社会労働委員会

1991-03-15 衆議院 全226発言

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会議録情報#0
平成三年三月十五日(金曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 浜田卓二郎君
   理事 粟屋 敏信君 理事 石破  茂君
   理事 加藤 卓二君 理事 丹羽 雄哉君
   理事 野呂 昭彦君 理事 池端 清一君
   理事 遠藤 和良君
      岩屋  毅君    小沢 辰男君
      岡田 克也君    片岡 武司君
      古賀  誠君    坂井 隆憲君
      鈴木 俊一君    住  博司君
      畑 英次郎君    平田辰一郎君
      三原 朝彦君    宮路 和明君
      山口 俊一君    網岡  雄君
      伊東 秀子君    岩田 順介君
      岡崎 宏美君    沖田 正人君
      小松 定男君    五島 正規君
      外口 玉子君    土肥 隆一君
      石田 祝稔君    児玉 健次君
      柳田  稔君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 下条進一郎君
 出席政府委員
        厚生大臣官房総
        務審議官    熊代 昭彦君
        厚生省児童家庭
        局長      土井  豊君
        厚生省年金局長 末次  彬君
        社会保険庁運営
        部長      大西 孝夫君
 委員外の出席者
        社会労働委員会
        調査室長    滝口  敦君
    ─────────────
委員の異動
三月十三日
 辞任         補欠選任
  岩屋  毅君     戸井田三郎君
  岡田 克也君     武藤 嘉文君
 岡崎 宏美君     宇都宮真由美君
  五島 正規君     水田  稔君
  菅  直人君     楢崎弥之助君
同日
 辞任         補欠選任
  戸井田三郎君     岩屋  毅君
  武藤 嘉文君     岡田 克也君
 宇都宮真由美君     岡崎 宏美君
  水田  稔君     五島 正規君
  楢崎弥之助君     菅  直人君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出第二九号)
     ────◇─────
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浜田卓二郎#1
○浜田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、児童手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口俊一君。
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山口俊一#2
○山口(俊)委員 恐らくこの中にもおいでになろうかと思いますけれども、実は私は四人の子持ち議員でございまして、六歳を筆頭にすべて乳幼児というふうなことで、児童手当はいただいておりませんけれども、特にこの問題に関しましては終始興味を持って見さしていただいておりまして、そうしたことで、この改正法案につきまして、極めて限られた時間でありますけれども若干質問をさしていただきたいと思うわけであります。
 御承知のごとく、児童、育児といった問題は、これまでどちらかといえば老人問題とか高齢化の問題といった陰に隠れがちで、若干そうした点で問題はあったわけでありますけれども、あるいは女の人の問題だとか個人の問題だという意識も強かったんではなかろうかと思うわけでありますが、突然最近脚光を浴びるようになってきた。昨年六月の厚生省の発表の例の出生率一・五七、これがその原因ではなかろうかと実は思うわけであります。児童手当の問題に関しても急浮上をしてきた。しかし、私としては、世界的に見てこの一・五七というふうな数字が特に低過ぎるんではないんじゃないかと実は思っております。いわゆるゆゆしき事態とまではいっておらないんじゃないかというふうな感じがするわけであります。事実、いろいろ見てみますとイギリスが一・八五、フランスが一・八一、西ドイツ、当時でありますけれども、一・三九、イタリアが一・二九等々であります。いわば先進国レベルでありまして、ライフスタイルとか価値観の変化等を考えてみますと許容限度内ではなかろうかと思っております。
 ただ、もし問題があるとすれば、確実にこの出生率というのが長期低落傾向にある、結果、人口動態に変化を来し、高齢化にますます拍車がかかるのではないかというふうな点であります。また、児童手当の増額によって出生率が上がるとも思えないわけであります。ただ、この一・五七ショックによっていろいろな問題が顕在化をして、なかんずく児童手当法改正にまで波及をしたというふうなことは歓迎すべきことであり、育児、児童といった問題について社会全体で考え、児童や家庭に関する総合的な施策、環境づくりを進めるよい契機になったんではないかと考えております。そのためには労働時間短縮も含めた家族が一緒に過ごせる生活時間の確保、特に女性のために職業と家庭との両立支援、これには育児休業制度もあるでしょうし、多様な保育サービスの強化も考えていかなければならないわけであります。また、男性の家庭生活への参加促進、住環境の整備、さらに子供の遊ぶ環境の整備もあるわけであります。そして児童手当等、子育てに伴う経済的負担の軽減であります。こうした総合的な環境づくりを進めることによって初めてそうした目的が達成できるわけでありますし、しかも、その結果として多少は出生率も向上を見るのではないかと実は考えております。今回こうした総合的な環境づくりの一環として児童手当法の改正が提出をされたところでありまして、この意味において評価をいたしておるところであります。若干の疑問もありますので、以下その内容についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず最初に、もともと児童手当制度というものにつきましては、その目的、趣旨について、賃金政策との関係とか人口政策との関係等、いろいろな考え方があるわけでありますけれども、御承知のとおりフランスなどでは明らかに人口政策というふうな形でこれが発生をしたわけでありますけれども、我が国の児童手当制度のもともとの立法趣旨、その目的は何か、果たして多少は人口政策的な考え方もあったのかどうか、そうしたことについてまずお伺いをいたします。
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下条進一郎#3
○下条国務大臣 お答えいたします。
 最近、出生率の低下に伴って各家庭において児童が少なくなってきている、こういう中で、委員は四名の子持ちでいらっしゃる、大変心強く思う次第でございます。また、今児童手当に関する全般的な背景についてのお尋ねもございますので、お答え申し上げます。
 我が国の社会保障制度は、昭和三十年代に国民皆保険、皆年金体制が整備されるなど、逐次整備されてきましたが、児童手当制度はこうした社会保障の制度、体系を整備する観点から昭和四十七年に創設されたものであります。本制度は、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的としたものであります。なお、出産等の問題は直接行政が関与する問題でないことは御承知のとおりでございます。
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山口俊一#4
○山口(俊)委員 人口政策的というよりは、むしろ福祉政策的なニュアンスが日本の場合は強いのではないかと考えておりますけれども、ただ、外国との比較というのがよく出てくるわけで、外国の児童手当制度というのは発足の経緯とか社会的、経済的状況の違い等によって給付内容もまちまちになっておるわけであります。その主要国の現状について若干お知らせをいただきたいと思うわけです。
 また、外国の児童手当制度と我が国の制度を単純に比較するというのは、逆に危険があるのではないかと実は考えております。そうした意味合いから、我が国の制度との違いというのは果たしてどのような理由によるものかお伺いをいたしたいわけであります。
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土井豊#5
○土井政府委員 外国の児童手当制度でございますけれども、ヨーロッパの主要国、ドイツ、スウェーデン、イギリス、フランス等でございますけれども、それぞれの国の社会経済状況等の違いによりましてその制度の沿革や給付内容等も異なっていると考えております。
 ある程度具体的な事例で御説明を申し上げますと、支給対象についてでございますが、フランスでは第二子からとなっておりますが、その他の国では第一子からということになっております。支給期間につきましては義務教育終了までということになっております。支給金額でございますが、為替レート等の問題がございますけれども、第一子はおおよそ一万円前後の金額となっておりまして、イギリスを除きまして二子目、三子目になると支給額が逓増するという形になっております。なお、ドイツの第一子の支給金額は四千円程度でございます。財源は、フランスは制度発足時の経緯等もございまして全額事業主等の負担となっておりますが、その他の国は全額国庫負担という形で賄っております。
 このように、西欧諸国の児童手当制度はかなり手厚い内容となっておりますけれども、御案内のとおり、我が国の制度と比較する場合に、税制上の扶養控除が日本には存在しているということ、あるいは企業の七五%程度が家族手当として子供に着目した賃金構造で手当を支給している、そういう社会経済情勢の違いもございまして、これらの事情を考慮いたしまして単純に比較をすることは必ずしも適当でない部分があるのではないだろうか、そのように理解をしているところでございます。
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山口俊一#6
○山口(俊)委員 まさにお話のとおりであります。単純に比較とか、あるいは呼応することには問題があろうといったことで私はお伺いをいたしたわけであります。
 そこで、今回の制度改正についてでありますが、御承知のとおり、第一子への支給対象の拡大、支給金額の倍増等、全体として制度の充実を図ったものというふうに理解をいたしておりますけれども、今回のこの制度改正をするに至った考え方、その目的についてお伺いをいたしたいと思います。
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下条進一郎#7
○下条国務大臣 お答え申し上げます。
 今の目的、経緯等についてお話し申し上げますが、核家族化、女性の就労増大、出生率の低下等、児童や家庭を取り巻く環境は著しく変化しておりまして、二十一世紀の社会を担う児童が健やかに生まれ育つための環境づくりを推進することが甚だ重要な課題となっております。今回の児童手当制度の改正は、このような総合的な環境づくりの重要な柱として、世代間の助け合い及び児童養育家庭に対する育児支援の強化という面を重視いたしまして我が国の実情に即した制度とするものであります。この具体的な内容は、支給対象を第一子に拡大し、支給額を倍増させるとともに、育児負担が相対的に大きいと考えられる三歳未満の時期に給付を重点化するものであります。これが今回の主要な柱でございます。
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山口俊一#8
○山口(俊)委員 今お話がございましたけれども、倍額、倍増ということですけれども、果たしてこの五千円があるいは一万円が本当にそうした家庭の援助になるのかどうか、いろいろ議論があろうかと思うわけであります。私としては、この制度についても時代とともにいろいろな意味合いというのが付加されてくるんじゃないかと実は考えております。ですから、社会福祉的な意味合いプラス最近のいろいろな時代の流れを踏まえて、やはり社会が、国が、地域が、児童あるいは児童を育てる家庭を温かく見守っておるんだ、そうしたシンボリックな意味合いも今回の改正にあるんじゃないかと考えておるわけであります。
 その内容につきまして今も大臣の方からお話がありました。重点的にというふうなお話がありましたけれども、この支給期間につきましては、今までは小学校入学前というふうなことでありましたけれども、三歳未満に重点化をしておるわけであります。三歳未満といいますと一歳と二歳だけというふうなことになるわけでありますが、ゼロ歳も入るわけですか、これについてはそれこそいろいろと議論の分かれるところであろうと思います。本当に必要なのは、じゃ、果たして何歳なのか、ゼロ歳なのか一歳なのか二歳なのか、あるいは四、五歳なのか、予算がないのであれば、じゃ、どこへ重点を置くのかというふうなことであろうかと思いますけれども、この三歳未満にあえて給付を重点化なさったその理由というものについてお伺いをいたします。
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土井豊#9
○土井政府委員 支給対象の年齢につきまして三歳未満に重点化をする点につきましては、ただいまお話がございましたように、いろいろな議論があることは私どもも承知しております。中央児童福祉審議会におきまして一年有余にわたりましてこういう問題を中心にいろいろな角度から御議論を賜りました。そして、昨年十二月の意見具申をちょうだいして今回の改正内容を固めたわけでございます。
 ただいまお話しの三歳未満の点の考え方でございますけれども、一つは、人間形成の基礎となる極めて重要な時期であること、二つ目には、母親の就業率が低い実態にあるなど生活上の制約が非常に大きいということ、それから三点目は、育児に手がかかる時期でございまして、例えて申しますと、保育所の場合の取り扱いでございますが、児童数に対する保母の割合は六人対保母一人というふうに手厚くなっております。また、三歳児の場合で申しますと、それが二十対一というふうな状況になっておりまして、これを反映して保育単価等も大きな違いがあるということ、四点目といたしまして、親の年齢も若く収入が低い時期にあると考えられますので、経済的な負担も相対的に大きいというふうに考えられます。これらの事情を考慮いたしまして三歳未満に給付を重点化することとした次第でございます。
 なお、支給期間の改正に伴いまして、既に支給を受けている方々に対する配慮として所要の経過措置を設けますとともに、一方では児童手当制度の中の福祉施設事業におきまして新しい保育サービスを実施するなど、育児支援サービスの一層の充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。
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山口俊一#10
○山口(俊)委員 今いろいろとお話をいただきました。確かにそうした背景もあろうかと思いますけれども、ただ、父兄の方々の負担感というか、それは意外と幼稚園に行き出してからとか、そうしたあたりにもあるわけでありますので、確かにより有効な金額にしていくというのはわかるわけですけれども、本当はもっと予算が欲しいというのが本音ではなかろうかと実は推察をいたすわけでありまして、私どももまた今後の課題として考えてまいりたいと思っておるわけであります。
 また、この支給金額についてでありますけれども、御案内のとおり五千円の水準が昭和五十年以降ずっと据え置かれていた、ある意味で異常な事態であったのではないかと思うわけでありますけれども、ようやく今回の改正で倍増をしております。支給額はどのような考え方で五千円、一万円になさったのか、また、それによる対象児童の増減、さらには支給総額がどうなっていったのかということについてもこの際お伺いをいたしておきます。
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土井豊#11
○土井政府委員 まず、支給金額でございますけれども、第三子以降五千円というのが昭和五十年に設定をされて以来、お話しのとおり据え置かれているところでございますが、昭和五十年から今日までにおける消費支出の上昇率、これは家計調査を基本にして推計をしますと約二倍の状況になっております。したがいまして、この金額を一万円に倍増するということにいたした次第でございます。なお、第二子につきましては現行は月二千五百円でございますが、同じ倍率で五千円ということにいたしました。また、新しく対象につけ加わる第一子につきましては、第二子と同じ金額を支給するということにいたした次第でございます。
 次に、対象児童の数でございますけれども、平成二年の時点で現在支給対象は三百八十五万人という人数になっております。これが支給期間の短縮に伴いまして、平年度ベースで見ると二百七十万人に減少するというふうに見込んでおります。これまでは二番目以降の子供が長い期間にわたりましてこの手当の支給対象となっていたわけでございますけれども、今度は毎年毎年生まれる子供の数の四二・七%を占めております第一子に拡大するという意味では、新しく支給を受ける対象範囲は拡大している。ただ、一人の子供が長くもらうという意味では、従来は学校へ行くまで約六年数カ月という期間が短くなるという意味で、ただいま申しました毎年毎年の支給対象児童数は減少すると推計をいたしているところでございます。
 次に、給付規模の問題でございますけども、最近の給付実績は千四百五十億円でございますが、今回の改正を平年度化した場合には約一千九百億円、現在の給付規模の三割増というふうに推計をしているところでございます。
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山口俊一#12
○山口(俊)委員 まさにこれは重点投資というふうなことではなかろうかと思います。
 時間がありませんので次に進みますけれども、ただ、支給総額が約三割ふえるというふうなことであります。基本的にはこれは決して後退したことではない、後退しておらないというふうな印象も受けるわけでありますが、実は御承知のとおり、支給額がふえるということは、地方あるいは事業主の負担がそれだけふえるというふうなことでもあるわけであります。昭和五十七年以降、行財政改革の一環として所得制限の強化と全額事業主負担による特例給付というものが実施をされておるわけでありますが、今回の改正では、特例措置の扱いはどうなっておるのか、また、費用負担の見直しはどうなるのかということであります。つまり、児童手当の財源は御案内のとおり企業が大半を負担しておる、しかも、企業の多くは給与体系の中に家族手当やそういったものを盛り込んでおるがために不満が相当強いのじゃないかと考えられます。また、中央児童福祉審議会の答申にも自営業者の費用負担のあり方は今後課題であるというふうな答申もあるわけであります。そうしたことに関する考え方をお聞かせいただきます。
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土井豊#13
○土井政府委員 まず、特例措置でございますけれども、ことしの五月までで期限が切れることに相なります。この特例措置につきましては、被用者と非被用者の支給割合が一つの所得制限でやりますと大きく異なるということで、これを調整する役割を果たしているわけでございまして、今回お願いをしております法律案におきましては、当分の間継続をいたしたいという内容でお願いをいたしておるところでございます。
 それから、費用負担のあり方の問題でございますが、お話にありましたとおり、中央児童福祉審議会におきましてもこの議論がなされまして、自営業者の費用負担等の問題につきましては、今回はそれについての結論は得られていないけれども、今後の残された課題ということで中央児童福祉審議会の意見具申もちょうだいいたしております。したがいまして、今回の改正案におきましては、費用負担の割合は国、地方公共団体あるいは事業主側、いずれも現行どおりという費用負担の内容でお願いをしているところでございます。なお、自営業者の費用負担等の問題につきましては、今後、この改正制度が御承認をいただきまして、その上でスタートをした後その定着状況がどうなるかといったようなことも見きわめながら、さらにまた、国民のコンセンサスのあり方がどうなるかということも見きわめながら、将来の問題として検討させていただきたいというふうに思っております。
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山口俊一#14
○山口(俊)委員 これはいろいろ問題があろうかと思いますけれども、将来的にどうか御検討方をお願いいたしておきます。
 さらに、今回の制度改正に伴いまして、一つには事業主への還元というふうな意味合いもあろうかと思いますけれども、児童手当の財源を活用して夜十時ころまでの保育サービス等々、いわゆる新しい多様な保育サービスを実施をするというふうなことになさっておるわけでありますけれども、女性の就労が増大をする中で、こうしたきめ細かな保育サービスを今後ともに推進をしていただきたいと思うわけですけれども、その点につきましてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
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土井豊#15
○土井政府委員 女性の方々の就労形態の多様化に伴いまして、保育需要もまた多様化をいたしております。私どもとしては、このような状態に対応すべく、乳児保育とか一時的保育事業といったようなものを従来から特別保育対策に力を注いできたつもりでございます。
 平成三年度におきましては、お話がありましたように、新しい保育サービスを展開いたしたいということで、一つは夜十時まで一般の保育所をオープンしたい、一定の条件を備えた場合に十時まで子供を預かるようにいたしたいというのが一点でございます。それからもう一つは、一般の保育所では対応できない深夜や休日における保育ニーズに対応するために企業が社会福祉法人に運営を委託して、そういう企業委託型の保育サービスを展開いたしたいという二つの新しい事項を新年度予算におきまして実施をいたしたいと考えているところでございます。今後とも社会経済情勢の変化を十分見きわめながら、新しい保育需要に応じたサービスの多様化につきましては、最大限の努力を払ってまいりたいと考えているところでございます。
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山口俊一#16
○山口(俊)委員 さらに、これは需要がいろいろと高まっていくということでもあろうかと思いますので、質量ともに充実強化をしていただきますようにお願い申し上げておきます。
 もう余り時間がございませんので、最後に、二十一世紀の我が国の社会を担う児童、もう言い古された言葉でありますけれども、この児童が健やかに生まれ育つための、大臣もおっしゃっておられました総合的な環境づくりが一番大事であろうかと思うわけでありますが、それに対する大臣の基本的なお考え方をお伺いいたしたいと思います。
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下条進一郎#17
○下条国務大臣 児童を取り巻く環境として、児童が健やかに生まれ育つ総合的な施策をいかに考えるかという御趣旨だと思いますが、核家族化や都市化の進行、女性の社会進出、出生率の著しい低下等、子供と家庭を取り巻く環境は近年大きく変化してきております。このような環境の変化を踏まえ、未来を担う子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりが一層大切になってきております。このため、内閣におきましても、昨年の八月に関係十四省庁から成る健やかに子供を生み育てる環境づくりに関する関係省庁連絡会議が設置され、総合的な視点から検討を行ってまいりました。それに基づきまして、去る一月二十三日にその検討結果の取りまとめが行われたところであります。
 厚生省におきましては、平成三年度予算案においても、一つは児童手当制度の充実、また次は、多様なニーズにこたえるきめ細かな保育サービスの実施、そのほかにまた、育児に悩みを抱えられる親御さんたちに対する相談支援体制の整備、さらに放課後児童対策等、地域における健全育成対策の推進、また、市町村を中心とした母子保健対策の充実等を盛り込んでいるところであります。今後とも労働行政や教育行政等、他の行政分野とも連携を図りながら、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりに総合的な視点からなお一層努力をしてまいりたいと考えております。
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山口俊一#18
○山口(俊)委員 大臣から御答弁をいただきましたけれども、要はそうした御努力をこつこつと続けていくというのが大事ではなかろうかと思っております。また、働く女性が、そして男性もでありますけれども、安心して子供を産んで、あるいは育てられる、そのようなハード面あるいはソフト面、両面での社会的環境を整備していくべきであろうと思っております。いわゆる産めよふやせよというのでは、これは物笑いの種になるのではないかと思います。
 当初申し上げましたように、私も四人の子持ちとして大変興味を持って拝見いたしております。また、いろいろとそうした問題にも取り組んでまいりたいと思っておりますので、どうか厚生省としても格段の御努力をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
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浜田卓二郎#19
○浜田委員長 土肥隆一君。
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土肥隆一#20
○土肥委員 私どもは後ほどの伊東秀子委員と分担してやりますので、一人で全部やるわけにいきませんので、私は主に前半部門を持つということになっております。
 まず、先ほどから山口委員に対して答弁がございましたけれども、この児童手当法の目的、それから、今回の改正の趣旨を簡潔にもう一度述べていただきたいと思います。
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下条進一郎#21
○下条国務大臣 お答え申し上げます。
 児童手当法は、「児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会をになう児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的」といたしております。
 今回の制度改正は、核家族化、女性の就労の増大等、児童や家庭を取り巻く環境の変化を踏まえ、児童が健やかに生まれ育つための環境づくりの重要な柱として、世代間における助け合い及び児童養育家庭に対する育児支援の強化という面を重視して所要の改正を行ったものであります。その内容は、支給対象を第一子に拡大し、支給額を倍増させるとともに、育児負担が相対的に大きいと考えられる三歳未満の時期に給付を重点化するものであります。
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土肥隆一#22
○土肥委員 もう少し簡潔に言いますと、要するに、児童手当法の目的からいいますと、児童養育家庭の生活の安定、社会を担う児童の健全育成、資質の向上、これが目的であるかと思います。
 それから、今回の改正の趣旨でございますが、それは育児支援の強化ということになっておりますけれども、この児童養育家庭の生活の安定とか育児支援というときに、子供を今育てている家族の何を支援し、そして何を強化しようとしているのか、お答えいただきたいと思います。
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土井豊#23
○土井政府委員 児童を養育している家庭に対する生活の安定に寄与する、あるいは健全育成、資質の向上に資するということでありまして、具体的に何をという形ではなくて、そういうふうな目的のもとにこの児童手当制度というものはあるということを示したものだと理解いたしておるところでございます。
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土肥隆一#24
○土肥委員 そういうふうに抽象的におっしゃいますと、もらう側も何のためにもらったのだろうということなるわけです。
 それじゃ、三歳未満ということに移りましょうか。今度、第一子から児童手当を支給する、そうすると、すべての子供に児童手当が支給されるわけですが、なぜ第一子なのか。そして、すべての子供に児童手当が支給されるわけですが、それはなぜそういうふうにすべての子供に、あるいはなぜ第一子からも含めてそういうことになったのか、お答えいただきたいと思います。
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土井豊#25
○土井政府委員 児童手当の支給対象につきましては、現在は第二子以降とされているところでございますが、世代間扶養を通じた児童の健全育成及び児童を養育する家庭に対する育児支援の観点からは、第二子以降に限定せずにすべての児童を対象とし、第一子からとすることが必要であると考えておりまして、中央児童福祉審議会におきましても従来から、制度の趣旨からすれば第一子から支給すべきであるというような提言をちょうだいいたしておりまして、今回の改正においても支給対象を第一子に拡大するということを最大の眼目として私どもも取り組んできたところでございます。
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土肥隆一#26
○土肥委員 そういたしますと、所得制限はあるにいたしましても、すべての子供に児童手当を支給しようということでございますが、すべての子供というところが非常に大事に私は思うのでありまして、どうも国がお金を出すということになればそれは福祉という視点があるのですけれども、児童手当というのは福祉的な視点よりも日本に住むすべての子供、それはどんな子供でも大切にするという、子供を大切に思う国の基本的な姿勢をあらわすわけでありまして、その非常に象徴的なのが児童手当だと私は思うのです。ですから、すべての子供というのはすべての家庭ということになりまして、そうなりますと、それじゃ何のためにということになりますと議論が非常に分かれてくるわけです。
 先に議論を進めてからまた討論させていただきますけれども、今回、三歳と年齢を切られたわけでありますが、なぜ三歳未満になったのかということについてお答えいただきたいと思います。
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土井豊#27
○土井政府委員 今回、世代間の扶養、育児支援の強化という点から、第一子に拡大、支給金額倍増という改正内容とともに、経済的な支援の必要性が非常に高いと考えられる三歳未満に重点化することとしておりますけれども、その考え方は、中央児童福祉審議会の意見具申にもございますように、「人間形成の基礎となる極めて重要な時期」であるというふうにこの時期を認識しております。また、育児に手がかかり、母親の就業率も低い実態にある、そういうように生活上の制約が大きい時期であるということ、さらに、親の年齢も若くて収入が低い時期にあると考えられますので、経済的な負担も相対的に重い時期である、そういった事情を考慮して三歳未満に重点化したいという考え方で案をつくったところでございます。
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土肥隆一#28
○土肥委員 三歳未満が人間形成の基礎となる極めて重要な時期だ、そういうふうにおっしゃるわけですけれども、この三歳未満が人間形成に最も重要な時期というのは、何か教育学的な、あるいは何か科学的な根拠がございますのでしょうか。
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土井豊#29
○土井政府委員 児童の発達学とか医学的な見地からは、この三歳未満の時期は極めて重要な時期であるということが通説になっていると私どもは認識しておりまして、そういう意味で極めて重要な時期ということを申し上げております。最も重要な時期かどうかという点については、これはいろいろな御議論もあるのではないかと思いますが、この点につきましては、専門のそういった方々の御意見等をいろいろ御議論いただきまして、極めて重要な時期というふうに認識しておる次第でございます。
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