法務委員会

2013-11-28 参議院 全131発言

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会議録情報#0
平成二十五年十一月二十八日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     石井 正弘君     宮沢 洋一君
     中泉 松司君     森 まさこ君
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     宮沢 洋一君     古賀友一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         荒木 清寛君
    理 事
                吉田 博美君
                若林 健太君
                小川 敏夫君
                真山 勇一君
    委 員
                石井 準一君
                古賀友一郎君
                溝手 顕正君
                柳本 卓治君
                山下 雄平君
                有田 芳生君
                江田 五月君
                前川 清成君
               佐々木さやか君
                仁比 聡平君
                谷  亮子君
                糸数 慶子君
       発議者      小川 敏夫君
       発議者      前川 清成君
       発議者      真山 勇一君
       発議者      仁比 聡平君
       発議者      糸数 慶子君
   国務大臣
       法務大臣     谷垣 禎一君
   副大臣
       法務副大臣    奥野 信亮君
       文部科学副大臣  西川 京子君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  平口  洋君
       厚生労働大臣政
       務官       高鳥 修一君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局家庭局長   岡 健太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       法務省民事局長  深山 卓也君
       法務省刑事局長  稲田 伸夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○民法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○戸籍法の一部を改正する法律案(小川敏夫君外
 七名発議)
    ─────────────
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荒木清寛#1
○委員長(荒木清寛君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、石井正弘君及び中泉松司君が委員を辞任され、その補欠として森まさこさん及び古賀友一郎君が選任されました。
    ─────────────
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荒木清寛#2
○委員長(荒木清寛君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 民法の一部を改正する法律案及び戸籍法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省民事局長深山卓也君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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荒木清寛#3
○委員長(荒木清寛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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荒木清寛#4
○委員長(荒木清寛君) 民法の一部を改正する法律案及び戸籍法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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前川清成#5
○前川清成君 おはようございます。
 大事な民法の質疑に入る前なんですが、実は火曜日の委員会の最後で時間が切れてしまいました。
 大臣に、東京でコンビニに行くと中国人と思われるような名札を付けている方がいらっしゃる、多い、恐らくは中国からの留学生ではないかと。それに比べて日本の留学生がどうなっているのかということで、これは前回もお話しいたしましたけれども、二〇一〇年時点で中国の海外留学生が六十三万六千三百五十四人、これに対して日本人が五万八千六十人、二〇〇一年時点では日本は七万八千百五十一人でしたので、減少しています。片や中国は、二〇〇一年時点で十三万一千百三十八人でしたから、失礼な言い方ですけれども、国力の伸び以上に、豊かさの伸び以上に頑張って海外留学生を輩出していると。片や日本ですけれども、日本からアメリカに対する留学生が一九九九年時点に四万六千八百七十二人、それが二〇一一年時点では二万一千二百九十人と、大幅に落ち込んでいます。
 他方では、別に海外に留学しなくても日本国内でしっかり勉強できるから海外留学生が減ったんだという見方があるのかもしれませんし、あるいは、そうじゃなくて、日本の若者が若いころの私のように志を失っているのかなとも思います。
 この点について、今日は文科西川副大臣に来ていただいていますので、文科省としてどのようにお考えになっているのか、まずお尋ねしたいと思います。
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西
西川京子#6
○副大臣(西川京子君) 前川先生、御質問ありがとうございます。
 今まさに世界の経済活動全てがグローバル化している中で、日本人の海外留学生が減っているという現状はやはり率直に認めざるを得ない、このことに関しては大変文科省も危機感を持っております。
 先生がおっしゃいましたように、二〇〇四年で八万三千人をピークに、二〇一〇年には五万八千人、二万五千人が減少しております。これに比べて、中国は六七%の増加、韓国は三九%の増加。非常に、ある意味では発展途上というんでしょうか、そういう元気のある国ということもある。そして、先生もおっしゃいましたけど、自分の国で十分そういう研究の条件はそろっているからということもあるかとも思います。
 ただし、その中でちょっと考えられる要因として、リーマン・ショックの影響もあるかもしれません。留学費用が非常に高くなって経済的負担が大きい。特にアメリカが減っているのは、アメリカの大学に行きますと、生活費は日本でいるのと同じくらいかもしれませんが、学費として三百万前後掛かるということで、この経済的負担ということも大きな要因かと思います。それともう一つは、やはり就職活動の時期を逸する可能性がある。日本の大学制度と、かの国の大学制度といろいろ卒業年次とかが違うということもある。いろんな要因がありまして、その辺の危惧というのが一番大きいようでございます。
 そういうことですので、これから大学の支援体制、あるいは特に語学力がちょっとやっぱり日本人は苦手だとか、そういう幾つかの要因が考えられると思います。
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前川清成#7
○前川清成君 語学力については確かにおっしゃるとおりかなと。私たちが若いころの英語の勉強は、読むことはできても話せないと、話すことは何とかできても聞き取れないということなんじゃないかなと思います。
 私の同期の弁護士がニューヨークのロースクールに留学してニューヨークの法曹資格を取ったんですが、たしか二年間行ったんですが、うち半年間はまず英会話学校に行って英語を勉強してきて、たしか半年だったと思いますね、向こうのロースクール行くの。それでもうニューヨークの司法試験に通って。だから、ニューヨークの司法試験に通るのと英会話学校へ行くのとほぼ同じぐらいのウエートで。その後はローファームで研さんをして帰ってきましたけれども。帰ってきても、じゃその研さんに応じたような仕事があるのかというと、どうだったのかなというところもあります。
 それで、今、その語学力のこととか、あるいは経済問題についてはまたこの後お聞きしようと思うんですが、そもそもこの留学生が減少しているということは、日本の国力にとってどういうふうにお感じになっているのかですね。日本の国力が上がってきたから日本の国内で十分勉強できるんだと、だからもういいんだというふうにお考えなのか。そうじゃなくて、厳しい財政状況の中だけれども頑張って海外に留学する若者たちを制度としても応援していかなければならないと、こういうふうにお考えになっているのか。この辺、スタンスとしてはどちらですか。
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西
西川京子#8
○副大臣(西川京子君) いや、日本国内で研究が間に合っているから十分とは全く思っておりません。特に今のこのグローバル経済の中で、実は日本の経済力、物づくり、これ本当にすばらしい力があって、良いものを研究開発、あるいはものをつくっている。しかし、そのつくった後に営業活動がうまくいかないで世界基準を取れないというような、そういう今日本経済のかなり大きなところ、マイナス面があると思うんですね。そういう意味では、国の大きさにもよりますが、韓国辺りはもう即決即断主義で政府一体となった営業活動をするようなところもありますから、そういう意味の中で、やはり語学力ということが、単にツールとして英語力が不足するがためにその辺がうまくいかないという現実はすごくあると思うんですね。
 ですから私たちも、今回文科省では、国際人材、グローバル人材を育てるという大きな目標を立てましたけど、それは決して日本の国語力とか日本の大事なものを横に置いてということではなくて、そのことは基本として大事なんだけれども、やっぱり一方として、ツールとして英語力が不足しているということが圧倒的に日本の様々な分野で損をしていると。ここは絶対に英語ぐらいはまず話せなきゃ駄目だよねということで、今回、その延長線上で留学生の増、これからの、大いに海外に飛躍してほしいと。今このバッジが、トビタチ、留学生JAPANというバッジを作りまして、これもう官民一体となって留学生を二〇二〇年のオリンピックをターゲットとして六万人を十二万人にしていこうという戦略を練って頑張っておりますので、よろしく御支援をお願いしたいと思います。
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前川清成#9
○前川清成君 一昨年ですか、経済産業委員長をさせていただいて、あるいは去年副大臣をさせていただいて、ASEANの皆さん方との会議とかが何度かあったんですけれども、そんな席上で通訳は日本語と英語だけなんですね。ただ、インドネシア語と日本語とか、タイ語と日本語とか入らなくて、ASEANからいらっしゃっている皆さん方は全員英語が話せるということ前提の会議です。
 こちら側は、国会議員の皆さん方、副大臣も始め皆さん方、教養の立派な方々ばっかりなんですけれども、やっぱり通訳がないと全然コミュニケーションができないと。その意味においてある種英語というのが大事なのかもしれませんが、それ以上に更に新しい技術とか新しい科学とか、そういうことを学ぶ必要もあろうかと思います。
 私が生まれて初めて海外旅行をしたのは、二十八歳のときに新婚旅行でニューヨークに行ったんですが、そのときに、まあ私なりにですが、英語を話せたんです。言いたいことは全部言えるんです。ところが、向こうのおっしゃっていることが全く聞き取れないんです。それで会話としては成り立たなかった。これはやっぱりこれまでの教育のありよう、日本の国内における教育のありようもあるかと思いますので、御検討いただけたらと思います。
 それで、大事な大事な民法の話をさせていただきたいんですが、実は、昨年末に私たちが政権から転落をいたしまして、谷垣総裁のときに影の内閣というのをやっておられましたけれども、民主党の場合は次の内閣というのをやっておりまして、この通常国会まで私が法務の責任者、恥ずかしいんですが、次の内閣のネクスト法務大臣というのをさせていただきました。
 その際に、二月二十七日に最高裁判所の第一小法廷が非嫡出子の法定相続分を争う事件を大法廷に回付をいたしました。結論は出ていませんが、第一小法廷から大法廷に事件を移しました。それで、これを受けて私たちは、四月二十六日に、今回政府が提出されたのと全く同じ法案、民法九百条の四号のただし書の前段を削除する法案を出させていただきました。
 それ以前に民主党は実は十六回、この非嫡出子の法定相続分差別撤廃の議員立法を出しているんですが、その折はいつも選択的夫婦別姓の導入とセットで出していました。しかし、四月の際はあえて切り離したと。党内には様々な意見もありましたけれども、あえて切り離して提出をさせていただきました。
 禅問答みたいで申し訳ないんですが、谷垣大臣、なぜ切り離してでもこの非嫡出子の問題を先に提出したのか、気持ちは御理解いただけますでしょうか。
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谷垣禎一#10
○国務大臣(谷垣禎一君) どうしてそういう出し方をされたのかは想像するしか仕方がございませんが、あえて想像を申し上げますと、夫婦別氏制と一緒にすると、それ様々な議論があって反対論も強いだろうと、せめて嫡出子、非嫡出子のこの九百条の問題だけでも早く処理をしたいというお考えであったのではないかと推察いたします。
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前川清成#11
○前川清成君 賢明な大臣におかれましてはそのとおりでございまして、釈迦に説法ですが、裁判所法十条の規定があって、どのような場合には大法廷でないと判決できないのかというのが書かれていまして、判例変更の場合。平成七年に合憲の判決がありました。これが大法廷に移るということは判例変更がされるんだろうと。あるいは、憲法違反の判決については大法廷、裁判所法に書かれていますから。私たちは二月二十七日の段階で確実に、今年九月でしたでしょうか、憲法違反の判決があるということを予想をいたしました。
 それで、三権分立があるわけですが、最高裁から憲法違反と言われて、それから立法府が法律を直すのではなくて、少なくとも確実に憲法違反の判決が予想されるわけです、一日も早くこの九百条を改正しなければならないと思います。そして、自民党の中には違う御意見の方もあろうかと思いますが、報道等によりますと、自民党の中では選択的夫婦別姓については異論が多いと。セットで出すと、つるしを下ろしてももらえないだろうと。だから、ここは切り離して、一日も早く最高裁の憲法違反の判決までに何とか改正をしたいと、そういう努力をいたしました。結局、通常国会の法務委員会、期日は空いていたんですが、審議さえ応じていただけませんでした。私は、この点は大変残念に思っています。
 また時間があれば、あと、これまでの最高裁の判決の経緯についても触れたいと思うんですが、平成七年の最高裁の判決も、社会の状況が変わっているんだから、家族状況が変わっているんだから立法府において解決してくださいねというふうなサインを出しています。その後も出し続けています。結局、今年の最高裁判決というのは、言わば業を煮やしてこの判決を出したのではないのかなと。そういう意味において、国会のありようについても是非共に考えていただきたい、こういうふうに思うんですが。
 その上で、谷垣大臣、私たちは、確実に憲法違反の判決が予想されると、だから今年四月に改正案を議員立法で出しましたが、法務省としては、なぜこの判決以前に出そうと、改正してしまおうというふうにはお考えにならなかったんですか。
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谷垣禎一#12
○国務大臣(谷垣禎一君) この問題の検討は法務省の中でも長い経過があると思っております。平成八年の法制審議会の答申の中に、この九百条の問題それから夫婦別氏等々についても勧告がございました。法務省としては何回かその平成八年の答申に合わせて立法を準備した経緯がございましたけれども、様々なやはり議論があって、国会に提出するという判断には、できるという判断には至らなかったという経緯であったと思います。
 今回、今、前川委員がおっしゃいましたように、確かに、大法廷に回されたということで、ある程度の予測といいますか推測はできたことも事実でございますが、そういう経緯の下で今回こういう判決が出ましたので、やはり行政府としてもそれを尊重した対応が必要であろうということで今回提出させていただいたということでございます。
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前川清成#13
○前川清成君 大臣、私は、個別的効力説に立ったとしても、最高裁が法令違反の判決をしているわけですから、その後に立法府が法律を改正するのは当たり前だと思っています。今お尋ねをしたのは、確実に予測できたのであるから、それに先立って改正するべきではなかったのかという点でありますけど、この点、いかがですか。
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谷垣禎一#14
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、余り判決が出る前に予測をして先読みをするということもいかがかということもございます。それから、今回、こういう効力について、最高裁判所は、平成十三年の七月でしたか、遅くともその時点で違憲になっていると判断の下に、しかし、それ以降の起こった相続についてどうするかというのは一定の判示をされておりますね。その辺をどうしていくかというのは、実は事前に私どもも、最高裁判所がどういう判断をされるんだろうかと。これ、かなり技術的にも難しい問題があったことも事実でございます。
 そういうようなことがいろいろあって、余りそういう辺りを事前に予想するのもいかがなものかということで今回のような対応になったということでございます。
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前川清成#15
○前川清成君 ちょっと納得はできませんけれども、もうこの程度にさせていただきたいと思います。
 というのは、これまでの最高裁判決の中で何度も何度も、その多数意見の中でも立法において解決すべきだというふうに書いておりますので、これはサインだったのではないかと私は思っております。
 それで、先ほど申し上げましたように、今年四月にその民法九百条改正を出させていただいたときは、私は筆頭発議者を務めさせていただきました。今回、小川先生が筆頭発議者で、内閣から閣法がなかなか出てきませんので、業を煮やして野党の皆さん方と一緒に議員立法を出させていただきましたが、そのときも私は発議者に名を連ねさせていただきました。ですから、言うまでもありませんが、この民法九百条改正、私は賛成であります。
 ところが、郷土の先輩であります奥野副大臣と過日質疑をさせていただいた際に、私も意外だったんですが、前川先生とはほとんどのことで意見が対立するわけでありますが、この件ばかりは多分一つにまとまりますと、こういうふうにおっしゃっていただきました。やっぱり奥野先生は民法九百条改正反対なのかなと心配をしてしまったわけですが、副大臣、いかがでしょう。
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奥野信亮#16
○副大臣(奥野信亮君) これは、ここは公の場ですから、私情を言うということは禁じられると思います。前々から小川先生にもお答えしているとおりでありまして、憲法判断まで最高裁がしたわけでありますから、それは、それに従うのが私の立場としては妥当だということで進めていきたいと、こう思っております。
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前川清成#17
○前川清成君 現行の民法九百条の四項ただし書の前段という条文がありまして、この条文によると、法定相続分で非嫡出子は嫡出子の二分の一というふうに不利益を受けるわけです。不利益を受けるんですが、その不利益を受ける当の非嫡出子は何かしたのか。これは、御本人自体は何にもしていない。嫡出子であるという生まれながらの身分というのは本人が決定したわけではないわけであります。
 この点で平成七年の最高裁判決の少数意見の中で、出生について責任を有するのは被相続人であって、非嫡出子には何の責任もなく、その身分は自らの意思や努力によって変えることはできないと。出生について何の責任も負わない非嫡出子をそのことを理由に法律上差別することは、婚姻の尊重、保護という立法目的の枠を超えるものであり、立法目的と手段との実質関連性は認められず、合理的であると言うことはできないのであると、こういうふうに少数意見の中で述べています。
 私はこのとおりだと思います。誤解なきように申し上げれば、法律婚を否定するつもりも一夫一婦制を否定するつもりもありませんが、自分に何の責任もないにもかかわらず非嫡出子というふうなレッテルを張られて、そして法定相続分で差別を受ける、これは生まれによる差別であって、私は許されないことではないかと。この平成七年の判決の少数意見を読んだときからそういうふうに思っておりました。
 私はこのようにこの前回の少数意見を理解しているわけですけれども、西川副大臣も御理解いただけますでしょうか。
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西
西川京子#18
○副大臣(西川京子君) 憲法判断が出ました。そのとおりでございます。
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前川清成#19
○前川清成君 これは新聞報道なんですが、自民党内に保守派という方々がいらっしゃって、その方々の中から、非嫡出子の法定相続分差別を撤廃したら浮気が増えるという心配があって、最後の法務部会でこの了承をする際に三時間掛かったというふうな報道があるんですが、西川副大臣も同じようにお考えなんですか。
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西
西川京子#20
○副大臣(西川京子君) 浮気の問題はどうか分かりませんが、法定婚を前提としている日本の家族制度、結婚制度、そこにやはり多大な影響があるのではないかという思いはありました。
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前川清成#21
○前川清成君 是非詳しく教えていただけませんでしょうか。
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西
西川京子#22
○副大臣(西川京子君) 詳しくというと、どういうことでしょうか。
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前川清成#23
○前川清成君 今、副大臣の御見解は、この非嫡出子と嫡出子の法定相続分を平等にしたら法律婚に影響が出てしまうという御見解でしたので、どうして影響が出てしまうのかお教えいただきたいと思います。
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西
西川京子#24
○副大臣(西川京子君) 先生がおっしゃったように、子供の立場で考えると、まさに非嫡出子と嫡出子との間に差はないと、これはもうそのとおりでございます。そこに異論を持つものではありません。
 ただ、そうなりますと、要は妻の立場ということを考えますと、やはり結婚、ちゃんと法律で定められてきちんと戸籍に、婚姻届を出して、長い間一緒に家庭を築いてきたいわゆる正妻、妻の立場、それと、いわゆるそこの法律婚を通していない女性との間に差がなくなるということですね。実質的な差がなくなると、相続分においてはですよ。相続というのは妻という以上に子供に相続するということが本来の意味でしょうから、そういう意味で、それを経由する妻の立場を考えると差がなくなると。じゃ、それまで一緒に夫婦生活をずっとやっていた妻の立場に対する配慮はどうなるんだと、そういうことにちょっと一定の危惧を持つということはあると思いますね。
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前川清成#25
○前川清成君 今回の政府提出の法案も、私たちが過去十八回合計出してきた法案も、妻の法定相続分、これは昭和五十五年の改正だったでしょうか、三分の一から二分の一に引き上げられました。そこには手を着けていません。閣法もそうです。にもかかわらず、妻の立場を損なうというのが少し理解できないんですが、教えていただけますでしょうか。
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西
西川京子#26
○副大臣(西川京子君) 私も法律の専門家ではありませんから、細かい根拠というと、そこを詰められるとちょっとよく、正確には答えられないかもしれませんが、言わば社会通念、そういう意味で、やはりちゃんときちんと届出をした結婚した妻と、そうでないいわゆる愛人関係にある女性と、そこに一定の差があるという、それは社会通念としては日本では確立していたと思うんですね。
 それで、先ほど先生がおっしゃいましたが、一つの、今回、二〇〇七年、八年ですか、の合憲の判断と今回の違憲だという判断の中の差は、社会通念が変わったということが大きな理由になっていますが、実際には婚外子で生まれる子供は一・一%から二・二%に増えたと。それは二倍にはなっていますが、全体の中ではやはりまだ少ないという中で、社会一般の常識、今までの日本の伝統的な慣習とかそういうことを配慮して、二〇〇七年では合憲だ、違憲ではないというような、合憲だという判断だと思うんですね。
 ですから、それから今回の判決に至るまでの変化というのは、そこに、一・一%が二・二%になったということで社会通念が変わったというふうにはちょっと思えないなというのが自民党の中の言わば大勢の意見だったと私は認識しております。
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前川清成#27
○前川清成君 副大臣御自身が法律の専門家でないとおっしゃいましたので、そのことを前提にちょっと生意気なことを申し上げますと、妻の法定相続分は二分の一というふうに定められていますので、非嫡出子の法定相続分を触ったとしても一向に影響はありません。それと、相続というのは公の秩序ですので、これは戸籍に従って全部判断されます。
 したがいまして、今、副大臣が正妻、愛人というお言葉を使われましたけれども、仮に愛人の方々と何十年一緒に暮らしていようと、愛人には一切相続分はないんです。そのことも御理解いただいた上で、それでも反対されたんですか。
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西
西川京子#28
○副大臣(西川京子君) そのことは分かっております。その中で、じゃ、嫡出子の子供の立場ということにもやはり考えなければいけないですね。
 やはり、大概の場合は、相続を残す御本人、そこに男性がいる、その方が亡くなった後でいろんな問題が起きてくることが多いわけで、そのときに、やはりこの民法を作る段階、昭和の初期のころには、要は全くゼロであったと、嫡出子の方は。だけど、それはやっぱりどう考えても気の毒だろうということで、合理的な一つの折衷案という形で二分の一になったという経緯をお聞きしております。
 そういう中で、これは明らかに、今の憲法にのっとって今の民法というのは作られたわけですから、そういう意味で、その中で、そういう配慮も入れた中で二分の一という規定ができたわけですから、それは明らかに憲法違反ということがちょっと納得できないんじゃないかなという思いが与党の中ではあったと思いますね。
 妻の立場は分かっております。その嫡出子と非嫡出子の立場は、そういう通念上、やっぱりそこには、それ長い間、家庭を築いてきた子供も、例えば今回のケースは一緒にお店をずっとやってきたわけですね、その妻と子供が。途中からその女性が入ってきて、本来の方が、親子は家を出されたといういろんな経緯がある中で、やはり嫡出子の権利もあると思いますので、そういう意見の方が多かったと記憶しております。
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前川清成#29
○前川清成君 新しい憲法、現行憲法ができて、副大臣がおっしゃるように、旧来の家制度が個人の尊厳を前提とする現行憲法に合わないということで、たしか昭和二十二年でしたか、民法の家族法の部分が全面改正されました。全面改正されたから、もうこれで未来永劫家族法は憲法違反にならないのかというと、そうじゃないんですよね、社会が変わるわけですから。
 それと、これもちょっとお調べをいただけたらと思うんですが、私もうろ覚えですが、昭和二十二年の家族法改正、民法改正のときに、参議院ではなく衆議院が附帯決議をしておられるんです。これは、今回は、憲法改正に伴って、新憲法制定に伴って急いで家族法を改正したので、引き続き早急に家族法全体を見直さなければならないという附帯決議がありまして、それで、先ほど申し上げた五十五年の改正であったり、あるいはその前後の改正であったりが続いているわけで、昭和二十二年に合憲だったから、これから未来永劫合憲にはならないと私は思います。
 それと、今のお話は、嫡出子は、妻の法定相続分が二分の一で動かないことは分かっています、妻以外の女性も法定相続分がないことも分かっていますと、分かっているんだけれども、嫡出子が、何かお店をされていたんですか、今回のケースで、私はそれ知りませんが、家業を手伝っていた、家業を手伝って被相続人の財産形成に寄与してきたと。だから、そのこともしんしゃくすると法定相続分を触るべきではないと、こういうふうなお答えでしたけれども、被相続人の財産形成に寄与した人に対しては、それは法定相続分で考慮するのではなくて、民法の別の仕組みがあるんですね。
 そこも、皆さん方、いわゆる自民党保守派の皆さん方は理解した上で議論されていたんですか。少なくとも、では西川副大臣は分かっておられたんですか。
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