日米防衛協力のための指針に関する特別委員会

1999-04-07 衆議院 全177発言

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会議録情報#0
平成十一年四月七日(水曜日)
    午前九時二分開議
  出席委員
   委員長 山崎  拓君
   理事 赤城 徳彦君 理事 大野 功統君
   理事 玉沢徳一郎君 理事 中谷  元君
   理事 中山 利生君 理事 畑 英次郎君
   理事 前原 誠司君 理事 遠藤 乙彦君
   理事 西村 眞悟君
      安倍 晋三君    浅野 勝人君
      井奥 貞雄君    大石 秀政君
      河井 克行君    瓦   力君
      小坂 憲次君    小島 敏男君
      河本 三郎君    阪上 善秀君
      桜田 義孝君    鈴木 俊一君
      田村 憲久君    橘 康太郎君
      西川 公也君    萩山 教嚴君
      平林 鴻三君    福田 康夫君
      細田 博之君    宮腰 光寛君
      八代 英太君    山本 公一君
      米田 建三君    上原 康助君
      岡田 克也君    桑原  豊君
      玄葉光一郎君    横路 孝弘君
      赤松 正雄君    市川 雄一君
      佐藤 茂樹君    東  祥三君
      井上 喜一君    達増 拓也君
      木島日出夫君    佐々木陸海君
      東中 光雄君    伊藤  茂君
      辻元 清美君    保坂 展人君
 委員外の出席者
        参考人
        (株式会社東芝
        顧問)     西元 徹也君
        参考人
        (日本労働組合
        総連合会事務局
        長)      笹森  清君
        参考人
        (元駐タイ大使
        )       岡崎 久彦君
        参考人
        (静岡大学助教
        授)      小沢 隆一君
        参考人
        (株式会社岡本
        アソシエイツ代
        表取締役)   岡本 行夫君
        参考人
        (軍事アナリス
        ト)      小川 和久君
        参考人
        (静岡県立大学
        国際関係学部教
        授)      伊豆見 元君
        参考人
        (日本乗員組合
        連絡会議議長) 川本 和弘君
        衆議院調査局日
        米防衛協力のた
        めの指針に関す
        る特別調査室長 田中 達郎君
委員の異動
四月七日             
 辞任         補欠選任
  安倍 晋三君     橘 康太郎君
  相沢 英之君     河本 三郎君
  石川 要三君     鈴木 俊一君
  大島 理森君     小坂 憲次君
  宮島 大典君     井奥 貞雄君
  伊藤  茂君     保坂 展人君
同日               
 辞任         補欠選任
  井奥 貞雄君     山本 公一君
  小坂 憲次君     大島 理森君
  河本 三郎君     相沢 英之君
  鈴木 俊一君     石川 要三君
  橘 康太郎君     安倍 晋三君
  辻元 清美君     伊藤  茂君
同日               
 辞任         補欠選任
  山本 公一君     宮島 大典君
  保坂 展人君     辻元 清美君
四月七日
 新ガイドライン関連法制定反対に関する請願(伊藤茂君紹介)(第一八九〇号)
 新ガイドライン関連法案の立法化反対に関する請願(辻元清美君紹介)(第一九五九号)
 同(北沢清功君紹介)(第二一八〇号)
 同(土井たか子君紹介)(第二一八一号)
 同(畠山健治郎君紹介)(第二一八二号)
 同(濱田健一君紹介)(第二一八三号)
 同(村山富市君紹介)(第二一八四号)
 日米防衛協力のための新たな指針関連法案の廃案に関する請願(辻元清美君紹介)(第一九六〇号)
 新ガイドラインに基づく周辺事態法などの制定反対に関する請願(石井郁子君紹介)(第二一五四号)
 同(大森猛君紹介)(第二一五五号)
 同(金子満広君紹介)(第二一五六号)
 同(木島日出夫君紹介)(第二一五七号)
 同(児玉健次君紹介)(第二一五八号)
 同(穀田恵二君紹介)(第二一五九号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第二一六〇号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第二一六一号)
 同(志位和夫君紹介)(第二一六二号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第二一六三号)
 同(辻第一君紹介)(第二一六四号)
 同(寺前巖君紹介)(第二一六五号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二一六六号)
 同(中島武敏君紹介)(第二一六七号)
 同(中林よし子君紹介)(第二一六八号)
 同(春名直章君紹介)(第二一六九号)
 同(東中光雄君紹介)(第二一七〇号)
 同(平賀高成君紹介)(第二一七一号)
 同(不破哲三君紹介)(第二一七二号)
 同(藤木洋子君紹介)(第二一七三号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二一七四号)
 同(古堅実吉君紹介)(第二一七五号)
 同(松本善明君紹介)(第二一七六号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第二一七七号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二一七八号)
 同(吉井英勝君紹介)(第二一七九号)
は本委員会に付託された。
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件(第百四十二回国会条約第二〇号)
 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案(内閣提出、第百四十二回国会閣法第一〇九号)
 自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百四十二回国会閣法第一一〇号)
    午前九時二分開議
     ————◇—————
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山崎拓#1
○山崎委員長 これより会議を開きます。
 第百四十二回国会、内閣提出、日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の各案件を一括して議題といたします。
 本日は、各案件審査のため、参考人の方々から御意見を聴取いたします。
 本日午前御出席の参考人は、株式会社東芝顧問西元徹也君、日本労働組合総連合会事務局長笹森清君、元駐タイ大使岡崎久彦君、静岡大学助教授小沢隆一君、以上四名の方々であります。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 西元参考人、笹森参考人、岡崎参考人、小沢参考人の順に、お一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際は委員長の許可を得ることになっております。
 それでは、西元参考人にお願いいたします。
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西
西元徹也#2
○西元参考人 おはようございます。
 本日は、私のような未熟者を、二十一世紀にわたる我が国の安全保障上極めて重要な意義を持っております本特別委員会に御招致賜り、かつ意見を申し述べる機会を与えていただきましたこと、まことに光栄に存じております。私は、三年前まで自衛隊の部隊運用と日米防衛協力の現場に携わっておりましたので、実行機関の立場に立って意見を申し述べることをお許し賜りたいと存じます。
 まず最初に、日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインの策定の背景となるものについて、私見を述べさせていただきたいと思います。
 ことしは、一九八九年にベルリンの壁が実質的に崩壊してからちょうど十年目に当たります。
 一九九七年、すなわち二年前の十二月二十日付イギリスのエコノミスト誌は、一九八九年に冷戦が終結したとき半世紀に及ぶ確実性の時代は去った、冷戦という凍りつくような清冽さは濃霧に覆われた先行き不透明な平和に道を譲った、四十年間ずっと動かずにいた世界はベルリンの壁崩壊から八年間動き続けている、このように述べておりますが、この認識は、基本的に今日も変わっていないと承知いたしております。
 もう少し敷衍いたしますと、冷戦終結後、国交の正常化や新たな国交の樹立、あるいは、各国の相互交流あるいは相互依存関係の深まり、また、全世界的には国連、我がアジア太平洋地域にはASEANリージョナルフォーラムといったような地域の安定を目指す多国間の協調的な機構の発展、充実といったような好ましい傾向が見られる反面におきまして、民族、宗教、領土、資源などをめぐる地域紛争発生の危険、あるいは、最近特に指摘されております大量破壊兵器とその運搬手段でありますミサイルの拡散の危険、また、テロ、麻薬、海賊行為、隠密不法行動あるいはコントロールできない難民の発生、流入といったような危険など、さまざまな危険や脅威が存在し、情勢は依然として不透明、不確実でございます。
 このような安全保障環境の中で、我が国に直接的にあるいは間接的にどのような危険が及ぶ可能性があるかということを考察いたしてみますと、我が国に対するハイインテンシティーからローインテンシティーの全スペクトラムにわたる各種の直接的な武力攻撃、あるいは、場合によっては周辺事態から我が国に波及するテロ、隠密不法侵入、あるいは不法行為、各種の破壊活動、避難民の流入、あるいはゲリラ、コマンドー攻撃、場合によっては弾道ミサイル攻撃あるいはその恫喝といったようなことが考えられ、また、我が国の海上、航空交通路に対する妨害、重要資源へのアクセスへの妨害、あるいは海外に居留する我が国民の生命財産への危険といったようなさまざまな危険が想定をされます。
 このような情勢の中におきまして、地球の陸地面積のわずか〇・二五%という狭い国土の中に一億二千八百万の人口を抱える資源小国たる我が国が、今までと同様に貿易立国を選択し、将来にわたって安定と繁栄を維持していくとすれば、自国の平和と安全の確保、絶え間ない技術革新、あるいは自由貿易体制の維持といったような基本的な要件に加え、資源への安定的なアクセス、海外市場の安定的な確保、あるいは貿易のための各種経路の安定的な確保といったようなことは我が国の平和と安全と繁栄にとって極めて重要なものであり、この地域、ひいては世界のそれは我が国のそれに直接直結している、こう申しても差し支えないと思います。
 以上のような情勢と条件の中におきまして、アジア太平洋地域におけるASEAN地域フォーラムあるいは全世界的な国連、いずれも、現状及び見通し得る将来において、政治、外交的な話し合いで解決できない安全保障問題の解決には依然として一定の限界があることは確かでございまして、これに我が国の安全保障のすべてをゆだねるというわけにはなかなかまいらないのではないかと考えております。
 したがって、私たちは、私が今さら申し上げるまでもなく、オープンな自由民主主義、自由貿易体制を維持し、経済的な相互依存関係が最も深く、しかも、自由、平等、人権といったようなさまざまな価値観を共有するアメリカとの日米安全保障体制を選択したわけでありまして、日米安全保障体制の意義と役割がアジア太平洋地域の平和と安定の維持へ貢献するといったような観点からも、その機能の充実強化を図ることが極めて重要と考えております。
 次に、ガイドラインの基本的な考え方について若干申し述べさせていただきます。
 ガイドラインの具体的内容は、第一に、平素から行う協力、第二に、日本に対する武力攻撃に際しての対処行動など、第三に、周辺事態における協力ということから成ることは、諸先生方もう先刻御承知のとおりでございまして、これについて細部を申し述べるのは差し控えさせていただきたいと思いますが、そのガイドラインがどのような基本的な考え方を持っているかということについての私見を申し述べさせていただきたいと思います。
 私は、ガイドラインの基本的な考え方は、第一に、環境整備すなわち平和建設と危機の予防、第二に、危機の抑止、危機の拡大防止あるいは危機の回避といったようなこと、そして第三に、我が国に対する武力攻撃を抑止すること、そして、万々が一我が国が武力攻撃を受けるような事態には早期にこれを排除し収拾をすること、このようなことにあると考えております。
 すなわち、ガイドラインは、一九九五年十一月二十八日の閣議決定によります防衛大綱の基本的な考え方にのっとり、冷戦終結後の新たな時代に対応して、二十一世紀にわたり我が国の平和と安定と繁栄を確保するとともに、この地域、ひいては世界の平和と安定の維持に貢献するために、平常時における平和建設や危機の予防、あるいは、事態の発生が予想される場合における事態発生の未然防止、これを重視する、いわば危機管理型の安全保障、防衛政策を具体化したものであり、特定の国や地域を対象として、それへの対応を考えたものでもなく、ましてや、我が国がアメリカと結託して、我が国の政治的、軍事的な進出を意図しているというようなものでは絶対にあり得ないというぐあいに考えております。
 最後に、以上申し述べました意義を有しておりますガイドラインの実効性を確保するための措置と、それについての若干の要望を申し述べさせていただきたいと思います。
 この際、大変僣越でございますが、これらの整備について、特に次のような諸点に御留意を願えれば大変ありがたいと存じます。
 その一つ目は、我が国の安全保障政策目標、安全保障政策遂行の枠組み、安全保障政策目標達成の度合い、さらに日米の緊密な共同行動実施の可能性といったことを総合的に検討していただきたいということであります。
 失礼でございますが、要するに、単に手段だけではなくして、政策遂行の枠組みを考慮した手段とその結果、安全保障目標の達成の度合いや、日米安全保障体制の信頼性の向上といったようなことをどう調和するかという観点に立った御論議をぜひお願いしたいと考えております。
 二つ目は、危機の特性に応ずるタイムリーな措置を可能とする枠組みへの配慮でございます。
 申し上げるまでもなく、危機事態における情勢は、一般に情勢の急変や停滞の繰り返しでございまして、変転きわまりなく、タイムリーな措置をとることを可能とする枠組みの構築は極めて重要であって、そのための配慮をぜひお願いしたいと考えております。
 三つ目は、国、政府、地方自治体の総合力をもって対応し得る体制の確立ということでございます。
 冒頭に申し述べました、冷戦終結後の複雑多様な各種の危険や脅威に適時適切に対応するためには、地方自治体を含む国、政府の総合力をもって対応することが不可欠でございまして、そのことによって事態を早期に収拾することを可能とし、結果として我が国への影響を最小限に食いとめることになるのではないかと考えます。
 四つ目は、自衛隊、警察、海上保安庁あるいはその他の実行機関の立場に立った措置への配慮を願いたいということでございます。
 言うまでもなく、国や政府の政策は実行機関の第一線の要員の行動によって初めて達成されるわけでございまして、これらの隊員が政策遂行の枠組みを遵守しつつ、しかもその人たちの安全を確保する、この二つのことをどう調和するかという配慮は非常に大切なのではないかと考えております。
 五つ目は、実行機関にとっての準備の重要性への理解をお願いしたいということでございます。
 実行機関が政府の命令に基づき遅滞なく万全の行動を実施するためには、その諸活動における先行性、並行性あるいは完全性といったようなことが重要でございまして、事前における十分な準備の実施は不可欠でございます。
 第二は、ただいま要望を申し述べました国内法制などの整備に続いて次のような措置をお願いしたいということであります。
 一つ目は、計画体系の確立と各種実行計画の作成という問題でございます。
 この点に関しまして、災害対策基本法に基づく国全体としての自然あるいは人為災害への対応はその一つのモデルではないかと考えます。すなわち、中央防災会議の防災基本計画を受けて、関係行政機関は防災業務計画を、地方自治体などは地域防災計画を作成し、さらに、その下部の国の出先機関、自衛隊の部隊あるいは市町村は地域の特性に応じたそれぞれの計画を作成します。そして、それらの計画は、すべてのレベルにおいて相互にすり合わせが行われ、事態が発生した場合の迅速的確な対応を可能とするばかりでなく、そのための訓練の実施の準拠ともなっております。
 周辺事態につきましては、一九九七年九月二十九日の閣議決定によりまして、このような体制を確立するということが決定されていると承知いたしておりますので、そのことを強く期待いたしたいと存じます。
 ただ、我が国有事という最も厳しい事態にこのような体制が全く欠落しているということも諸先生方ぜひ御認識いただきたいと存じております。
 二つ目は、各種行動における行動基準、いわゆるROEの制定でございます。
 我が国の特性から、諸先生方の現在の審議の焦点になっております各種行動につきましては、政策遂行の枠組みの遵守ということと部隊、隊員の安全の確保ということをどう調和するかといった、いわゆる行動基準の制定をし、政治の責任において実行機関に示し、実行機関が迷うことなく的確な行動ができるような配慮をぜひお願いしたいと考えております。これは必ずしも国会のお仕事ではないかもしれませんが、先生方にもぜひ御理解を賜りたいと思います。
 お手元の資料にあります三つ目と四つ目は、ガイドラインの中に書いてあることでございますので、時間の都合上省略させていただきます。
 最後に、もう一点申し上げておきたいと思いますが、先生方の議論では、周辺事態が我が国へ波及するというおそれがあるということの御論議がなされている。我が国に波及するとすれば、その事態によっては明らかに我が国有事となります。したがって、我が国有事においてどのように対応するのかということを、国民の皆様の御理解を粘り強く得ながら、将来ぜひ御検討をいただきたい、このように切に願う次第でございます。
 終わりに、我が国の安全保障をただいま申し述べました新しい現実と二十一世紀の課題に対応できるようにするためには、この法案の成立は非常に重要な意義を持っていると思います。ぜひとも早期の成立をお願いしたいと思います。
 以上をもって私の意見陳述を終わらせていただきます。失礼なことがあったかと存じますが、どうかお許しをいただきたいと思います。
 ありがとうございました。拍手
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山崎拓#3
○山崎委員長 ありがとうございました。
 次に、笹森参考人にお願いいたします。
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笹森清#4
○笹森参考人 おはようございます。連合の笹森でございます。
 今回、お呼びをいただきまして大変光栄に存じておりますが、連合の立場から申し上げますと、組織の中では、労働四団体が統一をされてからちょうど十年目になります、十年たちますが、この外交防衛、ガイドラインの問題については、国民世論と同じように、連合としては完全に意見が一致をしているというような状況にはなっておりません。なっておらないということが余計に、国民の声をどういうふうにまとめるかという立場でやらなければいけない連合の役割もあるのかなというふうに考えまして、ややお招きを受けたときに逡巡はいたしましたけれども、そういうような立場での意見を申し述べさせていただければ、こういう思いの中で本日出席をさせていただきました。
 そういう意味では、連合は八百万の構成人員がおりますが、国民の一部を代表する立場、そういう意味合いを今申し上げたように込めまして、上程をされているガイドライン関連法案に関する意見を申し述べたいというふうに思っています。
 まず、民主主義のルールに沿ったこの国会という場で、不明点や疑念点に対して明らかにした上で、政治的な対応を図ってほしいということが要請の一つ目の部分です。
 それから二つ目は、労働組合という立場から、国民レベル、組合員という言葉を私どもは使いますが、市民生活をしている国民でありますので、そういった生活の不安や生命の危機に至る事項、すなわち、この法案の中で取り扱われておりますいわゆる第九条の民間協力、施設提供についての主張、ここの部分を私どもとしては重要視した意見を申し上げたいというふうに思っております。
 陳述の仕方といたしましては、ガイドラインに対する考え方について触れさせていただきまして、その上で、本法案にかかわる明らかにしていただきたい事項の内容についての意見という手順を踏ませていただきたいというふうに思います。
 まず一番目が、日米の新ガイドラインに対する連合の立場での見解であります。
 この新ガイドラインにつきましては、九五年の一月に、自民党、社会党、さきがけの連立政権時代における村山政権下において、村山総理、クリントン大統領による会談での日米安全保障体制堅持の重要性の再認識、こういう観点から会談が行われまして、それを受けまして九六年の四月に、橋本内閣における橋本・クリントン会談、日米首脳会談での日米安保共同宣言を経て、九七年の九月に日米双方における最終確認を経て合意したものだ、こういうふうに今認識をしております。
 したがって、この経過から見ますと、国民の審判を受けずに成立をした二政権下において合意に達したこの新しいガイドラインについては、日米双方の国家的な合意だというふうに重く受けとめはいたしますけれども、国民側の今までの長い経過から申し上げますと、ガイドラインについて、重くは受けとめるけれども、明らかにさせていただかなければならない内容というのがかなり多くある。このことについて、国会の中でルールにのっとった対応をしていただいた上で、締結をするなら国民の疑念が解消される方向になるようにということをまず第一番目に申し上げたいと思います。
 その上で、旧ガイドラインが日米共同作戦計画を基軸に置いた日本有事対応であったというふうに私どもは理解をしておりますが、この新しいガイドラインについては、日米の相互協力計画を基軸に置いた周辺有事対応になっている。それにもかかわらず、本来日本有事対応であったはずの日米安全保障条約の再定義を行ったけれども条約の改定を行わずに日米双方で合意をしたというところに、最大の問題点があるのではないかというふうに考えております。
 したがって、日米安全保障条約は本来二国間同盟であったものを、この新しいガイドラインの設定によりまして、本来の日米安全保障条約を改定せずに地域全体の安全保障を担保するものに変質をさせてしまったのではないかというふうに思っております。
 連合は、私どもみずからが十年をかけてつくりました連合の「国の基本政策」の中では、現行の安全保障条約を維持していくということについては確認をしておりますが、今申し上げたような条約改定を行わないで安全保障条約を変質させたということについては問題視せざるを得ないのではないかというふうに思っております。
 それから、周辺事態法にかかわる問題についても、日本周辺地域、後方地域という用語に関係をして、この新ガイドラインの時点から明確化されていない。このことが不明確なまま合意をされるとするならば、我が国の将来に対する不安と疑問を生じざるを得ないということも申し上げておきたいと思います。
 さらに、この日米新ガイドラインにつきましては、米軍活動における日本の支援として民間協力及び自治体の施設提供がうたわれておりますけれども、日本有事対応から周辺有事対応に拡大をされた新ガイドラインにおいて、協力、提供の必要性が生じるのかどうか、このことについては疑問があります。
 そういったような観点の中から、各項目について、私どもの考え方を幾つか申し上げたいと思います。
 まず、この法案は、昨年四月の百四十二回通常国会において、橋本内閣により政府提案がされて、審議未了のまま小渕内閣の方に引き継がれ、今回政府提案として審議をされている性格を持つものでありますけれども、内閣における連立の枠組みが変わったというにもかかわらず、原案のまま審議をすることに矛盾がないのかどうか、このことをまず指摘をした上で、個別課題について申し上げます。
 まず、周辺事態安全確保法案につきましては、民主主義のルールにのっとりまして、当然の権利として国民の意思により周辺事態に必要となる措置の基本計画を停止、修正できる機能を持つべきであるということがまず第一点です。
 この考え方に基づきまして、その具体的な機能としては、法案に定められた基本計画において、その措置の実行に当たっては国会承認とし、その方法については、緊急を要する場合の事後承認を除いてすべて事前承認にすべきだというふうに思っております。
 私どもがマスコミ報道等で仄聞をしている中では、自衛隊の出動の是非のみを国会承認の対象とすることで調整を進めているように聞こえておりますけれども、現行の自衛隊法での日本への直接攻撃に対する自衛隊の出動は理解ができるにいたしましても、周辺事態という範囲での自衛隊出動のみが国会承認となることは、出動時点や出動範囲の面からも不明確でありまして、不安と疑問を生じざるを得ません。政府は、基本計画まで触れると膨大な作業量と時間がかかる、こういうふうに言っているようでありますが、緊急を要する場合を除きましてという断り書きをしているにもかかわらず、なぜ時間的余裕もある周辺事態にこれまでかたくなに対応についてできないというふうにこだわるのか理解ができないところでありまして、自衛隊の出動のみというのは、ただ単に有事体制と周辺事態を同一視した考え方ではないかというふうに受けとめております。
 また、事前承認後の対応につきましては、経過事後の歯どめ見直し措置として、十五日、三十日、六十日条項といったような承認後の経過見直し措置を入れまして、対応措置の早期解決に努力をすべきではないかというふうに思っております。
 それから、周辺事態の定義につきまして、これは明確になっておらないというのが受けとめ方でありまして、ぜひこの国会の場を通じて明らかにしていただきたい。その場合におきましては、あくまでも防衛的性格を持つべきものであって、法案が現行の日米安全保障条約に根拠を置くべきことを明確に記すべきであるというふうに考えます。
 さらに、周辺事態の範囲につきましては国会審議の決定にゆだねていきたいというふうに思っておりまして、労働組合の立場からその線引きについて言及をするというようなつもりは全くありませんが、今申し上げたような定義及び国際地政学の観点から、おのずとその範囲は限定をされてくるのではないかというふうに考えております。
 そういった意味で、周辺事態の発生におきまして、法案にかかわる重要個別課題が生じた場合においても、国会承認によって歯どめを講じる措置をとるべきだ、そのことも明記をするべきである。
 さらに、武器の使用及び武力行使、後方支援活動における武器の使用、船舶検査、機雷除去等、この法案の争点になっている事項についても、国会審議の過程の中で明確にしていただきたい。そのことが国民の不安と疑念を取り除くことになるのではないかというふうに思っております。
 さらに加えまして、この法案の措置のうち、冒頭申し上げた民間協力、施設提供の部分の問題についてでありますけれども、周辺事態という特性から、自衛隊の守備範囲のみで可能か精査の上で、可能であれば新ガイドラインでは立法上の義務づけを行わないということを明記してあることを根拠にして、削除をすべきではないかというふうに思います。審議の上、仮に削除不可であるというふうになった場合には、国会において、民主主義のルールにのっとって、具体的当該協力内容を明らかにして点検精査をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 また、この件にかかわりまして具体的措置が生じた場合におきましては、国会承認により担保すべき最重要事項とすべきで、そのことの取り扱いもぜひ御理解がいただければというふうに思っておりますが、この点につきましては労働組合の立場から強く主張をしていきたい点でありまして、私どもの加盟組織の中には今までに何回かこの危険な作業にかかわらざるを得なかったという立場に置かれた組織があります。中には被弾を受けたケースもありまして、有事体制でもない周辺事態においてもここまで一般的な国民の生命を危険にさらしていいものかどうか、この国会の中でぜひ慎重に審議をしていただきたいというふうに思っております。
 それから、この法案の成立を前提にいたしまして、市民運動としての、港湾施設を持つ各自治体に対しまして外国艦船に非核証明書提示の義務づけを行ういわゆる神戸方式、これは函館、高知というふうにいろいろありますが、私どもは、神戸方式の条例請願が行われている実態について、運動を地域に居住する生活者の不安を解消する観点から理解をしていきたいというのが連合の基本的な態度であります。したがって、この民主主義のルールにのっとり行われておる運動が、政治的な意図で妨害をされるようなことがあってはならないのではないかというふうに考えていることも申し上げておきたいと思います。
 あわせまして、この法案に関連をいたしまして、民間協力、施設提供において、昨年、沖縄県道百四号線越えの米軍実弾演習本土移転による、矢臼別、北富士、王城寺原での演習に伴いまして、輸送ルートの変更、民間航空機による輸送、兵員、兵器輸送の国道使用、地元病院の緊急医療支援要請等が行われた事実があります。このような既成事実についても国会の中でぜひ明らかにしていくべきであります。
 加えて、日本の国内において七割の米軍基地を抱える沖縄を初めとする演習地におけるアメリカ海兵隊員による不祥事等、看過されている現実を直視して、改めて、一方的に我が国国民に負担を押しつける日米地位協定についても、国会の中で審議をし、性格づけやその対応について明確にしていただきたいというふうに思っております。
 これに加えまして、最近の新聞報道、これは三月二十二日付の朝日新聞になりますが、この中で明らかにされていたのは、この法案では基本原則だけにとどめて、法案以外、例えて言うならば日米地位協定第二条四項(b)の件、自衛隊法、港湾法、航空法、特別措置法の一部等々に民間協力や施設提供等が容易にできるように法律化されていることに、新たなる疑念を持たざるを得ないというふうに思っております。
 この中身が、特に防衛施設庁関連の特別措置法の土地収用におきまして、新規の使用、収用を入れ込ませているというふうに受けとめられる内容になっておるわけでありまして、法律の拡大解釈以外の何物でもないのではないかというふうに私どもは考えております。
 この内容につきましては、地方分権法の一部を占めている内容でありますが、地方分権法とは何の関係もないというふうに考えられておりますので、ガイドライン法案に明記をされないものがほかの法律で適用されるということになりますと、国家に対する不安と恐れが増大するのみで、得策ではないというふうに思っております。したがって、今国会においてこの点についてもぜひ明らかにされるように御要請をしたいと思います。
 連合としての立場の中では、冒頭申し上げたように、まとまっていない中での、そのことが逆に国民の声になるのではないかという思いの中で出席をさせていただきまして、意見を申し上げさせていただきました。どうかよろしくお願いしたいと思います。拍手
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山崎拓#5
○山崎委員長 ありがとうございました。
 次に、岡崎参考人にお願いいたします。
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岡崎久彦#6
○岡崎参考人 ガイドラインの問題は、新聞などで拝見しておりますと、かなり議論が詰まっておるようでございまして、問題点も絞られているようでございまして、私は、むしろ、本日は、日本の外交、安保政策に関する基本的な問題からお話し申し上げたいと思っていたんでございますけれども、時間も限られておりますので、先に結論の方から申し上げます。結論と申しましても、今、具体的に問題になっている点についての考え方でございます。
 結論から先に申し上げますと、今回のガイドラインというのは、これは、従来の日米安保協力体制、これに不備な点がいろいろあった、たまたま、冷戦時代、有事というものが一切なかったものでございますから、問題点は出てこなかった、しかし、それをそのままで放置しておくわけにもいかないということでもって、日米同盟を強化して日米同盟の信頼関係を高める、そういう目的で始めたわけでございます。
 ですから、すべての問題は、その目的に沿っているかどうかというクライテリアで考えるべきだと思います。もし、そうでなければ、こんな新しいものをつくる必要は全然ないのでございまして、もし、これをつくった結果、それがいささかでも日米の同盟の信頼関係に悪影響を与えるなら初めからつくらない方がいいわけでございまして、つくる以上は、これが一体どういうプラスがあるか、あるいは、つくった結果、少しでもマイナスがあるようならその部分は削除する、そういう態度で臨むべきだと存じております。
 それで、一つは、最近問題になっております周辺事態の定義でございます。
 これは、確かに、私も経緯を拝見いたしましたが、あいまいな点がございます。安保条約の適用地域というのは極東なんでございますけれども、今度の周辺事態法では、日本周辺であって、日本の安全に重要な影響を及ばすような事態、そういうふうに書いてございます。これは、実はガイドラインの交渉を始めたときからそういうのが入ってしまったんですね。初めから極東にしておけば何の問題もなかったんでございますけれども、それが入ってしまった。その経緯はいろいろあるんでございますけれども、これはやはり双方の思惑があったんだろうと思います。思惑と申しますよりも、当初の思惑は、これを恐らくもう少し広げたいという気持ちがあったんだろうと思います。
 これは、例えばペルシャ湾とかそういうあらゆる事態において、日本のやはり安全に重大な影響を及ぼす可能性がある、そういうところまでやはり考えて、少しはゆとりのあるというつもりで入れたんでございましょうけれども、今度、それを厳しく解釈いたしますと、日本の安全に重大な影響がある事態と、そうすると、そういう重大な影響がないと考えたら、もう適用しなくていいことになっていく。これは逆に狭くなるんですね。
 そういう議論もまた出てきてしまう。これは今回の協定の本旨に反します。もし、そういうことをしてこれが日米の信頼関係に影響を与えるようなら、これは初めからつくらない方がましです。ましというよりも、つくる必要は全然ございません。もともとこれをつくる意味はございませんですから。
 ただ、それを超す部分はどうするかということでございますけれども、今まで合意したものを超すわけでございますから、これは日本が考えて決めていいわけです。これは日本の世論を考えてもよろしゅうございます。この部分については私は幾ら議論があってもいいと思いますし、結論として超さない方がいいということになれば、それを超した部分は、これはまた全然別の問題でございますから将来の問題にする。それはそれでいいと思います。ただ、それを少しでも狭めるような議論、これはあくまでも避けるべきだと私は思っております。それが一つの結論でございます。
 それから、もう一つは国会の承認でございますけれども、これは全部程度の問題でございまして、それから、今までも現に防衛出動は国会の承認が要るわけでございますから、これは物の考え方の問題でございますけれども、やはり一般原則は、日米同盟の信頼関係をなるべく損なわないようにする、安保条約の機動性を損なわないようにする。まして、今まで自由にできたこと、自由でございませんけれども、することが許されたこと、それまで縛るというようなことになりますと、これは日米信頼関係に傷をつけます。その点だけは細心の注意が必要である。その二点が私の結論でございます。
 あとはもうごく一般論で申し上げます。
 日米同盟、日米同盟と申し上げまして、どうして同盟がそんなに大事なのかという御疑問も出ると思うのでございますけれども、それは、伝統的な外交、防衛政策において同盟というものは一番大事なものでございます。
 これは孫子の言う、上兵ははかりごとを討ち、次は交わりを討つ、それから三は兵を討つ、四番目は城を攻める。要するに、最初は戦略、国家戦略ですね、自由と民主主義とかそういう国家戦略。第二が同盟関係なんです。第三が敵が攻めてきたらそこで戦争をするという話で、第四はこっちから行って城を攻めるという話、これは最低である。これは孫子の兵法でございます。日本の場合は、国家戦略は一も二も大体同じでございます。これは日米同盟でございます。
 どうして伝統的に同盟がいかに大事かと申しますと、安全というものは戦争を想定して考えるものでございまして、戦争をした場合、敵の兵力を半分撃滅する、これはもう大勝利、これは勝利でございます。これはもう大変なことで、ほとんど不可能でございますけれども、例えば敵が同盟している場合、同盟を切れば敵の力は半分になります。これは一兵も使わずにして敵の戦力を半分にします。我が方としては、半分兵力をつぶされたらこれでもうほとんど全滅というわけでございますけれども、同盟を切られたら全滅に等しくなります。ということで、同盟というのは国の存立、死活に関する問題なんですね。
 ですから、日本の過去を思い返しても、日本が平和で安全で、しかも自由、デモクラシーが発達したのは、日英同盟の二十年間と日米同盟の五十年間です。これが切れて糸が切れたたこのようになりますと、どこへ行くかわからない。日米同盟を維持するということが、日本の国家と国民の平和と安全、自由、これ全部の保障でございます。ですから、これをいささかも緩めるようなことをしてはならない。
 また、これに対していろいろな反論がございますので、少しずついたしますと、同盟同盟というと自立とか自主外交に反するのではないか、あるいはそういうことを言っていると平和主義に反するのではないか、そういうことがございます。
 ただ、すべての政策の当てはめる基準というものは国家と国民の安全と繁栄でございます。そこに今自由と独立を入れてもいいのでございますけれども、安全の中に自由と独立は入りますから、安全と繁栄でございます。それ以外の基準を持ち込むと非常に混乱するのでございますね。例えば、同盟じゃ自立していないと。それでは、自立という基準を持ってきて国民の安全と繁栄を少しでも損なっていいのか。いや、そんなことはないんだ。それはやはり、どうしても国民の安全と繁栄は大事だ、そういうことになってくる。国民の安全と繁栄を守るというだけで大変な仕事でございます、これはもう政府の全力の仕事でございます。その中に自立という考えを入れることは大変難しいのでございます。
 平和主義も同じでございまして、アメリカの言うとおりになっていたら平和主義が傷つくという話がございますけれども、冷戦中、それでは平和主義を守るために日本の防衛力を少し減らして、北海道だけはしようがない、本州を守ればいい、その程度持てばいいのですかと。そうしたら、そんなことない、とんでもない、北海道も守らなきゃならない。北海道をソ連から守るとなりますと、大変な軍備が要るのです。これはどうしても必要なんです。やはり国民の平和と安全ということを最大の基準にして、それ以外の考慮はなるべく入れない方がいい。
 ただ、もちろん、そういうことを言いますと、いや、そんなこと言っていないので、それはわかるけれども、余りアメリカべったりだからもう少し自立を、そういう話になる。これはまた何でもない話でございまして、日本の平和にも安全にも繁栄にも何にも関係のない部分というのは外交にあるのです。その小さな部分でちょっとアメリカに盾突いて、おれは自立したと言えばいいわけでございます。
 ただ、そんなことはこういう神聖な国会でお話しするほどのことではございません。そのくらいの知恵はございますけれども、あくまでも日本国民の安全と繁栄が中心でございます。
 そこからまいりますと、これはやはり、結局、将来は集団的自衛権の行使になります。それを使わないで済めばいいのでございますけれども、使わないと同盟が崩れるという可能性が十分ございます。このことはやはり考えなきゃいけない。
 例えば、朝鮮半島でもし有事が起こって、また、アメリカ軍と韓国軍が釜山に追い詰められていつ全滅するかわからない、アメリカが助けてくれということを言う、もう本当にSOSを出す。そのときに、日本が三百機のF15を一機も飛ばさない。これはアメリカの議会が許さないです。これは日米同盟の根幹が崩れます。そういう可能性は十分あるんです。
 これは別に日本だけじゃございませんでして、例えば、冷戦時代、イギリスは、ソ連軍が入ってきてドイツ人が何万人死のうと、イギリス人の兵隊を一人も殺す気はないです。ドイツ人は幾ら死んでも構わないんです。ところが、イギリスが戦争をしなければイギリスとアメリカとの同盟関係が崩れるんです。イギリスとアメリカの同盟関係が崩れたら、イギリスは滅びるんです、イギリスという国はもう生きていけなくなる。そのためには、同盟を守るためには、核全面戦争さえもするんです。それほど、やはり国民の安全を守るためには同盟というものは必要なものでございます。
 それを守るためには、これは別に集団的自衛権の行使などというものはふだんから大きな声で言う必要はないのでございまして、万が一同盟が崩れる、同盟が崩れて日本が存立できなくなる、そういうおそれが出てきたときは、これはもう使わざるを得ない、そう考えるべきところでございます。
 そうすると、ガイドラインとの整合性でございますけれども、実際問題としましては、これは平和時でございます。平和時にいろいろな計画をするときに、アメリカが、いや、それは集団的自衛権を行使してもらえれば一番いいけれども、とてもそこまでいかないだろう、だけれども、できることとできないことぐらいははっきりしてくれ、それによって日米同盟の信頼関係はつながるんだ、そういうことでございます。
 日米同盟の信頼関係、これは、はっきり申しまして、いろいろな形でつながっておるのでございますけれども、一つの非常に重大な柱は、日米の政府機関の信頼関係というのは非常に強いんです。これは、日本の自衛隊の能力を非常に向こうは高く買っておりまして、現に、アメリカで親日家というのは、日本を守ってくれるのは大体ペンタゴン系統です。これが中心でございます。その両者が非常に苦労してつくりましたガイドラインでございますので、これを作成当時の精神どおりにきちんとつくる、これで平和時における日米の信頼関係はつなげます。
 ですから、今回これを通すということは非常に重要なことでございます。ただ、それで安心してはいけないので、本当に有事になった場合は、これはやはり日本の存立に関する問題が出てまいります。これは、必ず出るとは申しません、出る可能性があるということでございます。その場合は、やはり集団的自衛権まで考えなければいけない、それが私の結論でございます。拍手
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山崎拓#7
○山崎委員長 ありがとうございました。
 次に、小沢参考人にお願いいたします。
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小沢隆一#8
○小沢参考人 静岡大学人文学部で憲法学を専攻しております小沢です。
 本委員会に付託されている二法案と一協定案について、憲法学の観点から意見を述べさせていただきたいと思いますが、これらには、平和主義を初めとする憲法の諸原理に照らして、看過しがたい問題点が含まれていると思われます。
 まず最初に、周辺事態措置法案についてです。この法案については、四点意見を述べさせていただきます。
 まず第一点、周辺事態についてです。
 まず前置きとして、周辺事態の概念が地理的なものでなく事態の性質に応じるものであるという説明は、その際限のない拡大の懸念を禁じ得ません。ただし、ここでは、安保条約六条が定める「極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため」の合衆国軍隊の武力紛争への関与、これが同時に周辺事態となる場合を想定いたします。この想定は十分成り立ち得ると思います。なぜなら、去る三月三十一日と四月一日の本委員会での審議では、合衆国軍隊が日本周辺で武力紛争に関与している場合が周辺事態に該当する可能性が政府答弁によって確認されているからです。
 日本に対する武力攻撃がなされてはいない、このような場合を日本の平和と安全に重要な影響を与える事態と認定するのには、極東のある国あるいはそのある国とともに対処している合衆国と日本が集団的自衛の関係にあるとの前提が必要と思われます。しかし、このことは、集団的自衛権の行使は憲法に違反するとした従来からの政府見解と矛盾をいたします。また、いわゆる六条事態では日本は合衆国に対して基地を提供するのみであるという現行安保条約の枠組みからも逸脱することになります。
 法案が政府の従来からの憲法解釈と矛盾し、現行安保条約から逸脱するということは、そのことだけをもってしても法案の撤回の理由になると思われます。
 第二に、後方地域支援についてです。
 この概念をめぐっては、政府により、合衆国軍隊の武力行使と一体にならない、また、憲法が禁ずる武力の行使には当たらないとの説明がなされていますが、この説明は、憲法学の立場からすると理解に苦しみます。
 まず、国際的な武力紛争にあっては、戦闘行為も補給、輸送等の兵たん活動もひとしく軍事目標、すなわち攻撃対象となるというのが国際法のルールです。法案の言う後方地域支援活動というのは、あえてこれを正確に表現し直せば、後方地域における兵たん活動です。このことは、実は今回の改定ACSA案が何より物語っております。
 日米ACSAはもともと、一九九六年に、自衛隊と合衆国軍隊の共同訓練、PKO活動、人道的な国際救援活動、これらに必要な後方支援、ロジスティックサポート、すなわち兵たん支援、これのために締結され、今回の改定案でそれが、周辺事態での後方地域支援、リアエリアサポートなどにも適用されようとしています。
 九六年段階のロジスティックサポートは紛争相手国を想定しない活動に対するものであったのに対し、今回の案では、武力紛争のリアエリアでのロジスティックサポートを含むということになるわけですから、合衆国軍隊の紛争相手国から軍事目標とされる危険性があります。
 なお、兵たん活動の国際法的な合法性は、武力行使の合法性と関連をしております。政府は、周辺事態での合衆国の対処は合衆国自身が主体的に判断するとしていますから、後方地域支援の合法性の判断が挙げて合衆国にゆだねられているという問題もあろうかと思います。
 また、憲法第九条が国家に対して禁止しているのは、戦闘行為という狭い意味での武力行使だけではありません。憲法は、前文で「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすること」を求め、そして、それを踏まえて九条では「戦争と、武力による威嚇又は武力の行使」をトータルに禁じています。憲法第九条に「武力の行使」の文言が入っているのは、正規の戦争ではない事実上の武力行使も含めてこれを禁じ、戦争放棄の趣旨を徹底するという趣旨から出たものであって、禁止の対象を戦闘行為に限定するという趣旨ではありません。
 九条は、戦争や武力行使を任務とする人的、物的組織体の活動を全体として禁じているものです。それゆえ、後方地域支援が狭い意味での武力の行使ではないということは、その合憲性の根拠にはなり得ないと思われます。
 三番目に、国会への事後報告の問題です。
 法案は、基本計画の決定と変更の場合における国会の関与を事後報告で済ませていますが、仮にも我が国の平和と安全に重要な影響を与えるとされる事態への対処手続としては、余りにも国民主権、議会制民主主義の原則を軽視するものと言わざるを得ません。何をもって周辺事態とするかの認定手続あるいは基準が定められていないことも、あわせて問題であります。
 この点に関連しては、政府は三つほど理由を挙げていまして、武力の行使を含むものでないこと、国民の権利義務に直接関係するものではないこと、迅速な対応の必要性を挙げています。しかし、それぞれ、武力の行使は先ほど申し述べたように狭く解し過ぎてはなりませんし、また、今回の法案は国民の生活と権利に重大な影響を与えることになります。また、現行の自衛隊法の七十六条と比較してさえも立憲的統制が後退しているなどという問題をここでは指摘しておきたいと思います。
 四番目に、武器の使用についてであります。
 法案で想定されている武器の使用は、武力の行使と区別をされております。しかし、ここで使用される武器の種類については特段の限定がなく、また、使用に際して上官の命令によることは当然とされ、そして自衛隊法九十五条の定める武器等の防護のための武器使用の適用も当然とされております。これらのことから、武力の行使との境界が著しくあいまいになっていることは否定できません。
 また、政府答弁によれば、後方地域支援活動の際に武力攻撃を受けた場合に、自衛権行使の三要件に該当すれば反撃も可能であるとされております。後方地域支援活動そのものには武器の使用が前提とされておりませんけれども、しかし、このような対応もあるとされております。これは、私の見るところによれば、集団的自衛権でしか説明のつかない後方地域支援活動を行いつつ、そして、もしその際に攻撃されれば、個別的自衛権、すなわち先ほどの三要件にかかわります個別的自衛権で反撃を正当化する、こういう論法でありまして、論の立て方が正しくないと考えております。
 いずれにせよ、この法案は、もし実際に実施に移されるならば、その武力行使の可能性は法案の文面を超えてはるかに大きいものであるということを指摘しておきたいと思います。
 次に、もう一つの法案であります自衛隊法の改正案についてであります。
 この案においては、外国における緊急事態に際しての自衛隊による輸送に新たに船舶等の使用と武器の使用が認められようとしております。しかし、国際慣習法やあるいはジュネーブ条約、シカゴ条約などの国際条約によって民間旅客船や旅客機については武力紛争時に保護がされますが、しかし、軍用機などにはその保護の適用がありません。軍用機による民間人の輸送は、非常な危険が伴うわけです。しかも、武器の携行とその使用は危険をさらに増幅させると思われます。
 また、武力を背景にしなければ経済活動あるいはその他の民間交流を進めることのできない国だという印象を国際社会に与えることは、日本に対する信頼を損ね、そしてまた海外の在外邦人の安全をかえって害することになりかねないと思います。本案は、国家と民間の双方のレベルでの外国との平和的な関係を突き崩すものとなる危険性を私は持っていると思います。
 総じて、現在付託されている法案と協定案は、二十一世紀に向けて日本が全世界の諸国民とともに平和的な国際社会を築く上で、礎となるよりもつまずきの石となり、戦後、曲がりなりにも戦争目的の海外派兵をしないことによって築き上げてきた日本への信頼を大きく損なうものであると言わざるを得ません。
 慎重な審議の上、これらをひとまず廃案とし、二十一世紀の平和保障のあり方を、日本国憲法の原点に立ち戻り、国民の英知を結集して構築することを国民代表府たる貴院に求めます。そしてまた、何よりも、二十一世紀を生きる日本と世界の若者たちの未来のための選択を誤ることのないよう求めて、私の参考人としての意見陳述を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。拍手
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山崎拓#9
○山崎委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人からの御意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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山崎拓#10
○山崎委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大石秀政君。
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大石秀政#11
○大石委員 参考人の皆様、本日は御苦労さまでございます。年度初めの本当にお忙しい時期に、お疲れさまでございます。
 私は、実は一九六三年生まれでございまして、安保改定も知らない世代でございます。当委員会は割合若い議員の方が多くて、実体験がないというのは、その世代も含めていろいろ複雑な思いがあります。さきの大戦を経験された方とそうでない方というのもあると思うのですけれども、日本でもこれから戦後生まれの総理というようなものも近々誕生するのではないかという流れになってきたときに、戦争とかそういうものの実体験がないということがこれからどういう影響をするのかということをまず考えておきたいと思います。
 今、NATOの攻撃がユーゴの方でされているわけですけれども、クリントン大統領も恐らく戦後生まれだと思いますし、恐らくあの方はベトナムにも行っていらっしゃらないと思います。そういう実体験のない方が、今、陸戦といいますか、そういうものを御判断されようとしている。その心中のいろいろな複雑さというものも、私は、私たちの世代というのは一般国民の中では割合もういい年なのですけれども、そういった国民の方々あるいは有権者の方々が大分今日本の中にもふえているということも認識しつつ、この審議も進めなければいけないと思っているわけでございます。
 西元参考人にはいろいろと御意見をいただきまして、ありがとうございます。おおむね私も同感でございます。
 この問題について今一番私が申し上げたいこと、そして認識しなければいけないと思っていることは、今度のこの法案あるいは新ガイドラインというものが、いろいろな、有事も含めまして、そういったものに対する抑止ということについて働くという、そういう確信というものを持つように国民の皆様方にも十分な説明がなされなければならないし、政治家としてもそういうものを体して審議をしていかなければならないと思っているわけでございます。
 先ほど、基本的考え方の中に危機の抑止ということを述べられたわけですけれども、もう少し具体的に、どういうことで危機の抑止になるかということをお話しいただければありがたいのです。よろしくお願いいたします。
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西
西元徹也#12
○西元参考人 具体的な場面を想定して申し上げるのはなかなか難しい点があるわけでございますが、危機の抑止のためにはいろいろな手段があると思います。
 もちろん、第一義的には、政治外交的な話し合いによってこの問題を解決するということが第一番目だろうと思います。次いで行われます措置は、恐らく、それでもどうしても相手が納得をしないというような場合には、経済的措置がとられるのではないかと思われます。その経済的な措置は、私が申し上げるまでもないと思いますけれども、国内における資産の凍結だとか、あるいは最終的には禁輸といったようなところまで発展をするものだと思います。
 そして、そのような措置を講じても、なおかつまだ危機の鎮静化ができないということになりますと、当然、これは国連の承認を得て行われるかそうでないかはそのときの情勢によると思われますけれども、アメリカを中心とする各国の共同した軍隊の展開というようなことによって危機を抑止する、そのようなさまざまな抑止の体制があるのではないかと思います。
 それでは、この周辺事態関連法案がそのこととどういう関係があるのかということにつきましては、すなわち、我が国が、先ほど岡崎先生おっしゃいました、我が国の安全と繁栄を維持するためにこの地域の平和と安定の維持は絶対の要件だということになりますと、そのために努力をするという体制を、この法案によってしっかりその意思を示すこと、そのようなことが、国際的な相互の協力に我が国も協力するということを通じてそのような力が働くのではないか、このように考えております。
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大石秀政#13
○大石委員 どうもありがとうございます。
 そこで、もう少し、今の具体的なというお話もございましたが、どうしても国会の審議ですとそういうふうになってしまうのですけれども、心理的に他国に脅威というものは与えないと思いますけれども、簡単な言葉で言うと、攻めにくいというか、そういった状況をつくることが、ある程度、心理的な危機といいますか、有事の予防になるかとも思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
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西
西元徹也#14
○西元参考人 確かに、抑止という問題は相互の心理作用でございます。したがって、ある措置をとって事態が鎮静化した、仮にこういうことになった場合におきましても、それを証明するということは非常に困難を伴います。
 例えば、かつて、ボスニア・ヘルツェゴビナの紛争の場合に、ボスニアにありますセルビア勢力の拠点を一つ一つつぶしていきながら、最終的にはセルビア側を納得させ、選挙に持ち込み、平和維持軍が展開して今日の情勢をつくり上げたといったようなこと。これは、果たして一つ一つつぶされた結果そうなったのかということを証明することは非常に難しいと思われます。
 また、一九九三年から九四年にかけての朝鮮半島をめぐる危機の場合においても、やはり米軍はそれなりの軍事抑止策をとったと思われます。例えば、韓国に対してペトリオットを配備するとか、攻撃ヘリコプター・アパッチを配備するとか、これはもちろん装備の入れかえということで措置したと理解しておりますが、その他、空母機動部隊の展開といったようなこと、最終的にはカーター元大統領の訪朝によってこの問題は解決いたしましたけれども。
 そのような背後にある心理的な影響力、これがどの程度きいたのかということは非常に証明が難しいことでありまして、ましてや当事国は、そのために自分はある意図を断念したというようなことは絶対に言わないわけでございまして、この辺が、武力によって排除されたということと抑止策によって鎮静化したということとの非常に大きな差になるのではないか、このように思います。
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大石秀政#15
○大石委員 どうもありがとうございました。
 ちょっと、先ほど西元参考人が言われた中で、周辺事態がほかのところに波及するといいますか、そういう話もございました。
 私、この法案の関係でちょっと思っていたんですけれども、具体的な名前はあれだということなので、例えば、A国がB国に武力侵攻をしたといたします、日本周辺というところで。極東にいる米軍なりが展開をした場合、すぐにその事態が済めばあれなんですけれども、長期化をするとか、あるいは戦闘をしなくても対峙する、そういう可能性もあるわけです。
 そうしますと、一時的に、展開する前というのは、兵力がどこに行くかわからないので、かなり広い範囲で威嚇といいますか、心理的威嚇というものを含めてあれなんですけれども、一カ所にそういうことが起こったということで展開をいたした場合、後から多少兵力といいますかそういうものを、補給というとおかしいですけれども、そうしないと、別のところで、ある面、武力といいますかいろいろな事態が発生するという可能性。兵力の均衡というとおかしいですけれども、そういうことのバランスの中で、ちょうど地震が起こるときみたいに、プレートが、地下でせめぎ合って保たれているのが、一つのところが動いたことによって一つのところが別に発生するということももしかしたら考えられるのではないかと思うんですが、そのあたりはいかがでしょうか。
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西
西元徹也#16
○西元参考人 確かに、先生のおっしゃるとおりに、軍事バランスの均衡という観点からいけば、そのような事態が全くないということは言えないと思います。
 しかしながら、少なくともそのような措置をとる場合においては、アメリカの場合は全世界的な態勢ということをよく考慮した上で必要な措置をとるもの、このように考えております。したがって、あるところへ対応したからといって直ちに他の場所が火を噴くというようなことには私はなり得ないのではないか、このように考えます。
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大石秀政#17
○大石委員 今のことをもう少し詰めたいと思うんですけれども、二カ所のそういった事態に本当に対応できるのかというのはかなり重要な問題かと思います。片方で半島の方で何か緊張状態が起こって、片方で海峡の方でいろいろ即応しなければならないことが起こった場合、本当にそういう大きな二つのものに対して同時に対応できるようなものが米軍も含めてあるのかというのは非常に重要だと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
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西
西元徹也#18
○西元参考人 アメリカの国防報告の見直し、これによります基本的な考え方は、アメリカは二つの主要な地域紛争に同時に対応し得る能力を保持するということを目標にその戦力整備あるいは戦略行動をとっている、このように理解をしております。
 私は、現状において、全く完全同時に二つの紛争を戦って、同時にこれを完全に収拾するといったような能力までいっているかどうかということは確信を持っているわけではございませんけれども、少なくともその二つのメジャー・リージョナル・ウオーというものに対応する能力を目指して戦力を整備していることだけは事実だと思います。
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大石秀政#19
○大石委員 実際には、今ユーゴの方で展開をしているものの、直接的ではないですけれども影響というものが、玉突き状態というとあれですけれども、艦船等も含めて出たりなんかしておりまして、なかなか完全というわけにはいかないと思うんですけれども、片一方だけをちゃんと収拾したからといって、もう片方をほったらかしか手が回らないというような事態になりますと、これは極めて、より重要な事態になりますので、そういう点も含めて、私は、そういうこともあり得るんだということを十分兵力の上でも理解した上でこういうことは進めなければいけないと思っているわけでございます。
 次に、災対法をというお話が先ほど御提案の方で西元参考人の方からございました。
 私は静岡県ですので、東海大地震の予測なども含めて、随分子供のころからいろいろな訓練等も学校の方でしてきたわけですけれども、そういったところは、今回この法案の一つの論点になっております国と自治体との関係といいますか、そういうものにもかなり関係が深いと思います。
 わかりやすくというと失礼かもしれませんが、まことに不幸なことですけれども、阪神大震災というものが起こりました。あれも私は有事の一つだと思いますけれども、そういったときに、国がどうの地方自治がどうのと言っている場合ではないというのはあれかもしれませんけれども、そういったときには、自然な気持ちといいますか、自然な状態的に国と地方が協力をするのは、当然という言葉が当たるかどうかわかりませんけれども、非常に自然であるというふうに私も考えているわけでございます。今回の法案における国と自治体というものの関係については、いろいろと取りざたされているところもあるんですけれども、私は、意外にそういう説明が国民の皆様に理解を得られやすいし、ある面わかりやすいかなという感じもするんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
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西
西元徹也#20
○西元参考人 私も先生と基本的に同じ考え方でございます。
 かつて阪神・淡路大震災のときに、神戸は、御承知のように海岸線に対して奥行きが非常に狭く、東西に非常に長い地域でございます。しかも道路はそれぞれ非常に限られて、その道路が破壊されているというような状況でございました。ここに災害救助活動の根拠地として一番大きな役割を果たしたのが自衛艦、船でございます。
 御承知のように、海からアクセスして、それぞれ東西の非常に長い間に展開をして、これが地上で活躍する陸上自衛隊の非常に大きな後方支援と申しますか、あるいは安心感のよりどころになりました。結局、その自衛艦をそこに停泊させていただくということは、その地域の非常時だったということが非常に大きな役割を果たしていたと思うのですね。したがって、我が国の平和と安全と繁栄にとって本当に重要な事態であるとすれば、各地方自治体は任意によって御協力をいただけるものと私は確信をいたしております。そのために、ぜひとも政治が、そのような意味があるんだということを国民の皆様に訴え、地方自治体の協力を求めていただきたい、このように考えております。
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大石秀政#21
○大石委員 どうもありがとうございます。私も同感でございます。どうしても選挙期間中というのはいろいろと複雑な問題もございますので、議論を高める上では大変いいと思いますけれども、国と地方公共団体の今回の法案の中での関係というのはそんなものかな、それが自然なのかなというふうに私は思っているわけでございます。
 次に、国会承認の問題につきまして、同じく西元参考人と岡崎参考人にお聞きをしたいと思っております。
 いろいろとこの問題も国会の中では複雑な様相を呈しておりますが、実際問題として、西元参考人のお話の中には国会承認という言葉は出てこなかったんですけれども、いろいろ国会の中でも議論の中で出ているんですけれども、どのような思いをお持ちなのか、少しお聞かせいただきたいんですけれども。
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西
西元徹也#22
○西元参考人 私は、本日は、法案の個々の具体的な内容に言及することは避けさせていただきましたけれども、間接的にそのようなことについては申し上げたつもりでございます。
 その第一点は、危機事態というのは、本当にある日情勢が急激に変化したり、またある時期はずっとその情勢がとまっていて、またそれが突如変わってくるということの結局は繰り返しでありまして、タイムリーな措置をとるということがどうしても必要になると私は考えております。また、自衛隊、警察、海上保安庁といったような実行機関の立場に立ちますと、その人たちは基本計画に従って恐らくその行動計画を立て、所要の見積もりをして行動に移っていく。そうでなければ絶対に正しい、適時にして適切な行動というのはとれないのではないかと私は思います。
 そうしますと、そのような観点からも適時性ということは非常に重要になるものと思われます。とりわけそのことが影響いたしますのは、私は基本計画だと思います。基本計画ということは、少なくとも、私が実行機関の立場に立ちますと、国会の報告事項にとどめておいていただくか、万々が一の場合も事後承認ということにとどめていただきたいなと思います。
 もちろん、国会承認ということが全く意味がないわけではないと思います。というのは、行動する部隊、隊員の行動の士気に及ぼす影響、それはもう十分に国会承認を得られた場合の方があり得るわけでございまして、したがって、何を国会承認とし、何を報告とするかということは、政治の賢明な御判断によってぜひとも御検討いただきたい、このように思います。
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岡崎久彦#23
○岡崎参考人 西元元議長の意見とほとんど同じでございます。私の考え方も、つけ加えることはございません。
 例えば、一つだけ例を申しますと、先般の北朝鮮の不審船のケースなんですね。あれは、閣議決定も私はちょっと不要の手続だったと思いますけれども、あの前に国会の承認ということは、これはあり得ないことなんですね。ですから、ああいう緊急事態に際しては、国会の事前承認というのは大変難しいと私は思います。
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大石秀政#24
○大石委員 ありがとうございました。
 岡崎参考人にもう少し、アメリカとの関係ということでお伺いをしたいと思います。
 私も、アメリカという国が万能であるとは考えませんが、では、ほかにパートナーとしてこれ以上の国があるかというと、そうではない。それからいっても、今の日米関係というのは非常に自然なのかなと思います。
 今の国会承認の話もありますけれども、その中でいわゆる事前協議というものがありまして、それが、日米の信頼性といいますか、そういった中でいろいろと議論があるわけですけれども、そういうことについて何か御意見があればお聞かせいただきたいんですが。
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岡崎久彦#25
○岡崎参考人 事前協議というものは、米軍が米軍の基地から直接行動する場合、あるいは装備とか編成に重大な変更がある場合、その場合は事前協議が必要だということになっております。
 ただ、その場合にすべての問題について白紙でイエスかノーか言うかというと、そうではございませんで、事前のいろいろな経緯がございまして、安保条約ができたときの経緯から申しまして、朝鮮半島有事、これはもうほとんど自動的と申しますとやはり語弊がございますけれども、極めて迅速に対処しないとこれは危ない、そういうところでございます。
 それで、沖縄のときは、これは当時はアメリカの占領地でございますから事前協議も何も要らない、自由に出撃できたのでございますけれども、それを返さなければいけないということなりまして、沖縄返還のときに佐藤・ニクソン合意というのがございます。それは、韓国の安全は日本の安全にとって緊要である、それから、台湾の安全は日本の安全にとって重大な要素であるということを言っております。ということは、その二つの地域について事前協議を受けたときは、そうした日本の約束を十分に考えて行動する、前向きに行動する、そういうことでございます。
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大石秀政#26
○大石委員 どうもありがとうございました。
 時間を整えるという意味で以上で終わりたいと思いますが、私が一九六〇年代初頭の安保の国内のいろいろな騒乱と言うとあれですけれども、結構大学のキャンパスなんかも近々の韓国の大学のような感じになっておりまして、今ちょうど年度初めなんで、入学式、今の大学は穏やかにやっておりまして、何もあのように騒げということは言うつもりもございませんし、言う権利もございません。
 しかしながら、これからの若い人たちにも、一番むしろ関係する話でございますので、冷静かつ幅広いこの法案に関する関心を多く持っていただいて、より多くの皆様方の御理解を得た上でこの法案が成立することが国にとって一番よいことであると私は思いますので、そういった意味でも、できるだけ幅広い方々の御協力を得てこの法案が成立することを心から祈念をいたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
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山崎拓#27
○山崎委員長 これにて大石君の質疑は終了いたしました。
 次に、桑原豊君。
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桑原豊#28
○桑原委員 民主党の桑原でございます。
 参考人の四人の皆さん方には、それぞれの立場から大変貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。
 本来、安保、防衛、そういった国の基本にかかわる大きな重要な問題でございますから、国の議論がしっかりと一致をして、一つの方向でやっていくというのが最も望ましいわけですけれども、日本の場合には、最後の目指すところの平和というものは皆同じなわけですけれども、この間のたどってきた歴史でございますとか世界情勢の中で、やはり国内の議論がいろいろ分かれている、そのことを率直に反映もされたそれぞれの御意見でもあったかな、こういうふうに受けとめさせていただきました。
 日本の場合には、敗戦というものがあって、その後憲法が誕生した。再び戦争の惨禍に見舞われないように、そういったことを反省をしてああいった憲法が誕生した。しかし、一方ではいろいろな事態もあり得るというようなことの中で、その事態に対応するためにというようなことで日米安保というものも誕生した。その二つを基本に置きながら戦後の日本の平和と安全というものが追求されてきたわけですけれども、残念ながら、国民の中の思いとして、この二つの歯車といいますか軸といいますか、そういったものが必ずしも世界のいろいろな動きの中でかみ合ってこないというところがいまだに尾を引いておるのかな、私はこういうふうに思います。そして、冷戦というものが終わって、新しい事態に対応しようとしているわけですけれども、そのことの中で、なおかつこの問題が十分整理をし切れないままに今日に至っているような気もいたしております。
 このガイドラインの問題というものをきっかけにして、そうしたことがきちっと整理をされて、日本の新しい平和と安全の道筋というものが敷かれていくために、私は、相当しっかりした、突っ込んだ国民的な議論というものがこの機会に必要なのではないかな、こういうふうに思う立場でございます。
 そこで、最初に笹森参考人にお伺いをしたいと思います。
 このガイドラインの議論が、残念ながら、国民的な理解と支持のもとで、大変重要な問題であるにもかかわらず十分行われていないのではないか。そういうふうなことの中で、国民の中には、第九条という形で、自治体への協力であるとかあるいは国民に協力依頼するとかという形でひょいと出てきたときに、それが一体どういうものを意味していくのかというようなさまざまな議論や憶測、具体的な例も例示をされていますけれども、周辺事態のそういった想定などとも絡んで、一体どこまでどうなのかというような、非常な不安と危惧があるということも事実かというふうに思います。特に、参考人が御指摘になられたように、かつての湾岸戦争のときなどに、いわゆる大変な仕事内容を通じて危険な目に遭ったとか被弾をしたとか、聞くところによると死者も出たというようなことでもございます。
 そういう意味では、この周辺事態になったときに、国民の基本的な人権であるとかそういったものがどういう状況になるのかということに非常に大きな関心を寄せているのが現実であろうというふうに思います。
 私は、さきの総括質疑の際にこの問題に少し絞って、例えば民間への協力ということで、企業や団体がそれを応諾して協力に応ずるというようなことになったときに、そこに働く労働者も、企業が応じたわけですからそれに従わざるを得ないというのが、法律関係の中ではそうなっていくわけですけれども、やはり生命の危険、そういったものを考えて、どうしてもそのことを納得できないというふうにその労働者が一つの拒否をするというようなことになったときに、恐らく、それぞれの法律関係で処理をされますから、大変な処断も受けるだろうし、不利益もこうむるということになろうかとも思うわけですけれども、そうなると、具体的に国民に対する協力というのはかなり強制的なものを含んでくるのではないか。そんなときに、一体、国民のそういう思いを、そういう拒否の行動を支持していくようなことはどうなのかというふうな質問をしたわけですけれども、これは当然のことながら、その法律関係にそれぞれ従って行われることです、こういうようなことで、もしどうしてもということであれば、自分の存在をかけてやっていく、それぞれ自分自身で頑張るしかないのだ、こういうようなお話でございました。
 私は、そのことについて連合というお立場で、労働組合に課せられるまたいろいろな使命も出てくると思うのですけれども、そういうことなども含めて、どのようにお考えかということをまずお聞きをしたいと思います。
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笹森清#29
○笹森参考人 桑原先生のお尋ねにお答えをしたいと思います。
 私は六〇年安保世代でありまして、生まれは戦中派になるのですが、実体験は全くありません。ただ、今回のガイドライン問題が出ましたときに、連合の中央執行委員会の中で、先ほど意見陳述をさせていただいた内容についての取りまとめを行いました。六〇年代、七〇年代の安保問題をめぐる大変な労働組合側のいろいろな経過から思いますと、隔世の感があるなというのが実感として持ったわけですが、それでも、先ほど申し上げたような状況についてもっと明確にしろ、こういうことが意見としてはたくさん出されておったわけです。
 その中で、先ほども意見の中でも申し上げましたけれども、今桑原先生の方から御指摘のありました民間協力と自治体協力の問題、これについては当該の組合の方からも強硬な意見が出されたことは事実です。先生が委員会の中で御質問されている内容についても、私どもも見させていただきました。聞いている内容については全く同感の気持ちで伺っておったのです。
 特に最後の部分の、労働組合がどう対応するのかというところについては、これは、今行われようとしている米軍と民間の契約が成立をする、その場合に民間協力を提供しようじゃないか、こういう内容になっていると思うのです。
 その場合に、では、そういう取り決めになっているにもかかわらず、なぜ政府が今回の中で民間協力とか自治体協力について触れなければいけないのかということが非常におかしいなというのがまずありますね。それからもう一つは、結果的に政府が関知しないという扱いになった場合に、そういう条文があるならばこのガイドラインの中からはそのことを抜いてもいいじゃないかというのが我々が削除を求めた基本的な考え方になっているわけです。
 そのことをやった場合でもどうしても協力をせざるを得ないというような米軍と提供する側の企業なり自治体との関係が出た場合に、自治体も我々の組合員がおりますし、民間企業もほとんどが連合の組合員というのが、今まで協力を提供した企業の実態、組織の実態からいうとそういうことになっておりますので、ここの部分については最終的には労働者の拒否権明示、こういったものを労働協約の中に、我々としては提案をし、そのことをかち取っていかなきゃいけないだろう。
 そうでありませんと、企業が契約をする、そのことに対して働く側がどういう対応をしていいのかというのを、一方的に押しつけられた場合に何の抵抗もなくそういうところに連れ出されていくことになってしまうわけで、したがって、全体的には、拒否権明示の労働協約を締結をするということに我々は全力を傾けたい。その上で、そのことが具体的な問題として起こった場合には、議決機関に組織上の執行としてかけて、その上で、提供するということについての安全保障がどうなるのか、我々の個人的な安全保障がどうなるのかというものについて明確にさせた上で、参加をするかしないかということの組織判断をしていくという手続をとりたいというふうに思っています。
 したがって、就業規則にかかわる部分の労働協約に関して、労働者の拒否権明示を求める事項を明確に記させたい、そのことに連合としては取り組みの力を入れたいというふうに思っています。
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