行財政機構及び行政監察に関する調査会
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会
会議録情報#0
平成八年五月二十三日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
二月十四日
辞任 補欠選任
川橋幸子君 大脇 雅子君
—————————————
出席者は左のとおり。
会 長 井上 孝君
理 事
守住 有信君
矢野 哲朗君
石田 美栄君
都築 譲君
伊藤 基隆君
山下 芳生君
委 員
井上 吉夫君
石渡 清元君
亀谷 博昭君
小山 孝雄君
佐々木 満君
武見 敬三君
溝手 顕正君
宮澤 弘君
足立 良平君
猪熊 重二君
常田 享詳君
大脇 雅子君
角田 義一君
小島 慶三君
山田 俊昭君
末広真樹子君
山口 哲夫君
事務局側
第三特別調査室
長 塩入 武三君
参考人
慶應義塾大学教
授 小林 節君
玉川大学教授 川野 秀之君
関西学院大学教
授 平松 毅君
東邦大学教授 元山 健君
—————————————
本日の会議に付した案件
○行財政機構及び行政監察に関する調査
(時代の変化に対応した行政の監査の在り方の
うち新たな行政監視制度の法的課題に関する
件)
(派遣委員の報告に関する件)
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この発言だけを見る →午前十時開会
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委員の異動
二月十四日
辞任 補欠選任
川橋幸子君 大脇 雅子君
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出席者は左のとおり。
会 長 井上 孝君
理 事
守住 有信君
矢野 哲朗君
石田 美栄君
都築 譲君
伊藤 基隆君
山下 芳生君
委 員
井上 吉夫君
石渡 清元君
亀谷 博昭君
小山 孝雄君
佐々木 満君
武見 敬三君
溝手 顕正君
宮澤 弘君
足立 良平君
猪熊 重二君
常田 享詳君
大脇 雅子君
角田 義一君
小島 慶三君
山田 俊昭君
末広真樹子君
山口 哲夫君
事務局側
第三特別調査室
長 塩入 武三君
参考人
慶應義塾大学教
授 小林 節君
玉川大学教授 川野 秀之君
関西学院大学教
授 平松 毅君
東邦大学教授 元山 健君
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本日の会議に付した案件
○行財政機構及び行政監察に関する調査
(時代の変化に対応した行政の監査の在り方の
うち新たな行政監視制度の法的課題に関する
件)
(派遣委員の報告に関する件)
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井
井上孝#1
○会長(井上孝君) ただいまから行財政機構及び行政監察に関する調査会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る二月十四日、川橋幸子君が委員を辞任され、その補欠として大脇雅子君が選任されました。
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この発言だけを見る →まず、委員の異動について御報告いたします。
去る二月十四日、川橋幸子君が委員を辞任され、その補欠として大脇雅子君が選任されました。
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井
井上孝#2
○会長(井上孝君) 行財政機構及び行政監察に関する調査を議題といたします。
「時代の変化に対応した行政の監査の在り方」のうち、本日は、新たな行政監視制度の法的課題に関する件について、四名の参考人の方々の御出席をいただき、意見を聴取し、質疑を行うことといたしております。
午前は、参考人として慶應義塾大学教授小林節君及び玉川大学教授川野秀之君に御出席をいただいております。
この際、参考人の方々に二言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙中のところ本調査会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
参考人の方々から、「時代の変化に対応した行政の監査の在り方」のうち、新たな行政監視制度の法的課題に関して忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
議事の進め方でございますが、まず、参考人からそれぞれ二十分程度御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じます。
それでは、まず小林参考人からお願いいたします。小林参考人。
この発言だけを見る →「時代の変化に対応した行政の監査の在り方」のうち、本日は、新たな行政監視制度の法的課題に関する件について、四名の参考人の方々の御出席をいただき、意見を聴取し、質疑を行うことといたしております。
午前は、参考人として慶應義塾大学教授小林節君及び玉川大学教授川野秀之君に御出席をいただいております。
この際、参考人の方々に二言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙中のところ本調査会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
参考人の方々から、「時代の変化に対応した行政の監査の在り方」のうち、新たな行政監視制度の法的課題に関して忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
議事の進め方でございますが、まず、参考人からそれぞれ二十分程度御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じます。
それでは、まず小林参考人からお願いいたします。小林参考人。
小
小林節#3
○参考人(小林節君) 慶應義塾大学の小林節でございます。
このように大変重要な課題につきまして、このような国権の最高機関でお話しの機会をいただきまして、大変光栄だと思っております。
お手元に既にレジュメをお配りいただいておりますが、それに沿って簡潔に私の見解を述べさせていただきます。
まず、オンブズマン制度の議論であります。要するに、現在、行政国家において行政に対する適切なコントロールが十分きいているかということなんですけれども、これは単なる感情的不満は別としまして、最近の官官接待の問題とか薬害エイズの問題とか、さらにさかのぼれば、例のゼネコン汚職の問題などもきちんとした行政に対する統制がさいていなかったからこそ起きていることでありまして、これは何とかしなければならないということで、新しい制度か既存の制度の運用の問題に工夫が必要であるということになると思います。
そこで、多少大学の講義的で恐縮でございますが、行政に対する既存の統制手段の点検を簡単にさせていただきます。
大きく分けて、立法的統制と行政的統制と司法的統制に分けられると思います。まず、立法的統一制はここ永田町でやるわけでありますけれども、立法作業による統制、予算の策定による統制、それから行政の上にいる政治家に対する問責という形での統制、請願の処理、それからその関連で国政調査権の行使、いろいろあるわけであります。これはよく言われているように、現在、行政国家化現象の中で必ずしも十分に機能していない、だけれども、私の今の観点として、だからだめだというのではなくて、使い方があるのではないでしょうかという思いで今ここにおります。
次の行政的統制でありますが、総務庁の行政監察、行政相談が典型的にございます。私もそれに関心を持って現場を見せていただいたり比較研究をしたりいろいろやってきたのですが、日常的なマイナーな問題については結構きちんとやっていると思うんですね。ただ、今回、私自身も本当にびっくりしているんですが、官官接待の問題と薬害エイズがその典型でございます。やはり限界があるということを言わざるを得ないと思います。
それはよく言われていることでございますが、総務庁というのは唯一利権官庁でないとか、それから行政監察というのは行政府内権力分立的な位置にあるとか理論上言われますが、私もある意味でうかつにそう講じてまいりました。ただ、実態を見ていますと、さまざまな接触や人事交流の中でやはり一種のなれ合い、これは表現が御無礼になるかもしれませんけれども、一種のなれ合いの疑いがあるのは事実であろうと今感じております。
それから、行政相談というのは派手さはない、ある意味では権威性に欠ける、意外と知られていない。けれども逆に、全国に五千名余りの相談委員がおられて、これは総務庁の行政監察事務所のバックアップを受けていますから、結構いい仕事をしていると思うんです、資料などを見ても。ただ、これも本質的な問題にぶつかったときさあどうかという、越えていく力に欠けるんではないか。だからこそ、まさに権威のあるオンブズマンが必要だろうという思いに今なっているわけであります。
司法的統制、これはもう御案内のとおり行政不服審査、行政府が行う司法的統制でございますが、それとその先の各種訴訟、これは行政事件訴訟にかかわらずいろんな訴訟を利用して必要によっては行政府を追い込む可能性はあるわけです。これは御存じのとおり時間と経費、すなわちコストがかかり過ぎてためらわれる。そして、長い時間がかかったけれども実質的には何の利益もないというようなことが多い。
それから、最近それで心配しておりますのは、この調査会には法曹資格をお持ちの先生方がたくさんおられるんですけれども、判検交流ですね、判事と検事の人事交流の中で妙に行政に対して物わかりのいい裁判官が生まれてしまっている。そういうところに行政事件訴訟を持ち込んで何になるのか。逆に、私などむだだからやめた方がいいと思うこともあるわけであります。実にそういう意味ではこれも一種のなれ合いの危険性があるという気がいたします。したがって、何か新しくしなければいけない。
そこで、参議院オンブズマンということなんですが、結論として私は賛成でございます、それは今までの限界の中で。ただ、これも御存じのとおり、オンブズマンというのは作用的には三権分立論でいきますと立法作用ではないですね、司法作用でもないですよね。そうすると、やはり行政作用のたぐいでありますから、オンブズマンのやり方を間違えると、それは憲法六十五条によって行政権はそもそも一括して内閣に属するわけですから、ここで行政権を行使するわけにはいかないという問題にぶつかると思うんです。そこを、先ほど申し上げたような、でも何かしなきゃいけない、既存の制度では思ったほど総務庁に期待できないというような観点で考えれば、やはりやり方を工夫して参議院に置くのが一番オンブズマンらしいんではないかと私は今思っております。
まず、オンブズマンというのは知名度と権威性がないと意味がないと思うんですね。つまり、国民大衆がそのことを知って期待し、その結果をわくわくして見て、それが政治的なバックアップになるわけです。実際、全国津々浦々のなるほどなというような行政苦情に対して、行政相談委員の先生方は結構まじめに地元の名士としておこたえになっていますけれども、いかんせんそういうものが知られていない。知られていない以上使われない。使われない以上、たまたま知っている人が使って何かあっても、へえ何なのということになりまして世論のバックアップが生まれてこないと思います。それから、行政相談委員自体が全国のいわば現場に五千人広がっているということでありますので、ナショナルな意味での権威性がない。御存じのとおり外国のオンブズマンというのは、例えば王宮で何か公式の行事があるときにどの席に座るかということなんですが、現職の閣僚相当の席が与えられる。これ重要だと思うんです、こういうことは。今の日本において行政相談委員にそういうものは、もちろん五千人にというわけにはいかない、その代表者にもそういうものは与えられていないというようなことがあります。
したがって、知名度と権威性がないんですが、国権の最高機関の中の一院で、かつ機能上理性の府、良識の府、だから衆議院はその裏返したと申し上げているわけではございませんで、そういう憲政のブレーキ役がその位置として期待されているという意味だと思うんです。そういう意味での良識の府参議院に新設しますと、特に今のような官官接待と薬害エイズで行政に対する不信感がピークに達しているタイミングをとらえて、きちっと制度化して参議院オンブズマンを打ち上げますと、それは一瞬にして知名度と権威性を得るわけであります。これは仕組みの問題であると同時に機能の問題として大きな力になる。
私の比較研究の結果は、やはり知名度と権威性がないと実効性が生まれないんですね。そうすると、ただの行財政改革のつもりが一個のむだ金遣いをつくったことになってしまうわけであります。もちろん、これまでの制度と重なるじゃないかという議論はあると思うんですが、重なってもいいと思うんです、ここで何かプラスが生まれれば。役に立つことにお金を使うのはいいと思うんです、今のままでは何も生まれないですから。お金を使ってもいいと思う。そして、改めて重複したところは整理していけばいいわけであります。
それから、行政となれ合いにしないことができるというのは、これは大事にお気をつけいただきたいんです。まさに参議院ならではの功成り名を遂げた方で、これは実に生臭い話で、過度に政治的野心をお持ちでない方とか、それから、これは偉い先生方が御自分で処理するわけではなくて最後に判断するだけですから、材料を整える専門調査員のたぐいの参事官クラスのスタッフが当然何人か必要になってくる。それが各省庁からの出向者でありますと結局しり抜けになってしまう。これは三権分立及び二院分立の中で、参議院は参議院独自のスタッフを育てているわけです。それがすべての行政省庁に対応するような仕組みになっておりますから、人事の登用の際にお気をつけになられること。それからあとは、名誉職ではありませんから働き盛りの一線級の民間人を短期任用するとか、そういう工夫をすれば本当に生きるオンブズマンができるのではないか。
そして、二院制の活性化というのですけれども、これは衆議院の選挙制度が変わったことによって、一見衆議院と参議院の制度が似てきてしまっている面があります。ただ、もちろん人が違うわけです。それから大きな違いは、これこそ釈迦に説法でございますけれども、衆議院議員の先生方というのはいつも総選挙を意識して腰が浮いたような状態で走り回っておられます。それに対して参議院の先生方は、六年間身分を保障されておりますのでじっくりと考え事ができるお立場にある。これはまさに良識の府たる、理性の府たる一つの条件なんですね。そういう意味で二院制をきちんと生かす。これは政治改革の一環で、立法その他に必ず反映してきます。政治の質を高めるというのも政治改革の目的であったはずであります。それから、その政治改革の先に期待されている、今の時代の要請にかなった力をつけた政治が行政の傲慢を許さない行政改革という方向に行くのではないか。
ただ、幾つか注意すべき点が出てきます。党派的対立を持ち込まぬこと。どうせっくつても党派的対立があってだめだろうという議論が出てきますねっこれは、それこそ制度の趣旨を考えて、国会法とか規則の改正の問題になってぎますけれども、それぞれの会派の比例配分ではなくて、ある意味では一定規模以上の会派は対等に同数入れてしまうとか、何かそういう大胆な発想で委員構成をなさるとか。それから、委員にそれぞれの会派の議員団長経験者とか賢人会議のような形にしてしまうとか、あるいはそういう方は党議拘束から外すとか、そうすることによって事柄は、つまり本当にお互いに心を開いて事案を見つめれば、おのずと落としどころに落ちていくと思うんです。間違っても党派的対立を持ち込んだらそれは茶番になってしまうと思います。
それから行政相談、イギリスやフランスを見ておりましても、結局、偉過ぎるお方が首都に構えていて偉過ぎて終わってしまうということもあるわけで、やはり地の事情を知らないと困ります。これはいわゆる間接アクセスのたぐいですが、議員紹介というのも一つの方法です。数からいけば議員紹介よりは行政相談委員の方が数がおりますし、それから、議員紹介でありますと現職の政治家としてのいろいろな利害関係も出てきますから、むしろ全国五千名の行政相談のボランティアの地方の名士とうまく連携をとるような仕組みをお考えになったら、これは花も実もあるものになるのではないかと思います。
それから、先ほどの行政機能、つまり具体的な行政処分を否定するような処分をやると典型行政権になってしまいますので、これは内閣の管轄下に置かないと憲法六十五条違反になります。したがって、そこは国政調査権を根拠に、それからその対になるものとして国民の側の請願権を根拠にお使いになって、そして、これは権威と説得力で物を言う機関のはずですから、何も最終的な結論を法的に押しつける必要は毛頭ないので、勧告と呼ぼうが意見と呼ぼうが報告と呼ぼうがそれはそれでいいと思うんです。要するに、党派的対立を外に見せずに説得力のある結論を内閣と世に問えば事はおのずと動いていく。これが本来の賢人のオンブズマンのあり方であったと思うんです。
そうなりますと、今の制度でいくと調査会の任務事項に行政苦情相談とかその他の事項を少し書き加えて、メンバーの出し方の例外をつくって、それから勧告とか意見というものを明確に条文の中に入れて、あとは、現在の調査会は報告を議長にお出しになるわけですよね、それを当然に内閣にも提出するとか。そういうふうに条文を工夫すれば、もちろん常任委員会のする筋の問題でもありませんし特別委員会のする筋のものでもない、一種のオンブズマン調査会のようなもので結構簡単に、あとは予算の問題でしょうけれども、何かやってみることはできるんではないかと今は考えております。
とりあえず以上でございます。
この発言だけを見る →このように大変重要な課題につきまして、このような国権の最高機関でお話しの機会をいただきまして、大変光栄だと思っております。
お手元に既にレジュメをお配りいただいておりますが、それに沿って簡潔に私の見解を述べさせていただきます。
まず、オンブズマン制度の議論であります。要するに、現在、行政国家において行政に対する適切なコントロールが十分きいているかということなんですけれども、これは単なる感情的不満は別としまして、最近の官官接待の問題とか薬害エイズの問題とか、さらにさかのぼれば、例のゼネコン汚職の問題などもきちんとした行政に対する統制がさいていなかったからこそ起きていることでありまして、これは何とかしなければならないということで、新しい制度か既存の制度の運用の問題に工夫が必要であるということになると思います。
そこで、多少大学の講義的で恐縮でございますが、行政に対する既存の統制手段の点検を簡単にさせていただきます。
大きく分けて、立法的統制と行政的統制と司法的統制に分けられると思います。まず、立法的統一制はここ永田町でやるわけでありますけれども、立法作業による統制、予算の策定による統制、それから行政の上にいる政治家に対する問責という形での統制、請願の処理、それからその関連で国政調査権の行使、いろいろあるわけであります。これはよく言われているように、現在、行政国家化現象の中で必ずしも十分に機能していない、だけれども、私の今の観点として、だからだめだというのではなくて、使い方があるのではないでしょうかという思いで今ここにおります。
次の行政的統制でありますが、総務庁の行政監察、行政相談が典型的にございます。私もそれに関心を持って現場を見せていただいたり比較研究をしたりいろいろやってきたのですが、日常的なマイナーな問題については結構きちんとやっていると思うんですね。ただ、今回、私自身も本当にびっくりしているんですが、官官接待の問題と薬害エイズがその典型でございます。やはり限界があるということを言わざるを得ないと思います。
それはよく言われていることでございますが、総務庁というのは唯一利権官庁でないとか、それから行政監察というのは行政府内権力分立的な位置にあるとか理論上言われますが、私もある意味でうかつにそう講じてまいりました。ただ、実態を見ていますと、さまざまな接触や人事交流の中でやはり一種のなれ合い、これは表現が御無礼になるかもしれませんけれども、一種のなれ合いの疑いがあるのは事実であろうと今感じております。
それから、行政相談というのは派手さはない、ある意味では権威性に欠ける、意外と知られていない。けれども逆に、全国に五千名余りの相談委員がおられて、これは総務庁の行政監察事務所のバックアップを受けていますから、結構いい仕事をしていると思うんです、資料などを見ても。ただ、これも本質的な問題にぶつかったときさあどうかという、越えていく力に欠けるんではないか。だからこそ、まさに権威のあるオンブズマンが必要だろうという思いに今なっているわけであります。
司法的統制、これはもう御案内のとおり行政不服審査、行政府が行う司法的統制でございますが、それとその先の各種訴訟、これは行政事件訴訟にかかわらずいろんな訴訟を利用して必要によっては行政府を追い込む可能性はあるわけです。これは御存じのとおり時間と経費、すなわちコストがかかり過ぎてためらわれる。そして、長い時間がかかったけれども実質的には何の利益もないというようなことが多い。
それから、最近それで心配しておりますのは、この調査会には法曹資格をお持ちの先生方がたくさんおられるんですけれども、判検交流ですね、判事と検事の人事交流の中で妙に行政に対して物わかりのいい裁判官が生まれてしまっている。そういうところに行政事件訴訟を持ち込んで何になるのか。逆に、私などむだだからやめた方がいいと思うこともあるわけであります。実にそういう意味ではこれも一種のなれ合いの危険性があるという気がいたします。したがって、何か新しくしなければいけない。
そこで、参議院オンブズマンということなんですが、結論として私は賛成でございます、それは今までの限界の中で。ただ、これも御存じのとおり、オンブズマンというのは作用的には三権分立論でいきますと立法作用ではないですね、司法作用でもないですよね。そうすると、やはり行政作用のたぐいでありますから、オンブズマンのやり方を間違えると、それは憲法六十五条によって行政権はそもそも一括して内閣に属するわけですから、ここで行政権を行使するわけにはいかないという問題にぶつかると思うんです。そこを、先ほど申し上げたような、でも何かしなきゃいけない、既存の制度では思ったほど総務庁に期待できないというような観点で考えれば、やはりやり方を工夫して参議院に置くのが一番オンブズマンらしいんではないかと私は今思っております。
まず、オンブズマンというのは知名度と権威性がないと意味がないと思うんですね。つまり、国民大衆がそのことを知って期待し、その結果をわくわくして見て、それが政治的なバックアップになるわけです。実際、全国津々浦々のなるほどなというような行政苦情に対して、行政相談委員の先生方は結構まじめに地元の名士としておこたえになっていますけれども、いかんせんそういうものが知られていない。知られていない以上使われない。使われない以上、たまたま知っている人が使って何かあっても、へえ何なのということになりまして世論のバックアップが生まれてこないと思います。それから、行政相談委員自体が全国のいわば現場に五千人広がっているということでありますので、ナショナルな意味での権威性がない。御存じのとおり外国のオンブズマンというのは、例えば王宮で何か公式の行事があるときにどの席に座るかということなんですが、現職の閣僚相当の席が与えられる。これ重要だと思うんです、こういうことは。今の日本において行政相談委員にそういうものは、もちろん五千人にというわけにはいかない、その代表者にもそういうものは与えられていないというようなことがあります。
したがって、知名度と権威性がないんですが、国権の最高機関の中の一院で、かつ機能上理性の府、良識の府、だから衆議院はその裏返したと申し上げているわけではございませんで、そういう憲政のブレーキ役がその位置として期待されているという意味だと思うんです。そういう意味での良識の府参議院に新設しますと、特に今のような官官接待と薬害エイズで行政に対する不信感がピークに達しているタイミングをとらえて、きちっと制度化して参議院オンブズマンを打ち上げますと、それは一瞬にして知名度と権威性を得るわけであります。これは仕組みの問題であると同時に機能の問題として大きな力になる。
私の比較研究の結果は、やはり知名度と権威性がないと実効性が生まれないんですね。そうすると、ただの行財政改革のつもりが一個のむだ金遣いをつくったことになってしまうわけであります。もちろん、これまでの制度と重なるじゃないかという議論はあると思うんですが、重なってもいいと思うんです、ここで何かプラスが生まれれば。役に立つことにお金を使うのはいいと思うんです、今のままでは何も生まれないですから。お金を使ってもいいと思う。そして、改めて重複したところは整理していけばいいわけであります。
それから、行政となれ合いにしないことができるというのは、これは大事にお気をつけいただきたいんです。まさに参議院ならではの功成り名を遂げた方で、これは実に生臭い話で、過度に政治的野心をお持ちでない方とか、それから、これは偉い先生方が御自分で処理するわけではなくて最後に判断するだけですから、材料を整える専門調査員のたぐいの参事官クラスのスタッフが当然何人か必要になってくる。それが各省庁からの出向者でありますと結局しり抜けになってしまう。これは三権分立及び二院分立の中で、参議院は参議院独自のスタッフを育てているわけです。それがすべての行政省庁に対応するような仕組みになっておりますから、人事の登用の際にお気をつけになられること。それからあとは、名誉職ではありませんから働き盛りの一線級の民間人を短期任用するとか、そういう工夫をすれば本当に生きるオンブズマンができるのではないか。
そして、二院制の活性化というのですけれども、これは衆議院の選挙制度が変わったことによって、一見衆議院と参議院の制度が似てきてしまっている面があります。ただ、もちろん人が違うわけです。それから大きな違いは、これこそ釈迦に説法でございますけれども、衆議院議員の先生方というのはいつも総選挙を意識して腰が浮いたような状態で走り回っておられます。それに対して参議院の先生方は、六年間身分を保障されておりますのでじっくりと考え事ができるお立場にある。これはまさに良識の府たる、理性の府たる一つの条件なんですね。そういう意味で二院制をきちんと生かす。これは政治改革の一環で、立法その他に必ず反映してきます。政治の質を高めるというのも政治改革の目的であったはずであります。それから、その政治改革の先に期待されている、今の時代の要請にかなった力をつけた政治が行政の傲慢を許さない行政改革という方向に行くのではないか。
ただ、幾つか注意すべき点が出てきます。党派的対立を持ち込まぬこと。どうせっくつても党派的対立があってだめだろうという議論が出てきますねっこれは、それこそ制度の趣旨を考えて、国会法とか規則の改正の問題になってぎますけれども、それぞれの会派の比例配分ではなくて、ある意味では一定規模以上の会派は対等に同数入れてしまうとか、何かそういう大胆な発想で委員構成をなさるとか。それから、委員にそれぞれの会派の議員団長経験者とか賢人会議のような形にしてしまうとか、あるいはそういう方は党議拘束から外すとか、そうすることによって事柄は、つまり本当にお互いに心を開いて事案を見つめれば、おのずと落としどころに落ちていくと思うんです。間違っても党派的対立を持ち込んだらそれは茶番になってしまうと思います。
それから行政相談、イギリスやフランスを見ておりましても、結局、偉過ぎるお方が首都に構えていて偉過ぎて終わってしまうということもあるわけで、やはり地の事情を知らないと困ります。これはいわゆる間接アクセスのたぐいですが、議員紹介というのも一つの方法です。数からいけば議員紹介よりは行政相談委員の方が数がおりますし、それから、議員紹介でありますと現職の政治家としてのいろいろな利害関係も出てきますから、むしろ全国五千名の行政相談のボランティアの地方の名士とうまく連携をとるような仕組みをお考えになったら、これは花も実もあるものになるのではないかと思います。
それから、先ほどの行政機能、つまり具体的な行政処分を否定するような処分をやると典型行政権になってしまいますので、これは内閣の管轄下に置かないと憲法六十五条違反になります。したがって、そこは国政調査権を根拠に、それからその対になるものとして国民の側の請願権を根拠にお使いになって、そして、これは権威と説得力で物を言う機関のはずですから、何も最終的な結論を法的に押しつける必要は毛頭ないので、勧告と呼ぼうが意見と呼ぼうが報告と呼ぼうがそれはそれでいいと思うんです。要するに、党派的対立を外に見せずに説得力のある結論を内閣と世に問えば事はおのずと動いていく。これが本来の賢人のオンブズマンのあり方であったと思うんです。
そうなりますと、今の制度でいくと調査会の任務事項に行政苦情相談とかその他の事項を少し書き加えて、メンバーの出し方の例外をつくって、それから勧告とか意見というものを明確に条文の中に入れて、あとは、現在の調査会は報告を議長にお出しになるわけですよね、それを当然に内閣にも提出するとか。そういうふうに条文を工夫すれば、もちろん常任委員会のする筋の問題でもありませんし特別委員会のする筋のものでもない、一種のオンブズマン調査会のようなもので結構簡単に、あとは予算の問題でしょうけれども、何かやってみることはできるんではないかと今は考えております。
とりあえず以上でございます。
井
川
川野秀之#5
○参考人(川野秀之君) 玉川大学の川野でございます。本日は参議院の調査会の場にお招きいただきまして大変ありがとうございます。大変光栄に存じております。
それで、本日の課題につきまして私の見解を述べさせていただきたいと思います。私はこの二十五年余りの間オンブズマン制度を中心にして研究を進めてまいりました。基本的なテーマといたしましては、行政の力が非常に強くなっている、実際上の力というものが相対的に上回っているという、いわゆる行政国家化現象の中におきまして、国会の権威を高め、さらには国民のいわばデモクラシー、民主政治についての力を強めるためにはどうすればいいのか、そういうことを考えてきたわけでございます。
そこで、二十五年前にふとしたことから出会いましたのがスウェーデンにおいてつくられておりましたオンブズマンの制度であったわけでございます。その後二十五年、結構長い月日がたちました。二十五年前からしますと、このようなところに呼ばれて意見を述べるということ自体まず考えられないことであったわけですが、その点におきましても時代の変遷、あるいは政治状況の変化というものが非常に大きかったということをつくづく感じております。
そこで、私は諸外国におけるオンブズマン制度というものの導入状況といったようなものを研究してまいりました。基本的には外国の制度についていろいろ研究し、その上で我が国においてどうなのかということを考えていこうという姿勢であったわけでございます。
それで、状況というものがごく最近になって非常に大きく変わったということが言えるかと思います。つまり、過去におきましてこのオンブズマン制度の導入をめぐりまして最初に国会で議論されましたのは、御承知のようにロッキード事件ということでありました。その段階においては、国民はどちらかというと政治家の方にいろいろな意味合いにおいて懸念をお持ちになっていたと考えられます。ところが、最近二、三年の状況を考えてみますと、先ほど小林先生が指摘されましたように、官官接待でありますとか薬害エイズの問題でありますとか、いわば行政の内部にさまざまな問題が存在している。逆に、国民の側からすると、そういったものについて最終的に期待できるのは国会の証人喚問しかないといったようなことを述べられる人もおられるようでございます。
結局、国民が国の政治に対して信頼性を確保するためには、現在におきましては国会にオンブズマンを置く方が行政部内に置くよりもよろしいのではないか、このように考えを改めるようになった次第でございます。高級公務員の倫理観が厳しく問われるようになりまして、また国民の政治不信というものから行政不信というものまで発展してくるようになったのが現状だと言っていいと思います。
したがいまして、もう既に十年前あるいは十五年前ぐらいのところでオンブズマン制度を行政部内に導入されたのであるならば話は違っていたかもしれませんが、現状におきまして、必ずしも制度が完全に整備されていないという状況において、政府の側が国民に対して誠意を示すためには、国会にオンブズマンを置くということが一番賢明なあり方なのではないか、このように考えるわけでございます。
それで、基本的な問題は、これも先ほど指摘芦れた点でございますけれども、現在の行政に対する立法的統制というものは必ずしもシステムが整備されていないというふうに考えられます。つまり、時間の制約というものが大変厳しいということでございまして、質問して答えを受ける、あるいは文書によって検討するということでございますけれども、その内容について、現状においては完全な意味合いにおいて必ずしも国民の期待にこたえることはできないのではないか。そこで、より機能的で実質的な制度を構築することが急務であろうかと思います。
またもう一点、ここ二年間ぐらいの状況でございますが、全国でいわゆる市民オンブズマンと呼ばれる新しい市民運動が高まってまいりました。これは、各都道府県等の情報公開条例を利用していろいろな成果を上げていらっしゃっております。特に、最近の状況におきましては、監査委員の官官接待の問題等々、いろいろな問題を提起されておられるわけでございます。しかし、このような運動を展開しなければ行政の運営が是正できないということ自体、それが大きな政治問題になってしまったということを意味するのではないかと考えるわけでございます。
したがいまして、現在の総務庁におきます行政監察制度あるいは行政相談制度さらに行政相談委員の制度、あるいは会計検査院の制度というものが、実はこのオンブズマン論議が高まるにつれまして、かってに比べますとかなり活発に機能すろようになりましたのは事実であり、それはそれとして高く評価できるものでございますが、同時に、それぞれの制度には本来的な限界があることも事実でございまして、それが逆効果になるということもあるのではないか。また、どのような場所におきましても少数の不心得な人々がいることはやむを得ないことでありますけれども、一人の人間が大きなミスを犯すことによりまして信頼はすぐに失われ、逆に、失われた信頼を取り戻すということにはかなり長い時間かかるということもいわば一般的な事実であると思います。
そこで、その意味からしましても、実は今は一種の非常事態であるのではないか。国会にいたしましても、あるいは行政にいたしましても、いわばかなえの軽重を問われているのではないか。それが明示されていないだけかえって問題は厳しいのではないか。したがいまして、お互いどっちの顔を立てるといったような状況ではなくて、双方が協力し合って難局を切り抜ける方策を検討すべきであると考えられます。
そこで、一つの問題は、多様な制度を組み合わせることはむだであり、なるべく一元的な制度をつくる方が国政の簡素化に役立つという意見もあるわけでございますけれども、現状におきましては、個別の制度を網羅すると同時に、いわば全体に網をかけるような管轄範囲の広い制度があることが重要ではないかと考えるところでございます。もちろん、制度というものは生きているものでございますから、必要がなくなった制度はその時点で廃止あるいは統合することは当然であります。
したがいまして、国会にオンブズマンというものを設置し、また総務庁の行政相談制度あるいは行政相談委員制度を強化するということは必ずしも重複ではない同時にそれを行うことによりまして、むしろ救済の網から漏れることのないようにすることの方が重要なのではないか、このように考えられるわけでございます。
そこで、憲法上の問題点ということが出てくるわけでございますが、実際問題といたしましてどうなのか。基本的に、オンブズマンをつくるということはより民主政治を効果的にするということであり、また人権についてのさまざまな問題をなくするということに役立つというふうに考えられます。つまり、本来からいいますと、日本の憲法の趣旨に沿った制度であるというふうに考えられます。
一つの問題は、憲法においていろいろなことが規定されているわけでございますが、そのうちの特に人権に関する規定というものが完全に現状において保障されているのかどうか。要するに、条文として決められていましてもそれが実際の効力があるかどうかということでございます。したがって、その効力を保障するためにそれを見守る人間が必要なのではないか、その見守る人間といたしましてオンブズマンというものが重要なのではないか、このように考えているところでございます。
憲法上可能かということでございますが、その根拠といたしましては憲法第六十二条の国政調査権というものが妥当なのではないかと考えられます。もちろん、国会は国権の最高機関でございますから、その限りにおきまして行政に対する監督権というものも保有しているというふうに考えられます。
国政調査権の及ぶ範囲というものは、国の行政は当然といたしまして、もちろん若干例外的な事項があるかもしれませんが、地方公共団体の行政、あるいは国会が制定した法律によって設置された法人、いわゆる特殊法人等の運営にまで及ぶと考えられますので、行政部内の監督機関よりもかなり広い範囲をカバーすることができるのではないか、このように思います。
オンブズマンというのは何なのかということの本質でございますが、これは国会が制定した法律が遵守されること、守られることを確認する機能を持つものである、このように考えます。また、オンブズマンの機能というものは、基本的には証人の証言とか記録の提出といったようなもの以外の強制手段は持たない。したがいまして、犯罪の捜査とか裁判所が持っているような各種の強制手段はございませんし、また与えるべきでもございません。
したがいまして、この限りにおきまして、行政権に不当に介入するわけではない、このように考えます。要するに、勧告をするあるいは意見を述べるということでございますので、国会が行政に対して勧告をするあるいは意見を述べるということは、基本的に国政調査権の範囲内のものであるというふうに考えられます。
そこで、具体的にどのような形でつくるべきかということに若干言及させていただきたいと思いますが、ここで私は四つほどの考え方を提示いたしました。どれがいいのかということにつきまして、現時点において必ずしも定まった意見はございませんが、ただ一つ言えることは、今の国会の機能というものを考えてみた場合に、基本的に衆議院と参議院の違いというものが当然に存在する。
一つは、衆議院は第一院である。それを基本的に証明することは、憲法上は内閣総理大臣は国会議員であるということが規定されているにとどまっているわけでございますが、現実問題としては内閣総理大臣は衆議院議員から選ばれると、こういうふうになっているわけでございますね。衆議院議員から選ばれるということは、これは必ずしも憲法上の要件ではないけれども、現実にはそうであると。ということからしますと、逆に、国会にオンブズマンを持つと規定して、それの実際の仕事を担当するのが参議院であるとしても必ずしもおかしいことではないのではないか。
理由といたしましては、オンブズマンが仕事をするためにはかなり長期の任期が必要である。したがいまして、途中で解散の可能性のある衆議院よりは、六年間同じ議員の方が基本的に半数はいらっしゃる参議院の方がそういったものを統制するためにより大きな力を持つのではないか、このように考えるわけです。
それともう一点は、第三者を置くことがもし憲法上に問題があるとするならば、参議院議員の中からオンブズマンといいましょうか、そういった仕事をする人を現実につくり、その方につきましては議長さんあるいは副議長さんといったような方々と同様に、必ずしも同様ではないのかもしれませんが、会派から離脱していただいて無所属という立場で仕事をしていただければ、国民の側からいたしましてもそういったオンブズマン職に対する信頼性というものをより一層高めることができるのではないのか、このように考えるわけでございます。
そこで、四点をかいつまんで申し上げますと、一つは、実は現在ドイツの連邦議会に請願委員会という委員会がございますが、この委員会は、国際オンブズマン協会という会がございますが、そこでいわゆる立法府型オンブズマンとして今日認められているものでございます。つまり、国民からの請願に対してこたえる、調査すると。これはドイツ連邦共和国の基本法の第四十五条のCという改正でつくられたわけですが、連邦議会は、「連邦議会に提出された請願および苦情申立てを処理する義務を負う請願委員会を設置する。」と、こういったような委員会制度が一つ考えられる。
これにつきましては、当然現在の国政調査権というものをより効率的に常設の委員会で常時監督するということでございますので、憲法上の問題はないというふうに考えられます。
それから二点目は、オンブズマンの監督をする委員会を置いて、その附属機関としてオンブズマンをつくる。オンブズマンは権威はあるわけですけれども、制度上は委員会の高級な調査員として国政の調査を行わせ、その結果を委員会に報告して、それを踏まえて委員会で審議し、法律の遵守について問題があるときは国会や内閣に対して勧告するといったような形もとれるのではないか。
それから三番目には、事務総長と並ぶ役員としてオンブズマンを置くということが可能なのかなという気もいたすわけですが、これは若干法律上詰める点があろうかと思います。
それから四番目に、先ほど申し上げましたように、議員の中から選任する複数のオンブズマンというものを置くことが可能なのではないか。これは参議院議員の任期と同様に任期六年、もちろん複数という意味は、半数あるいは少数を三年ごとに改選するということになろうかと思いますが、複数のオンブズマンを置くことはいかがかと。
その理由といたしましては、先ほど申し上げましたように、解散のある衆議院議員では長期間の身分保障ができないということが一点。それから第二点としましては、事実上衆議院議員から内閣総理大臣が選任されるということからいたしますと、それにバランスをとる必要からしまして参議院にオンブズマンを置かれる、参議院議員の中からオンブズマンを選ばれるということをされたとすれば、ある意味で参議院の機能強化にも役立ち、なおかつ国会による行政の監督にも役立つのではないか、このように考えられるわけでございます。
なお、行政部内にオンブズマンを置くということ、これが絶対的にだめだということではございませんけれども、ただ現実問題として、行政部内に置く場合におきましても行政委員会的なものになるべきだとするところからいたしますと、行政委員会というものをなるべく今設置されないという方針があるとするならば、どちらに置く方が早くできるのかということについては、むしろ国会あるいは参議院に置かれた方がより早い時期につくることができ、その結果国民にとっても満足できることが大きいのではないか。特にそれをいろいろな意味で報道しPRすることによりまして、先ほど小林先生も申されましたような知名度と権威性が得られるのではないか、このように考える次第でございます。
そういうことで、私の見解といたしましては、国会あるいは参議院にオンブズマンを置くことは、いろいろな方策をとり、もちろん法律は整備しなければいけませんけれども、法律、規則を整備することによって十分可能である、このように考える次第でございます。
この発言だけを見る →それで、本日の課題につきまして私の見解を述べさせていただきたいと思います。私はこの二十五年余りの間オンブズマン制度を中心にして研究を進めてまいりました。基本的なテーマといたしましては、行政の力が非常に強くなっている、実際上の力というものが相対的に上回っているという、いわゆる行政国家化現象の中におきまして、国会の権威を高め、さらには国民のいわばデモクラシー、民主政治についての力を強めるためにはどうすればいいのか、そういうことを考えてきたわけでございます。
そこで、二十五年前にふとしたことから出会いましたのがスウェーデンにおいてつくられておりましたオンブズマンの制度であったわけでございます。その後二十五年、結構長い月日がたちました。二十五年前からしますと、このようなところに呼ばれて意見を述べるということ自体まず考えられないことであったわけですが、その点におきましても時代の変遷、あるいは政治状況の変化というものが非常に大きかったということをつくづく感じております。
そこで、私は諸外国におけるオンブズマン制度というものの導入状況といったようなものを研究してまいりました。基本的には外国の制度についていろいろ研究し、その上で我が国においてどうなのかということを考えていこうという姿勢であったわけでございます。
それで、状況というものがごく最近になって非常に大きく変わったということが言えるかと思います。つまり、過去におきましてこのオンブズマン制度の導入をめぐりまして最初に国会で議論されましたのは、御承知のようにロッキード事件ということでありました。その段階においては、国民はどちらかというと政治家の方にいろいろな意味合いにおいて懸念をお持ちになっていたと考えられます。ところが、最近二、三年の状況を考えてみますと、先ほど小林先生が指摘されましたように、官官接待でありますとか薬害エイズの問題でありますとか、いわば行政の内部にさまざまな問題が存在している。逆に、国民の側からすると、そういったものについて最終的に期待できるのは国会の証人喚問しかないといったようなことを述べられる人もおられるようでございます。
結局、国民が国の政治に対して信頼性を確保するためには、現在におきましては国会にオンブズマンを置く方が行政部内に置くよりもよろしいのではないか、このように考えを改めるようになった次第でございます。高級公務員の倫理観が厳しく問われるようになりまして、また国民の政治不信というものから行政不信というものまで発展してくるようになったのが現状だと言っていいと思います。
したがいまして、もう既に十年前あるいは十五年前ぐらいのところでオンブズマン制度を行政部内に導入されたのであるならば話は違っていたかもしれませんが、現状におきまして、必ずしも制度が完全に整備されていないという状況において、政府の側が国民に対して誠意を示すためには、国会にオンブズマンを置くということが一番賢明なあり方なのではないか、このように考えるわけでございます。
それで、基本的な問題は、これも先ほど指摘芦れた点でございますけれども、現在の行政に対する立法的統制というものは必ずしもシステムが整備されていないというふうに考えられます。つまり、時間の制約というものが大変厳しいということでございまして、質問して答えを受ける、あるいは文書によって検討するということでございますけれども、その内容について、現状においては完全な意味合いにおいて必ずしも国民の期待にこたえることはできないのではないか。そこで、より機能的で実質的な制度を構築することが急務であろうかと思います。
またもう一点、ここ二年間ぐらいの状況でございますが、全国でいわゆる市民オンブズマンと呼ばれる新しい市民運動が高まってまいりました。これは、各都道府県等の情報公開条例を利用していろいろな成果を上げていらっしゃっております。特に、最近の状況におきましては、監査委員の官官接待の問題等々、いろいろな問題を提起されておられるわけでございます。しかし、このような運動を展開しなければ行政の運営が是正できないということ自体、それが大きな政治問題になってしまったということを意味するのではないかと考えるわけでございます。
したがいまして、現在の総務庁におきます行政監察制度あるいは行政相談制度さらに行政相談委員の制度、あるいは会計検査院の制度というものが、実はこのオンブズマン論議が高まるにつれまして、かってに比べますとかなり活発に機能すろようになりましたのは事実であり、それはそれとして高く評価できるものでございますが、同時に、それぞれの制度には本来的な限界があることも事実でございまして、それが逆効果になるということもあるのではないか。また、どのような場所におきましても少数の不心得な人々がいることはやむを得ないことでありますけれども、一人の人間が大きなミスを犯すことによりまして信頼はすぐに失われ、逆に、失われた信頼を取り戻すということにはかなり長い時間かかるということもいわば一般的な事実であると思います。
そこで、その意味からしましても、実は今は一種の非常事態であるのではないか。国会にいたしましても、あるいは行政にいたしましても、いわばかなえの軽重を問われているのではないか。それが明示されていないだけかえって問題は厳しいのではないか。したがいまして、お互いどっちの顔を立てるといったような状況ではなくて、双方が協力し合って難局を切り抜ける方策を検討すべきであると考えられます。
そこで、一つの問題は、多様な制度を組み合わせることはむだであり、なるべく一元的な制度をつくる方が国政の簡素化に役立つという意見もあるわけでございますけれども、現状におきましては、個別の制度を網羅すると同時に、いわば全体に網をかけるような管轄範囲の広い制度があることが重要ではないかと考えるところでございます。もちろん、制度というものは生きているものでございますから、必要がなくなった制度はその時点で廃止あるいは統合することは当然であります。
したがいまして、国会にオンブズマンというものを設置し、また総務庁の行政相談制度あるいは行政相談委員制度を強化するということは必ずしも重複ではない同時にそれを行うことによりまして、むしろ救済の網から漏れることのないようにすることの方が重要なのではないか、このように考えられるわけでございます。
そこで、憲法上の問題点ということが出てくるわけでございますが、実際問題といたしましてどうなのか。基本的に、オンブズマンをつくるということはより民主政治を効果的にするということであり、また人権についてのさまざまな問題をなくするということに役立つというふうに考えられます。つまり、本来からいいますと、日本の憲法の趣旨に沿った制度であるというふうに考えられます。
一つの問題は、憲法においていろいろなことが規定されているわけでございますが、そのうちの特に人権に関する規定というものが完全に現状において保障されているのかどうか。要するに、条文として決められていましてもそれが実際の効力があるかどうかということでございます。したがって、その効力を保障するためにそれを見守る人間が必要なのではないか、その見守る人間といたしましてオンブズマンというものが重要なのではないか、このように考えているところでございます。
憲法上可能かということでございますが、その根拠といたしましては憲法第六十二条の国政調査権というものが妥当なのではないかと考えられます。もちろん、国会は国権の最高機関でございますから、その限りにおきまして行政に対する監督権というものも保有しているというふうに考えられます。
国政調査権の及ぶ範囲というものは、国の行政は当然といたしまして、もちろん若干例外的な事項があるかもしれませんが、地方公共団体の行政、あるいは国会が制定した法律によって設置された法人、いわゆる特殊法人等の運営にまで及ぶと考えられますので、行政部内の監督機関よりもかなり広い範囲をカバーすることができるのではないか、このように思います。
オンブズマンというのは何なのかということの本質でございますが、これは国会が制定した法律が遵守されること、守られることを確認する機能を持つものである、このように考えます。また、オンブズマンの機能というものは、基本的には証人の証言とか記録の提出といったようなもの以外の強制手段は持たない。したがいまして、犯罪の捜査とか裁判所が持っているような各種の強制手段はございませんし、また与えるべきでもございません。
したがいまして、この限りにおきまして、行政権に不当に介入するわけではない、このように考えます。要するに、勧告をするあるいは意見を述べるということでございますので、国会が行政に対して勧告をするあるいは意見を述べるということは、基本的に国政調査権の範囲内のものであるというふうに考えられます。
そこで、具体的にどのような形でつくるべきかということに若干言及させていただきたいと思いますが、ここで私は四つほどの考え方を提示いたしました。どれがいいのかということにつきまして、現時点において必ずしも定まった意見はございませんが、ただ一つ言えることは、今の国会の機能というものを考えてみた場合に、基本的に衆議院と参議院の違いというものが当然に存在する。
一つは、衆議院は第一院である。それを基本的に証明することは、憲法上は内閣総理大臣は国会議員であるということが規定されているにとどまっているわけでございますが、現実問題としては内閣総理大臣は衆議院議員から選ばれると、こういうふうになっているわけでございますね。衆議院議員から選ばれるということは、これは必ずしも憲法上の要件ではないけれども、現実にはそうであると。ということからしますと、逆に、国会にオンブズマンを持つと規定して、それの実際の仕事を担当するのが参議院であるとしても必ずしもおかしいことではないのではないか。
理由といたしましては、オンブズマンが仕事をするためにはかなり長期の任期が必要である。したがいまして、途中で解散の可能性のある衆議院よりは、六年間同じ議員の方が基本的に半数はいらっしゃる参議院の方がそういったものを統制するためにより大きな力を持つのではないか、このように考えるわけです。
それともう一点は、第三者を置くことがもし憲法上に問題があるとするならば、参議院議員の中からオンブズマンといいましょうか、そういった仕事をする人を現実につくり、その方につきましては議長さんあるいは副議長さんといったような方々と同様に、必ずしも同様ではないのかもしれませんが、会派から離脱していただいて無所属という立場で仕事をしていただければ、国民の側からいたしましてもそういったオンブズマン職に対する信頼性というものをより一層高めることができるのではないのか、このように考えるわけでございます。
そこで、四点をかいつまんで申し上げますと、一つは、実は現在ドイツの連邦議会に請願委員会という委員会がございますが、この委員会は、国際オンブズマン協会という会がございますが、そこでいわゆる立法府型オンブズマンとして今日認められているものでございます。つまり、国民からの請願に対してこたえる、調査すると。これはドイツ連邦共和国の基本法の第四十五条のCという改正でつくられたわけですが、連邦議会は、「連邦議会に提出された請願および苦情申立てを処理する義務を負う請願委員会を設置する。」と、こういったような委員会制度が一つ考えられる。
これにつきましては、当然現在の国政調査権というものをより効率的に常設の委員会で常時監督するということでございますので、憲法上の問題はないというふうに考えられます。
それから二点目は、オンブズマンの監督をする委員会を置いて、その附属機関としてオンブズマンをつくる。オンブズマンは権威はあるわけですけれども、制度上は委員会の高級な調査員として国政の調査を行わせ、その結果を委員会に報告して、それを踏まえて委員会で審議し、法律の遵守について問題があるときは国会や内閣に対して勧告するといったような形もとれるのではないか。
それから三番目には、事務総長と並ぶ役員としてオンブズマンを置くということが可能なのかなという気もいたすわけですが、これは若干法律上詰める点があろうかと思います。
それから四番目に、先ほど申し上げましたように、議員の中から選任する複数のオンブズマンというものを置くことが可能なのではないか。これは参議院議員の任期と同様に任期六年、もちろん複数という意味は、半数あるいは少数を三年ごとに改選するということになろうかと思いますが、複数のオンブズマンを置くことはいかがかと。
その理由といたしましては、先ほど申し上げましたように、解散のある衆議院議員では長期間の身分保障ができないということが一点。それから第二点としましては、事実上衆議院議員から内閣総理大臣が選任されるということからいたしますと、それにバランスをとる必要からしまして参議院にオンブズマンを置かれる、参議院議員の中からオンブズマンを選ばれるということをされたとすれば、ある意味で参議院の機能強化にも役立ち、なおかつ国会による行政の監督にも役立つのではないか、このように考えられるわけでございます。
なお、行政部内にオンブズマンを置くということ、これが絶対的にだめだということではございませんけれども、ただ現実問題として、行政部内に置く場合におきましても行政委員会的なものになるべきだとするところからいたしますと、行政委員会というものをなるべく今設置されないという方針があるとするならば、どちらに置く方が早くできるのかということについては、むしろ国会あるいは参議院に置かれた方がより早い時期につくることができ、その結果国民にとっても満足できることが大きいのではないか。特にそれをいろいろな意味で報道しPRすることによりまして、先ほど小林先生も申されましたような知名度と権威性が得られるのではないか、このように考える次第でございます。
そういうことで、私の見解といたしましては、国会あるいは参議院にオンブズマンを置くことは、いろいろな方策をとり、もちろん法律は整備しなければいけませんけれども、法律、規則を整備することによって十分可能である、このように考える次第でございます。
井
小
小山孝雄#7
○小山孝雄君 自由民主党の小山孝雄と申します。よろしくお願いを申し上げます。
きょう、両先生においでいただくことになったもとは、この二月に参考人の方に来ていただきまして勉強をいたしたからであります。
その際に、社団法人全国行政相談委員連合協議会の鎌田理次郎会長さんに御意見を開陳いただきました。その中で、鎌田会長は、オンブズマン制度というのは憲法六十五条の「行政権は、内閣に属する。」から見てまずい、置いてはならないと、国政調査権は国会議員のみに付与された機能であって、ほかの者に譲り渡したりまたは委任することはできないんだという御意見を開陳されました。
今、そのときの議事録を参考にお手元にお届けいたしましたけれども、簡単に言うならば、行政権は内閣に属するということで、すなわち西欧型の議会オンブズマンという制度は議会の職員に議員の機能を付与するようなものである、あるいはオンブズマンが苦情を処理するため個々の行政官と直接接触しなければならないし、行政の素人が行政に対して勧告権を持つと不都合も起こるし、行政サイ下から必ず不満が出てくる等々の理由であったのでございます。
この点について、今両先生、憲法上問題はないと、こういう御意見をちょうだいしたと思いますが、この鎌田会長の御意見に対するお考えを聞かせていただきたいと思うわけであります。
この発言だけを見る →きょう、両先生においでいただくことになったもとは、この二月に参考人の方に来ていただきまして勉強をいたしたからであります。
その際に、社団法人全国行政相談委員連合協議会の鎌田理次郎会長さんに御意見を開陳いただきました。その中で、鎌田会長は、オンブズマン制度というのは憲法六十五条の「行政権は、内閣に属する。」から見てまずい、置いてはならないと、国政調査権は国会議員のみに付与された機能であって、ほかの者に譲り渡したりまたは委任することはできないんだという御意見を開陳されました。
今、そのときの議事録を参考にお手元にお届けいたしましたけれども、簡単に言うならば、行政権は内閣に属するということで、すなわち西欧型の議会オンブズマンという制度は議会の職員に議員の機能を付与するようなものである、あるいはオンブズマンが苦情を処理するため個々の行政官と直接接触しなければならないし、行政の素人が行政に対して勧告権を持つと不都合も起こるし、行政サイ下から必ず不満が出てくる等々の理由であったのでございます。
この点について、今両先生、憲法上問題はないと、こういう御意見をちょうだいしたと思いますが、この鎌田会長の御意見に対するお考えを聞かせていただきたいと思うわけであります。
小
小林節#8
○参考人(小林節君) 鎌田先生は個人的には存じ上げております。
これを今読ませていただいたんですけれども、ちょっと意味不明なところがございます。二つあって、まず一つは、国政調査権を職員に委任するというのは、つまりオンブズマンというのは議員以外の方を採用するというケースだけを想定されているんでしょうけれども、私はちょっと前提が違うんです。オンブズマンというのは相当に権威がないと意味のない地位でありますから、議員以外の方にオンブズマンとしてここに来ていただいても民主的正当性に欠けると思うんですね。やっぱり選挙で選ばれた人でないとだめだと思うんです。私は前提をまず争います。
それから、オンブズマンというのは、オンブズマン委員会とかそこのメンバーの先生方が君臨して、最後に賢者が判断をすればいいわけであって、実際その下調べをするのは今だって例えば調査室とかいろいろございますよね、そういうたぐいのものを言うならば、それは議会の権威でやることであり、別に権利を委任したことではないと思うんです。つまり、エイド、補助員として使っているだけのことでございますから、その問題はないと思います。
それからもう一つが、三権分立の建前でいくと国会のオンブズマンが個々の行政官と接触することがというような話ですが、それがいけないのであれば国政調査なんかできないわけでありますから、大変失礼な言い方ですが、これも鎌田先生の何か勘違いではないかと私は思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →これを今読ませていただいたんですけれども、ちょっと意味不明なところがございます。二つあって、まず一つは、国政調査権を職員に委任するというのは、つまりオンブズマンというのは議員以外の方を採用するというケースだけを想定されているんでしょうけれども、私はちょっと前提が違うんです。オンブズマンというのは相当に権威がないと意味のない地位でありますから、議員以外の方にオンブズマンとしてここに来ていただいても民主的正当性に欠けると思うんですね。やっぱり選挙で選ばれた人でないとだめだと思うんです。私は前提をまず争います。
それから、オンブズマンというのは、オンブズマン委員会とかそこのメンバーの先生方が君臨して、最後に賢者が判断をすればいいわけであって、実際その下調べをするのは今だって例えば調査室とかいろいろございますよね、そういうたぐいのものを言うならば、それは議会の権威でやることであり、別に権利を委任したことではないと思うんです。つまり、エイド、補助員として使っているだけのことでございますから、その問題はないと思います。
それからもう一つが、三権分立の建前でいくと国会のオンブズマンが個々の行政官と接触することがというような話ですが、それがいけないのであれば国政調査なんかできないわけでありますから、大変失礼な言い方ですが、これも鎌田先生の何か勘違いではないかと私は思います。
以上でございます。
川
川野秀之#9
○参考人(川野秀之君) 私も鎌田先生は個人的に存じ上げているわけでございます。
先ほど申し上げましたように、小林先生と同様、私の方も前提といたしまして幾つか説を出しましたが、その中でよりよいものは、委員会という形かあるいは独任制の形かは別といたしまして、多分、議員御自身がオンブズマンになるという形がよろしいのではないかと考えますので、その点からいたしますと、当然に参議院には国政調査権があるわけでございまして、それを実際に実行する仕事を担当する方がオンブズマンであるということであるならば憲法上の問題はないと。
それから、実際に調査をする仕事は調査員にかなり任されると思いますけれども、それは基本的には現行の国政調査の調査と同じであると。諸外国でオンブズマンが調査をする場合においても、行政のお役人と、特に末端の役人と実際に接触して調査をするということは必ずしも多くはないわけでございまして、基本的には文書をもって調査をするという形でありますので、それであるならば国政調査の場合と基本的に変わりはないと。したがいまして、その意味におきましても憲法上の問題はないと思います。
それからもう一点は、国会には国権の最高機関として行政を監督するという権限があるわけでございまして、そういった意味から、先ほども申し上げましたように勧告といったような形で意見を表明することは当然に可能である、このように考えます。
以上でございます。
この発言だけを見る →先ほど申し上げましたように、小林先生と同様、私の方も前提といたしまして幾つか説を出しましたが、その中でよりよいものは、委員会という形かあるいは独任制の形かは別といたしまして、多分、議員御自身がオンブズマンになるという形がよろしいのではないかと考えますので、その点からいたしますと、当然に参議院には国政調査権があるわけでございまして、それを実際に実行する仕事を担当する方がオンブズマンであるということであるならば憲法上の問題はないと。
それから、実際に調査をする仕事は調査員にかなり任されると思いますけれども、それは基本的には現行の国政調査の調査と同じであると。諸外国でオンブズマンが調査をする場合においても、行政のお役人と、特に末端の役人と実際に接触して調査をするということは必ずしも多くはないわけでございまして、基本的には文書をもって調査をするという形でありますので、それであるならば国政調査の場合と基本的に変わりはないと。したがいまして、その意味におきましても憲法上の問題はないと思います。
それからもう一点は、国会には国権の最高機関として行政を監督するという権限があるわけでございまして、そういった意味から、先ほども申し上げましたように勧告といったような形で意見を表明することは当然に可能である、このように考えます。
以上でございます。
小
小山孝雄#10
○小山孝雄君 憲法上問題がある、こういうふうになりますと入口で論議がストップしてしまいますものですから、あえて前回の調査会の鎌田参考人の御意見についてお考えを求めたわけであります。
それから、続きまして小林参考人にちょっと確認させていただきたいのでございますが、実は利きのうまで、先生の二年前の「日本の行政相談制度とオンブズマン」という論文、ジュリストの十月十五日号に発表されたのを読んでおりました。それによりますと、「オンブズマンが行政府を監視する機関である以上、権力分立の観点から、立法府にオンブズマンを付置すべきだという議論が根強い。しかし、それは根本的に誤っている。」という指摘をされておられます。その理由は憲法六十五条でありまして、内閣の管轄下にオンブズマンというのは置かなきゃならないということで、いわゆる議会型オンブズマンというのはだめだという御意見であった。
これをもとに実は御質問しようかなと、こう思っておりましたら、きのうになりましてこのレジュメが配られまして、議会型オンブズマンも支持するという大変力強い御意見をちょうだいしたわけでありますが、その辺の経緯についてちょっと明らかにしていただければと、こう思いましてあえてお尋ねします。
この発言だけを見る →それから、続きまして小林参考人にちょっと確認させていただきたいのでございますが、実は利きのうまで、先生の二年前の「日本の行政相談制度とオンブズマン」という論文、ジュリストの十月十五日号に発表されたのを読んでおりました。それによりますと、「オンブズマンが行政府を監視する機関である以上、権力分立の観点から、立法府にオンブズマンを付置すべきだという議論が根強い。しかし、それは根本的に誤っている。」という指摘をされておられます。その理由は憲法六十五条でありまして、内閣の管轄下にオンブズマンというのは置かなきゃならないということで、いわゆる議会型オンブズマンというのはだめだという御意見であった。
これをもとに実は御質問しようかなと、こう思っておりましたら、きのうになりましてこのレジュメが配られまして、議会型オンブズマンも支持するという大変力強い御意見をちょうだいしたわけでありますが、その辺の経緯についてちょっと明らかにしていただければと、こう思いましてあえてお尋ねします。
小
小林節#11
○参考人(小林節君) 混乱の原因をつくりまして、まことに申しわけございません。
まず前提としまして、私は現役の学者でございまして、日々勉強しながら考え事をしてくるくる意見が変わります。それは変節と言われたら大変困る、成長したとお考えいただきたいんです。本当にまじめに考え続けているんです、毎日。ですから、私の得意のいろんな分野があるんです。
しょっちゅう意見が変わって怒られるんですが、必ず理由がございまして、この段階ではオンブズマンというのを行政型のオンブズマンを考えていたんです。
その前提としては、総務庁に期待が持てるという前提だったんです、社会的背景として。それから理論的には、ヨーロッパにあるような、びしばし告発したり、あるいは処分の取り消しを要求したり、強いオンブズマンを考えていたんです。そうしますと、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、立法作用かな、行政作用かな、司法作用かなと。これは明らかに行政作用なんですね。左らば、まさにこれは内閣の管轄下にないと憲法六十五条違反ではないか。
それがなぜ変わったかと申しますと、まず、総務庁のあり方を見ていますと、私は本当に心配していますのは、行政改革が終わったら総務庁は仕事がなくなると思っているんではないかというふうな印象、大変御無礼ですが、私は率直にそういう不安と不満を感じているんです。つまり、議論ばかりで先へ進まないんですね、わかり切っていることが。
私もいろんな委託調査とかで責任ある方と接触するんですけれども、本当にわかったと言って帰られて、翌日全然違っていることが多うございまして、ならばこういうむだな、歴史は動いておりますから、特に官官接待とかひどいものが上がってきましたでしょう、それは発想を変えようと最近思っていたところへこの話が飛び込んでまいりまして、改めてレジュメをまとめますとああなってしまいました。
以上でございます。
この発言だけを見る →まず前提としまして、私は現役の学者でございまして、日々勉強しながら考え事をしてくるくる意見が変わります。それは変節と言われたら大変困る、成長したとお考えいただきたいんです。本当にまじめに考え続けているんです、毎日。ですから、私の得意のいろんな分野があるんです。
しょっちゅう意見が変わって怒られるんですが、必ず理由がございまして、この段階ではオンブズマンというのを行政型のオンブズマンを考えていたんです。
その前提としては、総務庁に期待が持てるという前提だったんです、社会的背景として。それから理論的には、ヨーロッパにあるような、びしばし告発したり、あるいは処分の取り消しを要求したり、強いオンブズマンを考えていたんです。そうしますと、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、立法作用かな、行政作用かな、司法作用かなと。これは明らかに行政作用なんですね。左らば、まさにこれは内閣の管轄下にないと憲法六十五条違反ではないか。
それがなぜ変わったかと申しますと、まず、総務庁のあり方を見ていますと、私は本当に心配していますのは、行政改革が終わったら総務庁は仕事がなくなると思っているんではないかというふうな印象、大変御無礼ですが、私は率直にそういう不安と不満を感じているんです。つまり、議論ばかりで先へ進まないんですね、わかり切っていることが。
私もいろんな委託調査とかで責任ある方と接触するんですけれども、本当にわかったと言って帰られて、翌日全然違っていることが多うございまして、ならばこういうむだな、歴史は動いておりますから、特に官官接待とかひどいものが上がってきましたでしょう、それは発想を変えようと最近思っていたところへこの話が飛び込んでまいりまして、改めてレジュメをまとめますとああなってしまいました。
以上でございます。
小
小山孝雄#12
○小山孝雄君 私は決して小林節先生が変節なさったということを申し上げているわけではございませんので、悪くとらないでおいていただきたいんです。
今、参議院にオンブズマンを新設することについてはいいことだ、支持するというお考えをお聞きしました。
たまたまけさの新聞に、昨日、新進党さんが憲法問題調査会の初会合を開いたと。そこで講演をなさったようであります。その中に、憲法改正の検討課題として、集団的自衛権の問題であるとか、あるいは新たな人権問題、外国人の人権、私人間の人権の効力の問題、選挙制度、二院制の活性化、内閣の総合調整能力強化といろいろございまして、その中に行政監察専門員、オンブズマン制度の創設ということも述べられたと、こう新聞報道ではございます。
そうすると、参議院にオンブズマンを新設することはよろしい、憲法上もよろしいという場合のオンブズマン制度と、新たに憲法を改正しての対象にしてでもやったらいいよとここで述べられているものと、機能であるとか、ありようだとか、あり方だとか、その点に違いがございますか。
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たまたまけさの新聞に、昨日、新進党さんが憲法問題調査会の初会合を開いたと。そこで講演をなさったようであります。その中に、憲法改正の検討課題として、集団的自衛権の問題であるとか、あるいは新たな人権問題、外国人の人権、私人間の人権の効力の問題、選挙制度、二院制の活性化、内閣の総合調整能力強化といろいろございまして、その中に行政監察専門員、オンブズマン制度の創設ということも述べられたと、こう新聞報道ではございます。
そうすると、参議院にオンブズマンを新設することはよろしい、憲法上もよろしいという場合のオンブズマン制度と、新たに憲法を改正しての対象にしてでもやったらいいよとここで述べられているものと、機能であるとか、ありようだとか、あり方だとか、その点に違いがございますか。
小
小林節#13
○参考人(小林節君) まだ頭の中で詰めておりませんが、少なくとも参議院にいい制度ができたら、それを明文化することによって、今ここでやったような、こういうのを置いたら憲法上問題になりますかという議論はクリアできますね。現時点ではその程度のことを考えております。
以上です。
この発言だけを見る →以上です。
小
小山孝雄#14
○小山孝雄君 私は、憲法などは現状にそぐわなくなったものはどんどん改めていったらいいと、山下先生に怒られるかもしれませんが、そう思っている者の一人でございます。
もう一つ、こういう考えについてはどう思われますでしょうか、両参考人にお伺いしたいと思います。
議会型オンブズマン制度というものを採用したときに、独立性という点で非常に強烈なものになっていったと。そうすると、これは直接民主主義的なものになるんじゃないのかと。国民がオンブズマンに苦情を申し立てる、それをオンブズマンが聞き入れる、それをクリアするために、こういう法律をつくれあるいはこういう予算をつけろとかいうことを指示する。そうすると、代表制民主主義に反するようなことになりはしまいかという指摘もあるやに聞いておりますが、こうした指摘に対しては両参考人はどういうふうにお考えになられますでしょうか。
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議会型オンブズマン制度というものを採用したときに、独立性という点で非常に強烈なものになっていったと。そうすると、これは直接民主主義的なものになるんじゃないのかと。国民がオンブズマンに苦情を申し立てる、それをオンブズマンが聞き入れる、それをクリアするために、こういう法律をつくれあるいはこういう予算をつけろとかいうことを指示する。そうすると、代表制民主主義に反するようなことになりはしまいかという指摘もあるやに聞いておりますが、こうした指摘に対しては両参考人はどういうふうにお考えになられますでしょうか。
小
小林節#15
○参考人(小林節君) 結論は、代表民主制の憲法原則に反しないと考えます。
つまり、直接民主制になると言われるのであれば、それはその人がじかに署名を集めて、何万名そろったから法律をつくれと、それを議長に提出できるようなケースを指すわけでありまして、あくまでも情報を議院に上げて、ここの独自の判断でそこから先は進むわけですから、何らこれは間接民主制の憲法原則に反するものではないと考えます。
この発言だけを見る →つまり、直接民主制になると言われるのであれば、それはその人がじかに署名を集めて、何万名そろったから法律をつくれと、それを議長に提出できるようなケースを指すわけでありまして、あくまでも情報を議院に上げて、ここの独自の判断でそこから先は進むわけですから、何らこれは間接民主制の憲法原則に反するものではないと考えます。
川
川野秀之#16
○参考人(川野秀之君) 具体的な問題について検討して、その結果、意見を国会あるいは内閣に述べるという制度でありますので、その意味合いにおいてむしろ代議制的であろうと、このように考えます。
この発言だけを見る →小
小山孝雄#17
○小山孝雄君 川野参考人にお尋ねいたしますが、さきに配られた、これは調査室が用意してくれた御論文によりますと、十七ページに先生が、「本来は憲法を改正して、憲法上の国家機関とし、場合によっては会計検査院と統合するのが望ましい姿であるかもしれないが、今日の日本では憲法改正は事実上不可能であるので、いわば監査基本法といった法律によって、スウェーデンと同様、オンブズマンを、複数独任制として国会の機関として設置し、国政調査権を具体化する機関とするのが適切であるといえよう。」と、こう述べておられます。
そこでお尋ねいたしますけれども、できるかできないかは別にして、憲法を改正して設けられるであろうオンブズマン制度と、現憲法下において法律に基づいて設けようとお考えになられたこのオンブズマン制度上、何か違いが機能等々においてありますでしょうか。
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川
川野秀之#18
○参考人(川野秀之君) 憲法を改正してオンブズマンをつくるということと法律によってつくることの違いということでございますけれども、これが私のこれまでの過去の意見を若干引きずった部分であろうかと思いますが、これまで考えてきたことの最初は、諸外国の例を引きますと、全部じゃありませんが、大半のものが憲法を改正してオンブズマンをつくってきた。そして、幾つかの国におきましてはオンブズマン法といったような法律をつくってオンブズマン制度をつくってきた。どちらかというと、いわゆる英米法的な国において憲法改正ではなくて法律によってつくってきた、まあフランスもそうですね、という流れがあろうかと思います。
そこで、大分外国の流れに影響されたという点において、憲法を改正してオンブズマンをつくるということが一番筋ではなかろうかと、このように考えてきた時期が長かったわけでございます正するには当然かなり長い隠匿がかかる、あるいは現実問題として、日本ではそれは事実上不可能に近いのかもしれない。そうであるならば、今つくらなければいけない制度を憲法を改正してつくるということになるとかなり時間がかかることでありまして、そこまで待てというのが果たしてよいことなのかどうかということにも疑問がございます。したがいまして、法律で先行して後でまた検討すればいいのではないかと、このように考えるわけでございます。
もちろん、憲法を改正した場合にはその憲法の規定によってオンブズマンの権限というものをかなり定めることはできるかと思いますが、ただ、その場合におきましても、余り強力な権限を持つものになりますと、これはオンブズマンではなくてもっと大きな、いわば行政監視官といいましょうか、より強力なものになり過ぎましてかえって権力分立を崩す場合もあり得ますので、したがいまして憲法の条文の改正の仕方というものは大変問題になってきます。ただ、これはあくまでも仮定の問題でございますので、現状におきましては法律によりましてつくるということが望ましいのではないか、その内容につきましては先ほど述べたとおりであると。
憲法上の問題というものは、疑問は提起される方はおありであろうかと思いますが、現実問題として、国民のためになる機関をつくることに憲法上の問題があるというのは大変不自由なことでございまして、したがいまして、先ほど若干申し上げましたように、解釈上必ずしも問題点は大きくない、あるいは問題点はないとするのであるならばつくって、その結果としてそれが人権の保障あるいは国民の不満の救済、そういったことになればより民主主義は効果的になるのではないかと、このように考える次第でございます。
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もちろん、憲法を改正した場合にはその憲法の規定によってオンブズマンの権限というものをかなり定めることはできるかと思いますが、ただ、その場合におきましても、余り強力な権限を持つものになりますと、これはオンブズマンではなくてもっと大きな、いわば行政監視官といいましょうか、より強力なものになり過ぎましてかえって権力分立を崩す場合もあり得ますので、したがいまして憲法の条文の改正の仕方というものは大変問題になってきます。ただ、これはあくまでも仮定の問題でございますので、現状におきましては法律によりましてつくるということが望ましいのではないか、その内容につきましては先ほど述べたとおりであると。
憲法上の問題というものは、疑問は提起される方はおありであろうかと思いますが、現実問題として、国民のためになる機関をつくることに憲法上の問題があるというのは大変不自由なことでございまして、したがいまして、先ほど若干申し上げましたように、解釈上必ずしも問題点は大きくない、あるいは問題点はないとするのであるならばつくって、その結果としてそれが人権の保障あるいは国民の不満の救済、そういったことになればより民主主義は効果的になるのではないかと、このように考える次第でございます。
小
小山孝雄#19
○小山孝雄君 ありがとうございます。
十九日の日曜日ですか、人事院が平成七年度の国家公務員法第八十二条に基づいて懲戒処分を受けた職員の数、省庁別にどういう人たちが受けたかということの発表がありました。全体で千四百十人の人が懲戒処分、免職、停職、減給、戒告を入れまして千四百十人の人が受けて、昨年に比べまして百五十人ふえたという報告でございます。
これを省庁別に見まして、非常に興味深かったんですが、郵政省が全体の八七・二%、九割近く、千二百二十九人の人が懲戒処分を受けたと。その次、法務省が六十五人、文部省が二十一人、厚生省が二十人。そうすると、この四省は職員の数にちょうどこれまた比例するようなことでございます。職員の数が多いとそれなりに、さっき川野先生がおっしゃいましたけれども、どこにでも不心得な人はいるわけで、しかも郵政省の現業の人がほとんどなのでございます。そうすると、目の前に印紙が通る、切手が通る、郵便貯金が通る等々、やっぱりそれが通るときにふと心が動くと、こういうことなんだろうなという気もいたします。決して郵政省を批判するつもりはないんですけれども。
しかし、おもしろいと思いましたのは、郵政省は早くからそういうことを想定していたんでしょうか、この四省の中で郵政省だけが内部監察制度を設けているのでございます。三十一万人の職員の中で一千二百人の人が内部監察の業務に当たっている、にもかかわらずこれだけ、割合にすれば一番多い人が残念な結果になっているということは非常に興味深いなと思いました。
さらにまた、全国的に有名になった大蔵省、これは数は十一人と少ないのでございますが、それでもやっぱり六番目になりますね。
こういうことでありまして、これを見たときに、行政組織の内部の監察、総務庁の監察の業務に携わっている皆さん、監察局の皆さんは大変一生懸命やっていらっしゃると思います。また、そんな職員の不正だけじゃない、行政相談を通じて数十万人の国民の苦情を受け付けて処理をするという、こういう大きな立派な仕事もしていると思いますけれども、公務員の不正等々、これはゼロには私はならないと思います、人間の社会は。ならないと思いますけれども、少しでも少なくするためにはやはり内部監察だけではちょっと足りないのかなと。外部からの強権力といいますか、独立性を持った、権威と権限を持った外部からの監察制度が必要なんだろうな、その資料にしなければいけないのかなと、こう思ったわけであります。
その点についてちょっと両参考人の御意見を聞かせていただければと思います。
この発言だけを見る →十九日の日曜日ですか、人事院が平成七年度の国家公務員法第八十二条に基づいて懲戒処分を受けた職員の数、省庁別にどういう人たちが受けたかということの発表がありました。全体で千四百十人の人が懲戒処分、免職、停職、減給、戒告を入れまして千四百十人の人が受けて、昨年に比べまして百五十人ふえたという報告でございます。
これを省庁別に見まして、非常に興味深かったんですが、郵政省が全体の八七・二%、九割近く、千二百二十九人の人が懲戒処分を受けたと。その次、法務省が六十五人、文部省が二十一人、厚生省が二十人。そうすると、この四省は職員の数にちょうどこれまた比例するようなことでございます。職員の数が多いとそれなりに、さっき川野先生がおっしゃいましたけれども、どこにでも不心得な人はいるわけで、しかも郵政省の現業の人がほとんどなのでございます。そうすると、目の前に印紙が通る、切手が通る、郵便貯金が通る等々、やっぱりそれが通るときにふと心が動くと、こういうことなんだろうなという気もいたします。決して郵政省を批判するつもりはないんですけれども。
しかし、おもしろいと思いましたのは、郵政省は早くからそういうことを想定していたんでしょうか、この四省の中で郵政省だけが内部監察制度を設けているのでございます。三十一万人の職員の中で一千二百人の人が内部監察の業務に当たっている、にもかかわらずこれだけ、割合にすれば一番多い人が残念な結果になっているということは非常に興味深いなと思いました。
さらにまた、全国的に有名になった大蔵省、これは数は十一人と少ないのでございますが、それでもやっぱり六番目になりますね。
こういうことでありまして、これを見たときに、行政組織の内部の監察、総務庁の監察の業務に携わっている皆さん、監察局の皆さんは大変一生懸命やっていらっしゃると思います。また、そんな職員の不正だけじゃない、行政相談を通じて数十万人の国民の苦情を受け付けて処理をするという、こういう大きな立派な仕事もしていると思いますけれども、公務員の不正等々、これはゼロには私はならないと思います、人間の社会は。ならないと思いますけれども、少しでも少なくするためにはやはり内部監察だけではちょっと足りないのかなと。外部からの強権力といいますか、独立性を持った、権威と権限を持った外部からの監察制度が必要なんだろうな、その資料にしなければいけないのかなと、こう思ったわけであります。
その点についてちょっと両参考人の御意見を聞かせていただければと思います。
小
小林節#20
○参考人(小林節君) 私も今の資料、初めて聞かせていただいて、実になるほどと思いました。
それで、最後に先生の言われたとおり、行政監察が現時点でそれなりに機能していることは私も認めます。ただ、官官接待とか薬害エイズとか、こういう本当に根本的な問題が出てこなかったことは、総務庁というのは行政の内部ですから、やはり現に行政の内部の勧告はだめだったということのあかしてございます。まさに先生の最後のお言葉で、外部からの権威と権限、とりわけ諸国のオンブズマンを見ていますと権威がやはり物を言うと思うんです、権限よりも。それは、何とか官であることよりもむしろ国民的な人気者であること、尊敬されて人気者、そういう意味では選挙の洗礼を経てきているということと、それから院の権威を背景に持っているということ、これは何とか官ではない大きなメリットだと思います。
以上でございます。
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以上でございます。
川
川野秀之#21
○参考人(川野秀之君) 懲戒処分の問題につきましては、根本的にはもう一つ検察庁がしっかりしなくちゃならない問題だと思います。
そこで、内部監察というものに限界があるということは確かに御指摘のとおりでございます。したがいまして、こういったものをばったばったと切ってしまうことが果たしてオンブズマンの仕事なのかどうかということについてはいろいろ議論があるところだと思います。いずれにしましても、こういった問題をより政治的な問題にしないがためにもオンブズマンの効用というものがあるのではないか、このように考える次第でございます。
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小
小山孝雄#22
○小山孝雄君 ありがとうございました。
調べてみましたら、古い話でございますが、終戦後、昭和二十六年の第十回国会から昭和三十一年の二十四回国会まで衆議院に行政監察特別委員会というのが設けられた時代がございました、参議院にはなかったようでございますけれども。
その委員会の目的というのは、「国の行政が適正かつ能率的に行われているかどうかを監察し、以つて立法その他国政の審議に資するため」ということで、事務局体制もございまして、事務局長一名、五部体制になっております。調査員が三十二名配置されて、五年間にわたって活動した。
何かこの前身は、終戦直後新憲法になって二十二年の第一回国会に配給物資等の隠匿物を取り締まるため設けられた委員会、それを受けてこういう衆議院の行政監察特別委員会というものがあったということに非常に興味を持って少しく議事録等も読んでみたのでございます。その前身であります委員会で隠匿物、配給物資等を隠したとか横領したとかということを主に取り上げて盛んにやっておったということをかいま見たわけであります。
私は、この衆議院の行政監察特別委員会というのは、我々の今これから模索して何か新しい制度をつくっていこうという大きな参考になるかなと思って読んでみたのでありますが、しかし、これも時代の流れとともに立ち消えになっていったわけでございます。
オンブズマンの特性であります独立性、あるいはさっきから出ております国政調査権に基づく調査権あるいは勧告権、ちなみにこの行政監察特別委員会は勧告権まで持っておったということが記録されておりますが、そうした属性、特性等々も考慮して、日本型オンブズマン制度といいますか、日本型オンブズマン制度のあるべき姿としてどんなイメージを両参考人はお持ちであるかお聞かせをいただいて、私の質問を終わらせていただきます。
この発言だけを見る →調べてみましたら、古い話でございますが、終戦後、昭和二十六年の第十回国会から昭和三十一年の二十四回国会まで衆議院に行政監察特別委員会というのが設けられた時代がございました、参議院にはなかったようでございますけれども。
その委員会の目的というのは、「国の行政が適正かつ能率的に行われているかどうかを監察し、以つて立法その他国政の審議に資するため」ということで、事務局体制もございまして、事務局長一名、五部体制になっております。調査員が三十二名配置されて、五年間にわたって活動した。
何かこの前身は、終戦直後新憲法になって二十二年の第一回国会に配給物資等の隠匿物を取り締まるため設けられた委員会、それを受けてこういう衆議院の行政監察特別委員会というものがあったということに非常に興味を持って少しく議事録等も読んでみたのでございます。その前身であります委員会で隠匿物、配給物資等を隠したとか横領したとかということを主に取り上げて盛んにやっておったということをかいま見たわけであります。
私は、この衆議院の行政監察特別委員会というのは、我々の今これから模索して何か新しい制度をつくっていこうという大きな参考になるかなと思って読んでみたのでありますが、しかし、これも時代の流れとともに立ち消えになっていったわけでございます。
オンブズマンの特性であります独立性、あるいはさっきから出ております国政調査権に基づく調査権あるいは勧告権、ちなみにこの行政監察特別委員会は勧告権まで持っておったということが記録されておりますが、そうした属性、特性等々も考慮して、日本型オンブズマン制度といいますか、日本型オンブズマン制度のあるべき姿としてどんなイメージを両参考人はお持ちであるかお聞かせをいただいて、私の質問を終わらせていただきます。
小
小林節#23
○参考人(小林節君) これまでの見解を改めてブリーフさせていただきますが、参議院に調査会の一種としてオンブズマン会議を置き、党派の議席数にかかわらず委員を構成し、そして強力な専門調査スタッフをつけて、機能は国政調査及び請願対応のようなことをし、年次報告書をつぐり、それを議長と内閣に必ず出す、それから、世間に公表し、案件別の結論は勧告、勧告という言葉が角が立つならば意見とするという考えでございます。
この発言だけを見る →川
井
川
川野秀之#26
○参考人(川野秀之君) ありませんですね。したがいまして、調査会ではなくて常任委員会あるいは特別委員会の方が私はベターなのではないかと考えるわけでございますが、でき得れば常任委員会という形で参議院に置く、常任委員会は必ずしも衆議院と参議院では同じものを置かなくちゃからないということはないと思いますので、参議院に置くと。そこの中においては、先ほど小林先生も申されておりましたように会派構成ではなくて、その議員さんのさまざまな専門的見地から適当な方を委員に選ばれまして国政調査を常設的に行う。もちろん、その委員会には十分なスタッフを完備して、実際に委員会の審議が行われるまでにそのスタッフによりまして事前に十分な調査を文書あるいは実地踏査等々で検討する、こういう形がよろしいのではないかと考えるわけでございます。
これは別な話でございますが、実際に総務庁の方でも日本型の行政部内のオンブズマンというものをお考えであったようでございます。実際問題、一昨年、実はこの制度とほとんど同じ制度が韓国においてつくられたわけでございまして、そういった意味で、日本と韓国というのはお隣の国でございますのでいろんな意味で風土が似ているのかもしれませんけれども、もう既にオリジナリティーはなくなってしまった。したがいまして、現状においてはむしろ参議院に置く方が日本独自のオンブズマン制度によりなるのではないか、このように考える次第でございます。
この発言だけを見る →これは別な話でございますが、実際に総務庁の方でも日本型の行政部内のオンブズマンというものをお考えであったようでございます。実際問題、一昨年、実はこの制度とほとんど同じ制度が韓国においてつくられたわけでございまして、そういった意味で、日本と韓国というのはお隣の国でございますのでいろんな意味で風土が似ているのかもしれませんけれども、もう既にオリジナリティーはなくなってしまった。したがいまして、現状においてはむしろ参議院に置く方が日本独自のオンブズマン制度によりなるのではないか、このように考える次第でございます。
小
小山孝雄#27
○小山孝雄君 これでやめようかと思ったんですが、今委員会の話が出ましたのでちょっとお尋ねさせていただきたいのでございます。
先ほど私が申し上げたジュリストの中に、行政型オンブズマンというのは既に日本にあるよと、総務庁に総務庁長官の諮問機関としての行政苦情救済推進会議というのがあるよということを小林先生が指摘されました。ただし、それは欠点があると。それは、その会議のメンバーが全部大物の法律家だけで構成されている点であろう、こう指摘されまして、有効に機能するためにはこういう人をということで具体的に挙げていらっしゃる。非常に参考になると思うんです。もはや利権に関心のない引退した政治家。したがって、先生方はどんな立派な方でもオンブズマンにはなれないというわけでございますが、行政実務のベテラン、例えば元事務次官、経済人、行政相談委員団体、先ほど私がお尋ねしました全国行政相談委員連合協議会なんかの代表、それに法律家といった構成が自然であろうと、こう書かれまして大変的を射た御指摘であろう、こう思っておるわけです。
川野先生、常任委員会と今おっしゃられたので、そうなるとこうした人たちはその中に入れないわけでございます。ですけれども、常任委員会にしたときには私が先ほど申し上げました衆議院でかつて設けた委員会のようになりはしまいかなと。そして、この委員会は絶えずやっぱり政争の具にされたという歴史を持っております。政治的な中立性を保つという点において難点がありはしまいかなという気がいたしますが、その点をお尋ねして終わりにさせていただきます。
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川野先生、常任委員会と今おっしゃられたので、そうなるとこうした人たちはその中に入れないわけでございます。ですけれども、常任委員会にしたときには私が先ほど申し上げました衆議院でかつて設けた委員会のようになりはしまいかなと。そして、この委員会は絶えずやっぱり政争の具にされたという歴史を持っております。政治的な中立性を保つという点において難点がありはしまいかなという気がいたしますが、その点をお尋ねして終わりにさせていただきます。
川
川野秀之#28
○参考人(川野秀之君) 中立性の問題というのは確かに非常に重要な問題でございまして、もう一つ考えましたのは、先ほど申し上げましたように複数のオンブズマンを置く、この方々は会派から離脱して無所属でやっていただく、こういう二つの方法を考えました。
三つ目には、オンブズマン委員会の下にオンブズマンを置くという方法も考えたわけでございまして、その場合には当然今述べられたような方々がよろしいのではないかと思うわけでございますけれども、そういった幾つかのメニューの中でどれがよろしいのかということを判断していただくのは、これこそ国会の仕事でございますので、このような形がありますと申し上げるのが私の役目であろうかと、このように考えます。
もちろん、中立性の確保ということは非常に大事な問題でございますので、これは衆議院よりは参議院の方がベターであると。前の特別委員会が政争の具とされたのは時代的な環境もあろうかと思いますが、同時に衆議院というまさに政争をやるべき議院において設置されたからであるわけでございまして、参議院の独自性ということをお考えいただければ、参議院に委員会としてつくる、あるいは参議院議員の中からオンブズマンを選ぶという形でよろしいのではないかと。
だれを選んだかということは、これはまさに国民によって問われることでございまして、政争の具になるような委員あるいはオンブズマンを選んでしまえば、これは逆に、それこそそういった者を選んだ国会というものがまた国民から見放されるということにならざるを得ないということでございまして、賢明な参議院としましてはそうならないように最も適当な方を選ばれるであろう、このように考える次第でございます。
この発言だけを見る →三つ目には、オンブズマン委員会の下にオンブズマンを置くという方法も考えたわけでございまして、その場合には当然今述べられたような方々がよろしいのではないかと思うわけでございますけれども、そういった幾つかのメニューの中でどれがよろしいのかということを判断していただくのは、これこそ国会の仕事でございますので、このような形がありますと申し上げるのが私の役目であろうかと、このように考えます。
もちろん、中立性の確保ということは非常に大事な問題でございますので、これは衆議院よりは参議院の方がベターであると。前の特別委員会が政争の具とされたのは時代的な環境もあろうかと思いますが、同時に衆議院というまさに政争をやるべき議院において設置されたからであるわけでございまして、参議院の独自性ということをお考えいただければ、参議院に委員会としてつくる、あるいは参議院議員の中からオンブズマンを選ぶという形でよろしいのではないかと。
だれを選んだかということは、これはまさに国民によって問われることでございまして、政争の具になるような委員あるいはオンブズマンを選んでしまえば、これは逆に、それこそそういった者を選んだ国会というものがまた国民から見放されるということにならざるを得ないということでございまして、賢明な参議院としましてはそうならないように最も適当な方を選ばれるであろう、このように考える次第でございます。
小