資源エネルギーに関する調査会

2018-04-11 参議院 全98発言

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会議録情報#0
平成三十年四月十一日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十日
    辞任         補欠選任
     矢田わか子君     浜口  誠君
     杉  久武君     竹内 真二君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     浜口  誠君     宮沢 由佳君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         鶴保 庸介君
    理 事
                赤池 誠章君
                石井みどり君
                渡辺 猛之君
                浜野 喜史君
                山添  拓君
                儀間 光男君
    委 員
                青山 繁晴君
                井原  巧君
                石田 昌宏君
                島田 三郎君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                藤木 眞也君
                森 まさこ君
                渡邉 美樹君
                礒崎 哲史君
                長浜 博行君
                浜口  誠君
                宮沢 由佳君
                森本 真治君
                竹内 真二君
                三浦 信祐君
                市田 忠義君
                山本 太郎君
                中山 恭子君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        山内 一宏君
   参考人
       特定非営利活動
       法人国際環境経
       済研究所理事・
       主席研究員    竹内 純子君
       龍谷大学政策学
       部教授      大島 堅一君
       特定非営利活動
       法人日本水フォ
       ーラム代表理事  竹村公太郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○原子力等エネルギー・資源に関する調査
 (「新たな時代に向けた我が国の資源エネルギ
 ー像」のうち、我が国の資源エネルギー戦略(
 資源エネルギーをめぐる諸問題))
    ─────────────
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鶴保庸介#1
○会長(鶴保庸介君) ただいまから資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、杉久武君及び矢田わか子君が委員を辞任され、その補欠として竹内真二君及び浜口誠君が選任されました。
    ─────────────
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鶴保庸介#2
○会長(鶴保庸介君) 原子力等エネルギー・資源に関する調査を議題といたします。
 「新たな時代に向けた我が国の資源エネルギー像」のうち、「我が国の資源エネルギー戦略」について調査を行うに当たって、本日は「資源エネルギーをめぐる諸問題」について参考人から意見を聴取いたします。
 御出席いただいております参考人は、特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事・主席研究員竹内純子君、龍谷大学政策学部教授大島堅一君及び特定非営利活動法人日本水フォーラム代表理事竹村公太郎君でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ本調査会に御出席をいただきまして誠にありがとうございます。
 皆様方から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 議事の進め方でございますが、まず竹内参考人、大島参考人、竹村参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、竹内参考人からお願いいたします。竹内参考人。
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竹内純子#3
○参考人(竹内純子君) 御紹介いただきましてありがとうございます。私、国際環境経済研究所あるいは幾つかのシンクタンク、大学等でエネルギー・環境問題を研究しております竹内と申します。今日は貴重な機会を頂戴いたしまして、ありがとうございます。また、ちょっと体調を崩しまして、ちょっと多分お聞き苦しいところがあろうかと思いますけれども、御容赦をいただければ幸いでございます。
 私からは、日本のエネルギーミックスをめぐる諸問題と題しまして、長期的なエネルギーのトレンドあるいは基本的な考え方、世界の潮流も含めた上で、エネルギーの動向というようなところをお話をさせていただきたいと思います。
 まず、早速入っていきたいんですが、これから日本のエネルギーというのは激変をいたします。どう変わるかは分からないけれども、大きく変わることだけは間違いがない。その変化をもたらすトレンドを、私、昨年九月に上梓いたしましたこの「エネルギー産業の二〇五〇年」という本の中で、四人の共著なんですけれども、五つのDということで整理をさせていただきました。
 まず一つ目のDが、ディカーボニゼーション、脱炭素化でございます。これはもうパリ協定という国際的な枠組みだけではなくて、民間企業が今、低炭素化ということに向けて動き出しております。ただ、大幅なCO2削減、これには実は技術的なオプションというのはそれほどございません。
 エネルギーの全体像をまずお話しさせていただきますと、日本で今使用されているエネルギーの三割程度が電力で、あとの七割というのは非電力。要は、例えばガソリン車でガソリンを燃やす、あるいは工場のボイラーをたく重油、そういった直接燃焼と言われるものが七割を占めております。
 この直接燃焼から出るCO2を減らすには、二つ。一つは高効率化、二つ目は使用抑制ということになりますが、高効率化は今までもかなり進められておりますし、これ以上なかなか難しいところもある。もちろん、これからもやるんですが、難しいところもある。使用抑制となると、これは国民生活への抑制あるいは負担ということになる。
 これを踏まえまして考えると、有力な手段としては、実は二次エネルギーと言われる何かからつくるエネルギー、要は電気あるいは水素というのは何かからつくるエネルギーで、つくり方によっては、要は再生可能エネルギーあるいは原子力等でつくりますとCO2を出さずに得ることができるエネルギー、これを活用するということでございます。
 ただし、水素というのも期待されるエネルギーではある一方で、今のところですが、配る、送るためのインフラがないので、今、世界各国は、要は直接燃焼で使っている部分のエネルギーを電化する、例えばですけれども、ガソリン車を電気自動車にする、そうした上で掛け算として電源の低炭素化、これを図る。この掛け算というのが一つ世界の大きな潮流となってきます。
 ですので、最終エネルギー消費というエネルギーの全体像は減るんですけれども、これから二〇五〇年に向かって大幅な脱炭素化をするとなると、実は電力需要というのは増えていくということが予想されます。この本の中でも、人口減少や省エネを踏まえた上でも、要は人口減少、省エネといった減少トレンドを踏まえても、二、三割、現在と比べて電力需要が増えるのではないかということを予想をしました。
 二点目のDが、人口減少、ディポピュレーションでございます。
 人口減少、過疎化というのはこれから急速に日本の中で進む、二〇五〇年までに現在の居住区の六割以上で人口が半分以下になるという見通しを国土交通省さんも出しておられる。こうなると何が起こるかというと、全ての社会インフラ、道路、交通、水道、行政サービス等が維持が困難になるわけでございますけれども、電力でいえば、特に全ての送配電線、これが赤字路線化をするというおそれがございます。今、送電線、配電線というのは、大規模電源で発電をして送って、その売った売上げで投資を回収しているという形なんですが、この人口減少が進むと、今まで三千人の村だったのが例えば三百人になるとか、そういうことになりますと、売れる電気の量、当然減ります。投資回収がどんどん難しくなるということが起きてくるということでございます。
 三点目が、ディセントラライゼーション、分散化でございます。
 この分散化というのは、実は太陽光発電、風力発電、もちろん皆さん再生可能エネルギーというふうにお呼びだと思うんですけれども、あちこちに分散して置かれるので分散電源ともいう言い方をします。こうした今までの大規模集中電源から分散した発電あるいは蓄電という形のものが導入されるということは、これは世界的な潮流でございます。日本でも当然分散化というものは進むわけですが、まず、日本の再生可能エネルギーの普及拡大をするには、諸外国の数倍に高止まりをしているこのコストを引き下げるということ、これが非常に大きな課題でございます。
 ただ、ここでちょっと申し上げておきたいのは、分散電源や蓄電池の導入というのは、政策的な措置をすればある程度進みます。日本も、フィードインタリフ、全量固定買取り制度を二〇一二年に導入してから、日本は再生可能エネルギーまだまだ遅い遅いと言われながらも、太陽光発電、これ、世界に例を見ない勢いで急速に普及をいたしました。今、OECD加盟国中、発電量でいえば第二位ということでございます。
 こうやって政策的な措置をして分散電源を導入するということはある程度できるかと思うんですが、この上で考えなければならないのが、実は安定供給を確保するには従来型電源、送配電網を適切に維持をしなければならない。分散化を進めるという方に政策の目は向くんですけれども、逆にその調整役を担う方をどう適切に維持するかというところを見落としがちなので、諸外国もここの制度設計がおろそかになって後で苦労するということが実は起きております。
 というのは、四点目に書いております自由化、ディレギュレーションの世界に調整役を担う火力発電は既に置かれているということなんですね。再生可能エネルギーの調整役を果たす火力発電というのは、自由化市場に置かれている。自由化というのは、要は経済性で勝つ事業者が勝者として生き残って、敗者は市場から出ていってくださいという、そういう制度です。
 ただ、エネルギー政策というのは、経済性だけではなくて、安定供給や環境価値、こういった価値を含めて、バランスを取って考えなきゃいけない。どういう方向に誘導するのかが非常に難しい。調整する役回りを担う火力発電を自由化市場に置いて、自由化直後というのは、まだこれまでの総括原価の下で培った設備がありますので、設備がある意味だぶついている状況でございますので問題が顕在化するということはなかなかないんですが、時間がたつと顕在化してくる。これが自由化と先ほどの分散化というようなことが相まって、これを同時に進めた欧米諸国、特にその目配りが、送配電網、従来型電源の維持というところに目配りが十分でなかった欧米諸国が今この問題に直面しているというところでございます。
 そしてまた、自由化のところで考えなければならないのが原子力。自由化市場ではやっぱり民間事業者が原子力事業にチャレンジするということは基本的になくなるということで、もし国にとって原子力が必要だということでありましたら、こうした点を補完する制度設計が必要になるということでございます。
 そして、最後のDが、デジタライゼーション、デジタル化ということでございます。
 デジタル技術の進歩によって、特に計量や課金の仕組みが非常に安価、手軽になりました。こうなると、例えば自宅の太陽光で余った電気を自宅の前に設置した電気自動車のチャージャーで人に売るというようなこともどんどんできるようになっていく可能性はあります。今はちょっと計量法の縛り等もございますのでどこまでできるか不明ですが、エネルギービジネスの在り方というのは大きく変わるということが予想される。
 これが五つのDで整理をさせていただいた大きな潮流ということでございます。
 これからのエネルギーミックスをどう考えるかというところに話を移してまいりたいと思いますが、まず考えなければならないのは、時間軸の問題でございます。
 実は、エネルギーのような大きな社会インフラを変えていくというのは、非常に大きな長い時間が必要となります。二〇三〇年、日本はパリ協定の目標を二〇三〇年の目標として出しておりますが、あと十二年、エネルギーのインフラを入れ替えるという点では十分な時間とは到底言えませんので、パリ協定に提出した日本の温室効果ガス削減目標を国内で達成するということでありましたら、原子力の再稼働次第ということになるというふうに言えると思います。ただ、二〇五〇になると、十分とは言えないまでももう少し時間的猶予がある、かつ、多分非連続な変化が起こってくるというようなところが予想をされてまいります。
 さて、次に、エネルギーミックスの考え方という点で基本的なところ、これを皆様、釈迦に説法ではございますけれども、お話し申し上げたいと思います。
 その際に重要な考え方というのは、各エネルギー源が抱えるリスクというものはそれぞれあるということでございます。原子力は、もう顕在化をしております事故のリスク、災害のリスクというようなところもございますし、ではそれ以外のエネルギー源がリスクがないかというとそんなことはなくて、再生可能エネルギーでいえば天候がどう振れるかというようなリスクもございますし、化石燃料には国際市場の燃料価格のボラティリティーですね、変動を含む地政学のリスクといったようなものも当然ございます。
 エネルギーミックスを強靱にするということは、これ、政治の責任として当然考えなければならないことでございまして、リスクを勘案したポートフォリオを考えるというようなことが重要になってこようかと思います。
 見落とされがちなリスクというのは、非常時明らかになります。東日本大震災を含めて、今までの経験に学び尽くすという必要がございますけれども、例えば、東日本大震災直後、東京電力管内では計画停電が実施をされました。
 皆さん、福島原発の事故に目をとらわれがちですし、あの計画停電でもう大規模集中電源駄目だ、システム改革だという議論になったわけですが、実は東京電力の火力発電所は太平洋側に広く点在させていたわけです。福島県にある広野火力と茨城県にある鹿島火力、百五十キロぐらい離れております。これが同時に被災をした。
 本来であれば、日本海側に分散させておいた柏崎刈羽原発が動いていればあのような事態にはならずに済んだんだと思いますけれども、あのとき地理的リスクを分散させておいたにもかかわらず、それをうまく生かすことができなかった。やっぱりこうした災害のリスクという、地理的な分散が必要であるということも考えなければならない。
 特に、例えば再生可能エネルギーで地産地消にしていた場合、自然災害でその地域一帯が災害に見舞われた場合に、復旧にエネルギー源ないというようなことにならないようにもしなければいけない。いろんなことに、やっぱりリスクに目配りをするということが必要になってこようかというふうに思います。
 こういうリスクの在り方、ここら辺は震災から七年たってもまだ我々対応できていないところが多分にある。今年も関東圏内、かなり需給逼迫ということで供給が危ういという時間帯ございました。これは火力発電所が幾つかトラブルに見舞われたということもありますけれども、太陽光発電の上に雪が積もって数日間発電が全くできなかったというようなこと、こういったこともあったわけです。こういうようなことを、そのリスクというようなものをいろいろ併せ考えておく必要があるということを申し上げたいというふうに思います。
 将来のエネルギーを考えるときに鍵となるのが原子力というようなことは、これはもう皆様お疑いのないところであろうかというふうに思います。日本のエネルギーの将来というようなことを考えたときに、もし原子力も必要だということであれば、人材あるいは技術を維持するということが必要になってまいります。諸外国においても、エネルギーのナショナルリスクを考えた上で制度措置を行っている。イギリスは事業予見性の確保をするような買取りというような形に近いもの。米国はあれだけ化石燃料に恵まれながらも全方位政策をやると。英、米、カナダとも、安全性や廃棄物の問題の少ない次世代原子力の技術開発戦略というのを描いて将来を見据えているというようなことで、各国の状況というもの、これは国によって異なるというところでございます。
 原子力の経済性についてでございますけれども、高い安いというのは実は比較論でございます。化石燃料が高くなれば相対的に安くはなる。蓄電の技術開発によっても異なる。特に、電源のコストというのは国ごとに条件も異なりますので、実は単純比較というのは結構困難ではございますが、新設原子力については、実は確かに諸外国で一部コストの増大が指摘をされております。これは、OECDもその要因を分析をしておりますけれども、新型炉へのチャレンジ、あるいは数十年開発をしていなかったことによるサプライチェーンの喪失といったようないろんな要因が相まっている。ただ、それが全部ではなくて、中国や韓国等では新設原子力であってもコスト増は確認をされていないというようなところがございます。
 既設の原子力でございますけれども、これにつきましては、燃料コストがほとんど掛からないので、相当の競争力を持つというようなところでございます。ただ、ちょっと再稼働に至るまでの時間等も相当掛かってきておりますので、規制行政の在り方、これを問われているというようなところであろうかというふうに考えます。
 最後に、日本の議論に今何が足りないのかというようなところを申し上げて、私のお話を終えたいと思いますけれども。
 今、日本のエネルギーに関する議論に何が足りないかといえば、我が国なりのリスクのポートフォリオ、これを描くことではないかというふうに思います。そして二点目として、移行のシナリオを描くこと。これ、既にある社会インフラをその安定性を保ちながら新しいものに差し替えていくということは、これは非常に難しい、かつ時間の掛かる、エネルギーというのはやっぱり時間が掛かるんだということ。ですので、これが長期的なビジョンなんだということを国民と共有した上で、掛かる時間軸というものも含めた共有というようなことが必要になろうかというふうに思います。
 特に、これからはエネルギー等、例えば再生可能エネルギーの不安定性を吸収する役者として電気自動車に備えられたバッテリーが活躍する、こういう時代も来るかもしれません。そうなると、エネルギーをエネルギーとして考えるのではなくて、モビリティーと融合させながらエネルギーを考えていく、こういったことも必要になってまいります。
 政治の在り方、行政の示す示し方の果たすべき役割ということも考えなければならない。そういったあるべき絵姿に向けて適切なモチベーションを与えること、予見可能性を確保して事業者に安心して事業に取り組んでもらうというようなこと、規制の在り方など、政府、政治あるいは行政がどういうふうに関与するかについても議論を深める必要があるだろうというようなことを最後に申し上げて、私のお話とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
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鶴保庸介#4
○会長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
 次に、大島参考人にお願いいたします。大島参考人。
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大島堅一#5
○参考人(大島堅一君) 龍谷大学政策学部の大島と申します。このような機会をお与えいただきまして、本日はどうもありがとうございます。心より感謝申し上げます。
 私は、環境経済学、環境政策、エネルギー政策を二十五年ほど研究してまいりました。また、原子力市民委員会という民間の組織の座長もしております。
 本日は四点申し上げます。コンパクトに、かつ丁寧に申し上げます。詳しくは事前の配付資料及び本日の資料を御覧ください。こちらにも映しますが、かなり大きな資料を作っていただいておりますので、そちらを御覧ください。
 二ページ目を御覧ください。(資料映写)
 まず第一点目。現在、政府においてはエネルギー基本計画を作成しているところであります。しかし、その策定プロセスがあべこべ、ないしちぐはぐになっているのではないかということを申し上げます。二点目。発電コストを計算する際、最もシンプルな方法を用いて考えますと、現時点で原発は安い電源ではなくなっているということを申し述べます。三点目。電気料金と再稼働との関連について述べます。四点目。政策決定上極めて重要な情報公開について述べさせていただきます。
 四ページ目を御覧ください。
 エネルギー基本計画は、エネルギー政策基本法に基づきまして、二〇〇三年より策定されてまいりました。今次は四回目に当たります。エネルギー基本計画は三年ほどで改定されていくもので、その後に長期エネルギー需給見通し、いわゆるエネルギーミックスや原子力政策大綱などが策定されていきます。
 ここで注目すべきは、二〇〇五年に作られた長期エネルギー需給見通しです。この時点で目標年次が二〇三〇年に置かれております。つまり、中長期的なエネルギー政策の枠組みがつくられ、次に具体的な需給見通し、エネルギーミックスが示されているということになります。
 五ページ目、御覧ください。
 言うまでもなく、新しい政策というのはこれまでの政策の多面的な評価を行ってからつくられるべきです。また、エネルギーに関する利害関係者をまずは除いて客観的評価を行うべきところです。
 六ページ、お願いします。
 つまり、多面的評価を行い、その中で経済的評価を行って、その上で基本計画を作るということ、さらに、それに基づいたエネルギーミックスが策定されるというものでなくてはなりません。これは、エネルギー政策基本法の趣旨にも合致するところであります。
 七ページ目。
 しかるに、残念なことに、前回のエネルギー基本計画では、経済評価をしていないにもかかわらず、原発は安い、運転コストが安価とされて、その後に後付けで計算がされるという手順となりました。これは順番があべこべです。本来ならば、計画策定前に経済性評価を行うべきところでした。
 今回も、二〇一五年に作られたエネルギーミックスを前提に、これを達成するためにエネルギー基本計画を作るという、まさに本末転倒な議論がされています。しかも、目標年次は二〇三〇年にすぎません。二〇〇五年の段階で二〇三〇年でしたので、かなり遅れているというふうに言わざるを得ません。
 八ページ目、御覧ください。
 御存じのように、前回のエネルギー基本計画以降、重要な出来事が多数発生いたしました。パリ協定や東芝の海外原発事業の破綻、原発事故費用の急増、高速増殖炉「もんじゅ」開発からの撤退など、どれもエネルギー政策の根幹に関わる重大なことです。
 九ページ目です。
 本来であれば、エネルギーミックスを前提とせず、二〇五〇年以降を目標にして基本計画そのものを大きく見直すべきときに来ているところであります。
 次に、発電コストについても述べさせていただきます。
 十一ページ目です。
 原発のコスト計算については幾つかの方法がございます。最も一般的なものはLCOE、つまり平準化発電コストというものです。このほかにも実績値の推計がございます。本来、コスト情報が公開されていればこのような計算は必要ありません。
 十二ページです。
 LCOEですが、これは評価時点で原発を新設した場合のコストです。
 十三ページ、御覧ください。
 計算方法は非常に単純でございまして、新しい原発を新設した場合に、四十年間に掛かる費用を四十年間の発電量で割るという方法で計算しております。
 十四ページ目です。
 政府の最新の試算は、先ほど申しました二〇一五年の試算となります。このときの化石燃料価格は非常に高く、原発のコストが相対的に安くなるというふうになっております。今回は申し上げませんけれども、再生可能エネルギーの費用がここでは非常に高く評価されておりますのも特徴でありまして、これは世界の潮流から大きく外れております。
 十五ページ目です。
 しかし、計算方法自体に問題がございます。一つ目は、福島原発事故以降に造られる原発のコストを試算するというものであるにもかかわらず、事故前の原発を建設すること、これに追加的安全対策を施すということを前提としております。
 十六ページ目です。
 世界では、コアキャッチャーをあらかじめ装備するなど、設計段階から安全性を高めることが求められるようになっています。しかし、これは反面、建設コストの上昇を招きます。実際、現在建設予定のイギリスのヒンクリーポイントCという原発では、キロワット当たり百二十万円程度というふうになっております。これは二〇一五年の計算の前提であるキロワット当たり三十七万円の三倍です。アメリカでも二倍程度となっているところであります。日本だけ格安にできると考えるには無理がございます。仮にイギリス並みとすると、資本費は上昇して、発電コストはキロワットアワー当たり十七円となります。つまり、原発は非常に高い電源と評価することができます。
 十七ページ目です。
 事故費用の計算に当たっても重大な問題がございます。一つは、事故発生頻度という概念を使って計算していますが、事故発生頻度を二分の一になったというふうに評価してしまっています。さらに、事故発生頻度を利用しているにもかかわらず、事故費用の絶対額が非常に大きいことから来るリスクプレミアム、これを足す必要がございますが、それを考慮してございません。この辺りは十八ページから二十一ページで説明してございます。割愛させていただきます。
 二十二ページ目ですが、結果的に事故費用を大幅に値引きしております。更に言えば、二十三ページ目でございますが、済みません、急がさせていただきますが、現実の福島原発事故の費用は二十三・五兆円というふうになっております。二〇一五年の計算時の想定は十二兆円でした。
 二十四ページ目です。
 仮に、事故の発生頻度の考え方を取らず共済方式という現実に近い方法での計算を行うと、事故費用はキロワットアワー当たり一・六円というふうになります。したがって、次の表ですが、二十五ページ目ですが、全てのコストを加えると、キロワットアワー当たり十七・六円になります。これは一つの試算にすぎませんが、これでは原発が安いとは到底言えないということになります。
 二十六ページ目ですが、二〇一五年の計算方法は今述べましたように非常に問題が多いということですが、この問題の多い政府の試算方法を用いたとしても、現在、右端の十二・五六円から十五・一四円程度というふうになり、他電源に比べて高くなるというふうに言うことができます。したがいまして、少なくとも経済評価を行わずにエネルギー基本計画を作るべきではありません。経済性評価をやり直し、その結果を国民に示すべきだというふうに考えます。
 二十七ページ目に申し上げます。原発再稼働と電気料金についてです。
 二十八ページ目です。
 一般に、原発再稼働すれば電気料金は下がると言われております。これは正しい見解です。ただし、真理の一面にすぎません。原発再稼働をすれば電気料金が下がるのは事実ですが、原発ゼロイコール原発を廃止すると現時点より電気料金上がるということではありません。イコールではありません。
 二十九ページ目に申し上げます。
 電気料金が下がるのは、二つあります。一つは、右側、再稼働するということです。原発が動いていないので、火力のたき増しがあります。このとき再稼働をすれば、火力のたき増し分が減ります。それが電気料金が下がる原因です。
 次に、再稼働ではなく原発廃止した場合どうなるでしょうか。すると、左側のように原発維持費が減ります。その分、電気料金の原価が減ります。どうしてそうなるのか。それは、現在、廃炉決定していない原発が、稼働していないにもかかわらず維持するための費用が掛かっているからです。
 では、右と左、どっちが安くなるのか。これは、そのときの火力燃料費や電力会社の電源構成で変わります。一概には申し上げられません。ですが、右左どちらでも電気料金は下がるということを念頭に置いていただければと思います。
 三十ページ目。
 これは再稼働して電気料金が下がった関西電力の場合の資料でございます。
 三十一ページ目。
 このときに出された資料を基に関西電力について試算してみました。ここでは、再稼働や廃止した場合に、これに応じて変化する原価のみを計算しております。同じことは関西電力も行っております。
 高浜三、四号機再稼働で値下げしたのは二〇一七年で、一番左の数字です。これは九千九百億円ということになります。仮に、大飯三号、四号機を再稼働すると、更に下がり九千二百六十七億円になります。この分値下げになります。さらに加えて、高浜一、二号機、美浜三号機、全てで原発を再稼働すると八千七百九十九億円となります。原発廃止のケースは一番右です。この場合八千五百六十九億円となりまして、原因は原発維持費が下がるためになります。つまり、最も電気料金は下がるということになるのではないかと思われます。結果的に、高浜三、四号、大飯三、四号機再稼働だと大体七・三九%値下げ、全部再稼働だと九・六九%の値下げ、これに対して原発ゼロだと一〇・八二%だと考えられます。
 ただし、これは注意点がございます。この試算は、あくまで二〇一七年値下げ時に関西電力によって公表された数値を基礎にしているという点です。現時点で依拠できる数字はこれしかありませんので、正しい計算はこれ以外の数字が明らかになれば可能となります。
 はっきり言えることは、再稼働して電気料金が下がるということ。加えて、原発廃止、原発ゼロにしても現行より電気料金は下がるということです。電力会社が再稼働を強調するのは多少理解できますが、本来、中立公正であるべき政府が原発ゼロでの電気料金を示さないのはいかがなものかというふうに考えています。
 次に、三十二ページ目、現実のコストデータについてです。
 三十三ページ目です。
 これまで述べてきましたが、原発のコストが現実に幾らなのかはっきりすれば、試算する必要はございません。ですが、三十三ページ目で挙げた費用が実ははっきりしません。
 三十四ページ目です。
 福島原発事故の費用も根拠も具体的に示されておらず、今後幾らになるか分かりません。
 三十五から三十七ページ目は、廃炉のための積立て、再処理のための拠出金。これは国民、電力消費者から広く徴収されています。このための単価は省令に基づいて計算しているというふうに説明されています。しかし、本当に現実に幾らなのか、これについては全く明らかにされてございません。
 三十八ページ目。
 情報公開の在り方はエネルギー基本計画にも書かれてございます。第三者が独自の視点で整理するとまで書かれております。しかし、このようなことは全くされたことはございません。むしろ、二〇一六年暮れに東京電力福島原発事故のコスト負担の在り方を検討した東京電力・1F問題委員会というのがございました。このとき、これは、この会議は非公開で行われました。情報公開とは正反対のことが行われております。
 原発のための様々な費用のための措置で本当に費用は足りるのか、お金が足りるのか、足りなかった場合どうするのか、これは国民的な関心事でありますが、議論すらできない状況です。国の予算ではございませんので、このままでは国会でも直接審議されることもございません。しかしながら、国は現実に原子力に強く関与しています。国民が隠れた形でコスト負担も行っています。そうであれば、正確なコスト情報を公開することが強く求められます。
 情報を分かりやすく出すのが情報公開ではございません。情報をアクセスしやすい形で全て公開する、検証可能にするというのが情報公開です。これを進めなければ適切なエネルギー政策が形成できないのではないかと強く懸念するところです。
 以上、駆け足で四点述べてまいりました。国会の先生方におかれましては、これからのエネルギー法制度の策定に当たって御考慮いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 以上、ありがとうございました。
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鶴保庸介#6
○会長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
 次に、竹村参考人にお願いいたします。竹村参考人。
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竹村公太郎#7
○参考人(竹村公太郎君) ありがとうございます。竹村でございます。
 私は、現在、NPOの日本水フォーラムの代表理事を務めさせていただいております。十六年前まで、国土交通省の河川局長を退官しまして、今はもう完全に気分は民間人でございます。
 本日は水力発電についての活用策ということでお話しさせていただきますが、私はずっと河川をやっていました。河川とダムをやっていました土木エンジニアです。土木技術者です。そのために、最初から水力へ行ってしまうと我田引水のような話、イメージを持たれてしまうといけないので、私は、なぜ水力が大事だという考え方を今日プレゼンするかというところに至った考え方を簡単にお話しさせていただきます。(資料映写)
 これが経産省が、二ページ目ですけど、経産省が発表している世界各国のエネルギー自給率でございます。
 この図はちょっと八百長でして、日本が大きくしているんですね。韓国が一八%だけど、日本は六%なんですね。本当はこれを韓国の三分の一にしなきゃいけないんです。何でこんなことをしているのか全く分からないんですけど、私は。本当に分からないんです、これは。韓国の三分の一なんです、日本のエネルギー自給率は。
 この六%の文明国は必ず滅びます。これは歴史を見ると、エネルギー自給率六%の文明は必ず滅びるんです、歴史的に見ると。ということを、世界の歴史といっても皆さんぴんとこないから日本の歴史で簡単に言いますと、この図がコンラッド・タットマンが作った日本の森林伐採の図です。真ん中の真っ赤っかのが奈良時代後半の森林伐採エリアです。つまり、奈良時代、奈良盆地でもう木がなかったという証拠なんです、これは。紫のところが戦国時代に木を伐採した、能登半島、伊豆半島まで来ているんですね、なかったということなんです。つまり、戦国時代、もう関西には木がなかったということです。イメージとしてはこんなふうなことです。
 これは比叡山です。これが高松です。実は、青森から、これは私、恣意的にこれを持ってきたんじゃなくて、青森から九州まで、昭和年代、丸裸でした。これは、もしどうしても青森の丸裸の写真見たいというなら、私に言っていただければお渡しできます。
 これ、日本全国が丸裸だったんです。なぜかというと、全てのエネルギーを、化石エネルギーを戦争に投入したからです。これは昭和天皇のお話で「昭和天皇独白録」という、今でも売っております、文春文庫で。さきの戦争は石油で始まり石油で終わったという、天皇の侍従たちにお話ししたことが文春文庫できちんと書かれております。
 つまり、あの戦争は石油戦争だったと。陸軍の統帥権がどうのこうのという人間模様で語られますけど、私は基本的にエネルギー戦争だったと。あのインドネシアの石油が欲しかったんです。ヒトラーはバクーの発電所が欲しかったんです。バクーの石油が欲しかったんです。結局、日本は当時はアメリカに頼っていましたので、当時の日本の自給率は、石油の自給率は七%でした。ちょうど今と同じです。この七%の日本が、アメリカに首を絞められて窮鼠猫をかむ形で戦争に突入してしまったということでございます。
 これが、現在、経産省のホームページ見て皆さん御承知だと思いますけど、エネルギー可採年数、石炭があと百年、石油があと五十三年、ガスが五十六年。三・一一以前は、この石炭が三百年ぐらいだったんです。三・一一以降は百年になっちゃいました。あっという間に、急激に石炭が少なくなっています。つまり、今生まれた赤ちゃんが五十歳になったときには、もう石油とガスがないんです、この日本は、このデータに基づくとですよ。私じゃないですよ、これはエネ庁の判断ですから。つまり、今生まれた赤ちゃんが五十歳になったときは、途方もない大混乱の文明になっているということが想定できます。
 一つの証拠が、これはスタンフォード大学のエイモス・ヌル教授が巨大油田の発見の経年経緯を、経過をやったんですが、この一九六五年、一九六五年が重心ですから、もう巨大油田は一九六五年に人類は発見し終わったということが言えます。もう既に、血眼になっていますけど、発見されておりません。
 次、この図が各国の石油産出と消費の図なんですけど、世界で一番石油産出が多いのはアメリカです。これは、皆さんが意外とびっくりされると思いますけど、アメリカです。そして、一番使っているのもアメリカです。これ見ますと、今石油が余っているというのは、ロシア、そしてイラン、イラク、サウジ、UAE、クウェートです。ですから、この非常に極めて厳しいところが石油が余っていて、それを私どもがどうにかしてもらっているという実情です。
 つまり、これからの石油とガスの取り合いは、アメリカと、アメリカはもう需要量大きいですから輸入していますので、アメリカと中国と日本とEUが化石エネルギーの取り合いをするというような状況が十分考えられるわけです。
 で、私どもは一体どうしたらいいんだと。太陽エネルギーしか私はないと思っています。太陽エネルギーは無限で膨大です。もう無限で膨大と言っていいです。でも、決定的な弱みがあります、この太陽エネルギーには。単位面積当たりの密度が薄いんです。どうやってこの単位面積当たりの薄いエネルギーを集めるかが実は各技術開発の焦点ですが、いよいよ水に、水力に入っていきます、これからは。
 これは国土交通省が作っている国土の分布図でございますが、真ん中が国土のシェアですけど、左右に人口だとか資産が書いてありますけど、国土交通省の河川局が作ったグラフは、これは何かといいますと、日本の七〇%は山だと、で、高台がちょっとあると。高台というのは、大体、今、国会があるような、こんな台地ですね。で、一番下の方に低平地があると。ここがいつでも水害が起きるよ、そこに人口の五〇%と資産の七〇が集中しちゃったと。こんな危険な先進国はないんですけど、こんなふうな危険なんだよという説明なんですけど、逆に見ますと、逆にこの図を見ますと、僕たちの大都会の背後には山が控えているということなんです。
 山は何かというと、単位面積当たり薄いエネルギーの水、これは雨もそうですが、雨も単位面積当たりが薄いんです。下町にばしゃばしゃ降っても、水があふれるだけで、何にもエネルギーじゃありません。この雨が山に降ることによって、この雨が山、山岳地形によって集められて、大都会に供給していく、つまり電気として供給されると。つまり日本列島は太陽エネルギーに囲まれた国なんです。それを最初に言ったのはグラハム・ベルです、明治時代に。
 その話はちょっと先へ置きまして、次のこの図なんですけれども、じゃ、なぜ水力発電が各電力会社撤退しちゃったか。高いからです。これが三・一一以前のデータです。電事連のデータです。三・一一以降はいろんな数字が出ちゃっていまして混乱していますので、三・一一以前にいわゆる電事連が何を考えていたかよく分かるんですけど、水力はこんな高いよと、ほかの石油、石炭、LNG、そして原子力、こんなに安いよと。だから、もう十三円も、こんな三〇%も高いんじゃやっていられないということで、各電力会社は水力発電から撤退しました。
 でも、この中の燃料費のシェア見てくれということなんです、この図は。つまり、水力はただなんです。ところが、これから石油、石炭、LNG、原子力はちょっとパスしまして、この三つの化石エネルギーは止めどもなく高くなっていきます。この十年、二十年じゃないんです。五十年後にもう可採なくなるんですから、簡単に取れる石油、ガスが。ということは、途方もなく膨大にこれが価格が上昇していくという前提となると、これを今のうちにただの水力をやっていくのが一番ベストだねというのが私が考え方です。
 ただし、日本列島は非常に弱点を持っています。滝のような川なんです。大体、世界の川と比べてみましても日本の川は滝のようでして、そうですね、多摩川ですと、東京の多摩川ですと、上の日の出で降った雨が大体その日のうちに東京湾に帰っちゃいます、日帰りです。一番大きい利根川であっても、みなかみ町でばあっと降った水が銚子に出てくるのに大体二泊三日ぐらいですね。それしかいてくれないんです、日本国内に。だから、雨が多い雨が多いというのはあれうそなので、あっという間に海に戻ってしまう雨しかないんです。
 それをためておくのが実はダムなんだよということでございます。ですから、ダムは太陽エネルギーの貯蔵庫なんです。それを言うと環境の方に非常に、竹村また嫌なことを言うと嫌がられているんですけど、私は本気でそう思っていますので、このダムがあるからこそ、水をためて、それを使い勝手のいいエントロピーの小さいエネルギーにできるんだということでございます。
 整理しますと、日本の水力発電は、これはちょっと論理が飛んで申し訳ないんですけど、日本はアジア・モンスーンの北限にあって、非常に水が多いんです、世界的に見ても。地理は、周りに海に囲まれていますので、海に囲まれているというのは太陽エネルギーの原資である水に囲まれているということです。そして、地形としては七〇%の山地で、日本列島そのものがエネルギーを集める装置なんだということです。
 社会的な平等な脊梁山脈、これは何かと申しますと、北海道から九州まで脊梁山脈がありまして、全ての市町村に川があるんです。こんな国はないんです。全ての市町村に流れている水があるんです。それは全部エネルギーなんです。ですから、全ての市町村にエネルギーがあるということは、こんな公平な国家はないと断言できます。もちろんカナダとかそういうところはありますけど、それは山岳地帯にあるんであって、日本のような全ての市町村に流れている水があるなんということはないんです。
 そして、貯蔵装置としては、ダムは太陽エネルギーの貯蔵庫ということで、過去、先輩たちがダムを、私も含めてダムを造ってきましたので、このダムを上手に使おうというのが今日の最後の私の考え方です。つまり、新しいダムを造ると言うと、竹村またあいつはダムを造りたいんだなと思われてしまいますので、私は、既存のダム、今あるダムを有効に使ったらすごいポテンシャルあるぞということをお話ししたいんです。
 なぜこんなことを言うかというと、エネ庁の方々は、これからの水力発電のことを考えるときは一切国土交通省や農林省のダムを無視しています。ほかの行政に手を突っ込むことはタブーなんです、霞が関では。ですから、エネ庁の方々は、いいんだよ、国土交通省のダムに手を突っ込んでくれよと言うと、びっくりしちゃうんですね。
 つまり、今日私がお話ししたいのは、各省庁の縦割りの行政の枠外した、全て今あるダムを徹底的にエネルギーに使っていったらどうかという提案でございます。
 まず、全てのダムに発電機を付けてくれと。うそだと思うんだけど、発電機がないダムがいっぱいあるんです。それを付けたらどうかと。
 それと、ダムの運用変更です。ダムの運用変更というのは、もう少しダムを水ためていいじゃないかと、なぜもう少しためられないんだと。
 なぜためられないか、一つ理由があります。昭和二十九年に洞爺丸事件が起きまして、二年後に多目的ダム法というのができたんです。そのとき先輩たちは、台風がどこにいるか分からない、どこに行くか分からないという前提で、洞爺丸事件のダメージを受けていましたので、その二年後に作った特定多目的ダム法というのは台風がどこにあるか分からないという前提で作ったんです。ですから、このダムに必ず今年百年の洪水が来るぞという前提なんです、全てのダムが。それは、今はもう一週間前から分かっているんだから、台風の進路は。だから、もうちょっとためておいていいんじゃないの、今あるダムの、あと五メーターためただけで物すごい大きなポテンシャルがありますというようなことがダムの運用変更です。
 あと、ダムのかさ上げをしてくれと。ダムのかさ上げというのは、古いちっこいダムのところに大きいダムを造ってしまう、簡単な話です。
 そして、下流調整池でピーク発電をやってくれ。これは何かというと、本ダム、この図であります本ダムがありまして、本ダムでピーク発電するんです。そうすると、どんと水が下流に流れてしまって大変なことなので、本ダムの下流にちっちゃい三十メーターぐらいのダムを造るんです。その小さいダムで、本ダムでぼんと発電したピーク発電の流量をためて、二十四時間掛けてゆっくり出すんです。
 これ、別に難しいことじゃないです。私が宮ケ瀬ダムの所長をやっているとき、このシステムをやりました。今、神奈川県の厚木にある宮ケ瀬ダムは昼間ピーク発電どんとしています、三時間ぐらい。そして、百何十メーターのダムですけど、下流に三十メーターのちっこいダムを造りまして、そこで水をためて、そして安定的に下流に、厚木の方に流しているというのが宮ケ瀬ダムでございます。日本で唯一直轄ダムで造ったダムでございますけど、国交省が、そういう、やろうと思えばできるわけでございます。
 そんなふうなことをして私が仲間たちと試算した結果が、既存のダムだけで、新しいダムを造らないで、活用だけで三百七十万キロワットできるよと。これは非常に極端な案でして、全てのダムを発電をナンバーワンのプライオリティーにしろという考え方なんです。
 だから、概念を変えなきゃいけないんです。つまり、五十年後にはそういう概念になるだろうという前提です、私は。五十年後はもう化石エネルギーはなくなるんですから、五十年後のダムの、最もプライオリティー高いエネルギーになるはずです。私が死んだ後で、私は予想するだけですけど、そうした場合、どれだけポテンシャルがあるかということをカウントしただけでございます。
 つまり、水力発電を前提とした操作をして、水道だとか農業用水はその後の従属で使ってくれと、もし足りない分は、それはほかのところでため池造ろうじゃないかというような考え方です。治水に関しても同じです。治水はいろんな様々なメニューがありまして、まだまだ幾らでもやることがありますが、エネルギーに関しては私は選択肢はそれほどないと思っています。
 ここで、三百七十万キロワットできるよと言うと、皆さん、既存のダムだけで原子力発電所が五個分できたねと喜んでくれるんです。そうじゃないんです、これは。分散型なんです。北海道から九州までの各市町村ができるようなレベルの小さな発電、水力発電も含めた統計ですので。つまり、この東京が維持するには、あと黒四ダム三つぐらい造らなきゃ駄目です、この利根川で。そんなことできるわけないんです。又は、横浜、東京をやるために、この関東地方で黒四ダムを今から三つ、四つ造るのかと、そんなことできるわけないんで。ですから、これはあくまで分散型だということで、この水力発電とほかの電力とのミックスでもってこれから日本は生きていかなきゃいけないと私は思っております。
 最後に、河川法の第一条に、この河川法というのは治水と利水と環境というのが入っていますが、是非、このエネルギー開発、水力エネルギーの最大活用のようなことを入れていただかないといけないなと思っております。
 これは、最後にちょっと申しますと、今の法律でもできるんです、河川法は。でも、今の法律体系だと、河川管理者は許認可をする、上から目線なんです。上から目線だと事業をやる方々にとっては非常につらいんです、それは。やっぱり、河川管理者が一緒になって、プレーヤーとなって水力発電に参加するというところに持ち込まない限りできません。今は本省にいる人間はみんな頭がいいから、私の言うことをみんなぴんと来ているんですよ。ところが、津々浦々の末端の現場に行っちゃったら、その彼らは、彼らにとっては法律が何もないから、やる必要ないんです。許認可していればいいんです。
 ですから、この国会の先生方が本省の人間と、竹村があんなこと言ったからおまえやれと言って、もう彼らは分かっているんです、本省の人間は。でも、それを津々浦々の河川管理者の方々が事業者と一緒になってやっていくためには法律を変える。
 法律を変えるのは、国土交通省は自ら変えられないから議員立法でやってもらうしかないと私は思っております。なぜこれ国土交通省がこんなことをやるかと。経産省が邪魔しますから。これは何だ、エネルギーは俺たちのものだと。ある省庁が行政法を出していくと、必ずそれは潰されます。それはあくまでもガバナンスのある国会議員の方々がそれを主導していくしかないなと私は、個人的な意見でございますが、そう考えている。決して河川局の意見じゃありませんので。よろしくお願いします。
 以上でございます。
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鶴保庸介#8
○会長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようお願いいたします。
 また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。
 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるよう御協力をお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手を願います。
 井原巧君。
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井原巧#9
○井原巧君 自民党の井原でございます。
 今日は三人の参考人の先生方、本当にありがとうございました。
 私も、昨年まで経産省の政務官をさせていただいていたのと、もう一つは、悩ましかったのは、福島の第一原発の廃炉汚染水の復興の政務官もさせていただきました。
 二〇三〇年のエネルギーミックスという話ですが、まさに、御案内のとおり、3EプラスSというか、とにかく経済性も要るし、しかし安定性も要るし、しかし大前提としては何といったってセーフティーというか、これはもう原発事故ありましたから、こういうものは誰も異論がないと思うんですね。この難しい方程式の中で一生懸命考えて、今日もお三方の先生それぞれの立場のお話なので、どれも正しく聞こえてくるわけですね、いい話だなと思うわけです。
 その中で、一つの目標を立てているのが二〇三〇年で、竹内先生のお話の中で、もう少し先の二〇五〇年というのは、経産省の有識者会議の方でも今二〇五〇年に向けて議論をしているんですけれども、不連続性とかあるいは不確実性とか、さすがに三十年先、見通しが難しいと。しかし、私も実はそれすごく大事なことだと思っていて、原発だってないことにこしたことはないと思うんですね。それは将来のその科学的なやっぱり技術の発展とか様々なこと、あるいは再エネのどれだけ蓄電池が発展するかとか、そういうものがやっぱり待たれるというふうに思っていて、二〇五〇年を見据えて二〇三〇年をどう検証していくかということが私、非常に大切だと思っているんですが。
 まず竹内参考人にお伺いいたしますけれども、二〇三〇年の今のエネルギーミックスの基本計画ありますね。これに対しての評価というか実現性についてどのように捉えられているか、教えていただけたらと思います。
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竹内純子#10
○参考人(竹内純子君) 御質問頂戴いたしまして、ありがとうございます。
 今いただきました二〇三〇年エネルギーミックスの実現性ということでございますけれども、これ、原子力にかかわらず、全ての電源について非常に難しいというのは、まず、自由化をしておりますので、政府が描いたビジョン、これを基に発電事業というのはもう自由化市場になっております。どういう補完的な政策をと、そちら側に誘導していくのかというようなことで、今までのように政府が規制をして事業者にこの配分でということでできるものではない。
 ただ、難しいのは、再生可能エネルギーが二二から二四%という点も非常に難しいと思いますが、原子力が二〇から二二%、このボリュームについては非常に厳しい、不可能とは申し上げませんが、非常に厳しいということは事実であろうというふうに思います。
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井原巧#11
○井原巧君 ありがとうございます。
 本当に、原子力をどうするかという議論から避けて通れないんだろうと思うんですね。賛成、反対両方ある中で、将来本当にどうしていくかという話だと思うんですが。
 大島先生のお話はその原子力についてが主であったわけですけれども、現実に、特に最近環境が、国際標準として二〇五〇年なんかは八〇%のCO2を削減しようという大きな約束があるじゃないですか。もちろん省エネ、再エネを頑張るということが大前提ではあるんですけれども、その中で、原発を二〇三〇年に、今、二〇から二二ですかね、出していることでありますけれども、そのことについての先生の評価というのはどのように考えられていますでしょうか。
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大島堅一#12
○参考人(大島堅一君) 御回答いたします。
 二〇三〇年に二二から二四%達成するというのは相当困難であろうというふうに考えております。
 二〇五〇年、先生がおっしゃられましたように、パリ協定を満たすということ、これも国際的にも求められることでありますので、原子力がない中、要するに日本経済は自由社会ですから、自由経済なので、国が直接関与して原子力発電所を建てない限り恐らく新設は難しいであろうと、非常に困難であろうというふうに考えられます。事業者も二の足を踏むであろうというふうに思われますので、パリ協定を現実に満たすためには、原子力がこのまま恐らく衰退していくであろうというふうに考えて、その中で別のオプションを考えていくというふうにするのが現実的であろうというふうに私自身は考えております。
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井原巧#13
○井原巧君 ありがとうございます。
 その原発に関してなんですけど、金額高い安いは別にして、さっき非常に実現困難であろうというのは、何といったってCO2の排出量をなくすためには再エネをどれだけ大きくできるかということだけど、これまた非現実的なところがひょっとしたらあるのかも分からないと。ましてや、今のFIT法の買取り価格制度をどんどんどんどん拡充すると、これは結果的には電気料金が高くなるという、こういう難しいところがあると思うんですね。
 そういう中で、改めて大島先生にお聞きしたいと思うんですけれども、再エネについてですね、今のFITの買取り価格制度について、今後増やせば増やすほど料金が上がると思うんですけれども、その辺についての御見解はどうお感じになっているか、経済性という意味でですね、見解をいただけたらと思います。
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大島堅一#14
○参考人(大島堅一君) お答えいたします。
 再生可能エネルギーの初期の普及に当たってFITが、固定価格買取り制が非常に有効であるということは、世界的にも実証されておりますし、日本でもその経験が積み上がってございます。
 固定価格買取り制の良いところは、技術の成熟に応じて買取り価格をどんどん下げていくことができると、そこでコントロール可能だということでございまして、先行するドイツやほかの国々では非常に下がっております。また、FITも、卒業と言いますけれども、一つは入札制に変える、あるいはプレミアムと言いまして一部補助金のようなものを与えるというようなものに変えていきまして、全体としての負担額というのは一時的なものというふうにお考えいただくのが適切かというふうに思っております。
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井原巧#15
○井原巧君 じゃ、最後に竹村先生にお聞きしたいと思いますが、実は私の町は、水力発電をやっている町の市長をやっていまして、一万多分六千キロワットぐらいだったですかね、位置エネルギーで発電する銅山川発電所というのがダム造ってあるんですけれども、非常にエコで、その発電で使った用水を、製紙会社なんですけれども、紙の生産業に使って、非常に私も水力発電の普及はすばらしいことだなと以前から思っておりました。
 先生もできる限り水力発電を再エネの柱としてというふうにおっしゃっておられましたけれども、しかし、今のエネルギーの計画の中では非常に水力については評価が低いというか、もう僅か数%しか今見られていないんですけれども、先ほどの先生のお話で、その政策を進めればかなり再エネの中の柱になれるというふうに聞こえたわけですけれども、その辺もう一度、確認の意味で御見解いただけたらと思います。
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竹村公太郎#16
○参考人(竹村公太郎君) 今のエネルギーを考えているのは、メーンで考えているのは経産省のエネ庁でございます。ほかの省庁は全く考えていないと言っていいです。もちろん、環境省は再生エネルギーの部分、農水省も農業用水路の部分は若干考えていますけど、一番大本の国交省のメーンは治水と利水と環境です、河川のですね。エネルギーという概念がありません。ですから、エネ庁がやっている計画論は、自分たちの、九電力のやっている国交省のダムと外れたところの、又は農水省の大きなダムから外れたところ、県のダムから外れたところの、自分たちが取水する、できる範囲の計画をやっているわけでございます。
 先ほど言いましたように、今それが国交省と経産省の本省の課長レベルで話合いが始まりまして、始まっていたんです、これ。国交省のダム、農水省のダム、県のダムに関しても水力ということを考えていこうという勉強会が始まったように聞いております。ですから、やっと少し縦割りの枠が取れて、エネルギーに関してですね、関係省庁が少しずつ連携を始まったかなという、恐る恐る始まったかなというところだと思われます。
 これからますます厳しい状況になってくればもっともっとこれがはっきり現れるんですが。なぜかといいますと、私が、昭和四十七年、四十八年、鬼怒川の川治ダムにいたときに、国家として水力発電のダムをやっているところは必ず発電機をつくれという命令があったんです。あんな命令、私は初めてですけど、当時の建設省の命令じゃなくて国家の命令だったんです、第一次石油ショックのときの。あのときパニックになった、日本国中がパニックになったときを私は覚えていますので、パニックにならない前に今から関係省庁が話し合って、全ての装置についてエネルギーをやっていこうというのが私の今の考え方でございます。
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井原巧#17
○井原巧君 ありがとうございました。
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鶴保庸介#18
○会長(鶴保庸介君) 森本真治君。
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森本真治#19
○森本真治君 民進党・新緑風会の森本真治と申します。
 今日は参考人の先生方、どうもありがとうございました。
 井原先生と少し問題、観点が近いところもあるかもしれませんけれども、私もちょっと問題意識を持っている点がありますので、同じような趣旨になるかもしれませんけれども、お伺いしたいというふうに思います。
 竹内参考人の方に、先ほどもエネルギー基本計画の見直しの点について井原委員の方からも少し触れられたわけでございますが、先ほどのお話の中で、今の現計画、なかなか厳しいんではないかというようなお話もあったわけでございますが、一方で、これは資源エネルギー庁長官のちょっとインタビュー記事、私、今手元にあって、この二〇三〇年度計画は必達であるということですね、必ずこれは達成するんだというようなことがあって、現実味に欠けるということ、議論にはならないだろうというようなことも述べられているということですね。
 その中で、竹内参考人にお伺いしたいんですけれども、先ほどのお話の中でも、一方でやっぱり自由競争というようなところの中でどこまで政策的にこういう目標を立ててそれが進めていけるかという課題があるかもしれませんけれども、実際にこの今の基本計画、エネルギーミックスなどについてもやはり変えていく必要があるのかどうかということですね。二〇五〇年に向けての議論はありますけれども、二〇三〇年に向けてもこの今の、現実的では、なかなか達成難しいのではないかという今のお話も踏まえて、今議論している中でやっぱり見直して、目標はしっかり立てていくべきだと、現実的な目標は立てていくべきだというふうにお考えなのかどうか、ちょっとその辺りの考えをお伺いしたいと思うんですけれども。
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竹内純子#20
○参考人(竹内純子君) 御質問いただきましてありがとうございます。お答え申し上げます。
 まず、エネルギーミックスを設定したときの前提条件として政府は何を示したのか、そこをきちんと踏まえる必要があろうかというふうに思っております。
 政府としては、まず、非常に化石燃料依存になって下がっているエネルギー自給率、震災前は原子力、カウントできます、自給率の中にカウントするというのが国際ルールですから。原子力が自給率の中に含まれ、二〇%程度日本では自給率があった。これが今、六、七%程度に下がっていると。現状ですと八%ですけれども、下がっている状況。これを何とかやっぱり二五%程度に上げたい、これが一つ目の指針。もう一つ目が、非常に高くなっていた、震災後急に高くなっていた電気料金、これを二〇一三年度よりは引き下げようということ、これが二点目、政府が示した方針。三点目として、欧米諸国に遜色のない温室効果ガス削減目標を掲げようと。
 この三つの連立方程式の解として二〇三〇年目標、これを、エネルギーミックスを描いたのであって、これが数年たって難しいですと、こういうことで見直すべきかどうかというところは私は慎重であるべきであろうというふうに思っておりますし、まずはこの達成に向かって努力するということが確かに必要であろうというふうには思ってはおります。
 かつ、見直しということであれば、例えばこの再生可能エネルギーもコストの問題で同じく低炭素電源である原子力との配分を考えたときに、その電気料金を二〇一三年よりは上げないという制約の中で考えた結果このパーセンテージになっているので、じゃ、再生可能エネルギー、原子力が例えば一五%までしか行かなそうだねと、低炭素電源の四四%のうち一五%の原子力以外は再エネでやりましょうということにするのであれば、コストはどうなるのかというところ、これをきちんと試算をした上で、電気料金を上げないといったこのバーを変えるのか、逆に変えずにできるんだということでできるのか。
 そのときに、再生可能エネルギーのコストというのをきちんと考える必要がありますけれども、世界では、確かに再生可能エネルギーのコスト、この五年間ぐらいで急速に下がりましたが、日本は今でも入札制度、この前やりましたけれども、ドイツのまだ三倍程度、二倍から三倍程度というようなことで、非常にコストがやっぱり高い。同じパネル、中国製のパネルを使って、まだ施工のノウハウ等が蓄積していないとか、あるいは商流の問題とかいろいろあろうかと思いますけれども、非常に高止まりをしているというようなところ、この問題をまず解決しなければならないというふうに思います。
 こういったコストの問題等も含めた上で、政府が何を条件と示して国民に約束をした上でエネルギーミックスを描いたかというところに立ち返って見直すということであれば、見直すべきであろうというふうに思います。
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森本真治#21
○森本真治君 ありがとうございます。
 大島先生にもちょっと同様の内容になりますけれども、先生はそもそもこの基本計画の策定の仕方自体についてのちょっと、問題意識を持たれているようでございますけれども、ちょうど今その議論が行っている段階で、二〇三〇年度を目標にするのかどうかは別にしても、ここでもう一度、ゼロクリアではないけれども、根本的な策定をし直してこれからのエネルギー計画を考えるというようなお考えでよろしかったかどうか、もう少し先生のお考え補足していただければと思うんですけれども。
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大島堅一#22
○参考人(大島堅一君) 手元の事前資料でお配りしております④のところに書かせていただいておりますけれども、五十五ページからありますが、端的に申し上げて、一つは、先ほど申し上げましたように、エネルギー基本計画があって初めてミックスがあるのに、前回のミックスを前提にそれを必達だということ自体が基本計画を作る意味を履き違えているというふうに私は思っております。
 二つ目は、じゃ、その二〇三〇年目標を示したエネルギーミックスですが、先ほど申しましたが、二〇〇五年の段階で二〇三〇年の目標を決めていたわけです。今、二〇一八年です。二〇一八年になってまだ二〇三〇年の話を長期のエネルギー計画だというふうに言っていること自体が行政が非常に怠慢なのではないかと。もちろん、二〇五〇年の課題は別だとして懇談会を設けておりますが、あれは法律に基づかないものでありまして、その意味合いがはっきりしないですね。法制度上、その二〇五〇年の懇談会というものの意味合いがはっきりしません。ですので、本来であれば、長期の、もうパリ協定もエネルギーミックス策定後にできたものですので、それに合わせた計画を作るべきだというふうに私は思っております。
 計画自体も非常に問題がございまして、一つは、原子力については過大な目標。これは、全ての今ある原発を再稼働させて、全部、四十年運転ではなくて二十年延長運転をして初めて満たせるような内容というふうになっております。ですので、これはさすがに事業者も相当厳しいというふうに考えて当然ではないかというふうに私は思っているところです。
 二つ目は、これも手元の資料でお示ししましたが、五十九ページにありますように、これは、二〇三〇年の目標しか今ございませんので、二〇二〇年の目標を含めた民主党政権時代のエネルギー・環境戦略、革新的エネルギー・環境戦略も含めて表にしてございます。このときに、もう二〇一六年の段階でエネルギー・環境戦略の目標を既に達成してしまっております。ですので、再エネについては過小だと。原子力については過大、再エネについては過小というふうに私は認識しておりまして、やはりそれは二〇一四年以降の動きも含めて見直すべきときに来ているのではないかというふうに考えているところです。
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森本真治#23
○森本真治君 ちょっともう時間がなくなって、竹村先生にもちょっとお伺いしたかったんですけれども、ちょっともう一分ということになりましたから、もうここで切らせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
    ─────────────
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鶴保庸介#24
○会長(鶴保庸介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、浜口誠君が委員を辞任され、その補欠として宮沢由佳君が選任されました。
    ─────────────
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鶴保庸介#25
○会長(鶴保庸介君) それでは、質疑を続けたいと思います。
 他に御発言ございますか。
 三浦信祐君。
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三浦信祐#26
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 参考人の先生方には貴重な御意見を賜りまして、心から感謝申し上げます。
 何点か御質問させていただきたいと思います。
 エネルギーをつくる、要は電気をどうつくるかというところだと思うんですけれども、最初は使用者の観点からまず議論を是非させていただければと思うんですけれども。
 これから人口減少社会になっていくということで、日本が今後世界に競争力を維持して、かつ国内での生産性を高めていくということになると、当然AIが導入をされ、IoTを進めていく、情報通信技術も上げて、いかに人が直接手を下さなかったとしても効率よく起動していけると、作業していけるということが大事な時代になると思います。そうなりますと、恐らく、むしろ電気をたくさん使う時代、スーパーコンピューターにしろ、また人を介さないということでドローン、先端の端末、そしてモビリティーも電気に変わってくると。そう見ていったときに、今の議論だけで本当に今後電気の需要は賄えていけるのかなというところが一番の心配事であり、一番の技術革新の種になっていくのではないかなというふうに思います。
 その上で、ソフトウエアや基礎学問で世界に打って出ようとしますと、リニアコライダーなんかを造ったとすると、実は火力発電所一基分造らなきゃいけないということも出てきますので、それをきちっとエネルギー計画の中に実装していく、また予想能力も高めていかないと、何を使ってやるかということだけではなく、どれぐらい必要かという逆算型のエネルギー政策というのを私は立てなければいけないんじゃないかなと強く思うんですけれども、そういう観点から、是非、竹内参考人と大島参考人に御意見をいただければなというふうに思います。
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大島堅一#27
○参考人(大島堅一君) どうもありがとうございます。御回答申し上げます。
 電力ないしエネルギーというのは需要の面から考えるという先生のお考えはまさにそのとおりでありまして、やはり需要をいかに減らすか、効率的に利用するかというのが最も重要な課題になってまいります。需要が減ればもちろん再生可能エネルギーで一〇〇%賄うのも容易になってくるわけであります。
 これにつきましては、電力供給計画、電力に関していいますと、事業者が電力供給計画を策定しておりまして、向こう十年のものもありまして、それは、電力需要は横ばい、本当に微増と言っていいと思いますけれども、横ばいとして考えておりまして、その電源も原子力がほぼゼロと考えて計画を立てております。それで電力需給、需要は賄えるというふうになっております。もちろん私は、その電力需給をより引き下げる、もちろん様々なエネルギー必要ですけれども、引き下げることによってより安定した社会が形成されるのではないかというふうに考えているところであります。
 エネルギー基本計画の策定プロセスを見ていましても、省エネルギーに関してはほぼ達成、もう二〇三〇年の目標であるんですけれども、ほぼ達成ということなので、より高い目標を持って効率を高める措置を講じる必要があるのではないかと考えているところです。
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竹内純子#28
○参考人(竹内純子君) ありがとうございます。御回答申し上げます。
 ただいま三浦先生おっしゃっていただきましたとおり、政府が一つのシナリオを描いて、一つの数字を出してこちらに国を誘導していくということが非常に難しい時代にもう既になってきているというふうに思います。
 この本の冒頭にも、実は二つの未来というものを小説仕立てで書いたんですけれども、悪い未来というのは、人口減少に伴ってだんだん電力需要が減っていく、そういうだんだんと沈んでいく絵であればやりようもあるというようなことでありますけれども、これから、おっしゃっていただいたとおり、IoT等を活用して新しい日本として生産性を高めていく。
 例えばの試算でございますけれども、とある国際的なコンサルティングファームがブロックチェーンに関する報告書を出しているんですけれども、ここでビットコインの採掘に要する電力というのは二〇二〇年にはデンマーク一国分の電力消費に匹敵するぐらいになるだろうと。やっぱり、これから電力需要というのをある意味伸ばしていくことが、伸ばしていく結果になるような社会構造変革というものをもたらしていければ、日本というのはやっぱり生産性を高めてIoTを活用したようないい社会になっている可能性というのは非常にある。
 そうなったときの電力需要をどう賄うのかというようなことが大変重要でございまして、先ほど申し上げた電力需要が今より二、三割増えるということだとすると、環境省が今最大限導入を見込んでいる再生可能エネルギーの導入量マックスのもの、これかなり社会的な制約等を取っ払った導入ポテンシャルということですけれども、必要とされる電力需要のやっぱり五割程度を賄うにすぎないだろうと。
 そうすると、三五%、四〇%程度が火力発電ということになって、原子力が一〇%程度残るというようなことの試算にちょっとせざるを得なかった形ですけれども、じゃ、そのときの原子力はどうするのか、あるいは、それだけたくさん再生可能エネルギーを入れるということであれば、どうやってコストを抑えていくのかということを全体的に考えなければならない、そういう時代であろうというふうに申し上げたいと思います。
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三浦信祐#29
○三浦信祐君 対極的な意見があるなということがよく分かりました。
 その上で、あえてパリ協定というのを軸として御意見いただければなと思うんですが、CO2の排出を削減する技術というのは、発電所の観点から見ても日本はかなりの高い技術があると思います。このエネルギー問題というのは、国内の需要を賄うというだけの非常にドメスティックな議論ではこの世界の地球温暖化を阻止することができないと思います。ですので、私は、どちらかといったら日本が持ち得る二酸化炭素を排出をしない技術、これを海外にどう売っていくかということが、実は国際貢献でもあり、稼ぐ力にも直結をするんではないかなというふうに見ています。
 その上で、これから火力も減り、原子力も減ると、技術者も減り、人材も減り、そしてノウハウが失われていくということは、実は、短期的にはいいのかもしれませんけれども、長期的には国損になるんではないかなという議論を考えなければいけないんじゃないかなというふうに思います。
 特に、原子力はこれだけの期間止まっている。一方で、この止まっている時期においても維持、補修をしていく。そして、運転経験者がいなくなるということは、海外はむしろどんな形でも原子力を導入をしたいと言っている時代にあって、日本から人材を送ることができなくなるリスクというのも当然あると思います。
 ですので、あえて、この火力を維持するということは、国内のエネルギー需要を担保するという意味だけではなく、日本の技術を外に売っていくための必要な投資という見方もできるのではないかなというふうに思いますけれども、お三方の先生、端的にお答えいただけると大変光栄です。
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