経済産業委員会

2015-05-28 参議院 全112発言

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会議録情報#0
平成二十七年五月二十八日(木曜日)
   午後一時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     三宅 伸吾君     林  芳正君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     渡邉 美樹君     世耕 弘成君
     荒井 広幸君     平野 達男君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     阿達 雅志君     渡邉 美樹君
     平野 達男君     荒井 広幸君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     阿達 雅志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川 沙織君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                宮本 周司君
                加藤 敏幸君
                倉林 明子君
    委 員
                阿達 雅志君
                岩井 茂樹君
                高野光二郎君
                松村 祥史君
                渡邉 美樹君
                小林 正夫君
                直嶋 正行君
                安井美沙子君
               佐々木さやか君
                浜田 昌良君
                東   徹君
                中野 正志君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   宮沢 洋一君
   副大臣
       経済産業副大臣  高木 陽介君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       岩井 茂樹君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      杉本 和行君
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      山本 哲也君
       公正取引委員会
       事務総局官房審
       議官       南部 利之君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      松尾  勝君
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        山田 昭典君
       総務大臣官房審
       議官       長屋  聡君
       外務大臣官房参
       事官       武藤  顕君
       財務省主計局次
       長        太田  充君
       厚生労働省職業
       安定局雇用開発
       部長       広畑 義久君
       経済産業大臣官
       房長       日下部 聡君
       経済産業大臣官
       房審議官     平井 裕秀君
       経済産業省製造
       産業局長     黒田 篤郎君
       資源エネルギー
       庁長官      上田 隆之君
       資源エネルギー
       庁廃炉・汚染水
       特別対策監    糟谷 敏秀君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      多田 明弘君
       中小企業庁長官  北川 慎介君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       砂防部長     大野 宏之君
       観光庁観光地域
       振興部長     吉田 雅彦君
       気象庁地震火山
       部長       関田 康雄君
       環境省水・大気
       環境局長     三好 信俊君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  櫻田 道夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (独占禁止法違反被疑事件に係る審査手続の適
 正化に関する件)
 (エネルギーミックス策定における原子力発電
 の位置付けに関する件)
 (特定放射性廃棄物の最終処分に係る基本方針
 に関する件)
 (中小企業の海外展開支援に関する件)
 (省エネルギー対策及び再生可能エネルギー導
 入拡大の課題に関する件)
 (四国電力伊方発電所の再稼働に関する件)
 (原子力に係る技術・人材の維持・発展の方策
 に関する件)
 (東京電力福島第一原子力発電所事故に係る除
 染の進捗状況に関する件)
    ─────────────
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吉川沙織#1
○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十九日、三宅伸吾君が委員を辞任され、その補欠として林芳正君が選任されました。
    ─────────────
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吉川沙織#2
○委員長(吉川沙織君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官山本哲也君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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吉川沙織#3
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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吉川沙織#4
○委員長(吉川沙織君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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阿達雅志#5
○阿達雅志君 自由民主党、阿達雅志でございます。
 委員長、理事の皆様、本日は質問の機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
 私は、長い間民間で日本企業の海外進出あるいは日本企業の海外での法律トラブルの解決を手伝ってまいりました。その経験から今日は質問をさせていただきます。
 アベノミクスの成長戦略で、中小企業にもどんどん頑張って海外に行ってもらおうということですが、実は既に海外に行っている大企業も海外の法律制度との違いでいろいろな苦労をしております。特に、この数年、自動車部品メーカーの国際カルテルが米国、EU、中国などの各国で厳しく摘発されている事態を非常に危惧しております。米国では日本の自動車部品メーカー二十六社に対して総額二千億円以上、中国でも十社に対して二百億円以上の制裁金が科されています。
 日本の製造業を代表する自動車産業において重要な役割を担うこれらの部品メーカーでこのような問題、独禁法違反という問題が次々と出てくるのは、これはなぜか、これについて御意見をお聞かせいただけますでしょうか。これは公正取引委員会。
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杉本和行#6
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきたいと思います。
 委員が御指摘されました自動車部品メーカーによるカルテルにつきましては、近年、我が国の公正取引委員会におきましても独占禁止法違反として摘発し、厳正に対処しているところでございます。
 具体的には、平成二十四年から二十五年にかけまして、自動車メーカーが発注いたします自動車用ワイヤーハーネス、それからオルタネーター等、さらにはヘッドランプ等、こういったものの見積り合わせに参加いたしました事業者に対し、また二十五年には軸受製造販売業者に対しましてそれぞれ排除措置命令、これは十一社に対してでございますが、これを発出いたしまして、十二社に対しまして総額三百四十三億二千五百六万円の課徴金の命令を発するに至っております。
 また、軸受業者につきましては、平成二十四年に三社及びその従業員七名に対しまして検事総長に告発もしているところでございます。
 公正取引委員会としてもこのように独占禁止法を厳正に執行しているところでございますが、企業におきましては、独占禁止法に違反するような行為、競争阻害行為、競争に反する行為に関しましては、国際的にも重大な規範違反であるということの認識を深めて行動していただく必要があると思います。特に、企業活動が国際化している状況においてはその必要性がますます高まっていると思います。
 このため、公正取引委員会といたしましても、企業における独占禁止法及び外国競争法に関するコンプライアンスの取組の推進にも努めているところでございます。
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阿達雅志#7
○阿達雅志君 非常にこれ金額も大きい話ですし、大規模な問題と。やはり、こういう独占禁止法をちゃんと守っていただくというのは非常に大事なことだとは思うんです。
 ただ、その一方で、実は私は、この自動車部品メーカーで価格カルテル問題が発生した背景には日本のすり合わせ式の製造方法があるんじゃないかというふうに考えるんです。それは、日本の自動車メーカーの下で、部品メーカーが協力してコスト削減のために設計や製造方法を工夫し、部品の開発を進めるといういわゆるすり合わせの過程でどうしてもコスト情報を共有してしまう。また、あるいは共同で開発したという経緯があるために、どうしてもその後で部品メーカーで仕事を分け合ってしまう、こういうことが独禁法違反につながっているのではないかというふうにこの自動車部品メーカーについては思うわけでございます。
 そうすると、こういうすり合わせ方式の製造方法自体は、やはり日本の産業競争力にとっても非常に大事な一つの方法だと思いますし、これからも日本が海外で競争力を発揮する上では、こういう製造方法というのはある程度残していかないといけないのではないか。
 そうなると、やはり競合メーカー間の共同研究開発や情報交換について、独禁法違反とならないような、そういうやり方を考えていかないといけないのではないかと思うんですけれども、これ経済産業省としてこういうすり合わせ方式の製造方法についていかがお考えか、どなたでも結構ですが、ちょっと御説明をいただけますでしょうか。
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平井裕秀#8
○政府参考人(平井裕秀君) 御質問にお答え申し上げます。
 先ほどの御質問にもあったところでございますけれども、近年こうした事例が増えてきてまいりましたその背景につきましては、米国、EUを始めとした先進国にとどまらず、新興国まで含めて自動車部品カルテル事件に関して摘発された事件というのが非常に重畳的に起こっていることは事実でございます。そうした事案につきましては、先生の御指摘された側面もあろうかとは思いますけれども、それぞれ事情が異なる中で、一括してこれが全て共同開発若しくはすり合わせの研究開発によるものだということを申し上げることはなかなか難しいかと思っております。
 ただ、あえて申し上げれば、近年、こうした各国の競争当局が競争法の執行を全体的に強化していくという流れの中で、そうした流れに合った形で、自動車部品メーカーを含む我が国企業全体がこうした時代の流れ、世界の動きということに十分に対応したコンプライアンス体制を築いてこれなかったといったような側面が強いのではないかというふうに考えているところでございます。
 経済産業省といたしましては、これまでも業界団体等を通じまして海外競争法に関する注意喚起及び企業のコンプライアンス体制の整備の先進的事例についての周知といった独禁法に関する我が国企業のコンプライアンス向上に向けて取り組んできているところでございます。
 ただ、こうした事態に直面いたしまして、この事実を重く受け止めまして、この四月には改めてこうした直近の事例も含めた見直しを行いまして、各国競争法の執行状況とコンプライアンス体制に関する報告書といったものをこの四月にまとめまして、この報告書の内容を現在各業界団体に周知徹底を再度図っているところでございます。
 御指摘の共同研究開発といったような関係も含めまして、今後とも、引き続き各社に対する独禁法に関する我が国企業の遵法意識の徹底、その涵養、再発防止に向けて取組を行ってまいりたいと考えているところでございます。
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阿達雅志#9
○阿達雅志君 どうもありがとうございます。
 やはり、製造業のみならず、日本のこういう産業、各社それぞれにいろんなビジネス慣行を持っておりますので、是非、通り一遍なガイドラインということではなく、それぞれの分野、そういうことに丁寧な指導、あるいはそういうガイダンスというのをまとめていただければと思います。
 では、ちょっと次のテーマに移らせていただきたいと思います。
 実は、海外の自動車部品カルテルでは、米国やドイツの部品メーカーも何社か実際には摘発されております。つまり、米国、ドイツ、日本それぞれの部品メーカーが、製品が販売された米国、欧州でそれぞれの独占禁止法当局によって調査にさらされております。
 そこで、各国の独占禁止法における調査手続の違いが問題となっております。国際カルテルの調査、摘発では、日米欧の独禁法当局がそれぞれ反競争的行為に関する政府間協定によって調査協力をしているものと理解しておりますが、間違いないでしょうか。また、協力の内容はどうでしょうか。公正取引委員会、お願いします。
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南部利之#10
○政府参考人(南部利之君) 御指摘いただきましたとおり、日本政府としまして、平成十一年十月に米国と、それから平成十五年七月にEUとの間でそれぞれ二国間独占禁止協力協定を締結しておりまして、これらの協定に基づきまして競争当局間の協力を行っております。
 これらの協定におきましては、当委員会と米国又は欧州の競争当局との間における通報、情報交換、執行活動の要請あるいは調整、当局間の意見交換等について定められているところでございます。
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阿達雅志#11
○阿達雅志君 実際には、調査においてもそうやって協力をされているということだったわけです。そうしますと、欧米のいろんな手続と比較した場合に日本の調査手続はどうなのだろうか。これについては、従来から日本の調査手続は適正手続の保障が不十分なのではないかという指摘がなされてきております。
 そのため、平成二十五年の独占禁止法改正法附則第十六条では、政府は、公正取引委員会が事件について必要な調査を行う手続について、我が国における他の行政手続との整合性を確保しつつ、事件関係人が十分な防御を行うことを確保する観点から検討を行い、この法律の公布後一年を目途に結論を得て、必要があると認めるときは、所要の措置を講じるものとすると規定されております。また、衆議院経済産業委員会では、更に突っ込んだ附帯決議がなされております。
 これに伴って設置された独占禁止法審査手続についての懇談会は、平成二十六年十二月二十四日付けで報告書をまとめております。ところが、この報告書を読むと、立入検査における弁護士立会い権、検査当日のコピー権、供述聴取時の弁護士立会いあるいは供述聴取過程の記録、それから弁護士・依頼者間秘匿特権、このいずれについても認められていない。
 そうすると、政府は、改正法附則十六条、衆議院附帯決議にもかかわらず、この後どういうふうに考えていかれるのか、実際にはもう所要の措置をとられないということなのか、その辺所見をお聞かせいただきたいと思います。
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杉本和行#12
○政府特別補佐人(杉本和行君) 委員が御指摘されました平成二十五年の独占禁止法改正法の附則第十六条、さらには国会の附帯決議等に鑑みまして、御指摘になられました独占禁止法審査手続についての懇談会というものが内閣府特命担当大臣の下に設けられまして、二十六年の二月から開催されて、約十か月間御議論いただきまして、報告書をいただいたところでございます。
 この報告書におきましては、現状の仕組みの下では、秘匿特権や供述聴取時の弁護士の立会いなどの防御権について、公正取引委員会の実態解明機能への影響が懸念されることを主な理由として、これらを認めるべきとの結論には至らなかったとされております。
 他方、立入検査時に弁護士を立ち会わせることや立入検査当日の提出物件のコピー、謄写につきましては、公正取引委員会の実務上既にこれを認めているところでございまして、また供述聴取時の弁護士の立会いについては、公正取引委員会における実務では、供述人の食事等の休憩時間は適切に確保し、その間に弁護士に相談することが可能となっているところでございます。
 報告書におきましては、こうした取扱いを審査手続に関する指針を作成、公表して明確にするように求められているところでございます。また、供述聴取時に審査官の対応に問題がある場合に対応するため、苦情申立て制度の創設が求められております。
 公正取引委員会といたしましては、この提言を踏まえまして、独占禁止法審査手続の適正化をより一層確保する観点から、当該指針や苦情申立て制度の創設について鋭意検討を進めてきているところでございまして、できるだけ早期に実現を図ってまいりたいと考えているところでございます。
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阿達雅志#13
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 いろんな国でそれぞれの制度の違いというのがある、それから独禁法違反事件を調べる上でもそれぞれが持っているツールが全然違う、これは非常によく分かるわけですけれども、ただ、日米欧の独禁法当局がいろいろ調査協力をやっている中で、日本企業だけが欧米並みの手続保障を受けられない、その結果不利になるということがあるというのはやはりどうなのかなという気がいたしております。
 また、今委員長から、実態解明の妨げになるのではないかということがございましたけれども、私は、こういう法的手続において適正手続の保障を高めることが実態解明の妨げになる、この論理よく分からないんですね。つまり、刑事事件なんかにおいても、その手続保障を高めることによって逆に実態が分かる、こういうことが本来言われているわけですから、行政手続においても本来は実態解明をするためにもこういう手続保障をしっかりしていくということもあっていいんじゃないかというふうに思います。
 その中で、やはり私、特に気になっていますのは、日本だけが弁護士、依頼者間の秘匿特権、これを今制度として認めていない。これは独占禁止法に限るわけではないんですけれども、ただ、この独占禁止法の場合に特に各国間で調査協力をやっている。その中で、日本でこういう秘匿特権が認められないことによって、公正取引委員会に提出させられた書類、弁護士とのいろんな相談、この記録が海外の当局に日本の企業についてだけ渡ってしまう。そういうことがあると、これは海外の当局とのいろんな交渉の中で日本企業だけが非常に不利になっていくのではないか、こういうふうに思うわけです。
 特にこういう弁護士の秘匿特権というのを考えたときに、弁護士にいろいろ相談することによって、それによって逆に将来的に法律をちゃんと守っていこう、ちゃんとやっていこうということで相談をするわけですが、実はこれ、弁護士と相談をしていると、その記録がそのまま当局に持っていかれて、それを基に追及をされる。弁護士と相談した方が不利な事態が起きるのではないか、こういうふうに懸念をするわけでございます。
 ですから、ちょっと、弁護士に相談していた場合の方が立件が容易になされかねないということはおかしいのではないか、それからまた、中身が海外の当局に伝えられる、こういうことはあってはおかしいのではないかというふうに思いますけれども、そこら辺について公正取引委員会の見解を聞かせていただけますでしょうか。
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松尾勝#14
○政府参考人(松尾勝君) 御指摘がございましたとおり、弁護士・依頼者間秘匿特権につきましては、我が国におきましては、独占禁止法の審査手続以外の他の行政手続や刑事手続においても認められておりません。
 独占禁止法の審査手続におきましては、欧米に比しまして調査協力へのインセンティブ等が低い制度の下で、事業者、弁護士間のコミュニケーションにつきまして秘匿特権を認めた場合には、実態解明プロセスにおいて違反行為に係る事実へのアクセスが困難になるおそれがあることに加えまして、その濫用を効果的に防止する手段も存在していないということもありまして、問題があるというふうに考えてございます。
 また、公正取引委員会に書類が提出されると日本企業だけが不利になるのではないかというような御指摘もございましたが、公正取引委員会といたしましては、独占禁止法上の調査権限に基づいて収集いたしました調査物件等のうち、欧米において弁護士・依頼者間秘匿特権の対象となり得るものにつきましては、これまで公正取引委員会から海外の当局に提出いたしたことはございません。また、今後も提出することは考えておらないところでございます。
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阿達雅志#15
○阿達雅志君 やはり、今のお話の中で、弁護士にいろいろ相談すると実態解明の妨げになる、何かいろいろ隠されるのではないか、これはちょっと弁護士さんたちは非常に今のお話を聞くと不満に思うんじゃないかと思うんですね。やっぱり濫用される危険というのをちょっと大きく見過ぎなのではないかなというふうに思います。
 ただ、やはりこれ、各国のそれぞれの制度、いろんなその背景もございますし、それから、そういうコンプライアンスについてのそれぞれの意識の違いもあるということですけれども、日本企業だけが海外でいろいろやっていった場合にこういう適正手続の面で不利になる、やはりこれは非常に私は問題だと思っておりますので、今後、この改正法の附則に対する対応を考える上でも、できる限り日本企業も海外企業と同じように適正手続を保障される、そういう中でコンプライアンスをしっかり守って、さらに、コンプライアンスを守らせるような、そういう仕組みができるように是非お取り組みをいただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
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直嶋正行#16
○直嶋正行君 民主党の直嶋でございます。
 今日は、せっかく一般質疑でお時間をいただきましたので、原子力の問題について、宮沢大臣や田中原子力規制委員会委員長中心に御所見を幾つか伺っていきたいと思います。
 まず、原子力を考える場合にやはり触れなきゃいけないのは、あの福島第一原発の事故だと思うんです。それまで政府は、原子力については、科学的見地に立ってきちっと安全対策をしているので安全であるということを一貫して言ってきました。絶対安全だと言う人もいたと思うんですが。しかし、残念ながら福島で三基の原発がメルトダウンを起こすという大変大きな事故が起きてしまったと。これは、私も原子力行政に関わった一人としてもう痛恨の思いであります。まだ福島では、申し上げるまでもなく、汚染地域の放射線量が下がらないとか、汚染水や汚染土の処理も未解決のままでありますし、廃炉に向けて、四十年ぐらい先と言われていますが、私が見る限り気の遠くなるような作業を、あるいはその努力を続けているというのが実情であります。
 昨日、報道によりますと、川内原発の再稼働がかなり大詰めに来ているという報道もございました。ただ一方で、やはり原子力に対する国民世論は非常に厳しいと言わざるを得ないと思うんです。今でも、やはり各種世論調査見ますと、若干の数字の違いはあっても、六割ぐらいの方が原発の再稼働に反対している、そういう状況でありまして、原子力を利用していくことについて国民の理解が得られている状況とはとても言えない、こういう状況だと思うのであります。
 そこで、まず最初に、この福島の事故の受け止めと、今申し上げた、国民の過半の皆さんが反対をしている、こういう現実を経済産業大臣としてどのように受け止めて、これからどう対処されようとしているのかを宮沢大臣にお伺いをしたいと思います。
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宮沢洋一#17
○国務大臣(宮沢洋一君) 福島の事故につきましては、まさにあってはならないことが起こってしまったわけでございます。大きな、そして多くの反省がございます。そしてまた、今なおいわゆる原発の被災地からだけで八万人に近い方が避難生活を余儀なくされているということは、本当に申し訳なく思っております。
 一方で、今いろいろ世論調査をいたしまして、原発の再稼働について反対の方が多いということは承知をしております。やはり、四年前のあれだけ大きな惨事が国民の皆様の頭から離れないということ、更に言えば、まだ避難を余儀なくされている方がたくさんいらっしゃるということ等々、いろんな意味で再稼働に反対する方が多い原因になっているんだろうというふうに思っております。
 ただ一方で、例えば原発再稼働についてはそういう世論調査でありますけれども、まだ世論調査はされていないものも、例えば温暖化目標につきまして、今、二六%、二〇一三年比減ということで作業を進めているわけでありますけれども、これについて世論調査をすれば、二六%ではまだ足りないというような御意見が恐らく世論としては多いんだろうと思いますし、また、今回のエネルギーミックス策定に関しては、電力料金を現状よりは下げるということを目標にエネルギーミックスを策定いたしましたけれども、世論調査をすれば、もっと電気料金は下がった方がいいと、こういう御意見が恐らく多いんだろうと思います。
 再稼働をしない、そして温暖化目標を二六%以上に高める、また電力料金を相当下げるということは、実はこれは恐らく可能ではない選択肢でありまして、そういうことをしっかりこれから私どもが国民の皆様に説明していくということが大変大事なことだろうというふうに思っております。
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直嶋正行#18
○直嶋正行君 いろんな調査で必ずしも整合性が取れる結果が出るわけじゃないんですけど、おっしゃった部分もあるかもしれませんが、一方で、やはり四年たって、なおかつこういう非常に根強い反対があると。今お触れになったエネルギーミックス等も後ほど議論させていただきたいと思っておりますが、そういう状況で、原子力の話と、その世論の形成にもかなり影響していると思うんですけれど、当面この原子力を使う、今後使う使わないということとは別にしまして、やはり乗り越えなきゃいけない最重要課題として、いわゆるトイレのないマンションと、こう言われておりますが、放射性廃棄物の処分の問題があると思うんです。
 先週閣議決定をされて高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針を発表されましたが、これで具体的なことがすぐに進むわけではないと思うんですね。この辺の話は後ほどちょっと一緒にお伺いしたいと思うんですが、取りあえず、この段階で、先ほど申し上げたトイレのないマンション状態と言われていることに関して、先ほど申し上げた世論の動向等を含めて大臣の御認識を承りたいと思います。
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宮沢洋一#19
○国務大臣(宮沢洋一君) ともかく早くトイレを造らなければいけないということは間違いないわけでございまして、そういう観点から、二〇〇〇年に最終処分法が施行されましたけれども、残念なことに処分地選定の最初のプロセスであります文献調査にも着手できていないというのが今の状況でございます。こうした状況を反省いたしまして、一昨年から最終処分政策の抜本的な見直しに向けた検討を行いまして、今般、最終処分法に基づく基本方針を七年ぶりに改定したところでございます。
 この基本方針では、これまでのいわゆる手挙げ方式から転換し、国が前面に立ち科学的有望地を提示するなどのことを方針としております。今後、まず新たな方針として国民や地域の理解を得ていくことが必要でありまして、国として全国各地を訪問いたしまして、地域の方々や自治体に対する理解活動を積極的に展開していく予定でございます。
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直嶋正行#20
○直嶋正行君 今の大臣のお答えも含めて後ほどちょっと議論をしたいと思うんですが、その前にエネルギーミックスの原子力についてお伺いをしたいと思います。
 先般、これは正式決定ではないというふうに聞いていますが、政府が公表されましたエネルギーミックスによりますと、原子力の割合が二〇から二二%という幅の中で示されております。これは近々正式決定に至るんだと思うんですが、時期がかなりずれそうだという話もお聞きしているんですけど、大臣としてはいつ頃にこれを正式に政府としての決定をしていきたいというふうにお考えでしょうか。
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宮沢洋一#21
○国務大臣(宮沢洋一君) 四月の二十八日の審議会におきまして、エネルギーミックスの骨子がまとめられました。そして、その後でありますけれども、まず与党の手続というものは昨日で終了をいたしております。一方で、報告書案というものを審議会で取りまとめていただく作業を今しているところでございます。そして、報告書案がまとまりましたらば、これをパブリックコメントにかけるということをさせていただきます。
 そして、パブリックコメントをいただいた上で更に検討をして最終的なエネルギーミックスが確定するということになりますけれども、パブリックコメントをやはり丁寧にやっていくというようなことを考えますと七月半ば以降に正式に決まってくると、こういうことになろうかと思っております。
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直嶋正行#22
○直嶋正行君 正式決定が随分後ろへずれたなという印象はあるんですが、多分数字は余り変わらないだろうと思いますので、この数字前提にちょっと議論させていただきたいと思いますが。
 今申し上げたように二〇から二二ということなんですが、それで、御承知のとおり、私どもは、三〇年代ゼロにできるように政策資源を集中したいと、こういう考え方でございます。そういう観点からいきますと、二〇一五年、今現在、福島等の原発を除きますと、四十二基一応存在していると、使う可能性のあるものというんですかね、これは廃炉が決めたものも除いております。それで、私どもの仮に方針に基づいて例えば四十年使って廃炉にしていきますと、二〇三〇年で二十一基になります。このときは、ざっと言うと原子力の比率が一五%ぐらいということになります、粗っぽい計算ですけど。
 ということになるんですが、二〇から二二ということになるとやはりそれでは間に合わないということですから、手段としては、例えば新増設するとかあるいは今使っている原発の使用期間をどれか延ばして使っていくと、こういうことにならざるを得ないんではないかと思うんですが。
 それで、大臣は衆議院の委員会で、原発の新増設、リプレースは現時点では想定していないと、こういうお答えをされています。それから、今回のエネルギーミックスについても、新増設、リプレースは想定していないと、こういうふうにおっしゃっています。確かに、今決めても二〇三〇年に間に合わないと思うんですけど。
 ということになりますと、一つこれ確認なんですが、二〇三〇年までの間について原発の新増設、リプレースはお考えになっていないと、こういう理解でよろしゅうございますか。
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宮沢洋一#23
○国務大臣(宮沢洋一君) まず、四十二基というお話がございましたけれども、私どもの計算では、震災前に五十四基ございまして、そのうち福島第一の六基を除きますと四十八基になり、そしてその後、関電等で廃炉の方向を決めた炉が五基ございますので、四十三基ということが考えております。
 そして、今の御質問にお答えいたしますけれども、衆議院でもお答えいたしましたように、現段階で新増設、リプレースは想定しておりませんし、また今回のエネルギーミックスにおいても新増設、リプレースというものは想定しておりません。
 したがって、やはりまず、これは民主党時代に作られた原子炉等規制法でございますけれども、四十年が原則でございますけれども、一回限り二十年を限度に延長を認めているという制度を事業者が希望すれば、そして規制委員会において適合性が判断されればこの再稼働を進めていくということと、もう一つは稼働率を高める工夫をいろいろしていくということを頭の中に描いております。
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直嶋正行#24
○直嶋正行君 今お話しのように、この四十年の使用期限を上限を使って活用していこうと、こういうことなんですが、ざっとそれで私ども計算しますと、さっき一基ちょっと計算は違ったんですけど、大体、能力的に言うと五基から七基、大臣がおっしゃったように稼働率上げると少し変わってくるかもしれません。ただ、どっちにしても二十一、二基のうちの五基から七基を動かす、延長して使うということになると、これは果たして妥当な判断と言えるのかどうかというのは率直に言って疑問がございます。
 元々この原子炉規制法の四十年運転制限というのは、おっしゃったように民主党政権時代ですが、自民党さん、公明党さん含めて賛成をいただいて、与野党協議をして、その上で議員立法の形で国会に提出した法案であります。これは、さっきもちょっと福島の話申し上げましたけど、福島の事故の教訓を生かして、原発の安全性を確保するという観点から、科学的な根拠に基づいて四十年の上限を決めたというふうに私は理解をいたしております。
 したがって、それはさっきもちょっと大臣おっしゃったんですが、要は原則は四十年で、例外なんだと、私はそういうふうに解釈しているんですけど。例外規定を積極的に活用していくということになると、これは立法上の趣旨、それから、そもそも始めた経緯からいってやはり逸脱することになるんではないかというふうに思いますし、好ましいことではないと、こういうふうに思うんですが、大臣、そこはどうなんでしょう。
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宮沢洋一#25
○国務大臣(宮沢洋一君) まず、四十年を超えて延長するかどうかを決めるのは事業者ということになるわけでございますけれども、事業者がそれぞれの判断で、例えば関電は判断を既にしたわけでありますけれども、判断で延長を希望し、そしてそれを規制委員会に審査をお願いするというのは法律上書かれていることでございまして、原則とか例外ということではなくて、法律上のある意味では権利だろうというふうに思っておりまして、それを私どもが止めるということは権限的にはあり得ないんだろうと思っております。
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直嶋正行#26
○直嶋正行君 法律上は大臣がおっしゃったことなのかもしれませんが、しかし、これは政策的にいっても、まして先ほど議論させていただいたように、世論の皆さんは、まだ動かすことにすら反対しているというのがマジョリティーなんですよね。そういう中で果たしてこういうことをやっていくというのが本当に、さっき大臣がおっしゃった国民の皆さんによく御理解をいただいてということになるのかどうかなんですが、私は政治的にも非常にこれは難しいんじゃないかと思うんですけど、いかがなんでしょう。
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宮沢洋一#27
○国務大臣(宮沢洋一君) 委員と私の恐らく一番の立場の違いはそこだろうと思っておりますけれども、私どもの政権におきましては、四十年を超える炉も含めて、規制委員会で適合と認められた炉については再稼働を進めていくというのが私ども政府としての方針でありますし、また、そういうことを衆議院選挙の公約にも書かせていただいて、三百議席近い議席をいただいたというのが私は事実だろうと思っております。
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直嶋正行#28
○直嶋正行君 ちょうど福島の事故の後ですが、この法案でいろんな議論があったんですが、一番は、四十年で止めて、四十三条の三の三十二の二項なんか要らないと、こうおっしゃったのが公明党の皆さんですね。それから、もちろん私どもも、当時担当が細野大臣だったと思いますが、しっかり四十年ということで申し上げてきたと思うんですが。
 これ、高木副大臣、ちょっと事前に通告はしなかったんですけど、もし何かコメントを聞かせていただけるんでしたらお願いをいたします。
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高木陽介#29
○副大臣(高木陽介君) 今委員御指摘のように、三・一一が起きまして、国民の大半の皆様方は、原発に対しての危険性又は安全性の問題、いろいろと議論があったと思います。そういった流れの中で、当時は民主党の政権でございましたが、新しい第三者機関として規制委員会をつくると。そういった中で、当時、ちょうど二年半前の衆議院選挙でございましたけれども、そのマニフェストの議論の中で、私どももこの四十年というものをしっかりと厳守していこうと、そういう考えを持ちました。
 しかしながら、その後、規制委員会が新たな基準を作り上げましたので、この基準に基づいて原発というものが動いていくと。この原子力規制委員会の作り上げた新基準は、あらゆる分野においてその安全性を確認していくという世界で最も厳しい基準になっているという、こういう認識でございます。
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