財務金融委員会

2022-05-13 衆議院 全159発言

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会議録情報#0
令和四年五月十三日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 薗浦健太郎君
   理事 井林 辰憲君 理事 越智 隆雄君
   理事 中西 健治君 理事 藤丸  敏君
   理事 稲富 修二君 理事 末松 義規君
   理事 吉田 豊史君 理事 角田 秀穂君
      井上 貴博君    石井  拓君
      石原 正敬君    門山 宏哲君
      神田 憲次君    神田 潤一君
      国定 勇人君    小泉 龍司君
      高村 正大君    塩崎 彰久君
      鈴木 隼人君    田野瀬太道君
      中川 貴元君    藤原  崇君
      三ッ林裕巳君    八木 哲也君
      柳本  顕君    山田 美樹君
      若林 健太君    鷲尾英一郎君
      江田 憲司君    櫻井  周君
      下条 みつ君    野田 佳彦君
      伴野  豊君    赤木 正幸君
      沢田  良君    藤巻 健太君
      中川 宏昌君    岸本 周平君
      斎藤アレックス君    田村 貴昭君
    …………………………………
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       鈴木 俊一君
   内閣府副大臣       黄川田仁志君
   財務副大臣        岡本 三成君
   内閣府大臣政務官     宗清 皇一君
   財務大臣政務官      高村 正大君
   財務大臣政務官      藤原  崇君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 森元 良幸君
   政府参考人
   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         渡邊 国佳君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局長)  松尾 元信君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局審議官)            有泉  秀君
   政府参考人
   (金融庁企画市場局長)  古澤 知之君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    栗田 照久君
   政府参考人
   (財務省理財局長)    角田  隆君
   政府参考人
   (財務省国際局長)    三村  淳君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           澤井  俊君
   参考人
   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君
   参考人
   (日本銀行理事)     内田 眞一君
   財務金融委員会専門員   鈴木 祥一君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十三日
 辞任         補欠選任
  井上 貴博君     柳本  顕君
  鷲尾英一郎君     国定 勇人君
  岸本 周平君     斎藤アレックス君
同日
 辞任         補欠選任
  国定 勇人君     鷲尾英一郎君
  柳本  顕君     井上 貴博君
  斎藤アレックス君   岸本 周平君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図るための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)
     ――――◇―――――
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薗浦健太郎#1
○薗浦委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図るための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君、理事内田眞一君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として警察庁長官官房審議官森元良幸君、刑事局組織犯罪対策部長渡邊国佳君、金融庁総合政策局長松尾元信君、総合政策局審議官有泉秀君、企画市場局長古澤知之君、監督局長栗田照久君、財務省理財局長角田隆君、国際局長三村淳君、経済産業省大臣官房審議官澤井俊君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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薗浦健太郎#2
○薗浦委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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薗浦健太郎#3
○薗浦委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。門山宏哲君。
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門山宏哲#4
○門山委員 自由民主党の門山宏哲でございます。
 今回は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 早速、今回の資金決済法改正案は、大きく三つの柱、すなわち、電子決済手段への対応、銀行等による取引モニタリング等の共同化への対応、そして高額電子移転可能型前払い式支払い手段への対応を骨子とする改正案と承知しておりますが、それぞれについて質問させていただきます。
 まず、電子決済手段等への対応でございますが、今回の改正法では、新たに電子決済手段等取引業を創設し、その仲介者について登録制を導入しております。この電子決済手段等取引業を創設する趣旨、また、仲介業者について届出ではなく登録制とする趣旨について、御説明ください。
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黄川田仁志#5
○黄川田副大臣 近年、金融のデジタル化が進む中で、法定通貨と価値を連動させるステーブルコインを用いた取引が海外において増加しております。こうしたステーブルコインについては、将来的には幅広い分野で送金・決済手段として用いられる可能性も指摘される一方で、海外の当局から利用者保護やマネロン上の課題を指摘されるものも存在しております。
 このような状況を踏まえ、本法案では、広く送金・決済手段として用いられるステーブルコインについて、その取引の仲介者に対して必要な法律を導入するため、仲介者として電子決済手段等取引業等を創設することといたしました。
 また、仲介者である電子決済手段等取引業者等については、顧客の保有する電子決済手段を管理するため、例えば、顧客資産の流出等により利用者に被害が発生するおそれがあることを踏まえ、不適切な事業者の参入を事前に防止し、利用者を保護する観点から、暗号資産の取引を仲介する暗号資産交換業者と同様、届出制ではなく登録制としております。
 こうした対応により、我が国におきましても、ステーブルコインに関する制度上の取扱いが明確化されることになり、適切な利用者保護やマネロン対策等を図りつつ、分散台帳技術等を活用した金融イノベーションを促進することが可能になると考えております。
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門山宏哲#6
○門山委員 ありがとうございます。
 今回、この仲介業者の参入要件として、一定の財産的基礎や業務を適正かつ確実に遂行できる体制というものを要件化しておりますけれども、その具体的内容は何でしょうか。
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古澤知之#7
○古澤政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねいただきました仲介者の参入要件として求められてございます財産的基礎の具体的水準でございますけれども、これは今後内閣府令で定めるということを予定しておりますが、先ほどもございましたほかの業、例えば暗号資産交換業での例ですとか、それから、これにつきましては、金融審議会の報告書におきまして、不正利用時の補償方針の策定を求めるということとされているわけでございますが、そういった趣旨も踏まえまして検討していくこととしてございます。
 また、仲介者の参入要件として求められてございます、業務を適正かつ確実に遂行できる体制ということでございますが、例えば、利用者財産を確実にしっかり管理できるかといった点ですとか、あるいは犯罪収益移転防止法に基づく本人確認義務といった義務が確実に遂行されるかといった体制を想定しているところでございます。
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門山宏哲#8
○門山委員 内閣府令で定めるところですけれども、しっかり定めていただければと思います。
 電子決済に該当する一定の信託受益権について金融商品取引法の適用対象から除外して、発行者となる信託会社等について資金決済法等の規律を適用するということに今回されていますけれども、金商法の適用除外とし、資金決済法の適用とした理由について説明してください。
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古澤知之#9
○古澤政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘いただきました特定信託受益権というものでございますけれども、これは具体的に、この法案の中で、信託会社などが受け入れました金銭の全額を預貯金によって管理するといった要件を満たす信託受益権というふうに規定しているところでございます。
 こうした特定信託受益権につきましては、投資商品として用いられるというものではございませんで、専ら決済手段として使用されるという機能、性質に鑑みまして、御指摘のとおり、金融商品取引法の規律ということについては除外しているわけでございますが、仮に金商法の規制をかけるということになってまいりますと、例えば、募集に係る有価証券届出書の提出義務ですとか、それから、売買に関します業規制ですとか相場操縦といったものがかかるわけでございますけれども、先ほど申しました商品につきましては、信用リスク、金利リスク、流動性リスク、為替リスクといったリスクも最小限化されているところでございまして、そういった金商法の規制を課すべき必要は低いじゃないかということで、適用を除外することとしているところでございます。
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門山宏哲#10
○門山委員 よく分かりました。
 続きまして、銀行等による取引フィルタリング、取引モニタリング等の共同化への対応について御質問させていただきます。
 今回の改正法では、新たに、為替取引に関し、顧客の制裁対象者該当性の分析等を共同化して実施する為替取引分析業を創設していますが、その趣旨を御説明ください。
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黄川田仁志#11
○黄川田副大臣 足下におきまして、国際的にもより高い水準でマネロン対策等の実施が求められております。その一方で、中小規模の金融機関においては単独での対応が難しいとの声があることも踏まえまして、こうした対策の一環として、取引のフィルタリングやモニタリングを共同化し、高度化を図ろうとする動きがあると承知しております。
 本法案の為替取引分析業に関する規制は、こうした動きも踏まえたものでありまして、複数の金融機関等の委託を受けて、為替取引に関し、取引のフィルタリングやモニタリングを共同で行うことを為替取引分析業とし、許可制の下で、監督当局の直接の検査監督等を通じ、その業務運営の質を確保しようとするものであります。
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門山宏哲#12
○門山委員 大手の銀行は我が国では独自にやっているというふうにも伺っておりますけれども、やはりしっかりとしたモニタリング等を実施するためにこういう業を創設するという趣旨と伺いました。
 また、この為替取引分析業者の監督として、報告、資料の提出命令、立入検査、業務改善命令等があると伺っておりますけれども、この監督を実効的に伺う具体的方策、チェック体制等について教えてください。
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古澤知之#13
○古澤政府参考人 お答え申し上げます。
 為替取引分析業者でございますけれども、複数の銀行などの委託を受けまして、マネロン対策の中核的な業務でございます取引フィルタリング、それからモニタリングを担うという性格がございます。したがいまして、業務運営の質を継続的に確保していくということが極めて重要と考えているところでございます。
 本法律案におきましては、為替取引分析業者に対する業規制といたしまして、先ほども御紹介させていただいた、一定の財産的基礎ですとか、あるいは情報システムの整備といった点を含めまして、業務を適正かつ確実に遂行できる体制の整備というものをまず参入要件として求めているわけでございます。その上で、業務の実施に当たっての情報の適切な管理といった義務を課すということをいたしまして、それで、業務開始後におけますその適切性を確保するという観点から、監督当局による報告、資料の提出命令、立入検査、それから業務改善命令といった規定を整備しているところでございます。
 金融庁といたしましては、このような規定の下で、まず、申請が、為替取引分析業の許可の申請というものが出てまいるわけでございますが、そういったものがあった場合には、業務を健全に遂行するに足る財産的基礎を有しているか、あるいは業務を適正かつ確実に遂行できる体制は整っているかといったことについてまず審査を行う。その上で、許可を行って、業務が開始された後におきましては、報告、資料の提出を求める、あるいは検査を行うということを通じまして、実施状況についてのモニタリングをきちんと行っていくということと考えてございます。
 このような対応を通じまして、為替取引分析業者における適正かつ実効的な業務運営が確保されるよう努めてまいりたいと考えてございます。
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門山宏哲#14
○門山委員 まず、許可の段階でしっかりとチェックして、しっかりと実効性のある監督になることを期待しております。
 続きまして、高額電子移転可能型前払い式支払い手段への対応について質問させていただきます。
 高額電子移転可能型前払い式支払い手段の発行者について、業務実施計画の届出、犯罪収益移転防止法の取引確認義務等に関する規制をかける趣旨を御説明ください。
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黄川田仁志#15
○黄川田副大臣 お答えいたします。
 近年、金融のデジタル化が進む中で、価値を電子的に移転できる前払い式支払い手段として様々なものが普及しております。例えば、利用者同士のアカウント間で残高の譲渡が可能なものや、相手方に番号等を通知することにより価値を移転できる電子ギフト券のほかに、また、国際ブランドのクレジットカードと同じ決済基盤で利用できるプリペイドカードなどが普及しております。中には、高額な価値を移転できるサービスも提供されております。
 こうした実態を踏まえまして、不正利用の防止を徹底する観点から、今回の法律案では、そのような前払い式支払い手段の発行者に対しまして、議員御指摘のとおり、システム管理等に関する業務実施計画の届出を求めるとともに、資金移動業者やクレジットカード事業者と同様に、犯罪収益移転防止法に基づき、取引時における顧客の本人確認を求めることとしております。
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門山宏哲#16
○門山委員 ここで、高額電子移転可能型といいますけれども、高額というのは幾らをいうのでしょうか。また、その金額の根拠について教えてください。
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古澤知之#17
○古澤政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案におきましては、御指摘のとおり、高額な価値を電子的に移転できる前払い式支払い手段の発行者に対しまして、犯罪収益移転防止法に基づき、取引時における顧客の本人確認などを求めるということにしているわけでございます。
 高額の金額基準につきましては、金融審の報告書の中で触れているところでございますけれども、一回当たりの移転譲渡額が十万円を超えること、一か月当たりの移転譲渡額の累計額が三十万円を超えることなどといった水準が示されているところでございます。
 この十万円でございますけれども、この額を超える現金を持ち込んで銀行送金をする際に犯収法の取引時確認が求められるといったこととのバランスを見ているものでございます。それから、三十万円の方につきましては、前払い式支払い手段と機能やリスクの面で類似しておりまして、既に犯収法の義務が課されておる、クレジットカード事業者の提供いたします少額利用のカードの限度額の例というものがございまして、そういったものを踏まえて示された水準ということでございます。
 具体的な基準につきましては内閣府令で定めることとしておりますけれども、金融庁といたしましては、こうした報告書の考え方を踏まえて、適切に検討してまいりたいと考えてございます。
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門山宏哲#18
○門山委員 例によると、一回十万とか一か月三十万とかというような話も出ているわけでございますけれども、実際、この実施計画の届出、犯収法上の義務で、マネロンというのは本当に防止できるんでしょうか。
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古澤知之#19
○古澤政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案に基づきまして、まず、この高額電子移転可能型の前払い式支払い手段の発行者に対しまして、業務実施計画の届出、それから犯収法に基づきます顧客の本人確認を求めるわけでございますけれども、まずは、こういった義務を通じまして、発行者において実効的なマネロン対策を講じることというものが重要だと考えてございます。
 加えまして、金融庁といたしましても、モニタリングを通じまして、各発行者による取組状況を確認しつつ、より実効的なマネロン対策を促したいと考えてございます。
 なお、金融庁の取組の一つでございますけれども、本年の四月でございますけれども、マネー・ローンダリング・テロ資金供与・拡散金融対策の現状と課題といったレポートを、この三月末時点の状況を四月に公表したというものでございますけれども、金融機関の取組を促すという観点から出させていただいてございます。
 こういったマネロンの高度化のためには、経営陣の関与、理解、リスクの特定、評価、顧客管理の高度化といった課題に金融機関が継続的に取り組むことが重要ということでございますが、金融庁といたしましても、金融業界と連携しながら、マネロン対策の高度化に取り組んでいきたいと考えてございます。
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門山宏哲#20
○門山委員 しっかり対策に取り組んでください。
 終わります。
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薗浦健太郎#21
○薗浦委員長 次に、中川宏昌君。
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中川宏昌#22
○中川(宏)委員 公明党の中川宏昌です。よろしくお願いいたします。
 暗号資産の規模は、二〇二一年八月時点で、総額約二百二十四兆円という規模になっております。そのうち、主なステーブルコインは約七十種類で、総額約十二・二兆円とされております。
 二〇〇九年にブロックチェーン技術が生まれたことにより、仮想通貨が、それまでの単なるポイント的なものから、集権的な管理者に依存せずに価値の移転を実現し得る手段となり、インターネット空間における通貨としての側面が急速に発展、進化をしてまいりました。
 その中で、二〇一九年、当時のフェイスブックがリブラ構想を発表し、話題になりました。結果的には失敗に終わったわけでありますけれども、最初から指摘されていた懸念は大きく三つあったと言われております。一つはマネロンへの懸念、二つ目は利用者保護への懸念、三つ目は通貨主義の侵害でありました。二〇二〇年十月のG20の声明でも、ステーブルコインへの懸念が表明をされております。
 また、ちょうど五月十一日にも、ステーブルコインの一種であるテラUSDの暴落が暗号資産市場全体に影響を及ぼし、イエレン米財務長官やアメリカ連邦準備理事会も、ステーブルコインは流動性リスクにさらされているとしまして、ステーブルコインを規制することを示唆いたしましたが、金融庁としてこのリブラ構想やステーブルコインの動向をどう見ているのか、まずお伺いをしたいと思います。
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有泉秀#23
○有泉政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のようなリブラ構想のように、国際的に広く利用される可能性のありますグローバルステーブルコインにつきましては、先生御指摘の二〇二〇年十月のG20財務大臣・中央銀行総裁会議の声明は、サービス提供開始前に、国際基準や各国規制を含む全ての関連する規制監督上の要件を満たすことを求めております。
 あわせて、金融安定理事会、FSBでございますが、こちらの方では、満たすべき規制監督上の要件を示した、グローバルステーブルコインに関する十のハイレベルな規制、監督、監視上の勧告を公表しているところでございます。足下でございますが、FSBにおきまして、市場動向あるいは各国における規制対応の状況も踏まえつつ、この勧告の見直し作業を進めているところでございます。
 金融庁としましては、今後ともこうした国際的な取組に積極的に貢献していきたい、このように考えているところでございます。
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中川宏昌#24
○中川(宏)委員 ありがとうございました。
 やはり、当時、フェイスブックの利用者が世界で約二十七億人いまして、そこに独自の通貨が生まれるというのは、法定通貨の関係において、法律を含めて整理ができていなかったのでスタートができなかったのだと思います。一方、このことにより、アメリカを始め各国が、中央銀行のデジタル通貨、CBDCの議論を活発したことは結果的によかったと感じております。
 ただ、現在は、なし崩し的に暗号資産がインターネット空間から現実空間への結びつきを急速に強めていっております。その流れの中で、各国がステーブルコインへの位置づけを急ぐ形になったと思います。今回の法改正で、我が国としては初めてステーブルコインを電子決済手段の対象とするわけでありますけれども、これは極めて大事な一歩だと思います。
 そこで、今回、暗号資産のうち、ステーブルコインのいわゆる法定通貨担保型だけが資金決済法で位置づけて規制対象となりますけれども、暗号資産担保型や無担保型は除かれております。この二つを除いたのはどのような理由があってなのかについてお伺いをしたいと思います。
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古澤知之#25
○古澤政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、改正前の現行の資金決済法の枠組みでございますけれども、不特定の者の間で電子的に移転可能な決済手段として利用される財産的価値というものの中で、まず、通貨建て以外、今回のステーブルコイン以外のようなもの、通貨建て資産以外のものを暗号資産ということで規定いたしまして、その売買を暗号資産交換業というふうにして規律しているというのがございます。
 一方で、通貨建て資産に該当するというものにつきましては、先ほどの暗号資産から除かれているということでございますから、その売買などの行為は資金決済法の規制の対象外、これが現在の改正前の状況でございます。
 こういった中で、金融審の報告におきまして、法定通貨建てステーブルコインについて、法定通貨の価値と連動した価格で発行され、発行価格と同額で償還を約されるものといったものをデジタルマネー類似型というふうにいたしますのと、同時に、それ以外のもの、例えば、ステーブルコインとは言っておりますけれども、アルゴリズムなどによって価格の安定を図るような設計がなされているものといったものが暗号資産型ということで、ステーブルコインをデジタルマネー類似型とそれから暗号資産型に分けまして、デジタルマネー類似型のステーブルコインにつきましては、送金・決済手段として社会で幅広く使用されることが考えられるということで、今回の法案におきまして登録制の導入などを講ずることとしているわけでございます。
 一方、暗号資産を担保とするものですとか、あとは、先生の御指摘の無担保のものにつきましては、法定通貨での償還が約束されているというわけではございませんということもございまして、デジタルマネー類似型のステーブルコインとは異なるということで、既にございます現行法の暗号資産の規律を受けるということで、法改正の対象外としているという考え方でございます。
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中川宏昌#26
○中川(宏)委員 次に、マネロン対策、利用者保護の観点から、今回、電子決済手段の定義を定めまして、電子決済手段等取引業の登録、犯収法での特定事業者と指定し、マネロン規制の対象とするのは理解ができるところであります。
 このマネロン対策でありますけれども、暗号資産は世界中で取引をされているわけですので、我が国だけが行っても効果が表れないのではないか、こういった懸念があります。今回の法改正で、世界各国との連携の部分をどのように考えているのか、お伺いをしたいと思います。
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有泉秀#27
○有泉政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、暗号資産を取り巻く環境変化というのは大変速いものがございます。また、暗号資産、取引のクロスボーダー的な性質に鑑みますと、暗号資産に関するマネロン対策について、国際的な連携が重要だというふうに考えております。
 この点、金融活動作業部会、FATFと呼んでおりますけれども、こちらでは、暗号資産も含め、マネロン等対策の国際基準、これを策定しておりまして、その実施の重要性についてはG20財務大臣・中央銀行総裁会議でも言及されているところでございます。
 金融庁としては、FATFなどの国際的な場におきまして、暗号資産に係るマネロン等対策の向上に向けた議論に、先生の御指摘も踏まえまして、積極的に対応、貢献していきたい、このように考えております。
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中川宏昌#28
○中川(宏)委員 ありがとうございました。
 次に、利用者保護と経済面との両立についてお伺いをしたいと思います。
 暗号資産を研究されている方に伺いますと、この世界の方たちにとって暗号資産は分散型が基本でありまして、外のものにひもづけば分散型と言えないといいます。一方、ビジネスが入っていくにはある程度の規制やルールが必要と考える方もいらっしゃいます。今回の規制は当然であり、もっと強い規制が必要という意見も多いと思いますが、現実的には、暗号資産取引所に対する規制が日本は厳しく、みんな海外の方に出ていっているといいます。私がある研究者から聞いた話でありますけれども、その知人の日本人が、日本は規制が厳しいので、シンガポールとかドバイに移住をして、ステーブルコインの開発といった暗号資産に係るシステムの開発を始めたそうであります。
 マネロン対策や利用者保護の観点と、難しいですけれども、経済面も考慮していかなくてはいけないのかなと思っております。暗号資産自体も、またプラットフォームなどの環境も、日々すさまじい勢いで進化をしております。これらの点を踏まえまして、今後、柔軟かつスピードある対応が必要と考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。
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黄川田仁志#29
○黄川田副大臣 議員がおっしゃるとおり、暗号資産やステーブルコインを取り巻く環境がグローバルに、かつ急速に変化する中、金融庁といたしましては、利用者保護やマネロン対策等の確保と、イノベーションの促進による利便性の高いサービスの実現、この二点を両立させていくことが重要な政策課題となっていると認識をしております。
 こうした課題に的確に対応していくためには、日頃から、規制、監督に関する国際的な議論の動向や民間事業者によるビジネスの実態、それらなどを適切にフォローしながら、必要に応じまして、今回の法案のように機動的に制度整備を進めていくことが重要と考えているところでございます。
 実際に、例えば、金融安定理事会で行われている暗号資産やステーブルコインへの対応についての国際的な議論には、金融庁も積極的に貢献しているところでございます。ステーブルコインについては、こうした国際的な議論も踏まえまして、米国や欧州においても、今回の法案と同様に、規制の導入に向けた動きが本格化していると承知しているところでございます。
 一方で、金融庁では、民間ビジネスの動向を把握しつつ、フィンテックを活用したイノベーションへの挑戦を支援する体制を整備してきております。具体的には、二〇一五年十二月に、新たな事業を検討しているフィンテック企業等からの相談にワンストップで対応するフィンテックサポートサービスを設置いたしております。
 金融庁といたしましては、引き続き、こうした取組を通じまして、環境変化に柔軟に、また迅速に対応しながら、利用者保護とイノベーション促進の両立を図るよう努めてまいりたいと考えております。
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