環境委員会

2022-05-10 参議院 全159発言

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会議録情報#0
令和四年五月十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月九日
    辞任         補欠選任
     松山 政司君     比嘉奈津美君
 五月十日
    辞任         補欠選任
     二之湯 智君     足立 敏之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         徳永 エリ君
    理 事
                滝沢  求君
                三木  亨君
                青木  愛君
                清水 貴之君
    委 員
                足立 敏之君
                石井 準一君
                猪口 邦子君
                尾辻 秀久君
                関口 昌一君
                比嘉奈津美君
                芝  博一君
                那谷屋正義君
                新妻 秀規君
                宮崎  勝君
                柳田  稔君
                山下 芳生君
                寺田  静君
                橋本 聖子君
                平山佐知子君
   国務大臣
       環境大臣     山口  壯君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  中川 康洋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        金子 和裕君
   政府参考人
       水産庁資源管理
       部長       藤田 仁司君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       次長       高橋 謙司君
       環境省自然環境
       局長       奥田 直久君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定外来生物による生態系等に係る被害の防止
 に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
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徳永エリ#1
○委員長(徳永エリ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、松山政司さんが委員を辞任され、その補欠として比嘉奈津美さんが選任されました。
    ─────────────
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徳永エリ#2
○委員長(徳永エリ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境省自然環境局長奥田直久さん外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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徳永エリ#3
○委員長(徳永エリ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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徳永エリ#4
○委員長(徳永エリ君) 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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比嘉奈津美#5
○比嘉奈津美君 皆様おはようございます。自民党の比嘉奈津美でございます。
 私、本業は歯科医師でございますが、環境の政務官を拝命したこともございまして、この特定外来生物に関する法案ということで具体的なお尋ねしたいことがございますので、よろしくお願いいたします。
 実は、私が衆議院時代に政務官を拝命しているときにヒアリが初めて国内で発見されまして、そのヒアリの対応に非常に追われてきた記憶がございます。そしてまた、沖縄においてマングースという外来種がおりまして、その辺の駆除がどうなっているか、ちょっとお尋ねさせていただきたいと思っております。
 まず最初に、私の地元のことですが、沖縄県本島北部に位置する国頭村、大宜味村、東村にまたがる地域が我が国で三十三番目の国立公園指定がされました。その後、またそれが世界自然遺産にも登録されたところでございます。
 今、NHKの朝の連続ドラマで「ちむどんどん」というドラマが現場になっておりまして、非常にこの連休も、私、このやんばるの方まで行ってきましたが、もうレンタカーと観光客の皆さんがすごい訪れていて、やはりこの自然と観光との共存というのをしっかり考えていかなくてはいけないなとこの連休にも考えたところでございますが。
 そのやんばるについて、まず国立公園指定後、世界自然遺産登録となりました。そこにはヤンバルクイナというもう世界的にも非常に希少種の鳥やいろいろな生物がおりますが、現在、その自然環境保全への十分な取組が不可欠であると思いますが、ロードキルの対策など重要と考えますが、世界自然遺産地域の保全管理状況は現在どのような具合なのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
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奥田直久#6
○政府参考人(奥田直久君) 平成十五年に奄美、沖縄を世界自然遺産の候補地として選定しておりますけれども、それ以降、環境省では、遺産としての価値を保全するための取組を強化してまいりました。
 具体的には、平成二十八年に西表島の国立公園区域を大きく拡張するとともに、沖縄島北部にやんばる国立公園、今委員御指摘のですね、新規に指定をさせていただいております。さらに、マングースなどの侵略的外来種の駆除を行って、ヤンバルクイナなどの希少種の保護増殖というのを進めてまいってきたところでございます。
 平成二十九年の最初の推薦においては、審査機関の評価を受けて一旦推薦を取り下げてしまいましたが、その後、やんばる国立公園の拡張などを進めて、平成三十一年に二度目の推薦を行いました。そして、地域の方々の熱意と関係者の努力に支えられて昨年の世界遺産登録に至ったものと理解しております。
 一方、登録が決定した世界遺産委員会では、観光管理の徹底ですとか希少種の交通事故対策、若しくは包括的な河川再生戦略の策定等々、四項目について今後の更なる取組が要請されておりまして、現在、関係機関、専門家により構成されるタスクフォースを課題ごとに設置して、しっかりと対応策について検討を進めております。
 ヤンバルクイナなど御指摘いただいた希少種の交通事故対策につきましては、地元関係機関の協力を得ながら、ドライバー向けの注意喚起を行う看板の設置などを行ってきました。また、沖縄県が進めるアンダーパスの設置事業にも環境省として積極的に協力をしてまいりました。
 事故の発生状況や各種対策の有効性を分析しながら、関係機関と連携して、より効果的な対策を実施してまいりたいと考えております。
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比嘉奈津美#7
○比嘉奈津美君 ユネスコの世界遺産委員会からのこの要請に取り組んでいかなくてはなりませんが、この外来種ということでマングースという言及がございましたが、実はマングースというのはハブの天敵と言われていて、ハブを退治するために国外から持ってきたものだと言われております。私が小学校のときなど、学校の飼育小屋でマングースをいっぱい飼っていたり、非常に身近な生物ではあったのですが、そういう固有の在来種にとっては余りよろしくないものということで、私が政務官の頃、ちょうどやんばる地域でマングースの対策が非常に進展して捕獲数がもう非常に減ってきたという状況でございましたが、マングースバスターズの皆さんがもう山の中、本当にわなを何千個、何万個と仕掛けて効果を出してまいりましたが、今どのような状況にマングースの数はなっているのでしょうか。
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奥田直久#8
○政府参考人(奥田直久君) 沖縄島においては、マングース等の外来種の分布の拡大を、特に北部に侵入していくのを防ぐために、北上の防止柵というものが三本設置されております。柵で分けられた区域の中で、世界遺産区域を含む最も北側の部分については環境省が、それで南側の地域では沖縄県がマングースの防除を実施しているところでございます。
 環境省事業によるマングースの年間捕獲頭数でございますけれども、平成十九年には六百十九頭ございました。これは段階的に減少してまいりまして、平成二十九年度以降は三十頭前後で推移しているところでございます。
 また、モニタリング調査によれば、マングースの影響を受けて生息数や分布が減少していた絶滅危惧種のヤンバルクイナ、こちらの方が平成二十三年度から推定個体数が増加に転じてきております。また、それ以降、平成二十九年度以降は、特に北上防止柵に近い区域において分布の拡大傾向が見られて、防除事業の成果が現れてきているものと評価しているところでございます。
 今年四月には防除実施計画を改定しまして、これまで沖縄県と国が別々に策定していた計画を一つに統合いたしまして、これにより、県と一層の連携を図りながらマングース等の防除を継続していきたいと考えております。
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比嘉奈津美#9
○比嘉奈津美君 防除計画も四月には改定されたわけですよね。そして、今回の改正法では新たに責務規定が置かれ、それぞれの主体の役割が明確化されておりますが、やんばるのマングース対策は今後どのように行われていくことになるのでしょうか。
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奥田直久#10
○政府参考人(奥田直久君) この度の改正法案では、生物多様性の確保上重要と認められる地域における生態系被害の防止の取組、これは国の責務であるというふうに規定しております。また、やんばる地域は世界遺産区域を含む国際的にも非常に重要な地域であると認識しておりまして、まさに国がですね、国としてマングースの防除に取り組むべき地域であるというふうに考えております。
 一方で、定着した特定外来生物による被害防止のための取組というものは、被害の発生状況等に応じて都道府県が行うというふうに規定をさせていただいております。このため、既にマングースが定着している沖縄本島の中南部からそのマングースを、非常に重要な北部、その北上を、北部の方に北上していくことを防止するために、環境省の防除実施地域のすぐ南の地域、そこでは沖縄県が事業を進めているというふうに承知しております。
 今般、委員御指摘のとおり、防除実施計画を沖縄県と共同で策定させていただいたところでございます。環境省としては、この計画に基づく適切な役割分担の下に、県とより緊密に連携をして、北上防止柵より北の地域におけるマングースの根絶に向けて、防除を更に一層進めてまいりたいというふうに考えております。
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比嘉奈津美#11
○比嘉奈津美君 この沖縄本島の東と西を区切ってネットを張って、北の方はいろいろ防除が進んでいるのですが、下の方は、実はゴルフ場からもマングースがよく走っているそうです。そういう意味でも、もう北の方もそうですが、またそれ以南もやっていくということを考えていかないといけないのかな、県と国で取組をしていただきたいと思います。
 次に、ヒアリに関してお尋ねします。
 平成二十九年の六月、兵庫県尼崎市においてヒアリが国内で初めて確認されました。ヒアリが人を刺すとアナフィラキシーショックで死亡に至ることもあると。そしてまた、ヒアリはオイル、油などをちょっと食しながら生存できるということで、電気の基板の中に入って電線をかじってしまうと大停電が起きて、国外ではもうその被害が非常に大きかったということも聞きました。
 そして、大体コンテナに乗ってやってくるんですが、港でコンテナを降ろします、そうすると、アスファルトの上にコンテナを置いていたら、アスファルトの割れ目の中が土があるとその土の中にすみついてしまうということで、このコンテナを置いているアスファルトの修理などを最初の頃行った記憶がございますが、その後、これまでの発見状況と対策はいかがな具合なのか、そして今回の改正の意義はどういうものなのかを教えていただきたいと思います。
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奥田直久#12
○政府参考人(奥田直久君) 委員が政務官を務めていただいていた平成二十九年六月がまさに国内のヒアリの初確認でございました。それ以降、これまで全国で通算十八都道府県で八十四事例を確認しておるところでございます。これまで見付かったヒアリについては全て駆除を行ってまいってきておりまして、現在までのところ、定着は確認されていないというふうに考えております。
 ヒアリの初確認からこれまでの間、関係省庁や自治体、それから事業者の任意の協力を得ながら、海外のヒアリ定着地域と定期コンテナ航路を持つ全国の港湾などで定期的な調査を行ってまいりました。ヒアリが確認された地点については、周辺の調査を行って、発見後速やかに防除するなど、国内への定着防止のため継続的な水際対策を実施してきたところでございます。
 しかしながら、ヒアリの大規模な集団の発見がここ三年連続しております。それで、専門家からも強い警笛が鳴らされました。そういった中で、任意の協力では対策が難しい事例も出てきております。
 このため、これまでの対策や構築してきた協力体制に加えて、国などの権限を拡充して更に強力に対策を行うため、今回の改正を提案させていただいているところでございます。
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比嘉奈津美#13
○比嘉奈津美君 やはり初期対応が一番大事だと思います、定着をさせないということでですね。
 これまでは成功してきたと考えますが、今回の改正法を通じてヒアリ対策を具体的にどのように強化していく予定でございますか。
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奥田直久#14
○政府参考人(奥田直久君) 今回の改正法では、特定外来生物のうち、ヒアリ類のように著しく重大な生態系等への被害若しくは国民生活上への支障をもたらすおそれがあるもの、特にその中でも緊急に拡散防止の措置を行う必要があるものについて、要緊急対処特定外来生物、こういう名称で指定する枠組みというのもつくらせていただいております。
 この要緊急対処特定外来生物に対しては、国が例えば通関後も含めて付着等している物品等の検査を行えるようにすると、こういったもののほか、検査対象の移動の禁止若しくは消毒等を命ずることができるようにしております。また、関係事業者にヒアリ対策を求める法定の対処指針、これを策定することにも規定しているところでございます。
 このほか、特定外来生物全般の生息調査のための土地の立入りですとか、通関前の輸入品等が置かれた土地や施設の検査を可能にすると、こういったことで早期発見が行えるような枠組みをつくらせていただいております。
 今回の改正を踏まえて、関係機関ですとか事業者の方々との連携協力の下に、港湾等のモニタリング調査若しくはヒアリ発見時の対応、こういったものを強化してまいりたいというふうに考えております。
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比嘉奈津美#15
○比嘉奈津美君 今回の改正法ではヒアリ対策のための検査の権限を強化していくということでございますが、今後、強化した権限をしっかりと活用していくためには地方公共団体や関係事業者との連携強化が必要だと考えますが、環境省がリーダーシップを取って対策を進めるため、環境省においても体制強化が必要ではないでしょうか。
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山口壯#16
○国務大臣(山口壯君) ヒアリ対策は、御指摘のとおり、早期発見あるいは早期防除が重要で、全国各地の発見場所で迅速に調査や防除を行っていくためには地方公共団体あるいは関係の事業者の方々との連携協力が不可欠だというふうに認識しています。
 この対応を強化するために環境省の体制も一定の拡充を図ってきているところですけれども、このヒアリの発見状況等も踏まえて、今年度、令和四年度、地方環境事務所に外来生物企画官三名を新たに配置することとしています。これ、ヒアリ定着の危険性の高い港湾を管内に有する関東、中部、近畿の各地方環境事務所に外来生物対策企画官の定員を各一名増加することにさせてもらいます。
 今回の改正の趣旨も踏まえて、引き続き、ヒアリ対策を含めた外来生物対策の強化に向けて、必要な人員の確保に努めさせていただき、また、地方公共団体や関係事業者と連携してヒアリの定着を阻止するため、リーダーシップを取らせていただきたいと思います。
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比嘉奈津美#17
○比嘉奈津美君 スタッフの増員、予算の確保というのが非常にまた重要になってくるかなと思います。
 私思いますが、環境省の仕事って非常にこれから大事になってくると思います。地球温暖化によって、実は、沖縄県、台風の、大きな台風のコースが変わってしまうと、台風が余り寄ってこないと、サトウキビは豊作でこんなに大きなサトウキビができるようになるのですが、海を台風が来てかき混ぜてくれないと、やはりプランクトンの動きであったり、また、海水温が上がってしまってサンゴが白化するということが以前に起きております。実は、そのサンゴの白化が非常に厳しいときに、私は環境省の皆さんとパラオまで行って、パラオは海水温が高いところでも生きているサンゴがあるんですね。それをまたどういう形で日本に反映するかというような仕事もさせてもらいました。身近なところでそのように環境に関することがいろいろ動いているということをしっかり取り組んでいかなければならないなと。
 そして、今度のCOVID―19、コロナでハワイが非常に観光客が激減したもので、観光客の皆様が海に入らないから海の透明度が上がって、きれいになって、お魚がすごいいっぱい増えたそうです。それで、今、ハワイ自体が、もうちょっと一人一人のビーチへ入るお金を上げてでも環境をどうやって守るかということを検討し出しているという話も聞きました。まあCOVID、コロナからも学ぶことはあると思います。この自然との共存というものがどれだけ大事かということを我々は肝に銘じて、今度のまたこの外来法も頑張っていけたらいいと思います。
 ちょっと早めになりましたが、これで終わらせていただきます。ありがとうございます。
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青木愛#18
○青木愛君 立憲民主党の青木愛です。
 特定外来生物による生態系等に係る被害防止に関する法律の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 今回の外来生物法の改正には三つの改正点があると説明されています。一つはヒアリ対策、二つにはアメリカザリガニとアカミミガメの対策、三つ目には国と地方公共団体による防除の円滑化、この三点が改正点であります。
 まず、ヒアリ対策についてお伺いをしたいと存じます。
 ヒアリは、南米原産の体長二・五ミリメートルから六・〇ミリメートルのアリで、刺されると、やけどのような激しい痛みが生じます。攻撃性が強く、毒針で刺されると、アレルギー反応により死に至ることもあります。人間への直接的な健康被害だけではなく、農作物をかじったり家畜を襲ったりすることでの農業被害、また信号機や空調機など侵入をして配線をショートさせるということで電気設備の被害、また在来の昆虫や小動物を駆逐するということなどの生態系への被害、こうしたことも確認されているところです。
 既にヒアリが定着しているアメリカでは、この被害額が年間六千から七千億円に上るとの試算がございます。ヒアリの防除対策費が年間七千八百億円ということでございます。
 我が国では、平成二十九年六月、初めてヒアリが確認されて以降、令和四年三月末現在におきまして、十八都道府県で八十四の事例が報告をされているところです。また、三年連続で港湾において大規模なヒアリの集団が確認されております。
 そこで、質問をさせていただきます。
 近年、ヒアリが国内に侵入する事例が増加をしており、専門家からは定着しそうなぎりぎりの段階との警鐘が鳴らされております。対策の強化が急務となっておりますが、環境省は、ヒアリの定着の定義について本年四月の衆議院の環境委員会で、その種類が日本国内において世代交代を繰り返す、次々に子孫が残って次の世代が日本の中でまた子供をつくっていく、そういったような状況のことを定着と言うことができると思いますとの答弁でございました。
 国内では女王アリも多数発見されております。世代交代が繰り返されている可能性が高いと思いますが、この定着しているか否かの判断は具体的にどのように行われているのでしょうか。定着しそうなぎりぎりの段階と判断するその根拠は何なのか、この点をまずお聞かせいただきたいと思います。
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奥田直久#19
○政府参考人(奥田直久君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、一般に、定着というのをごく今の短い言葉で言えば、世代交代を繰り返して生息ですとか、植物でしたら生育をし続けると、こういうことかというふうに思いますけれども、ヒアリに関しての定着というのは、私どもの書かせていただいている指針等で、総合的に見て同一由来のヒアリの集団の発達、これを抑えることができなくなった状態、これを定着した状態というふうに判断すると、このように書かせていただいております。
 具体的には、例えば、発達した集団というものが確認をされると、そしてさらに、これは複数年にわたってその特定のその集団から由来した次の集団というのが形成されるという場合、若しくは輸送等の人為によって持ち込まれることが考えにくい場所で急に発達した集団というのが確認されると、自然の形で発生したんではないかと、そういった場合などを想定しているということでございます。
 定着のぎりぎりという御指摘の言葉でございますけれども、検討会での有識者の発言の中で、こういった言葉を用いて評価をいただいたところでございます。この発言は、同一由来、一つの集団、同じ集団からヒアリの集団における世代交代というのはまだこの専門家の先生も確認はされていないということでおっしゃっていただいているんですけれども、実際には繁殖能力を有する、委員も言及なされた羽アリを含む規模の大きなヒアリの集団が発見されているという、こういった現状を踏まえて定着ぎりぎりという表現を用いられたんではないかなというふうに承知しているところでございます。
 なお、ヒアリについては、繁殖能力を有する、羽の付いた羽アリが繁殖能力を有しているわけでございますけれども、それを含む集団が発見された場合には、現在、その集団の駆除を行うということと、その周辺の半径二キロメーターの範囲において発見されたシーズンを含む三シーズンにわたって生息調査を行っております。この結果として、ヒアリの定着、要するに、継続して同じところで同様の集団が発見されるということは出てきておりませんので、私どもとしては定着は確認されていないというふうに認識しているところでございます。
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青木愛#20
○青木愛君 御丁寧な説明ありがとうございます。二キロ範囲内を三シーズンにわたって継続して調査をした結果、まだ定着には至っていないと、それをぎりぎりの段階だというふうにおっしゃっているということで、よく分かりました。
 このヒアリなんですけれども、国内へ持ち込まれる膨大な数の国際コンテナ、これに混入して侵入するわけですけれど、国際空港、また港湾などでは徹底した対策が取られているというふうに思います。ですので、空港、港湾施設ではその侵入が数多く発見されているところだと承知をしています。しかし、この国際コンテナに混入したヒアリに気付くことがなく、全国津々浦々の末端荷主へ運搬されているものがあるのではないかというふうにも思うわけであります。
 国際コンテナが集中する空港、港湾における水際対策の徹底はもちろんでありますけれども、そこを通過してしまった後の、その後の侵入リスクについても効果的に対処できるよう体制の整備が求められると思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
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奥田直久#21
○政府参考人(奥田直久君) お答えいたします。
 御指摘の空港、港湾を通過した後の侵入リスク、これにつきましては、現在、事業者や若しくは一般の方々からの通報、さらにはヒアリ発見事例の追跡調査、こういったものの結果を受けて、関係者の任意の協力をいただきながら実際に現場の調査を行ったり駆除を行うということを、そういう形で対処をさせていただいているところでございます。
 今回の改正法案によって、ヒアリ類の指定を想定している要緊急対処特定外来生物、このカテゴリーにつきましては、その被害の防止措置に関する指針となる対処指針というものを策定する予定としております。その中で、通報体制の整備等を事業者に促すことを想定しているところでございます。さらに、要緊急対処特定外来生物が付着等している蓋然性が高い物品等に対しても調査を行えるようにします。また、その疑いのある生物というものが付着等している物品等の移動の制限若しくは禁止を命じたり、要緊急対処特定外来生物が確認された場合にはその物品等の消毒若しくは廃棄を命ずる、そういったこともできるようにするものでございます。
 これら改正法案の規定によって、空港や港湾を通過してしまったヒアリへの対策も強化させていただいて、ヒアリの定着というのを何としても阻止してまいりたいと考えております。
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青木愛#22
○青木愛君 空港、港湾等のその後の追跡については、これまでの任意の協力では限界があるということでこの改正に至っているというふうに思います。この本法律案によりまして、ヒアリの発見次第、緊急の対処が特に必要な特定外来生物を要緊急対処特定外来生物と更に指定を強化をして、より強い権限が掛かる枠組みを創設をするということだと認識をさせていただきました。
 この要緊急対処特定外来生物にはこのヒアリ類が指定されるわけですけれども、これまでの、ちょっと御答弁重なるかもしれませんけれども、これまでのその任意での協力と、このより強い要緊急対処特定外来生物、指定したことによるその権限の異なる点ですね、もう一度御答弁いただけますでしょうか。先ほども若干触れてはいただいているのですけれども、これまでの任意の協力と今回の要緊急としたことによるこの対処の違いですね、そこをもう一度明確に教えていただけますでしょうか。
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奥田直久#23
○政府参考人(奥田直久君) 今御指摘の要緊急対処特定外来生物というのは、特定外来生物の中でも、著しく重大な生態系等への被害を及ぼしたり、若しくは国民生活上の支障をもたらしたりするおそれがあって、その拡散を防止するための措置を緊急に行う必要のあるものというのを指定、選定することとしているわけでございます。
 このため、先ほど申し上げたように、実際に付着している蓋然性が高い物品等に対して調査を行えるようにすると、若しくは疑いのある生物が付着している物品等の移動の制限とか禁止を命じたりすると、さらには、その確認が、その要緊急対処特定外来生物が確認された場合には、その物品等を消毒、廃棄もできると、それを命ずることができるという規定を設けているので、これまでの特定外来生物の規定とは、そこの規制の強度の差を設けさせていただいているところでございます。
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青木愛#24
○青木愛君 ありがとうございます。
 付着が決定的でないとしても、付着しているかもしれない段階から強い規制を掛けることができるということと理解をさせていただきました。
 この要緊急対処特定外来生物、これを指定する際の客観的な判断基準というのを教えていただきたいと思うのですけれども、今回ヒアリがその対象になっておりますが、そのほかにも何か想定されているようなものはあるのでしょうか。
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奥田直久#25
○政府参考人(奥田直久君) お答えいたします。
 先ほど申し上げたとおり、著しく重大な生態系への被害を及ぼすとか国民生活への支障をもたらしたりするおそれがあると、こういったことを具体的に個々の種の特性ですとかその被害の状況に応じて検討をさせていただきたいというふうに考えております。これにつきましては、基本指針の中で具体的に、さらにこの法の成立後にその具体的な指定の要件、基準というのは定めていくことにしております。
 それで、御質問のありました、具体的に、じゃ、どういった生物を指定するのかという点につきましては、ヒアリだけでなくてヒアリを含むトフシアリ属、同じような属なんですけれども、この四種、若しくはその四種の間で交雑した種類、こういったものについて四種群、トフシアリ属を正確な生物学的な用語で四種群というふうに申しておるんですけれども、その中で交雑をしたものも含めて指定というのを考えております。
 ただし、現段階での私どもの知見の中では、それ以外の種の指定というのは、この要緊急対処特定外来生物として指定しなければいけないというものは想定しているものはございません。
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青木愛#26
○青木愛君 ありがとうございます。
 今御答弁にありましたように、この現行法では、特定外来生物が付着していることが確認された場合は、当該特定外来生物の運搬が禁止をされます。一方、特定外来生物の付着等のおそれの段階では、運搬の禁止に係る規制がなくて、特定外来生物かどうかの特定作業の間は事業者に対して付着のおそれの高い物品の移動の停止などを依頼して、任意の協力に基づき対応してきたのがこれまでだということであります。
 これまで、こうした移動の停止などに協力した事業者に対して国からの補償があったのかどうか、また補償がない場合、その理由は何なのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
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奥田直久#27
○政府参考人(奥田直久君) 今回のその要緊急対処特定外来生物につきましては、先ほど申し上げたとおり、まさに著しく重大な生態系等への影響というのが想定されるものであるということで、例えば死亡や重篤など人に重大な危害が与えられるとか、生態系が破壊されることのほか、農林水産業に対する非常に大きな被害というものも想定されております。そうしますと、やはりこういったものの指定というのは、著しい被害から国民の生命、身体の保護等を目的とした措置であると、このように考えております。
 こうした公共の安全ですとか秩序の維持という目的に当たる制限につきましてはやむを得ない制限であって、一般国民の受忍の範囲内であるというふうに解釈されていますので、補償不要との見解が実際に最高裁判所での判例の中でも示されているところでございます。
 また、ヒアリ類を含めた特定外来生物の付着した物品というのは、それ自体を運搬することで特定外来生物そのものを移動させてしまうと、拡散させてしまうということになるので、現行法においてもそれ自体の移動というのは禁止されているものでございますので、そうした行為に対して実際、移動禁止命令ですとか消毒廃棄命令というふうに掛けたとしても、それに係る費用というのはやはり原因となる者が負担する必要があるというふうに考えております。
 このため、改正法案においては、国による損失補償や損害賠償の規定というのは設けてはございません。ただし、損失についてやはり事業者の方々の不安もあろうかと思いますので、本法案の成立後、施行に向けては、どのような場合に移動禁止命令を掛けるか、そういった基準ですとか、ヒアリ類の付着、混入のリスクを低減させる方法、こういったものを提示させていただいて、関係者の理解が得られるように努めていきたいというふうに考えております。
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青木愛#28
○青木愛君 今の御答弁ですと、国による補償は考えていないということで、今御答弁にありました、その補償を行うのは原因となる者だというふうに今御答弁されましたけれども、原因となる者というのはどの段階、どの方を指すんでしょうか。具体的にお願いします。
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奥田直久#29
○政府参考人(奥田直久君) 原因となる者というのは、まさにその特定外来生物であった、要緊急の対処特定外来生物そのものを、ここにいるのが分かっているのにそれを移動させたとか、その蓋然性が高くて、可能性が高いのにそれを移動してしまう、若しくは、そういったことを行うこと、というのをすることがまさに原因を発生させる者であるというふうに考えております。それから、もちろん、意図的に持ち込む、持ち込んだ人というのも当然原因者として考えられるというふうに思っております。
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