法務委員会
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会
会議録情報#0
平成六年十一月二十九日(火曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 金子原二郎君
理事 斉藤斗志二君 理事 志賀 節君
理事 島村 宜伸君 理事 中島洋次郎君
理事 長浜 博行君 理事 冬柴 鐵三君
理事 山田 正彦君 理事 小森 龍邦君
奥野 誠亮君 梶山 静六君
塩川正十郎君 橘 康太郎君
浜野 剛君 山本 有二君
大口 善徳君 柿澤 弘治君
左藤 恵君 笹川 堯君
津島 雄二君 富田 茂之君
中井 洽君 山岡 賢次君
佐々木秀典君 坂上 富男君
山花 貞夫君 枝野 幸男君
錦織 淳君 正森 成二君
徳田 虎雄君
出席国務大臣
法 務 大 臣 前田 勲男君
出席政府委員
法務政務次官 角田 義一君
法務大臣官房長 原田 明夫君
法務大臣官房司
法法制調査部長 永井 紀昭君
法務省刑事局長 則定 衛君
法務省人権擁護
局長 筧 康生君
法務省入国管理
局長 塚田 千裕君
委員外の出席者
最高裁判所事務
総局総務局長 涌井 紀夫君
最高裁判所事務
総局人事局長 堀籠 幸男君
最高裁判所事務
総局民事局長
兼最高裁判所事
務総局行政局長 今井 功君
参 考 人
(早稲田大学法
学部教授) 鈴木 重勝君
参 考 人
(元朝日新聞編
集委員) 野村 二郎君
参 考 人
(日本弁護士連
合会事務総長) 稲田 寛君
法務委員会調査
室長 河田 勝夫君
―――――――――――――
委員の異動
十一月二十九日
辞任 補欠選任
浜野 剛君 山本 有二君
同日
辞任 補欠選任
山本 有二君 浜野 剛君
―――――――――――――
十一月十五日
非嫡出子差別を撤廃する民法等の改正に関する
請願(矢島恒夫君紹介)(第五二四号)
同月二十一日
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(正森成二君紹介)(第八五五号
)
同(岩佐恵美君紹介)(第九三八号)
同(小森龍邦君紹介)(第九三九号)
同(穀田恵二君紹介)(第九四〇号)
同(佐々木陸海君紹介)(第九四一号)
同(志位和夫君紹介)(第九四二号)
同(寺前巖君紹介)(第九四三号)
同(中島武敏君紹介)(第九四四号)
同(長浜博行君紹介)(第九四五号)
同(東中光雄君紹介)(第九四六号)
同(不破哲三君紹介)(第九四七号)
同(藤田スミ君紹介)(第九四八号)
同(古堅実吉君紹介)(第九四九号)
同(正森成二君紹介)(第九五〇号)
同(松本善明君紹介)(第九五一号)
同(矢島恒夫君紹介)(第九五二号)
同(山原健二郎君紹介)(第九五三号)
同(吉井英勝君紹介)(第九五四号)
非嫡出子差別を撤廃する民法等の改正に関する
請願(金田誠一君紹介)(第八五六号)
同月二十二日
非嫡出子差別を撤廃する民法等の改正に関する
請願(大野由利子君紹介)(第一〇四八号)
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(佐々木秀典君紹介)(第一〇四
九号)
同(坂上富男君紹介)(第一〇五〇号)
同(冬柴鐵三君紹介)(第一〇五一号)
同(佐々木秀典君紹介)(第一一〇五号)
同(坂上富男君紹介)(第一一〇六号)
同(徳田虎雄君紹介)(第一一〇七号)
同月二十四日
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(枝野幸男君紹介)(第一一九六
号)
同(坂上富男君紹介)(第一一九七号)
同(錦織淳君紹介)(第一二七八号)
同(大口善徳君紹介)(第一五〇八号)
同月二十五日
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(津島雄二君紹介)(第一六五九
号)
同(富田茂之君紹介)(第一六六〇号)
同(中井洽君紹介)(第一六六一号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
十一月二十四日
法務局職員の大幅増員に関する陳情書
(第一
九号)
法務局出張所の適正配置に関する陳情書
(第二〇号)
法律扶助に関する基本法の制定及び財政措置の
拡充・強化に関する陳情書外四件
(第二一号)
治安維持法犠牲者国家賠償法の制定に関する陳
情書外四件
(第二二号)
刑務所内の処遇改善に関する陳情書
(第二三号)
人権擁護のため警察署取調室での弁護士同席に
関する陳情書
(第二四号)
在日朝鮮人の人権擁護に関する陳情書外一件
(第二五号)
高齢者の自己決定権の確立に関する陳情書
(第二
六号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国
内治安、人権擁護に関する件(法曹界の綱紀粛
正問題)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前十時開議
出席委員
委員長 金子原二郎君
理事 斉藤斗志二君 理事 志賀 節君
理事 島村 宜伸君 理事 中島洋次郎君
理事 長浜 博行君 理事 冬柴 鐵三君
理事 山田 正彦君 理事 小森 龍邦君
奥野 誠亮君 梶山 静六君
塩川正十郎君 橘 康太郎君
浜野 剛君 山本 有二君
大口 善徳君 柿澤 弘治君
左藤 恵君 笹川 堯君
津島 雄二君 富田 茂之君
中井 洽君 山岡 賢次君
佐々木秀典君 坂上 富男君
山花 貞夫君 枝野 幸男君
錦織 淳君 正森 成二君
徳田 虎雄君
出席国務大臣
法 務 大 臣 前田 勲男君
出席政府委員
法務政務次官 角田 義一君
法務大臣官房長 原田 明夫君
法務大臣官房司
法法制調査部長 永井 紀昭君
法務省刑事局長 則定 衛君
法務省人権擁護
局長 筧 康生君
法務省入国管理
局長 塚田 千裕君
委員外の出席者
最高裁判所事務
総局総務局長 涌井 紀夫君
最高裁判所事務
総局人事局長 堀籠 幸男君
最高裁判所事務
総局民事局長
兼最高裁判所事
務総局行政局長 今井 功君
参 考 人
(早稲田大学法
学部教授) 鈴木 重勝君
参 考 人
(元朝日新聞編
集委員) 野村 二郎君
参 考 人
(日本弁護士連
合会事務総長) 稲田 寛君
法務委員会調査
室長 河田 勝夫君
―――――――――――――
委員の異動
十一月二十九日
辞任 補欠選任
浜野 剛君 山本 有二君
同日
辞任 補欠選任
山本 有二君 浜野 剛君
―――――――――――――
十一月十五日
非嫡出子差別を撤廃する民法等の改正に関する
請願(矢島恒夫君紹介)(第五二四号)
同月二十一日
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(正森成二君紹介)(第八五五号
)
同(岩佐恵美君紹介)(第九三八号)
同(小森龍邦君紹介)(第九三九号)
同(穀田恵二君紹介)(第九四〇号)
同(佐々木陸海君紹介)(第九四一号)
同(志位和夫君紹介)(第九四二号)
同(寺前巖君紹介)(第九四三号)
同(中島武敏君紹介)(第九四四号)
同(長浜博行君紹介)(第九四五号)
同(東中光雄君紹介)(第九四六号)
同(不破哲三君紹介)(第九四七号)
同(藤田スミ君紹介)(第九四八号)
同(古堅実吉君紹介)(第九四九号)
同(正森成二君紹介)(第九五〇号)
同(松本善明君紹介)(第九五一号)
同(矢島恒夫君紹介)(第九五二号)
同(山原健二郎君紹介)(第九五三号)
同(吉井英勝君紹介)(第九五四号)
非嫡出子差別を撤廃する民法等の改正に関する
請願(金田誠一君紹介)(第八五六号)
同月二十二日
非嫡出子差別を撤廃する民法等の改正に関する
請願(大野由利子君紹介)(第一〇四八号)
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(佐々木秀典君紹介)(第一〇四
九号)
同(坂上富男君紹介)(第一〇五〇号)
同(冬柴鐵三君紹介)(第一〇五一号)
同(佐々木秀典君紹介)(第一一〇五号)
同(坂上富男君紹介)(第一一〇六号)
同(徳田虎雄君紹介)(第一一〇七号)
同月二十四日
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(枝野幸男君紹介)(第一一九六
号)
同(坂上富男君紹介)(第一一九七号)
同(錦織淳君紹介)(第一二七八号)
同(大口善徳君紹介)(第一五〇八号)
同月二十五日
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(津島雄二君紹介)(第一六五九
号)
同(富田茂之君紹介)(第一六六〇号)
同(中井洽君紹介)(第一六六一号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
十一月二十四日
法務局職員の大幅増員に関する陳情書
(第一
九号)
法務局出張所の適正配置に関する陳情書
(第二〇号)
法律扶助に関する基本法の制定及び財政措置の
拡充・強化に関する陳情書外四件
(第二一号)
治安維持法犠牲者国家賠償法の制定に関する陳
情書外四件
(第二二号)
刑務所内の処遇改善に関する陳情書
(第二三号)
人権擁護のため警察署取調室での弁護士同席に
関する陳情書
(第二四号)
在日朝鮮人の人権擁護に関する陳情書外一件
(第二五号)
高齢者の自己決定権の確立に関する陳情書
(第二
六号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国
内治安、人権擁護に関する件(法曹界の綱紀粛
正問題)
――――◇―――――
金
金子原二郎#1
○金子委員長 これより会議を開きます。
裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
本日は、特に法曹界の綱紀粛正問題について調査を進めます。
この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
各件調査のため、本日、参考人として早稲田大学法学部教授鈴木重勝君、元朝日新聞編集委員野村二郎君、日本弁護士連合会事務総長稲田寛君の御出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
本日は、特に法曹界の綱紀粛正問題について調査を進めます。
この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
各件調査のため、本日、参考人として早稲田大学法学部教授鈴木重勝君、元朝日新聞編集委員野村二郎君、日本弁護士連合会事務総長稲田寛君の御出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
金
金
金子原二郎#3
○金子委員長 この際、参考人各位に一言あいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、調査の参考にいたしたいと存じます。
次に、議事の順序及び発言について御説明申し上げます。
まず、鈴木参考人、野村参考人、稲田参考人の順に各十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を得ることとなっております。また、参考人は委員に対し質疑できないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。
それでは、まず鈴木参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、調査の参考にいたしたいと存じます。
次に、議事の順序及び発言について御説明申し上げます。
まず、鈴木参考人、野村参考人、稲田参考人の順に各十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を得ることとなっております。また、参考人は委員に対し質疑できないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。
それでは、まず鈴木参考人にお願いいたします。
鈴
鈴木重勝#4
○鈴木参考人 早稲田の鈴木でございます。
話が細かくなると思いまして、レジュメというものをつくってまいりました。これはどうも、子供のときからの癖で、一夜漬けの癖が直らないものですから、ゆうべ仕上げたのでありますけれども、少々ミスプリなどあるかもしれませんが、ひとつ意のあるところをお察しください。
私が意見を述べるように言われましたのは、ここに書いておきましたように法曹界の綱紀粛正問題でありますけれども、そのうちの中でも弁護士、法曹三者の中でも弁護士の、しかも、倫理とか綱紀というよりも懲戒の問題に限定しましてお話ししたいと思っております。長いこと懲戒委員会をやっておりまして、その経験がございますので、私にとっては一番ここでは取り扱いやすい問題かと思っております。
まず、今回の続発した巨額事件でありますけれども、これは、ここに書いておきましたように、私どもの認識では、どうも今まで私どもが取り扱ってきました懲戒事件とはまるで違う、何といいますか、特殊例外的な事件だろうというふうに、いろいろ考えてみますとそうなると思います。もっとも、同じようなことはございましたけれども、こういうふうに頻発するようなのはみんな共通しておりまして、大体弁護士の先生たちが巨額な借金を抱えている、その借金を抱えるために大体ああいうことが出てきたわけでありますけれども、大体このレジュメの2の5に書いてございますように、大体、弁護士が巨額な事件を取り扱うのはこれは日常的でございまして、また、巨額な金額が手元に入ってくるのもまた日常的なんですね。しかるべき時期にしかるべき人に戻されていくというのが日常的でございますけれども、今度の場合には、その人たち、今度の人たちが巨額な借金を抱えていたばかりにそちらに使ってしまった、流用したというような経過でもってこういう事件が頻発したんだろうと思います。
そういう意味で、しかも、巨額な借金を抱えたのは、やはりバブルの時期の雲をつかむような取引の結果、株とか土地とかそれからゴルフの会員権とかというようなことから借金を抱え込んだのでありますので、これが恐らく、もうこれからはこういうような事件というのは出てこないだろう、あるいは二、三出てくるかもしれませんけれども、もうそれは終息に向かっているんじゃないかというふうに思います。ですから、これは特殊例外的、まあ特殊例外的だから大目に見よとかなんとかというんじゃございませんけれども、これはやはり今までの我々が日常取り上げてきた事件とは根本的に違うだろうというふうに思います。
それで、私がむしろ取り上げたいのは、日常的に続発しておる懲戒事件であります。これはもちろん個人的な問題、弁護士さんの個人的な人格の問題でございますけれども、私はやはり、弁護士会の方が責任を負わなければいけない。なぜかというと、綱紀とか懲戒に関しましては弁護士会が独占しているのですね。ですから、ほかの何物も、ほかの国家権力の何物にも介入させないということがございます。ですから、自分の責任で自分で処理しなければいけないところなんでありますけれども、私が長いこと懲戒に携わっておりまして、常々どうも不可解なことがございます。その不可解な手続の中で懲戒がなされているわけでありますけれども、それが今回のような、これからも続発するであろうような不祥事を生むのじゃないかというふうに考えております。
それを七不思議と、まあもっとも七つもございませんけれども、世間に言う七不思議というものですからあえて七つ数え上げてきたのでありますけれども、その重立ったものは、もともと弁護士会が責任を負うといいましても、弁護士会は機関で動いておりますから、その機関は綱紀委員会をおいてないはずなんですね。ところがその綱紀委員会は、もうどういうわけだかよくわからないのですけれども、できる限り行動させない、懲戒問題を大変受動的に消極的に扱うようにしむけられている、つくられているわけですね。
ところが、ここに書いておきましたように、弁護士法の七十条では、「綱紀委員会はこ「会員の綱紀保持に関する事項をつかさどる。」と書いてありまして、また、初めのころは各弁護士会もそれを高らかに宣言していたのが、綱紀委員会というのは会員の綱紀粛正を図るんだということを言ってあったわけでありますけれども、やがて、今このレジュメに書いてありますように、綱紀委員会にそんなことしたら調査権限の役割を与えるじゃないか、だからひいては綱紀委員会がその裁量で会員の懲戒事由捜しをすることも許さざるを得なくなるから、もう綱紀委員会というのはそんなものじゃだめなんだ、ともかく受動的な役割しか与えられていないんだということを認識しろということが繰り返され強調されてきたものですから、どういうわけか、懲戒手続を見ましても、なるたけ懲戒しないように懲戒しないようにできているのじゃなかろうかというふうに考えております。
そして、例えば極端な話は、たまたま綱紀委員会なり殊に懲戒委員会で審査しておりますときに新しい事由が発見できる、あるいは今審理している弁護士の別な事件、そっちの方がよっぽど重大なんでありますけれども、そちらが出てきた場合に、我々はそれを取り上げてはならないのですね。建前上は、それは必ず、そういう新しい事件が出てきますと弁護士会の会長に報告する、会長はどういうふうにするのか、その辺の後の手続はちょっとよくわからないのでありますけれども、しかしながら、私どもの経験では、どうも会長にも報告しないのがある。
だから例えば、ごく最近ですけれども、A、B、Cという事件があったのですね、ある弁護士さんが。Aという事件で今我々審査している。ところが、どう見てもBの方が重大なんですが、本人も、Aでここでとやかく言われるのは大変心外である、Bは言われてもやむを得ないところがある、懲戒されてもやむを得ないと言うのですけれども、Bは取り上げられないのですね。なぜかというと、懲戒を請求した本人と大変、何といいますか、共犯と言わないまでも、それがつくり出しているものですから、その本人が懲戒請求しない限りはこれを取り上げない仕組みになっておる。この辺がちょっと少し根本的に考え直した方がいいんじゃないかというふうに私は常々言っておりますけれども、今のところはそれができない仕組みなんですね。
建前としては、弁護士法は、懲戒請求人が申し立てたらばそれに基づいて綱紀委員会なり懲戒委員会なりが発動するというのですけれども、大体懲戒事由というのは、弁護士法違反あるいは弁護士会の信用とか品位を保持しなきゃいけないところを、それを侵害したから懲戒事件になるわけですね。こういうような懲戒事件は、ですから弁護士会の信用とか弁護士会の秩序維持のためなんですけれども、それを国民の請求だけに任せるということ自体がもうそろそろ考え直させてもいいんじゃないか。
ともかく初めは、建前は、国民一億に、弁護士の、悪いことしている場合にはこういうことを悪いことをしているから懲戒しろということでできたんでありますけれども、しかし、実際に事件の流れを見てみますと、必ずと言っていいほど被害者が懲戒請求をやるんですね。ところが、懲戒事件というのは被害者の救済じゃ決してありませんので、救済はもちろんしないわけでありますけれども、ともかく申立人、請求人というのは必ず被害者、だから、この辺の認識のずれも何とか調整しなければいかぬのじゃないか。つまり一億総告発者だという前提でもってできています。ところが、出てきているのは被害者だけである。この認識からしますと、被害者が請求しない場合に、実はもっともっと隠れたものがある。事実、そう思いますけれども、あるのではないかということがあります。
そこで、七不思議の一つとして、私は、弁護過誤の一一〇番がないというのはどういうことなのか。弁護士会は、大変苦労しまして、いろいろな活躍をされております。殊に、医療過誤だとか子供の人権だとかということについて一一〇番を設けておりますけれども、弁護過誤による一一〇番というのはないのです。これは一つは、私思いますには、同僚のそれを取り上げて、同僚をとやかく言うというのは大変苦痛なんだろうと思います。しかし、ほかのところの被害は救済するように一一〇番を設けているのに、なぜ弁護士の非行による救済が一一〇番を設けられないのかということは、やはり不思議だろうと思います。
そこで、その対策なのでありますけれども、対策としまして、私、今弁護士会なり、弁護士会から出ていきました法律相談所というのがありますけれども、その弁護士会のコーナーとか法律相談所の片隅に弁護過誤の苦情処理相談所というようなものを設けたらどうか。どうも弁護士さんも綱紀粛正とか綱紀保持というものにアレルギーを持っておりまして、綱紀と言うともう大変いきり立つところがございますので、綱紀の保持じゃないのです。
ともかく、現実も被害者だけの申し立てですから、被害者が苦情処理を申し立てる。場合によっては、私ども見ていますと、かなり依頼者の誤解もありますので、誤解のあるときは、それは誤解しているよということで説明してやる。ともかく気軽に被害をこうむった者が立ち寄って、そこで実情をお話しして、説明を聞いていく。聞いた方は、その苦情処理の相談所の方は、本当は内部に苦情処理委員会というのを設けた方がいいと思いますけれども、そこでもってしかるべく振り分ける。
例えば、これは紛議調停に回した方がいいだろう、あるいはちょっと当の弁護士を呼んで話し合いをやる。出てこないことがあると思いますけれども、今までの経験では、なかなか出てこない人もおります。そうなりますと、実はこういうような事件は懲戒請求に当たるよということを通知して、そうして出頭を促して、善処を促していくという形にしていけば、懲戒請求という大変儀式立った、形式張った手続によらなくても、何とかそこでもってかなりの処理ができるのじゃないか。その処理によりまして、被害をこうむっている者は、そのときに簡単に救済できますでしょうし、また、当の弁護士も懲戒を避けられるかもしれない。そして、あるいはその懲戒が重大になる前に手を打つことによって、それほど重大にならないかもしれない。
この懲戒の結果というのは、確かに弁護士自治が貫かれておりまして、これは大変厳しい、私ども見ていると、本当に厳し過ぎないかなと思うくらい厳しいのでありますけれども、懲戒に至るまでのところがどうも少し手ぬるいんじゃないかという感じがします。ですから、懲戒という結果を避けるためにも、またそういう重大な結果を避けるためにも、苦情処理相談所というものを設けまして、そこで救済を図りながら、弁護士の方の善処も要望していくという形は何とかとれないものだろうかというふうに思います。
それから最後に、私ども大変苦労しておりますのは、弁護士会の懲戒規定というのは必ず会則とか、独自に懲戒規定をみんな持っておりますけれども、これが見られないのです。国会図書館にもない。日弁連の図書館、資料室にもない。どこにあるのかといいますと、日弁連の調査室ですね。ここはもちろん日常執務をしておりますから、その執務を邪魔しながら、そこの戸棚から持ってくるということであります。何遍かは、大学から見に行きたいのだけれどもと言ったら、それならお前の方で二回ばかり指定してこい、そのうちのどれかをこっちが指定してやるからと言うので、そんなのじゃらちが明きませんので、私が自分で出かけていって、押しかけていって見たことがあります。
何も日本全国の懲戒規定を非公開、秘密にしなければならぬ理由は全くないのでありますから、ですから、どこに行っても見られるように、そしてなぜそういうことをするかといいますと、各弁護士会がいろいろ工夫しておりまして、大変独自の懲戒手続を持っております。だから、そういうものを比較検討しながら、現に各弁護士会の懲戒委員会もほかの会がどうなっているかということを知ることは大変有用だろうというふうに思いますし、私どものように関心を持っている者にとりましても、そういう手続規定についてはいつでも見られるようにしていただきたいというふうにこの機会にお願いしておきます。
ちょうど十五分でございますので、終わります。拍手
この発言だけを見る →話が細かくなると思いまして、レジュメというものをつくってまいりました。これはどうも、子供のときからの癖で、一夜漬けの癖が直らないものですから、ゆうべ仕上げたのでありますけれども、少々ミスプリなどあるかもしれませんが、ひとつ意のあるところをお察しください。
私が意見を述べるように言われましたのは、ここに書いておきましたように法曹界の綱紀粛正問題でありますけれども、そのうちの中でも弁護士、法曹三者の中でも弁護士の、しかも、倫理とか綱紀というよりも懲戒の問題に限定しましてお話ししたいと思っております。長いこと懲戒委員会をやっておりまして、その経験がございますので、私にとっては一番ここでは取り扱いやすい問題かと思っております。
まず、今回の続発した巨額事件でありますけれども、これは、ここに書いておきましたように、私どもの認識では、どうも今まで私どもが取り扱ってきました懲戒事件とはまるで違う、何といいますか、特殊例外的な事件だろうというふうに、いろいろ考えてみますとそうなると思います。もっとも、同じようなことはございましたけれども、こういうふうに頻発するようなのはみんな共通しておりまして、大体弁護士の先生たちが巨額な借金を抱えている、その借金を抱えるために大体ああいうことが出てきたわけでありますけれども、大体このレジュメの2の5に書いてございますように、大体、弁護士が巨額な事件を取り扱うのはこれは日常的でございまして、また、巨額な金額が手元に入ってくるのもまた日常的なんですね。しかるべき時期にしかるべき人に戻されていくというのが日常的でございますけれども、今度の場合には、その人たち、今度の人たちが巨額な借金を抱えていたばかりにそちらに使ってしまった、流用したというような経過でもってこういう事件が頻発したんだろうと思います。
そういう意味で、しかも、巨額な借金を抱えたのは、やはりバブルの時期の雲をつかむような取引の結果、株とか土地とかそれからゴルフの会員権とかというようなことから借金を抱え込んだのでありますので、これが恐らく、もうこれからはこういうような事件というのは出てこないだろう、あるいは二、三出てくるかもしれませんけれども、もうそれは終息に向かっているんじゃないかというふうに思います。ですから、これは特殊例外的、まあ特殊例外的だから大目に見よとかなんとかというんじゃございませんけれども、これはやはり今までの我々が日常取り上げてきた事件とは根本的に違うだろうというふうに思います。
それで、私がむしろ取り上げたいのは、日常的に続発しておる懲戒事件であります。これはもちろん個人的な問題、弁護士さんの個人的な人格の問題でございますけれども、私はやはり、弁護士会の方が責任を負わなければいけない。なぜかというと、綱紀とか懲戒に関しましては弁護士会が独占しているのですね。ですから、ほかの何物も、ほかの国家権力の何物にも介入させないということがございます。ですから、自分の責任で自分で処理しなければいけないところなんでありますけれども、私が長いこと懲戒に携わっておりまして、常々どうも不可解なことがございます。その不可解な手続の中で懲戒がなされているわけでありますけれども、それが今回のような、これからも続発するであろうような不祥事を生むのじゃないかというふうに考えております。
それを七不思議と、まあもっとも七つもございませんけれども、世間に言う七不思議というものですからあえて七つ数え上げてきたのでありますけれども、その重立ったものは、もともと弁護士会が責任を負うといいましても、弁護士会は機関で動いておりますから、その機関は綱紀委員会をおいてないはずなんですね。ところがその綱紀委員会は、もうどういうわけだかよくわからないのですけれども、できる限り行動させない、懲戒問題を大変受動的に消極的に扱うようにしむけられている、つくられているわけですね。
ところが、ここに書いておきましたように、弁護士法の七十条では、「綱紀委員会はこ「会員の綱紀保持に関する事項をつかさどる。」と書いてありまして、また、初めのころは各弁護士会もそれを高らかに宣言していたのが、綱紀委員会というのは会員の綱紀粛正を図るんだということを言ってあったわけでありますけれども、やがて、今このレジュメに書いてありますように、綱紀委員会にそんなことしたら調査権限の役割を与えるじゃないか、だからひいては綱紀委員会がその裁量で会員の懲戒事由捜しをすることも許さざるを得なくなるから、もう綱紀委員会というのはそんなものじゃだめなんだ、ともかく受動的な役割しか与えられていないんだということを認識しろということが繰り返され強調されてきたものですから、どういうわけか、懲戒手続を見ましても、なるたけ懲戒しないように懲戒しないようにできているのじゃなかろうかというふうに考えております。
そして、例えば極端な話は、たまたま綱紀委員会なり殊に懲戒委員会で審査しておりますときに新しい事由が発見できる、あるいは今審理している弁護士の別な事件、そっちの方がよっぽど重大なんでありますけれども、そちらが出てきた場合に、我々はそれを取り上げてはならないのですね。建前上は、それは必ず、そういう新しい事件が出てきますと弁護士会の会長に報告する、会長はどういうふうにするのか、その辺の後の手続はちょっとよくわからないのでありますけれども、しかしながら、私どもの経験では、どうも会長にも報告しないのがある。
だから例えば、ごく最近ですけれども、A、B、Cという事件があったのですね、ある弁護士さんが。Aという事件で今我々審査している。ところが、どう見てもBの方が重大なんですが、本人も、Aでここでとやかく言われるのは大変心外である、Bは言われてもやむを得ないところがある、懲戒されてもやむを得ないと言うのですけれども、Bは取り上げられないのですね。なぜかというと、懲戒を請求した本人と大変、何といいますか、共犯と言わないまでも、それがつくり出しているものですから、その本人が懲戒請求しない限りはこれを取り上げない仕組みになっておる。この辺がちょっと少し根本的に考え直した方がいいんじゃないかというふうに私は常々言っておりますけれども、今のところはそれができない仕組みなんですね。
建前としては、弁護士法は、懲戒請求人が申し立てたらばそれに基づいて綱紀委員会なり懲戒委員会なりが発動するというのですけれども、大体懲戒事由というのは、弁護士法違反あるいは弁護士会の信用とか品位を保持しなきゃいけないところを、それを侵害したから懲戒事件になるわけですね。こういうような懲戒事件は、ですから弁護士会の信用とか弁護士会の秩序維持のためなんですけれども、それを国民の請求だけに任せるということ自体がもうそろそろ考え直させてもいいんじゃないか。
ともかく初めは、建前は、国民一億に、弁護士の、悪いことしている場合にはこういうことを悪いことをしているから懲戒しろということでできたんでありますけれども、しかし、実際に事件の流れを見てみますと、必ずと言っていいほど被害者が懲戒請求をやるんですね。ところが、懲戒事件というのは被害者の救済じゃ決してありませんので、救済はもちろんしないわけでありますけれども、ともかく申立人、請求人というのは必ず被害者、だから、この辺の認識のずれも何とか調整しなければいかぬのじゃないか。つまり一億総告発者だという前提でもってできています。ところが、出てきているのは被害者だけである。この認識からしますと、被害者が請求しない場合に、実はもっともっと隠れたものがある。事実、そう思いますけれども、あるのではないかということがあります。
そこで、七不思議の一つとして、私は、弁護過誤の一一〇番がないというのはどういうことなのか。弁護士会は、大変苦労しまして、いろいろな活躍をされております。殊に、医療過誤だとか子供の人権だとかということについて一一〇番を設けておりますけれども、弁護過誤による一一〇番というのはないのです。これは一つは、私思いますには、同僚のそれを取り上げて、同僚をとやかく言うというのは大変苦痛なんだろうと思います。しかし、ほかのところの被害は救済するように一一〇番を設けているのに、なぜ弁護士の非行による救済が一一〇番を設けられないのかということは、やはり不思議だろうと思います。
そこで、その対策なのでありますけれども、対策としまして、私、今弁護士会なり、弁護士会から出ていきました法律相談所というのがありますけれども、その弁護士会のコーナーとか法律相談所の片隅に弁護過誤の苦情処理相談所というようなものを設けたらどうか。どうも弁護士さんも綱紀粛正とか綱紀保持というものにアレルギーを持っておりまして、綱紀と言うともう大変いきり立つところがございますので、綱紀の保持じゃないのです。
ともかく、現実も被害者だけの申し立てですから、被害者が苦情処理を申し立てる。場合によっては、私ども見ていますと、かなり依頼者の誤解もありますので、誤解のあるときは、それは誤解しているよということで説明してやる。ともかく気軽に被害をこうむった者が立ち寄って、そこで実情をお話しして、説明を聞いていく。聞いた方は、その苦情処理の相談所の方は、本当は内部に苦情処理委員会というのを設けた方がいいと思いますけれども、そこでもってしかるべく振り分ける。
例えば、これは紛議調停に回した方がいいだろう、あるいはちょっと当の弁護士を呼んで話し合いをやる。出てこないことがあると思いますけれども、今までの経験では、なかなか出てこない人もおります。そうなりますと、実はこういうような事件は懲戒請求に当たるよということを通知して、そうして出頭を促して、善処を促していくという形にしていけば、懲戒請求という大変儀式立った、形式張った手続によらなくても、何とかそこでもってかなりの処理ができるのじゃないか。その処理によりまして、被害をこうむっている者は、そのときに簡単に救済できますでしょうし、また、当の弁護士も懲戒を避けられるかもしれない。そして、あるいはその懲戒が重大になる前に手を打つことによって、それほど重大にならないかもしれない。
この懲戒の結果というのは、確かに弁護士自治が貫かれておりまして、これは大変厳しい、私ども見ていると、本当に厳し過ぎないかなと思うくらい厳しいのでありますけれども、懲戒に至るまでのところがどうも少し手ぬるいんじゃないかという感じがします。ですから、懲戒という結果を避けるためにも、またそういう重大な結果を避けるためにも、苦情処理相談所というものを設けまして、そこで救済を図りながら、弁護士の方の善処も要望していくという形は何とかとれないものだろうかというふうに思います。
それから最後に、私ども大変苦労しておりますのは、弁護士会の懲戒規定というのは必ず会則とか、独自に懲戒規定をみんな持っておりますけれども、これが見られないのです。国会図書館にもない。日弁連の図書館、資料室にもない。どこにあるのかといいますと、日弁連の調査室ですね。ここはもちろん日常執務をしておりますから、その執務を邪魔しながら、そこの戸棚から持ってくるということであります。何遍かは、大学から見に行きたいのだけれどもと言ったら、それならお前の方で二回ばかり指定してこい、そのうちのどれかをこっちが指定してやるからと言うので、そんなのじゃらちが明きませんので、私が自分で出かけていって、押しかけていって見たことがあります。
何も日本全国の懲戒規定を非公開、秘密にしなければならぬ理由は全くないのでありますから、ですから、どこに行っても見られるように、そしてなぜそういうことをするかといいますと、各弁護士会がいろいろ工夫しておりまして、大変独自の懲戒手続を持っております。だから、そういうものを比較検討しながら、現に各弁護士会の懲戒委員会もほかの会がどうなっているかということを知ることは大変有用だろうというふうに思いますし、私どものように関心を持っている者にとりましても、そういう手続規定についてはいつでも見られるようにしていただきたいというふうにこの機会にお願いしておきます。
ちょうど十五分でございますので、終わります。拍手
金
野
野村二郎#6
○野村参考人 野村でございます。
私、朝日新聞で司法記者をやっておりまして、定年で退職した後も引き続き検察庁の取材をしております。その経験の上に立って申し上げたいと思います。私、大体趣旨を書いておきましたので、それに従って申し上げたいと思います。
検察の暴力事件が相次ぎまして、一連の事件につきまして、検察は、組織的なものではない、個人の資質の問題だというふうに終始説明されています。そのとおりだと思います。検察が暴力事件を見逃すほどいいかげんな機関ではないと思いますし、それほど乱暴な組織ではないというふうに思います。
ただしかし、組織の運用という点を見ますと、手抜かりとか、あるいは欠陥があったというふうに思います。これは昔の検察、昔と言いましても二十年ぐらい前になりますけれども、当時の検察と現在の検察とを比較すれば比較的明らかになるのではないかと思います。
私が司法記者として取材しておりましたときは、元大臣とか経済界の人が逮捕されたというふうなことがありましたけれども、釈放されて、その人たちに取り調べの内容はどうであったかということを聞きますと、極めて紳士的であったというふうな答えが返ってきました。釈放されているわけですから、そういう人たちは検察に別にお世辞を言う必要はないわけです。にもかかわらず、そういうふうな話を記者団の前で話すということは、かなり公正な捜査、取り調べが行われていたのではないかというふうに私は思いました。この点は弁護士から裏づけの取材をしてもそのとおりであって、その当時は極めてフェアな取り調べが行われたというふうな感じを持ったことがあります。
なぜ、そういうふうな紳士的な取り調べが行われたのかと申しますと、戦後の数々の経済事件、それから政界の汚職事件、公安事件を含めてですけれども、無罪になった事件がたくさんあります。そういう無罪になった事件に対して、私が取材していたころの検事たちは、検察の恥だというふうな考え、私たちは決して、私たち、検事自身ですけれども、私たちは決してそういうふうな誤りは犯してはいけない、きちんとした手順を踏んで、きちんとした事件を起訴し、起訴するからには有罪認定を受ける、そういうふうな捜査をするべきだというふうに自覚していたからだと思います。
当時、確かに一部の人で大声を上げて取り調べる検事がいました。これはいましたということがわかるのは、その当時、私は検事たちの取り調べ室に、出入りは禁止されていましたけれども、取り調べが始まる前とか夜になってからひそかに入って雑談をする機会があるわけです。雑談をしていると、ほかの検事が大声を上げているというふうなことを何回か聞いたことがあります。そういうふうなことがありましたけれども、第一線の検事たちはあの人には困ったなというふうな話をしておりました。そのうちに、その検事はどこかに配置がえになっていなくなったというふうなことがあります。
当時の検察庁の指揮官クラスの人には、自白をとらないとかなりひどい調子で検事にハッパをかけるというふうな雰囲気があったことは事実であります。しかし、そうではあっても、一線の検事たちはやはりきちんとした取り調べをするというふうな雰囲気があったと思います。そういうふうな雰囲気があったことで、被疑者や参考人から尊敬あるいは信頼されるというふうな雰囲気ができて、それがその後の有罪に結びつく綿密な捜査をすることに連動したのではないかというふうに思います。
そういうふうな過去があるわけですけれども、では、なぜ、今回一連の事件が起きたのか、一連の暴力事件が相次いだのかということを、これは私の推測と、それから断片的な事実を総合して申し上げたいと思いますけれども、これは本来は法務・検察当局が当然調査しなければならない課題でありますけれども、あえて私は申し上げれば、一つは検事の経験不足があったのではないかというふうに思います。経験不足というのは、事件の摘発に波があったということであります。
日通事件からロッキード事件というのがありました。日本通運事件からロッキード事件を摘発するまで、約八年間のブランクがあります。それから、ロッキード事件からその後の撚糸工連事件までも、これは十年間のブランクがあります。その後、リクルート事件というふうな事件が摘発されておりますけれども、これはすべて検察が独自に捜査したものではなく、マスコミが先行して、捜査を開始したという経過があります。こういうふうな捜査のブランク、つまり検事の取り調べの経験というものが不足した結果、取り調べに自信が持てないのではないか、焦りがあったのではないかというふうな気が私はしております。
それから、検事の不正に対する認識の度合いがあると思います。検事たちは、私が現場で取材していましたころは、やはり我々は正義のため事件を摘発するのだということを言っておりましたけれども、そうした中で適正な手順を踏むのだという意識があったわけですけれども、先ほどお話ししましたような大声を上げるような検事を直ちに配置がえするというふうなことが行われていたわけです。そういうふうなことが行われれば、暴力検事などが出るはずがないと思います。しかし、にもかかわらず、暴力検事が出たということは、我々は正義のために事件を摘発するのだ、部内の多少の気まずいことは余り口に出すのはよそう、そういうふうな雰囲気があったのではないかというふうに思います。
暴力を振るうというふうなことは、わからないはずはないと思います。検事の世界というのは案外情報の世界で、だれが何をやり、だれがどういうふうな考えを持っているのかということは、大体検事同士がわかっているような雰囲気があります。そういうふうなところで暴力検事が出るということは、暴力を振るうような事態になれば大声は出るでしょうし、物音がするはずです。そういうふうなことが検察部内でわからないはずはないと思います。わからないはずがないにもかかわらず、そうしたことが放置され、相次いで三件も暴力事件が起きたということは、そういうものに対して、検事のいわば仲間意識、先ほど申し上げましたように、多少都合の悪いことはもう目をつぶってしまおう、見て見ぬふりをしよう、そういうふうな雰囲気があったからではないかというふうに私は考えております。
それからもう一つは、これは検事の舞い上がりというか、思い上がりというか、そういうふうなものがあったのではないかというふうな感じがいたします。確かに、検事たちは正義のため、政界の腐敗を摘発するという仕事をしているわけです。しかも捜査というのは、これは検事の話ですけれども、とにかく真剣勝負であるというふうなことがあります。そうした中で、捜査が進展しますと、それこそマスコミも全世論もすべてが検事の応援団化するような傾向があります。そういうふうな雰囲気になってきますと、高揚した気分になるのではないかというふうに思います。
高揚した一つの例を申し上げますと、新聞記者との記者会見がありますけれども、その記者会見で、おまえ呼ばわりをしながら新聞記者たちと会見するというふうなことが伝えられております。おまえ呼ばわりというのは、極めて仲のいい間柄ならばいいわけで、別に問題にすることはありませんけれども、そうしたおまえ呼ばわりをするような、それが極めて公式的な会見の席上でそういうふうな非礼かつ思い上がった言い方をするというふうな雰囲気が検察内部に充満していたのではないかというふうに思います。こういうふうなことから考えますと、やはり正義というものと、正義に対する認識、それから使命感、そういうものに対する認識にやや誤りがあったのではないかというふうに私は考えております。
そういうふうなことを踏まえて、さらに批判的な意見を申し述べたいと思いますけれども、汚職事件を摘発するということは大変重要なことであります。しかし、摘発に意義があるのではなくて、裁判で有罪を獲得するというのが法律家である検事の務めであります。最近は、撚糸工連事件で二審で無罪判決が出ております。それから、リクルート事件では一審で無罪判決が出ております。派生的事件で無罪が出るということは往々にしてあり得ることですけれども、中心的な事件で無罪が出るということは、検事にとって極めてゆゆしき事態だと受けとめるべきだと思います。
戦後の非常に乱暴な取り調べをして、乱暴と言うとちょっと語弊がありますけれども、かなりずさんな捜査をしていた戦後の時代と違いまして、綿密な捜査、特に人権を考えながら捜査を完結するということが検察の使命である現在で無罪判決が出るということは、検察にとって大変な痛手であるに違いないと思いますし、そういうふうなことに対して、厳しくみずからを見詰める必要があるのではないかというふうに思います。もちろん、この二つの事件は上級審で係争中でありますから、最終的に結論が出ておりません。あるいは、逆転して有罪になるということもあり得ると思います。けれども、一たんは裁判所、裁判官を説得することができなかった、捜査の結果が失敗したという事実が示されているわけです。
そういうふうなことを考えますと、検察は今ここで自分たちのあり方というものに対して真剣に見詰め直す必要があるのではないかと思います。検察の存在感というのは、威信と国民間の信頼にあると思います。検察の威信、信頼というものは、ただ事件を摘発するということではなく、きちんとした適正な手続に従って法律家としての職分を全うすることだというふうに思います。拍手
この発言だけを見る →私、朝日新聞で司法記者をやっておりまして、定年で退職した後も引き続き検察庁の取材をしております。その経験の上に立って申し上げたいと思います。私、大体趣旨を書いておきましたので、それに従って申し上げたいと思います。
検察の暴力事件が相次ぎまして、一連の事件につきまして、検察は、組織的なものではない、個人の資質の問題だというふうに終始説明されています。そのとおりだと思います。検察が暴力事件を見逃すほどいいかげんな機関ではないと思いますし、それほど乱暴な組織ではないというふうに思います。
ただしかし、組織の運用という点を見ますと、手抜かりとか、あるいは欠陥があったというふうに思います。これは昔の検察、昔と言いましても二十年ぐらい前になりますけれども、当時の検察と現在の検察とを比較すれば比較的明らかになるのではないかと思います。
私が司法記者として取材しておりましたときは、元大臣とか経済界の人が逮捕されたというふうなことがありましたけれども、釈放されて、その人たちに取り調べの内容はどうであったかということを聞きますと、極めて紳士的であったというふうな答えが返ってきました。釈放されているわけですから、そういう人たちは検察に別にお世辞を言う必要はないわけです。にもかかわらず、そういうふうな話を記者団の前で話すということは、かなり公正な捜査、取り調べが行われていたのではないかというふうに私は思いました。この点は弁護士から裏づけの取材をしてもそのとおりであって、その当時は極めてフェアな取り調べが行われたというふうな感じを持ったことがあります。
なぜ、そういうふうな紳士的な取り調べが行われたのかと申しますと、戦後の数々の経済事件、それから政界の汚職事件、公安事件を含めてですけれども、無罪になった事件がたくさんあります。そういう無罪になった事件に対して、私が取材していたころの検事たちは、検察の恥だというふうな考え、私たちは決して、私たち、検事自身ですけれども、私たちは決してそういうふうな誤りは犯してはいけない、きちんとした手順を踏んで、きちんとした事件を起訴し、起訴するからには有罪認定を受ける、そういうふうな捜査をするべきだというふうに自覚していたからだと思います。
当時、確かに一部の人で大声を上げて取り調べる検事がいました。これはいましたということがわかるのは、その当時、私は検事たちの取り調べ室に、出入りは禁止されていましたけれども、取り調べが始まる前とか夜になってからひそかに入って雑談をする機会があるわけです。雑談をしていると、ほかの検事が大声を上げているというふうなことを何回か聞いたことがあります。そういうふうなことがありましたけれども、第一線の検事たちはあの人には困ったなというふうな話をしておりました。そのうちに、その検事はどこかに配置がえになっていなくなったというふうなことがあります。
当時の検察庁の指揮官クラスの人には、自白をとらないとかなりひどい調子で検事にハッパをかけるというふうな雰囲気があったことは事実であります。しかし、そうではあっても、一線の検事たちはやはりきちんとした取り調べをするというふうな雰囲気があったと思います。そういうふうな雰囲気があったことで、被疑者や参考人から尊敬あるいは信頼されるというふうな雰囲気ができて、それがその後の有罪に結びつく綿密な捜査をすることに連動したのではないかというふうに思います。
そういうふうな過去があるわけですけれども、では、なぜ、今回一連の事件が起きたのか、一連の暴力事件が相次いだのかということを、これは私の推測と、それから断片的な事実を総合して申し上げたいと思いますけれども、これは本来は法務・検察当局が当然調査しなければならない課題でありますけれども、あえて私は申し上げれば、一つは検事の経験不足があったのではないかというふうに思います。経験不足というのは、事件の摘発に波があったということであります。
日通事件からロッキード事件というのがありました。日本通運事件からロッキード事件を摘発するまで、約八年間のブランクがあります。それから、ロッキード事件からその後の撚糸工連事件までも、これは十年間のブランクがあります。その後、リクルート事件というふうな事件が摘発されておりますけれども、これはすべて検察が独自に捜査したものではなく、マスコミが先行して、捜査を開始したという経過があります。こういうふうな捜査のブランク、つまり検事の取り調べの経験というものが不足した結果、取り調べに自信が持てないのではないか、焦りがあったのではないかというふうな気が私はしております。
それから、検事の不正に対する認識の度合いがあると思います。検事たちは、私が現場で取材していましたころは、やはり我々は正義のため事件を摘発するのだということを言っておりましたけれども、そうした中で適正な手順を踏むのだという意識があったわけですけれども、先ほどお話ししましたような大声を上げるような検事を直ちに配置がえするというふうなことが行われていたわけです。そういうふうなことが行われれば、暴力検事などが出るはずがないと思います。しかし、にもかかわらず、暴力検事が出たということは、我々は正義のために事件を摘発するのだ、部内の多少の気まずいことは余り口に出すのはよそう、そういうふうな雰囲気があったのではないかというふうに思います。
暴力を振るうというふうなことは、わからないはずはないと思います。検事の世界というのは案外情報の世界で、だれが何をやり、だれがどういうふうな考えを持っているのかということは、大体検事同士がわかっているような雰囲気があります。そういうふうなところで暴力検事が出るということは、暴力を振るうような事態になれば大声は出るでしょうし、物音がするはずです。そういうふうなことが検察部内でわからないはずはないと思います。わからないはずがないにもかかわらず、そうしたことが放置され、相次いで三件も暴力事件が起きたということは、そういうものに対して、検事のいわば仲間意識、先ほど申し上げましたように、多少都合の悪いことはもう目をつぶってしまおう、見て見ぬふりをしよう、そういうふうな雰囲気があったからではないかというふうに私は考えております。
それからもう一つは、これは検事の舞い上がりというか、思い上がりというか、そういうふうなものがあったのではないかというふうな感じがいたします。確かに、検事たちは正義のため、政界の腐敗を摘発するという仕事をしているわけです。しかも捜査というのは、これは検事の話ですけれども、とにかく真剣勝負であるというふうなことがあります。そうした中で、捜査が進展しますと、それこそマスコミも全世論もすべてが検事の応援団化するような傾向があります。そういうふうな雰囲気になってきますと、高揚した気分になるのではないかというふうに思います。
高揚した一つの例を申し上げますと、新聞記者との記者会見がありますけれども、その記者会見で、おまえ呼ばわりをしながら新聞記者たちと会見するというふうなことが伝えられております。おまえ呼ばわりというのは、極めて仲のいい間柄ならばいいわけで、別に問題にすることはありませんけれども、そうしたおまえ呼ばわりをするような、それが極めて公式的な会見の席上でそういうふうな非礼かつ思い上がった言い方をするというふうな雰囲気が検察内部に充満していたのではないかというふうに思います。こういうふうなことから考えますと、やはり正義というものと、正義に対する認識、それから使命感、そういうものに対する認識にやや誤りがあったのではないかというふうに私は考えております。
そういうふうなことを踏まえて、さらに批判的な意見を申し述べたいと思いますけれども、汚職事件を摘発するということは大変重要なことであります。しかし、摘発に意義があるのではなくて、裁判で有罪を獲得するというのが法律家である検事の務めであります。最近は、撚糸工連事件で二審で無罪判決が出ております。それから、リクルート事件では一審で無罪判決が出ております。派生的事件で無罪が出るということは往々にしてあり得ることですけれども、中心的な事件で無罪が出るということは、検事にとって極めてゆゆしき事態だと受けとめるべきだと思います。
戦後の非常に乱暴な取り調べをして、乱暴と言うとちょっと語弊がありますけれども、かなりずさんな捜査をしていた戦後の時代と違いまして、綿密な捜査、特に人権を考えながら捜査を完結するということが検察の使命である現在で無罪判決が出るということは、検察にとって大変な痛手であるに違いないと思いますし、そういうふうなことに対して、厳しくみずからを見詰める必要があるのではないかというふうに思います。もちろん、この二つの事件は上級審で係争中でありますから、最終的に結論が出ておりません。あるいは、逆転して有罪になるということもあり得ると思います。けれども、一たんは裁判所、裁判官を説得することができなかった、捜査の結果が失敗したという事実が示されているわけです。
そういうふうなことを考えますと、検察は今ここで自分たちのあり方というものに対して真剣に見詰め直す必要があるのではないかと思います。検察の存在感というのは、威信と国民間の信頼にあると思います。検察の威信、信頼というものは、ただ事件を摘発するということではなく、きちんとした適正な手続に従って法律家としての職分を全うすることだというふうに思います。拍手
金
稲
稲田寛#8
○稲田参考人 日本弁護士連合会の事務総長、稲田寛でございます。参考人ということではございますが、弁護士会の立場としまして、今回の綱紀粛正の問題を厳粛に受けとめ、日弁連としての決意を中心に申し述べさせていただきたいと思います。
初めに、最近の相次ぐ弁護士非行、不祥事によって、国民の皆さんの弁護士に対する信頼並びに期待を裏切り、また、多くの関係者の皆様方に御心配をおかけしておりますことにつきまして、心からおわびを申し上げます。
日弁連土屋公敵会長を初め執行部は、このような事態を深刻に受けとめ、去る十月十二日、土屋会長は副会長でもある佐伯弘東弁会長ともども記者会見を行い、市民の皆さんに深くおわびするとともに、全国会員を招集し、自粛を促し、自戒を誓い合う決議を行いたい旨を表明いたしました。
これを受けた日弁連理事会は、十一月十五日、相次ぐ弁護士の不祥事は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士の倫理に著しく背くもので、極めて遺憾であり、国民に対し深くおわびするとともに、綱紀・懲戒手続をさらに厳正かつ迅速に遂行するとともに、弁護士倫理の高揚と不祥事の再発防止に一層の努力をする旨を誓い合う決議をいたしました。次いで十一月二十二日、日弁連総会におきまして、全会員により同趣旨の決議をいたしました。
また、日弁連は、理事会決議に先立ちまして、全国各単位会に対しこの決議に賛同する旨の組織的決定を要請し、例えば東京弁護士会におきましては、十一月七日、常議員会におきまして同種の決議を行い、さらに十二月一日には総会決議を行う予定となっております。
加えて、日弁連執行部は、不祥事の再発防止策の徹底強化のため、綱紀委員会に対し、弁護士綱紀の粛正のために日弁連が今後とるべき方策を早急に検討し、答申するよう求めております。また、既に行ってきている各弁護士会等による弁護士倫理研修、新人研修の充実強化とともに、特に倫理研修の義務化を検討するよう名会に要請いたしております。
今回、相次ぎ逮捕または告発され、本年九月から十月にかけて報道をされました四人の弁護士につきまして検討いたしますと、先ほど参考人の鈴木先生のお話にもありましたが、その罪名等は横領二、脱税二となっておりますところ、その非行の行われた期間はいずれも一九九〇年から一九九二年にかけてのことであり、またその対象とされている金額が億単位に上っている点に共通点が見出されるものであります。しかも横領の契機が、不動産や株式等に多額の投資をした上へ回収不能となり負債に追われた結果であったり、株式投資で得た莫大な所得隠しであったり、マスコミにも報道されましたように、弁護士自身がバブルに巻き込まれ、非行にまで及んだと言わざるを得ない事例であります。
従来の懲戒処分の理由として典型的なものは、弁護士の職務解怠や受任権限の逸脱といった事例や双方代理等の禁止違反といった職務一般に関する規律違反を理由とするものが比較的多く、また横領事例でありましても、今回のごとき多額の事案は極めてまれでございました。
しかし、一部の事例にせよ、バブルの影響であるとして看過し得ない点は、本来、バブルに翻弄され、事件に巻き込まれたり破産状態に陥った人たちの相談相手であるべき弁護士が、プロフェッションとしての自覚を忘れ、金銭感覚に麻痺し、みずから金銭のみを追い求め、弁護士としての倫理感覚が欠落していたものと言わざるを得ない点にあります。こうした事態を踏まえまして、当該会員に対し、所属弁護士会において除名という最も厳しい懲戒処分に付したことはもとよりでございますが、日弁連としましては、既に申し上げましたように、全会員に対し、弁護士倫理の高揚を訴え、改めて弁護士としての自覚を促し、会員もまたこれにこたえようと誓っているものであります。
日弁連並びに各弁護士会において今日まで取り組んでまいりました弁護士非行の防止策を大別いたしますと、一つは非行の一般的予防ということであり、二つ目には非行の早期発見とその対応でございます。そして三つ目に、懲戒請求事件の厳正迅速処理ということに類型化できるかと思います。
まず、弁護士としての品性と教養を保持するとともに、非行の一般的予防の見地からも、日弁連として長年にわたり取り組んできましたのは、会員教育としての研修制度の継続的実施と弁護士倫理研修の充実強化ということであります。
日弁連は、一九九〇年三月総会におきまして三十五年ぶりに弁護士倫理全文を改定し、これを会員に周知徹底するため、事例設問式の研修教材である「事例集・弁護士倫理」を発行したり、あるいは「弁護士倫理研修マニュアル」を編集し、さらには、現在では「注釈弁護士倫理」を編さん中であり、近々発刊の予定になっております。
こうした倫理研修の一層の強化徹底策の一つといたしまして、日弁連は、このたび各弁護士会に対し、新人研修の義務化とともに全会員に対する弁護士倫理研修の義務化を呼びかけたわけでございます。
また、今後の課題といたしましては、倫理規定にとどまらず、業務規準の明瞭化や執務体制の正常化についても関連委員会等で検討の上、会員の業務処理に当たってのきめ細かい指導要領を策定し、会員の非行予防に役立てていく方針であります。
他方、残念ながら生じてしまった非行事例につきましては、その事案の内容を公表することによって他の会員の戒めとし、同種事例を防止するために、一九九一年十月より、懲戒処分があったときはそのすべてを日弁連の機関誌である「自由と正義」に理由を付して掲載し、事案によってはこれを記者会見等で発表いたしております。
非行の早期発見に努めることも、非行を未然に防止するとともに、大きな事件や継続的事件を誘発させないために重要であると認識し、日弁連としましては、名会に対し、会員が非行に及ぶおそれがある場合は弁護士会は積極的に指導に当たらなければならないとし、そのために非行の予防ないし早期発見に努めることを事務局職員に周知徹底するよう求めております。
その具体的な対策の一つとして、市民の人たちから寄せられる会員に対する苦情処理の強化とその迅速な処理ということが挙げられます。去る九月三十日、札幌で行われました司法シンポジウムでも、市民の相談窓口の設置推進が検討され、席上、福岡県弁護士会で積極的に市民の苦情受け付けを行いましたところ、苦情申し立ては大変増加したけれども、紛議、懲戒の申し立てがなくなったという例が報告されております。
日弁連が全国の弁護士会職員を集めて毎年行っております職員研修におきましても、今年度は苦情処理についての事務局体制の整備を検討いたしております。
今後弁護士会におきましては、むしろ市民の人たちに対する広報などにおいて、苦情受け付けや紛議の調停を弁護士会が積極的に行っていることを呼びかけ、苦情相談を広く取り上げ、その迅速な処理をしていくことにより、会員の非行のおそれがあれば未然に防止し、また非行を早期に発見すること及び適切迅速な処理を会としても指導し、解決を図ることに努めなければならないと考えております。
また、会員が弁護士業務や私生活の面で適切な助言を必要とする場合に、相談に応じ得る会の体制のあり方の検討も今後の課題の一つであろうと思っております。
こうした取り組みにもかかわらず、残念ながら非行を行った会員に対する懲戒処分の厳正迅速な適用は、自治団体としての日弁連並びに各弁護士会にとってみずからに課せられた責務であります。
日弁連としましては、綱紀委員会を中心に会員の綱紀粛正のための諸施策を検討しておりますが、各弁護士会の綱紀委員会に対しては、綱紀委員会の調査期間を原則として六カ月以内とすることの日弁連指針を示し、この指針は名会においても会則化するように指導しております。また、懲戒処分に関しましては、既に述べましたように公表制度が採用されておりますが、加えて業務停止処分の執行強化を図ったり、あるいはさらに懲戒委員会の審査を原則として一年以内に行うよう迅速指針を示しておりますのも、綱紀・懲戒手続の適正迅速化の一環であります。
日弁連におきましては、各弁護士会の綱紀委員長を集めて定期的に協議会を行っておりますが、たまたま本年度協議会はきのうからきょうにかけて日弁連で開催されております。そこでは弁護士会による苦情処理と綱紀保持についてであるとか、懲戒請求事件の適正迅速な処理についてといった協議事項が検討されております。
私どもは、数年来、市民のための司法改革を提唱し、そのためにも自己改革の必要性があることを訴えてまいりました。私どもの提唱している司法改革も、市民の人たちの信頼を得てこそ初めて実現し得るものであります。
また、弁護士の人権擁護と社会正義の実現という使命遂行のために、弁護士会に与えられている弁護士自治をみずからの責任において維持するためには、弁護士一人一人がその責務の重要性を改めて認識し、今までにも増してみずからの行動を厳しく律していかなければならないと痛感いたしております。そのためには、弁護士倫理研修や会員の継続的研修の一層の強化もさることながら、弁護士会会務への積極的参加と会務を通じての公的使命の自覚の高揚が何よりも大切であろうと考えております。
刑事当番弁護士や法律相談事業あるいは法律扶助などの弁護士活動を一層推し進め、活性化することによって、市民の人たちの信頼を回復させ、弁護士に対する信用の維持増大に努めなければならないことを大半の弁護士は自覚し、公的活動に積極的に取り組んでおりますことをどうか御理解いただきたいと申し上げまして、私の陳述を終わらせていただきます。
ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →初めに、最近の相次ぐ弁護士非行、不祥事によって、国民の皆さんの弁護士に対する信頼並びに期待を裏切り、また、多くの関係者の皆様方に御心配をおかけしておりますことにつきまして、心からおわびを申し上げます。
日弁連土屋公敵会長を初め執行部は、このような事態を深刻に受けとめ、去る十月十二日、土屋会長は副会長でもある佐伯弘東弁会長ともども記者会見を行い、市民の皆さんに深くおわびするとともに、全国会員を招集し、自粛を促し、自戒を誓い合う決議を行いたい旨を表明いたしました。
これを受けた日弁連理事会は、十一月十五日、相次ぐ弁護士の不祥事は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士の倫理に著しく背くもので、極めて遺憾であり、国民に対し深くおわびするとともに、綱紀・懲戒手続をさらに厳正かつ迅速に遂行するとともに、弁護士倫理の高揚と不祥事の再発防止に一層の努力をする旨を誓い合う決議をいたしました。次いで十一月二十二日、日弁連総会におきまして、全会員により同趣旨の決議をいたしました。
また、日弁連は、理事会決議に先立ちまして、全国各単位会に対しこの決議に賛同する旨の組織的決定を要請し、例えば東京弁護士会におきましては、十一月七日、常議員会におきまして同種の決議を行い、さらに十二月一日には総会決議を行う予定となっております。
加えて、日弁連執行部は、不祥事の再発防止策の徹底強化のため、綱紀委員会に対し、弁護士綱紀の粛正のために日弁連が今後とるべき方策を早急に検討し、答申するよう求めております。また、既に行ってきている各弁護士会等による弁護士倫理研修、新人研修の充実強化とともに、特に倫理研修の義務化を検討するよう名会に要請いたしております。
今回、相次ぎ逮捕または告発され、本年九月から十月にかけて報道をされました四人の弁護士につきまして検討いたしますと、先ほど参考人の鈴木先生のお話にもありましたが、その罪名等は横領二、脱税二となっておりますところ、その非行の行われた期間はいずれも一九九〇年から一九九二年にかけてのことであり、またその対象とされている金額が億単位に上っている点に共通点が見出されるものであります。しかも横領の契機が、不動産や株式等に多額の投資をした上へ回収不能となり負債に追われた結果であったり、株式投資で得た莫大な所得隠しであったり、マスコミにも報道されましたように、弁護士自身がバブルに巻き込まれ、非行にまで及んだと言わざるを得ない事例であります。
従来の懲戒処分の理由として典型的なものは、弁護士の職務解怠や受任権限の逸脱といった事例や双方代理等の禁止違反といった職務一般に関する規律違反を理由とするものが比較的多く、また横領事例でありましても、今回のごとき多額の事案は極めてまれでございました。
しかし、一部の事例にせよ、バブルの影響であるとして看過し得ない点は、本来、バブルに翻弄され、事件に巻き込まれたり破産状態に陥った人たちの相談相手であるべき弁護士が、プロフェッションとしての自覚を忘れ、金銭感覚に麻痺し、みずから金銭のみを追い求め、弁護士としての倫理感覚が欠落していたものと言わざるを得ない点にあります。こうした事態を踏まえまして、当該会員に対し、所属弁護士会において除名という最も厳しい懲戒処分に付したことはもとよりでございますが、日弁連としましては、既に申し上げましたように、全会員に対し、弁護士倫理の高揚を訴え、改めて弁護士としての自覚を促し、会員もまたこれにこたえようと誓っているものであります。
日弁連並びに各弁護士会において今日まで取り組んでまいりました弁護士非行の防止策を大別いたしますと、一つは非行の一般的予防ということであり、二つ目には非行の早期発見とその対応でございます。そして三つ目に、懲戒請求事件の厳正迅速処理ということに類型化できるかと思います。
まず、弁護士としての品性と教養を保持するとともに、非行の一般的予防の見地からも、日弁連として長年にわたり取り組んできましたのは、会員教育としての研修制度の継続的実施と弁護士倫理研修の充実強化ということであります。
日弁連は、一九九〇年三月総会におきまして三十五年ぶりに弁護士倫理全文を改定し、これを会員に周知徹底するため、事例設問式の研修教材である「事例集・弁護士倫理」を発行したり、あるいは「弁護士倫理研修マニュアル」を編集し、さらには、現在では「注釈弁護士倫理」を編さん中であり、近々発刊の予定になっております。
こうした倫理研修の一層の強化徹底策の一つといたしまして、日弁連は、このたび各弁護士会に対し、新人研修の義務化とともに全会員に対する弁護士倫理研修の義務化を呼びかけたわけでございます。
また、今後の課題といたしましては、倫理規定にとどまらず、業務規準の明瞭化や執務体制の正常化についても関連委員会等で検討の上、会員の業務処理に当たってのきめ細かい指導要領を策定し、会員の非行予防に役立てていく方針であります。
他方、残念ながら生じてしまった非行事例につきましては、その事案の内容を公表することによって他の会員の戒めとし、同種事例を防止するために、一九九一年十月より、懲戒処分があったときはそのすべてを日弁連の機関誌である「自由と正義」に理由を付して掲載し、事案によってはこれを記者会見等で発表いたしております。
非行の早期発見に努めることも、非行を未然に防止するとともに、大きな事件や継続的事件を誘発させないために重要であると認識し、日弁連としましては、名会に対し、会員が非行に及ぶおそれがある場合は弁護士会は積極的に指導に当たらなければならないとし、そのために非行の予防ないし早期発見に努めることを事務局職員に周知徹底するよう求めております。
その具体的な対策の一つとして、市民の人たちから寄せられる会員に対する苦情処理の強化とその迅速な処理ということが挙げられます。去る九月三十日、札幌で行われました司法シンポジウムでも、市民の相談窓口の設置推進が検討され、席上、福岡県弁護士会で積極的に市民の苦情受け付けを行いましたところ、苦情申し立ては大変増加したけれども、紛議、懲戒の申し立てがなくなったという例が報告されております。
日弁連が全国の弁護士会職員を集めて毎年行っております職員研修におきましても、今年度は苦情処理についての事務局体制の整備を検討いたしております。
今後弁護士会におきましては、むしろ市民の人たちに対する広報などにおいて、苦情受け付けや紛議の調停を弁護士会が積極的に行っていることを呼びかけ、苦情相談を広く取り上げ、その迅速な処理をしていくことにより、会員の非行のおそれがあれば未然に防止し、また非行を早期に発見すること及び適切迅速な処理を会としても指導し、解決を図ることに努めなければならないと考えております。
また、会員が弁護士業務や私生活の面で適切な助言を必要とする場合に、相談に応じ得る会の体制のあり方の検討も今後の課題の一つであろうと思っております。
こうした取り組みにもかかわらず、残念ながら非行を行った会員に対する懲戒処分の厳正迅速な適用は、自治団体としての日弁連並びに各弁護士会にとってみずからに課せられた責務であります。
日弁連としましては、綱紀委員会を中心に会員の綱紀粛正のための諸施策を検討しておりますが、各弁護士会の綱紀委員会に対しては、綱紀委員会の調査期間を原則として六カ月以内とすることの日弁連指針を示し、この指針は名会においても会則化するように指導しております。また、懲戒処分に関しましては、既に述べましたように公表制度が採用されておりますが、加えて業務停止処分の執行強化を図ったり、あるいはさらに懲戒委員会の審査を原則として一年以内に行うよう迅速指針を示しておりますのも、綱紀・懲戒手続の適正迅速化の一環であります。
日弁連におきましては、各弁護士会の綱紀委員長を集めて定期的に協議会を行っておりますが、たまたま本年度協議会はきのうからきょうにかけて日弁連で開催されております。そこでは弁護士会による苦情処理と綱紀保持についてであるとか、懲戒請求事件の適正迅速な処理についてといった協議事項が検討されております。
私どもは、数年来、市民のための司法改革を提唱し、そのためにも自己改革の必要性があることを訴えてまいりました。私どもの提唱している司法改革も、市民の人たちの信頼を得てこそ初めて実現し得るものであります。
また、弁護士の人権擁護と社会正義の実現という使命遂行のために、弁護士会に与えられている弁護士自治をみずからの責任において維持するためには、弁護士一人一人がその責務の重要性を改めて認識し、今までにも増してみずからの行動を厳しく律していかなければならないと痛感いたしております。そのためには、弁護士倫理研修や会員の継続的研修の一層の強化もさることながら、弁護士会会務への積極的参加と会務を通じての公的使命の自覚の高揚が何よりも大切であろうと考えております。
刑事当番弁護士や法律相談事業あるいは法律扶助などの弁護士活動を一層推し進め、活性化することによって、市民の人たちの信頼を回復させ、弁護士に対する信用の維持増大に努めなければならないことを大半の弁護士は自覚し、公的活動に積極的に取り組んでおりますことをどうか御理解いただきたいと申し上げまして、私の陳述を終わらせていただきます。
ありがとうございました。拍手
金
金
金子原二郎#10
○金子委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
質疑者にあらかじめ申し上げますが、質疑の際は、まず質疑する参考人のお名前を御指名願います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斉藤斗志二君。
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質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斉藤斗志二君。
斉
斉藤斗志二#11
○斉藤(斗)委員 本日は、参考人の御三方には御多忙の中、国会へお越しくださいまして、貴重な御意見を伺わせていただきましたことをまずもって御礼を申し上げます。
私の持ち時間はわずか五分しかないので、質問を絞って行いたいというふうに思います。
最近の法曹界は乱れているという国民の声があるわけでございます。不祥事が多発し、国民からの信頼が著しく低下している、こういう状況では大変けしからぬ事態だなというふうに思っているわけでございます。法を守るべき人、また法の番人であるべき人が法を犯し、悪事を働くということは許されないことだと思います。
そこで、まず初めに鈴木参考人にお尋ねをいたしたいというふうに思います。
教授は「弁護士懲戒手続の審判対象」という論文を著されるなど、ちょうどきょうお持ちしたのでありますけれども、弁護士会の綱紀委員会、懲戒委員会等についても見識が大変深くていらっしゃるわけでございます。そこで、弁護士会及び日弁連の懲戒制度及び現在の運営につきまして、ただいまのお話では機能していないという御指摘だったというふうに思うわけでございますが、その後を受けまして日弁連の稲田さんの方からも、今後の日弁連としての対応として幾つか具体的な例示が挙げられたわけでございます。鈴木参考人には、特に具体的に弁護士会による法律相談所のコーナーに弁護士一一〇番というようなものを設けたらどうかとか、このような具体的な御提案をされておられますが、先ほどの稲田参考人の対応では私はまだまだ不十分だと思うのでありますが、その点、さらなる御意見をお伺いしたいと思います。
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最近の法曹界は乱れているという国民の声があるわけでございます。不祥事が多発し、国民からの信頼が著しく低下している、こういう状況では大変けしからぬ事態だなというふうに思っているわけでございます。法を守るべき人、また法の番人であるべき人が法を犯し、悪事を働くということは許されないことだと思います。
そこで、まず初めに鈴木参考人にお尋ねをいたしたいというふうに思います。
教授は「弁護士懲戒手続の審判対象」という論文を著されるなど、ちょうどきょうお持ちしたのでありますけれども、弁護士会の綱紀委員会、懲戒委員会等についても見識が大変深くていらっしゃるわけでございます。そこで、弁護士会及び日弁連の懲戒制度及び現在の運営につきまして、ただいまのお話では機能していないという御指摘だったというふうに思うわけでございますが、その後を受けまして日弁連の稲田さんの方からも、今後の日弁連としての対応として幾つか具体的な例示が挙げられたわけでございます。鈴木参考人には、特に具体的に弁護士会による法律相談所のコーナーに弁護士一一〇番というようなものを設けたらどうかとか、このような具体的な御提案をされておられますが、先ほどの稲田参考人の対応では私はまだまだ不十分だと思うのでありますが、その点、さらなる御意見をお伺いしたいと思います。
鈴
鈴木重勝#12
○鈴木参考人 稲田さんの話を聞きまして、一方、大変心強いと思うのでありますけれども、大体今までの私の印象だと、会長が変わりますと、まず一番先に会員の綱紀粛正ということを強調するのであります。毎度期待するのでありますけれども、今度は恐らく期待外れがないだろうというふうに考えております。
先ほどの苦情処理、実は札幌と福岡の実情を私はよく知りませんけれども、少なくとも東京とか関西の方にはそういう弁護士の非行による苦情処理、そういう専門的なコーナーを設けてほしいということでございます。
それから、今質問のあったことでございますけれども、私が一番不満なのは、綱紀委員会しかないことですね。弁護士会は会でありますから、委員会で動くしかないわけでありますけれども、その委員会は、弁護士会の中で綱紀粛正を担当するのは綱紀委員会しかない。ところが、その綱紀委員会にできる限り探索とか、先ほど稲田さんの方から事前に早期発見ということを言われました。何か新聞にもちょっと出ていましたけれども、果たして今の体制のままで、どの弁護士会でも早期発見するように指示しても、果たしてそう動くかどうか。つまり、警察のような探索はもうやらぬのだということを大変強調されておりますので、それがどういうふうにできるのか、本当も言うとちょっと戸惑っております。
それだけではなくて、綱紀委員会で審査、調査中に別な事件が発見できる、これも取り上げることはできないのですね。第二弁護士会はこれを取り上げることができるように仕組みをしておりますけれども、ほかのところはなかなかそうはいかない。それで、早い話が刑事訴訟法ですと訴因を追加するとか変更するとかということができますし、民事訴訟法でも訴えを変更したり追加して審判対象をどんどん拡大したり変更したりできるのでありますけれども、この懲戒手続の場合はどういうふうに発見ができたとしてもそれは見送られなければならない。
しかも、私が一番不満なのは、大体懲戒にかかってくるまでにかなり時間がたっておりますけれども、三年たちますと除斥期間で、もはや未来永劫それが懲戒されることがないのですね。ですから、幾つかはこれはもう既に除斥になっておるということで、審査対象から外されるということがこれまでたびたびございました。
ですから、いわんや、これから、わかったところで会長に報告しろということになっておりますけれども、会長が一体どういう手続をとるのか、私ども、今まで会長に報告した経験は一度もないのでありまして、委員長に向かって会長に報告するかと言っても、いや、そのつもりはないと。多分そうだろうと思いますけれども、仮に会長に報告したとしても、それが一体どういう手続でどういうふうにもう一度かかってくるのか、それとも私どものところへ来るのか、その辺の保証も全くない。それが三年経過したらもはや懲戒にかからないという、そういうような構造的な仕組みのまずさというのもあるのじゃないか。この辺でほくそ笑んでいる人もいるのじゃないかと。
だけれども、二言目には、それに対する反論としては被懲戒弁護士の防御権の確保が必要だということを。だから、そんなにやたらめったら、途中で見つけてもそれを連れてきて審査するわけにいかないと言うけれども、私どもが考えますに、その防御権を十分保証してやれば一向に差し支えない。というのは、本人が一番よく知っているわけでありますから、その非行を犯したのは本人でありますので、それに十分な防御権を与えてやれば、私どもの審査対象とすることは一向に差し支えないだろうというふうに私は思っております。
そればかりではなくて、なかなか出てこないのでありまして、大変苦労するのが、懲戒委員会は大抵主査という者がおりまして、その主査の人が大変丹念に対応するのでありますけれども、なかなかうまく折り合いがつかない。先ほど稲田さんの方から一年以内にというのも、本当にやってくれれば大変いいことだなと思いましたけれども、どうしてもやはり二年過ぎることもあるのですね。そのうちだんだん懲戒委員会の方も、何となくムードでもって、懲戒するのほかわいそうだということも出てくるのでありますけれども、それはもう大変よくわかるのであります。
そこでもって、もっと本当に集中的にできるようにするには、本人に、被懲戒弁護士に協力させるような仕組みもつくる。そして確かに、出てこなければそれも一つの懲戒事由でありますけれども、それも厳正に懲戒事由として科懲するということを厳しく日弁連の方から達していただければ、懲戒委員会の方から達していただければそれなりの動き方があるだろう。
私はどうも、もう一度日弁連の方で懲戒手続それ自体を根本的に検討する必要はあるだろうと思います。そのときに、できれば私ども外部の者も参加させてもらえないか。もちろん弁護士自治でありますから外部の者はだめだということなのでしょうけれども、どうも今までのところは隔靴掻痒の感がございまして、もうちょっと意見を反映させてもらえないかというふうに思っております。
お答えになったかどうかちょっとわからないのですが、済みませんでした。
この発言だけを見る →先ほどの苦情処理、実は札幌と福岡の実情を私はよく知りませんけれども、少なくとも東京とか関西の方にはそういう弁護士の非行による苦情処理、そういう専門的なコーナーを設けてほしいということでございます。
それから、今質問のあったことでございますけれども、私が一番不満なのは、綱紀委員会しかないことですね。弁護士会は会でありますから、委員会で動くしかないわけでありますけれども、その委員会は、弁護士会の中で綱紀粛正を担当するのは綱紀委員会しかない。ところが、その綱紀委員会にできる限り探索とか、先ほど稲田さんの方から事前に早期発見ということを言われました。何か新聞にもちょっと出ていましたけれども、果たして今の体制のままで、どの弁護士会でも早期発見するように指示しても、果たしてそう動くかどうか。つまり、警察のような探索はもうやらぬのだということを大変強調されておりますので、それがどういうふうにできるのか、本当も言うとちょっと戸惑っております。
それだけではなくて、綱紀委員会で審査、調査中に別な事件が発見できる、これも取り上げることはできないのですね。第二弁護士会はこれを取り上げることができるように仕組みをしておりますけれども、ほかのところはなかなかそうはいかない。それで、早い話が刑事訴訟法ですと訴因を追加するとか変更するとかということができますし、民事訴訟法でも訴えを変更したり追加して審判対象をどんどん拡大したり変更したりできるのでありますけれども、この懲戒手続の場合はどういうふうに発見ができたとしてもそれは見送られなければならない。
しかも、私が一番不満なのは、大体懲戒にかかってくるまでにかなり時間がたっておりますけれども、三年たちますと除斥期間で、もはや未来永劫それが懲戒されることがないのですね。ですから、幾つかはこれはもう既に除斥になっておるということで、審査対象から外されるということがこれまでたびたびございました。
ですから、いわんや、これから、わかったところで会長に報告しろということになっておりますけれども、会長が一体どういう手続をとるのか、私ども、今まで会長に報告した経験は一度もないのでありまして、委員長に向かって会長に報告するかと言っても、いや、そのつもりはないと。多分そうだろうと思いますけれども、仮に会長に報告したとしても、それが一体どういう手続でどういうふうにもう一度かかってくるのか、それとも私どものところへ来るのか、その辺の保証も全くない。それが三年経過したらもはや懲戒にかからないという、そういうような構造的な仕組みのまずさというのもあるのじゃないか。この辺でほくそ笑んでいる人もいるのじゃないかと。
だけれども、二言目には、それに対する反論としては被懲戒弁護士の防御権の確保が必要だということを。だから、そんなにやたらめったら、途中で見つけてもそれを連れてきて審査するわけにいかないと言うけれども、私どもが考えますに、その防御権を十分保証してやれば一向に差し支えない。というのは、本人が一番よく知っているわけでありますから、その非行を犯したのは本人でありますので、それに十分な防御権を与えてやれば、私どもの審査対象とすることは一向に差し支えないだろうというふうに私は思っております。
そればかりではなくて、なかなか出てこないのでありまして、大変苦労するのが、懲戒委員会は大抵主査という者がおりまして、その主査の人が大変丹念に対応するのでありますけれども、なかなかうまく折り合いがつかない。先ほど稲田さんの方から一年以内にというのも、本当にやってくれれば大変いいことだなと思いましたけれども、どうしてもやはり二年過ぎることもあるのですね。そのうちだんだん懲戒委員会の方も、何となくムードでもって、懲戒するのほかわいそうだということも出てくるのでありますけれども、それはもう大変よくわかるのであります。
そこでもって、もっと本当に集中的にできるようにするには、本人に、被懲戒弁護士に協力させるような仕組みもつくる。そして確かに、出てこなければそれも一つの懲戒事由でありますけれども、それも厳正に懲戒事由として科懲するということを厳しく日弁連の方から達していただければ、懲戒委員会の方から達していただければそれなりの動き方があるだろう。
私はどうも、もう一度日弁連の方で懲戒手続それ自体を根本的に検討する必要はあるだろうと思います。そのときに、できれば私ども外部の者も参加させてもらえないか。もちろん弁護士自治でありますから外部の者はだめだということなのでしょうけれども、どうも今までのところは隔靴掻痒の感がございまして、もうちょっと意見を反映させてもらえないかというふうに思っております。
お答えになったかどうかちょっとわからないのですが、済みませんでした。
斉
金
坂
坂上富男#15
○坂上委員 参考人の先生方、大変御苦労さまでございます。
二、三点御質問させていただきますが、私の質問時間十五分でございますので、簡略で結構でございますので、問題点だけ指摘をいたしますのでお答えをいただきたい、こう思っておるわけであります。
私は、検事の不祥事件、そしてまた弁護士の不祥事件、いわゆる司法の両翼を担う大事な当事者なのですね。まさに日本の司法制度が始まって以来の不祥事じゃないか。と申し上げまするのは、検事総長が法務大臣から厳重な注意を受ける、それから日弁連の会長さんが国民の前におわびをしなければならぬ、こういう事態でございまして、事はやはり私は大変深刻な問題だろうと思って、この委員会の任務も大変重要なのじゃなかろうか、こう思って先生方にお聞きをいたすわけでございます。
まず、弁護士会の方としては、今鈴木先生のおっしゃいましたことに少し補足があるんじゃございませんか。あったら一言どうぞ、言っていただくなら結構ですよ。
この発言だけを見る →二、三点御質問させていただきますが、私の質問時間十五分でございますので、簡略で結構でございますので、問題点だけ指摘をいたしますのでお答えをいただきたい、こう思っておるわけであります。
私は、検事の不祥事件、そしてまた弁護士の不祥事件、いわゆる司法の両翼を担う大事な当事者なのですね。まさに日本の司法制度が始まって以来の不祥事じゃないか。と申し上げまするのは、検事総長が法務大臣から厳重な注意を受ける、それから日弁連の会長さんが国民の前におわびをしなければならぬ、こういう事態でございまして、事はやはり私は大変深刻な問題だろうと思って、この委員会の任務も大変重要なのじゃなかろうか、こう思って先生方にお聞きをいたすわけでございます。
まず、弁護士会の方としては、今鈴木先生のおっしゃいましたことに少し補足があるんじゃございませんか。あったら一言どうぞ、言っていただくなら結構ですよ。
稲
稲田寛#16
○稲田参考人 お答えさせていただきます。
鈴木先生の御指摘はごもっともだと思いますが、ただ、綱紀委員会になぜ自分の方で立件できる権限が与えられていないかという点につきましては、綱紀委員会は懲戒請求がなされた場合に審査をする機関であるために、みずから立件するということは抑制しようというのが法の建前でこのようになっているのだろうと理解いたしております。
ただ、先ほど御指摘のように、余罪が発見されてくる、綱紀委員会の方々が一番先端におって、弁護士の非行を理解しておられるわけですから、その中で別件が出てきたときに早くこれを処理するということは大切なことであろうと思います。そのために、法五十八条二項は、会において懲戒事由を探知した場合には、会として綱紀委員会に懲戒請求が、懲戒の申し立てができる旨定められております。したがって、この条文を十分に生かして迅速に対応するということが大切な点であろうと理解いたしております。
この発言だけを見る →鈴木先生の御指摘はごもっともだと思いますが、ただ、綱紀委員会になぜ自分の方で立件できる権限が与えられていないかという点につきましては、綱紀委員会は懲戒請求がなされた場合に審査をする機関であるために、みずから立件するということは抑制しようというのが法の建前でこのようになっているのだろうと理解いたしております。
ただ、先ほど御指摘のように、余罪が発見されてくる、綱紀委員会の方々が一番先端におって、弁護士の非行を理解しておられるわけですから、その中で別件が出てきたときに早くこれを処理するということは大切なことであろうと思います。そのために、法五十八条二項は、会において懲戒事由を探知した場合には、会として綱紀委員会に懲戒請求が、懲戒の申し立てができる旨定められております。したがって、この条文を十分に生かして迅速に対応するということが大切な点であろうと理解いたしております。
坂
坂上富男#17
○坂上委員 私も弁護士ですから、わかっておるつもりでございます。ただ、今あらわれた弁護士の不祥事件だけでなくして、今後もまだ出てくると予測されておるようでございますが、これはどうですか。もうございませんか、こういう厳しい問題は。
この発言だけを見る →稲
稲田寛#18
○稲田参考人 お答え申し上げます。
大変厳しい問題でございますが、先ほど原因を分析させていただきましたようにバブルの影響であるという観点からしますと、まだ少し事件として表面化してくるんではないか、残念ではございますが、予測せざるを得ない状況にございます。
この発言だけを見る →大変厳しい問題でございますが、先ほど原因を分析させていただきましたようにバブルの影響であるという観点からしますと、まだ少し事件として表面化してくるんではないか、残念ではございますが、予測せざるを得ない状況にございます。
坂
坂上富男#19
○坂上委員 この際やはり徹底的に綱紀粛正だけはしていただきたい、こう思っておるわけでございます。
見てみますると、いわゆるこういう不祥事を起こされておる先生方というのは、大体五十前後のいわゆるベテラン弁護士がこういう問題を起こしておられるように私は思っておるわけでございます。検察庁の検事の不祥事については、任官をいたしましてから四年、五年という、いわゆる新進気鋭の諸君が、これから本当に検察をしょって立つという、中堅になるという段階においてこういう問題が起きてきているんじゃなかろうか、こう私は思っておるわけでございます。
そこで、野村先生、いかがでございましょうか、先生大変遠慮なさった御意見じゃないかと思うんですが、組織的ではなくてやはり個人的な問題ではなかろうか、しかし、組織の運営において手抜かり、欠陥があったんじゃなかろうか、こういう御指摘のようでございますが、いろいろの論調を見てみますると、いわゆる検事の組織と大事にひずみがあるんじゃなかろうか、こういう指摘がどうも世論の中にあるようでございます。そして、このことが国民意識と徐々にずれていってこういうとんでもないことが起きたんじゃなかろうか、こう言っているものでございまするから、私は、やはり組織上、人事上の問題が出てくるんじゃなかろうか。
金沢元検事の判決を見てみますると、自白をとることによっていわゆる上司から認められる、そして場合によっては特捜入りができるんじゃなかろうかという、言葉は古いのでございますが、出世欲、そういうようなものが自白強要、そして自白強要するためにこういう暴行事件を起こしてきて、本当に人権無視で、私たちにとっては想像できないようなとんでもないことが起きておる。これがひとり金沢君だけの問題ではなくしてほかのところにも起きたことに、私は本当に愕然としたわけでございます。
三ケ月法務大臣の時代に私は予算委員会で、この問題が起きましたとき、こういう問題が起きても検察はひるむことなく、ひとつ特捜は徹底的な汚職の解明というものをすべきであるということを、激励を兼ねて質問したことがあるのでございます。その後、この金沢問題以上に三つ、四つと出てきまして、私も愕然といたしまして、これはもう放置できない、大変組織的な、人事的なひずみが検察の内部にあるんじゃなかろうか、こんなことを大変危惧をしているのでございますが、率直な意見をひとつ先生からも承りたいと思います。
この発言だけを見る →見てみますると、いわゆるこういう不祥事を起こされておる先生方というのは、大体五十前後のいわゆるベテラン弁護士がこういう問題を起こしておられるように私は思っておるわけでございます。検察庁の検事の不祥事については、任官をいたしましてから四年、五年という、いわゆる新進気鋭の諸君が、これから本当に検察をしょって立つという、中堅になるという段階においてこういう問題が起きてきているんじゃなかろうか、こう私は思っておるわけでございます。
そこで、野村先生、いかがでございましょうか、先生大変遠慮なさった御意見じゃないかと思うんですが、組織的ではなくてやはり個人的な問題ではなかろうか、しかし、組織の運営において手抜かり、欠陥があったんじゃなかろうか、こういう御指摘のようでございますが、いろいろの論調を見てみますると、いわゆる検事の組織と大事にひずみがあるんじゃなかろうか、こういう指摘がどうも世論の中にあるようでございます。そして、このことが国民意識と徐々にずれていってこういうとんでもないことが起きたんじゃなかろうか、こう言っているものでございまするから、私は、やはり組織上、人事上の問題が出てくるんじゃなかろうか。
金沢元検事の判決を見てみますると、自白をとることによっていわゆる上司から認められる、そして場合によっては特捜入りができるんじゃなかろうかという、言葉は古いのでございますが、出世欲、そういうようなものが自白強要、そして自白強要するためにこういう暴行事件を起こしてきて、本当に人権無視で、私たちにとっては想像できないようなとんでもないことが起きておる。これがひとり金沢君だけの問題ではなくしてほかのところにも起きたことに、私は本当に愕然としたわけでございます。
三ケ月法務大臣の時代に私は予算委員会で、この問題が起きましたとき、こういう問題が起きても検察はひるむことなく、ひとつ特捜は徹底的な汚職の解明というものをすべきであるということを、激励を兼ねて質問したことがあるのでございます。その後、この金沢問題以上に三つ、四つと出てきまして、私も愕然といたしまして、これはもう放置できない、大変組織的な、人事的なひずみが検察の内部にあるんじゃなかろうか、こんなことを大変危惧をしているのでございますが、率直な意見をひとつ先生からも承りたいと思います。
野
野村二郎#20
○野村参考人 人事のことは非常にデリケートで申し上げにくいと思いますけれども、検事になった若い人たちが東京地検の特捜部あるいは大阪地検の特捜部に配属されたいという気持ちを持っておることは確かだと思います。それでまた、現場の検事の出身者が、特捜部出身の検事が栄達するということも事実であります。
そういうふうなこともありますけれども、ただ、捜査というのは、私はある意味では職人的なものが必要ではないかというふうに思います。ですから、単なる部内の立身出世、栄達ということを念頭に置いた検事が特捜部に配置されるということは不適切ではないかと思います。やはり素朴な正義感に基づいて、正義を実現していくんだということに専念できるような気持ちの検事の方がいいんではないかと思います。
人事でしばしば指摘されるのは、特捜部出身の検事は大阪高検検事長にしかなれないという言い方があります。しかし、これは見方によって、大阪高検検事長にもなれるんだという見方もできると思います。官庁の組織については、行政官として適切な人と、いわば現場の専門職として適切な人と両方あると思います。そういうものを一緒くたにして、大阪高検検事長しかなれないんだというふうな見方をするのは間違いだと思います。ですから、私は特捜部に配置する検事の適性ということを見きわめながら、また特捜部に配置された後の検事の力量、資質というものを見きわめながら人事をすることが一番いいんではないかというふうに思います。
この発言だけを見る →そういうふうなこともありますけれども、ただ、捜査というのは、私はある意味では職人的なものが必要ではないかというふうに思います。ですから、単なる部内の立身出世、栄達ということを念頭に置いた検事が特捜部に配置されるということは不適切ではないかと思います。やはり素朴な正義感に基づいて、正義を実現していくんだということに専念できるような気持ちの検事の方がいいんではないかと思います。
人事でしばしば指摘されるのは、特捜部出身の検事は大阪高検検事長にしかなれないという言い方があります。しかし、これは見方によって、大阪高検検事長にもなれるんだという見方もできると思います。官庁の組織については、行政官として適切な人と、いわば現場の専門職として適切な人と両方あると思います。そういうものを一緒くたにして、大阪高検検事長しかなれないんだというふうな見方をするのは間違いだと思います。ですから、私は特捜部に配置する検事の適性ということを見きわめながら、また特捜部に配置された後の検事の力量、資質というものを見きわめながら人事をすることが一番いいんではないかというふうに思います。
坂
坂上富男#21
○坂上委員 時間がありませんので、急ぎます。
拘禁二法という問題が十数年来問題になっております。特に、私たちがこれに反対をしておる大きな理由の一つは、いわゆる密室において自白強要されて、そして冤罪になるんじゃなかろうかということで、大変危惧をいたして反対をしているわけでございますが、私は、この際、こういう問題が庁内で公然と起きるような事態というのはやっぱりこういう密室のやり方に問題があるんじゃなかろうか、こう思っておるわけでございます。
ただ、現状の予算の関係がち見ますると、代用監獄、こういう制度が現に存在はしておるわけでございますが、本当に人員、施設ともに拘置の施設というものをこの際やっぱり大蔵省からきちっとひとつ理解をしてもらって、予算をとらなければならないなということを、私は本日のこの審議を聞きながら感じていたところでございます。
でありますから、これはまあ弁護士会の立場においても強く反対されておるわけでございまするから、私たちのこれはまた責任でもあるわけです。いわゆる代用監獄をいつまでも放置しておくというこの制度、やっぱりきちっとした拘置所をつくるということが、私たちの国会のまた任務でもあろう、こう実は私思っておるわけでございまして、これはまた日弁連からも御意見を聞きたい、こう思っておるわけでございます。
それから、いま一つどうもこの捜査については限界があって、いわゆる政治家の汚職というものを取り締まることがなかなか困難なために、こういう問題も起きてくるんじゃなかろうか、こんなところに私は政治改革の実現はやっぱりもっと本当に、刑法、いわゆる収賄罪というものをもっときちっと取り締まりしやすくするということが必要なんじゃなかろうかとも思っているわけでありますのでありますから、私たちは今あっせん利得罪あるいは地位利用罪、こういうことを何としても実現をしたい、こう思って、これができない限りは政治改革は実現しない、こういうふうに実は思っておるわけでございます。
そんなような意味で野村先生からは、あっせん利得罪、今のいわゆる贈収賄罪の問題点がありましたら、これの問題とあわせてお聞かせをいただきたいし、日弁連総長からは、今言ったようないわゆる密室捜査における間違いの部分もお聞かせをいただきたい、こう思っておるわけでございます。
それからいま一つ、弁護士会、東京なんかは本当に会員が多うございまして、弁護士会が完全に把握できていないんじゃなかろうか。例えば、弁護士会の会員が総会に出席しない、これは田舎なんかは綱紀対象になっているんですね。でありますから、僕らも国会と、弁護士会が優先した場合は、許可をいただいて弁護士会の総会に出席している、こういうわけです。欠席をすると厳重に取り調べを受けまして、いわゆる綱紀対象にするほどの大変な厳しさを私らは持っておると思っておるわけであります。
特に、弁護士さん方は公害問題、薬害問題、消費者問題、冤罪問題、本当に献身的な活動をしているのがその大半なんでございます。その一部がこういう事態を引き起こすということに、やはり私たちの組織全体の中に大きな何かがあるんじゃなかろうか、こういうものを克服するために、今御説明があったわけでございますが、こういう点を私からも指摘をいたしまして、いま少しひとつ御答弁をいただきたい、こう思います。
この発言だけを見る →拘禁二法という問題が十数年来問題になっております。特に、私たちがこれに反対をしておる大きな理由の一つは、いわゆる密室において自白強要されて、そして冤罪になるんじゃなかろうかということで、大変危惧をいたして反対をしているわけでございますが、私は、この際、こういう問題が庁内で公然と起きるような事態というのはやっぱりこういう密室のやり方に問題があるんじゃなかろうか、こう思っておるわけでございます。
ただ、現状の予算の関係がち見ますると、代用監獄、こういう制度が現に存在はしておるわけでございますが、本当に人員、施設ともに拘置の施設というものをこの際やっぱり大蔵省からきちっとひとつ理解をしてもらって、予算をとらなければならないなということを、私は本日のこの審議を聞きながら感じていたところでございます。
でありますから、これはまあ弁護士会の立場においても強く反対されておるわけでございまするから、私たちのこれはまた責任でもあるわけです。いわゆる代用監獄をいつまでも放置しておくというこの制度、やっぱりきちっとした拘置所をつくるということが、私たちの国会のまた任務でもあろう、こう実は私思っておるわけでございまして、これはまた日弁連からも御意見を聞きたい、こう思っておるわけでございます。
それから、いま一つどうもこの捜査については限界があって、いわゆる政治家の汚職というものを取り締まることがなかなか困難なために、こういう問題も起きてくるんじゃなかろうか、こんなところに私は政治改革の実現はやっぱりもっと本当に、刑法、いわゆる収賄罪というものをもっときちっと取り締まりしやすくするということが必要なんじゃなかろうかとも思っているわけでありますのでありますから、私たちは今あっせん利得罪あるいは地位利用罪、こういうことを何としても実現をしたい、こう思って、これができない限りは政治改革は実現しない、こういうふうに実は思っておるわけでございます。
そんなような意味で野村先生からは、あっせん利得罪、今のいわゆる贈収賄罪の問題点がありましたら、これの問題とあわせてお聞かせをいただきたいし、日弁連総長からは、今言ったようないわゆる密室捜査における間違いの部分もお聞かせをいただきたい、こう思っておるわけでございます。
それからいま一つ、弁護士会、東京なんかは本当に会員が多うございまして、弁護士会が完全に把握できていないんじゃなかろうか。例えば、弁護士会の会員が総会に出席しない、これは田舎なんかは綱紀対象になっているんですね。でありますから、僕らも国会と、弁護士会が優先した場合は、許可をいただいて弁護士会の総会に出席している、こういうわけです。欠席をすると厳重に取り調べを受けまして、いわゆる綱紀対象にするほどの大変な厳しさを私らは持っておると思っておるわけであります。
特に、弁護士さん方は公害問題、薬害問題、消費者問題、冤罪問題、本当に献身的な活動をしているのがその大半なんでございます。その一部がこういう事態を引き起こすということに、やはり私たちの組織全体の中に大きな何かがあるんじゃなかろうか、こういうものを克服するために、今御説明があったわけでございますが、こういう点を私からも指摘をいたしまして、いま少しひとつ御答弁をいただきたい、こう思います。
金
稲
稲田寛#23
○稲田参考人 それでは、最後の御質問についてお答えさせていただきます。
確かに弁護士会員が増加をして、特に大単位会の場合には、会員の意思形成であるとか指導監督について非常に困難な面が出てきているのも御指摘のとおりであります。ただ、大単位会におきましては、逆に研修制度を組織化するとかという形で対応しているわけですが、御指摘のように会務に参加しない、あるいは研修にも出てこないという会員がややもすれば問題を起こしやすいという事実もございますので、最近大きな単位会では、例えば公的な活動、いわゆるプロボノの活動に参加することを義務づけることによって、全会員が何らかの形で会務であれ公的な活動であれ参加することによって落ちこぼれていくことを防ごうというふうな点でも努力いたしております。
なお、そういった努力がまだ足りないという面はあろうかと思いますが、今後一層強化をしてまいりたい、こういう覚悟でございます。
拘禁二法につきましては、日弁連といたしましては長年にわたり反対の立場で意見を表明してきたことは事実でございます。ただ、二法についてすべて一括でどうこうという趣旨ではございませんし、考えるべき点は考えた上で対応できるように今後も取り組んでいきたい、このように考えております。
この発言だけを見る →確かに弁護士会員が増加をして、特に大単位会の場合には、会員の意思形成であるとか指導監督について非常に困難な面が出てきているのも御指摘のとおりであります。ただ、大単位会におきましては、逆に研修制度を組織化するとかという形で対応しているわけですが、御指摘のように会務に参加しない、あるいは研修にも出てこないという会員がややもすれば問題を起こしやすいという事実もございますので、最近大きな単位会では、例えば公的な活動、いわゆるプロボノの活動に参加することを義務づけることによって、全会員が何らかの形で会務であれ公的な活動であれ参加することによって落ちこぼれていくことを防ごうというふうな点でも努力いたしております。
なお、そういった努力がまだ足りないという面はあろうかと思いますが、今後一層強化をしてまいりたい、こういう覚悟でございます。
拘禁二法につきましては、日弁連といたしましては長年にわたり反対の立場で意見を表明してきたことは事実でございます。ただ、二法についてすべて一括でどうこうという趣旨ではございませんし、考えるべき点は考えた上で対応できるように今後も取り組んでいきたい、このように考えております。
野
野村二郎#24
○野村参考人 贈収賄罪の適用と政治献金の区別というのが非常にデリケートな面があるということはしばしば指摘されております。贈収賄罪、現行のままでいいかどうかとなりますと、やはりさまざまなひずみとか欠陥があるんではないかというふうに私は思います。
この発言だけを見る →坂
金
枝
枝野幸男#27
○枝野委員 新党さきがけの枝野でございます。参考人の先生方には、本日はお忙しい中をおいでいただきまして、本当にありがとうございました。
さて、私は、特に弁護士の不祥事問題に関連いたしましてお尋ねをしたいと思いますが、今回の弁護士の相次ぐ不祥事に対応いたしまして、日弁連が何とか綱紀粛正に当たっていこうという努力をされていることに、まずは敬意を表したいと思います。しかしながら、今回相次いだ不祥事によって害されてしまいました弁護士に対する国民、市民の不信というものを払拭していくためには、さらに弁護士が、そして弁護士会が自己改革を進めていく必要性が大変強いんではないかというふうに思っております。
そうした観点から、弁護士会のあり方といたしまして、特に全国的に影響の大きい首都東京の弁護士会のあり方について、稲田参考人にお話を伺いたいと思います。時間がございませんので稲田参考人にお伺いしたいと思いますが、もし時間がありましたら、お二人の参考人からも御感想をいただければと思います。
御存じのとおり、東京の弁護士会は、会長選挙をめぐる派閥争いが高じまして、大正十一年に分裂をいたしました。そして現在、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会の三つの弁護士会がその派閥争いの流れのまま鼎立をいたしております。そのために、市民に対する法的サービスあるいは人権擁護活動、こうしたものがおろそかになっているのではないかという批判がなされていますし、市民から見て大変わかりにくく、利用しづらい存在になっているとの指摘がございます。また、先ほど来問題になっております懲戒等の問題についても、三会が鼎立しているということで、それぞれの会によって運用が若干異なっているのではないかという問題もあると存じます。
言うまでもなく現在の弁護士法は、弁護士の使命を人権擁護と社会正義の実現にあるとして、その崇高な使命、弁護活動を国家権力から守るために、弁護士の資格の付与、弁護士の監督、懲戒権を弁護士会が有するという弁護士制度をとっております。つまり、弁護士会は単なる業界団体とは全く異なり、極めて公共性の高い団体であって、弁護士の資格の付与、剥奪という行政処分を行うという意味では、行政官庁、行政機関であるという側面を持っているわけでございます。
このような団体が派閥争いという自分たちの都合だけで分立しているという状態を続けていて、外に向かっては市民のための弁護士会というようなことを唱えるということに対しては、私は同じ弁護士といたしまして、残念ながら差恥の念を抱かざるを得ないと申し上げます。
ところで、現行、戦後の弁護士法制定の際には、この東京の三つの弁護士会を一つにまとめようという動きがございましたが、残念ながら、一部に反対者がいたため、新弁護士法の成立を優先させるために、附則の八十九条で、東京三弁護士会は、弁護士法三十二条の地方裁判所の単位で単位弁護士会を置くという原則の例外を設けて、暫定的なものとして東京には三会を認めるというふうになったという経緯がございます。これは、日弁連の発行しております「自由と正義」という雑誌の八巻九号にも残っている記述でございます。
一方、こうした中で、言うまでもなく、日本弁護士連合会には、各単位弁護士会の上部団体として、弁護士法四十五条二項で、その指導監督権がございます。
そこで、日本弁護士連合会として、この例外的、暫定的な存在であります東京の三弁護士会の分立状態をいつまで放置されるお心づもりでいらっしゃるのか、そして、日本弁護士連合会として、東京の三弁護士会に対し、三会は合併を検討すべしという指導監督をなさるお心づもりがあるかどうか、この二点についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →さて、私は、特に弁護士の不祥事問題に関連いたしましてお尋ねをしたいと思いますが、今回の弁護士の相次ぐ不祥事に対応いたしまして、日弁連が何とか綱紀粛正に当たっていこうという努力をされていることに、まずは敬意を表したいと思います。しかしながら、今回相次いだ不祥事によって害されてしまいました弁護士に対する国民、市民の不信というものを払拭していくためには、さらに弁護士が、そして弁護士会が自己改革を進めていく必要性が大変強いんではないかというふうに思っております。
そうした観点から、弁護士会のあり方といたしまして、特に全国的に影響の大きい首都東京の弁護士会のあり方について、稲田参考人にお話を伺いたいと思います。時間がございませんので稲田参考人にお伺いしたいと思いますが、もし時間がありましたら、お二人の参考人からも御感想をいただければと思います。
御存じのとおり、東京の弁護士会は、会長選挙をめぐる派閥争いが高じまして、大正十一年に分裂をいたしました。そして現在、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会の三つの弁護士会がその派閥争いの流れのまま鼎立をいたしております。そのために、市民に対する法的サービスあるいは人権擁護活動、こうしたものがおろそかになっているのではないかという批判がなされていますし、市民から見て大変わかりにくく、利用しづらい存在になっているとの指摘がございます。また、先ほど来問題になっております懲戒等の問題についても、三会が鼎立しているということで、それぞれの会によって運用が若干異なっているのではないかという問題もあると存じます。
言うまでもなく現在の弁護士法は、弁護士の使命を人権擁護と社会正義の実現にあるとして、その崇高な使命、弁護活動を国家権力から守るために、弁護士の資格の付与、弁護士の監督、懲戒権を弁護士会が有するという弁護士制度をとっております。つまり、弁護士会は単なる業界団体とは全く異なり、極めて公共性の高い団体であって、弁護士の資格の付与、剥奪という行政処分を行うという意味では、行政官庁、行政機関であるという側面を持っているわけでございます。
このような団体が派閥争いという自分たちの都合だけで分立しているという状態を続けていて、外に向かっては市民のための弁護士会というようなことを唱えるということに対しては、私は同じ弁護士といたしまして、残念ながら差恥の念を抱かざるを得ないと申し上げます。
ところで、現行、戦後の弁護士法制定の際には、この東京の三つの弁護士会を一つにまとめようという動きがございましたが、残念ながら、一部に反対者がいたため、新弁護士法の成立を優先させるために、附則の八十九条で、東京三弁護士会は、弁護士法三十二条の地方裁判所の単位で単位弁護士会を置くという原則の例外を設けて、暫定的なものとして東京には三会を認めるというふうになったという経緯がございます。これは、日弁連の発行しております「自由と正義」という雑誌の八巻九号にも残っている記述でございます。
一方、こうした中で、言うまでもなく、日本弁護士連合会には、各単位弁護士会の上部団体として、弁護士法四十五条二項で、その指導監督権がございます。
そこで、日本弁護士連合会として、この例外的、暫定的な存在であります東京の三弁護士会の分立状態をいつまで放置されるお心づもりでいらっしゃるのか、そして、日本弁護士連合会として、東京の三弁護士会に対し、三会は合併を検討すべしという指導監督をなさるお心づもりがあるかどうか、この二点についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
稲
稲田寛#28
○稲田参考人 お答えいたします。
枝野委員の、弁護士会は一層自己改革を進めていく必要があるという御指摘につきましてはごもっともでございまして、今後、私どもとしても十分に取り組んでまいりたいと思っております。
ただ、日弁連として、直ちに東京三会が合併すべし、合併を検討すべしというふうに指導すべきであるという御見解につきましては、今この場でにわかにお答えすることは非常に難しいかと存じております。
と申しますのは、法八十九条は、確かに三十二条の例外ではありますが、弁護士法施行時に既に存在しておりました東京三会の存在自体を認めた上で成り立っていると解されるからでございます。そして、八十九条二項は、将来の合併、解散を可能としておりますが、合併、解散をもとより義務づけているわけではなく、その三会の会員の意思にゆだねていると解されるのではないかという認識に立っております。
また、御指摘の四十五条二項でございますが、確かに日弁連が弁護士会に対しても指導、連絡、監督する権限を認めておりますけれども、「弁護士の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士事務の改善を図るためこ行われるとされておりまして、御指摘のように、三会の合併という問題は、東京三会の弁護士会の存立自体に係る問題でありまして、この点につきまして指導監督ができるかということについても疑義があろうかと思うからでございます。
そうしますと、一般的な改善、連絡、監督に基づいて、適法に存立が認められている会の合併まで指導し得るかという点についてはいかがかと解しております。
しかし、いずれにしましても、東京三会において合併が検討されており、またその結果、三会会員の意思によって決定されることにこしたことはないわけでありますから、今後の三会の意思を尊重し決定されることによって、市民の窓口として御迷惑をおかけしないように努めるべきであるとは理解いたしております。
現在でも市民相談の窓口は、例えば当番弁護士制度であるとか弁護士斡旋センターなどの電話窓口は東京三会で既に一本化を図っておりますけれども、新会館に移るに当たりましては、既に三会の協議で共通窓口を一本化して、市民が迷うことのないように配慮をいたすことになっております。また、三会が同じ建物に入ることによって、会員相互の交流が一層密になり、合併の機運が増していくことも十分考えられます。
日弁連としましても、同じ会館に入るわけでございますので、もし市民に対して不自由をおかけする、あるいは迷うというようなことがあるとすれば、その点については十分指導をしてまいりたい、そのように考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →枝野委員の、弁護士会は一層自己改革を進めていく必要があるという御指摘につきましてはごもっともでございまして、今後、私どもとしても十分に取り組んでまいりたいと思っております。
ただ、日弁連として、直ちに東京三会が合併すべし、合併を検討すべしというふうに指導すべきであるという御見解につきましては、今この場でにわかにお答えすることは非常に難しいかと存じております。
と申しますのは、法八十九条は、確かに三十二条の例外ではありますが、弁護士法施行時に既に存在しておりました東京三会の存在自体を認めた上で成り立っていると解されるからでございます。そして、八十九条二項は、将来の合併、解散を可能としておりますが、合併、解散をもとより義務づけているわけではなく、その三会の会員の意思にゆだねていると解されるのではないかという認識に立っております。
また、御指摘の四十五条二項でございますが、確かに日弁連が弁護士会に対しても指導、連絡、監督する権限を認めておりますけれども、「弁護士の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士事務の改善を図るためこ行われるとされておりまして、御指摘のように、三会の合併という問題は、東京三会の弁護士会の存立自体に係る問題でありまして、この点につきまして指導監督ができるかということについても疑義があろうかと思うからでございます。
そうしますと、一般的な改善、連絡、監督に基づいて、適法に存立が認められている会の合併まで指導し得るかという点についてはいかがかと解しております。
しかし、いずれにしましても、東京三会において合併が検討されており、またその結果、三会会員の意思によって決定されることにこしたことはないわけでありますから、今後の三会の意思を尊重し決定されることによって、市民の窓口として御迷惑をおかけしないように努めるべきであるとは理解いたしております。
現在でも市民相談の窓口は、例えば当番弁護士制度であるとか弁護士斡旋センターなどの電話窓口は東京三会で既に一本化を図っておりますけれども、新会館に移るに当たりましては、既に三会の協議で共通窓口を一本化して、市民が迷うことのないように配慮をいたすことになっております。また、三会が同じ建物に入ることによって、会員相互の交流が一層密になり、合併の機運が増していくことも十分考えられます。
日弁連としましても、同じ会館に入るわけでございますので、もし市民に対して不自由をおかけする、あるいは迷うというようなことがあるとすれば、その点については十分指導をしてまいりたい、そのように考えております。
以上でございます。
枝
枝野幸男#29
○枝野委員 なかなか、日弁連の事務総長というお立場なので、明快なお答えはしにくいとは思いますが、例えば、今お話にもございましたとおり、明年の七月、検察庁跡地という、国有地の中でも最も条件のいい場所を東京三弁護士会と日弁連とで借り受けて、新しい弁護士会館ができ上がります。
確かに、今御指摘のとおり、市民の法律相談窓口についてはとりあえず三会一本化ができたようでございますが、例えば、この公共性の高い土地を利用してつくった建物の中に図書館が二つできる、三弁護士会の中での争いで図書館が二つできる。大体、弁護士会で置いておかなければならない書物というものがその弁護士会によって個性が必要であって、二つ必要だなんというばかな話があるはずがないのでありまして、国有地を借りてつくった建物の中でそんなばかなむだなことをやるというのは、ある意味では国民に対する不信行為ではないか、背信行為ではないかというふうにも思います。
入ってみて不都合があったらというのも十分御指摘わかりますが、むしろ、入る機会にこの三会というものを統一していくのがいいのではないか。
また、窓口こそ統一はされますが、法律相談については、東京三会ごとに一般法律相談をそれぞれされております。例えば外国人問題とか、それから離婚問題とか、各三会でそれぞれに、一つの会しかやらない法律相談、特殊な法律相談というものをやっております。そのあたりの振り分けというのは、混乱を少なくしようという努力はわかりますが、混乱がないというのは考えにくいのではないでしょうか。
さらに言えば、まさに日弁連が持っている品位保持等ということでの指導監督権ということであれば、私は、そもそも派閥争いで弁護士会が三つもあるということ自体が弁護士の品位を辱めているのであって、それを指導することについて、この法の予定しているところでないというのはなかなか言いにくいのではないだろうかというふうに思います。
せっかくでございますので、鈴木先生、それから野村先生、今のお話について御感想があれば一言ずついただきまして、最後に稲田事務総長から、ぜひ、今後の検討、前向きにやっていただきたいということで、コメントをいただければと思います。
この発言だけを見る →確かに、今御指摘のとおり、市民の法律相談窓口についてはとりあえず三会一本化ができたようでございますが、例えば、この公共性の高い土地を利用してつくった建物の中に図書館が二つできる、三弁護士会の中での争いで図書館が二つできる。大体、弁護士会で置いておかなければならない書物というものがその弁護士会によって個性が必要であって、二つ必要だなんというばかな話があるはずがないのでありまして、国有地を借りてつくった建物の中でそんなばかなむだなことをやるというのは、ある意味では国民に対する不信行為ではないか、背信行為ではないかというふうにも思います。
入ってみて不都合があったらというのも十分御指摘わかりますが、むしろ、入る機会にこの三会というものを統一していくのがいいのではないか。
また、窓口こそ統一はされますが、法律相談については、東京三会ごとに一般法律相談をそれぞれされております。例えば外国人問題とか、それから離婚問題とか、各三会でそれぞれに、一つの会しかやらない法律相談、特殊な法律相談というものをやっております。そのあたりの振り分けというのは、混乱を少なくしようという努力はわかりますが、混乱がないというのは考えにくいのではないでしょうか。
さらに言えば、まさに日弁連が持っている品位保持等ということでの指導監督権ということであれば、私は、そもそも派閥争いで弁護士会が三つもあるということ自体が弁護士の品位を辱めているのであって、それを指導することについて、この法の予定しているところでないというのはなかなか言いにくいのではないだろうかというふうに思います。
せっかくでございますので、鈴木先生、それから野村先生、今のお話について御感想があれば一言ずついただきまして、最後に稲田事務総長から、ぜひ、今後の検討、前向きにやっていただきたいということで、コメントをいただければと思います。