予算委員会第二分科会

1993-03-05 衆議院 全314発言

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会議録情報#0
平成五年三月五日(金曜日)
    午後一時十三分開議
 出席分科員
   主 査 越智 通雄君
       相沢 英之君     衛藤征士郎君
       中山 太郎君    宇都宮真由美君
       川島  實君     貴志 八郎君
       細川 律夫君     東  祥三君
       宮地 正介君     渡部 一郎君
    兼務 五十嵐広三君  兼務 小川 国彦君
    兼務 佐藤 恒晴君  兼務 斉藤 一雄君
    兼務 渋谷  修君  兼務 土肥 隆一君
    兼務 藤田 高敏君  兼務 堀  昌雄君
    兼務 古堅 実吉君  兼務 柳田  稔君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 後藤田正晴君
        外務大臣臨時代 河野 洋平君
        理
        大 蔵 大 臣 林  義郎君
 出席政府委員
        法務大臣官房長 則定  衛君
        法務大臣官房会 永井 紀昭君
        計課長
        法務大臣官房審 森脇  勝君
        議官
        法務省民事局長 清水  湛君
        法務省刑事局長 濱  邦久君
        法務省人権擁護 筧  康生君
        局長
        外務大臣官房長 林  貞行君
        外務大臣官房会 藤崎 一郎君
        計課長
        外務大臣官房文 木村 崇之君
        化交流部長
        外務省アジア局 池田  維君
        長
        外務省北米局長 佐藤 行雄君
        外務省欧亜局長 野村 一成君
        外務省中近東ア 小原  武君
        フリカ局長
        財務省経済局次 林   暘君
        長
        外務省経済協力 川上 隆朗君
        局長
        外務省条約局長 丹波  實君
        外務省国際連合 澁谷 治彦君
        局長
        大蔵大臣官房会 中川 隆進君
        計課長
        大蔵大臣官房審 田波 耕治君
        議官
        大蔵省主計局次 竹島 一彦君
        長
        大蔵省主税局長 濱本 英輔君
        大蔵省関税局長 米澤 潤一君
        大蔵省銀行局長 寺村 信行君
        大蔵省国際金融 中平 幸典君
        局長
        国税庁次長   瀧川 哲男君
        国税庁課税部長 松川 隆志君
 分科員外の出席者
        総務庁長官官房
        地域改善対策室 荒賀 泰太君
        長
        防衛施設庁施設 山口 金一君
        部連絡調整官
        大蔵省主計局主 坂  篤郎君
        計官
        大蔵省主計局主 志賀  櫻君
        計官
        文部省初等中等
        教育局小学校課 銭谷 眞美君
        長
        厚生省保険局保 紺矢 寛朗君
        険課長
        労働大臣官房参 後藤 光義君
        事官
        建設省都市局公 山田 勝己君
        園緑地課長
        建設省住宅局住
        宅建設課市街地 松野  仁君
        住宅整備室長
        最高裁判所事務 今井  功君
        総局民事局長
        法務委員会調査 平木 喜祿君
        室長
        外務委員会調査 黒河内久美君
        室長
        大蔵委員会調査 中川 浩扶君
        室長
        予算委員会調査 堀口 一郎君
        室長
    ―――――――――――――
分科員の異動
三月五日
 辞任         補欠選任
 宇都宮真由美君     野坂 浩賢君
  串原 義直君     貴志 八郎君
  宮地 正介君     渡部 一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  貴志 八郎君     細川 律夫君
  野坂 浩賢君    宇都宮真由美君
  渡部 一郎君     東  祥三君
同日
 辞任         補欠選任
  細川 律夫君     秋葉 忠利君
  東  祥三君     遠藤 乙彦君
同日
 辞任         補欠選任
  秋葉 忠利君     川島  實君
  遠藤 乙彦君     宮地 正介君
同日
 辞任         補欠選任
  川島  實君     串原 義直君
同日
 第一分科員渋谷修君、古堅実吉君、第三分科員
 小川国彦君、第四分科員佐藤恒晴君、藤田高敏
 君、第六分科員五十嵐広三君、土肥隆一君、第
 七分科員斉藤一雄君、堀昌雄君及び第八分科員
 柳田稔君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成五年度一般会計予算
 平成五年度特別会計予算
 平成五年度政府関係機関予算
 (法務省、外務省及び大蔵省所管)
     ―――――◇―――――
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越智通雄#1
○越智主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。
 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算及び平成五年度政府関係機関予算中法務省所管、外務省所管及び大蔵省所管について審査を進めることとし、補充質疑を行います。
 法務省所管について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。貴志八郎君。
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貴志八郎#2
○貴志分科員 まずきょうの審査につきまして、議事の運営に協力する意味もありましてかなり質問を調整いたした向きがありまして、その公私が通告いたした趣旨には入っておらなかった部分についてもお尋ねをすることになろうと思いますが、そのような事情でありますので御了解をまずいただきたいと思います。
 さて、東西冷戦が解消をいたしましてから物事に対する判断の基準がかなり変わってきたというふうに思います。あれはたしか一九六四年、インドのネール、中国の周恩来共同声明で平和五原則なるものを発表いたしました。これは、あの東西冷戦構造の中で平和に貢献する原則として高く評価をされるわけでありますけれども、東西冷戦の解消によりまして、その中の例えば一つ、内政不干渉というふうな項目については、今いろいろな意味でもう一遍見詰め直される課題になっておると思います。
 特に環境と人権の問題につきましては、内政不干渉ということではなしに、むしろ国境を越えて環境や人権の問題については干渉もするし、人権を守る、環境破壊を指弾するというふうな観点からいえば、むしろ積極的に関与をするというふうな、そういう世界共通の価値観が今日生まれて、それが一つの潮流になっておるのではないかというふうに私は思うわけでございます。
 そういう意味からいいますと、アパルトヘイトの問題も天安門事件の問題も今のボスニア・ヘルツェゴビナの人権侵害につきましても、それは世界から注目をされる課題になりましたし、世界からどんどん他の国の問題でありましてもそれが問題化されていく。アメリカだってサンフランシスコの警官暴行事件をきっかけにして、まさかと思うブッシュ大統領が引きずり落とされるというふうな場面を迎えるわけであります。
 そういう時代の変遷の中で、今我が国の人権問題に対する考え方、それから世界的な人権に対する潮流、そういったものの中で、我が国が今経済一流と言われながら、人権問題についてはひどい言葉で言えば三流とまで言われる、そういうことに対するハードルを何としても乗り越えなければならぬと思うのでありますけれども、今我が国が人権先進国になるためにどのようなハードルを乗り越えていくか、そういう観点で基本的な考え方についてまず法務大臣のお考えをお尋ねいたしたいと思います。
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後藤田正晴#3
○後藤田国務大臣 今、貴志議員から、最近の環境の問題あるいは人権の問題等につきまして大変高い見地からの御見識を承ったわけでございますが、私も全く同意見でございます。
 確かに最近のように国際関係が非常に緊密化しできますと、どうしても従来からありましたいわゆる主権の概念もだんだん変わりつつあるのではないかな。そういった中でも、世界共通の問題として御指摘にありました人権の問題については、なるほど一昔前といいますか、それだけでなしに、つい最近まで、やはりこれは主権を侵す主張ではないのかといったような反対意見があったことは事実でございますが、最近もう全くそれはなくなってきつつあるのではないかな。我が国もそういう立場に立って人権問題あるいは環境問題に真剣に内政の上で対応していかなければならない、私はかような認識を持っておるわけでございます。
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貴志八郎#4
○貴志分科員 ただいまの法務大臣の御意見は、いろいろな意味で私と基本的には全く一致する、そういうふうに思います。
 そこで、甚だ残念なことでありますけれども、ここ数年間の一つの大きな課題といたしまして取り上げてみたいと思いますのは、平成二年九月二十一日、当時の梶山法務大臣が新宿を視察いたしまして、そのときに、悪貨が良貨を駆逐するというふうなことで黒人差別につながる発言を行いまして、これが大変アメリカに対して、また世界的にもアフリカ諸国からも指弾を受けるというふうな事態に立ち至りました。
 当時の新聞をちょっと読んでみますと、アメリカでタクシーに乗った人が運転手から、日本人だね、あなたの国の法務大臣が黒人と売春婦を一緒くたにしてひどいことを言ってくれたね、あんたは賛成か反対か、そんな話しかけが行われたという体験を投書をいたしておりましたけれども、その後、当の御本人からも、当時の海部総理からも、わび状を入れたり、あるいは陳謝をいたしたり、それこそ火のついた山をもみ消すように一生懸命消されたわけでございます。
 ちょうどこの発言の前に、いわゆる中曽根元総理の発言がございまして、それが知的水準というふうな形でアメリカを批判し、あるいは渡辺現外務大臣が、黒人が破産をしてもあっけらかんのかんなどというふうなことを言いまして、とにかく日本の人種差別三大男とまで言われ、その締めくくりとして梶山発言があったというふうにまで、新聞論調はかなり厳しい批判をいたしました。
 私どもも、人権に対して一体我が国のトップの、しかも人権を守らなければならない、人権を守るための法務大臣がこんなことを発言するということに対して、たまらないほどの恥ずかしさを覚えるとともに怒りをさえ持ったわけであります。
 私はここで聞きたいのは、この発言について法務省としてどのような総括をして、かつその総括をもとにして日本が人権を守るという基本的な正しい姿勢をいかに強くアピールしようとしているのか、そういう行動を何をやったかということを、今ここでもう一遍総括の結果をお伺いをしておきたいと思います。
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後藤田正晴#5
○後藤田国務大臣 今御指摘の前法務大臣とかあるいは渡辺さんとか中曽根さんの過去の言動についての御指摘をされながらの、こういうことがあってはならぬ、こういう御意見でございますが、私はそういった方々の、前任者等の発言についてここでとやかく申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、私自身の考え方としては、今日もはや人種であるとかあるいは国籍であるとか、あるいは宗教あるいは思想、信条、社会的な身分、いわんや門地等に伴っての不謹慎な発言はすべきでない、やはりこういうことは心の中に差別的な考え方が根っこにあると、とかくそういう軽率な発言をすることになる原因を招来しているのであろう、私はかように思うわけでございますから、今日あなたが今おっしゃるように、こういうことは絶対にお互いにあってはならない。
 しかし、これは何しろ意識の問題、心の問題でございますから、やはりこういう点については人権というものがどれくらい大事なものかということを、私はあらゆる機会をとらえて人権の尊重を基本とするような意識の改革について政府としても取り組まなければならぬと思いますが、最後の御質問の中にありました、その後法務省としては人権問題について一体どういう総括をしてやっておるのかということがございましたから、それについては事務当局からお答えをさせていただきます。
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筧康生#6
○筧政府委員 ただいま御指摘をいただきました梶山発言につきましては、委員御指摘のとおり、元大臣自身が関係者の皆様に深くおわびを申し上げ、アメリカ大使に謝罪をされる、あるいは米国の黒人議員連盟に対してもおわびの書簡などを送って関係者の理解を得るべく努力をしたものというように承知しております。
 先ほど大臣の方から申し上げましたように、こうした外国人に対する日本人の意識の問題に関しましては、日本人一般についても種々な点において意識を改めなければいけないというところがあるのではないかと考えておりまして、私どもとそれから全国人権擁護委員連合会が毎年国民に対して重点的に啓発をしたいという啓発目標を設定しておりますが、ここ数年来、社会の国際化と人権、あるいは国際化時代にふさわしい人権意識を育てようということを重点目標にいたしまして、その趣旨に沿った啓発活動を続けているところでございます。
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貴志八郎#7
○貴志分科員 当時、反省のあかしとして、マイノリティー代表と話し合いをしたり、少数民族を招待してセミナーを開いたり、そういうふうなことをやるということを公約と申しますか、されておったわけですが、そういった問題についてはどのようにやって、そしてそれがどのように理解されたかということを本当は聞きたかったわけでございますけれども、あとの問題もありますので、それはいずれお尋ねをすることにいたしまして、人種差別撤廃国際条約について論及をしてまいりたいと思います。
 ただいま法務大臣が、人種あるいは思想、門地、そういったものについて差別する心の意識が問題だというふうにおっしゃられまして、私も同感でございますが、一九六五年十二月二十一日、国連第二十回総会で、賛成百六、反対ゼロ、棄権一という形で採択されたこの条約であります。六九年一月四日、効力を発生するわけでございますが、これが今日我が国でなお批准を見ていないということは、日本の人権に対する取り組みがおくれている証拠のように受け取られる、私も実は日本の人権に対する考え方のおくれというものをこの条約の取り扱い一つ見てもわかるというふうな気がするわけです。
 法務大臣は先般、二月二十三日の法務委員会におきまして、この条約の処罰規定が思想、信条、表現の自由との関係で直ちに批准することは困難だというふうにおっしゃいました。私は、思想、信条、表現の自由、それが人権差別の自由を認めることになるのだろうかというふうなことについてかなり強い疑問を持つわけでありますけれども、一体処罰規定のどの部分が思想や信条や表現の自由に抵触するというふうにお考えなのか、その一点だけで結構でございますからお答えをいただきたいと思います。
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後藤田正晴#8
○後藤田国務大臣 この問題は差別撤廃条約の解釈に関することでございますけれども、この条約の中に非常に幅の広い行為を処罰の対象にすることを求めておるわけでございますが、余り広範囲にわたる、言論等を処罰の対象にしてこれを規制するということになりますと、正当な言論活動、こういうものを反面萎縮させてしまうおそれがありはしないか。そうしますと、憲法で保障する思想、信条の自由あるいは集会、結社、表現の自由、こういった問題とぶつかる。つまり、処罰規定の対象にするということは、構成要件をきちんと決めておきませんと、取り締まり当局の、言葉は悪いですけれども、恣意的な解釈運用に走るというおそれが多分にある。
 そういうことを考えますと、私は一方で、我々がどうしても守らなきゃならない罪刑法定主義、こういうようなものを頭に置きますと、この条約の処罰対象が処罰対象として書く場合には余りにも抽象的といいますか幅が広過ぎる、それを今度は罰則で規制するということになると、どうしてもこれは具体的な構成要件というものを詰めなきゃならぬ、そこに相反するものが出てきて、どうしても直ちに踏み切れないという難しい面があるのではなかろうかな。
 といって、この問題は非常に重要な課題でございますから、長い間ですから、議員のお立場に立ては、それはおかしいよ、こうおっしゃると思いますけれども、ほっておくわけではなくて、外務当局との間の検討会なり、あるいは私どもの役所の辛も、今日といえども勉強会におきまして、何とかこれの接点を求めることができないのかどうかといったようなことは勉強しておるのだということだけは、ひとつ御理解をしておいていただきたいと思います。
 なおまた、これは非常に法律的な難しい問題がございますから、それらについては事務当局からお答えいたさせたいと思います。
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貴志八郎#9
○貴志分科員 いや、それでもう結構です。せめて後藤田法務大臣のいらっしゃる間に、これだけの世の中の変化を、時代の変化を、世界の潮流の変化もちゃんと理解していただいている後藤田法務大臣の間に、もう三十年も塩漬けになっているこの問題がこれからなお五年も十年もかかるというふうなことでは、世界の日本に対する、人権という価値観を日本が疑われるようなことでは話にならぬと思いますので、ぜひ積極的に、かつできるだけ早い機会に批准ができるように、せっかくの御努力をいただくようにお願いしておきたいと思います。
 そこで、時間もございませんので、今度は国内問題について申し上げてみたいと思います。今まで申し上げてきた話の流れから、私が申し上げたいと思うことについてはほぼ御了察をいただけると思いますので、なるべく簡潔に申し上げてみたいと思います。
 一つは、我が国の中における、いわゆる同和問題の解決についてでございます。
 いろいろと申し上げなければならぬことはたくさんありますけれども、端的に申し上げて、実態調査委員会では、これから実態調査を十一月から年二回に分けて行われるそうでございますけれども、その対象地域に未指定地区の問題がある。この間、二月二十三日の法務委員会で、法務大臣は、未指定地区については十分承知しておるがということを前提にお答えなさっておるように拝見いたしました。
 私が心配をいたしますのは、我々が運動団体の方からお伺いしているのに約千の未指定地区がある、ここからが大変大切なところでございますけれども、仮に今後この未指定地区の中で差別事件が起こってきたときに、それを同和問題に対する差別事件とみなすのかどうかという、今未指定地区だからそれはまだ調査ができないのだということでありますが、しかし、そこで問題が起こったときにどうするのだろうかという心配を私はするのです。まじめな話、そういった具体的な問題が起こってきたときに、人権擁護課の方にそういった話が持ち込まれたときに一体どうするのだ。だから、もっと大きな観点で、各県なり市町村の段階でもいろいろとやられておるわけですから、そういったある意味で気脈が通じたところと、この間の法の附帯決議なんかも尊重した形で未指定地区の問題を、それはもうどこで区切るのだというふうなことではなしに、もっと柔軟に対処するという態度が必要ではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
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筧康生#10
○筧政府委員 ただいまのお尋ねのことは、未指定地区外において同和問題に関する人権問題が生じたときにはどうなるのかというお尋ねでございますが……(貴志分科員「指定地区外」と呼ぶ)指定地区外。これは、結論的に申し上げますと、同和問題に関する問題は憲法の保障する基本的人権の保障の欠ける事態であるわけでございまして、必ずしも同和対策の関連事業の直接的な事業というわけでもなく、あらゆる人に等しく人権が保障されなければならないという観点から対処しておりますので、そのような人権侵犯事件が生じた場合には人権侵犯事件として取り扱い、所要の調査をして措置をする、こういうことになっております。
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貴志八郎#11
○貴志分科員 いや、一般的な答えとしては、それはそれでいいのです。けれども、例えば法務局の職員で、結婚差別の問題が問題になった、その結婚差別をした相手が未指定地区の同和地区の方であった場合には一体どうするのだ。具体的なことになってくるとそうなってくるわけでしょう。ですから、未指定地区だからおれは知らぬぞ、一般的な扱いしかできないぞというふうなことではなしに、問題が起これは、その問題に対して、きちんとそれを見て解決するという態度が必要ではないでしょうかと、私はある意味では前向きな話をしているつもりですから、そういう意味での答えをいただきたいと思うのです。
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筧康生#12
○筧政府委員 委員の御指摘のとおりでございまして、同和問題についての差別というのが依然としていろいろな事件として挙がってくるわけでございます。それは必ずしも指定地区の内であるとか外であるとかということにかかわらず、日本国内に同和地区の出身者であるということに伴って差別事象が生じてくるということになっておりますので、その地区指定のいかんにかかわらず、差別が存すればそれに対して所要の調査をして措置をするということになっております。
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貴志八郎#13
○貴志分科員 いずれにいたしましても、未指定地区がある限りは、一つでも残っていれば日本の同和問題の解決はまだ終わっていないということになるわけでございますから、そういう意味で、大きな観点からこの問題も積極的に解決するようにお願いしておきたいと思います。
 それから、狭山裁判の問題でございますが、既に三十年を経過いたしまして、石川一雄さんも未決通算十一年八カ月、間もなく十二年目を迎えようといたしております。昭和五十四年五月二十九日の法務委員会で質問に答えて、未決十年で仮釈放するというふうなお答えがあったと承知をいたしておりますが、既にその期間を通り越して今日に至っているということは大変胸の痛むことでございます。
 この件についてどのように今お考えになっておるのか、五十四年五月二十九日の委員会答弁をもう一遍振り返っていただきまして解決をされることを、この機会にぜひ強くお願いをいたしておきたいと思うのでございます。
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後藤田正晴#14
○後藤田国務大臣 この問題は従来から大変長い間いろいろな経過を経ておるわけでございますが、無期刑の受刑者をどのような段階で仮釈放するかということにつきましては、司法機関で無期、こう最終決定をされておるわけでございます。それを中途で釈放するということでございますから、やはりそれなりに難しいいろいろな基本的な問題があるのではないか、私はこう思います。この点については十分慎重に検討する必要があるのではないか。だから一概に、ここにも形式的な条件があれば釈放してしまうといったような簡単な問題ではないのかな。
 仮釈放についての申請は、今さら言うまでもありませんが、刑務所長の専権事項になっており、そして同時に、刑務所長としては所内でそれぞれの審議の機関を持っておって、絶えず受刑者の処遇の関係であるとか身上関係あるいは犯罪関係あるいは保護関係等を総合的に判断をしながら公正妥当な取り扱いを慎重にやっておる、かように私は承知をしておるわけでございます。それだけに法務大臣として刑務所長に対してどうこうしろという立場にはないのだということは、ひとつ御理解をしておいていただきたいと思います。
 しかし、この問題は長い経過を経ている問題でありますから、刑務所長としてもそれなりに十分頭の中に刻み込んで慎重な検討をし、対応をしてくれるのではないかな、私はかように考えておるわけでございます。
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貴志八郎#15
○貴志分科員 ぜひ前向きの対応を強くお願いをしておきたいと思います。
 なお、社会党として全国十県、五班に分けまして調査団を、これは先ほどの同和地区の実態調査に入るわけでございますが、法務当局も要請があればこの調査にぜひ御協力をいただきたい旨、時間がありませんから要望をいたして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
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越智通雄#16
○越智主査 これにて貴志八郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、土肥隆一君。
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土肥隆一#17
○土肥分科員 先ほど貴志委員もお話しになりました部落解放について私も質問をさせていただきたいと思います。特に私は啓発活動というところを中心に質問をしたいと思っております。
 その前に、先ほど指定地区の問題がありましたが、俗に指定地区であるとか未指定地区だとかいうことが言われておりますけれども、一体この地区という概念はどういうふうに決め、そしてどういうふうに指定されてきたのか、指定地区でなくて未指定地区というのはまたどういうふうにして決められてきたのか、この指定地区の歴史からお話しいただきたいと思います。
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荒賀泰太#18
○荒賀説明員 同和対策事業特別措置法及び地域改善対策特別措置法におきましては、事業実施の希望のある地域につきまして、地域住民の合意と選択及びこれを受けました地方公共団体の判断のもとに関係各省庁が確認をしてきたところでございます。この確認された地域が対象地域とか指定地区とかと呼ばれておるものでございまして、四千六百三地区が確認されております。
 その根拠といたしましては、同対法、地対法の一条に「対象地域」という規定がございます。すなわち「歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域」を言うわけでございますが、その地域を確認する手続といたしまして、昭和五十年金国同和地区調査を行いました以降は関係地方公共団体からの個別の申請を待ちまして具体的に確認をしていく、これが地区指定の手続でございます。
 対象地域の確認につきましては、同対法、地対法に基づいて十八年間確認をしてきたわけでございますが、この十八年間というのは相当長期の期間でございまして、事業実施の希望のある地域については地域住民の合意と選択及びこれを受けた地方公共団体の判断のもとにすべて確認されているというふうに判断して差し支えないものと考えておるわけでございます。
 この十八年間の実績を踏まえまして、昭和六十二年に制定をされました地対財特法でございますが、この地対財特法は特別対策から一般対策への円滑な移行を図るための最終の特別法ということでございまして、地対法の期間中に残された事業を円滑かつ迅速に実施するための財政上の特別措置を定めたものでございます。したがって、地対法失効までの間に対象地域として事業が実施された地域のみを地対財特法による地域改善対策特定事業を実施できる地域としたものでございまして、この地対財特法におきまして新たな対象地域あるいは新たな指定地区の追加は制度上行えない仕組みになっておるわけでございます。
 なお、地対財特法は衆参両院とも全会一致により成立をしたものでございますし、また昨年の一部改正法におきましても、改正前と同様、新たな対象地域の追加は行わない仕組みとなっているところでございます。
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土肥隆一#19
○土肥分科員 そうしますと、私の解釈では、今さら未指定地区と言われても困る、行政上は対応できないというふうに今の御答弁から聞きました。私の意見を申し上げますと、やはりまだ残された地区があるとするならば何らかの法的な対応、行政的な対応があってもよかろうと思いますが、その辺についてはこれ以上申し上げません。
 さて次は、近く実態調査が実施されると聞いております。その実態調査は、前回の昭和六十年に行われたものと同等であるのか、今回は少し違った、あるいはボリュームにおいても少し違ったものになさるのかごく簡潔にお述べいただきたいと思います。
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荒賀泰太#20
○荒賀説明員 来年度に実施する予定の同和地区実態把握等調査につきましては、平成三年十二月の地対協の意見具申、その意見具申を尊重して政府において取りまとめました「今後の地域改善対策に関する大綱」、それから百二十三回国会における総務庁長官の答弁を踏まえまして、これまでの地域改善対策の効果を測定し、同和地区の実態や国民の意識等を把握するために三億二千五百万円の予算を計上しておるところでございます。
 調査の概要でございますが、まず目的につきましては、ただいま申し上げましたようにこれまでの地域改善対策の効果を測定し、同和地区の実態や国民の意識等について把握することでございます。
 調査の種類につきましては、同和地区の概況調査、これは地区概況調査と言っておりますが、これと、それから同和関係者の生活実態を把握するための調査、生活実態調査、並びに同和関係者及び同和地区外に居住する者の意識を把握するための調査、意識調査の三種類でございます。
 それで、地区概況調査につきましては、四千六真二の全対象地域及び当該対象地域の所在する府県、市町村等を対象とした行政調査とすることといたしております。
 また、生活実態調査の規模、対象世帯数につきましては、昭和六十年度の地域啓発等実態把握における約一万世帯を大幅に上回ります、約五分の一程度の抽出率による世帯数、これは約六万世帯程度を予定しておりますが、非常に大幅な、大規模な調査を予定いたしております。それから、生活実態調査の実施体制、方法等につきましては、市町村職員である調査員が中心となりまして調査を実施いたします。また、同和関係者その他の地元精通者であります協力員の協力を得る方式を考えておるわけでございます。
 また、意識調査につきましては、同和関係者に対する調査と、対象地域外に居住する約二万四千人程度の者に対する調査の二本立てを考えておりまして、対象地区外に居住する者につきましては、前回六十年の調査は同和地区のございます三十六府県に限られておりましたが、今回は四十七都道府県、全都道府県に拡大をして実施をいたしたい。
 そういったことで、昨年十一月に地対協におきまして総務庁からこれらの基本的な骨格について御説明をして、大筋において御理解をいただいたというふうに理解をいたしておるところでございます。
 この内容につきましては、これまでも関係省庁、地方公共団体、民間運動団体、研究所、専門家等の意見を伺いながら検討を進めてきたところでございます。調査の細部につきましては、本年一月に総務庁内に調査検討委員会を設置いたしまして検討を進めております。近く地方公共団体、民間運動団体、研究所からそれぞれ御意見を伺うことにしておりまして、さらに内容を詰めてまいりたいというふうに考えております。
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土肥隆一#21
○土肥分科員 かなり規模が大きくなり、しかしながら地区概況調査、生活実態調査、意識調査というもの、この三本柱は変わらないわけでありまして、調査が終わってその調査報告が出ますと、その調査報告書の解釈をめぐって、被差別部落の実態がこうなっているというふうな一つの傾向的な読み方も可能なような結果が出ますので、結果に基づいてまた私ども議論させていただきたいと思いますが、本当の意味で今ある被差別部落の皆さんの生活がどうなのか、そして国民の意識は今はどういう状態にあるのかということがなるべく実態に即して明らかになるような調査にしていただきたい、このように希望を述べておきます。
 さて、私は、きょうは啓発活動について中心的にお聞きをいたしますが、まずどんな啓発活動をなさっているのか。予算書を見ますと、物的、非物的という部分では非物的な部分が当たると思います。たくさんの省庁にわたって啓発活動をしていらっしゃるわけですが、ごく簡単にどんなことをやっていると、項目的で結構でございますから、総務庁、法務省、労働省、文部省の順でお願いいたします。そのときに、いわゆるこの啓発予算の中での啓発事業の内容にしてください。それから、文部省ではいわゆる社会教育関係の中での啓発活動に限って御答弁をいただきたいと思います。簡単にお願いします。
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荒賀泰太#22
○荒賀説明員 総務庁におきましては、地域改善対策の円滑な実施及び国民一般を対象とした差別意識の解消を図ることを目的といたしまして、直轄事業といたしまして、国家公務員研修会、地方公共団体職員に対する指導者養成研修会等を実施しております。
 また、地方委託事業といたしましては、地方公共団体に対しまして、講演会、研究会の開催でありますとか啓発資料の配付、テレビ、ラジオ、ビデオ、新聞等を活用した一般国民を対象といたします啓発活動を委託しておるところでございます。
 また、中央委託事業といたしましては、財団法人地域改善啓発センターに対しまして、啓発教材の作成配付、シンポジウムの開催、情報、資料の収集、提供等を委託いたしますとともに、映画会社に啓発映画の制作を委託いたしておるところでございます。
 このほか、政府広報を活用する等、関係省庁、地方公共団体等とも緊密な連携を図りながら啓発活動の展開を図っているところでございまして、今後とも創意工夫を凝らした啓発を積極的に推進してまいりたい、このように考えております。
 平成五年度予算でございますが、対前年度比一〇・五%増の八億五千四百万余を計上いたしておりまして、その充実に努めておるところでございます。
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筧康生#23
○筧政府委員 法務省の人権擁護機関の啓発のやり方として大きな特色がございますのは、法務省の法務局組織、法務局、地方法務局、その支局の組織を使っての啓発活動を行っている、あるいはまた、全国に約一万三千人おります人権擁護委員の活動を通じての啓発活動を行っているというのが大きな特色でございます。
 具体的にその啓発の形態といたしましては、シンポジウムあるいは講演会、映画会などの開催、あるいは各地方におけるイベントへの参加、あるいはテレビ、ラジオなどのマスメディアを通じての広報活動、あるいはパンフレット、リーフレット等の啓発冊子の配付、あるいはポスターの掲示等の啓発活動を行っているところでございます。
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後藤光義#24
○後藤説明員 労働省といたしましては、かねてより同和関係住民の就職の機会均等を確保することは同和問題解決の中心的課題との認識のもとに、同和関係住民の雇用の促進と職業の安定を図るため、事業主が同和問題について正しい理解、認識を深め、応募者の適性能力のみによって採否を決める公正な採用選考を行うよう啓発指導を展開しているところでございます。
 平成三年十二片十一日の地対協の意見具申では、今後の重点課題の中に就労対策や啓発が取り上げられているところでございまして、労働省といたしましては、この意見具申を踏まえ、今後とも就職差別を解消し、同和関係住民の雇用の促進と安定を図るため、一つには、一定規模以上の事業所を対象とした企業内同和問題研修推進員に対する研修、それから企業トップクラスに対する研修、それから小規模事業所を対象とした採用選考自主点検資料の作成配付、各種啓発教材、啓発広報資料の作成配付、関係都府県の主な公共職業安定所の窓口に同和問題啓発ビデオライブラリーを設置する、それから経済団体を通じての企業に対する啓発指導の要請等を実施することによりまして、事業主に対する積極的な啓発指導を粘り強く実施してまいりたいと考えております。
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銭谷眞美#25
○銭谷説明員 文部省におきましては、同和教育の重要性にかんがみまして、従来から学校教育と社会教育を通じまして、広く国民の基本的人権尊重の精神を高めるとともに、対象地域の教育、文化水準の向上に努めることを基本といたしまして、教育啓発活動に努めているところでございます。
 社会教育を中心のお尋ねでございますので、以下、社会教育を中心に御説明をさせていただきます。
 まず、全国の同和教育指導者を対象といたします同和教育研究協議会を毎年開催いたしております。また、「同和教育資料」という啓発冊子を作成いたしまして、各都道府県・市町村教育委員会等に配付をし、普及啓発に努めているところでございます。
 また、学校教育と社会教育が一体となりまして、地域ぐるみの同和教育の推進を図る教育推進地域事業の実施を行っております。このほか、教育啓発活動に重要な役割を果たす指導者の資質の向上と指導力の強化を図るため、都道府県・指定都市に指導者研修推進事業の実施を委嘱しているところでございます。加えまして、周辺の住民を対象といたしまして同和問題について理解を深めるための社会同和教育講座の開設を市町村に委嘱しているところでございます。
 今後とも同和教育啓発活動の充実に努めてまいりたい、かように考えている次第でございます。
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土肥隆一#26
○土肥分科員 それぞれ御努力はなさっていることはうかがい知れるわけでございますけれども、この啓発活動というのが一種のワンパターンと言ったらちょっと言い過ぎでしょうか、マンネリと言ったら言い過ぎでしょうか、私はそういう感じを持たないではないのです。
 例えば国家公務員に対する研修で磯村英一さんがずっと主に講師をしていらっしゃるのですが、国家公務員に対しては「同和問題の現状と展望について」、大体そのような視点です。あるいは「人権の視点から見た同和問題」「同和問題の課題」とか。ずっと講師として磯村先生やら高木正幸先生などが名前を出していらっしゃる。地方にいきますと、これは講師は出ておりませんけれども、要するに三日間とか四日間熱海とか全国都市会館だとかいうところに集まってもらって、やはり磯村先生などが講師でお話をしていらっしゃる。いろいろ私もお聞きいたしますと、講演会を開催したりパンフレットをつくったり新聞広報をしたり教材をつくったりということでございます。
 この啓発活動というのは、私の感想を申し上げますと、やはり当該の部落の人たちも含めた地域から盛り上がってくるような、地域から始まって市民全体を巻き込むような運動にしないといけないのではないか。上からこういうふうにしてパンフレットやポスターやチラシを配り行事をいたしましても、もう一つ進んでない。その証拠には、相も変わらぬ結婚差別や部落差別の事象が絶えないわけであります。
 どうしたらこれが解消するのかということは、今政府は啓発活動ということを心理的啓発活動などともおっしゃって、心の内から国民の差別意識を変えていくんだ。これはいいのですけれども、言ってみればこれは人間改造でございまして、人間を変えなければいけないということになりますと、ビラを何枚つくりましても人間は変わらない。人間が本当に差別感を克服して、こういう部落差別はいけないんだということを本当に知るようなそういう活動にしなければならないということで、抽象的ではございますけれども、もう一工夫も二工夫もしないと啓発活動はいつまでやっても同じじゃないかと私は思うのです。
 そこで、ちょっと具体的にお聞きしますが、六十二年の十月に財団法人地域改善啓発センターというのができました。これはどういう目的でつくり、今どんな業務内容、予算はどれくらい持っているのでしょうか。
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荒賀泰太#27
○荒賀説明員 財団法人地域改善啓発センターでございますが、これは昭和六十一年十二月の地対協の意見具申におきましてこのような援言がなされております。
 「今後、啓発活動の推進に当たっては、同和問題の啓発に関する情報等が都道府県、市町村、民間企業、国民の各主体相互の間で迅速に伝達されるよう一層の工夫を行うことが望まれる。そのための一つの方法としては、国を始め、都道府県、市町村等が参画した公益法人を設立し、その法人が情報の迅速な伝達やえせ同和行為その他同和問題に関する相談活動並びに同和問題に関する調査研究及び研修等の事業を実施することが考えられる。」という援言を踏まえまして、今委員のお話にございましたように昭和六十二年の十月に、同和問題に関する総合的な啓発並びに同和問題に関する広報、啓発、相談、調査及び研究等を行いまして同和問題の解決に資することを目的として設立をされたものでございます。
 具体的な事業といたしましては、同和問題に関する啓発資料の作成、配付、同和問題啓発のパンフレットの発行等を行っております。それから、二番目に啓発資料の収集、貸し出しといたしましては、国・地方公共団体が作成をいたしました啓発資料の収集を行い、ビデオライブラリーと申しまして収集、購入したビデオを貸し出しをする。三番目には情報の収集、提供ということで、新聞記事の資料集の発行でありますとかあるいは資料目録の発行等を行っております。また、出版事業として「啓発センターだより」の発行でありますとか、「同和問題解決のために-えせ同和行為対応のための手引き書-」という手引き書を発行いたしております。また、調査研究といたしまして、人権と同和問題に関する意識調査等を行っておるわけでございます。啓発センターの予算額は平成四年度で約一億二千五百万円でございます。
 啓発センターの実施をいたします今後の啓発事業の進め方につきましては、このセンターの中に企画委員会を設置をいたしまして、この企画委員会の中には中央省庁、地方公共団体それから学識経験者、研究機関の代表、広く関係各界の啓発の専門家に委員として参加を求めておるわけでございまして、この企画委員会で活発な議論が今後の啓発事業の進め方について行われているところでございます。近くこの企画委員会から報告書が提出される予定でございます。この企画委員会の議論等も踏まえまして、より一層創意工夫を凝らした啓発活動が展開されるものというふうに考えておる次第でございます。
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土肥隆一#28
○土肥分科員 各省庁も啓発事業をやる。特に啓発二省と言われている総務庁、そして法務省、労働省、その他の省庁、農林省なんかも含めましてやっていらっしゃるわけですけれども、そういう省庁の啓発活動と財団法人地域改善啓発センターとの関係はどうなんでしょうか。
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荒賀泰太#29
○荒賀説明員 総務庁といたしましては、先ほど申し上げました国民一般を対象とした直轄事業あるいは地方公共団体に対する委託事業等を行っておるわけでございまして、これは国の事業として行っておるわけでございます。
 それで、啓発センターは国以外に地方公共団体あるいは企業も含めて民間のいろいろなセクターがございます、そういったところに対して情報を的確に伝達をする、あるいは先生からも御指摘がありました、ややもすればマンネリ化を指摘されておりますこの啓発事業を今後より効果的な一層創意工夫を凝らしたものにしていくために、これはいわば民間の団体でございますから、そういった立場でどういったことをすることがこれから必要なのかという立場で検討をされておるところでございます。総務庁としては、民間の啓発センターに対して財政面その他で支援をしていく、こういう立場でございます。
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