総務委員会

2024-05-14 衆議院 全190発言

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会議録情報#0
令和六年五月十四日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 古屋 範子君
   理事 斎藤 洋明君 理事 田所 嘉徳君
   理事 田中 良生君 理事 本田 太郎君
   理事 湯原 俊二君 理事 吉川  元君
   理事 中司  宏君 理事 中川 康洋君
      井原  巧君    石田 真敏君
      尾身 朝子君    金子 恭之君
      金子 容三君    川崎ひでと君
      小寺 裕雄君    坂井  学君
      田畑 裕明君    寺田  稔君
      中川 貴元君    中曽根康隆君
      西田 昭二君    西野 太亮君
      根本 幸典君    葉梨 康弘君
      長谷川淳二君    鳩山 二郎君
      古川 直季君    保岡 宏武君
      柳本  顕君    山口  晋君
      山本 左近君    吉田 真次君
      おおつき紅葉君    奥野総一郎君
      福田 昭夫君    藤岡 隆雄君
      道下 大樹君    渡辺  創君
      阿部  司君    中嶋 秀樹君
      吉田とも代君    平林  晃君
      宮本 岳志君    西岡 秀子君
      吉川  赳君
    …………………………………
   総務大臣         松本 剛明君
   総務副大臣        馬場 成志君
   総務大臣政務官      西田 昭二君
   総務大臣政務官      長谷川淳二君
   総務大臣政務官      船橋 利実君
   政府参考人
   (総務省自治行政局長)  山野  謙君
   政府参考人
   (総務省自治税務局長)  池田 達雄君
   総務委員会専門員     阿部 哲也君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十四日
 辞任         補欠選任
  尾身 朝子君     吉田 真次君
  国光あやの君     山口  晋君
  鳩山 二郎君     山本 左近君
  岡本あき子君     渡辺  創君
同日
 辞任         補欠選任
  山口  晋君     小寺 裕雄君
  山本 左近君     中曽根康隆君
  吉田 真次君     尾身 朝子君
  渡辺  創君     岡本あき子君
同日
 辞任         補欠選任
  小寺 裕雄君     柳本  顕君
  中曽根康隆君     鳩山 二郎君
同日
 辞任         補欠選任
  柳本  顕君     金子 容三君
同日
 辞任         補欠選任
  金子 容三君     国光あやの君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出第三一号)
     ――――◇―――――
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古屋範子#1
○古屋委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局長山野謙さん及び自治税務局長池田達雄さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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古屋範子#2
○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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古屋範子#3
○古屋委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。古川直季さん。
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古川直季#4
○古川(直)委員 おはようございます。自由民主党の古川直季でございます。
 今日は、貴重な質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、早速でありますけれども、本会議の先日の質疑では、本法案に対しまして、地方分権に逆行し、国と地方の関係を上下、主従に戻すことになるのではないか、また、国の判断が適切とは限らず、かえって住民の安全を損なうのではないかといった批判がございました。
 地方分権はこれまでもこれからも当然推進していくべきであると思いますが、大規模な災害や感染症の蔓延など、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態に限っては、国がリーダーシップを発揮することこそが大変重要なことであるというふうに思っております。新型コロナを踏まえた国と地方との関係などの課題にはしっかりと取り組まなければならないと思います。
 さきの新型コロナウイルス対応は、まさに想定外と申しますか、未曽有の事態でありました。患者の受入れ体制が十分にできていない中で受入先の調整に混乱を来したこと、首都圏において都県がばらばらに休業要請や外出自粛を行い国民に大きな不安を抱かせたことを忘れてはならないと思います。
 今、あの混乱を振り返りますと、感染症法で保健所設置団体の責任で対応すること、あるいは新型インフル特措法で都道府県の責任で対応することになっていた点に対しても、広域的、統一的に国がしっかりと責任を果たすべきという声が、与野党を問わず、多くのメディアからも上がっておりました。
 当時、私の地元の横浜港に入港したダイヤモンド・プリンセス号において最終的に七百名以上の患者が発生したのは感染初期であり、国内の受入れ体制が十分に整っていませんでした。患者の受入れ調整は法律上は保健所を持つ横浜市の責任でありましたが、実際にはとても横浜市だけでは対応できず、厚労省が神奈川県や他の都道府県と患者の受入れ調整に当たりました。これは、横浜市が対応が不十分だったとか判断が不適切だったということではないと思います。三千七百十一名の乗員乗客を乗せたクルーズ船の中で感染症が広がり、横浜港に接岸するという全く想定外のことでありました。私も市会議員でありましたので、当時のことをよく覚えております。
 しかしながら、当時は感染症法にはこのような国の役割の想定はなく、法律上の根拠はありませんでした。どうしても迅速な対応が必要なため、国が乗り出したのでありました。あの規模になってしまうと、当然に国の責任において対応すべき事態であったというふうに思います。今回の改正で大変重要なのは、このような重大で想定外の事態においては最終的な責任が国にあることを明確にすることではないかと思っております。この点について、大臣の認識をお伺いしたいと思います。
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松本剛明#5
○松本国務大臣 今委員からもお話をしましたとおり、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態におきましては、国民の生命等を保護するため、国と地方が連携し、総力を挙げて取り組む必要があり、国は果たすべき役割を責任を持って果たす必要があります。
 個別法が想定していない場面では、国の責任において指示すべきもの、特にそれが必要な場合にも助言として行わざるを得ないことになります。この結果、法律上は、自治体の責任において実施せざるを得ないことになり、国の責任の所在が不明確になります。
 このため、補充的な指示については、国の責任において指示すべきものを、地方との情報共有、コミュニケーションを確保し、限定的な要件、適正な手続を経て指示として行われるようにするものであるなど、本改正は、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における国の地方への働きかけについて法律上のルールを整備するものであり、国が果たすべき責任を明確化する意義があるものと考えております。
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古川直季#6
○古川(直)委員 大臣、答弁ありがとうございます。明確に、今、国の責任があるということをおっしゃっていただきました。
 今回いただいている御指摘はいろいろあるんですけれども、補充的な指示が行使される場面が不明確ではないかとか、具体的に事態の類型を明確化すべきであり、想定される事態を例示できないならば立法事実がないという批判があります。
 しかし、ここでも、せっかく用意されていた新型インフル特措法が新型コロナウイルスを対象にすらしていなかったことを忘れてはなりません。蔓延下の三年間、課題が生じるたびに感染症法、新型インフル特措法などの後追いの法改正が繰り返されてきました。しっかり備えを怠ってはなりませんが、事前にあらゆることを用意しておくことはできないということを我々は学んだのではないでしょうか。
 これまでに起きたことは今後も起き得るのであります。同じような事態が起きた際に、個別法の改正が行われるまでの間は国の役割が法律上不明確な状態が生じてしまいます。更に言えば、その時点で重大な立法事実が生じていても、個別法の改正が行われるまでの間はどうしても現場対応に遅れを来してしまいます。そのような事態が起きたときでも、個別法が改正されるまでの間、国民の生命を危険にさらすことを避けることこそが国の責務ではないかと思います。見解をお伺いしたいと思います。
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馬場成志#7
○馬場副大臣 ありがとうございます。
 第三十三次地方制度調査会の答申が指摘しているように、過去の災害や感染症の対応を踏まえ個別法の見直しが重ねられておりますけれども、これまでの経験を踏まえると、今後も個別法において想定されていない事態は生じ得るものであります。そうした場合に備えておく必要があると考えております。
 委員御指摘のとおり、このような事態においては、個別法改正により対応が行われるとしても、それまでの間は法律上の根拠がない中で事態に対処する必要があり、結果として国、地方間の責任の所在が不明確となります。
 個別法で想定されていない事態においても、国民の生命等の保護のため、国と地方が連携し、総力を挙げて取り組む必要があり、国が果たすべき役割を責任を持って果たすことを明確にするため、本改正案を立案しているものであります。
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古川直季#8
○古川(直)委員 ありがとうございます。
 質問の冒頭に申し上げた本会議での御批判の一つに、大規模な災害、感染症の蔓延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態において国民の生命等の保護のために国が責任を果たすことが、地方分権に逆行し、国と地方の関係を上下、主従に戻すことになるという御指摘がありました。しかし、これは到底考えられないのではないでしょうか。むしろ、法律の根拠なく国が地方に事実上の要請を繰り返すことこそが国の暴走を許す余地となり、分権に反するのではないでしょうか。この点は、新型コロナ対応の最前線で汗をかいてきた自治体の皆さんもよく分かっているものと思います。
 今回の改正案については、地方六団体も参画する地方制度調査会で議論が行われ、そこで取りまとめられた答申に基づくものだと承知しております。調査会では地方の意見も聞きながら議論が行われたのではないかと思いますが、答申取りまとめに至るまでにどのように地方の声が聞かれ、反映されたのかを伺います。
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山野謙#9
○山野政府参考人 お答えいたします。
 今般の答申につきましては、委員である地方六団体はもとより、指定都市市長会等からも意見を聴取した上で御議論いただき、取りまとめられたものでございます。
 その中で、例えば、補充的指示について、国と地方の関係、それぞれの役割について明確に整理することは重要ではないか、個別法では対応できない場合に備えてあらかじめ国と地方の関係に一定のルールを定めておくことは合理性があるのではないか、あくまで補充的なものとして行い、その範囲も限定すべきものではないか、指示権の発動に当たっては都道府県経由ではなく国が指定都市と直接やり取りする仕組みを設けるべきではないかといった御意見をいただいたところでございます。
 本改正案は、こうした地方からの御意見も踏まえ、現行の国と地方の関係を規定する章とは別に新たな章を設け、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における特例を規定することとした上で、補充的指示については、限定的な要件を定め、必要な指示ができるものとし、また、閣議決定や事前の地方公共団体に対する資料、意見提出の求め等の手続を設けています。
 さらに、指示の対象につきましては、地方公共団体に対して行うことができることとしておりまして、国が指定都市等に対して直接行うことができるものとしております。
 本改正案は、地方制度調査会の中で示された地方の意見を適切に反映した上で立案したものでございます。
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古川直季#10
○古川(直)委員 地方の声もしっかりと聞いていただいていることを確認させていただきました。
 本会議においても、今回の法案にある補充的な指示が個別法の立法に取り組むべき国会の立法権をも侵害することになるのではないかという質疑がありました。この御指摘も全く当たらないと思います。個別法で可能な限り規定を整備することは当然で、そのために不断の努力をすべきだと思います。
 一方で、想定外の事態にも備えておくことが必要です。仮に補充的な指示が行使されるような事態があれば、その後、個別法にどのような課題があったのかを検証して、必要な個別法の改正を行うのは当然で、むしろ適切な議論を通じてしっかりとした個別法を整えることになると思います。この点について、政府の見解をお伺いします。
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山野謙#11
○山野政府参考人 お答えいたします。
 個別法につきましては、これまでも、災害、感染症等の事態、その対応に当たり生じた課題等を踏まえ、必要な改正が行われてきているものと認識しております。
 補充的指示につきましては、他の法律の規定に基づき当該生命等の保護の措置に関し必要な指示をすることができる場合を除きという要件が設けられておりますので、これが行使された場合には、国が責任を持って対応すべき事態であるにもかかわらず個別法による対応ができなかったということになります。
 この点、今般の答申にも、個別法の規定では想定されていない事態において補充的な指示が行使された場合には、各府省において、どのような事態においてどのような国の役割が必要とされたのか地方公共団体を始めとする関係者の意見を聞いた上で適切に検証される必要があり、こうした検証が個別法の規定の在り方についての議論の契機とされることが期待されると指摘されておるところでございます。
 御指摘のとおり、補充的な指示が行使されるような場面では、そもそも個別法では想定されていない事態が生じたことを踏まえて、各府省において適切に検証が行われ、また、個別法の在り方についての議論が行われた上で、その結果に基づき必要な措置が講じられるべきものと考えております。
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古川直季#12
○古川(直)委員 さて、今回の改正は、本日議論させていただきましたように、地方の権限を国に吸い上げるものではなく、大規模な災害や感染症の蔓延など不測の事態が起きても国民の生命、安全を守るため、国がリーダーシップを発揮しながら、むしろ国と地方が一体となって危機に対処していこうとするものです。
 その中でも、特に大都市圏における対応が大きな課題であると思います。例えば、全国の指定都市二十市には国民の二割が、東京圏には三割が、東京、大阪、名古屋を含む三大都市圏には全国民の半数が居住しております。感染症の蔓延など、都道府県の範囲を超えた広域的な対応に国がしっかり役割を果たしていく必要があると思います。
 このような人口が集中する大都市圏では、国家的な危機の対処に当たり、通常の国、都道府県、市町村という平時の枠組みにとらわれずに、例えば国が都道府県を超えた調整を行ったり、国が指定都市など基礎自治体と直結して対応をするなど、柔軟かつ迅速な対応も必要になってくるのではないかと思いますが、総務大臣の御見解をお伺いいたします。
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松本剛明#13
○松本国務大臣 御指摘のとおり、大都市圏については、今般の答申では、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態への対応に当たり、各都道府県がそれぞれ対応するのではなく、圏域として一体的な対応を行うことが求められる場合があるとされております。
 このような事態におきましては、本改正案において、資料や意見の提出の要求について国が直接に指定都市等に対して行うことや、また、補充的な指示について国が直接に指定都市等に対して行うことが可能になっております。
 都道府県の事務処理と規模等に応じて市町村が処理する事務の処理との調整の規定を設けておりますが、答申では、人口や都市機能が高度に集中する大都市等の事務を含めて全国的な視点に立った調整が必要である場合には、国が自ら事務処理の調整のために措置を講じるなどの対応が考えられるとされております。
 御指摘のとおり、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態におきましては、迅速、的確な対応を確保する上で国が直接指定都市等とコミュニケーションを取ることは重要だと考えており、本法案はそのような考え方に立って立案されたものでございます。
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古川直季#14
○古川(直)委員 どうもありがとうございました。
 時間となりましたので、終わらせていただきます。
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古屋範子#15
○古屋委員長 次に、中川康洋さん。
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中川康洋#16
○中川(康)委員 おはようございます。公明党の中川康洋でございます。
 本日も質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。
 本日は、地方自治法の一部を改正する法律案ということで、先ほどの自民党の古川委員と内容が重なる部分もありますけれども、今回は重要な案件でございますので、私も重ねて質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、国の補充的な指示の創設について伺います。
 今回の改正案の柱の一つである国の地方公共団体に対する補充的な指示の創設は、仮に個別の法律に規定がなくても、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態であれば、地方自治法に新たに規定される特例を根拠に、国民の生命保護や安全確保に必要な事務処理などを国が閣議決定の手続を経て地方公共団体に指示できるというものであり、私は、これまでの新型コロナへの対応の教訓等からも必要な措置である、このように考えております。
 一方で、この補充的な指示の創設は、国の強制につながったり、地方分権の後退につながるのではないかとの意見があるのも事実でございます。しかし、地方分権はあくまでも平時の議論であり、非常時及び緊急時の議論とは次元が異なる問題です。むしろ、私は、今回、この国の補充的な指示を地方自治法の特例として法律で規定し枠にはめることにより、非常時の混乱の中で法律に基づかない超法規的な措置が取られる事態を防ぐのとともに、一方的な強制につながる根拠なき不適切な指示や、その指示の乱発も避けることができるのではないか、このように考える次第でございます。
 ゆえに、今回の国の地方公共団体に対する補充的な指示の創設は、非常時、平時両面において地方自治体の権限を守ることにつながるのとともに、今回のコロナ禍においても見られた従来の法制では想定されていなかった事態に対する対応という法の穴を塞ぐことにもなると考えますが、いかがでしょうか。大臣の御見解を伺います。
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松本剛明#17
○松本国務大臣 国民の安全に重大な影響を及ぼす事態におきましては、国民の生命等を保護するため、国と地方が連携し、総力を挙げて取り組む必要があり、国は果たすべき役割を責任を持って果たす必要がございます。
 第三十三次地方制度調査会では、審議の過程におきまして、重要なのは取りこぼしを防ぐという観点を持つかではないかといった御意見もございまして、答申が指摘しているように、過去の災害や感染症の対応を踏まえ個別法の見直しが重ねられていますが、これまでの経験を踏まえると、今後も個別法において想定されていない事態は生じ得るものであり、そうした場合に備えておく必要があると考えているところでございます。
 個別法で想定されていない事態におきましては、国、地方間の責任の所在が不明確となるところ、補充的な指示については、国の責任において指示すべきものを、国は地方公共団体と情報共有、コミュニケーションを確保し、限定的な要件、適正な手続を経て指示として行われるようにするものであるなど、本改正は国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における国の地方への働きかけについて法律上のルールを整備するもので、国が果たすべき責任を明確化する意義がございます。このような事態に限って特例として規定することで、このような事態以外における現行の国と地方の関係を尊重することにもなるものと考えております。
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中川康洋#18
○中川(康)委員 ありがとうございました。非常時の中で法律に基づかない超法規的な措置を地方自治体の職員にさせることがあっていいのかというのは大きな問題だと思います。その法の穴をしっかりと塞ぐという意味においては今回の法改正は必要じゃないか、私も地方議会に長くおりましたので、そういったことを認識しながら今回の質問をさせていただきました。
 次に、国と地方公共団体との事前協議について少しお伺いをいたします。
 この国の補充的な指示について、地方六団体の一つであります全国知事会は、今後も起こり得る想定外の事態に万全を期す観点から、その必要性は理解するものの、憲法で保障された地方自治の本旨や地方分権改革により実現した国と地方の対等な関係が損なわれるおそれもあるため、事前に地方公共団体と十分な協議、調整を行うことや、目的達成のために必要最小限度の範囲とすることなどを法案に明記するよう政府に要請してきたところでございます。
 その結果、本改正案では、国の補充的な指示について、国と地方公共団体との関係の特例と位置づけ、必要な限度において行使することや、あらかじめ適切な状況把握や講ずべき措置の検討のために地方公共団体に意見を求めるなど適切な措置を講ずるよう努めなければならない、このようなことが規定をされました。
 そこで、改めて大臣に伺いますが、この国の補充的な指示における国と地方公共団体の事前協議については、その指示が現場の実情を適切に踏まえた措置となるよう、国と地方双方にとって適切な協議、調整を行う運用となること、更に申し上げれば、本来国と地方は対等、協力の関係が前提であるために、地方公共団体が一方的な指示を受けるだけではなくて、国に対しても十分に意見を述べられる仕組みが盛り込まれることが重要、このように認識をしますが、大臣の御見解を伺います。
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松本剛明#19
○松本国務大臣 全国知事会からは、御指摘のように、法制化に当たりまして、補充的な指示について、事前に自治体との間で十分な協議、調整を行うことにより安易に行使されることのないようにすることについて提言をいただいたところでございます。
 この全国知事会の提言も踏まえまして、本改正案では、補充的な指示を行う際には、あらかじめ自治体に対して資料、意見提出の求め等の適切な措置を講ずるように努めなければならないこととしております。
 これに対して全国知事会からは、配慮がなされたことは評価したいなど、一定の御理解をいただいているものと考えておるところでございます。
 なお、全国知事会からは、当該規定の設置を評価いただいた上で、当該規定の下で補充的な指示の行使について運用の明確化をとの要望もいただいているところでございまして、引き続き丁寧に対応してまいりたいと考えております。
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中川康洋#20
○中川(康)委員 ありがとうございました。今回、協議、調整を行うということが入ったということは私は非常に意味があるというふうに思っております。現場の実情を適切に踏まえた措置となることが大事でございますので、私はこの協議、調整の中では調整というのが非常に大事だと思っています。協議をしただけだよ、協議しましたよだけではなくてやはり調整が図られる、納得の下でこういったことが行われるということが大事だと思いますので、この点も確認をさせていただきました。
 次に、国の補充的な指示行使後における個別法の策定についてお伺いします。ここは古川委員も少し触れられたところではありますが、重ねての御質問になります。
 今回の第三十三次地方制度調査会での答申では、国の補充的な指示が行使された場合の事後的な検証の必要性に言及するのとともに、その適切な事後検証が個別法の規定の在り方についての議論の契機とされることが期待されるというふうに明記をされ、国の補充的な指示が行使された後の個別法の見直しや新たな策定を行うことの必要性が求められております。
 私も、この国の補充的な指示が行使された後の検証と対策は非常に重要な課題であると捉えており、仮にいまだ想定し得ない初めて直面する非常時に国の補充的な指示を行使したとしても、次回、同じような事態に遭ったときには、再び国の補充的な指示を行使するのではなくて、その後新たに整備ないしは見直しを行った個別法で対応できるよう検証と対策を遅滞なく行い措置しておくことが非常に重要であるというふうに考えますが、総務省の見解を伺います。
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山野謙#21
○山野政府参考人 お答えいたします。
 個別法につきましては、これまでも、災害、感染症等の事態やその対応に当たり生じた課題等を踏まえ、必要な改正が行われてきているものと認識しております。
 補充的な指示につきましては、他の法律の規定に基づき当該生命等の保護の措置に関し必要な指示をすることができる場合を除きという要件が設けられておりますので、これが行使された場合には、国が責任を持って対応すべき事態であるにもかかわらず個別法による対応ができなかったということになります。
 この点、今般の答申にも、個別法の規定では想定されていない事態において補充的な指示が行使された場合には、各府省において、どのような事態においてどのような国の役割が必要とされたのか、地方公共団体を始めとする関係者の意見を聞いた上で適切に検証される必要があり、こうした検証が個別法の規定の在り方についての議論の契機とされることが期待されると指摘されているところでございます。
 委員御指摘のとおり、補充的な指示が行使されるような場面では、そもそも個別法では想定されていない事態が生じたことを踏まえて、各府省において適切に検証が行われ、また、個別法の在り方についての議論が行われた上で、その結果に基づき必要な措置が講じられるべきものと考えているところでございます。
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中川康洋#22
○中川(康)委員 ありがとうございました。
 想定し得ない状況が起きたときに今回のこの国の補充的な指示を使うという、これは大事な部分だと思います。やはり法の穴を塞いでいく、さらには超法規的な措置で職員等が動くということがないようにするということは大事です。しかし、それが一定程度落ち着いたときに事後検証をしっかりとして対策を取っていく、それによって個別法に、そこをしっかりと改正していくとか、新たな法律を整備していくこと、これは大事だと思うんです。
 そういったことをせずに、同じような問題が起きたときにまた国の補充的な指示を使うというのは私はやはりあるべき姿ではないと思いますので、これは関係府省がそういった取組をしていくことになるかと思うんですが、今回こういった答申もされているわけですので、総務省がリーダーシップを取って、そういった事態が生じたときにその後の検証と対策を遅滞なく行うことは非常に国の責務としても大事になってきますので、そのことの指摘をさせていただきました。よろしくお願いをいたします。
 そうしましたら、最後に、地域の多様な主体に対する連携、協働の推進について、具体的には指定地域共同活動団体制度についてお伺いをします。
 本改正案では、市町村長は、本改正案第二百六十条の四十九第一項に示された趣旨を達成するために必要があると認めるときは、地域的な共同活動を行う団体のうち、地縁による団体その他の団体又は当該団体を主たる構成員とする団体であって、具体的には四点あるわけですけれども、良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動であって、地域において住民が日常生活を営むために必要な環境の持続的な確保に資するものとして条例で定めるものを、地域の多様な主体との連携その他の方法により効率的かつ効果的に行うと認められること、また、二つ目に、民主的で透明性の高い運営その他適正な運営を確保するために必要なものとして条例で定める要件を備えること、さらには、三点目に、目的、名称、主としてその活動を行う区域その他の総務省令で定める事項を内容とする定款、規約その他これらに準ずるものを定めていること等を要件として備える団体を、その申請により指定地域共同活動団体として指定することができるというふうにされております。
 しかし、私は、この長々と今紹介をした備えるべき要件の内容はいかにもお役所的表現で、これから活動に取り組もうとする主体及び団体、さらには指定する側の市町村にも実に分かりにくいのではないかと感じざるを得ません。
 そこで、総務省に伺いますが、今回新たに創設されるこの指定地域共同活動団体制度によって指定される団体は、具体的にどのような団体が対象となり得るのか。現場に分かりやすくお答えをいただきたいと思います。また、この指定地域共同活動団体には、一昨年の十月に法施行され、新たな地域活動のツールとして現在全国で九十二の法人が設立されている労働者協同組合も対象となるのか。ここの部分もお答えをいただきたいと思います。
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山野謙#23
○山野政府参考人 お答えいたします。
 御質問の、市町村が指定します指定地域共同活動団体でありますが、制度上、指定の対象は、地域的な共同活動を行う団体のうち、区域の住民等を主たる構成員とする団体である必要があります。
 また、地域的な共同活動を地域の多様な主体との連携等により効率的、効果的に行い、民主的で透明性の高い適正な運営が確保されていることなどが必要であり、これらの具体的な要件は市町村が条例で定めることとしております。
 これらを満たす団体としては、地域運営組織や自治会、婦人会、NPO等が連携して地域的な共同活動を行っている場合などが指定され得ると考えておるところでございます。
 委員お尋ねの労働者協同組合でございますが、非営利性が徹底されているか、区域の住民等が主たる構成員であるか、地域の多様な主体との連携等により効果的、効率的な活動が行われているか等、様々なケースがあり得るものと承知しておりまして、指定地域共同活動団体に該当するかについては個別の状況に応じて判断されるものと考えております。
 いずれにしましても、総務省としては、新たに創設する制度が地域の実情に応じてそれぞれの創意工夫の下で全国的に活用され円滑に運用されるよう、施行通知等を通じて制度の分かりやすい周知に努めてまいりたいと考えております。
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中川康洋#24
○中川(康)委員 ありがとうございました。
 これからどんどん職員も減っていく、そういった中で、町づくりとか地域づくりとか福祉とか介護、こういった問題が出てくる、そういった意味においては多様な主体にお願いをしていくというこの流れは私はあると思います。地域共生社会をどうつくっていくかという部分ですので、その観点はあると思いますので、これが本当に分かりやすい内容になって多くの主体、団体が出てくることを願うものでございます。
 私の前には古川先生が御質問されて、私は中川でございます、次は吉川先生ということで、今日は川が三人続きますので、今後も川が流れるような議論をお願い申し上げて、質問を終わります。大変にありがとうございました。
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古屋範子#25
○古屋委員長 次に、吉川元さん。
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吉川元#26
○吉川(元)委員 立憲民主党の吉川元です。
 今日から自治法の改正についての具体的な質疑がスタートするわけですけれども、我々としてはそもそも今回の質疑に入るに当たって、立法事実を示してほしい、そしてまた、どういう場合にこの指示が行われるのか具体的な例示をしてほしいと再三にわたって総務省、政府に対して求めてまいりました。しかし、結局、実のある回答というのは全くございませんでした。その上で今日質疑に入るということでありますので、そうした立法事実や、どういう場合に具体的に指示が出されるのかという点について、今日は是非これを明らかにしていただきたいというふうに考えております。
 まず、今回の改正案なんですが、昨年十二月二十一日に第三十三次地制調の答申が行われました。そして、この三月の一日に閣議決定が行われております。その期間、僅か七十日ちょっと、二か月ちょっとで、非常に短期間の間に法案化が進められました。過去の自治法の改正と比較しても大変この時間が短いというふうに思います。例えば、一四年の改正の際には地制調の答申から閣議決定まで二百六十日、それから一七年の改正は地制調の答申から閣議決定まで約一年、非常に慎重に省内で検討して閣議決定に至っている。ところが、今回は僅か二月ということであります。
 そして、今回の改正はこれまでの国の関与の在り方を大きく変える内容を含んだ大変問題のある改正ですし、私自身は慎重に審議しなければいけない改正だというふうに思いますが、さらに、答申にも登場していない、地制調で十分議論したとも思えない指定地域共同活動団体という新たな団体に対する規定も盛り込まれた法案であります。
 もっと慎重な取扱いが必要だったというふうに考えますが、これほど短期間に閣議決定をした理由というのは何なんでしょうか。
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松本剛明#27
○松本国務大臣 答申から答申を踏まえた改正案が国会に提出されるまでの期間につきましては、検討される改正の内容であるとか、答申が行われた時期と国会の開催のタイミングとの関係など様々な事情によるものでございますが、委員からお話がありましたとおり、地制調が昨年十二月二十一日に答申を取りまとめ、本法案については、その後、地方六団体等の意見も伺いながら法制上の検討を行って、準備が整った本年三月一日に本法案を国会に提出いたしました。
 昨年の地方自治法改正につきましても、今回と同様に十二月に答申をいただき、その翌年である昨年三月に改正案を国会に提出いたしたところでございます。
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吉川元#28
○吉川(元)委員 今回の法案は、この後質問していきますけれども、大変重要な問題、これまでの地方分権の流れとは違うものが含まれていると私自身は思っております。
 通告しておりませんが、非常に単純な質問なので大臣に伺いますけれども、今回の法改正、新たな補充的な指示の創設ということですが、これというのは集権なのか分権なのか、どちらだというふうにお考えですか。
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松本剛明#29
○松本国務大臣 これまで本会議でも御答弁申し上げましたが、地方分権は大変大切な原則でありまして、これまでも原則にのっとった上で、これも繰り返し申し上げてまいりましたけれども、国民の生命等を守るために必要な措置を講ずる必要がある、先ほども御審議の中でも申し上げましたが、地制調の御審議でも重要なのは取りこぼしを防ぐという観点を持つかどうかだという御意見もありまして、そういった観点から答申を取りまとめられたところを踏まえまして今回法案を提出させていただいたものでありまして、地方分権の原則にのっとったものと理解をしております。
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