行財政改革・税制等に関する特別委員会

1998-05-27 参議院 全214発言

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会議録情報#0
平成十年五月二十七日(水曜日)
   午前十時開会
    —————————————
   委員の異動
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     山本 一太君     野村 五男君
     石田 美栄君     和田 洋子君
     小山 峰男君     朝日 俊弘君
     橋本  敦君     緒方 靖夫君
     吉川 春子君     阿部 幸代君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     和田 洋子君     石田 美栄君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         遠藤  要君
    理 事
                石渡 清元君
                片山虎之助君
                釜本 邦茂君
                高木 正明君
                野間  赳君
                伊藤 基隆君
                小島 慶三君
                荒木 清寛君
                赤桐  操君
    委 員
                石井 道子君
                海老原義彦君
                鎌田 要人君
                亀谷 博昭君
                久世 公堯君
                国井 正幸君
                清水嘉与子君
                須藤良太郎君
                田村 公平君
                常田 享詳君
                長尾 立子君
                林  芳正君
                松村 龍二君
                三浦 一水君
                宮澤  弘君
                朝日 俊弘君
                石田 美栄君
                小川 勝也君
                竹村 泰子君
                寺崎 昭久君
                和田 洋子君
                牛嶋  正看
                海野 義孝君
                益田 洋介君
                渡辺 孝男君
                清水 澄子君
                田  英夫君
                阿部 幸代君
                緒方 靖夫君
                笠井  亮君
                星野 朋市君
                佐藤 道夫君
                奥村 展三君
   国務大臣
       外 務 大 臣  小渕 恵三君
       大 蔵 大 臣  松永  光君
       文 部 大 臣  町村 信孝君
       厚 生 大 臣  小泉純一郎君
       農林水産大臣   島村 宜伸君
       運 輸 大 臣  藤井 孝男君
       労 働 大 臣  伊吹 文明君
       建 設 大 臣  瓦   力君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    上杉 光弘君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 村岡 兼造君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       尾身 幸次君
        —————
       会計検査院長   疋田 周朗君
        —————
   政府委員
       阪神・淡路復興
       対策本部事務局
       次長       田中 正章君
       経済企画庁調整
       局長       塩谷 隆英君
       経済企画庁調査
       局長       新保 生二君
       外務省アジア局
       長        阿南 惟茂君
       外務省北米局長  高野 紀元君
       外務省条約局長  竹内 行夫君
       大蔵大臣官房長  溝口善兵衛君
       大蔵省主計局長  涌井 洋治君
       大蔵省主税局長  尾原 榮夫君
       大蔵省理財局長  伏屋 和彦君
       大蔵省銀行局長  山口 公生君
       大蔵省国際金融
       局長       黒田 東彦君
       文部省教育助成
       局長       御手洗 康君
       厚生大臣官房総
       務審議官     田中 泰弘君
       厚生大臣官房障
       害保健福祉部長  篠崎 英夫君
       厚生省老人保健
       福祉局長     羽毛田信吾君
       厚生省保険局長  高木 俊明君
       農林水産大臣官
       房長       堤  英隆君
       農林水産省構造
       改善局長     山本  徹君
       運輸大臣官房長  梅崎  壽君
       運輸省自動車交
       通局長      荒井 正吾君
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       建設省河川局長  尾田 栄章君
       建設省道路局長  佐藤 信彦君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
       自治省税務局長  成瀬 宣孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        志村 昌俊君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置
 法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    —————————————
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遠藤要#1
○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。
 財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題といたします。
    —————————————
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遠藤要#2
○委員長(遠藤要君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 ただいま議題となっております四案の審査のため、明二十八日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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遠藤要#3
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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遠藤要#4
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    —————————————
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遠藤要#5
○委員長(遠藤要君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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鎌田要人#6
○鎌田要人君 私からは、まず最初に財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案について二点お伺いをいたしたいと思います。
 その第一は、世上の一部に、財政構造改革と当面の景気振興策とは相矛盾するものである、したがいまして景気対策をとるときは前者すなわち財政構造改革の問題はしばらく棚上げすべきであると主張する向きがあるようでございます。このような見解は、我が国の経済の置かれました客観的な諸情勢に故意に目をつぶり、揚げ足をとるものと許せざるを得ないのでございますが、現状を直視しますときは、財政構造改革を進めつつも、その時々の状況に応じて適切な財政・景気対策を講ずることは当たり前のことでございます。
 そのように考えるのでございますが、まずこの点の大蔵大臣の確固とした御見解をお伺いいたしたいと思うのでございます。
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松永光#7
○国務大臣(松永光君) 我が国の財政状況は、議員よく御承知のとおり、先進国中最悪と言われております。迫り来る高齢社会、そして少子という状況が続いているという状況を考えれば、もう本格的な高齢社会が目前に迫っていることは何人も認めるところであります。そういう社会になっても我が国のすべての人々が安心して暮らせる福祉社会、そして経済の活力を保持する、そういったことを実現するためには適切な財政力がなければなりません。そういう状態をつくり上げるためには、現在の最悪と言われる財政状況を着実に改革していかなければならない。すなわち、財政構造改革の必要性はいささかも変わるものではないというふうに思っております。
 したがいまして、そのときそのときの経済・景気動向に対応するための景気対策を打ちながらも、財政構造改革ということは常に念頭に置いておかなきゃならない、できる限りの改革の歩みを続けていかなきゃならない、私はそう考えております。
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鎌田要人#8
○鎌田要人君 全くそのとおりでございまして、私がこの考え方を最初にあえてお伺いしましたのは、その点をもう一遍しっかり確かめた上で次の質問に入ります。
 第二に、改正法案では、財政構造改革の当面の目標といたしまして、国、地方の財政赤字の対国内総生産の比率を平成十七年度に百分の三以下にするということでございますが、現在の国、地方の赤字の状況から考えますというと大変な努力を必要とすると考えます。
 したがいまして、この点に関しまして、大蔵大臣及び自治大臣のしっかりした覚悟のほどをお伺いいたしたいのでございます。
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松永光#9
○国務大臣(松永光君) 今度のお願いをしておる改正法案で、財政構造改革の目標年次を二年延ばさせていただきまして二〇〇五年にさせていただくわけでありますが、そうであっても二〇〇五年の時点での国、地方を通ずる財政赤字をGDP比三%以下に抑えるということは、相当な努力、そして相当な苦労を要することであります。
 しかし、毎年毎年の予算編成の過程において、いわゆる要調整額を、歳出の徹底した見直しあるいは重点化、効率化を進めて、大変な苦労を伴いますけれども、ぜひとも目標達成年次に目標を達成するようにしなきゃならない、そう私はかたく決意をしているところでございます。
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上杉光弘#10
○国務大臣(上杉光弘君) 委員御承知のとおり、地方財政は百五十六兆の残高を残すほど大変厳しいものでございまして、地方債は今回の補正で百六十兆にも及ぶわけでございます。
 また、毎年毎年税収が伸び悩んでおりますから、大変苦しい状況で地方財政計画を立て、地方団体は予算編成をいたしておるわけでございます。さらにまた、財源不足がここ五、六年恒常化した状態にあるわけでございまして、その財源不足も補いをつけていかなければなりません。それらはすべて公債費の累増になっておる。そして、景気がずっと悪い状態でございますから、税収も伸び悩むという極めて厳しい状況にあるわけでございます。
 このような状況等を認識した上で、覚悟を決めて財政構造改革や地方団体における地方財政の健全化に取り組まなければならないものと、このように考えておるところでございます。
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鎌田要人#11
○鎌田要人君 いずれもこれは非常な決意を要する問題でございますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 それを前提にいたしまして、税制改革に関する事項について一、二お伺いいたします。
 まず、今次の税制改革の大きな問題でございます所得課税の減税と消費課税の増税の問題に関連してでございます。
 所得課税の減税で、その課税最低限が夫婦子二人で所得税については四百九十一万七千円、住民税におきましては四百二十七万三千円ということでございます。この額は、考えてみますと大変な高額でございます。それに引きかえまして、所得税の最高税率、これは住民税と合わせて六五%に上っております。
 したがいまして、欧米諸国並みに課税最低限を引き下げるとともに、高額所得者の税率を引き下げる。両方引き下げ引き下げですね。このことが税制改革上、理論的に正しい態度であると思うのでございますが、この点に関しまして、大蔵大臣、自治大臣の率直な御見解をお伺いいたしたいのでございます。
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松永光#12
○国務大臣(松永光君) 委員御指摘のとおり、さきに行った特別減税、そして今回審議をお願いしておる二度目の特別減税、これによりまして標準世帯での課税最低限が四百九十一万に上がっておる、そのとおりでございますが、これは景気対策のため、すなわち減税効果をできるだけ早く国民のもとに届ける、そして中低所得者の消費意欲がわき出てくるような、そういう減税を特別にやらなきゃならぬという景気対策としての特別減税をした結果、委員御指摘のとおり、課税最低限が四百九十一万に上がったわけであります。これは、あるべき税の姿を実現するためのものではなくして、あくまでも景気対策としての特別の減税措置をした結果そうなったわけであります。
 委員お話しのように、望ましい所得税課税はどうあるべきかという見地からすれば、委員御指摘のような議論があることは承知いたしております。しかしながら、税というのは国民生活に直結するものでありますから、そこで税の専門家を中心に各界各層の代表的な方によって構成されておる税制調査会、ここに政府としては、公正、透明で国民の意欲を引き出せるような税制を目指して本格的な、また幅広い論議をしていただく、そのことをお願いし、現在、税制調査会の基本問題小委員会で委員御指摘の問題については論議をしていただいているところであります。
 先ほど申したとおり、税というのは国民生活に直結するものでありますから、そういう観点から税制調査会に論議をお願いしている以上、政府の方であらかじめ一定の方向性を持った意見を述べたり、あるいは一方的な方向づけをするような言い方というものは適切でない、こう思いますので、あくまでも税制調査会で幅広く、腰を据えて論議をしていただいて、その結果を待ちたい、これが現在私の言えることでありますので、その程度でひとつ御了承願いたいのでございます。
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上杉光弘#13
○国務大臣(上杉光弘君) お尋ねの件につきましては、政府税調の中に基本問題小委員会が設置をされて既に審議がスタートいたしておるところでございまして、その審議に当たりましても、地域の費用につきましては住民がその能力に応じて広く負担を分任し合うという個人住民税の性格等もその視野の中に入っておるわけでございます。
 特に、委員御指摘の点でございますが、課税最低限等の問題につきましても、国民生活等の実態等もよくにらみながら、さまざまな角度から広く検討が行われるもの、またそうならなければならないと思っております。
 特に、委員のただいまの御提言等につきましては、行財政、税制、また地方にあっての住民生活の実態をよく御理解の上での御提言でございますから、重く受けとめさせていただきたいと思います。
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鎌田要人#14
○鎌田要人君 両大臣の御意見はよくわかりましたが、若干私は不満があります。といいますのは、今度の減税措置、これは定額方式をとっておられるんです。この定額方式をどういうわけでとられたのかということをひとつお伺いしたいんです。
 これは、もうある意味において既に済んだことでございますが、これが課税最低限の引き上げに非常に大きな影響を持っているわけです。それで、この課税最低限の上がることは当然でございますが、今度はそれを下げろということになりますと、これはなかなか大変だと思うんですよ、理屈は理屈としまして。上がったものを下げるというのは、これは大変な御苦労が必要だと思うんです。それと今度の減税措置の問題を絡めて考えますと、これは正直言いまして、やってはならぬことをやられたという感じが私はしてならないんです。
 その点の大蔵大臣の御意見を率直にお伺いいたしたいと思います。
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松永光#15
○国務大臣(松永光君) 今回の特別減税の方式として定率ではなくして定額方式でやった、その結果として課税最低限が上がったという点でございますが、結果においてはそうなったことは事実であります。
 問題は、税の実務面の問題点が一つあったようでありますが、その点については主税局長から答えさせます。
 もう一つは、ある時期に集中的に減税の効果を国民に届けることによって個人消費を盛り上げる、それによって景気の回復を速やかに図りたいという考え方もあったのであります。
 そして、課税最低限が上がったということは、先ほどもちょっと触れましたけれども、景気対策としての特別の措置によるものでありますから、所得税そのもののあるべき姿として上がったものではないわけでありますので、景気の動向がよくなって特別措置の必要性がなくなればその特別措置はおしまいになる。しかし、そうすることは非常に批判が出てきたりするおそれはないわけではありませんけれども、恒久的な税のあり方を考える場合には、特別措置としてやったことは別にして、望ましい税のあり方の方に戻していき、そして改革をしていくのが筋だというふうに私は思います。
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上杉光弘#16
○国務大臣(上杉光弘君) 住民税の性格からいたしまして必ずしも望ましい性格ではないじゃないか、全くそのとおりだと思います。今回の特別減税は景気対策の一環としてやった、あくまで景気対策だと、そういう意味で、個人住民税の課税最低限のあり方等を今後検討するに当たりましては、基本に立ち戻った議論が必要であると私は考えております。
 この定額方式にしたということについては、事務方からお答えをいたさせます。
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尾原榮夫#17
○政府委員(尾原榮夫君) 今回御審議をお願いいたしております特別減税、定額方式でお願いしているわけでございます。これは御承知のように今年二月から始まっている特別減税でございますが、大臣からお話がございましたように、できる限り早い時期に、しかもまとまった額で、平成十年分の所得税を対象にと、こういう要請がございました。そういうことから、定額方式でこれはやらせていただいたわけでございます。
 それで、今回の特別減税を追加するに際しどのような方式でやるか。
 これは税制調査会でも御議論になったわけでございますが、景気対策である以上できる限り早い時期にまとまった額でという要請は同じでございます。と同時に、平成十年分の所得税を同じように対象にするものでございますから、いわゆる事務をなさっていただく源泉徴収義務者の方にも複雑なものになってはこの減税ができがたいということになってまいります。したがいまして、当初の定額方式に引き続きまして、今回も定額方式で景気対策の減税をお願いするということにしているわけでございます。
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成瀬宣孝#18
○政府委員(成瀬宣孝君) お答えいたします。
 住民税につきまして特別減税を定額方式によることといたしましたのは、まず今回の特別減税が所得税、個人住民税一体となって行いますものでありますことから、両者が同じ方式をとることが適当であるということ、また納税者が簡単にみずからの特別減税額を算出できるなど納税者にとりましてもわかりやすいものとする必要があること、そして実務的にも簡便なものとする必要があることなどが主な理由でございます。
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鎌田要人#19
○鎌田要人君 政府当局とされましては、大臣以下、定額方式をおとりになったからその定額方式に固執される気持ちはわかります。また、源泉徴収される人たちの苦労をできるだけ軽くしてやろうという気持ちもわかります。
 ただ、税というのは、先ほども申しておりますように、国民の側からしますと取っていかれるという気持ちがまた強いわけですね。それで、二年か三年か知りませんが、景気が回復するまでの特別措置だよ、それから後はまたもとへ戻るんだよということで、納税義務者が果たして、はいそうですかということになるかということなんです、現実の問題としまして。
 そういうことで、私は大変なことをやられたなという気持ちを持っておるのでございますが、この点につきましては、けさほど読売新聞で、「あすでは遅すぎる 税制改革への提言」、私はこれを読んでおりまして、非常に我が意を得たという気持ちを持っておるわけです。こういう意見の人の方が多いんですね。
 ただ、世間の中では政治家の皆さんを初めとしまして、税金は安くしてやる、サービスはよくしてやると、そういうことで当選される方が残念ながらおられることも事実なんです。また、それが国民の民度に合っている面もあるので、この点は私は非常に御苦労をされるだろうとあえて苦言を呈しまして、次に移らせていただきます。
 地方税に関する事項でございますが、今度の地方税の減税を見ておりましての所感は、各地方団体いずれも財政窮乏のふちに臨んでおります。そういう中で、特に従来財政力が比較的にあると思われておりましたいわゆる富裕団体と称せられる東京あるいは大阪、兵庫、あるいは大都市にしましても大阪市、神戸市、こういったところが軒並み悲鳴を上げておられるわけです。また、県の中でも一、二の県ではもう財政再建に追い込まれておる、そういう県も少なくないわけです。
 そういう状態をごらんになられまして、上杉自治大臣の率直な御見解を伺いたいんです。特に、地方単独事業は今までは、私どもが自治省におりましたころは、東京、大阪、こういった比較的財政力のある団体が手を挙げておりました。そういうところが今度は単独事業について非常に消極的だということを伺っておるんですが、この単独事業の消化の見通し、これからの問題でございますが、その点もあわせてお聞かせいただければありがたいと思います。
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上杉光弘#20
○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、現在の地方財政は極めて厳しい状況にあるわけでございます。地方税や地方交付税の原資となります国税正税の伸び悩み、公債費の累増等によりまして大幅な財源不足が生じておるわけでございます。
 交付税特別会計による借入金といいますか、地方債の残高が大幅に膨れ上がってきた。言うなれば、地方債の増発で財源不足を補っておるわけでございます。さらに、地方財政は地方税収等の低迷や減税によりまして、減収の補てん、景気対策等のためにさらにまた今回地方債の増発をやらなければならない。したがいまして、借入金の残高が急増いたしまして、十年度末には百六十兆円という多額になるわけでございます。
 個別の地方団体の財政事情につきましても、公債費負担比率一五%以上の団体が、平成八年度の決算でございますが、全体の半分を超える五〇・三%でございますが、このような状況のほか、御指摘のような従来財政力があると言われた団体も厳しい財政状況に陥っている、財政の硬直化が大変心配をされる状況にございます。今後も、過去に発行した地方債の元利償還が、地方の場合には国と違って借入の年限が短いので、このこともしわ寄せになっておるわけでございますが、元利償還が増嵩を来しておるわけでございます。
 このような状況のもとで地方分権は進めていかなければならない。地方分権を進めていきますと、地方団体に対しましては、住民に身近な政策というものは地方行政で取り組んでいかなければならない。そういう総合的に幅広に地域の行財政を担う地方団体は、大変厳しい状況がまた見通しができるわけです。加えて、高齢化社会、少子社会というものがまた大きくこれへ覆いかぶさっておる。
 このように考えますと、総合的な地域福祉施策や生活関連資本の整備等の重要政策課題に係る財政需要が今後ますます増大をする、このように見通せるわけでございまして、このような判断に立てば立つほど地方財政は厳しい、このように認識をいたしておるところでございます。
 それから、地方単独事業でございますが、私は今回の景気対策に際しまして、私の方から求めて地方六団体の代表の皆さんとお会いいたしました。そして、そこで大変厳しい御意見や地方の財政実態の厳しさというものを直接お聞きいたしたところでございます。そのような意見交換の場を通じ、また種々の機会を通じまして、事務的にも地方の財政状況の把握に努めてきたところでございます。
 今回の一兆五千億の景気対策としての社会資本整備のための地方単独事業の問題でございますが、今回のものは、特に財政措置といたしまして四千億の地方交付税の増額を図ったところでございます。また、所要の地方債措置等も講じることといたしておるわけでございまして、できる限り自治省としてできることは対応し、また国庫当局とも、国の財政も厳しい折でございますが、このような措置を話し合ってまいりました。
 おおむねこれまでの話し合いの経過の中で、若干時間をかけて申しわけありませんが、報告いたしますと、地方単独事業の追加要請に対しましては、これまで補正予算におきましては相当する額以上が計上されておるところでございまして、きのうも私申し上げたところでございましたが、例えば平成四年度は要請額一兆八千億に対しまして一兆九千二百億、平成五年度は三兆一千億、これは一次から三次にわたりましたので、三兆一千億の要請額に対しまして三兆二千四百億、平成七年度は一兆円に対しまして一兆五百億円と、この要請額を上回っておるところでございます。
 地方団体におきましては、六月の補正議会、さらには九月の補正議会が定例化いたしておるわけでございますが、景気対策という趣旨にかんがみまして、臨時的な議会等も開催の用意のある地方団体もあると伺っておるところでございます。
 今回の追加要請につきまして、地方団体の財政運営に支障がないようにあらゆる対応をしてまいったわけでございまして、今後も地方経済あるいは地域の財政状況、こういうものを十分見きわめながら、さりとて景気が悪ければ税収が増に転換するという期待は今のままですと持てませんので、何としても今回のこの総合経済対策を成功させていただきまして、景気をよくし税収増というものが図られますように、我々はあらん限りの努力をしていかなければならない。また、そのためには地方団体の御理解、御協力がなければなりませんので、できる限り御協力をいただきますように最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
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鎌田要人#21
○鎌田要人君 上杉自治大臣の地方自治に寄せられますお気持ちには私も心から感動いたしました。
 ただ問題は、日本に都道府県が四十七ございますが、大部分の県、すなわち北は北海道から南は私どもの鹿児島県、沖縄県に至りますまで、大部分の県は交付団体でございます。また、二千あります市町村の中で、大部分の市町村は交付団体でございます。そういうところは、大臣のそういう熱烈なお気持ちにもかかわりませず、その日の糧に困っているのは我々個人と同じでございまして、財政の困窮に追いまくられまして、そういう地域開発とか、そういうことを考えておりましても、夢に似た状態のところが少なくないということをお考えおきいただきたいと思うのでございます。
 特に、私の鹿児島県などというのは離島地域が多い。その離島地域は、一つの島が隣の島と一緒になりまして町村合併をしようとしましても、これはもう本当に荒海に隔てられておる島でございますから、小さい島でもそれぞれの島で一つの自治体を形成しなきゃならない、そういう実情にあるということを、これはちょっと釈迦に説法みたいですが、そういうところも頭に置かれまして、今後どのようにして地域の活性化を図っていくかということをお考えおきいただきたい。これは私の希望でございます。
 そこで、次に法人事業税の外形標準課税問題につきまして、これは大臣にはしばらくお休みいただきまして、自治省の税務局長にお伺いいたしたいと思います。
 一つは、政府の税制調査会のこの問題に対する取り組み、見解、これをお伺いいたしたいのでございます。
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上杉光弘#22
○国務大臣(上杉光弘君) 基本的なことですから、お休みくださいということでございましたが、私からお答えいたします。
 事業税は現在、基本的には法人の所得に対して課税することとされておることは、これこそ釈迦に説法で、もう御理解いただいておるとおりでございます。これを事業の規模ないし活動量などをあらわす何らかの外形基準によって課税する仕組みに変更することが当面の課題とされておるわけでございまして、政府の税制調査会の中で今議論が始まっておるわけでございます。
 地方法人課税の今後のあり方でございますが、昨年末の政府税制調査会の答申におきまして、「地方の法人課税については、平成十年度において、事業税の外形標準課税の課題を中心に総合的な検討を進めることが必要」とされておるわけでございまして、これを受けまして、今年度の政府税制調査会において地方法人課税小委員会が設置をされ、五月十九日からその議論が始まっておるわけでございます。
 事業税への外形標準の導入につきましては、具体的な外形基準として何を用いるのか、税負担の変動をどう考えるか、大変難しい課題でございますが、なお検討すべき重要な課題でございまして、制度の円滑な実施の観点から、所得による課税と外形基準による課税を併用するかどうかということ等も含めまして、これは今後政府税制調査会の小委員会の中で検討を進めていかなければならないもの、このように考えておるわけでございまして、そこでまとまりますと政府としてどうするか、こういう対応になろうかと思います。
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鎌田要人#23
○鎌田要人君 大臣に御答弁をいただきまして大変恐縮いたしておりますが、私は、法人だけそういう課税方式を変えられるということで、個人の事業税についてはどういう考え方をとられるのか、この点が前から私は疑問に思っておりまして、個人事業税と法人事業税と合わせまして事業税でございまして、法人だけが事業税の主体じゃないわけですね。でありますから、個人事業税をどう考えておられるのか、この点が私にはどうしてもわからない。その点も大臣、あわせてお答え願えますか。
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上杉光弘#24
○国務大臣(上杉光弘君) 個人事業税への外形基準の導入についてでございますが、事業税への外形標準の導入につきましては、これは先ほど申し上げましたとおりでございます。今後、この個人事業税につきましても、じゃこれを外形標準にするとすればどうなるか、こういうことかと思うわけでございまして、やはり法人事業税と同じようにその外形基準をどういうものを用いるか、税負担の変動をどういうふうにとらえるのか、これに尽きると思っておるわけでございまして、これらが十分実態に即して検討されなければならない、このように考えておるわけでございます。
 また、総体的な段取りがどうというところまでは行っていませんが、議論が始まったばかりでございますので、地方財政等の実態等も十分考えて、この問題の検討がまとまれば、政府として受けとめた上、判断をさせていただきたい、このように考えております。
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鎌田要人#25
○鎌田要人君 実は、私は昭和二十五年のシャウプ税制のときには今の自治省の前身でございます地方自治庁におりまして、その事務官でこの問題に非常に苦労したものでございます。その当時は、付加価値税という名目で事業税を付加価値税に変えるということで、これは画期的な税制改革だったわけですね。
 ところが、二十五年の税制改正で付加価値税というのが設けられましたけれども、その当時、日本の実情は、付加価値という名前がまだそのころは経済学者の中でも御存じなかった。私の記憶によりますと、一橋大学の山田雄三という先生が「国民所得の計画理論」という著書で、昭和二十四年ごろに出された本ですが、注書きの中で、これを付加価値と呼ぶ人もいるけれども一般的でないという注釈がわざわざついたぐらいの時代でございました。
 その時代に、付加価値税、最初は控除法でした。それから加算法になりまして、加算法の選択制を認めた。その時代の、私は当時の事務官でございまして、その考え方からしますと、今日は付加価値という名前は一般的に経済学者のみならず一般の人も使っておりますから、これは付加価値税という名前で私は立派に通用すると思うんですね。
 問題は、その場合に、法人と個人と区分けをしますと、法人の場合には付加価値税、個人の場合には事業税ということになりますと、これは税制の混乱を来すと思うんですね。でありますから、当時の付加価値税というのは、繰り返して言いますが、法人も個人も適用対象だったわけです。そういうことで、私は個人の問題に非常に拘泥しますのはその気持ちがあります。
 それからもう一つは、付加価値税の導入につきまして、経過措置としまして所得課税の基準と付加価値基準と、これとを併用するという意見が前に出たことがありますわ。私は、それは非常にいいと。ただ、その併用する場合にも併用の割合という問題がありますからね。一方を六入れて一方を四にするのか、五分五分にするのか、あるいは三、七にするのかというその辺の技術的な問題も含めまして、この付加価値税を実現する最後の機会だと思うんです。今度できなければ永久にできません。
 そうなりますと、冒頭に申しました所得課税が依然として残りますから、その分を外国でも所得課税の分を減らしまして付加価値部分に移る、こういうことが一般的な傾向でございますから、そういう点で、日本も地方税の場合には付加価値税というものをこれから重点に置いていかなきゃと思いますので、その点を特に留意していただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。拍手
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田村公平#26
○田村公平君 私は、品位がないとよく言われるものですから、なるたけ品のある質問をしたいと思っております。
 そもそも私、財政構造改革の推進に関する特別措置法、この法案、実は大変愚かな法案で、自民党でなければ反対をしたかったんです。ただし、その措置法の一部を改正する法律案というのが当委員会で審議されることはまことにありがたいというかうれしいことで、この改正には賛成をしたいと思っています。本当はこんな法律、廃止してもらいたいと私個人は思っております。
 大体、こういう法律をだれが考えたのか、ちょっと大蔵省に教えてほしいんですけれども。普通のまじめな政治家だったら、こんな平成十五年まで一切財政出動を認めぬとか、公共事業に関しては七、五、三、対前年比マイナス七、マイナス五、マイナス三、そんなばかなことを普通の政治家なら考えないんですよ。だれかが入れ知恵したと思うんですけれども、だれが入れ知恵したんですか。
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涌井洋治#27
○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。
 財政構造改革法の立法の経緯ということでございますが、御承知のとおり、昨年の一月以降、半年に及びまして、政府それから与党の関係者がメンバーとなっております財政構造改革会議、ここにおきまして、基本的には、主要先進国中最悪の危機的な状況であるこの財政を放置しておくと将来的には大変なことになるという経済審議会の行ったシミュレーション等がございます、破局のシナリオと言われておりますが。
 このような負担を子や孫の世代に残すことは絶対に避けなければならないということで、この会議におきまして、二十一世紀に向けて明るい展望を切り開くためには、経済構造改革を進めつつ、財政構造を改革し財政の再建を果たすことが喫緊の課題であり、かつ歳出の改革と縮減を具体的に実施する観点から法案を策定し、できるだけ早期に成立を期すべしということが財政構造改革会議において決定されたわけでございます。
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田村公平#28
○田村公平君 あなたね、東大法学部を出ておって、いろいろいかがわしいやっとつき合ったりしておる暇があるらしいけれども、全部わかっておるんだ、こっちは。もっとまじめに答えろよ。聞いたってしようがない。おまえらが入れ知恵したに決まっておるんだよ。普通の選挙で選ばれる政治家はこんなばかなことは思いつかない。財政危機も全部わかっている。
 じゃ聞くけれども、これだけの国、地方を合わせての大赤字をつくって、君たち大蔵官僚は、私らは選挙区がありますよ。それは弱い部分がおる、選挙に上がらぬと、上がって何ぼの世界だから。じゃ、公僕として職を賭して時の大臣なり政務次官をいさめたことがありますか。ないじゃないか。垂れ流し垂れ流しで、糊塗し、ごまかしごまかし、気がついてみたら、銀行だって、最初は二十何兆がいつの間にか八十兆だ、やれ百兆だとごまかしてきたんじゃないか。自分らはいいところへ天下りし、遊びほうけ、おれらは毎日真剣勝負やっておるんやで。もう聞きたくないよ、君の話は。
 ところで、実は昨年七月二十二日から八月一日まで十一日間、参議院の院派遣で特定事項調査議員団第六班、毎日毎日泊まる宿が変わる。ですから私、紙の下着を持って参りましたが、宮沢弘先生を団長にODAで視察に参りました。
 ちょうどタイの大蔵大臣にお目にかかったときにまさにタイ・バーツの危機がありました。そのとき、大蔵省から出向しております一等書記官か二等書記官か忘れましたが、宮沢団長ともども、これは一タイ国のタイ・バーツの危機だけじゃない、ASEAN諸国に大変大きな影響が出ますよ、本省に報告してくださいと、本省というのは外務省じゃないですよ、大蔵省に、そういうことを申し上げました。
 タイ、マレーシア、インドネシア、三カ国ぐらいで結構ですが、大蔵省は随分他の省庁に比べると俗に言うアタッシェというのをいっぱい出していますが、大体何人ぐらい出しているんですか。
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溝口善兵衛#29
○政府委員(溝口善兵衛君) 今年一月一日現在でございますが、タイの大使館に二名でございます。フィリピンの大使館が二名、それからシンガポールの大使館が一名、マレーシアの大使館が一名、インドネシアの大使館が一名、合計七名でございます。
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