文教委員会

1957-04-25 衆議院 全225発言

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会議録情報#0
昭和三十二年四月二十五日(木曜日)
    午前十一時二分開議
 出席委員
   委員長 長谷川 保君
   理事 赤城 宗徳君 理事 高村 坂彦君
   理事 坂田 道太君 理事 米田 吉盛君
   理事 河野  正君 理事 佐藤觀次郎君
      永山 忠則君    塚原 俊郎君
      木下  哲君    小牧 次生君
      櫻井 奎夫君    高津 正道君
      野原  覺君    八木  昇君
      小林 信一君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
 出席政府委員
        警察庁長官   石井 榮三君
        警 視 監
        (警察庁警備部
        長)      山口 喜雄君
        文部事務官
        (初等中等教育
        局長)     内藤誉三郎君
        文部事務官
        (管理局長)  小林 行雄君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計局予算実
        地監査官)   穗刈 誠一君
        文部事務官
        (大臣官房総務
        参事官)    齋藤  正君
        文部事務官
        (初等中等教育
        局地方課長)  木田  宏君
        専  門  員 石井つとむ君
    —————————————
四月十九日
 委員辻原弘市君辞任につき、その補欠として鈴
 木義男君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十五日
 委員鈴木義男君辞任につき、その補欠として八
 木昇君が議長の指名で委員に選任された。
    —————————————
四月十八日
 大学における単一学部制度実施に関する請願(
 世耕弘一君紹介)(第二七九二号)
 同(受田新吉君紹介)(第二八七六号)
の審査を本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 私立学校教職員共済組合法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第九四号)
 学校教育、学術及び宗教に関する件
    —————————————
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長谷川保#1
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
 文教行政に関し質疑の通告がありますので、順次これを許します。野原貴君。
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野原覺#2
○野原委員 灘尾文部大臣に、緊急にお尋ねをいたしたいのであります。私がお尋ねをいたしたいことは、先般四月十日のこの委員会において、自民党の高村委員から、佐賀県教職員組合の、二月におけるいろんな要求に関連してのお尋ねに対しまして、文部大臣から御答弁があった点についてでございます。つまり高村委員のお尋ねに対しまして、文部大臣といたしましては、今回、佐賀県教育委員会が、佐賀県の教職員十一名に対して停職処分をいたしたことを、私は支持するというような意味の御答弁がなされておるのでございますが、文部大臣は、何を根拠にして、佐賀県教育委員会の処分を支持すると、こういう御答弁をなさったのか、まずその点をお伺いしたいと思います。
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灘尾弘吉#3
○灘尾国務大臣 私が、どういうふうな用語を用いましたか、速記録によって御承知を願いたいと思うのでありますが、私は、今回の佐賀県の問題につきましては、県教委がこれを違法なりといたしまして処分をいたしましたことは、これはやむを得ないことであるというふうに申し上げたつもりであります。
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野原覺#4
○野原委員 やむを得ないという根拠をお示しいただきたいのであります。実は、この点につきましては、私も、高村委員が質問をされましてから、佐賀県の実情等については調査をいたしてみましたし、なおまた御承知のように、昨日は佐賀県の警察が逮捕状の執行をするというような、まことに遺憾な事態にまで発展をいたしておるのであります。従って、文教行政の最も責任のある地位におられます文部大臣の御発言が、今日の教育界に与える影響はけだし少くない、このように私思いますので、あなたが、佐賀県教育委員会が停職処分にしたのはやむを得ない措置だ、どういうわけでやむを得ない措置だという御解釈をおとりになるのか、お伺いしたい。
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灘尾弘吉#5
○灘尾国務大臣 教職員が、その要求の貫徹のために、正常な授業時間を打ち切りまして、一斉早退するとか、あるいは賜暇闘争戦術に出るというようなことは、私は、現在の法規の上から申しまして、違法であると考えておるのであります。文部省といたしましては、さような見解を持っておる次第であります。その点につきましては、各地方教委にも、その趣旨は徹底いたしておると私は考えております。今回の佐賀県の問題につきましては、地方の佐賀県教委におきましても、この三割、三割、四割の賜暇闘争戦術というものにつきましては、これは違法であるという考えのもとに、さようなことのないようにというので、いろいろ努力いたしました結果が、やはりこれが断行せられたわけであります。そういうふうな事態のもとにおいて、佐賀県教委がこの処置をとりましたことは、私はやむを得ないことと考えるのであります。
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野原覺#6
○野原委員 あなたは簡単に、違法なる行為を佐賀県の教職員諸君がとった、こういう断定を下されますが、これはきわめて重要なことでありまして、私は、佐賀県教職員組合、佐賀県の教職員諸君のとった行動が、違法であるか、合法であるかというこの問題は、相当検討してみなければ、簡単に結論は出せまいと思うのです。そこでお伺いいたしますが、佐賀県においてあのような問題が起った発端、つまり佐賀県の教職員諸君が何を要求するために、何のためにあのような事態にまで発展をしたのか、そのことを、どのような御認識を持っていらっしゃるか、承わりたいのです。
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灘尾弘吉#7
○灘尾国務大臣 佐賀県の教組の諸君が、整理の反対でありますとか、あるいは地方財政の関係でいろいろ要求を持っておられる。これは私ども承知いたしております。その点につきまして、佐賀県の教組の諸君が、それらの主張を掲げて、これを要求されることについてかれこれ申すのではありません。ただ、しかしながら、そのためにとられました行動は、これは違法である、かように私どもは考えております。
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野原覺#8
○野原委員 佐賀県の教職員諸君は、これは内藤初中局長も、この前の委員会で答弁をされておりますが、この速記を読み上げるまでもなく、これは文部省も、大臣も、ただいま申されたように、佐賀県の定員の問題、佐賀県教育界における学校、特に小、中校における定員を最低二百五十九名整理しようという、二百五十九名整理されますことによって、昨年度より二百五十九名のマイナスになる。せめて昨年度くらいの定員は確保していかねばならない。これは地方財政再建団体になっておりますけれども、しかしながら佐賀県は他府県に比較して、その教員定員数というものはきわめてよくない。それをまた二百五十九名マイナスするということになれば、これは事は、教育の問題、教育の危機の問題につながってくるという認識から、当然、教育を守り育てていかなければならないというために教職員が団体を結成しておる組合としては、二百五十九名の整理には断固反対をする。同時に、これは内藤さんはよく知っておるでしょう。昇給、昇格は、佐賀県では完全に履行されておりません。法律が昇給昇格を命じておりながら、その昇給昇格すらも完全に実施されないということは、これは今日まで何回となく交渉もし、要求もし続けて参ったのでありますけれども、それが何ら実現をされない。そこで最も大切なこれらの問題をどうしたならば抜本的に一体解決ができるのかということを、本年の一月から、これは各学校において職場会議を開いて、そうして全組合員諸君によって討議を続けておるのであります。しかもこの二月十四、十五、十六の三日間に、佐賀市と唐津市に集まって集会を開くということは、これは全組合員諸君の民主的な意見によって決定をしておる。だから二月十四、十五、十六の三日間のこの集会の決定というものは、これは教員組合の執行委員長の独断でやったとお考えになっておるのか、それとも執行部の専断でやったとお考えになっておるのか、それともこの決定というものは、全教職員組合員の民主的な討論の結果、採決の結果、決議されて行われたものである、このように把握しておるのか、いかがですか、これを文部大臣に承わりたい。
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灘尾弘吉#9
○灘尾国務大臣 佐賀県の教組が一つの意思決定をなしたという手続につきましては、いろいろ大会を開いて組合員の意向を聞いて、その決定によってきめたということは、これは事実であろうと思います。しかしながらそのことは、決してこれは合法性を認めるわけには参らぬ、かように私は考えるのであります。事柄自体はいかなる動機に出たにもせよ、またいかなる理由によるにもせよ、今回とられましたところの行動は、これは適法なものではないというふうに私は考えます。
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野原覺#10
○野原委員 そこで、もっと論点を明確にするためにお尋ねをいたしますが、佐賀県教育委員会が今回停職処分に付し、それから警察がその疑いありとして逮捕にまで出たというその問題点の核心、それは一体どこでございますか。
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灘尾弘吉#11
○灘尾国務大臣 私は前々から申し上げておるのでありまするが、教職員組合の諸君が法令の範囲内において行動ぜられることについては何ら申し上げることはございません。しかしこれが法規を逸脱した行為をすることは厳に慎しんでもらいたいと考えております。その意味におきましては、私就任以来地方の諸君にもそのことを申しておるわけでありまして、佐賀県の教委がその趣旨に基きまして、これを違法なりと断じ、そうしてこれに対する行政処分を行いましたことも、また今回警察権のことにつきまして、私かれこれ言うのもいかがかとも思いますけれども、警察のさような認識のもとにその処置をとられたものと私は考えるのであります。
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野原覺#12
○野原委員 そういたしますると、今回とった行動のどこが違法であるというのか、違法ということになれば、これは法令に違反する、法規に違反するということだろうと思う。佐賀県の教員諸君のとった行動のどの点が、どの法規に違反すると考えておられるのですか、承わりたい。
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灘尾弘吉#13
○灘尾国務大臣 佐賀県の教組が、二月十四日以降でございましたか、三日間にわたりまして三割、三割、四割という賜暇闘争をやられた、その点が私どもは地公法の第三十七条に違反しておるものと考えております。
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野原覺#14
○野原委員 賜暇闘争が地公法三十七条に違反すると簡単に言われまするけれども、賜暇闘争とは一体何でございましょう。賜暇とは、これは賜暇の暇はいとまでございますから、おそらく休暇を賜わって戦った、休暇を賜わりて戦ったことが何で違反になりますか。賜暇闘争が違反であるとあなたは言われますけれども、これは賜わるのです。休暇を賜わって、そうして組合が、しかも教育を守るために、全組合員の民主的な意思に従って要求を貫徹しようということは何も違反じゃないじゃないですか。賜暇闘争は少しも違反じゃないじゃないですか。文字からいって私はこう考えるのですが、いかがでありますか。
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灘尾弘吉#15
○灘尾国務大臣 私は通常用いられておる言葉をそのまま引用したわけでございますが、それはお話の通り正確にいえば、あるいは賜暇闘争ということは当らぬかもしれません。今回の場合は、いわゆる年次有給休暇をとって、そうして学校を休んで大会を開こう、こういうことをやったわけでありますが、その休むのにつきましても、大多数の諸君は上司の承認も許可もなくして、ほしいままに大会に集まっておる、かような状況でございますので、さようなことは地公法第三十七条に該当するものと私は考えております。
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野原覺#16
○野原委員 年次有給休暇は、これは教員の場合は要求ができると思う。まずその点からお伺いしたいと思いますが、教員諸君が年次有給休暇を要求できるその法的根拠、並びに要求するに当っての配慮しなければならない問題点があれば、文部省はどういう点だと認識しておられるか、その点を承わりたいのです。
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内藤誉三郎#17
○内藤政府委員 労働基準法によりまして、年次有給休暇をとることができることになっておりますし、これは二十日間をただいまのところ認めておるわけでございます。ただし年次有給休暇を請求された時期に与えなければならぬのですけれども、そのときが業務の正常なる運営と申しますか、支障を来たすというような場合には、他の時期に与えることができるということになっておりますので、許可を受けて休むというのが建前になっております。
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野原覺#18
○野原委員 実はその点が私は焦点だろうと思うのです。その点に対する法律解釈を明確にしなければなるまいかと思うのです。教育委員会の停職処分が妥当であるかどうか、あるいは県の警察本部が逮捕したことも、その可否を私どもが批判、論究する場合には、ただいま言われた年次有給休暇についての考え方を明確にしてかからなければならぬと思う。そこでこの第三十九条年次有給休暇第三項に何と書かれてあるか。「使用者は、前二項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。」、こう書いてあります。この解釈をどのように文部省当局はおとりになるつもりか。「使用者は、」「労働者の請求する時季に与えなければならない。」、与えることができるじゃない、与えなければならぬとある。従って年次有給休暇の申し出を教員諸君がした場合には、当然教員諸君を使用する者、これは法規上は教育委員会であろうと思いますが、その服務、監督の権限のある教育委員会というものは与えなければならぬのです。これは与えないわけにはいきません。ところがその次に「但し、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。」とある。このことを内藤さんは指摘されて、事業の正常な運営を妨げるからだ、こういう解釈を教育委員会がして与えなかったにかかわらず、教員諸君がその有給休暇をとった。従ってこの点が違法だ、こういう解釈だろうと思いますが、念のためにそうであるかどうか、なおあなたにしてこの点について御発言したいところがあれば、十分発言をしていただきたいと思う。そこなんだ。
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内藤誉三郎#19
○内藤政府委員 ただいま野原委員のお話の通りでございまして、確かにこの三十九条三項によりまして、使用者は、労働者の請求する時期に与えなければならぬ。しかしお話にもございましたように、ただし書きによって、請求された時期に有給休暇を与えることが学校の事業の正常な運営を妨げるという場合においては、他の時期に振りかえてよろしい、こういうことでございますが、お話のように三、三、四というふうに相当広範囲に支障を与えることは、学校の正常な運営を阻害する、かように教育委員会は判断し、許可を与えなかったのであります。
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野原覺#20
○野原委員 「与えなければならない。」というのですから、これは当然与えないわけにはいかないのです。有給休暇の申請に対しては与えないわけにいかない。与えなかったということに対しては、正常な事業運営に阻害がある、こういうように判断した、こういうわけでありますけれども、正常な事業の運営に、具体的にいえばどういう阻害があるとお思いになりますか。正常な事業の運営の上に阻害があるかどうかという問題が、やはり論点の焦点になる。どういう点が正常な事業の運営を阻害するとお考えになりますか。あなたは教育委員会を支持するとおっしゃるのですから、お聞きしたいのです。どういう点ですか。
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内藤誉三郎#21
○内藤政府委員 今お話の「与えなければならない。」というのは、他の時期にも与えればいいのであって、請求された時期に与えなくても差しつかえないと思う。そこでこの場合、佐賀県がとりました措置としては、三割、三割、四割——教員諸君が一ぺんに三割の休暇をとられた場合には学校が予定しておった事業の運営は、おそらく困難になるわけでございます。こういう見地から佐賀県教育委員会は、この休暇については休暇を認めない、こういう方針をとったわけでございます。
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野原覺#22
○野原委員 この「与えなければならない。」という点は、非常に重要な意味があるのです。だから与えなければならないにかかわらず与えないという場合は、これは労働基準法第百十九条によって、六カ月以下の体刑なんです。これは労働者諸君が有給休暇を要求する場合には、やはり要求する理由がある、時期があるわけです。だから有給休暇というものは、労働者を主にして考えるべきものなんです。使用者がおのれの都合のいいとき、きょうは休め、これは有給休暇の精神に沿わない。百十九条が罰則を規定しておるのは、労働者を主にして考えなければならない。与えなければならないときに与えないというところに、実は法的な措置を下さなければ、労働者の有給休暇の意味がなくなる。たとえば使用者が都合のいいとき、盆や正月に使用者が、あるいは会社の石炭が不足で休まなければならぬ、こういう事態において、きょうは有給休暇をやるよと言われても、労働者はほしくない。労働者のほしいときにもらってこそ、初めてこの労働基準法が、労働者の勤務条件、労働者の生活を守るために作られておる労働基準法の年次有給休暇の精神が生きてくる。あなたは労働法を知らないかもしれないが、あなたは教育の法規は詳しいかもしれないが、労働法規はそうなっておる。だから与えなければならぬにかかわらず、教育委員会が、正常な事業の運営に支障を来たす、こういう判断をすることが一体妥当かどうかということです。与えなければならぬにかかわらず与えなかった。与えなかった理由は、正常な事業の運営に支障を来たすのだ、こう判断した、こういうのでございますか。どの点が正常な事業の運営に支障を来たすのか、正常な事業の運営に支障を来たすというその見解、その解釈の根拠になるものは何か、これははっきり述べていただきたい。
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内藤誉三郎#23
○内藤政府委員 それはお話のように三十九条三の後段ですから、与えなければならぬことは事実でございますが、しかしその時期は、使用者が正常な事業の運営に支障がないという判断をしたときに振りかえて与えることができるわけでございますから、お尋ねの学校の正常な運営が、三割あるいは四割休んで正常な事業が維持できるということは、これは私どもとしては想像するだに不可能かと思います。もし、かりに三割なり四割休んでも学校の正常な事業が行えるということになりますれば、それだけ教員が多いということに私はなると思います。
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野原覺#24
○野原委員 正常な事業の運営ということを建前にして、与えなければならないところの有給休暇を与えなかったということは、正常な事業の運営という名をかりて職権を乱用したととられる。よろしいか、これは与えなければならないにかかわらず与えない。与えない理由は何かといったら、正常な事業の運営を阻害するのだ。正常の事業を阻害するという名前をかりて、この使用者である教育委員会が職権を乱用した、こう解釈されるが、この労働基準法からいけば職権乱用でないというあなたの確信があれば述べてもらいたい。
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内藤誉三郎#25
○内藤政府委員 野原委員は前段を非常に強調されるのですけれども、これはただし書きがついておりまして、ただし書きと一緒に見るのが私は正しい解釈だと思います。その場合、与えるというのは、一年三百六十五日でございますので、適当な時期に、しかも教職員の希望する時期に与えることが可能だと思います。今回与えなくても他の時期に与えることはかまわないと思います。
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野原覺#26
○野原委員 とんでもない解釈です。年次有給休暇というものは当然与えるべきものです。それはなるほどただし書きはある。しかし、このただし書きの適用というものは、あなたは労働法の書物を読んでみて下さい。私は、これは結局出ると思って読んできたが、ただし書きの適用というものは、これはよほど職権乱用にわたらない配意をしなければならないのです。私は佐賀県の場合には、これはいろいろこれからわれわれの見解を述べようと思いますが、あなた方は職権乱用でないという。だが職権乱用でないという確信はどこにもないじゃないか。あなたの今の議論を繰り返して私に言わしめるならば、それは責任者である教育委員会が正常な運営を阻害すると認めたのです。阻害すると認めたなら、認めただけの根拠がなければならぬ。その根拠を明らかにしてもらわなければならぬ。与えなければ、この有給休暇というものは生きてこない。この労働基準法三十九条というものは死文になってしまうわけです。だから、それは職権乱用ではございません、正常な事業の運営を阻害するのはこういう実質的な内容を持つのだという確信があって、初めてあなた方は佐賀県教育委員会がとった措置はやむを得ない措置だと判断するのでしょう。私はこういうことまで文部当局に質問はしたくないけれども、やむを得ないという見解を軽率に下すから私は言っておるのです。これは職権乱用でないという実質的な内容はまだ示されていない。どういう点が職権乱用でないか。私は職権乱用であるという立場をとる。これは明らかに三十九条の精神を無視したやり方です。こういう調子でいかれるならば、年次有給休暇を教員諸君はとれない。いつでも教育委員会はおのれの都合で、きょうは正常な事業の運営に阻害があるのだという判断を下されたならば、いつの日に年次有給休暇がとれますか。労働基準法三十九条は教員には適用されないじゃないか。教員だって労働者だ。職場で働いておる教員にもこの三十九条は適用されるわけです。それがいつも使用者の都合で、正常な事業の運営を阻害するという判断をされてはたまらぬのです。正常な事業の運営を阻害する場合には、私は正常な事業の運営を阻害するという客観的な内容というものが納得されなければならぬ、それを示してもらいたい。
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内藤誉三郎#27
○内藤政府委員 この場合でも、決して有給休暇を与えないと言っておるわけじゃないのです。教育委員会でも、適当な時期に、支障がないなら、本人の希望する時期に、できるだけ与えたいということは私は変りはないと思います。ところが今回の場合は三、三、四という闘争の一つの手段としてこの年次有給休暇をとる、こういう考え方でございますから、職場において三割、三割、四割というものが休まれたならば学校の正常な事業の運営は阻害されるという判断は、正しいと思います。こういう見地から今回の休暇を認めなかっただけでありまして、常時これを乱用するという考えは毛頭ないのであります。
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野原覺#28
○野原委員 とんでもないことである。教育の場において正常な事業の運営が阻害されたかどうかということを判断する場合には、いろんな各般の情勢、事情の上に立って、総合的な判断をしなければならぬと思うのです。だから地方公務員法の第四十六条によって教員諸君は勤務条件に関する措置の要求ができるわけでしょう。「職員は、給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、」云々。これは職員団体を構成している限り、教員諸君といえども職員団体を通じて勤務条件に関する措置の要求がこの地公法四十六条で認められておる。同時に労働基準法の三十九条によって年次有給休暇の権限も与えられておる。だからして私はこれは決して違法な行為ではないかと思う。これは地公法の四十六条と労基法の三十六条に基く行為でございますから、これは権利行使なんです。与えられておる権限を行使したにすきないわけなんです。ところがこの権限を行使するには服務上の監督機関の監督というものも考えなければならぬと思うのでございまするが、一体教員諸君の服務監督庁というのはどこだと考えておりますか。簡単な質問でありますけれどもこれはもう一度念のためにお聞きしたい。教員諸君の服務監督をするものはどこなんです。
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内藤誉三郎#29
○内藤政府委員 一般的にはその所管するところの教育委員会でございます。
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