農林水産委員会

2003-05-22 参議院 全166発言

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会議録情報#0
平成十五年五月二十二日(木曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月九日
    辞任         補欠選任
     池田 幹幸君     市田 忠義君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     岩佐 恵美君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     岩佐 恵美君     市田 忠義君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     畑野 君枝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         三浦 一水君
    理 事
                国井 正幸君
                田中 直紀君
                常田 享詳君
                和田ひろ子君
                紙  智子君
    委 員
                岩永 浩美君
                加治屋義人君
                小斉平敏文君
                服部三男雄君
                松山 政司君
                郡司  彰君
                信田 邦雄君
                羽田雄一郎君
                本田 良一君
                日笠 勝之君
                渡辺 孝男君
                畑野 君枝君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   衆議院議員
       修正案提出者   稲葉 大和君
   国務大臣
       農林水産大臣   亀井 善之君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       渡辺 孝男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       農林水産大臣官
       房長       田原 文夫君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省農村
       振興局長     太田 信介君
       林野庁長官    加藤 鐵夫君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   門松  武君
       環境省自然環境
       局長       岩尾總一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○林業経営の改善等に必要な資金の融通の円滑化
 のための林業改善資金助成法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○森林法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○農林水産省設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措
 置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○食品の安全性の確保のための農林水産省関係法
 律の整備に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関
 する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき
 、地方農政事務所及び北海道農政事務所の設置
 に関し承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送
 付)
    ─────────────
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三浦一水#1
○委員長(三浦一水君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る九日、池田幹幸君が委員を辞任され、その補欠として市田忠義君が選任されました。
 また、本日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として畑野君枝君が選任されました。
    ─────────────
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三浦一水#2
○委員長(三浦一水君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 林業経営の改善等に必要な資金の融通の円滑化のための林業改善資金助成法等の一部を改正する法律案及び森林法の一部を改正する法律案、両案の審査のため、本日の委員会に農林水産大臣官房長田原文夫君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省農村振興局長太田信介君、林野庁長官加藤鐵夫君、国土交通大臣官房技術審議官門松武君及び環境省自然環境局長岩尾總一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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三浦一水#3
○委員長(三浦一水君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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三浦一水#4
○委員長(三浦一水君) 林業経営の改善等に必要な資金の融通の円滑化のための林業改善資金助成法等の一部を改正する法律案及び森林法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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田中直紀#5
○田中直紀君 自由民主党の田中直紀でございます。
 さきに趣旨説明がございました森林法の一部を改正する法律案につきまして、まずお尋ねを申し上げます。
 この中に、森林の有する公益的機能の発揮を図るため、造林、間伐、保育等による森林の整備がなされてきておるということでございますが、現況、森林の整備につきまして三点ほどお伺いをいたしたいと思います。
 森林の有する公益的な機能ということで、造林されていない造林未済地というのがございますが、さきに緊急対策ということで造林の推進を図っていこうということで農林水産省といたしましても積極的に取り組んできておると伺っておるところでありますが、実態はどこまで造林がなされておるか、特に造林未済地が計画的に解消されているかどうかという点につきまして、まずお尋ねを申し上げたいと思います。
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渡辺孝男#6
○大臣政務官(渡辺孝男君) 今御指摘の伐採跡地の適切な更新に関しましては、従来よりも、従来より、森林所有者に対して市町村森林整備計画に基づいて更新を行うよう指導をしてきたところでありますけれども、平成十一年の三月末時点で調査したところによりますと、全国に伐採後三年以上造林されていない人工林の伐採跡地であるいわゆる造林未済地が約二万二千ヘクタールあり、森林の公益的機能の発揮に支障を及ぼすことが懸念されるようになっているところであります。
 このような状況を受けまして、平成十四年度より、従来の伐採届出制度を拡充いたしまして、伐採後の造林の計画についても届出事項に追加をすることによって伐採後に適切な造林が実施されるか否かをチェックすることが可能となりました。事前に、そういう意味では事前に伐採後の造林について助言、指導ができるように指導体制の強化を図ったところであります。
 また、今回、総務省の行政評価・監視結果に基づきまして、造林未済地の現況を把握し、計画的に解消すべしと、そのような指摘を受けておりまして、現在、造林未済地の実態を再度調査しているところであります。その結果を踏まえまして、森林整備事業を活用するとともに、必要に応じ、市町村等公的主体による森林整備や治山事業等の適切な実施によりまして造林未済地の計画的な解消を図ってまいりたいと、そのように考えているところであります。
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田中直紀#7
○田中直紀君 総務省のさきの調査におきましても、目標の設定があいまいであるというような指摘もありますので、造林実績をしっかり把握をして、計画どおり解消されるように御努力をお願いしたいと思います。
 それから、間伐の推進についてでございますが、緊急の間伐五か年対策ということで重点的に実施をしてきておるということでありますが、大変期待をされておる対策でありますが、要間伐森林の間伐が面積に対応して必要なところがなかなか進展していない、こういう指摘があるわけでありますが、その実施状況と今後の対策についてお伺いをいたしたいと思います。
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加藤鐵夫#8
○政府参考人(加藤鐵夫君) 緊急間伐五か年対策の関係でございますけれども、平成十二年度から五か年間で百五十万ヘクタールの森林を緊急かつ計画的に間伐をしたいということで行っている対策でございまして、十二年度、十三年度、十四年度につきましてはそれぞれ三十万ヘクタールという立てました目標を達成してきているところでございますが、今回、総務省より森林の保全・管理に関する行政評価・監視結果に基づく勧告という中で、要間伐森林の問題が取り上げられたところでございます。
 ここでは、森林所有者の間伐実施の意向が確認できたものだけを指定している例や、私有林について十分な検討を行われず公有林のみを指定している例があったというようなことから、適切な指定手続が行われていないのではないかというようなことがございましたし、また十二年度末現在の要間伐森林面積は約七万ヘクタールでございますが、それに対する間伐実績は約八千ヘクタールということで、一割程度にとどまっているということから、緊急間伐を行おうとした場合に要間伐森林の間伐を優先するというような形で要間伐森林の解消を図っていくべきではないかというような御指摘をいただいたところでございます。
 この勧告を受けました後、直ちに都道府県を通じまして、要間伐森林の指定や実施につきまして改めて市町村への文書を発出いたしますとともに、担当者会議を行いましてその周知徹底を図ったところでございますけれども、同時に、やはりこういった問題を解消していくということにつきましては施策の充実ということも必要でございまして、森林所有者等による整備が進み難い森林について、市町村等が分収方式や施業の受託により森林整備を行う場合に高い助成水準を適用する公的森林整備推進事業というものも行っているところでございますし、また十五年度からは、市町村等が協定等によりまして公的に管理する民有林における間伐等につきましては新たに特別交付税措置が講じられたということでございまして、こういった施策をできるだけ活用して要間伐森林の解消に努めてまいりたいということで考えているところでございます。
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田中直紀#9
○田中直紀君 やはり間伐の推進ということで大変重要な政策でありますし、重点的な実施、いわゆる要間伐森林の間伐を推進していただきたいと思います。
 それから、地域の林業・木材産業の振興ということで森林の流域管理システムをスタートをしているわけでありますが、これは全国百五十八流域ということで推進をしておられるわけでありますが、この機能をもっと強力に機能させていくべきではないかと思いますし、その取組について御質問を申し上げます。
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渡辺孝男#10
○大臣政務官(渡辺孝男君) 御指摘の森林の流域管理システムは、民有林、国有林を通じて、地域の特性に応じた森林整備や木材生産活動を流域を単位として、幅広い関係者の協議あるいは合意により進めていこうとするものであります。
 具体的には、各流域の流域森林・林業活性化協議会における協議あるいは合意形成を進めまして、先進的な流域では、流域の森林整備を担う林業事業体の設立や、あるいは森林施業の共同化、あるいはまた国産材供給基地づくり、さらに上下流の市町村の連携による森林整備、また下流の漁民による森林整備などの取組を行い、一定の成果を得ているところであります。
 しかしながら、林業を取り巻く状況が大変厳しいということから意欲的な取組が行われていない、そういう流域もあり、このたびの総務省による行政評価・監視において、一部の地域森林・林業活性化センターでは、流域林業活性化実施計画の目標数値、あるいは年次事業計画が記載されていないものがある等の御指摘をいただいたところであります。
 そのため、林業・木材産業の構造改革を進める必要性について関係者への理解を求めるとともに、先進的な流域での取組を参考としてもらうように、そしてまた森林の流域管理システムが効果的に運営されるようにその活性化に努めてまいりたい、そのように考えております。
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田中直紀#11
○田中直紀君 大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 森林・林業基本法を平成十三年に成立を図りまして、多面的な機能を始め森林・林業一体として活性化を図っていくと、こういうことに一歩踏み出したわけでありますが、それに基づきまして、森林・林業基本計画あるいは全国森林計画と、非常に計画は、非常に私はきめ細かくて制度も方針も立派なものができ上がってきているわけでありますが、所期の目的といいますか、なかなか造林におきましても間伐、そしてまた今の森林の流域管理システムにおきましてもまだまだ物足りないという現状は否めないというふうに思います。
 それがやはり、そういう制度がなかなか定着しないのか、あるいは今、林業経営が非常に、もっともっと活性化しなきゃいけないという状況もありますし、一方では、森林組合が体制整備を図っていかなきゃいけない、いや予算が足りないんだ、いや労働力不足なんだと、いろいろな要素があるわけでありますが、しかし、多くの方々からいえば、森林の整備というものが大変重要であるということの認識が非常に深まっているわけでありますので、是非、いろいろな項目があろうかと思いますが、是非機動力を発揮して整備を図ってもらいたい、図っていく御努力をいただきたいと、こう思うわけでありますが、大臣の御決意を伺いたいと思います。
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亀井善之#12
○国務大臣(亀井善之君) 近年、木材価格の低迷、あるいは林業労働力の減少と高齢化など、森林・林業を取り巻く情勢は本当に極めて厳しい状況下にあります。
 地球温暖化の防止、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全など、森林の有する公益的機能の持続的発揮に対する国民の要請、これは大変高いわけでありまして、適時適切な森林整備を推進することが重要であると、このように認識をしております。
 先ほど来、お話しいただきますとおり、今回の総務省の勧告も受けたわけであります。これらにつきましては、いろいろ努力もしておるところでございますが、この勧告につきましても、私ども、重要な課題として取り組んでまいりたいと、より徹底して施策の推進を図ることを求められたものと認識をしておりまして、直ちに都道府県を通じて市町村等への文書を発出するなど、必要な措置を講じたところでございます。
 今後とも、このような指摘を受けることのないように、森林の整備・保全のために施策の充実強化に努め、森林の有する公益的機能の持続的な発展を図ってまいりたいと、このように考えております。
 本当に森林をめぐるいろいろの課題、大変重要な課題でありまして、先ほど来御指摘いただきますとおり、基本法を制定し、そしてなかなかその実績を得ることができないわけでありますが、なお一層、今、この法案の審議等を通じまして、その計画が、そしてまた森林をしっかり守っていく努力を重ねてまいりたいと、このように考えております。
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田中直紀#13
○田中直紀君 よろしくお願いいたしたいと思います。
 今回の法案で、森林の整備に加えて、森林の保全を併せて行っていくということになるわけでありますが、森林の整備及び保全の一体的かつ総合的な実施を図るため、森林の保全の目標その他森林の保全に関する基本的な事項を全国森林計画等の計画事項に位置付けると、こういうふうに表現されているわけでありますが、森林の保全の目標は何の事項を定めるか、あるいはどのような効果を求めるかということについてお伺いいたしたいと思います。
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加藤鐵夫#14
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今お話ございましたように、今回の法改正によりまして、現行の全国森林計画の計画事項であります森林の整備の目標というものにつきましては、森林の整備及び保全の目標ということに改めたいというふうに考えておりまして、その中で、森林を保全する治山事業、さらには森林の公益的機能を保全する保安林整備等の森林の保全に関する事項を含めて目標をきちっと位置付けていきたいというふうに考えているところでございます。
 そういった目標の内容についてはまだ検討するところがあろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、こういった全国森林計画の目標をそういう形で定めまして、それを実施する公共事業計画である森林整備事業計画におきましても、森林の保全の主要施策である治山事業に関する計画を森林整備事業と統合して、森林整備事業、治山事業を総合的にかつ効率的に推進をしていくということにしていきたいというふうに思っているわけでございまして、森林の整備と森林の保全に関する施策の一体的な推進を図っていくということにしていきたいというふうに思っているわけでございます。
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田中直紀#15
○田中直紀君 今後、森林整備保全事業の創設をしていくと、こういう法律の内容になっているわけでありますが、一方、公共事業計画につきましては、従来の投資額に替えて事業の成果目標を示していくという方針が経済財政諮問会議でも取り上げられているわけでありますが、新たに策定する事業計画の内容をどのように考えるか、大臣にお伺いいたしたいと思います。
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亀井善之#16
○国務大臣(亀井善之君) 森林整備保全事業計画におきましては、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二等を踏まえて、計画の策定の重点を従来の投資規模から、達成される成果目標に見直すとともに、事業費総額を計画内容としないこととすると、このように考えておるところであります。
 具体的な内容は今後検討していくことになりますが、森林所有者による自主的な取組を基本とする森林整備事業と公的主体による森林の整備状況及び保全を行う治山事業を効果的に推進していくために、両事業の実施による森林の多面的機能の発揮にかかわる成果を目標として明らかにするよう検討してまいりたいと、このように考えております。
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田中直紀#17
○田中直紀君 これからの計画を、いわゆる効果のある、そしてまた目標が達成されるような計画を是非確立をしていただきたいというふうに思います。
 平成十三年に日本学術会議におきまして多面的な機能についての評価が出ておりまして、その中で水資源の貯蔵、貯留といいますかの効果あるいは水質浄化、こういう、金額で評価をすればということであろうかと思いますが、両方足せば二十兆円、年間の、以上の機能が発揮されておると、こういう科学的な検討がされてきておるわけでありますし、全国の市町村も、森林を抱えておる市町村はやはり予算があればしっかりと整備をしていこうと、こういうことが言われておるわけでありますし、私も森林交付税の検討等各市町村の、五百九の市町村の皆さん方と検討してきた経過があるわけでありますが、是非、水源の涵養、国土の保全等の公益的機能の発揮を目的として、全国の森林保有の市町村が財源措置として水道水、工業用水、発電、電力に課税をしようという提案を今検討中であるわけでありますが、是非農林水産省の方も頭に入れておいていただいて、御検討をいただくと有り難いと思いますが、御見解をお尋ねいたします。
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渡辺孝男#18
○大臣政務官(渡辺孝男君) 今、委員の方から御指摘がございました森林整備のための財源確保の取組については、現在、多数の自治体におきまして水源涵養税等の法定外目的税等の検討が行われているところでありまして、例えば高知県におきましては県民税に上乗せをする森林環境税が条例化されまして、十五年度からスタートをしているところであります。
 このような森林の水源涵養あるいは国土保全等の多面的機能の発揮のため、森林整備・保全のための支援や負担の在り方については各方面で様々な議論、検討が行われていることについては、広範な国民意識の醸成につながる大切な意味を有しているものと考えております。また、国レベルにおきましても、温暖化対策税について環境省の中央環境審議会におきまして具体案の検討が進められておりまして、今後国民各層での議論が本格化するものと、そのように考えております。
 地球温暖化の防止を始めとしまして、森林の有する多面的機能の持続的発揮を図る森林整備・保全のためには、一般財源はもとより、税財源も含めた安定的な財源の確保が必要と考えておりまして、農林水産省としましても、温暖化対策税の検討に併せ、税収の使途が吸収源対策としての森林整備に活用されるよう積極的に対応していく考えでございます。
 御質問の市町村の課税案については、まだ具体的な提案を受けておりませんが、以上のような状況を踏まえまして適切に対応していきたいと、このように考えております。
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田中直紀#19
○田中直紀君 是非また検討をしていただきたいと思いますが、多面的な機能の中で、やはり水資源の貯留というんでしょうかの機能、そしてまた地球温暖化防止の吸収源としての機能というのは両方あるわけでありますので、どちらかというと地球温暖化防止に大変検討が始まっておるようでありますが、是非、地域、まず地域としてはいわゆる災害の防止もしていくわけでありますけれども、水資源というものに対して非常に森林は貢献をしてきておるということで、大変地域としては力を入れていこうという意欲があるわけでありますから、是非その辺は機能の中でひとつ大きな柱として取り上げて進めていただきたいというふうに思います。
 地球温暖化防止のことにつきましては、私も林業白書を時たま見させていただきますと、平成九年度に、大変これは科学的知見が、どこかちょっと専門的なところもありますが、お手元にちょっと配付させていただいておりますが、農林水産省としても、平成七年の我が国の二酸化炭素の排出量は三億三千万トンである、国民一人当たり二・六五トンとなると、こういうことで、杉の例を比較すると六百九十七本の杉が国民一人の吸収量と等しくなるんだと、こういう具体的な数字でありますが、そのほか、人間の呼吸による二酸化炭素が、排出が炭素換算で八十七キログラム、杉二十三本分だと。
 二十三本で生活ができるかなというふうに一方では簡単に思うわけでありますが、しかし今の都市部でいいますと、最近ビルラッシュがありまして、簡単にもう十数本の樹木を切って、それでそこがビル建ってしまうと。こういう、我々地元に帰りますと、目に青葉山ホトトギス初ガツオじゃないですが、非常に山村の中で空気のいい環境を体験するわけでありますが、そういうことを考えますと、都市部で簡単に木を工事のために切ってしまうというのも嘆かわしいといいますか、農水省も少しそういう面で頑張ってもらいたい、こういうふうに思うわけでありますし、その下に、都市部が大変な車、自動車のラッシュでありますが、ここに表現してありますのは、森林の年間の吸収量は年間二千七百万トンである。これは我が国の自動車の排出される炭素をおおむね吸収するということでありますから、車社会で今我々が車を走らせることができるのは我が国の森林があるがためにできる。
 しかし、それ以上に、我々は生活をしているわけでありますから、そういう面で自動車税から森林整備に回せと、こういう気持ちにもなるわけでありますが、その辺、やはり森林の整備・保全というのは大切だということをこの林業白書は述べているわけでありますから、大いに農林水産省が率先して、森林の整備というものが我が国にとって大事であるということを我々も言っていきたいと、こういうふうに思っているわけでありますが、そのもう一つまとめていただきました資料の中で、では森林整備が幾らぐらい掛かるのかということであります。
 十年間の対策の考え方は、まず第一ステップということであるようでありますが、それで十年間で吸収量が三・九%を確保しなければいけないのでありますが、現在確保できておりますのが二・九%ということであるということを計算していただきました。したがいまして、三・九、十年間で維持をするためには、早く私はこれぐらいの予算が必要なんだと、りそなにどんどん取られるんじゃなくて、森林整備も一兆円掛かるのか、二兆円掛かるのかと、こういうことをしっかりと前提を出して、そしてそれが成果目標といいますか、十年間で整備することによって我が国の地球温暖化の防止がなされるんだというようなことを強く打ち出して、そして将来に対しての国民的なコンセンサスを得るという努力が必要ではないかというふうに思ってこの資料を出させていただいたわけでありますが、今後の地球温暖化防止森林吸収源十カ年対策の中で農林水産省の目指す方向というものを大臣に伺いたいと思います。
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亀井善之#20
○国務大臣(亀井善之君) 森林は、成長の過程で光合成により温室効果ガスである大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素として貯蔵することから、地球温暖化防止においては大変重要な役割を果たすわけであります。
 京都議定書におきまして、我が国は、地球温暖化防止のための国際的な公約である二酸化炭素削減目標の六・〇%のうち、森林による二酸化炭素吸収目標として三・九%の算入が認められておるわけであります。これは諸外国と比べて国内の森林面積に対して大きな森林吸収量が認められたものであり、我が国において森林吸収源対策は重要な位置付けとなっております。
 しかしながら、昨年三月十九日に地球温暖化対策推進本部において決定された地球温暖化対策推進大綱に示されているとおり、現状程度の水準で森林整備等が推移した場合には確保できる吸収量は三・九%を大幅に下回るおそれがあり、我が国に必要な吸収量を確保するために、健全な森林の整備、木材利用の推進等を強力に推進する必要があるわけであります。
 このため、地球温暖化対策推進大綱に基づき、昨年十二月に地球温暖化防止森林吸収源十カ年対策を作成したところでありまして、今後、健全な森林の整備、保安林等の適切な管理・保全、国民参加の森林づくり、木材及び木質バイオマス利用の推進、報告・検証体制の整備の五つを柱とする取組を関係府省と連携を図りつつ総合的に推進していく考えであります。
 今後とも、地球温暖化防止を始め国土の保全、水源の涵養などの多面的な機能が持続的に発揮される多様で健全な森林の育成に向けまして、必要な財源の確保に努めるとともに、コスト縮減を図り、森林吸収源対策の着実な推進を図ってまいりたいと、このように考えております。
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田中直紀#21
○田中直紀君 森林整備保全事業の創設ということでスタートするわけでありますので、大臣が今御答弁されましたように、地球温暖化防止対策をしっかりやっていただきたいと思いますし、また森林の多面的な機能の中の水資源の問題につきましても大いに取り上げて促進をしていただきたいと思います。
 次に、林業の経営の改善等に必要な資金の融通の円滑化のための林業改善資金助成法等の一部を改正する法律案につきまして伺いたいと思います。
 今回の法案におきましては、林業及び木材産業に関する資金制度についてでありますが、木材産業まで対象を拡大をすると、そしてまた特定の生産方式導入等のための資金、あるいは新たな事業の開始、生産・販売方式の導入等の実施ということがうたわれておるわけでありますが、まず、林業・木材産業改善資金の貸付けを受けようとする者は貸付資格の認定が必要であるということになっております。まず、認定基準につきましてお伺いをいたしたいと思います。
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加藤鐵夫#22
○政府参考人(加藤鐵夫君) 林業・木材産業改善資金の貸付資格につきましては、この資金が国、都道府県の財政資金により無利子で貸し付けるものであることを踏まえまして、その申請者が林業・木材産業改善措置を実施することによりその経営を改善するなどの見込みがあるという場合に限り都道府県知事は認定することができるということにしているところでございます。
 具体的には、林業・木材産業改善措置に関する計画の記載内容を基に、当該改善措置の実施が売上高の増大、生産コストの低減、品質の向上などの経営改善や労働災害の低減、林業労働に従事する者の確保に資するものであるかという観点、それから当該改善措置が林業・木材産業改善資金による政策支援の対象として適切なものであるか、またその目標が確実に達成されるのか、あるいは当該改善措置を実施するための所要の資金が確保できるのかというようなことにつきまして、都道府県知事が総合的に判断するということで考えているところでございます。
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田中直紀#23
○田中直紀君 先ほども申し上げましたけれども、大変、制度においてもあるいは方向においても非常にいいものであるというふうに思いますが、具体的にどういう内容のものが、例えばバイオマスの導入についても大いに取り上げていくよと、あるいは木材センター、加工センターもどういう分野が林業と一体になって計画を立てていけば認定をしていくんだという、いわゆる地域と森林と林業とが一体になって進めていくわけでありますから、市町村のみならず各そういう森林の所有者にも浸透が図られるようなそういう政策を打ち出していただきたいというふうに思っております。
 次に、平成十四年度補正予算で緑の雇用担い手育成対策事業というものを取り上げまして、いわゆる雇用創出を地域においても、森林整備においても、その担い手を育成をして、そして雇用を増やしていこうということで努力をしてきたと伺っております。一年間の実践研修をし、また技能あるいは技術を習得をしてもらいまして、具体的に森林の整備に雇用創出をしていただいているわけでありますが、その取組の現状と今後の予定についてお伺いをいたしたいと思います。
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亀井善之#24
○国務大臣(亀井善之君) 山村の過疎化また高齢化が進む中で今後の森林整備を着実に推進していくためには、優秀な森林整備の担い手の確保育成が重要なことであります。
 林野庁といたしましては、厚生労働省の緊急地域雇用創出特別交付金事業において、森林作業に従事した者を対象に林業事業体への本格雇用や地域への定着を促進するため、平成十四年度補正予算により、四十四都道府県において二千四百人規模で森林整備の担い手として必要な専門的技能、技術の習得等を図る緑の雇用担い手育成対策事業に取り組んでいるところであります。
 本事業による実際の研修は去る四月から始まったばかりでありますが、研修生が基幹的な林業就業者として地域に定着し、そして所期の目的が達成されるように、本事業の関係者を助言また指導してまいりたいと、このように考えております。
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田中直紀#25
○田中直紀君 現状におきましては、地方の活性化、そしてまた中小企業等の活性化がやはり我が国の経済を支えていくという大きな柱になるわけでありますので、その一つとして雇用創出として森林の整備を図っていこうと、こういうことでありますので、重点事項として更なる努力をお願いをいたしたいと思います。
 木造の、木材の国内材の、国産材の消費の拡大ということで、これは古くして新しい問題でありますが、それぞれ努力をしてきているわけでありますけれども、なかなか国産材の消費というものが伸びてこないというのも、歯がゆいような状況が見受けられるわけでありますが。
 新潟県の例でちょっと調べてもらいましたら、新潟県における木造住宅建設に対する助成措置ということでスタートをしております。十三年度は件数もあったわけでありますが、やはり制度を進めていくにおいてなかなか伸び悩みをしておるということでありまして、若干事前に調べていただきましたけれども、県に対して、これは県材、県産材を床面積一ヘクタール当たり〇・〇七平方メーター以上使用することによって低利融資の融資をしておると、こういうことでありますが。
 そのほかに、いろいろ国として制度としてバックアップしておる制度があるということでありますが、その辺の全国でやっております例と、そしてまた、うまくいっておるこの助成制度というものがございましたら教えていただきたいと思います。
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渡辺孝男#26
○大臣政務官(渡辺孝男君) 今、新潟県の例でお話をいただきましたけれども、我が国の林業の活性化と森林の適正な整備を図っていく上では、木材の利用を推進するということは大変重要であります。特に、住宅分野における利用を図ることが大変重要であります。このために、地方財政措置として講じられております地域材を利用した住宅建設の促進策に対する特別交付税措置等を活用して、各県において低利融資や利子補給あるいは補助金給付等が実施されているわけであります。
 新潟県におきましては、先ほどお話しいただきましたように、低利融資制度あるわけでありますけれども、近年、低利融資や利子補給については利用者のメリット感が低下しているということで、なかなか進んでおらないというようなお話も聞いております。そういう意味で、各都道府県に対しまして、実施状況や実績等の分析結果を提供いたしまして、より効果の期待できる方式を検討してもらえるようにお願いをしているところであります。
 今後とも、関係機関と連携しつつ、地域材を利用した木造住宅建設の促進のために努力をしてまいりたいと、そのように考えております。
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田中直紀#27
○田中直紀君 具体的には、一棟当たり補助金を、何といいますか、一軒建てるに当たって国産材を使えば、具体的には三十万とか六十万の国としては補助を出しているケースもあるように聞きますが、また実物の融資といいますか、柱材というんでしょうか、そういうものを使う場合には提供するとか、こういうことも始めておるということでありますが、その辺のまた実績が今分かれば教えていただきたいと思いますし、その制度自身がしっかり都道府県なり市町村に浸透しておるのかどうか、その辺も最後にお聞かせをいただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
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加藤鐵夫#28
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今お話ございました件は、先ほどから話が出ております地財措置によって各県で工夫をしていただきながらやっていただいているわけでございまして、そこの中で低利融資だとか利子補給だとかということではなくて、補助金として、今お話がございましたように、一戸当たり三十万円を出すとかあるいは五十万円を出すとかというようなことがされておりますし、杉柱材を一戸当たり九十本以内無償で提供するというような試みもされているところでございます。
 そういった実績でございますけれども、どちらかといいますと、先ほど政務官の方から話をさせていただきましたように、低利融資だとかの実績でいきますと予定したようなものに、満度になっていないというようなことがございますが、一方では、そういった補助金等の取扱いをしているものにつきましては大体予定した戸数が来ていると、あるいはそれ以上に要望があるというような実態が把握できているところでございます。
 そういう点で、例えば県で申し上げますと、秋田県では、秋田杉を柱材一戸当たり九十本無償で提供するということで発表いたしましたところ大変大きな反響があり、今年度は、二年目に入るわけでございますけれども、予定戸数を大幅に増やそうというような議論もされているというふうに聞いておるわけでございまして、やり方によっていろいろ効果が違っているということでございますので、我々、そういったものを分析をして各県に提供し、その中でより効果のある方法を取っていただきたいということをお願いしているところでございます。
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田中直紀#29
○田中直紀君 以上で終わります。
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