外交・安全保障に関する調査会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
令和六年四月十七日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
四月十六日
辞任 補欠選任
松川 るい君 江島 潔君
四月十七日
辞任 補欠選任
高木 真理君 古賀 千景君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 猪口 邦子君
理 事
岩本 剛人君
越智 俊之君
吉川ゆうみ君
塩村あやか君
宮崎 勝君
串田 誠一君
浜口 誠君
岩渕 友君
委 員
赤松 健君
朝日健太郎君
生稲 晃子君
上野 通子君
江島 潔君
こやり隆史君
永井 学君
森 まさこ君
大椿ゆうこ君
古賀 千景君
高木 真理君
三上 えり君
水野 素子君
新妻 秀規君
金子 道仁君
伊波 洋一君
齊藤健一郎君
事務局側
第一特別調査室
長 中西 渉君
参考人
東京大学大学院
新領域創成科学
研究科教授 亀山 康子君
公益財団法人笹
川平和財団海洋
政策研究所特別
研究員 秋元 一峰君
国連開発計画(
UNDP)駐日
代表 ハジアリッチ
秀子君
─────────────
本日の会議に付した案件
○外交・安全保障に関する調査
(「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序
構築~」のうち、「気候変動や武力紛争等の影
響を踏まえた国際的な食料・エネルギー安全保
障及び人間の安全保障の確保等に向けた取組と
課題」について)
─────────────
この発言だけを見る →午後一時開会
─────────────
委員の異動
四月十六日
辞任 補欠選任
松川 るい君 江島 潔君
四月十七日
辞任 補欠選任
高木 真理君 古賀 千景君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 猪口 邦子君
理 事
岩本 剛人君
越智 俊之君
吉川ゆうみ君
塩村あやか君
宮崎 勝君
串田 誠一君
浜口 誠君
岩渕 友君
委 員
赤松 健君
朝日健太郎君
生稲 晃子君
上野 通子君
江島 潔君
こやり隆史君
永井 学君
森 まさこ君
大椿ゆうこ君
古賀 千景君
高木 真理君
三上 えり君
水野 素子君
新妻 秀規君
金子 道仁君
伊波 洋一君
齊藤健一郎君
事務局側
第一特別調査室
長 中西 渉君
参考人
東京大学大学院
新領域創成科学
研究科教授 亀山 康子君
公益財団法人笹
川平和財団海洋
政策研究所特別
研究員 秋元 一峰君
国連開発計画(
UNDP)駐日
代表 ハジアリッチ
秀子君
─────────────
本日の会議に付した案件
○外交・安全保障に関する調査
(「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序
構築~」のうち、「気候変動や武力紛争等の影
響を踏まえた国際的な食料・エネルギー安全保
障及び人間の安全保障の確保等に向けた取組と
課題」について)
─────────────
猪
猪口邦子#1
○会長(猪口邦子君) ただいまから外交・安全保障に関する調査会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、松川るい君が委員を辞任され、その補欠として江島潔君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、松川るい君が委員を辞任され、その補欠として江島潔君が選任されました。
─────────────
猪
猪口邦子#2
○会長(猪口邦子君) 外交・安全保障に関する調査を議題といたします。
本日は、「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」のうち、「気候変動や武力紛争等の影響を踏まえた国際的な食料・エネルギー安全保障及び人間の安全保障の確保等に向けた取組と課題」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授亀山康子君、公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所特別研究員秋元一峰君及び国連開発計画(UNDP)駐日代表ハジアリッチ秀子君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、亀山参考人、秋元参考人、ハジアリッチ参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までをめどに質疑を行いたいと存じますので、御協力よろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず亀山参考人からお願いいたします。亀山参考人。
この発言だけを見る →本日は、「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」のうち、「気候変動や武力紛争等の影響を踏まえた国際的な食料・エネルギー安全保障及び人間の安全保障の確保等に向けた取組と課題」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授亀山康子君、公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所特別研究員秋元一峰君及び国連開発計画(UNDP)駐日代表ハジアリッチ秀子君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、亀山参考人、秋元参考人、ハジアリッチ参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までをめどに質疑を行いたいと存じますので、御協力よろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず亀山参考人からお願いいたします。亀山参考人。
亀
亀山康子#3
○参考人(亀山康子君) ありがとうございます。
今日は、貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
まず、二十分というお時間をいただきまして、私のレジュメの言えるところまで申し上げたいと思います。カラーのスライドでございます。
気候変動に関して私のイメージをマップのようにしたものが二枚目のスライドになります。二枚目のスライドで緑色の四角が横に四つ並んでいるのが気候変動の流れになります。
私たちが石炭や石油などの化石燃料を燃やすことによって二酸化炭素の排出量が増え、その結果、大気中の濃度が増えて、今、地球が暖まっている、これが地球温暖化でございます。その結果として、とても暑い夏だったりとか、あるいは干ばつ、あるいは洪水、台風など、そういった異常気象が起きる、これが気候変動でございます。今これが問題となっているわけでございます。
気候変動が起きると、私たちが被害を被る。被害を被るところで終わればいいんですけれども、それが地域によっては紛争ないし暴力といった形につながっていく、ここが安全保障に関係する部分と理解しております。
なお、私たちは、温暖化対策という名前で、この黄色く色塗った三つのタイプの対策を取っております。
一番左にあるのが緩和策。これが言ってみれば予防策でございまして、これ以上温室効果ガスの排出量を、できるだけ出さないようにするということが緩和策でございます。カーボンニュートラルですとか二〇五〇年ネットゼロといったのは全部緩和策になります。
二つ目の適応策。これは、もう既に温暖化してしまった地球において、私たちができるだけ被害を減らすために工夫することが適応策でございまして、例えば、より温暖な気候に適した農作物の品種に改良していくことでありますとか、あるいは堤防をより高く設定していくこと、こういったものが適応策となります。
適応策を私たちは取るわけですけれども、それでもなお洪水などで被害を受けます。家屋が流されたりするわけです。そういった被害を受けてしまった方々に対してサポートしていくことがロス・アンド・ダメージという対策になります。
ですので、温暖化対策は今この三つの種類に分けることができます。この三つが今日のテーマである安全保障にどう関わってくるのかということを三つの色に示してあります。
赤い色がエネルギー安全保障に関係すると思われるものでございまして、これは当然、緩和策に関係してくるわけであります。化石燃料の需要がどんどん減っていく、石油を今までよりもみんなが買わなくなっていくということで、国際的な地政学のバランスが変化していきます。
あるいは、今後、電気自動車なんかは増えていくわけなんですけれども、電気自動車にはバッテリーが必要です。バッテリーの中には様々な、クリティカルミネラルというふうに呼ばれますけれども、レアアースですね、が使われると。そうすると、それの争奪戦というのがもう既に始まっております。こういったものがエネルギー安全保障あるいは経済安全保障と呼ばれる部分になります。
二つ目、適応策、それから気候変動の影響の部分に関しては、食料安全保障というふうに水色で書きましたけれども、例えば、日本は海外からいろいろな食料を輸入しているわけなんですけれども、海外で小麦とか大豆とかが取れなくなったときに価格が高騰します。そういったときに、いかに国家として食料安全保障を確保していくのかという話。あるいは、企業レベルでは既に原材料の獲得が困難になっております。今まで捕れた魚が捕れないですとか、小麦、カカオ、コーヒーなどの値段が上がっているという話はもう御存じかと思います。
緑色で書いたのが人間安全保障に関係する部分なんですけれども、こちらは、緩和策においてもあるいは適応策においても、やはり値段が上がっていくということは、すなわち経済的に困っている方々が一番最初に被害を受けるわけでありまして、そういった格差の問題というものが生じてまいります。
また、特に海外ですけれども、紛争、暴力というところまで至りますと、やっぱり干ばつ等を発端とする地域紛争、あるいは干ばつや海面上昇などを発端とする気候難民の発生、こういったことが海外ではもう既に大きな問題となっております。
ですので、これが私なりの全体のマッピングでございまして、今日、ほかにお二人の参考人の方々が、それぞれの御専門分野、非常に詳しいですので、そこを避けて、ちょっと私の方で、まずちょっと、安全保障に入る前に、残りの時間、気候変動の現状について御紹介したいと思います。もう既にもしかしたらほかのところで聞かれているかもしれませんけれども。
三枚目のスライドの上の方の左のグラフだけ見ていただきたいんですけれども、左の方のスライドは、過去二千年にわたる地球の平均気温をプロットしたものでございます。これで明らかになっておりますように、やっぱり一八五〇年、人々が産業革命で石炭を掘って燃やすようになってから明らかに気温は上がっている。そして、その上がるスピードが非常に、今までの歴史の中でも、と比べてもとても速いということであります。
このIPCCという報告書が出たのが二〇二一年ですから、このプロットは二〇二〇年までしか描かれていないわけですけれども、二〇二〇年時点で地球の平均気温はそれ以前よりも一・一度近く上がっているということになっておりました。ですので、これが当時の事実でございます。
それで、下の方の黒っぽい図に移っていただきますと、これ残念ながら、この一年間、温暖化が更に進んでおります。二〇二三年の赤い線が御覧いただけるかと思いますけれども、やっぱり去年の三月ぐらいからおかしくなってまいりまして、この後、これ以降、過去には見られなかった温暖な状態になっております。去年の日本もとても暑い夏でしたけれども、日本だけではなくて世界中が暑い夏を迎えるようになっております。
この状況は今年になっても、この黄色で表している部分ですけれども、続いておりまして、それで、去年の三月から今年の三月まで、あっ、去年の四月から今年の三月までの一年間、十二か月を取ると、平均気温は産業化前のと比べて一・五八度、つまり二〇二〇年のときには一・一度上がりましたと大騒ぎしていたんですけれども、もうこういう取り方をすると一・五八度まで上がっちゃっているんですね。
ただ、これが一〇〇%温室効果ガスの温暖化によるものなのかどうかがまだ分からなくて、もしかしたらこの一部は温暖化以外の自然現象でもって複合的な結果として上がり過ぎている場合もありますから、今この一・五八度のうちのどの部分が温暖化によるものなのかということを検証しているところなんですけれども、もしもこの時点で、ああ、やっぱり一・五度分ぐらいは温室効果ガスの濃度が増えたことによりますねという結果が出てしまいますと、私たちは既にこの一・五度という、当時、三年前に目標としていたはずの温度をもう既に超えてしまったということになります。ですので、ここはすごく、私たちが予想していたよりももしかしたら速いスピードで温暖化が起きているかもしれないということになります。
五枚目のスライドです。この辺りからまたIPCCの報告書から図を取ってまいっておるんですけれども、これは排出量をゼロにしても気温上昇は続くというものを示しております。
真ん中に二〇二〇年というラインがあるんですけれども、これを今日というふうにしますと、皆さんがお生まれになった年代をちょっと御覧になってください。今よりも大分薄い色かなと思います。ですので、私たちが生まれたとき、もう既にちょっと暖かくなりかけていたんだけれども、そのときと比べても、今はもう全然違う地球にいるということであります。
そして、今後、私たちがパリ協定で目指している排出削減を実現できると、真ん中のインターミディエートというところを進んでいくことになるんですね。ですので、パリ協定の努力だけだと、暖かくなるスピードがちょっと、ベリーハイと比べると遅くなるだけで、暖かくなり続けること自体は変わらないんですよ。
それで、ベリーローというところが一・五度目標を達成できた場合の温暖化シナリオで、これは二〇五〇年までの排出量実質ゼロという目標を達成できた場合に想定される気温上昇なんですけれども、これでもまだ暖かくなり続けはしないが温度が下がることにはならないですね。それはどうしてかというと、排出量をゼロにしたところで、短期的にはこれ以上は濃度が増えないだけであって、濃度自体が減るわけではないですから、濃度が変わらない以上、そこに含まれる熱量は変わらないわけです。
ですので、こういう状態が排出量をゼロにしたところで続くということ、そして、二〇二〇年に生まれた子供たちというのは、もうこういう世界の中で生きていかなければならない、これはもう元に戻れないところまで今私たちは来てしまっているということでございます。
海面上昇も続くというところにありますけれども、今現在、海面の上昇は二十センチぐらいであります。海面の上昇は二つの理由でもって起きます。一つは、北極とか南極の氷が解けることによってお水の量自体が増えるということ、もう一つは熱膨張ですね、お水が熱を、温かくなるとそれ自体が膨張しますので、この二つの理由によって海面は上昇します。
こちらも私たちが今後どんな対策を取ろうとも上昇し続けることには変わらなくて、下手をすると、二一〇〇年ぐらいでは一メーター、あるいは、画期的、画期的と言うと変ですね、南極の氷が急に解けてなくなったりすると、もう一・五メートルぐらいまで上がる可能性がございます。
また、次のページですけれども、そのときに生態系にどういう影響が起きるかであります。ちょっと英語で申し訳なかったんですけれども、上の方はリスク・オブ・スピーシーズ・ロスと書いてありますので、生物多様性がどれぐらい失われるのかと、生物種がどれぐらい減るのかということを示しております。
濃度、紫色になるほど、そこの市はほとんど住めないぐらいの状態になるということなんですね。見ていただくと、この紫色が出てくるのというのは、やっぱり三度、四度だともうひどいですね。二度でも、よく見ると紫色のところがぽちぽちとありまして、なので、私たちは二度を目指す以前に、まず一・五度で温暖化を止められたらいいねと思って頑張ってきているわけなんですけれども、こういったことで、一・五度あるいは二度でも、特に赤道近辺では生物が絶滅するぐらいの気温の上昇が起きることが想定されております。
似たようなことは、下の方の、人に対する影響でも言えます。人間に関しては、単に気温だけではなくて湿度も関係してくるんですね。同じ気温だと湿度が高いほど不快感あると思います。そして、人にとっては死亡するような、に近づくような状態になっていきます。ですので、気温と湿度の組合せでもって指数を作って、その指数がもう一年中、三百六十五日全部死ぬほどの状態だというのが紫色なんですね。
これも、やはり二・四度以上ぐらいになってくると、やっぱり赤道辺りでもう一年中人々が死んでしまいそうな状態の気温の日が続くと。やっぱりこういう日って一日や二日あってもつらいじゃないですか。一か月ぐらい続くと本当に亡くなると思うんですよね、一年中続かなくても。そうなってくると、一・七とか二・三度ぐらいのところで抑えてもかなり厳しい国があるということが分かります。
それで、この図の見方としては、生物種も人間も今住んでいるところから動かないということを仮定しております。実際には多分暑くなるとみんな寒い方に一生懸命逃げていきますので、今ここに描かれているそのままのことにはならないとは思いますけれども、人間の場合、移動していくということは、すなわちやっぱり気候難民が更に増えていくということになります。ですので、それが人間安全保障につながっていくということになります。
それで、ここまでが気候変動の現状のお話だったんですけれども、八枚目のスライドで、気候変動を安全保障につなげてみたいと思います。
気候変動あるいは地球環境安全保障なんていう言葉が海外で出てきたのは一九八〇年代でございます。ちょうど冷戦が終結して、当時ソビエトのゴルバチョフさんが地球環境安全保障という言葉を使いまして、今まで軍事力に充てていた予算を全部地球環境に充てれば、平和も達成できるし、環境も良くなるんじゃないかというようなスピーチをなさいました。
こういうときに使われる安全保障という言葉と、別の方々が地球環境あるいは気候変動安全保障と言うときとで、時々ニュアンスといいますか文脈が違うんですね。ですので、どう文脈が違うのかということを調べるためにいろいろな文献をあさっていた時期が私の研究生活の中でございまして、それで、どうやらこの四つに分けられそうだというのが私の当時書いた論文の中にございます。
安全保障という言葉は一般的には国家安全保障の文脈で使われることが多くて、ほかの国からの攻撃を自分の国、ほかの国からの攻撃から自分の国を守ると。国対国の問題なんですよね、安全保障という言葉は。だけれども、この気候安全保障に関しては、国という主体とは限らなくて、例えば、一番、地球そのものが気候変動のおかげで大変なことになっているから、もう国家の安全保障なんか語っている場合ではなくて、地球そのものを守るべきだというような文脈でこの言葉を使う方がいらっしゃいます。
二つ目、国家を気候変動の影響から守る、あるいは緩和策による影響から守る、あるいは気候変動影響による紛争から守る、何らかの気候変動に関係するリスクから国家を守るという意味でこの言葉を使うパターンもございます。
ちょっと分かりづらいかもしれませんので幾つか例を申し上げますと、気候変動影響ですね、台風が来て自分の国の一部が浸水して、そこから人を助けるというのは、日本国内では余り安全保障という言葉は使われないんですけれども、アメリカでは使われています。アメリカの国内の洪水関係ではセキュリティーという言葉を、クライメートセキュリティーという言葉を使います。それから、緩和策による影響、これは、緩和策のために電気自動車をいっぱい造らなきゃいけなくて、先ほど申し上げたような、そのレアメタルがなくなってきてどこから調達しようかというような話になると、これは国家の経済的な意味での安全保障につながってまいります。また、気候変動影響による紛争から守るという意味では、やっぱり、気候難民を受け入れるのかとか、勝手に入ってきてしまう人たちをどうすればいいのかとか、そういった問題が関係してまいります。
それから三つ目が、個人あるいは集団を守るというようなニュアンスで使う場合がございます。
人間安全保障に関する議論というのは、多分ここが一番大きいかなというふうに思います。気候変動影響、緩和策による影響、気候変動影響による紛争あるいは暴力から守るときに、気候安全保障あるいは気候と人間安全保障というような話し方をいたします。
二枚目のスライドで冒頭お話ししましたように、やっぱり緩和策にしても適応策にしても、やはり何らかのイベントが発生すると物の値段が上がります。それで、やっぱりその物の値段が上がったときに一番困るのは経済的に困難な方々ということで、これは、今日の多分その外交の話ですので、先進国と途上国という意味ではもちろん途上国でありますが、一つの国の中でもこの問題は起きていて、やっぱりヨーロッパでは、電力の値段が上がって、それでやっぱり貧しい方々が電力を使えなくなるということで問題となっているんですけれども、その辺りをこの安全保障という言葉を使って議論したりとか、それから、最近ですとクライメートジャスティスという言葉も使いますね。正義という観点から、その社会的な弱者を気候変動の緩和策から、あるいは適応策からもきちんと救うべきだというような議論をいたします。
それから一番最後が、防衛インフラを気候変動影響から守るということです。
これは、アメリカが多分この文脈一番強くて、もう既に二〇〇七年ぐらいの論文から、アメリカの国の軍事施設あるいは航空機とかそういったものが、洪水であったりとかあるいは竜巻とかそういうものでいきなり飛ばされたりするらしいんですよね。やっぱりそこをどうやって守っていくのかという文脈で、アメリカの防衛関係の方々が気候変動安全保障というようなことを大分前から言っております。欧州とかアメリカ以外の国では、この文脈で論文はそれほど出ていないか、あるいはその防衛関係の省庁からレポートが出ている程度かなというふうに思いますけれども、やっぱり安全保障の文脈では非常に重要な部分かなというふうになります。
私のスライドはまだ続くんですけれども、これでちょうど二十分ぐらいかと思いますので、ここで一旦止めさせていただきまして、この後の質疑応答のところで、ちょっとこのスライド気になるというのがありましたら、ちょっと言っていただければ追加で説明したいと思います。
御清聴どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →今日は、貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
まず、二十分というお時間をいただきまして、私のレジュメの言えるところまで申し上げたいと思います。カラーのスライドでございます。
気候変動に関して私のイメージをマップのようにしたものが二枚目のスライドになります。二枚目のスライドで緑色の四角が横に四つ並んでいるのが気候変動の流れになります。
私たちが石炭や石油などの化石燃料を燃やすことによって二酸化炭素の排出量が増え、その結果、大気中の濃度が増えて、今、地球が暖まっている、これが地球温暖化でございます。その結果として、とても暑い夏だったりとか、あるいは干ばつ、あるいは洪水、台風など、そういった異常気象が起きる、これが気候変動でございます。今これが問題となっているわけでございます。
気候変動が起きると、私たちが被害を被る。被害を被るところで終わればいいんですけれども、それが地域によっては紛争ないし暴力といった形につながっていく、ここが安全保障に関係する部分と理解しております。
なお、私たちは、温暖化対策という名前で、この黄色く色塗った三つのタイプの対策を取っております。
一番左にあるのが緩和策。これが言ってみれば予防策でございまして、これ以上温室効果ガスの排出量を、できるだけ出さないようにするということが緩和策でございます。カーボンニュートラルですとか二〇五〇年ネットゼロといったのは全部緩和策になります。
二つ目の適応策。これは、もう既に温暖化してしまった地球において、私たちができるだけ被害を減らすために工夫することが適応策でございまして、例えば、より温暖な気候に適した農作物の品種に改良していくことでありますとか、あるいは堤防をより高く設定していくこと、こういったものが適応策となります。
適応策を私たちは取るわけですけれども、それでもなお洪水などで被害を受けます。家屋が流されたりするわけです。そういった被害を受けてしまった方々に対してサポートしていくことがロス・アンド・ダメージという対策になります。
ですので、温暖化対策は今この三つの種類に分けることができます。この三つが今日のテーマである安全保障にどう関わってくるのかということを三つの色に示してあります。
赤い色がエネルギー安全保障に関係すると思われるものでございまして、これは当然、緩和策に関係してくるわけであります。化石燃料の需要がどんどん減っていく、石油を今までよりもみんなが買わなくなっていくということで、国際的な地政学のバランスが変化していきます。
あるいは、今後、電気自動車なんかは増えていくわけなんですけれども、電気自動車にはバッテリーが必要です。バッテリーの中には様々な、クリティカルミネラルというふうに呼ばれますけれども、レアアースですね、が使われると。そうすると、それの争奪戦というのがもう既に始まっております。こういったものがエネルギー安全保障あるいは経済安全保障と呼ばれる部分になります。
二つ目、適応策、それから気候変動の影響の部分に関しては、食料安全保障というふうに水色で書きましたけれども、例えば、日本は海外からいろいろな食料を輸入しているわけなんですけれども、海外で小麦とか大豆とかが取れなくなったときに価格が高騰します。そういったときに、いかに国家として食料安全保障を確保していくのかという話。あるいは、企業レベルでは既に原材料の獲得が困難になっております。今まで捕れた魚が捕れないですとか、小麦、カカオ、コーヒーなどの値段が上がっているという話はもう御存じかと思います。
緑色で書いたのが人間安全保障に関係する部分なんですけれども、こちらは、緩和策においてもあるいは適応策においても、やはり値段が上がっていくということは、すなわち経済的に困っている方々が一番最初に被害を受けるわけでありまして、そういった格差の問題というものが生じてまいります。
また、特に海外ですけれども、紛争、暴力というところまで至りますと、やっぱり干ばつ等を発端とする地域紛争、あるいは干ばつや海面上昇などを発端とする気候難民の発生、こういったことが海外ではもう既に大きな問題となっております。
ですので、これが私なりの全体のマッピングでございまして、今日、ほかにお二人の参考人の方々が、それぞれの御専門分野、非常に詳しいですので、そこを避けて、ちょっと私の方で、まずちょっと、安全保障に入る前に、残りの時間、気候変動の現状について御紹介したいと思います。もう既にもしかしたらほかのところで聞かれているかもしれませんけれども。
三枚目のスライドの上の方の左のグラフだけ見ていただきたいんですけれども、左の方のスライドは、過去二千年にわたる地球の平均気温をプロットしたものでございます。これで明らかになっておりますように、やっぱり一八五〇年、人々が産業革命で石炭を掘って燃やすようになってから明らかに気温は上がっている。そして、その上がるスピードが非常に、今までの歴史の中でも、と比べてもとても速いということであります。
このIPCCという報告書が出たのが二〇二一年ですから、このプロットは二〇二〇年までしか描かれていないわけですけれども、二〇二〇年時点で地球の平均気温はそれ以前よりも一・一度近く上がっているということになっておりました。ですので、これが当時の事実でございます。
それで、下の方の黒っぽい図に移っていただきますと、これ残念ながら、この一年間、温暖化が更に進んでおります。二〇二三年の赤い線が御覧いただけるかと思いますけれども、やっぱり去年の三月ぐらいからおかしくなってまいりまして、この後、これ以降、過去には見られなかった温暖な状態になっております。去年の日本もとても暑い夏でしたけれども、日本だけではなくて世界中が暑い夏を迎えるようになっております。
この状況は今年になっても、この黄色で表している部分ですけれども、続いておりまして、それで、去年の三月から今年の三月まで、あっ、去年の四月から今年の三月までの一年間、十二か月を取ると、平均気温は産業化前のと比べて一・五八度、つまり二〇二〇年のときには一・一度上がりましたと大騒ぎしていたんですけれども、もうこういう取り方をすると一・五八度まで上がっちゃっているんですね。
ただ、これが一〇〇%温室効果ガスの温暖化によるものなのかどうかがまだ分からなくて、もしかしたらこの一部は温暖化以外の自然現象でもって複合的な結果として上がり過ぎている場合もありますから、今この一・五八度のうちのどの部分が温暖化によるものなのかということを検証しているところなんですけれども、もしもこの時点で、ああ、やっぱり一・五度分ぐらいは温室効果ガスの濃度が増えたことによりますねという結果が出てしまいますと、私たちは既にこの一・五度という、当時、三年前に目標としていたはずの温度をもう既に超えてしまったということになります。ですので、ここはすごく、私たちが予想していたよりももしかしたら速いスピードで温暖化が起きているかもしれないということになります。
五枚目のスライドです。この辺りからまたIPCCの報告書から図を取ってまいっておるんですけれども、これは排出量をゼロにしても気温上昇は続くというものを示しております。
真ん中に二〇二〇年というラインがあるんですけれども、これを今日というふうにしますと、皆さんがお生まれになった年代をちょっと御覧になってください。今よりも大分薄い色かなと思います。ですので、私たちが生まれたとき、もう既にちょっと暖かくなりかけていたんだけれども、そのときと比べても、今はもう全然違う地球にいるということであります。
そして、今後、私たちがパリ協定で目指している排出削減を実現できると、真ん中のインターミディエートというところを進んでいくことになるんですね。ですので、パリ協定の努力だけだと、暖かくなるスピードがちょっと、ベリーハイと比べると遅くなるだけで、暖かくなり続けること自体は変わらないんですよ。
それで、ベリーローというところが一・五度目標を達成できた場合の温暖化シナリオで、これは二〇五〇年までの排出量実質ゼロという目標を達成できた場合に想定される気温上昇なんですけれども、これでもまだ暖かくなり続けはしないが温度が下がることにはならないですね。それはどうしてかというと、排出量をゼロにしたところで、短期的にはこれ以上は濃度が増えないだけであって、濃度自体が減るわけではないですから、濃度が変わらない以上、そこに含まれる熱量は変わらないわけです。
ですので、こういう状態が排出量をゼロにしたところで続くということ、そして、二〇二〇年に生まれた子供たちというのは、もうこういう世界の中で生きていかなければならない、これはもう元に戻れないところまで今私たちは来てしまっているということでございます。
海面上昇も続くというところにありますけれども、今現在、海面の上昇は二十センチぐらいであります。海面の上昇は二つの理由でもって起きます。一つは、北極とか南極の氷が解けることによってお水の量自体が増えるということ、もう一つは熱膨張ですね、お水が熱を、温かくなるとそれ自体が膨張しますので、この二つの理由によって海面は上昇します。
こちらも私たちが今後どんな対策を取ろうとも上昇し続けることには変わらなくて、下手をすると、二一〇〇年ぐらいでは一メーター、あるいは、画期的、画期的と言うと変ですね、南極の氷が急に解けてなくなったりすると、もう一・五メートルぐらいまで上がる可能性がございます。
また、次のページですけれども、そのときに生態系にどういう影響が起きるかであります。ちょっと英語で申し訳なかったんですけれども、上の方はリスク・オブ・スピーシーズ・ロスと書いてありますので、生物多様性がどれぐらい失われるのかと、生物種がどれぐらい減るのかということを示しております。
濃度、紫色になるほど、そこの市はほとんど住めないぐらいの状態になるということなんですね。見ていただくと、この紫色が出てくるのというのは、やっぱり三度、四度だともうひどいですね。二度でも、よく見ると紫色のところがぽちぽちとありまして、なので、私たちは二度を目指す以前に、まず一・五度で温暖化を止められたらいいねと思って頑張ってきているわけなんですけれども、こういったことで、一・五度あるいは二度でも、特に赤道近辺では生物が絶滅するぐらいの気温の上昇が起きることが想定されております。
似たようなことは、下の方の、人に対する影響でも言えます。人間に関しては、単に気温だけではなくて湿度も関係してくるんですね。同じ気温だと湿度が高いほど不快感あると思います。そして、人にとっては死亡するような、に近づくような状態になっていきます。ですので、気温と湿度の組合せでもって指数を作って、その指数がもう一年中、三百六十五日全部死ぬほどの状態だというのが紫色なんですね。
これも、やはり二・四度以上ぐらいになってくると、やっぱり赤道辺りでもう一年中人々が死んでしまいそうな状態の気温の日が続くと。やっぱりこういう日って一日や二日あってもつらいじゃないですか。一か月ぐらい続くと本当に亡くなると思うんですよね、一年中続かなくても。そうなってくると、一・七とか二・三度ぐらいのところで抑えてもかなり厳しい国があるということが分かります。
それで、この図の見方としては、生物種も人間も今住んでいるところから動かないということを仮定しております。実際には多分暑くなるとみんな寒い方に一生懸命逃げていきますので、今ここに描かれているそのままのことにはならないとは思いますけれども、人間の場合、移動していくということは、すなわちやっぱり気候難民が更に増えていくということになります。ですので、それが人間安全保障につながっていくということになります。
それで、ここまでが気候変動の現状のお話だったんですけれども、八枚目のスライドで、気候変動を安全保障につなげてみたいと思います。
気候変動あるいは地球環境安全保障なんていう言葉が海外で出てきたのは一九八〇年代でございます。ちょうど冷戦が終結して、当時ソビエトのゴルバチョフさんが地球環境安全保障という言葉を使いまして、今まで軍事力に充てていた予算を全部地球環境に充てれば、平和も達成できるし、環境も良くなるんじゃないかというようなスピーチをなさいました。
こういうときに使われる安全保障という言葉と、別の方々が地球環境あるいは気候変動安全保障と言うときとで、時々ニュアンスといいますか文脈が違うんですね。ですので、どう文脈が違うのかということを調べるためにいろいろな文献をあさっていた時期が私の研究生活の中でございまして、それで、どうやらこの四つに分けられそうだというのが私の当時書いた論文の中にございます。
安全保障という言葉は一般的には国家安全保障の文脈で使われることが多くて、ほかの国からの攻撃を自分の国、ほかの国からの攻撃から自分の国を守ると。国対国の問題なんですよね、安全保障という言葉は。だけれども、この気候安全保障に関しては、国という主体とは限らなくて、例えば、一番、地球そのものが気候変動のおかげで大変なことになっているから、もう国家の安全保障なんか語っている場合ではなくて、地球そのものを守るべきだというような文脈でこの言葉を使う方がいらっしゃいます。
二つ目、国家を気候変動の影響から守る、あるいは緩和策による影響から守る、あるいは気候変動影響による紛争から守る、何らかの気候変動に関係するリスクから国家を守るという意味でこの言葉を使うパターンもございます。
ちょっと分かりづらいかもしれませんので幾つか例を申し上げますと、気候変動影響ですね、台風が来て自分の国の一部が浸水して、そこから人を助けるというのは、日本国内では余り安全保障という言葉は使われないんですけれども、アメリカでは使われています。アメリカの国内の洪水関係ではセキュリティーという言葉を、クライメートセキュリティーという言葉を使います。それから、緩和策による影響、これは、緩和策のために電気自動車をいっぱい造らなきゃいけなくて、先ほど申し上げたような、そのレアメタルがなくなってきてどこから調達しようかというような話になると、これは国家の経済的な意味での安全保障につながってまいります。また、気候変動影響による紛争から守るという意味では、やっぱり、気候難民を受け入れるのかとか、勝手に入ってきてしまう人たちをどうすればいいのかとか、そういった問題が関係してまいります。
それから三つ目が、個人あるいは集団を守るというようなニュアンスで使う場合がございます。
人間安全保障に関する議論というのは、多分ここが一番大きいかなというふうに思います。気候変動影響、緩和策による影響、気候変動影響による紛争あるいは暴力から守るときに、気候安全保障あるいは気候と人間安全保障というような話し方をいたします。
二枚目のスライドで冒頭お話ししましたように、やっぱり緩和策にしても適応策にしても、やはり何らかのイベントが発生すると物の値段が上がります。それで、やっぱりその物の値段が上がったときに一番困るのは経済的に困難な方々ということで、これは、今日の多分その外交の話ですので、先進国と途上国という意味ではもちろん途上国でありますが、一つの国の中でもこの問題は起きていて、やっぱりヨーロッパでは、電力の値段が上がって、それでやっぱり貧しい方々が電力を使えなくなるということで問題となっているんですけれども、その辺りをこの安全保障という言葉を使って議論したりとか、それから、最近ですとクライメートジャスティスという言葉も使いますね。正義という観点から、その社会的な弱者を気候変動の緩和策から、あるいは適応策からもきちんと救うべきだというような議論をいたします。
それから一番最後が、防衛インフラを気候変動影響から守るということです。
これは、アメリカが多分この文脈一番強くて、もう既に二〇〇七年ぐらいの論文から、アメリカの国の軍事施設あるいは航空機とかそういったものが、洪水であったりとかあるいは竜巻とかそういうものでいきなり飛ばされたりするらしいんですよね。やっぱりそこをどうやって守っていくのかという文脈で、アメリカの防衛関係の方々が気候変動安全保障というようなことを大分前から言っております。欧州とかアメリカ以外の国では、この文脈で論文はそれほど出ていないか、あるいはその防衛関係の省庁からレポートが出ている程度かなというふうに思いますけれども、やっぱり安全保障の文脈では非常に重要な部分かなというふうになります。
私のスライドはまだ続くんですけれども、これでちょうど二十分ぐらいかと思いますので、ここで一旦止めさせていただきまして、この後の質疑応答のところで、ちょっとこのスライド気になるというのがありましたら、ちょっと言っていただければ追加で説明したいと思います。
御清聴どうもありがとうございました。
猪
秋
秋元一峰#5
○参考人(秋元一峰君) 秋元でございます。
本日私がお話しさせていただきますのは、食料、エネルギーあるいはその人間の安全保障という概念からは少し離れているかもしれませんけれども、どちらかというと、地政学だとか、最後、パワーポリティクスの方にまで入っていくかもしれませんので、御容赦お願いいたします。
まず冒頭申し上げておきたいことは、気候安全保障って言葉ができたのは最近のことでありますけれども、気候安全保障というのは、人間の歴史の中でも最初から、実はその安全保障の最初の原点であったんじゃないかと考えております。
レジュメに沿って話させていただきますけれども、一ページ目の一項で、気候変動の中の人の移動と定住ということで、学説によりますと、六万何千年か前にアフリカを出て、それから三万五千年前ぐらいまでにはもう南アメリカまで到達していたというふうに言われておりますけど、なぜ移動していったのかと。それは、食料を求めるとか、あるいはその人口が大きくなり過ぎたとか、そういうものがあるんでしょうけれども、その中の一つに、やはり気候変動というものがあったことは確かだと思います。
これは、古くは、信じるか信じないかは別でございますけれども、ノアの箱船だとかあるいはギルガメシュ伝説とかにも出てまいりますけれども、洪水で人が移動したとかですね、そういうものが出てまいります。
そういう中で、あるときに人口が増えていってもう移動がなかなかできなくなる。それから、食料を確保するために農業と畜産とをやっていくということで定住していくと。定住したところで文化発展していきますと、定住したところだけではなかなか生活ができないので、ほかの定住した人たちと交流をすると。そこで地政学というものが生まれてくるんだと思います。
今日の地球温暖化に伴う気候変動というものは、大きな原点に返った人間の安全保障というもののパラダイムシフトを起こすようなものではないかなと考えております。
それから、一つ、先ほど亀山先生からもありました、その大きな自然現象としての気候変動と、それから、いわゆるその産業革命後の地球温暖化というものの区別として、我々の研究では、この大きな流れ、今地球は第三氷河期の間氷期にあると言われておりますけれども、北極海がメタセコイアが生い茂っていたときもあれば、あるいはマンモスがこの辺りを闊歩したときもあると。そういう大きな、何万年、何千年の大きなその地球サイクル、それから、更に近いことでいえばエルニーニョが起こったり、単年度の気候のサイクルですね、それと、いわゆるその産業革命後の人間に起因する地球温暖化というものは区別して考える必要があると思います。もちろん、それは複合作用として生ずるんですけれども、どれがいわゆる地球温暖化と。
我々の研究では、大きなサイクルのことは、気候、クライメートチェンジを、クライメートバリエーション、気候変動。それから、いわゆるマンメードのようなものについては、これは変動するものではなくて、先ほど亀山先生からもありましたように、これはもう既に一・五度Cぐらい上がってしまっている。それから、二度Cぐらい、これはもう二度Cは不可能ではないかというような、これは変化してしまう状況ですので、そういうものは気候変動ではなくて気候変化と呼んではどうかというふうにして話しております。
それから、気候安全保障の概念ですけれども、恐らく気候安全保障の概念整理されたのは亀山先生が最初ではないかと思っておりますけれども、気候安全保障とは一体何かというのを具体的に、ちょっと私が考えているところ、六つの類型で考えております。
一つが自然災害ですね。これは、海面上昇したり、あるいは台風が大型化する。
それから二つ目が、農耕牧畜地帯、それから、あるいは海洋生態系のその変化によって資源紛争が起こったりなんかすると。それから、飢餓もそうですね。
それから三つ目が、脱炭素化というのをどんどん今国際社会進めていっておりますけれども、それによって、いわゆる化石燃料地帯の戦略的な重要性というものが減って、レアメタルだとかそういういわゆる再生可能エネルギーに必要な資源地域というものの戦略的なその重要性が高まってくる。そういうことによってその安全保障環境が不安定化すると。これについては、その気候安全保障に入れるものかという疑問を呈する方もおられますけれども、一応私はこれも入れております。
それから四つ目に、北極海融氷によるシーレーンの連結と。これ、後ほどお話ししたいと思いますけれども、北極海の融氷によってよく貨物が三分の二の航程で届くようになるとかいろいろ言われますけれども、海上交通路ができるということは、皆さんも御存じのとおり、マハンだとかあるいはマッキンダーの世界に入っていくと、シーレーンができるということによって、それによって地政学的な変動が起きます。これも大きな気候変動の一つではないかと、気候安全保障として取り扱うべきものではないかと考えております。
それから五つ目が、防衛装備、基地機能への影響ということで、これはいわゆる海軍でいきますとその水測ですね、魚雷のその諸元がまた変わってくると。それから、気候で大型化が起こったり、あるいは海面上昇が起こったりしますと、基地機能にも大きな影響が及ぼされると。
そういうような、その五つと、それによってその相互作用と、六つに類型を分けて一応考えております。
そのような中で、現在顕在しているものはどんなものか。いわゆる定量評価ができるものかと。定量評価ができて、それに対してその安全保障政策として国家が対応しているもの、どんなのがあるのかといいますと、まず一つは、大規模災害に対する救助。これは、多国籍な救助活動というものが既に類型化され、あるいは慣行化されていっております。
それから、漁業監視活動ですね、その違法操業に関するもの。これも、明らかに漁業資源というものは変化してきております。例えば、フィジー辺りは大きな排他的経済水域を持っておるんですけれども、それに対する漁業監視というものができないので、フランス海軍がニューカレドニアに展開している船と飛行機でフィジーのその違法操業を監視していると。それから、オーストラリアもそのようなことをやっているというようなことで、これもある程度取組が行われております。
それから、北極海融氷がもたらす安全保障環境の変化に対しては、これは主にアメリカが非常に重点的にやっておりまして、後ほどお話ししたいと思います。
それから、国防機能の影響への対策と。これも亀山先生からありましたように、随分前からアメリカは軍の方で、基地機能の低下、それから装備品、それから艦艇、航空機への影響というものの対策を講じてきております。これについては後ほどちょっとお話ししたいと思います。
それから、二ページ目に移りまして、今後必要となるのは、海面上昇に起因する人口移動への対策ということ。これは、確かに、実際に人口移動に対してどうするのか。あるいはモルディブに対して、あるいは中国だとか、あるいはオランダとかがですね、これはもう難民というんではなくて、その海面上昇に対するいわゆる施設のレジリエンスというところでやっておりますけど、そこは、大きな人口移動、マイグレーションに対する対策というのはまだ手が着けられていないんじゃないかと思います。
それから、脱炭素化とか、あるいは農耕、それから漁業の変化に伴う資源紛争とか人口移動と。これは、個人的には私はこれは非常に大きな問題になってくると思うんですけれども、これを実施するほどの定量的な評価というのがまだ集まっていないんじゃないかなと思っております。
それから、地球温暖化が及ぼす国防機能への影響につきましては、これは、私と同じく一緒に研究しておりますジャパン・タイムズの記者が昨年の三月に記事にしましたので、このレジュメの後に付けております。時間がありましたら、補足したいと思います。
それから、一つ、北極海融氷によるシーレーン連結が及ぼす地政学的な概念への影響。これについては、アメリカ、アメリカがかなり非常に、かなり非常にというのは面白い、変な表現ですけれども、マンパワーを投入していっておりますので、ちょっと紹介したいと思います。
北極海が船が通れることになるということは、すなわち、地球の海を間断なくぐるぐるぐるぐる回ることができることになるということになります。例えば、北極海通りますと、ユーラシア大陸ぐるっと回る、その船が同じくそのアメリカ大陸をぐるっと回る、八の字にどんどんどんどんもう間断なく回るということができるわけですね。
三ページ目に移りまして、八字型にぐるぐるぐるぐるサークルが回ると、これは地政学的に大きなパラダイムシフトを起こすわけで、三ページ目の真ん中の地図に書いておりますけど、いわゆるマッキンダーだとか、あるいはスパイクマンの地政学というのは、北極海が氷に閉ざされているのが前提になっております。その前提の下に、そのユーラシア大陸をハートランド、それからインド洋の縁辺をそのリムランドと呼んでいるわけですね。
ちょっと脱線しますけれども、バルチック艦隊、これは御存じのとおり、日露戦争のときに、一九〇四年の十月にラトビアをバルチック艦隊出港して、何と日本に到達したのが一九〇五年の五月に、日本海で、日本海海戦で沈められてしまう。実に七か月以上を要して日本に来ている。これがもし北極海が解けてしまったら、当時、解けていたら、全く状況は変わっていたんじゃないかなと思っております。
四ページ目に移りまして、では、そのようなことを考えますと、今、日本は自由で開かれたインド太平洋というものを標榜して、これはもう世界でも同じ言葉がいっぱい使われておりますけれども、そのようなことを考えると、地政学的にもう一つ、北極海というものがいわゆるリムランドになるというふうに考えなければいけないと思っております。
その北極海というリムランドが、西欧世界からの繁栄、今のグローバリズムの中で経済協力をし、繁栄の基になるのか。あるいは、今のウクライナとかイスラエルと同じように、その西欧世界の紛争がそのままインド太平洋に来てしまうのか。どちらかは、この北極海という新しいリムランド、ニュー・マリタイム・コリドーのその安全保障がどうなるのかということによって変わってくると思います。
この辺りは、実は北極海に関する国際シンポジウムの中でもかなり取り上げられるようになっております。御存じのとおり、北極評議会というのは安全保障は取り扱わないということになっておるんですけれども、アークティックサークルというのがアイスランドで毎年行われ、二〇二〇年に私も初めて参加させていただいたんですけれども、それでも安全保障の議題が随分出ている。それから、今年、先週なんですけれども、アラスカでアークティックエンカウンター二〇二四というのがあって、このときも海軍の軍人が随分出てきて北極海の安全保障のセッションが随分たくさんできておりました。
そのような関係で、北極海の安全保障というものが北極海の融氷によってどう変わるかというのは世界の安全保障に大きな影響を与えるものになると思っております。
これは蛇足になるんですけれども、四ページ目、日本の現在のシーレーンですね、主に、北極海は入っておりません。
次の五ページ目は、これ原油タンカーが中東から、これ中東から来ているんですけれども、これが、もし南シナ海、東シナ海を有事のときに通れなくなったら西太平洋を通っていかなきゃいけない。で、この赤で描いてある西太平洋を通っていきましても、これによって船舶を補充しなければいけないとか、あるいは石油の量が減るとか、失礼しました、コストが高くなる、バレル当たりのコストが高くなるというのはあるんですが、ある程度許容できるもの、ある程度許容できるものになると思います。
ただ、六ページに移りまして、もし太平洋も、西太平洋も何らかの紛争によって通れなくなった場合、これは本当に日本経済、その原油とそれからLNGが全く通れなくなるということでカタストロフィーになってくると。そうしますと、北太平洋のそのシーレーンというものを考えていかなきゃいけない。どこから持ってくるかというのは別の話ですけれども、そうしますと北極海というものが非常に重要になってくるので、日本としましても、その北極海のその安全保障というものを、これからどんどんどんどん北極海の融氷進んでいきますので、考えていかなければいけないんじゃないかなと思っております。
昨年も、そのようなことから、うちの財団でアメリカ・アラスカの方に情報収集に行ったんですけれども、アメリカでは国防総省がテッド・スティーブンス・センター・フォー・アークティック・セキュリティー・ストラテジーというのを昨年の七月に開所しております。これは国防総省がつくった北極の安全保障に関するそのセンターです。
そこで、もちろん研究もやりますし、各国から海軍の軍人を集めて、失礼、海軍だけじゃないですね、各国の軍人を集めて、そこで北極とは何かという、いわゆるその集合教育のようなものもやる計画を作っております。今やり出したか、もう既にやり出したかどうかというのはちょっとまだ分かりませんけれども、プログラムの中には載っております。
それからさらに、アラスカ大学、アンカレジにあるアラスカ大学の中に国家安全保障省がアークティック・ドメイン・アウェアネス・センターというのをつくって、これ、北極海のいわゆるそのアウェアネス・センター、ドメイン・アウェアネス・センターですね、それをつくって情報収集を図っていっております。
そのようなことで、日本としても、その北極海のことに、その安全保障への関心を持つ必要があるのではないかと思っております。
時間も迫ってきましたので、その辺りにつきましては以後質問があったときにということにしまして、もう一つ、英語で申し訳ないんですけれども、私のレジュメの次にジャパン・タイムズの去年の記事、去年の三月の記事なんですけれども、ガブリエル・ドミンゲスという名の、ひどい名前なんですけれども、若いジャパン・タイムズの記者ですね、安全保障と外交の、やっている人間で、彼が、我々が二〇二一年に「気候安全保障 地球温暖化と自由で開かれたインド太平洋」という冊子をうちの財団で出したんですが、その英語版を読んで興味を持って、日本の自衛隊と、それから日本に展開しているアメリカ軍の、気候、いわゆるその防衛装備だとか基地機能に与える影響はどんなものかというのを調べてくれまして、それをジャパン・タイムズの記事にしてありますので、もしお時間ありましたら読んでいただければ。
それで、特に基地機能、彼は基地機能のことしか調べられなかったようなんですけれども、先ほど亀山先生からもありましたように、今世紀末にはもしかしたら一メーターぐらい海面上昇があるかもしれない、そういうことの定量的な分析の中で、彼は、沖縄、佐世保、横須賀、この辺りは海面上昇の影響、三十センチぐらいの影響を受けるんじゃないか、で、それがその防衛機能にどのような影響を与えるのかというのは、これはこれからのことだと。それからさらには、海面のその水温が上がったり、そういうものによって、いわゆる、もっと具体的に言いますと魚雷の諸元どうするかだとか潜水艦の機能をどうすればいいかというものにもその影響が及んでくるということで、外国の記者が日本の防衛のことを心配してくれてもおりますので、紹介をしておきたいと思います。
二十分たちましたので、これで終わらせていただきます。
この発言だけを見る →本日私がお話しさせていただきますのは、食料、エネルギーあるいはその人間の安全保障という概念からは少し離れているかもしれませんけれども、どちらかというと、地政学だとか、最後、パワーポリティクスの方にまで入っていくかもしれませんので、御容赦お願いいたします。
まず冒頭申し上げておきたいことは、気候安全保障って言葉ができたのは最近のことでありますけれども、気候安全保障というのは、人間の歴史の中でも最初から、実はその安全保障の最初の原点であったんじゃないかと考えております。
レジュメに沿って話させていただきますけれども、一ページ目の一項で、気候変動の中の人の移動と定住ということで、学説によりますと、六万何千年か前にアフリカを出て、それから三万五千年前ぐらいまでにはもう南アメリカまで到達していたというふうに言われておりますけど、なぜ移動していったのかと。それは、食料を求めるとか、あるいはその人口が大きくなり過ぎたとか、そういうものがあるんでしょうけれども、その中の一つに、やはり気候変動というものがあったことは確かだと思います。
これは、古くは、信じるか信じないかは別でございますけれども、ノアの箱船だとかあるいはギルガメシュ伝説とかにも出てまいりますけれども、洪水で人が移動したとかですね、そういうものが出てまいります。
そういう中で、あるときに人口が増えていってもう移動がなかなかできなくなる。それから、食料を確保するために農業と畜産とをやっていくということで定住していくと。定住したところで文化発展していきますと、定住したところだけではなかなか生活ができないので、ほかの定住した人たちと交流をすると。そこで地政学というものが生まれてくるんだと思います。
今日の地球温暖化に伴う気候変動というものは、大きな原点に返った人間の安全保障というもののパラダイムシフトを起こすようなものではないかなと考えております。
それから、一つ、先ほど亀山先生からもありました、その大きな自然現象としての気候変動と、それから、いわゆるその産業革命後の地球温暖化というものの区別として、我々の研究では、この大きな流れ、今地球は第三氷河期の間氷期にあると言われておりますけれども、北極海がメタセコイアが生い茂っていたときもあれば、あるいはマンモスがこの辺りを闊歩したときもあると。そういう大きな、何万年、何千年の大きなその地球サイクル、それから、更に近いことでいえばエルニーニョが起こったり、単年度の気候のサイクルですね、それと、いわゆるその産業革命後の人間に起因する地球温暖化というものは区別して考える必要があると思います。もちろん、それは複合作用として生ずるんですけれども、どれがいわゆる地球温暖化と。
我々の研究では、大きなサイクルのことは、気候、クライメートチェンジを、クライメートバリエーション、気候変動。それから、いわゆるマンメードのようなものについては、これは変動するものではなくて、先ほど亀山先生からもありましたように、これはもう既に一・五度Cぐらい上がってしまっている。それから、二度Cぐらい、これはもう二度Cは不可能ではないかというような、これは変化してしまう状況ですので、そういうものは気候変動ではなくて気候変化と呼んではどうかというふうにして話しております。
それから、気候安全保障の概念ですけれども、恐らく気候安全保障の概念整理されたのは亀山先生が最初ではないかと思っておりますけれども、気候安全保障とは一体何かというのを具体的に、ちょっと私が考えているところ、六つの類型で考えております。
一つが自然災害ですね。これは、海面上昇したり、あるいは台風が大型化する。
それから二つ目が、農耕牧畜地帯、それから、あるいは海洋生態系のその変化によって資源紛争が起こったりなんかすると。それから、飢餓もそうですね。
それから三つ目が、脱炭素化というのをどんどん今国際社会進めていっておりますけれども、それによって、いわゆる化石燃料地帯の戦略的な重要性というものが減って、レアメタルだとかそういういわゆる再生可能エネルギーに必要な資源地域というものの戦略的なその重要性が高まってくる。そういうことによってその安全保障環境が不安定化すると。これについては、その気候安全保障に入れるものかという疑問を呈する方もおられますけれども、一応私はこれも入れております。
それから四つ目に、北極海融氷によるシーレーンの連結と。これ、後ほどお話ししたいと思いますけれども、北極海の融氷によってよく貨物が三分の二の航程で届くようになるとかいろいろ言われますけれども、海上交通路ができるということは、皆さんも御存じのとおり、マハンだとかあるいはマッキンダーの世界に入っていくと、シーレーンができるということによって、それによって地政学的な変動が起きます。これも大きな気候変動の一つではないかと、気候安全保障として取り扱うべきものではないかと考えております。
それから五つ目が、防衛装備、基地機能への影響ということで、これはいわゆる海軍でいきますとその水測ですね、魚雷のその諸元がまた変わってくると。それから、気候で大型化が起こったり、あるいは海面上昇が起こったりしますと、基地機能にも大きな影響が及ぼされると。
そういうような、その五つと、それによってその相互作用と、六つに類型を分けて一応考えております。
そのような中で、現在顕在しているものはどんなものか。いわゆる定量評価ができるものかと。定量評価ができて、それに対してその安全保障政策として国家が対応しているもの、どんなのがあるのかといいますと、まず一つは、大規模災害に対する救助。これは、多国籍な救助活動というものが既に類型化され、あるいは慣行化されていっております。
それから、漁業監視活動ですね、その違法操業に関するもの。これも、明らかに漁業資源というものは変化してきております。例えば、フィジー辺りは大きな排他的経済水域を持っておるんですけれども、それに対する漁業監視というものができないので、フランス海軍がニューカレドニアに展開している船と飛行機でフィジーのその違法操業を監視していると。それから、オーストラリアもそのようなことをやっているというようなことで、これもある程度取組が行われております。
それから、北極海融氷がもたらす安全保障環境の変化に対しては、これは主にアメリカが非常に重点的にやっておりまして、後ほどお話ししたいと思います。
それから、国防機能の影響への対策と。これも亀山先生からありましたように、随分前からアメリカは軍の方で、基地機能の低下、それから装備品、それから艦艇、航空機への影響というものの対策を講じてきております。これについては後ほどちょっとお話ししたいと思います。
それから、二ページ目に移りまして、今後必要となるのは、海面上昇に起因する人口移動への対策ということ。これは、確かに、実際に人口移動に対してどうするのか。あるいはモルディブに対して、あるいは中国だとか、あるいはオランダとかがですね、これはもう難民というんではなくて、その海面上昇に対するいわゆる施設のレジリエンスというところでやっておりますけど、そこは、大きな人口移動、マイグレーションに対する対策というのはまだ手が着けられていないんじゃないかと思います。
それから、脱炭素化とか、あるいは農耕、それから漁業の変化に伴う資源紛争とか人口移動と。これは、個人的には私はこれは非常に大きな問題になってくると思うんですけれども、これを実施するほどの定量的な評価というのがまだ集まっていないんじゃないかなと思っております。
それから、地球温暖化が及ぼす国防機能への影響につきましては、これは、私と同じく一緒に研究しておりますジャパン・タイムズの記者が昨年の三月に記事にしましたので、このレジュメの後に付けております。時間がありましたら、補足したいと思います。
それから、一つ、北極海融氷によるシーレーン連結が及ぼす地政学的な概念への影響。これについては、アメリカ、アメリカがかなり非常に、かなり非常にというのは面白い、変な表現ですけれども、マンパワーを投入していっておりますので、ちょっと紹介したいと思います。
北極海が船が通れることになるということは、すなわち、地球の海を間断なくぐるぐるぐるぐる回ることができることになるということになります。例えば、北極海通りますと、ユーラシア大陸ぐるっと回る、その船が同じくそのアメリカ大陸をぐるっと回る、八の字にどんどんどんどんもう間断なく回るということができるわけですね。
三ページ目に移りまして、八字型にぐるぐるぐるぐるサークルが回ると、これは地政学的に大きなパラダイムシフトを起こすわけで、三ページ目の真ん中の地図に書いておりますけど、いわゆるマッキンダーだとか、あるいはスパイクマンの地政学というのは、北極海が氷に閉ざされているのが前提になっております。その前提の下に、そのユーラシア大陸をハートランド、それからインド洋の縁辺をそのリムランドと呼んでいるわけですね。
ちょっと脱線しますけれども、バルチック艦隊、これは御存じのとおり、日露戦争のときに、一九〇四年の十月にラトビアをバルチック艦隊出港して、何と日本に到達したのが一九〇五年の五月に、日本海で、日本海海戦で沈められてしまう。実に七か月以上を要して日本に来ている。これがもし北極海が解けてしまったら、当時、解けていたら、全く状況は変わっていたんじゃないかなと思っております。
四ページ目に移りまして、では、そのようなことを考えますと、今、日本は自由で開かれたインド太平洋というものを標榜して、これはもう世界でも同じ言葉がいっぱい使われておりますけれども、そのようなことを考えると、地政学的にもう一つ、北極海というものがいわゆるリムランドになるというふうに考えなければいけないと思っております。
その北極海というリムランドが、西欧世界からの繁栄、今のグローバリズムの中で経済協力をし、繁栄の基になるのか。あるいは、今のウクライナとかイスラエルと同じように、その西欧世界の紛争がそのままインド太平洋に来てしまうのか。どちらかは、この北極海という新しいリムランド、ニュー・マリタイム・コリドーのその安全保障がどうなるのかということによって変わってくると思います。
この辺りは、実は北極海に関する国際シンポジウムの中でもかなり取り上げられるようになっております。御存じのとおり、北極評議会というのは安全保障は取り扱わないということになっておるんですけれども、アークティックサークルというのがアイスランドで毎年行われ、二〇二〇年に私も初めて参加させていただいたんですけれども、それでも安全保障の議題が随分出ている。それから、今年、先週なんですけれども、アラスカでアークティックエンカウンター二〇二四というのがあって、このときも海軍の軍人が随分出てきて北極海の安全保障のセッションが随分たくさんできておりました。
そのような関係で、北極海の安全保障というものが北極海の融氷によってどう変わるかというのは世界の安全保障に大きな影響を与えるものになると思っております。
これは蛇足になるんですけれども、四ページ目、日本の現在のシーレーンですね、主に、北極海は入っておりません。
次の五ページ目は、これ原油タンカーが中東から、これ中東から来ているんですけれども、これが、もし南シナ海、東シナ海を有事のときに通れなくなったら西太平洋を通っていかなきゃいけない。で、この赤で描いてある西太平洋を通っていきましても、これによって船舶を補充しなければいけないとか、あるいは石油の量が減るとか、失礼しました、コストが高くなる、バレル当たりのコストが高くなるというのはあるんですが、ある程度許容できるもの、ある程度許容できるものになると思います。
ただ、六ページに移りまして、もし太平洋も、西太平洋も何らかの紛争によって通れなくなった場合、これは本当に日本経済、その原油とそれからLNGが全く通れなくなるということでカタストロフィーになってくると。そうしますと、北太平洋のそのシーレーンというものを考えていかなきゃいけない。どこから持ってくるかというのは別の話ですけれども、そうしますと北極海というものが非常に重要になってくるので、日本としましても、その北極海のその安全保障というものを、これからどんどんどんどん北極海の融氷進んでいきますので、考えていかなければいけないんじゃないかなと思っております。
昨年も、そのようなことから、うちの財団でアメリカ・アラスカの方に情報収集に行ったんですけれども、アメリカでは国防総省がテッド・スティーブンス・センター・フォー・アークティック・セキュリティー・ストラテジーというのを昨年の七月に開所しております。これは国防総省がつくった北極の安全保障に関するそのセンターです。
そこで、もちろん研究もやりますし、各国から海軍の軍人を集めて、失礼、海軍だけじゃないですね、各国の軍人を集めて、そこで北極とは何かという、いわゆるその集合教育のようなものもやる計画を作っております。今やり出したか、もう既にやり出したかどうかというのはちょっとまだ分かりませんけれども、プログラムの中には載っております。
それからさらに、アラスカ大学、アンカレジにあるアラスカ大学の中に国家安全保障省がアークティック・ドメイン・アウェアネス・センターというのをつくって、これ、北極海のいわゆるそのアウェアネス・センター、ドメイン・アウェアネス・センターですね、それをつくって情報収集を図っていっております。
そのようなことで、日本としても、その北極海のことに、その安全保障への関心を持つ必要があるのではないかと思っております。
時間も迫ってきましたので、その辺りにつきましては以後質問があったときにということにしまして、もう一つ、英語で申し訳ないんですけれども、私のレジュメの次にジャパン・タイムズの去年の記事、去年の三月の記事なんですけれども、ガブリエル・ドミンゲスという名の、ひどい名前なんですけれども、若いジャパン・タイムズの記者ですね、安全保障と外交の、やっている人間で、彼が、我々が二〇二一年に「気候安全保障 地球温暖化と自由で開かれたインド太平洋」という冊子をうちの財団で出したんですが、その英語版を読んで興味を持って、日本の自衛隊と、それから日本に展開しているアメリカ軍の、気候、いわゆるその防衛装備だとか基地機能に与える影響はどんなものかというのを調べてくれまして、それをジャパン・タイムズの記事にしてありますので、もしお時間ありましたら読んでいただければ。
それで、特に基地機能、彼は基地機能のことしか調べられなかったようなんですけれども、先ほど亀山先生からもありましたように、今世紀末にはもしかしたら一メーターぐらい海面上昇があるかもしれない、そういうことの定量的な分析の中で、彼は、沖縄、佐世保、横須賀、この辺りは海面上昇の影響、三十センチぐらいの影響を受けるんじゃないか、で、それがその防衛機能にどのような影響を与えるのかというのは、これはこれからのことだと。それからさらには、海面のその水温が上がったり、そういうものによって、いわゆる、もっと具体的に言いますと魚雷の諸元どうするかだとか潜水艦の機能をどうすればいいかというものにもその影響が及んでくるということで、外国の記者が日本の防衛のことを心配してくれてもおりますので、紹介をしておきたいと思います。
二十分たちましたので、これで終わらせていただきます。
猪
ハ
ハジアリッチ秀子#7
○参考人(ハジアリッチ秀子君) 本日は、貴重な機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
人間の安全保障は、過去三十年間、日本と国連が推進してきた重要な理念でございます。グローバル化が進む中、環境破壊、気候変動、紛争や戦争、食料とエネルギーの安全保障の課題が国境を越え、相互に関連し合う中、人間を中心にあらゆる課題に多角的に取り組むことが主な理念となっております。
一九九四年、UNDPは人間の安全保障の新次元という報告書をリリースし、国連システム内に人間の安全保障という新語を作り出しました。人間が中心になることはもちろんのこと、相互依存性や早期警報を人間の安全保障の特徴として掲げました。
今年一月、グテーレス国連事務総長は、四回目の人間の安全保障についての事務総長報告書を発表いたしました。世界が混迷を極める中、国際社会が複合的な危機も含めた様々な課題に向き当たるに当たり、人間の尊厳に注目を当て、改めて世界に大事な理念として提示いたしました。
今回の報告書では、更なる人間の安全保障の推進を行い、気候変動、パンデミック、貧困、飢餓の削減、不平等の是正から紛争や暴力の防止まで、国境を越える課題に対して国際社会が一丸となって取り組むことを提唱しております。こうしたことからも、今回の調査会で先生方が非常にタイムリーなトピックを取り上げてくださったことに心より感謝する次第でございます。
それでは、ロシアとウクライナの両国で、世界の小麦生産量の三〇%、ヒマワリ油は八〇%を占めております。二〇二二年の戦争以降、ロシアが黒海の港を封鎖したことでウクライナからの穀物、ヒマワリ油などの輸出は大幅に減りました。これらの輸出の減少は世界の食料の価格上昇の一因ともなっておりまして、食料価格の高騰により、世界中で飢餓と貧困が悪化いたしました。アフリカ諸国は、ロシアとウクライナからの輸入依存度がとても高く、エジプトでは小麦の八〇%以上を両国から輸入しております。ベナン、コンゴ、カーボベルデ、タンザニアなども小麦をロシア、ウクライナに依存しております。
さらに、気候変動も加速しており、亀山教授がおっしゃったとおり、待ったなしの気候変動でございます。
一九七〇年代以降、サヘル地域、西アフリカのサヘル地域では、ほかの地域の二倍の速さで気温が上昇しており、既に月平均気温が三十五度を記録しております。私が前回赴任していたクウェートでも五十度近く行きました。もう熱いというか肌が痛いぐらいでした。
そしてさらに、西アフリカにまたがるリプタコグルマ地域、特に国境地帯では毎年十万人以上もの人々が干ばつや洪水などで被災しております。サヘル地域では、気温の上昇によって耕作地や放牧地が使えなくなることもあり、遊牧民と農民の対立をあおっております。つまり、気候変動、戦争、紛争、食料危機が悪循環しているという状況がございます。
ウクライナ戦争は、肥料価格にも影響を与え、世界の肥料価格を二一%上昇させたと言われております。アフリカでは、複数の国々が肥料補助金政策を開始いたしましたが、戦争の長期化は財政圧力が高まること、更なる貧困、食料危機へのリスクを意味いたします。
気候変動による気温の上昇、海面上昇、頻繁に発生する災害、そして生物多様性が損なわれると、農業の質と量にも悪影響を及ぼし、紛争と気候変動は世界の食料安全保障の大きなリスクとなっております。戦争により貴重な命も奪われますと同時に、原油の流出や火災、軍事行動に伴う爆撃によって、大量の温室効果ガスや有害ガスも放出され、水も汚染されます。
ウクライナは鉱物資源や化学産業も盛んであるため、国連によると、砲撃など受け、有害な化学物質の流出、そして製油所のほか、ガソリン、ディーゼル、LPGなどの貯蔵庫への攻撃が多くあり、汚染も深く懸念されております。
気候変動は多数の農業従事者の生計にも脅威を付けられています。特に、低中所得国の小規模農家、五億世帯の約三十億人への影響は大きくなり、島国は飲み水の不足にも陥る傾向にございます。
また、エネルギー安全保障についても少し短く触れさせていただきます。
ロシアは世界第三位の石油産油国であり、戦争勃発後、ブレント原油価格は二五%上昇いたしました。また、ロシアは、ウクライナの発電所やその他の主要なエネルギーインフラを狙った軍事攻撃を行い、UNDPによる電力セクター被害調査によると、国内の発電能力が戦前の約五割程度に減少し、生活、産業に支障が出ていると報告されております。
今年一月に上川外務大臣がウクライナを訪問した際、日本とUNDPとの連携により電力機器を供与することができました。エネルギー不足による混乱を未然に防ぎ、被害を受けた地域の五百五十万人以上の人々が電気にアクセスすることができるようになります。
さらに、中東地域ガザの戦争により、世界のエネルギー部門のリスクも高まりつつございます。今後、イラン産の石油輸出に対する制裁が強化される場合、価格上昇などの影響も考えられます。ウクライナ戦争の長期化と中東における不安定化の継続により、多くの途上国でもエネルギーの自給率を上げる必要性が再認識されております。
また、エネルギーセクターが世界の温暖化ガス排出の七三%を占めております。化石燃料に代わる、よりクリーンな代替燃料の期待もますます高まっており、このエネルギー移行により、とても多くの、少なくとも三千万以上の雇用がつくることもできると言われております。二〇五〇年までにネットゼロを達成することが必要最低限でございます。レジュメの方にはタイポがございますので、御容赦ください。
こうした背景もある中で、UNDPは、パリ協定の目標でもある二〇五〇年までのネットゼロのエネルギー移行の実現に向けて、技術支援のみならず、計画策定、そして政策支援、ガバナンス、社会的保護の強化にも取り組んでおります。例えば、中長期的な国家のエネルギー安全保障を確保すべく、UNDPはアフリカのサヘル地域にてエネルギー移行の取組も行っております。
サヘル地域、これはブルキナファソ、カメルーン、チャド、ガンビアなどが含まれますが、世界で最も再生エネルギーのポテンシャルが高い地域の一つであるため、再生可能エネルギーを原動力とするアフリカにおけるグリーン産業化を先導できる可能性がございます。再生可能エネルギーに投資すれば、雇用を創出し、SDGsの達成を早める地域的グリーン・バリューチェーンの確立も期待されます。
可能性のある産業の例として、太陽電池や太陽光発電バッテリーの製造、農産物の加工もございます。脱炭素を推進する政策、再生可能エネルギーの推進、産業のグリーントランスフォーメーション、GXですね、つまり産業界のエネルギー転換は日本自身が推進することと同時に、日本が開発途上国で支援する上でも同時に重要になってくると思われます。
それでは、手短にUNDPの関連したエリアでの御紹介をさせていただきたいと思います。
UNDPは貧困に終止符を打ち、人間の尊厳を守り、人権を実現し、次世代のためにも地球環境を守り、紛争予防や平和構築など、コミュニティーの人々や政府機関のパートナーと密に協働をしております。
加えて、UNDPの特徴といたしましては、国連の中でもいろいろな機関がございますので、国連開発計画の特徴といたしましては、国レベルでのカウンターパート、窓口は広範にわたり、一つの省庁を超えた横断的な関係が強いことでございます。例えば、WPS、女性・平和・安全保障の支援は長年UNDPは取り組んでおりまして、紛争後の小型武器の回収や不発弾の除去、元兵士の武装解除や社会復帰プログラム、暴力的過激派の防止など、テロ対策委員会などと協力する場合もあり、あらゆる省庁と女性の役割やニーズなどを考慮した支援を長年やっております。
UNDPの百七十か国におけるプレゼンス、とりわけ途上国に駐在しているUNDP国事務所は現地で五十年以上の実績がございます。上から目線の支援ではなく、寄り添い型で途上国との信頼関係を築き上げてまいりました。フィールドレベルでの支援と同時に、多くの途上国のSDGsに基づいた五か年開発戦略の作成などの政策レベルの支援もしております。
また、人間の安全保障のアドボカシーにも代表されるように、グローバルレベルの政策提言なども、多国間の開発対話にも貢献してまいりました。日本がリードされている人間の安全保障はもちろんのこと、WPSや人道、開発、平和の連携など、日本の開発協力大綱の優先順位にのっとって、UNDPは政策面でも協働に国際社会でアドボカシーをしていく所存でございます。
本日の議題に関連する食料やエネルギー危機と深く関わる紛争や気候変動についてのUNDPの取組を紹介させていただきます。
まずは、紛争予防ですが、あるドイツの研究所の発表によりますと、全ての紛争の六〇%が再発し、紛争後の平和は平均して七年しか続かず、一九九〇年代半ば以降、紛争の発生のほとんどは再発というデータも出ております。ですので、平和や安定化に関して申し上げれば、和平協定が必要不可欠なものではあります。これは、私も勤務していた、ボスニア戦争に終止符を打ったデイトン和平協定は、直ちに流血を防ぐための終戦を実現するという点では必要なものでございました。ただ、その平和協定の内容は長期にわたるガバナンスの枠組みとしては不十分で、だからこそ、UNDPはガバナンスの強化と早期警戒システムなどでボスニア戦争後、力を入れてきたという経緯もございます。
また、二〇二一年、UNDPの独立評価室が行ったUNDPのプログラム評価査定によると、人道、開発、平和の結び付きは今後更に重要となり、あらゆるパートナーが比較優位に基づいて共同で取り組む枠組みの必要性を強調しました。
日本が去年改定した開発協力大綱には、HDPネクサス、つまり人道支援だけではなく、その国が自分自身の足で立ち上がれるような開発の支援などの重要性が強調されておりますし、昨年末ジュネーブでありましたグローバル難民フォーラムにおいて、日本とUNDP、そしてUNHCRが共同で発表したHDPネクサス宣言は、日本の国際社会におけるリーダーシップの好事例でした。
したがって、UNDPは、今後も引き続き、コミュニティーを安定させるだけでなく、ガバナンスの再構築、人的能力の育成など、また汚職対策のための支援もしております。国によっては、グッドガバナンスなんて言って、より良い統治などといった立て付けで汚職対策支援をする場合もございます。
貧困と紛争、構造的な不平等は深く関連しております。世界人口の約二五%、極度の貧困状態にある人々の七五%が、いわゆる脆弱な環境で暮らしております。二〇一〇年以降、暴力的な紛争が劇的に急増し、気候変動に関連した災害が増加する中、人道支援への依存度は高くなっておりまして、二〇二四年、今年の世界人道支援要請額は四百六十億ドルになっております。これは、UNDPの年間事業額の約十倍となります。
ですので、人道支援のみならず、人々が尊厳を維持し、自助努力することが必要なため、UNDPの活動資金の半分はいわゆる脆弱な状況に投入されておりまして、OECDが脆弱と定義する六十か国全てにおいてもUNDPは現地で活動しております。
UNDPの邦人職員は、現在でもパレスチナ、アフガニスタン、ウクライナ、ナイジェリアなど、数多くの紛争地で活躍をしております。
また、アフガニスタンでは、女性の人権を侵害しているからアフガニスタンに支援しないのではなく、女性が困難な立場に置かれているからこそ、UNDPは現地に残り支援を続けております。UNDPの邦人職員も勤務しております。アフガニスタンでは、人口の四分の一に当たる千百四十万人以上が生計を立て直し、七万五千の女性がオーナーの零細企業がサポートを受けることができました。
また、JICAとUNDPの協力は特筆すべきものであり、JICAの培ってきた知見を生かしつつ、アフガニスタンのような邦人職員が入れない地域や国でUNDPが実施しており、これは紛争予防や復興支援におけるJICAとUNDPのパートナーシップの好事例であると言えると思います。
UNDPがJICAのイラクの円借款のモニタリングをしたり、タジキスタンでの国境管理などもございます。アフリカだと、カメルーン、ナイジェリア、中央アフリカ、コートジボワールなどにおいて、JICAの技術、知見をUNDPのプロジェクトの対象地として広めている事例がございます。また、ライベリアでは、UNDPが選挙管理機関の能力を協力し、信頼性と透明性がある選挙を実施することで、約二百五十万人が投票することになりました、できました。
また、気候変動対策でございますが、UNDPは、開発途上国の八〇%に相当する約百二十か国で、温室ガス排出量削減目標などを含む、国が決定する貢献計画、略称NDCとよく言われておりますが、それを実現するための技術、政策支援を実施しております。ちなみに、貴重な日本からの御支援で、アジア太平洋を始め欧州、中央アジア、アフリカ、アラブ諸国の二十八か国・地域でクリーンエネルギーの推進、脱炭素を達成するための気候変動対策の加速、気候変動の影響を受けている脆弱なコミュニティーや地域における適応対策などをサポートしております。
また、UNDP全体で昨年度の実績のハイライトとして、九十七か国における雇用と生活の促進、約九千万人が再生可能エネルギーのアクセスとエネルギーの生産的利用を可能にしたこと、そして四億三千九百万人以上の有権者が選挙に参加できるように登録したことなどが挙げられます。
また、グリーントランスフォーメーション、GX支援により、二〇二三年二月より日本から貴重な御支援を受けて、パプアニューギニア、サモア、東ティモール、バヌアツの四か国でGX推進計画を実施しており、再生可能エネルギー導入やGXを推進することによりこれらの国々の脱炭素化をサポートしております。今年の夏に開かれるPALM10、第十回太平洋・島サミットが成功に収まることを祈念いたしております。
日本は長年にわたりUNDPに貴重な支援を行ってきており、皆様に感謝申し上げます。気候変動の影響を踏まえた食料・エネルギー安全保障及び人間の安全保障の確保と、日本とUNDPの共通の優先分野においてパートナーシップを更に深めることで、各国の差し迫った課題に協働して取り組んでいくことが重要だと思われます。
紛争の拡散、気候変動による緊急事態の加速化、不平等の拡大など、深い混乱に直面し、分極化している世界においてマルチラテラリズムは重要な役割を果たしておりまして、ウクライナやアフガニスタン、イラクの危機、復興やアフリカ開発会議、TICADに代表されるように、マルチラテラリズムを推進する日本の継続的なリーダーシップに期待しております。
SDGsの達成に向けた国際的な啓蒙活動やSDGs投資の促進においても、官民挙げてSDGsに取り組んでいる日本の貢献が期待されております。実際、UNDPは、二千億ドルの公的資金のみならず、民間投資をSDGsに整合させるお手伝いをさせていただきました。
昨年六月に改定された開発協力大綱では、国際社会が複合的危機に直面する中で、人間の安全保障の理念に基づき、日本が国際的な協力を牽引すべき立場にあることが示されました。特に、平和と繁栄への貢献、複雑な危機の新時代における人間の安全保障、UNDPが得意とする開発途上国との対話を通した社会的価値の共創など、新たに改定された開発協力大綱の多くの側面において日本とUNDPは今後一層の連携を強化していけると考えております。
御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →人間の安全保障は、過去三十年間、日本と国連が推進してきた重要な理念でございます。グローバル化が進む中、環境破壊、気候変動、紛争や戦争、食料とエネルギーの安全保障の課題が国境を越え、相互に関連し合う中、人間を中心にあらゆる課題に多角的に取り組むことが主な理念となっております。
一九九四年、UNDPは人間の安全保障の新次元という報告書をリリースし、国連システム内に人間の安全保障という新語を作り出しました。人間が中心になることはもちろんのこと、相互依存性や早期警報を人間の安全保障の特徴として掲げました。
今年一月、グテーレス国連事務総長は、四回目の人間の安全保障についての事務総長報告書を発表いたしました。世界が混迷を極める中、国際社会が複合的な危機も含めた様々な課題に向き当たるに当たり、人間の尊厳に注目を当て、改めて世界に大事な理念として提示いたしました。
今回の報告書では、更なる人間の安全保障の推進を行い、気候変動、パンデミック、貧困、飢餓の削減、不平等の是正から紛争や暴力の防止まで、国境を越える課題に対して国際社会が一丸となって取り組むことを提唱しております。こうしたことからも、今回の調査会で先生方が非常にタイムリーなトピックを取り上げてくださったことに心より感謝する次第でございます。
それでは、ロシアとウクライナの両国で、世界の小麦生産量の三〇%、ヒマワリ油は八〇%を占めております。二〇二二年の戦争以降、ロシアが黒海の港を封鎖したことでウクライナからの穀物、ヒマワリ油などの輸出は大幅に減りました。これらの輸出の減少は世界の食料の価格上昇の一因ともなっておりまして、食料価格の高騰により、世界中で飢餓と貧困が悪化いたしました。アフリカ諸国は、ロシアとウクライナからの輸入依存度がとても高く、エジプトでは小麦の八〇%以上を両国から輸入しております。ベナン、コンゴ、カーボベルデ、タンザニアなども小麦をロシア、ウクライナに依存しております。
さらに、気候変動も加速しており、亀山教授がおっしゃったとおり、待ったなしの気候変動でございます。
一九七〇年代以降、サヘル地域、西アフリカのサヘル地域では、ほかの地域の二倍の速さで気温が上昇しており、既に月平均気温が三十五度を記録しております。私が前回赴任していたクウェートでも五十度近く行きました。もう熱いというか肌が痛いぐらいでした。
そしてさらに、西アフリカにまたがるリプタコグルマ地域、特に国境地帯では毎年十万人以上もの人々が干ばつや洪水などで被災しております。サヘル地域では、気温の上昇によって耕作地や放牧地が使えなくなることもあり、遊牧民と農民の対立をあおっております。つまり、気候変動、戦争、紛争、食料危機が悪循環しているという状況がございます。
ウクライナ戦争は、肥料価格にも影響を与え、世界の肥料価格を二一%上昇させたと言われております。アフリカでは、複数の国々が肥料補助金政策を開始いたしましたが、戦争の長期化は財政圧力が高まること、更なる貧困、食料危機へのリスクを意味いたします。
気候変動による気温の上昇、海面上昇、頻繁に発生する災害、そして生物多様性が損なわれると、農業の質と量にも悪影響を及ぼし、紛争と気候変動は世界の食料安全保障の大きなリスクとなっております。戦争により貴重な命も奪われますと同時に、原油の流出や火災、軍事行動に伴う爆撃によって、大量の温室効果ガスや有害ガスも放出され、水も汚染されます。
ウクライナは鉱物資源や化学産業も盛んであるため、国連によると、砲撃など受け、有害な化学物質の流出、そして製油所のほか、ガソリン、ディーゼル、LPGなどの貯蔵庫への攻撃が多くあり、汚染も深く懸念されております。
気候変動は多数の農業従事者の生計にも脅威を付けられています。特に、低中所得国の小規模農家、五億世帯の約三十億人への影響は大きくなり、島国は飲み水の不足にも陥る傾向にございます。
また、エネルギー安全保障についても少し短く触れさせていただきます。
ロシアは世界第三位の石油産油国であり、戦争勃発後、ブレント原油価格は二五%上昇いたしました。また、ロシアは、ウクライナの発電所やその他の主要なエネルギーインフラを狙った軍事攻撃を行い、UNDPによる電力セクター被害調査によると、国内の発電能力が戦前の約五割程度に減少し、生活、産業に支障が出ていると報告されております。
今年一月に上川外務大臣がウクライナを訪問した際、日本とUNDPとの連携により電力機器を供与することができました。エネルギー不足による混乱を未然に防ぎ、被害を受けた地域の五百五十万人以上の人々が電気にアクセスすることができるようになります。
さらに、中東地域ガザの戦争により、世界のエネルギー部門のリスクも高まりつつございます。今後、イラン産の石油輸出に対する制裁が強化される場合、価格上昇などの影響も考えられます。ウクライナ戦争の長期化と中東における不安定化の継続により、多くの途上国でもエネルギーの自給率を上げる必要性が再認識されております。
また、エネルギーセクターが世界の温暖化ガス排出の七三%を占めております。化石燃料に代わる、よりクリーンな代替燃料の期待もますます高まっており、このエネルギー移行により、とても多くの、少なくとも三千万以上の雇用がつくることもできると言われております。二〇五〇年までにネットゼロを達成することが必要最低限でございます。レジュメの方にはタイポがございますので、御容赦ください。
こうした背景もある中で、UNDPは、パリ協定の目標でもある二〇五〇年までのネットゼロのエネルギー移行の実現に向けて、技術支援のみならず、計画策定、そして政策支援、ガバナンス、社会的保護の強化にも取り組んでおります。例えば、中長期的な国家のエネルギー安全保障を確保すべく、UNDPはアフリカのサヘル地域にてエネルギー移行の取組も行っております。
サヘル地域、これはブルキナファソ、カメルーン、チャド、ガンビアなどが含まれますが、世界で最も再生エネルギーのポテンシャルが高い地域の一つであるため、再生可能エネルギーを原動力とするアフリカにおけるグリーン産業化を先導できる可能性がございます。再生可能エネルギーに投資すれば、雇用を創出し、SDGsの達成を早める地域的グリーン・バリューチェーンの確立も期待されます。
可能性のある産業の例として、太陽電池や太陽光発電バッテリーの製造、農産物の加工もございます。脱炭素を推進する政策、再生可能エネルギーの推進、産業のグリーントランスフォーメーション、GXですね、つまり産業界のエネルギー転換は日本自身が推進することと同時に、日本が開発途上国で支援する上でも同時に重要になってくると思われます。
それでは、手短にUNDPの関連したエリアでの御紹介をさせていただきたいと思います。
UNDPは貧困に終止符を打ち、人間の尊厳を守り、人権を実現し、次世代のためにも地球環境を守り、紛争予防や平和構築など、コミュニティーの人々や政府機関のパートナーと密に協働をしております。
加えて、UNDPの特徴といたしましては、国連の中でもいろいろな機関がございますので、国連開発計画の特徴といたしましては、国レベルでのカウンターパート、窓口は広範にわたり、一つの省庁を超えた横断的な関係が強いことでございます。例えば、WPS、女性・平和・安全保障の支援は長年UNDPは取り組んでおりまして、紛争後の小型武器の回収や不発弾の除去、元兵士の武装解除や社会復帰プログラム、暴力的過激派の防止など、テロ対策委員会などと協力する場合もあり、あらゆる省庁と女性の役割やニーズなどを考慮した支援を長年やっております。
UNDPの百七十か国におけるプレゼンス、とりわけ途上国に駐在しているUNDP国事務所は現地で五十年以上の実績がございます。上から目線の支援ではなく、寄り添い型で途上国との信頼関係を築き上げてまいりました。フィールドレベルでの支援と同時に、多くの途上国のSDGsに基づいた五か年開発戦略の作成などの政策レベルの支援もしております。
また、人間の安全保障のアドボカシーにも代表されるように、グローバルレベルの政策提言なども、多国間の開発対話にも貢献してまいりました。日本がリードされている人間の安全保障はもちろんのこと、WPSや人道、開発、平和の連携など、日本の開発協力大綱の優先順位にのっとって、UNDPは政策面でも協働に国際社会でアドボカシーをしていく所存でございます。
本日の議題に関連する食料やエネルギー危機と深く関わる紛争や気候変動についてのUNDPの取組を紹介させていただきます。
まずは、紛争予防ですが、あるドイツの研究所の発表によりますと、全ての紛争の六〇%が再発し、紛争後の平和は平均して七年しか続かず、一九九〇年代半ば以降、紛争の発生のほとんどは再発というデータも出ております。ですので、平和や安定化に関して申し上げれば、和平協定が必要不可欠なものではあります。これは、私も勤務していた、ボスニア戦争に終止符を打ったデイトン和平協定は、直ちに流血を防ぐための終戦を実現するという点では必要なものでございました。ただ、その平和協定の内容は長期にわたるガバナンスの枠組みとしては不十分で、だからこそ、UNDPはガバナンスの強化と早期警戒システムなどでボスニア戦争後、力を入れてきたという経緯もございます。
また、二〇二一年、UNDPの独立評価室が行ったUNDPのプログラム評価査定によると、人道、開発、平和の結び付きは今後更に重要となり、あらゆるパートナーが比較優位に基づいて共同で取り組む枠組みの必要性を強調しました。
日本が去年改定した開発協力大綱には、HDPネクサス、つまり人道支援だけではなく、その国が自分自身の足で立ち上がれるような開発の支援などの重要性が強調されておりますし、昨年末ジュネーブでありましたグローバル難民フォーラムにおいて、日本とUNDP、そしてUNHCRが共同で発表したHDPネクサス宣言は、日本の国際社会におけるリーダーシップの好事例でした。
したがって、UNDPは、今後も引き続き、コミュニティーを安定させるだけでなく、ガバナンスの再構築、人的能力の育成など、また汚職対策のための支援もしております。国によっては、グッドガバナンスなんて言って、より良い統治などといった立て付けで汚職対策支援をする場合もございます。
貧困と紛争、構造的な不平等は深く関連しております。世界人口の約二五%、極度の貧困状態にある人々の七五%が、いわゆる脆弱な環境で暮らしております。二〇一〇年以降、暴力的な紛争が劇的に急増し、気候変動に関連した災害が増加する中、人道支援への依存度は高くなっておりまして、二〇二四年、今年の世界人道支援要請額は四百六十億ドルになっております。これは、UNDPの年間事業額の約十倍となります。
ですので、人道支援のみならず、人々が尊厳を維持し、自助努力することが必要なため、UNDPの活動資金の半分はいわゆる脆弱な状況に投入されておりまして、OECDが脆弱と定義する六十か国全てにおいてもUNDPは現地で活動しております。
UNDPの邦人職員は、現在でもパレスチナ、アフガニスタン、ウクライナ、ナイジェリアなど、数多くの紛争地で活躍をしております。
また、アフガニスタンでは、女性の人権を侵害しているからアフガニスタンに支援しないのではなく、女性が困難な立場に置かれているからこそ、UNDPは現地に残り支援を続けております。UNDPの邦人職員も勤務しております。アフガニスタンでは、人口の四分の一に当たる千百四十万人以上が生計を立て直し、七万五千の女性がオーナーの零細企業がサポートを受けることができました。
また、JICAとUNDPの協力は特筆すべきものであり、JICAの培ってきた知見を生かしつつ、アフガニスタンのような邦人職員が入れない地域や国でUNDPが実施しており、これは紛争予防や復興支援におけるJICAとUNDPのパートナーシップの好事例であると言えると思います。
UNDPがJICAのイラクの円借款のモニタリングをしたり、タジキスタンでの国境管理などもございます。アフリカだと、カメルーン、ナイジェリア、中央アフリカ、コートジボワールなどにおいて、JICAの技術、知見をUNDPのプロジェクトの対象地として広めている事例がございます。また、ライベリアでは、UNDPが選挙管理機関の能力を協力し、信頼性と透明性がある選挙を実施することで、約二百五十万人が投票することになりました、できました。
また、気候変動対策でございますが、UNDPは、開発途上国の八〇%に相当する約百二十か国で、温室ガス排出量削減目標などを含む、国が決定する貢献計画、略称NDCとよく言われておりますが、それを実現するための技術、政策支援を実施しております。ちなみに、貴重な日本からの御支援で、アジア太平洋を始め欧州、中央アジア、アフリカ、アラブ諸国の二十八か国・地域でクリーンエネルギーの推進、脱炭素を達成するための気候変動対策の加速、気候変動の影響を受けている脆弱なコミュニティーや地域における適応対策などをサポートしております。
また、UNDP全体で昨年度の実績のハイライトとして、九十七か国における雇用と生活の促進、約九千万人が再生可能エネルギーのアクセスとエネルギーの生産的利用を可能にしたこと、そして四億三千九百万人以上の有権者が選挙に参加できるように登録したことなどが挙げられます。
また、グリーントランスフォーメーション、GX支援により、二〇二三年二月より日本から貴重な御支援を受けて、パプアニューギニア、サモア、東ティモール、バヌアツの四か国でGX推進計画を実施しており、再生可能エネルギー導入やGXを推進することによりこれらの国々の脱炭素化をサポートしております。今年の夏に開かれるPALM10、第十回太平洋・島サミットが成功に収まることを祈念いたしております。
日本は長年にわたりUNDPに貴重な支援を行ってきており、皆様に感謝申し上げます。気候変動の影響を踏まえた食料・エネルギー安全保障及び人間の安全保障の確保と、日本とUNDPの共通の優先分野においてパートナーシップを更に深めることで、各国の差し迫った課題に協働して取り組んでいくことが重要だと思われます。
紛争の拡散、気候変動による緊急事態の加速化、不平等の拡大など、深い混乱に直面し、分極化している世界においてマルチラテラリズムは重要な役割を果たしておりまして、ウクライナやアフガニスタン、イラクの危機、復興やアフリカ開発会議、TICADに代表されるように、マルチラテラリズムを推進する日本の継続的なリーダーシップに期待しております。
SDGsの達成に向けた国際的な啓蒙活動やSDGs投資の促進においても、官民挙げてSDGsに取り組んでいる日本の貢献が期待されております。実際、UNDPは、二千億ドルの公的資金のみならず、民間投資をSDGsに整合させるお手伝いをさせていただきました。
昨年六月に改定された開発協力大綱では、国際社会が複合的危機に直面する中で、人間の安全保障の理念に基づき、日本が国際的な協力を牽引すべき立場にあることが示されました。特に、平和と繁栄への貢献、複雑な危機の新時代における人間の安全保障、UNDPが得意とする開発途上国との対話を通した社会的価値の共創など、新たに改定された開発協力大綱の多くの側面において日本とUNDPは今後一層の連携を強化していけると考えております。
御清聴ありがとうございました。
猪
猪口邦子#8
○会長(猪口邦子君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、大会派順に各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるよう御協力をお願いいたします。
それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
越智俊之君。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、大会派順に各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるよう御協力をお願いいたします。
それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
越智俊之君。
越
越智俊之#9
○越智俊之君 自由民主党の越智俊之です。着座のまま失礼いたします。
まずは、三名の参考人の皆様、大変お忙しい中御参加いただきまして、心から感謝いたします。また、先ほどは貴重な御意見をいただきまして、敬意と感謝を併せて申し上げます。
質問ですけれども、私からは気候変動にフォーカスをして質問させていただきますけど、これまでの御説明でこの気候変動が世界の安全保障に大きな影響を及ぼすことがよく分かりました。その対応は、まず全世界として取り組むべきことと各国が地政学上の安全保障の観点から取り組むことがあるかと思うんですが、日本の場合はどうかということになります。
亀山参考人のスライドの十七ページにありますように、日本は、まず海に囲まれた海洋国家であると、そしてアジア太平洋地域等での開発支援や人道支援を担っている中心的な国であること、そして多くの物資を海外に依存している国であるという特徴がございます。
その中で、この気候変動が日本の安全保障に及ぼす影響に対して、我が国日本で国民が生活をし続けるためには、この日本が国として何をやるべきか、具体的に何をやるべきか、皆様のお考えを聞かせていただきたいのですが、亀山参考人、そして秋元参考人、そしてハジアリッチ参考人の順番でお聞きしたく、十分ですので、二、三分でお話をいただけるとうれしいです。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →まずは、三名の参考人の皆様、大変お忙しい中御参加いただきまして、心から感謝いたします。また、先ほどは貴重な御意見をいただきまして、敬意と感謝を併せて申し上げます。
質問ですけれども、私からは気候変動にフォーカスをして質問させていただきますけど、これまでの御説明でこの気候変動が世界の安全保障に大きな影響を及ぼすことがよく分かりました。その対応は、まず全世界として取り組むべきことと各国が地政学上の安全保障の観点から取り組むことがあるかと思うんですが、日本の場合はどうかということになります。
亀山参考人のスライドの十七ページにありますように、日本は、まず海に囲まれた海洋国家であると、そしてアジア太平洋地域等での開発支援や人道支援を担っている中心的な国であること、そして多くの物資を海外に依存している国であるという特徴がございます。
その中で、この気候変動が日本の安全保障に及ぼす影響に対して、我が国日本で国民が生活をし続けるためには、この日本が国として何をやるべきか、具体的に何をやるべきか、皆様のお考えを聞かせていただきたいのですが、亀山参考人、そして秋元参考人、そしてハジアリッチ参考人の順番でお聞きしたく、十分ですので、二、三分でお話をいただけるとうれしいです。よろしくお願いいたします。
亀
亀山康子#10
○参考人(亀山康子君) ありがとうございます。
スライド十七は申し上げる時間がなかったので、メンションしていただいてありがとうございます。
おっしゃるとおりでありまして、日本自体が気候変動の影響を受けているという自覚をまず持つ必要があると思います。というのは、今まで日本では、温暖化対策というと、ああ、省エネねで終わっていたんですね。それで、日本はもう省エネ技術発達しているから何もやらなくていい、これで議論終わっていたんです。だけれども、そうではなくて、省エネどころではなく、脱炭素に向けて生活スタイルを変えていかないと、日本そのものが今後様々な気候変動影響を受けていきますよという理解が進まないと、やっぱり脱炭素の議論も進まないんですよ。何でこんなことやんなきゃいけないのかというところで腑に落ちないんですよね。なので、私は、まずそれを日本国内で認知を進めるべきだというふうに思います。
で、その認知を進めていく際に、じゃ、具体的に日本に今後どういう影響が及ぶのかということで、やっぱり、例えば海面上昇一つにしても、これ、私のスライドの、十枚目のスライドで地図を出しましたけれども、これは、クライメートセントラルというホームページに入っていただきますと、自分でシミュレーションできるようになっているんですよ。海面一メートル上昇したらうちの国どうなるのかなってグーグルマップを出せるようになっていますので是非御覧いただいて、御自身の地元が海に沈まないかどうか確認していただきたいんですね。
これは、一メートル海面が上昇したときプラス、これ、やっぱり潮の満ち引きで大分違いますので、満潮のときに浸水しかねないところを示しております。東京と大阪、それから名古屋ですね、が大都市圏としては危ないというふうに言われておりまして、やっぱりこういうところから考えていくというところが、日本の国民の方々が、ああ、気候変動の安全保障に関心を持とう、そして議論を支援していこうという気持ちを持っていただくために不可欠だというふうに考えます。
私からは以上になります。
この発言だけを見る →スライド十七は申し上げる時間がなかったので、メンションしていただいてありがとうございます。
おっしゃるとおりでありまして、日本自体が気候変動の影響を受けているという自覚をまず持つ必要があると思います。というのは、今まで日本では、温暖化対策というと、ああ、省エネねで終わっていたんですね。それで、日本はもう省エネ技術発達しているから何もやらなくていい、これで議論終わっていたんです。だけれども、そうではなくて、省エネどころではなく、脱炭素に向けて生活スタイルを変えていかないと、日本そのものが今後様々な気候変動影響を受けていきますよという理解が進まないと、やっぱり脱炭素の議論も進まないんですよ。何でこんなことやんなきゃいけないのかというところで腑に落ちないんですよね。なので、私は、まずそれを日本国内で認知を進めるべきだというふうに思います。
で、その認知を進めていく際に、じゃ、具体的に日本に今後どういう影響が及ぶのかということで、やっぱり、例えば海面上昇一つにしても、これ、私のスライドの、十枚目のスライドで地図を出しましたけれども、これは、クライメートセントラルというホームページに入っていただきますと、自分でシミュレーションできるようになっているんですよ。海面一メートル上昇したらうちの国どうなるのかなってグーグルマップを出せるようになっていますので是非御覧いただいて、御自身の地元が海に沈まないかどうか確認していただきたいんですね。
これは、一メートル海面が上昇したときプラス、これ、やっぱり潮の満ち引きで大分違いますので、満潮のときに浸水しかねないところを示しております。東京と大阪、それから名古屋ですね、が大都市圏としては危ないというふうに言われておりまして、やっぱりこういうところから考えていくというところが、日本の国民の方々が、ああ、気候変動の安全保障に関心を持とう、そして議論を支援していこうという気持ちを持っていただくために不可欠だというふうに考えます。
私からは以上になります。
秋
秋元一峰#11
○参考人(秋元一峰君) ありがとうございます。
まず、基本的には国家としての安全保障として取り扱わなければいけないと思っております。特に、今日私の方から取り上げました、いわゆる海上交通路というものをこれからどうやって確保して、北極海が通ったときに、そのシーレーンだけではなくて、港湾であるとか、それから補給地、そういうものも含めましてですね、それから基地機能、その日米同盟も含めまして基地機能というものをどうやっていくのか、確保していくのかと。これはもう日本の国としての安全保障政策としてやっていかなきゃいけないと思うんですけれども、これから、国連の取組でもありましたけれども、最も大きくなってくるのが農業、それから畜産、それから海洋産業への影響ということになってくると思うんですけれども、これにつきましては、一国だけでは対処、非常に、国の安全保障として取り扱うには非常に難しいところがあるんじゃないかと思っております。
といいますのが、これは気候変動の影響もありますけれども、それに対する当然人間の知恵というものがあって、技術革新もあります。畑で陸地栽培やっていたのを水耕に変えればいいだとか、いろんなその技術革新というものも出てきます。
それから、例えば、日本が畜産物を輸入している国の政策がどのようにこれから変わっていくのかということになってきますので、これは、安全保障というよりはむしろ外交というものが大事になってきて、技術支援あるいはその輸入国の政策とのコラボレーションというものでやっていく必要があると思っております。
それからさらに、地政学的なものからいきますと、面倒なことは、この気候安全保障への取組というのが非常に、その国家の影響力を非常に及ぼすことになる。いわゆるそのパワーポリティクスの世界になりますけれども、これまでの軍事力だとか技術力だとか経済力というものに加えて、気候安全保障にどのように国際貢献しているのかというのが一つの大きな影響力、パワーになってきます。
例えば、フィジーだとかいろいろなところの人の意見を聞くんですけれども、アメリカ海軍あるいはオーストラリア海軍が来てくれる、あるいは海上自衛隊が毎年、何ですか、フレンドシップ何とかで来てくれる、それはいいけれども、もうちょっと経済支援だとか、あるいは海面上昇、それからサイクロンの支援、そういうものをやってくれるのに期待しているという人が非常に多いんですよね。
ですから、そのパワーポリティクスの線でいくと、じゃ、中国が同じようにして入っていっていると。これは気候安全保障のところに取り込んではいけないことなんですけれども、ただ、じゃ、その国際関係、同盟外交のいろんな人、国とやっていくときに、中国とやっていくのか。中国とアメリカ、アメリカが共同でやっていればこれやりやすいでしょうけれども、中国とアメリカが対立しているようなところで、じゃ、どっちに付くのかというような話になってきますので、非常に難しいものがあるんじゃないかなと思っております。
ちょっと時間がありますので、一件蛇足ですけれども、中国も、昨年、うちでも海外の国、アメリカ、EU、NATO諸国、それから中国、インド等が気候安全保障でどのような政策をしているか、どういうドキュメントを出しているかというのをずうっと洗い出してみたんですけれども、中国は主に、感じですけれども、一帯一路に合わせて、一帯一路沿岸、その縁辺諸国に対する気候安全保障という政策をかなりやっていっている面がありますので、これはまさに、本当にもう気候安全保障が地政学の一つのそのパワーになってきているというような感じがありますので、そういうところも配慮が必要かなと思っております。
以上です。
この発言だけを見る →まず、基本的には国家としての安全保障として取り扱わなければいけないと思っております。特に、今日私の方から取り上げました、いわゆる海上交通路というものをこれからどうやって確保して、北極海が通ったときに、そのシーレーンだけではなくて、港湾であるとか、それから補給地、そういうものも含めましてですね、それから基地機能、その日米同盟も含めまして基地機能というものをどうやっていくのか、確保していくのかと。これはもう日本の国としての安全保障政策としてやっていかなきゃいけないと思うんですけれども、これから、国連の取組でもありましたけれども、最も大きくなってくるのが農業、それから畜産、それから海洋産業への影響ということになってくると思うんですけれども、これにつきましては、一国だけでは対処、非常に、国の安全保障として取り扱うには非常に難しいところがあるんじゃないかと思っております。
といいますのが、これは気候変動の影響もありますけれども、それに対する当然人間の知恵というものがあって、技術革新もあります。畑で陸地栽培やっていたのを水耕に変えればいいだとか、いろんなその技術革新というものも出てきます。
それから、例えば、日本が畜産物を輸入している国の政策がどのようにこれから変わっていくのかということになってきますので、これは、安全保障というよりはむしろ外交というものが大事になってきて、技術支援あるいはその輸入国の政策とのコラボレーションというものでやっていく必要があると思っております。
それからさらに、地政学的なものからいきますと、面倒なことは、この気候安全保障への取組というのが非常に、その国家の影響力を非常に及ぼすことになる。いわゆるそのパワーポリティクスの世界になりますけれども、これまでの軍事力だとか技術力だとか経済力というものに加えて、気候安全保障にどのように国際貢献しているのかというのが一つの大きな影響力、パワーになってきます。
例えば、フィジーだとかいろいろなところの人の意見を聞くんですけれども、アメリカ海軍あるいはオーストラリア海軍が来てくれる、あるいは海上自衛隊が毎年、何ですか、フレンドシップ何とかで来てくれる、それはいいけれども、もうちょっと経済支援だとか、あるいは海面上昇、それからサイクロンの支援、そういうものをやってくれるのに期待しているという人が非常に多いんですよね。
ですから、そのパワーポリティクスの線でいくと、じゃ、中国が同じようにして入っていっていると。これは気候安全保障のところに取り込んではいけないことなんですけれども、ただ、じゃ、その国際関係、同盟外交のいろんな人、国とやっていくときに、中国とやっていくのか。中国とアメリカ、アメリカが共同でやっていればこれやりやすいでしょうけれども、中国とアメリカが対立しているようなところで、じゃ、どっちに付くのかというような話になってきますので、非常に難しいものがあるんじゃないかなと思っております。
ちょっと時間がありますので、一件蛇足ですけれども、中国も、昨年、うちでも海外の国、アメリカ、EU、NATO諸国、それから中国、インド等が気候安全保障でどのような政策をしているか、どういうドキュメントを出しているかというのをずうっと洗い出してみたんですけれども、中国は主に、感じですけれども、一帯一路に合わせて、一帯一路沿岸、その縁辺諸国に対する気候安全保障という政策をかなりやっていっている面がありますので、これはまさに、本当にもう気候安全保障が地政学の一つのそのパワーになってきているというような感じがありますので、そういうところも配慮が必要かなと思っております。
以上です。
ハ
ハジアリッチ秀子#12
○参考人(ハジアリッチ秀子君) 核心をつかれた御質問、ありがとうございます。
このままでいくと、気候難民は二〇五〇年までに二億一千万に到達するとも言われております。さらに、貧困問題に関して申しますと、二〇三〇年までには一億二千万人、更に増えるとも言われております。
また、日本が国として何ができるかということなんですけれども、日本はCO2の排出量が世界で五番目になっております。中国、アメリカ、インド、ロシアに次いで五番目でございます。ただ、パーセンテージで見ますと、世界の三・二%というふうになっております。
私が、途上国で暮らしていて、日本に帰ってきて思うのは、目が覚めて飲み水がなくなっていたなんていう心配がないということなんですよね。その危機感の、実感のなさというか、そういうのがやはり足りていないのかなという感じは、亀山教授もおっしゃったとおり、思います。
あと、電気自動車でありますとかいろいろな取組もあるかと思いますが、先を先を見て、例えば電子ごみ、これは世界のごみの中でも一番量が増えてきている、割合が増えてきている領域でもございますので、今のうちから、例えばコバルト、リチウム、ニッケルなどの、その鉱物などの電子ごみのリサイクルなども考えられるとよいのではないかなと思います。
以上です。
この発言だけを見る →このままでいくと、気候難民は二〇五〇年までに二億一千万に到達するとも言われております。さらに、貧困問題に関して申しますと、二〇三〇年までには一億二千万人、更に増えるとも言われております。
また、日本が国として何ができるかということなんですけれども、日本はCO2の排出量が世界で五番目になっております。中国、アメリカ、インド、ロシアに次いで五番目でございます。ただ、パーセンテージで見ますと、世界の三・二%というふうになっております。
私が、途上国で暮らしていて、日本に帰ってきて思うのは、目が覚めて飲み水がなくなっていたなんていう心配がないということなんですよね。その危機感の、実感のなさというか、そういうのがやはり足りていないのかなという感じは、亀山教授もおっしゃったとおり、思います。
あと、電気自動車でありますとかいろいろな取組もあるかと思いますが、先を先を見て、例えば電子ごみ、これは世界のごみの中でも一番量が増えてきている、割合が増えてきている領域でもございますので、今のうちから、例えばコバルト、リチウム、ニッケルなどの、その鉱物などの電子ごみのリサイクルなども考えられるとよいのではないかなと思います。
以上です。
越
猪
三
三上えり#15
○三上えり君 会派、立憲民主・社民の三上えりです。
今日はよろしくお願いします。貴重なお時間を、貴重なお話をありがとうございます。
まず伺いたいのが、ロシアによるウクライナ侵攻が世界の食料、エネルギー事情に大きなダメージを与えました。そして、ガザ地区での紛争は、食料危機が深刻化しています、もう日々のニュースですが。国連の機能不全も繰り返し指摘されているんですけれども、地球環境や人類を脅かす気候変動や武力紛争に対しまして、例えば、この度の日米首脳会談を始め、日本政府として武力紛争には明確な立場を表明して強く発信しているようなのですけれども、気候変動や人間の安全保障についての明確な取組という、この表明が弱いのではないかと感じています。
このような日本外交の現状や在り方について、お三方から御所見を伺いたいと思います。
亀山参考人から順に伺えますでしょうか。お願いします。
この発言だけを見る →今日はよろしくお願いします。貴重なお時間を、貴重なお話をありがとうございます。
まず伺いたいのが、ロシアによるウクライナ侵攻が世界の食料、エネルギー事情に大きなダメージを与えました。そして、ガザ地区での紛争は、食料危機が深刻化しています、もう日々のニュースですが。国連の機能不全も繰り返し指摘されているんですけれども、地球環境や人類を脅かす気候変動や武力紛争に対しまして、例えば、この度の日米首脳会談を始め、日本政府として武力紛争には明確な立場を表明して強く発信しているようなのですけれども、気候変動や人間の安全保障についての明確な取組という、この表明が弱いのではないかと感じています。
このような日本外交の現状や在り方について、お三方から御所見を伺いたいと思います。
亀山参考人から順に伺えますでしょうか。お願いします。
亀
亀山康子#16
○参考人(亀山康子君) 貴重な御質問ありがとうございます。難しい御質問ですね。
恐らく、これは私の、これ全て私見でございますけれども、武力紛争の方が誰にとっても分かりやすいんですね、メッセージとして。なので、日本政府としても明確に意見を伝えやすいということではないかなと思います。
今まで、気候変動を始めとする地球環境問題の研究に携わってまいりましたけど、やはりこの問題というのは因果関係を追うのが難しく、何で私たちの生活とこの温暖化が結び付くのが分からない。で、それはうそだと言う人も中に出てきたりしますと、何を信じていいか分からない。こうなってくると、やはり明確な意見というのは表明しづらいんだろうなというふうに推測いたします。
ただ、やっぱりそこが、まあ欧米と一くくりにして、するのもなんですけれども、科学的知見を非常に尊重することが多いなということを感じます、特にヨーロッパですよね。なので、温暖化にしても、これまでのオゾン層の話ですとか酸性雨だとかいろいろな問題に関してまだ因果関係がはっきり証明できていないときに、だけれども、こういう可能性があるんだったら、その可能性をリスクとして捉えて今から行動しようというような、そういう意思決定プロセスに慣れているように思います。
で、日本はやっぱりそこまで行っていなくて、科学者がこういうことを言っていますと言っても、でも、それ本当なので終わっちゃうんですよね。本当に目に見えるところになってからようやく事後的に動き出すのが日本の意思決定で、多分これは仕方ないことだとは思いますけれども、だけれども、やはりその科学的知見というものを尊重するような意思決定の在り方というものを今後御検討いただくのが、日本がきちんと温暖化についても意見を表明できるような土台をつくることにつながるのかなというふうに思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →恐らく、これは私の、これ全て私見でございますけれども、武力紛争の方が誰にとっても分かりやすいんですね、メッセージとして。なので、日本政府としても明確に意見を伝えやすいということではないかなと思います。
今まで、気候変動を始めとする地球環境問題の研究に携わってまいりましたけど、やはりこの問題というのは因果関係を追うのが難しく、何で私たちの生活とこの温暖化が結び付くのが分からない。で、それはうそだと言う人も中に出てきたりしますと、何を信じていいか分からない。こうなってくると、やはり明確な意見というのは表明しづらいんだろうなというふうに推測いたします。
ただ、やっぱりそこが、まあ欧米と一くくりにして、するのもなんですけれども、科学的知見を非常に尊重することが多いなということを感じます、特にヨーロッパですよね。なので、温暖化にしても、これまでのオゾン層の話ですとか酸性雨だとかいろいろな問題に関してまだ因果関係がはっきり証明できていないときに、だけれども、こういう可能性があるんだったら、その可能性をリスクとして捉えて今から行動しようというような、そういう意思決定プロセスに慣れているように思います。
で、日本はやっぱりそこまで行っていなくて、科学者がこういうことを言っていますと言っても、でも、それ本当なので終わっちゃうんですよね。本当に目に見えるところになってからようやく事後的に動き出すのが日本の意思決定で、多分これは仕方ないことだとは思いますけれども、だけれども、やはりその科学的知見というものを尊重するような意思決定の在り方というものを今後御検討いただくのが、日本がきちんと温暖化についても意見を表明できるような土台をつくることにつながるのかなというふうに思います。
以上でございます。
秋
秋元一峰#17
○参考人(秋元一峰君) 確かに日本、少ないと思います、発信がですね。先ほど申し上げましたけれども、昨年、二〇〇〇年以降の各国の気候安全保障に関する政策だとかドキュメント類をずっと全部洗い出してみたんですけれども、日本は二つか三つしかないんですね、防衛省が出した指針だとか、外務省のだとか。先ほど亀山先生からありましたけれども、アメリカなんかすごいんですね。二〇〇〇年以降だけでも百、我々数えただけでも百ぐらい出ているんです。
だから、何とか、各省庁に気候安全保障というものを理解してもらって、やはり政策指針のようなものを出していって、それを更に英語にする必要があると思うんですね。英語で出していくというのが大事ではないかと思うんですね。中国でも英語で随分出ていました。中国語、中国は確かに中国語が多いんですけれども、中には、大事なのは英語で出しておりますですね。だから、英語でいろいろなドキュメント。
気候安全保障というのは、気候変化によって安全保障上どんな問題が起こるかというのが、そこが、出口が気候安全保障で、それをどう解決するかというのはそれぞれの省庁に下りていく問題だと思うんですよね。食料であれば食料の所掌するところ、エネルギーであればエネルギーの所掌するところがやっぱり考えなきゃ。それから、防衛であれば防衛、外務というところですから。だから、その自分のところに下りていったらどうなるのかということを考えてその政策文書というものを作っていかれるのがいいんじゃないかと思うんですね。
それと、海外では、民間とのトラック1・5の研究が非常に多いです。非常にというのはちょっと語弊がありますけど、オーストラリアとか、それからドイツ、アメリカでは、1・5のその研究をやっております。
特にアメリカでは、クライメート・アンド・セキュリティーという、これバーチャルなんだと思うんですけれども、気候安全保障の学者が寄り添って、政府と一緒になって研究をやっていっておりまして、何年たつのかちょっと今忘れちゃいましたけれども、クライメート・セキュリティー・フォー・アメリカン・ポリシー、何かそんなものを出して、それは政府でも登用されているというのがありましたので、トラック1・5でですね、いろんな会議、シンポジウムを持っていくのも手ではないかなというふうに思っております。
以上です。
この発言だけを見る →だから、何とか、各省庁に気候安全保障というものを理解してもらって、やはり政策指針のようなものを出していって、それを更に英語にする必要があると思うんですね。英語で出していくというのが大事ではないかと思うんですね。中国でも英語で随分出ていました。中国語、中国は確かに中国語が多いんですけれども、中には、大事なのは英語で出しておりますですね。だから、英語でいろいろなドキュメント。
気候安全保障というのは、気候変化によって安全保障上どんな問題が起こるかというのが、そこが、出口が気候安全保障で、それをどう解決するかというのはそれぞれの省庁に下りていく問題だと思うんですよね。食料であれば食料の所掌するところ、エネルギーであればエネルギーの所掌するところがやっぱり考えなきゃ。それから、防衛であれば防衛、外務というところですから。だから、その自分のところに下りていったらどうなるのかということを考えてその政策文書というものを作っていかれるのがいいんじゃないかと思うんですね。
それと、海外では、民間とのトラック1・5の研究が非常に多いです。非常にというのはちょっと語弊がありますけど、オーストラリアとか、それからドイツ、アメリカでは、1・5のその研究をやっております。
特にアメリカでは、クライメート・アンド・セキュリティーという、これバーチャルなんだと思うんですけれども、気候安全保障の学者が寄り添って、政府と一緒になって研究をやっていっておりまして、何年たつのかちょっと今忘れちゃいましたけれども、クライメート・セキュリティー・フォー・アメリカン・ポリシー、何かそんなものを出して、それは政府でも登用されているというのがありましたので、トラック1・5でですね、いろんな会議、シンポジウムを持っていくのも手ではないかなというふうに思っております。
以上です。
ハ
ハジアリッチ秀子#18
○参考人(ハジアリッチ秀子君) 貴重な質問ありがとうございます。
戦争や紛争が起こると新聞の記事に載るんですが、紛争を防止した場合、なかなか新聞の見出しには出ないものでして、そこが悩ましいところなのかなと思います。
防衛外交は非常に大事なものだと思いますし、例えばマルチを通して、UNDPみたいな機関を通して紛争予防の取組など、日本政府は多大な資金を使って支援してくださいました。例えば、ダルフールなんですけれども、民族間の、あるいは遊牧民と農民との対立に起こる、水不足によって起こったその紛争の予防など、リコンシレーションというんですけれども、そういうこともたくさんございます。
あと、マクロの部分では、国連安保理の常任理事国、あとビトーパワーがあるというところで、どうしても思うようにいかない。これはもう日本を超えたグローバルな今後の課題だと思っております。
あと、気候変動に関しましては、日本は、クライメートプロミスという、世界で展開している国に寄り添った形での政策を策定しているプログラムですけれども、それの最大ドナーでもございます。
とても感謝しております。ありがとうございます。
この発言だけを見る →戦争や紛争が起こると新聞の記事に載るんですが、紛争を防止した場合、なかなか新聞の見出しには出ないものでして、そこが悩ましいところなのかなと思います。
防衛外交は非常に大事なものだと思いますし、例えばマルチを通して、UNDPみたいな機関を通して紛争予防の取組など、日本政府は多大な資金を使って支援してくださいました。例えば、ダルフールなんですけれども、民族間の、あるいは遊牧民と農民との対立に起こる、水不足によって起こったその紛争の予防など、リコンシレーションというんですけれども、そういうこともたくさんございます。
あと、マクロの部分では、国連安保理の常任理事国、あとビトーパワーがあるというところで、どうしても思うようにいかない。これはもう日本を超えたグローバルな今後の課題だと思っております。
あと、気候変動に関しましては、日本は、クライメートプロミスという、世界で展開している国に寄り添った形での政策を策定しているプログラムですけれども、それの最大ドナーでもございます。
とても感謝しております。ありがとうございます。
三
三上えり#19
○三上えり君 そもそも持たざる国日本が、現在でもほぼ輸入に頼っている中で、食料安全保障、そしてエネルギー安全保障をどうやったら確立できるかということを、短くお三人に、亀山参考人から伺えますでしょうか。
この発言だけを見る →亀
亀山康子#20
○参考人(亀山康子君) もう端的に申し上げると、やっぱり輸入しないで済むようなメカニズムを日本国内で確立するということです。エネルギー資源は輸入しないで済む、やっぱり再生可能エネルギーがむしろポテンシャルがある国だというふうに考えた方がいいと思います、持たざる国ではなくてですね。
あとそれから、食料もそうですね。国内でやっぱり新しいタイプの農業、いろいろビジネスが起きていますけれども、そういった新しい形の農業ビジネスを支援していくということが重要だというふうに考えております。
この発言だけを見る →あとそれから、食料もそうですね。国内でやっぱり新しいタイプの農業、いろいろビジネスが起きていますけれども、そういった新しい形の農業ビジネスを支援していくということが重要だというふうに考えております。
秋
秋元一峰#21
○参考人(秋元一峰君) ありがとうございます。
亀山先生のとおりで、やはり自給率というものを上げていくことを考えなければいけないんじゃないかと思うんですよね。ちょっと口幅ったい言い方ですけれども、何万円もするような東南アジアで愛されるイチゴを作るよりも、もっと安くて全員が食べれるようなイチゴをいっぱい作った方がいいんじゃないかなと思うんですね。
それから、以前研究している人を見付けたんですが、まだ産業化されないんですけれども、個人で漁業を養殖するというですね、実際やっている人がいたんですね。おうちで、おうち畑で、自分の田んぼで野菜作れますよと、同じように自分の家で水槽を作ればヒラメやらいろんなものが養殖できますよという研究していた人がいたんですけれども、いまだに会社を起こしていないところを見ると失敗したんではないかと思うんですけれども。
そういうやっぱり自給率を上げる政策というものは必要になってくるんじゃないかなと思います。
以上です。
この発言だけを見る →亀山先生のとおりで、やはり自給率というものを上げていくことを考えなければいけないんじゃないかと思うんですよね。ちょっと口幅ったい言い方ですけれども、何万円もするような東南アジアで愛されるイチゴを作るよりも、もっと安くて全員が食べれるようなイチゴをいっぱい作った方がいいんじゃないかなと思うんですね。
それから、以前研究している人を見付けたんですが、まだ産業化されないんですけれども、個人で漁業を養殖するというですね、実際やっている人がいたんですね。おうちで、おうち畑で、自分の田んぼで野菜作れますよと、同じように自分の家で水槽を作ればヒラメやらいろんなものが養殖できますよという研究していた人がいたんですけれども、いまだに会社を起こしていないところを見ると失敗したんではないかと思うんですけれども。
そういうやっぱり自給率を上げる政策というものは必要になってくるんじゃないかなと思います。
以上です。
猪
ハ
ハジアリッチ秀子#23
○参考人(ハジアリッチ秀子君) 先生方のおっしゃったとおりでございまして、よく日本の社会起業家の方々たちとお話、特に若い方たちとお話をすると、そういうことを狙いつつビジネスを始めたいという人々が非常に多くなってきたように思います。
ですので、再生エネルギー、そして野菜、農業に関するビジネスがどんどんどんどん若者を中心として起業家が増えればいいのではないかと思います。
この発言だけを見る →ですので、再生エネルギー、そして野菜、農業に関するビジネスがどんどんどんどん若者を中心として起業家が増えればいいのではないかと思います。
三
猪
猪
猪口邦子#26
○会長(猪口邦子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、高木真理君が委員を辞任され、その補欠として古賀千景君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →本日、高木真理君が委員を辞任され、その補欠として古賀千景君が選任されました。
─────────────
猪
宮
宮崎勝#28
○宮崎勝君 公明党の宮崎勝と申します。
本日は、参考人の皆様、大変に貴重な御意見ありがとうございました。
まず、亀山参考人にお伺いしたいんですが、先ほど時間の関係でお述べにならなかったスライドの十四ページ目の総括ですけれども、その矢羽根の二番目に、いわゆる気候変動の問題というのは国以外の主体の役割が重要になっているということでありますけれども、それを国が下支えするということでありますけど、今の日本の現状についてこうした観点から言うとどんなことが言えるか、ちょっとお話しいただければと思います。
この発言だけを見る →本日は、参考人の皆様、大変に貴重な御意見ありがとうございました。
まず、亀山参考人にお伺いしたいんですが、先ほど時間の関係でお述べにならなかったスライドの十四ページ目の総括ですけれども、その矢羽根の二番目に、いわゆる気候変動の問題というのは国以外の主体の役割が重要になっているということでありますけれども、それを国が下支えするということでありますけど、今の日本の現状についてこうした観点から言うとどんなことが言えるか、ちょっとお話しいただければと思います。
亀
亀山康子#29
○参考人(亀山康子君) 御質問ありがとうございます。
これは日本だけじゃなくて、むしろ世界がいち早くこういう方向に進んでいるということも含めて申し上げたいんですけれども、気候変動というのは国際的な問題だから国連で議論すべきだということで、毎年COPで今まで議論、国と国とが議論していたわけですよね。しかし、二百ぐらいの国がみんなで合意する内容なんというのはたかが知れている内容なわけです、誰かどこか一国でも私は嫌だと言うと合意できなくなりますので。ということで、COPというのは本当に毎年ちょびっとずつちょびっとずつしか進まないんですね。そういう中で、やっぱりそれでは間に合わないということを考えたところから動き出しております。
一つは、自治体ですね。都市がもう自分の町はやります、脱炭素しますということで宣言し始めたのがやっぱり二〇一九年ぐらいからですね。
それから、企業は、そのパリ協定という国際協定ができた二〇一五年辺りから自発的に脱炭素を宣言する企業が増えてまいりまして、どうしてそういうことを企業がするようになったかというと、もちろん環境を真剣に心配しているからでもありますが、脱炭素が自分たちのもうけにつながっていくからでもあるわけですよ。やっぱり、そういう形に自分たちのビジネスあるいは産業構造自体を変えていったわけですよね。で、やっぱり日本の企業は数年ちょっと遅れて、国際的にそういう波が来ているということに気付いて、今すごいスピードで変わり始めているところであります。
それで、その日本企業の方々の変わり方というのはすごい勢いでありまして、恐らくまた新しい技術が日本の企業から生まれてくるんだろうなという期待も感じられるわけなんですけれども、やっぱりそういう企業にしてみると、一応まだ何もやっていない企業と比べたときに、自分たちがやっぱり不利になるような状態というのは望ましくないんですね。例えば、再生可能エネルギーというのは、まだ普通の電力と比べると高いです。だけど、それをあえて自分の企業は使っていきたいと思うときに、使いたいという、思う意欲はあるんだけれども、本当にそれ使っちゃうとコストが上がるから何もしていない企業に負けてしまうという状態がまだ日本の国内では存在するんですよね。
だから、そういった市場の中でやりたがっている企業さんが不利にならないような政策を入れ込んでいくのが政府に求められる姿勢でございまして、一つの具体的な例としてはカーボンプライシングですよね。炭素を出すほど余計に多くの税金を払わなきゃいけない炭素税のようなものを導入することによって、今申し上げたような、やりたい企業が損をしないような市場をつくってあげる、そういったことが今の日本の政府に最も求められていると思っております。
この発言だけを見る →これは日本だけじゃなくて、むしろ世界がいち早くこういう方向に進んでいるということも含めて申し上げたいんですけれども、気候変動というのは国際的な問題だから国連で議論すべきだということで、毎年COPで今まで議論、国と国とが議論していたわけですよね。しかし、二百ぐらいの国がみんなで合意する内容なんというのはたかが知れている内容なわけです、誰かどこか一国でも私は嫌だと言うと合意できなくなりますので。ということで、COPというのは本当に毎年ちょびっとずつちょびっとずつしか進まないんですね。そういう中で、やっぱりそれでは間に合わないということを考えたところから動き出しております。
一つは、自治体ですね。都市がもう自分の町はやります、脱炭素しますということで宣言し始めたのがやっぱり二〇一九年ぐらいからですね。
それから、企業は、そのパリ協定という国際協定ができた二〇一五年辺りから自発的に脱炭素を宣言する企業が増えてまいりまして、どうしてそういうことを企業がするようになったかというと、もちろん環境を真剣に心配しているからでもありますが、脱炭素が自分たちのもうけにつながっていくからでもあるわけですよ。やっぱり、そういう形に自分たちのビジネスあるいは産業構造自体を変えていったわけですよね。で、やっぱり日本の企業は数年ちょっと遅れて、国際的にそういう波が来ているということに気付いて、今すごいスピードで変わり始めているところであります。
それで、その日本企業の方々の変わり方というのはすごい勢いでありまして、恐らくまた新しい技術が日本の企業から生まれてくるんだろうなという期待も感じられるわけなんですけれども、やっぱりそういう企業にしてみると、一応まだ何もやっていない企業と比べたときに、自分たちがやっぱり不利になるような状態というのは望ましくないんですね。例えば、再生可能エネルギーというのは、まだ普通の電力と比べると高いです。だけど、それをあえて自分の企業は使っていきたいと思うときに、使いたいという、思う意欲はあるんだけれども、本当にそれ使っちゃうとコストが上がるから何もしていない企業に負けてしまうという状態がまだ日本の国内では存在するんですよね。
だから、そういった市場の中でやりたがっている企業さんが不利にならないような政策を入れ込んでいくのが政府に求められる姿勢でございまして、一つの具体的な例としてはカーボンプライシングですよね。炭素を出すほど余計に多くの税金を払わなきゃいけない炭素税のようなものを導入することによって、今申し上げたような、やりたい企業が損をしないような市場をつくってあげる、そういったことが今の日本の政府に最も求められていると思っております。