宗教法人に関する特別委員会

1995-11-08 衆議院 全341発言

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会議録情報#0
平成七年十一月八日(水曜日)
    午前九時開議
出席委員
  委員長 越智 伊平君
   理事 小里 貞利君 理事 片岡 武司君
   理事 鈴木 宗男君 理事 草川 昭三君
   理事 月原 茂皓君 理事 吹田  愰君
   理事 佐々木秀典君 理事 井出 正一君
      石橋 一弥君    衛藤 晟一君
      小川  元君    川崎 二郎君
      熊代 昭彦君    栗原 裕康君
      七条  明君    白川 勝彦君
      萩山 教嚴君    蓮実  進君
      穂積 良行君    御法川英文君
      山本 公一君    与謝野 馨君
      愛知 和男君    石田 勝之君
      江田 五月君    北側 一雄君
      北橋 健治君    中井  洽君
      西岡 武夫君    鳩山 邦夫君
      船田  元君    冬柴 鐵三君
      山口那津男君    輿石  東君
      細谷 治通君    山口 鶴男君
      山下八洲夫君  五十嵐ふみひこ君
      中島 章夫君    正森 成二君
      松本 善明君    土肥 隆一君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 宮澤  弘君
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
        文 部 大 臣 島村 宜伸君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     深谷 隆司君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官
        )       野坂 浩賢君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 大出 峻郎君
        内閣法制局第二
        部長      秋山  收君
        警察庁長官官房
        総務審議官   山本 博一君
        警察庁刑事局長 野田  健君
        警察庁警備局長 杉田 和博君
        総務庁長官官房
        審議官     土屋  勲君
        総務庁人事局長 池ノ内祐司君
        法務大臣官房長 原田 明夫君
        法務省民事局長 濱崎 恭生君
        法務省刑事局長 則定  衛君
        法務省人権擁護
        局長      大藤  敏君
        公安調査庁長官 杉原 弘泰君
        公安調査庁次長 河内 悠紀君
        大蔵省主税局長 薄井 信明君
        大蔵省銀行局長 西村 吉正君
        国税庁次長   若林 勝三君
        文部大臣官房長 佐藤 禎一君
        文部大臣官房総
        務審議官    辻村 哲夫君
        文部省初等中等
        教育局長    井上 孝美君
        文部省高等教育
        局長      吉田  茂君
        文化庁次長   小野 元之君
        自治省行政局選
        挙部長     谷合 靖夫君
        自治省税務局長 佐野 徹治君
 委員外の出席者
        宗教法人に関す
        る特別委員会調
        査室長     岡村  豊君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月八日
 辞任         補欠選任
  加藤 紘一君     蓮実  進君
  亀井 静香君     山本 公一君
  白川 勝彦君     川崎 二郎君
  村岡 兼造君     御法川英文君
  与謝野 馨君     萩山 教嚴君
  北橋 健治君     中井  洽君
  中島 章夫君   五十嵐ふみひこ君
  正森 成二君     松本 善明君
同日
 辞任         補欠選任
  川崎 二郎君     白川 勝彦君
  萩山 教嚴君     与謝野 馨君
  蓮実  進君     加藤 紘一君
  御法川英文君     村岡 兼造君
  山本 公一君     亀井 静香君
  中井  洽君     北橋 健治君
五十嵐ふみひこ君     中島 章夫君
  松本 善明君     正森 成二君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 宗教法人法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一七号)
     ――――◇―――――
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越智伊平#1
○越智委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、宗教法人法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北橋健治君。
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北橋健治#2
○北橋委員 おはようございます。新進党の北橋でございます。
 この法案の審議に入りまして、私も、ずっと政府と私どもの質疑を聞いてまいりましたけれども、果たして国民の皆様方がどのように受けとめていらっしゃるだろうか。確かに政府・与党と野党の意見の対立はありますし、議論の激しい応酬があってしかるべきだとはいえ、しかし、国民の立場から見て、そもそも今回の議論というのは、あのオウム事件という史上まれに見る極めて凶悪なテロ事件に端を発した国会での質疑だと思います。
 そういった意味では、そこで被害に遭われた皆さん方が、例えば宗教法人の解散命令が地裁で出た、その前から資産隠しをどうやら始めているようだ、こういった問題に対して、被害者の救済対策をどうして国会はまず速やかに取り上げないのだろうか。
 あるいは、今回のオウム事件の捜査を振り返りまして、世界で最も優秀な日本警察があれだけの大変な日夜を分かたぬ御苦労をされながら、五年有余にわたりまして、結果としてオウム教団を野放しにしてしまった。そして、四千人の死傷者を出してしまった。
 このオウム事件をめぐる捜査の過程を振り返りまして、実りある教訓というものは得られないのだろうか。それについては、与野党知恵を出し合って速やかに対処できる問題ではないか、私はそのように思っております。
 朝一番から激しくぶつかり合う問題をやるのも何かと思いまして、そういった意味で、きょうは国家公安委員長、重要な国際会議がおありだと聞いておりますので、最初に捜査体制のあり方について、大臣、国家公安委員長の御所見を承れればと思っております。
 既に、私ども新進党の同僚委員からも御指摘があったことでございますが、新進党といたしまして、愛知和男先生を座長にしまして政治と宗教に関する委員会をつくりました。私もそのメンバーでございますが、その中に、江田五月座長のもとでオウム事件の再発防止プロジェクトというものを設置いたしました。
 そして、我が党は、真っ先にこの再発防止を実効あらしめるために何をすればいいかという作業を鋭意行ってまいりまして、その中で、やはり広域的な捜査体制をいま一度オウム事件を振り返って確立する必要があるのではないかと考えている次第であります。
 この点につきましては、既に国家公安委員長から前向きの答弁が行われております。すなわち、広域犯罪をめぐり、警視庁や大阪府警といった規模が大きく経験があるところが他府県に出動しやすくする必要があるのかどうかを含め、検討を進めている。
 委員長、これは速やかに作業に入っていただきまして、私どもは会期延長に反対しておりますので閉会中審査という言い方をするわけでございますが、とにかく、これだけの優秀な警察があれだけ頑張っても、各県にまたがる捜査という障害もありました、相手も相手だったと思います。いろいろな理由はあると思いますけれども、オウム事件の教訓から捜査当局として学ぶ第一は、やはり警察法の改正という問題ではないかと思うのです。
 これについて、さらに踏み込んで、この法改正をぜひやりたい、そういう答弁を期待するものでありますが、いかがでしょうか。
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深谷隆司#3
○深谷国務大臣 今、北橋委員御指摘のように、実は、きょうこれから銃器対策の国際会議を私どもが主催して開催するものでありますから、早めに質問していただきまして感謝を申し上げたいと思います。
 オウム真理教事件の捜査をめぐりましては、時間がかかり過ぎたとか、さまざまな御批判があることは承知をいたしております。
 しかし、我が国の警察は、あくまでも法と証拠に基づいて捜査を行うということが原則でございまして、乏しい証拠の中から、本当に涙ぐましいというと感傷的でありますけれども、本当に必死の努力を重ねて今日のような状況にまで至ったわけでございます。
 その間、広域捜査の問題につきまして、もっと積極的に中央がかかわるような仕組みがないものかといったような、そういう御不満や御意見も伺いました。
 しかし、我が国は、都道府県警察ということで、いわば地方警察ということを中心に置いているわけでございます。中央警察ということが数々の弊害をもたらした過去の経験に照らして、都道府県警察ということで、そこにウエートを置いた捜査体制というものをしいてきたわけでございます。
 しかし、他府県にまたがるような広域犯罪というものが多発しておりますから、例えば警察法を改正いたしまして、地域が広がった場合の指揮権をどうするかといったような問題については国会で結論を出していただき、これは今有効に活用されようといたしているわけであります。
 そういう状態の中で、では、一体どこまで中央が踏み込んでいいのかという問題については、かなりの配慮が必要ではないだろうか。東京であるとか大阪であるとかつまり警視庁とか大阪府警本部といったようなところは、規模は大きいし、さまざまな経験も積んでおりますし、確かに、個々の捜査員の能力に変わりはありませんけれども、全体的な捜査の力ということについてはやはり一歩進んだところがあります。かといって、どこへでも出ていくというわけにはまいりません。
 そこらの調整を考えながら、一体今日の犯罪にどう対応していくかということを十分に検討していく必要があるのではないだろうか、そのように思いまして、そのような背景を持ちながら、一体どこまで広域捜査の協力体制ができるか、中央の指導体制ができるかをただいま検討しているという状況にございます。
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北橋健治#4
○北橋委員 ただいま検討しているという御答弁でございますけれども、私どもは、現地の調査も踏まえまして、各方面から多くの方々の率直なお話を聞いてまいりました。そして、やはり広域的な捜査体制の確立というのは、オウム事件の再発防止を考える点で真っ先にやらねばならない問題ではないかという気持ちを強く持っております。
 そういった意味で、今後、警察法の一部を改正いたしまして、警察庁長官が機動的、弾力的に都道府県警察を指揮監督することが可能になりますように、その趣旨に沿ってぜひとも法改正に踏み切っていただきますように、御尽力を期待したいと思っております。
 さて、この捜査のあり方を振り返りまして、今後の教訓として、私は今警察法の改正をぜひ考えてほしいということを申し上げてございますが、一般国民の方々は、それにしてもなぜ強制捜査に踏み込めなかったのだろうかという疑問は強いと思っております。とりわけ去年の動きでございます。
 昨年の六月には、松本サリン事件という特異な事件が発生しました。そして翌月、七月には、上九一色村で異臭事件が発生しております。そこで、付近の草木が枯れたということで、土壌を採取して警察庁が鑑識した結果、サリンの副生成物がそこで発見されました。ただし、これは二カ月もかかっております。
 さらに、九月になりますと、オウムの施設にどうやら薬品を搬入しているらしいという情報をキャッチしたと伝え聞いております。もし、これが地元の富士五湖消防本部に知らされまして、そして消防法に基づいて立入検査等の適切な対応がとられたら、事態はまた変わっていたのではないかという気がしてなりません。
 そして、去年の夏ぐらいに、元信者の、女性信者でございますけれども、もうこの教団にはいられないということで脱出されてきた。そして、監禁罪が立件できるかどうかについても鋭意検討しておった。そうこうするうちに、警視庁による強制捜査という事態を迎えたわけでございます。
 去年一年間を振り返りましてもこれだけあり、五年有余の期間があって、さまざまなところでトラブルを起こし、そして、例えば雑誌でハルマゲドンを予言するだとか、サリンという言葉が出てくるだとか、こういった事案を前にしまして、国民は、なぜ捜査当局がもっと適切に対応できなかったのだろうか、その疑問はやはり大きいと思うのですが、捜査当局の基本的な見解を聞かせていただきたいと思います。
    〔委員長退席、鈴木(宗)委員長代理着席〕
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野田健#5
○野田(健)政府委員 今回の坂本弁護士事件あるいは松本サリン事件等一連のオウム真理教による事件については、それぞれの発生県警察において大変重大なものと受けとめ、事件発生直後から捜査本部を設置するなど、所要の捜査体制のもとで必要な捜査を推進してきたところであります。
 今、北橋委員御指摘のように、それぞれいろいろな情報はございましたのですが、強制捜査に踏み込めるだけの確実な証拠というものが発見できなかったということでありまして、いろいろ物証を集め、乏しい物証の中から証拠化していった。そういう作業が進みまして、どうもオウム真理教の施設の中でサリンを生成しているようだということがだんだんわかってきた。ちょうどそのころにいわゆる仮谷さんの事件が発生したということで、急遽強制捜査に入ったということでございます。
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北橋健治#6
○北橋委員 被害者の弁護団の方からもお話を聞いておりますけれども、とにかくまあ、見たことのないような大変しぶとい人たちだったようでございまして、そういったオウム教団を相手に捜査をしていくのは大変だったと思います。
 これについては、捜査の過程段階といいますか、裁判も行われている段階でございますので、突っ込んで聞くというのはためらいを感ずるわけでございます。もうしばらくして落ちついた時点で、徹底的にこの捜査の過程を振り返りまして検証してみる必要があると思います。
 ただ、指摘しておきたいことは、やはりここで警察の動きと例えば地元の消防署の動き、こういうものが連結すると立入検査ということができる消防法があるわけでございまして、何らかの対応はきっとできたはずだ、そういうように思います。そういった幾つかの行政法というもので適切に対応し得た余地はあるはずだ、そのことを御指摘にとどめておきたいと思います。
 ただ、これは彼ほど文部大臣にいろいろとお伺いするわけでございますが、宗教法人法を改正していれば、オウム教団という特異な集団でございますが、果たしてこのような動きを察知できたであろうか。延べ数万人あるいはそれ以上かもしれませんけれども、大変な方々のマンパワーと、そして日夜を分かたぬ努力によって、その証拠をつかむためにどれだけの苦労があったかを推察しますと、宗教法人法を改正したからオウム教団を行政として責任を持って把握するということには到底ならないだろうと思っておりますので、この点につきましては改めて質問させていただきます。
 きょう、法務大臣がまた参議院の委員会がおありだということで、こちらのストーリーも崩れるわけでございますけれども、理事会でその辺協議になりましたので、法務大臣がいらっしゃるときに、重要な案件でございます破防法の団体規制の適用という問題について改めて触れさせていただきたいと思っております。
 この点につきましては、連日のようにそれぞれの立場から議論が交わされているところでございますが、その中で一つ気になることがございます。
 村山総理の答弁の中で、公安調査庁長官が弁明手続開始を公示するまでは、一切物を言ってはいけないものではないということをおっしゃっておられます。そして、公示以降は準司法的手続となり、政治が口を挟むものではない、このようにもおっしゃっておるわけでございます。
 ということは、今はまだ公示する前でございますから、当然行政の長として、答弁にあったように、何らかの形で首相の意見というものが公安調査庁当局の方に伝えられているのではないか、こう思うわけでございます。
 この首相の破防法適用に対する答弁は、私どもから見るといろいろと紆余曲折があった、ぶれたというように思うわけでございますが、国会答弁では首尾一貫しているというお話でございます。
 そこで、首相からどのような指示がこの問題についてあったのかそれはいつごろ、どのような形で、どういう内容であったのかをお聞かせ願いたいと思います。
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河内悠紀#7
○河内政府委員 お答えいたします。
 破防法の適用につきましては、あくまでも法と証拠に基づいて判断すべきものであり、また、この問題は国民の基本的人権に重大なかかわりを有することから、その法的判断を誤ることのないように、厳正かつ慎重に対処するよう指示されております。
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北橋健治#8
○北橋委員 厳正かつ慎重に、何となくわかるようでよくわからないのですが、公安調査庁は、そのお話を聞いて、それをどのように解釈されたでしょうか。
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河内悠紀#9
○河内政府委員 破防法の適用につきましては、国民の基本的人権に関することでございますので、当然の御指示だと思いました。
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北橋健治#10
○北橋委員 私もテレビ報道でしかちょっとつかんでいないので正確さを欠くかもしれませんが、過日の社会党の中央執行委員会においてこの問題が随分議論されたように伝えられました。私もその中にいたわけではありませんし、正確なコメントを聞く立場にないものですから、そのテレビの報道を聞く限りにおいて、NHKだったと思いますけれども、随分とまず議論が闘わされた、これは事実だろうと思います。二番目に、そのテレビはたしか反対という言葉を使っていたような気がしますが、これはやはり正確さを期すために、破防法の適用については慎重な議論が続出した、こういうふうな報道がされたと記憶をいたしております。
 実は、私のブレーンの中にも、この問題については基本的人権にかかわるということで、新進党の首脳が破防法の適用について踏み込んだ発言をしたときには随分問い合わせがあったものでございます。私も、学生時代以来、この問題については慎重の上にも慎重を期すべき重要な問題があることは承知をいたしております。
 しかしながら、事ここに及びますと、法務大臣の答弁によりますと、最終的な詰めの段階に入ってきたかのような答弁をされておられます。ですから、あえてお聞きするわけでございますが、確かに総理のおひざ元の御意見だけに振り回される方ではない、そういう方ではないと思いますけれども、やはり社会党の中で随分と慎重な意見があった。
 そういうものを踏まえて考えていきますと、総理から慎重にという表現があれば、私どもは普通慎重にという表現を使うときには、ブレーキを踏むかあるいはエンジンブレーキをかけるか、余り前向きな形での作業を指示したとは少し聞き取れないわけでございますが、法務大臣、どのように受けとめればよろしいのでしょうか。
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宮澤弘#11
○宮澤国務大臣 破防法は、申し上げるまでもなく、公共の安全を確保することを目的にしておりますが、ただいまもお話がございましたように、事基本的人権に関する問題でもございますので、法と証拠に基づいて、厳正かつ慎重に判断をすべきものだというのが私どもの基本的な態度でございます。
 総理が慎重にと言っておられますのも、文字どおり、私ども考えておりますように、基本的人権にも関係のある問題でございますので、法の適用を誤らないようにやっていけよ、こういう御指示だというふうに考えております。
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北橋健治#12
○北橋委員 それでは、内部の作業中の問題についてお答えになるのは難しいかもしれませんが、果たしてこのオウム真理教の教団について団体規制の適用は是か非かという問題にちょっと踏み込んで議論させていただきたいと思います。
 これには少なくとも二つの要件がある。一つは政治目的というものに相当するか、次に再犯のおそれがあるかという二つの要件が重要であります。
 私もこの案件をずっと追ってまいりまして、まず政治目的でありますけれども、松本サリン事件、これは裁判官をねらったと言われている事件ですが、あるいは警察庁長官を襲撃する事件が起こりました。これを見ますと、明らかに司法、警察への破壊テロ活動だとみなされるのではないか。次に、サリンや武器を製造していた、独自の政府組織など、国家秩序の破壊、否定につながる動きが顕著ではなかったか。この二つからいたしまして、政治目的という要件は満たすのではないかと私は思います。
 続いて再犯のおそれがあるかという要件、これについても、法務省内部におきまして随分と議論がされたと思いますけれども、教祖の麻原は改悛をしたとは聞いておりません。麻原を絶対的信仰の対象にしている盲目的な信者は多数いると言われておるわけでありまして、今後、裁判の展開によっては、教祖を取り返すために何らかの犯罪的な行為を行う可能性というのはやはり否定できないと思うのであります。
 それから、指名手配犯が逃亡中であります。その中には、爆弾娘、ガス男と言われる男もいます。そして、数百人の信者がいまだ集団を形成したままであります。これについては、若干最近動きがありまして、信者の方の家に新しい建物を建てて、そこに移ろうという動きも出てきました。資産隠しの動きと相まって、いろいろな見えない動きが始まっております。しかしながら、やはり、カルトといいますか集団を形成したまま行動していることは間違いないと思うのであります。
 以上、二つの要件は満たすのではないか。
 しかし、問題はここからであります。基本的人権という問題に照らして、果たしてこの問題をクリアできるかどうかであります。実は、私どもも、アメリカのRICO法だとかヨーロッパの制度を調査をしてみました。しかし、新しい法律をもって適用するとなると、被告に不利益になることでございますから、遡及はできない。そしてまた、いろいろと難しい問題はあるにせよ、これだけの日本列島を震憾させた凶悪なテロ集団であります、今後とも何をするかわからないという不安もあるわけです。そういったものに対して、結局は、現時点で国家は沈黙するか、あるいは、いろいろと難しい問題はあるけれども破防法の適用に踏み切るしかないと思うのであります。
 私は、やはり破防法の適用は避けられないのではないか、そのように思うのですが、法務大臣の見解を求めたいと思います。
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宮澤弘#13
○宮澤国務大臣 特定の案件につきまして破防法を適用することができるかできないか、すべきであるかないかということにつきましては、かねて申し上げておりますように、四つの要件がある。一つは団体の存在であり、二番目には団体としての活動があり、そして三番目には暴力主義的な破壊活動を行ったということであり、四番目には、先ほどもお話がございましたように、今後、反復継続して行われる危険性があるかないかということでございます。
 そして、それに当たるのではないかという御質問でございましたけれども、ただいま公安調査庁を中心に、法と証拠に基づいて、その適用の可否、適否について検討をいたしておる段階でございます。調査をいたしました事項について、破防法の適用の妥当性、可否、適否というものを検討いたしておる段階でございますので、当たるか当たらないかということを御答弁を申し上げることは御遠慮を申し上げたいと思います。
 なお、先ほど漏れましたけれども、現在、公安調査庁においては、なお幾つかの検討すべき問題を残しておりますが、詰めの段階に入っているところでございます。
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北橋健治#14
○北橋委員 この問題については、自民党の政調会長がこのように言っておられます。この破防法の適用問題では、解散命令が出た後、再発の危険性があるのか十分点検し、適用することもあるのではないか、このように報道で伝えられております。
 これは、与党の首脳の言葉でございますから、これに伴ってどうのこうのという気持ちはございません。ただ、総理の答弁でも、きのうの時点におきまして、やはり宗教法人法による解散を先行させる、その後で、任意団体として残った団体がどのような活動をするのかを見きわめる、こういうことをおっしゃっておられるわけであります。
 そこで、それでは宗教法人法による解散になった後、そのときまで待たなければならないということになるわけでありますが、今現に、新たな動きがこの教団には続いているのではないか。
 十一月七日のあるテレビ報道によりますと、よく調べたものだと思いますけれども、高崎の話でございますが、中学校三年生の少女に十五時間も建物の中で入信を勧誘していたというのですね。そして、出てきたところを職務質問した警官に対して暴行を加えた、こんな事件がつい最近起こったわけであります。それからもう一つ、信者の所有している土地に新しい建物を新築する動きがある。これはオウム教の信者の方であります。テレビは、その設計事務所を調べまして、都内の設計事務所へ行ったところ、幽霊会社なのですね。
 私は、このテレビ報道を見て思ったのですけれども、最近、裁判を通じまして、自分は改悛した、麻原は死刑にしてやってくれと言う元信者もいらっしゃる。ということで、世の中は、事態は収束に向かっているという動きが、結構裁判の報道を通じて出てくるわけであります。しかしながら、このテレビ会社がこれを放映したというのは、相当状況を判断してプロデューサーが決断していると思うのですけれども、やはり何をするかわからない、形を変えて生き残ろうとしているのではないかという不安もあるわけです。
 こういった事実関係について、当局はどのように把握されているでしょうか。
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河内悠紀#15
○河内政府委員 今の御質問に関しましては、具体的な調査の内容に関することでございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
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北橋健治#16
○北橋委員 つい最近の報道でございますから、それを調べるというのは大変だということはわかります。だから、職務怠慢だとかそういう気持ちはないのですけれども、世論は、やはり何をするかわからないという漠然とした不安というのがまた一方高まってきているのではないでしょうか。
 この後、私はオウム教団の財産の保全の問題を取り上げるのですが、そこでお伺いしようとしているのですけれども、報道によりますと、もう既に全国三十カ所ぐらいの不動産を、評価額で二十億円という数字も報道されておりますけれども、関連会社の所有に名義を変更する、あるいは個人の信者に名義を変更するなんという例がある、そういうふうに報道されていることもあるのですね。あるいは、推定百億円の現金を資産として持っているのではないか、そのうち何と四十億円がアメリカ、台湾等に移転しているのではないかこのように報道する向きもある。この真偽の関係は私どもは調べられないわけでありますが、いずれにしましても、何か資産隠しをやって、また教祖の帰ってくるのを待つといいますか、場合によってはそんなことの不安というのも出てくるのではないか。
 そういった意味においては、宗教法人法による解散が確定した後に作業に入るというふうに首相はきのうまで答弁で言っているわけなのですが、そのときに団体がどのように活動するかというのは、今から見ておかなければだめなのではないでしょうか。そういった意味におきまして、きちんと、この団体が今どうなっているのかということをしっかりと追いかけていく、注視をしておく努力というものがやはり求められていると思うのですが、いかがでしょうか。
    〔鈴木(宗)委員長代理退席、委員長着席〕
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宮澤弘#17
○宮澤国務大臣 私どもは、法と証拠に基づいて判断をするということを再三申し上げております。その証拠の中には、行われたことと同時に、現に行われていることということも頭の中に入れなければならないと思っております。
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北橋健治#18
○北橋委員 宗教法人法による解散が確定してからのお話というふうに、いつの間にか政府の方はそういう答弁になってきたわけでありますけれども、我々としては、当委員会が開かれていろいろ議論をするという端緒は、あの凶悪なテロリスト集団の事件が発端になっているわけであります。それからいたしまして、やはり国民の大いなる不安というもの、これを根絶する、二度と再発がないように万全の措置を講ずるということが一番大事ではないか。
 残念ながら、政府・与党は、それを宗教法人法の改正という形でお出しになったわけでありますけれども、私どもは、先ほど警察法の改正を申し上げました。行政関係の法令の適切な処理で随分と効果はあるのではないか。そしてまた、破防法につきましても、基本的人権にかかわる重要な問題があるにせよ、やはりオウムに対して国民の世論にこたえて、国民の世論というのは総理が好んでお使いになる言葉であります。まさに国民世論はその根絶を求めているわけでありますから、私は、いろいろと難しい問題があるにせよ、残念ながら伝家の宝刀を抜かざるを得ない、それを抜かないまま国家が沈黙することは、決して国民は容認しないだろうと思うのです。
 その点についての所見を求めましても、お答えはいたしかねるということだと思いますが、一点だけ確認させてください。
 私は、社会党の中執の中で慎重意見が相次いだという議論を批判するつもりは毛頭ございません。それも有力な意見であります。そしてそのときに、それにかわる新しい立法を検討するといったときに、新進党員負けちゃおれない、勉強しようと思ったものであります。しかし、新しい立法では、さかのぼることはできないのであります。そういった意味で、社会党さんの議論が総理の考え方を左右するとは私は断定はしませんけれども、公示するまでの間に首相は意見を述べるということをはっきりとおっしゃっているわけでありますから、そのお考えはお考えとして、やはり国民世論というものを、それをしっかりと踏まえて対応していただきたいと思うのであります。
 大臣の最後の御答弁をいただいておきたいと思います。
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宮澤弘#19
○宮澤国務大臣 総理は、破防法所定の団体規制の請求が一つの行政処分であるという以上は、その適用に当たって、総理にも行政の長としてのそれなりの責任がある、こういうお考えであろうと私ども受け取っております。その際に、私どもは無論、法と証拠に基づいて判断をいたしますが、また総理のそれなりの責任があるというようなお考えでもございますので、総理の御理解も得まして結論を出さなければならないと思っております。
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北橋健治#20
○北橋委員 適切な措置を講ぜられるように強く求めておきたいと思います。
 大臣、法務委員会があるということですから、御退出いただいて結構でございます。
 さて、先ほど私は一番最初に申し上げました。当委員会における政府・与党と私ども新進の立場は大きく隔たりがあります。しかしながら、その中にあって国民世論は、確かにオウム事件を端緒にいたしましてまず緊急にやるべきことがあるだろう、それに対してなぜ国会は真剣に取り組んでくれないのかという不満は結構広がっているように思うのです。
 といいますのは、新進党のオウム事件再発防止プロジェクトで山梨県に参りました。上九一色村に行きました。そのときいろんな陳情があったんですけれども、いろんな法改正の議論をするのも結構だけれども、とにかく土地を仮差し押さえするために随分と苦労したんだと。亡くなった方とか負傷された方々の被害者の弁護団の人たちも、とにかくお会いいたしますと、中には政府の法改正に理解できるという人もいるんですよ、その方ですら、私は政府の法改正に理解はするけれども、それよりもやることが先にあるはずだと。それはやはり、この宗教法人に対して解散命令が出ていこうとしているわけですが、オウムの教団の財産について緊急に保全をする、そして被害者を救済するための立法が必要ではないかということでありました。
 そこで、まず政府にお伺いしたいのでございますけれども、先ほど私が触れましたように、いろんな報道で、オウム教団は今資産隠しの動きが顕在化してきたのではないかと言われているわけでありますけれども、一体どの程度この教団は資産を持っているんでしょうか。不動産、金融資産、わかりましたらお教えをいただきたい。そしてまた、資産隠しの動きに対して、政府としてはこれをどのような基本姿勢で見守っているんでしょうか、状況を把握されているんでしょうか、お伺いいたします。
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小野元之#21
○小野(元)政府委員 オウム真理教は東京都の所管でございまして、私どもとしては、それについて詳しい資料は持っていないわけでございます。
 それから、所轄庁は現行法で認証後の活動状況を把握できる仕組みになっていないという点もございまして、東京都の方も余り把握ができていないわけでございますけれども、御指摘のような財産の移転といいますか、解散命令が効力を発する以前に何とか財産を隠そうという動きが一部あるということは、私ども、ある程度承知をいたしております。
 この点につきましては、東京地裁で先般解散命令の決定が出されたわけでございますけれども、教団側は即時抗告を行っておるということで、これから東京高裁で審理が進むわけでございますけれども、私どもといたしましては、できるだけ早く東京高裁で解散命令を出していただいて、そして裁判所の選任した清算人によりきちんとした清算手続が速やかに進められるということを期待しておるわけでございます。
 なお、私どもといたしましても、各都道府県知事、所轄庁等に対しまして、休眠法人を売買するような動きでございますとか少しおかしな動きがあればぜひにらんでいて、何かあればぜひ報告をしてほしい、それから不当な形で財産移転が行われないようにそれぞれの立場で見張っていこうということは、今やっておるわけでございます。
 なお、オウム真理教につきましては、責任役員が設立時のままでございますとすれば、多くの人が身柄を拘束されております。したがって、財産移転等が正規の宗教法人の手続で行われているかどうかということについても問題があるわけでございます。これらにつきましては、いずれ解散命令が確定した時点で清算人等にもそのようなことを申し上げて、きちっとした形で、財産がおかしな方にならないように私どもとしてはできるだけの努力をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
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杉田和博#22
○杉田政府委員 お答えをいたします。
 オウム真理教が所有をいたしております不動産等の資産については、そのほとんどを把握をいたしております。
 ちなみに不動産で申し上げれば、実勢価格等で大体三十億程度、それからこれまでの捜査等の結果からしまして、オウム真理教に対してお布施等でささげられたもの、こういうものが百数十億であるというふうに把握をいたしております。
 また、オウム真理教の財産隠しでありますけれども、御指摘のとおり最近、富士山総本部の建物、土地、さらにまたその他の教団所有の不動産、こういうものを信者の個人名義、さらにまた別の会社の名義に変更しておるという、一見資産隠しと思われるような動きが見られます。こういうことについても私どもの方で承知をいたしております。したがいまして、名義変更の過程で違法行為があれば、これに対しては厳正に対処してまいる、かように考えております。
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北橋健治#23
○北橋委員 ある報道によりますと、九月の末ごろの話なんですが、在家信者に戻るように教団の幹部が指示をしたという話が載っておりました。それは、そのときには着のみ着のままではなくて、教団の資産を持って在家信者に戻るように指示をしたという報道があるわけです。私どもはその報道の真偽を確かめるすべは持っておりませんが、いろんな形でこの資産隠しが行われている可能性があります。
 そこで、これは社会党の佐々木委員の方からも適切な御質問があったわけでございまして、これについては真っ先にやってはどうかと思うわけであります。この点について文部大臣のお答えは、私のメモによりますと、今回の改正は、つまりこの宗教法人法の改正ですが、今回の改正はとりあえずすぐやらねばならない点に絞った、そして、委員の御指摘は当然だと思う、審議会その他の意見を聞いていきたい、こういう趣旨の答弁をされたと私のメモには残っております。そのとおり理解してよろしいのでしょうか。
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島村宜伸#24
○島村国務大臣 財産保全処分の問題についてということでよろしゅうございますか。
 この問題は、宗教法人法の解散命令制度と密接にかかわる問題でございます。したがいまして、宗教法人審議会において、解散命令制度のあり方は検討すべき項目の一つとして挙げられてはおります。しかしながら、問題が複雑であり、検討にかなりの時間が必要なことから、とりあえず優先的に審議すべき項目としては挙げられておらず、今回の審議会の報告では触れられておらない、こういうことでございます。したがいまして、この問題は、今後開催される宗教法人審議会におきまして慎重に検討されることになろうかと思います。
 なお、財産保全処分の問題は、解散や取り消しについての制度は異なるものの、他の公益法人においても特別の規定がなく、他の公益法人との均衡の観点からも慎重な検討が必要であると考えておるところであります。
 なお、オウム真理教事件に関しては、財産隠匿などの不正が行われないよう情報把握に努め、違法行為の疑いのある場合には関係機関と連携し、厳正かつ適切に対処するよう各都道府県知事あてに通達しているところであります。
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北橋健治#25
○北橋委員 私は、財産保全措置を至急講ずるべきだという与党の御質問の趣旨には全く賛成です。そしてそればかりではなくて、新進党はそのために具体的に立法措置を講ぜよということで最終的な詰めの段階に入っております。
 そこで、大臣の御答弁を聞いておりまして、私どもと基本的に大きく隔たる点があるということを感じました。それはどちらが優先すべき課題かということであります。
 今回の法改正によると、一体この宗教法人法改正、いっ成立するのかわかりませんけれども、法律が通ってから公布されて施行するのは一年以内ということであります。今すぐという話ではないと思うのであります。ところが、この財産保全の問題というのはオウムの被害者弁護団の方々も強く言われております。何で宗教法人法の改正を先に議論するのか、今現に資産隠しが行われていて、これから被害者のその権利を守るためにどれだけ闘わねばならないか、国会が真っ先にやるべきことはこの財産保全にかかわる立法措置ではないのかそのことをぜひやってほしいという強い要請がありました。
 私ども、それは当然だと思うのであります。どちらが緊急なのか。当委員会が開かれたのは、オウム事件に端を発して開かれた委員会であります。そして私どもは大いに応酬してきたわけでありますけれども、とにかくその被害者になられた方々のために手を差し伸べるのは当院における最優先の議題だと思うのであります。
 その意味で、私は、文部大臣の答弁を聞いておりまして、とりあえずすぐやらねばならない点に絞ったということでこの法案を出されたわけだけれども、国民は果たしてそれをそのとおりと思うでしょうか。新進党が言っているように、やはり今一番緊急に手を差し伸べねばならない方々のために国会が、新進党の言うような新規立法であるかどうかはどうなるかわかりませんけれども、それに対して正面から真剣に取り組むという姿勢が国民世論にこたえる道ではないのでしょうか。基本的な姿勢について再度お伺いいたします。
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島村宜伸#26
○島村国務大臣 先生いみじくも先ほど御指摘があったように、まさに法律には不遡及の原則がございます。したがいまして、今から緊急に立法事してこれに間に合わせることが可能であれば私たちはそれに対応しなきゃいけないわけでありますけれども、今回の問題に関して早急にこれに対応しようとしても、現実に起きている事件そのものがあるわけでありますから、その点では今回は審議の後になった、こういうことでございます。
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北橋健治#27
○北橋委員 総理は、この宗教法人法の改正をめぐる議論の中でしばしば、国民世論にこたえていきたいということを言われております。私ども、基本的な姿勢は同じであります。今の大臣の答弁に私は納得できないのですけれども、実際この問題のために被害を受けられている方々がどれだけの苦労をしているかということを政府はどの程度認識されているのでしょうか。
 例えば上九一色村の住民約五百人、オウム真理教に対して一人当たり三十万円の損害賠償請求権、つまり慰謝料を被保全債権としてオウム真理教並びに関連会社名義の上九一色村の土地すべてを仮差し押さえした、その際の保証金は一千万円、村の人々には過重な負担であります。
 あるいは、松本サリン事件の被害者、熊本県波野村がオウム真理教名義の口座に振り込まれた七千万円の和解金を仮差し押さえしました。この申請手続の際に困った問題がありました。それは、松本サリン事件がオウム真理教の犯行であることを疎明する資料に関して東京地裁の納得がなかなか得られなかったということであります。つまり、刑事事件を確定するまでは無罪推定の原則があるために、マスコミ報道だけでは疎明資料にならないわけであります。このように、一般的な保全処分手続では保証金、疎明資料の点で非常に困難な面があります。
 私どもは、今本当に緊急に困っている人たち、この人たちのためにやはり新規立法を講ずる、新進党はそのことを強く求めていきたいと思うのでありますが、再度、御答弁を修正される気持ちはないでしょうか。
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小野元之#28
○小野(元)政府委員 先ほど大臣からも御答弁申し上げたところでございますが、若干補足させていただきますと、オウム真理教につきましては、十月三十日に東京地裁が解散命令の決定を出していただいております。これに対しては即時抗告がなされているわけでございますけれども、私どもとしては、速やかに高裁の判決を下していただきまして、可及的速やかに清算人の手続のもとできちんとした清算手続が行われることを期待しておるわけでございます。
 保全の問題については、先生の御指摘をいただいているわけでございますけれども、解散命令請求の進捗状況といったものを勘案いたしますと、時間的にも非常に難しいものがございました。とにかく早く清算手続に入って、そして財産をきちんとする、そして地元の方々の不安を一日も早く取り除くということを急ぐことが今緊急に求められているというふうに考えているところでございます。
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北橋健治#29
○北橋委員 山梨県やあるいは各地で被害に遭われた方々の御意見というものをもう一度政府は聞いてほしいと思います。そうすれば、新進党の主張しておりますように、この財産保全にかかわる新規の立法措置、特別措置というものがまず第一優先で考えねばならないという事の重大性に気づかれるはずであります。
 この点につきましては、私どもの期待する回答は今得られないようであります。せっかく与党の中から、良識ある見地からこの問題についての議論がありました。そしてまた、ある通信社によりますと、きのうの閣僚懇におきましても、この問題について厚生大臣が強く何とかならないのかという議論があった、そのように聞いております。これは非公式の話し合いでしょうから、それをもってどうのという気持ちはありませんが、ぜひとも政府として、新進党が言っておりますように、やはり困った人たちに手を差し伸べる、それも大きな国民世論だという認識に立って議論を続けていただきたいと思っております。
 きょう私が一番議論をしたかった点は、時間が少なくなってまいりましたけれども、次に移らせていただきます。今回の宗教法人法の改正の進め方、これは拙速ではないかという議論であります。
 その前に、どうしても大臣の御所見を承っておきたいことがあります。それは、果たして今回の宗教法人法改正がオウムの再発防止対策としてどれだけ有効かという議論をさせていただきたい、こう思っているわけであります。
 これについては、政府・与党のいろいろな方々のお話を聞いておりますと実に微妙に違うわけであります。例えば、自民党の加藤幹事長、十月三十日の記者会見、オウム事件のような「類似のケースが起きないように改正しなければならないという気持ちがますます強くなっている」、つまり、この法改正をやればオウム事件のような再発は防止できるのだという趣旨のことを恐らく言っておられると思います。自民党の山崎政調会長、これは読売新聞で十月十日、座談会の中で各党の懇談の中で言われていることなんですが、「法改正は、オウム問題が起こって、現行法で適正な対応ができなかったという反省に立ったもの」だ、「再発防止が重点で、それだけといっても過言でない。」これなんか、山崎先生のお言葉というのは基本的にもうほとんどイコールみたいな感じであります。
 これに対しまして、文化庁のきのうの答弁は、従前よりも適切に対処し得るのではないかというお話もございました。そして、一貫して村山首相が言っているのは、現行法では所轄庁が責任を持って宗教法人の実態をなかなか把握できない、それでは行政が法の適正な運用に責任を持てないのだ、これが総理の一貫した御答弁でございます。政府・与党の中にはこの問題について相当の落差があると私は思います。
 そこでお伺いをしたいのであります。
 具体的に文部大臣は、今回の法改正によって、これは鳩山委員も質問したことでございますが、十年前にこの法改正が実現していたらオウムは未然に防止できたかという質問でありました。これに対して、改正では二度と事件を起こさないとは言えないが、活動内容や実態がある程度把握でき、異臭事件などがあれば今までと違った対応ができるというのが十一月六日の文部大臣の答弁でございます。具体的に異臭事件という名前を出しておられますけれども、どんな問題でも結構でございます、オウムを未然に防止できたという説得力のあるお話を聞かせてください。
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