財政金融委員会

2023-03-09 参議院 全163発言

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会議録情報#0
令和五年三月九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月七日
    辞任         補欠選任
     梅村  聡君     室井 邦彦君
 三月八日
    辞任         補欠選任
     室井 邦彦君     梅村  聡君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         酒井 庸行君
    理 事
                浅尾慶一郎君
                大家 敏志君
                西田 昌司君
                横沢 高徳君
                上田  勇君
    委 員
                佐藤 信秋君
                野上浩太郎君
                馬場 成志君
                古川 俊治君
                宮沢 洋一君
                宮本 周司君
                勝部 賢志君
                柴  愼一君
                秋野 公造君
                横山 信一君
                浅田  均君
                梅村  聡君
                大塚 耕平君
                小池  晃君
                安達  澄君
                神谷 宗幣君
                堂込麻紀子君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        鈴木 俊一君
   副大臣
       内閣府副大臣   藤丸  敏君
       内閣府副大臣   和田 義明君
       財務副大臣    秋野 公造君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小松 康志君
   政府参考人
       内閣官房新しい
       資本主義実現本
       部事務局次長   松浦 克巳君
       金融庁総合政策
       局長       栗田 照久君
       金融庁総合政策
       局審議官     堀本 善雄君
       金融庁監督局長  伊藤  豊君
       財務省主計局次
       長        寺岡 光博君
       財務省主税局長  住澤  整君
       財務省関税局長  諏訪園健司君
       財務省理財局長  齋藤 通雄君
       財務省国際局長  三村  淳君
       国税庁次長    星屋 和彦君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    斎須 朋之君
       経済産業省産業
       技術環境局長   畠山陽二郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (財政政策等の基本施策及び金融行政に関する
 件)
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
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酒井庸行#1
○委員長(酒井庸行君) ただいまから財政金融委員会を開会をいたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房新しい資本主義実現本部事務局次長松浦克巳君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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酒井庸行#2
○委員長(酒井庸行君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
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酒井庸行#3
○委員長(酒井庸行君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策及び金融行政に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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西
西田昌司#4
○西田昌司君 おはようございます。自民党の西田昌司でございます。
 まず、私は、財政大臣の先日の所信表明の中でこういう言葉を使われたんですね。財政は国の信頼の礎であり、有事にあっても日本の信用や国民の生活が損なわれないようにするため、平素から財政余力を確保しておくことが不可欠であると考えますと、おりますと述べておられます。
 これ、一般的にはそうかなと、すっといくんですけど、ちょっとこれは、財政余力を平素から確保しておくという意味は一体どういうことをおっしゃっているのか、もう少し大臣のお考え教えていただけますか。
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鈴木俊一#5
○国務大臣(鈴木俊一君) おはようございます。
 私が財政演説の中で申し上げました財政余力の確保とは、有事の際に大幅に財政需要が増加するような場合にあっても、必要な資金を市場から調達することができるようにしっかりとした財政基盤を維持強化することであります。そのためには、我が国財政に対する市場からの信認を確保できるような財政運営を行うことが必要だと理解をいたしております。この財政余力の確保に向けて、平素から債務残高対GDP比の安定的な引下げ等を目指して財政健全化に取り組んでいくことが必要であると考えております。
 この点、昨年十二月に閣議決定されました国家安全保障戦略におきましても、我が国の経済は海外依存度が高いことから、有事の際の資源や防衛装備品等の確保に伴う財政需要の大幅な拡大に対応するためには、国際的な市場の信認を維持し、必要な資金を調達する財政余力が極めて重要とされているところであります。
 引き続き、経済再生と財政健全化の両立に取り組み、平素からの財政余力を確保してまいりたいと、そのように考えております。
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西
西田昌司#6
○西田昌司君 今、大臣の御答弁を聞きますと、私はちょっと家計と勘違いをされているのかなと思っていたんです。
 つまり、平素からお金を質素倹約して、いざというときにこのお金が使えるようにと。そのために、例えばいわゆる地方公共団体の場合がまさにそれで、財政調整基金とかいわゆる貯金をしているわけですよ。そして、それを有事の際に使えるようにしようという考え方でされていて、これはまさに家計と同じ理論なんですよね。
 ところが、国家の場合には通貨発行権を持っておりますからそもそもそういうことをする必要がないわけで、現に日本の中、国家ではですよ。地方公共団体は基金をたくさん何兆円か積んでいますけれどもね、全体で。国として、その財政のための基金というのは基本的に積んでないはずなんです。
 もう一度確認したいんですが、ですから通貨発行権を持つ国家と持たない家計とは違うというふうに思うんですけれども、その辺は大臣はどのように考えておられますか。
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鈴木俊一#7
○国務大臣(鈴木俊一君) 国家であっても際限なく国債を発行して財源調達をしてよいというものではないと私は考えております。
 具体的には、中央銀行が紙幣を発行して国債を無限定に引き受ける前提で財政金融政策の運営が行われるようになれば、財政の持続可能性や財政運営に対する信認が失われて、金利の急上昇や過度のインフレにより、国民生活に深刻な悪影響が生じるおそれがあると思います。
 そのため、政府としては債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指すなど、引き続き責任ある経済財政運営に取り組んでいく必要があると、そのように考えております。
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西
西田昌司#8
○西田昌司君 要するに、家計と違って通貨発行権あるということは、大臣、認められておられるわけですよね。その上で、通貨発行権あるんだけれども幾らでも出せるものじゃないと、市場の信認がなければ引き受けてもらえないと、こういう意味でおっしゃっているというふうに理解しました。
 そうすると、質問通告していたんですけれどもね、ちょっと順番変えます、そちらに話が行くんでしたら。
 それで、これ、じゃ事務方にちょっと聞きますが、要するに、今のような話で、大臣がおっしゃったように、財務省は財政赤字が増えると通貨の信認が落ちてくると、ですからこれを何とかしなきゃならないと言うんですけど、要するに通貨の受取を拒否する事態があるというふうに思っているのか、ちょっと財務省の事務方から聞きたいです。
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寺岡光博#9
○政府参考人(寺岡光博君) お答え申し上げます。
 日本の財政はこれまで大量の国債を国内を中心に低金利かつ安定的に消化できてきていたというところでございますが、今後もこれまでと同様の環境が継続するといった保証は必ずしもないという中で、公的債務がGDPの二倍を超える水準にまで現在積み上がり、例えば主要格付機関における国債の格付も二十年前と比べて下落していると、そういった諸外国と比べても極めて厳しい財政状況にあるのではないかと考えてございます。
 一般論としましては、このように公債に依存して財政運営を行っていくことは、やはり財政の硬直化による政策の自由度の減少ですとか、国債や通貨の信認の低下などのリスクの増大を招き得るものと認識してございます。そうした中で、様々な要因により通貨の信認の低下が起きた場合には、例えば急激なインフレなど国民生活が損なわれる事態が起こりかねないと、こういったものと承知してございます。
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西
西田昌司#10
○西田昌司君 まあその辺がちょっと認識が私は全く違って、要するに通貨の信認が落ちるとか、それから例えば市場で引き受けてもらえない、国債発行してね、大臣、そういうふうにおっしゃったんですけれども、そういう事態というのは具体的にどういう事態です。つまり、つまりですよ、国債発行しても市場が受け付けないということは、受け付けないということはその円を認めていないということなんですよ。つまり、国債を信認できないというんだったら国債はもちろん受け付けませんよね。ところが、円を持っていること自体が駄目になるわけですよ。
 つまり、銀行等は国債は何で買っているかというと、日銀当座預金残高で買っているわけですよ。基本的に、日銀当座預金残高というのは金利が付かないんです。ところが、国債は持っていれば金利が付くんです。国債の信認がなくなったといって国債を持たないとか国債を売って、それはまあそういうことがあったとしましょうよ。あったとすると、それは当然、円に替わっているわけです。分かりますね、円に替わっているわけですよ。だから、円を持っていたら駄目なので、それを今度、金貨に替えるとかドルに替えるとか、そういう意味ですよ、通貨の信認がないというのは。そんな事態があり得るんですか、大臣。日本の、日本のね、要するに、だから取引、経済取引するのをですよ、円をやめてドルでやりますと、こういうことがあり得るのかということですよ。まあ、じゃ、事務方、言ってください。
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寺岡光博#11
○政府参考人(寺岡光博君) 昨年のこの委員会でも随分とそうした点について御議論がなされ、現在の日本の財政はこれまでのところ大量の国債を国内を中心に低金利かつ安定的に消化できてきているということだと理解してございます。
 なかなかこの先のことについてはっきりと予断を持って申し上げるというのは非常に難しいと思うんですが、申し上げましたように、現在、国債がそういった状況で引き受けていただいているという状況、これは、市中の銀行が、まずはその国債の金利ですとか償還までの期間が自らの投資目線を合う間尺の範囲で現在は国債を購入していただいているということが基点でございますので、そういったことを考えますと、先ほど来申し上げましたように、様々な要因によって通貨の信認の低下が起こった場合には、一つ、例えばでございますが、急激なインフレなど国民生活が損なわれるような事態も起こりかねないのではないかと、このように考えてございます。
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西
西田昌司#12
○西田昌司君 だから、質問に答えてくださいよ。インフレが起こるとか起こらないとかいうことを言っているんじゃないの、私は。
 要するに、市場で国債が消化できないという意味はどういう意味かと言っているわけですよ。それはだから、国債を引き受けないということは、逆に言うと国債を持たないという意味なんだから。持たなくなってしまうと国債が円に替わるだけ。円に替わったお金を円で持っていたら、国債で持っているよりもっとリスクがあるわけですよ、利息付かないんだから。そうでしょう。だから、信認が得られないということは円そのものを使わないという意味なんですよ。だから、そういうことが経済事態で起こるかと、そのことを聞いているわけ。インフレが起こるとか起こらないの話じゃないんですよ。通貨の信認というのはそういう意味なんだから。
 それで、これ何ぼ言ってもあなた方答えないから言うと、これ法律でですよ、日本の法律で、例えば日銀券は拒否できないわけ。経済取引で拒否できないわけです、受取を。通貨というのはまさに日銀券そのものなんだから。それは法律上拒否できないんですよ。それ分かっているでしょう。拒否できるんですか。財務省、事務方、答えなさいよ。
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齋藤通雄#13
○政府参考人(齋藤通雄君) お答えを申し上げます。
 日本円、現金通貨としての日本円という意味でいえば、強制通用力ございますので、その受取を拒否するということは基本的にはできないというふうに考えております。
 ただ、先ほどの西田先生の御質問の中で、私、理財局長でございますので国債の信認というところについて一言申し述べさせていただくならば、国債の信認はあるかないか二者択一ではなくて、信認が高いか低いか段階があるものだというふうに考えております。マーケットにおいて日本の国債に対する信認が損なわれていくならば、それは国債の金利の上昇という形になって反映をされていく、いきなり国債の買手がいなくなるわけではないと、そのように考えております。
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西
西田昌司#14
○西田昌司君 だから、信認はマーケットの金利なんですよね。金利ということは、ところがその金利を、誰が市場の金利をコントロールしているのかといえば、市場という言葉使っているけれども日銀なんですよ。今、それをコントロールしてやっているわけですよ。ゼロ金利に誘導しているわけ。長期は〇・五%になったか知らないけれども。そしてこれからも、今回、この植田新しい新総裁が誕生することになるでしょうけれども、この方も答弁の中ではしばらくの間はこの政策を継続すると言っているんですよ。そうやってきたからずっとゼロ金利になっているわけですよ。あなた方言っている話は教科書に書いてある話言っているだけで、現実に起こっていることを全く説明できていないんですよ。でたらめなこと言ったら駄目。
 それと、もう一つ大事なのは、円というのは、自国の通貨というのは、これをもって納税をしなきゃならないわけですよ。そうでしょう。だから国民は円を拒否できないわけですよ。日本で経済活動をする限り、円を拒否することはできない。そして、その円の、債券の状態になっている国債というのは金利付くわけですから、当然この手元に円が余っている場合は、政府が国債を発行すればですよ、円で持っているよりも、つまり日銀当座預金という形で持っているよりも当然これは金利が付く国債を買うんですよ。だから、国債は常に発行すれば銀行は買うんですよ。そういう仕組みなんですよ、これ。
 そのことを考えると、大臣、今まで財務省の職員が大臣にどういうレクチャーをしてきたか知りませんが、事実として円を拒否することはできない仕組みなんです、そもそも。そして、そして、その市場の信認というのは、日銀のコントロールでまさに市場をコントロールしているわけですよ。そして、この十年間、それがちゃんとできているんですね。安定的に低い金利で、しかも、低い金利だけれども、円、日銀の当座預金の形の円で持っているよりも国債で持っている方が得だから買うんですよ。
 ということは、市場の信認と言うけれども、そもそもね、そもそもそういうことを始めから、自国建て通貨でお金を出すことについては、これ制度として全く何の問題もないんですよ、これ。そう思われませんか、大臣。
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鈴木俊一#15
○国務大臣(鈴木俊一君) 私の基本的な発想のスタートは、やはり日本の公債発行残高対GDP比が二〇〇%半ばというような状況でありまして、そういう中で、先ほど事務方からも答弁がございましたとおり、国債のこの信用、信認というものがだんだん下がってくる、それによって金利が上昇する、利払いが増えて、そして政策的な経費が非常に狭められる、そういうときに、有事などの際の、ふだんの財政余力というものが失われてしまう、そういう基本的な考えでございます。
 今の日本の財政の大変厳しさということを考えますと、こうした点には十分注意していく必要があるんではないかと思っております。
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西
西田昌司#16
○西田昌司君 だから、それは財務省がそういうふうに大臣にレクチャーしたと思いますが、ところが、今言ったように、新規国債を発行して、新規国債を発行してですよ、銀行がそれを受け取らないという理由がないんですよ、何度も言いますけれども。新規国債を発行して受け取るためには、日銀の当座預金に預けている自分たちの口座の残高がこれ国債に換わるだけの話なんです。それ、ここまでは分かっていただけますよね。
 そうすると、その日銀の当座預金には基本的には、今は付利という、〇・一〇%というのがありますけど、基本的にはですよ、基本的には日銀の当座預金は金利付きませんから、金利の付く国債を出してくれればそちらに、取らないというその論理はないんですよ。絶対ないんですよ、これは。これ、銀行呼んできても、絶対そう言いますよ。だって、そうしないと、金利の付かないお金で置いておくよりも、絶対に、要するに償還が保証されている国債に換えて金利もらう方が得に決まってるんですよ。だから、国債というのは必ず消化できるんですよ。そういうこれは通貨発行の仕組みなんですよ。
 この通貨発行の仕組みを、実は財務省が、家計のように限界があるという、いざというときに受けてもらえなかったら困りますとか言うのは、これ、要するに家計と同じ論理で、いざというときにお金を貸してくれなくては困ると。今までサラリーマンの給料でこつこつやっていたと、貯金もためていた。しかし、病気とか災害のときになったら貯金を使って家計を守らなきゃならないこともあると。いや、それだけでは足りなくて、借金をして、銀行から借金をして守らなきゃならないときもあると。だから、健全な質素倹約を努めなければ、いざというときに銀行お金貸してくれませんよと、というのは、これ、家計なんですよ。家計は正しいですよ。そのとおりです。しかし、通貨発行権を持っている国家にとっては、その借金そのものも常に自分の思いどおりになるんですよ。
 だって、なぜかというと、それは、国債を引き受けているのが銀行ですが、銀行は元々、日銀当座預金という、皆さん方から預けてもらったお金が、余剰資金必ず預けることになっているわけですよ、そこにね。そのお金を円、金利の付く方に替える方が得だからって必ずなるんですよ。これは国家にだけね、国家にだけ認められた、まさに通貨発行権というのはこのことなんですよ。これをまず理解をしていただきたいと思います。
 またこれ引き続きやりますが、これだけやっていると時間が終わっちゃうんで、是非、財務大臣、このことはもう一度後で財務省の人間と話をしていただきたいと思います。これが事実ですから。
 それで、問題は、こういう家計と同じような例えをしてきたところが日本の財政の悲劇的な状況を生んできた。その一番典型が、一昨年ですかね、矢野事務次官が文芸春秋に出した、タイタニック号のように氷山に突進してしまうと、こういうことを言っているんですが、まあこの方の論理は本当に財務省らしい論理ですが、これ全く事実に反しているということを言っておきます。
 ここの質問はちょっとやめて、要は、この方が何でこういうことを言い出してきているかというと、その奥にあるのはいわゆるワニの口の話なんですね。歳入の伸びに対して歳出の伸びがどんどん増えてくる。それは何で増えてくるかというと、歳入は、これ書いてあるのは、税収がこんなもんですと、ところが歳出はいわゆる国債の償還費を毎年入れているわけですよ。国債の償還費を足していくと、どんどんどんどん歳出の方が増えて歳入の方が増えないと、こういう話になっているんですが。
 問題はですね、問題は、以前に財務大臣にも確認していただきましたけれども、要するに、税で、税で国債の償還をしているんですかとお尋ねしたときに、税ではなくて借換債でやっているんでしょうと私尋ねたら、これはもう財務省もそのとおりですと言っているわけですよ。つまり、一般会計の税収の中で返しているんじゃないんですよ。そもそもは、これは国債を新たに発行したやつで返している、だから一般会計には全く影響を与えていないんです。与えていないのに、ここにですよ、この一般会計の中で、国債償還費を計上するから事実と違う形になって表れてくるんですよ。
 何でこれこういうことになっているかというと、六十年償還ルールという、これは極めて特異な、日本だけだと思いますけれども、六十年償還ルールを採用しているからなんですが、まず、この六十年償還ルールを採用している国がほかにあるのかと、このことをちょっと事務方に聞きます。
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寺岡光博#17
○政府参考人(寺岡光博君) お答えいたします。
 いわゆるG5ですとかEUなどの主要先進国におきまして、六十年償還ルールのような償還財源の確保に関する特別な制度はないものと承知してございます。各国それぞれ財政規律維持に関する基準等を法律等において規定するなど、各国それぞれの制度の中で財政規律と債務償還の枠組みを構築していると、このように承知してございます。
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西
西田昌司#18
○西田昌司君 時間がないので、聞かれたことだけで結構です。
 それで、そもそも六十年償還ルールというのは何なのという話なんですが、これちょっと私調べますと、これ一九六六年の建設国債発行をしていた頃に始まった仕組みであると聞いています。
 元々、この建設国債というのを戦後、要するに復興のためにたくさん出してインフラ整備したわけですよね。そのときに、まあインフラ、道路にしても橋脚にしてもですよ、まあ耐用年数六十年ぐらいだろうと、そうすると、それに合わせて国債の償還も六十年で返していきましょうと。まあこういう、これ民間企業なら工場、例えば機械、そういうのを五十年、三十年とかそういう期間で借金を借りて返していく、減価償却と見合うようになる。これ民間企業でそういう形でやっていますが、そういうルールだったんです。私、そのルール自体も要らないと思うけれども、そもそもそういう国債のみに適用されているルールだったのが、二〇〇四年、今度は特例公債にも適用されるようになっているわけですね。
 今、特例公債がどんどん増えていますよ、建設国債よりもね。その結果、六十年償還ルールがどんどんどんどんですよ、歳出の中で国債償還費が大きく計上される仕組みになってしまっているんですよ。しかし、現実には、現実には先ほど言ったように、借換債でやっていますから、一般会計の税収の伸びと全く関係ないんですよ、償還自体が。これが事実なんですね。ところが、こういうことになっていると。
 だから、まず、償還費を、償還費を一般会計に、まずその質問の前に、なぜこの特例公債にまでなったのか、六十年償還ルールが採用されるようになったこの背景について、私、今一応述べたけれども、述べましたけれども、それでいいんだったらそのとおりだと言ってくれたらいいし、簡潔に述べてください、事務方の方で。
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寺岡光博#19
○政府参考人(寺岡光博君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、六十年償還ルールは、まず昭和四十年代の初頭に建設公債の発行が開始された際、見合いの資産の平均が効用を発揮する期間を目安として減債期間を六十年と、このように定めた次第であります。
 特例公債につきましては、昭和五十年発行でございますが、その当時から当然見合いとなる資産は存在しないものですから、昭和五十八年までの特例公債においては借換え禁止規定が設けられておりまして、すなわち満期時には全額現金で償還するというルールでございました。
 当時、十年債でございましたでしょうから、その十年債の償還期限が参りました五十八年、五十九年に至り、厳しい財政状況の下でこれをそのまま実施しようとすれば、当然短期的に極端な歳出カットや負担増、こういったものが発生することとなりますことから、昭和六十年以降、やむを得ず借換債の発行を認めるという制度に切り替え、そして、建設国債と同様に六十年償還ルールを適用したと承知してございます。六十年償還ルールにしたと、なぜ六十年かということにつきましては、その当時、建設公債が既に六十年で償還するという制度が確立してございまして、これに合わせてそういうことにしたということだと理解してございます。
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西
西田昌司#20
○西田昌司君 分かりました。
 ですから、元々の借換債は、六十年ルールはインフラ整備のためにやっていたわけなんですが、その後、赤字国債が出てきて、元々は借換えが禁止されていたんだけれども、もうそれを禁止したままやっちゃうと現実にはとんでもないことになっちゃう。まさにそれが孫子の代に借金を背負わせていいのかという論理になったわけですよね。だから、借換えが禁止されている状態だったら孫子の代に借金を背負わせていいのかという、財務省がずっと言ってきた論理はそれはそのとおりですよ。
 ところが、それでは財政、これ成り立たないんじゃないかということで、現実的対応したのが借換債なんですよ。ということは、もうそのときから孫子の代に借金を背負わすという論法自体が、もう財務省はそこで放棄しているわけですよ、完全に。そして、放棄しているんだけれども、ルールだけがずっと今日まで生きているというのが現実。そして、一番大事なのは、そのときは財務省も、世間もですよ、国債発行というのは借金だと思っていたんだけれども、よくよく考えてみると、通貨発行そのもので、しかも借換えをずっと永久にこれしていける仕組みになっているんだから、ここはもう通貨発行ということ、通貨発行権の行使だと、そういう理解をしなければ財政の現実にこれ対応できなくなっていると、このことが非常に大事なことなんです。
 それで、この六十年償還ルール、これはもうそういう意味でいうと現実対応してないわけですよね。ですから、これはもう廃止すべきだと思いますが、財務大臣、いかがですか。
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鈴木俊一#21
○国務大臣(鈴木俊一君) 国債の六十年償還ルールについてでありますが、ここはちょっと、済みません、もう飛ばしていいと思いますので、六十年償還ルールについてでありますけれども、これは国債の償還財源を確実に確保しつつ、償還のための財政負担を平準化するといった観点から定められておりまして、これ、こういう観点からいえば、意味のある財政健全化の精神にしっかり体現したものであると私は思います。
 これは定着をしているのではないかと、こういうふうに思うわけでありまして、これを見直すといういろいろな御意見がいろいろ各方面からございますが、これを見直すことにつきましては、市場への信頼への影響等に留意する必要があるのではないか、慎重な検討が必要であると、そういうふうには考えています。
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西
西田昌司#22
○西田昌司君 今そういう答弁書を財務省が渡していますが、財務省自身が二〇一九年に、この六十年償還ルールって要らないんじゃないのという検討会を実際しているんですよね、これ。しているんですよ。ところが、それを途中で止められたんですけれどもね。つまり、財務省の中にも、ここで正式の答弁を書いている人以外の人は、やっぱりこのずっと経緯を調べてみると、おかしいじゃないと。市場の信認と言うけれども、市場の信認というのは何かといえば、国債を受取拒否ではなくて金利ですと彼らも言っているわけですよ。
 ところが、金利そのものが、このアベノミクスの下で、要するに日銀がコントロールちゃんとできるということが証明されているわけです。そうなってくると、この六十年償還ルールをやっている意味がそもそもなくなっているんですよ。このことを、大臣、是非御認識いただきたいと思います。
 そこで、もう一つ、今回大事な問題私は申し上げますが、こういうワニの口論理を言ってきたのは矢野さんが典型的ですけれども、しかし矢野さんもいいことを一つあの中で言っていまして、おやと思ったのは、矢野さんはこういうことを言っていたんですよ。欧州では付加価値税に転嫁義務はないが、日本では消費税には転嫁義務が法律で定められているということなんですね。そのとおりだと思うんですが、しかし、これ、消費税法には転嫁を義務付ける規定が書いてないんですよ、書いてないんですね。
 だから私は、だからこういうことを私もよく言うんですけれども。西田さん、間違っていると、そんなものは、転嫁義務なんか書いてないとよく言われるわけね。ところが、現実には転嫁されているんですよね。そのことをちょっと財務省の事務方に聞きたい。結局は外税方式が実態的にはほとんどのために転嫁が一〇〇%近くされていると思いますが、いかがですか。
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住澤整#23
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 まず、法律上の規定の問題でございますが、委員御指摘のように、消費税法におきましては転嫁を義務付ける等のそういった規定は置かれておりません。
 他方で、消費税が創設された際、昭和六十三年の十二月に成立した税制改革関連六法案の中に税制改革法という、税制改革全体の趣旨あるいはその基本理念を示すプログラム法がございまして、この中に消費税関係に、に関する考え方の規定として、事業者は、消費に広く薄く負担を求めるという消費税の性格に鑑み、消費税を円滑かつ適正に転嫁するものとするという規定がございます。
 この規定は強制力を伴うような規定ではございませんので、そういう意味で直接的に義務を課しているものではございませんけれども、こういった規定もあるということもございまして、従来、消費税については、価格への転嫁を通じて最終的に消費者に御負担いただくことが予定されている税というふうに解されておりまして、中小企業庁のアンケートなどを見ましても、一〇〇%とは申しませんけれども、相当程度転嫁が行われているということは事実でございます。
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西
西田昌司#24
○西田昌司君 ですから、まあ私もその資料を見ましたけれども、九三%ですかね、転嫁されていると。まあ一〇〇%と言っても構わないと思いますよ。そのぐらい転嫁されているんです。
 さて、ここで実は困ったことが起きたんですよ。ヨーロッパの付加価値税は、法人が転嫁するかどうかというのは事業主の判断によるわけです。ですから、消費税を、付加価値税をですね、五%、一〇%上げようとも、物価が直ちに一〇%上がるわけじゃないんですよ。
 ところが、日本の消費税の場合には、消費税を五%上げる、一〇%にするとかしたら、必ずその分物価が上がっちゃうわけですよ。これがデフレをつくる。経済が要するに成長して、過熱して物価が上がっていくんだったらまだしも、今のこのいわゆるコストプッシュインフレで日本の経済困っていますけれども、原油高と同じ。それが、政府の制度によって、いきなり財政が足りないといって消費税上げると、必ず物価が上がっちゃうわけですね。これが消費税のもう致命的欠陥なんですよ。
 そして、そのことを証明するかのように、結局、こういう完全転嫁をするということは、完全転嫁をするということは、要するに誰が消費税を払っているかというと、法人は次々転嫁を、完全に転嫁していくんです。じゃ、最後転嫁できない人は誰ですかというと、個人なんですよ。最終的に個人がこの消費税を払う仕組みになっているんです。
 そこで、その実態がどうかということを財務省の事務方に聞きますが、要するにこれ、自民の税調の中でも私がこれ指摘したんですけれども、聞くところによるとですよ、法人税を一〇〇と、あっ、国税を一〇〇としたら消費税が三割ですよ、三割強。たしか所得税も三割ぐらいなんですよね。法人税が二割。つまり、個人の所得税と消費税で六割払っていて法人は二割なんですが、この消費税払っているのは法人じゃなくて個人でしょう、結局。そうすると、個人が負担している税金が税全体の六割ということになるんだが、これは、事務方、どうなんですか。
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住澤整#25
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 令和五年度予算案の一般会計税収六十九兆四千億でございますけれども、この中で、御指摘のような個人が最終的に負担すると考えられる消費税あるいは所得税の税収が六割程度となっていることは御指摘のとおりでございます。法人税については二割程度というところも御指摘のとおりでございます。
 他方、OECD加盟三十八か国につきまして、全体としてこれらの税目の構成比がどうなっているかということを見ますと、個人所得課税と消費課税の合計が七七・六%、法人課税については一二・三%となっておりまして、我が国においてこの個人の負担が大き過ぎるということには必ずしもなっていないものと理解しております。
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西
西田昌司#26
○西田昌司君 だから、せっかく財務省の応援してあげようというのにね、しようもない答えするから、あなた墓穴を掘っちゃうんです。
 OECDと言ってるけど、それは先ほど言ったように、欧州の付加価値税は完全転嫁されてないわけですよ。第二法人税になっていると、そういう一面があるんじゃないのかということ。
 じゃ、あなたが言っているんだったら、第二法人税になってないの。どうなんですか、それは。
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住澤整#27
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 転嫁に関するその考え方がある程度違うとか、あるいはその転嫁が行われるタイミングについても、欧州におきましては、日本のように税率引上げのタイミングで直ちにこの値段が変更されたりということは必ずしもないということはそのとおりでございますが、欧州においてこれが第二法人税というふうに位置付けられているかという点につきましては、例えば、そのEUの政府に当たります欧州委員会におきましても、この付加価値税について、究極的には最終消費者によって負担されるため消費課税であり、事業に賦課されるものではないといったような説明を行っているものと承知をいたしております。
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西
西田昌司#28
○西田昌司君 せっかく財務省の応援をしてあげようと思ったのに、全く水の泡になってしまいました。
 つまりね、これは矢野さんも言っているけれども、矢野さんがはっきり言っているのは、欧州のこのVATは、結局は転嫁が義務付けられてないから、経済に、第二法人的なものだということを言っているわけですよ。そして、個人、日本の場合には完全転嫁されてしまっているから、この消費税をなぶると、減税すると、個人の、日本の方はいきなり物価下がるけど向こうは下がらないと言っているわけ。それは逆に言うと、上げたときも向こうは上がらないし、日本は確実に上がると。その裏返しなんですよ。
 実はそこが一番の問題点で、一番の問題点でね、先ほど言いましたように、元々この日本の一番大きな問題の一つが法人の内部留保。結局、法人がどんどんどんどん内部留保して投資をしていない。今現在、貯蓄超過なんですよ。預貯金と借入金比べてみると預貯金の方が大きい。これ、家計はそうですよ、家計は。家計はそれないとやっていけませんからね。ところが、企業主体である、経済の主体である法人が投資をしないでお金をためていると。これが日本の経済の一番根本的な原因なんですよ、悪い。
 それをね、それを助長してしまったのが、一つは、バブル以降貸し剥がしありました。その原因は、BIS基準が変えられて、この自己資本率を上げなきゃならないから、銀行ももうどんどんどんどん回収したということもありますよ。そして、二度と法人の方は借りたくないと、こういう気持ちになる。
 さらにこれ、消費税をそこから入れていますからね。消費税が今言ったように完全に個人が払う税金なんですよ。法人はその仲立ちをしているだけなんですよ、これ。そうすると、法人の方が全然減りませんよね。しかも、法人税をどんどん下げちゃったと。これは、かつては実効税率、住民税も入れると五割超えていたものが、実効税率で三割以下ですよ。一億円利益あっても、もう三千万しか払わなくていいから、これはもう全然、投資をしようという余力、力にならないですね。だから、この法人税を上げていくということは非常に大事なんですよ、今まで下げてしまったので。だから、その法人税を上げていくという話をやるべきだという話をせっかく私がこういう理屈をして説明しているのに、財務省は本当に何という答弁しているの、あなた方は。事前に、私は何でこの質問をするかということをレクチャーしているのに、本当に意味がないね、これ。本当に情けない、私は、ということなんですよ。
 それで、最後に言いたいのは、そこで岸田さんが法人税を上げる話をおっしゃった。これはいわゆる防衛増税ということになっているんですけれども、これ防衛増税じゃないんですよ。元々の問題意識として、法人税を下げ過ぎたために内部留保があり、それから消費税問題もあってこの問題になっているのを何とか修正しようという、そこは私は意思だと思っていて、だから、私は自民党の中でも、今、宮沢会長おられないけど、反対多い中で私は賛成して、これまとめているんですよね。
 だから、これから法人税を上げる話はしなくちゃならないと思いますよ。しかし同時に、消費税をこれはもう一度仕組みから考え直すということもやらなきゃならないと思います。そのことを最後、大臣にお聞きします。
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鈴木俊一#29
○国務大臣(鈴木俊一君) 西田先生からいろいろと各般にわたってお話を伺ったところでございますが、最後の消費税の在り方あるいは法人税率の在り方につきましては、非常に今の税の根幹に関わる、主要三税のうちの二つでございますから、大きなことであると思いますので、党の、あっ、与党の税調等での議論というもの、そういうものも見守っていきたいと思います。
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