財政構造改革に関する特別委員会

1998-12-08 衆議院 全101発言

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会議録情報#0
平成十年十二月八日(火曜日)
    午後五時二十一分開議
 出席委員
   委員長 麻生 太郎君
   理事 衛藤 晟一君 理事 大島 理森君
   理事 小坂 憲次君 理事 茂木 敏充君
   理事 上田 清司君 理事 日野 市朗君
   理事 赤松 正雄君 理事 中井  洽君
      安倍 晋三君    浅野 勝人君
      飯島 忠義君    江渡 聡徳君
      嘉数 知賢君    木村 隆秀君
      佐藤  勉君    阪上 善秀君
      桜井 郁三君    下村 博文君
      菅  義偉君    園田 修光君
      田中 和德君    田村 憲久君
      谷畑  孝君    西川 公也君
      宮腰 光寛君    目片  信君
      山口 泰明君    渡辺 博道君
      池田 元久君    生方 幸夫君
      海江田万里君    北脇 保之君
      中川 正春君    原口 一博君
      石垣 一夫君    田端 正広君
      並木 正芳君    佐々木洋平君
      西川太一郎君    松浪健四郎君
      児玉 健次君    春名 直章君
      伊藤  茂君    中田  宏君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  小渕 恵三君
        法 務 大 臣 中村正三郎君
        大 蔵 大 臣 宮澤 喜一君
        通商産業大臣  与謝野 馨君
        自 治 大 臣 西田  司君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      堺屋 太一君
        国 務 大 臣 柳沢 伯夫君
 出席政府委員
        国際平和協力本
        部事務局長   茂田  宏君
        防衛庁長官官房
        長       守屋 武昌君
        経済企画庁調整
        局長      河出 英治君
        経済企画庁調査
        局長      新保 生二君
        金融監督庁長官 日野 正晴君
        金融監督庁検査
        部長      五味 廣文君
        金融監督庁監督
        部長      乾  文男君
        法務省刑事局長 松尾 邦弘君
        外務省経済協力
        局長      大島 賢三君
        大蔵省主計局長 涌井 洋治君
        大蔵省金融企画
        局長      伏屋 和彦君
        文部省体育局長 遠藤 昭雄君
        通商産業省産業
        政策局長    江崎  格君
        中小企業庁長官 鴇田 勝彦君
        自治省財政局長 二橋 正弘君
 委員外の出席者
        衆議院調査局財
        政構造改革に関
        する特別調査室
        長       中谷 俊明君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月八日
 辞任         補欠選任
  下村 博文君     嘉数 知賢君
  田中 和德君     渡辺 博道君
  谷畑  孝君     安倍 晋三君
  西川太一郎君     佐々木洋平君
同日
 辞任         補欠選任
  安倍 晋三君     谷畑  孝君
  嘉数 知賢君     下村 博文君
  渡辺 博道君     木村 隆秀君
  佐々木洋平君     西川太一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 隆秀君     田中 和德君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止
 に関する法律案(内閣提出第一号)
 財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止
 に関する法律案(伊藤英成君外八名提出、衆法
 第四号)
     ――――◇―――――
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麻生太郎#1
○麻生委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案及び伊藤英成君外八名提出、財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案を一括して議題といたします。
 まず、伊藤英成君外八名提出、財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案について議事を進めます。
 提出者から趣旨の説明を求めます。池田元久君。
    ―――――――――――――
 財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止
  に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
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池田元久#2
○池田(元)議員 私は、提案者を代表し、ただいま議題となりました民主党提案の財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 つい一年前、我が国経済が戦後最悪とも言える危機に陥っていくさなか、野党の反対を押し切って、時の橋本内閣は財政構造改革法の成立を強行いたしました。財政構造改革法の施行によるデフレ財政政策が個人消費や企業の設備投資を一層冷え込ませ、過去最高の企業倒産や失業率をもたらしたことは、周知の事実です。しかし、この責任を回避するため、政府は、財政構造改革法を凍結すべきだという野党の意見を無視し、財政構造改革法に基づく平成十年度当初予算をそのまま成立させました。その予算が成立したまさに翌日、政府は、総額十六兆円規模の総合経済対策と財政構造改革法の改正を打ち出しました。
 ことし五月、わずか半年で財政構造改革法は改正されましたが、そもそも、構造改革の名に値しない一律歳出削減法であるという本質を変えるものではありませんでした。十六兆円規模という過去最大の総合経済対策にもかかわらず、実体経済は一向に改善の兆しを見せることはありませんでした。このような無責任かつ一貫性のない経済政策を続けた自民党政権に対し、参議院選挙において国民の厳しい審判が下ったことは当然の帰結でした。
 こうした経緯を経て、ようやく小渕内閣が財政構造改革法の凍結を打ち出したわけですが、橋本前内閣の重要閣僚であり、財政構造改革法の凍結に反対してきた小渕総理は、厳しく責任を問われなければならないと思います。
 本法律案は、ことし五月、民主党、平和・改革及び自由党の三会派が提出した財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案を改めて提出するものです。政府案と異なる点は、単にその施行を停止するだけでなく、現行法の問題点について抜本的見直しを行うことを定めているというところです。
 以下、本法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一条では、現行の財政構造改革法について、その施行を二年間停止することにしております。
 第二条第一項では、現行の財政構造改革法について、財政及び経済の状況の変化を踏まえ、財政健全化目標及びその達成期限その他財政構造改革のあり方について見直しを行い、必要な法整備を行うことにしております。
 第二条第二項では、前項の見直しの方針として、財政健全化目標については、目標の最終年度までに、単年度の国及び地方の公債発行額及び借入金の総額を対GDP比三%以内に抑えるようにすること、経済活動が著しく停滞した場合は目標達成期限を延長できるようにすることの二点を掲げております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容です。
 この法律案は、半年前に、当時の平和・改革、自由党が民主党とともに作成し、共同提案したものであり、構造改革を踏まえた財政構造改革法凍結の必要性が増している今、当然のことながら賛成していただけるものと思います。
 その他、この問題に理解のある多くの皆様方の御賛同をお願い申し上げまして、提案理由の説明を終わらせていただきます。
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麻生太郎#3
○麻生委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
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麻生太郎#4
○麻生委員長 次に、ただいま議題となっております両案について議事を進めます。
 これより質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上田清司君。
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上田清司#5
○上田(清)委員 民主党の上田清司でございます。総理を初め、大変長時間にわたりまして予算委員会お疲れさまでございます。いましばらくお時間をいただきたいと思います。
 早速ですが、自自連立の合意事項の中に、政府委員制度の廃止、大変いいことだなというふうに思っております。ある新聞のコラムを読んでおりましたら、議員の奥の方に座っていて、明らかに議員よりもインテリ風と思われながら、そして黒を白と言い含める能力を持った人たちが政府委員だということをそのコラムに書いてありました。
 そこで、政府委員の人たちと話をしているとなかなか先に進まないということでございますので、きょうは、総理を初め全閣僚の皆様方に、極力政府委員の皆様にお願いをしないで答弁をお願いしたいというふうに思っております。
 早速ですが、総理、今池田委員が御提案しましたように、余りにも景気の動き、経済の動きが急激であったという一つの理由はともかく、いかにも政府の姿勢というものが、この財革法に関しては、大変変化があるというよりも余りにも変節的ではなかろうか、こんな思いがありますが、正直言って、宮澤大蔵大臣も、この間の議論の中で、そのことを言われればかぶとを脱ぎますというような御発言もございます。言われればそのとおりでございます、批判は甘んじて受けますというような御回答をいただいておりますが、総理は率直にどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
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小渕恵三#6
○小渕内閣総理大臣 この内閣になりまして、特に経済につきましては政策的な大転換をいたさなければならない現下の日本経済の状況かと考えております。そのために、今般の補正予算の提案等もさせていただいております。
 こうしたことをなし遂げるためには、従前の財革法によってそうした措置が行えないということであってはならない、こう考えまして、今般その凍結をお願いした、こういうことであります。
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上田清司#7
○上田(清)委員 我々は、縛りがあるので弾力的な機動的な財政経済運営はできないのではないかということをしばしば御提言してきた経緯がございますが、その点について、なぜそのことを今まで無視されたのか、改めて伺いたいと思います。
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小渕恵三#8
○小渕内閣総理大臣 財政改革法につきましては、改めて、現下の厳しい情勢にかんがみまして、財政構造改革を推進するという基本的な考え方はこれを守りつつも、まずは景気回復に全力を尽くすため、これを凍結することといたしたわけでございます。
 このような観点から、法律の効果を一たんは働かないようにいたしておくものの、将来におきましてはその効力が復活し得る法律の停止という形をとることが適当であると判断したものであります。
 具体的には、財政構造改革法の効力を当分の間停止いたしまして、我が国経済が回復軌道に入った後、経済財政状況等を踏まえた判断の上で再施行することができることといたした次第でございます。
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上田清司#9
○上田(清)委員 総理、基本的な方向は守りつつもと、その基本的な方向の具体的な中身は何でしょうか。
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小渕恵三#10
○小渕内閣総理大臣 基本的な方向とは、財政構造改革によりまして日本の財政を健全化するという方向でございます。
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上田清司#11
○上田(清)委員 ここから先は少し進まないと思いますので、先を進めさせてもらいます。
 貸し渋り問題がこのところ問題になっております。さきにもテレビ報道などでもございました。
 総理、この三月の資本注入のときに、貸し渋りを解消するということが大義の一つになっておりました。この間、貸し渋りは減ったのでしょうか、ふえたのでしょうか。
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小渕恵三#12
○小渕内閣総理大臣 今年の三月の資本注入は、我が国における金融の機能に対する内外の信頼が大きく低下するという危機的な状況に対応するため、緊急措置として、金融機能の安定化を図るとともに、貸し渋りの解消、緩和など、取引先企業に対する円滑な資金供給に資するものと期待して行われたものであります。
 しかしながら、最近の民間金融機関の融資動向を見ますと、貸し出しは依然として低迷をいたしておる。また、借入先の企業から見ますと、民間金融機関の貸し出し姿勢が厳しくなったとする中小企業の割合が依然として高い水準にあるなど、厳しいものとなっております。
 政府といたしまして、金融機関の融資動向につきまして、金融機関が融資態度を必要以上に萎縮させ、健全な取引先に対し必要な資金供給が円滑に行われない事態が生ずることのないよう、ヒアリング等を通じまして引き続き注視するとともに、政府系金融機関を通じた貸し渋り対策に万全を期してまいりたいと思っております。
 最後に、御質問の趣旨に的確にお答えすれば、まことに厳しい貸し渋りの状況が依然として継続しておるということは残念なことであり、政府としてはこれに対して徹底的に対応していくということであると思っております。
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上田清司#13
○上田(清)委員 さすが総理であります。私は、今総理が、前半で述べられたことは政府委員の言葉をそのまま語っておられるというふうに思っておりましたけれども、最後に総理の生の声を聞きまして、少し安心いたしました。
 そこに、「金融機関の貸出動向」、日銀の「貸出・資金吸収動向」を資料として提出しております。このとおり、九八年の三月以降、前年比でずっとマイナスでございますし、額に直していきますと、九八年の三月にはマイナス八・九兆、六月にはマイナス十二・一兆、九月にはマイナス十四・四兆、十月にはマイナス十七・二兆、こういう資料も私の方では持っておりますが、いずれにしても全く貸し渋りに効果はなかったということは、大蔵大臣がさきの国会で言われたとおりであります。
 そこで、大変残念なのは、そうした動向を踏まえながら、国会の中でも各党の賛成の中でつくられましたいわゆる二十兆の枠でございます。
 大変テレビ報道でもなされましたが、私も一つ資料を出させていただいております。ファクスで届いたものを拡大しておりますので、ちょっとミミズみたいな字になって見えにくいとは思いますが、ある信用金庫が内部文書で出した文書であります。要するに、千載一遇のチャンスだ、信用保証協会の保証の部分を利用して、他行に先駆けてしっかり債権を回収せいと。こういうことをしっかり各行がやっているということであります。
 それが端的に出たのが横浜銀行であります。地方銀行の会長でもありますし、元大蔵省の大幹部であります。いかにも不届き千万ということでありますが、こういうことをやって商法違反にならないのか。
 このことについて、前大蔵政務次官でもう本当にベテラン中のベテラン、法務大臣にもわざわざおいでいただいておりますが、例えば、金融機関と保証協会との保証契約第三条、「旧債振替の制限」ということがきちっと書いてありますし、それから、一部肩がわりを債務者に承認させる書類をあらかじめ準備して印鑑を押させていくことなどは明らかに違反行為ではなかろうか、私はこんなことを思っております。法務省としてこういうやり方というのは商法に違反するような行為にならないのかということを思っております。
 事務方に聞いたら、ならないんだということも聞いておりますが、何か法律で処罰することはできないのかという強い思いを持っておりますので、法務大臣に一言御答弁いただきたいと思います。
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中村正三郎#14
○中村国務大臣 今委員がおっしゃられましたように、現下の法制度においては、これが直ちに刑事事件になるということは考えられないようなことだと思います。
 ただ、どういった事実が犯罪になり、刑事事件として立件されるかということは、そのときの事実関係に基づいて証拠と法に照らして立件していくわけですから、断定的なことはお答えできませんが、現下の法制度では刑事事件にはならぬように思います。
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上田清司#15
○上田(清)委員 日野長官にお伺いします。
 昨日、大手十八行が肩がわりした金額は十九億というような具体的な数字を出されましたが、どのように、いつ調べてそういう数字が出てきたのか、御教示いただきたいと思います。
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日野市朗#16
○日野政府委員 お答えいたします。
 この大手十八行に対しましては、とりあえず、まず十月分の振りかえ事例がどのくらいあるかということで調べさせていただきましたところ、今御指摘がありましたように十九億円ということでございました。
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上田清司#17
○上田(清)委員 全然答えになっていないんですよ。こんなばかなことはないんですよ。各行一億、判で押したように出ていますね。冗談じゃないんですよ。金融監督庁、何を見ているんですか。ふざけんじゃないと言いたいですよ。
 いいですか。私の手元に名前も全部出ているんですよ。出しても構わないと言われている企業がここに一、二、三、四、五、六、七、八。全部出しても構わないと。あさひ銀行を相手に五千万申請して二千万、肩がわりで取られちゃった。旧債権の方を取られてしまった。同じく二千七百万、あさひ銀行から借入して七百万取られた。ある企業は、朝日信金で五千万申請して三千五百万取られた。ある信金からやはり五千万借入して三千万取られた。こういう事例が私のところだけで一、二、三、四、五、六、七、八とあって、総額で一億超えていますよ。
 いいですか。もう二兆円貸し出していますよ。大手銀行だけで一兆円だったら、大体お話の中で、もうここにいらっしゃる議員の方々には毎日みたいにそういう話ばかり来ているんですよ。五千万融資したけれども二千万抜かれた。三千万お願いしたけれども一千五百万抜かれた。大体二〇%から七〇%の枠ですよ、抜かれる話が。交渉しているうちに五〇になったり三〇になったりするんですよ。だったら、一兆だったらどうなるんですか。すぐ二千億、三千億になっちゃうじゃないですか。二けた間違っているんじゃないですか。
 長官、御答弁願いたい。根拠を述べてくれよ。
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日野市朗#18
○日野政府委員 この主要十八行に対しましては、十一月に、銀行法二十四条に基づく報告徴求を行って得た結果でございます。
 確かに私も印象としては、最初見たときには、率直に申し上げますと、きのうの予算委員会での御答弁でも、保証協会の保証つきの貸し出しにつきましては、実はちょっと最初読み間違えました。といいますのは、その数字が、五兆というふうな読み方をしましたけれども、実際は五千億という数字だったのですが、実は私も、十九億円というのではやはりちょっと少ないなという感じは率直にしております、率直に言って少ないなという印象は持っております。それは間違いございません。
 それは、確かに十月分ということだけを限定したこともありますし、それからもう一つ、保証協会の同意があるものというふうに限定したこともございますし、それから十八行だけということに限定したこともございます。ですから、ただいま御指摘がありました、例えば信用金庫のようなものについては調査の対象外でございました。
 私といたしましては、確かに十九億円ではいかにも数字がちょっと低いんじゃないかな、何か十九で割るとちょうど一になるような感じでございますので。それで、昨日早速、いろいろ報道の件もございましたので、地方銀行、第二地方銀行も含めまして二十四条に基づいて報告徴求を求めております。これはいずれ回答が参りますから、それを総合して見たところで、果たしてこの十九億円が正しいかどうかということがまたわかってくるのではないかと思いますので、もうしばらくそこは時間をおかしいただければありがたいと思います。
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上田清司#19
○上田(清)委員 大変とんでもないお話であります。今申し上げましたように、私が企業名を出しても構わないと言われた人たちだけでも肩がわりの部分が一億を軽く超えています。そういうことを考えれば、とてもそういう一行一億というような感覚にはなり切れないのです。
 そこで、通産大臣、お忙しいところ済みません。実は、中小企業金融安定化特別保証の制度要綱の中で、事務取扱要領というのがあります。その中の最後のところに、「旧債の肩代りの添付書類 今回の特別保証制度で既往の直接貸付金を肩代る場合は、別紙の「金融安定化特別保証制度に係る借入条件改善理由書」を申込書類に添付するものとする。」という形で、旧債の肩がわりの添付書類を用意したらどうだというものをわざわざ出しているんですね。もちろん、同時に、この「約定書例」の中に、第三条で「旧債振替の制限」ということで、特別な事情だけですよと言ってはおられます。しかし、事務取扱要領の中の最後のところに旧債の肩がわりをしなさいと言わんばかりの事務取扱文書を入れることで、全国の金融機関に悪い意味での影響を与えているんですよ。
 それで、早速これを取り消すような通達を出されることはいかがかなということを直接お訴えしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
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与謝野馨#20
○与謝野国務大臣 まず、理屈の話だけいたしますと、保証協会に今度特別枠で保証をしてもらう場合にも、旧債の振りかえというのは当然あるわけでございます。それが許される場合は、やはり借り入れの期間が従来のものより長くなるとかあるいは借入金利が下がるとかという、借り入れ側に有利になるような場合には旧債の振りかえであっても保証協会が保証をする、こういうことになっているわけです。
 ですから、その事務取扱もそのように例外的に、借り手側が有利になるような場合も旧債の振りかえは全部禁止されているのかといえば、そうではなくて、借り入れ側に条件が有利になった場合には例外的に旧債振りかえができますよということを実は書いてあるわけです。
 そこで、専ら金融機関が旧債振りかえのために保証協会の保証を利用したという場合には一体どうなるのかといいますと、実は保証協会と金融機関との間の保証約款の中に、保証をしていても、約款の上で、専ら旧債振りかえのためにやったという場合には代位弁済はしない場合があるということが書いてありますから、それは、保証協会の保証を旧債振りかえにみだりに使うと、実は保証は実行されない、代位弁済は実行されないというケースがあるということは、金融機関にもよく知っていただかないといけないと思っております。
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上田清司#21
○上田(清)委員 大変丁寧な御説明でありますが、事務取扱要領の中に、今申し上げた「旧債の肩代りの添付書類」という項目を起こしてまで御説明があります。これが誤解のもとになっていく。このことをぜひ検討していただいて、あすにでも取り消すぐらいの通達を出していただきたいと思います。もう既に違う形での通達は出ていると思いますけれども、この中を省くようなことをお願いしたいというふうに思います。
 どうぞ法務大臣、済みません、わずかの時間のためにお越しいただきましてありがとうございます。
 それは通産大臣、ぜひお願いしたいと思いますが、お約束いただけますでしょうか。
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与謝野馨#22
○与謝野国務大臣 事務取扱は既に出ておりますから、それを生の形で取り消すことがいいのか、あるいは、こういうものが相手にあるいは関係者に誤解を与えないような、さらに追加的な解釈をきちんとお知らせするかは別にいたしまして、こういうものが実際に旧債振りかえに利用されないように私どもとしては努めてまいります。
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上田清司#23
○上田(清)委員 総理、この間の議論を聞いていただいたと思いますが、ぜひ総理の方からも、親切で出されたのかもしれませんが、かえってそれが悪用されているような嫌いがございます。
 そして、先ほど御提出しましたさる信用金庫の内部文書を見てもわかりますように、千載一遇の機会で、この機会に他行におくれをとらないように債権の保全、回収を図るべきだというようなとんでもない事態が起こっておることも、ぜひ担当の閣僚の皆様方にも御指示を賜りたいというふうに思います。
 通産大臣、済みません、ありがとうございました。
 それでは、次の問題に移らせていただきます。
 これは柳沢金融担当大臣にお伺いしたいと思います。日経新聞で、十一月三十日付でございますが、今度資本注入をする場合、優先株の配当を、三月のときは一%から約三%、最高三%だと思いますが、今度は高くとも一%台にというような議論だとか、返済十年を二十年、三十年に延ばすというような記事が出ておりましたけれども、この辺は、内部でそのような議論になってきているのかどうかをお伺いしたいと思います。
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柳沢伯夫#24
○柳沢国務大臣 資本増強につきましては、先生方のお骨折りで、金融機能早期健全化法という形で公的資金によってこれを行うことが可能になりました。
 そして、先月の大体二十日ごろを中心として行われた各行の、大手行ですけれども、中間決算の機会にこの資本増強を受け入れるということについての前向きの発言が、一、二の例外を除いて等し並みに行われたということで、私ども、その前向きの姿勢については、大変これを多としたというふうに申し上げてよろしいかと思います。
 そこで、条件面のことについて新聞の報道がなされたということでございますけれども、当然のことながら、今、条件を含めての申請額、これは釈迦に説法ですが、ちょっとお時間をいただいて御説明いたしますと、ローンにしても、あるいは優先株というような形にしても、これは金利なりあるいは配当なりというコスト面での負担というものが生じます。加えまして、いつまでもローンを借りている、あるいはいつまでも政府のお金を資本金として自分が抱えているということは、純粋民間の金融機関としては、必ずしもいつまでもこれを続けられるということではありませんから、これはいずれにしても元本の償還負担ということがあるわけでございます。
 私どもといたしましては、今度の資本増強の制度を使って、でき得べくんば自己資本比率というものを欧米並みの高い率のものにしていただいて、今問題になっている貸し渋りであるとか、あるいはもともと今回の問題であるところの不良債権の処理といったようなものを、もうゆとりを持って行えるというようなものにしてもらいたい。その意味では、大きな資本の注入を思い切ってしてもらいたいという気持ちが片方でありながら、先ほど言ったように、ローンをベースで物を言わせていただきますれば、要するに元利の償還という支払い負担が現にあるわけですから、そんなにこれをまた青天井でできるというようなものではない、こういうことなのでございます。
 そこで、それではできるだけ多く資本の増強をしてもらいながら、かつ民間銀行として元利の償還というものがきちっと行えるという見通しが持てるというのは一体どういうことであるかということで、私どもはいろいろ検討をさせていただいているわけですが、その答えの一つとしてあるのは、やはりリストラ。
 リストラに二つございます。従来型の、自分たちのコストをできるだけ切り下げるということでリストラをしてもらうということと同時に、もっと前向きに、収益を上げて償還財源を稼いでもらう、こういうようなものをしてもらうということが一番大事だというふうに思っております。そうなればまた、今度は投資する側からするとリスクがそれだけ低くなって条件が緩和できるということでありまして、そのあたりのことについて今いろいろと検討している段階でありまして、具体的な数字が今話題になっているというようなことではありません。
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上田清司#25
○上田(清)委員 丁寧な御説明をありがとうございます。
 ところで、これは監督庁長官になるのか柳沢担当大臣なのかわかりませんが、原価法を採用している大手行が九行ございますが、もし低価法に切りかえたら、私の試算だと七行が評価損になっていくのではなかろうかというふうに思っているのですが、そうした試算というのはなされたことはございますか。
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日野市朗#26
○日野政府委員 個別銀行の財務状況についてお答えすることは差し控えたいと思いますが、先般各行から発表されました本年九月期の中間決算によりますと、この主要十八行のうち、原価法を採用しているのは十七行になっております。といいますのは、従来低価法でありました興銀など、個別行幾つかが原価法に変更したということでございまして、一行だけが低価法の採用行として残っております。
 この九月期の中間決算によりますと、主要十八行の有価証券の含み損は合わせて約二兆五千四百億円になります。他方、資本勘定、十八行全部合わせますと十四兆二千億円となりますので、全体としては御指摘のような状況にはなっていないものというふうに考えているところでございます。
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上田清司#27
○上田(清)委員 低価法に変えたときはどうなりますかということを聞いたのですよ。
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日野市朗#28
○日野政府委員 含み損は原価法でありましても開示されておりますので、これでディスクローズされているということで理解していただければと思います。
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上田清司#29
○上田(清)委員 そこが結局日本の銀行の体質を、先ほど柳沢大臣が言われたような収益性のある強い銀行にならないと思うのですね。一番楽なところでの試算をさせる、そして引き当て率についても甘く甘くやっていく。もし第二分類なんかの債権の引き当て率を一五あるいは二〇にしたときはどうなるかということを、さきの国会でも民主党の中でも出しましたけれども、そういうところからむしろきちっと出して指導監督していくべきではないかということを改めて私は申し上げておきます。
 大体答えがわかっておりますので、むだな時間を過ごしたくないと思います。
 そこで、金融監督庁長官に聞きますが、十一月の二十五日の読売新聞のトップ、一面に、長銀、不良債権の移しかえ一兆千五百億、それから飛ばしが一千二百億という形で、どうもこれは、多分いわば捜査筋からの情報ではなかろうかと思いますが、なぜ金融監督庁は何カ月にわたって調査をしながらなかなかそういう話ができなくて、何度お尋ねしても、もちろん野党だけが尋ねたわけじゃありません、与党の方も、倉成議員もお尋ねされました。そういう結果が、これが事実かどうかわかりませんが、かなり具体的な形で出ております。監督庁はどうして出ないのでしょう。
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