農林水産委員会

1957-06-08 参議院 全155発言

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会議録情報#0
昭和三十二年六月八日(土曜日)
   午前十一時七分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     堀  末治君
   理事
           重政 庸徳君
           藤野 繁雄君
           東   隆君
           清澤 俊英君
   委員
           青山 正一君
           秋山俊一郎君
           佐藤清一郎君
           柴田  栄君
           関根 久藏君
           田中 啓一君
           仲原 善一君
           堀本 宜実君
           安部キミ子君
           河合 義一君
           北村  暢君
           上林 忠次君
           千田  正君
           北條 雋八君
  国務大臣
   農 林 大 臣 井出一太郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   外務省アジア局
   長       中川  融君
   外務省欧亜局長 金山 政英君
   食糧庁長官   小倉 武一君
   水産庁長官   岡井 正男君
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   水産庁次長   奧原日出男君
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査の件
 (日韓漁業問題に関する件)
 (第三繁栄丸に関する件)
 (北海道近海漁業安全操業及び底び
 き漁業に対するソ連の操業妨害に関
 する件)
 (千島列島居住漁業者更生に関する
 件)
 (亜庭湾におけるソ連の日本漁船抑
 留に関する件)
 (農林水産基本政策に関する件)
 (愛知用水公団に関する件)
 (昭和三十二年産米麦価に関する件)
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堀末治#1
○委員長(堀末治君) ただいまから農林水産委員会を開催いたします。
 漁業に関係している問題で、特に国際問題に関係のある件を議題といたしまして、かねて委員会の問題になっております日韓漁業問題の件、第三繁栄丸の件、北海道近海漁業安全操業及び底びき漁業に対するソ連の操業妨害の件、さらに最近問題になっております千島列島居住漁業者更生の件、亜庭湾におけるソ連の日本漁船抑留の件を、順次問題にいたします。
 議題がたくさんございますので、なるべく質疑は簡単にお願い申し上げたいと存じます。
 まず、日韓漁業問題の件を議題にいたします。
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安部キミ子#2
○安部キミ子君 この日韓問題は大へん長い問題でありまして、岸総理も渡米前には必ず解決すると、こういうふうにおっしゃいまして、いろいろ当局でも折衝が重ねられているかに聞いておりますが、昨日金大使と岸総理がお会いになって、相当突っ込んだ話し合いまでできているかに聞き及んでおりますが、一応その経過について御説明していただきたいと存じます。
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中川融#3
○説明員(中川融君) 日韓間の問題、主として李ラインをめぐりまして、日本の漁夫が抑留されておりますが、この八百名以上にすでになっております漁夫の方をできるだけ早期に日本に帰国するようにして差し上げたい、この問題につきまして、御指摘のように、交渉がすでに一年以上も続いておりまして、いまだに解決しないのははなはだ申しわけないと思っておるのでございます。
 これは、御承知のように、先方の交渉当事者がかわったというような事情もありまして、ちょっとおくれたのでございますが、その後新しい金大使が見えまして以来、岸総理ともすでに三回ほど会っておられます。なお、岸総理が東南アジアを旅行しておられる間には、石井外相代理及び大野事務次官、また外務省の事務当局と先方との話し合いが、引き続いて行われていたのであります。その前に、金公使と事務当局で話しておりましたところをそのまま引き継ぎまして、新しい大使との間に話が継続しておるのでございます。問題がまだ解決し双方の意見が合わない点が二つほどあるのでありますが、この点につきましては鋭意折衝いたしましておる結果といたしまして、若干向う側の態度も変ってきた面もあるのであります。
 昨日、岸総理が金大使と会われたのでございます。これは趣旨は、金大使が最近本国に帰っておりましたのが、一昨日帰って参りました関係上、そのあいさつということで昨日会われたのでありますが、その際の会談の模様といたしましては、双方から従来の経緯、これは数年間にわたる従来の経緯に必ずしもこだわることなく、友好裏にこの漁夫の問題を早く解決しようじゃないかということについては、再び意見の一致を見たのでありますが、結局具体的な文書の案の整理という問題につきましては、さらに外務事務当局と先方の代表部との間に事務的な話を続けるということになったのであります。事務的な話は昨日もいたしましたし、さらに来週月曜日にも引き続きするということになっております。できるだけ、総理が渡米されるまでに、本問題について目鼻をつけたいという気持で、努力しておるのでございます。先方との関係もありますので、はっきりした目測はいまだつけられないのは遺憾でありますが、そういう方向でできるだけの努力をしておるということを、御承知願いたいと思います。
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安部キミ子#4
○安部キミ子君 その意見の合わない点が二つあるという、その二つの内容はどういうものでしょうか。
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中川融#5
○説明員(中川融君) これはすでに相当長い間の問題でもあるのでありますが、漁夫の釈放を実現する、引き続いて約一カ月の後には日韓会談を再開する、第四次会談を再開するということで話を進めたのであります。で、根本原則については、もちろん異存はないのでありますが、具体的にどういう形で、どういう方式でということで、書いたものでその点をはっきりしようということで、書いたものの交渉がこの二月以来行われておるのであります。その書いたものの話し合いもほとんど全部妥結しておるのでありますか、二つの点につきまして、まだ意見が必ずしもつかない点がある。
 二つの点と申しますのは、結局、今度向うから漁夫が帰ってくるということになるわけでありますが、その帰ってくる漁夫の人たちが韓国側の国内法による刑を終えた人で、今大村に抑留されておる者というような字句や使うか使わないかという点が、一つの点であります。第二の点は、将来再開される会談におきまして議題となるこの財産権の問題につきまして、この点についてどういう表現の字句を使うか。これは内容にまで立ち至っておるわけではありませんけれども、財産権の問題を今後の会談で協議するというこの書き方についての点と、この二つの点で、われわれの気持としては、将来の会談を開いて根本的に懸案を解決する際に、少しでも日本側の不利になるようなおそれのあるような字句は、この際一切使わないというような基本的な考え方でありましたので、少しでもそういう疑いのあるような字句の表現は避けたいというような気持から、そういう二つの点につきまして向うと折衝中の点があるのであります。
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安部キミ子#6
○安部キミ子君 その字句の点といえば、大筋はすでに解決できておるけれども、字句の点で解決がつかないということであれば、どちらかが歩み寄っていけば、早急に実現できるということになりますか。
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中川融#7
○説明員(中川融君) 問題となっておりますのは字句の表現の点ではございますけれども、表現の仕方によって、もし将来の正式会談の際において取り上げられて討議される内容について、若干でも影響があるようなおそれがあるような字句は使いたくないというのが、こちらの基本的な考え方でありますので、その点について、従って、簡単といえば簡単ではございますけれども、できるだけ悪影響のないようにするという考慮から、折衝しておるわけでございます。
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安部キミ子#8
○安部キミ子君 私、時間を節約したいと思いますので、締めくくりの大事な点だけお尋ねしたいと思います。
 そうしますと、岸総理が渡米前に解決できるとおっしゃいました内容は、この二つの問題点が解決できてくれば、十七日に渡米なさいますが、その際には釈放という現実、事実にまで持っていける意味での解決、こう解釈してよろしいですか。
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中川融#9
○説明員(中川融君) 十六日と申しましても、あと一週間でございますので、その間にこの二つの字句の問題点をできるだけ解決したい。そうしますと、彼我の間に意見の一致を見るわけでございまして、文書の交換ということが行われると思います。文書の交換が行われれば、できるだけ早く、すぐにでも日本の漁夫の方の、抑留されている人たちの釈放を実現したい。またそうする運びになっておりますので、もしかりに十五日に話がきまりますとすれば、具体的な釈放が実現いたしますのは、十六日以後にこれはならざるを得ません。従って、総理の渡米後ということになりますけれども、いずれにせよ、話し合いだけはそれまでにきめておきたいというのが、ただいまの考え方でございます。
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安部キミ子#10
○安部キミ子君 そうしますと、政府の腹、あなた方の腹は、いろいろ将来の日本の立場もおもんぱかって御相談になると思いますが、大体少々のところは譲っても解決して、岸総理が、これは岸総理のはっきりした声明でもありますので、大かた十中のものは九分九厘まで、十六日までに釈放という段階まで来るであろうということの確信は、当局としては持てるのではないか、こう思いますが、その辺はどうでしょうか。
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中川融#11
○説明員(中川融君) われわれも、ぜひ抑留漁夫の方を一日も早く帰国できるようにして差し上げたいと思う心で一ぱいでございますので、単なる少々の字句とか、形式にこだわるつもりは少しもないのでありますが、もしもかりに、将来実質的な李ライン問題でありますとか、そういう実質的な問題に悪影響を及ぼすおそれがもしありと考えられるような字句であるとすると、これは相当重大なことでございますので、そういうことのないような内容で、これを一日も早く実現したいという考え方で進んでおるのであります。これは日本側と韓国側と、両方の考え方が寄って初めて解決できる問題でありますので、われわれだけの一方的な考え方だけで、果して十六日までに必ず、十中九までできるということは、実は申し上げかねると思うのでございます。先方も十分の誠意をもってこれに当ってくれれば、これは必ずや片づくものであると考えております。
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安部キミ子#12
○安部キミ子君 今の御答弁では、私はやっぱり心もとないと思うのですよ。そういう手で、今まで何回か抑留者の留守家族にも、私どもも説得さしてきたわけですね。現に、きのうも上京されました。十日には、大挙して上京されるのですよ。今度は、私が岸さんと同県であるとか、あるいは下関で岸さんがあれほどはっきり言明しておられたという意味で、私がその責任を負うているわけじゃないけれども、党派をこえて、やっぱりこの問題は、岸さんのためにも——ためにというのは何ですが、自分たちは党が違いながらも、よくないと思うのですよ、そうたびたびうそをつかれては。それで、十日には、私は一応留守家族の方に、今度は間違いありませんと、こうお答えしなければならない羽目に追い込まれているわけですがね。どうですか、その点。私、これは岸さんも同じだろうと思うのですが、まだやっぱりどうかわからぬというような答弁では、困るのですよ。大丈夫と答弁してもいいでしょう。
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中川融#13
○説明員(中川融君) 現在交渉している内容から申しますと、今韓国側がこういう字句で書いてくれといっておるそのことを、そのまま日本が承認するということは、私どもは正直のところ、将来の交渉を考えまして、適当でないと思っておるのであります。従って、韓国側と事務的な交渉を続けておるのでありまして、その点について韓国側の態度がある程度好転すれば、これはもちろんすぐにでも片づけたいと思っております。しかしながら、今向うの言う通りの字句を使って、それではこれを片づけるべきだということになりますと、必ずしもそれは、将来のことを考えて、適当でないように思うのでありまして、従って、これは先方とできるだけさらに頻々と会いまして、折衝して、何とか日本側としても後顧の憂いなく話がつけられる形で話をつけたいというのが、ただいまの考え方でございます。従って、十六日までに必ずできるということを申し上げるということは、やはりこれはちょっと、この際言うのは適当でないのじゃないかと思っております。
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安部キミ子#14
○安部キミ子君 それじゃ、今度は言いますが、それじゃ、それも明るい見通しじゃなくて、はっきり答えられない。私も、責任を持って答えられないということを向うさんに言うてもいいですね。それじゃ、そう言うより仕方がないですが、それでいいですか。そういうことになるですね。
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中川融#15
○説明員(中川融君) できるだけ十六日までに片づけるように、政府としては一生懸命努力しておるということである、というふうにお答え願いたいと思うのであります。
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安部キミ子#16
○安部キミ子君 よろしいです。
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千田正#17
○千田正君 ちょっと、今の日韓問題について。今の中川局長のお話であるというと、岸総理が渡米前に一応片をつけたい。新聞でも発表しております。ただいまのお答えにも、そういうふうに伺っておりますが、あれによると、同時釈放ということを言っておりますね。釈放に関しては、今まで不法監禁した問題については、もう全部御破算、何ら両国とも、大村収容所におった者も、また向うに抑留されておった者に対しても、別にそれに対しての補償であるとか、そういうような問題は全然両方とも考えずに、同時釈放ということで、まあ進んでおるということですか。
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中川融#18
○説明員(中川融君) お互いに、たとえば日本から申しますと、大村に今朝鮮の人が入っておるのは、日本の国内法に基いて正当の措置として入っておるのであって、これは向うが言ってきたからといって、釈放すべき理由は、法律的な理由はないというのが、われわれの正式な態度であります。韓国側から言わすと、日本が大村に入れているから、また釜山でも抑留して帰さないのだ、日本側に責任があるのだ、原因があるのだというようなことを言っておるわけでありまして、お互いに自分の合理的な立場を主張しておりましたのでは、との問題は片づきませんので、そういう点は一応はずしまして、現実の人道的な見地から、理外の理として、この際同時釈放をやろうということになったのでありまして、従って、これによって補償とか、そのようなことは、双方とも、ただいまのところは考えていないわけでございます。一切のこれの根本的解決、今後の措置というようなものは、全部再開される第四次日韓会談で協議してきめようという考えでおるわけでございます。
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千田正#19
○千田正君 大村に収容されておるところのいわゆる韓国人というものは、出入国管理令に基くところの違反者のみならず、国内において犯罪を犯して退去命令を受けておる者も含んでおると思いますが、出入国管理令に基く問題は、一応それは大した問題じゃないとしましても、日本国内において凶悪なる犯罪等を犯した者に対しても、これは何ら、無条件で釈放するという考えで外務省は進んでおられますか。
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中川融#20
○説明員(中川融君) 国内で犯罪を犯しました朝鮮人は、一応はもちろん刑法によりまして罰を受けるわけでありまして、刑務所に入る場合には、刑をおえた者は釈放されるわけでありますが、釈放された者はやはり日本に置いておくことが好ましくない外国人ということで、その中で情状が重い者は、出入国管理令の条章に照らしまして、強制退去処分に処するわけであります。従って、それが大村の収容所に入るわけでございます。一方、日本に密航して入国する者も相当多いわけでありまして、これらの人も、これは密航者としてやはり出入国管理令によって退去されるわけであります。これらの二つのグループの者が大村にいるわけでございます。今回の措置は、日本の国内法に基く強制退去措置であるけれども、出入国管理令によりましても、たとえば仮釈放の措置でありますとか、あるいは強制収容を免除する措置であるとか、そういう規定がございますので、そういう規定を当てはめまして、これは国内において釈放しようというのが今回考えている措置であります。従って、これは無条件と申しますか、出入国管理令の条項に従って、これを内地においてあるいは仮釈放、あるいは釈放しようというのが、考え方でございます。
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千田正#21
○千田正君 韓国における今まで抑留された日本漁夫が、日本としては、それは一つの韓国の法律を犯した者という観点を持っておられるのですか。これは将来日本の国際法に基く大きな問題であり、われわれ少くとも農林水産の議員としましては、やはり彼らが勝手に作った李承晩ンラインというものは、国際法の通念からいえば、とうてい認容し得ないところのラインであり、それが当然公海の自由の原則のもとに漁師が漁をして、いるものに対して、一方的に国内法をもってそれを取り締るということになるというと、かりに今度は釈放されたとしましても、残る問題は国際通念から来るところのいわゆる領海の問題になると思います。それに対しては、外務省としてはどういう観点に基いておられるのですか。
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中川融#22
○説明員(中川融君) 韓国としては一応、国内法でいわゆる平和ラインと称するものを作って、ここに入る者はつかまえて罰するという国内法があることは事実でございましょう。しかし、そういう国内法は公海の自由という国際法の大原則のもとに違反している国内法であるというのが、われわれの基本的な立場であります。従って、いわゆる平和ラインというものを設置しました韓国側の布告、あるいはそれに伴う国内法というものにつきましては、われわれは機会あるごとにこれに対して抗議をしているわけであります。従って、韓国側の措置というものを日本側は、やはり国際法上不法な措置である、かような考えで一貫して進んできているわけであります。日本としては、国際法上認められました領海の範囲以外の海域は、これは自由にここで航海もし、あるいは魚もとれるというのが、われわれの考え方であります。
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堀末治#23
○委員長(堀末治君) 次に、第三繁栄丸の件を議題といたします。
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秋山俊一郎#24
○秋山俊一郎君 まず、例のインドネシアに抑留されておった第三繁栄丸の措置につきまして、その後の状況を承わりたいと思います。
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中川融#25
○説明員(中川融君) インドネシアに不法に一カ月も抑留されまして、非常な物心ともに損害を受けました第三繁栄丸の件、すでに一年半以上にわたる問題でございますが、いまだに最終的な解決をみないということは、まことに申しわけなく思っているのでございます。当委員会の累次の御注意もございますので、われわれといたしましては、鋭意インドネシア側に交渉を続けてきているのであります。一時インドネシア側は、いろいろ検討調査した結果、第三繁栄丸を調べたインドネシア側の措置というものは、インドネシアの国内法上、またインドネシア全水域が戒厳令下にあったというようないきさつから見て、これは合法的な行為である。従って、それに伴う損害については補償の義務がないということを、一ぺん回答してきたのであります。四月ごろであったと思いますが、回答してきたのであります。その回答に対しましては、こちらはそういう理屈にはとうてい承服できない、人道上の見地からインドネシアの漂流した漁夫を救って、しかも通報してインドネシアの港に入った船を調べるということ、単に調べるだけでなく、一カ月もこれを抑留しておいたということは、これはどう見ても正当化することはできないのであって、あらゆる責任はインドネシア側にある、それによって一応損害は全部インドネシアに補償の義務があるということを、再度強く向うに申し入れたのであります。その結果といたしまして、先月の末に先方から返事が来たのでありますが、その返事は、インドネシア側としては第三繁栄丸に対する措置というものを不法であったというふうに認めるわけにはいかない、しかしながら気の毒な事情ということは十分わかるので、何らかの形で見舞の金は出したい、その金額について交渉したいという申し入れがあったのであります。その申し入れに対しまして、われわれといたしましては、これはそういう形でのインドネシア側の行為というものは承服できない、やはりインドネシア側としては責任がある、補償の責任がある、単なる見舞金というのではなくて、実損害をやはり補償するということにしてもらわなければ困る。その具体的な金額も、水産庁と御相談いたしまして、四百三十六万円余であったと思いますが、これだけの実損害ということを再度重ねて先方に申し入れたのであります。今先方の回答を待っておるところでございますが、そういう状況になっております。
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秋山俊一郎#26
○秋山俊一郎君 ようやく一歩くらい進んだような感じがいたしますけれども、一昨年の七月でありますから、もう二年になるわけです。その間、当委員会でもしばしば質問もし、また督促といいますか、鞭撻もしてきたわけでありますが、今の御報告によりますと、向うも大体従来のようなひどい、突っ張りはせぬ。しかしながら、みずからの非は認めていない。ただ気の毒だという考え方では、これは外務省当局と同様に、われわれも納得がいかないのでありますが、この見舞金であるとかあるいは補償問題というとで、またもみあっておって、いつまでこれがかかるか、このまままた、今までの経過からしますというと、まことに心もとない話でありまして、先般の委員会においてアジア局長からお話もありましたように、これはどうも、いつまでもぐずぐずするようであれば、特にこちらから人を派遣してでも解決するというお話があったのですが、今日の段階においてそういったようなお気持はありませんか。今のような、ただ文書で行ったり来たりしておったら、またどれだけかかるかわからない。局長も、いろいろお話を聞きますと、いつまでもとどまっておられないようなお話もありますし、これを手がけておる方が当っていただきませんと、また問題は新しくなりまして、さらに延びる気がするが、この際思い切って、外務省からどなたか行ってもらったらどうですか。この間倭島公使が帰られたときに、なぜ倭島公使が交渉されなかったかということをお尋ねしましたところが、倭島公使は賠償問題に限られておって、一般問題に触れることはできないのだという、われわれはちょっとおかしい感じがしたのですが、御答弁がありました。また、そういうことで、実際上この問題にタッチしていなかったならば、これはまたやむを得ませんが、いずれにしましても、金額等について、あるいは事は小さいようでありますけれども、問題がわれわれとしては人道上の問題から発しておるのであって、当然感謝をもって迎えられるべきものが、罰をもって迎えられたということについては、非常な私は不満と憤激を感ずるわけです。一面から申しますと、日本の国威にも関する問題であると私は考える。従いまして、その問題の大小にかかわらず、重大視してもらわなければならぬと思いますが、この際一つ思い切って外務省から人を派して、この問題を早急に解決していただく御意図はございませんか。
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中川融#27
○説明員(中川融君) 秋山委員から御指摘の点、まことにごもっともでございまして、私も、人を派して交渉することも考えたいということは、確かに申し上げた経緯があるのでございます。その後、人を派するに至らなかったゆえんのものは、いろいろ研究いたしてみますと、ここの総領事というものを通じて強力に押すことが、これが案外きき目があるのじゃないかというような判断から、この総領事を通じましての交渉をやりましたために、人を派すということがまだ実現しなかったのでありますが、幸い向うの態度にも若干の歩み寄りの兆が見えておりますこの際、こちらから人を出しまして、またインドネシア木国政府を強くつっ突くということは効果があるのではないかと、私も思っております。幸い今回インドネシアにおきます公使の更迭がございまして、新任公使が、今度は総領事と兼任の資格をもって新任の公使は行くはずでございます。近く任命になりまして赴任するはずでございますので、今回は前任の倭島公使の場合と違いまして、あらゆる事務をその公使が同時にするという格好になりますので、この公使が赴任する機会をとらえまして、この繁栄丸の問題につきましても、賠償問題と同時に、まず第一に着手すべき仕事として、この公使にこの問題を推進してもらいたいと思っておるのでございます。
 従来のやり方からでは、総領事と公使というものが別建てでございまして、公使は賠償問題及び国交回復問題だけを交渉する、この目的のために特派された公使という格好になっておりましたので、先ほど倭島公使から秋山先生にお話があったような説明になったと思うのでございますが、今回の新しい方式によりまして、公使がみずから強力にこの問題の解決に当るという態勢になりましたので、そんなようなことを手配しております。
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秋山俊一郎#28
○秋山俊一郎君 それは公使として行かれるのでございますね。それはいつごろ赴任される見通しでございますか。
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中川融#29
○説明員(中川融君) おそらく来週早々は正式任命になると思います。そうしますと、やはり二、三週間以内には赴任すると思います。三週間の間には赴任いたすと思います。
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