農林水産委員会

1956-11-30 衆議院 全100発言

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会議録情報#0
昭和三十一年十一月三十日(金曜日)
    午後二時四十三分開議
 出席委員
   委員長 村松 久義君
   理事 吉川 久衛君 理事 笹山茂太郎君
   理事 助川 良平君 理事 田口長治郎君
   理事 中村 時雄君 理事 芳賀  貢君
      赤澤 正道君    足立 篤郎君
      安藤  覺君    五十嵐吉藏君
      伊東 岩男君    石坂  繁君
      川村善八郎君    小枝 一雄君
      中馬 辰猪君    綱島 正興君
      原  捨思君    本名  武君
      松浦 東介君    松野 頼三君
      淡谷 悠藏君    伊瀬幸太郎君
      井谷 正吉君    稲富 稜人君
      小川 豊明君    神田 大作君
      田中幾三郎君    中村 英男君
      日野 吉夫君    久保田 豊君
 出席政府委員
        農林政務次官  大石 武一君
        農林事務官
        (農林経済局
        長)      渡部 伍良君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (農林経済局農
        政課長)    保坂 信男君
        農林事務官
        (農林経済局農
        業協同組合部
        長)      新沢  寧君
        農林事務官
        (農地局長)  安田善一略君
        専  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
十一月二十九日
 でん粉の政府買上げ等に関する陳情書
 (第三七四号)
 森林土木事業に対する補助率引上げに関する陳
 情書(第
 三七五号)
 農山漁村振興対策に関する陳情書
 (第三七六号)
 蚕糸業振興法制定に関する陳情書
 (第三
 七七号)
 台風常襲地帯における農林水産の災害特別措置
 に関する陳情書(
 第三七八号)
 米穀の配給制度撤廃反対に関する陳情書
 (第三七九号)
 蚕糸業振興に関する陳情書
 (第三
 八〇号)
 台風九号、十二号及び豪雨による農業災害対策
 に関する陳情書(
 第三九九号)
 日ソ漁業委員会に日本側委員任命に関する陳情
 書(第四〇〇号)
 同
 (第四四五号)
 米穀の配給制度廃止反対に関する陳情書外四件
 (第四二
 七号)
 酪農地域建設事業に対する国庫補助増額に関す
 る陳情書
 (第四二
 八号)
 解放農地に対する国家補償に関する陳情書
 (第四二九号)
 台風による被害農林漁業者に資金融資等の陳情
 書(第四三一号)
 道前道後平野農業水利改良事業促進に関する陳
 情書(第四五三
 号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農業委員会等に関する法律の一部を改正する法
 律案(内閣提出、第二十四回国会閣法第一六三
 号)
    ―――――――――――――
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村松久義#1
○村松委員長 これより会議を開きます。
 農業委員会等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたし、質疑を続行いたします。淡谷悠藏君。
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淡谷悠藏#2
○淡谷委員 大石次官に昨日いろいろ質問いたしましたが、大体お調べになったからおわかりになったろうと思いまするので、これ以上お聞きいたしませんが、今度の改正法律案によりまして違った点というのは、今度の提案理由の十ページをごらんになければ大体おわかりになったろうと思います。ここに三行目から、「すなわち、その所掌する事務としましては、農地法、土地改良法その他の法令に基き、権限として行う事務は従来の通りとする」ここから書いてある下の方を全部盛った所掌もしくは権限内容というふうに私は理解しておりますが、そのように確認して差し支えありませんか。
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渡部伍良#3
○渡部政府委員 前の方の第一号及び第二号のほかに、農業及び農村に関する振興計画の樹立及び実施の推進に関する事務、農業技術の改良、農作物の病虫害の防除その他農業生産の増進、農業経営の合理化及び農民生活の改善をはかるために必要な事業の推進に関する事務、それから農業及び農民に関する事項についての調査研究と啓蒙宣伝、こういうふうになっておるので、そのほかの点につきましては従来の委員会の権限がそのまま引き続いて持続される、こういうことになっております。
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淡谷悠藏#4
○淡谷委員 具体的に申し上げますと、私は今度の取扱いの内容は、第二項の三号並びに五号六号、との新法の三つがおもなる新しい点だとは考えておるのであります。すなわち「農業及び農村に関する振興計画の樹立及び実施の推進に関する事項」五は「農業生産、農業経営及び農民生活に関する調査及び研究」六、「農業及び農民に関する事項についてのけいもう及び宣伝」そういたしますと、との農業協同組合の扱う事項、それからさらに農業改良助長法において扱う事項、これらと重複する点が大へんに出て参ります。一体この農業改良助長法あるいはまた農業協同組合法、これによらざる農業委員会の仕事というものは、どういう仕事がありましょうか。たとえば第十三条の第二項第四号の「農業技術の改良、農作物の病虫害の防除その他農業生産の増進、農業経営の合理化及び農民生活の改善を図るために必要な事業の推進に関する事項」としてある、協同組合あるいは農業改良普及技術員が指導し推進する以外に、農業委員会がやる仕事というものはどんなことがございますか、具体的にお示し願いたい。
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渡部伍良#5
○渡部政府委員 これは申すまでもなく農業技術の改良あるいは農作物の病虫害の防除、そういうことは、耕作農民が最終の対象になり、実行者になるわけであります。その効果を上げるために、たとえば共同作業が必要になるとかあるいは共同防除が必要になるとか、こういう問題が出て参ります。そういたしますと、その共同防除は、今度はその技術、方法等については、これは農業改良普及員なら普及員が、こうやったらいいああやったらいいという指導をする。それからさらにそういうことをやるために必要な器材あるいは資材、そういうものは協同組合なら協同組合から購買しなければならぬ、こういう問題があります。それらが完全にスムーズにそろわなければ、そういう仕事はうまくいかないのでありますから、関係者がその仕事を遂行するのに、最もいい効果を上げるための連絡なりあるいは世話係あるいは督励、こういうことをやるのが、第四号に掲げられておる事柄であろうと私は考えております。そのほか第五号の「農業生産、農業経営及び農民生活に関する調査及び研究」これは調査及び研究でありますから、各段階において農家の農業生産あるいは農業経営、あるいはそのために協同組合がどうあるべきか、あるいはどういうふうになっておるかというふうなことを一つ調査研究していく、そういう仕事をこの農業委員会に与える、こういうふうに考えております。
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淡谷悠藏#6
○淡谷委員 あとで農地局長に質問をしたいと思いますので、お呼びを願いたいと思います。
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村松久義#7
○村松委員長 承知いたしました。
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淡谷悠藏#8
○淡谷委員 今の御答弁でありますが、そうしますと技術普及は普及員がやる、器材その他のあっせん購買等は協同組合がやる、そうすると農業委員会は何をやるのですか。ただ品物を買えとか、薬をかけろとか、そういう号令をかけるのが農業委員会の仕事でありますか。それともこの薬がいいとか、あの機具がいいとか、共同防除をやれとかいうことをやるのか。一体具体的には農業委員会は、改良技術普及員の仕事とそれから協同組合の仕事を除いてどんな仕事があるか。宣伝ビラを張るくらいだったらこれは安定所の人夫でもよろしい。一体具体的にはどういう仕事をされるのですか。
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渡部伍良#9
○渡部政府委員 これは観念的に申し上げますれば、改良普及員が時間と余裕があれば全部やれることになると思います。しかし実際にはそういうことができないと思う。たとえば病虫害の防除をやるといいましても、何月何日どこからどういうふうな順序でやる、そのためにはそれらの関係者に通知し、あるいはどういうふうな順序で集まってきてどういうふうに共同防除機械を渡していく、そういうことを段取りをつけなければいかぬ。その段取りをつけるために会合して準備をやるとか、あるいはとにかくなまけないようにしようとか、そういう申し合せをやる、そういうことが私は農業委員会が中間に立ってやる仕事である。これは実際問題といたしましてやはり農村の人々がやれる面のほかに、各人々々一筆々々の段取りは同じことをやらなければ工合が悪いことが相当ありますから、そういうときには相当な仕事があるのじゃないかと思います。
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淡谷悠藏#10
○淡谷委員 大へん気の毒ですが、もう一ぺん次官にお答え願いたいのですが、実は今の局長の答弁によって、きのうのあなたの御答弁とはだいぶ違った点が出てきておる。きのうあなたは農業委員会の仕事は大へんうまくいっているという話をされた。私は今までの農業委員会はそういう点がうまくいっていないからこの新しい法律を作ったと思った。今局長の方からは、時間と金があれば何でもやるつもりだという御答弁があったわけです。そういうことはないと私は思う。違うでしょう。時間と金があればそれじゃどうだというのです。それじゃ大へんな相違だと思う。
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渡部伍良#11
○渡部政府委員 私が申し上げたのは、たとえば技術の指導につきましても時間と金があれば観念的にはと、こう申し上げておるわけであります。観念的にはできるはずだ、だから改良普及員も村に一人とかあるいは三カ町村に一人とかいうのでなしに、一人の改良普及員の指導者があって、その下にアシスタントがたくさんあれば農業委員会はなくても、その人を集めたりあるいは指導することができる。しかしそういうことは実際にはとにかく一人々々のお百姓さんが動いてくれなければ困るのであって、そういう改良普及員を増すことが必ずしも得策でないと思います。やるのは農家でありますから、従って改良普及員がこういうことをやったら——、病虫害が発生したら農薬を持ってきていついつからやらなければいかぬ、その準備をするためには農業委員会が活動する、農業委員会すなわちこれは農家の集まりでありますから、それによってやった方が効果的である、こういうふうに考えております。
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淡谷悠藏#12
○淡谷委員 私どもはこの農業委員会法というのは非常に重要に考えますので、今あなたのおっしゃったようにこのなすべき事業の範囲が、ある場合には農業改良普及員の仕事になりある場合には農業協同組合の仕事に足を入れている。たとえば今おっしゃったように時間と金があれば普及員を十分置きたい、それが置けないから補助的に農業委員会でやる、こう言う。協同組合の方になった場合には、いい農薬のあっせんとか農機具のあっせん、これも農業協同組合に金もなし時間もないからといって農業委員会に頼んだ場合には、農業委員会は協同組合の走り使いをしまして、一生懸命販売のビラをまいて歩きますか、あるいは協同組合に入った薬がいいからそれを買えとかいう宣伝をやるつもりですか。その点はどこいらまでが協同組合の仕事で、どこいらまでが農業委員会の仕事か非常に境界がぼやけている。下手まごつきますとお互いに頼み合い譲り合っているうちはいいけれども、進んで協力した場合に事業関係で競合することになってくる。今でもそういう点がある。従ってこの農業委員会というものは他の二つの法律によって規定されない、はっきりした事業体系がなければならぬと思う。それは一体どこにあるか。
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渡部伍良#13
○渡部政府委員 それは協同組合法の十条には農業協同組合の事業があるのであります。もし協同組合がそういう事業をしなかった場合にそれでは農業委員会が協同組合に頼まれてその事業の一部をやるか、そういうことはできないと思うのであります。仮設的に申し上げますれば、人あるいは法人があるのでありますから、物理的な余裕、能力があれば何でもやればできぬことはない、そういうことは言えると思いますが、それは何といいますか、制度そのものを無視した議論じゃないかと思います。それぞれの法律でそれぞれの能力を与えられているので、協同組合が動きが鈍ければ協同組合はうんと働いてくれということ、農業委員会の会合なら会合でそういう話が出るかもしれませんが、協同組合の仕事を農業委員会の方に取り上げてやる、あるいは協同組合法第一条にきめられておる協同組合の事業をその総会なら総会、役員会なら役員会できめて農業委員会にやらす、そういうことは私は考えられないと思います。何でもやろうと思えばできるじゃないか、こういう議論ならばまた別でありますけれども、おのずから常識がありましてそれぞれの領域を守る。これは昨日も小川先生からお話がありましたが、昔の農会であればちゃんと販売、あっせんという規定があったわけであります。これは協同組合がまだできないうちに農会という格好で、そういう農事の改良なりあるいは経済行為までやってきておったわけであります。それが産業組合という新しい経済団体でやった方がいいということで、産業組合の組織が強化されて遂たわけであります。これは発生的あるいは経過的に見れば争いがあったのでありますが、農業委員会には初めからそういう任務を与えないのでありますから、私はそういう心配はないと思います。同じ村の中で、ことに今度の改正あるいは前でも選任委員の中に農業協同組合の代表者というのが入っておりますから、そういう事務の混淆というものは起るはずがない、またそういう例は私は聞いておりません。
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淡谷悠藏#14
○淡谷委員 農業協同組合法の第十条を引用されましたからこれについてもう一ぺんお尋ねしたいのですが、第十条の第一項第十号には、「組合員の農業に関する技術及び経営の向上を図るための教育又は農村の生活及び文化の改善に関する施設」、十一号には、「組合員の経済的地位の改善のためにする団体協約の締結」、十二号には、「前各号の事業に附帯する事業」としてあります。そうすると、この付帯する事業は、農業委員会はこれだけの仕事をしようと思いましても、協同組合の方でこの付帯する事業としてどんどん、これに規定されておるような啓蒙宣伝等もあるいは調査研究も、技術の普及に関するあるいは推進に関する事項も、自分の経営上の必要からも、あるいは協同組合の目的からもどんどん進めていく。そうしますと、農業委員会は要らぬ。このことは、十分なし得る協同組合があったならば、協同組合法によってもできるのです。そうするとこれは要らぬことになりますか。
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渡部伍良#15
○渡部政府委員 お説のように、協同組合法の第十条の中の事業の項にはそういう規定があります。もし協同組合に農家の全員が加入し、そして協同組合がそれらの事業を十分に実行するならば、これはお話のように協同組合の仕事で、農業委員会が出る幕はその面につきましてはほとんどなくなるかもしれません。農地の関係の仕事だとか何かそういう問題は別として残りますけれども、今の農業計画の振興、農業技術の改良について、協同組合が百パーセントそういうことができるということになれば、それはもうそれでいいんじゃないかと思います。しかし私どもの現在の実情から見ますと、必ずしもそういうふうにはなっておらない。また協同組合の事業を推進するためには、協同組合を督励するためにこういう委員会があった方がいい、こういう考えであります。
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淡谷悠藏#16
○淡谷委員 そうしますと、あなたの御答弁で大体わかりましたが、協同組合が十分に機能を発揮して強力になれば、農業委員会はこれらのことは要らぬということが確認されましたね。ただ督励するという性質なり任務ですから、そういうものが全部できるということになれば、農業技術の改良、農作物の病虫害の防除その他農業生産の増進等々のことの推進に関する事項ということは、農業協同組合が強力に完全にやるならば、これらは要らぬということを確認されましたね。もう一ぺん伺っておきたい。
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渡部伍良#17
○渡部政府委員 先ほど申し上げましたように、協同組合は任意加入でありますから、その地域内の組合員が全員加入しました、そうして今のような仕事を百パーセントすれば、何も重複する仕事は要らないが、しかし実際問題としてそういうことにならない。だから、現に協同組合が非常にいい組合では、町村の、今の農業振興計画なり何かの主役はほとんど協同組合が占めておるのであります。私はそう思います。
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淡谷悠藏#18
○淡谷委員 重大な発言があったのですが、協同組合に全員加入していない、未加入者のある村では、農業委員会がかわって協同組合の仕事をするのか。あなたの言う全村加入と未加入者のあるところを分けたら、全村加入の場合には要らぬ。未加入者のある村では、未加入者のために協同組合と同じような仕事をされますか。
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渡部伍良#19
○渡部政府委員 それは第十条の農業委員会の仕事と類似する仕事に関することだけであります。それ以外の一条のいろんな経済行為を農業委員会がやれたって、それはできません。
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淡谷悠藏#20
○淡谷委員 私がさっき農地局長の出席を願ったのはそこにあるのです。農業委員会になる前の農地委員会時代の農地に関する事項がたくさん残っておる。これに関して農業委員会がやるこはちっとも異存ありません。あとの付帯した事項はおざなりにつけたようなことが多いのです。おざなりにつけたことでありましても、これを全く無制限に放任しておきますと、あなたの解釈自体に現われてきておるように、はっきり協同組合あるいは農業技術普及員との間に仕事の上の競合が始まるのです。あなたが今おっしゃった通りですね。未加入者の多い村では、協同組合がやらなくても農業委員会がやればいいのだというような対立が生じてくる。そうじゃないですか。
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渡部伍良#21
○渡部政府委員 それは対立を生ぜしめようとすれば対立を生ずると思いますが、とにかくこの法律ではそういう関係農業団体も委員に入れまして、村の農業計画なり農業技術の改良、ひいては農業経営の改善ができるようにやろうというのでありまして、ことさら対立をさせるあるいは重複をするという考え方がおかしいんじゃないかと思います。それから一つの前提があったと思いますが、全員加入の場合、現在では協同組合が一町村一個ということだけでもございませんから、やはり観念的あるいは理論的には百パーセント農業協同組合がやれば、重複した仕事はやらぬでもいい、こういうことはいえますけれども、現実はそういう姿ではない、こういうふうに思います。
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淡谷悠藏#22
○淡谷委員 観念的、理論的ではなくてよろしいのです。法律的に考えてもらいたいのです。法律の改正なんですから、法文に基いて御解釈願いたいと思うのでありまするが、そうしますと、改正されます農業委員会というものは、行政機関の補助機関であると同時に、協同組合等々の補助機関にもなるのですか。その点はどうです。
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渡部伍良#23
○渡部政府委員 協同組合のそもそもが、第一条の目的にありますように、農民の協同組織の発達を促進し、もって農業生産力の増進と農民の経済的社会的地位の向上をはかる、こういうことであります。このような事業は主として経済行為であります。それに付随して十条以下の各行為を十分に果すために組合員の教育なり指導をする、こういうことでありますので、必ずしも全部が重複するわけにはいかぬと思います。しかしこれはすでによく御承知だと思いますけれども、ほんとうにいい村では、協同組合が村の農地関係をほとんどやっている例がたくさんあるわけでありますから、そういうところでは、ことさら農業委員会が、お前引っ込んでおれ、農業委員会でやるのだ、こういうことは、実際問題として起らぬのじゃないか。そういうことを予想して法律を改正しておるのではなくて、一般的、平均的といいますか、たくさんある状態をもとにして法律がねらっておるわけでありまして、非常にいい例あるいは非常に悪い例をもとにした法律ではないわけであります。そういうふうに私どもは解釈をしております。
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淡谷悠藏#24
○淡谷委員 私は農地に関する問題はやっていいと思う。ただあなたがおっしゃっように、事項によっては重要じゃない事項もたくさんあるということがわかればよろしい。その場合、重要でない事項のごときは、競合した場合は、協同組合あるいは農業技術改良普及員の方に、市町村の方に譲るという原則ができているのですか。
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渡部伍良#25
○渡部政府委員 最初にお答えしました通り、とにかく農家が実行し、それから技術員が技術の指導をし技術を与える、それから経済行為は協同組合を通じてやるというのが、われわれが法律上の委員会を作る場合の農村の姿としてとらえておるものであります。ほかの、それぞれの独立した機関がやっていることをこの委員会が取り上げようというふうに規定はされていないのであります。
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淡谷悠藏#26
○淡谷委員 そこで私お伺いしておきたいのですが、これはこれ以上追及はしませんが、そうしますと、やはり農業委員会というのは、一生懸命やるのは、農地の問題だけですね、はっきりしておるものは。その場合、現在における農地の実情は、果して行政機関の命令一本で片づくような、状態にあるか、それとも農民独自の農地解放の精神に沿った運動が展開されて初めてできるのか、その点を一つ農地局の方にお伺いしたいのです。
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渡部伍良#27
○渡部政府委員 淡谷先生に申し上げますが、ちょうど農地局長、入りかかって農地関係の質問が出て十分頭へとらえることができなかったようでありますから、もう一ぺんお願いいたします。
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淡谷悠藏#28
○淡谷委員 農地局長に一つお伺いしたいことがあるんですが、実は農業委員会法改正につきましては、われわれ団体の性格に大へんな疑点を持っております。これが行政機関の単なる補助機関であっては、私ども、今の複雑な農地事情の改正はできないと思います。一体、現在の香川県、その他に起っておりますような大量の土地取り上げ並びに先般来しばしばいわれました地主連盟、こういう動きに対しまして、単なる行政官庁の指令一本で解決ができるような状態にあるかないか、その点を一つ局長からざっくばらんにお答え願いたい。
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安田善一郎#29
○安田説明員 御質問は簡明でありますが、社会、経済問題としては複雑な問題でありますので、よくお答えし得るかどうか、なんでありますが、終戦後、農地改革が行われまして、その担当機関として農地委員会が設けられました。その後農業委員会になっておりますが、所有権の有償、無償の移動、賃貸借の解除、買い上げ、あるいは転用等の問題、特に既得権等先般農林委員会で御調査下さいました地主の小作地取り上げ、集団的な取り上げ等の問題が、いろいろの政治的、社会的な情勢で団体活動も加えまして起きてきておるわけでございますが、何と申しましても、農業委員会の機構は行政委員会としまして、法令に基いて農地事務を処理することになれておりまして、ある程度の変遷はありますが、その委員会の委員、または特にその書記は、相当活動いたしておると思います。今後においても、必ずしも農地関係の事務だけを農業委員会は扱うのではございませんが、他の農業関係の行政機関、その他の団体を通観いたしまして、特に重要で法令上の仕事である農地関係の事務は、行政機関である農業委員会が特に力を入れまして、さらに問題が複雑な農業経営、または農政制度の基本の問題でございますから、あるいは農民組合その他の農業団体、または農業委員会と直接関係のある団体としましての都道府県の農業会議、またその上部構造である全国農業会議所これらが一体となって活動していくのが最も適当じゃないか。他方、農地法そのものは、農林省、県知事の関係をもちまして、行政庁として事務を処理することも明確になっております。これを要しますに、農地法の擁護あるいは励行、農地委員会制度維持、今後に処する態度といたしましては、行政庁そのもの、並びに適当なる行政補助機関である、しかも行政委員会の制度を持った農業委員会、それに参加しておる農業会議、その他民主的な農民の自覚を基礎にしました団体等が総じて協力して農地法の励行、農地改革の成果、さらには農業改革とでもいうべき農民生活の向上、農業生産力の発展に努力して、協力してやっていくのが一番いいと思います。またそれしか方法はないだろうと考えます。
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