上が四〇・六%もあるという事実、これだけ大きな乖離があるのです。果たして一年間のうちに時間短縮が進むのか、これが進まなかったら過労運転なんて絶対になくならないんですよ。これは今総務庁が言っている話ではありませんけれども、縦割り行政という関係がありますが、労働省の責任は極めて重いと思うのですね。長時間労働をなくすることによってかなりの大型事故を減らすことができる、この点についてもう一回答えてくれますか。
この発言だけを見る →
野崎和昭#18
○野崎(和)政府委員 御指摘のとおり、トラック運転手そのものの労働時間を示している資料によりますと、三千時間近いのではないかという統計もあることは私どもは承知しております。政府の目標は言うまでもなく、御指摘のとおり経済計画期間中に千八百時間に向けてできるだけ近づけよう、そのためには完全週休二日制にするとか残業時間を年間百五十時間程度にするとかということが具体的に必要になるのでございますけれども、確かにトラック運転手、それからそのほか一、二の業種については、その時点までの達成は非常に困難かと思います。
 しかし、時間が多少かかりましても、やはり全体の労働条件とバランスのとれた労働条件にしていただきませんと、先ほど申し上げましたように、若い優秀な人材がこの業界に来ないということになりますと、日本の産業全体の問題にもなります。そういうことで、業界もそういった点についての認識が非常に深まっていると思いますし、私どもも運輸省と定期的に協議しまして、何とかこの業界の労働時間を他産業に追いつくように今後とも指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
この発言だけを見る →
永井孝信#19
○永井委員 労働省の関係する社会労働委員会で、今枝先生もいらっしゃいますが、きのう「ゆとり宣言」なるものを決議いたしました。せめてそれぞれが週二日は休んで家庭の団らんに浸ろうではないか、時には長い休暇をとってということを含めた「ゆとり宣言」を出しました。これは委員会の決議ですけれども、やはりそういう決議もしなくてはいけない状況になってきている。それだけに、もうこれ以上労働省の答弁を求めませんけれども、労働省はある意味でまなじりを決してやってください。私はそのことを強く要望しておきたいと思います。
 ところで建設大臣、私的なことでちょっと恐縮ですが、失礼なことがあったらお許しをいただきたいと思うのですが、聞きますと、大臣はトラック運送について経営関係でかなりオーナーといいますか、そういう関係にいらっしゃると聞きますので、今の議論を聞いておって、自分が経営に参加してきたそういうトラック運送の実態からいって、どうお考えになりますか。例えば自分のところではトラックの運転者が集まりにくいとか、長時間労働で困っている、いろいろな問題があると思うのですね。これは建設大臣の立場を離れてちょっとお答えいただきたい、感想をお聞かせいただきたいと思うのですが、どうですか。
この発言だけを見る →
綿
綿貫民輔#20
○綿貫国務大臣 私は今そういう経営には一切タッチしておりませんからわかりませんが、私は今富山のトラック協会長を三十年ぐらいやっておりますから、業界のことについては関心は持っております。特に交通事故防止ということには、他動的にほかからいろいろやられるというよりも、みずからやはり自主的に事故を起こさないようにというような規律とか、あるいはそれぞれの自覚というものは一番中心ではないかと思います。それにさらに、今御指摘のような交通安全に対するいろいろの手当てというものが相乗的に加わって交通安全対策ができるのではないかというふうに考えております。
この発言だけを見る →
永井孝信#21
○永井委員 ところで、ついでに建設大臣としてお聞きするのですが、高速道路に限定するわけではありませんけれども、高速道路に大型事故が非常に多発する、このことから考えて、例えば過積載を防止するために高速道路の入り口には自動重量計というのですか、片軸でやるのじゃなくて全体の重量がわかるような、これは長期計画になるかもしれませんけれどもそういうものを設置して、努力はしてもらっているのでありましょうけれども、過積載の車の運行は高速道路では認めないということぐらいはやってみてもらえないだろうか。あるいはパッチ当て方式になりますけれども、現実に運転手が非常に苦労している現状からいって、ドライブインやパーキングエリアにいま少し乗務員の仮眠の施設を拡充することはできないだろうか、これは建設省が積極的な指導をしてもらえないだろうか。
 あるいはちょっと古い資料になるのですが、わだち掘れということがありまして、これは去年の九月十九日の新聞の記事でございますが、わだちにはまって死亡事故が非常に多発していた、これを道路公団が山梨県警の指摘で魔のカーブと言われているところのわだち掘れを埋めたら、それ以来死亡事故が一件もない。単純なことなんですね、やる気になれば。高速道路は事故が起きたら大変なことになるわけですから、そういう関係について建設省として積極的な対応をしてもらえるかについてはどうでございましょう。
この発言だけを見る →
三谷浩#22
○三谷政府委員 お答えいたします。
 まず最初の車重計の問題でございます。
 道路の損傷の防止であるとか交通安全の確保あるいは騒音、振動の防止の観点から、道路公団はインターチェンジに車重計、軸重計を設置して過積載の車両の指導、取り締まりを行っております。二種類ございまして、車重計というのは車両の総重量を車をとめて計測する施設でございますし、それから、軸重計というのは走りながら自動的にはかれるような、簡易に軸重を計測する機械でございます。両方組み合わせて過積載の指導、取り締まりを行っているわけでございます。
 まず、車重計でございますけれども、車重計は大体三インターチェンジに一カ所ぐらいつけております。現在百三十八カ所でございます。それから軸重計は、全部のインターチェンジは四百四十八ございますけれども、これに一台もしくは二台というふうにつけております。今後ともこれらの機器を活用して取り締まりを行う、あるいは必要に応じてこの機器の整備を進めていく、こういう考えでございます。
 それから二つ目の、仮眠がとれるような休憩施設の問題でございます。
 これは、まず私どもは駐車スペースというものあるいは休憩施設というものをやっております。例えば、名神、東名につきましては、非常に需要が多いものですから、元年度末で四千五十五台から七千八十六台にふやしました。それから、利用交通が非常に広域化あるいは長距離化してくると、駐車場で仮眠している方もおられる、したがいまして駐車スペースが非常に混雑しているということで、整備拡充を図るとともに、例えば東名の足柄サービスエリア、それから名神多賀サービスエリア、こういうところで仮眠室、浴室というものを設けております。平成二年には、東名の中井パーキングエリアにシャワールームとか休憩施設、こういうものを設置しております。利用者の要望にこたえまして、休憩施設の整備拡充、これも非常に重要だと思っております。
 それから、わだち掘れの問題でございます。
 高速道路の事故は、もちろん事故現場におきまして警察と協力をしながら交通事故のデータを収集いたしまして、事故要因分析というもの、それでその結果から、重大な発生地点であるとか事故特性を分析して全般的に対策を講じる、こういうことでございます。
 そこで、わだち掘れの問題につきましてもいろいろ議論がなされてきております。もちろん、道路公団等がこのわだち掘れについての維持補修、こういうものもやっていかなければなりませんし、きめ細かい維持修繕の実施をすることによって、これは事故もさることながら、安全性あるいは快適性、こういう問題も全部解決するよう指導をしております。
この発言だけを見る →
永井孝信#23
○永井委員 その上にさらに積極的にお願いしたいということですから、それはひとつ胸にとめて対応してください。
 ところで、道路工事が非常に多いのですね。道路をよくして交通事故をなくそうということもあるだろうし、それはいいのですが、私はつらつら考えてみるに、これまた連携がとれないものかと思うのですね。掘り返して直したらすぐ次また掘り返しているということがしょっちゅうありますね。これは渋滞の原因にもなるし事故の原因にもなるし、庶民から見ると税金のむだ遣い、こういう感じがするのですね。
 率直に一つの例を申し上げますと、私は高輪の宿舎にいるのですが、高輪宿舎の出口を何回も掘り返しました。電話工事を何回もやって、済んで、やっと舗装ができたと思ったら今度は電気工事で全部掘り返しました。やっとこれが片づいたらこの間から水道工事で、同じところを三回目なんですよ。何でそんなことが連携がとれないんだろうか。これは、各都道府県がやることが中心でありましょうけれども、こういう道路工事のあり方についても、交通事故を誘発するし、税金のむだ遣いにもなるし、やはり建設省が所管の監督官庁としてそういうところはもうちょっと連携をとって、一回の掘り返しで全部やれるものならやれるようにすべきだと私は思うのですが、これはどうでしょうね。
この発言だけを見る →
三谷浩#24
○三谷政府委員 お答えいたします。
 今、特に先生の御指摘になりました、例えば都市内での一般道路の工事でございます。
 これは、道路の修繕の工事のほかに、都市生活に直接関連をいたします電力、電話、ガス、それから水道、公益事業者によります占用工事がございます。東京都内で申し上げますと、大体九割ぐらいが占用工事でございます。そこで、こういう工事を調整するための道路管理者と公益企業者から成る調整のための会議、同一工事箇所で各種工事をできるだけ同時に施工する、こういう工事調整をいたしております。
 それから、年度末というのは非常に交通量がふえますので、この年度末の工事の抑制というものを東京都内あるいは主要都市の幹線道路についても近年実施をしております。
 いずれにしましても、同一工事箇所で各種工事を同時に実施する、それから路線による工事の集中化、これはもちろん交通の状況とか代替路線とか占用工事の件数とかいろいろ関係がございますけれども、その関連性についてさらに検討してまいりたいと思っております。
この発言だけを見る →
永井孝信#25
○永井委員 それは強く要望しておきます。
 さて、次はダンプ問題です。質問者がこんなことを言うとおかしいのですが、この問題は心して答えてもらいたいと思う。
 古い資料で恐縮ですが、昭和五十一年五月二十日、十何年前でございますが、実はこの交通安全対策特別委員会で決議がされております。その決議の第三項に、
  ダンプカーにおける過積等による交通事故防止とダンプカー輸送に係る事業経営との関係を明らかにするため、ダンプカー事業について事業形態、運賃収入、運転者の労働時間、賃金形態、必要機器の検討等経営実態を調査し、その調査結果に基づき、ダンプカーによる交通事故防止対策を総合的に推進すること。
こういう決議がされております。これをひとつしっかりと踏まえておいてもらいたいと思うのです。
 その後、ダンプカーの横暴ということが随分問題になってまいりました。つい最近も、逮捕されましたけれども、ダンプカーが親子ひき逃げ事故を起こしました。
 そこで、私の方でずっと資料を調べてみました。ダンプカーを中心にして、私がここに持っているものだけで三つの通達が出ています。「過積載による違法運行の防止に関する当面の対策について」、これは昭和五十六年八月二十九日。「ダンプカーのさし枠装着車等の一掃に関する対策について」、六十一年三月十九日。六十三年の三月二十四日には「大型貨物自動車等による過積載防止対策の徹底について」。これをずっと見ました。全く同じことが書いてある、全く同じ文章が。
 例えば、問題点を言いますと、「ダンプカーによる土砂等の運搬において、悪質・危険な過積載の事例が数多く見られる状況となっている。」こういうふうに分析しています。その次の通達で見ると、「過積載による違法運行は依然として跡を絶たず、特に、さし枠を装着し、あるいは物品積載装置を不正に改造して公然と過積載による違法運行を行っている事例が数多く見られる。」また、六十三年のもので見ると、同じように、「ダンプカーのさし枠装着車等」云々と言って、「一部の地域においては依然として」「過積載による違法運行を行っている事例が見られる。」これは一体どういうことなんですかね。繰り返し繰り返し通達を出して、同じことの文章で通達を出さにゃいかぬということは、通達の出しっ放しということになるのじゃないですか。
 そして、「過積載による違法運行に対する取締りの強化」ということがあります。これは後でちょっと触れますが、確かに検挙件数はふえてきています。しかしその中に、例えば「自動車の使用者、荷主等の背後責任の追及を徹底するとともに、自動車の使用制限処分を厳正に行う。」ということも対策として入っている。あるいは「違反車両に対する整備命令を徹底する等により、さし枠の装着等の排除に努める。」ということがうたわれています。これは五十六年のです。そして六十一年の通達で見ると、同じようにこう書いてあります。「さし枠の装着等物品積載装置の不正改造に関与した者等に関する背後責任の追及を徹底するとともに、自動車の使用制限処分を厳正に行う。」というふうに対策で言っています。そして六十三年の通達で言うと、「過積載による違法運行の取締りについては、」「さし枠装着車等悪質・危険なものに重点を置き、効果的な取締りを強力に推進する」、こうなっております。
 確かに検挙件数はふえてきているのです。そのかわり車の保有台数もふえてきています。ちなみにダンプカーの保有台数を見ますと、平成元年十二月末で十六万五千百六十三台と出ております。こういうようにダンプカーの数が多い中で少々検挙数をふやしてみたって、根本的な対策が実効果をもたらしていない。だから三回も同じ通達を出さにゃいかぬ。出す方も恥ずかしいと思うだろうし、出しても出しても守られないということについては、行政に対する不信感が残るだけじゃないですか。これは総務庁だけではなくて、警察庁、農水省、通産省、運輸省、建設省、随分と名前が並んでおりますよ。全部連名でそれだけの通達が出されているのです。一体これはどういうことなんですかね。通達を出しっ放しなのか、実効を伴わないけれども何かやらにゃいかぬということで済ませているのか、私はここが今の一つの問題点じゃないかと思うのですが、どうでございますか。これは総務庁長官答えてください。担当大臣ですから答えてください。
この発言だけを見る →
徳宿恭男#26
○徳宿政府委員 確かに、大型貨物自動車による過積載の防止という問題は、交通安全対策上古くて新しい問題というような認識を持っております。
 ただいま御指摘のように、昭和五十三年の道路交通法の改正によりまして背後責任の追及ということが規定されましたし、それから五十六年八月二十九日付の申し合わせ、また六十一年三月十九日付の関係六省庁間の申し合わせ等に従いまして再三対策を立て、指導を行っておるわけでございますが、それぞれの関係省庁におきましては、その所管の事務につきまして、これらの申し合わせに従いまして鋭意対策を推進されておるということを信頼はしておりますけれども、しかしながら、問題の解決というのがなかなか難しいということで、古くて新しい問題ということではないかというふうに認識いたしております。
この発言だけを見る →
永井孝信#27
○永井委員 認識だけでは困るのです。昭和五十一年にわざわざ、ダンプカーのそういう過積載等による交通事故防止のための特別決議が委員会でされている。それから、各省庁が連携をとっていろいろな対策を立ててきたけれども、それは依然として旧態依然の状態に置かれている。同じ通達を何回も出さなくてはいけない。その問題の分析も同じ文章ならそれに対する対策の中身も同じ対策の中身、こんなばかな話はないと私は思うのです。これを実効あらしめるために、それこそまなじりを決した対応が必要だと私は思うのです。
 これで大分時間がなくなりました。あと、たくさん問題点を抱えておりますが、こんな通達の出しっ放しという行政では我々は納得できない、何のために交通安全対策委員会があるのか、私はそう言わざるを得ない。時間の関係がありますから残念ながらこれ以上言いません。しかし、これ以降は通達の出しっ放しに終わらないように、きょうは建設大臣もお見えになっておりますが、関係省庁が本当に本気になって通達の中身が実効を伴うようにしてもらいたい、これを申し上げておきます。
 さて、その次に、このダンプカーの保有台数を私は今申し上げました。十六万五千百六十三台、この中に自動車運送事業として登録されているのが三万一千百九十四台、これは平成元年十二月末の数字です。建設業の関係で認可されたものが三万九千九百三十二台となっております。あとの大半、実に全体の四七%を超えるダンプカーが砂利販売業として認可されております。
 御案内のように、ダンプ規制法というのがございまして、その第三条に、「土砂等の運搬の用に供するため大型自動車を使用しようとする者は、運輸省令で定めるところにより、」運輸大臣に申請しなくてはいけない、その申請をする場合に、その中の一つの項目に、「経営する事業の種類及び規模その他の概要」というものが必要になってくる、こうなっております。そして、その「概要」の中にこういうことがあります。砂利販売業としてダンプカーの認可を受ける場合は、「砂利の山元又は買主との売買契約書又は仮契約書の写し」「商工会議所、市町村等による事業内容証明書又は納税証明書」を添付する必要をここで定めております。そういう定めをして、みんな受けているのです。
 ところが、その定めに基づいて受けたその業者は、この運輸省令に基づいてマル販の表示をしなくてはいけません。そのマル販の表示をした車が砂利の販売をやっているのかどうなのか、運輸省はどこまで御存じですか。
この発言だけを見る →
土坂泰敏#28
○土坂説明員 先生御指摘のように、例えば自家用で販売業をやるということで届け出があった場合には、本当に自家用で販売業をやるのかどうかをチェックしなければいけませんから、山元との売買契約書あるいは市町村の証明書とかいうものをとって非常に厳しくチェックするようにしておりますが、その後のフォローにつきましては私どもの手で完全に行われておるとは言いがたい状況にございます。ただ、現実にそういう届け出をしながら道路運送法に違反して事業活動をやった場合には、関係省庁とタイアップして厳正な処分をするということで対応しておる、そういう状況でございます。
この発言だけを見る →
永井孝信#29
○永井委員 それでは、厳正な対応をしておるというのだけれども、そのことによって砂利販売業の認可を取り消された業者はどのくらいおるのですか。
この発言だけを見る →
← 戻る