経済産業委員会

2007-06-08 衆議院 全120発言

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会議録情報#0
平成十九年六月八日(金曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 上田  勇君
   理事 金子善次郎君 理事 河井 克行君
   理事 新藤 義孝君 理事 中山 泰秀君
   理事 宮腰 光寛君 理事 後藤  斎君
   理事 近藤 洋介君 理事 赤羽 一嘉君
      小此木八郎君    岡部 英明君
      片山さつき君    川条 志嘉君
      近藤三津枝君    佐藤ゆかり君
      清水清一朗君    平  将明君
      武田 良太君    谷川 弥一君
      土井 真樹君    丹羽 秀樹君
      野田  毅君    橋本  岳君
      藤井 勇治君    牧原 秀樹君
      増原 義剛君    御法川信英君
      武藤 容治君    森  英介君
      山本 明彦君    吉川 貴盛君
      大畠 章宏君    太田 和美君
      川端 達夫君    北神 圭朗君
      小宮山洋子君    三谷 光男君
      柚木 道義君    横山 北斗君
      高木美智代君    塩川 鉄也君
    …………………………………
   経済産業大臣       甘利  明君
   経済産業副大臣      渡辺 博道君
   経済産業大臣政務官    高木美智代君
   政府参考人
   (内閣官房知的財産戦略推進事務局次長)      藤田 昌宏君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          菊池 洋一君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           布村 幸彦君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           辰野 裕一君
   政府参考人
   (文化庁長官官房審議官) 吉田 大輔君
   政府参考人
   (特許庁長官)      中嶋  誠君
   政府参考人
   (特許庁総務部長)    村田 光司君
   政府参考人
   (中小企業庁経営支援部長)            松井 哲夫君
   経済産業委員会専門員   熊谷 得志君
    —————————————
委員の異動
六月八日
 辞任         補欠選任
  小此木八郎君     御法川信英君
  鷲尾英一郎君     横山 北斗君
同日
 辞任         補欠選任
  御法川信英君     小此木八郎君
  横山 北斗君     鷲尾英一郎君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 弁理士法の一部を改正する法律案(内閣提出第七五号)(参議院送付)
     ————◇—————
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上田勇#1
○上田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、弁理士法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房知的財産戦略推進事務局次長藤田昌宏君、法務省大臣官房司法法制部長菊池洋一君、文部科学省大臣官房審議官布村幸彦君、文部科学省大臣官房審議官辰野裕一君、文化庁長官官房審議官吉田大輔君、特許庁長官中嶋誠君、特許庁総務部長村田光司君及び中小企業庁経営支援部長松井哲夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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上田勇#2
○上田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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上田勇#3
○上田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤ゆかり君。
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佐藤ゆかり#4
○佐藤(ゆ)委員 おはようございます。自由民主党の佐藤ゆかりでございます。
 本日は、弁理士法の一部を改正する法律案につきまして、二十分間お時間をちょうだいしております。質問させていただきたいと思います。
 弁理士法につきましては、平成十二年に全面改正をいたしまして、五年後の見直し条項というのがありまして、今回見直しに至っていると理解をいたしております。この十二年の全面改正以降、弁理士の数をふやすという意味では、着実にふえてまいりました。弁理士の数、平成十二年時点で四千五百人程度いたわけでありますが、平成十八年時点では七千人強までアップしているということで、数という意味では少し実績が出てきたということであります。
 今回の五年後の見直しの改正案では、やはりポイントとなりますのは、この五年間でかなり産業界での競争構造も変わってきた、あるいはグローバル競争も出てきたということで、なお一層、知的財産権の戦略的な取得や活用において、弁理士の方々の資質を向上しながら同時に数もふやすという、ある意味、二兎を追うような目的でもありますけれども、この二つを目指すということで法改正をしていると認識をいたしております。
 そこで、まず、弁理士の方々の資質の向上あるいは数の増加でございますけれども、そもそも弁理士の方々になり得る潜在的な人材が日本の中で今どういう状況かということで、大学教育を見てみますと、最近やや気になる現象がございます。特に、最近は中学でも理科教育におきまして学力低下問題などが指摘されているとおりでありますが、弁理士の方々も、やはり技術をきちっと評価して、それを表に出して売る、売り出せるような立場の方々であるわけですけれども、そういう意味では、大学での工学部の教育、卒業者がどれだけあるかということが一つのポイントになると思います。
 そこで、許可をいただきまして、きょうは、配付資料を用意させていただいております。大学及び大学院の工学部卒業者の一覧表をごらんいただきたいと思います。
 上から三つ目の欄で「(うち工学系)」というところがあります。左側の三つのコラムが大学卒業者ですが、実数で見ますと、平成七年から平成十七年に向けまして若干ふえている。十二年から比べますと工学系の卒業者は減っているわけでありますが、大学の全卒業者数に対する割合で見ますと着実に低下傾向にあるということで、平成七年には一九・五%であったものが、平成十七年には、工学系履修者の卒業者数割合が一七・八%まで減少している。
 同時に、修士課程の大学院の卒業者で工学系に着目いたしますと、同じように比率が低下をしておりまして、平成七年の四八・五%から十七年には四二・二%まで、実数は上がりつつも、割合としてはやはり低下しているということが見られるわけでございます。
 知財立国化という政策が産業政策でもうたわれているとおりでありますが、技術評価をするための人材育成策というのをどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
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甘利明#5
○甘利国務大臣 知財立国を進めていくためにマンパワーの充実をしていかなければならない。質を高めて、量をしっかり確保するということであります。
 今回、弁理士になろうとする人に対して、約三カ月間程度の期間で六十時間から七十時間程度の実務実習を導入するということを考えているわけであります。弁理士に必要な技術的能力、それから実践的な業務遂行能力を修得させるということにしているわけであります。
 ここで留意しなければならないのは、質を高めるということと、そのことが大きな参入障壁になってしまってはいけないということでありますから、マンパワーを確保していく、なおかつその質も高めていく、これが両立するようにやっていかなければならないというふうに思っております。どのくらい時間をかけて質を高めていけばいいんだ。それは、かければかけるほど質は高まるのでありましょうが、それによって弁理士自身へ参入することが難しくなる、参入障壁になってしまってはいけないということであります。
 今回新たに導入をします登録前の実務修習については、申し上げましたように、実質的な参入障壁とせずに、弁理士になろうとする者に対して過度に負担にならないものとする。ですから、質も確保しつつ量もきちんと確保できるような、この最大公約数を求めて実施をしていくということでございます。
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佐藤ゆかり#6
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。
 昨日の質問取りのときに、文科省の方に最初、技術評価の人材育成策ということをお伺いしていて、きょうは御出席いただいて……。
 そうですか。甘利大臣には二番目の質問で、今の点につきましてさらに詳しくお伺いさせていただきたいと思いますので、後ほどよろしくお願い申し上げます。
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辰野裕一#7
○辰野政府参考人 ただいま先生から御指摘ございましたように、近年の大学工学部の卒業者数は若干減少傾向にあるということは事実でございます。しかし一方で、工学部卒業後、大学院に進学してより高度な工学系の知識を身につけるという者は増加傾向にあるということでございます。
 しかしながら、このような状況を踏まえまして、各大学におきましては、工学部の魅力を高め、新しい時代のニーズに対応するために、例えば情報工学部、システム工学部等、学部の再編やカリキュラム内容の充実に積極的に取り組んでいるところでございます。
 私どもといたしましても、このような取り組みに対して、例えば現代的教育ニーズの取り組み支援プログラムというプログラムを起こしまして、特色ある取り組みに対する支援を行う。例えば、静岡大学を中心に、小中高等学校を通じたものづくり人材の育成というプログラムを出しておりますけれども、これらを採択しているということ。それから、平成十九年度からは、ものづくり技術者育成支援事業というものを新たに計上いたしまして、工学系人材の育成というものを支援しているところでございます。
 また、いわゆる知財関係に関しましては、工学部を初めといたしまして、法科大学院などの専門職大学院における知的財産に関する教育というものの充実を図っておりまして、これらにおきましては、技術開発と工業所有権、知的財産権法などの授業科目が開設される。これらの実態を調べてみますと、知財関連の授業科目が、平成十七年度には二百八十大学五百十一学部において実施されております。平成十三年度が百八十三大学二百六十二学部ということでございますので、飛躍的な拡大をしているわけでございます。
 これらの取り組みを進めることによりまして、先生御指摘のように、知財立国を支える創造性豊かな人材の育成というものに取り組んでまいりたいと考えております。
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佐藤ゆかり#8
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。
 今御指摘にありましたように、大学教育の事前の段階で、小中学校からものづくりに対する興味を啓発するような教育体系の整備についてもぜひとも御尽力をお願いしたいと思います。
 そこで、先ほど甘利大臣から御答弁いただきました実務修習について、今回法改正に入ります名義貸し禁止の規定との絡みで、もう一度御質問させていただきたいと思います。
 今回、名義貸しの禁止が明確化されるということでありますけれども、それによりまして、企業の発明のときのインタビューあるいは特許庁の審査官との面接等で、弁理士の方そのものがそこに同伴しなければならないということになると思います。その一方で、弁理士のいろいろな方々からお話を伺ってみますと、実は、弁理士試験に合格をして本当に明細書が書けるようになるまでに、実務経験が大体二、三年は必要であるというような御意見も伺うわけであります。
 そうしますと、今のこの実務修習では、いわゆる工業所有権に関します四法、特許法、実用新案法、意匠法、商標法のすべてを六、七十時間で実務修習という形で網羅するということが考えられているようでありますけれども、実際の訓練期間が二、三年程度必要であるという現場の声に照らしますと、時間が十分であるかどうかということが一つ懸念されるわけであります。
 仮に、六十時間程度の実務修習で、弁理士として合格をされて、名義貸し禁止というようなこともありまして、いきなり弁理士として同伴の責任を負わされるということになりますと、逆に現場が混乱する、そういうこともおそれとしてあるような気がいたします。
 そこで、実際に今回の法改正を、運用の段階に当たりまして、例えば、仮に少し弾力的な運用ということで、筆記試験の合格の後に一段階、弁理士補というような立場を設けまして、それからその間に明細書の実習を一年ぐらいかけてゆっくりと行って、その上で明細書試験を受けて、そこで弁理士として合格をしたならばフルの弁理士として御活躍いただくような弾力運用というのは考え得るかと思いますが、このあたり、いかがお考えでございますでしょうか。
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甘利明#9
○甘利国務大臣 現状は、弁理士が一人のところで例えば年間四百案件を処理、これは本当にその弁理士さんが全部自分でできるのかしら、恐らく事務職員がいろいろ打ち合わせに行くわけですね。それが単なる事務打ち合わせならいわゆる名義貸しとはならないと思うんですが、具体的な中身を弁理士さんにかわって行うような、中身まですり合わせしてきて、実は弁理士は中身については任せ切りでほとんどわかっていなかったというようなことでは、これは実質上資格のない者がその作業をやっているということになってしまうんだと思うんです。
 そういうところから、名義貸しというのは、本当の純粋な名義貸しと、名義貸しではないかという疑いの濃厚なところまできちんとカバーしなきゃならないということで、弁理士が、そういう内容の詰めについてはちゃんと資格を持った者がやるということにする。そのために、資格を取って登録をして一人前の弁理士として活動する前に研修をしていくということなんであります。
 実は、実務で飛び回っている経験の深い未資格者の方が新人の弁理士より詳しいかもわかりません、そういう場合があるかもしれません。だから、そういう人はどんどん弁理士資格に挑戦してもらって、資格を取ってもらえばいいと思うんですね、そんなに詳しい事務方は。
 先ほどもちょっと触れましたけれども、長時間になればなるほど確かに質は上がっていくのでありますが、これが新たな参入障壁になってしまうと、それがためになかなか新規の弁理士がふえていかない。
 そうすると、知財戦略を国の成長の源にしていくためには相当なマンパワーが必要でありますから、これから知財の創造、保護、活用のサイクルをもっと強力に回していくということになりますと各方面でのマンパワーの充実が必要でありますから、それについていけないということになりますので、質を高めつつ数もふやしていくという、本来、二律背反になりかねないことに挑戦しているわけであります。
 そこのうまい兼ね合いとしてこのぐらいの研修時間が妥当ではないかなということで考えたわけでございまして、ぜひ今回の改正が実効性が上がるように努力をしていきたいというふうに思っております。
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佐藤ゆかり#10
○佐藤(ゆ)委員 大臣がおっしゃられましたように、ぜひ実効性のあるように、よろしくお願いしたいと思います。
 時間が限られまして、次のテーマ、国際競争力向上の観点から、海外出願の件にお話を移らせていただきたいと思います。二点ございます。
 一つは、中小企業も今やグローバル競争にさらされている時代にございまして、中小企業の方々にもぜひとも発明をしていただいて、それを積極的に海外でも出願をしていただきたいと思うわけでございます。昨今、アジアなどでの模倣品の問題ですとかいろいろなものが問題視されている中で、海外出願をきちっと行っていくことも大変重要なグローバル戦略の一つではないかと思います。
 そこで、中小企業あるいは地域の活性化ということで、地域ブランドの育成というような観点で、今回、発明の海外出願でどういう支援策があるかというふうに見てみますと、例えば大学発の発明の場合には、文科省の系統の支援が出願品に対して一定の補助があると聞いております。
 一方で、中小企業の発明につきましては、平成十六年前後からですか導入された、海外出願に対する補助が枠としてあると伺っておりますけれども、ただ、こちらの方は中小企業が余り活用していないという実態もあるようでございます。このあたり、さらに活用を振興するためにどのようにしたらよろしいのかということ。
 それからもう一つ、最後にお伺いいたしたいのは、海外の出願支援業務ですけれども、今回、弁理士の標榜業務として法改正で入れる方向になっております。この流れをより確実にしていくために、弁理士の資質の向上という観点からも、条約を、論文試験に以前あったものを復活させて、そしてさらに国際工業所有権に関する法務などを科目に入れて、弁理士の方々のいわゆる海外出願に対する体制強化を図るというようなことはいかがなものか、あわせて御答弁いただければと思います。
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甘利明#11
○甘利国務大臣 まず、前段の御質問であります。
 中小企業に対しては、経済産業省では、従来から、研究開発型の中小企業に対する特許料金の軽減、審査請求料金、これを半額にしているわけであります。それから、先行技術調査に要する費用の補助をしているわけであります。
 外国出願する場合の費用に対する資金的な援助については、新規性の高い技術の事業化等にあわせて国際出願をする場合の助成制度というのがあるわけであります。
 これを一層活用してもらいたいということで、全中小企業出願人それから全弁理士に対して直接パンフレットを配布するなどによりまして、きめ細かい対応を講じていくということでございます。
 それから、後段の御質問、論文試験に条約とか海外の工業所有権制度に関する科目を入れるという話であります。
 御案内のとおり、平成十二年に弁理士法の全面改正をしたわけであります。条約に関する知識は短答式試験で考慮するということで、論文試験の対象外とする改正を行ったところであります。今回はそれをもとどおりに復活させよというお話だと思いますし、弁理士会からも同様な御要請はいただいてきたところであります。
 近年の弁理士試験を見ますと、この項目、つまり条約に関する問題の正答率が、低下していれば問題だと思いますけれども、実は他の出題分野と比較して低下しているとは言えない。つまり、短答式で対応して、そこの部分の質は下がっていないということであります。でありますから、産構審の弁理士制度小委員会でもこの点は御審議をいただいたわけでありますが、論文式試験に単独で条約を復活させる必要はないという結論に至ったわけであります。
 他方で、海外において知財権の取得、活用が重要となってきている中で、弁理士の国際的資質の一層の向上が求められているということも事実であります。このために、今回新たに導入する登録前実務修習それから定期的な研修の受講科目に、条約や海外の工業所有権制度に関する科目も取り入れるという方向で検討を進めているところであります。試験科目は、対応は従来のとおりでありますが、研修にその項目をしっかり入れるということで、その部分の質が低下しないように、資質向上にしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
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佐藤ゆかり#12
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。
 知財の世界はやはり変化が激しい世界でもございますので、ぜひともこの法改正によって、また弾力的な運用の方も御尽力をお願いしたいと思います。
 これで質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
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上田勇#13
○上田委員長 次に、赤羽一嘉君。
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赤羽一嘉#14
○赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。
 弁理士法の改正に関する法律案につきまして、二十分間でございます、端的に御質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、今のやりとりにもちょっと重なるところでございますけれども、改めて言うまでもなく、経済のグローバル化の進展に伴いまして、特許においても、自国に加え外国にも出願するケースが増加しているわけでございますが、こうした状況の中で、企業にとって複数の特許庁に対して出願し、審査を受けなければいけないという手続面また金銭面での負担、また、国によって制度や運用の差異による不利益が存在するということもよく聞くことでございます。
 こういったことを解消するために、今回の法改正が国会に提出された。まさに、今大臣の御答弁にもございましたが、質、量ともに充実させるというのは非常に相反することでもあるわけでございますけれども、こういったことに取り組んでいくという、この法改正提出が政府を挙げての積極的な取り組みそのものだというふうに思っております。
 そういった法改正とともに、私はやはり、ほかの、イギリスですとかドイツですとか、いわゆる知財の先進国と言われるような諸国ですと、国を挙げて支えていく、それは予算面に対してもしっかりと獲得する、こういったことが本当の意味での、先ほど大臣の御答弁の中にも何回も出てきました、知財戦略を前に進めるということにつながるのではないかというふうに思いますし、弁理士会の皆さんからもそういった要望、それは、個人のじゃなくて、国としての国益にかなうという意味での要請が届いているというふうに思っております。
 そのことも踏まえまして、大臣のこれからの取り組みについての御決意と御所見を賜れればと思います。
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甘利明#15
○甘利国務大臣 市場は日本だけじゃないわけですね。日本の市場は人口減少の中でいわば狭くなってくるわけでありますから、世界に向けて特許を活用していかなければならないわけであります。
 ただし、特許というのは、販売する市場ごとにちゃんと権利確保をしていかないといけない。そうすると、市場ごとに特許を申請して費用を払って権利を獲得するという作業をやっていったら膨大な手続と費用になります。でありますから、それを一つの手続で世界じゅうの市場に通用するようにするというのが我々の目指しているところであります。これが、いわゆる世界特許の実現ということになるわけであります。これに向けて、いろいろハードルがあるわけですね。
 まず、アメリカは、先発明主義ですから、これを世界の常識の先願主義にしていかなきゃならない、これは大市場でありますから。それで、基本的な素地をつくって、今度、申請するフォーマットを統一するということ。それから、審査結果をそれぞれが活用する。つまり、日本で取れた特許に関して、アメリカで申請した場合、日本の審査結果というのを活用してもらう。それによって時間と経費を軽減させていく。それから、お互いの特許はお互いが相互承認していく。その先に世界特許という最終目標があるわけであります。
 日本といたしましては、審査結果を活用して早期に審査を受けられるようにということで特許審査ハイウエーというのを標榜しておりますけれども、これを米国それから韓国との間で既に協議を開始しました。それから、英国とも七月から開始するということで合意しているところであります。
 それから、進出先の国でも同じルールで特許保護が得られるように、現在、先進国間で特許法の国際調和のための条約草案の早期合意に向けた交渉を行っているところであります。
 また、今開催をされておりますG8サミット、あるいは今週開催をされた日欧サミット等においても、首脳間でこうしたことについて認識を共有するということがなされているところでございまして、今後とも、特許審査ハイウエー等の各国間の審査協力の拡大であるとか特許法の国際調和の早期実現に向けて一層努力をしていく所存であります。
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赤羽一嘉#16
○赤羽委員 今の大臣の御答弁にもありました世界特許の実現というのは、これが大変大事な視点だというふうに思いますし、ぜひ、国際協議の中で、特許審査ハイウエーというようなものをしっかりと日本のイニシアチブでというか、甘利大臣のイニシアチブで進めていただきたいということをお願いしたいと思います。
 今ちょっと、私、それも踏まえて、質、量ともに充実させる、実務修習をやるということはもう法改正に盛り込まれているわけでありますけれども、これだけではなくて、法改正が成った、そうすると来年度以降の予算要求もある、そういったことについて、国を挙げて、これは弁理士会の皆さんたちの予算だというとらまえ方じゃなくて、国家戦略の中の位置づけとして、予算編成についても必要があるところはしっかりと充実させていくという、この点についての御見解をいただきたいと思います。
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甘利明#17
○甘利国務大臣 予算編成に当たっては、量的拡大、国家予算全体の拡大というのは財政再建上難しいわけでありますから、予算の質を高めていく、つまり、めり張りをつけるということですね。時代的な要請が終わっているものはフェードアウトしていく、これから次代を担っていくのはフェードインしてきて拡大していく、その配分の強弱というのは積極的に取り組んでいくべきものだと思います。知財戦略は重要な国家戦略の一つとして日本の発展を支えていくというものでありますから、そこにはしっかりと重点配分をしていくことが基本だというふうに思っております。
 そうした考え方に従って、予算の獲得にも努力をしていきたいというふうに思っております。
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赤羽一嘉#18
○赤羽委員 ぜひ、与党公明党としてもしっかりとサポートしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、先ほども質問が出ておりましたが、中小企業における知財活動の支援ということについて言及したいと思います。
 我が国の経済成長において、地域の活性化また中小企業のレベルアップというのは大変大きな課題でありまして、中小企業における知財の創造、保護、活用を促すことは極めて重要だというふうに考えておるわけでございます。
 私の地元の中小企業でも、大変開発能力のあるところ、よく訪問しますと、大変使い勝手が難しいというか、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、限られたところの開発なので、そこに特許申請をしたとしても、周辺の特許を大企業に押さえられて、結局、大変出願がしにくい。せっかくの技術が、なかなかこの特許制度を利用することができないというような実態もあるということが一つ。また、人材の問題もあって、特許出願についてのいろいろなサポートがなかなか受けられないといったような実情もございます。
 また、先ほどの大臣の御答弁にもありましたが、海外向けの特許出願に関して、私の認識では、大学等の研究機関がやる場合は減免措置があるということですけれども、中小企業の場合は私は余りないというふうに聞いていたんですが、たとえあったとしても、それは非常に使い勝手が悪いというか非常に制約されている。こういったものでございまして、例えば、アメリカでは、従業員五百名以下の中小企業ですとか個人ですとか研究機関の特許申請に関しましては、自分たちが宣言するだけで手続が半額になるといった政策もあるようでございます。
 私は、そういったこともちょっと踏まえて、やはり利用者が使いやすい、結局は、特許が申請され、先ほど言われました知財戦略の一翼を担っていただくということが大事だと思うんですね。ですから、使い勝手のよい制度を、もう少し現場の声を聞いていただいて、せっかくの減免措置があるんでしたら、そういったことについても少し工夫をしていただきたいというふうに思うわけでございますが、その点についての御所見を。
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甘利明#19
○甘利国務大臣 詳細は長官から答えさせますけれども、確かにアメリカの方が使い勝手がいい、中小企業というだけでほぼ利用できるようになっている。日本はいろいろ面倒くさくてなかなか寄りつきづらいという御指摘もいただいていることを承知しております。現場の声をできるだけしっかり聞いて使い勝手のいいようにしていきたいというふうに思っております。
 詳細は長官から答えさせます。
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中嶋誠#20
○中嶋政府参考人 若干補足をさせていただきます。
 まず、中小企業向けの減免措置につきましては、手続面での負担をできるだけ簡素化するということで、昨年も見直したわけでございますけれども、実際の利用の件数の実績も上がってきておりますけれども、今後も、よく御利用される方の声を聞いて、少しでも使い勝手のいいようにさらに工夫をしていきたいと思います。それから、もちろん中小企業に対しては、そういった減免措置だけではなくて、早期審査制度とかあるいは先行技術のサーチについて国の予算で費用を補助するとかいうこともございます。
 それから、特に中小企業の方の場合ですと、特許を出願するのか、あるいは、場合によったらノウハウで保護しておいた方がいいんではないかといったような、そもそも、知財戦略といいますか、それについて相談相手が欲しいということもございます。そういった点は、中小企業の知財戦略づくりも含めて、全国で年間四千回以上の無料相談会も行っておりまして、できるだけきめ細かな御相談ができるようにというふうに思っております。
 それから、委員も御案内のとおり、昨年から、全国二千五百カ所で、いわゆる知財の駆け込み寺というところも設けまして、まずそこに行って、そこからさらに知財の専門家を御紹介させていただいて支援をさせていただくとか、あるいは、経済産業局単位でも地域の知財戦略本部も設けましてそういった活動も充実するとか、全国津々浦々の中小企業の方にも知財制度を有効に御利用いただけるように一層心がけていきたいと思っております。
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赤羽一嘉#21
○赤羽委員 あと、本当は、時間があれば、特許審査の迅速化ということについても少し言及をしたかったわけでございます。
 これは、二〇〇一年の十月以降、改正がされまして、出願後審査請求を行うまでの期間、七年から三年間に短縮をされた。そのことによりまして、二〇〇四年以降、審査請求件数も大変増大をして、現在、審査順番待ち時間、相変わらず二十八カ月台だということを聞いております。まさに、このところ、大変な御努力もしていただいているという認識でありますけれども、いいことだと思いますが、イノベーションが絶え間なく生まれていることによってこういった現状がある。
 しかし、ここを何とか、やはり大きなハードルを乗り越えていただかなければいけないと思いますが、特許審査の迅速化について、政府としてどのような取り組みを進めていくのか、簡単に御答弁いただけますか。
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中嶋誠#22
○中嶋政府参考人 端的に申しますと、今委員が御指摘になった審査請求の一時的な津波は、もう毎年のフローではピークアウトしております。ただ、ストックがまだ積み上がっておりますので、これが来年ぐらいにはピークアウトすると思いますけれども、今が一番の正念場でございます。
 それを乗り切るために、任期つき審査官の増員、既に四百人採用しましたけれども、五年間で五百人を確保する。あるいは先行技術のサーチ、民でできるものは民という形でアウトソースをふやすとか、あるいは、先ほど大臣から御答弁したように、外国の特許庁とも協力をするといったようなこと。それからさらに、産業界に対しましても、いわゆる出願件数を競うということよりも中身を、選択と集中で、あらかじめ十分サーチをしていただくとか、むしろ国際出願をふやすとかいうことも含めて、産業界とも協力しながら、少しでも早く長期的な目標である二〇一三年の十一カ月に短縮できるように努めていきたいと思っております。
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赤羽一嘉#23
○赤羽委員 それでは最後に、国際化に対応した弁理士の育成についての質問に移らせていただきたいと思います。
 こういった国際化に対応した弁理士を育成しなければいけないということの中から、弁理士会の皆様から、いわゆる論文式試験の条約科目の復活といった声が出ているものだ、私はそう理解をしております。先ほど、大臣の御答弁で、以前、法改正して、論文式の中の必須科目ではなくなった、これは短答式で対応している、その質の低下は認められないという審議会の報告があり、今回も復活を見送ったということであります。それはそれで一つのプロセスだと思いますが。
 要するに、大事なことは、結論として、国際化になっていく、知財戦略を担っていける弁理士が、そういう国際化の力がどれだけあるかということが最終的に大事だと思うんです。試験科目を復活することが大事なのかどうなのかということじゃなくて、プロセスというより結果が大事だというふうに思っておりますので、ぜひ、今回の法改正の結果どうだったのか、現実はどうなのかということは非常に大事なことなので、しっかりと、また復活させることも否定せずに、念頭に入れながら、ちゃんとフォローをしていただきたいということが一つ。
 もう一つは、どうも、特許庁の方と話をしていますと、特許庁というのは国内の特許申請についての役所であります。うがった見方をすると、海外の出願については、ややもすると、それぞれの国の特許庁の仕事だというような嫌いがあるんじゃないか。ですから、どうしても、国内の出願について責任を持った話ということの中でこういったことの復活も見送られたのではないかというような誤解も生むような余地があると思うんです。
 そういうことではないというふうに思っていらっしゃると思いますし、私は、甘利大臣、この点について見識も大変深いものだというふうに理解もしておりますので、ぜひ甘利大臣のときに、知財戦略というのは、これからのアジアへのますますの経済交流拡大の中で本当に大事なことだというふうに思います。
 私は、そういった意味で、弁理士という仕事がもう少しプレーアップしなければ国益にもかなわないというふうに思っておりますので、その点も含めて、国際化に対応した弁理士、国際経済社会に通用する弁理士の育成、取り組み方の御決意を最後にお聞きして、質問を終わらせていただきたいと思います。
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高木美智代#24
○高木大臣政務官 今、赤羽委員よりお話ありました復活の件だけ、一点補わせていただきたいと思います。
 先ほど大臣の御答弁にもございましたとおり、そうした試験の出題方針につきましては、平成十二年に工業所有権審議会弁理士試験制度部会が取りまとめた新たな弁理士試験の具体的実施方針において示されているとおりでございます。
 しかしながら、この実施方針は受験生に必ずしも広く知られていないという御指摘もございます。受験勉強の中に位置づけて取り組むべきではないかという御指摘もあることから、条約につきましての知識や解釈力への配慮が重要であることでございます、このことを省令におきまして規定することで明確化を図ることを今予定させていただいております。
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甘利明#25
○甘利国務大臣 前段の質問、今高木政務官からも答弁をさせていただきました。
 確かに、おっしゃるように、国際展開を強力にしていかなきゃならないという潮目の変更があります。それに弁理士が対応し切れるか。だから、むしろ条約とか外国法令について今まで以上にそのニーズが高まっているのではないか。その御指摘はそのとおりだと思います。
 そこで、研修項目や定期研修の中にそういうところをしっかり入れていこうと。それをしっかり検証していこうと思います。そこの資質が落ちてくるようであるならば、当然対処を考えなきゃいけないと思っております。
 それから、日本の特許庁も、国内のことだけを視野に置いていないで国際的展開を視野に置けと。それは全くおっしゃるとおりでありまして、もともと、知財戦略の提案というのは、私が党にいたころ、チームでまとめて、小泉内閣ができたときに、どうしてもこれをやってほしいということで提言をしたことがスタートになっているように思うのでありますが、それだけ思い入れがちょっと強いのでありますし、当時から公明党さんと連携をとりながら組み立ててきたという思いもあります。
 この点に関しては、与党だけじゃなくて、民主党や他党を含めて、国が一丸となって、各党一丸となって取り組んでいただいているという地合いがちゃんとできておりますから、そこで、国際展開をしていくに当たって、日本の特許庁がそのリーダシップをとっていけるように、いろいろな仕掛けと展開をしていきたいと思っております。
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赤羽一嘉#26
○赤羽委員 どうもありがとうございました。終わります。
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上田勇#27
○上田委員長 次に、大畠章宏君。
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大畠章宏#28
○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
 弁理士法の一部を改正する法律案でありますが、今回の法改正に当たりまして質問をさせていただきます。
 まず最初に、私たち民主党として、二〇〇〇年九月にこのような「はばたけ 知的冒険者たち 知的財産権についての二十一世紀戦略」というものを発表させていただきました。
 ちょうど、二〇〇〇年九月というのは、甘利大臣から今お話がありましたように、これからの知的財産権の戦略をどうするかという、政府の方も検討されている当時でありまして、甘利大臣が以前、自民党の知財の中心人物として、官邸に乗り込んで、日本としての国家戦略をつくるべきだということで、たしか知財の戦略本部というものを立ち上げて活動されたということを私たちも承知しております。
 当時、私どもも、この知財というのはこれからの日本が生きていく上での大変大事な基盤であるという認識で、特に、アメリカが非常に知財戦略をもって日本に反撃をし始めたのが一九八〇年代でありまして、その当時、五月雨的に安い製品をアメリカに輸出して日米の通商問題にもなったところでありますけれども、そこで、甘利大臣御存じのとおり、一九八〇年にはバイ・ドール法というので、大学の研究を知財にしようという法律ですとか、一九八五年には有名なヤング・リポートというものが発表されまして、国家戦略を定めていったわけであります。
 そういうものを受けて、私たち民主党も、「知的財産権を制する者は世界を制す」という基本に立って、幾つかの提言をさせていただきました。
 まず一つは、「知的財産権を憲法に規定せよ。」こういうふうな提案が一番最初でありまして、アメリカの憲法一条八項八号において、「議会は、著作者および発明者に対して、一定期間それぞれの著述及び発明について排他的権利を保障することにより、科学及び有用な技術の進歩の促進を図る権限を有する。」ということを米国憲法の第一条八項八号に定めるほど、アメリカとしてはこの知的財産権というものを認識してきたわけであります。
 私たちも、そういう意味で、今憲法改正の論議もされているところでありますが、こういう問題も大事でありますから、ぜひ日本としてもそのようなことを認識すべきだということを第一番目に指摘し、それから、知財の基本法というものを制定すべきだということもこの当時提言をさせていただきました。これも甘利先生を中心として具体的に行動をし始めたところでありますし、知財の専門裁判所を設置すべきだ、こういうことも提言しましたが、これも今政府の方で行ったところであります。
 日本としてはこういう基盤のもとに行動し始めていますが、まだ十分な体制には至っていないという状況でございますが、今回の法律改正については弁理士の資質向上、責任の明確化を行うという目的でやるわけでありますから、私自身も、基本的にこの改正は適正であるという認識のもとに、何点か質問をさせていただきます。
 一つは、先ほど佐藤委員からも御指摘がございましたけれども、資質向上を目指すとハードルが高くなって参入障壁になってしまうんじゃないかという大臣からの御答弁もございましたが、基本的に、ふえればいいということではなく、かといって参入障壁になっても困るんですが、基本的な条件だけは備えた弁理士の誕生というのが重要なんです。かつて文部省の方も円周率を三にしちゃったことがありますが、こんな形で弁理士をつくったら、これは大変なんです。
 したがって、諸外国はどういう形でやっているかというんですが、お手元に一枚の紙を配付させていただきました。ございますでしょうか。
 これは、イギリスとドイツの弁理士の試験制度の内容でございます。特にドイツは受験資格というものを非常に厳しくしておりまして、そういう意味では、甘利大臣の御認識からすると、これはちょっとハードルが高過ぎるんじゃないかと思われるかもしれませんが、理系大学卒業の学生には、弁理士のもとでオン・ザ・ジョブ・トレーニングの実習、裁判所での実習、地裁が二カ月、特許裁判所で六カ月、特許庁で二カ月という実習がノルマとしてかけられています。二十六カ月の実習等々を経て初めて受験資格を得る、こういうことになっています。
 日本の場合はどうかというと、こういうふうなことはないんですが、今、大体三回ぐらい試験を受けないと通らないということで、受験生の方も何人か、私、知人の息子さんで一生懸命頑張っている人がいるんですが、大変なんですね。弁理士の試験に合格するために予備校みたいなところに通って一生懸命頑張っていますが、例えばこういう制度を導入すれば、明るくとは言わないけれども、実務を経験しながら弁理士を目指すことができるということで、これも一つの、どっちみち三年ぐらいかかるんだったら、オン・ザ・ジョブ・トレーニングで弁理士の事務所で働いたり、裁判所でこういうことをやらせるのも私は一考に値するんじゃないかと考えております。
 ドイツの例でございますけれども、このような実例について現在どのようにお考えか、お伺いをしたいと思います。
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渡辺博道#29
○渡辺(博)副大臣 お答えいたします。
 大畠委員、知財に大変御熱心に、そして深く造詣があるということを認識しております。
 このドイツやイギリスの例、今手元で見させていただきましたけれども、ドイツにおいては、これは受験資格でございますね。そしてまた、イギリスの場合は登録資格ということで、国によってそれぞれの要件にさまざまな差があるということはまず前提にあるわけでありますけれども、いずれにしましても、実務能力、そしてまた資質向上というものを考えていきますと、大変重要な御指摘だというふうに思っております。
 現在、我が国の改正法案は、まさに弁理士登録前の実務修習制度というものを新たに導入したわけであります。かつてはこういった制度がありませんでした。したがって、登録時における実務能力を担保するということが大前提であります。また、既に弁理士になった方に対しても、その資質向上を図るために定期的に研修を受講することとなっております。こういう実務修習、そしてまた定期研修、こういったものを通じて、しっかりと能力をアップしていただきたいというふうに思っております。
 実際の制度設計につきましては、これから、例えば、実際の実務としては明細書の作成といった実務、それから弁理士倫理等について、先ほども大臣から答弁ありましたけれども、三カ月程度、時間として六十時間から七十時間の研修をスクーリングまたEラーニングによって、こういったものを実施していきたいというふうに考えておるわけであります。
 したがいまして、この問題につきましては、今後さらに内容を検討してまいりたいというふうに思っております。
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